JP2021109327A - 化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】より耐傷性に優れ、特に浅い傷による艶変化を抑えた化粧シートを提供する。【解決手段】本実施形態に係る化粧シート1は、透明樹脂層4と、透明樹脂層4の上に形成された表面保護層5とを備え、表面保護層5は、透明樹脂層4側に形成された下層5bと、下層5bの上に形成された上層5aとを有し、下層5bには、球状の光沢調整剤10aと球状の耐摩耗剤10bとが添加されている。下層5bに含まれる光沢調整剤10aは、シリカを含んでもよく、その平均粒子径は、2μm以上15μm以下の範囲内であってもよい。下層5bに含まれる耐摩耗剤10bは、シリカ及びガラスの少なくとも一方を含んでもよく、その平均粒子径は、2μm以上15μm以下の範囲内であってもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シートに関し、特に建築物の内外装、建具、家具、造作材、床材等の表面化粧等に使用される化粧シートに関する。
化粧シートは、耐傷性を有することが好ましい。
ここで耐傷性を考慮した化粧シートとしては、例えば特許文献1に記載の化粧シートがある。
特開2013−83139号公報
例えば、室内で犬などのペットを飼うことも多くなっている。このため、化粧シートに対し、更なる耐傷性を有する化粧シートが望まれている。
傷には、えぐれるような深い傷と、艶変化を生じさせる傷とがある。艶変化は、60°光沢値で10%以上変化があった場合に、目視でも目立つ。この艶変化を生じさせる傷は、深さ100μm以下の浅い傷である場合が多い。これまでの検討で、えぐれるような深い傷は、樹脂の硬度を高くすることで、防ぐことができた。一方、艶変化を生じさせる傷は、単に樹脂の硬度を高くしただけでは防ぐことが困難であり、別の解決策が必要である。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、より耐傷性に優れ、特に浅い傷による艶変化を抑えた化粧シートを提供することを目的としている。
発明者は、化粧シートとして使用可能で且つ更なる耐傷性の改善を目的として、表面保護層に添加する光沢調整剤と耐摩耗剤とを種々検討することによって、本発明を見いだした。
課題を解決するために、本発明の一態様に係る化粧シートは、透明樹脂層と、上記透明樹脂層の上に形成された表面保護層とを有し、上記表面保護層は、上記透明樹脂層側に形成された下層と、その下層の上に形成された上層とを有し、上記下層に、球状の光沢調整剤と、球状の耐摩耗剤とを含むことを要旨とする。
本発明の一態様によれば、表面保護層に光沢調整剤と耐摩耗剤とを添加することで、より耐傷性に優れ、特に浅い傷による艶変化を抑えた化粧シートを提供することができる。
本発明の実施形態に係る化粧シートの構成を説明する断面図である。
以下に、本発明の実施形態に係る化粧シートの構成について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状及び構造等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(構成)
本実施形態の化粧シート1は、図1に示すように、原反層2の一方の面側に、絵柄模様層3、接着層7(例えば、感熱接着剤、アンカーコート層、ドライラミ接着剤層等)、透明樹脂層4及び表面保護層5がこの順に積層されて構成される。本実施形態の化粧シート1は、原反層2の裏面側に、隠蔽層8及びプライマ層6が設けられている。この隠蔽層8及びプライマ層6は省略してもよい。
本実施形態の化粧シート1は、その層厚を100μm以上250μm以下の範囲内となるように設計することが好ましい。化粧シート1の層厚が100μm未満の場合、化粧シート1全体としての強度が不足してしまうため、ラッピング加工時の平滑性に問題が生じてしまうことがある。化粧シート1の層厚が250μmを超える場合、化粧シート1全体としての強度が高すぎてしまい、曲げ加工時に不具合が発生してしまうことがある。
また、本実施形態の化粧シート1は、意匠性を向上させるために透明樹脂層4の表面保護層5側の面には、エンボスによる凸凹形状を付与してもよい。
そして、本実施形態の化粧シート1は、図1に示すように、基材Bに貼り合わされることで化粧材11を構成する。基材Bは、特に限定はないが、例えば、木質ボード類、無機質ボード類、金属板、複数の材料からなる複合版などから構成される。また、化粧シート1と基材Bとの間に、適宜、プライマ層6や隠蔽層8などを設けてもよい。
<原反層2>
原反層2としては、例えば紙、合成樹脂、あるいは合成樹脂の発泡体、ゴム、不織布、合成紙、金属箔等から任意に選定したものが使用可能である。紙としては、薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙等が例示できる。合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル等が例示できる。ゴムとしては、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタン等が例示できる。不織布としては、有機系や無機系の不織布が使用できる。金属箔の金属としては、アルミニウム、鉄、金、銀等が例示できる。
原反層2としてオレフィン系の樹脂を用いる場合には、原反層2の表面が不活性な状態であることが多いので、原反層2と基材Bとの間に、プライマ層6を設けることが好ましい。この他にも、オレフィン系材料からなる原反層2と基材Bとの接着性を向上させるために、原反層2に対してコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、電子線処理、紫外線処理、重クロム酸処理等の表面改質処理を施してもよい。
プライマ層6としては、後述の絵柄模様層3と同じ材料を用いることができる。プライマ層6は、化粧シート1の裏面に施されることから、化粧シート1がウエブ状に巻取りされることを考慮すると、ブロッキングを避けて且つ接着剤との密着を高めるために、プライマ層6に無機充填剤を添加させてもよい。無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、硫酸バリウム等が例示できる。
原反層2の層厚は、印刷作業性やコストなどを考慮すれば、20μm以上200μm以下が好ましい。
<絵柄模様層3>
絵柄模様層3は、原反層2に対してインキを用いて施された絵柄印刷の層である。
インキのバインダとしては、例えば、硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独若しくは各変性物の中から適宜選定して用いることができる。バインダは、水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでもよく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでもよい。更に、硬化性のインキを使用し、紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させる方法を用いてもよい。中でも最も一般的な方法は、ウレタン系のインキを用いるもので、イソシアネートによって硬化させる方法である。絵柄模様層3に対し、バインダ以外には、例えば、通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤などが添加されている。汎用性の高い顔料としては、例えば、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等が挙げられる。
また、インキの塗布とは別に各種金属の蒸着やスパッタリングで、絵柄模様層3に意匠を施すことも可能である。特に、上記インキに対して光安定剤が添加されていることが好ましく、これにより、インキの光劣化から生じる化粧シート1自体の劣化を抑制し、化粧シート1の寿命を長くすることができる。
<透明樹脂層4>
透明樹脂層4の樹脂材料としては、オレフィン系樹脂が好適に用いられる。
オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどの他に、例えば、αオレフィン(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなど)を単独重合あるいは2種類以上共重合させたものや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルメタクリレート共重合体、エチレン・ブチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体などのように、エチレン又はαオレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させたものが挙げられる。
また、化粧シート1の表面強度の向上を図るために、透明樹脂層4の樹脂として、高結晶性のポリプロピレンを用いることが好ましい。
なお、透明樹脂層4には、必要に応じて、例えば、熱安定剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤及び艶調整剤等の各種添加剤を添加することもできる。熱安定剤としては、例えば、フェノール系、硫黄系、リン系、ヒドラジン系等を、また光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系等を、任意の組合せで添加するのが一般的である。
透明樹脂層4は、マルテンス硬さが50N/mm以上となるように設定することが好ましい。例えば、透明樹脂層4を構成する樹脂の主成分を高結晶性ホモプロプレン樹脂とすることで、透明樹脂層4のマルテンス硬さを50N/mm以上に設定できる。なお、透明樹脂層4のマルテンス硬さを50N/mm未満に設定した場合、耐傷性が低下し好ましくない。なお、本実施形態において、「主成分」とは、構成する樹脂成分100質量部に対し80質量部以上、好ましくは90質量部以上含むことを指す。
透明樹脂層4のマルテンス硬さの上限については、化粧シート1として使用可能な硬さであれば特に限定はないが、好ましくは後述の表面保護層5の下層5bのマルテンス硬さ以下である。透明樹脂層4のマルテンス硬さを、下層5bのマルテンス硬さ以下にすることで、透明樹脂層4と下層5bとの界面でのマルテンス硬さの傾斜が小さく設定されて、密着性の点で有利である。
透明樹脂層4の厚さは、20μm以上200μm以下の範囲内が好ましい。
<表面保護層5>
表面保護層5の主成分の樹脂材料としては、例えば、ポリウレタン系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系、ビニル系、ポリエステル系、メラミン系、アミノアルキッド系、尿素系などの樹脂材料から適宜選択して用いることができる。樹脂材料の形態は、水性、エマルジョン、溶剤系など特に限定されるものではない。硬化法についても1液タイプ、2液タイプ、紫外線硬化法など適宜選択して行うことができる。
表面保護層5の樹脂材料としては、熱硬化性樹脂が、作業性、価格、透明樹脂層との密着力などの観点から好適である。
熱硬化性樹脂は、例えば、以下に述べる水酸基を含むポリマー(ポリオール)とイソシアネート化合物を熱により硬化させることで形成される。
上記ポリオール化合物は、特に限定されるものではないが、例えば、分子構造の伸張などによる機械特性的特徴を付与するために用いてもよく、例えば各種アクリルポリオール、各種ポリエステルポリオール、各種ポリエーテルポリオール、各種ポリカーボネートポリオール、各種カプロラクトンジオールなどから、適宜選択して用いられる。
熱硬化性樹脂を構成するポリオールとして、アクリルポリオールを使用する場合、その質量平均分子量は、20,000以上200,000以下の範囲内であることが好ましく、20,000以上100,000以下の範囲内であることがより好ましい。アクリルポリオールの質量平均分子量が20,000未満の場合、シート作製時における塗工が困難になる場合がある。また質量平均分子量が200,000を越えると、溶解性が低下し、意匠性が悪くなるおそれがある。
イソシアネート化合物としては、上記同様、特に限定されるものではないが、例えばトルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙げられる。
表面保護層5を構成する熱硬化性樹脂を、アクリルポリオールとイソシアネート硬化剤とで構成する場合、熱硬化性樹脂のガラス転移点Tgは60℃以上であることが好ましい。熱硬化性樹脂のガラス転移点が60℃未満の場合、表面保護層5として目的とするマルテンス硬さが確保できない場合が生じたり、シート作製時における塗工が困難になる可能性がある。
表面保護層5は、透明樹脂層4側の下層5bと、下層5bの上に形成された上層5aとを有する。
表面保護層5は、マルテンス硬さが140N/mm以上200N/mm以下の範囲内の樹脂層であることが好ましい。なお、表面保護層5を構成する樹脂をマルテンス硬さが140N/mm未満の樹脂とした場合、いわゆる「深い傷」が表面保護層5に入る可能性があり好ましくない。また、表面保護層5を構成する樹脂をマルテンス硬さが200N/mmより大きい樹脂とした場合、加工性が低下し折り曲げ時に白化する可能性があり好ましくない。
表面保護層5の上層5aは、その層厚が2μm以上10μm以下の範囲内であることが好ましい。
また、乾燥後の塗布量が2μm以上10μm以下の範囲内となるように、上層5a用の塗工液を塗布することで、上層5aの層厚を2μm以上10μm以下の範囲内に設定することができる。なお、上層5aの層厚を2μm未満とした場合、耐傷性が低下し好ましくない。また、上層5aの層厚を10μmより厚くした場合、加工性が低下し折り曲げ時に白化する可能性があり好ましくない。
表面保護層5の下層5bは、その層厚が2μm以上10μm以下の範囲内であることが好ましい。
また、乾燥後の塗布量が2μm以上10μm以下の範囲内となるように、下層5b用の塗工液を塗布することで、下層5bの層厚を2μm以上10μm以下の範囲内に設定することができる。なお、下層5bの層厚を2μm未満とした場合、耐傷性が低下し好ましくない。また、下層5bの層厚を10μmより厚くした場合、加工性が低下し折り曲げ時に白化する可能性があり好ましくない。
本実施形態の化粧シート1の表面保護層5は、少なくとも下層5bに対し、球状の光沢調整剤10aを含む。
光沢調整剤10aの最適な形状は、球状である。ここで、「球状」とは、真球状または楕円形状を含み、楕円形状の場合には、その長径と短径との比が2以下のものとする。光沢調整剤10aの形状を球状とすることで、すべり性がよくなり、耐傷性が向上する。
光沢調整剤10aの最適な粒径(平均粒子径)は、2μm以上15μm以下の範囲内である。ここで、「粒径(平均粒子径)」とは、用いる粒子の粒度分布測定により得られる値(平均値)としてもよいし、得られた化粧材の断面観察から、複数の粒子の粒径を実測して平均化した値であってもよい。両者は互いに測定手法は異なっているが、得られる粒径の値は実質的に同じものとなる。光沢調整剤10aの粒径を2μm未満とした場合、光沢調整剤10aを添加した効果が出ない可能性があり好ましくない。また、光沢調整剤10aの粒径を15μmより大きくした場合、光沢調整剤10aの脱落が起こる可能性があり好ましくない。
光沢調整剤10aの添加量は、下層5bの主成分の樹脂100質量部に対して、2質量部以上30質量部以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、下層5bの主成分の樹脂100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下の範囲内である。光沢調整剤10aの添加量が2質量部未満の場合、光沢調整剤10aによる艶消し効果が小さく好ましくない。また、光沢調整剤10aの添加量が30質量部以上の場合、光沢調整剤10aの脱落が起こる可能性があり好ましくない。
光沢調整剤10aとしては、市販されている公知の粒子を用いることができる。例えば、PEワックス、PPワックス、樹脂ビーズなどの有機材料、シリカ、ガラス、アルミナなどの無機材料のいずれも光沢調整剤10aとして用いることができる。艶消し性能の点では、多孔質のシリカが好ましい。シリカの吸油量は、200mL/100g以上であることが好ましい。吸油量が大きいシリカは艶消し性能が大きく、艶消し材の必要添加量を減ずる効果も大きい。
本実施形態の化粧シート1の表面保護層5は、少なくとも下層5bに対し、球状の耐摩耗剤10bを含む。
耐摩耗剤10bの最適な形状は、球状である。ここで、「球状」とは、真球状または楕円形状を含み、楕円形状の場合には、その長径と短径との比が2以下のものとする。耐摩耗剤10bの形状を球状とすることで、すべり性がよくなり、耐傷性が向上する。
耐摩耗剤10bの最適な粒径(平均粒子径)は、2μm以上15μm以下の範囲内である。ここで、「粒径(平均粒子径)」とは、用いる粒子の粒度分布測定により得られる値(平均値)としてもよいし、得られた化粧材の断面観察から、複数の粒子の粒径を実測して平均化した値であってもよい。両者は互いに測定手法は異なっているが、得られる粒径の値は実質的に同じものとなる。耐摩耗剤10bの粒径を2μm未満とした場合、耐摩耗剤10bを添加した効果が出ない可能性があり好ましくない。また、耐摩耗剤10bの粒径を15μmより大きくした場合、耐摩耗剤10bの脱落が起こる可能性があり好ましくない。
耐摩耗剤10bの添加量は、下層5bの主成分の樹脂100質量部に対して、1質量部以上15質量部以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、下層5bの主成分の樹脂100質量部に対して、5質量部以上10質量部以下の範囲内である。耐摩耗剤10bの添加量が1質量部未満の場合、耐傷性が低下し好ましくない。また、耐摩耗剤10bの添加量が15質量部以上の場合、化粧シートの表面保護層5の面同士をこすり合わせた場合に傷が入る可能性があり好ましくない。
耐摩耗剤10bとしては、市販されている公知の粒子を用いることができる。耐摩耗性の点から、シリカ及びガラスの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。シリカやガラスは適度な硬度を有するため、良好な耐傷性を示す。
本実施形態の化粧シート1の表面保護層5は、少なくとも上層5aに対し、滑剤を含んでもよい。
滑剤としては、市販されている公知のものを用いることができ、WAXや表面調整剤などが挙げられる。
滑剤の添加量は、上層5aの主成分の樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上5質量部以下の範囲内であることが好ましい。滑剤の添加量が0.5質量部未満の場合、化粧シート1の表面同士を合わせて運搬する場合に擦れて傷が入るおそれがある。また滑剤の添加量が5質量部を超えると、浅い傷による艶変化が大きくなり耐傷性が低下するおそれがある。
本実施形態の化粧シート1の表面保護層5は、各種機能を付与するために抗菌剤、防カビ剤等の機能性添加剤の添加も任意に行うことができる。また、表面保護層5には、必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤を添加することもできる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等を、また光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系等を、任意の組み合わせで添加するのが一般的である。
<接着層7>
接着層7としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系の接着性樹脂などから適宜選択して用いることができる。接着層7を形成する接着剤(塗工液)の塗工方法は、接着剤の粘度などに応じて適宜選択することができるが、一般的には、グラビアコートが用いられる。具体的には、接着剤を絵柄模様層3の上面に対してグラビアコートによって塗布して接着層7を形成した後、絵柄模様層3と透明樹脂層4とをラミネートする。なお、接着層7は、透明樹脂層4と絵柄模様層3との接着強度が十分に得られる場合には、省略することができる。
<隠蔽層8>
また、化粧シート1に基材Bに対する隠蔽性を付与したい場合には、原反層2に着色シートを用いることや、別途不透明な隠蔽層8を設けることで対応可能である。
隠蔽層8としては、基本的には絵柄模様層3と同じ材料から構成することができるが、隠蔽性を目的としているので、顔料としては、例えば不透明な顔料、酸化チタン、酸化鉄等を使用することが好ましい。また隠蔽性を上げるために、例えば金、銀、銅、アルミ等の金属を添加することも可能である。一般的にはフレーク状のアルミを添加することが多い。
(製造方法)
本実施形態の化粧シート1を形成するに当たり、積層方法は特に限定されるものではなく、例えば、熱圧を応用した方法、押し出しラミネート方法及びドライラミネート方法などの一般的に用いられる方法から適宜選択して形成することができる。化粧シート1にエンボスによる凸凹形状(エンボス模様)を形成する場合には、一旦、上記積層方法によってラミネートした後に熱圧によってエンボス模様を入れる方法又は冷却ロールに凹凸模様を設けて押し出しラミネートと同時にエンボス模様を形成する方法を用いることができる。
(作用その他)
本実施形態の化粧シート1は、下層5bに球状の光沢調整剤と球状の耐摩耗剤とを含めることで、耐傷性試験における深い傷だけでなく、浅い傷(光沢変化)を抑制することができる。
表面保護層5を構成する主成分は、熱硬化性樹脂であることが、作業性、価格、透明樹脂層4との密着力などの観点から好適である。
以上のように、本実施形態では、より耐傷性に優れた化粧シート1を提供することが可能となる。
(変形例)
本実施形態では、表面保護層5の少なくとも下層5bに対し、球状の光沢調整剤10a及び球状の耐摩耗剤10bを含めた形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、表面保護層5の上層5aに対し、球状の光沢調整剤10aを含めてもよい。その場合には、光沢調整剤10aの添加量は、上層5aの主成分の樹脂100質量部に対して、2質量部以上30質量部以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、上層5aの主成分の樹脂100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下の範囲内である。光沢調整剤10aの添加量が2質量部未満の場合、光沢調整剤10aによる艶消し効果が小さく好ましくない。また、光沢調整剤10aの添加量が30質量部以上の場合、光沢調整剤10aの脱落が起こる可能性があり好ましくない。
また、上層5aと下層5bの両方に、光沢調整剤10aを含めた場合には、上層5aにおける光沢調整剤10aの含有量を、下層5bにおける光沢調整剤10a及び耐摩耗剤10bの含有量より多くしてもよい。その場合には、光沢調整剤10aの添加量を減少させ、光沢調整剤10aの脱落を防ぐことができる。
また、上層5aと下層5bの両方に、光沢調整剤10aを含めた場合には、上層5aにおける光沢調整剤10aの含有量を、下層5bにおける光沢調整剤10aの含有量より少なくしてもよい。その場合には、化粧シートの表面保護層5全体としての可撓性(柔軟性)を高めることができる。
また、上層5aの厚さを、下層5bの厚さより薄くしてもよい。その場合には、化粧シートの表面保護層5全体としての可撓性(柔軟性)を高めることができる。
また、上層5aに含める光沢調整剤10aの平均粒子径を、下層5bに含める光沢調整剤10aの平均粒子径より大きくしてもよい。その場合には、深い傷の発生を抑制することができ、且つ浅い傷(光沢変化)の発生を効果的に抑制することができる。
また、上層5aに含める光沢調整剤10aの平均粒子径を、下層5bに含める光沢調整剤10aの平均粒子径よりも小さくしてもよい。その場合には、浅い傷(光沢変化)の発生を抑制することができ、且つ深い傷の発生を効果的に抑制することができる。
[実施例]
以下に、本発明に基づく実施例について説明する。
<実施例1>
高結晶性ホモポリプロピレン樹脂100質量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010;BASF社製)を0.5質量部、トリアジン系紫外線吸収剤(CYASORB UV−1164;SUNCHEM製)を0.5質量部、NOR型光安定剤(Tinuvin XT850 FF;BASF社製)を0.5質量部それぞれ配合した樹脂を、押出機を用いて溶融押出しして、厚さ100μmの透明な高結晶性ポリプロピレンシートからなる、シート状の透明樹脂層4を製膜した。なお、押出時に温調管理することで、マルテンス硬さを50N/mmとした。得られた透明樹脂層4の両面にコロナ処理を施し、シート表面の濡れ張力を40dyn/cm以上とした。
他方、隠蔽性のある80μmのポリエチレンシート(原反層2)の一方の面に、2液型ウレタンインキ(V180;東洋インキ(株)製)を用いてグラビア印刷方式にて絵柄印刷を施して絵柄模様層3を設け、また、原反層2の他方の面にプライマーコートを施しプライマ層6を形成した。
しかる後、原反層2の絵柄模様層3の面上に、透明樹脂層4を、接着層7であるドライラミネート用接着剤(タケラックA540;三井化学(株)製;塗布量2g/m)を介してドライラミネート法にて貼り合わせた。この貼り合わせたシートの透明樹脂層4の表面にエンボス模様を施した。
エンボス模様を施した透明樹脂層4に、下記の表面保護層形成用組成物を使用し、下層5bとなる熱硬化性組成物(乾燥後塗布量(乾燥後の膜厚で記載する。以下同様)5μm)、上層5aとなる熱硬化性組成物(乾燥後塗布量5μm)を順次積層することで、表面保護層5を形成し、総厚195μmからなる実施例1の化粧シートを得た。
(上層5a)
上層5aとなる熱硬化性組成物は、下記のポリマー溶液Aに、下記の硬化剤、紫外線吸収剤、光安定剤を配合して構成した。
・ポリマー溶液A
撹拌機、窒素導入管及び還流冷却管を備えた4つ口フラスコ内に、メチルメタクリレートを80g、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを20g導入し、酢酸エチル100gを加えて溶解し、油浴上で窒素雰囲気下撹拌した。これに0.2gのα,α’−アゾビスイソブチロニトリルを配合することで重合を開始し、60℃の油浴上で5時間加熱撹拌を続けて、無色、粘ちょうな、ポリオールを含んだポリマー溶液Aを得た。
配合(ポリマー溶液Aの量):100質量部
・硬化剤
品名:デュラネート 24A−100(旭化成社製)
配合:10質量部
・滑剤
品名:CERAFLOUR 991(ビックケミー・ジャパン株式会社)
配合:0.5質量部
・紫外線吸収剤
品名:Tinuvin 400(BASF社製)
配合:5.0質量部
・光安定剤
品名:Tinuvin 123(BASF社製)
配合:2.0質量部
・希釈溶剤
品名:酢酸エチル
配合:50質量部
(下層5b)
下層5bとなる熱硬化性組成物は、上記のポリマー溶液Aに、下記の硬化剤、滑剤、光沢調整剤、耐摩耗剤、紫外線吸収剤、光安定剤を配合して構成した。
・ポリマー溶液A
配合(ポリマー溶液Aの量):100質量部
・硬化剤
品名:デュラネート 24A−100(旭化成社製)
配合:5質量部
・光沢調整剤
品名:サンスフェアH−52(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径5μm、吸油量300mL/100g
配合:10質量部
・耐摩耗剤
品名:サンスフェアNP−100(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径10μm
配合:10質量部
・紫外線吸収剤
品名:Tinuvin 400(BASF社製)
配合:5.0質量部
・光安定剤
品名:Tinuvin 123(BASF社製)
配合:2.0質量部
・希釈溶剤
品名:酢酸エチル
配合:50質量部
<実施例2>
実施例1の光沢調整剤を下記に置き換えた以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の化粧シートを得た。
・光沢調整剤
品名:サンスフェアH−32(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径3μm、吸油量300mL/100g
<実施例3>
実施例1の光沢調整剤を下記に置き換えた以外は、全て実施例1と同様にして実施例3の化粧シートを得た。
・光沢調整剤
品名:サンスフェアH−122(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径12μm、吸油量300mL/100g
<実施例4>
実施例1の滑剤の配合量を5質量部に置き換えた以外は、全て実施例1と同様にして実施例4の化粧シートを得た。
<実施例5>
実施例1の透明樹脂層4のマルテンス硬さを80N/mmとした以外は、全て実施例1と同様にして実施例5の化粧シートを得た。
<実施例6>
実施例1の透明樹脂層4のマルテンス硬さを45N/mmに、ポリマー溶液を下記のポリマー溶液Bに、滑剤の配合量を0.45質量部に、光沢調整剤、耐摩耗剤を下記に置き換えた以外は、全て実施例1と同様にして実施例6の化粧シートを得た。
・ポリマー溶液B
撹拌機、窒素導入管及び還流冷却管を備えた4つ口フラスコ内に、メチルメタクリレートを50g、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを10g、ブチルアクリレートを40g導入し、酢酸エチル100gを加えて溶解し、油浴上で窒素雰囲気下撹拌した。これに0.2gのα,α’−アゾビスイソブチロニトリルを配合することで重合を開始し、60℃の油浴上で5時間加熱撹拌を続けて、無色、粘ちょうな、ポリオールを含んだポリマー溶液Bを得た。
・光沢調整剤
品名:サンスフェアH−201(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径20μm、吸油量150mL/100g
・耐摩耗剤
品名:サンスフェアNP−200(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径20μm
<実施例7>
実施例1の透明樹脂層4のマルテンス硬さを45N/mmに、ポリマー溶液をポリマー溶液Bに、滑剤の配合量を0.45質量部に、耐摩耗剤を下記に置き換えた以外は、全て実施例1と同様にして実施例7の化粧シートを得た。
・耐摩耗剤
品名:サンスフェアNP−200(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径20μm
<実施例8>
実施例1の透明樹脂層4のマルテンス硬さを45N/mmに、滑剤の配合量を0.45質量部に、硬化剤、光沢調整剤、耐摩耗剤を下記に置き換えた以外は、全て実施例1と同様にして実施例8の化粧シートを得た。
・硬化剤
品名:デュラネート TSE−100(旭化成社製)
・光沢調整剤
品名:サンスフェアH−201(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径20μm、吸油量150mL/100g
・耐摩耗剤
品名:サンスフェアNP−200(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径20μm
<実施例9>
実施例8のポリマー溶液を下記のポリマー溶液Cに置き換えた以外は、全て実施例8と同様にして実施例9の化粧シートを得た。
・ポリマー溶液C
撹拌機、窒素導入管及び還流冷却管を備えた4つ口フラスコ内に、メチルメタクリレートを80g、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを20g導入し、酢酸エチル100gを加えて溶解し、油浴上で窒素雰囲気下撹拌した。これに0.1gのα,α’−アゾビスイソブチロニトリルを配合することで重合を開始し、60℃の油浴上で10時間加熱撹拌を続けて、無色、粘ちょうな、ポリオールを含んだポリマー溶液Cを得た。
<実施例10>
実施例1の透明樹脂層4のマルテンス硬さを45N/mmに、ポリマー溶液をポリマー溶液Bに、光沢調整剤、耐摩耗剤を下記に置き換えた以外は、全て実施例1と同様にして実施例10の化粧シートを得た。
・光沢調整剤
品名:サンスフェアH−201(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径20μm、吸油量150mL/100g
・耐摩耗剤
品名:サンスフェアNP−200(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径20μm
<実施例11>
実施例10の滑剤の配合量を5.00質量部に置き換えた以外は、全て実施例10と同様にして実施例11の化粧シートを得た。
<実施例12>
実施例1のポリマー溶液をポリマー溶液Bに、滑剤の配合量を0.45質量部に、光沢調整剤、耐摩耗剤を下記に置き換えた以外は、全て実施例1と同様にして実施例12の化粧シートを得た。
・光沢調整剤
品名:サンスフェアH−201(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径20μm、吸油量150mL/100g
・耐摩耗剤
品名:サンスフェアNP−200(AGCエスアイテック(株)製)
性状:球状、平均粒子径20μm
<比較例1>
実施例1の光沢調整剤を下記に置き換えた以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の化粧シートを得た。
・光沢調整剤
品名:サイリシア250N(富士シリシア化学(株)製)
性状:不定形、平均粒子径5μm、吸油量330mL/100g
<比較例2>
実施例1で添加した耐摩耗剤を取り除く以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の化粧シートを得た。
<マルテンス硬さ測定方法>
マルテンス硬さの測定方法について説明する。各化粧シートのマルテンス硬さは、ISO14577に準拠したマルテンス硬さ測定装置(フィッシャースコープHM2000;株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて測定を行った。なお、測定は断面から行うため、サンプルについて化粧シート1を冷間硬化タイプのエポキシ樹脂やUV硬化性樹脂などの樹脂に包埋して十分に硬化させた後に、化粧シート1の断面が現れるように切断し、機械研磨を施すことによって測定面を得た。具体的な測定方法は、各サンプルの測定面に対して圧子を押し込み、その押し込み深さと荷重からマルテンス硬さを算出した。測定条件を、試験力10mN、試験力負荷所要時間10秒、試験力保持時間5秒として測定を行った。
(評価)
上記の方法により得られた実施例1〜12及び比較例1〜2の化粧シートについて、ウレタン系の接着剤を用いて木質基材Bに貼り付けた後、ホフマンスクラッチ試験を、ホフマンスクラッチ硬度試験機(BYK−Gardner社製)を用いて行った。各評価試験の詳しい評価方法を下記に説明する。
・ホフマンスクラッチ試験
500gの荷重で、10回連続で太い線になるようにホフマンスクラッチ試験を実施した。ホフマンスクラッチ試験前後の光沢度を測定し、光沢変化量を下記のとおり算出した。
光沢変化量=(試験後の光沢度−試験前の光沢度)/試験前の光沢度
なお、光沢度は、Rhopoint IQ(コニカミノルタ社製)を用いて、85°光沢度を測定した。
評価基準は、下記のとおりとした。
〇:光沢変化量が10%未満
△:光沢変化量が10%以上20%未満
×:光沢変化量が20%以上
本実施例においては、「○」及び「△」の評価であれば、使用する上で問題がないため、合格とした。
評価結果を、表1及び表2に示す。
Figure 2021109327
Figure 2021109327
表1及び表2に示すように、実施例1〜12の化粧シートであれば、より耐傷性に優れ、特に浅い傷による艶変化を抑えることが可能となる。
1 化粧シート
2 原反層
3 絵柄模様層
4 透明樹脂層
5 表面保護層
5a 上層
5b 下層
6 プライマ層
7 接着層
8 隠蔽層
10a 光沢調整剤
10b 耐摩耗剤
11 化粧材
B 基材

Claims (7)

  1. 透明樹脂層と、上記透明樹脂層の上に形成された表面保護層とを備え、
    上記表面保護層は、上記透明樹脂層側に形成された下層と、その下層の上に形成された上層とを有し、
    上記下層に、球状の光沢調整剤と、球状の耐摩耗剤とを含むことを特徴とする化粧シート。
  2. 上記下層に含まれる上記光沢調整剤は、シリカを含み、その平均粒子径は、2μm以上15μm以下の範囲内であり、
    上記下層に含まれる上記耐摩耗剤は、シリカ及びガラスの少なくとも一方を含み、その平均粒子径は、2μm以上15μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 上記表面保護層を構成する樹脂成分の主材料は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧シート。
  4. 上記表面保護層の熱硬化性樹脂は、アクリルポリオールとイソシアネート硬化剤とで構成され、ガラス転移点Tgは、60℃以上であり、
    上記表面保護層を構成する上記アクリルポリオールの質量平均分子量は、20,000以上100,000以下の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の化粧シート。
  5. 上記上層は、滑剤を上記上層の主成分の樹脂100質量部に対して0.5質量部以上5質量部以下の範囲内で含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の化粧シート。
  6. 上記表面保護層は、マルテンス硬さが140N/mm以上200N/mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の化粧シート。
  7. 上記透明樹脂層は、マルテンス硬さが50N/mm以上であり、且つ上記下層のマルテンス硬さ以下であることを特徴とする請求項6に記載の化粧シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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