JP2021102975A - 遊星ローラ式動力伝達装置 - Google Patents

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佑輔 青木
Yusuke Aoki
佑輔 青木
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Abstract

【課題】遊星ローラと支持軸との間に設けられたすべり軸受への潤滑油の供給を可能にし、寿命を向上させることができる遊星ローラ式動力伝達装置を提供する。【解決手段】固定輪2と、固定輪2の径方向の内側において固定輪2と同心状に配置された太陽軸3と、固定輪2と太陽軸3との間に設けられ固定輪2と太陽軸3とに圧接される複数の遊星ローラ4と、遊星ローラ4を回転自在に支持する支持軸17を有しかつ固定輪2の内周面に沿った遊星ローラ4の公転に連動して回転するキャリア5とを備え、支持軸17と遊星ローラ4との間に、潤滑油を含浸させたすべり軸受18が設けられ、支持軸17とすべり軸受18との間に、グリースを貯留させる空間Sが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、遊星ローラ式動力伝達装置に関する。
特許文献1には、固定輪と、この固定輪の内側において当該固定輪と同心状に配置された太陽軸と、この太陽軸と固定輪とに所定の締め代をもって圧接される複数の遊星ローラと、各遊星ローラの公転により回転するキャリアと、を備えた遊星ローラ式動力伝達装置が開示されている。この遊星ローラ式動力伝達装置の遊星ローラは、キャリアに設けられた支持軸にすべり軸受を介して回転自在に取り付けられている。太陽軸に入力された回転動力は、太陽軸と遊星ローラとの間及び遊星ローラと固定輪との間の摩擦によってキャリアに伝達され、キャリアと一体の出力軸から減速された状態で出力される。
特開2017−15231号公報
上記のような遊星ローラ式の動力伝達装置においては、遊星ローラと、太陽軸及び固定輪との間の焼き付きを防止するために、潤滑油としてグリースが封入されている。このグリースは、遊星ローラとすべり軸受との間の摺動部にも供給され、当該摺動部における摩擦抵抗を低減するためにも用いられる。しかし、遊星ローラは太陽軸の周囲を公転するため、その遠心力によって前記摺動部に供給された潤滑油が外部に排出され、潤滑不足となる可能性がある。
以上のような潤滑不足を解消するため、遊星ローラと支持軸との間に、潤滑油が含浸されたすべり軸受を設け、このすべり軸受から浸み出した潤滑油によってすべり軸受と遊星ローラとの摺動部を潤滑することが考えられる。しかしながら、前記摺動部に供給される潤滑油も遊星ローラの遠心力により排出されるため、次第にすべり軸受に含浸された潤滑油が枯渇し、前記摺動部における摩耗が進行して遊星ローラ式動力伝達装置の寿命が短くなる可能性がある。
本発明は、遊星ローラと支持軸との間に設けられたすべり軸受への潤滑油の供給を可能にし、寿命を向上させることができる遊星ローラ式動力伝達装置を提供することを目的とする。
(1)本発明は、固定輪と、前記固定輪の径方向の内側において前記固定輪と同心状に配置された太陽軸と、前記固定輪と前記太陽軸との間に設けられ前記固定輪と前記太陽軸とに圧接される複数の遊星ローラと、前記遊星ローラを回転自在に支持する支持軸を有しかつ前記固定輪の内周面に沿った前記遊星ローラの公転に連動して回転するキャリアと、を備えている遊星ローラ式動力伝達装置であって、前記支持軸と前記遊星ローラとの間に、潤滑油を含浸させたすべり軸受が設けられ、前記支持軸と前記すべり軸受との間に、グリースを貯留させる空間が形成されている。
以上のような構成によって、すべり軸受と遊星ローラとの間の摺動部にすべり軸受から浸み出した潤滑油を供給することができ、前記摺動部における潤滑を好適に行うことができる。前記摺動部に供給された潤滑油が遊星ローラの遠心力によって排出された場合、支持軸とすべり軸受との間の空間に貯留されたグリースの基油をすべり軸受に供給することができるので、すべり軸受に含浸された潤滑油が枯渇してしまうのを抑制することができる。したがって、すべり軸受から前記摺動部への潤滑油の供給を長期にわたって維持することができ、遊星ローラ式動力伝達装置の寿命を向上させることができる。
(2)好ましくは、前記空間が、前記支持軸の外周面及び前記すべり軸受の内周面の少なくとも一方に設けられた凹部により形成される。
支持軸の外周面及びすべり軸受の内周面の少なくとも一方に凹部を設けることで、支持軸とすべり軸受との間に空間を形成することができ、この空間を利用してグリースを貯留することができる。
(3)好ましくは、前記凹部が、前記固定輪の径方向における前記支持軸の内側部及び外側部の少なくとも一方に設けられる。
支持軸には、固定輪の内周面を転動する遊星ローラから固定輪の周方向に向けて大きな荷重がかかるが、固定輪の径方向に向けてはそれほど大きな荷重がかからない。そのため、固定輪の径方向における支持軸の内側部又は外側部に凹部を形成することで、遊星ローラからの荷重を支持軸によって適切に受けることができる。
(4)好ましくは、前記空間が、前記すべり軸受の軸方向の中間部に位置している。
このような構成によって、空間に貯留されたグリースが外部に漏出し難くなり、長期にわたって空間内にグリースを貯留することができる。
(5)好ましくは、前記空間に貯留されるグリースが、前記遊星ローラ式動力伝達装置に封入されるトラクショングリースと同一であり、前記すべり軸受に含浸される潤滑油が、前記トラクショングリースの基油と同一である。
このような構成によって、すべり軸受に含浸された潤滑油や空間内のグリースからすべり軸受に供給された潤滑油がすべり軸受と遊星ローラとの摺動部に供給され、その後、摺動部から排出され、遊星ローラ式動力伝達装置内に封入されたトラクショングリースに混ざったとしても、相性問題等が生じることがない。
本発明の遊星ローラ式動力伝達装置によれば、遊星ローラと支持軸との間の空間に貯留されたグリースからすべり軸受に潤滑油を供給することができ、すべり軸受と遊星ローラとの摺動部の潤滑を長期にわたって維持し、遊星ローラ式動力伝達装置の寿命を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る遊星ローラ式動力伝達装置の縦断面図である。 図1に示される動力伝達装置のA−A線断面図である。 遊星ローラを支持する支持軸の斜視図である。 (a)は、遊星ローラ、支持軸、及びすべり軸受の断面図、(b)は、(a)のB矢視図である。 本発明の第2の実施形態における支持軸の斜視図である。 (a)は、遊星ローラ、支持軸、及びすべり軸受の断面図、(b)は、(a)のC矢視図である。 本発明の第3の実施形態における支持軸の斜視図である。 (a)は、遊星ローラ、支持軸、及びすべり軸受の断面図、(b)は、(a)のD矢視図である。 本発明の第4の実施形態における支持軸の斜視図である。 (a)は、遊星ローラ、支持軸、及びすべり軸受の断面図、(b)は、(a)のE矢視図である。 (a)は、本発明の第5の実施形態における遊星ローラ、支持軸、及びすべり軸受の断面図、(b)は、(a)のF矢視図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の遊星ローラ式動力伝達装置の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る遊星ローラ式動力伝達装置1の縦断面図である。図2は、図1に示される遊星ローラ式動力伝達装置1のA−A線断面図である。
遊星ローラ式動力伝達装置1は、モータの高速回転を減速して出力する装置である。遊星ローラ式動力伝達装置1は、固定輪2と、太陽軸3と、複数の遊星ローラ4と、キャリア5と、支持プレート6とを備えている。
図2に示すように、固定輪2は、モータのハウジング7に形成されたブラケット8にボルト9で固定されている。ブラケット8は、一端側が開放された円筒形状を呈している。ブラケット8の内部には、太陽軸3及び支持プレート6が配置されている。固定輪2の軸方向両側面には、遊星ローラ4をガイドするための鍔輪10がそれぞれ配置されている。鍔輪10の内周10aは、自転及び公転する遊星ローラ4の軸方向への移動を規制するために、固定輪2の内周面2aよりもわずかに径内方向に突出している。鍔輪10は、固定輪2とともにブラケット8にボルト9で固定されている。固定輪2は、例えば高炭素クロム軸受鋼等の金属で作製することができる。鍔輪10は、例えば工具鋼等の金属で作製することができる。
モータ軸11の先端部には、ネジ12によって円筒形状のカップリング13が固定されている。カップリング13は、大径部13aと小径部13bとを備えている。大径部13aの外径は、小径部13bの外径よりも大きい。大径部13aと小径部13bとの境界には、段部13cが形成されている。大径部13aの内径は、小径部13bの内径よりも大きい。大径部13aの孔14内には、モータ軸11が挿入されている。小径部13bの孔15内には、太陽軸3の一端が圧入されている。太陽軸3は、固定輪2の径方向の内側において固定輪2と同心状に配置されている。
図1及び図2に示すように、遊星ローラ4は、固定輪2と太陽軸3との間に配置されている。本実施形態では、3つの遊星ローラ4が固定輪2の周方向に等間隔で配置されている。遊星ローラ4は、例えば高炭素クロム軸受鋼等の金属で作製することができる。遊星ローラ4は、所定の締め代をもって太陽軸3に圧接している。遊星ローラ4は、所定の締め代をもって固定輪2に圧接している。
図2に示すように、キャリア5は、遊星ローラ4の軸方向一方側(図2において左側)であって、モータとは反対側に配置されている。キャリア5は円板形状を呈している。キャリア5の外周部には、孔16が形成されている。孔16には、支持軸17の軸方向一方側の端部が圧入されている。支持軸17は円柱体である。支持軸17の軸方向他方側(図2において右側)の一部は、キャリア5から軸方向他方側に突出している。キャリア5から突出する支持軸17の一部は、すべり軸受18を介して遊星ローラ4の孔内に挿入されている。すべり軸受18は、遊星ローラ4の内周面4aと支持軸17の外周面17aとの間に設けられている。キャリア5の中央孔19には、出力軸20の軸方向他方側の端部20aが圧入されている。
図1に示すように、モータ軸11の回転によって太陽軸3が回転すると、太陽軸3に圧接している複数の遊星ローラ4が摩擦によって支持軸17の周りを自転する。この遊星ローラ4の自転により、固定輪2の内周面2a上を摩擦によって遊星ローラ4が公転する。遊星ローラ4に連結されたキャリア5は、遊星ローラ4の公転に伴って回転し、その回転が出力軸20から出力される。以上によって、太陽軸3の回転が減速された状態で出力軸20から出力される。
図2に示すように、ブラケット8及びカバー21内には、太陽軸3、遊星ローラ4、及び固定輪2の摩擦による焼き付きを防止するために、潤滑剤が充填されている。この潤滑剤には、トラクショングリースと呼ばれるものが用いられ、遊星ローラ4と、太陽軸3及び固定輪2との間に油膜を形成し、これらの部材の間で回転力を伝え、スリップが生じるのを抑制している。
ブラケット8の開口は円板形状のカバー21により閉止されている。カバー21は、ボルト9によって、固定輪2及び鍔輪10とともにブラケット8に固定されている。カバー21の中央孔22には玉軸受23が嵌入されている。玉軸受23の外輪24はカバー21の中央孔22内に圧入されており、ボール25を挟んで外輪24の内方に設けられた内輪26内に出力軸20が圧入されている。
支持プレート6は、遊星ローラ4よりも軸方向他方側(モータ側)に配置されている。支持プレート6は、中央に孔(中央孔)27が形成された本体6aと、孔27の内周縁から軸方向他方側に向けて軸方向に沿って延設された円筒部6bとを備えている。支持プレート6の軸方向一方側の面の周縁部には、含油ローラ29を回転自在に支持する支持軸28が、軸方向一方側へ向けて軸方向に沿って突出するように形成されている。本実施形態における支持軸28は、支持プレート6の本体6aと一体に形成されているが、支持プレート6の本体6aと別体の支持軸を当該本体6aに固定してもよい。
支持プレート6の円筒部6bは、カップリング13の小径部13bの径方向外方に隙間をあけて配置されている。支持プレート6は、太陽軸3と一体回転するカップリング13に対して相対回転可能である。支持プレート6は、カップリング13の段部13cと、遊星ローラ4とで軸方向の移動が規制されている。
支持プレート6の支持軸28には、含油部材である含油ローラ29が回転自在に設けられている。含油ローラ29は、例えば超高分子量ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂と、ナフテン系鉱油やシリコーンオイルのようなトラクション係数の高い潤滑油との混合物を前記各樹脂の融解温度に加熱し、冷却により固形化して得られたものを円筒形状に形成したものである。含油ローラ29の内部の小孔には前記潤滑油が含浸されている。また、含油ローラ29は、合成樹脂粉末又は金属粉末と潤滑剤粉末とを加圧成形し、加熱することで作製することもできる。
含油ローラ29は、遊星ローラ4に常時接触し、オイルを遊星ローラ4に供給することができる。したがって、遊星ローラ4と太陽軸3との間、及び、遊星ローラ4と固定輪2との間に安定して潤滑油を供給することができるので、潤滑不足による焼き付けを防止することができる。その結果、遊星ローラ式動力伝達装置1の寿命を延ばすことができる。
図3は、遊星ローラ4を支持する支持軸17の斜視図である。図4(a)は、遊星ローラ4、支持軸17、及びすべり軸受18の断面図、図4(b)は、図4(a)のB矢視図である。
遊星ローラ4は、キャリア5から突出する支持軸17の外周面17aにすべり軸受18を介して取り付けられている。すべり軸受18は、円筒形状に形成され、支持軸17の外周面17aに締め代をもって嵌合されている。すべり軸受18の外周面18bは、遊星ローラ4の内周面4aにすきま嵌めによって嵌合されている。遊星ローラ4は、すべり軸受18の外周面18b上を摺動しながら回転する。
本実施形態のすべり軸受18には、潤滑剤が含浸されている。すべり軸受18は、内部に多数の微小な孔を有する焼結金属により形成され、孔内に潤滑油が貯留されている。この潤滑油としては、トラクショングリースの基油と同一のものが用いられる。すべり軸受18と遊星ローラ4との間の摺動部30は、すべり軸受18に含浸された潤滑油が浸み出すことによって潤滑される。また、摺動部30は、ブラケット8及びカバー21内に封入されたトラクショングリースによって潤滑される。
遊星ローラ4が固定輪2の内周面2a上を公転すると、その遠心力によって摺動部30に供給された潤滑油が摺動部30の外部に排出されることがある。そのため、すべり軸受18に含侵された潤滑油が次第に減っていき、枯渇してしまう可能性がある。
本実施形態の遊星ローラ式動力伝達装置1は、すべり軸受18における潤滑油の枯渇を防止するため、すべり軸受18に潤滑油を補給する手段を備えている。具体的に、本実施形態では、すべり軸受18が嵌合される支持軸17の外周面17aの一部に、溝状(切り欠け状)の凹部17bが形成されている。
この凹部17bは、支持軸17の外周面17aの一部を平坦な面で切除した形状となっている。凹部17bは、支持軸17の外周面17aのうち180°位相が異なる2箇所に形成されている。この2箇所は、固定輪2の径方向における支持軸17の内側部と外側部との2箇所である。凹部17bは、支持軸17の軸方向の一端から軸方向の途中までの範囲に形成されている。凹部17bの軸方向の長さL1は、すべり軸受18の軸方向の長さL2よりも大きい。
支持軸17の外周面17aにすべり軸受18を嵌合させると、支持軸17の凹部17bとすべり軸受18の内周面18aとの間には、空間Sが形成される。この空間Sには、グリースが貯留される。グリースは、基油に増ちょう剤を分散させて半固体または固体化したものであり、本実施形態では、トラクショングリースと同一のものが用いられている。
上述したように、すべり軸受18と遊星ローラ4との間の摺動部30に供給された潤滑油が外部に排出され、すべり軸受18に含浸された潤滑油が減少すると、空間Sに貯留されたグリースの基油がすべり軸受18に浸み込み、すべり軸受18に補充される。そのため、摺動部30から外部に潤滑油が排出されたとしても、すべり軸受18内の潤滑油の枯渇が抑制される。そのため、遊星ローラ式動力伝達装置1の寿命を向上させることができる。また、すべり軸受18と遊星ローラ4との間の摺動部30の潤滑が維持されるので、遊星ローラ式動力伝達装置1の高速化や高トルク化等を図ることができる。
支持軸17は、遊星ローラ4が固定輪2の内周面2a上を転動(公転)することによって、固定輪2の周方向に向けた荷重を受ける。そのため、仮に、前述したような凹部17bが、固定輪2の周方向における支持軸17の側部に形成されていたとすると、遊星ローラ4からの荷重を支持軸17によって適切に受けることができなくなる。本実施形態では、固定輪2の径方向における支持軸17の内側部及び外側部に凹部17bが形成されているので、遊星ローラ4からの荷重の支持軸17によって適切に受けることができる。
凹部17bによって形成される空間Sは、すべり軸受18の軸方向の長さL2にわたる範囲で形成されているので、空間S内のグリースの基油を効率よくすべり軸受18に供給することができる。本実施形態の空間Sは、支持軸17の一端において外部に開放しているが、当該空間S内には、粘性の高いグリースが貯留されているので、空間Sから排出されることはほとんどなく、長期にわたって空間S内に保持される。
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態における支持軸17の斜視図である。図6(a)は、遊星ローラ4、支持軸17、及びすべり軸受18の断面図、図6(b)は、図6(a)のC矢視図である。
上記実施形態の空間Sは、すべり軸受18の軸方向の長さL2全体にわたって形成されていたが、本実施形態の空間Sは、すべり軸受18の軸方向の中間部に位置している。支持軸17には、空間Sを形成する凹部17cが設けられている。この凹部17cは、支持軸17の軸方向の中間部における外周面17aの一部を、平坦な面で切除した形状に形成されている。言い換えると、凹部17cは、支持軸17の軸心に直交する方向に沿って延びる溝によって構成されている。凹部17cの軸方向の長さL1は、すべり軸受18の軸方向の長さL2よりも小さい。凹部17cは、固定輪2の径方向における支持軸17の内側部及び外側部に形成されている。
本実施形態では、空間Sが、すべり軸受18の軸方向の中間部に形成され、外部に露出していない。そのため、空間S内の貯留されたグリースが外部に排出されることはほとんどなく、より長期にわたって空間S内にグリースを保持することができる。
[第3の実施形態]
図7は、本発明の第3の実施形態における支持軸17の斜視図である。図8(a)は、遊星ローラ4、支持軸17、及びすべり軸受18の断面図、図8(b)は、図8(a)のD矢視図である。
本実施形態の空間Sは、第2の実施形態と同様に、すべり軸受18の軸方向の中間部に位置している。支持軸17には、空間Sを形成する凹部17dが設けられている。凹部17dは、支持軸17の軸方向の中間部において、外周面17aの全周に形成された溝からなる。したがって、本実施形態の空間Sは、すべり軸受18と支持軸17との間に全周にわたって形成されている。
本実施形態の空間Sは、すべり軸受18と支持軸17との間の全周にわたって形成されているので、第2の実施形態の空間Sよりも多くのグリースを貯留することができる。したがって、より長期にわたってすべり軸受18に潤滑油を供給することができる。
空間Sを形成する凹部(溝)17dは、支持軸17の全周に設けられているが、その軸方向の長さL1は、すべり軸受18の軸方向の長さL2よりも小さいので、凹部17dを除く支持軸17の外周面17aは、その全周においてすべり軸受18の内周面18aに接している。そのため、固定輪2の周方向における遊星ローラ4からの荷重を支持軸17によって適切に受けることができる。
[第4の実施形態]
図9は、本発明の第4の実施形態における支持軸17の斜視図である。図10(a)は、遊星ローラ4、支持軸17、及びすべり軸受18の断面図、図10(b)は、図10(a)のE矢視図である。
本実施形態の空間Sは、第2、第3の実施形態と同様に、すべり軸受18の軸方向の中間部に位置している。支持軸17には、空間Sを形成する凹部17eが設けられている。凹部17eは、支持軸17の軸方向の中間部において、支持軸17を貫通する孔からなる。凹部17eは、固定輪2の径方向における支持軸17の内側面と外側面との間を貫通している。
空間Sを形成する凹部(孔)17eは、支持軸17を貫通しているので、第2の実施形態の空間Sよりも多くのグリースを貯留することができる。したがって、より長期にわたってすべり軸受18に潤滑油を供給することができる。
[第5の実施形態]
図11(a)は、本発明の第5の実施形態における遊星ローラ4、支持軸17、及びすべり軸受18の断面図、図11(b)は、図11(a)のF矢視図である。
本実施形態の空間Sは、第2〜第4実施形態と同様に、すべり軸受18の軸方向の中間部に位置している。すべり軸受18には、空間Sを形成する凹部18cが設けられている。この凹部18cは、すべり軸受18の軸方向の中間部において、内周面18aの全周に形成された溝からなる。
本実施形態では、支持軸17ではなくすべり軸受18に凹部18cが形成されているので、支持軸17の全体を完全な円柱の形状に形成することができる。そのため、第1〜第4の実施形態の支持軸17よりも強度を高めることができ、遊星ローラ4の荷重を適切に受けることができる。ただし、すべり軸受18に凹部18cを形成するためには、ある程度の厚みが必要であり、この厚みを確保しようとすると、遊星ローラ4の大型化等を招くことになる。したがって、この点においては、支持軸17に凹部を形成する方が好ましい。
[他の実施形態]
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、空間Sを形成する凹部が、支持軸17及びすべり軸受18の一方のみに形成されていたが、双方に形成されていてもよい。
第1及び第2の実施形態においては、支持軸17の2箇所に凹部17b,17cが形成されていてたが、いずれか1箇所のみであってもよい。第5の実施形態において、すべり軸受18の内周面18aには、周方向に延びる溝状の凹部18cが内周面18aの全周にわたって設けられていたが、凹部18cは、周方向の一部に設けられていてもよい。また、凹部18cは、軸方向に延びる溝状に形成されていてもよい。
前述した実施形態では、3つの遊星ローラ4が太陽軸3の周りに配置されているが、遊星ローラ4の数は、本発明においてとくに限定されるものではなく、例えば4つ以上の遊星ローラ4を太陽軸3の周りに配置することもできる。
1:遊星ローラ式動力伝達装置、2:固定輪、2a:内周面、3:太陽軸、4:遊星ローラ、5:キャリア、17:支持軸、17a:外周面、17b:凹部、17c:凹部、17d:凹部、17e:凹部、18:すべり軸受、18a:内周面、18b:外周面、18c:凹部、S:空間

Claims (5)

  1. 固定輪と、前記固定輪の径方向の内側において前記固定輪と同心状に配置された太陽軸と、前記固定輪と前記太陽軸との間に設けられ前記固定輪と前記太陽軸とに圧接される複数の遊星ローラと、前記遊星ローラを回転自在に支持する支持軸を有しかつ前記固定輪の内周面に沿った前記遊星ローラの公転に連動して回転するキャリアと、を備えている遊星ローラ式動力伝達装置であって、
    前記支持軸と前記遊星ローラとの間に、潤滑油を含浸させたすべり軸受が設けられ、
    前記支持軸と前記すべり軸受との間に、グリースを貯留させる空間が形成されている、遊星ローラ式動力伝達装置。
  2. 前記空間は、前記支持軸の外周面及び前記すべり軸受の内周面の少なくとも一方に設けられた凹部により形成される、請求項1に記載の遊星ローラ式動力伝達装置。
  3. 前記凹部が、前記固定輪の径方向における前記支持軸の内側部及び外側部の少なくとも一方に設けられる、請求項2に記載の遊星ローラ式動力伝達装置。
  4. 前記空間が、前記すべり軸受の軸方向の中間部に位置している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊星ローラ式動力伝達装置。
  5. 前記空間に貯留されるグリースが、前記遊星ローラ式動力伝達装置に封入されるトラクショングリースと同一であり、前記すべり軸受に含浸される潤滑油が、前記トラクショングリースの基油と同一である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊星ローラ式動力伝達装置。
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