JP2021104046A - ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中検体から核酸を単離する方法 - Google Patents

ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中検体から核酸を単離する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中に入れられた臨床サンプルを含む検体を、処理する方法を提供すること。【解決手段】この方法は、検体をプロテアーゼ酵素及び2−イミダゾリドン又は他のホルムアルデヒドスカベンジャーと混合し、反応混合物を作る工程から始める。その後、検体中に含有され得る核酸へのホルムアルデヒドによる化学修飾をリバースするのに十分な時間、高温にて反応混合物をインキュベートする。この工程により、ホルムアルデヒドと核酸又はタンパク質との間の反応による化学修飾の少なくとも一部がリバースされる。例えば、化学架橋が切断され得る。次に、インキュベート工程後に反応混合物から核酸を単離する工程がある。最後に、単離工程からの核酸を鋳型として用いる、in vitro増幅反応を実施する工程がある。【選択図】なし

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2014年2月28日出願の米国特許仮出願第61/946,637号の非仮
出願であり、全ての目的においてその全体が参照として組み込まれる。
(発明の分野)
本発明はバイオテクノロジーの分野に関する。より具体的には、本発明は、ホルムアル
デヒド含有液体系細胞診用保存剤中で固定されたサンプルから核酸を単離する方法に関し
、単離されたRNAは、核酸増幅法における鋳型として用いるのに好適である。
ホルムアルデヒドで固定したサンプルから単離された核酸の分子解析に従事する実験者
は、この種のサンプルの使用にはある種の制限が適用されることを理解している。これは
、ホルムアルデヒド及びその他特定の化学固定剤が、タンパク質及び核酸を化学修飾する
ためである。この修飾により、その後の解析における、核酸の有用性が損なわれることが
知られている。
DNA、RNA及びタンパク質の周知の化学修飾によって、様々な問題が生じる。実際
に、Masudaら(Nucleic Acids Res.,27:4436〜444
3(1999))は、ホルマリンで固定したサンプルが分子生物学的用途に不十分な材料
である理由を調査した。筆者らは、プロテイナーゼKによる処理で固定した組織を可溶化
し、RNA抽出を可能にしたが、抽出されたRNAはPCRの鋳型としての使用が限定さ
れることを示した。更なる研究では、4つの塩基全てに対するモノ−メチロール基(−C
OH)の化学付加、並びに、メチレン架橋によるアデニン二量体形成の証拠が明らか
となった。特定の修飾は、ホルマリンを含まない緩衝液中で温度を上げることによって、
リバースすることができた。しかしながら、RNAの不安定性により、高温条件の使用が
望ましくなくなる場合がある。
ホルムアルデヒドで固定したサンプルを処理する初期の試みは、ある程度成功している
。例えば、Khrpinらは、米国特許出願公開第2011/0196146 A1号に
おいて、ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中に入れられた細胞材料から
核酸を単離している間の、ヒドラジン及びヒドラジドを含有するホルムアルデヒド除去化
合物(例えば、セミカルバジド;チオセミカルバジド;カルバジド;チオカルバジド;N
−アミノグアニジン及び塩酸塩などのその塩;N,N−ジアミノグアニジン及び二塩酸塩
などのその塩;アセチルヒドラジド;アジピン酸ジヒドラジド;コハク酸ジヒドラジド;
ギ酸ヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド;マロン酸ジヒドラジド;ベンゼンスルホニル
ヒドラジド;トシルヒドラジド;メチルスルホニルヒドラジド)の使用について記載して
いる。この発明者らは、核酸の完全性の指標として核酸増幅を使用するよりも、RNAプ
ローブ混合物を単離された核酸にハイブリダイズさせる、ハイブリッド捕捉法を使用した
。この後、RNA:DNAハイブリッドへの抗体結合と、続くシグナル増幅法によって、
DNA標的核酸の存在を判定した。実際に、Khrpinらは、核酸検出の教示に米国特
許第6,228,578号を参照しており、この文献は、強アルカリかつ高温の条件下(
RNAを加水分解する条件として知られる)での核酸サンプルの処理について記載してい
る。したがって、Khrpinらは、核酸増幅反応中の鋳型としての使用に好適な核酸に
することに取り組んでおらず、ホルムアルデヒドで固定した検体からRNA標的の検出を
可能にするための十分な開示を示していない。
米国特許出願公開第2011/0196146号明細書 米国特許第6,228,578号明細書
Masudaら、Nucleic Acids Res.,27:4436〜4443(1999)
本明細書に開示される手技は、ホルムアルデヒド含有液体系細胞診用保存剤中で保存さ
れた検体から、無傷の核酸、例えばRNAの迅速かつ効率的な単離への必要性に取り組む
ものである。
一態様では、本発明は、ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中に入れら
れた臨床サンプルを含む検体を、処理する方法に関する。この方法は、検体をプロテアー
ゼ酵素及び2−イミダゾリドン又は他のホルムアルデヒドスカベンジャーと混合し、反応
混合物を作る工程から始める。その後、検体中に含有され得る核酸へのホルムアルデヒド
による化学修飾をリバースするのに十分な時間、高温にて反応混合物をインキュベートす
る。この工程により、ホルムアルデヒドと核酸又はタンパク質との間の反応による化学修
飾の少なくとも一部がリバースされる。例えば、化学架橋が切断され得る。次に、インキ
ュベート工程後に反応混合物から核酸を単離する工程がある。最後に、単離工程からの核
酸を鋳型として用いる、in vitro増幅反応を実施する工程がある。
一部の方法では、リバースにより、検体中のポリペプチドへのホルムアルデヒド誘発性
架橋から、検体中の核酸が放出される。一部の方法では、プロテアーゼは、核酸をホルム
アルデヒド誘発性架橋から解放し、2−イミダゾリドンは、サンプル中の核酸とポリペプ
チドとの間への新たな架橋の誘発を阻害する。
一部の方法では、サンプルは、工程(a)の実施前に7〜120日間、液体系細胞診用
保存剤中に入れられている。
一部の方法では、インキュベート工程は30分以下であり、又は、インキュベート工程
は約5分〜30分であり、又は、インキュベート工程は、15分以下である。
一部の方法では、工程(d)後の増幅された核酸の収量は、プロテイナーゼ又は2−イ
ミダゾリドンのうちいずれかを除いた対照増幅よりも高い。一部の方法では、工程(d)
後の増幅された核酸の収量は、プロテイナーゼ又は2−イミダゾリドンのうちいずれかを
除いた対照増幅よりも少なくとも10%高い。一部の方法では、サンプル中の核酸分子の
少なくとも90%は、インキュベート工程後に架橋を含まない。
一部の方法では、インキュベート工程前の2−イミダゾリドンの最終濃度は、ホルムア
ルデヒドの最終最高濃度よりも、モルで1〜5又は2〜5倍高い。一部の方法では、プロ
テイナーゼは、4.3〜43U/mLの濃度で存在するプロテイナーゼKである。一部の
方法では、インキュベート工程の温度は、約60〜100℃である。一部の方法では、イ
ンキュベート工程の温度は、85〜95℃である。一部の方法では、インキュベート工程
の温度は、91〜95℃である。一部の方法では、インキュベート工程の温度は、90℃
である。
一部の方法では、プロテイナーゼ及びホルムアルデヒドスカベンジャーは、検体と同時
に混合される。一部の方法では、プロテイナーゼは、ホルムアルデヒドスカベンジャーよ
り前に検体と混合される。一部の方法では、ホルムアルデヒドスカベンジャーは、プロテ
イナーゼより前に検体と混合される。
一部の方法では、増幅は、転写増幅、単一プライマー核酸増幅、核酸配列ベース増幅、
ポリメラーゼ連鎖反応、鎖置換増幅、自家持続配列複製、又はDNAリガーゼ連鎖反応で
ある。一部の方法では、核酸はDNAを含み、一部の方法ではRNAを含む。一部の方法
では、単離された核酸はDNAであり、一部の方法ではRNAである。
一部の方法では、核酸は、単離される核酸及び固定化プローブにハイブリダイズする、
捕捉プローブを用いる捕捉アッセイにより単離される。一部の方法では、固定化プローブ
は、磁気ビーズに固定化される。
一部の方法では、増幅された核酸のアッセイ陽性度は、プロテイナーゼ又はホルムアル
デヒドスカベンジャーのうちいずれかを除いた反応混合物から得られた増幅された核酸の
アッセイ陽性度よりも高い。一部の方法では、増幅された核酸のアッセイ陽性度は、プロ
テイナーゼ又は2−イミダゾリドンのうちいずれかを除いた反応混合物から得られた増幅
された核酸のアッセイ陽性度よりも少なくとも約12%高い。一部の方法では、工程(d
)後の増幅された核酸のアッセイ陽性度は、21日後で約95%である。
一部の方法では、単離された核酸は、ヒトパピローマウイルス(HPV)RNA標的核
酸である。一部の方法では、検体は、子宮頚部細胞検体である。
別の態様では、本発明は、次の構成成分、すなわち、2−イミダゾリドン、プロテイナ
ーゼK、EDTA、及びpH緩衝液を含む、組成物に関する。
別の態様では、本発明は、ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中で保存
された検体を処理するためのキットに関する。このキットは、凍結乾燥されたプロテイナ
ーゼK酵素を含有する第1バイアルを含む。同様に、キットは、凍結乾燥されたプロテイ
ナーゼK酵素を再構成するための、再構成用緩衝液を含有する第2バイアルを含む。この
再構成用緩衝液は、一定量のpH緩衝液と、一定量のEDTAと、一定量の2−イミダゾ
リドンと、を含む。
別の態様では、本発明は、ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中で保存
された核酸含有サンプルを処理するためのシステムに関する。このシステムの構成要素は
、プログラム可能なコントローラと、プログラム可能なコントローラと通信するピペット
装置と、反応バイアル用第1ホルダーと、試薬バイアル用第2ホルダーと、を備える。本
発明のこの態様に従って、プログラム可能なコントローラは、ソフトウェアの命令により
、試薬バイアルが、2−イミダゾリドン、プロテイナーゼK、EDTA、及びpH緩衝液
を含む溶液を含有するとき、ピペット装置によって、試薬バイアルから部分量の液体を反
応バイアルに移動させるように構成される。これらの構成成分に加えて、反応バイアルは
、その他の構成成分の導入前又は後に、以下に更に記載するようにホルムアルデヒド中に
保存された検体を含んでいてよい。反応バイアル内に検体を導入するのに、所望によりソ
フトウェアによってかかるピペット装置を操作させるように構成されているプログラム可
能なコントローラと共に、同じ又は他のピペット装置を使用してよい。このシステムは、
所望により、好適なソフトウェアによって構成されるプログラム可能なコントローラの制
御を受けている、反応バイアル及びその内容物を制御した時間加熱するためのヒーターを
備えてもよい。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
ホルムアルデヒドを含む液体系細胞診用保存剤に入れられた臨床サンプルを含む検体を
処理する方法であって、
(a)前記検体をプロテアーゼ酵素及びホルムアルデヒドスカベンジャーと混合して反
応混合物を作る工程と、
(b)前記液体系細胞診用保存剤中のホルムアルデヒドにより、前記検体中に含有され
得る核酸の化学修飾をリバースするのに十分な時間にわたり、高温にて前記反応混合物を
インキュベートする工程と、
(c)前記インキュベートする工程後に前記反応混合物から核酸を単離する工程と、
(d)前記単離する工程の前記核酸を鋳型として用いる、in vitro増幅反応を
実施する工程と、を含む、方法。
(項目2)
前記ホルムアルデヒドスカベンジャーが2−イミダゾリドンである、項目1に記載の方
法。
(項目3)
前記リバースにより、前記検体中のポリペプチドへのホルムアルデヒド誘発性架橋から
、前記検体中の核酸が放出される、項目1又は2に記載の方法。
(項目4)
前記プロテアーゼが、前記核酸を前記ホルムアルデヒド誘発性架橋から解放し、2−イ
ミダゾリドンが、前記サンプル中の核酸とポリペプチドとの間への新たな架橋の誘発を阻
害する、項目2又は3に記載の方法。
(項目5)
前記サンプルが、工程(a)の実施前に7〜120日間、前記液体系細胞診用保存剤中
に入れられている、項目1〜4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記インキュベートする工程が30分以下にわたる、項目1〜5のいずれか一項に記載
の方法。
(項目7)
前記インキュベートする工程が約5分〜30分である、項目1〜6のいずれか一項に記
載の方法。
(項目8)
前記インキュベートする工程が15分以下にわたる、項目1〜7のいずれか一項に記載
の方法。
(項目9)
工程(d)後の増幅された核酸の収量が、プロテイナーゼ又は2−イミダゾリドンのう
ちいずれかを除いた対照増幅よりも高い、項目1〜8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
工程(d)後の増幅された核酸の収量が、プロテイナーゼ又は2−イミダゾリドンのう
ちいずれかを除いた対照増幅よりも少なくとも10%高い、項目1〜9のいずれか一項に
記載の方法。
(項目11)
前記サンプル中の核酸分子の少なくとも90%が、前記インキュベートする工程後に架
橋を含まない、項目1〜10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記インキュベートする工程前の2−イミダゾリドンの最終濃度が、前記ホルムアルデ
ヒドの最終最高濃度よりも、モルで1〜5倍高い、項目2〜11のいずれか一項に記載の
方法。
(項目13)
前記インキュベートする工程前の2−イミダゾリドンの最終濃度が、前記ホルムアルデ
ヒドの最終最高濃度よりも、モルで2〜5倍高い、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記プロテイナーゼが、4.3〜43U/mLの濃度で存在するプロテイナーゼKであ
る、項目12又は13に記載の方法。
(項目15)
前記インキュベートする工程の温度が約60〜100℃である、項目1〜14のいずれ
か一項に記載の方法。
(項目16)
前記インキュベートする工程の温度が85〜95℃である、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記インキュベートする工程の温度が91〜95℃である、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記温度が約90℃である、項目15に記載の方法。
(項目19)
前記プロテイナーゼ及び前記ホルムアルデヒドスカベンジャーが、前記検体と同時に混
合される、項目1〜18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記プロテイナーゼが、ホルムアルデヒドスカベンジャーより前に前記検体と混合され
る、項目1〜18のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記ホルムアルデヒドスカベンジャーが、前記プロテイナーゼより前に前記検体と混合
される、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記増幅が、転写増幅、単一プライマー核酸増幅、核酸配列ベース増幅、ポリメラーゼ
連鎖反応、鎖置換増幅、自家持続配列複製、又はDNAリガーゼ連鎖反応である、項目1
〜21のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記核酸がDNAを含む、項目1〜22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記核酸がRNAを含む、項目1〜22のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記単離された核酸がDNAである、項目23に記載の方法。
(項目26)
前記単離された核酸がRNAである、項目24に記載の方法。
(項目27)
前記核酸が、単離される前記核酸及び固定化プローブにハイブリダイズする、捕捉プロ
ーブを用いる捕捉アッセイにより単離される、項目1〜26のいずれか一項に記載の方法

(項目28)
前記固定化プローブが磁気ビーズに固定化されている、項目27に記載の方法。
(項目29)
工程(d)後の増幅された核酸のアッセイ陽性度が、プロテイナーゼ又はホルムアルデ
ヒドスカベンジャーのうちいずれかを除いた反応混合物から得られた増幅された核酸のア
ッセイ陽性度よりも高い、項目1〜28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
工程(d)後の増幅された核酸のアッセイ陽性度が、プロテイナーゼ又は2−イミダゾ
リドンのうちいずれかを除いた反応混合物から得られた増幅された核酸のアッセイ陽性度
より少なくとも約12%高い、項目29に記載の方法。
(項目31)
工程(d)後の増幅された核酸のアッセイ陽性度が、21日後に約95%である、項目
29に記載の方法。
(項目32)
前記単離された核酸がヒトパピローマウイルス(HPV)RNA標的核酸である、項目
24に記載の方法。
(項目33)
前記検体が子宮頚部細胞検体である、項目32に記載の方法。
(項目34)
組成物であって、
(a)2−イミダゾリドンと、
(b)プロテイナーゼKと、
(c)EDTAと、
(d)pH緩衝液と、を含む、組成物。
(項目35)
ホルムアルデヒドを含む液体系細胞診用保存剤中で保存された検体を処理するためのキ
ットであって、
(a)凍結乾燥されたプロテイナーゼK酵素を含有する第1バイアルと、
(b)前記凍結乾燥されたプロテイナーゼK酵素を再構成するための、再構成用緩衝液
を含有する第2バイアルであって、
前記再構成用緩衝液が、一定量のpH緩衝液と、一定量のEDTAと、一定量の2−イ
ミダゾリドンと、を含む、第2バイアルと、を含む、キット。
(項目36)
ホルムアルデヒドを含む液体系細胞診用保存剤中で保存された核酸含有サンプルを処理
するためのシステムであって、前記システムの構成要素が、
プログラム可能なコントローラと、
前記プログラム可能なコントローラと通信するピペット装置と、
反応バイアル用第1ホルダーと、
試薬バイアル用第2ホルダーと、
加熱要素と、を備え、
前記プログラム可能なコントローラが、ソフトウェアの命令により、前記試薬バイアル
が、ホルムアルデヒドスカベンジャー、プロテイナーゼK、EDTA、及びpH緩衝液を
含む溶液を含有するとき、前記ピペット装置によって、前記試薬バイアルから部分量の液
体を前記反応バイアルに移動させるように構成されており、
前記プログラム可能なコントローラが、ソフトウェアの命令により、前記加熱要素によ
って、前記反応バイアルを65℃〜95℃の温度まで加熱させるように構成されている、
システム。
(項目37)
前記プログラム可能なコントローラが、ソフトウェアの命令により、前記加熱要素によ
って、前記反応バイアルを85℃〜95℃の温度まで加熱させるように構成されている、
項目36に記載のシステム。
(項目38)
前記反応バイアル中の前記試薬が、前記ホルムアルデヒドスカベンジャーとして2−イ
ミダゾリドンを含む、項目37に記載のシステム。
(項目39)
前記反応バイアル中の前記試薬が、42〜45Uの濃度のプロテイナーゼKを含む、項
目38に記載のシステム。
(項目40)
前記プログラム可能なコントローラが、ソフトウェアの命令により、前記加熱要素によ
って、前記反応バイアルを90℃〜95℃の温度まで加熱させるように構成されている、
項目36に記載のシステム。
(項目41)
前記プログラム可能なコントローラが、ソフトウェアの命令により、前記加熱要素によ
って、前記反応バイアルを、15分〜30分間、90℃〜95℃の温度まで加熱させるよ
うに構成されている、項目40に記載のシステム。
(項目42)
前記反応バイアル中の前記試薬が、42〜45Uの濃度のプロテイナーゼKを含む、項
目41に記載のシステム。
in vitro転写物を用いて行われたHPV RNA増幅及び検出アッセイにおける、陽性度%を示す棒グラフである。この手順で使用された3つの条件は、(1)THINPREP液体系細胞診用保存剤中に保存された検体(黒色)、(2)SUREPATH液体系細胞診用保存剤中に保存され、プロテイナーゼK酵素で処理された検体(斜線)、並びに(3)SUREPATH液体系細胞診用保存剤中に保存され、2−イミダゾリドン及びプロテイナーゼK酵素の組み合わせで高温にて処理された検体(白色)であった。 異なるHPV種を含むヒト細胞株を用いて行われたHPV RNA増幅及び検出アッセイにおける、陽性度%を示す棒グラフである。図2Aは、HPV16を含むSiHa細胞を用いて得られた結果を示す。図2A〜2Cそれぞれにおいて、白色棒は陽性度%を示し(左軸)、濃い横線は平均シグナル/カットオフ比を示す(右軸)。 異なるHPV種を含むヒト細胞株を用いて行われたHPV RNA増幅及び検出アッセイにおける、陽性度%を示す棒グラフである。図2Bは、HPV18を含むHeLa細胞を用いて得られた結果を示す。図2A〜2Cそれぞれにおいて、白色棒は陽性度%を示し(左軸)、濃い横線は平均シグナル/カットオフ比を示す(右軸)。 異なるHPV種を含むヒト細胞株を用いて行われたHPV RNA増幅及び検出アッセイにおける、陽性度%を示す棒グラフである。図2Cは、HPV45を含むMS751細胞を用いて得られた結果を示す。図2A〜2Cそれぞれにおいて、白色棒は陽性度%を示し(左軸)、濃い横線は平均シグナル/カットオフ比を示す(右軸)。 時間(ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中で保存された日数)に対する陽性反応%(縦軸)を示す折れ線グラフである。どちらのグラフも、1反応当たり細胞30個を用いて行われた手順により得られた結果を示す。図3Aは、SiHa細胞を用いて得られた結果を示す。異なる線は、プロテイナーゼKのみ(■)、及び2−イミダゾリドン及びプロテイナーゼKの組み合わせ(◆)での処理を示す。 時間(ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中で保存された日数)に対する陽性反応%(縦軸)を示す折れ線グラフである。どちらのグラフも、1反応当たり細胞30個を用いて行われた手順により得られた結果を示す。図3Bは、HeLa細胞を用いて得られた結果を示す。異なる線は、プロテイナーゼKのみ(■)、及び2−イミダゾリドン及びプロテイナーゼKの組み合わせ(◆)での処理を示す。 2〜8℃における保存期間に対する陽性度%を示す折れ線グラフである。線は、1:10(◆)、1:100(■)で希釈した臨床検体の結果を示す。 例示的な作業の流れの主要素を示す図である。 ホルムアルデヒド、プロテイナーゼK及び2−イミダゾリドンの考えられる反応メカニズムを示す。
(定義)
特に明記しない限り、本明細書で用いられる科学的及び技術的用語は、技術文献、例え
ば、Dictionary of Microbiology and Molecul
ar Biology,2nd ed.(Singleton et al.,1994
,John Wiley & Sons,New York,NY)、又は、その他周知
の分子生物学に関する技術刊行物に基づいて、分子生物学分野の当業者に共通して理解さ
れるものと同じ意味を有する。特に明記しない限り、本明細書で利用され、又は想到され
る手技は、分子生物学の技術分野において周知の標準的な方法である。
本明細書で引用される全ての特許、出願公開、及びその他の刊行物は、その全体が参照
によって組み込まれる。この項に記載される定義が、参照により本明細書に援用される特
許、出願、出願公開、及びその他の刊行物に記載される定義と相反するか又は矛盾する場
合には、この項に記載される定義が、参照により本明細書に援用される定義に優先するも
のとする。
本明細書において使用するところの「a」又は「an」とは、「少なくとも1つ」又は
「1つ以上」を意味する。
明細書及び特許請求の範囲にわたってここで使用される近似に関する用語は、関連する
基本的な働きに変化をもたらすことなく許容範囲内で変更し得る、任意の定量的又は定性
的表現を修飾するために適用してよい。したがって、「約」又は「およそ」などの用語で
修飾される値は、特定される正確な値に制限されず、特定される値とは異なる値を含む場
合がある。
明確にするため、基本形(CHO)である「ホルムアルデヒド」は、気体である。「
ホルマリン」と呼ばれる液体は、実際は、ホルムアルデヒドガスと水の混合物である。し
かしながら、本明細書で使用されるとき、「ホルムアルデヒド」は、水溶液に溶解されて
いる分子(CHO)を指し得る。
本明細書で使用されるとき、「液体系細胞診」は、液体系婦人科検体採取を指し、ここ
では、頚腟部検査用のサンプルが、ブラシ用具の1つを用いて従来法で採取されるが、ス
ライドガラスに広げる代わりに、液体保存剤、つまり「固定剤」が入ったサンプルに移さ
れる。保存検体は、顕微鏡検査又は分子解析に使用できる。
本明細書で使用されるとき、「検体」は、特定物の例として採取されるものである。生
物検体として、核酸分析物などの分析物を含有し得る、生きた生物又は死んだ生物由来の
任意の組織又は材料が挙げられる。好ましい生物検体として、呼吸組織、滲出物(例えば
、気管支肺胞洗浄)、生検材料、痰、末梢血、血漿、血清、リンパ節、胃腸組織、糞便、
尿、又はその他の流体、組織、若しくは材料が挙げられる。特に好ましい生物検体として
、パップ検査に関連して得られ得るような、子宮頚部の外部開口部から採取される細胞が
挙げられる。
本明細書で使用されるとき、用語「サンプル」は、検査で使用するための材料の一部又
は一定量を指し、この一部は、それが採取されたものに関する情報を与え得る。サンプル
は、任意の供給源、例えば生物検体又は環境供給源由来であってよい。
本明細書で使用されるとき、用語「核酸」は、標準的なホスホジエステル結合又は他の
結合により共有結合された、窒素複素環式塩基又は塩基類似体を有するヌクレオシド又は
ヌクレオシド類似体を含む、オリゴヌクレオチドを含むポリヌクレオチド化合物を指す。
核酸として、RNA、DNA、キメラDNA−RNAポリマー、又はこれらの類似体が挙
げられる。
「核酸分析物」は、検出又は定量の対象となるポリヌクレオチドを意味する。特定のウ
イルスのゲノムは、核酸分析物の例となるであろう。
本明細書で使用されるとき、「検査サンプル」は、特定の核酸分析物の存在について検
査される任意のサンプルである。
本明細書で使用されるとき、「高」温条件は、室温よりも高い温度を指す。好ましくは
、高温は60℃〜100℃の範囲であり、より好ましくは、65℃〜95℃の範囲であり
、ときには80℃〜90℃の範囲であり、ときには、81〜98℃、85〜98℃、85
〜95℃、90〜95℃、91〜95℃、又は91〜99℃の範囲であり、ときには、約
90℃である。80℃を超える、例えば、85〜98℃、90℃、又は91〜95℃の温
度の使用は、以下に更に定義されるアッセイ感度を上げる結果となり得るが、温度が65
℃を超えて上昇すると、プロテイナーゼKの変性度が上がり、過度の変性のために85℃
又は90℃を超える温度での使用は通常は推奨されないため、驚くべきことである。本発
明の実践は、高温によるこの予想外の効果のメカニズムを識別することに左右されないが
、この結果は、高温での2−イミダゾリドンによるホルムアルデヒドの除去促進が、プロ
テイナーゼK活性のある程度の低下を補うだけではなくそれを上回ることを示し得る。好
ましくは、これら全ての場合において、液体系細胞診用保存剤中の臨床サンプル、2−イ
ミダゾリドン、プロテアーゼ、EDTA及びpH緩衝液を含む反応混合物を、10分〜3
0分、好ましくは10分から20分以下、ときには最長15分、つまり約15分の間、高
温に曝露する。
「増幅産物」は、in vitro核酸増幅反応のポリヌクレオチド産物であり、ここ
では標的核酸配列が、コピー、つまり増幅産物の合成の鋳型としての機能を果たした。
「標的」又は「標的核酸」は、増幅、検出、及び/又は定量される配列を含む核酸を意
味する。増幅される標的核酸配列は、好ましくは、2つの反対方向に配置されるオリゴヌ
クレオチド間に位置し、それぞれのオリゴヌクレオチドに相補的な標的核酸の一部を含む
「増幅」又は「核酸増幅」又は「in vitro核酸増幅」及び同種のものは、標的
核酸配列のRNA及びDNA等価物、又はこれらの相補物若しくはフラグメントを可能に
する複数のコピーを得るための任意の既知の手順を意味する。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態の理解を助けるため、以前詳細に述べられた
TMA法(例えば、米国特許第5,399,491号、同第5,554,516号、及び
同第5,824,518号)を簡単にまとめる。TMAでは、増幅される配列を含む標的
核酸は、一本鎖核酸(例えば、ssRNA又はssDNA)として提供される。二本鎖核
酸(例えば、dsDNA)を一本鎖核酸に変換する任意の従来方法を使用してよい。プロ
モータープライマーは、その標的配列において標的核酸に特異的に結合し、逆転写酵素(
RT)は、標的鎖を鋳型として用いてプロモータープライマーの3’末端を伸長してcD
NAコピーをもたらし、RNA:cDNA二本鎖が得られる。RNase活性(例えば、
RT酵素のRNase H)は、RNA:cDNA二本鎖のうちRNAを消化し、第2の
プライマーが、プロモーター−プライマー末端の下流にあるcDNA中の標的配列に特異
的に結合する。続いて、RTが、cDNAを鋳型として用いて第2のプライマーの3’末
端を伸長することによって新たなDNA鎖を合成し、機能性プロモーター配列を含むds
DNAがもたらされる。機能性プロモーターに特異的なRNAポリメラーゼは、転写を開
始し、初期の標的鎖に相補的なRNA転写物(増幅されたコピー、つまり増幅産物)が、
約100〜1000個生じる。第2のプライマーは、各増幅産物中の標的配列に特異的に
結合し、RTは、増幅産物であるRNA鋳型からcDNAを作り、RNA:cDNA二本
鎖が生じる。RNaseは、RNA:cDNA二本鎖から増幅産物RNAを消化し、プロ
モータープライマーの標的特異的配列は、新たに合成されたDNA中の相補配列に結合し
、RTは、プロモータープライマーの3’末端、並びにcDNAの3’末端を伸長して、
RNAポリメラーゼが結合し、標的鎖に相補的な更なる増幅産物を転写する、機能性プロ
モーターを含むdsDNAをもたらす。反応中のこれらの工程を繰り返し使用する自己触
媒的サイクルによって、初期標的配列の約10億倍もの増幅が得られる。増幅産物は、増
幅中に(リアルタイム検出)、又は、反応終了時に(エンドポイント検出)、増幅産物中
に含まれる配列に特異的に結合するプローブを用いて検出できる。結合したプローブによ
って生じるシグナルの検出は、サンプル中の標的核酸の存在を示す。
本明細書で使用されるとき、増幅産物の「検出」を、任意の既知の方法を用いて達成し
てよい。例えば、増幅された核酸は、検出可能な物理的変化(例えば、電気的変化)をも
たらす表面と結合し得る。増幅された核酸は、溶液相中で、又は、マトリックス中若しく
は上に濃縮し、これらと結合したラベル(例えば、臭化エチジウムなどの挿入剤)を検出
することによって検出できる。その他の検出法では、増幅産物中の配列に相補的なプロー
ブを使用し、プローブ:生成物複合体の存在を検出する、又は、プローブ複合体を使用し
て、増幅産物から検出されるシグナルを増幅する(例えば、米国特許第5,424,41
3号、同第5,451,503号、及び同第5,849,481号)。その他の検出法で
は、ラベル化プローブが増幅産物に結合するときのみに、分子標識、分子トーチ、又はハ
イブリダイゼーションスイッチプローブなどのシグナルの変化が起因するため、シグナル
生成が標的配列の存在と関連するプローブを用いる(例えば、米国特許第5,118,8
01号、同第5,312,728号、同第5,925,517号、同第6,150,09
7号、同第6,361,945号、同第6,534,274号、同第6,835,542
号、同第6,849,412号、及び同第8,034,554号、並びに、米国特許出願
公開第2006/0194240A1号)。かかるプローブは、典型的には、プローブの
一方の末端に付着されたラベル(例えば、フルオロフォア)、及び、プローブが、増幅産
物とハイブリダイズされていないことを示す一方のコンフォメーション(「閉鎖」)にあ
るとき、ラベルからのシグナル生成を阻害するが、プローブが、増幅産物とハイブリダイ
ズしてコンフォメーションが変わる(「開放」に)と検出可能なシグナルが生成される、
プローブの別の位置に付着された相互作用化合物(例えば、クエンチャー)を使用する。
増幅産物と特異的に結合するラベル化プローブから直接的又は間接的に生じるシグナルの
検出は、増幅された標的核酸の存在を示す。
本明細書で使用されるとき、「プローブ」は、ハイブリダイゼーションを促進し、検出
可能なハイブリッドを形成する条件下で、核酸中、好ましくは増幅された核酸中の標的配
列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドである。
本明細書で使用されるとき、用語「接触すること」は、2つ又はそれ以上の構成成分を
一つにすることを意味する。接触することは、全ての構成成分を流体又は半流体混合物中
で混合することによって達成できる。また接触することは、1つ又は2つ以上の構成成分
を、固形の組織切片又は基材などの固形表面上で、1つ又は2つ以上の他の構成成分と物
理的に接触させるときに達成することもできる。
本明細書で使用されるとき、用語「標的捕捉」は、細胞フラグメント、細胞小器官、タ
ンパク質、脂質、炭水化物、又は他の核酸などのサンプル混合物の他の構成成分より、標
的核酸を選択的に分離することを指す。標的捕捉システムは、所定の標的核酸を他のサン
プル成分から特異的かつ選択的に分離でき(例えば、目的とする標的核酸に特異的な核酸
配列の使用による)又は、標的の他の特徴(例えば、非特異的核酸へのハイブリダイゼー
ション、多孔性ガラスビーズへの結合、シリカ充填カラムへの捕捉及び溶出など、その物
理的特徴を呈示しない他のサンプル成分と区別する標的核酸の物理的特性)の使用によっ
て、他のサンプル成分から標的核酸を非特異的かつ選択的に分離できる。好ましい核酸ハ
イブリダイゼーション標的捕捉法及び組成物は、以前に詳細に述べられている(米国特許
第5,750,338号、同第6,060,246号、同第6,110,678号、同第
6,534,273号、及び同第7993,853号、並びに、米国特許出願公開第20
08/0286775 A1号)。好ましい標的捕捉の実施形態は、溶液相中の標的捕捉
オリゴヌクレオチド、及び担体に付着された固定化捕捉プローブを用いて、標的核酸との
複合体を形成し、捕捉された標的を他の構成成分から分離する。
本明細書で使用されるとき、用語「標的捕捉オリゴヌクレオチド」は、相補的核酸配列
、又はビオチン及びストレプトアビジンなどの結合対メンバーを用いて、標的核酸と固定
化捕捉プローブを架橋する、つまり結合する、少なくとも1つの核酸オリゴヌクレオチド
を指す。ある方法では、標的捕捉オリゴヌクレオチドは、非特異的に標的核酸に結合し、
標的核酸を固形担体に固定化する。異なる方法では、標的捕捉オリゴヌクレオチドの標的
特異的(TS)配列は、標的核酸中の配列に特異的に結合する。どちらの方法でも、標的
捕捉オリゴヌクレオチドは、固定化捕捉プローブに結合する(例えば、特異的結合対相互
作用により)固定化捕捉プローブ結合領域を含む。TS配列及び固定化捕捉プローブ結合
領域が共に核酸配列である実施形態では、これらは互いに共有結合されてよく、又は、1
つ又は2つ以上のリンカーによって結合される異なるオリゴヌクレオチド上にあってよい
「固定化捕捉プローブ」は、標的捕捉オリゴヌクレオチドを固形担体に結合するための
手段を提供する。固定化捕捉プローブは、固形担体に結合された塩基配列認識分子であり
、結合した標的ポリヌクレオチドの未結合物質からの分離を促進する。溶液中に遊離して
いるマトリックス及び粒子などの任意の既知の固形担体を使用してよい。例えば、固形担
体は、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリス
チレン、シランポリプロピレンであってよく、好ましくは、磁気的に誘引可能な粒子であ
ってよい。特に好ましい担体は、単分散(すなわち、±約5%の寸法で均一)の磁気球体
であり、これによって、自動化アッセイでの使用に特に有利な、一貫した結果をもたらす
。固定化捕捉プローブは、直接的に(例えば、共有結合又はイオン相互作用を介して)、
又は間接的に固形担体に結合されてよい。有用な固形担体の一般的な例として、磁気粒子
又はビーズが挙げられる。
本明細書で使用されるとき、用語「分離すること」又は「精製すること」は、一般に、
混合物(例えば、サンプル)の1つ又は2つ以上の構成成分を、混合物中の1つ又は2つ
以上の他の構成成分から取り出すことを指す。サンプル成分として、一般には水溶液相中
の核酸が挙げられ、細胞フラグメント、タンパク質、炭水化物、脂質、及びその他化合物
を挙げてもよい。好ましい実施形態は、少なくとも70%〜80%、より好ましくは約9
5%の標的核酸を、混合物中の他の構成成分から分離する、つまり取り出す。
「キット」は、典型的には、互いに同時に使用することを意図した、材料のパッケージ
化された組み合わせを意味する。本発明によるキットは、「有形」形態(例えば、印刷さ
れた情報、コンピュータ読み取り可能な媒体に電子的に記録されたもの、又は、数値を保
存するためのバーコードなど、機械による読み取り可能な媒体に別の方法で記録されたも
の)中の、指示又はその他情報を含んでよい。
「本質的になる」は、本発明の基本的かつ新規な特徴を実質的に変えない、追加の構成
成分、組成物、又は方法の工程が本発明に含まれ得ることを意味する。本発明の基本的か
つ新規な特徴に実質的に影響する、任意の構成成分、組成物、又は方法の工程は、この用
語の範囲外である。
文脈から明らかでない限り、「約」は、値を測定する場合の精度において潜在するばら
つきを示す。
DNAの修飾を「リバースすること」とは、ホルムアルデヒドによって誘発された修飾
、特にポリペプチドへの架橋から、DNAを解放することを意味する。リバースは、部分
的なもの又は完全なものであってよく、その結果、ホルムアルデヒド誘発性修飾が起こる
前の正しい状況にDNAを回復しても、しなくてもよい。
詳細な説明
本明細書に開示されるのは、ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中に保
存された検体から核酸を単離するための、方法、システム、組成物、及びキットである。
簡潔に言えば、開示される方法は、部分量のサンプル、つまり、液体保存剤中に入れられ
た細胞サンプルを、2−イミダゾリドン及びプロテアーゼ酵素の組み合わせと接触させる
ことに基づく。特に好ましい実施形態では、プロテアーゼはプロテイナーゼK酵素である
。続いて、混合物を高熱条件下でインキュベートすると、遊離のホルムアルデヒドを不活
化し、ホルムアルデヒドに起因する核酸の化学修飾の少なくとも一部をリバースできる。
この方法は、有利には、以前の方法と比べて迅速であり、効率的に単離され(例えば、捕
捉プローブハイブリダイゼーションにより)、逆転写され(所望により)、かつin v
itro増幅され得る、RNAなどの核酸をもたらす。
導入及び概要
本明細書に開示される手法は、ホルムアルデヒドを含む液体系細胞診用保存剤中に含ま
れる生体サンプル中に存在し得る、核酸標的の検出を促進する。かかる生体サンプルは、
分析を行う前にかなりの期間(例えば、少なくとも1、2、7、14、30、50、又は
100日間、又は7〜120日間)保存できる。保存中、ホルムアルデヒドは、サンプル
中の核酸の修飾、特に、サンプル中に存在するポリペプチドとの架橋生成を誘発する場合
がある。これらの修飾は、ハイブリダイズする能力(例えば、捕捉プローブへの)、又は
増幅能などの、DNAの後続処理を阻害する。架橋などの修飾は、プロテイナーゼKなど
のプロテアーゼで処理することによって切断できる。プロテアーゼでの処理により、捕捉
及び/又は増幅に利用できる核酸分子が増加し、最終的に、増幅産物をより得る、及び/
又は、特定の標的の検出閾値を下げることができる。プロテアーゼのこれら有益な効果は
、サンプルを2−イミダゾリドンで同時処理することによって増強される。2−イミダゾ
リドンは、ホルムアルデヒドスカベンジャーとして作用し、すなわち、核酸とポリペプチ
ドとの間の架橋を誘発できなくするか、又は少なくとも誘発する能力を実質的に減少させ
るように、ホルムアルデヒドと反応する。2−イミダゾリドンを、後続の説明の大半で例
示的かつ好ましいホルムアルデヒドスカベンジャーとして用いたが、文脈が他のものを必
要とする場合を除き、特に85℃以上の温度で実施される実施形態では、背景技術におい
て説明したものなど他のホルムアルデヒドスカベンジャーを代わりに使用できる。反応性
ホルムアルデヒドを除去することによって、2−イミダゾリドンは、プロテアーゼの作用
によって放出されたポリペプチドなどのポリペプチドが、サンプル中の核酸と架橋を形成
又は再形成するのを阻害することができる。また2−イミダゾリドンは、ホルムアルデヒ
ドを除去することによって、プロテアーゼの不活化を防ぐこともできる。2−イミダゾリ
ドンは以前よりホルムアルデヒドスカベンジャーであることが報告されているが、プロテ
アーゼ及び2−イミダゾリドンが供給される前に、サンプルが保存され、架橋が形成され
得る長い期間を考慮すると、短時間のインキュベーションでの新たな架橋形成に対する潜
在的阻害によって、捕捉、増幅、及び後続の処理に対する核酸の利用能が改善された材料
が得られることは、驚くべきことである。一部のイミダゾリンが既知の核酸変性剤である
ため、2−イミダゾリドンの存在自体が、捕捉、増幅、又はその他核酸ハイブリダイゼー
ションを受ける核酸の能力を損なわないことは、更に驚くべきことである。
この方法は、DNA及びRNAを含む任意の形態の核酸において使用できる。特に、D
NAはゲノム又はcDNAであってよい。特に、RNAは、mRNA、rRNA、hnR
NA、tRNA、又はウイルスRNAであってよい。DNAは所望の分析物であり得るが
、RNAは、高温での不安定性など、その化学的不安定性のせいで、サンプル処理への要
件がよりストリンジェントである。したがって、RNAを単離する手順について、最も厳
密な条件下での新規サンプル調製法の実証が探求された。
ホルムアルデヒド含有液体系細胞診用保存剤を用いる婦人科検体採取のモデル系を使用
し、核酸単離手法を説明した。実際の応用では、この系は、最初に子宮頚部細胞のスワブ
を得ることと、得た細胞サンプルをSUREPATH(TriPath Imaging
,Inc.の登録商標)液体系細胞診用保存剤に移すことと、続いて、保存した細胞を後
続の分子検査用に処理することと、を含む。この場合の分子検査は、in vitro増
幅及びヒトパピローマウイルス(HPV)RNA標的核酸の検出を必要とする。
HPVは、子宮頚がんの発症に関連し、発現されたHPV RNAの検出は、診断的及
び監視的アッセイとして特に価値がある。実際に、細胞診と併せたHPV分子検査は、今
では子宮頚がんスクリーニング及び患者管理に推奨されている。したがって、液体パップ
検査は、ホルマリン、又はホルムアルデヒドを含有する他の液体系細胞診用保存剤に保存
されたサンプルの処理を改善することによる、増幅可能なRNAの回収向上の恩恵を受け
る、アッセイシステムの一例であると考えられた。更に、in vitro増幅核酸と、
続くHPV特異的増幅産物の検出に基づく自動検査手順も同様に利益をもたらすであろう
APTIMA(登録商標)HPV遺伝子プローブアッセイは、14種類の高リスクHP
V遺伝子型のE6/E7 mRNAを検出する、市販の多重核酸検査である(例えば、カ
タログ番号303585、Gen−Probe Incorporated(San D
iego,CA))。検出される遺伝子型の中には、HPV16、HPV18、及びHP
V45がある。このアッセイは、核酸ハイブリダイゼーション法を用いる標的捕捉に基づ
き、ホルムアルデヒドを含まないTHINPREP(登録商標)液体系細胞診用保存剤中
に保存された子宮頚部検体を用いた使用について実証されている。遺伝子プローブアッセ
イは、最初に検体輸送培地(STM)と混合し、次に比較的高レベルのプロテイナーゼK
酵素(180U/1反応)を含む試薬で処理した後、SUREPATH(登録商標)液体
系細胞診用試薬中で保存された検体を用いた使用について実証されている。SUREPA
TH(登録商標)液体系細胞診用保存剤は、ホルムアルデヒド、エタノール、メタノール
、及びイソプロパノールを含有する。THINPREP中で保存された検体は、APTI
MA(登録商標)HPV遺伝子プローブアッセイによる検査のために迅速に処理できるの
に対して、SUREPATH(登録商標)中で保存された検体は、65℃で2時間のプロ
テイナーゼKによる消化を必要とする。この要件により、後者の保存剤の有用性が損なわ
れている。以下に説明する改善法によって、SUREPATH(登録商標)液体系細胞診
用試薬中で保存された検体を、より少ない酵素試薬を用いて、かつたった15分間のイン
キュベート時間で処理できる。
好ましい試薬組成物
開示される、ホルムアルデヒド含有液体系細胞診用保存剤から核酸を調製する手法は、
プロテアーゼ酵素及び2−イミダゾリドンを組み合わせて使用することに基づいている。
開示される手法は更に、プロテアーゼ酵素を高温で使用することに基づく。好ましい方法
では、プロテアーゼ酵素は、最初は、2−イミダゾリドンを含む緩衝化溶液を用いて再構
成される、凍結乾燥された形態である。好ましくは、再構成用緩衝液は更にEDTAを含
む。一つの特に好ましい実施形態では、プロテアーゼ酵素はプロテイナーゼK酵素であり
、pH4.0〜pH12.0の幅広い範囲内で活性を維持することが知られている。しか
しながら、プロテアーゼ酵素の再構成に用いられる緩衝液のpHは、好ましくは、約pH
7.5〜約pH8.5の範囲内に入る。この範囲によって、強アルカリ条件下で起こる加
水分解性開裂から依然としてRNAを保護しながらも、至適酵素活性を可能にする。更に
より好ましくは、再構成用緩衝液中で使用される緩衝液として、約pH8.0のトリス緩
衝液が挙げられる。
任意の希釈剤及びホルムアルデヒドを含む液体系細胞診用保存剤と混合するとき、主な
試薬構成成分の最終濃度は、好ましい範囲内にある。任意の希釈剤は、細胞膜を溶解する
界面活性剤を含む、緩衝化溶液であってよい。例示的な界面活性剤として、ドデシル硫酸
ナトリウム(SDS)及びラウリル硫酸リチウム(LLS)などのアニオン性界面活性剤
が挙げられる。非イオン性界面活性剤などの他の界面活性剤も有用な場合がある。有利に
は、強力なイオン性界面活性剤はタンパク質を変性することによって、これらをプロテイ
ナーゼK酵素によるタンパク質分解のより良い標的にすることができる。反応混合物中の
2−イミダゾリドン(imidazolidine)の最終濃度(モル濃度で)は、好ましくは、ホル
ムアルデヒドの最終最高濃度の1倍〜5倍、又はより好ましくは2倍〜5倍の範囲内に入
るように選択される。2−イミダゾリドン(imdazolidone)の最終濃度は、全ての試薬が
添加された後の反応混合物の体積に対する添加されたモルで決定される。ホルムアルデヒ
ドの最終濃度は、検体調製に用いられた保存剤中に存在するモル量を、全ての試薬が添加
された後の反応混合物の体積で除したものである。換言すれば、加熱によるインキュベー
ト前の、架橋誘発で消費されたホルムアルデヒドを差し引かない。例えば、1mLの液体
系細胞診用保存剤(例えば、細胞検体を含む)、2.9mLの希釈剤、及び0.3mLの
、2−イミダゾリドン、プロテイナーゼK酵素、EDTA、及び緩衝液を含む試薬を混合
して調製された反応混合物の最終ホルムアルデヒド濃度が約28mMだった場合、約2倍
過剰量の2−イミダゾリドンの最終濃度は、約50mM〜約60mMである。プロテイナ
ーゼK酵素の最終濃度は、有利には、2−イミダゾリドンを含まずに使用される量と比較
して、本発明の配合物中では減らすことができる。本発明の実践は、任意の特定の作用メ
カニズムを理解することに左右されないが、プロテイナーゼKは、タンパク質をメチル架
橋に結合しているアミン結合を消化することによって、核酸を放出し、APTIMA(登
録商標)アッセイのハイブリダイゼーション依存性標的捕捉工程において、標的捕捉に利
用できるようにする働きをし得ると考えられる。プロテイナーゼK酵素の最終濃度は、好
ましくは約43U/mL〜約4.3U/mLな範囲内にあり、約10〜11U/mLの濃
度が特に好ましい。したがって、4.2mLの反応体積は、好ましくは約40〜50U、
又は43UのプロテイナーゼK酵素を含む。EDTAの最終濃度は、好ましくは10mM
〜100mMの範囲内、より好ましくは10mM〜50mMの範囲内、更により好ましく
は30mM〜40mMの範囲内にある。緩衝化剤の最終濃度は、その剤の構造に基づいて
様々であるが、サンプル中に含まれるRNAがアルカリ加水分解によって実質的に分解さ
れないことを確実にする、十分な緩衝能をもたらすのに十分なものである。この要件は、
少なくとも10mMから、最大約500mM、より好ましくは最大約250mM、更によ
り好ましくは最大約100mM、及びなお更により好ましくは最大約50mMの範囲内の
最終緩衝液濃度を使用することによって満たされ得る。高温でのインキュベーション前の
、反応混合物中緩衝液についての特に好ましい最終濃度範囲は10mM〜50mMである
検体は、プロテアーゼ及び2−イミダゾリドンと任意の順で混合されてよい。例えば、
プロテアーゼ及び2−イミダゾリドンを検体と同時に混合してよい。あるいは、プロテア
ーゼをまず検体と、続いて2−イミダゾリドンと混合してよく、又は逆も同様である。
再構成用緩衝液及び凍結乾燥されたプロテアーゼの両方が、キットの構成成分であって
よく、使用直前に混合されて良い。つまり、キットのエンドユーザーは、凍結乾燥された
酵素を再構成して、例えば、2−イミダゾリドン、プロテイナーゼK酵素、EDTA、及
びpH緩衝液を含む酵素試薬を調製できる。好ましくは、試薬キットの1つの溶液は、2
−イミダゾリドン、EDTA、及びpH緩衝液を含むが、プロテイナーゼK酵素を含まな
い。プロテイナーゼK酵素は、好ましくはキットの別個のバイアル中に包装され、ここで
は酵素は凍結乾燥物の形態である。
好ましい標的濃縮法
増幅反応を開始する前に、まず標的捕捉手法を用いて、標的核酸を濃縮又は単離するこ
とが望ましい場合がある。好ましい方法では、2−イミダゾリドン及びプロテイナーゼK
酵素を含む試薬を加えた後に高温でインキュベートされる反応混合物の核酸は、上面に固
定化プローブが配置された固形担体と接触する。一実施形態によると、EDTA及びpH
緩衝液の存在下で高温条件において、2−イミダゾリドン及びプロテアーゼ酵素の組み合
わせで処理されている標的核酸は、配列特異的に、固定化捕捉プローブに直接ハイブリダ
イズする。異なる実施形態では、「標的捕捉プローブ」は、固形担体−固定化捕捉プロー
ブと増幅される標的核酸を架橋する働きをする。この方法の一般的特徴は、Weisbu
rgらによって、米国特許第6,534,273号に開示されており、この開示は参照す
ることによって本明細書に組み込まれる。選択する方法にかかわらず、増幅される標的核
酸を含むハイブリダイゼーションは、この手順の本質的な特徴であることは明らかである
本明細書に開示される手法と関連して使用され得、増幅される標的への非特異的ハイブ
リダイゼーションに依存する変異型標的捕捉法は、米国特許出願公開第2008/028
6775 A1に詳述されており、この開示は参照することによって本明細書に組み込ま
れる。非特異的ハイブリダイゼーション法に従うと、捕捉プローブは、標準的な塩基対合
(すなわち、G:C及びA:T/U結合)と比較して、標的核酸に対する別の塩基対合特
性を呈する、少なくとも1つの配列を含む。この非特異的ハイブリダイゼーション法によ
って精製される標的核酸は、少なくとも部分的に一本鎖であるRNA又はDNAであって
よい。ここでも、この配列非依存性標的捕捉法は、依然として核酸ハイブリダイゼーショ
ンに依存していることは明らかである。
このデータは、標的捕捉が2−イミダゾリドンの存在にもかかわらず起こり得ることを
示し、一部のイミダゾリンが核酸の変性を引き起こすことが報告される。
好ましい核酸増幅方法
本発明と関連して有用な増幅方法の例として、転写増幅(TMA)、単一プライマー核
酸増幅、核酸配列ベース増幅(NASBA)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、鎖置換
増幅(SDA)、自家持続配列複製(3SR)、DNAリガーゼ連鎖反応(LCR)、及
び、自己複製ポリヌクレオチド分子及び複製酵素、例えばMDV−1 RNA及びQβ酵
素を用いる増幅方法が挙げられるが、これらに限定されない。これら様々な増幅手法を行
う方法は、それぞれ、米国特許第5,399,491号、米国特許出願第11/213,
519号、欧州特許出願公開第0 525 882号、米国特許第4,965,188号
、同第第5,455,166号、Guatelli et al.,Proc.Natl
.Acad.Sci.USA 87:1874〜1878(1990)、国際公開第89
/09835号、米国特許第5,472,840号、及びLizardi et al.
,Trends Biotechnol.9:53〜58(1991)に記載されている
。核酸増幅反応の実施方法について記載しているこれらの文献の開示は、参照することに
よって本明細書に組み込まれる。
反応メカニズム
本発明の方法の実践はメカニズムを理解することに依存しないが、図6は、本方法の基
礎となる考えられる反応メカニズムを示す。酸性条件下では、検体中のホルムアルデヒド
2は、ヌクレオチド又はポリペプチドのいずれかの求核性官能基と反応できる。次に、水
の脱離により反応性イミン4が生じる。続いて、第2のヌクレオチドがイミンと反応し、
二量体5を形成できる。セリンプロテアーゼであるプロテイナーゼKは、窒素−メチレン
リンカーを加水分解し、開裂する。この開裂により、出発物質であるヌクレオチド及びホ
ルムアルデヒドを再生成できる。ホルムアルデヒドスカベンジャーである2−イミダゾリ
ドンは、2分子のホルムアルデヒドと反応し、イミダゾリドン−メタノール化合物7を生
成できる。この反応により、ホルムアルデヒドが、放出されたヌクレオチド又はポリペプ
チドのいずれかと再度反応するのを効果的に防ぐ。
感度
今記載したような検体のプロテアーゼ及び2−イミダゾリドンによる処理により、サン
プル中の核酸上の修飾、特に架橋がより多くリバースされ、より多くの核酸が架橋ポリペ
プチドから解放され、捕捉された核酸の収量がより高くなり、増幅された核酸の収量がよ
り高くなり、改善されたアッセイ感度(すなわち、標的について存在することが必要とさ
れる標的DNAの閾値が低くなる)をもたらすことができる。かかる改善は、プロテアー
ゼ又は2−イミダゾリドン又はその両方を除いたこと以外は同等の対照に対して、測定で
きる。好ましくは、プロテアーゼを除いた対照、及び2イミダゾリドンを除いた対照の両
方と比較して、改善が示される。改善とは、典型的な実験的変動(p<0.05)を超え
る、十分な規模の改善を意味する。例えば、一部の方法では、処理は、架橋から解放され
た核酸、又は捕捉された核酸、又は増幅された核酸の収量について、少なくとも5%、1
0%、20%、又は30%の改善をもたらし得る。分子量によって分離するアッセイ、例
えば、ゲル電気泳動又は様々な形態のカラムクロマトグラフィーにより、架橋の存在を評
価できる。一部の方法では、処理の結果、ハイブリダイゼーション捕捉アッセイ又は増幅
に潜在的に供するため、少なくとも50、60、70、80又は90%の核酸分子が、ポ
リペプチドへの架橋を含まない。一部の方法では、処理の結果、本発明の方法に従って処
理した後に、プロテアーゼ又は2−イミダゾリドンのうちいずれかを除いた対照処理より
も、一部のサンプルが陽性の結果(標的核酸が存在する)をもたらすことを意味する、よ
り高いアッセイ陽性度(又はより低い検出閾値)が得られる。
好ましい実施形態
以下の実施例は、ホルムアルデヒド含有液体系細胞診用保存剤中の検体を、2−イミダ
ゾリドン及びプロテイナーゼK酵素の組み合わせを用いて高温にて処理することの有益性
を示すために行われた、実験手順を開示する。好ましい実施形態では、この組み合わせを
、トリス緩衝液及びEDTAの存在下で使用する。全ての場合において、SUREPAT
H液体系細胞診用保存剤は、ホルムアルデヒドを含有するモデル液体系保存剤として働い
た。以下の説明において、「脱修飾溶液」は、EDTA(500mM)及び2−イミダゾ
リドン(740mM〜750mMの範囲内)を含むpH緩衝化溶液(pH8.0)を指す
。脱修飾溶液中で使用するのに好ましい緩衝液として、トリス緩衝液が挙げられる。本明
細書で使用されるとき、「検体輸送培地」(STM)は、細胞の溶解に加えて、検査を受
けるサンプル中で活性であり得るRNase活性を阻害することにより、放出されたRN
Aを保護する、リン酸緩衝界面活性剤溶液を指す。STM中で使用できる好ましい界面活
性剤として、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及びラウリル硫酸リチウム(LLS)が
挙げられ、LLSがわずかにより好ましい。ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用
保存剤のサンプルが、脱修飾溶液及びプロテイナーゼK酵素と混合されるとき、凍結乾燥
された酵素を脱修飾溶液で再構成するのが都合が良い場合があり、部分量の再構成した酵
素溶液を液体系細胞診用保存剤を含む反応容器に加えてもよい。
実施例1は、14種類の高リスクHPV遺伝子型のそれぞれについてのin vitr
o転写物を含む試験パネルによる、実験系の分析感度を評価するのに用いた手順を記載す
る。高温条件下での2−イミダゾリドン及びプロテイナーゼKによる処理を伴う核酸処理
法の成功は、市販のアッセイを使用したHPV RNAの検出によって測定した。以下に
示すように、結果は、この処理条件により、HPV RNAの増幅及び検出が損なわれな
いことを示した。
(実施例1)
合成転写物を用いるHPVアッセイの分析感度の確立
In vitro合成転写物を、HPV RNAの増幅及び検出のための、APTIM
A(登録商標)HPV遺伝子プローブアッセイを用いて行われた従来のTMA反応中の増
幅の鋳型として使用した。異なるHPV型それぞれについて用いた転写物のコピー数は、
THINPREP液体系細胞診用保存剤(すなわち、ホルムアルデヒドを含有しないモデ
ル保存剤)中に保存された検体を用いる予備手順において確立されていた、APTIMA
HPV遺伝子プローブアッセイの検出限界(LOD)に対応した。LODは、検査した
検体全てについて、少なくとも95%の最小陽性度をもたらすコピーレベルである。この
場合、in vitro転写物を全て、必要に応じて20〜600コピー/1反応で使用
した。
3種類の異なるサンプル処理条件を試験した。第1には、in vitro転写物を、
STM中のTHINPREP(登録商標)液体系細胞診用サンプル(1mLのサンプル+
2.9mLのSTM)に加え、続いて、APTIMA(登録商標)HPV遺伝子プローブ
アッセイの製造業者の指示に従って処理した。第2には、in vitro転写物を、S
TM中の臨床的HPV陰性残留SUREPATH液体系細胞診用保存剤検体(1mLのサ
ンプル+2.9mLのSTM)に加えた。混合物の部分量(各3.9mL)を、100μ
LのプロテイナーゼK試薬(トリス緩衝液(pH8.0)中、1.8U/μLプロテイナ
ーゼK、アジ化ナトリウム、及びCaCl)と混合し、続いて、2時間65℃にてイン
キュベートした。酵素消化工程の後、混合物を、APTIMA HPV遺伝子プローブア
ッセイの製造業者の指示に従って処理した。最後に、2番目の場合のように、in vi
tro転写物を、STM中の臨床HPV陰性残留SUREPATH液体系細胞診用保存剤
検体に加えた。この場合、各サンプルSTM混合物の部分量3.9mLを、0.3mLの
、トリス−EDTA緩衝液中に2−イミダゾリドンを含むプロテイナーゼK酵素試薬と混
合した。この試薬は、脱修飾溶液を用いて凍結乾燥されたプロテイナーゼKを再構成する
ことによって、調製されていた。最終混合物は、36mM EDTA、36mMトリス−
HCl、約53mM 2−イミダゾリドン、及び43UのプロテイナーゼK酵素を含んで
いた。混合物を90℃で15分間インキュベートし、次に、APTIMA(登録商標)H
PV遺伝子プローブアッセイの製造業者の指示に従って処理した。HPV RNAの増幅
及び検出後、HPV検出陽性の頻度を複製間で比較した。
図1は、in vitro転写物を用いて実施した分析感度評価の結果を示す。SUR
EPATH液体系細胞診用保存剤中に保存されたサンプルのアッセイ陽性度は、14種類
のHPV遺伝子型のうち11種類について少なくとも95%であり、3種類の遺伝子型、
HPV56、58及び59は、それぞれ93.3、91.7、及び90%陽性度をもたら
した。これらの結果は、THINPREP液体系細胞診用保存剤中で保存されたサンプル
について得られたものと類似しており、SUREPATH液体系細胞診用保存剤中に保存
された後、プロテイナーゼK酵素単独で処理されたサンプルと類似しており、又はそれよ
りも良好であった。これによって、HPV試験系の有用性が確立され、2−イミダゾリド
ン及びプロテイナーゼK酵素を組み合わせて高温条件下で使用すると、in vitro
増幅及び検出反応を実質的に阻害しないことが示された。
実施例2は、HPVを含むヒト細胞パネルの検査による、HPVアッセイの分析感度を
評価するために使用される手順について記載する。手順は一般に、(1)in vitr
o転写物の代わりにHPV発現細胞株を使用したこと、及び、(2)サンプルを、ホルム
アルデヒド含有保存剤の存在下で長時間インキュベートしたこと以外は、実施例1に記載
されるものとした。
(実施例2)
HPVを含むヒト細胞株を用いるHPVアッセイの分析感度の確立
HPVを含むヒト細胞株を、25℃で7日間保存された、SUREPATH液体系細胞
診用保存剤の検体プールに添加し、続いて、脱修飾溶液及びプロテイナーゼKの組み合わ
せで90℃ 15分間、又は、プロテイナーゼK単独で65℃ 2時間処理した後、ハー
フログ希釈(3〜30細胞/1反応)で検査した。実施例1のように、脱修飾溶液及びプ
ロテイナーゼKの組み合わせは、凍結乾燥されたプロテイナーゼKを脱修飾溶液で再構成
することによって、1回の部分量として便利に送達できた。当然のことながら、試薬をこ
のように混合するのに要件はない。この手順で使用した細胞は、(1)SiHa細胞(H
PV16を発現)、(2)HeLa細胞(HPV18を発現)、及び(3)MS751細
胞(HPV45を発現)とした。ここでも、APTIMA HPV遺伝子プローブアッセ
イを製造業者の指示に従って用いて、HPV核酸を捕捉し、増幅し、検出した。2つの条
件下で処理されたサンプルについて、陽性度を比較した。
図2A〜2Cは、SUREPATH液体系細胞診用保存剤中で25℃ 7日間保存され
た細胞株を用いて得られた、分析感度の結果を示す。脱修飾溶液及びプロテイナーゼK酵
素の組み合わせで処理されたサンプル中の3種類全てのHPV陽性細胞株について、アッ
セイ陽性度は、SiHa、HeLa及びMS751細胞それぞれについて、細胞30、1
0及び30個/1反応の濃度で少なくとも95%であった。これらの結果は、SUREP
ATH液体系細胞診用保存剤中で25℃にて7日間保存され、その後プロテイナーゼK酵
素単独で処理されたサンプルを用いて得られた結果と類似しており、又はそれよりも良好
であった。HeLa細胞を最低導入細胞数で用いた検査において、最も劇的な違いが観察
された。プロテイナーゼKと組み合わせた2−イミダゾリドンおよび高温を使用するサン
プル処理に対して、明らかに統計的に有意な利点があった。
実施例3は、2−イミダゾリドン及びプロテイナーゼKを高温条件下で組み合わせて使
用することによる、ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中に長期間保存さ
れたサンプルからの、増幅可能な核酸の回収を改善する方法を示した手順について記載す
る。以下に記載するように、プロテイナーゼK単独で処理した検査に対するRNA回収の
差は、長時間において最も顕著であった。
(実施例3)
ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中に保存された細胞検体からの、増
幅可能なmRNA回収の強化
臨床検体を模倣するため、APTIMA HPV遺伝子プローブアッセイを用いて、予
めHPV陰性と判定されたSUREPATH液体系細胞診用保存剤中の残留検体プール1
0個を半分に分け、SiHa又はHeLa細胞を添加した。全てのチューブを、そのまま
25℃で最大42日間保存した。各プールの部分量を、検査各日において、1:2.9の
SUREPATH:STMマトリックスで希釈して最終細胞濃度を細胞30および100
個/1反応にした。サンプルを、プロテイナーゼK単独で65℃ 2時間、又は、脱修飾
溶液及びプロテイナーゼKの組み合わせ(この組み合わせは、脱修飾溶液で再構成された
プロテイナーゼKの1回部分量として送達される)で90℃ 15分間でのいずれかによ
って処理した。ここでも、APTIMA HPV遺伝子プローブアッセイを製造業者の指
示に従って用いて、HPV核酸を捕捉し、増幅し、検出した。
図3A〜3Bは、高温条件下での2−イミダゾリドン及びプロテイナーゼKの組み合わ
せでの処理を含んだサンプル処理は、プロテイナーゼK単独での処理よりも、有利である
ことを支持する結果を示す。この試験中の結果は全て有効であった。1反応当たり30個
の細胞では、2−イミダゾリドン及びプロテイナーゼKの組み合わせ(例えば、脱修飾溶
液で再構成されたプロテイナーゼK)で処理されたSiHa及びHeLa細胞はいずれも
、14日目まで100%陽性度を維持した。この保存期間を超えると、組み合わせ処理は
、プロテイナーゼK単独での処理よりも大きな程度まで増幅可能なRNAの回収を増強し
た。細胞100個/1反応では、HeLa細胞は28日目まで100%陽性度を維持し、
一方SiHa細胞は、21日目まで100%陽性のままであった(データ示さず)。
実施例4は、ホルムアルデヒド含有液体系細胞診用保存剤中に保存された臨床サンプル
が、高温条件下において2−イミダゾリドン及びプロテイナーゼKの組み合わせで処理さ
れ、続いて、臨床サンプルが保存された期間の長さにかかわらず、実質的に一定量のRN
Aをもたらすように処理されることを示すのに用いられた手順を説明する。
(実施例4)
組み合わせ処理は、長い保存期間にわたり臨床サンプルのRNAの効率的な回収を可能
にする
参照集団から入手した、SUREPATH液体系細胞診用保存剤中の30種類の検証済
みHPV陽性臨床検体をこの試験で評価した。各検体の部分量(0.5mL)を2.9m
LのSTMに加え、次に、0.5:2.9のSP:STMマトリックスで1:10及び1
:100に希釈した。希釈液を4℃で保存し、続いて、120日間の様々なタイムポイン
トにおいて、APTIMA HPV遺伝子プローブアッセイにて検査した(各サンプルN
=4、タイムポイント当たりの総複製数120)。検査各日に、1mL部分量のサンプル
を、2.9mLのSTM及び0.3mLの試薬(脱修飾溶液中に再構成され、プロテイナ
ーゼKの最終濃度を143U/mLとしたプロテイナーゼKを含む)と混合した。混合物
を90℃にて15分間インキュベートし、標的捕捉法によって核酸を単離するように処理
し、自動検査装置でのAPTIMA HPV遺伝子プローブアッセイによって試験した。
図4は、ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中で保存された臨床検体が
、高温条件下において2−イミダゾリドン及びプロテイナーゼKの組み合わせと短時間処
理されると、実質的に一定のRNA回収率をもたらし得ることを示す結果を表す。1:1
0で希釈された全ての検体は、4℃で120日間保存した後、少なくとも97.5%陽性
度を維持していた。1:100で希釈した30種類全ての検体の陽性度は、この試験の過
程にわたって74.2%〜87.5%の範囲であり、陽性度の一貫した減少は見られなか
った。
(実施例5)
温度依存性
標的調製:HPV18を感染させたHeLa細胞を含むチューブを37℃で解凍し、1
本のチューブに貯蔵した。リン酸緩衝生理食塩水をチューブに加え、チューブを1100
rcfにて遠心分離器中で回転させ、細胞ペレットを形成させた。ピペッティングによっ
て上清を除去した。細胞ペレット由来のHPV陰性SurePath(登録商標)臨床検
体のプール(NCPP)を加え、SurePath臨床検体をシミュレートした。HeL
a細胞及びNCPPを含むチューブを反転してペレットをバラバラにし、25℃でインキ
ュベートした(濃度:細胞1000個/mL)。0、7、及び14日後、チューブから部
分量を取り出し、STMを加え、希釈を行って、最終濃度を細胞10個/1反応とした(
NCPP:STMの最終比は1:2.9)。チューブを処理し(次段参照)、APTIM
A(登録商標)HPVキットを製造業者の指示に従って用いて検査した。
処理方法:25℃でのインキュベーション及びSTM添加(前段参照)後、チューブを
3群に分けた。加熱:300μLのTE(チューブ中濃度:36mMトリス、36mM
EDTA)を反応チューブに加えた。チューブに蓋をして、90℃の水浴中に15分間置
き、APTIMA HPVで検査した。PK:50mgのプロテイナーゼKを1mLのF
ast Express希釈剤で希釈した。100μLのPK溶液を反応チューブに加え
た(チューブ当たりプロテイナーゼK180単位)。チューブに蓋をして、65℃の水浴
中に2時間置き、APTIMA HPVで検査した。加熱+PK:50mgのプロテイナ
ーゼKを12mLのTEに溶解した。300μLのTE+PK溶液を反応チューブに加え
た(チューブ中濃度:36mMトリス、36mM EDTA、PK45単位)。チューブ
に蓋をして、90℃の水浴中に15分間置き、APTIMA(登録商標)HPVキットを
製造業者の指示に従って用いて検査した。結果を表1に示す。
Figure 2021104046

N=20
これらのデータは、最長の保存を経たサンプルに対して、組み合わせ処理が最も効果的
であったことを示す。更に、高温にてプロテイナーゼKで処理されたサンプルは、低温に
てプロテイナーゼKで処理されたもの、又は、高温のみで処理されたものよりも回収率が
高かった。
(実施例6)
ホルムアルデヒドスカベンジャー、プロテイナーゼK、及び高温
上記実施例5に実質的に記載されるように、標的を調製した。簡潔に言えば、HeLa
細胞株(HPV−18+)、SiHa細胞株(HPV−16+)、MS751細胞株(H
PV−45+)及びトリコモナス細胞株(トリコモナス+)を、7日間SurePath
溶液中でインキュベートした。7日後、部分量の各SurePath細胞サンプルを、続
いて、表2に示す条件で混合した。
Figure 2021104046

HeLa及びSiHa細胞を、180UプロテイナーゼKの存在下で、及び、45
UプロテイナーゼKの存在下でインキュベートした。
** 1×及び2×は、溶液中の2−イミダゾリドンのモル濃度を指す。1×は、モル
濃度が、溶液中のホルムアルデヒドとほぼ等量であることを意味し、2×は、ホルムアル
デヒドの濃度の2倍を意味する。
続いて、組み合わせた溶液を、15分間又は2時間のいずれか、かつ65℃又は90℃
のいずれかの温度にてインキュベートした。インキュベーション条件を表3に示す。
Figure 2021104046
インキュベーション後、サンプルをアッセイし、様々な処理による核酸回収率を判定し
た。第1のアッセイでは、条件1〜4の細胞3個/1反応のHeLa細胞、及び、条件1
〜4の細胞10個/1反応のSiHa細胞(表3参照)を、APTIMA HPVキット
(カタログ番号303585、Gen−Probe Incorporated)を通常
は製造業者の指示に従って用いてアッセイした。第2のアッセイでは、条件1、2&4の
細胞0.05個/1反応のトリコモナス細胞(表3参照)を、APTIMA膣トリコモナ
スアッセイ(カタログ番号303563、Gen−Probe Incorporate
d)を通常は製造業者の指示に従って用いてアッセイした。第3のアッセイでは、条件1
、2&5の細胞3個/1反応の各HeLa、SiHa、及びMS751細胞(表3参照)
を、それぞれ45UのプロテイナーゼKとインキュベートし、APTIMA HPVキッ
ト(カタログ番号303585、Gen−Probe Incorporated)を通
常は製造業者の指示に従って用いてアッセイした。第4のアッセイでは、条件1、2&5
の細胞3個/1反応の各HeLa、SiHa、及びMS751細胞(表3参照)を、それ
ぞれ45UのプロテイナーゼKとインキュベートし、APTIMA HPV遺伝子型同定
キット(カタログ番号303234、Gen−Probe Incorporated)
を通常は製造業者の指示に従って用いてアッセイした。結果を表4〜7に示す。
Figure 2021104046
Figure 2021104046
Figure 2021104046
Figure 2021104046
これらのデータは、ホルムアルデヒドを含有する液体系細胞診用保存剤中に保存された
検体を、ホルムアルデヒドスカベンジャー、プロテイナーゼK、及び高温の組み合わせで
短時間処理すると、実質的に一定のRNA回収率をもたらし得たことを示す。これらのデ
ータは更に、プロテイナーゼKを含む配合物は、プロテイナーゼKを変性し、不活化する
ことが知られており、更にはRNAを破壊することが知られている高温において有用であ
り、更に低温での回収率と比較して、優れた核酸回収率をもたらすことを示す。これらの
データは更に、低濃度のプロテアーゼを用いて、ホルマリン含有溶液から核酸の回収が可
能な配合物を示す。
(実施例7)
以下のアッセイを行って、SurePath(登録商標)試薬で7日間処理されたサン
プルからのRNAの回収率を測定したが、このサンプルは、プロテイナーゼKによって1
5分間、色々な高温において処理された。実施例6に実質的に記載されるように、サンプ
ルを調製した。簡潔に言えば、HeLa細胞株(HPV−18+)及びSiHa細胞株(
HPV−16+)を、7日間25℃においてSurepath(登録商標)中でインキュ
ベートした。7日後、部分量の各SurePath(登録商標)細胞サンプルを、続いて
、上記表2に示す条件3で混合した。次に、表8に示されるように、混合した溶液を色々
な温度で15分間インキュベートし、HPV検出キット(カタログ番号303585、G
en−Probe Incorporated)を用いてアッセイした。
Figure 2021104046
以下のアッセイを行って、SurePath(登録商標)試薬で7日間処理されたサン
プルからのRNAの回収率を測定したが、このサンプルは、プロテイナーゼKによって9
0℃にて、色々な短いインキュベーション時間で処理された。実施例6に実質的に記載さ
れるように、サンプルを調製した。簡潔に言えば、HeLa細胞株(HPV−18+)及
びSiHa細胞株(HPV−16+)を、7日間25℃においてSurepath(登録
商標)中でインキュベートした。7日後、部分量の各SurePath(登録商標)細胞
サンプルを、続いて、上記表2に示す条件3で混合した。次に、表9に示されるように、
混合した溶液を90℃で色々な分にわたりインキュベートし、続いて、HPV検出キット
(カタログ番号303585、Gen−Probe Incorporated)を用い
てアッセイした。
Figure 2021104046
以下のアッセイを行って、SurePath(登録商標)試薬で7日間処理されたサン
プルからのRNAの回収率を測定したが、このサンプルは、色々な濃度のプロテイナーゼ
Kによって、90℃にて15分のインキュベーション時間で処理された。実施例6に実質
的に記載されるように、サンプルを調製した。簡潔に言えば、HeLa細胞株(HPV−
18+)及びSiHa細胞株(HPV−16+)を、7日間2℃においてSurepat
h(登録商標)中でインキュベートした。7日後、部分量の各SurePath細胞サン
プルを、続いて、プロテイナーゼK濃度が表Cに挙げられる以外は、実質的に上記表2に
示す条件3に類似する条件で混合した。次に、表10に示されるように、混合した溶液を
90℃で15分間インキュベートし、続いて、HPV検出キット(カタログ番号3035
85、Gen−Probe Incorporated)を用いてアッセイした。
Figure 2021104046
以下のアッセイを行って、SurePath試薬で7日間処理されたサンプルからのR
NAの回収率を測定したが、このサンプルは、色々な濃度の2−イミダゾリドンによって
、90℃にて15分のインキュベーション時間で処理された。実施例6に実質的に記載さ
れるように、サンプルを調製した。簡潔に言えば、HeLa細胞株(HPV−18+)及
びSiHa細胞株(HPV−16+)を、7日間25℃においてSurepath中でイ
ンキュベートした。7日後、部分量の各SurePath細胞サンプルを、続いて、2−
イミダゾリドン濃度が表Dに挙げられる以外は、実質的に上記表2に示す条件3に類似す
る条件で混合した。次に、表11に示されるように、混合した溶液を90℃で15分間イ
ンキュベートし、続いて、HPV検出キット(カタログ番号303585、Gen−Pr
obe Incorporated)を用いてアッセイした。
Figure 2021104046
全てのアッセイにおいて、複製数は40である。
(実施例8)
ホルムアルデヒドを含む液体系細胞診用保存剤中に保存された検体の処理を含む作業の
流れ
実施例8は、臨床サンプル処理における典型的な作業の流れについて記載する。スワブ
デバイスを用いて得られた臨床サンプルを、ホルムアルデヒドを含む液体系細胞診用保存
剤を含有するバイアルに導入し、バイアルの蓋をしっかりと閉める。SUREPATH液
体系細胞診用保存剤を、液体系細胞診用保存剤として使用してよい。バイアルの液体内容
物中に分散された細胞材料を、核酸の分子解析などの検査のために、臨床検査室に移す。
臨床検査室において、バイアルの部分量を、緩衝化界面活性剤溶液などの希釈剤の部分量
と混合する。リン酸緩衝界面活性剤溶液は、好ましい希釈剤の一例である。この用途で使
用される界面活性剤は、好ましくは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)又はラウリル硫
酸リチウム(LLS)などのアニオン性界面活性剤である。この混合物を更に、2−イミ
ダゾリドン及びプロテアーゼと混合する。この目的で使用されるプロテアーゼは、プロテ
イナーゼK酵素であってよい。簡略化法では、凍結乾燥されたプロテイナーゼKを、pH
緩衝液、EDTA、及び2−イミダゾリドンを含む溶液中に再構成する。pH緩衝液はト
リス緩衝液であってよく、再構成された酵素溶液は約8.0のpHを有していてよい。希
釈臨床サンプル、2−イミダゾリドン、及びプロテアーゼ酵素を含む最終混合物を、次に
高温まで5分〜30分間加熱する。混合物は、好ましくは約90℃まで約15分間加熱さ
れる。サンプル中の核酸は、精製およびin vitro増幅反応における鋳型としての
使用に好適となる。例えば、RNAは、例えば固定化核酸鎖への配列特異的ハイブリダイ
ゼーションを用いて、固形担体上に捕捉されることによって精製され、続いて、核酸増幅
反応において増幅される。核酸増幅反応は転写増幅(TMA)反応であってよい。増幅産
物を、配列特異的ハイブリダイゼーションプローブと接触させ、特定の標的配列の有無を
判定する。特定の標的配列は、HPV標的配列であってよい。この作業の流れを図5に示
す。
本発明を、それらの多くの具体的な実施例及び実施形態を参照して説明してきた。当然
のことながら、上記の詳細な説明の概観によって、本発明の多くの異なる実施形態それ自
体が当業者に示唆される。したがって、添付の特許請求の範囲を参照することによって、
本発明の真の範囲が定められる。文脈から明らかでない限り、本発明の任意の実施形態、
態様、工程、又は特徴は、任意の他のものと共に使用できる。

Claims (1)

  1. 図面に記載の発明。
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