JP2021109159A - マイクロ流路チップ - Google Patents

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【課題】流路内の空気の残留を抑制可能なマイクロ流路チップを提供する。【解決手段】マイクロ流路チップ100は、少なくとも一方の面に流路溝11が形成された樹脂基板10と、樹脂基板10の一方の面に、流路溝11を覆うように接合された樹脂フィルム20と、を備える。水に対する、樹脂基板10の接触角と樹脂フィルム20の接触角との差が±20°以下であることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、医薬品工業などに用いられるマイクロ流路チップに関する。
医薬品や試薬などの製造等に関する医薬品工業の分野においては、核酸、タンパク質、糖鎖等の分析や合成、スクリーニングなどのために、マイクロ流路チップが使用される場合がある。このマイクロ流路チップは、微細加工技術を利用して、樹脂などにより構成される基板等に微細な流路溝(マイクロ流路とも呼ばれる)が形成されている。マイクロ流路チップは、マイクロ流路内を含む微小空間において、試料の化学反応、分離、検出、分析などを行うことができるものである。
そして、このような化学反応などに用いるマイクロ流路チップとして、例えば特許文献1には、流路溝(同文献には、流路用溝と記載。)と、この流路溝に連通するポート(同文献には、導入口と記載。)とを有する樹脂基板(同文献には、単に基板と記載。)と、カバー用基材の厚み方向に貫通する複数の脱気孔とポートに液体試料を導入するための貫通孔とを有する樹脂フィルム(同文献には、カバー部材と記載。)と、を備えるマイクロ流路チップ(同文献には、マイクロチップと記載。)が開示されている。
なお、脱気孔は、流路溝内に残留する空気(気泡)をチップの外部に排出するものである。
特開2011−215006号公報
しかし、流路溝内に残留する気泡のすべてを脱気孔に至らせて外部に排出するのは困難であった。
また、矩形断面の窪みである流路溝に液体試料を流す場合には、液体試料の粘度の影響により、流路の幅方向の中央部分における流速に対して、両端部分の流速が小さくなる。このような流速の差により、液体試料は流路内で渦巻くように進行することになり、流路内に残留空気を生じさせやすくなっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、流路内の空気の残留を抑制可能なマイクロ流路チップを提供することを目的とする。
本発明に係るマイクロ流路チップは、少なくとも一方の面に流路溝が形成された樹脂基板と、樹脂基板の一方の面に、流路溝を覆うように接合された樹脂フィルムと、を備え、水に対する、樹脂基板の接触角と樹脂フィルムの接触角との差が±20°以下であることを特徴とする。
本発明によれば、流路内の空気の残留を抑制可能なマイクロ流路チップを提供することができる。
本実施形態に係るマイクロ流路チップの正面図である。 図1のII-II断面を示す図であり、マイクロ流路チップの流路溝付近を拡大した拡大断面図である。
以下、本発明に係るマイクロ流路チップの実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。なお、図面に示された各部材の寸法比率は、発明の理解を容易にするため、実際の寸法比率と異なる場合がある。
<概要>
まず、本実施形態に係るマイクロ流路チップ100の概要について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るマイクロ流路チップ100を正面から示した図、図2は、本実施形態に係るマイクロ流路チップ100の流路溝11付近を模式的に拡大した断面図である。
本実施形態に係るマイクロ流路チップ100は、少なくとも一方の面に流路溝11が形成された樹脂基板10と、樹脂基板10の一方の面に、流路溝11を覆うように接合された樹脂フィルム20と、を備える。水に対する、樹脂基板10の接触角と樹脂フィルム20の接触角との差が±20°以下であることを特徴とする。
上記構成によれば、流路40のうち樹脂基板10に面する部分と、樹脂フィルム20に面する部分とで、流路を流れる流体の進路方向において速度差が生じることを抑制でき、流路40内で渦流が発生することを抑制できることで、気泡が残留することを抑制できる。
なお、本実施形態に係るマイクロ流路チップ100には、図1に示すような、試料等の導入口あるいは排出口や、脱気口などになり得る1以上のポート13が樹脂基板10等に形成されていてもよい。そして、このポート13は、図1に示すような円筒状であってもよく、あるいは方形の筒状など他の形状であってもよい。また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ100の全体形状は、機器等での使用のしやすさなどの観点から方形の板状であるのが好ましいが、円形の板状などであってもよく、板状であれば特段限定されない。
<樹脂基板について>
本実施形態に係る樹脂基板10について、詳細に説明する。
本実施形態に係る樹脂基板10は、少なくとも一方の面(図2の上面)側に流路溝11が形成された、樹脂により構成される板状の基板である。樹脂基板10の大きさとしては、例えば方形であれば、10mm以上100mm以下×10mm以上200mm以下、厚さ0.5mm以上3.0mm以下程度である。
また、この流路溝11は、微細な溝であって、電気泳動などによる試料の通液が可能な幅及び深さを有していればよい。例えば、流路溝11の開口幅(流路溝11の短手方向の長さ)は1mm以下であり、深さは10μm以上500μm以下、さらには20μm以上100μm以下程度である。
そして、この流路溝11は、樹脂の射出成形によって樹脂基板10を成形する際に流路溝11も形成できるような金型を使用したり、成形された樹脂基板10を微細加工する(削ったり、部材を付加したりする)ことにより形成することができる。
本実施形態に係る流路溝11は、図2に示すように、底面11aと、底面11aの幅方向両端から樹脂フィルム20に至るまで斜め上方に末広がりとなるように延在する両内側壁11bと、を備える。つまり、流路40の断面形状は、上方に向かうにつれて流路40の開口幅が広がる倒立台形状である。
なお、流路溝11の形状は、横断面形状が矩形、多角形、半円状であるなど特段限定されない。また、流路溝11の本数も1本に限定されず、複数本形成されたものであってもよい。そして、この流路溝11は分岐や交差をしていてもよく、本数なども含めて、使用用途に応じて適宜設計することができる。
また、この樹脂基板10は、樹脂フィルム20と接合しない面側に樹脂以外の材料(例えばガラスなど)により構成される層を有していてもよいが、樹脂基板10全体が樹脂(特に同じ樹脂)により構成されているのが好ましい。樹脂基板10自体の成型や樹脂フィルム20との接合がし易いからである。そして、流路溝11は、樹脂基板10において樹脂フィルム20と接合しない面側にも形成されていてもよい。
さらに、この流路溝11については、その表面(流路溝11を構成する面)が親水化処理や表面処置官能基の形成処理などの表面処理が施されていてもよい。このような表面処理としては、例えば含酸素官能基を導入する処理などが示される。この含酸素官能基を導入することにより、この表面の親水性が向上し、よりスムーズな試料の通液などが可能となる。含酸素官能基としては、アルデヒド基やケトン基などのカルボニル基、カルボキシル基、水酸基、エーテル基、パーオキサイト基、エポキシ基などの極性を有した官能基群が例示される。
また、その導入処理としては例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、エキシマレーザー処理、フレーム処理などを用いることができる。この表面処理については、後述する樹脂フィルム20の流路溝11を覆う表面にも同様に施されていてよい。
そして、樹脂基板10の作製に用いる樹脂素材としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)などのポリオレフィン、ポリスチレン(PS)などのポリビニル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリアクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、シクロオレフィンポリマー(COP)やシクロオレフィンコポリマー(COC)等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、蛍光検出などにおいて用いられる光源からの可視光線を透過しやすい、つまり樹脂基板10の透明性を確保しやすいことから、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、及びシクロオレフィンコポリマー(COC)からなる群から選ばれるいずれか1つを樹脂素材として用いることがより好ましい。
<樹脂フィルムについて>
次に、本実施形態に係る樹脂フィルム20について、詳細に説明する。
本実施形態に係る樹脂フィルム20は、少なくとも可視光線を透過可能である樹脂により構成されるフィルムである。この樹脂フィルム20が少なくとも可視光線を透過可能であることにより、蛍光検出などにおいて少なくとも樹脂フィルム20側からの照光や検出が可能となる。なお、樹脂フィルム20だけでなく上記した樹脂基板10も可視光線を透過可能であると、マイクロ流路チップ100のいずれの面側からも照光や検出が可能となるためより好ましい。
なお、この樹脂フィルム20の大きさとしては、例えば方形であれば、上記した樹脂基板10と同様の大きさ、つまり10mm以上100mm以下×10mm以上200mm以下であり、厚さは0.01mm以上1.0mm以下、さらには0.02mm以上0.5mm以下、さらには0.03mm以上0.1mm以下程度である。樹脂フィルム20を上記のような厚さとするとことにより、透明性や熱伝導性がより好ましいものとすることができる。また、この樹脂フィルム20は、複数のフィルム層が積層された積層フィルムであってもよい。また、この樹脂フィルム20の表面に感圧性粘着剤をコーティングすると、樹脂基板10とのラミネートが容易となり、また、粘着剤の組成を選択することで親水性を変更できるため好ましい。
そして、この樹脂フィルム20の作製に用いる樹脂素材としては、少なくとも可視光線を透過可能なフィルムとなる素材であれば特段限定されない。例えば、樹脂フィルム20の樹脂素材としては、樹脂基板10に用いる樹脂素材と同様のもの、つまりポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)などのポリオレフィン、ポリスチレン(PS)などのポリビニル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリアクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、シクロオレフィンポリマー(COP)やシクロオレフィンコポリマー(COC)等が挙げられる。
さらに、上記した樹脂基板10と同様に、蛍光検出などにおいて用いられる光源からの可視光線を透過しやすい、つまり樹脂フィルム20の透明性を確保しやすいことから、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、及びシクロオレフィンコポリマー(COP)からなる群から選ばれるいずれか1つを樹脂素材として用いることが好ましい。また、複数のフィルム層が積層された積層フィルムである場合には、この各層を構成する樹脂素材が同じであると、目的とする性状の樹脂フィルム20を容易に得ることができるため好ましい。
特に、上記した樹脂基板10とこの樹脂フィルム20とが同じ樹脂素材を基材として含み、この樹脂素材がポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、及びシクロオレフィンコポリマー(COC)からなる群から選ばれるいずれか1つであると、光源などからの可視光線が樹脂基板10及び樹脂フィルム20をいずれも透過し易いため、蛍光検出等がより容易となり極めて好適である。
さらに、この樹脂フィルム20には、例えば樹脂基板10に形成された流路溝11やポート13に対応するように、金属蒸着や金属の薄膜などによる電極部が形成されていてもよい。そして、このような電極部が形成された樹脂フィルム20の場合には、樹脂基板10との接合性がより高まることから、低級アルコールなどの溶剤により電極部が処理されたものであるのが好ましい。
<マイクロ流路チップについて>
本実施形態に係るマイクロ流路チップ100は、上記した樹脂基板10と樹脂フィルム20とを接合することにより製造される。この樹脂基板10と樹脂フィルム20との接合は、樹脂基板10の流路溝11が形成された一方の面と、樹脂フィルム20の粘着剤がコーティングされた一方の面との間で行われる。この接合については、プレス機などを用いて感圧性粘着剤により接合が行われるのが好ましいが、熱プレス機による熱圧着を用いる方法、接着剤(ホットメルト接着剤等)を用いる方法、超音波融着法、レーザー融着法などにより行ってもよい。いずれの方法においても、樹脂基板10と樹脂フィルム20との接合面が均一となるように接合するのが好ましい。
そして、例えば、熱圧着によりこの接合が行われる場合であれば、その条件としては、力は1500N以上3000N以下、温度は95℃以上150℃以下、及び熱圧着時間は30秒間程度などが挙げられる。この熱圧着は、温度などを変えて2段階以上により行ってもよい。
なお、前述した大きさの樹脂基板10と樹脂フィルム20とを熱圧着する場合であれば、例えば、この熱圧着の圧力は0.05N/mm2以上30N/mm2以下、さらには0.15N/mm2以上15N/mm2以下、さらには0.3N/mm2以上10N/mm2以下としてもよい。
例えば、感圧性粘着剤によりこの接合が行われる場合であれば、その条件としては、力は500N以上3000N以下、温度は20度以上30度以下、及び圧着時間は5秒間程度などが挙げられる
なお、前述した大きさの樹脂基板10と樹脂フィルム20とを感圧性粘着剤により接合する場合であれば、例えば、この熱圧着の圧力は0.02N/mm2以上30N/mm2以下、さらには0.2N/mm2以上15N/mm2以下、さらには0.5N/mm2以上10N/mm2以下としてもよい。
次に、表1を参照して、接触角の異なる複数の樹脂フィルム20と樹脂基板10との組み合わせによって構成されたマイクロ流路チップ100に関してそれぞれの泡残りの発生について説明する。なお、本実施形態に係る各樹脂フィルム20の接触角は、親水性添加剤成分の含有量が異なることによって異なるものとなっている。
接触角を異ならせる親水性添加剤成分として、例えば、4級アンモニウム塩タイプ親水性ポリマー、4級アンモニウム塩タイプ帯電防止ポリマー等がある。
Figure 2021109159
表1に示すように、樹脂基板10においては水との接触角は64.9°、樹脂フィルム20の比較例1においては水との接触角が92.6°、比較例2においては水との接触角は87.8°、実施例1においては水との接触角が77.5°、実施例2においては水との接触角が73.5°であった。
例えば、樹脂基板10の流路40に面する部位にコーティングされた粘着層は、主成分アクリル系粘着剤が99質量%以上99.5質量%以下、添加剤成分としての硬化剤が0.5質量%以上1質量%以下である。
例えば、比較例1における樹脂フィルム20の流路40に面する部位にコーティングされた粘着層は、主成分アクリル系粘着剤が99質量%以上99.5質量%以下、添加剤成分としての硬化剤が0.5質量%以上1質量%以下である。
例えば、比較例2における樹脂フィルム20の流路40に面する部位にコーティングされた粘着層は、主成分アクリル系粘着剤が98質量%以上99質量%以下、添加剤成分としての硬化剤が0.5質量%以上1質量%以下、親水性添加剤成分として4級アンモニウム塩タイプ親水性ポリマーが0.5質量%以上1質量%以下である。
例えば、実施例1における樹脂フィルム20の流路40に面する部位にコーティングされた粘着層は、主成分アクリル系粘着剤が94質量%以上98.5質量%以下、添加剤成分としての硬化剤が0.5質量%以上1質量%以下、親水性添加剤成分として4級アンモニウム塩タイプ親水性ポリマーが1質量%以上5質量%以下である。
例えば、実施例2における樹脂フィルム20の流路40に面する部位にコーティングされた粘着層は、主成分アクリル系粘着剤が89質量%以上94.5質量%以下、添加剤成分としての硬化剤が0.5質量%以上1質量%以下、親水性添加剤成分として4級アンモニウム塩タイプ親水性ポリマーが5質量%以上10質量%以下である。
そして、水に対する、樹脂基板10の接触角と比較例1の樹脂フィルム20の接触角との差は、−27.7°、樹脂基板10の接触角と比較例2の樹脂フィルム20の接触角との差は、−22.9°、樹脂基板10の接触角と実施例1の樹脂フィルム20の接触角との差は、−12.6°、樹脂基板10の接触角と実施例2の樹脂フィルム20の接触角との差は、−8.6°である。
そして比較例1の樹脂フィルム20を含んで構成されたマイクロ流路チップ100には、気泡の残留が10個の試料中5個に発生し、比較例2の樹脂フィルム20を含んで構成されたマイクロ流路チップ100には、気泡の残留が10個の試料中1個に発生した。
一方で、実施例1、2の樹脂フィルム20を含んで構成されたマイクロ流路チップ100それぞれに関しては、10個の試料のいずれにも気泡の残留が発生しなかった。
上記のように、水に対する、樹脂基板10の接触角と樹脂フィルム20の接触角との差が±20°以下であると好ましく、さらには、水に対する、樹脂基板10の接触角と樹脂フィルム20の接触角との差が±15°以下であるとより好ましい。
このような構成によれば、流路40内に気泡が残存する蓋然性をより低めることができる。
また、水に対する樹脂基板10及び樹脂フィルム20の接触角が90°以下であると好適であり、さらに、85°以下であるとより好ましい。
上記のように、樹脂基板10及び樹脂フィルム20の接触角を小さく抑えることで、濡れ性を良くすることができ、試験流体が流れる際にも残留気泡が生じる空間が生じることを抑制し、流路40内に残留気泡が生じる蓋然性を低くすることができる。
なお、樹脂フィルム20の水に対する接触角が、樹脂基板10の水に対する接触角よりも低くてもよい。樹脂基板10又は樹脂フィルム20の流路40に面する部位のみに、親水性コーティングを施して、接触角の値を調整してもよい。例えば、親水性コーティングの種類や塗工量により、接触角を調整することが可能である。
また、実施例2の樹脂フィルム20は、実施例1の樹脂フィルム20と比較して接触角が樹脂基板の接触角と近い点で気泡がより生じづらい点で好ましい。
一方で、実施例1の樹脂フィルム20は、例えばフィルム表面の帯電量が少ないという点で、実施例2の樹脂フィルム20よりも好ましい。より詳しくは、実施例1の樹脂フィルム20の親水性向上に使用しているポリマーに含まれる4級アンモニウムの正電荷の量が実施例2の樹脂フィルム20よりも少ない。
なお、本実施形態に係るマイクロ流路チップ100は、さらに膜体、ポンプ、バルブ、センサー、モーター、ミキサー、ギア、クラッチ、マイクロレンズ、電気回路等を組み合わせて複合化させることも可能である。
以上のような実施形態を含む本発明に係るマイクロ流路チップは、試料の分離、検出、分析などに使用することが可能であり、2種類以上の試料を接触させて化学反応などを行うことも可能である。そして、この試料の蛍光検出等を行う場合において、光源として、放出光中に紫外線を若干含むハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀ランプなどを使用したり、さらに紫外線領域に近い励起波長ピークや蛍光波長ピークを有する蛍光試薬を使用して試料をラベルしたりしても、紫外線の影響による誤検出が極めて少ないため、蛍光検出等を行う妨げにならない。
そして、上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)少なくとも一方の面に流路溝が形成された樹脂基板と、
前記樹脂基板の前記一方の面に、前記流路溝を覆うように接合された樹脂フィルムと、を備え、
水に対する、前記樹脂基板の接触角と前記樹脂フィルムの接触角との差が±20°以下であることを特徴とするマイクロ流路チップ。
(2)前記水に対する、前記樹脂基板の接触角と前記樹脂フィルムの接触角との差が±15°以下である(1)に記載のマイクロ流路チップ。
(3)前記水に対する前記樹脂基板及び前記樹脂フィルムの接触角が90°以下である(1)又は(2)に記載のマイクロ流路チップ。
(4)前記水に対する前記樹脂基板及び前記樹脂フィルムの接触角が85°以下である(3)に記載のマイクロ流路チップ。
10 樹脂基板
11 流路溝
11a 底面
11b 内側壁
13 ポート
20 樹脂フィルム
40 流路
100 マイクロ流路チップ

Claims (4)

  1. 少なくとも一方の面に流路溝が形成された樹脂基板と、
    前記樹脂基板の前記一方の面に、前記流路溝を覆うように接合された樹脂フィルムと、を備え、
    水に対する、前記樹脂基板の接触角と前記樹脂フィルムの接触角との差が±20°以下であることを特徴とするマイクロ流路チップ。
  2. 前記水に対する、前記樹脂基板の接触角と前記樹脂フィルムの接触角との差が±15°以下である請求項1に記載のマイクロ流路チップ。
  3. 前記水に対する前記樹脂基板及び前記樹脂フィルムの接触角が90°以下である請求項1又は2に記載のマイクロ流路チップ。
  4. 前記水に対する前記樹脂基板及び前記樹脂フィルムの接触角が85°以下である請求項3に記載のマイクロ流路チップ。
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