JP2021103192A - 車両用警音器およびソレノイド部の製造方法 - Google Patents

車両用警音器およびソレノイド部の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁皮膜を除去するためにレーザ照射される巻線用電線を適正位置に設置できる車両用警音器を提供する。【解決手段】車両用警音器はインシュレータ21を備える。インシュレータ21は、マグネットワイヤにおける、一端側部20P1を収容する第1収容溝部212aと他端側部20P2を収容する第2収容溝部213aとを有する。第1収容溝部212aは、マグネットワイヤの外径寸法よりも大きい開口幅寸法を有し、マグネットワイヤを所定位置に寄せるように案内する案内壁を有する。第2収容溝部213aは、マグネットワイヤの外径寸法よりも大きい開口幅寸法を有し、マグネットワイヤを所定位置に寄せるように案内する案内壁を有する。第1収容溝部212a、第2収容溝部213aのそれぞれに収容されているマグネットワイヤの部分は、絶縁皮膜が除去されて露出した電線部が導体に接触している。【選択図】図3

Description

この明細書における開示は、車両用警音器およびソレノイド部の製造方法に関する。
特許文献1には、グリーンレーザを照射して導線の絶縁被膜を除去する方法が開示されている。
特開2008−234917号公報
車両用警音器が備える巻線用電線の絶縁被膜をレーザによって除去する場合、絶縁物に対して巻線用電線を適正な位置に設置する必要がある。絶縁物に対して巻線用電線が不適正な位置に設置されてしまうと、レーザによって絶縁物が削れてしまうという懸念がある。
この明細書の開示の目的は、絶縁皮膜を除去するためにレーザ照射される巻線用電線を適正位置に設置できる車両用警音器およびソレノイド部の製造方法を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された車両用警音器の一つは、ハウジング(1)と、ハウジングの内部に設けられ、ボビン部(210)に巻回されているマグネットワイヤ(20)を有するソレノイド部(2)と、ボビン部を有し、マグネットワイヤにおける、一端側部(20P1)を収容する第1収容溝部(212a)と他端側部(20P2)を収容する第2収容溝部(213a)とを有するインシュレータ(21)と、ソレノイド部によって着磁される固定鉄心(22)と、着磁された固定鉄心に吸引される可動鉄心(4)と、可動鉄心に結合されている部材であって、吸引される可動鉄心の動きに伴って振動する振動板(3)と、固定接点部(8a)を有する固定接点支持板(8)と、ソレノイド部への通電が遮断されると固定接点部に接触し、ソレノイド部に通電されると固定接点部から離れる可動接点部(7a)を有する可動接点支持板(7)と、を備え、
第1収容溝部、第2収容溝部のそれぞれに収容されているマグネットワイヤの部分は、絶縁皮膜(20a)が除去されて露出した電線部(20b)が導体に接触しており、
第1収容溝部、第2収容溝部のそれぞれは、マグネットワイヤの外径寸法よりも大きい開口幅寸法を有し、マグネットワイヤを所定位置に寄せるように案内する表面をなす案内壁(12b;1012b,1012c;2012b,2012c;3012b,3012c)を有している。
この車両用警音器によれば、ワイヤ直径よりも広い幅の開口から入れたマグネットワイヤの一端側部を案内壁によって第1収容溝部の所定位置に収容できる。さらに、ワイヤ直径よりも広い幅の開口から入れたマグネットワイヤの他端側部を案内壁によって第2収容溝部の所定位置に収容できる。このように車両用警音器は、マグネットワイヤの一端側部と他端側部を、各収容溝部の溝幅方向について適正な位置にセッティングできる構成を備えている。このため、絶縁皮膜を除去するためにレーザ照射を用いる場合にレーザをマグネットワイヤに的確に照射することができる。このようにレーザ照射部位がマグネットワイヤに限定されるため、各収容溝部の底面等を傷つけにくいレーザ照射を実施できる。したがって、この開示は、絶縁皮膜を除去するためにレーザ照射される巻線用電線を適正位置に設置できる車両用警音器を提供できる。
開示されたソレノイド部の製造方法の一つは、マグネットワイヤの外径寸法よりも大きい開口幅寸法とマグネットワイヤを所定位置に寄せるように案内することが可能な案内壁(12b;1012b,1012c;2012b,2012c;3012b,3012c)とをそれぞれ有する、第1収容溝部(212a)および第2収容溝部(213a)が形成されたインシュレータを準備する工程と、マグネットワイヤの一端側部(20P1)を第1収容溝部の開口から入れて、案内壁によって所定位置に寄せて第1収容溝部に収容する巻き始め部収容工程と、マグネットワイヤをインシュレータのボビン部(210)に巻回する工程と、ボビン部に巻回されているマグネットワイヤから延びる他端側部(20P2)を第2収容溝部の開口から入れて、案内壁によって所定位置に寄せて第2収容溝部に収容する巻き終わり部収容工程と、第1収容溝部、第2収容溝部のそれぞれに収容されているマグネットワイヤの部分にレーザを照射する工程と、第1収容溝部、第2収容溝部のそれぞれに収容されているマグネットワイヤの部分を、所定の導体にそれぞれ接触させる導通工程と、を備える。
この製造方法によれば、巻き始め部収容工程においてマグネットワイヤの一端側部を第1収容溝部の所定位置に収容できる。さらに、巻き終わり部収容工程においてマグネットワイヤの他端側部を第2収容溝部の所定位置に収容できる。これにより、マグネットワイヤの一端側部と他端側部を、各収容溝部の溝幅方向について適正な位置にセッティングすることができる。マグネットワイヤの一端側部と他端側部は適正な位置にセッティングされた状態でレーザ照射されるので、マグネットワイヤの周囲物にレーザが照射されることを抑制できる。このようにレーザ照射部位がマグネットワイヤに限定されるため、各収容溝部の底面を傷つけにくいレーザ照射工程を実施できる。したがって、この開示は、絶縁皮膜を除去するためにレーザ照射される巻線用電線を適正位置に設置できるソレノイド部の製造方法を提供できる。
第1実施形態の車両用警音器の部分断面図である。 可動鉄心、振動板、共鳴板等を取り外した状態の車両用警音器を示した平面図である。 マグネットワイヤを巻回したインシュレータの平面図である。 第1実施形態の収容溝部の断面図である。 比較例としての収容溝部の断面図である。 ソレノイド部の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態の収容溝部の断面図である。 第3実施形態の収容溝部の断面図である。 第4実施形態の収容溝部の断面図である。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
<第1実施形態>
第1実施形態について図1〜図6を参照して説明する。図1は、図2のI−I線に沿う断面を示している。図2は、図1の車両用警音器10から可動鉄心4、振動板3等を除去したものを図1の矢印II方向に見た内部構造を示している。
明細書に開示の目的を達成可能な車両用警音器の一例である車両用警音器10について図1〜図4を参照して説明する。車両用警音器10は、例えば、自動車、自動二輪車等の車両に搭載されて外部に対して警告音を発生する装置であり、電磁式のホーンとも呼ばれる。車両用警音器10は、車両における所定の操作部が操作された際に、警報音を車外へ放出する。所定の操作部は、乗員によって操作される、例えば、ステアリングやハンドルに設けられたホーンスイッチである。車両用警音器10は、作動電圧に応じた警報音を発生する電磁式警報装置である。
図1に示すように、車両用警音器10は、ステー5を介して車両の前部、例えば、ラジエータの前部等の車両側部材に取り付けられる。車両用警音器10は、可動鉄心4を固定鉄心22よりも前方に位置させ、可動鉄心4と固定鉄心22の軸方向を前後方向に沿わせた姿勢で車両に装着される。車両用警音器10は、有底かつ筒状のハウジング1と、ハウジング1内の中央付近に収容されて固定されたソレノイド部2とを備える。車両用警音器10は、ダイヤフラムとも呼ばれる振動板3を備える。振動板3は、外郭を構成するハウジング1の開口部1c1を覆うようにハウジング1に固定されている。振動板3は、可動鉄心4の軸方向変位に伴って振動して空気を振動させる。ソレノイド部2は、コイルとインシュレータ21とを備える。コイルは、樹脂製のボビン部210にマグネットワイヤ20が巻回されている巻回部である。マグネットワイヤ20は、導体である電線部20bを覆う絶縁皮膜20aを備えている。コイルは、インシュレータ21によって絶縁されている。
ステー5は、可動鉄心4に対向して配置された固定鉄心22とハウジング1の底部1dとに固定されて車両等に装着されている。ソレノイド部2は、ハウジング1の軸心周りに設置されている。ソレノイド部2は固定鉄心22を着磁する。ハウジング1および振動板3は、ソレノイド部2の磁気回路の一部を構成するために、鉄系の磁性体材料の板材が凹形状にプレス成形されて形成された部材である。
可動鉄心4の前部に位置する小径部4bには、振動板3の中心穴部3aと共鳴板6の中心穴部6aが嵌合している。可動鉄心4と振動板3および共鳴板6は、小径部4bにかしめ固定された状態で一体になっている。小径部4bは、振動板3と共鳴板6とが結合されている結合部をなしている。小径部4bは、他部材である振動板3と共鳴板6を可動鉄心4に結合するためにかしめられる、振動板3や共鳴板6との結合部位である。固定鉄心22は、車両取付用のステー5に、ハウジング1の底部1dの中心部とともにかしめ等の固定手段を用いて固定されている。固定鉄心22に設けられた後方側端部は、ステー5に固定鉄心22を結合するためにかしめられる、ステー5との結合部位である。また、固定鉄心22は、ステー5に、ハウジング1の底部1dの中心部とともに、ナット締め等の手段で固定される構成でもよい。
ハウジング1は、後端に位置する円盤状の底部1dと、中間平坦部1bと、前端に位置する外周縁部1cとを有して一体に形成されている。中間平坦部1bは、底部1dの周縁が筒状に立ち上がって形成された前端部から円盤状に突出する部分である。外周縁部1cは、ハウジング1の開口部1c1を形成している。外周縁部1cは、中間平坦部1bの周縁が前方へ筒状に立ち上がって形成された前端部から外側に突出して形成されている。振動板3の外周部は、外周縁部1cに巻きつけられるように巻きかしめされて、ハウジング1に固定されている。振動板3は、開口部1c1を前方において覆っている。
インシュレータ21は、筒状のボビン部210、フランジ部211、第1被固定部212、第2被固定部213等を有して一体に形成された絶縁部材である。ボビン部210の外周面には、マグネットワイヤ20が巻回されて形成されているコイルが設けられている。ボビン部210の内側には、固定鉄心22がボビン部210やコイルと同心状に設けられている。フランジ部211は、ボビン部210における振動板3側の端部から円盤状に突出する部分である。フランジ部211は、インシュレータ21において、ボビン部210の前端部から周囲に広がる端面を形成する。フランジ部211は、コイルにおける、前端部や振動板3側の端部を覆う部分である。第1被固定部212、第2被固定部213は、フランジ部211から外方に突出する部分である。
ハウジング1の底部1dの前方側には、ボビン部210が設けられている。固定鉄心22における軸方向の先端を含む端面は、可動鉄心4における軸方向の先端を含む端面に対向し、可動鉄心4との衝突部位である。車両用警音器10には、コイルへの非通電時に、可動鉄心4の端面と固定鉄心22の端面との間には、所定距離の隙間、いわゆるエアギャップが形成されている。固定鉄心22は、ボビン部210の内側に存在する。固定鉄心22の側面は、ボビン部210によって囲まれている。
中間平坦部1bには、第2被固定部213、可動接点支持板7、および固定接点支持板8が積層されている。可動接点支持板7は、弾性を有する金属ばね材から形成されている。固定接点支持板8は、可動接点支持板7よりも剛性が高く、導電性を有する金属製の部材である。可動接点支持板7と固定接点支持板8との間には絶縁部材が介在している。絶縁部材は、中間平坦部1b上の積層部分において、可動接点支持板7と固定接点支持板8の導通を防いでいる。積層されているこれらの部材は、中間平坦部1bにかしめ固定されている金属製の第2リベット92によって、一体に固定されている。
固定接点支持板8は、第2リベット92によって固定された一端側部が被固定部である。固定接点支持板8の他端側部は、支持部材によって支えられているが、固定されていない非固定側部である。したがって、固定接点支持板8は、一端側部が固定端であり、他端側部が自由端であるともいえる。
可動接点支持板7は、第2リベット92によって固定された被固定部を一端側に有している。可動接点支持板7の他端側部は、可動接点部7aが設けられており、固定されていない非固定側部である。したがって、可動接点支持板7は、一端側部が固定端であり、他端側部が自由端であるともいえる。
中間平坦部1bの他の部位には、第1被固定部212が積層されている。コイルから延びるマグネットワイヤ20における一端側部20P1は、電線部20bを被覆する絶縁皮膜20aが剥離された状態で可動接点支持板7と第1被固定部212との間に設置されている。一端側部20P1は、第1リベット91のかしめ固定に伴い、第1リベット91の頭部に圧接されている。このようにして一端側部20P1と第1リベット91とが導通している。
第2被固定部213は、中間平坦部1bにかしめ固定されている金属製の第2リベット92によって、ハウジング1に固定されている。コイルから延びるマグネットワイヤ20における他端側部20P2は、絶縁皮膜20aが剥離された状態でインシュレータ21と可動接点支持板7との間に設置されている。他端側部20P2が可動接点支持板7に圧接されることにより、他端側部20P2における電線部20bと可動接点支持板7とが導通することになる。また、マグネットワイヤ20の電線部20bは、銅線もしくは銅線以外の導電性材質、または異なる導電性物質が組み合わされた材質によって構成されている。
第1リベット91は、コネクタ11の内部のコネクタ端子11aと導通している。コネクタ端子11aは、ホーンスイッチを介してバッテリのプラス電位が導かれている。第1リベット91は、ソレノイド部2において電流投入側に位置するリベットである。車両用警音器10は、第2リベット92のかしめ固定によって可動接点支持板7に圧接される他端側部20P2に導通するコネクタ端子をさらに備える構成でもよい。
中間平坦部1bのさらに他の部位には、第3被固定部が積層されている。第3被固定部は、フランジ部211から外方に突出する部分である。第3被固定部は、中間平坦部1bにかしめ固定されている金属製の第3リベットによって、ハウジング1に固定されている部材である。このようにインシュレータ21は、第1リベット91、第2リベット92、第3リベットの3箇所においてハウジング1に固定されている。
可動接点部7aは、可動接点支持板7から固定接点支持板8に向けて突出している。固定接点支持板8には、可動接点部7aに対応する位置に、可動接点支持板7に向けて突出する固定接点部8aが設けられている。可動接点部7aと固定接点部8aとは、互いに軸方向に対向するように設けられている。可動接点部7aは、可動接点支持板7が有するばね力によって固定接点支持板8側に付勢されて固定接点部8aに接触する常閉型の接点を構成する。
可動鉄心4の外周面の全周には、他の部位よりも径外方へ突き出す大径部4cが形成されている。大径部4cは、可動接点支持板7におけるホーン中心部寄りの被押圧部に接触してこれを後方、つまり、固定鉄心22側へ押圧する押圧部を有する。この押圧部は絶縁性を有する材質で形成されている。押圧部は、可動鉄心4において押圧部よりも後方側をかしめることにより、可動鉄心4と一体に形成することができる。かしめ部は、可動鉄心4と押圧部とを結合させるためにかしめられて塑性変形されている加工部位である。コイルへの通電時に磁化された固定鉄心22によって可動鉄心4が吸引されることにより、大径部4cは後方、すなわち固定鉄心22側に変位する。そして、大径部4cの押圧部が可動接点支持板7の被押圧部を固定鉄心22側に押すことにより、固定接点部8aと可動接点部7aとが離間して接点部が開くことになる。
車両用警音器10の作動を説明する。ホーンスイッチが投入されることにより、車載電源からの電流が、コネクタ端子11aから第1リベット91、一端側部20P1、コイルの順に流れる。さらに電流は、他端側部20P2、可動接点支持板7、可動接点部7a、固定接点部8a、固定接点支持板8、第2リベット92、ハウジング1、固定鉄心22、ステー5、車体の順に流れる。
車両用警音器10では、一端側部20P1と第1リベット91が導通し、他端側部20P2と可動接点支持板7とが導通している。これにより、ソレノイド部2の電磁力が可動鉄心4と固定鉄心22との間隙に作用して、可動鉄心4が固定鉄心22に吸引される。固定鉄心22から発生する磁気吸引力によって可動鉄心4が軸方向に移動すると、振動板3は周縁部が固定された状態で中心部が可動鉄心4と一体に移動して変形する。この可動鉄心4の変位により、可動鉄心4の押圧部が可動接点支持板7の被押圧部を押圧して、可動接点部7aを固定接点部8aから離間させる。その結果、ソレノイド部2への通電が遮断されて電磁力がなくなる。電磁力がなくなると、可動鉄心4は振動板3の弾性力により元の位置に復帰し、可動接点部7aと固定接点部8aとの閉成状態が復活する。接点部が閉成した状態において、コイルに通電される電圧が増加すると、固定鉄心22からの磁気吸引力によって可動鉄心4が固定鉄心22に近づく。これらの動作が繰り返されることにより、可動鉄心4と固定鉄心22との衝突が繰り返され、振動板3および共鳴板6が高周波で振動して音波が前方に放射される。
次に、インシュレータ21とマグネットワイヤ20との関係、ソレノイド部2の製造方法について、図2〜図6を参照して説明する。
マグネットワイヤ20の一端側部20P1と他端側部20P2のそれぞれは、所定の導体に導通している。一端側部20P1と他端側部20P2のそれぞれは、絶縁皮膜20aが除去された部位の電線部20bと所定の導体とが接触して導通している。インシュレータ21は、ボビン部210に巻回されたコイルから延びる一端側部20P1を収容して保持する第1収容溝部212aを有している。インシュレータ21は、ボビン部210に巻回されたコイルから延びる他端側部20P2を収容して保持する第2収容溝部213aを有している。
第1収容溝部212aは第1被固定部212に設けられている。第1収容溝部212aは、ボビン部210側から第1被固定部212の外周縁に向けて延びている。第1収容溝部212aは、少なくとも、導体と導通する一端側部20P1における電線部20bの長さにわたって、第1被固定部212に設けられている。第1収容溝部212aは、少なくとも、一端側部20P1に接触する第1リベット91の部分の長さにわたって、第1被固定部212に設けられている。
第2収容溝部213aは第2被固定部213に設けられている。第2収容溝部213aは、第2被固定部213において、ボビン部210側から、可動接点支持板7を横断するように延びている。第2収容溝部213aは、少なくとも、導体と導通する他端側部20P2における電線部20bの長さにわたって、第2被固定部213に設けられている。第2収容溝部213aは、少なくとも、他端側部20P2に接触する可動接点支持板7の板幅長さにわたって、第2被固定部213に設けられている。可動接点支持板7の板幅長さは、長手方向長さに直交する方向の長さである。
第1収容溝部212a、第2収容溝部213aのそれぞれは、図4に示す収容溝部12と同様の構成を有している。図4は、マグネットワイヤ20と収容溝部12との横断面形状を示している。図4において下方向に伸びる矢印線は、レーザ照射工程において照射されるレーザの範囲を示している。このレーザの範囲は、溝幅方向について、マグネットワイヤ20の外径よりも小さい寸法となるように設定されている。図4に示すように、収容溝部12は、マグネットワイヤ20の外径寸法よりも大きい開口幅寸法を有している。収容溝部12は、ワイヤ挿入側に位置する開口端の幅方向長さが、底部12aの幅方向長さよりも大きく形成されている。収容溝部12は、奥よりも間口の方が幅長さが大きくなるように形成されている。
収容溝部12は、マグネットワイヤ20の線軸方向に延びる表面を有する案内壁12bを備えている。収容溝部12は、案内壁12bに向かい合って、案内壁12bとは溝幅方向の反対側に位置する内側壁12cを備えている。内側壁12cは、案内壁12bと同様にマグネットワイヤ20の線軸方向に延びる表面を有している。内側壁12cの表面は、底部12aの表面に対して直交している。内側壁12cの表面は、ボビン部210の軸方向に沿う面であり、第1被固定部212や第2被固定部213に対して直交する面である。案内壁12bの表面は、ボビン部210の軸方向や第1被固定部212や第2被固定部213に対して傾斜している。案内壁12bの表面は、底部12a側の位置ほど内側壁12cに近づくように、内側壁12cに対して傾斜している。案内壁12bの表面は、底部12aに近づく位置ほど収容溝部12の開口端よりも溝幅方向の中央寄りに位置するように形成されている。
案内壁12bは、上記構成により、収容溝部12内に入れられたマグネットワイヤ20の位置を所定位置に寄せるように案内する機能を有する。これにより、マグネットワイヤ20は、中心が図4において一点鎖線で示す所定位置に位置するように、収容溝部12に保持される。
一方、図5に比較例としての収容溝部13を示す。この収容溝部13は、マグネットワイヤ20の外径寸法よりも大きい開口幅寸法を有している。収容溝部13の底部は、本実施形態の収容溝部12とは異なり、開口幅寸法と同じ幅長さに形成されている。したがって、収容溝部13に収容されるマグネットワイヤ20は、溝幅方向に変位可能になるため、溝部内において所定位置に保持されない。図5に矢印線で示すレーザの範囲を溝部に対して適正な位置に設定しても、ワイヤが変位可能なため、レーザが溝部の底部に照射されてしまうことになる。
図2、図3に示すように、第1被固定部212には、第1収容溝部212aよりも径外側において、固定用溝部212bが設けられている。固定用溝部212bは、第1収容溝部212aよりも溝幅方向長さが小さい溝部を形成する。固定用溝部212bは、マグネットワイヤ20の外径よりも小さい溝幅方向長さであることが好ましい。固定用溝部212bは、一端側部20P1の近傍においてマグネットワイヤ20の端末部を挟んでインシュレータ21に固定する。固定用溝部212bは、一端側部20P1が第1収容溝部212aから脱落しないように、マグネットワイヤ20をインシュレータ21に固定できる機能を果たす。
第2被固定部213には、第2収容溝部213aよりも径外側において、固定用溝部213bと折り返し部213cとが設けられている。固定用溝部213bは、第2収容溝部213aよりも溝幅方向長さが小さい溝部を形成する。固定用溝部213bは、マグネットワイヤ20の外径よりも小さい溝幅方向長さであることが好ましい。固定用溝部213bは、他端側部20P2の近傍においてマグネットワイヤ20の端末部を挟んでインシュレータ21に固定する。固定用溝部213bは、他端側部20P2が第2収容溝部213aから脱落しないように、マグネットワイヤ20をインシュレータ21に固定できる機能を果たす。
折り返し部213cは、固定用溝部213bによって挟まれているワイヤの端末部20P3をさらに逆向きに折り返すように支える壁面213c1を有する。折り返し部213cは、固定用溝部213bを形成する壁部としても機能する。インシュレータ21には、折り返し部213cから外側に突出する鍔部213dが設けられている。鍔部213dは、端末部20P3が上方または前方へ脱落することを阻止する機能を有する。
図6は、ソレノイド部2の製造方法に係る工程を示している。ソレノイド部2の製造方法は、インシュレータ21の準備工程と、巻き始め部収容工程と、巻回工程と、巻き終わり部収容工程と、レーザ照射工程と、導通工程とを含んでいる。各工程は、機械を用いた自動工程または手動工程によって実施する。インシュレータ21の準備工程S110は、製造のために、前述した構成を有するインシュレータ21を準備する工程である。
巻き始め部収容工程S120は、マグネットワイヤ20の一端側部20P1を第1収容溝部212aに収容して所定位置に保持させる工程である。この工程では、一端側部20P1の線軸を第1収容溝部212aの長さ方向に沿わせるようにして、一端側部20P1を第1収容溝部212aの開口から入れる。このとき一端側部20P1は第1収容溝部212aの上方から溝部内に収容される。一端側部20P1はその下面側が案内壁12bに接触し、案内壁12bによって溝幅方向の中央側に案内されるため、溝部の底部に向けて移動する。一端側部20P1は、第1収容溝部212aにおいて、案内壁12bとは反対側に位置する内側壁12cに接触する。一端側部20P1は、案内壁12bと、反対側の内側壁12cとによって挟まれた状態で所定位置に収容保持されることになる。一端側部20P1が第1収容溝部212aから脱落しないように、マグネットワイヤ20はインシュレータ21に固定される。この固定工程は、巻き始め部収容工程の前または後に実施することができる。
巻回工程S130は、マグネットワイヤ20をボビン部210に巻回する工程である。この工程では、一端側部20P1を第1収容溝部212aに収容保持してワイヤを固定した状態でワイヤの他端側をボビン部210に所定回数巻回してコイルを形成する。ボビン部210から延びる他端側部20P2は、巻き終わり部と称され、次の巻き終わり部収容工程に用いられる。
巻き終わり部収容工程S140は、ボビン部210から延びる他端側部20P2を第2収容溝部213aに収容して所定位置に保持させる工程である。この工程では、他端側部20P2の線軸を第2収容溝部213aの長さ方向に沿わせるようにして、他端側部20P2を第2収容溝部213aの開口から入れる。このとき他端側部20P2は第2収容溝部213aの上方から溝部内に収容される。他端側部20P2はその下面側が案内壁12bに接触し、案内壁12bによって溝幅方向の中央側に案内されるため、溝部の底部に向けて移動する。他端側部20P2は、第2収容溝部213aにおいて、案内壁12bとは反対側に位置する内側壁12cに接触する。他端側部20P2は、案内壁12bと、反対側の内側壁12cとによって挟まれた状態で所定位置に収容保持されることになる。さらにマグネットワイヤ20の端末部を固定する端末部固定工程S150を実施する。端末部固定工程では、他端側部20P2が第2収容溝部213aから脱落しないように、マグネットワイヤ20をインシュレータ21に固定する。
レーザ照射工程S160では、第1収容溝部212a、第2収容溝部213aのそれぞれに収容されているマグネットワイヤ20の部分にレーザを照射する。この工程により、図4に図示したように一端側部20P1や他端側部20P2における絶縁皮膜20aが除去され、上面に電線部20bが露出する。
導通工程S170では、第1収容溝部212a、第2収容溝部213aのそれぞれに収容されているマグネットワイヤ20の部分を、所定の導体にそれぞれ接触させる。一端側部20P1において露出している電線部20bに第1リベット91の頭部を上から接触させて、第1リベット91をハウジング1にかしめて固定する。これにより、一端側部20P1は第1リベット91に導通することになる。また、他端側部20P2において露出している電線部20bに可動接点支持板7を上から接触させ、さらに絶縁部材、固定接点支持板8を積層する。この積層物体を第2リベット92をハウジング1にかしめることによって固定する。これにより、他端側部20P2は可動接点支持板7に導通することになる。
ソレノイド部2においてマグネットワイヤ20を巻回する際に、一端側部20P1、他端側部20P2のいずれを巻き始め部としてもよいし、巻き終わり部としてもよい。
第1実施形態の車両用警音器がもたらす作用効果について説明する。車両用警音器10は、ハウジング1と、ハウジング1の内部に設けられ、ボビン部210に巻回されているマグネットワイヤ20を有するソレノイド部2とを備える。車両用警音器10は、ボビン部210を有するインシュレータ21と、固定鉄心22と、可動鉄心4と、振動板3とを備える。車両用警音器10は、固定接点部8aを有する固定接点支持板8と、可動接点部7aを有する可動接点支持板7とを備える。可動接点部7aは、ソレノイド部2への通電が遮断されると固定接点部8aに接触し、ソレノイド部2に通電されると固定接点部8aから離れる。
インシュレータ21は、マグネットワイヤ20における、一端側部20P1を収容する第1収容溝部212aと他端側部20P2を収容する第2収容溝部213aとを有する。第1収容溝部212a、第2収容溝部213aのそれぞれは、マグネットワイヤ20の外径寸法よりも大きい開口幅寸法を有し、マグネットワイヤ20を所定位置に寄せるように案内する案内壁12bを有している。第1収容溝部212a、第2収容溝部213aの各々に収容されたマグネットワイヤ20の部分は、絶縁皮膜20aが除去されて露出した電線部20bが導体に接触している。
この車両用警音器10によれば、ワイヤ直径よりも広い幅の開口から一端側部20P1を溝内に入れられるので、一端側部20P1の設置工程を円滑に行うことができる。さらに一端側部20P1は案内壁12bによってガイドされるので、一端側部20P1を第1収容溝部212aの所定位置に収容できる。さらに、ワイヤ直径よりも広い幅の開口から他端側部20P2を溝内に入れられるので、他端側部20P2の設置工程を円滑に行うことができる。さらに他端側部20P2は案内壁12bによってガイドされるので、他端側部20P2を第2収容溝部213aの所定位置に収容できる。
車両用警音器10は、マグネットワイヤ20の一端側部20P1と他端側部20P2を、各収容溝部の溝幅方向について適正な位置にセッティングできる構成を備えている。このため、絶縁皮膜20aを除去するためにレーザ照射を用いる場合にレーザをマグネットワイヤ20に的確に照射できる。このようにレーザ照射部位がマグネットワイヤ20に限定可能であるため、各収容溝部の底面等を傷つけにくいレーザ照射を実施できる。これにより、各収容溝部の損傷を抑制できるので、損傷による異物の発生を抑えて異物が起因する装置の動作不良等を防ぐことができる。したがって、車両用警音器10は、絶縁皮膜20aを除去するためにレーザ照射される巻線用電線を適正位置に設置できる装置を提供する。
第1収容溝部212aに収容されているマグネットワイヤ20は、ハウジング1に固定されている第1リベット91に接触して導通している。第2収容溝部213aに収容されているマグネットワイヤ20は、可動接点支持板7に接触して導通している。これによれば、インシュレータ21を損傷しにくく、バッテリのプラス電位が導かれているコネクタ端子11aに導通する一端側部20P1を確実に提供できる。さらに、インシュレータ21を損傷しにくく、接地側の部材に電気的に接続されている可動接点支持板7に導通する他端側部20P2を確実に提供できる。
案内壁12bは、収容溝部12の底部に近づくほど収容溝部12の開口端よりも溝幅方向の中央寄りに位置する表面形状を有している。この構成によれば、案内壁12bは、収容溝部12の開口端側の部分から溝幅方向の中央に向けて徐々に深くなる表面形状を有する。これにより、収容溝部12に入れられたマグネットワイヤ20を案内壁12bの表面に沿わせて溝幅方向の中央寄りに移動させることができる。マグネットワイヤ20の一端側部20P1や他端側部20P2は、収容溝部12の底部において溝幅方向の中央寄りの位置に保持される。したがって、収容溝部12における一端側部20P1や他端側部20P2の位置を一義的に設定することができる。案内壁12bは、レーザをマグネットワイヤ20に的確に照射可能な収容溝部12を実現する。
案内壁12bは、収容溝部12において溝幅方向両端の壁部のうち片側だけに設けられている。この構成によれば、案内壁12bを溝幅方向両端部の片側だけに設けることで収容溝部12を提供できる。収容溝部12は、収容溝部12に入れられたマグネットワイヤ20を、案内壁12bの表面に沿わせて溝幅方向の一方側から他方側へ移動させて収容保持できる。これにより、一端側部20P1や他端側部20P2を、収容溝部12の底部において溝幅方向の所定位置に一義的に保持することができる。
ソレノイド部2の製造方法は、インシュレータ21を準備する工程と、巻回工程と、巻き始め部収容工程と、巻き終わり部収容工程と、レーザ照射工程と、導通工程とを備える。巻き始め部収容工程では、一端側部20P1を第1収容溝部212aの開口から入れて、案内壁12bによって所定位置に寄せて第1収容溝部212aに収容する。巻回工程では、マグネットワイヤ20をボビン部210に巻回する。巻き終わり部収容工程は、巻回部から延びる他端側部20P2を第2収容溝部213aの開口から入れて案内壁12bによって所定位置に寄せて第2収容溝部213aに収容する。レーザ照射工程では、第1収容溝部212a、第2収容溝部213aのそれぞれに収容されているマグネットワイヤ20の部分にレーザを照射する。導通工程では、第1収容溝部212a、第2収容溝部213aのそれぞれに収容されているマグネットワイヤ20の部分を、所定の導体にそれぞれ接触させる。
この製造方法によれば、巻き始め部収容工程において一端側部20P1を第1収容溝部212aの所定位置に収容できる。さらに、巻き終わり部収容工程において他端側部20P2を第2収容溝部213aの所定位置に収容できる。これにより、一端側部20P1と他端側部20P2を、各収容溝部の溝幅方向について適正な位置にセッティングできる。一端側部20P1と他端側部20P2を適正な位置に保持した状態でレーザ照射されるため、マグネットワイヤ20の周囲物にレーザが照射されてしまう事態を抑制できる。このようにレーザ照射部位がマグネットワイヤ20に限定されるため、各収容溝部の底面を傷つけにくいレーザ照射工程を実施できる。したがって、絶縁皮膜20aを除去するためにレーザ照射される巻線用電線を適正位置に設置できるソレノイド部2の製造方法を提供できる。
<第2実施形態>
第2実施形態について、図7を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して、収容溝部1012が相違する。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については第1実施形態と同様であり、以下、第1実施形態と異なる点について説明する。
図7は、マグネットワイヤ20と収容溝部1012との横断面形状を示している。図7において下方向に伸びる矢印線は、レーザ照射工程において照射されるレーザの範囲を示している。図7に示すように、収容溝部1012は、マグネットワイヤ20の外径寸法よりも大きい開口幅寸法を有している。収容溝部1012は、ワイヤ挿入側に位置する開口端の幅方向長さが、底部1012aの幅方向長さよりも大きく形成されている。収容溝部1012は、奥よりも間口の方が幅長さが大きくなるように形成されている。
収容溝部1012は、溝幅方向に互いに対向し、マグネットワイヤ20の線軸方向に延びる表面を有する案内壁1012bと案内壁1012cとを備えている。案内壁1012b、案内壁1012cのそれぞれは、開口端側から底部1012aに向かうほど、溝幅方向の中央に近くなるように位置する表面を形成している。案内壁1012bの表面、案内壁1012cの表面は、ボビン部210の軸方向や第1被固定部212や第2被固定部213に対して傾斜している。案内壁1012bの表面と案内壁1012cの表面とは、底部1012aに近づく位置ほど収容溝部1012の開口端の位置よりも接近するように形成されている。案内壁1012bと案内壁1012cとは、収容溝部1012において溝幅方向について対称となる一組の案内壁を構成している。
案内壁1012bと案内壁1012cは、上記構成により、収容溝部1012内に入れられたマグネットワイヤ20の位置を所定位置に寄せるように案内する機能を有する。これにより、マグネットワイヤ20は、中心が図7において一点鎖線で示す所定位置に位置するように、収容溝部1012に保持される。
第2実施形態によれば、案内壁1012bと案内壁1012cは、収容溝部1012において溝幅方向両端の壁部に設けられている。この構成によれば、案内壁を溝幅方向両端部に設けることでくさび状の溝を形成する収容溝部1012を提供できる。収容溝部1012は、収容溝部1012に入れられたマグネットワイヤ20を、両側の案内壁の表面に沿わせて溝幅方向の中央に移動させて収容保持できる。これにより、一端側部20P1や他端側部20P2を、収容溝部1012の底部において溝幅方向の所定位置に一義的に保持することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態について、図8を参照して説明する。第3実施形態は、第2実施形態に対して、収容溝部2012が相違する。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については前述の実施形態と同様であり、以下、前述の実施形態と異なる点について説明する。
図8は、マグネットワイヤ20と収容溝部2012との横断面形状を示している。図8において下方向に伸びる矢印線は、レーザ照射工程において照射されるレーザの範囲を示している。図8に示すように、収容溝部2012は、溝幅方向について対称となる案内壁2012bと案内壁2012cとを備えている。案内壁2012bと案内壁2012cとは、底部において接続している。収容溝部2012は、奥よりも間口の方が幅長さが大きくなるように形成されている。案内壁2012b、案内壁2012cのそれぞれは、開口端側から底部に向かうほど、溝幅方向の中央に近くなるように位置する表面を形成している。案内壁2012bの表面、案内壁2012cの表面は、第2実施形態の案内壁の表面と同様に傾斜している。
案内壁2012bと案内壁2012cは、上記構成により、収容溝部2012内に入れられたマグネットワイヤ20の位置を所定位置に寄せるように案内する機能を有する。これにより、マグネットワイヤ20は、中心が図8において一点鎖線で示す所定位置に位置するように、収容溝部2012に保持される。
<第4実施形態>
第4実施形態について、図9を参照して説明する。第4実施形態は、第2実施形態に対して、収容溝部3012が相違する。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については前述の実施形態と同様であり、以下、前述の実施形態と異なる点について説明する。
図9は、マグネットワイヤ20と収容溝部3012との横断面形状を示している。図9において下方向に伸びる矢印線は、レーザ照射工程において照射されるレーザの範囲を示している。図9に示すように、収容溝部3012は、溝幅方向について対称となる案内壁3012bと案内壁3012cとを備えている。案内壁3012bと案内壁3012cとは、底部3012aにおいて滑らかに接続している。収容溝部3012は、奥よりも間口の方が幅長さが大きくなるように形成されている。案内壁3012b、案内壁3012cのそれぞれは、開口端側から底部3012aに向かうほど、溝幅方向の中央に近くなるように位置する表面を形成している。案内壁3012bの表面、案内壁3012cの表面は、底部3012aに近づくほど開口端よりも溝幅方向の中央寄りに位置するように湾曲する表面形状を有している。
案内壁3012bと案内壁3012cは、上記構成により、収容溝部3012内に入れられたマグネットワイヤ20の位置を左右から挟むように案内する。案内壁3012bと案内壁3012cは、マグネットワイヤ20の位置を所定位置に寄せるように案内する機能を有する。これにより、マグネットワイヤ20は、中心が図9において一点鎖線で示す所定位置に位置するように収容溝部3012に保持されて容易に移動しない。第4実施形態によれば、一端側部20P1や他端側部20P2を、収容溝部3012の底部において溝幅方向の所定位置に一義的に保持することができる。
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
明細書に開示の目的を達成可能な車両用警音器は、共鳴板6を有するホーンだけでなく、共鳴管を有する構成により音を増幅するいわゆるトランペット型のホーンも含む。
前述の実施形態は、マグネットワイヤ20の一端側部20P1や他端側部20P2と導体との電気接続に係る構成を開示したが、電気接続される部位はこれに限定しない。例えば、マグネットワイヤ20の巻回途中から引き出した中間タップと導体とを導通させる場合等にも、収容溝に関する構成を適用することができる。
1…ハウジング、 2…ソレノイド部、 3…振動板、 4…可動鉄心
7…可動接点支持板、 7a…可動接点部、 8…固定接点支持板
8a…固定接点部、 12b…案内壁、 20…マグネットワイヤ
20a…絶縁皮膜、 20b…電線部、 20P1…一端側部
20P2…他端側部、 21…インシュレータ、 22…固定鉄心
210…ボビン部、 212a…第1収容溝部、 213a…第2収容溝部
1012b,1012c,2012b,2012c,3012b,3012c…案内壁

Claims (7)

  1. ハウジング(1)と、
    前記ハウジングの内部に設けられ、ボビン部(210)に巻回されているマグネットワイヤ(20)を有するソレノイド部(2)と、
    前記ボビン部を有し、前記マグネットワイヤにおける、一端側部(20P1)を収容する第1収容溝部(212a)と他端側部(20P2)を収容する第2収容溝部(213a)とを有するインシュレータ(21)と、
    前記ソレノイド部によって着磁される固定鉄心(22)と、
    着磁された前記固定鉄心に吸引される可動鉄心(4)と、
    前記可動鉄心に結合されている部材であって、前記吸引される前記可動鉄心の動きに伴って振動する振動板(3)と、
    固定接点部(8a)を有する固定接点支持板(8)と、
    前記ソレノイド部への通電が遮断されると前記固定接点部に接触し、前記ソレノイド部に通電されると前記固定接点部から離れる可動接点部(7a)を有する可動接点支持板(7)と、
    を備え、
    前記第1収容溝部、前記第2収容溝部のそれぞれに収容されている前記マグネットワイヤの部分は、絶縁皮膜(20a)が除去されて露出した電線部(20b)が導体に接触しており、
    前記第1収容溝部、前記第2収容溝部のそれぞれは、前記マグネットワイヤの外径寸法よりも大きい開口幅寸法を有し、前記マグネットワイヤを所定位置に寄せるように案内する表面をなす案内壁(12b;1012b,1012c;2012b,2012c;3012b,3012c)を有している車両用警音器。
  2. 前記第1収容溝部に収容されている前記マグネットワイヤは、前記ハウジングに固定されているリベット(91)に接触して導通し、前記第2収容溝部に収容されている前記マグネットワイヤは、前記可動接点支持板に接触して導通している請求項1に記載の車両用警音器。
  3. 前記案内壁は、収容溝部の底部に近づくほど収容溝部の開口端よりも溝幅方向の中央寄りに位置する表面形状を有している請求項1または請求項2に記載の車両用警音器。
  4. 前記案内壁は、収容溝部において溝幅方向両端の壁部に設けられている請求項3に記載の車両用警音器。
  5. 前記案内壁は、収容溝部において溝幅方向両端の壁部のうち片側だけに設けられている請求項3に記載の車両用警音器。
  6. 前記案内壁の表面は、収容溝部の底部に近づくほど収容溝部の開口端よりも溝幅方向の中央寄りに位置するように湾曲する表面形状を有している請求項3に記載の車両用警音器。
  7. マグネットワイヤの外径寸法よりも大きい開口幅寸法と前記マグネットワイヤを所定位置に寄せるように案内することが可能な案内壁(12b;1012b,1012c;2012b,2012c;3012b,3012c)とをそれぞれ有する、第1収容溝部(212a)および第2収容溝部(213a)が形成されたインシュレータを準備する工程と、
    前記マグネットワイヤの一端側部(20P1)を前記第1収容溝部の開口から入れて、前記案内壁によって所定位置に寄せて前記第1収容溝部に収容する巻き始め部収容工程と、
    前記マグネットワイヤを前記インシュレータのボビン部(210)に巻回する工程と、
    前記ボビン部に巻回されている前記マグネットワイヤから延びる他端側部(20P2)を前記第2収容溝部の開口から入れて、前記案内壁によって所定位置に寄せて前記第2収容溝部に収容する巻き終わり部収容工程と、
    前記第1収容溝部、前記第2収容溝部のそれぞれに収容されている前記マグネットワイヤの部分にレーザを照射する工程と、
    前記第1収容溝部、前記第2収容溝部のそれぞれに収容されている前記マグネットワイヤの部分を、所定の導体にそれぞれ接触させる導通工程と、
    を備えるソレノイド部の製造方法。
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