JP2021103265A - 画像形成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】離型剤を含んだトナーを用いて形成したトナー像を記録材に定着し、記録材の少なくとも一部をコートする後加工を行う場合に適切なコートを行う。【解決手段】ニスコートを行う第一モードの実行時(S2のYES)、加熱除去装置がオンされ(S4)、ニスコートを行わない第二モードの実行時(S2のNO)、加熱除去装置がオフされる(S6)。加熱除去装置をオンする場合には、加熱除去装置の加熱温度が定着装置の加熱温度よりも低く、トナーに含まれるワックス(離型剤)の融点以上且つトナーの軟化点以下の温度とされる。こうすると、記録材が加熱除去装置を通過する際に、トナー像の定着時にトナー像の表面に析出したワックスが記録材から加熱除去装置に転移する。したがって、ワックスが低減された記録材がニスコータに受け渡され、ニスコート時にワックスによってニスがはじかれ難くなるので、トナー像定着後の記録材へのコートを適切に行い得る。【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリあるいは複合機などの画像形成システムに関する。
最近の画像形成システムは、画像形成装置によりトナー像が定着された記録材に対し、光沢付与や表面保護あるいは加飾などを目的に、PP(ポリプロピレン)貼り、プレスコート、ニスコート、箔押し等の記録材のコートを行う表面加工処理が実行可能である。しかし、例えばニスを用いて記録材をコートする場合、記録材に塗布されたニスを乾燥させる際に、熱によりトナーの再溶融やコートしたニスが収縮するなどして、トナーが記録材から剥がれやすくなることがあった。そこで、ニスをコートする場合はニスをコートしない場合よりも、記録材上の未定着トナー像へ付与する熱エネルギーを増加させるように予め定着装置における定着条件を調整して、トナー像を定着させるようにしたものが提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の装置では、トナーの溶融度を高めて記録材にトナー像を定着させておくことによって、ニスをコートする際に加熱されても記録材からトナーが剥れ難くし得る。
特開2011−145314号公報
ところで、従来から、ワックスなどの離型剤を含んだトナーを用い、定着装置の加熱ローラなどに対するトナーの離型性を向上させることによって、記録材に定着されたトナー像に関し高光沢や均一光沢などの高画質を実現するようにしている。しかしながら、離型剤を含んだトナーを用いた場合には、上記のようにニスをコートする際に未定着トナー像へ付与する熱エネルギーを増加させてしまうと、記録材のコートが適切に行われない虞があった。即ち、未定着トナー像へ付与する熱エネルギーを増加させてトナー像の定着を行った場合には、トナーに含まれている離型剤が熱によって溶融しトナー像の表面により析出しやすくなる。そして、ニスをコートする際に、析出した離型剤がニスをはじいてしまい、トナーとニスの密着性が損なわれる。離型剤を含むトナーを用いた場合には、上記したニスコート以外の、PP処理、プレスコート、箔押し等の表面加工に関しても、未定着トナー像へ付与する熱エネルギーを増加させると、同様の課題が生じ得る。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、離型剤を含んだトナーを用いて形成したトナー像を記録材に定着し、その後に記録材の少なくとも一部をコートする後加工を行う場合に、適切なコートを行うことが可能な画像形成システムの提供を目的とする。
本発明に係る画像形成システムは、トナー像定着後の記録材の少なくとも一部をコートする表面加工処理を実行可能な画像形成システムであって、離型剤を含んだトナーを用いて記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によりトナー像が形成された記録材を加熱してトナー像を記録材に定着する定着手段と、第一回転体と、前記第一回転体との間で前記定着手段を通過した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する第二回転体と、前記第一回転体を加熱する加熱手段と、前記ニップ部を記録材が通過する際に前記第一回転体に付着した離型剤を除去する除去手段と、を有する加熱除去手段と、前記表面加工処理による記録材のコートを行う第一モードと、前記表面加工処理による記録材のコートを行わない第二モードとを実行可能な制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第一モードの実行時に前記第一回転体を加熱し、前記第二モードの実行時に前記第一回転体を加熱しないように、前記加熱手段を制御する、ことを特徴とする。
本発明に係る画像形成システムは、トナー像定着後の記録材の少なくとも一部をコートする表面加工処理を実行可能な画像形成システムであって、離型剤を含んだトナーを用いて記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によりトナー像が形成された記録材を加熱してトナー像を記録材に定着する定着手段と、第一回転体と、前記第一回転体との間で記録材を挟持搬送するニップ部を形成する第二回転体と、前記第一回転体を加熱する加熱手段と、前記ニップ部を記録材が通過する際に前記第一回転体に付着した離型剤を除去する除去手段と、を有する加熱除去手段と、前記定着手段から前記加熱除去手段へ記録材が受け渡される第一経路と、前記定着手段から前記加熱除去手段への記録材の受け渡しが回避される第二経路とに切り替え可能な切替手段と、前記表面加工処理による記録材のコートを行う第一モードと、前記表面加工処理による記録材のコートを行わない第二モードとを実行可能な制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第一モードの実行時に前記第一経路に切り替え、前記第二モードの実行時に前記第二経路に切り替えるように、前記切替手段を制御する、ことを特徴とする。
本発明に係る画像形成システムは、トナー像定着後の記録材の少なくとも一部をコートする表面加工処理を実行可能な画像形成システムであって、離型剤を含んだトナーを用いて記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によりトナー像が形成された記録材を加熱してトナー像を記録材に定着する定着手段と、第一回転体と、前記第一回転体との間で前記定着手段を通過した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する第二回転体と、前記第一回転体を加熱する加熱手段と、前記ニップ部を記録材が通過する際に前記第一回転体に付着した離型剤を除去する除去手段と、を有する加熱除去手段と、前記表面加工処理による記録材のコートを行う第一モードと、前記表面加工処理による記録材のコートを行わない第二モードとを実行可能な制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第一モードの実行時に前記ニップ部の温度を、前記定着手段の加熱温度よりも低く、トナーに含まれる離型剤の融点以上且つトナーの軟化点以下の温度とし、前記第二モードの実行時に前記ニップ部の温度を、トナーの軟化点より高い温度とするように、前記加熱手段を制御する、ことを特徴とする。
本発明によれば、離型剤を含んだトナーを用いて形成したトナー像を記録材に定着し、その後に記録材の少なくとも一部をコートする後加工を行う場合に、適切なコートを行うことができるようになる。
本実施形態の画像形成システムを示す概略図。 加熱除去装置を示す概略図。 制御部について説明する制御ブロック図。 第一実施形態の加熱制御処理を示すフローチャート。 トナーの軟化点について説明するための流動曲線を示すグラフ。 ワックスの融点について説明するためのグラフ。 トナー像とニスの密着性の評価結果を示すグラフ。 第二実施形態の加熱制御処理を示すフローチャート。 加熱温度の一例を示す図。 第三実施形態の加熱制御処理を示すフローチャート。
[第一実施形態]
まず、本実施形態の画像形成システムについて、図1を用いて説明する。本実施形態の画像形成システム1Xは、記録材Sにトナー像を形成する画像形成装置100に、画像形成装置100によりトナー像が定着された記録材Sに対し表面加工処理を行うための表面加工装置(200)が接続されている。
表面加工装置としては、例えばPP(ポリプロピレン)貼り、プレスコート、ニスコート、箔押し等の、記録材上の少なくとも一部あるいは全部をコートする表面加工処理を行うものが挙げられる。ただし、以下では説明を理解しやすくするために、表面加工装置としてトナー像が定着された記録材Sに対しニスを塗布するニスコータ200を用いた場合を例に説明する。なお、PP貼りは記録材上にポリプロピレン(PP)を貼りつけるものであり、プレスコートは水性の樹脂系のニスを記録材に塗って、その後、蒸気で暖められた大きなシリンダーで溶かしながら固めて鏡面仕上げを行うものである。箔押しは、例えばトナーのみに付着するホットスタンプ箔を記録材上に熱転写して加飾するものである。
<画像形成装置>
図1に示す画像形成装置100は、電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。画像形成装置100は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成する画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを有する。画像形成装置100は、装置本体100Aに接続された原稿読取装置(不図示)又は装置本体100Aに対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部機器(不図示)からの画像信号に応じてトナー像を記録材Sに形成する。
なお、本実施形態の場合、画像形成部Pa〜Pd、一次転写ローラ24a〜24d、中間転写ベルト130、複数のローラ13〜15、二次転写外ローラ11により、記録材Sにトナー像を形成する画像形成ユニット300(画像形成手段)が構成されている。また、記録材Sとしては、普通紙、厚紙、ラフ紙、凹凸紙、コート紙等の用紙、プラスチックフィルム、布など、といった様々な種類のシート材が挙げられる。
図1に示すように、画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは装置本体100A内において、中間転写ベルト130の移動方向に沿って並べて配置されている。中間転写ベルト130は複数のローラ(13、14、15)に張架されて、図中矢印R2方向に移動される。そして、中間転写ベルト130は後述のようにして一次転写されるトナー像を担持して搬送する。中間転写ベルト130を張架する二次転写内ローラ14と中間転写ベルト130を挟んで対向する位置には、二次転写外ローラ11が配置され、中間転写ベルト130上のトナー像を記録材Sに転写する二次転写部T2を形成している。本実施形態の場合、二次転写部T2の記録材搬送方向下流に定着手段としての定着装置8が配置されている。
画像形成装置100の下部には、記録材Sが収容されたカセット10が配置されている。記録材Sは、搬送ローラ16によりカセット10からレジストレーションローラ12に向けて搬送される。その後、レジストレーションローラ12が中間転写ベルト130上に形成されたトナー像と同期して回転開始されることにより、記録材Sは二次転写部T2に搬送される。なお、ここではカセット10を1つだけ示したが、カセット10はサイズや厚さの異なる記録材Sを収容可能に複数が配置されていてもよく、その場合、複数のカセット10のいずれかから選択的に記録材Sが搬送される。また、カセット10に収容された記録材Sに限らず、手差し給送部(不図示)に載置された記録材Sが搬送されるようにしてもよい。
画像形成装置100が備える4つの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。したがって、ここでは代表してイエローの画像形成部Paについて説明し、その他の画像形成部Pb、Pc、Pdについては説明を省略する。
画像形成部Paには、感光体として円筒型の感光ドラム3aが配設されている。感光ドラム3aは、図中矢印R1方向に回転駆動される。感光ドラム3aの周囲には帯電装置2a、露光装置La、現像装置1a、一次転写ローラ24a、ドラムクリーニング装置4aが配置されている。
画像形成装置100により、例えばフルカラーの画像を形成するプロセスについて説明する。まず、画像形成動作が開始されると、回転する感光ドラム3aの表面が帯電装置2aによって一様に帯電される。帯電装置2aは、例えばコロナ放電に伴う荷電粒子を照射して感光ドラム3aを一様な負極性の暗部電位に帯電させるコロナ帯電器などである。次いで、感光ドラム3aは、露光装置Laから発せられる画像信号に対応したレーザ光により走査露光される。これにより、感光ドラム3aの表面に画像信号に応じた静電潜像が形成される。感光ドラム3aに形成された静電潜像は、現像装置1a内に収容されているトナーとキャリアを含む現像剤によって可視像であるトナー像に現像される。本実施形態の場合、現像装置1a〜1dは、現像剤として非磁性トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を使用している。
感光ドラム3aに形成されたトナー像は、中間転写ベルト130を挟んで配置される一次転写ローラ24aとの間で構成される一次転写部T1にて、中間転写ベルト130に一次転写される。この際、一次転写ローラ24aには一次転写バイアスが印加される。一次転写後に感光ドラム3aの表面に残ったトナーは、ドラムクリーニング装置4aによって除去される。
このような動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部Pa〜Pdで順次行い、中間転写ベルト130上で4色のトナー像を重ね合わせる。その後、トナー像の形成タイミングにあわせてカセット10に収容された記録材Sが二次転写部T2に搬送される。そして、二次転写外ローラ11に二次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト130上に形成されたフルカラーのトナー像が記録材Sに一括して二次転写される。二次転写後に中間転写ベルト130上に残ったトナーは、ベルトクリーニング装置22によって除去される。
未定着トナー像が形成された記録材Sは、定着装置8へ搬送される。定着装置8は、加熱ローラ40と加圧ローラ41とによって形成されたニップ部T3においてトナー像が形成された記録材Sを挟持搬送することにより記録材Sを加熱、加圧してトナー像を記録材Sに定着させる。即ち、加熱、加圧によって記録材Sに形成されたトナー像のトナーが溶融、混合され、フルカラーの画像として記録材Sに定着される。その後、トナー像が定着された記録材Sは、記録材搬送方向に関し定着装置8の下流に配置されている加熱除去装置9へ搬送される。本実施形態の場合、加熱除去手段としての加熱除去装置9は、定着装置8によるトナー像の定着時に記録材Sが加熱されることに応じ、トナー像の表面に析出したワックス(トナーに含まれる離型剤)を除去するために設けられている。
<加熱除去装置>
加熱除去装置9について、図2を用いて説明する。図2に示すように、本実施形態の加熱除去装置9は、記録材Sの未定着トナー像が形成された面に接触して回転可能な第一回転体としての加熱ローラ46と、加熱ローラ46に圧接してニップ部T4を形成する第二回転体としての加圧ローラ47とを有する。なお、ここでは、加熱ローラ46と加圧ローラ47とを例に挙げたがこれに限らず、加熱ローラ46と加圧ローラ47の一方もしくは両方が、回転可能な無端状のベルト(エンドレスベルト)であってもよい。
加熱除去装置9は、ニップ部T4においてトナー像を担持した記録材Sを挟持搬送することで記録材Sを加熱及び加圧する。そのために、加熱ローラ46はその内部に設けられたヒータ46aにより加熱される。加熱手段としてのヒータ46aは、例えばハロゲンヒータである。そして、加熱ローラ46の表面温度を検知するために温度検知手段としてのサーミスタ43aが設けられている。なお、ここではヒータ46aとして加熱ローラ46内に設けられているハロゲンヒータを例に挙げたが、これに限らず、例えば外部から加熱ローラ46を加熱するハロゲンヒータであってもよい。あるいは、ヒータ46aはハロゲンヒータに限らず、例えば誘導加熱によって加熱するヒータなどであってもよい。
加熱ローラ46は、基層としての金属製の中空の芯軸46b上に、ゴム層からなる弾性層46cを設け、更にその上に表層として離型層46dを被覆して形成される。芯軸46bは、例えば外径「68mm」の円筒形状に形成されたアルミニウム製の部材から構成され、内部にヒータ46aが配置される。弾性層46cは、例えばJIS−A硬度20度のシリコーンゴムを厚さ「1.0mm」で成形したものから構成されている。離型層46dは、例えば厚さ「50μm」に成形されたフッ素樹脂などの、離型性に優れかつ温度上昇によって軟化する材料から構成されている。なお、離型層46dは、フッ素樹脂として、例えばPFA樹脂(4フッ化エチレン樹脂、パーフロロアルコキシエチレン樹脂の共重合体)、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)などが用いられる。本実施形態では、離型層46dとしてPFA樹脂チューブを用いた。離型層46dの厚さは、例えば「30〜100μm」に構成されていることが好ましい。また、離型層46dはチューブを用いて形成することに限らず、例えば弾性層46cをコーティングして被覆することによって形成してもよい。
加熱ローラ46は、芯軸46bの長手方向(回転軸線方向)両端部に設けられた支持部材(不図示)によって回転自在に支持されており、モータ92A(図1参照)によって図2中矢印方向に所望の回転速度(例えば、464mm/s)で回転駆動される。なお、本実施形態ではモータ92Aによって加熱ローラ46を回転駆動する例を示したが、これに限らず、加熱ローラ46と加圧ローラ47の少なくともいずれかを回転駆動すればよい。
加圧ローラ47は、基層としての金属製の中空の芯軸47b上に、ゴム層からなる弾性層47cを設け、更にその上に表層として離型層47dを被覆して形成される。芯軸47bは、例えば外径「48mm」の円筒形状に形成されたアルミニウム製の部材から構成される。弾性層47cは、例えばJIS−A硬度20度のシリコーンゴムを厚さ「2.0mm」で成形したものから構成される。離型層47dは、例えば厚さ「50μm」に成形されたフッ素樹脂などの、離型性に優れた材料から構成されており、弾性層47cを被覆している。ここで、離型層47dはその材料及び弾性層47cを被覆する構成について、加熱ローラ46の離型層46dと同様に、上記した構成に限定されない。
また、本実施形態の場合、記録材Sの裏側(直前に定着装置8によりトナー像が定着された記録材Sの一面と反対側の面)からも記録材Sを加熱するために、加圧ローラ47の内部にハロゲンヒータなどのヒータ47aが配置されている。そして、加圧ローラ47の表面には、加圧ローラ47の表面温度を検知するために、サーミスタ43bが設けられている。なお、本実施形態では、加熱ローラ46と加圧ローラ47の両方を加熱する例を示したが、これに限らず、加熱ローラ46と加圧ローラ47の少なくともいずれかを加熱すればよい。
加圧ローラ47は、芯軸47bの長手方向(回転軸線方向)両端部に設けられた不図示の支持部材によって回転自在に支持されている。また、加圧ローラ47の長手方向両端部の支持部材が不図示の加圧バネによってそれぞれ付勢されることによって、加圧ローラ47は加熱ローラ46に圧接して記録材Sの搬送方向に所定幅のニップ部T4を形成する。また、加圧ローラ47は、加熱ローラ46に当接されることで加熱ローラ46に従動して回転する。なお、加圧ローラ47は加熱ローラ46に対して例えば加圧力「400N」で加圧される。
また、加熱除去装置9は、除去手段としてのワックス除去ユニット60を有している。ワックス除去ユニット60は、不織布であるクリーニングウェブ61と、ウェブローラ62とを有する。ウェブローラ62は、例えば直径20mmに形成されたステンレス製の円筒部材であり、回転可能に設けられている。ウェブローラ62は、クリーニングウェブ61を例えば約「40N」の力で加熱ローラ46へ押圧している。クリーニングウェブ61は、ウェブローラ62により加熱ローラ46の幅方向(長手方向、回転軸線方向)ほぼ全域にわたって加熱ローラ46へ押圧され、ニップ部T4を記録材Sが通過する際に加熱ローラ46に付着し得るワックスを拭い取る。なお、クリーニングウェブ61は所定の一方向に巻き取られることによって、加熱ローラ46との当接面にはクリーニングウェブ61のワックスを拭っていない新しい面が常時供給される。また、クリーニングウェブ61とウェブローラ62とは不図示のウェブ着脱機構により、加熱ローラ46に当接し押圧する当接状態と、加熱ローラ46から離れ押圧しない離間状態とに移動可能に構成されていてもよい。
図1に戻って、定着装置8はワックス除去ユニット60を有しない以外、上記の加熱除去装置9の構成と同様であってよい。即ち、定着装置8は、記録材Sのトナー像が転写された面に接触して回転可能な加熱ローラ40と、加熱ローラ40に圧接してニップ部T3を形成する加圧ローラ41とを有する。加熱ローラ40はヒータ40aにより加熱され、加圧ローラ41はヒータ41aによって加熱される。そして、加熱ローラ40、加圧ローラ41それぞれの表面温度を検知するために、サーミスタ42a、42bが設けられている。そして、加熱ローラ40は不図示のモータによって所望の回転速度(例えば、464mm/s)で回転駆動される。
なお、本実施形態の画像形成装置100は、両面印刷可能である。片面印刷の場合、加熱除去装置9を通過した記録材Sは、排出搬送路31を通り装置本体外に排出されることにより、ニスコータ200へ受け渡される。他方、両面印刷の場合、加熱除去装置9を通過した記録材Sは搬送路32へ搬送されて反転路33へ送られる。反転路33に送られた記録材Sは、両面搬送路34に向けてスイッチバック搬送されることにより、記録材Sの表面と裏面とが入れ替えられる。表面と裏面とが入れ替えられた記録材Sは、両面搬送路34をレジストレーションローラ12に向けて搬送され、片面へのトナー像形成時と同様の過程を経て、他方の面にもトナー像が形成される。そして、両面にトナー像が定着された記録材Sは、排出搬送路31を通り装置本体外に排出されることにより、ニスコータ200へ受け渡される。
<現像剤>
ここで、感光ドラム3a〜3dに形成された静電潜像をトナー像に現像するために用いられる現像剤について説明する。本実施形態では、トナーとキャリアを含む二成分現像剤が用いられる。トナーは低融点であり、結着樹脂、着色剤、および離型剤(ワックス)を含有している。トナーに含まれる結着樹脂は、公知のものを用いることができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル共重合体に代表されるビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合されたハイブリッド樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等の樹脂を使用できる。
トナーは均一で高い光沢を得るために、トナーの重量平均分子量(Mw)が「100万以上」であり、トナーの重量平均分子量(Mw)とトナーの数平均分子量(Mn)との比「Mw/Mn」が「100以上」であることが好ましい。トナーの重量平均分子量(Mw)が「100万未満」では高温側のオフセット性が低下する傾向にあり、定着温度によって光沢度の変化が大きくなる可能性がある。また、上記の比「Mw/Mn」が「100未満」である場合は、定着温度領域が狭くなる可能性がある。例えば、トナーの重量平均分子量(Mw)が「70000以上」、トナーの数平均分子量(Mn)が「3500乃至4500」の結着樹脂を使用する。そして、芳香族カルボン酸誘導体もしくは芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物を用い、トナー製造工程の一部である混練時に、結着樹脂中に存在するカルボキシル基と上記した芳香族カルボン酸の金属化合物の中心金属との金属架橋反応を適度に起こさせる。こうすることで、トナーの分子量分布を上記のように調整できるが、これに限定されるものではない。
トナーに含まれる着色剤は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに関して、それぞれ公知のものを用いることができる。なお、着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。上記着色剤の使用量は、結着樹脂「100質量部」に対して「0.1質量部以上30質量部以下」とするのが好ましい。より好ましくは「0.5質量部以上20質量部以下」とし、最も好ましくは「3質量部以上15質量部以下」とするのがよい。
トナーに含まれる離型剤としては、例えば次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量オレフィン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、ベヘン酸ベヘニルやステアリン酸ベヘニルなどの高級脂肪酸と高級アルコールとの合成反応物であるエステルワックス、および脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらには、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。その中でも好ましいのは脂肪族炭化水素系ワックスであり、特に好ましいのはパラフィンワックスである。
上記の離型剤は、結着樹脂「100質量部」に対して、「2質量部乃至20質量部」、好ましくは「3質量部乃至15質量部」とするのがよい。離型剤は「2質量部」よりも少ないと離型剤としての効果が低下する傾向にあり、離型剤は「20質量部」を超えると感光ドラムなどにトナーが付着しやすくなる傾向にある。
上記の現像剤には、必要に応じて荷電制御剤が含まれていてもよい。また、流動性向上剤がトナーの表面に添加されていてもよい。そして、トナーは、重量平均粒径が「4μm乃至10μm」であると好ましい。トナーの重量平均粒径を小粒径化することにより、トナー像の輪郭部分、特に文字やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。重量平均粒径が「4μm未満」であると、例えば感光ドラムの表面への付着力が高くなり、転写不良に基づく画像の不均一ムラが生じる原因となりやすい。また、トナーの単位質量あたりの帯電量が高くなるので、例えば低温低湿環境下において画像濃度を低下させる原因となりやすい。さらに、流動性の低下や付着性の増加により、例えばキャリアとの摩擦帯電がスムーズに行われにくく、充分に帯電し得ないトナーが増大し、非画像部のカブリが目立つ様になる。他方、重量平均粒径が「10μm」を超えている場合、高画質化に寄与し得る微粒子が少ないため、トナーの流動性に優れるというメリットがある。しかしながら、感光ドラム上の微細な静電荷像上に付着しづらく、ハーフトーン部の再現性が低下し、さらに濃度の階調性も低下する虞がある。また、感光ドラム3a〜3dなどにトナーが付着しやすくなる。
なお、「4μm以下」の粒径を有するトナーの含有率が「3個数%乃至40個数%」であり、「10μm以上」の粒径を有するトナーの含有率が「10体積%以下」であると、現像性、転写性のバランスの取れたトナーが得られやすく、特に好ましい。また、トナーの製造方法としては、粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法など、公知の方法を用いてよい。
<ニスコータ>
図1に示すように、本実施形態の画像形成システム1Xでは、装置本体100A外に表面加工処理を行うためのニスコータ200が接続されている。ニスコータ200は画像形成装置100の機能を拡張するために後付け可能な周辺機(オプションユニットなどと呼ばれる)の1つとして、画像形成装置100に接続自在に構成されている。ニスコータ200は、記録材Sの付加価値を高めるための光沢付与や表面保護を目的とした表面加工として、装置本体100Aから受け渡される記録材Sに対しニスを塗布して表面全体をコートする。なお、ここでは、ニスコータ200が装置本体100A外に接続された画像形成装置を例に示したが、ニスコータ200は装置本体100A内に接続されていてもよい。
ニスコータ200について、図1を参照して説明する。ニスコータ200は、ニスを貯蔵する不図示のタンクと、記録材Sを挟持搬送しつつタンクから供給されるニスを記録材S上に塗布する塗布ローラ201及び対向ローラ202と、記録材S上に塗布されたニスを硬化するための紫外線ランプ203とを有する。そして、ニスコータ200内は、記録材Sにニスが塗布されるニス塗布ルート205と、記録材Sにニスが塗布されないニスバイパスルート204とに分かれており、記録材Sの搬送経路をどちらか一方に切り替えることができるようになっている。即ち、フラッパ206を切り替えることで、ニスコートを行う場合にはニス塗布ルート205へと記録材Sを搬送し、ニスコートを行わない場合にはニスバイパスルート204へと記録材Sを搬送し得る。使用するニスとしては所望の風合いに応じて、例えば紫外線で硬化するUVニスなどが挙げられる。
塗布ローラ201は、不図示のタンクから供給されたニス(例えば、UVニス)を、記録材Sの搬送方向と直交する幅方向のほぼ全域に亘ってニスを塗布可能な大きさに形成されている。紫外線ランプ203は、塗布ローラ201にて記録材S上に塗布されたニスを、ニスに対応した波長のUV光を照射してニスを硬化させる。紫外線ランプ203は、塗布ローラ201と同様に、記録材Sの幅方向のおよそ全域に紫外線(UV光)を照射可能であり、記録材Sの通過時のみ点灯される。
なお、ニスを記録材Sへ塗布する手段としては塗布ローラ201及び対向ローラ202によるローラ方式を用いることに限らず、例えばインクジェット方式のラインヘッドを用いてもよい。ラインヘッドを用いる場合は、記録材S上の任意の位置にニスを塗布することが可能である。また、ニスとしてUVニスを用いたがこれに限らず、油性ニスや水性ニスなどを用いてもよい。ただし、油性ニスや水性ニスを用いる場合は、ニスを乾燥させるための乾燥手段として紫外線ランプ203ではなく、IR(赤外線)ランプを用いるのが望ましい。また、温風によってニスを乾燥させてもよいし、あるいはIRランプと温風とを併用してニスを乾燥させてもよい。
<制御部>
図1に示すように、画像形成装置100は制御部80を備えている。制御部80について、図1及び図2を参照しながら図3を用いて説明する。ただし、制御部80には図示した以外にも画像形成装置100を動作させるモータや電源等の各種機器が接続されているが、ここでは発明の本旨でないのでそれらの図示及び説明を省略する。
制御手段としての制御部80は、画像形成動作などの画像形成装置100の各種制御を行うものである。制御部80は、CPU(Central Processing Unit)81、RAM(Random Access Memory)82、ROM(Read Only Memory)83などを有する。ROM83には、例えば画像形成ジョブや後述する「加熱制御処理」(図4参照)などの各種プログラムや各種データ等が記憶されている。CPU81は、ROM83に記憶されている各種プログラムを実行して、画像形成ユニット300や定着装置8、加熱除去装置9、ニスコータ200などの動作を制御可能である。本実施形態の場合、後述するように、CPU81は「加熱制御処理」の実行により、定着装置8の温度や加熱除去装置9の温度などを制御し得る。RAM82には、作業用データや入力データが記憶される。なお、RAM82は、各種プログラムの実行に伴う演算処理結果などを一時的に記憶することもできる。
CPU81にはバス84を介して、RAM82やROM83の他に、入出力インタフェース部(I/F部)85、ニスコータ制御部86、入力受付部87が接続されている。入出力インタフェース部(I/F部)85には、操作部95が接続される。操作部95は選択部93と表示部94とを有し、選択部93はユーザによる画像形成ジョブなどの各種プログラムの実行指示や各種データ入力などを受け付ける例えば操作パネルなどである。表示部94は、画像形成装置100やニスコータ200の動作状態を表示する表示画面や、実行可能な各種プログラムを提示するメニュー画面などの各種画面を適宜に表示可能な例えば液晶画面等である。
本実施形態では、ユーザが画像形成ジョブの実行を指示する際に、カラー、モノクロのいずれで印刷するかや記録材Sの種類などの情報とともに、ニスコートを行うか否かの情報を入力できる。なお、表示部94に操作部95のスイッチ等を模した仮想操作子を表示しておき、この仮想操作子を利用してユーザによる各種プログラムの実行操作や各種データの入力操作などを受け付けできるようにしてよい。つまり、操作部95は所謂タッチパネルであってもよい。
CPU81は、有線あるいは無線の通信ネットワーク等を介して接続されているパーソナルコンピュータ等の外部機器96から、取得手段としての入力受付部87を介して画像信号や各種データ等を取得し得る。また、本実施形態では、外部機器96から画像形成ジョブの実行命令を取得した際に、ニスコートを行うか否かの情報を取得し得る。なお、図示を省略したが、画像形成装置100は原稿読取装置を備えており、CPU81は原稿読取装置により読み取られた原稿の画像信号を入力受付部87により取得可能であってもよい。取得した画像信号は、画像データとしてRAM82に記憶される。
ニスコータ制御部86は、画像形成装置100に接続されたニスコータ200を制御する。CPU81は、バス84を介した電気信号の送受信によってニスコータ200を制御する。そうであるから、画像形成装置100とニスコータ200との間でバス84を介した電気信号の送受信ができない場合、CPU81は画像形成装置100とニスコータ200とが接続されていないと判定することができる。
また、CPU81にはバス84を介して、定着温度検知部88、定着ヒータ制御部89、加熱除去温度検知部90、加熱除去ヒータ制御部91が接続されている。定着温度検知部88は、サーミスタ42a、42bの検知結果に基づいて加熱ローラ40、加圧ローラ41の温度を検知する。CPU81は、定着温度検知部88により検知された温度に基づいて定着ヒータ制御部89を制御する。定着ヒータ制御部89は、加熱ローラ40、加圧ローラ41の温度が目標の温度となるように、ヒータ40a、41aを制御する。本実施形態において、CPU81は、記録材Sにトナー像を定着可能な目標温度として、加熱ローラ40の表面温度が例えば「160〜190℃」の範囲で所望の温度となるように、定着ヒータ制御部89によりヒータ40aを制御し得る。定着装置8の加熱温度は、記録材Sに対するトナーの定着性と、定着後のトナー像のグロスを両立させるために、記録材Sの坪量に応じて予め決められた目標温度に設定されている(例えば、後述の図9参照)。他方、加圧ローラ41は、表面温度が例えば「100℃」に維持される。そうするように、CPU81は定着ヒータ制御部89によりヒータ41aを制御し得る。
加熱除去温度検知部90は、サーミスタ43a、43bの検知結果に基づいて加熱ローラ46、加圧ローラ47の温度を検知可能である。CPU81は、検知された温度に基づいて加熱除去ヒータ制御部91を制御する。そして、加熱除去ヒータ制御部91は、加熱ローラ46及び加圧ローラ47の温度がそれぞれ目標温度となるように、加熱ローラ46、加圧ローラ47に設けられたそれぞれのヒータ46a、47aを制御し得る。詳しくは後述するように、本実施形態の場合、加熱ローラ46の目標温度は、ニップ部T4の温度がニスコートを行う場合とニスコートを行わない場合とで異なる温度となるように設定される。そうするように、CPU81は加熱除去ヒータ制御部91によりヒータ46aを制御し得る。他方、加圧ローラ47の目標温度は、その表面温度が例えば「40℃」となるように設定される。そうするように、CPU81は加熱除去ヒータ制御部91によりヒータ47aを制御し得る。
なお、ここでは図示を省略したが、CPU81にはバス84を介してモータ制御部が接続されていてよい。モータ制御部は、モータ92A(図1参照)の回転を制御する。CPU81はモータ制御部を介して加熱ローラ46の回転速度を制御することで、加熱除去装置9における記録材Sの搬送速度を調整し得る。
<加熱制御処理>
ところで、既に述べたように、ワックス(離型剤)を含むトナーを用いた場合、記録材Sへのトナー像定着の際にトナー像の表面にワックスが析出してしまい、ニスをコートする際にワックスがニスをはじき、トナーとニスの密着性が損なわれやすい。この点に鑑み、トナーとニスの密着性を向上させるには、トナー像の表面に析出したワックスによりニスがはじかれるのを抑制するのが好ましい。そこで、本実施形態ではニスコートを行う場合に、加熱除去装置9によりトナー像の表面に析出したワックスを除去できるようにしている。以下、それを実現するための第一実施形態の「加熱制御処理」について、図1乃至図3を参照しながら図4を用いて説明する。この「加熱制御処理」は、制御部80のCPU81によって、画像形成装置100の主電源オンに応じて開始され、主電源オフまで繰り返し実行される。
図4に示すように、CPU81は操作部95から画像形成ジョブの開始命令を受信する(S1)。CPU81は、操作部95から画像形成ジョブの開始命令を受信するまで処理を待機している。CPU81は画像形成ジョブの開始命令を受信すると、例えば操作部95から入力されたニスコートを行うか否かの情報に基づき、後加工としてニスコータ200により記録材Sに対しニスをコートするか否かを判定する(S2)。ニスコートを行わない第二モードの実行時(S2のNO)、CPU81は定着装置8の加熱温度を通常の加熱温度T0にする(S5)。この際に、CPU81は記録材Sの坪量に応じて予め決められている加熱温度に設定してよい(後述する図9参照)。そして、CPU81は、加熱除去ヒータ制御部91によるヒータ46aの加熱が行われていれば、それを停止することで、加熱除去装置9による記録材Sへの加熱をオフする(S6)。即ち、記録材Sに対しニスコートを行わない第二モードの実行時、CPU81は加熱ローラ46を加熱しない。その後、CPU81は画像形成ジョブを開始する(S7)。
他方、ニスコートを行う第一モードの実行時(S2のYES、ニスコートあり)、CPU81は記録材Sに対しニスコートを行わない場合と同様に、定着装置8の加熱温度を通常の加熱温度T0に設定する(S3)。そして、CPU81は加熱除去ヒータ制御部91によるヒータ46aの加熱を開始して、加熱除去装置9による記録材Sへの加熱をオンする(S4)。即ち、記録材Sに対しニスコートを行う第一モードの実行時、CPU81は加熱ローラ46を加熱する。この際に、CPU81は加熱ローラ46の温度(ワックス除去温度と呼ぶ)を制御して、ニップ部T4の温度を、定着装置8の加熱温度よりも低く、トナーに含まれるワックス(離型剤)の融点以上且つトナーの軟化点以下の温度にする。その後、CPU81は画像形成ジョブを開始する(S7)。
こうして、加熱ローラ46の温度は、トナー像定着の際にトナー像の表面に析出したワックスがニップ部T4を通過する際に加熱ローラ46に転移可能な温度にされる。そして、記録材Sから加熱ローラ46に転移したワックスは、クリーニングウェブ61によって加熱ローラ46から除去される。したがって、ニスコータ200には、析出したワックスが低減された記録材Sが受け渡される。本実施形態では、以下に説明するワックスの融点とトナー軟化点に基づき、ワックス除去温度を例えば「75℃以上105℃以下」の温度とした。
なお、記録材Sに対しニスコートを行わない場合に、省エネの観点からは、ヒータ47aによる加圧ローラ47への加熱(例えば、上記した40℃維持のための加熱など)を停止するとよい。ただし、ニスコートを行わない場合に加圧ローラ47への加熱を停止すると、記録材Sに対しニスコートを行う場合に、加熱ローラ46の温度を上記したワックス除去温度に立ちあげるまでに時間がかかり得る。それ故、ニスコートを行わない場合、ヒータ47aによる加圧ローラ47への加熱は停止しないほうが好ましい。
<トナー軟化点>
トナーが軟化する温度であるトナー軟化点について、図5を用いて説明する。「トナー軟化点」の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用いた。流動特性評価装置では、シリンダーに充填した測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ測定試料を昇温させて溶融し、溶融された測定試料がシリンダー底部のダイから押し出された際における、ピストン降下量と温度との関係を得ることができる。上記計測によって得られたピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を図5に示す。
測定試料としては、約1.0gのトナーを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H(エヌピーエーシステム社製))を用いて、約10MPaの圧力で約60秒間圧縮成型して、直径約8mmの円柱状としたものを用いた。また、流動特性評価装置の測定条件として、試験モードは昇温法、昇温速度は4℃/min、開始温度は50℃、到達温度は200℃とした。
本実施形態では、「1/2法における溶融温度」をトナー軟化点とした。「1/2法における溶融温度」は、次のようにして算出される。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量「Smax」と、流出が開始した時点におけるピストンの降下量「Smin」との差の「1/2」を求める(X=(Smax−Smin)/2)。そして、図5に示す流動曲線において、ピストンの降下量が「XとSminの和」となるときの温度を「1/2法における溶融温度」つまりトナー軟化点とする。図5に示した例の場合、トナー軟化点は「104℃〜105℃」である。
<ワックスの融点>
ワックスの融点について、図6を用いて説明する。ワックスの融点は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いて、「ASTM D3418−82」規格に準じて測定したDSC(示差走査熱量分析)曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度を融点とする。また、ピークの面積から求められる熱量を融解熱量とする。装置検知部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲「30℃〜200℃」の間で、昇温速度「10℃/min」で測定を行う。上記測定によって得られた2度目の昇温過程での吸熱ピークと融点の関係を、図6に示す。図6に示すように、測定においては、200℃まで昇温させた後、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温させた。この2度目の昇温過程での温度範囲「30℃〜200℃」におけるDSC曲線の最大の吸熱ピーク温度が、ワックスの融点である。図6に示す例の場合、ワックスの融点は「75℃〜78℃」である。
<ニスとトナー像の密着性評価>
本願発明者らは、ニスとトナー像との密着性を評価する実験を行った。実験では、用紙「北越パッケージ(株)商品コートボール270g/m」にトナー載り量「1.2mg/cm」で定着させたトナー像の上に、K型熱電対(安立計器株式会社製 温度センサ特殊 型式SE80117)を貼りつけたサンプル用紙を用いた。そして、このサンプル用紙を、加熱ローラ46を回転速度「464mm/s」で回転させた加熱除去装置9を通過(あるいはバイパス)させたときの、サンプル用紙のトナー像の温度を計測した。なお、使用したトナーに含まれるワックスの融点は「77℃」であり、トナー軟化点は「104℃」である。表1に、上記実験により得られた、定着装置8によるトナー像定着のための加熱温度及び加熱除去装置9の加熱温度と、トナー像の表面温度との関係を示す。なお、比較例の「バイパス」は、定着装置8を通過した記録材Sを加熱除去装置9に通さない条件である。
Figure 2021103265
そして、上記条件でトナー像を定着させ、加熱除去装置9を通過(あるいはバイパス)させた用紙に対し、ニスコータ200によりニスを塗布して、ニスとトナー像との密着性を評価するための実験を行った。ニスの塗布は、「UV VECTA コートニス PC−3kW2(T&K社製)」をバーコーターにて「5μm」の厚さで用紙に塗布した。その後、トナー像に照射される積算光量が「120〜130mJ/cm」となるように高圧水銀灯により紫外線を照射して、塗布したニスを硬化させた。ニスとトナー像との密着性の評価は、「JIS K5600−5−4」にて標準化されている「引っかき硬度(鉛筆法)」にて行った。図7に、引っかき硬度試験の結果を示す。図7では、縦軸は鉛筆B10を「1」、鉛筆H10を「22」とした場合に、鉛筆B10から鉛筆H10までの鉛筆硬度22段階を「1」から「22」の数字で表記した。そして、このグラフ中に、引っかき試験に耐えた鉛筆硬度(3B、4Hなど)を記載した。
図7に示すように、実験1、実験4は「3B」で比較例と同レベルにとどまる一方、ワックス融点以上かつトナー軟化点以下の範囲に含まれる実験2、実験3は比較例の「3B」から「4H、3H」まで密着性が向上したことが分かる。即ち、トナー定着後にワックス融点以上且つトナー軟化点以下の温度で記録材Sを加熱して加熱除去装置9を通過させると、トナー像の表面に析出していたワックスが加熱除去装置9によって低減され、その結果、ニスとトナー像との密着性が向上される。
以上のように、本実施形態では、ニスコートを行う場合に加熱除去装置9をオンし、ニスコートを行わない場合に加熱除去装置9をオフする。加熱除去装置9をオンする場合、ニップ部T4の温度は、定着装置8の加熱温度よりも低く、トナーに含まれるワックス(離型剤)の融点以上且つトナーの軟化点以下の温度とする。これは、トナーの軟化点以下の温度で画像面を加熱することで、トナー像表面に新たにワックスが析出することを抑制しつつ、ワックスの融点以上の温度で画像面を加熱することで、既に表面に析出していたワックスのみを加熱ローラ46に転移させるためである。これにより、定着装置8によるトナー像の定着時にトナーに含まれるワックスがトナー像の表面に析出したとしても、記録材Sが加熱除去装置9を通過する際に、記録材Sから加熱ローラ46にワックスが転移しやすくなる。こうしてワックスが低減された記録材Sがニスコータ200に受け渡され、ニスコート時にワックスによってニスがはじかれ難くなるので、トナーとニスの高い密着性を得ることができ、もって後加工としてトナー像定着後の記録材Sへのコートを適切に行い得る。
なお、図1に示すように、記録材Sを定着装置8の通過後に加熱除去装置9へ搬送させるか、定着装置8の通過後に加熱除去装置9を回避して搬送させるかを、切替手段としてのフラッパ48により切り替えできる場合がある(図中点線で示す経路)。フラッパ48の切り替えは、上記したCPU81(図3参照)により行われる。この場合に、CPU81はニスコートを行うか否かに応じて加熱除去装置9のオンオフ制御を行うことなく、定着装置8を通過した記録材Sを加熱除去装置9へ受け渡すか否かを制御するようにしてよい。具体的に、ニスコートを行う場合、CPU81は加熱除去装置9をオンする代わりに(図4のS4参照)、定着装置8を通過した記録材Sが加熱除去装置9へ受け渡される第一経路30aに切り替える。他方、ニスコートを行わない場合、CPU81は加熱除去装置9をオフする代わりに(図4のS6参照)、定着装置8を通過した記録材Sが加熱除去装置9へ受け渡されない第二経路30bに切り替える。なお、こうした場合、加熱ローラ46の温度はニスコートを行うか否かに関わらず、ニップ部T4の温度を、定着装置8の加熱温度よりも低く、トナーに含まれる離型剤の融点以上且つトナーの軟化点以下の温度に維持してよい。
[第二実施形態]
ところで、記録材Sとしてコート層を持たない普通紙もしくは厚紙を用いた場合には、塗布ローラ201にて記録材Sの表面にニス(UVニス)が塗布されると、記録材Sの内部にニスが浸透しやすい。その場合、紫外線ランプ203が照射するUV光が記録材Sの内部まで到達できないため、ニスを十分に硬化することができない場合がある。そこで、記録材Sとしてコート層を持たない普通紙や厚紙などの非コート紙を用いる場合には、記録材Sに対してニスコートを行わないのが望ましい。そうした第二実施形態の「加熱制御処理」について、図1乃至図3を参照しながら図8を用いて説明する。ただし、第二実施形態において第一実施形態の「加熱制御処理」(図4参照)と同様の処理については同じ符号を付し、それらの処理については簡単に説明する。
図8に示すように、CPU81は操作部95から画像形成ジョブの開始命令を受信する(S1)。CPU81は画像形成ジョブの開始命令を受信すると、記録材Sが「非コート紙」であるか否かを判定する(S11)。記録材Sが非コート紙である場合(S11のYES)、CPU81は定着装置8の加熱温度を通常の加熱温度T0にし(S5)、加熱除去装置9による記録材Sへの加熱をオフする(S6)。即ち、CPU81は加熱ローラ46を加熱しない。その後、CPU81は画像形成ジョブを開始する(S7)。
他方、記録材Sが非コート紙でない場合つまりコート紙である場合(S11のNO)、例えば操作部95から入力されたニスコートを行うか否かの情報に基づき、ニスコータ200により記録材Sに対しニスをコートするか否かを判定する(S2)。ニスコートを行わない第二モードの実行時(S2のNO)、CPU81は定着装置8の加熱温度を通常の加熱温度T0にし(S5)、加熱除去装置9による記録材Sへの加熱をオフする(S6)。その後、CPU81は画像形成ジョブを開始する(S7)。他方、ニスコートを行う第一モードの実行時(S2のYES、ニスコートあり)、CPU81は定着装置8の加熱温度を通常の加熱温度T0に設定し(S3)、加熱除去装置9による記録材Sへの加熱をオンする(S4)。即ち、CPU81は加熱ローラ46を加熱する。この際に、CPU81は加熱ローラ46の温度(ワックス除去温度と呼ぶ)を制御して、ニップ部T4の温度を、定着装置8の加熱温度よりも低く、トナーに含まれるワックス(離型剤)の融点以上且つトナーの軟化点以下の温度にする。その後、CPU81は画像形成ジョブを開始する(S7)。
以上のように、第二実施形態では、ニスコータ200にて塗布するニスが浸透し難いコート紙(もしくは樹脂メディア)にニスコートを施し、ニスが浸透しやすい非コート紙にはニスコートを施さないようにした。そして、コート紙にニスコートを施す場合は加熱除去装置9をオンして、記録材Sから加熱ローラ46にワックスを転移させて除去するようにしている。したがって、第二実施形態においても、ニスコート時にワックスによってニスがはじかれ難くなるので、トナー像とニスの高い密着性を得ることができ、もって後加工としてトナー像定着後の記録材Sへのコートを適切に行い得る、という効果が得られる。
なお、上述した第二実施形態でも上述の第一実施形態と同様に、CPU81は加熱除去装置9のオンオフ制御を行う代わりに、定着装置8を通過した記録材Sを加熱除去装置9へ受け渡すか否かを制御するようにしてよい。具体的に、CPU81は加熱除去装置9をオンする代わりに(図8のS4参照)、定着装置8を通過した記録材Sが加熱除去装置9へ受け渡される第一経路30aに切り替える。他方、CPU81は加熱除去装置9をオフする代わりに(図8のS6参照)、定着装置8を通過した記録材Sが加熱除去装置9へ受け渡されない第二経路30bに切り替えるようにしてよい。
[第三実施形態]
上述した第一、第二実施形態ではニスコートを行うか否かに応じて、加熱除去装置9がオンオフ制御される。ただし、加熱除去装置9をオンオフ制御する場合、オフからオンした際に所望の温度に立ち上がるのに時間がかかる虞がある。そこで、加熱除去装置9を常にオン状態とし、場合に応じて加熱除去装置9の温度を変更することが考えられる。この場合、加熱除去装置9は記録材Sに析出したワックスを低減するためのワックス除去機能を有すると共に、定着装置8の加熱に加えて補助的にトナーを加熱して記録材Sに定着させる定着機能を有する。
図9に、加熱ローラ40の目標温度(定着装置8の加熱温度)と、加熱ローラ46の目標温度(加熱除去装置9の加熱温度)の一例を示す。図9に示すように、非コート紙である場合には、トナー像を定着するために定着装置8のみを用い、加熱除去装置9を用いない(使用せず)。他方、コート紙である場合、ニスコートを行う場合には定着装置8のみを用い、ニスコートを行わない場合には定着装置8と加熱除去装置9の両方を用い、トナー像を記録材Sに定着させる。コート紙にニスコートを行う場合とコート紙にニスコートを行わない場合とに関わらず、記録材Sの坪量が大きい場合には定着装置8の加熱温度を高くしている。図9に示した例の場合、坪量が「64〜150g/cm」の場合に「164℃」、「151〜180g/cm」の場合に「174℃」、「181〜256g/cm」の場合に「180℃」、「257〜350g/cm」の場合に「185℃」に設定される。即ち、定着装置8の加熱温度は、記録材Sの坪量が第一坪量である場合は第一温度に設定され、記録材Sの坪量が第一坪量よりも大きい第二坪量である場合は第一温度よりも高い第二温度に設定される。そして、コート紙にニスコートを行う第一モードの実行時、ニップ部T4の温度はニスコートを行わない第二モードの実行時よりも低い温度である。具体的には、定着装置8の加熱温度よりも低く、トナーに含まれる離型剤の融点以上且つトナーの軟化点以下の温度である。
第三実施形態の「加熱制御処理」について、図1乃至図3を参照しながら図10を用いて説明する。ただし、第三実施形態において第二実施形態の「加熱制御処理」(図8参照)と同様の処理については同じ符号を付し、それらの処理については簡単に説明する。
図10に示すように、CPU81は操作部95から画像形成ジョブの開始命令を受信する(S1)。CPU81は画像形成ジョブの開始命令を受信すると、例えば操作部95から入力された記録材Sの種類に基づき、記録材Sが「非コート紙」であるか否かを判定する(S11)。記録材Sが非コート紙である場合(S11のYES)、CPU81は定着装置8の加熱温度を通常の加熱温度T0にする(S5)。そして、CPU81は、記録材S(非コート紙)が第二経路30b(バイパスルート)を通過するようにフラッパ48を動作させる(S15)。その後、CPU81は画像形成ジョブを開始する(S7)。
記録材Sが非コート紙でない場合(S11のNO)、CPU81はニスコートを行うか否かを判定する(S2)。記録材Sに対しニスコートを行わない第二モードの実行時(S2のNO)、CPU81は定着装置8の加熱温度を通常の加熱温度T0に(S13)、加熱除去装置9の加熱温度を通常の加熱温度T10にする(S14)。加熱温度T0は記録材Sの坪量に応じた加熱温度であり、加熱温度T10は例えば160℃である(図9参照)。その後、CPU81は画像形成装置100に画像形成ジョブを開始させる(S7)。
他方、記録材Sに対しニスコートを行う第一モードの実行時(S2のYES)、CPU81は定着装置8の加熱温度を通常の加熱温度T0にする一方で(S3)、加熱除去装置9の加熱温度を通常の加熱温度T10から加熱温度T20へと変更する(S12)。この加熱温度T20は、ニップ部T4の温度が、定着装置8の加熱温度よりも低く、トナーに含まれる離型剤の融点以上且つトナーの軟化点以下の温度(例えば80℃)となる温度である。その後、CPU81は画像形成装置100に画像形成ジョブを開始させる(S7)。
上述の画像形成システム1Xでは、画像形成装置100に対し下流側に表面加工装置(200)を接続する構成としたが、画像形成装置100に対し表面加工装置を直接接続する画像形成システムではなく、間接的に接続する画像形成システムであってもよい。例えば、画像形成装置100によって画像が形成された記録材Sを、中継搬送装置による自動搬送に従ってあるいはユーザによる手動での搬送により表面加工装置(200)へと運び、表面加工装置にて記録材上の表面加工を行う構成でもよい。こうした構成であっても、画像形成装置100に加熱除去装置9を有していることで、表面に析出したワックスを低減させた状態の記録材Sに対してニスコート処理などを実行することができ、トナー像とニスの高い密着性を得ることができる。
なお、上述した画像形成システム1Xでは、外部機器96から画像形成ジョブの実行命令を取得した際にニスコートを行うか否かの情報を取得する構成を説明したが、これに限らない。例えば、ユーザが操作部95を介してニスコートを行う第一モードか、ニスコートを行わない第二モードかを予め設定する構成であってもよい。このとき、ニスコートを行う第一モードが設定されている場合は、上述した構成と同様に、加熱除去装置9によるワックスの除去処理を実行させる構成とする。
以上のように、第三実施形態では記録材Sが非コート紙である場合、定着装置8と加熱除去装置9のうち定着装置8のみを用いてトナー像を定着させる。他方、コート紙である記録材Sに対しニスコートを行わない場合には、定着装置8と加熱除去装置9の両方を用いてトナー像を定着させる。そして、コート紙である記録材Sに対しニスコートを行う場合には、定着装置8のみを用いてトナー像を定着させると共に、加熱除去装置9により記録材Sに析出したワックスを低減させる。これによれば、加熱除去装置9により、コート紙である記録材Sに対しニスコートを行う場合には、トナー像とニスの高い密着性を得ることができ、もって後加工としてトナー像定着後の記録材Sへのコートを適切に行い得る。また、コート紙である記録材Sに対しニスコートを行わない場合や、記録材Sが非コート紙である場合には、トナーの定着性を高めることができる。
1X…画像形成システム、8…定着手段(定着装置)、9…加熱除去手段(加熱除去装置)、30a…第一経路、30b…第二経路、43a…温度検知手段(サーミスタ)、46…第一回転体(加熱ローラ)、46a…加熱手段(ヒータ)、47…第二回転体(加圧ローラ)、48…切替手段(フラッパ)、60…除去手段(ワックス除去ユニット)、80…制御手段(制御部)、100…画像形成装置、200…表面加工装置(ニスコータ)、300…画像形成手段(画像形成ユニット)、S…記録材、T4…ニップ部

Claims (8)

  1. トナー像定着後の記録材の少なくとも一部をコートする表面加工処理を実行可能な画像形成システムであって、
    離型剤を含んだトナーを用いて記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段によりトナー像が形成された記録材を加熱してトナー像を記録材に定着する定着手段と、
    第一回転体と、前記第一回転体との間で前記定着手段を通過した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する第二回転体と、前記第一回転体を加熱する加熱手段と、前記ニップ部を記録材が通過する際に前記第一回転体に付着した離型剤を除去する除去手段と、を有する加熱除去手段と、
    前記表面加工処理による記録材のコートを行う第一モードと、前記表面加工処理による記録材のコートを行わない第二モードとを実行可能な制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記第一モードの実行時に前記第一回転体を加熱し、前記第二モードの実行時に前記第一回転体を加熱しないように、前記加熱手段を制御する、
    ことを特徴とする画像形成システム。
  2. トナー像定着後の記録材の少なくとも一部をコートする表面加工処理を実行可能な画像形成システムであって、
    離型剤を含んだトナーを用いて記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段によりトナー像が形成された記録材を加熱してトナー像を記録材に定着する定着手段と、
    第一回転体と、前記第一回転体との間で記録材を挟持搬送するニップ部を形成する第二回転体と、前記第一回転体を加熱する加熱手段と、前記ニップ部を記録材が通過する際に前記第一回転体に付着した離型剤を除去する除去手段と、を有する加熱除去手段と、
    前記定着手段から前記加熱除去手段へ記録材が受け渡される第一経路と、前記定着手段から前記加熱除去手段への記録材の受け渡しが回避される第二経路とに切り替え可能な切替手段と、
    前記表面加工処理による記録材のコートを行う第一モードと、前記表面加工処理による記録材のコートを行わない第二モードとを実行可能な制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記第一モードの実行時に前記第一経路に切り替え、前記第二モードの実行時に前記第二経路に切り替えるように、前記切替手段を制御する、
    ことを特徴とする画像形成システム。
  3. 前記制御手段は、前記第一モードの実行時における前記第一回転体の温度を、前記定着手段の加熱温度よりも低く、トナーに含まれる離型剤の融点以上且つトナーの軟化点以下の温度にする、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システム。
  4. トナー像定着後の記録材の少なくとも一部をコートする表面加工処理を実行可能な画像形成システムであって、
    離型剤を含んだトナーを用いて記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段によりトナー像が形成された記録材を加熱してトナー像を記録材に定着する定着手段と、
    第一回転体と、前記第一回転体との間で前記定着手段を通過した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する第二回転体と、前記第一回転体を加熱する加熱手段と、前記ニップ部を記録材が通過する際に前記第一回転体に付着した離型剤を除去する除去手段と、を有する加熱除去手段と、
    前記表面加工処理による記録材のコートを行う第一モードと、前記表面加工処理による記録材のコートを行わない第二モードとを実行可能な制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記第一モードの実行時に前記ニップ部の温度を、前記定着手段の加熱温度よりも低く、トナーに含まれる離型剤の融点以上且つトナーの軟化点以下の温度とし、前記第二モードの実行時に前記ニップ部の温度を、トナーの軟化点より高い温度とするように、前記加熱手段を制御する、
    ことを特徴とする画像形成システム。
  5. 前記第一回転体の表面温度を検知する温度検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記温度検知手段の検知結果に基づいて前記加熱手段の温度を制御する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
  6. 前記制御手段は、記録材の坪量が第一坪量である場合は前記定着手段の加熱温度を第一温度にし、記録材の坪量が前記第一坪量よりも大きい第二坪量である場合は前記定着手段の加熱温度を前記第一温度よりも高い第二温度にする、
    ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
  7. 前記制御手段は、記録材の種類が非コート紙である場合に前記第二モードを実行する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成システム。
  8. 記録材の表面にニスを塗布して乾燥させることにより記録材をコートするニスコータを備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
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