JP2021100772A - 回転工具及び切削加工物の製造方法 - Google Patents

回転工具及び切削加工物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内刃用インサートとして機能する第1インサートを安定して保持でき、且つ、第1インサートで生じる切屑が詰まりにくい回転工具を提供することである。【解決手段】本開示の限定されない一例の回転工具は、回転軸に沿って第1端から第2端にかけて延びた円柱形状であって、第1端の側に位置する複数のポケットを有するホルダと、複数のポケットのそれぞれに位置する複数のインサートと、を有する。第1端に向かって見た場合に、第1インサート及び第2インサートのピッチである第1ピッチ、並びに、第1インサート及び第3インサートのピッチである第2ピッチは、第1インサートを除く回転方向において隣り合う2つのインサート間のピッチよりも広い。【選択図】図3

Description

本開示は、一般的には、被削材の転削加工に用いられる回転工具及び切削加工物の製造方法に関する。回転工具としては、例えば、エンドミル及びドリルが挙げられ得る。
金属などの被削材を転削加工する際に用いられる回転工具として、例えば特許文献1に記載のドリルが知られている。特許文献1に記載のドリルは、3つのインサートを有する。3つのインサートは、それぞれ回転軸からの距離が異なっており、内刃用インサート、中刃用インサート及び外刃用インサートとして機能する。
特開昭54−039291号公報
回転工具が複数のインサートを有する場合に、これらのインサートのうち内刃用インサートは、相対的に回転速度が遅いため大きな負荷が加わり易い。また、内刃用インサートで生じる切屑は、中刃用インサート及び外刃用インサートで生じる切屑と比較して螺旋状に長く延び易い。特許文献1に記載のドリルにおいては、複数のインサートのピッチが一定である。そのため、内刃用インサートの保持が不安定になる、或いは、切屑が詰まり易い恐れがあった。
本開示の限定されない一例の回転工具は、回転軸に沿って第1端から第2端にかけて延びた円柱形状であって、前記第1端の側に位置する複数のポケットを有するホルダと、前記複数のポケットのそれぞれに位置する複数のインサートと、を有する。前記第1端に向かって見た場合に、前記複数のインサートは、最も前記回転軸の近くに位置する第1インサートと、前記第1インサートに対して前記回転軸の回転方向の前方において隣り合う第2インサートと、前記第1インサートに対して前記回転方向の後方において隣り合う第3インサートと、を有する。また、前記第1端に向かって見た場合に、前記第1インサート及び前記第2インサートのピッチである第1ピッチ、並びに、前記第1インサート及び前記第3インサートのピッチである第2ピッチは、前記第1インサートを除く前記回転方向において隣り合う2つの前記インサート間のピッチよりも広い。
上記一例の回転工具によれば、内刃用インサートとして機能することが可能な第1インサートを安定して保持でき、且つ、第1インサートで生じる切屑が詰まりにくい。
本開示の限定されない実施形態の回転工具(ドリル)を示す斜視図である。 図1に示す回転工具を第1端の側から見た平面図である。 図1に示す回転工具を第1端の側から見た平面図である。 図1に示す回転工具を第1端の側から見た平面図である。 図2に示す回転工具をB1方向から見た側面図である。 図2に示す回転工具をB2方向から見た側面図である。 図2に示す回転工具をB3方向から見た側面図である。 図2に示す回転工具をB4方向から見た側面図である。 図1に示す領域A1を拡大した拡大図である。 本開示の限定されない実施形態の切削加工物の製造方法における一工程を示す概略図である。 本開示の限定されない実施形態の切削加工物の製造方法における一工程を示す概略図である。 本開示の限定されない実施形態の切削加工物の製造方法における一工程を示す概略図である。
<回転工具>
以下、本開示の限定されない実施形態の回転工具1について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態を説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、回転工具1は、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率などを忠実に表したものではない。
図1〜図9においては、回転工具1の限定されない一例としてドリルを示している。このドリルは、いわゆる3枚刃型のドリルであり、例えば、穿孔加工などに用いることが可能である。なお、回転工具1は、ドリルに限定されず、例えば、エンドミルなどであってもよい。
図1に示す限定されない一例のように、回転工具1は、ホルダ3及び複数のインサート5を有してもよい。ホルダ3は、回転軸O1に沿って第1端3aから第2端3bにかけて延びた円柱形状であってもよい。一般的には、第1端3aが「先端」と呼ばれ、第2端3bが「後端」と呼ばれる。また、ホルダ3は、回転軸O1の周りで回転可能であってもよい。なお、図1などにおける矢印Y1は、回転軸O1の回転方向を示している。
ホルダ3は、シャンク部7及び切削部9を有してもよい。シャンク部7は、工作機械の回転するスピンドルに把持されることが可能な部位であってもよい。シャンク部7は、工作機械におけるスピンドルの形状に応じて設計されてもよい。
切削部9は、シャンク部7に対して第1端3aの側に位置してもよい。切削部9は、被削材に接触することが可能であり、被削材の切削加工において主要な役割を果たすことが可能な部位である。
切削部9の外径Dは、特定の値に限定されない。例えば、外径Dの最大値は、4〜100mmに設定されてもよい。また、回転軸O1に沿った方向における切削部9の長さLは、L=1.5D〜12Dに設定されてもよい。
図9に示す限定されない一例のように、ホルダ3は、第1端3aの側に位置する複数のポケット11を有してもよい。ポケット11は、インサート5を取り付け可能な部位である。ポケット11は、回転軸O1の回転方向Y1の前方に向かって開口する凹形状の部位であってもよい。また、ポケット11は、切削部9に位置してもよい。ポケット11の数は、3〜5であってもよい。ポケット11の数は、インサート5の数と同じであってもよい。
複数のインサート5は、複数のポケット11のそれぞれに位置してもよい。インサート5は、切削加工において被削材を切削するために用いることが可能である。インサート5の数は、3〜5であってもよい。なお、インサート5は、切削インサートとも呼ばれる。
図2に示す限定されない一例のように、第1端3aに向かって見た場合に、複数のインサート5は、第1インサート13と、第1インサート13に対して回転方向Y1の前方において隣り合う第2インサート15と、第1インサート13に対して回転方向Y1の後方において隣り合う第3インサート17と、を有してもよい。
第1端3aに向かって見た場合に、第1インサート13は、最も回転軸O1の近くに位置してもよい。この場合には、第1インサート13が内刃用インサートとして機能することが可能である。なお、第1端3aに向かって見た場合に、第1インサート13は、後述する第1インサート13における切刃が、回転軸O1と交差するように位置してもよい。
複数のポケット11は、第1インサート13が位置する第1ポケット19と、第2インサート15が位置する第2ポケット21と、第3インサート17が位置する第3ポケット23と、を有してもよい。第1端3aに向かって見た場合に、第1ポケット19は、最も回転軸O1の近くに位置してもよい。なお、各ポケット11は、装着されるインサート5が接触しないように、互いに離れて位置してもよい。
ここで、図3に示す限定されない一例のように、第1端3aに向かって見た場合に、第1インサート13及び第2インサート15のピッチである第1ピッチP1、並びに、第1インサート13及び第3インサート17のピッチである第2ピッチP2は、第1インサート13を除く回転方向Y1において隣り合う2つのインサート5の間のピッチよりも広くてもよい。
上記した「ピッチ」は、次のように定義してもよい。まず、第1端3aに向かって見た場合において、各インサート5における回転方向Y1の前方であって外周側の端部と回転軸O1とを直線で結ぶ。そして、回転方向Y1において隣り合う直線同士の交わる角度を「ピッチ」としてもよい。
図3に示す限定されない一例においては、第1端3aに向かって見た場合に、第1インサート13における回転方向Y1の前方であって外周側の端部13aと回転軸O1とを結ぶ仮想直線を、第1直線L1としてもよい。同様に、第2インサート15における回転方向Y1の前方であって外周側の端部15aと回転軸O1とを結ぶ仮想直線を、第2直線L2としてもよい。第3インサート17における回転方向Y1の前方であって外周側の端部17aと回転軸O1とを結ぶ仮想直線を、第3直線L3としてもよい。したがって、第1ピッチP1は、第1直線L1及び第2直線L2の交わる角度θ1であってもよい。第2ピッチP2は、第1直線L1及び第3直線L3の交わる角度θ2であってもよい。
また、図3に示す限定されない一例において、第1インサート13を除く回転方向Y1において隣り合う2つのインサート5は、第2インサート15及び第3インサート17であってもよい。そして、第2インサート15及び第3インサート17の間のピッチは、第2直線L2及び第3直線L3の交わる角度θ3で表される第3ピッチP3であってもよい。
第1ピッチP1及び第2ピッチP2が、第1インサート13を除く回転方向Y1において隣り合う2つのインサート5の間のピッチ(図3に示す限定されない一例においては第3ピッチP3)よりも広い場合には、内刃用インサートとして機能することが可能な第1インサート13を安定して保持でき、且つ、第1インサート13で生じる切屑が詰まりにくい。すなわち、内刃用インサートで生じる切屑は、上記のとおり、他のインサート5で生じる切屑と比較して螺旋状に長く延び易いが、上記の場合には、第1ピッチP1が相対的に広いことから、第1インサート13で生じる切屑の流れるスペースが広く確保され易い。そのため、第1インサート13で生じる切屑が詰まりにくい。また、第2ピッチP2が相対的に広いことから、第1インサート13に対して回転方向Y1の後方に位置するホルダ3の肉厚が大きく確保され易い。そのため、相対的に大きな負荷が加わり易い第1インサート13を安定して保持できる。
第1ピッチP1を表す角度θ1、第2ピッチP2を表す角度θ2及び第3ピッチP3を表す角度θ3は、特定の値に限定されない。例えば、角度θ1は、120°〜150°に設定されてもよい。また、角度θ2は、120°〜150°に設定されてもよい。角度θ3は、80°〜100°に設定されてもよい。
図2に示す限定されない一例のように、第2インサート15は、第3インサート17よりも回転軸O1から離れて位置してもよい。言い換えれば、第3インサート17は、第2インサート15よりも回転軸O1の近くに位置してもよい。この場合には、第3インサート17が、中刃用インサートとして機能することが可能である。なお、第2ポケット21は、第3ポケット23よりも回転軸O1から離れて位置してもよい。第2インサート15が上記のように位置する場合には、第1インサート13の回転軌跡及び第2インサート15の回転軌跡が重なり合いにくい。そのため、第1インサート13で生じる切屑の厚みに関する、回転軸O1の径方向でのバラつきが抑えられ易い。これにより、第1インサート13で生じる螺旋形状の切屑が安定して伸びやすい。
第2インサート15は、複数のインサート5のうち最も回転軸O1から離れて位置してもよい。この場合には、第2インサート15が、外刃用インサートとして機能することが可能である。なお、第2ポケット21は、複数のポケット11のうち最も回転軸O1から離れて位置してもよい。第2インサート15が上記のように位置する場合には、第1インサート13の回転軌跡及び第2インサート15の回転軌跡がさらに重なり合いにくい。そのため、第1インサート13で生じる切屑の厚みに関する、回転軸O1の径方向でのバラつきがさらに抑えられ易い。これにより、第1インサート13で生じる螺旋形状の切屑がより安定して伸びやすい。
第1ピッチP1及び第2ピッチP2は、同じであってもよく、また、異なってもよい。図3に示す限定されない一例のように、第1ピッチP1及び第2ピッチP2が同じである場合には、第1インサート13に対して回転方向Y1の後方に位置するホルダ3の肉厚と、第3インサート17に対して回転方向Y1の後方に位置するホルダ3の肉厚とのバラつきが小さい。なお、第1ピッチP1及び第2ピッチP2が同じであるとは、両者のピッチを表す角度θ1及び角度θ2が厳密に同じであることに限定されない。例えば、角度θ1及び角度θ2に3°程度の差があってもよい。
第1インサート13、第2インサート15及び第3インサート17のそれぞれの形状は、同じであってもよく、また、異なってもよい。例えば、図9に示す限定されない一例のように、第1インサート13、第2インサート15及び第3インサート17は、切刃31を有する四角板形状であってもよい。また、各インサート5は、四角形状の上面25と、四角形状の下面27と、上面25及び下面27の間に位置する側面29と、上面25及び側面29の交わりに位置する切刃31と、を有する四角板形状であってもよい。側面29は、四角形状の上面25及び下面27の4つの辺に対応して、4つの面領域で構成されてもよい。なお、インサート5の形状は、四角板形状に限定されない。
上面25及び下面27が四角形状であるとは、概ね四角形状であればよく、厳密な意味での四角形状である必要はない。例えば、4つの角は、正面視した場合に丸みを帯びた形状であってもよい。また、隣り合う角を接続するように位置する辺は、厳密な直線形状である必要はなく、一部が凹凸を有する形状であってもよい。
インサート5をホルダ3に取り付けた際に、上面25は回転方向Y1の前方に位置してもよく、また、下面27は回転方向Y1の後方に位置してもよい。この場合には、上面25の少なくとも一部が、切削加工を行う際に切屑が流れるすくい面として機能することが可能である。また、下面27の少なくとも一部が、ポケット11に対する座面として機能することが可能である。側面29の少なくとも一部が、切削加工を行う際に逃げ面として機能することが可能である。
図7及び図8に示す限定されない一例のように、第1インサート13及び第3インサート17をホルダ3に取り付けた際に、第1インサート13及び第3インサート17における側面29の一部がホルダ3よりも第1端3aの側に突出してもよい。また、図5及び図6に示す限定されない一例のように、第2インサート15をホルダ3に取り付けた際に、第2インサート15における側面29の一部がホルダ3よりも外周側及び第1端3aの側にそれぞれ突出してもよい。
切刃31は、いわゆる底刃として機能することが可能である。切刃31は、上面25及び側面29の交わりの全体に位置してもよく、また、上面25及び側面29の交わりの一部のみに位置してもよい。第1インサート13における切刃31は、内刃とも呼ばれる。第2インサート15が外刃用インサートとして機能する場合には、第2インサート15における切刃31は、外刃とも呼ばれる。第3インサート17が中刃用インサートとして機能する場合には、第3インサート17における切刃31は、中刃とも呼ばれる。
第1端3aに向かって見た場合に、第1インサート13、第2インサート15及び第3インサート17における各切刃31の回転軌跡は、一部が互いに重なり合ってもよい。また、第1端3aに向かって見た場合に、第1インサート13、第2インサート15及び第3インサート17における各切刃31の回転軌跡は、ホルダ3における切削部9の全体と重なり合ってもよい。これらの場合には、第1インサート13、第2インサート15及び第3インサート17における各切刃31によって、切削部9の外径に対応した穴あけ加工が可能となる。
図9に示す限定されない一例のように、インサート5は、下面27から上面25にかけて形成された貫通孔33を有してもよい。貫通孔33は、下面27から回転方向Y1に沿った方向に形成されてもよい。
貫通孔33は、インサート5をホルダ3に固定するために用いることが可能である。すなわち、貫通孔33に固定ネジ35を挿入し、この固定ネジ35の先端をポケット11に形成されたネジ孔に挿入してネジ部同士を螺合させれば、インサート5をホルダ3に固定できる。なお、インサート5をホルダ3に固定する方法は、上記のネジ止め固定に限定されない。
インサート5は、特定の大きさに限定されない。例えば、インサート5における回転軸O1の径方向の幅は、1.6〜50mm程度に設定されてもよい。また、インサート5における回転軸O1の周方向の厚みは、1〜10mm程度に設定されてもよい。なお、インサート5における回転軸O1の径方向の幅は、上面25の幅と言い換えてもよい。また、インサート5における回転軸O1の周方向の厚みは、側面29に向かってインサート5を見た場合に、上面25から下面27に向かう方向での厚みと言い換えてもよい。
第1インサート13における回転軸O1の径方向の幅である第1幅W1、第2インサート15における回転軸O1の径方向の幅である第2幅W2、及び、第3インサート17における回転軸O1の径方向の幅である第3幅W3は、同じであってもよく、また、異なってもよい。図4に示す限定されない一例のように、第1幅W1が、第2幅W2及び第3幅W3よりも大きい場合には、第1インサート13に対して回転方向Y1の後方に位置するホルダ3の肉厚が確保され易いため、第1インサート13を安定して保持できる。また、切削抵抗のバランスにより、芯残りの抑制、穴壁面へのツールマークの抑制ができる。なお、第1幅W1は、第1幅W1の最大値で評価してもよい。この点は、第2幅W2及び第3幅W3においても同様である。
第1幅W1は、第1インサート13を除く複数のインサート5のそれぞれにおける回転軸O1の径方向の幅よりも大きくてもよい。すなわち、第1幅W1は、複数のインサート5のそれぞれにおける上記した幅において最大であってもよい。この場合には、第1インサート13に対して回転方向Y1の後方に位置するホルダ3の肉厚が特に確保され易いため、第1インサート13をより安定して保持できる。
第2幅W2は、第3幅W3よりも小さくてもよい。この場合には、第2インサート15に対して回転方向Y1の後方に位置するホルダ3の肉厚が確保され易いため、第2インサート15を安定して保持できる。
第1インサート13における回転軸O1の周方向の厚みである第1厚みD1、第2インサート15における回転軸O1の周方向の厚みである第2厚みD2、及び、第3インサート17における回転軸O1の周方向の厚みである第3厚みD3は、同じであってもよく、また、異なってもよい。図4に示す限定されない一例のように、第1厚みD1が、第2厚みD2及び第3厚みD3よりも大きい場合には、切削負荷の比較的大きい第1インサート13の強度を確保できる。なお、第1厚みD1は、第1厚みD1の最大値で評価してもよい。この点は、第2厚みD2及び第3厚みD3においても同様である。
第1厚みD1は、第1インサート13を除く複数のインサート5のそれぞれにおける回転軸O1の周方向の厚みよりも大きくてもよい。すなわち、第1厚みD1は、複数のインサート5のそれぞれにおける上記した厚みにおいて最大であってもよい。この場合には、切削負荷の比較的大きい第1インサート13の強度をより確保できる。
第2厚みD2は、第3厚みD3よりも小さくてもよい。この場合には、第2インサート15に対して回転方向Y1の後方に位置するホルダ3の肉厚が確保され易い。
図1に示す限定されない一例のように、ホルダ3は、複数の溝37を有してもよい。溝37は、被削材を切削する際にインサート5で生じた切屑を外部に排出するために用いることが可能である。溝37は、回転軸O1に平行に延びてもよく、また、回転軸O1の周りで螺旋状に延びてもよい。また、切屑を円滑に外部に排出するという観点から、回転軸O1に直交する断面において、溝37は凹曲線形状であってもよい。溝37の数は、ポケット11及びインサート5の数と同じであってもよい。溝37の数は、3〜5であってもよい。溝37は、切削部9に位置してもよい。なお、溝37は、切屑排出溝とも呼ばれる。
溝37の深さは、特定の値に限定されない。例えば、溝37の深さは、切削部9の外径に対して10〜40%に設定されてもよい。溝37の深さとは、回転軸O1に直交する断面において、溝37の底と回転軸O1との距離を切削部9の半径から引いた値のことであってもよい。底とは、溝37における回転軸O1に最も近い部分のことであってもよい。
芯厚の直径は、例えば、切削部9の外径に対して20〜80%に設定されてもよい。芯厚の直径は、回転軸O1に直交する切削部9の断面において形成可能な最大の円(内接円)の直径に相当してもよい。具体的には、切削部9の外径Dが20mmである場合には、溝37の深さは2〜8mm程度に設定されてもよい。
複数の溝37は、図2に示す限定されない一例のように、第1ポケット19から第2端3bに向かって延びた第1溝39と、第2ポケット21から第2端3bに向かって延びた第2溝41と、第3ポケット23から第2端3bに向かって延びた第3溝43と、を有してもよい。第1溝39、第2溝41及び第3溝43は、互いに離れて位置してもよい。
ホルダ3の材質としては、例えば、鋼、鋳鉄及びアルミニウム合金などが挙げられ得る。ホルダ3の材質が鋼の場合には、ホルダ3の靱性が高い。
インサート5の材質としては、例えば、超硬合金、サーメット及びセラミックスなどの無機材料が挙げられ得る。超硬合金の組成としては、例えば、WC(炭化タングステン)−Co、WC−TiC(炭化チタン)−Co及びWC−TiC−TaC(炭化タンタル)−Coが挙げられ得る。ここで、WC、TiC及びTaCは硬質粒子であってもよく、また、Coは結合相であってもよい。
また、サーメットは、セラミック成分に金属を複合させた焼結複合材料であってもよい。具体的には、サーメットとして、TiC又はTiN(窒化チタン)を主成分とした化合物が挙げられ得る。インサート5の材質がこれらに限定されないことは言うまでもない。
また、特に図示はしないが、インサート5は、上記の材質を含有する本体及びこの本体を被覆する被覆層を備えた構成であってもよい。被覆層の材質としては、例えば、チタンの炭化物、窒化物、酸化物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒化物及び炭窒酸化物などが挙げられ得る。
被覆層は、上記の材質のうち1つのみを含有してもよく、複数を含有してもよい。また、被覆層は、1つのみの層で構成されてもよく、また、複数の層が積層された構成であってもよい。なお、被覆層の材質は、これらに限定されない。
被覆層は、化学蒸着(CVD)法又は物理蒸着(PVD)法を用いることによって、本体の上に位置させてもよい。
また、切刃31の強度を高めるために、インサート5は、上記の材質によって構成された基体に、例えば、ダイヤモンド焼結体又はcBN焼結体などをロウ付けした構成であってもよい。
<切削加工物の製造方法>
次に、限定されない実施形態の切削加工物101の製造方法について図面を用いて説明する。
切削加工物101は、被削材103を切削加工することによって作製されてもよい。限定されない実施形態における切削加工物101の製造方法は、以下の(1)〜(4)の工程を備えてもよい。
(1)準備された被削材103に対して上方に回転工具1を配置する工程(図10参照)。
(2)回転軸O1を中心に矢印Y1の方向に回転工具1を回転させ、被削材103に向かってY2方向に回転工具1を近づける工程(図10及び図11参照)。
(1)及び(2)の工程は、例えば、回転工具1が取り付けられた工作機械のテーブルの上に被削材103を固定し、回転工具1を回転させた状態で被削材103に近づけることにより行ってもよい。なお、(2)の工程では、被削材103と回転工具1とは相対的に近づけばよく、例えば、被削材103を回転工具1に近づけてもよい。
(3)回転工具1をさらに被削材103に近づけることによって、回転している回転工具1を、被削材103の表面の所望の位置に接触させて、被削材103に加工穴105を形成する工程(図11参照)。
(3)の工程では、ホルダ3における切削部9の少なくとも一部が加工穴105の中に位置するように切削加工が行われてもよい。このとき、ホルダ3におけるシャンク部7が、加工穴105の外側に位置するように設定してもよい。また、良好な仕上げ面を得る観点から、切削部9のうち第2端3bの側の一部が加工穴105の外側に位置するように設定してもよい。上記の一部を切屑排出のためのマージン領域として機能させることが可能であり、当該領域を介して優れた切屑排出性を奏することが可能である。
(4)回転工具1を被削材103からY3方向に離す工程(図12参照)。
(4)の工程においても、上記の(2)の工程と同様に、被削材103と回転工具1とは相対的に離せばよく、例えば、被削材103を回転工具1から離してもよい。
以上のような工程を経ることによって、優れた加工性を発揮することが可能となる。具体的には、限定されない実施形態の切削加工物101の製造方法によれば、内刃用インサートとして機能することが可能な第1インサート13を安定して保持でき、且つ、第1インサート13で生じる切屑が詰まりにくい回転工具1を用いることから、精度が高い加工穴105を有する切削加工物101を得ることができる。
なお、以上に示したような被削材103の切削加工を複数回行う場合であって、例えば、1つの被削材103に対して複数の加工穴105を形成する場合には、回転工具1を回転させた状態を保持しつつ、被削材103の異なる箇所に回転工具1の切刃31を接触させる工程を繰り返せばよい。
被削材103の材質としては、例えば、アルミニウム、炭素鋼、合金鋼、ステンレス、鋳鉄及び非鉄金属などが挙げられ得る。
1・・・回転工具(ドリル)
3・・・ホルダ
3a・・第1端(先端)
3b・・第2端(後端)
5・・・インサート
7・・・シャンク部
9・・・切削部
11・・・ポケット
13・・・第1インサート
13a・・端部
15・・・第2インサート
15a・・端部
17・・・第3インサート
17a・・端部
19・・・第1ポケット
21・・・第2ポケット
23・・・第3ポケット
25・・・上面
27・・・下面
29・・・側面
31・・・切刃
33・・・貫通孔
35・・・固定ネジ
37・・・溝
39・・・第1溝
41・・・第2溝
43・・・第3溝
101・・・切削加工物
103・・・被削材
105・・・加工穴
O1・・・回転軸
Y1・・・回転方向
P1・・・第1ピッチ
P2・・・第2ピッチ
P3・・・第3ピッチ
L1・・・第1直線
L2・・・第2直線
L3・・・第3直線
W1・・・第1幅
W2・・・第2幅
W3・・・第3幅
D1・・・第1厚み
D2・・・第2厚み
D3・・・第3厚み

Claims (11)

  1. 回転軸に沿って第1端から第2端にかけて延びた円柱形状であって、前記第1端の側に位置する複数のポケットを有するホルダと、
    前記複数のポケットのそれぞれに位置する複数のインサートと、を有し、
    前記第1端に向かって見た場合に、
    前記複数のインサートは、
    最も前記回転軸の近くに位置する第1インサートと、
    前記第1インサートに対して前記回転軸の回転方向の前方において隣り合う第2インサートと、
    前記第1インサートに対して前記回転方向の後方において隣り合う第3インサートと、を有し、
    前記第1インサート及び前記第2インサートのピッチである第1ピッチ、並びに、前記第1インサート及び前記第3インサートのピッチである第2ピッチは、前記第1インサートを除く前記回転方向において隣り合う2つの前記インサート間のピッチよりも広い、回転工具。
  2. 前記第2インサートは、前記第3インサートよりも前記回転軸から離れて位置する、請求項1に記載の回転工具。
  3. 前記第2インサートは、前記複数のインサートのうち最も前記回転軸から離れて位置する、請求項2に記載の回転工具。
  4. 前記第1ピッチ及び前記第2ピッチが同じである、請求項1〜3のいずれか1つに記載の回転工具。
  5. 前記第1インサートにおける前記回転軸の径方向の幅である第1幅が、前記第2インサートにおける前記回転軸の径方向の幅である第2幅、及び、前記第3インサートにおける前記回転軸の径方向の幅である第3幅よりも大きい、請求項1〜4のいずれか1つに記載の回転工具。
  6. 前記第1幅が、前記第1インサートを除く前記複数のインサートのそれぞれにおける前記回転軸の径方向の幅よりも大きい、請求項5に記載の回転工具。
  7. 前記第2幅が、前記第3幅よりも小さい、請求項5又は6に記載の回転工具。
  8. 前記第1インサートにおける前記回転軸の周方向の厚みである第1厚みが、前記第2インサートにおける前記回転軸の周方向の厚みである第2厚み、及び、前記第3インサートにおける前記回転軸の周方向の厚みである第3厚みよりも大きい、請求項1〜7のいずれか1つに記載の回転工具。
  9. 前記第1厚みが、前記第1インサートを除く前記複数のインサートのそれぞれにおける前記回転軸の周方向の厚みよりも大きい、請求項8に記載の回転工具。
  10. 前記第2厚みが、前記第3厚みよりも小さい、請求項8又は9に記載の回転工具。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の回転工具を回転させる工程と、
    回転している前記回転工具を被削材に接触させる工程と、
    前記回転工具を前記被削材から離す工程と、を備えた切削加工物の製造方法。
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