JP2021104703A - 衝突予測判定装置、及び交通弱者保護システム - Google Patents

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真輝 梅澤
Masaki Umezawa
真輝 梅澤
憲有 岡村
Kenyu Okamura
憲有 岡村
惠珍 ▲裴▼
惠珍 ▲裴▼
Hye-Jin Bae
英俊 中村
Hidetoshi Nakamura
英俊 中村
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Abstract

【課題】車両の進行方向前方に歩行者・サイクリストを含む交通弱者が飛び出してきた場合であっても、交通弱者に対する車両の衝突を高い精度で予測判定可能にする。【解決手段】衝突予測判定装置18は、自車両15の進行方向前方を含む第1監視領域に存する障害物に係る外界情報を取得する外界センサ(カメラ21・レーダ23・ライダ25)と、自車両15に近接した第2監視領域に存する障害物の接触を含む近接情報を取得する近接センサ(外界ソナー27・圧力チューブセンサ29)と、自車両15に設けた前側外装部材5,7と車両側構造物(バルクヘッド47・バンパビーム49)との間隙情報を取得する間隙センサ(内界ソナー28)と、外界センサによる外界情報、近接センサによる近接情報、及び間隙センサによる間隙情報に基づいて、交通弱者と自車両15との衝突有無を含む衝突態様の予測判定を行う衝突予測判定部63と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、歩行者・サイクリストを含む交通弱者に対する車両の衝突を高い精度で予測判定可能な衝突予測判定装置、及び交通弱者保護システムに関する。
本願出願人は、物標の認識精度を向上させるため、物標認識システムに係る発明を開示している(特許文献1参照)。
特許文献1に係る物標認識システムの発明は、物標からの反射波を利用して物標の位置及び速度を認識する第1認識装置(カメラ・レーダを含む)と、物標の輪郭の一部を少なくとも利用して物標の位置及び速度を認識する第2認識装置(カメラ・ライダを含む)と、第1認識装置により認識された物標と、第2認識装置により認識された物標とが同一の物標であるか否かを判定し、同一の物標であると判定した場合に、同一の物標であると判定した物標同士を互いに対応付ける対応付処理部と、対応付けられた物標の将来の位置及び速度を予測する予測部と、予測部による予測結果と、第1認識装置及び第2認識装置による認識結果とに基づいて、第1認識装置または第2認識装置の状態が所定状態であるか否かを判定する判定部とを備える。
特許文献1の物標認識システムに係る発明によれば、処理速度を向上させつつ、物標の認識精度を向上させることができる。
特開2018−205878号公報
ところで、本発明者らの研究によると、歩行者・サイクリストを含む交通弱者に対する車両の衝突態様では、車両の進行方向前方に歩行者・サイクリストが飛び出してくる衝突態様が多い傾向のあることがわかっている。こうした比較的近距離の障害物の車両に対する衝突を高い精度で予測するのは、カメラ・レーダ・ライダといった外界センサでは限界があった。
本発明は、前記した実情に鑑みてなされたものであり、車両の進行方向前方に歩行者・サイクリストを含む交通弱者が飛び出してきた場合であっても、交通弱者に対する車両の衝突を高い精度で予測判定可能な衝突予測判定装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記した衝突予測判定装置を備え、交通弱者に対する優れた保護効果が得られる交通弱者保護システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る衝突予測判定装置は、自車両の進行方向前方を含む第1監視領域に存する障害物に係る外界情報を取得する外界センサと、前記第1監視領域より自車両に近接した領域であって自車両の進行方向前方を含む第2監視領域に存する障害物に係る近接情報を取得する近接センサと、自車両に設けた前側外装部材と車両側構造物との間隙情報を取得する間隙センサと、前記外界センサによる外界情報及び前記近接センサによる近接情報に基づいて前記障害物に対する衝突形態の予測判定を行うと共に、及び前記間隙センサによる間隙情報に基づいて前記障害物に対する衝突判定を行う衝突予測判定部と、を備え、前記近接センサは、前記障害物に対する相対距離を計測する外界ソナーからなり、前記間隙センサは、前記前側外装部材と前記車両側構造物との相対距離を計測する内界ソナーからなることを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、車両の進行方向前方に歩行者・サイクリストを含む交通弱者が飛び出してきた場合であっても、交通弱者に対する車両の衝突を高い精度で予測判定することができる。
本発明の実施形態に係る交通弱者保護システムの概略ブロック構成図である。 本発明の実施形態に係る衝突予測判定装置を搭載した車両の正面図である。 車両のフロントバンパ周りの車体前部構造を概念的に表す説明図である。 衝突予測判定部によって予測判定される複数の衝突態様を例示的に表す図である。 チューブセンサの出力信号の例を示す図である。 本実施形態に適用される複数の衝突判定閾値の説明図である。 本発明の実施形態に係る衝突予測判定装置の動作説明に供する模式図である。 カメラ・レーダ・ライダ判定処理のフローチャートである。 外界ソナー反応処理のフローチャートである。 内界ソナーによる衝突判定処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る衝突予測判定装置、及び交通弱者保護システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に示す図において、共通の機能を有する部材間、又は、相互に対応する機能を有する部材間には、原則として共通の参照符号を付するものとする。また、説明の便宜のため、部材のサイズ及び形状は、変形又は誇張して模式的に表す場合がある。
〔本発明の実施形態に係る交通弱者保護システム11の概要〕
はじめに、本発明の実施形態に係る交通弱者保護システム11の概要について、図1、図2A、及び図2Bを適宜参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る交通弱者保護システム11の概略ブロック構成図である。図2Aは、衝突予測判定装置18を搭載した車両15の正面図である。図2Bは、自車両の前部構造を概念的に表す説明図である。
交通弱者保護システム11は、車両(自車両と呼ぶ場合がある。)15に衝突した障害物(図示略)を保護する装置である。ここで、本発明で想定している障害物とは、例えば、歩行者・サイクリストを含む交通弱者である。サイクリストとは、自転車の搭乗者及び自転車本体の集合体を意味する。
なお、本明細書において、車両15の進行方向を「前方」、後退方向を「後方」、鉛直上方を「上方」、鉛直下方を「下方」と呼ぶ。また、前方を向いた運転者(不図示)から視た左右方向を「左方」、「右方」とそれぞれ呼ぶ。
交通弱者保護システム11は、衝突予測判定ECU13、入力系統17、及び出力系統19を備えて構成されている。
衝突予測判定ECU13は、基本的に、交通弱者と自車両15との衝突有無を含む衝突態様の予測判定を行う機能を有する。
かかる予測判定機能を実現するために、車両15には、交通弱者と自車両15との衝突予測判定を行う際に参照される各種情報を入力するための入力系統17と、交通弱者と自車両15との衝突が予測判定された場合に、衝突による衝撃から交通弱者を保護するための出力系統(保護装置)19と、が搭載されている。
本発明において、衝突予測判定ECU13及び入力系統17の組み合わせに係る構成が、衝突予測判定装置18に相当する。
ここで、衝突予測判定装置18を搭載した車両15の構成について、図2A及び図2Bを参照して説明する。
正面視の車両15には、図2Aに示すように、ボンネットフード1と、フロントフェンダ2と、バックミラー3と、ドアミラー4a,4bと、フロントグリル5と、フードエッジカバー6と、フロントバンパ7と、チンスポイラ8と、が備わっている。ボンネットフード1の下方空間(符号なし)は、一般に、エンジンルームである。
フロントフェンダ2は、ボンネットフード1の車幅方向左右に設けられる、前輪Wの上方を覆う外板部材である。バックミラー3は、車室内の上部前端中央に設けられ、後方視界を確保する際に用いる車室内ミラーである。ドアミラー4a,4bは、フロントドア(不図示)の左右上部前端に設けられ、左右の後方視界を確保する際に用いる車室外ミラーである。
フロントグリル5は、図2A及び図2Bに示すように、自車両15の前端部付近において、自車両15の前端部から外気を取り込み、取り込んだ外気をラジエータ(不図示)に導く部材である。フロントグリル5は、例えば、車幅方向に延設された複数枚の略板状の導風板(不図示)を、適宜の間隔を置いて上下方向に並設して構成される。フロントグリル5は、本発明の「前側外装部材」の一部に相当する。
フードエッジカバー6は、ボンネットフード1とフロントグリル5との隙間を埋めるように設けられている。フードエッジカバー6は、ボンネットフード1の先端部に沿って車幅方向に延設された鋼板部(符号なし)を備えている。フードエッジカバー6は、左右方向を軸として、回動可能に軸支されている。フードエッジカバー6の下方には、フードエアバッグ45を備える後記のフードエアバッグ装置37が設けられている。
フードエアバッグ45が膨張展開すると、フードエッジカバー6はフードエアバッグ45に押し上げられて回動する。これにより、フードエアバッグ45を解放するように構成されている。
フロントバンパ7は、図2A及び図2Bに示すように、自車両15の前端縁部に設けられる衝撃緩衝用の板状部材である。フロントバンパ7は、障害物の衝突時に塑性変形することで自車両15を衝突の衝撃から保護する役割を果たす。フロントバンパ7は、本発明の「前側外装部材」の一部に相当する。
チンスポイラ8は、フロントバンパ7の下方に設けられる板状部材である。チンスポイラ8は、自車両15の空力特性を向上させる機能を有する。
前に戻って説明を続けると、入力系統17には、カメラ21、レーダ23、ライダ25、外界ソナー27、内界ソナー28、圧力チューブセンサ29、Gセンサ31、及び車速センサ33が属している。
カメラ21は、自車両15の前方斜め下方に傾いた光軸を有し、自車両15の進行方向の画像を撮像する機能を有する。カメラ21としては、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラやCCD(Charge Coupled Device)カメラなどを適宜用いることができる。カメラ21は、図2Aに示すように、自車両15のウインドシールド中央上部に備わるバックミラー3の背面側等に設けられる。
カメラ21により撮像された自車両15の進行方向画像情報は、例えばNTSC(National Television Standards Committee)などのインターレース方式により生成される画像情報として衝突予測判定ECU13へ送られる。
レーダ23は、自車両15の進行方向前方及び側方にミリ波・マイクロ波等の電波を放射すると共に、障害物によって反射された電波(反射波)を検出することによって、車両15から障害物までの距離及び方向の情報を取得する機能を有する。
図2Aに示す例では、レーダ23は、フロントフェンダ2に設けられる前部右側レーダ23a、前部左側レーダ23c、フロントグリル5に設けられる前部中央レーダ23bの都合3つが自車両15に設けられている。レーダ23による自車両15の進行方向前方及び側方に存する障害物の分布に係る情報は、衝突予測判定ECU13へ送られる。
ライダ(LIDAR:Light Detection and Ranging)25は、自車両15の進行方向前方にレーザ光を放射すると共に、放射したレーザ光に対する散乱光を検出することによって、車両15から障害物までの距離及び方向の情報を取得する機能を有する。
図2Aに示す例では、ライダ25は、フロントバンパ7に設けられる前部右側ライダ25a、前部左側ライダ25bの都合2つが自車両15に設けられている。ライダ25による自車両15の進行方向に存する障害物の分布に係る情報は、衝突予測判定ECU13へ送られる。
カメラ21・レーダ23・ライダ25は、自車両の進行方向前方を含む第1監視領域に存する障害物に係る外界情報を取得する外界センサに相当する。
外界ソナー27は、自車両15の進行方向前方に向けて音波を放射し、放射した音波に対する反射波を受信することによって、自車両15の進行方向前方に存する障害物の存否に係る情報、障害物に対する相対距離を計測した測距情報、及び障害物と自車両15との相対速度に係る情報を取得する機能を有する。外界ソナー27が放射する音波としては、特に限定されないが、例えば、30〜100kHz程度の超音波を採用すればよい。
図2Aに示す例では、外界ソナー27は、フロントバンパ7の背面側において、一対の前部右側外界ソナー27a,27b、一対の前部左側外界ソナー27c,27dの都合4つが自車両15に設けられている。外界ソナー27による自車両15の進行方向に存する障害物の存否に係る情報等は、衝突予測判定ECU13へ送られる。
なお、外界ソナー27は、障害物の急な飛び出し等に対応するため、レーダ23及びライダ25と比べて、より高い応答速度を有するように設定されている。
外界ソナー27は、前記第1監視領域より自車両15に近接した領域であって自車両15の進行方向前方を含む第2監視領域に存する障害物に係る(障害物に対する)近接情報を取得する近接センサに相当する。
内界ソナー28は、外界ソナー27と同様に、自車両の進行方向前方に存する障害物と自車両との衝突有無に係る情報を取得する機能を有する。内界ソナー28が放射する音波音波としては、特に限定されないが、例えば、30〜100kHz程度の超音波を採用すればよい。
実際には、内界ソナー28は、自車両15の進行方向後方(エンジンルーム)に音波を放射し、放射した音波に対する反射波を受信することによって、フロントグリル5及びフロントバンパ7を含む前側外装部材5,7とバルクヘッド47・バンパビーム49(車両側構造物;図2B参照)との第1間隙情報(通常時の距離d1:図2B参照)、第2間隙情報(通常時の距離d2:図2B参照)をそれぞれ取得する間隙センサとしての役割を果たす。
内界ソナー28は、図2Aに示すように、前側外装部材5,7のうちバルクヘッド47の背面側上部であって音波放射面がバルクヘッド47を指向する部位に設けた一対の第1内界ソナー28a,28dと、前側外装部材5,7のうちバルクヘッド47の背面側上部であって音波放射面がバンパビーム49を指向する部位に設けた第2内界ソナー28b,28cとからなる。
内界ソナー28による前記第1及び第2間隙情報(距離d1,d2:図2B参照)は、衝突予測判定ECU13へ送られる。
図2Aに示す前部右側外界ソナー27a及び第1内界ソナー28aは、それぞれの音波の放射方向は相反するものの、共通の基板に搭載されている。同様に、前部右側外界ソナー27b及び第2内界ソナー28bも、共通の基板に搭載されている。同様に、前部左側外界ソナー27c及び第2内界ソナー28cも、共通の基板に搭載されている。同様に、前部左側外界ソナー27d及び第1内界ソナー28dも、共通の基板に搭載されている。
圧力チューブセンサ29は、可撓性を有する円筒状チューブの潰れ度合いを通してフロントバンパ7の塑性変形を検出することによって、交通弱者と自車両15との衝突有無に係る情報を取得する機能を有する。
図2Aに示す例では、圧力チューブセンサ29は、フロントバンパ7等の背面側において、車幅方向にわたり延設された第1及び第2圧力チューブセンサ29a,29bの都合2系統が自車両15に設けられている。
詳しく述べると、第1圧力チューブセンサ29aは、図2Aに示すように、フロントグリル5及びフロントバンパ7の背面側において、車幅方向にわたり延設されている。第1圧力チューブセンサ29aの路面からの取付高h1は、例えば400〜600mm程度である。
また、第1圧力チューブセンサ29aの下方には、図2Aに示すように、フロントバンパ7及びチンスポイラ8の背面側において、第2圧力チューブセンサ29bが車幅方向にわたり延設されている。第2圧力チューブセンサ29bの路面からの取付高h2は、例えば200〜300mm程度である。
仮に、自車両15が障害物に衝突することでフロントグリル5、フロントバンパ7、及びチンスポイラ8が塑性変形すると、それぞれの変形箇所において、第1・第2圧力チューブセンサ29a,29bの円筒状横断面が押し潰される。すると、第1・第2圧力チューブセンサ29a,29bは、印加された押圧力に応じた衝突検出信号を出力する。第1・第2圧力チューブセンサ29a,29bによる衝突検出信号は、衝突予測判定ECU13へ送られる。
圧力チューブセンサ29は、前記第1監視領域より自車両15に近接した領域であって自車両15の進行方向前方を含む第2監視領域に存する障害物に係る(障害物に対する)近接情報を取得する近接センサに相当する。
Gセンサ31は、自車両15に発生している前後G(前後加減速度)及び横G(横加減速度)をそれぞれ検出する機能を有する。Gセンサ31で検出されたG情報は、衝突予測判定ECU13へ送られる。
車速センサ33は、自車両15の車速を検出する機能を有する。車速センサ33で検出される車速情報は、衝突予測判定ECU13へ送られる。
一方、出力系統19には、フードポップアップ装置35、フードエアバッグ装置37、及びAピラーエアバッグ装置51が属している。
フードポップアップ装置35は、交通弱者と自車両15との衝突が予測判定されると、所定のタイミングでボンネットフード1の姿勢を上方へはね上げることにより、自車両15に衝突する交通弱者の頭部への衝撃を緩和する機能を有する。
フードポップアップ装置35は、略方形状のボンネットフード1を下方から伸縮自在に支持するために、ボンネットフード1における四隅付近の各々に、一対のR側アクチュエータ39a,39b、一対のL側アクチュエータ41a,41bをそれぞれ設けて構成されている。
なお、一対のR側アクチュエータ39、一対のL側アクチュエータ41の各々は、それぞれ独立して略上下方向に進退自在に駆動される。
フードエアバッグ装置37は、インフレータ43及びフードエアバッグ45を備えて構成されている。インフレータ43は、例えば、フードエアバッグ45の展開指令信号を受けて点火する不図示の点火装置、アジ化ナトリウム等のガス発生剤、及びそれらを収容する筐体を備えて構成される。
フードエアバッグ装置37は、交通弱者と自車両15との衝突が予測判定されると、交通弱者の頭部がボンネットフード1に接近するタイミングを見計らってフードエアバッグ45を膨張展開することにより、自車両15に衝突する交通弱者の頭部への衝撃を緩和する機能を有する。
Aピラーエアバッグ装置51は、図2Aに示す例では、右側Aピラー(符号なし)に内設される右側Aピラーエアバッグ装置51a、左側Aピラー(符号なし)に内設される左側Aピラーエアバッグ装置51bの都合2つが自車両15に設けられている。Aピラーエアバッグ装置51は、インフレータ53及びAピラーエアバッグ55を備えて構成されている。インフレータ53は、例えば、Aピラーエアバッグ55の展開指令信号を受けて点火する不図示の点火装置、アジ化ナトリウム等のガス発生剤、及びそれらを収容する筐体を備えて構成される。
Aピラーエアバッグ装置51は、交通弱者と自車両15との衝突が予測判定されると、交通弱者の頭部がAピラーに向かっている等の衝突態様に応じてAピラーエアバッグ55を膨張展開することにより、自車両15に衝突する交通弱者の頭部への衝撃を緩和する機能を有する。
出力系統19に属するフードポップアップ装置35、フードエアバッグ装置37、及びAピラーエアバッグ装置51は、自車両15に衝突した交通弱者を保護するように動作する保護装置19に相当する。
衝突予測判定ECU(衝突予測判定装置18の一部を構成する)13は、図1に示すように、情報取得部61、衝突予測判定部63、及び制御部67を備えて構成されている。
情報取得部61は、カメラ21で撮像された自車両進行方向の画像情報、レーダ23・ライダ25で検出された自車両15の進行方向前方を含む第1監視領域に存する障害物に係る外界情報、外界ソナー27・圧力チューブセンサ29で検出された自車両15に近接した第2監視領域に存する障害物の接触を含む近接情報、内界ソナー28で取得された、フロントグリル5及びフロントバンパ7を含む前側外装部材5,7に対するバルクヘッド47・バンパビーム49(車両側構造物;図2B参照)の第1間隙情報(距離d1:図2B参照)及び第2間隙情報(距離d2:図2B参照)、Gセンサ31で検出されたG情報、並びに、車速センサ33で検出された車速情報を、それぞれ取得する機能を有する。
衝突予測判定部63は、各種の情報を記憶する記憶部65を備えている。記憶部65は、「歩行者」及び「サイクリスト」の様々な輪郭形状、その他外観上の特徴を規定したテンプレート情報を記憶する。歩行者に対するテンプレートを「歩行者テンプレート」と呼び、サイクリストに対するテンプレートを「サイクリスト・テンプレート」と呼ぶ。これらのテンプレートは、カメラ21による画像情報に障害物が含まれるか否かを解析する際に参照される。
衝突予測判定部63は、図1に示すように、カメラ21による自車両15の進行方向前方の画像情報、レーダ23・ライダ25(外界センサ)による外界情報、外界ソナー27・圧力チューブセンサ29(近接センサ)による近接情報、内界ソナー28(間隙センサ)による第1及び第2間隙情報、Gセンサ31によるG(加減速度)情報、並びに、車速センサ33による車速情報に基づいて、交通弱者と自車両15との衝突有無を含む衝突態様の予測判定を行う。
詳しく述べると、衝突予測判定部63は、相対距離・方向予測判定機能と、障害物予測判定機能と、衝突予測判定機能と、を有する。
衝突予測判定部63の相対距離・方向予測判定機能では、自車両15と、自車両15の進行方向前方に存する障害物(交通弱者を含む)との間の相対距離及び方向を予測判定する。相対距離及び方向の予測判定に際し、衝突予測判定部63は、例えば、レーダ23・ライダ25(外界センサ)による外界情報に基づいて得られる相対距離情報・方向情報を、相対距離情報及び方向情報としてそのまま用いてもよい。また、カメラ21による画像情報を解析することにより、方向情報を求めても構わない。
衝突予測判定部63の障害物予測判定機能では、カメラ21による自車両15の進行方向前方の画像情報に基づいて、自車両15の進行方向前方を含む第1監視領域に障害物が存する場合に、その障害物の種別を予測判定する。本発明では、障害物として、歩行者・サイクリストを含む交通弱者を想定している。
実際には、衝突予測判定部63は、自車両15の進行方向前方の画像情報に対して輪郭抽出処理及びパターンマッチング処理を順次施すことにより、画像情報に含まれるオブジェクトの中から、記憶部65に記憶された「歩行者テンプレート」及び「サイクリスト・テンプレート」に対応するパターンを抽出することで、歩行者・サイクリストの予測判定を行う。
ここで、「オブジェクト」とは、画像情報に含まれ、輪郭を持った画素の集合である。例えば、衝突予測判定部63は、歩行者テンプレートを参照することで、歩行者テンプレートに類似した輪郭形状のオブジェクトを歩行者であると認識する。また、衝突予測判定部63は、サイクリスト・テンプレートを参照することで、サイクリスト・テンプレートに類似した輪郭形状のオブジェクトをサイクリストであると認識する。
衝突予測判定部63の衝突予測判定機能では、障害物の衝突態様(障害物側の衝突状況、自車両15側の衝突部位、衝突力の大きさ、車体の変形度合いを含む)の予測判定を行う。
交通弱者と自車両15との衝突態様に係る予測判定結果が、所定の衝突態様(ペダル上死点モード・追突モード;詳しくは後記する。)に合致する場合、衝突予測判定部63は、自車両の衝突予測判定を行う際に用いる衝突予測判定閾値THを下方修正すると共に、当該下方修正された衝突予測判定閾値THを用いて、交通弱者と自車両15との衝突態様に係る予測判定を行う。これについて、詳しくは後記する。
そして、衝突予測判定部63は、相対距離・方向予測判定、障害物予測判定、衝突態様予測判定に係る処理結果に基づいて、フードポップアップ装置35、フードエアバッグ装置37、及びAピラーエアバッグ装置51を含む保護装置19を動作させるか否かの判定を行う。
前記衝突予測判定ECU13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えたマイクロコンピュータにより構成される。このマイクロコンピュータは、ROMに記憶されているプログラムやデータを読み出して実行し、衝突予測判定装置18が有する、各種情報取得機能、衝突予測判定機能、フードポップアップ装置35・フードエアバッグ装置37・Aピラーエアバッグ装置51の動作制御機能を含む各種機能に係る実行制御を行うように動作する。
〔複数の衝突態様及びセンサ出力〕
次に、衝突予測判定部63によって予測判定される複数の衝突態様について、図3を参照して説明する。
図3は、衝突予測判定部63によって予測判定される複数の衝突態様を示す図である。
本明細書において、障害物(交通弱者)と自車両15との衝突態様を「衝突シーン」と呼ぶ。
図3に示す第1衝突シーンSC1は、道路を横断中のサイクリスト90に対して、自車両15が真横から衝突するケースを想定している。ここで、サイクリスト90は、搭乗者70と、被搭乗物である自転車80との集合体である。自車両15に面した側の自転車80のペダル82は上死点付近に位置している。なお、「上死点付近」とは、上死点を中心として、所定範囲(例えば±45°)のペダル82の回動範囲を指す。
また、第2衝突シーンSC2は、道路を横断中のサイクリスト92に対して、自車両15が真横から衝突するケースを想定している。ここで、サイクリスト92も前記と同様に、搭乗者70と、被搭乗物である自転車80との集合体である。ただし、第2衝突シーンSC2においては、自車両15に面した側の自転車80のペダル82は、下死点付近に位置している。なお、「下死点付近」とは、下死点を中心として、所定範囲(例えば±45°)のペダル82の回動範囲を指す。
第1、第2衝突シーンSC1,SC2において、自転車80の車輪84は、例えばリム直径が26インチ程度のものを想定している。
また、第3衝突シーンSC3は、道路を直進するサイクリスト94(幼児)に対して、自車両15が後方から衝突(追突)するケースを想定している。ここでのサイクリスト94も前記と同様に、搭乗者70と、被搭乗物である自転車85との集合体である。ただし、図3に示す例において、自転車85は幼児用のものであり、その車輪88のリム直径は、18インチ(18型)以下であるケースを想定している。また、幼児である搭乗者70及び幼児用である自転車85は共に軽量である。
なお、幼児用の自転車85の搭乗者70が仮に大人であっても、追突時には、圧力チューブセンサ29によるセンサ出力は、大人用の自転車に大人が乗っているケースと比べて小さくなる。
図4は、第1圧力チューブセンサ29aの出力信号P1(図1参照)の例を示す図である。
図3に示した第2衝突シーンSC2において、出力信号P1は、例えば図4に示す出力信号P1−2のような特性を示す。出力信号P1−2は、相当に長い期間に渡って、図4に示す衝突予測判定閾値(以下、「閾値」と省略する場合がある。)THを超えている。そこで、出力信号P1が前記閾値THを超えると「衝突発生」の予測判定を下すものとする。
第2衝突シーンSC2においては、この判定基準により、ほぼ確実に衝突を検出することができる。そして、「衝突発生」の予測判定を下した際に、保護装置19(図1参照)、すなわちフードポップアップ装置35、フードエアバッグ装置37、及びAピラーエアバッグ装置51を動作させることにより、障害物であるサイクリスト92を保護することができる。
これに対し、図3に示す第1衝突シーンSC1において、出力信号P1は、例えば図4に示す出力信号P1−1のような特性を示す。図示の例では、出力信号P1−1は閾値THを超える期間を若干有するが、状況によっては閾値THを超えないため、自車両15とサイクリスト90との衝突を検出できないおそれがある。
これは、図3の第1衝突シーンSC1のように、自車両15に面した側の自転車80のペダル82が上死点付近にあり(これを「ペダル上死点モード」と呼ぶ。)、搭乗者70の足があがっていると、サイクリスト90は比較的軽い力で転倒してしまうため、衝突時におけるフロントバンパ7のうちフェース部7a(図2B参照)の塑性変形が小さくなることに基づく。
第1衝突シーンSC1に際して衝突を確実に予測判定するために、閾値THを図4に示すレベルよりもさらに下げたとする。ところが、閾値THを徒に下げ過ぎると、例えば「自車両15に石が衝突した」、「自車両15にロードコーンが衝突した」、「自車両15が段差に乗り上げた」等の(交通弱者と自車両15との衝突ではない)事象が生じたケースにおいても、閾値THを超えるレベルにまで出力信号P1が上昇し、保護装置19を無駄に動作させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態においては、通常の状態では閾値THを、例えば図4に示す値に初期設定し、第1衝突シーンSC1が発生する旨の予測判定が下される場合には、一時的に閾値THを下げるようにしている。
また、図3に示した第3衝突シーンSC3において、出力信号P1は、例えば図4に示す出力信号P1−3のような特性を示す。これは、第3衝突シーンSC3のように自車両15が自転車85の後方から衝突(これを「追突モード」と呼ぶ。)すると、自転車85の車輪88が第1圧力チューブセンサ29a(図1参照)の下方に潜り込むようにしてフロントバンパ7やチンスポイラ8等を塑性変形させるため、出力信号P1の上昇幅はきわめて小さくなることに基づく。
また、サイクリスト94が幼児であると、搭乗者70の体重が軽く、自転車85も軽量であるため、出力も小さくなる。上述したように、図3の第3衝突シーンSC3に例示した自転車85はリム直径が18インチ以下の小径車である。
しかし、幼児用ではない、例えばリム直径が26インチ程度の大人用自転車であっても、自車両15に追突された場合の第1圧力チューブセンサ29aの出力信号P1は、出力信号P1−3に近い波形特性を示す。それは、リム直径が26インチの自転車であっても、車輪の中心であるハブ部(符号なし)は路面から13インチ(約330mm)程度であり、第1圧力チューブセンサ29aの取付高h1(図1参照)よりも低くなるためである。
そこで、本実施形態においては、図2Aに示すように、第1圧力チューブセンサ29aの下方に第2圧力チューブセンサ29bを設けている。第3衝突シーンSC3においては、第1圧力チューブセンサ29aの出力信号P1は有意に上昇しなかったとしても、第2圧力チューブセンサ29bの出力信号P2は有意に上昇する(図示略)。
これにより、第3衝突シーンSC3のような衝突態様を確実に検知することができる。
次に、本発明の実施形態に係る衝突予測判定装置18に適用される複数の衝突予測判定閾値(閾値)THについて、図5を参照して説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る衝突予測判定装置18に適用される複数の閾値の説明に供する図である。
図5において、出力信号P1−4,P1−6,P1−8は、第1圧力チューブセンサ29aの出力信号P1である。また、出力信号P2−1は、第2圧力チューブセンサ29bの出力信号P2である。
閾値THAは、閾値TH(図4参照)の基準値である。通常のケースでは、閾値THは閾値THAに設定される。すなわち、閾値THAは、障害物が歩行者・サイクリストを含む交通弱者であって、第2衝突シーンSC2(図3参照)に係る衝突態様で障害物が自車両15に衝突したか否かを予測判定する際の衝突予測判定閾値等として適用される。この場合、第1圧力チューブセンサ29aの出力信号P1は、例えば図示の出力信号P1−4のように変化するため、充分に閾値THAを超えることがわかる。
図5に示す出力信号P1−6は、自車両15にロードコーン(不図示)が衝突した場合の出力信号P1の特性例である。図示の特性例によれば、出力信号P1−6は閾値THAを超えないため、自車両15がロードコーンに衝突したとしても、保護装置19(図1参照)の無駄な動作が抑制される。図5に示す閾値THBは、第1衝突シーンSC1(図3参照)に係る衝突態様が予測判定される場合等に暫定的に適用される閾値THである。
図5に示す出力信号P1−8は、第1衝突シーンSC1に係る衝突態様における第1圧力チューブセンサ29aの出力信号P1の一例である。図示のように、出力信号P1−8は充分に閾値THBを超えるため、第1衝突シーンSC1に係る衝突態様の発生を高精度に検知することができる。
また、図5に示す閾値THCは、第3衝突シーンSC3(図3参照)に係る衝突態様で障害物が自車両15に衝突したか否かを予測判定する際の衝突予測判定閾値等として暫定的に適用される閾値THである。出力信号P2−1は、第3衝突シーンSC3に係る衝突態様における第2圧力チューブセンサ29bの出力信号P2の一例である。
図2Bに示すように、第2圧力チューブセンサ29bは第1圧力チューブセンサ29aの下方に設けられているため、第3衝突シーンSC3に係る衝突態様においても出力信号P2−1は有意に上昇し閾値THCを超えることがわかる。
これにより、第3衝突シーンSC3に係る衝突態様の発生を高精度に検知することができる。
〔衝突予測判定装置18の動作〕
次に、本発明の実施形態に係る衝突予測判定装置18の動作について、図6を参照して説明する。図6は、本発明の実施形態に係る衝突予測判定装置18の動作説明に供する模式図である。
図6において横軸は時刻を表しており、縦軸は障害物100と自車両15との相対距離を表している。また、縦軸は、閾値THのレベルも表している。図6に示す例では、自車両15は速度vで直進する一方、障害物100は、自車両15の進行方向に対して直交する方向に進行している。
時刻t2において、自車両15の衝突予測判定部63(図1参照)は、自車両15と障害物100との衝突態様を予測判定したとする。例えば、障害物100はサイクリストであり、図3の第1衝突シーンSC1に示すように、ペダル82が上死点付近であり、障害物100は(未来の)時刻t9に自車両15に衝突する旨の予測判定を衝突予測判定部63が行ったとする。
衝突予測判定部63の予測判定内容は、所定の制御周期(例えば100ms(ミリ秒))毎に更新される。図6における時刻t3〜t9は、時刻t2を基準として、各々1回〜7回の制御周期が経過したタイミングである。また、衝突予測判定部63は、時刻t2において、その後の時刻t3〜t9における障害物100の位置を予測する。以下、予測された位置を「予測位置」と呼ぶ。図6に示す「位置予測判定」とは、予測位置と障害物100の実際の位置計測結果とが近似しているか否かを示す。
ここで「近似」とは、障害物100の予測位置と実際の位置計測結果の差が所定の許容偏差内であることを指す。また、「非近似」とは、それ以外の場合を指す。また、図6に示す「衝突判定」とは、障害物100と自車両15との衝突が予測されるか否かを示す。図中の「衝突」とは、自車両15のブレーキ操作・ステアリング操作を含む回避操作によっても衝突が不可避であると予測されることを指す。また、「非衝突」とは、衝突が予測されないこと、又は、自車両15の前記回避操作によって衝突を回避できると予測されることを指す。
時刻t2〜t5の期間内に障害物100が定速移動していると仮定すると、時刻t3,t4,t5の各タイミングにおいて、「位置予測判定」の結果は「近似」であり、「衝突判定」の結果は「衝突」になる。ここで、時刻t5において、障害物100が自車両15の存在に気づいて急停止したとする。すると、時刻t6以降においては、「位置予測判定」は「非近似」になり、「衝突判定」は「非衝突」になる。
このように、「衝突判定」が「非衝突」である状態が所定の制御時間TAだけ継続すると、衝突予測判定部63は、閾値THを基準値である閾値THAに戻す。図示の例では、制御時間TAは200msである。すなわち、時刻t6〜t8の制御時間TAにおいて「衝突判定」が「非衝突」であったため、時刻t8に閾値THが閾値THAに戻されている。
その結果、時刻t8以降、ロードコーン(不図示)等が自車両15に衝突したとしても、保護装置19(図1参照)の無駄な動作を抑制することができる。
なお、図示の例において、制御時間TAは200msであったが、制御時間TAは、例えば100ms以上〜10秒以下の範囲であれば、他の値であってもよい。例えば、衝突予測判定部63は、衝突態様(第1〜第3衝突シーンSC1〜SC3)の種別、障害物100の移動速度、衝突余裕時間(TTC:Time-To-Collision)、障害物100に関するデータ(位置、移動速度)のばらつき具合、及び、情報通信及び情報処理に係るアイドルタイムのうち少なくとも1つ以上に基づいて、制御時間TAを設定するとよい。
〔カメラ・レーダ(ライダを含む)判定処理〕
次に、衝突予測判定ECU13(図1参照)において実行されるカメラ・レーダ判定処理について、図7を参照して説明する。図7は、衝突予測判定ECU13において実行されるカメラ・レーダ判定処理のフローチャートである。
本判定処理は、上述した制御周期(特に限定されないが、例えば100ms)毎に起動される。
図7に示すステップS10において、衝突予測判定部63は、何らかの障害物を検出したか否かを判定する。ここで「No」と判定されると、本判定処理は終了する。一方、ステップS10において「Yes」と判定されると、処理の流れはステップS12に進む。
ステップS12では、衝突予測判定部63が検出した「障害物について予測される衝突態様」に基づいて、処理が分岐される。
まず、サイクリストに対する追突モード(例えば図3に示す第3衝突シーンSC3)が予測判定された場合、処理の流れはステップS14に進む。ステップS14においては、閾値THが閾値THCに設定され、処理の流れが終了する。
これにより、以後は、第1圧力チューブセンサ29a,29bの出力信号P1,P2(図1参照)のうち何れかが閾値THCを超えると、衝突予測判定部63は保護装置19(図1参照)を動作させる。
また、ステップS12において、図3に示した第1衝突シーンSC1に係る衝突態様(ペダル上死点モード)が予測判定された場合、処理の流れはステップS16に進む。ステップS16においては、閾値THは閾値THBに設定され、処理の流れが終了する。
これにより、以後は、第1圧力チューブセンサ29a,29bの出力信号P1,P2のうち何れかが閾値THBを超えると、衝突予測判定ECU13の制御部67は保護装置19を動作させる。
また、ステップS12において、第1、第3衝突シーンSC1,SC3以外の衝突態様が予測判定された場合、例えば、第2衝突シーンSC2に係る衝突態様が予測判定された場合、障害物が歩行者である場合等において、処理の流れはステップS18に進む。ステップS18においては、閾値THは基準値である閾値THAに設定され、処理の流れが終了する。
これにより、以後は、第1圧力チューブセンサ29a,29bの出力信号P1,P2のうち何れかが閾値THAを超えると、衝突予測判定ECU13の制御部67は保護装置19を動作させる。
〔外界ソナー反応処理〕
次に、衝突予測判定ECU13(図1参照)において実行される外界ソナー反応処理について、図8を参照して説明する。図8は、衝突予測判定ECU13において実行される外界ソナー反応処理のフローチャートである。
本処理は、衝突予測判定部63における「衝突判定」が「非衝突」であり、かつ、外界ソナー27が反応した時に起動される。より詳細には、衝突予測判定部63における「衝突判定」が「非衝突」である際に、自車両15の進行方向前方に何らかの障害物が存在し、それを外界ソナー27が検出した際に起動される。
図8におけるステップS50において、衝突予測判定部63は、外界ソナー27により検出した障害物の高さが所定高さ以上であるか否かに係る予測判定を行う。ここで、「所定高さ」とは、犬猫の体高程度であり、例えば「30cm」〜「50cm」程度の高さである。ステップS50において「No」と予測判定されると、処理の流れはステップS58に進む。ステップS58においては、閾値THが基準値である閾値THAに初期設定され、処理の流れが終了する。
これにより、以後は、第1圧力チューブセンサ29a,29bの出力信号P1,P2のうち何れかが閾値THAを超えると、衝突予測判定ECU13の制御部67は保護装置19を動作させる。
一方、ステップS50において「Yes」と判定されると、処理の流れはステップS52に進む。
ステップS52では、衝突予測判定部63は、タイマ値TMが制御時間TA未満であるか否かに係る判定を行う。ここで、タイマ値TMとは、「衝突判定」(図6参照)が最後に「衝突」から「非衝突」に切り替わった時にリセットされ、その後は所定時間毎(例えば1ms毎)にカウントアップされる値である。すなわち、図6に示した例では、タイマ値TMは、時刻t6からの経過時間を示す。
ステップS52において「Yes」と判定されると、処理の流れはステップS54に進む。この場合、衝突が直前に回避されたことを意味する。より詳細には、衝突予測判定部63による「衝突判定」(図6参照)が「衝突」になった後、制御時間TAが経過する前に「非衝突」に切り替わった状態であり、図6の時刻t6〜t8の状態に対応する。図6の時刻t6〜t8の状態においても、障害物100が再び自車両15の前方に飛び出すことが起こり得る。そこで、このような場合に外界ソナー27が何らかの障害物を検出すると、ステップS54の処理が実行されることになる。
ステップS54において、衝突予測判定部63は、閾値THとして、閾値THB又はTHCのいずれかを設定する。すなわち、ステップS54の処理が実行される直前の閾値THが閾値THB又はTHCのいずれかであれば、その閾値TH(THB又はTHC)がそのまま維持される。一方、直前の閾値THが閾値THAであれば、ステップS54において、閾値THは閾値THBに変更され、処理の流れが終了する。
これにより、以後は、第1圧力チューブセンサ29a,29bの出力信号P1,P2のうち何れかが閾値THB又はTHCを超えると、衝突予測判定ECU13の制御部67は保護装置19を動作させる。
一方、図8のステップS52において「No」と判定されると、処理の流れはステップS56に進む。この場合、障害物の急な飛び出し等が発生したことを意味する。「急な飛び出し」とは、例えば障害物が物陰から自車両15の前方に飛び出した場合である。また、障害物がサイクリストである場合、自車両15の前方を自車両15と同等の速度で自転車が走行することがある。その際、サイクリストが急ブレーキをかけると、衝突予測判定部63による「衝突判定」が「衝突」になる前に、外界ソナー27が反応する場合がある。
ステップS56において、閾値THは原則として閾値THAに設定される。ただ、「所定条件」を満たした場合、閾値THは閾値THCに変更される。この「所定条件」とは、「第1圧力チューブセンサ29aの出力信号P1が閾値THC以下であって第2圧力チューブセンサ29bの出力信号P2が閾値THCを超えた」という条件である。ステップS56が終了すると、処理の流れが終了する。
従って、以降は、上記「所定条件」が成立すると、その時点で衝突予測判定ECU13の制御部67は保護装置19を動作させる。一方、上記「所定条件」が成立しない場合は、出力信号P1,P2のうち何れかが閾値THAを超えると、衝突予測判定ECU13の制御部67は保護装置19を動作させる。
〔内界ソナーによる衝突判定処理〕
次に、衝突予測判定ECU13(図1参照)において実行される内界ソナー28による衝突判定処理について、図9を参照して説明する。図9は、衝突予測判定ECU13において実行される内界ソナー28による衝突判定処理のフローチャートである。
本衝突判定処理は、所定の制御周期(特に限定されないが、例えば100ms)毎に起動される。
図9に示すステップS71において、衝突予測判定ECU13の情報取得部61は、内界ソナー28による第1及び第2間隙情報(距離d1,d2:図2B参照)からなる間隙情報GIを取得する。
ステップS73において、衝突予測判定ECU13の衝突予測判定部63は、間隙情報GIの値と間隙閾値GP_thとの大小関係を比較し、内界ソナー28による間隙情報GIの値が間隙閾値GP_thを下回ったか否かに係る判定を行う。
実際には、衝突予測判定部63は、第1内界ソナー28a,28dによる第1間隙情報GI1の値(距離d1:図2B参照)と第1間隙閾値GP_th1との大小関係を比較し、第1間隙情報GI1の値(距離d1)が第1間隙閾値GP_th1を下回ったか否かに係る判定を行う。また、衝突予測判定部63は、第2内界ソナー28b,28cによる第2間隙情報GI2の値(距離d2:図2B参照)と第2間隙閾値GP_th2との大小関係を比較し、第2間隙情報GI2の値(距離d2)が第2間隙閾値GP_th2を下回ったか否かに係る判定を行う。
ステップS73の判定の結果、間隙情報GIの値が間隙閾値GP_th以上である旨の判定が下された場合(ステップS73の「No」)、衝突予測判定ECU13の衝突予測判定部63は、処理の流れを終了させる。
実際には、衝突予測判定ECU13は、第1間隙情報GI1の値(距離d1)が第1間隙閾値GP_th1以上であり、かつ、第2間隙情報GI2の値(距離d2)が第2間隙閾値GP_th2以上である旨の判定が下された場合に、前側外装部材5,7の衝突による変形が生じていないとみなして、処理の流れを終了させる。
一方、ステップS73の判定の結果、間隙情報GIの値が間隙閾値GP_thを下回っている旨の判定が下された場合(ステップS73の「Yes」)、衝突予測判定ECU13は、前側外装部材5,7の衝突による変形が生じたとみなして、処理の流れをステップS75へ進ませる。
実際には、衝突予測判定ECU13は、第1間隙情報GI1の値(距離d1)が第1間隙閾値GP_th1を下回るか、又は、第2間隙情報GI2の値(距離d2)が第2間隙閾値GP_th2を下回る旨の判定が下された場合に、前側外装部材5,7の衝突による変形が生じたとみなして、処理の流れをステップS75へ進ませる。
ステップS75において、衝突予測判定ECU13の衝突予測判定部63は、前側外装部材5,7の衝突による変形が生じたとみなして障害物と自車両15との衝突ありとの予測判定(衝突検知)を行う。次いで、衝突予測判定部63は、障害物と自車両15との衝突ありを表す衝突検知信号を制御部67宛に出力する。
ステップS77において、衝突予測判定ECU13の制御部67は、衝突検知信号を受けて、フードポップアップ装置35・フードエアバッグ装置37・Aピラーエアバッグ装置51を含む保護装置19を動作させる制御を実行する。
〔本発明の実施形態に係る衝突予測判定装置18、及び交通弱者保護システム11の作用効果〕
次に、本発明の実施形態に係る衝突予測判定装置18、及び交通弱者保護システム11の作用効果について説明する。
第1の観点(請求項1に相当)に基づく衝突予測判定装置18は、自車両15の進行方向前方を含む第1監視領域に存する障害物に係る外界情報を取得する外界センサ(カメラ21・レーダ23・ライダ25)と、前記第1監視領域より自車両15に近接した領域であって自車両15の進行方向前方を含む第2監視領域に存する障害物に係る近接情報を取得する近接センサ(外界ソナー27・圧力チューブセンサ29)と、自車両15に設けた(フロントグリル5及びフロントバンパ7を含む)前側外装部材と車両側構造物(バルクヘッド47・バンパビーム49)との間隙情報(距離d1,d2:図2B参照)を取得する内界ソナー28(間隙センサ)と、外界センサによる外界情報及び近接センサによる近接情報に基づいて前記障害物に対する衝突態様の予測判定を行うと共に、内界ソナー28(間隙センサ)による間隙情報に基づいて前記障害物に対する衝突判定を行う衝突予測判定部63と、を備え、前記近接センサは、前記障害物に対する相対距離を計測する自車両15の進行方向前方に存する障害物の存否に係る情報を取得する外界ソナー27からなり、前記間隙センサは、前記前側外装部材と前記車両側構造物との相対距離を計測する内界ソナー28からなる構成を採用することとした。
第1の観点に基づく衝突予測判定装置18によれば、衝突予測判定部63は、外界センサによる外界情報及び近接センサによる近接情報に基づいて障害物に対する衝突態様の予測判定を行うと共に、内界ソナー28(間隙センサ)による間隙情報に基づいて障害物にに対する衝突判定を行うため、歩行者・サイクリストを含む交通弱者(障害物)に対する車両15の衝突態様を予測判定する際及び障害物に対する衝突判定を行う際に参照される外界情報・間隙情報・近接情報が、全体として必要な情報を相互に補完しあう結果として、交通弱者に対する車両15の衝突を高い精度で予測判定することができる。
また、前記近接センサは、障害物に対する相対距離を計測する外界ソナー27からなり、前記間隙センサは、前記前側外装部材と前記車両側構造物との相対距離を計測する内界ソナー28からなるため、音波の回折現象によって死角を生じにくい特質を有する外界ソナー27及び内界ソナー28の組み合わせが、外界センサ(カメラ21・レーダ23・ライダ25)による死角を補うように働く。
その結果、第1の観点に基づく衝突予測判定装置18によれば、交通弱者(障害物)に対する車両15の衝突に係る予測判定の信頼性を格段に向上させることができる。
ここで、外界センサ(カメラ21・レーダ23・ライダ25)による障害物に係る外界情報を用いて衝突予測判定を行う(電磁波・光の処理を伴う)ケースでは、特に近距離での検出精度向上の要請が生じた場合、情報処理量が膨大となって演算処理に比較的長時間を要するため、情報処理に係るリソースに制限がある状況下において、所要時間内に衝突予測判定を遂行することに困難を伴うケースが起こり得る。
この点、超音波を用いた外界ソナー27及び内界ソナー28では、比較的単純な構成で複雑な制御を要することなく、自車両15に係る近接情報・間隙情報を取得することが可能である。
そこで、本発明に係る衝突予測判定装置18では、外界センサ(カメラ21・レーダ23・ライダ25)を用いて、自車両15の進行方向前方を含む比較的遠距離の第1監視領域を対象とした障害物の監視を行う一方、外界ソナー27(近接センサ)及び内界ソナー28(間隙センサ)を用いて、自車両15の進行方向前方を含む比較的近距離の第2監視領域を対象とした障害物(歩行者やサイクリスト等の交通弱者の飛び出し)の監視を行うこととした。
これにより、第1の観点に基づく衝突予測判定装置18によれば、比較的単純な構成で複雑な制御を要することなく、自車両15に係る近接情報・間隙情報を取得することによって、迅速な衝突予測を行うと共に、高精度の衝突判定を行うことができる。
また、第2の観点(請求項2)に基づく衝突予測判定装置18は、第1の観点に基づく衝突予測判定装置18であって、前記内界ソナー28は、第1内界ソナー28a,28d及び第2内界ソナー28b,28cからなり、第1内界ソナー28a,28dは、前側外装部材(フロントグリル5及びフロントバンパ7)の意匠面裏側(背面側)であって音波放射面が車両上部側構造物(バルクヘッド47)を指向する部位に設けられ、第2内界ソナー28b,28cは、当該前側外装部材の意匠面裏側(背面側)であって音波放射面が車両下部側構造物(バンパービーム49)を指向する部位に設けられる構成を採用してもよい。
第2の観点に基づく衝突予測判定装置18によれば、内界ソナー28は、前側外装部材(フロントグリル5及びフロントバンパ7)の意匠面裏側(背面側)に設けた第1内界ソナー28a,28dと、当該前側外装部材の意匠面裏側(背面側)に設けた第2内界ソナー28b,28cとからなる構成を採用したため、仮に、自車両15に対する障害物の重心高さが相互に異なる衝突態様が生じた場合であっても、交通弱者に対する車両15の衝突態様を適確に予測判定することができる。
また、第3の観点(請求項3)に基づく衝突予測判定装置18では、第2の観点に基づく衝突予測判定装置18であって、外界ソナー27は、自車両15の進行方向前方に向けて放射した音波に対する反射波を受信することで障害物に対する相対距離を計測した測距情報を取得し、第1内界ソナー28a,28dは、前側外装部材(フロントグリル5及びフロントバンパ7)に対して後方側に存する車両上部側構造物(バルクヘッド47)に向けて放射した音波に対する反射波を受信することで該車両上部側構造物(バルクヘッド47)に対する相対距離を計測した第1間隙情報GI1(距離:d1)を取得する一方、第2内界ソナー28b,28cは、前側外装部材5,7に対して後方側に存する車両下部側構造物(バンパービーム49)に向けて放射した音波に対する反射波を受信することで該車両下部側構造物(バンパービーム49)に対する相対距離を計測した第2間隙情報GI2(距離:d2)を取得する。
衝突予測判定部63は、外界ソナー27による測距情報が所定の距離閾値を下回った場合に、障害物と自車両15との衝突ありとの予測判定を行い、第1内界ソナー28a,28dによる第1間隙情報GI1(距離:d1)が所定の第1間隙閾値GP_th1を下回った場合、又は、第2内界ソナー28b,28cによる第2間隙情報GI2(距離:d2)が所定の第2間隙閾値GP_th2を下回った場合に、前側外装部材5,7の変形が生じたとみなして障害物と自車両15との衝突ありとの予測判定を行う構成を採用することとした。
第3の観点に基づく衝突予測判定装置18では、衝突予測判定部63は、外界ソナー27による測距情報が所定の距離閾値を下回った場合に、障害物と自車両15との衝突ありとの予測判定を行う。前記所定の距離閾値としては、障害物と自車両15との衝突ありとの予測判定を行う時点において、自車両15のブレーキ操作・ステアリング操作を含む回避操作によっても衝突が不可避であると予測される距離(車速に応じて変更しても可)を適宜設定すればよい。
また、第1内界ソナー28a,28dによる第1間隙情報GI1(距離:d1)が所定の第1間隙閾値GP_th1を下回った場合、又は、第2内界ソナー28b,28cによる第2間隙情報GI2(距離:d2)が所定の第2間隙閾値GP_th2を下回った場合に、前側外装部材5,7の変形が生じたとみなして障害物と自車両15との衝突ありとの予測判定を行う。前記所定の第1間隙閾値GP_th1としては、第1内界ソナー28a,28dとバルクヘッド47との間隔を考慮して、当該間隔よりも小さい適宜の値を設定すればよい。同様に、前記所定の第2間隙閾値GP_th2としては、第2内界ソナー28b,28cとバンパービーム49との間隔を考慮して、当該間隔よりも小さい適宜の値を設定すればよい。
第3の観点に基づく衝突予測判定装置18によれば、音波の回折現象によって死角を生じにくい特質を有する外界ソナー27、第1内界ソナー28a,28d、及び第2内界ソナー28b,28cの組み合わせが、外界センサ(カメラ21・レーダ23・ライダ25)による死角を補うように働くため、仮に、自車両15に対する障害物の重心高さが相互に異なる衝突態様が生じた場合であっても、交通弱者に対する車両15の衝突態様を適確に予測判定することができる。
また、第4の観点(請求項4)に基づく衝突予測判定装置18では、第1〜第3のいずれか一の観点に基づく衝突予測判定装置18であって、外界ソナー27及び内界ソナー28は、共通の基板に搭載されている構成を採用してもよい。
第4の観点に基づく衝突予測判定装置18によれば、外界ソナー27及び内界ソナー28は、共通の基板に搭載されているため、外界ソナー27及び内界ソナー28をそれぞれ別個の基板に搭載する構成を採用する場合と比べて、スペース効率を格段に向上することができる。また、外界情報及び間隙情報をそれぞれ取得するための機能部を共有することが可能となる結果、センサ部品の小型化に貢献することができる。
また、第5の観点(請求項5)に基づく衝突予測判定装置18では、第1〜第4のいずれか一の観点に基づく衝突予測判定装置18を備え、自車両15に衝突した交通弱者を保護するための交通弱者保護システム11であって、自車両15に衝突した交通弱者を保護するように動作する保護装置(フードポップアップ装置35、フードエアバッグ装置37、及びAピラーエアバッグ装置51)19と、衝突予測判定部63において、障害物である交通弱者が自車両15に衝突する旨の予測判定が下された場合、保護装置19に交通弱者を保護する動作を行わせる制御部67と、をさらに備える構成を採用してもよい。
第5の観点に基づく交通弱者保護システム11によれば、制御部67は、衝突予測判定部63において、障害物である交通弱者が自車両15に衝突する旨の予測判定が下された場合、保護装置19に交通弱者を保護する動作を行わせるため、交通弱者と自車両15との衝突が生じた場合に、衝突の衝撃から交通弱者を適時かつ適確に保護することができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
例えば、本発明の実施形態に係る交通弱者保護システム11の説明において、略方形状のボンネットフード1における四隅(4点)を下方から伸縮自在に支持するため、当該四隅付近の各々に、一対のR側アクチュエータ39a,39b、一対のL側アクチュエータ41a,41bをそれぞれ設けて構成される4点支持式のフードポップアップ装置35を例示して説明したが、本発明はこの例に限定されない。
フードポップアップ装置35の構成として、略方形状のボンネットフード1における前側中央1点及び後ろ側隅部2点の都合3点を下方から伸縮自在に支持するように、当該3点付近の各々にアクチュエータをそれぞれ設けて構成される3点支持式のフードポップアップ装置35を採用しても構わない。
最後に、本発明の実施形態に係る衝突予測判定装置18の説明において、交通弱者と自車両15との衝突有無を含む衝突態様の予測判定を行う際に用いる各種センサ類として、外界センサ(カメラ21・レーダ23・ライダ25)と、近接センサ(外界ソナー27・圧力チューブセンサ29)と、間隙センサ(内界ソナー28)とを例示して説明したが、本発明はこの例に限定されない。
前記各種センサ類(外界センサ・近接センサ・間隙センサ)に関し、それぞれの種別・配置位置・配置数等を、適宜設定可能であることは言うまでもない。
5 フロントグリル(前側外装部材)
7 フロントバンパ(前側外装部材)
11 交通弱者保護システム
15 車両、自車両
18 衝突予測判定装置
21 カメラ(外界センサ)
23 レーダ(外界センサ)
25 ライダ(外界センサ)
27 外界ソナー(近接センサ)
28 内界ソナー(間隙センサ)
28a 第1内界ソナー(間隙センサ)
28b 第2内界ソナー(間隙センサ)
28c 第2内界ソナー(間隙センサ)
28d 第1内界ソナー(間隙センサ)
29 圧力チューブセンサ(近接センサ)
35 フードポップアップ装置(保護装置)
37 フードエアバッグ装置(保護装置)
47 バルクヘッド(車両側構造物)
49 バンパビーム(車両側構造物)
51 Aピラーエアバッグ装置(保護装置)
63 衝突予測判定部
67 制御部

Claims (5)

  1. 自車両の進行方向前方を含む第1監視領域に存する障害物に係る外界情報を取得する外界センサと、
    前記第1監視領域より自車両に近接した領域であって自車両の進行方向前方を含む第2監視領域に存する障害物に係る近接情報を取得する近接センサと、
    自車両に設けた前側外装部材と車両側構造物との間隙情報を取得する間隙センサと、
    前記外界センサによる外界情報及び前記近接センサによる近接情報に基づいて前記障害物に対する衝突態様の予測判定を行うと共に、前記間隙センサによる間隙情報に基づいて前記障害物に対する衝突判定を行う衝突予測判定部と、を備え、
    前記近接センサは、前記障害物に対する相対距離を計測する外界ソナーからなり、
    前記間隙センサは、前記前側外装部材と前記車両側構造物との相対距離を計測する内界ソナーからなる
    ことを特徴とする衝突予測判定装置。
  2. 請求項1に記載の衝突予測判定装置であって、
    前記内界ソナーは、第1内界ソナー及び第2内界ソナーからなり、
    前記第1内界ソナーは、前記前側外装部材の意匠面裏側であって音波放射面が車両上部側構造物を指向する部位に設けられ、
    前記第2内界ソナーは、当該前側外装部材の意匠面裏側であって音波放射面が車両下部側構造物を指向する部位に設けられる
    ことを特徴とする衝突予測判定装置。
  3. 請求項2に記載の衝突予測判定装置であって、
    前記外界ソナーは、自車両の進行方向前方に向けて放射した音波に対する反射波を受信することで障害物に対する相対距離を計測した測距情報を取得し、
    前記第1内界ソナーは、前記前側外装部材に対して後方側に存する前記車両上部側構造物に向けて放射した音波に対する反射波を受信することで該車両上部側構造物に対する相対距離を計測した第1間隙情報を取得する一方、
    前記第2内界ソナーは、前記前側外装部材に対して後方側に存する前記車両下部側構造物に向けて放射した音波に対する反射波を受信することで該車両下部側構造物に対する相対距離を計測した第2間隙情報を取得し、
    前記衝突予測判定部は、
    前記外界ソナーによる測距情報が所定の距離閾値を下回った場合に、障害物と自車両との衝突ありとの予測判定を行い、
    前記第1内界ソナーによる第1間隙情報が所定の第1間隙閾値を下回った場合、又は、前記第2内界ソナーによる第2間隙情報が所定の第2間隙閾値を下回った場合に、前記前側外装部材の変形が生じたとみなして障害物と自車両との衝突ありとの予測判定を行う
    ことを特徴とする衝突予測判定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の衝突予測判定装置であって、
    前記外界ソナー及び前記内界ソナーは、共通の基板に搭載されている
    ことを特徴とする衝突予測判定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の衝突予測判定装置を備え、自車両に衝突した交通弱者を保護するための交通弱者保護システムであって、
    自車両に衝突した交通弱者を保護するように動作する保護装置と、
    前記衝突予測判定部において、障害物である交通弱者が自車両に衝突する旨の予測判定が下された場合、前記保護装置に交通弱者を保護する動作を行わせる制御部と、をさらに備える
    ことを特徴とする交通弱者保護システム。
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