JP2021101168A - 磁気センサ - Google Patents

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承彬 林
Shiyouhin Hayashi
承彬 林
郁人 小野寺
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Abstract

【課題】外部磁性体による集磁能力をより高めることによって、極めて微弱な磁界を検出する。【解決手段】磁気センサ1は、x方向に配列された感磁素子が形成された素子形成面を有するセンサチップ20と、素子形成面と向かい合う端面を有する外部磁性体31とを備える。外部磁性体31の端面は、z方向から見て、x方向に配列された2つの感磁素子の間に位置し、且つ、y方向における幅よりもx方向における幅の方が広い。このように、外部磁性体31が幅広形状を有していることから、外部磁性体31の集磁能力がより高められ、極めて微弱な磁界を検出することが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は磁気センサに関し、特に、感磁素子に磁束を集める外部磁性体を備えた磁気センサに関する。
感磁素子に磁束を集める外部磁性体を備えた磁気センサとしては、特許文献1に記載された磁気センサが知られている。特許文献1に記載された磁気センサは、センサチップに集積された感磁素子と、センサチップ上に配置された外部磁性体とを備えている。
特開2018−179738号公報
しかしながら、極めて微弱な磁界の検出が求められる磁気センサにおいては、特許文献1に記載されたような一般的な形状を有する外部磁性体では集磁能力が不足することがあった。
したがって、本発明は、感磁素子に磁束を集める外部磁性体を備えた磁気センサにおいて、外部磁性体による集磁能力をより高めることによって、極めて微弱な磁界を検出することを目的とする。
本発明による磁気センサは、互いに直交する第1及び第2の方向に延在する素子形成面であって、第1の方向に配列された第1及び第2の感磁素子が形成された素子形成面を有するセンサチップと、素子形成面と向かい合う端面を有する外部磁性体とを備え、外部磁性体の端面は、素子形成面に対して垂直な第3の方向から見て、第1の感磁素子と第2の感磁素子の間に位置し、且つ、第2の方向における幅よりも第1の方向における幅の方が広いことを特徴とする。
本発明によれば、外部磁性体が幅広形状を有していることから、外部磁性体の集磁能力がより高められる。これにより、極めて微弱な磁界を検出することが可能となる。
本発明において、外部磁性体の端面は、第1の方向における幅が第2の方向における幅の2倍以上であっても構わない。これによれば、外部磁性体の集磁能力がよりいっそう高められることから、より微弱な磁界を検出することが可能となる。
本発明において、センサチップは素子形成面上に設けられた第1、第2及び第3の磁性体層をさらに有し、第1の感磁素子は第1の磁性体層と第2の磁性体層からなる磁気ギャップの近傍に配置され、第2の感磁素子は第1の磁性体層と第3の磁性体層からなる磁気ギャップの近傍に配置され、外部磁性体の端面は、第3の方向から見て、第2及び第3の磁性体層を覆うことなく第1の磁性体層を覆っていても構わない。これによれば、外部磁性体によって集磁した磁界が感磁素子に集中することから、より高い感度を得ることが可能となる。
本発明による磁気センサは、第3の方向から見て、第1の磁性体層を覆うことなく第2及び第3の磁性体層を覆う別の外部磁性体をさらに備えていても構わない。これによれば、感磁素子に印加される磁界の強度をより高めることが可能となる。
このように、本発明による磁気センサは、感磁素子に磁束を集める外部磁性体が幅広形状を有していることから、外部磁性体による集磁能力がより高められる。これにより、極めて微弱な磁界を高感度に検出することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態による磁気センサ1の外観を示す略斜視図である。 図2は、磁気センサ1から外部磁性体31を削除した状態を示す略斜視図である。 図3は、磁気センサ1から外部磁性体31〜33を削除した状態を示す略斜視図である。 図4は、センサチップ20の略平面図である。 図5は、図4のA−A線に沿った略断面図である。 図6は、磁性体層と感磁素子が重なりを有している例を説明するための略断面図である。 図7は、感磁素子R1〜R4の接続関係を説明するための回路図である。 図8は、外部磁性体31を図1とは反対側から見た構造を示す略斜視図である。 図9は、外部磁性体31の端面31bに切り欠き部31cが設けられている場合における幅W1,W2を定義について説明するための模式図である。 図10は、外部磁性体31の端面31bの幅W1と検出感度との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による磁気センサ1の外観を示す略斜視図である。
図1に示すように、本実施形態による磁気センサ1は、基板10と、基板10のxz面を構成する表面11に搭載されたセンサチップ20及び外部磁性体31〜33とを備えている。図2には磁気センサ1から外部磁性体31を削除した状態、図3には磁気センサ1から外部磁性体31〜33を削除した状態が示されている。センサチップ20は、xy面を構成する素子形成面21及び裏面22と、yz面を構成する側面23,24を有しており、素子形成面21上には後述する感磁素子及び磁性体層M1〜M3が形成されている。このように、本実施形態においては、基板10の表面11とセンサチップ20の素子形成面21が垂直である。但し、本発明おいて両者が完全に垂直であることは必須でなく、垂直に対して所定の傾きを有していても構わない。
外部磁性体31〜33は、センサチップ20に磁束を集める役割を果たし、いずれもフェライトなどの高透磁率材料によって構成される。このうち、外部磁性体31はz方向を長手方向とする棒状体であり、z方向から見て磁性体層M1の一部を覆うよう、素子形成面21のx方向における略中央部に位置決めされている。外部磁性体32は、z方向から見て磁性体層M2の一部を覆うとともに、センサチップ20の側面24及び裏面22を覆っており、z方向を長手方向とする棒状形状を有している。同様に、外部磁性体33は、z方向から見て磁性体層M3の一部を覆うとともに、センサチップ20の側面23及び裏面22を覆っており、z方向を長手方向とする棒状形状を有している。かかる構成により、z方向の磁界が選択的に集磁され、集磁された磁界がセンサチップ20に印加されることになる。
図4はセンサチップ20の略平面図であり、図5は図4のA−A線に沿った略断面図である。
図4及び図5に示すように、センサチップ20の素子形成面21には、4つの感磁素子R1〜R4が形成されている。感磁素子R1〜R4は、磁束の向きによって電気抵抗が変化する素子であれば特に限定されず、例えばMR素子などを用いることができる。感磁素子R1〜R4の固定磁化方向は、互いに同じ向き(例えばx方向におけるプラス側)に揃えられている。感磁素子R1〜R4は絶縁層25で覆われており、絶縁層25の表面には、パーマロイなどからなる磁性体層M1〜M3が形成されている。磁性体層M1〜M3は絶縁層26で覆われている。そして、磁性体層M1〜M3のうち、y方向における一方側(図4における上側)に位置する部分を磁性体層M11,M21,M31と定義し、y方向における他方側(図4における下側)に位置する部分を磁性体層M12,M22,M32と定義した場合、平面視で(z方向から見て)、感磁素子R1は磁性体層M11と磁性体層M21の間に位置し、感磁素子R2は磁性体層M12と磁性体層M22の間に位置し、感磁素子R3は磁性体層M11と磁性体層M31の間に位置し、感磁素子R4は磁性体層M12と磁性体層M32の間に位置している。これにより、磁気ギャップG1〜G4を通過する磁界が感磁素子R1〜R4に印加される。
但し、本発明において、各感磁素子R1〜R4が平面視で2つの磁性体層間に位置することは必須でなく、2つの磁性体層からなる磁気ギャップG1〜G4の近傍、つまり、磁気ギャップG1〜G4によって形成される磁路上に各感磁素子R1〜R4が配置されていれば足りる。また、磁気ギャップG1〜G4の幅が感磁素子R1〜R4の幅よりも広い必要はなく、磁気ギャップG1〜G4の幅が感磁素子R1〜R4よりも狭くても構わない。図6に示す例では、磁気ギャップG1のx方向における幅Gxが感磁素子R1のx方向における幅Rxよりも狭く、これにより、z方向から見て磁性体層M1,M2と感磁素子R1が重なりOVを有している。磁気ギャップG1〜G4と感磁素子R1〜R4との関係は、図6に示す関係であっても構わない。
図4及び図5において、符号31a〜33aで示す領域はそれぞれ外部磁性体31〜33によって覆われる領域を示している。図4及び図5に示すように、外部磁性体31は磁性体層M2,M3を覆うことなく磁性体層M1を覆い、外部磁性体32は磁性体層M1,M3を覆うことなく磁性体層M2を覆い、外部磁性体33は磁性体層M1,M2を覆うことなく磁性体層M3を覆う。
図7は、感磁素子R1〜R4の接続関係を説明するための回路図である。
図7に示すように、感磁素子R1は端子電極T11,T13間に接続され、感磁素子R2は端子電極T12,T14間に接続され、感磁素子R3は端子電極T11,T12間に接続され、感磁素子R4は端子電極T13,T14間に接続されている。端子電極T11〜T14は、図2及び図3に示す端子電極群T10を構成する端子電極である。端子電極T11には電源電位Vccが与えられ、端子電極T14には接地電位GNDが与えられる。そして、感磁素子R1〜R4は全て同一の磁化固定方向を有していることから、外部磁性体31からみて一方側に位置する感磁素子R1,R2の抵抗変化量と、外部磁性体31からみて他方側に位置する感磁素子R3,R4の抵抗変化量との間には差が生じる。これにより、感磁素子R1〜R4は差動ブリッジ回路を構成し、磁束密度に応じた感磁素子R1〜R4の電気抵抗の変化が差動信号Vaとして端子電極T12,T13に現れることになる。
端子電極T12,T13から出力される差動信号Vaは、基板10又はセンサチップ20に設けられた差動アンプ41に入力される。差動アンプ41の出力信号は、補償コイル42に供給される。これにより、補償コイル42は差動アンプ41の出力信号に応じたキャンセル磁界を発生させる。そして、差動アンプ41から出力される電流を検出回路43によって電流電圧変換すれば、検出対象磁界の強さを検出することが可能となる。このようなクローズドループ制御により、外部磁性体31〜33を介して集磁された磁界を高精度に検出することが可能となる。
図8は、外部磁性体31を図1とは反対側から見た構造を示す略斜視図である。
図8に示すように、外部磁性体31は、センサチップ20の素子形成面21と向かい合う端面31bを有している。端面31bはxy面を構成し、図4及び図5の符号31aで示す領域を覆う。また、端面31bには、端子電極群T10との干渉を防ぐ切り欠き部31cが設けられていても構わない。そして、外部磁性体31の端面31bは、y方向における幅W2よりもx方向における幅W1の方が広い幅広形状を有している(W1>W2)。これにより、一般的な形状を有する外部磁性体に比べ、非常に高い集磁効果が得られることから、検出対象磁界が微弱であってもこれを高感度に検出することが可能となる。幅W1と幅W2の関係については、W1>W2を満たしている限り特に限定されないが、幅W1が幅W2の2倍以上、4倍以下であることが好ましい。これは、幅W1を幅W2の2倍以上とすることによって集磁能力が十分に高められる一方、幅W1が幅W2の4倍を超えると、磁気センサのサイズが非常に大型化してしまうからである。
ここで、外部磁性体31の端面31bに切り欠き部31cが設けられている場合には、切り欠き部31cを含めて幅W1,W2を定義しても構わない。例えば、図9(a)〜(c)に示す例のように、端面31bの下辺の全体又は一部に切り欠き部31cが設けられている場合であっても、切り欠き部31cを含めて幅W2を定義しても構わない。
図10は、外部磁性体31の端面31bの幅W1と検出感度との関係を示すグラフであり、外部磁性体31のz方向における長さを17.4mm、y方向における幅W2を3.0mmとした場合を示している。
外部磁性体31のy方向における幅W2が3.0mmである場合、一般的にはx方向における幅W1が0.8mm程度に設計される。そして、幅W1が0.8mmである場合に得られる感度を基準とした場合、図10に示すように、幅W1が大きくなるにつれて感度が高くなり、幅W1が約3.3mmである場合に約2倍の感度が得られ、幅W1が約6.5mmである場合に約4倍の感度が得られることが分かる。
以上説明したように、本実施形態による磁気センサ1は、外部磁性体31のx方向における幅W1がy方向における幅W2よりも大きい幅広形状を有していることから、一般的な形状を有する外部磁性体を用いた場合と比べて高い集磁能力を得ることができる。これにより、微弱な検出対象磁界を高感度に検出することが可能となる。しかも、本実施形態においては、外部磁性体31の長手方向がz方向であり、基板10の表面11に外部磁性体31を寝かせて搭載することができることから、幅広形状を有する外部磁性体31を基板10上に安定して支持することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記の実施形態では、4つの感磁素子R1〜R4をブリッジ接続しているが、本発明において4つの感磁素子を用いることは必須でなく、z方向から見て外部磁性体31のx方向における両側に位置する少なくとも2つの感磁素子を備えていれば足りる。
また、上記実施形態においては、外部磁性体31のxy断面形状がz方向位置によって変化しないが、本発明においてこの点は必須でなく、z方向位置によって外部磁性体31のxy断面形状が変化しても構わない。このような場合であっても、上述の通り、素子形成面21と向かい合う端面31bにおいてW1>W2を満たしていれば足りる。
1 磁気センサ
10 基板
11 基板の表面
20 センサチップ
21 素子形成面
22 裏面
23,24 側面
24 側面
25,26 絶縁層
31〜33 外部磁性体
31a〜33a 領域
31b 端面
31c 切り欠き部
41 差動アンプ
42 補償コイル
43 検出回路
G1〜G4 磁気ギャップ
M1〜M3,M11,M21,M31,M12,M22,M32 磁性体層
R1〜R4 感磁素子
T10 端子電極群
T11〜T14 端子電極

Claims (4)

  1. 互いに直交する第1及び第2の方向に延在する素子形成面であって、前記第1の方向に配列された第1及び第2の感磁素子が形成された素子形成面を有するセンサチップと、
    前記素子形成面と向かい合う端面を有する外部磁性体と、を備え、
    前記外部磁性体の端面は、前記素子形成面に対して垂直な第3の方向から見て、前記第1の感磁素子と前記第2の感磁素子の間に位置し、且つ、前記第2の方向における幅よりも前記第1の方向における幅の方が広いことを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記外部磁性体の端面は、前記第1の方向における幅が前記第2の方向における幅の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記センサチップは、前記素子形成面上に設けられた第1、第2及び第3の磁性体層をさらに有し、
    前記第1の感磁素子は、前記第1の磁性体層と前記第2の磁性体層からなる磁気ギャップの近傍に配置され、
    前記第2の感磁素子は、前記第1の磁性体層と前記第3の磁性体層からなる磁気ギャップの近傍に配置され、
    前記外部磁性体の端面は、前記第3の方向から見て、前記第2及び第3の磁性体層を覆うことなく前記第1の磁性体層を覆うことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気センサ。
  4. 前記第3の方向から見て、前記第1の磁性体層を覆うことなく前記第2及び第3の磁性体層を覆う別の外部磁性体をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の磁気センサ。
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