JP2021109648A - ヘッドレスト、車両用シート及び車両 - Google Patents

ヘッドレスト、車両用シート及び車両 Download PDF

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Abstract

【課題】側方からの衝撃に対する強度の向上させたヘッドレストを提供すること。【解決手段】ヘッドレスト4は、車両のシート1の上部に配置している。ヘッドレスト4には、ヘッドレスト4の水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔4a,4bを上下に並べて配置している。貫通孔4a,4bは、シート1の座面2a側の内径よりも、反対側の内径が大きく形成されている。貫通孔4a,4bは、車幅方向の側面が座面2a側から反対側に向かうほど互いに間隔が広がるテーパ状に形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ヘッドレスト、車両用シート及び車両に関する。
従来から、前席着座者の後方の視界、及び、後席着座者の前方の視界を良好にするために、ヘッドレストに貫通孔を形成した穴空きヘッドレストが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
実開昭61−63950号公報(第1図〜第3図)に記載の穴空きヘッドレスト1は、表皮2と、ステー4の上端に連結された芯金3と、芯金3を包む発泡体5と、穴空きヘッドレスト1の中央部に形成された貫通孔と、を有している。
実開平2−82948号公報(第1図〜第4図)に記載の自動車用ヘッドレストは、中央部にくり抜き穴1を有するクッション材4と、くり抜き穴1と対向する位置に窓部8を有する表皮7と、窓穴9に縫着された透明樹脂製の窓部材10と、を備えている。
実開昭61−63950号公報(第1図〜第3図) 実開平2−82948号公報(第1図〜第4図)
しかしながら、実開昭61−63950号公報に記載の穴空きヘッドレスト1の貫通孔、及び、実開平2−82948号公報に記載の自動車用ヘッドレストのくり抜き穴1は、いずれも前後方向に貫通した横長の矩形の一つの孔から成る。
このため、実開昭61−63950号公報に記載の穴空きヘッドレスト1、及び、実開平2−82948号公報に記載のくり抜き穴1を有する自動車用ヘッドレストは、中央部に比較的大きな穴があるので、側方からの衝撃に対する強度をさらに向上させる余地があった。
そこで、本発明は、前記問題点を解消すべく発明されたものであり、側方からの衝撃に対する強度の向上させたヘッドレスト、車両用シート及び車両を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るヘッドレストは、車両のシートの上部に配置されるヘッドレストであって、前記ヘッドレストの水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔を上下に並べて配置したことを特徴とする。
本発明は、側方からの衝撃に対する強度の向上させたヘッドレスト、車両用シート及び車両を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るヘッドレスト、車両用シート及び車両を示す概略図である。 後側に配置されたシートを示す斜視図である。 後側に配置されたシートのヘッドレストを示す拡大正面図である。 図3のIV−IV断面図である。 図3のV−V断面図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドレストの変形例を示す拡大横断面図である。
図1〜図5を参照して、本発明の一実施形態に係るヘッドレスト4、車両用シート(シート1)及び車両の一例を説明する。
なお、本実施形態では、「前」は車両の前進側、「後」は車両の後退側、車幅方向を「左右」とする。
≪車両≫
図1に示すように、車両は、ヘッドレスト4を有するシート1を備えた乗り物であればよく、車種、形式、搭載されるシート1の数、シート1の配置位置、シート1の種類等は特に限定されない。以下、車両の一例として、運転者を必要とせず、自動で走行可能な自動運転車両(自動車A)を例に挙げて説明する。
自動車Aは、前後方向に長い、平面視して略長方形の車体を有している。自動車Aは、前後左右に車輪を有する四輪車両から成る。自動車Aの前後左右には、比較的広大な窓(図示省略)が配置されている。自動車Aの中央部には、客室Rが形成されている。客室R内の前部及び後部には、それぞれシート1が配置されている。以下、自動車Aの一例として、客室R内の前部及び後部にシート1を対面配置した定員六名の車両を例に挙げて説明する。
≪シート≫
本発明の実施形態に係るシート1は、少なくとも、ヘッドレスト4を備えた座席であればよい。図1に示すように、シート1は、例えば、前部側シート1aと、後部側シート1bと、が対面配置された対面式シートから成る。前部側シート1aと、後部側シート1bとは、例えば、対称に配置されて対称形状の座席から成る。
以下、シート1は、主に後部側シート1bを詳述して、前部側シート1aの説明は適宜省略する。
図2に示すように、シート1は、例えば、ベンチシートから成る。シート1は、シートクッション2と、シートバック3と、ヘッドレスト4と、を備えている。この他、シート1は、シートクッション2を車体に対して前後方向に移動可能に取り付けるためのシートレール(図示省略)や、シートクッション2に対してシートバック3を傾倒可能に連結する傾動機構(図示省略)を備えたものでもよい。
≪シートクッション≫
シートクッション2は、乗員M(着座者)(図1参照)の臀部から大腿部にかけて支持する部材である。シートクッション2は、例えば、長椅子状に形成されて、二人の乗員Mが着座可能な座面2aを有している。シートクッション2内には、シートクッション2を支持する骨格を形成する金属製のシートフレーム(図示省略)が設けられている。
座面2aは、着座した乗員M(図1参照)の臀部及び大腿部の下部を支持する面である。座面2aは、乗員Mがシート1に着座した際に、乗員Mの体重の大部分が負荷される面であり、略水平に形成されている。
なお、シートクッション2は、右席側と左席側とに分離したセパレートタイプの座席を構成するものであってもよい。
≪シートバック≫
シートバック3は、乗員M(図1参照)の肩部から腰部にかけて支持する部材である。つまり、シートバック3は、乗員M(図1参照)の背中を支持する支持部材である。シートバック3は、例えば、シートバック3の右側寄りの位置に配置された右側の背もたれ部31と、シートバック3の左側寄りの位置に配置された左側の背もたれ部32と、シートバック3の中央部に配置された中央アームレスト部33と、を有している。また、シートバック3の上側内部には、フレーム部材(図示省略)に固定された一対の略筒状のステイホルダ(図示省略)が設けられている。
次に、シートクッション2及びシートバック3の内部構造を説明する。なお、シートクッション2の内部構造は、シートバック3の内部構造と略同じような構造になっている。
シートクッション2及びシートバック3は、骨格となるフレーム部材(図示省略)と、パッド材(図示省略)と、このパッド材の表面側を覆う表皮材(図示省略)と、を主に備えて構成されている。
≪ヘッドレスト≫
図2に示すヘッドレスト4は、乗員M(図1参照)の頭部を支持する部材である。ヘッドレスト4は、左右の背もたれ部31,32(シート1)の上部に配置されている。図3または図4に示すように、ヘッドレスト4は、ステイ41と、補強部材42と、パッド材43と、表皮材44と、貫通孔4a,4bを有する枠状部材45と、を備えて構成されている。
<ステイ>
ステイ41は、シートバック3の上部にヘッドレスト4を上下動可能に支持させるための部材である。ステイ41は、左右一対の金属製棒状部材から成る。ステイ41は、背もたれ部31,32内のステイホルダ(図示省略)に挿入されて上下動可能に保持される保持部41aと、保持部41aの上端部に連続形成されたヘッドレストフレーム部41bと、を有している。
保持部41aは、シートバック3の内部から上方のヘッドレスト4に向けて平行に延設された左右一対の柱状部分である。
ヘッドレストフレーム部41bは、ヘッドレスト4の骨格を形成する芯材フレーム部分である。ヘッドレストフレーム部41bは、正面視して略逆U字状(略C字形状)に形成されている。ヘッドレストフレーム部41bは、一方の保持部41aの上端部からヘッドレスト4内を通って他方の保持部41aの上端部に亘って配置されている。
<補強部材>
図3、図4に示すように、補強部材42は、ヘッドレスト4及びヘッドレストフレーム部41bを補強するための金属製棒状部材から成る芯材である。補強部材42は、ヘッドレスト4の貫通孔4a,4b同士の間に設置された貫通孔補強部42aと、ヘッドレスト4の下側に設置されたヘッドレスト下側補強部42bと、を備えて成る。補強部材42は、パッド材43の内部に設置されて、ヘッドレスト4の骨格の機能も果たす。
なお、ステイ41と補強部材42とは、一つの部材で一体形成したものでもよい。
貫通孔補強部42aは、逆U字状に曲げて形成されたヘッドレストフレーム部41bの左右の内側面に溶接して架設するように配置されている。
ヘッドレスト下側補強部42bは、左右のステイ41の保持部41aの上端部間に架設するように配置して溶接されている。このため、貫通孔補強部42aは、ヘッドレスト4内で、横長の長方形を形成するように、ヘッドレストフレーム部41bに連結されている。その結果、貫通孔補強部42aは、ヘッドレストフレーム部41bを補強して、ヘッドレスト4の横方向からの衝撃力に対する強度を向上させることができる。
<パッド材>
パッド材43は、正面視して環状(略長方形)に形成された柔軟な部材から成る。パッド材43の中央部には、正面視して横長の略長方形の長孔から成る枠状部材設置孔43aが形成されている。パッド材43は、例えば、ウレタンパッド等の軟質な部材によって形成されている。
図4または図5に示すように、枠状部材設置孔43aは、枠状部材45をヘッドレスト4に取り付けるための孔である。枠状部材設置孔43aは、図4に示すように、パッド材43の中央部に前後方向に水平に形成されると共に、図5に示すように、貫通孔4a,4bと同様に、車内側(前側)から車外側(後側)に拡開して形成されたテーパ状の孔から成る。
<表皮材>
表皮材44は、パッド材43の外側表面を覆う部材である。表皮材44は、パッド材43の外面に熱によって被着されている。あるいは、表皮材44は、例えば、複数の布を縫合して袋状に形成されて、パッド材43の外面に縫い付けられている。表皮材44は、化学繊維、合成繊維等から成る布以外に、例えば、皮革、合成皮革等であってもよい。
<枠状部材>
枠状部材45は、表皮材44で覆われたパッド材43の枠状部材設置孔43aに挿着される部材である。枠状部材45は、二つの貫通孔4a,4bを上下に配置した部材から成る。枠状部材45は、横長の長方形の枠状の枠部45aと、枠部45a内を上下に二分するように区画する区画部45bと、を有している。枠状部材45は、例えば、合成樹脂によって形成されている。
なお、枠状部材設置孔43a内に挿着された枠状部材45の外側露出面は、パッド材43の外面に被着された表皮材44を被着させて覆ってもよい。
図3に示すように、枠部45aは、枠状部材設置孔43aに挿着される正面視して略四角形(横長の略長方形)の板状部材である。図4に示すように、枠部45aの上下部分は、前後方向に水平な平板状に配置されている。図5に示すように、枠部45aの左右部分は、前側から後側方向に拡開して形成されている。
図4に示すように、区画部45bは、枠部45aの左側端部中央から右側端部中央に亘って架設された状態に配置されいる。区画部45bは、水平な厚板状に形成されている。区画部45b内には、区画部45bに中心線に沿って貫通孔補強部42aが設けられている。このため、区画部45bは、強度が強く、ヘッドレスト4を補強する補強部としての機能も果たす。
<貫通孔>
貫通孔4a,4bは、ヘッドレスト4の水平方向、かつ、前後方向に貫通して、上下に並べて配置された孔から成る。図5に示すように、貫通孔4a,4bは、シート1(図2参照)の座面2a側(前側)の開口側端部4dの内径d1(幅寸法)よりも、座面2aの反対側(後側)の開口側端部4eの内径d2(幅寸法)が大きく広がって形成されている。貫通孔4a,4bは、後方向に拡開するように、横断面がテーパ状に形成されている。
換言すると、貫通孔4a,4bは、車幅方向の側面が座面2a側から反対側に向かうほど互いに間隔が広がるテーパ状に形成されている。このため、貫通孔4a,4bは、正面視して、上下方向よりも水平方向に長く形成されている。その貫通孔4a,4bの数は、複数であればよく、二つ以上であってもよい。
なお、図1に示すように、後向きに配置した前部側シート1aの貫通孔4a,4bの向きは、図5に示す後方向が前方向となり、前方向が後方向となる。その場合、貫通孔4a,4bは、シート1の座面2a側(後側)の開口側端部4dの内径d1よりも、座面2aの反対側(前側)の開口側端部4eの内径d2が大きく広がって形成されている。このため、貫通孔4a,4bは、乗員Mが貫通孔4a,4bを通して車両前方を見た視界が前方向に拡張されるように形成されている。
≪ヘッドレスト、車両用シート及び車両の作用≫
次に、図1〜図5を参照しながら本実施形態に係るヘッドレスト4、車両用シート(シート1)及び車両(自動車A)の作用を説明する。
図3に示すように、ヘッドレスト4内には、正面視して逆U字状に形成されたヘッドレストフレーム部41bの中央部に、車幅方向に延びる貫通孔補強部42aが架設するように配置されて溶接されている。さらに、ヘッドレストフレーム部41bの下側には、車幅方向に延びるヘッドレスト下側補強部42bが架設するように配置されて溶接されている。このため、ヘッドレスト4は、ヘッドレストフレーム部41bと、貫通孔補強部42aと、ヘッドレスト下側補強部42bとによって補強されて、側面衝突に対する強度が強く、側面衝突時に車幅方向の荷重がかかっても型崩れすることがない。
また、図1に示すように、シート1(前部側シート1a及び後部側シート1b)は、客室R内に対向配置されている。前部側シート1aに着座した乗員Mは、後部側シート1bに乗員Mが着座していない場合、後部側シート1bのヘッドレスト4の貫通孔4a,4bを通して車両後方を視認することができる。
また、後部側シート1bに着座した乗員Mは、前部側シート1aに乗員Mが着座していない場合、前部側シート1aのヘッドレスト4の貫通孔4a,4bを通して車両前方を視認することができる。
図2に示すように、シート1は、三人掛け座席のシートバック3の左右の背もたれ部31,32にのみヘッドレスト4が取り付けられている。このため、三人掛け用のシート1に、左右両端部に二名の乗員Mが着席した場合は、左右のヘッドレスト4間が空間になっているので、前後方向の視界が広く、車両前方及び車両後方の視認性がよい。
また、図5に示すように、後部側シート1bに着座した乗員Mは、後側に振り向いて、後部側シート1bのヘッドレスト4の貫通孔4a,4bを通して車両後方を見た場合、貫通孔4a,4bが後方側に拡開したテーパ部4cを有するので、後方の視界が広い。
また、図1に示す前部側シート1aに着座した乗員Mは、前側に振り向いて、前部側シート1aのヘッドレスト4の貫通孔4a,4bを通して車両前方を見た場合、貫通孔4a,4bが前方側に拡開したテーパ部4cを有するので、前方の視界が広い。
このように、本実施形態では、後部側シート1bを例に挙げて主に説明したが前部側シート1aも同様に機能する。
以上のように、シート1は、ヘッドレスト4に横断面視して、車外方向にテーパ状に拡開した貫通孔4a,4bを形成したことで、乗員M(着座者)の車外方向の視界範囲を広げることができる。その結果、貫通孔4a,4bは、乗員M(着座者)の車外の視認性を向上させることができるので、乗員Mによる車外の監視をし易くして、自動車Aの衝突の回避に寄与させることができる。
このように、本発明は、図1〜図4に示すように、自動車A(車両)のシート1の上部に配置されるヘッドレスト4であって、ヘッドレスト4の水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔4a,4bを上下に並べて配置している。
かかる構成によれば、ヘッドレスト4は、水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔4a,4bを有することで、貫通孔4a,4bを通して車外を見ることができるため、車外の視認性を向上させることができる。さらに、複数の貫通孔4a,4bは、上下に並べて区画されていることで、側方からの衝撃(側面衝突)に対する強度の向上させることができる。
また、図2または図5に示すように、貫通孔4a,4bは、シート1の座面2a側の内径d1よりも、反対側の内径d2が大きい。
かかる構成によれば、ヘッドレスト4の貫通孔4a,4bは、座面2a側の内径d1よりも、座面2aの反対側の内径d2が大きく形成されて拡開していることで、着座者(乗員M)が貫通孔4a,4bを介して車外側を見た場合、視界が広い。このため、本発明のヘッドレスト4は、特許文献1,2に記載の穴空きヘッドレストと比較して、貫通孔4a,4bが座面2aの反対側に拡開している分だけ、前方または後方の視界が広く、さらに、車外の視認性を向上させることができる。
また、図5に示すように、貫通孔4a,4bは、車幅方向の側面が座面2a側から反対側に向かうほど互いに間隔が広がるテーパ状に形成されている。
かかる構成によれば、ヘッドレスト4の貫通孔4a,4bは、車幅方向の側面が座面2a側から反対側に向かうほど互いに間隔が広がっていることで、着座者(乗員M)が貫通孔4a,4bを通して前後方向を見た場合の視界を広くすることができる。貫通孔4a,4bは、特許文献1,2に記載の穴空きヘッドレストの貫通孔と比較して、テーパ状に形成されて、拡開している分だけ、前方または後方の視界がよい。
また、図3〜図5に示すように、ヘッドレスト4の貫通孔4a,4b同士の間に、補強部材42が設置されている。
かかる構成によれば、ヘッドレスト4は、貫通孔4a,4b同士の間に補強部材42が設置されていることで、ヘッドレスト4全体を補強して負荷がかかったときの型崩れを防止することができる。
また、図2に示すように、本発明は、ヘッドレスト4を備えた車両用シートであって、シート1は、ベンチシートである。
かかる構成によれば、シート1は、ベンチシートである場合、席に隔たりが無い長椅子状になっているので、着座した乗員Mが車幅方向に移動し易くなっている。このため、乗員Mは、ヘッドレスト4の貫通孔4a,4bを通して車外側を見た場合、乗員Mの頭部や身体を車幅方向に移動させることで、容易に、水平方向の視界範囲を広げて、車外の視認性を向上させることができる。
また、本発明の車両用シートは、図1〜図4に示すように、複数のヘッドレスト4を備え、複数のヘッドレスト4の全てが、複数のヘッドレスト4の水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔4a,4bを上下に並べて配置している。
かかる構成によれば、複数のヘッドレスト4の全ては、水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔4a,4bを有することで、全てのヘッドレスト4の貫通孔4a,4bを通して車外を見ることができる。このため、さらに、車外の視認性を向上させることができる。また、全てのヘッドレスト4は、上下に並べて区画された複数の貫通孔4a,4bを有していることで、側方からの衝撃(側面衝突)に対する強度の向上させることができる。
また、図1に示すように、本発明は、ヘッドレスト4を備えた車両用シートであって、シート1は、対面配置された対面式シートから成る。
かかる構成によれば、対面式シートの前側のシート1(車両用シート)に着座した乗員Mは、後側のシート1のヘッドレスト4の貫通孔4a,4bを介して車両後方を視認することが可能となる。また、対面式シートの後側のシート1に着座した乗員Mは、前側のシート1のヘッドレスト4の貫通孔4a,4bを介して車両前方を視認することが可能となる。このため、対面式シートの場合は、さらに、車外の視認性を向上させることができる。
また、シート1は、対面配置したことで、前部側シート1aと後部側シート1bとの間のスペースを広げて荷物の収容スペースを確保し、多くの荷物を積載可能にすることができる。
また、本発明の車両(自動車A)は、図1に示すように、対面配置された、車両の進行方向前方側のシート1(前部側シート1a)と進行方向後方側のシート1(後部側シート1b)とを備え、後部側シート1bは、当該後部側シート1bの上部に配置されるヘッドレスト4の水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔4a,4bを上下に並べて配置している。
かかる構成によれば、車両は、後部側シート1bのヘッドレスト4の水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔4a,4bを上下に並べて配置していることで、後部側シート1bのヘッドレスト4の貫通孔4a,4bを通して車外を見ることができる。このため、さらに、車外の視認性を向上させることができる。また、後部側シート1bのヘッドレスト4は、上下に並べて区画された複数の貫通孔4a,4bを有していることで、側方からの荷重(側面衝突)に対する強度の向上させることができる。
また、本発明の車両(自動車A)は、図1に示すように、対面配置された、車両の進行方向前方側のシート1(前部側シート1a)と進行方向後方側のシート1(後部側シート1b)とを備え、前部側シート1aは、当該前部側シート1aの上部に配置されるヘッドレスト4の水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔4a,4bを上下に並べて配置している。
かかる構成によれば、車両は、前部側シート1aのヘッドレスト4の水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔4a,4bを上下に並べて配置していることで、前部側シート1aのヘッドレスト4の貫通孔4a,4bを通して車外を見ることができる。このため、さらに、車外の視認性を向上させることができる。また、前部側シート1aのヘッドレスト4は、上下に並べて区画された複数の貫通孔4a,4bを有していることで、側方からの荷重(側面衝突)に対する強度の向上させることができる。
[変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。なお、既に説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
図6は、本発明の一実施形態に係るヘッドレスト4Aの変形例を示す拡大横断面図である。
図2〜図5に示すように、前記実施形態では、貫通孔4a,4bを枠状部材45で形成して、その枠状部材45を、表皮材44を介在してパッド材43の枠状部材設置孔43aに挿着した場合を説明したが、これに限定されるものではない。
図6に示すように、ヘッドレスト4Aの貫通孔4Aa,4Abは、パッド材43Aに水平方向に貫通して上下に並べて形成したものであってもよい。その場合、パッド材43Aの表面、及び、貫通孔4Aa,4Abの内壁は、表皮材44Aで覆う。つまり、貫通孔4Aa,4Abは、ヘッドレスト4Aにあればよく、実施形態で説明した枠状部材45(図5参照)は無くてもよい。
この場合、パッド材43Aには、ヘッドレスト4Aに貫通孔4Aa,4Abを形成するための貫通孔形成孔43Aaが形成されている。貫通孔形成孔43Aaは、横断面視して段差状に形成されて、シート1Aの座面5a(図2参照)側の内径よりも、座面5a(図2参照)の反対側の内径が大きく形成されている。パッド材43Aの表面及び貫通孔形成孔43Aaの内壁面は、表皮材44Aによって覆われている。
ヘッドレスト4Aの貫通孔4Aa,4Abは、パッド材43Aの貫通孔形成孔43Aaの内壁を、表皮材44Aで覆って形成されている。このため、貫通孔4Aa,4Abは、実施形態の貫通孔4a,4b(図5参照)と同様、シート1Aの座面5a(図2参照)側(車内側)の内径d1よりも、座面5a(図2参照)の反対側(車外側)の内径d2が大きく形成されている。
このように、貫通孔4Aa,4Abは、表皮材44Aで覆われたパッド材43Aの貫通孔形成孔43Aaから成るものであってもよい。貫通孔4Aa,4Abの内壁面は、座面5a(図2参照)側(車内側)の内径d1よりも、座面5a(図2参照)の反対側(車外側)の内径d2が大きく形成されていれば、横断面視して段差状であってもよい。
[その他の変形例]
また、前記実施形態では、図1に示すように、自動車Aの一例として、自動運転車両を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。自動車Aは、少なくとも、ヘッドレスト4を有する一つのシート1を搭載した車両であれば、どのような車種の車両にも適用可能である。自動車Aは、シート1を一つ搭載した小型車両でもよく、また、シート1を多数搭載したバスや、ワンボックスカーや、ツーボックスカーや、その他の乗り物であってもよい。
また、前記実施形態では、シート1の一例として、前部側シート1aと後部側シート1bとから成る1組の対面式シートを自動車Aに搭載した定員六名の車両の場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。シート1の向きは、対面配置に限定されず、前方向、後方向、あるいは、車幅方向に適宜に向けたものであってもよい。
また、前部側シート1aと後部側シート1bとは、車幅方向に対面配置したものであってもよい。このようにすれば、前部側シート1a及び後部側シート1bに着座した乗員Mは、車幅方向に向けて配置されたヘッドレスト4の貫通孔4a,4bを通して見たときの車幅方向の視界範囲が広がる。このため、貫通孔4a,4bは、車幅方向の車外の視界を向上させることができる。
前部側シート1a及び後部側シート1b(図2参照)は、二名着座可能な座席でも、二名以上着座可能な座席であってもよい。その場合、前部側シート1a及び後部側シート1b(図2参照)は、乗員Mが着座可能な座席の数に応じて、適宜、ヘッドレスト4を設ければよい。
1,1A シート
1a 前部側シート(進行方向前方側のシート)
1b 後部側シート(進行方向後方側のシート)
2 シートクッション
2a 座面
4,4A ヘッドレスト
4a,4b,4Aa,4Ab 貫通孔
42 補強部材
A 自動車(車両)
d1 座面側の内径
d2 座面の反対側の内径
M 乗員(着座者)

Claims (9)

  1. 車両のシートの上部に配置されるヘッドレストであって、
    前記ヘッドレストの水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔を上下に並べて配置したことを特徴とするヘッドレスト。
  2. 前記貫通孔は、前記シートの座面側の内径よりも、反対側の内径が大きいことを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。
  3. 前記貫通孔は、車幅方向の側面が座面側から反対側に向かうほど互いに間隔が広がるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。
  4. 前記ヘッドレストの前記貫通孔同士の間に、補強部材が設置されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。
  5. 請求項1に記載のヘッドレストを備えた車両用シートであって、
    前記シートは、ベンチシートであることを特徴とする車両用シート。
  6. 複数のヘッドレストを備え、
    前記複数のヘッドレストの全てが、前記複数のヘッドレストの水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔を上下に並べて配置していることを特徴とする請求項5に記載の車両用シート。
  7. 請求項1に記載のヘッドレストを備えた車両用シートであって、
    前記シートは、対面配置された対面式シートから成ることを特徴とする車両用シート。
  8. 対面配置された、車両の進行方向前方側のシートと進行方向後方側のシートとを備え、
    前記進行方向後方側のシートは、当該進行方向後方側のシートの上部に配置されるヘッドレストの水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔を上下に並べて配置していることを特徴とする車両。
  9. 対面配置された、車両の進行方向前方側のシートと進行方向後方側のシートとを備え、
    前記進行方向前方側のシートは、当該進行方向前方側のシートの上部に配置されるヘッドレストの水平方向、かつ、前後方向に貫通した複数の貫通孔を上下に並べて配置していることを特徴とする車両。
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