以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態における文書処理装置を示すブロック構成図である。本実施の形態における文書処理装置10は、目的情報受付部11、掲載項目設定部12、コンテンツ取得部13、レイアウト設定部14、文書作成部15、文書編集部16、スタイル編集部17、コンテンツセット登録部18、スタイル実績情報生成部19、項目定義情報記憶部21、コンテンツセット記憶部22、レイアウト情報記憶部23、スタイル実績情報記憶部24及び強調語句辞書記憶部25を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については、図から省略している。
目的情報受付部11は、ユーザにより指定された文書の作成の目的を示す目的情報を受け付ける。掲載項目設定部12は、項目定義情報記憶部21に記憶されている項目定義情報の中から、受け付けた目的情報が示す目的に対応する項目定義情報を抽出することによって、文書の作成の目的に適合した文書への掲載項目を特定する。なお、詳細は後述するが、本実施の形態においては、文書に掲載する1又は複数の項目をまとめた「情報項目」との差異を明確にするために、文書に掲載する対象となる項目を「項目」以外に「掲載項目」と称する場合がある。コンテンツ取得部13は、コンテンツセット記憶部22に記憶されているコンテンツセットの中から、抽出した項目定義情報で定義されている掲載項目の組合せに合致するコンテンツセットを選択することで、文書に実際に掲載する掲載項目の項目値、すなわちコンテンツデータを取得する。本実施の形態では、掲載項目の項目値と「コンテンツ」と「コンテンツデータ」を同じ意味で用いている。
レイアウト設定部14は、レイアウト情報記憶部23に記憶されているレイアウト情報の中から、特定された情報項目の組合せに対応するレイアウト情報を取得することで、文書のレイアウトを設定する。文書作成部15は、コンテンツ取得部13により取得されたコンテンツを、それぞれレイアウト設定部14により設定されたレイアウト上の所定の領域(以下、「レイアウト枠」ともいう)に当てはめていくことで文書を作成する。文書編集部16は、文書作成部15により位置決めされたコンテンツのレイアウト枠の大きさの調整などの編集作業をユーザに実施させる。
目的に適合した文書は、以上のようにしていったん完成されるが、スタイル編集部17は、スタイル実績情報記憶部24に記憶されているスタイル実績情報から、受け付けた文書の作成の目的に対応するスタイル実績情報を抽出し、その抽出したスタイル実績情報を参照して、完成した文書に配置されている要素、すなわち掲載項目の項目値(上記「コンテンツ」に相当)の様式を設定することによって、より目的に適合した文書に変貌させる。また、スタイル編集部17は、強調語句辞書記憶部25を参照して、文書の中から強調表示の対象とするコンテンツ又はコンテンツの一部を強調表示部分として特定し、特定した強調表示部分を強調表示するよう当該コンテンツの表示形態を変換する。コンテンツセット登録部18は、コンテンツセット記憶部22にコンテンツセットを登録させる登録作業をユーザに実施させる。スタイル実績情報生成部19は、過去に作成された文書を解析することによって当該文書のスタイル実績情報を生成し、スタイル実績情報記憶部24に登録する。
図2及び図3は、本実施の形態における項目定義情報記憶部21に記憶されている項目定義情報のデータ構成の一例を示す図である。項目定義情報では、文書の作成の目的(以下、「文書の作成目的」又は単に「目的」と称する)に対応させて当該文書への掲載事項となる1又は複数の項目を定義する。本実施の形態では、項目定義情報を図2及び図3の各図において示される2種類の情報、すなわち情報項目構成情報及び掲載項目構成情報で構成する。
このうち、図2に示す情報項目構成情報には、文書の作成目的を示す目的情報に対応させて当該文書を構成する項目を、各項目が示す情報の内容によって分類したときの1又は複数の項目(以下、「情報項目」という)を含む情報項目情報が規定される。本実施の形態では、ユーザの事業の種類「業種」、販売促進の目的「販促目的」、作成対象とする文書の種類「文書種類」及び販売のターゲットとなる顧客「ターゲット顧客」の各項目によって文書の作成目的をユーザに指定させるようにしたので、目的情報は、これらの項目によって構成される。そして、情報項目情報には、目的情報が示す目的に対応させて1又は複数の情報項目が含まれる。例えば、図2に示す識別番号「No.」が1の項目定義情報は、業種が「アパレルショップ」、販促目的が「新装開店告知」、文書種類が「ダイレクトメール」及びターゲット顧客が「20代女性」という各項目の項目値の組合せによって目的が指定されているが、この目的を達成するためにテーマ、店舗名、あいさつ文、店舗情報及びメインビジュアルという5つの情報項目の組合せによって文書が作成されることになる。なお、図2では、10の情報項目が設定できるようにテーブルを用意している。設定していない設定領域には“−”が挿入される。
なお、本実施の形態では、4項目の項目によって目的が指定される場合を例にして説明するが、この目的を示す項目の数や種類は、これに限る必要はない。また、目的情報に指定される項目値が同じ、すなわち同じ目的に対応させて、構成する情報項目の組合せが異なる複数の情報項目情報を設定してもよい。つまり、目的が同一となる情報項目構成情報を複数定義してもよい。同一目的に対して定義する情報項目構成情報の数が多いほど、完成する文書のバリエーションが増えることになる。
図3に示す掲載項目構成情報には、情報項目に、当該情報項目を構成する掲載項目及び当該掲載項目のデータ形式が設定される。情報項目は、図2に示す情報項目構成情報の情報項目に紐付く。掲載項目は、前述したように文書に実際に掲載される項目である。図3では、掲載項目構成情報31,32に示すように同じ「テーマ」という情報項目に対応させて、構成する掲載項目の組合せが異なる複数の情報項目構成情報が設定可能である。同じ情報項目に対して定義する掲載項目構成情報の数が多いほど、完成する文書のバリエーションが増えることになる。
なお、本実施の形態では、図2及び図3に示したように、文書を構成する項目(図3に示す「掲載項目」)を、情報項目という大項目と、大項目を構成する小項目(すなわち、図3に示す「掲載項目」)という2段階の階層にて定義したが、情報項目を利用せずに文書の作成目的に対応させて掲載項目を直接定義するようにしてもよい。あるいは、2段階ではなく3段階以上の階層で定義してもよい。
図4は、本実施の形態におけるコンテンツセット記憶部22に記憶されるコンテンツセットのデータ構成の一例を示す図である。コンテンツセットは、当該コンテンツセットの識別情報としてのコンテンツセットIDに、情報項目、項目、データ形式、コンテンツID及びコンテンツデータが対応付けして設定される項目情報である。このうち、情報項目、項目及びデータ形式は、図2,3で説明したとおりであり、設定内容は、図2,3で示す情報項目、掲載項目及びデータ形式と整合が取れているのが好適である。コンテンツIDは、コンテンツデータの識別情報である。コンテンツデータは、前述したように文書に実際に掲載される各項目の項目値である。少なくともコンテンツセットに設定する情報項目と掲載項目とコンテンツデータとの組は、ユーザによって情報提供され、各コンテンツセットは、その提供された情報に従って設定される。コンテンツセットに設定される情報項目、掲載項目及びデータ形式が同じで、コンテンツIDとコンテンツデータの組のみが異なるコンテンツセットが複数登録可能である。情報項目、掲載項目及びデータ形式が同じコンテンツセットが多いほど、完成する文書のバリエーションが増えることになる。
図5及び図6は、本実施の形態におけるレイアウト情報記憶部23に記憶されるレイアウト情報のデータ構成の一例を示す図である。レイアウト情報は、掲載項目の項目値の配置場所を規定した配置情報である。本実施の形態では、レイアウト情報を図5及び図6の各図において示される2種類の情報、すなわち情報項目レイアウト情報及び掲載項目レイアウト情報で構成する。
このうち、図5に示す情報項目レイアウト情報は、情報項目情報を構成する情報項目の文書上における配置が規定される配置情報である。図5に示す1つのブロック34,35は、文書の紙面を表しており、紙面上における情報項目の位置関係を示している。ブロック34は、テーマ、店舗名、あいさつ文、店舗情報及びメインビジュアルという各情報項目を紙面の上から順に並べて配置する場合の例である。ブロック35は、ブロック34と同じ情報項目の構成であるが、情報項目の並び順が異なっている。この例のように、情報項目レイアウト情報には、同じ情報項目情報に対して、情報項目が異なる配置となる複数のレイアウト情報が設定可能である。
図6に示す掲載項目レイアウト情報は、図5に示す情報項目レイアウト情報で規定された各情報項目のレイアウト枠における掲載項目の配置が規定される項目配置情報である。図6に示す1つのブロック36,37は、1つの情報項目、この例では情報項目「テーマ」に対応するレイアウト情報であり、図5に示す情報項目「テーマ」が配置されるレイアウト枠に相当する。ブロック36,37に対応する情報項目「テーマ」は共に、メインコピー、サブコピー及びイメージ写真という各掲載項目にて構成されるが、レイアウト枠内における配置が異なっている。この例のように、掲載項目レイアウト情報には、同じ情報項目に対して、掲載項目が異なる配置となる複数のレイアウト情報が設定可能である。なお、ブロック38は、ブロック36,37と同じ情報項目「テーマ」に対応する掲載項目レイアウト情報であるが、構成する掲載項目が異なっている。また、図6では、情報項目「テーマ」のみを例示しているが、他の情報項目に対しても同様に掲載項目レイアウト情報が規定されている。
図7は、本実施の形態におけるスタイル実績情報記憶部24に記憶されているスタイル実績情報のデータ構成の一例を示す図である。スタイル実績情報は、過去に作成された文書に基づき作成され、文書の作成目的を示す目的情報に対応させて、スタイル情報を設定することで構成される。目的情報は、図2に示す情報項目構成情報に含まれる目的情報と同じなので説明を省略する。スタイル情報は、当該目的情報が示す目的を目的とした文書を解析することによって取得された当該文書の様式を規定する各項目(以下、「スタイル項目」という)の項目値を示す様式情報である。本実施の形態では、「スタイル」と「様式」を同義に用いる。スタイル情報では、色又はフォントの少なくとも一方に関するスタイル項目を規定すればよいが、本実施の形態におけるスタイル情報では、図7に例示するように色及びフォントの双方に関するスタイル項目を規定する。色として「ベースカラー」、「メインカラー」及び「アクセントカラー」の各スタイル項目が設定される。「ベースカラー」は、当該文書のベースとなる色で、最も使用されている色である。「メインカラー」は、当該文書において主として使用されている色で、ベースカラーに続いて、使用されている色である。「アクセントカラー」は、文書にそれほど使用されていないものの、色の三属性の点でベースカラーやメインカラーとは離れた色であり、文書全体の色相とは異なる色である。もちろん、これらのスタイル項目のみで構成する必要はなく、他の色に関するスタイル項目を追加してもよい。また、フォントは、文字に使用されているフォントであり、文書において1,2番目に使用されているフォントが設定される。
図8は、本実施の形態における強調語句辞書記憶部25に記憶されている強調語句辞書のデータ構成の一例を示す図である。強調語句辞書には、掲載項目に特定条件が対応付けして設定される強調情報が設定登録される。掲載項目は、前述したように文書に掲載される項目である。特定条件は、強調表示の対象とする掲載項目の項目値又は項目値の一部を特定するための特定条件である。強調表示したい語句そのものを強調語句辞書に登録してもよいが、本実施の形態においては、図8に例示するように、季節に関連する語句を強調表示したい場合、「春」、「夏」などの季節を表す語句の代わりに「季節」というように、強調表示の対象とするコンテンツ又はコンテンツの一部の上位概念に相当する、概括的に示す概念情報を特定条件に設定するようにした。概念情報としては、例えば、季節、行事、特徴又は数字等がある。数字は、例えば、価格、割引率、限定数、日時、期間等を示す数字である。強調語句辞書に上位概念の概念情報だけではなく、下位概念の例えば「春」、「夏」などの語句や、会社名や店舗名などの特定の語句を設定するように構成してもよい。また、概念語句や特定の語句だけではなく、「<」や「>」など特定の記号に囲まれた部分などのルールを設定しておくようにしてもよい。
本実施の形態における文書処理装置は、パーソナルコンピュータ(PC)等の汎用的なコンピュータのハードウェア構成で実現できる。すなわち、文書処理装置は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶手段、ユーザインタフェース、またネットワークインタフェース等の通信手段を有している。
文書処理装置10における各構成要素11〜19は、文書処理装置10を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部21〜25は、文書処理装置10に搭載されたHDDにて実現される。
あるいは、文書処理装置をクラウドや複数のコンピュータにて構成してもよい。例えば、構成要素11〜19と各記憶部21〜25とを異なるコンピュータ上に配置して、構成要素11〜19を搭載するコンピュータは、外部にある各記憶部21〜25をネットワーク経由で利用してもよい。
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
次に、本実施の形態における動作について説明する。本実施の形態では、目的に適合した文書の作成を支援することを特徴としているが、目的に適合した文書を作成するためには、各記憶部21〜25に、前述した各情報を予め設定しておく必要がある。項目定義情報、レイアウト情報、スタイル実績情報及び強調表示辞書は、文書処理装置10を所有する文書作成サービス会社側において事前に設定する。一方、コンテンツセットのうち少なくとも情報項目、掲載項目及びコンテンツデータの組合せについては、上記の通りユーザ側から情報提供される必要がある。従って、コンテンツセット登録部18は、ユーザから提供された情報に基づきコンテンツセットを生成してコンテンツセット記憶部22に登録する。また、スタイル実績情報生成部19は、既存技術を利用して、後述する処理によって文書が完成されると、当該文書を解析することによって当該文書で使用されている色及びフォントを取得することでスタイル情報を取得し、その取得したスタイル情報を、目的情報受付部11が受け付けた当該文書の目的情報に対応させて、スタイル実績情報記憶部24に登録する。なお、本実施の形態において作成する文書は、説明の便宜上、チラシ、ポップ、バナー画像、ダイレクトメールなど1ページで構成される文書を想定して説明する。
以下、本実施の形態における文書作成処理について図9に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ユーザは、文書の作成目的を所定の目的指定画面から入力する。本実施の形態では、目的を指定する項目として、業種、販促目的、文書種類及びターゲット顧客を例示しているので、各項目につき項目値を指定する。例えば、ユーザが各項目の項目値を手入力してもよいが、本実施の形態では、項目値をリスト表示させるためのプルダウンメニューを項目毎に用意しておき、そのプルダウンメニューの中から目的に合致する項目値をユーザに選択させるようにする。基本的には、各項目につき1つの項目値をユーザに指定させるが、全ての項目を指定しなくてもよい。また、1つの項目に対して複数の項目値を指定できるようにしてもよい。
本実施の形態では、文書処理装置10を所有する文書作成サービス会社が提供するサービスを外部のユーザが利用する場合を想定している。従って、文書作成サービス会社の従業員がユーザから目的を聞き出して文書処理装置10に入力するようにしてもよい。あるいは、ユーザが自己使用のPC等の端末からインターネット等のネットワークを介して文書処理装置10にアクセスするようにしてもよい。この場合、ユーザは、所定の操作をすることで文書処理装置10から送信されてきた目的指定画面をブラウザによりPCに表示させ、目的を示す各項目の項目値を指定することになる。目的情報受付部11は、以上のようにして指定された目的を示す各項目の項目値を含む目的情報を受け付ける(ステップ101)。
続いて、掲載項目設定部12は、項目定義情報記憶部21に含まれる、図2に示す情報項目構成情報の中から、目的情報に含まれる各項目の項目値の組合せに対応する情報項目情報を抽出する。これにより、掲載項目設定部12は、文書を構成する情報項目を設定する(ステップ102)。このように、本実施の形態においては、目的を達成するよう文書を作成するために、どのような情報の種類の項目を文書に含めればよいのかが決まる。
ところで、前述したように、ユーザが目的指定画面から目的を示す全ての項目を指定しているとは限らない。この場合、指定された目的の項目値に該当する項目定義情報を検索して取得することになるので、複数の項目定義情報が該当する場合がある。例えば、ユーザが業種として「アパレルショップ」を、販促目的として「新装開店告知」を、文書種類として「ダイレクトメール」を、それぞれ指定したものの、ターゲット顧客を指定しなかった場合、掲載項目設定部12は、この指定した項目に合致するレコードNo.1と2のレコードを取得する。また、項目定義情報記憶部21には、目的が同じ情報項目構成情報が複数登録されている場合がある。この場合も、掲載項目設定部12は、複数の情報項目情報を取得することになる。このように、受け付けた目的情報が示す目的に対応する情報項目情報が項目定義情報記憶部21の情報項目構成情報に複数記憶されている場合、掲載項目設定部12は、目的に対応する複数の情報項目構成情報をユーザに提示して、提示した情報項目構成情報の中から一のレコード、すなわち一の情報項目情報をユーザに選択させるようにしてもよい。あるいは、例えば、レコード番号が小さい方、過去に選択された回数の多い方、目的を構成する各項目に重みを付けて目的合致度を算出するなどの所定の選択基準に従って、掲載項目設定部12が自動的に選択するようにしてもよい。1つの項目につき複数の項目値を選択した場合も同様で、指定された目的に対応する情報項目情報を、項目定義情報記憶部21に設定されている情報項目構成情報の中から抽出する。
続いて、掲載項目設定部12は、項目定義情報記憶部21に含まれる、図3に示す掲載項目構成情報の中から、ステップ102において決定した情報項目に対応する掲載項目を抽出することによって文書に掲載する項目(つまり、掲載項目)を設定する(ステップ103)。例えば、ステップ102において設定された情報項目に「あいさつ文」が含まれている場合、図3に示す設定例では、情報項目「あいさつ文」に対応するレコードは、掲載項目構成情報33の1つだけなので、掲載項目は、「ヘッダーコピー」及び「ボディコピー」と一意に決まる。また、例えば、情報項目「テーマ」に対応するレコードは、掲載項目構成情報31,32と複数存在する。このように、情報項目に対応する掲載項目構成情報が項目定義情報記憶部21に複数記憶されている場合、掲載項目設定部12は、当該対応する掲載項目構成情報をユーザに提示して、いずれか1つのレコード(つまり、掲載項目構成情報)をユーザに選択させるようにしてもよい。あるいは、例えば、情報項目を構成する掲載項目数の多い方、過去に選択された回数の多い方などの所定の選択基準に従って、掲載項目設定部12が自動的に選択するようにしてもよい。
続いて、コンテンツ取得部13は、決定された各掲載項目に対応させて組み込むコンテンツを取得する(ステップ104)。掲載項目設定部12は、ステップ103において、ステップ102において決定された各情報項目にどの掲載項目を組み込むかということを決定している。例えば、情報項目「テーマ」に対して、「メインコピー」、「サブコピー」及び「イメージ写真」という組合せで掲載項目を構成することが決定されている場合、コンテンツ取得部13は、コンテンツセット記憶部22に記憶されているコンテンツセットの中から、情報項目が「テーマ」であって、掲載項目が「メインコピー」、「サブコピー」及び「イメージ写真」の組合せから構成されるコンテンツセットを抽出することによって、当該コンテンツセットに含まれるコンテンツを取得する。図4に示す設定例によると、コンテンツセットIDがCS0001とCS0002のコンテンツセットが抽出の対象となる。このように、掲載項目設定部12が決定した情報項目と掲載項目との組合せに合致するコンテンツセットが複数登録されている場合、コンテンツ取得部13は、該当するコンテンツセット、特にコンテンツデータをユーザに提示して、いずれか1つのコンテンツセットをユーザに選択させる。
以上のようにして、コンテンツ取得部13が文書に掲載する項目に対応するコンテンツを決定すると、レイアウト設定部14は、まず情報項目のレイアウトを設定する(ステップ105)。レイアウト情報記憶部23の、図5に示す情報項目レイアウト情報には、情報項目の文書上における配置が規定されたレイアウト情報が含まれているので、レイアウト設定部14は、ステップ102において抽出された情報項目情報を構成する情報項目に対応する情報項目レイアウト情報を参照して情報項目のレイアウトを設定する。1つの情報項目に対して1つの情報項目レイアウト情報しか設定されていない場合、レイアウト設定部14は、その情報項目に対してはその1つの情報項目レイアウト情報に自動的に特定することができる。図5に示す情報項目レイアウト情報34,35のように、1つの情報項目情報に対応させて、同じ情報項目で構成されている情報項目レイアウト情報がレイアウト情報記憶部23に複数記憶されている場合、レイアウト設定部14は、複数の情報項目レイアウト情報の中から一の情報項目レイアウト情報をユーザに選択させるようにしてもよい。あるいは、例えば、過去に選択された回数の多い方、情報項目レイアウト情報を構成する各情報項目に重みを付けて目的合致度を算出するなどの所定の選択基準に従って、レイアウト設定部14が自動的に選択するようにしてもよい。
以上のようにして情報項目のレイアウトを設定すると、次に、レイアウト設定部14は、情報項目を構成する各掲載項目のレイアウトを設定する(ステップ106)。すなわち、文書作成部15は、文書上にレイアウトされた情報項目のレイアウト枠に掲載項目のコンテンツを配置していくことになるが、レイアウト設定部14は、その配置に使用する掲載項目レイアウト情報を選択することになる。1つの情報項目に対して、構成する掲載項目が同じ掲載項目レイアウト情報が1つしか設定されていない場合、レイアウト設定部14は、その情報項目に対してはその1つの掲載項目レイアウト情報に自動的に特定することができる。図6に示す掲載項目レイアウト情報36,37のように、1つの情報項目に対応させて同じ掲載項目(つまり、「メインコピー」、「サブコピー」及び「イメージ写真」)で構成されている掲載項目レイアウト情報がレイアウト情報記憶部23に複数記憶されている場合、レイアウト設定部14は、複数の掲載項目レイアウト情報の中から一の掲載項目レイアウト情報をユーザに選択させるようにしてもよい。あるいは、例えば、過去に選択された回数の多い方などの所定の選択基準に従って、レイアウト設定部14が自動的に選択するようにしてもよい。
以上のようにして、文書上における情報項目の配置及び情報項目のレイアウト枠内における掲載項目の配置が設定されると、文書作成部15は、コンテンツ取得部13により取得された各コンテンツを、レイアウト設定部14により設定された、対応する掲載項目を掲載する領域(以下、「掲載枠」と称する)に当てはめて配置していくことで文書を作成する(ステップ107)。
以上のようにして、文書を作成することができるが、コンテンツの大きさと、対応する掲載項目の掲載枠との大きさとが不釣り合いとなる場合が考えられる。もちろん、コンテンツを拡縮することで対応することは可能であるが、例えば、縮小しすぎたらコンテンツの内容が視認しづらくなる場合も考えられる。また、文書全体におけるコンテンツのバランスも考える必要がある。そこで、本実施の形態では、文書編集部16を設けた。文書編集部16は、文書作成部15が作成した文書を、ユーザが使用するPCに表示させる。そして、情報項目のレイアウト枠や各情報項目に含まれる掲載項目の掲載枠の大きさを調整させる。このように、文書上におけるコンテンツのバランスをユーザに調整させ、文書を完成させるようにしてもよい。あるいは、常にユーザに調整させるのではなく、文書編集部16は、コンテンツの大きさと対応する掲載項目の掲載枠の大きさを比較し、所定の閾値以内の差異であれば、自動調整し、所定の閾値を超える際の場合に、上記の通りユーザに調整をさせるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザに文書の作成目的を指定させ、その文書の作成目的に適合した項目を漏らすことなく文書を作成することができる。例えば、目的に対応する情報項目構成情報、当該情報項目構成情報に含まれる情報項目情報を構成する各情報項目に対応する掲載項目構成情報、当該情報項目情報に対応する情報項目レイアウト情報、当該情報項目レイアウト情報に含まれる各情報項目に対応する掲載項目レイアウト情報が、各記憶部21〜23にそれぞれ1つずつしか設定されていないとしたならば、文書処理装置10は、目的が指定されると、文書を自動的に作成することができる。ただ、この場合、同じ目的に対しては、同じレイアウトの文書が作成されることになるので、前述したように、同じ目的に対して複数の情報項目構成情報を設定し、同じ情報項目に対して複数の掲載項目構成情報を設定し、同じ情報項目情報に対して複数の情報項目レイアウト情報を設定し、そして同じ情報項目に対して複数の掲載項目レイアウト情報を設定することによって、同じ目的に対して種々のバリエーションの文書、換言するとレイアウトの異なる文書を作成することが可能となる。
以上のようにして、目的に適合した文書を作成できるが、本実施の形態では、より目的に適合するよう文書のスタイルを編集するようにした。
すなわち、スタイル編集部17は、文書の目的情報を目的情報受付部11などから取得すると、スタイル実績情報記憶部24を参照することによって、スタイル実績情報記憶部24に記憶されているスタイル実績情報の中から、取得した目的情報に対応するスタイル情報を含むスタイル実績情報を抽出することで、スタイル情報を取得する。そして、スタイル編集部17は、取得したスタイル情報に従って文書のスタイルを編集する(ステップ108)。このように、本実施の形態においては、過去に作成された同じ目的の文書に適用したスタイル情報を、今回作成した文書にも適用する。
文書の目的情報と同じ目的情報を含むスタイル実績情報がスタイル実績情報記憶部24に複数記憶されている場合、スタイル編集部17は、目的に対応する複数のスタイル情報をユーザに提示して、提示したスタイル情報の中から一のレコード、すなわち一のスタイル情報をユーザに選択させるようにしてもよい。あるいは、例えば、過去に選択回数が最も多いスタイル情報を採用する、あるいは各スタイル項目において最も多い項目値を採用するなどの所定の選択基準に従って、スタイル編集部17が自動的に選択するようにしてもよい。
文書のスタイルが決まると、スタイル編集部17は、続いて強調語句辞書を参照して、強調表示の対象とするコンテンツ又はコンテンツの一部を強調表示部分として特定する。前述したように、強調語句辞書には、強調表示部分を特定するための特定条件が設定されているので、例えば文書に対して自然言語処理を行うことで、文書に含まれている語句を抽出し、抽出した各語句が特定条件に設定されている概念情報に合致するかどうかを判断する。そして、合致する語句に対しては、所定の強調表示処理を施す。コンテンツが画像の場合には、画像解析処理をして画像内の文字を抽出するようにしてもよい。また、本実施の形態では、強調対象を語句としているが、語句のみならず、動物や植物などの物体を画像から抽出して強調表示の対象としてもよい。
また、強調表示の対象としたい語句は、掲載項目の種類、例えばメインコピーや商品案内等コンテンツの種類によって異なってくることが想定できるので、本実施の形態においては、コンテンツの種類によって強調表示とする語句を設定できるようにした。例えば、商品の説明においては、割引率や価格を強調したいと考えられるので、その割引率や価格を表す部分を強調表示できるようにする。
図10A,Bには、所定の強調表示処理により強調表示される前後のコンテンツの例が示されている。このうち、図10Aには、コンテンツ“春の大特売セール”に含まれている文字であって特定条件に設定されている「季節」に該当する“春”という文字を強調表示した例が示されている。図10Aに示す強調表示の方法としては、文字サイズを大きくすることと、文字色をアクセントカラーに変更するという表示形態の変換を行っている。
ところで、図10Aに示した例では、強調表示部分“春”の表示形態を変換したこと、特に文字サイズを大きくしたことに伴い、コンテンツに含まれる“春”以外の部分“の大特売セール”の掲載枠における表示領域が狭くなる。そこで、スタイル編集部17は、強調表示部分以外の部分の表示形態を変更する。具体的には、強調表示部分以外の部分の文字サイズを小さくすることによってコンテンツ全体が、当該コンテンツのために設定されている掲載枠に収まるように調整してもよい。あるいは、強調表示部分“春”の文字サイズを大きくしたことでコンテンツ“春の大特売セール”の掲載枠自体を大きくしてもよい。この場合、スタイル編集部17は、当該強調表示部分を含むコンテンツ以外のコンテンツの配置を調整してもよい。例えば、文書上において、強調表示部分を含むコンテンツに隣接するコンテンツの掲載枠の表示位置をずらしたり、掲載枠の大きさを小さくしたりする。このように、「配置の調整」という概念には、文書上における掲載枠の位置をずらして調整すること加えて、掲載枠の大きさを調整することも含まれる。
また、図10Bには、強調表示部分として特定されたコンテンツ“全品50%オフ”に対して、その背景にグラフィックにて装飾した場合の例が示されている。更に、数値の部分の文字サイズを大きくすることと、文字色をアクセントカラーに変更するという表示形態の変換を行っている。
このように、スタイル編集部17は、特定した強調表示部分を強調表示するよう当該要素の表示形態を変換する。また、強調表示部分以外の部分の表示形態も、強調表示部分の表示形態の変更に応じて文字サイズを小さくするなどの調整を行う。
以上説明したように、本実施の形態によれば、文書に適用したスタイルの過去の実績を参照して、文書の作成目的に対応したスタイルを利用するようにしたので、文書の作成目的に、より適合したスタイルで文書を作成することができる。ただ、そのためには、過去においてスタイルの反響が良かったスタイル、つまり、目的の達成に寄与したと考えられるスタイルを文書に適用するのが望ましい。そこで、スタイル実績情報には、各レコードに反響に応じてランクを付けたり、良い反響が得られたスタイル情報のみをスタイル実績情報記憶部24に残すなどの処理を行うことで、作成する文書が当該文書の作成目的により適合するようにしてもよい。
上記実施の形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
また上記実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施の形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。