JP2021110283A - 内燃機関の気筒休止装置 - Google Patents

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俊児 鱒渕
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Abstract

【課題】内燃機関の暖機中に好適にEGRを実行する。【解決手段】常時稼動気筒#2,3と休止可能気筒#1,4を有する内燃機関の気筒休止装置が提供される。気筒休止装置は、休止可能気筒における吸気弁および排気弁のバルブタイミングを可変とするように構成されたタイミング可変機構51と、内燃機関の気筒休止運転時に、休止可能気筒において、吸気弁のバルブタイミングを進角し、排気弁のバルブタイミングを遅角するよう、タイミング可変機構を制御するように構成された制御ユニット100とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は内燃機関の気筒休止装置に係り、特に、多気筒内燃機関における一部の気筒を休止させるための気筒休止装置に関する。
燃費や排気エミッション等を向上するため、全気筒のうち一部の気筒を休止可能な多気筒内燃機関が公知である(例えば特許文献1参照)。またこうした内燃機関において、外部EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)装置により、排気の一部(EGRガスという)を吸気側に環流させるEGRを実行し、NOxを抑制することも知られている。
特開2018−21481号公報
ところで外部EGR装置の中には、エンジン冷却水を冷媒として使用する水冷式EGRクーラを備えるものがある。しかし、冷却水温度が低い機関暖機中に水冷式EGRクーラにEGRガスを流してしまうと、EGRガスの凝縮によってできた凝縮水がEGRガス中の硫黄成分等と反応して腐食性の高い酸性液を生成し、EGRクーラを腐食させる虞がある。そのため、内燃機関の暖機中には外部EGR装置を停止してEGRを停止することがある。
その一方で、近年の排ガス規制の厳格化に伴い、機関暖機中にもEGRを行う要請があり、この要請に応える必要がある。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、内燃機関の暖機中に好適にEGRを実行することができる内燃機関の気筒休止装置を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
常時稼動気筒と休止可能気筒を有する内燃機関の気筒休止装置であって、
前記休止可能気筒における吸気弁および排気弁のバルブタイミングを可変とするように構成されたタイミング可変機構と、
前記内燃機関の気筒休止運転時に、前記休止可能気筒において、前記吸気弁のバルブタイミングを進角し、前記排気弁のバルブタイミングを遅角するよう、前記タイミング可変機構を制御するように構成された制御ユニットと、
を備えることを特徴とする内燃機関の気筒休止装置が提供される。
好ましくは、前記制御ユニットは、前記内燃機関の気筒休止運転時に、前記休止可能気筒において、前記吸気弁のバルブタイミングを全気筒運転時の前記排気弁のバルブタイミングまで進角し、かつ、前記排気弁のバルブタイミングを全気筒運転時の前記吸気弁のバルブタイミングまで遅角するよう、前記タイミング可変機構を制御する。
好ましくは、前記内燃機関は、複数の前記休止可能気筒を有し、
前記タイミング可変機構は、前記休止可能気筒毎に前記吸気弁および前記排気弁のバルブタイミングを可変とするように構成され、
前記制御ユニットは、前記内燃機関の気筒休止運転時に、前記内燃機関の負荷に応じて、前記吸気弁のバルブタイミングを進角し前記排気弁のバルブタイミングを遅角する休止可能気筒数を変更する。
好ましくは、前記気筒休止装置は、前記休止可能気筒における前記吸気弁および前記排気弁のバルブリフトを可変とするように構成されたリフト可変機構をさらに備え、
前記制御ユニットは、前記内燃機関の気筒休止運転時に、前記休止可能気筒において、前記吸気弁および前記排気弁のバルブリフトを減少するよう前記リフト可変機構を制御する。
好ましくは、前記内燃機関は、複数の前記休止可能気筒を有し、
前記リフト可変機構は、前記休止可能気筒毎に前記吸気弁および前記排気弁のバルブリフトを可変とするように構成され、
前記制御ユニットは、前記内燃機関の気筒休止運転時に、前記内燃機関の負荷に応じて、前記吸気弁および前記排気弁のバルブリフトを減少する休止可能気筒数を変更する。
本開示によれば、内燃機関の暖機中に好適にEGRを実行することができる。
実施形態に係る内燃機関の概略図である。 内燃機関の運転領域を示すマップである。 全気筒運転時と気筒休止運転時のバルブタイミングを示すバルブリフト線図である。 制御のルーチンを示すフローチャートである。 第1変形例における気筒休止運転時のバルブタイミングを示すバルブリフト線図である。 第2変形例における気筒休止運転時のバルブタイミングを示すバルブリフト線図である。 第3変形例における内燃機関の運転領域を示すマップである。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
図1は、本開示の実施形態に係る内燃機関の概略図である。内燃機関(エンジンともいう)1は、車両に搭載された多気筒の圧縮着火式内燃機関であり、具体的には直列4気筒ディーゼルエンジンである。車両はトラック等の大型車両である。但し車両および内燃機関の種類、形式、用途等に特に限定はなく、例えば車両は乗用車等の小型車両であってもよいし、エンジンは火花点火式内燃機関(例えばガソリンエンジンや天然ガスエンジン)であってもよい。
なおエンジンは、車両以外の移動体、例えば船舶、建設機械、または産業機械に搭載されたものであってもよい。またエンジンは、移動体に搭載されたものでなくてもよく、定置式のものであってもよい。
エンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2に接続された吸気通路3および排気通路4とを備える。エンジン本体2は、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクケース等の構造部品と、その内部に収容されたピストン、クランクシャフト、吸気弁、排気弁等の可動部品とを含む。吸気と排気の流れをそれぞれ白抜き矢印と黒塗り矢印で示す。
各気筒には、シリンダ9内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁すなわちインジェクタ7が設けられる。
吸気通路3は、エンジン本体2(特にシリンダヘッド)に接続された吸気マニホールド10と、吸気マニホールド10の上流端に接続された吸気管11とにより主に画成される。吸気管11には、上流側から順に、エアクリーナ12、エアフローメータ13、ターボチャージャ14のコンプレッサ14C、インタークーラ15、および電子制御式の吸気スロットルバルブ16が設けられる。エアフローメータ13は、エンジン1の単位時間当たりの吸入空気量(吸気流量)を検出するためのセンサである。
排気通路4は、エンジン本体2(特にシリンダヘッド)に接続された排気マニホールド20と、排気マニホールド20の下流側に配置された排気管21とにより主に画成される。排気管21、もしくは排気マニホールド20と排気管21の間には、ターボチャージャ14のタービン14Tが設けられる。タービン14Tより下流側の排気管21には複数の触媒が設けられている。本実施形態では、酸化触媒22、パティキュレートフィルタ23、選択還元型NOx触媒24およびアンモニア酸化触媒26が上流側から順に設けられる。NOx触媒24の上流側には、尿素水を添加する添加弁25が設けられる。パティキュレートフィルタ23は、触媒付きの連続再生式フィルタであるため、ここでは触媒に含めるものとする。
エンジン1は外部EGR30も備える。外部EGR装置30は、排気通路4内(特に排気マニホールド20内)の排気の一部(EGRガス)を吸気通路3内(特に吸気マニホールド10内)に還流させるためエンジン本体2の外部に設置されたEGR通路31と、EGR通路31を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ32と、EGRガスの流量を調節するためのEGR弁33とを備える。
EGRクーラ32は、エンジン冷却水を冷媒として使用する水冷式である。またEGRクーラ32は、EGRガスが流れるガス層と、冷却水が流れる冷却水層とを交互に複数ずつ積層した積層タイプのものである。ガス層内には熱交換率向上のため金属製フィンが設置される。
エンジン1は、#1〜#4の四つの気筒を備える。そのうちの二つの気筒、具体的には#2,3気筒は、エンジンの運転時に常時稼動される常時稼動気筒とされている。残りの二つの気筒、具体的には#1,4気筒は、エンジンの運転時に休止可能な休止可能気筒とされている。
各気筒の燃焼順序は#1,3,4,2である。気筒休止運転時に稼動気筒と休止気筒が交互に現れるので、振動抑制の点で有利である。なお常時稼動気筒と休止可能気筒をどの気筒番号にするかは任意である。
エンジンの気筒休止装置は、休止可能気筒#1,4における吸気弁および排気弁(総称してバルブという)のバルブタイミングを可変とするように構成されたタイミング可変機構51を有する。
タイミング可変機構51については、公知のものを含め、任意の構成のものが採用可能である。例えば、バルブを駆動可能でかつ異なるプロフィールを有する複数のカムを油圧により切り替えるもの、油圧によりカムシャフトの位相を変更するもの、バルブを駆動する電磁アクチュエータを備えたものなどを採用可能である。
また気筒休止装置は、制御ユニット、回路要素(circuitry)もしくはコントローラをなす電子制御ユニット(ECU(Electronic Control Unit)という)100を備える。ECU100には、上述のエアフローメータ13と、エンジンの回転速度(具体的には毎分当たりの回転数(rpm))を検出するための回転速度センサ40と、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ41と、エンジンの水温(冷却水温度)を検出するための水温センサ44とが電気的に接続される。
ECU100は、これらセンサ等により検出されたエンジン運転状態に関するパラメータに基づき、インジェクタ7、吸気スロットルバルブ16、添加弁25、EGR弁33、およびタイミング可変機構51を制御するように構成されている。
ECU100は、回転速度センサ40およびアクセル開度センサ41によりそれぞれ検出されたエンジン回転数Neおよびアクセル開度Acに基づき、所定のマップ(関数でもよい。以下同様)に従って、ドライバが要求するエンジントルクの値である要求トルクTrを算出する。なお要求トルクTrはアクセル開度Acのみに基づいて算出することも可能である。要求トルクTrは、エンジンの負荷に相関する値であり、言い換えればエンジンの負荷を表す指標値である。ECU100は、要求トルクTrに等しいトルクが実際にエンジンから出力されるような燃料噴射量の目標値すなわち目標噴射量Qを算出し、この目標噴射量Qに等しい量の燃料をインジェクタ7から噴射させる。
ECU100は、図2に示すような予め記憶したマップに従って、気筒休止運転(または減筒運転)を行うか全気筒運転を行うかを決定する。図中、線aは回転毎の最大要求トルクTrmaxを示し、線bは回転毎のしきい値Trsを示す。要求トルクTrがしきい値Trs以下の低負荷側の領域が所定の気筒休止領域A(ハッチングで示す)である。
エンジン回転数Neおよび要求トルクTrで規定されるエンジン運転状態が気筒休止領域Aにあるとき、つまりTr≦Trsのとき、ECU100は、常時稼動気筒#2,3を稼動させると共に休止可能気筒#1,4を休止させる気筒休止運転を実行する。このときECU100は、休止可能気筒#1,4において、インジェクタ7をオフして燃料噴射を停止すると共に、タイミング可変機構51により吸気弁および排気弁のバルブタイミングを後述の如く全気筒運転時から変更する。
他方、要求トルクTrがしきい値Trsより大きい高負荷側の領域が所定の全気筒領域Bである。エンジン回転数Neおよび要求トルクTrで規定されるエンジン運転状態が全気筒領域Bにあるとき、つまりTr>Trsのとき、ECU100は、常時稼動気筒#2,3と休止可能気筒#1,4を共に稼動させる全気筒運転を実行する。このときECU100は、全気筒のインジェクタ7を噴射時期毎にオンして燃料噴射を実行すると共に、タイミング可変機構51により休止可能気筒#1,4の吸気弁および排気弁のバルブタイミングを全気筒運転時の基準タイミングに設定する。なお常時稼動気筒#2,3の吸気弁および排気弁のバルブタイミングは気筒休止運転時と全気筒運転時で同じである。
さて、冷却水温度が低いエンジン暖機中に、EGRクーラ32にEGRガスを流してしまうと、EGRガスの凝縮によってできた凝縮水がEGRガス中の硫黄成分等と反応して腐食性の高い酸性液を生成し、EGRクーラ32を腐食させる虞がある。そのため本実施形態では、水温センサ44により検出された水温Twが所定のしきい値Tws以下のとき、ECU100によりEGR弁33を閉弁(全閉)し、外部EGR装置30を停止する。これによりEGRガスがEGRクーラ32内を流れなくなり、EGRクーラ32の腐食を抑制できる。しきい値Twsは、例えば、水温上昇につれエンジンの暖機が最初に完了するような所定の暖機完了温度(例えば80℃)に等しく設定されている。
一方、近年の排ガス規制の厳格化に伴い、エンジン暖機中で冷却水温度が低いときにもEGRを行う要請があり、この要請に応える必要がある。
そこで本実施形態では、この要請に応えるべく、気筒休止運転時における休止可能気筒#1,4のバルブタイミングを最適化している。すなわちECU100は、気筒休止運転時に休止可能気筒#1,4において、吸気弁のバルブタイミングを進角し排気弁のバルブタイミングを遅角するよう、タイミング可変機構51を制御するように構成されている。
図3(A)および図3(B)には、それぞれ、全気筒運転時と気筒休止運転時における常時稼動気筒#2,3および休止可能気筒#1,4の吸気弁(実線)および排気弁(破線)のバルブタイミングを示す。横軸θはクランク角、縦軸Lはバルブリフト、TDC(Top Dear Center)は吸気上死点である。
図3(A)に示すように、全気筒運転時、休止可能気筒#1,4の吸気弁および排気弁は、常時稼動気筒#2,3の吸気弁および排気弁と同一のバルブタイミングで作動される。このときのバルブタイミングを基準タイミングという。つまりECU100は、休止可能気筒#1,4のバルブタイミングが基準タイミングとなるようタイミング可変機構51を制御する。ここでバルブタイミングを、バルブが開弁を開始するタイミング(クランク角)と定義することができる。この場合、全気筒運転時における全気筒の吸気弁のバルブタイミングはθibであり、全気筒の排気弁のバルブタイミングはθebである。
一方、図3(B)に示すように、気筒休止運転時には、常時稼動気筒#2,3のバルブタイミングが全気筒運転時と同一とされる一方、休止可能気筒#1,4のバルブタイミングは、全気筒運転時の基準タイミングから変更される。
具体的には、休止可能気筒#1,4において、吸気弁のバルブタイミングは基準タイミングから進角され、排気弁のバルブタイミングは基準タイミングから遅角される。特に図示例において、吸気弁のバルブタイミングは、全気筒運転時の排気弁の基準タイミングまで進角され、排気弁のバルブタイミングは、全気筒運転時の吸気弁の基準タイミングまで遅角される。つまり、吸気弁のバルブタイミングと排気弁のバルブタイミングとが相互に入れ替えられる。
気筒休止運転時、休止可能気筒#1,4の吸気弁のバルブタイミングθixは、全気筒運転時の排気弁の基準タイミングθebと等しくされ、休止可能気筒#1,4の排気弁のバルブタイミングθexは、全気筒運転時の吸気弁の基準タイミングθibと等しくされる。
こうすると、気筒休止運転時、休止可能気筒#1,4の排気弁が吸気行程で開いたとき、既に常時稼動気筒#2,3から排出され排気マニホールド20内にある排気を休止可能気筒#1,4のシリンダ9内に吸引できる。そして次に、休止可能気筒#1,4の吸気弁が排気行程で開いたとき、既に休止可能気筒#1,4のシリンダ9内にある排気を吸気マニホールド10内に押し出すことができる。この排気は、後に常時稼動気筒#2,3の吸気弁が吸気行程で開いたとき、常時稼動気筒#2,3のシリンダ9内に吸引され、燃焼行程で燃焼される。
よって、休止中の休止可能気筒#1,4をあたかもポンプの如く作動させ、これを有効利用して常時稼動気筒#2,3のシリンダ9内に排気を供給することができる。これにより実質的にEGRを実行することができる。
仮にエンジン暖機中で冷却水温度が低いときに、外部EGR装置30を停止しても、気筒休止運転時には、休止可能気筒#1,4のポンプ作用を利用して好適にEGRを実行することができる。
勿論、冷却水温度が高くなってエンジン暖機が完了した後にも、気筒休止運転時には外部EGR装置30を停止して、休止可能気筒#1,4のポンプ作用のみによってEGRを実行することができる。但し、外部EGR装置30を併用することは差し支えない。
また、休止可能気筒#1,4のポンプ作用によってEGRを実行すると、排気が休止可能気筒#1,4のシリンダ9内を通過するとき、シリンダ周囲のウォータジャケット内にある冷却水により排気を冷却できる。従って、その通過する排気(便宜上、通過EGRガスという)をEGRクーラを用いることなく冷却できる。
また、低水温時にEGRクーラ32にEGRガスを流すと、EGRガスの凝縮によってデポジットが発生し、これがガス層内を詰まらせる虞がある。ガス層内にはフィンが設置され、ガス層内の通路は狭いからである。しかし本実施形態によれば、詰まる虞が極めて少ない休止可能気筒#1,4のシリンダ9内に通過EGRガスを通過させることができる。このため、外部EGR装置30のような水温の制約を受けずに自由にEGRを実行することができる。
本実施形態によれば、休止可能気筒#1,4のポンプ作用によって通過EGRガスを吸気マニホールド10内に確実に押し出すことができる。仮にこうした押し出しを外部EGR装置30で行おうとすれば、外部EGR装置30に別途ポンプを追加しなければならないが、本実施形態ではこうしたポンプが不要である。従って、部品点数とコストの抑制が可能であり、外部レイアウトへの影響も抑制できる。
本実施形態によれば、気筒休止運転時に外部EGR装置30を用いずにEGRを実行できるので、可能であれば、外部EGR装置30を省略することもできる。
次に、本実施形態における制御のルーチンを図4を参照して説明する。図示するルーチンはECU100により所定の演算周期τ(例えば10msec)毎に繰り返し実行される。
まずステップS101において、ECU100は、エンジン回転数Neおよび要求トルクTrで規定されるエンジン運転状態が、図2に示したような気筒休止領域Aにあるか否かを判断する。
気筒休止領域Aにある場合、ECU100は、ステップS102に進み、常時稼動気筒#2,3を稼動させると共に、休止可能気筒#1,4を休止させる。このとき休止可能気筒#1,4において、インジェクタ7による燃料噴射を停止すると共に、タイミング可変機構51によりバルブタイミングを、前述のような全気筒運転時と異なるタイミングに設定する。これにより、休止可能気筒#1,4のポンプ作用を利用したEGRを実行できる。
次にECU100は、ステップS103に進み、EGR弁33を閉弁し、外部EGR装置30を停止して今回のルーチンを終了する。このとき、水温Twに拘わらず外部EGR装置30を停止するが、ポンプ作用によるEGRが確保されているので、EGRに関する支障はない。他方、低水温時にEGRクーラ32にEGRガスを流さなくて済むため、低水温に起因するEGRクーラ32の腐食および詰まりを抑制することができる。
他方、ECU100は、ステップS101においてエンジン運転状態が気筒休止領域Aにない場合、すなわち全気筒領域Bにある場合、ステップS104に進み、常時稼動気筒#2,3および休止可能気筒#1,4の両方を稼動させ、全気筒運転を実行する。このとき休止可能気筒#1,4のバルブタイミングを、タイミング可変機構51により基準タイミングに設定する。
そしてECU100は、ステップS105に進み、水温センサ44により検出された水温Twがしきい値Tws以下か否かを判断する。
しきい値Tws以下の場合、ECU100は、ステップS103に進み、外部EGR装置30を停止して今回のルーチンを終了する。これにより、低水温に起因するEGRクーラ32の腐食および詰まりを抑制できる。
他方、しきい値Twsより大きい場合、ECU100は、ステップS106に進み、外部EGR装置30を作動させて今回のルーチンを終了する。これにより通常通り、外部EGRを実行することができる。このときECU100は、エンジン運転状態に応じてEGR弁33の開度を制御する。
次に、変形例を説明する。なお前述の基本実施形態と同様の部分については説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
[第1変形例]
図3(B)に示したように、前述の基本実施形態では、気筒休止運転時に単純に、休止可能気筒#1,4の吸気弁のバルブタイミングと排気弁のバルブタイミングとを入れ替えた。しかしこれだと、ポンプ作用が大きくなりすぎてEGR率が過剰となる虞がある。
そこでこの第1変形例では、図5に示すように、気筒休止運転時に休止可能気筒#1,4において、バルブタイミングの入れ替えと同時にバルブリフトの減少も行う。
図示しないが、エンジンの気筒休止装置は、休止可能気筒#1,4における吸気弁および排気弁のバルブリフトを可変とするように構成されたリフト可変機構をさらに備える。このリフト可変機構についても、公知のものを含め、任意の構成のものが採用可能である。例えば、バルブを駆動可能でかつ異なるプロフィールを有する複数のカムを油圧により切り替えるもの、ロッカーアームのレバー比を油圧で変化させるもの、バルブを駆動する電磁アクチュエータを備えたものなどを採用可能である。リフト可変機構はタイミング可変機構51に一体的に組み込まれていてもよい。
図5に示すように、気筒休止運転時の休止可能気筒#1,4において、吸気弁および排気弁のバルブタイミングは基本実施形態と同様である。一方、吸気弁および排気弁のバルブリフトは、基本実施形態より減少され、つまり全気筒運転時(細線で示す)よりも減少されている。ECU100はこうした減少が行われるようにリフト可変機構を併せて制御する。バルブリフト減少により当然ながら吸気弁および排気弁の最大リフトLimaxおよびLemaxは減少する。バルブリフト減少量は、全気筒運転時における休止可能気筒#1,4の吸気弁および排気弁の最大リフトから、気筒休止運転時における休止可能気筒#1,4の吸気弁および排気弁の最大リフトをそれぞれ減じた差と定義することができる。
このようにバルブリフトを減少すると、排気弁開弁時に排気マニホールド20内の排気を休止可能気筒#1,4のシリンダ9内に吸引するときの吸引量を減少し、吸気弁開弁時にその排気を吸気マニホールド10内に押し出すときの押し出し量を減少することができる。これによりポンプ作用および通過EGRガス量を低減し、EGR率が過剰となることを防止できる。
バルブリフト減少量は、エンジン運転状態に応じてECU100により可変に制御してもよい。例えば、エンジン負荷(すなわち要求トルクTr)が大きくなる程、バルブリフト減少量を低下させ(すなわちバルブリフトを大きくし)、通過EGRガス量を増やすようにしてもよい。これによりエンジン運転状態に応じた適切なEGR率制御を実行することが可能となる。
なお、バルブリフト減少量は、吸気弁と排気弁で等しくしてもよく、異ならせてもよい。
[第2変形例]
図6に示すように、この第2変形例でも、気筒休止運転時に休止可能気筒#1,4のバルブタイミングとバルブリフトの両方が全気筒運転時から変更される。バルブリフトは、第1変形例と同様に全気筒運転時(細線で示す)よりも減少される。しかしながら、バルブタイミングについては基本実施形態および第1変形例よりも変更量が少ない。
具体的には、吸気弁のバルブタイミングは、基準タイミングから進角されるものの、全気筒運転時の排気弁の基準タイミングまでは進角されない。同様に、排気弁のバルブタイミングは、基準タイミングから遅角されるものの、全気筒運転時の吸気弁の基準タイミングまでは遅角されない。基本実施形態および第1変形例に比べ、吸気弁のバルブタイミング進角量および排気弁のバルブタイミング遅角量は少なくされる。
こうすると、第1変形例よりもポンプ作用および通過EGRガス量を低減することができる。すなわち、排気弁開弁時に排気を吸引するときには、第1変形例に比べ、TDC後の開弁期間が短くなるので、吸引量を減少できる。また、吸気弁開弁時に排気を押し出すときには、第1変形例に比べ、TDC前の開弁期間が短くなるので、押し出し量を減少できる。その結果、通過EGRガス量を低減できる。
バルブタイミング変更量(吸気弁進角量と排気弁遅角量)およびバルブリフト減少量については、任意の大きさに設定することが可能である。また、これらをエンジン運転状態に応じてECU100により協調的に可変制御することにより、EGR率をきめ細かく制御でき、EGRのさらなる最適化を図れる。
バルブタイミング変更量については、例えば、エンジン負荷(すなわち要求トルクTr)が大きくなる程、吸気弁のバルブタイミングの進角量を増やし、排気弁のバルブタイミングの遅角量を増やし、通過EGRガス量を増やすようにすることができる。
[第3変形例]
この第3変形例は、気筒休止運転時にバルブタイミング変更を行う休止可能気筒数の制御に関する。
本変形例において、タイミング可変機構51は、休止可能気筒毎に吸気弁および排気弁のバルブタイミングを可変とするように構成されている。そしてECU100は、図2に示したマップに代わり、図7に示すようにマップに従って、気筒休止運転を行うか全気筒運転を行うかを決定すると共に、気筒休止運転時にバルブタイミング変更を行う休止可能気筒数を決定する。
線bは前記同様、気筒休止領域と全気筒領域Bを区分するしきい値Trsを示す。また本変形例の場合、気筒休止領域は、別のしきい値Trssを示す線cによって、低負荷側の気筒休止領域A1と高負荷側の気筒休止領域A2とに区分される。
エンジン回転数Neおよび要求トルクTrで規定されるエンジン運転状態が低負荷側気筒休止領域A1にあるとき、つまりTr≦Trssのとき、ECU100は、常時稼動気筒#2,3を稼動させ、休止可能気筒#1,4を休止させる気筒休止運転を実行すると共に、一方の休止可能気筒(例えば#1)のみバルブタイミングを変更する。そして他方の休止可能気筒(例えば#4)については、吸気弁および排気弁の作動を停止し閉弁状態に維持すると共に、バルブタイミングを変更せず全気筒運転時と同じ基準タイミングとする。
これによれば、一方の休止可能気筒のポンプ作用のみによってEGRを実行するので、両方の休止可能気筒のバルブタイミングを変更する場合に比べ、通過EGR量を減らすことができる。よって、EGR量が比較的少なくて済む低負荷側気筒休止領域A1において、適量のEGRを実行することができる。
また、他方の休止可能気筒の吸気弁および排気弁を閉弁状態に維持することで、ポンピングロスを低減することができる。また吸入空気が、休止している他方の休止可能気筒を素通りして排気通路に混入し排気温度を低下させるのを防止し、触媒活性低下および排気エミッション悪化を抑制できる。
他方、エンジン運転状態が高負荷側気筒休止領域A2にあるとき、つまりTr>Trssのとき、ECU100は、気筒休止運転を実行すると共に、両方の休止可能気筒#1,4のバルブタイミングを変更する。これにより通過EGR量を増やし、比較的多いEGR量が必要な高負荷側気筒休止領域A2においても、適量のEGRを実行することができる。
このように本変形例によれば、エンジン負荷に応じて、バルブタイミング変更を行う休止可能気筒数が変更され、エンジン負荷が大きいほど、バルブタイミング変更を行う休止可能気筒数が増加される。
因みに、バルブタイミングの変更方法自体については、基本実施形態および第2変形例で述べた方法のいずれを採用してもよい。
また本変形例でも併せて、バルブリフトの減少を行ってもよい。この場合、リフト可変機構は、休止可能気筒毎に吸気弁および排気弁のバルブリフトを可変とするように構成されている。そして例えば、エンジン運転状態が低負荷側気筒休止領域A1にあるときには、ポンプ作用を行う一方の休止可能気筒でバルブリフトの減少を行い、他方の休止可能気筒では不必要なバルブリフトの減少を行わない。また、エンジン運転状態が高負荷側気筒休止領域A2にあるときには、ポンプ作用を行う両方の休止可能気筒でバルブリフトの減少を行う。
このとき、低負荷側気筒休止領域A1と高負荷側気筒休止領域A2でバルブリフト減少量を変えてもよい。例えば、エンジン運転状態が低負荷側気筒休止領域A1にあるときには、バルブリフト減少量を多くして通過EGR量をより少なくし、エンジン運転状態が高負荷側気筒休止領域A2にあるときには、バルブリフト減少量を少なくして通過EGR量をより多くするといった方法が可能である。
勿論、低負荷側気筒休止領域A1と高負荷側気筒休止領域A2でバルブリフト減少量を同じとしてもよい。
なお、三つ以上の休止可能気筒を有するエンジンの場合でも、同様の考え方で、エンジン負荷に応じてバルブタイミング変更を行う休止可能気筒数を変更することができる。例えば三つの休止可能気筒を有するエンジンで、エンジン負荷が高まるにつれバルブタイミング変更を行う休止可能気筒数を1,2,3といった具合に増加することができる。バルブリフト減少についても同様である。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態および変形例は他にも様々考えられる。
(1)例えば、休止可能気筒のバルブタイミング変更を行う際、吸気弁の進角量と排気弁の遅角量とを異ならせてもよいし、同一としてもよい。
(2)全気筒を常時稼動気筒と休止可能気筒に区分する際の区分方法は様々な方法が可能である。例えば、前記実施形態では両者の数は二つずつと等しかったが、両者の数を異ならせてもよい。全気筒数、常時稼動気筒数および休止可能気筒数は任意に変更可能である。
(3)EGRクーラは積層タイプのものに限られず、例えば多管タイプのものであってもよい。
本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関(エンジン)
51 タイミング可変機構
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (5)

  1. 常時稼動気筒と休止可能気筒を有する内燃機関の気筒休止装置であって、
    前記休止可能気筒における吸気弁および排気弁のバルブタイミングを可変とするように構成されたタイミング可変機構と、
    前記内燃機関の気筒休止運転時に、前記休止可能気筒において、前記吸気弁のバルブタイミングを進角し、前記排気弁のバルブタイミングを遅角するよう、前記タイミング可変機構を制御するように構成された制御ユニットと、
    を備えることを特徴とする内燃機関の気筒休止装置。
  2. 前記制御ユニットは、前記内燃機関の気筒休止運転時に、前記休止可能気筒において、前記吸気弁のバルブタイミングを全気筒運転時の前記排気弁のバルブタイミングまで進角し、かつ、前記排気弁のバルブタイミングを全気筒運転時の前記吸気弁のバルブタイミングまで遅角するよう、前記タイミング可変機構を制御する
    請求項1に記載の内燃機関の気筒休止装置。
  3. 前記内燃機関は、複数の前記休止可能気筒を有し、
    前記タイミング可変機構は、前記休止可能気筒毎に前記吸気弁および前記排気弁のバルブタイミングを可変とするように構成され、
    前記制御ユニットは、前記内燃機関の気筒休止運転時に、前記内燃機関の負荷に応じて、前記吸気弁のバルブタイミングを進角し前記排気弁のバルブタイミングを遅角する休止可能気筒数を変更する
    請求項1または2に記載の内燃機関の気筒休止装置。
  4. 前記休止可能気筒における前記吸気弁および前記排気弁のバルブリフトを可変とするように構成されたリフト可変機構をさらに備え、
    前記制御ユニットは、前記内燃機関の気筒休止運転時に、前記休止可能気筒において、前記吸気弁および前記排気弁のバルブリフトを減少するよう前記リフト可変機構を制御する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の気筒休止装置。
  5. 前記内燃機関は、複数の前記休止可能気筒を有し、
    前記リフト可変機構は、前記休止可能気筒毎に前記吸気弁および前記排気弁のバルブリフトを可変とするように構成され、
    前記制御ユニットは、前記内燃機関の気筒休止運転時に、前記内燃機関の負荷に応じて、前記吸気弁および前記排気弁のバルブリフトを減少する休止可能気筒数を変更する
    請求項4に記載の内燃機関の気筒休止装置。
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