以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における広告処理システム5の構成例を示すブック図である。広告処理システム5は、スマートフォン10と広告処理装置20とを含む。スマートフォン10及び広告処理装置20は、ネットワークを介して接続される。ネットワークは、インターネット、公衆通信網(例えばセルラー網)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、等を含んでよい。
広告処理システム5は、電子雑誌等の電子書籍に付される広告に関する処理を行う。電子雑誌に係る電子雑誌データは、電子雑誌の記事に関する記事データと、電子雑誌に付加される広告データを有する。広告処理装置20は、電子雑誌に係る電子雑誌データのレイアウトの決定、決定されたレイアウトの電子雑誌データの生成、生成された電子雑誌データの提供、等を行う。スマートフォン10は、電子雑誌データの受信、電子雑誌データの表示、等を行う。
スマートフォン10は、制御部11、通信部12、記憶部13、操作部14、及び表示部15を備える。スマートフォン10は、例えば、電子雑誌等の電子書籍を閲覧する閲覧者(読者)により所持される。スマートフォン10は、1つ存在でも複数存在でもよい。
制御部11は、例えば、プロセッサが記憶部13に保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)、等を含んでよい。
通信部12は、各種データ、情報を通信する。通信部12による通信方式は、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、電力線通信、赤外線通信、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)通信)、携帯電話用のモバイル通信等の通信方式を含んでよい。通信部12は、電子雑誌を閲覧するためのデータや情報を受信してよい。このデータには、電子雑誌データ、その他のデータを含んでよい。
記憶部13は、一次記憶装置(例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory))を含む。記憶部13は、二次記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive))や三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んでよい。記憶部13は、その他の記憶装置を含んでよい。記憶部13は、各種データ、情報、プログラム等を記憶する。
操作部14は、マウス、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マイクロホン、又はその他の入力デバイスを含んでよい。操作部14は、各種データや情報の入力を受け付ける。操作部14は、電子雑誌を閲覧するための操作情報を受け付ける。操作情報は、電子雑誌データを識別するための識別情報、電子雑誌データの属性に関する属性情報を含んでよい。識別情報は、識別ID、電子雑誌のタイトル、電子雑誌の記事のタイトル、電子雑誌を発行した出版社等の名称、記事を作成した作成者の氏名、等を含んでよい。属性情報は、ジャンル(ファッション雑誌、スポーツ系雑誌、音楽系雑誌)、読者層(性別、年令、等)、発売時期(春夏秋冬)、等を含んでよい。属性情報は、電子書籍のレイアウトの情報を含んでよい。
表示部15は、液晶表示デバイス、有機ELデバイス、又はその他の表示デバイスを含んでよい。表示部は、各種データや情報を表示する。表示部15は、設定されたレイアウトで電子雑誌データの記事データ及び広告データを表示する。
広告処理装置20は、制御部21、通信部22、記憶部23、操作部24、及び表示部25を備える。
制御部21は、例えば、プロセッサが記憶部23に保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU、CPU、DSP、GPU、等を含んでよい。
制御部21は、電子雑誌データを表示するためのレイアウトを決定してよい。制御部21は、決定されたレイアウトに従って、記事データ及び広告データを配置し、電子雑誌データを生成してよい。制御部21は、電子雑誌データの元となる記事データや広告データを、例えば通信部22を介して取得してよく、記憶部23から取得してよい。電子雑誌データの属性(ジャンル、読者層、等)は、記事データの属性を継承してよく、操作部24を介して少なくとも一部の属性の情報が編集者等により入力されてもよい。また、制御部21は、埋草データを配置、取得、等してよい。
通信部22は、各種データ、情報を通信する。通信部22による通信方式は、例えば、WAN、LAN、電力線通信、赤外線通信、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)通信)、携帯電話用のモバイル通信等の通信方式を含んでよい。通信部22は、外部サーバから記事データや広告データや埋草データを受信してよい。受信された記事データや広告データは、記憶部23に蓄積されてよい。記事データや広告データや埋草データには、その識別情報や属性情報が付加されていてよい。埋草データとは、1つのページにおいて記事データ及び広告データが配置されずに残存したスペースを埋めるためのデータである。埋草データは、各種の図形、記号、ピクトグラム、等を含む。
記事データの識別情報は、記事データの識別ID、記事データのタイトル、記事データを発行した発行元等の名称、記事データを作成した作成者の氏名、等を含んでよい。記事データの属性情報は、記事データのジャンル、読者層(需要者層)、作成者、作成時期や作成日、購入金額、レイアウト(例えばデータ進行形式、段組み形式、文字配列形式)の情報、等を含んでよい。
広告データの識別情報は、広告データの識別ID、広告データの名称、広告データを作成した広告会社等の名称、広告データを作成した作成者の氏名、等を含んでよい。広告データの属性情報は、広告データのジャンル、需要者層、作成者、作成時期や作成日、公開可能期間、有効期限、購入金額、レイアウト(例えば文字配列形式)、サイズ(例えば雑誌のレイアウトにおいて広告データを何行分使うか、縦方向及び横方向を考慮してどの程度の領域を使うか)、の情報、等を含んでよい。
例えば、記事データの属性と広告データの属性とに基づいて(例えば両者の属性が一致するように、又は両者の属性が重複しないようにして)、広告データが選択されてよい。
埋草データの属性情報は、埋草データの識別ID、埋草データの名称、埋草データを作成した作成者の氏名、等を含んでよい。埋草データの属性情報は、埋草データのジャンル、読者層(需要者層)、埋草データの作成者、埋草データの作成時期や作成日、埋草データの購入金額の情報、等を含んでよい。例えば、記事データの属性と埋草データの属性とに基づいて(例えば両者の属性が一致するように、又は両者の属性が重複しないようにして)、埋草データが選択されてよい。
通信部22は、生成された電子雑誌データを、スマートフォン10へ送信してよい。
記憶部23は、一次記憶装置(例えばRAMやROM)を含む。記憶部23は、二次記憶装置(例えばHDDやSSD)や三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んでよい。記憶部23は、その他の記憶装置を含んでよい。記憶部23は、各種データ、情報、プログラム等を記憶する。記憶部23は、電子雑誌データの素材となる記事データ、広告データを記憶する。記憶部23は、記事データを蓄積する記事データベース(記事DB)、広告データを蓄積する広告データベース(広告DB)を有してよい。記事データベース、広告データベースは、広告処理装置20とは別体で設けられ、それぞれ記事データベースサーバ、広告データベースサーバで構成されてもよい。また、埋草データは、広告データベースに蓄積されてもよいし、独立した埋草データベースに蓄積されてもよい。
なお、記事データは、紙媒体の印刷物の記事データが流用されて使用されてよいし、電子雑誌用のオリジナルコンテンツであってもよいし、Web上で掲載される記事データが再利用されるものであってもよい。広告データは、紙媒体の印刷物の広告データが流用されて使用されてもよいし、電子雑誌用のオリジナルコンテンツであってもよい。この場合、印刷物のテキスト、画像、音声等が、Web上で使用するための仕様に変換、編集されてよい。また、広告データには、様々な縦横比のサイズを有する複数の広告データが含まれてよい。また、広告データには、クーポンが含まれてよい。クーポンは、クーポンが付される電子雑誌データの記事データの販売を促進するためのものである。
操作部24は、マウス、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マイクロホン、又はその他の入力デバイスを含んでよい。操作部24は、各種データや情報の入力を受け付ける。操作部24は、レイアウトを生成したり、複数のレイアウトのテンプレート群からレイアウトを選択したりするための操作を受け付けてよい。操作部24は、電子雑誌データの元となる記事データや広告データや埋草データを選択する操作を受け付けてよい。この操作は、記事データや広告データや埋草データの識別情報や属性情報を指定する操作を含んでよい。
表示部25は、液晶表示デバイス、有機ELデバイス、又はその他の表示デバイスを含んでよい。表示部は、各種データや情報を表示する。表示部25は、例えば、レイアウトの決定、電子雑誌データの生成、電子雑誌データの提供、等を補助するためのガイド情報を表示してよい。
次に、電子雑誌データのレイアウトについて説明する。
電子雑誌データは、電子雑誌の記事に関する記事データと、電子雑誌に付加される広告データを有する。記事データは、文字データを含み、文字データ以外のデータ(例えば画像(例えば静止画、動画)、図形、等)を含んでもよい。文字データは、日本語又は日本語以外の外国語で示される。広告データは、画像(例えば静止画、動画)、文字、図形、等のデータで示されてよい。電子雑誌データのレイアウトは、電子雑誌データにおいて、記事データや広告データがどのように配置されているかを示す情報を含んでよい。
レイアウトは、記事データを何段で記載するかを示す段組み形式(例えば1段形式、2段形式、3段形式、・・・)の情報を含んでよい。
レイアウトは、電子雑誌データを読み進めるための進行方法を示すデータ進行形式(例えばスクロール形式、ページ形式)の情報を含んでよい。スクロール形式は、ページ毎に電子雑誌データが分割されず、閲覧時に閲覧者が操作部14を介して画面をスクロールしながら読み進める形式である(図12参照)。ページ形式は、電子雑誌データが所定のフォーマット(例えば所定の列数、所定の文字数分の領域)を1ページとし、ページ毎に区分された形式である(図3等参照)。
レイアウトは、記事データにおける文字の配列方向を示す文字配列形式(例えば縦書き形式、横書き形式、)の情報を含んでよい。例えば、記事データが日本語(例えば漢字、ひらがな、カタカナ)の場合、縦書き形式又は横書き形式が選択可能でよい。記事データが外国語(例えば英語、中国語、韓国語、ロシア語)の場合、横書き形式が選択可能でよい。
レイアウトは、ページにおいて記事データを挿入可能な記事挿入可能領域の情報を含んでよい。記事挿入可能領域は、ページ全体でもよいし、ページにおける一部の箇所に限定されていてもよい。記事挿入可能領域は、ページ内において分割されて存在してもよい。
なお、記事データや広告データの動画は、例えば、ユーザ端末において表示された場合に、操作部14を介して動画が選択されると、動画の再生が開始されてよい。また、記事データや広告データには、リンクが付されており、操作部14を介してリンクが選択されると、リンク先のWebページ等に移動可能であってよい。
図2は、広告処理装置20の動作例を示すフローチャートである。
制御部21は、電子雑誌の元となる記事データを取得する(S11)。制御部21は、記憶部23から記事データを取得してよい。制御部21は、通信部22を介して記事データを取得してよい。制御部21は、記憶部23(例えば記事データベース)から広告データを取得してよい。制御部21は、ページ単位で記事データを取得してよい。この場合、1ページ分の記事データの量は、ページのサイズに応じて定まってよい。また、制御部21は、ページを考慮せずに記事データ全体を取得してよい。
制御部21は、電子雑誌の元となる広告データを取得する(S12)。制御部21は、記憶部23から広告データを取得してよい。制御部21は、通信部22を介して広告データを取得してよい。制御部21は、記憶部23(例えば広告データベース)から広告データを取得してよい。制御部21は、記事データの属性情報の少なくとも一部と広告データの属性情報の少なくとも一部とが一致又は対応する広告データを、記事データに対応して挿入される広告データとして決定してよい。制御部21は、決定された広告データを取得してよい。
制御部21は、電子雑誌データにおける記事データと広告データの配置に関するレイアウトの情報を取得する。制御部21は、記憶部23(例えば広告データベース)からレイアウトの情報を取得してよい。制御部21は、通信部22を介してレイアウトの情報を取得してよい。
制御部21は、取得されたレイアウトの情報及び記事データに基づいて、ページにおいて記事データが挿入されない未挿入行数を算出する(S13)。制御部21は、例えば、ページ全体に記事データが存在する場合の記事データの総行数(例えば10行)から、挿入された記事データの行数を減算して、未挿入行数を算出してよい。
制御部21は、未挿入行数の行数に基づいて、ページにおいて広告データを挿入可能な1つ以上の広告挿入可能領域を決定する(S14)。広告挿入可能領域は、1段内に1つ又は複数存在してよい。広告挿入可能領域は、複数段のそれぞれの段内に1つ又は複数存在してよい。広告挿入可能領域は、複数段にわたって1つ又は複数存在してよい。
制御部21は、広告挿入可能領域に含まれる行数が閾値th1(例えば3行)以上であるか否かを判定する(S15)。広告挿入可能領域に含まれる行数が閾値th1未満である場合、制御部21は、このページに広告データを挿入せずに、図2の動作を終了する。なお、この場合、制御部21は、広告挿入可能領域に埋草データを挿入してもよい。
広告挿入可能領域に含まれる行数が閾値th1以上である場合、制御部21は、この広告挿入可能領域の行数に応じて、広告データを挿入する(S16)。この場合、制御部21は、広告データを挿入する際に、テーブルTB1を参照してよい(図11A参照)。また、制御部21は、操作部24を介して、挿入対象の広告データを選択してよい(図11B参照)。また、制御部21は、広告挿入可能領域における広告データの挿入後のスペースに基づいて、埋草データを挿入するか否かを決定し、必要に応じて埋草データを挿入してよい。
図11Aは、広告挿入可能領域の行数と挿入対象の広告データとの関係性を示すテーブルTB1の一例を示す図である。テーブルTB1は、記憶部23に保持されてよい。例えば、制御部21は、広告挿入可能領域の行数が3行である場合、広告データAを選択し、広告データAを電子雑誌データに挿入してよい。制御部21は、広告挿入可能領域の行数が4行である場合、広告データBを選択し、広告データBを電子雑誌データに挿入してよい。制御部21は、広告挿入可能領域の行数が5行である場合、広告データCを選択し、広告データCを電子雑誌データに挿入してよい。この場合、広告データAは記事データ3行分のサイズを有してよい。広告データBは記事データ4行分のサイズを有してよい。広告データCは記事データ5行分のサイズを有してよい。よって、広告処理装置20は、広告挿入可能領域のサイズに応じて、挿入可能な広告データを決定してよい。このように、広告処理装置20は、広告挿入可能領域の行数に応じて自動的に広告データを選択可能である。
図11Bは、手動による広告データの選択例を示す図である。制御部21は、広告挿入可能領域の行数に関わらず、広告挿入可能領域に挿入される複数の広告データの候補(例えば広告K1、広告K2、広告K3、・・・)を表示部25に表示させてよい。この場合、制御部21は、広告データが挿入される電子雑誌データや記事データの属性情報を加味して、広告データの候補を表示させてよい。例えば、電子雑誌データや記事データがスポーツに関するデータである場合、広告データの候補としてスポーツに関する広告データが表示されてよい。表示部25には、広告データの候補のサムネイル画像が表示されてよい。広告処理装置20のユーザは、表示部25に表示された広告データの候補を確認し、操作部24を介して1つの広告データを選択するための選択操作を行う。制御部21は、操作部24から広告データの選択操作の情報を取得する。図11Bでは、操作部24及び表示部25がタッチパネルとして構成されており、広告K6が選択されることを例示している。
このように、広告処理装置20は、手動で広告データを選択可能である。よって、挿入可能な広告データが多数ある場合でも、ユーザは、所望の広告データを選択し易くなる。また、電子雑誌データの生成者が複数の会社(出版社、事業者、等)に分かれている場合でも、広告データの候補を例えば一覧で確認でき、所望の広告データを選び易くなる。
また、S16では、制御部21は、広告挿入可能領域のサイズと、取得された広告データのサイズとが異なる場合、広告挿入可能領域のサイズに合わせて、広告データをリサイズしてよい。例えば、制御部21は、広告挿入可能領域のサイズに関わらずに同じ広告データを選択し、この広告挿入可能領域の行数に応じて、選択された広告データをリサイズしてよい。例えば、制御部21は、広告挿入可能領域の行数が大きい程、広告データの拡大率を大きくし(又は縮小率を小さくし)、広告挿入可能領域の行数が小さい程、広告データの拡大率を小さくし(又は縮小率を大きくし)てよい。
これにより、広告処理装置20は、記事データの視認性に影響を与えずに、広告データが有する情報を欠落せずに閲覧者に伝達できる。
広告処理装置20では、制御部21は、広告データが挿入されて生成された電子雑誌データを記憶部23(例えば電子雑誌データベース)に保持させてよい。電子雑誌データには、付加情報が付加されていてよい。電子雑誌データの付加情報には、電子雑誌データの識別情報や属性情報を含んでよい。電子雑誌データの属性情報は、例えば、電子雑誌データのジャンル、読者層、編集者、出版社、作成時期、公開可能期間、有効期限、購入金額、等を含んでよい。通信部22は、広告データが挿入されて生成された電子雑誌データの識別情報や属性情報を、スマートフォン10に送信可能である。
スマートフォン10では、通信部12は、広告処理装置20からの電子雑誌データの識別情報や属性情報を受信可能である。表示部15は、広告処理システム5によって閲覧や購入が可能な電子雑誌データの識別情報や属性情報を一覧で表示してよい。操作部14は、読者から閲覧や購入を希望する電子雑誌データを指定するための識別情報や属性情報の操作を受けてよい。制御部11は、操作部14から電子雑誌データを指定する操作を受けると、通信部12を介してその電子雑誌データの識別情報を広告処理装置20へ送信する。
広告処理装置20では、制御部21は、通信部22を介して電子雑誌データの識別情報を受信し、記憶部23から識別情報が一致する電子雑誌データを取得し、取得された電子雑誌データを通信部22を介してスマートフォン10へ送信する。制御部21は、必要に応じて、この電子書籍データを購入するための購入処理を行ってよい。
スマートフォン10では、通信部22は、広告処理装置20からの電子雑誌データを受信する。表示部15は、上記の閲覧や購入を希望した電子雑誌データを表示する。これにより、読者は、所望の電子雑誌データをスマートフォン10に表示して読むことができる。
このように、広告処理装置20は、1つのページにおける記事データの量に応じて、広告データを挿入する領域を決定できる。よって、記事データの配置を阻害せずに、広告データを挿入できる。広告挿入可能領域のサイズがある程度以上であることで、広告データの挿入スペースを確保でき、閲覧者が広告データを視認し易くなる。一方、広告挿入可能領域に含まれる行数が過小である場合には、広告データの挿入を中止できる。よって、広告処理装置20は、過小な広告挿入可能領域に広告データが挿入され、広告データの視認が困難となることを抑制できる。
次に、広告データの具体的な挿入例について説明する。
図3は、広告データの第1挿入例を示す図である。図3に示すレイアウトは、段組み形式が2段形式であり、データ進行形式がページ形式であり、文字配列形式が縦書き形式である。図3では、ページPAにおいて10行分の記事データ31が1段目の全体に亘って配置され、2段目は、記事データ31が不在である。よって、ページPAでは、記事データ31が挿入されていない未挿入行数が10行である。制御部21は、未挿入行数10行の領域を、ページPAにおいて広告データを挿入可能な広告挿入可能領域35に決定する。制御部21は、この広告挿入可能領域35に、広告データ32を挿入する。記事データ31と広告データ32とを含んで電子雑誌データ33が構成される。
図4は、広告データの第2挿入例を示す図である。図4に示すレイアウトは、段組み形式が2段形式であり、データ進行形式がページ形式であり、文字配列形式が縦書き形式である。図4では、ページPBにおいて、1段目の全10行分と2段目の5行分の記事データ31が配置され、2段目では6~10行目の5行分の記事データ31が不在である。よって、ページPBでは、記事データ31が挿入されていない未挿入行数が5行である。制御部21は、未挿入行数5行の領域を、ページPBにおいて広告データを挿入可能な広告挿入可能領域35に決定する。制御部21は、この広告挿入可能領域35に、広告データ32を挿入する。
図5は、広告データの第3挿入例を示す図である。図5に示すレイアウトは、段組み形式が2段形式であり、データ進行形式がページ形式であり、文字配列形式が縦書き形式である。図5では、ページPCにおいて、1段目及び2段目ともに、1~5行目の5行分の記事データ31が配置され、6~10行目の5行分の記事データ31が不在である。よって、ページPCでは、1段目及び2段目ともに未挿入行数が5行である。また、1段目及び2段目における同じ行(6~10行目)が、記事データの未挿入行である。図5では、制御部21は、1段目及び2段目の未挿入行の5行を含むように、1つの広告挿入可能領域35に決定する。制御部21は、この広告挿入可能領域35に、広告データ32を挿入する。このように、制御部21は、複数段における同じ行が広告挿入可能領域35に含まれる場合、複数段にわたる同じ行に前記広告データが挿入されてよい。
図6は、広告データの第4挿入例を示す図である。図6に示すレイアウトは、段組み形式が2段形式であり、データ進行形式がページ形式であり、文字配列形式が縦書き形式である。図6では、ページPDにおいて、1段目及び2段目ともに、1~5行目の5行分の記事データ31が配置され、6~10行目の5行分の記事データ31が不在である。よって、ページPDでは、1段目及び2段目ともに未挿入行数が5行である。また、1段目及び2段目における同じ行(6~10行目)が、記事データの未挿入行である。図6では、制御部21は、1段目及び2段目の未挿入行の5行の領域を、それぞれ別個の広告挿入可能領域35に決定する。制御部21は、それぞれの広告挿入可能領域35に、広告データ32を挿入する。このように、制御部21は、複数段における同じ行が広告挿入可能領域35に含まれる場合、1段分の広告挿入可能領域35に広告データを挿入するか、複数段にわたる広告挿入可能領域に広告データを挿入するか、を決定してよい。
図7は、広告データの第5挿入例を示す図である。図7に示すレイアウトは、段組み形式が2段形式であり、データ進行形式がページ形式であり、文字配列形式が縦書き形式である。図7では、ページPEにおいて、1段目では、4~7行目の4行分の記事データ31が配置され、1~3行目の3行分及び8~10行目の3行分の記事データ31が不在である。2段目では、1~10行目の全10行分の記事データ31が配置される。よって、ページPEでは、1段目では、未挿入行数が3行の領域が2つ存在する。制御部21は、1段目の2つの未挿入行の領域を、それぞれ別個の広告挿入可能領域35に決定する。制御部21は、それぞれの広告挿入可能領域35に、広告データ32を挿入する。
図8は、広告データの第6挿入例を示す図である。図6に示すレイアウトは、段組み形式が2段形式であり、データ進行形式がページ形式であり、文字配列形式が縦書き形式である。図8では、ページPFにおいて、1段目では、4~10行目の7行分の記事データ31が配置され、1~3行目の3行分の記事データ31が不在である。2段目では、1~7行目の7行分の記事データ31が配置され、8~10行目の3行分の記事データ31が不在である。制御部21は、1段目及び2段目の2つの未挿入行の領域を、それぞれ別個の広告挿入可能領域35に決定する。制御部21は、それぞれの広告挿入可能領域35に、広告データ32を挿入する。
図9は、広告データの第7挿入例を示す図である。図7に示すレイアウトは、段組み形式が2段形式であり、データ進行形式がページ形式であり、文字配列形式が縦書き形式である。図9では、ページPGにおいて、1段目では、3~7行目の5行分の記事データ31が配置され、1~2行目の2行分及び8~10行目の3行分の記事データ31が不在である。2段目では、1~10行目の全10行分の記事データ31が配置される。制御部21は、1段目の2つの未挿入行の領域を、それぞれ別個の広告挿入可能領域35に決定する。ここで、広告挿入可能領域35に広告データを挿入するための閾値th1が3行であるとすると、1段目の1~2行目に対応する広告挿入可能領域35には広告データが挿入されず、1段目の8~10行目に対応する広告挿入可能領域35には広告データが挿入されることになる。制御部21は、1段目の1~2行目に対応する広告挿入可能領域35に、広告データ32を挿入せず、1段目の8~10行目に対応する広告挿入可能領域35に、広告データ32を挿入する。
図10Aは、広告データの第8挿入例を示す図である。図10Aに示すレイアウトは、段組み形式が2段形式であり、データ進行形式がページ形式であり、文字配列形式が横書き形式である。図10Aでは、ページPHにおいて、1段目の全10行分と2段目の5行分の記事データ31が配置され、2段目では6~10行目の5行分の記事データ31が不在である。よって、ページPHでは、記事データ31が挿入されていない未挿入行数が5行である。制御部21は、未挿入行数5行の領域を、ページPHにおいて広告データを挿入可能な広告挿入可能領域35に決定する。制御部21は、この広告挿入可能領域35に、広告データ32を挿入する。
このように、図10Aに示した広告データの第8挿入例は、第2挿入例の縦書き形式を横書き形式に変更したものに相当する。なお、他の縦書き形式の挿入例を、横書き形式に変更されてもよい。
なお、広告データが文字を有する場合、文字の配列が横書き形式であるか縦書き形式かを示す情報が、広告データに付加される付加情報に含めて広告データベースに保持されてよい。制御部21は、電子雑誌データのレイアウトが横書き形式の場合、横書き形式の広告データのみ挿入可能としてよい。制御部21は、電子雑誌データのレイアウトが縦書き形式の場合、横書き形式と縦書き形式の双方の広告データを挿入可能としてよい。このように、広告処理装置20は、電子雑誌データの文字配列方式に応じて、挿入可能な広告データを決定してよい。これにより、広告処理装置20は、日本語や外国語の記事データの雑誌として違和感のない広告を閲覧させることができる。
図10Bは、埋草データの挿入例を示す図である。図10Bでは、図9において広告データ32を挿入した後に、更に埋草データ36が挿入されることを例示する。
制御部21は、広告データ32の挿入後、広告挿入可能領域35における未挿入行数が閾値th2(例えば2行)以上の行数である場合、又は、広告挿入可能領域における未挿入領域が閾値th3以上のサイズである場合、埋草データ36を挿入してよい。
図10Bでは、図9と同様に広告データ32が挿入されている。更に、広告が挿入されていない広告挿入可能領域35Aが存在し、この広告挿入可能領域35Aにおける未挿入行数は2行であるので、制御部21は、埋草データ36を挿入してよい。この場合、記事データ31や電子雑誌データ33の属性情報を加味して、挿入される埋草データ36を選択し、選択された埋草データ36を挿入してよい。
これにより、広告処理装置20は、広告挿入可能領域35に生じた僅かな隙間も埋めることができる。ここでは、広告データ32の挿入が不可であった広告挿入可能領域35に、埋草データ36を挿入可能であり、ページ内のスペース(余白)を有効活用できる。また、広告処理装置20は、Web上の記事データを再利用する場合でも電子雑誌データ33を編集する場合でも、生じた様々な余白を広告データ32や埋草データ36によって適切に埋めることができる。例えば、広告データ32の挿入のみでは、広告挿入可能領域35の何行分か余る場合、又は行が埋まっても、行の上端や下端に余白が生じる場合に、広告処理装置20は、埋草データ36を挿入することで、限られたページ内のスペースを有効活用できる。
以上のように、本実施形態の広告処理装置20は、電子雑誌データ33に広告データ32を挿入してよい。電子雑誌データ33は、電子雑誌データ33がページ毎に区分されるページ形式であり、記事データ31がページ毎に単数又は複数段に区分される段組み形式であるレイアウトを有してよい。広告処理装置20は、広告データ32の挿入に関する処理を行う処理部(例えば制御部21)を備えてよい。処理部は、電子雑誌データ33の所定のページに記載される記事データ31を取得してよい。処理部は、記事データ31の分量に基づいて、所定のページにおいて記事データ31が挿入されない未挿入行数を導出(例えば算出)してよい。処理部は、未挿入行数の行数に基づいて、所定のページにおいて広告データ32を挿入可能な1つ以上の広告挿入可能領域35を決定してよい。処理部は、広告挿入可能領域35の行数が閾値th1以上である場合、広告挿入可能領域35の行数に応じて、広告データ32を挿入してよい。
これにより、広告処理装置20は、ページ形式とすることで、閲覧者は、印刷媒体において馴染にある方法で電子雑誌を閲覧できる。広告処理装置20は、段組み形式とすることで、レイアウトによって様々な箇所に記事データ31が不在の領域が発生し得るが、記事データ31の配置を阻害せずに、広告挿入可能領域35を決定できる。よって、記事データ31の視認性の低下を防止できる。また、広告処理装置20は、ページ毎に限られたスペースを効率良く活用でき、広告宣伝効果を高めることができる。
また、電子雑誌データ33は、ページ形式であり、段組み形式であり、且つ、電子雑誌データ33の記事データ31が縦方向に記載される縦書き形式であるレイアウトを有してよい。
これにより、広告処理装置20は、ページ形式、縦書き形式、段組み形式とすることで、閲覧者が電子雑誌データ33を主に日本語で読みやすくできる。よって、広告処理装置20は、日本語書籍の読みやすさと、日本語書籍の空きスペースを使用した効率の良い広告機能と、を両立できる。
また、処理部は、広告挿入可能領域35の行数に応じて、広告データ32のサイズを制御してよい。
これにより、広告処理装置20は、例えば、広告挿入可能領域が広告よりも大きい場合、広告挿入後の空白が目立たないように、広告データ32を拡大してから挿入できる。また、広告処理装置20は、例えば、広告挿入可能領域35が広告データ32よりも小さい場合、広告挿入可能領域35に広告データ32が収まるように、広告データ32を縮小してから挿入できる。また、広告処理装置20は、例えば、1ページの大きさが、所定サイズの大きさから、若干縦横比の異なる変形サイズに変換された場合、広告挿入可能領域の大きさが変化し得るが、このような広告挿入可能領域に対しても、広告データ32を効率良く挿入できる。
また、処理部は、複数段における同じ行が広告挿入可能領域35に含まれる場合、複数段にわたる同じ行に広告データ32を挿入してよい。
これにより、広告処理装置20は、複数段にわたって1つの広告データ32を挿入できる。よって、広告処理装置20は、複数の広告挿入可能領域を1つにまとめることができるので、大きな表示スペースを要する広告データ32を挿入できる。なお、複数段における同じ行が広告挿入可能領域35に含まれる場合であっても、複数段の広告挿入可能領域35のそれぞれの行数は同じであっても異なってもよい。例えば、1段目の広告挿入可能領域35が4行であり、2段目の広告挿入可能領域35が4行であり、1段目と2段目の広告挿入可能領域35の4行分において対向していてもよい。また、例えば、1段目の広告挿入可能領域35が4行であり、2段目の広告挿入可能領域35が4行と異なる行数(例えば5行)であり、1段目と2段目の広告挿入可能領域35の4行分において対向していてもよい。
また、処理部は、複数段における同じ行が広告挿入可能領域に含まれる場合、1段分の広告挿入可能領域35に広告データ32を挿入するか、複数段にわたる広告挿入可能領域に広告データ32を挿入するか、を決定してよい。
これにより、広告処理装置20は、複数段にわたって1つの広告データ32を挿入できる場合に、ユーザ所望の広告の挿入方法を選択でき、ユーザの利便性を向上できる。例えば、広告処理装置20は、複数の広告挿入可能領域35を1つにまとめる場合、大きな表示スペースを要する広告データ32を挿入できる。また、複数の広告挿入可能領域35のそれぞれに異なる広告データ32を挿入する場合、広告処理装置20は、同じページ内で複数(例えば多数)の広告を挿入可能である。
また、処理部は、記事データ31の属性に関する属性情報に基づいて、広告データの32候補を複数取得し、複数の広告データ32の候補を表示させてよい。処理部は、操作部24を介して、複数の広告データ32の候補の中から、広告挿入可能領域35に挿入される広告データ32を決定してよい。これにより、広告処理装置20は、手動によりユーザが所望する広告データ32を選択できる。
また、処理部は、広告挿入可能領域35から広告データ32が挿入された広告挿入領域を除いた残領域の大きさが閾値th2又は閾値th3(第2の閾値の一例)以上である場合、埋草データ36を挿入してよい。これにより、広告処理装置20は、広告データ32の挿入が困難な小さなスペースであっても、埋草データ36を挿入してスペースを有効活用できる。
また、電子雑誌データ33は、スマートフォン10の表示部15に表示されてよい。
これにより、広告処理装置20は、スマートフォン10のような小さな表示部を介して閲覧者が電子雑誌データ33を閲覧する場合でも、記事データ31と効率良く挿入された広告データ32とを読みやすくできる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、例えば1つの広告処理装置が単一の雑誌の記事データや単一の出版社の記事データを管理し、記事データに広告データを挿入して電子雑誌データを生成することを例示した。第2の実施形態では、例えば複数の雑誌の記事データや複数の出版社の記事データを集約して管理し、記事データに広告データを挿入して電子雑誌データを生成することを例示する。つまり、第2の実施形態では、複数の雑誌の電子雑誌データや複数の出版社の記事データを集約して管理するプラットフォームを提供可能である。
図13は、第2の実施形態における広告処理システム5Aの構成例を示すブック図である。図13の広告処理システム5Aにおいて、図1の広告処理システム5と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
広告処理システム5Aは、スマートフォン10と広告処理装置20と記事データベースサーバ40と広告データベースサーバ50とを含む。広告処理装置20は、記事データベースサーバ40及び広告データベースサーバ50とネットワークを介して接続される。ネットワークは、インターネット、公衆通信網(例えばセルラー網)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、等を含んでよい。なお、記事データベースサーバ40及び広告データベースサーバ50の少なくとも一方は、広告処理装置20に含まれてもよい。
記事データベースサーバ40は、様々な記事データを集約して管理する。記事データベースサーバ40は、記事データと記事データに付加される付加情報を保持する。付加情報は、記事データに関する属性情報を含む。記事データベースサーバは、少なくとも、第1の実施形態で示した記事データベースが保持する情報を保持してよい。また、記事データは、コンテンツプロバイダであるネットメディアが提供する記事に関する記事データを含んでよい。コンテンツプロバイダやネットメディアは複数存在してよい。記事データは、出版社が提供する雑誌の記事データを含んでよい。記事データは、小売業者やメーカーなどが提供するネット通販商品に関する記事データを含んでよい。
広告データベースサーバ50は、様々な広告データを集約して管理する。広告データベースサーバ50は、広告データと広告データに付加される付加情報を保持する。付加情報は、広告データに関する属性情報を含む。広告データベースサーバは、少なくとも、第1の実施形態で示した広告データベースが保持する情報を保持してよい。また、広告データは、広告主が提供する電子雑誌向けの広告データ、電子チラシ用の広告データ、フリーペーパー用の広告データ、等を含んでよい。
広告処理装置20では、通信部22が、記事データベースサーバ40から記事データを受信し、広告データベースサーバ50から広告データを受信する。制御部21は、取得された記事データ及び広告データを基に、第1の実施形態と同様の手法で、記事データに広告データを挿入して電子雑誌データを生成してよい。通信部22は、生成された電子雑誌データを、スマートフォン10へ提供してよい。
図14は、電子雑誌プラットフォームPFの一例を示す概念図である。
電子雑誌プラットフォームPFには、コンテンツプロバイダであるネットメディアが提供するスマホ向けの電子雑誌用の記事データが集約して蓄積されてよい。電子雑誌プラットフォームPFには、出版社が提供するスマホ向けの電子雑誌用の記事データが集約されて蓄積されてよい。電子雑誌プラットフォームPFには、広告主が提供する電子雑誌向けの広告データ、電子チラシ用の広告データ、フリーペーパー用の広告データ、等が集約されて蓄積されてよい。電子雑誌プラットフォームPFには、小売業者やメーカー等が提供するネット通販商品が集約されて蓄積されてよい。
スマートフォン10のユーザ等は、スマートフォン10に提供された記事データ及び広告データを有する電子雑誌プラットフォームPFを確認し、操作部14を介して所望の商品(電子雑誌、ネット通販商品、等)の購入を要求する。通信部12は、所望の商品の購入要求(例えば商品の識別情報を含む)を広告処理装置20へ送信する。広告処理装置20では、通信部22は、商品の購入要求を受信し、購入要求に対して、該当する商品をスマートフォン10やユーザへ提供する。
このように、広告処理システム5は、電子雑誌データを生成するための素材となる記事データや広告データを、広告処理装置20とは異なる記事データベースサーバ40や広告データベースサーバ50に集約して管理できる。よって、記事データや広告データを作成するコンテンツプロバイダ、出版社、広告主のいずれが代表して、又は、コンテンツプロバイダ、出版社、広告主に代わって、記事データや広告データを集約して管理し、電子雑誌データを作成し、電子雑誌プラットフォームを提供できる。電子雑誌プラットフォームの管理者(管理サーバととしての広告処理装置20)は、コンテンツプロバイダ、出版社、広告主、等から、アップロード等により記事データや広告データの提供を受けることで、記事データに対して好適な広告データが好適なレイアウトにより挿入された電子雑誌データを、記事データの作成元の出版社等を区別することなく電子雑誌プラットフォームPFを介して提供できる。ユーザは、電子雑誌プラットフォームをPF介して、記事データの作成元を意識することなく、様々な作成元の電子雑誌データ等の商品の提供を受けることができる。
なお、電子雑誌プラットフォームPFによって電子雑誌が掲載、管理されることを例示したが、電子雑誌以外のもの(例えば電子書籍)を含んでプラットフォームによって一括管理されてよい。
(第1の実施形態及び第2の実施形態の補足)
次に、第1の実施形態及び第2の実施形態を補足する。
広告処理装置20は、多数のコンテンツの中からテーマに合わせて電子雑誌向けの記事を選択し、再編集して、電子雑誌を生成できる。コンテンツは、Webオリジナルのコンテンツを含んでよく、ニュース記事、コラム記事、特集記事、等を含んでよい。広告処理装置20は、スマートフォン20専用の電子雑誌のためのデザインレイアウトにすることができる。
Web上のコンテンツ(Webコンテンツ)は、記事単位で読まれ、コンテンツが細分化され得る。一方、電子雑誌は、あるコンセプトを基に記事(コンテンツ)を選択し、パッケージ化可能である。また、Webコンテンツは、ページを例えば縦方向にスクロールをし、ページの概念が無いものが存在する。一方、電子雑誌は、ページ単位でレイアウト可能である。また、電子雑誌のレイアウトを縦書き形式、段組み形式とすることができる。よって、シニア世代に対しては、印刷雑誌に感覚が近い電子雑誌によって、懐かしさを与えることができ、若者(スマホネイティブ)世代に対しては、既存のWebコンテンツの閲覧とは異なる新鮮さを与えることができる。
また、広告処理装置20は、ネットコンテンツの記事を再編集して、電子雑誌データを生成できる。制御部21は、記事データとしてWeb記事(Webコンテンツ)を用い、Web記事の再編集により電子雑誌データを生成してよい。これにより、記事データを作成する場合と比較して、コストダウンを図れる。
また、広告処理システム5,5Aは、複数の電子雑誌の販売等を管理する電子雑誌プラットフォームを提供できる。この際、広告処理システム5,5Aは、中吊り広告を利用した出版物編集システムの技術を適用してよい(参考特許文献1参照)。広告処理システム5,5Aは、この出版物編集システムを適用することで、広告処理システム5,5Aは、Web上の販売プラットフォームにアクセスし、販売プラットフォームで掲載、管理された電子雑誌データを購入、決済できる。
(参考特許文献1:特許第5965886号公報)
また、電子雑誌データのレイアウトが縦書き形式であることで、日本のコンテンツの魅力的表現を実現する。例えば、英文、欧文の雑誌では、基本的には本文の文字列、見出しは横書きとなる。これに対して、和文の雑誌では、縦書き又は横書きの本文と見出しが可能である。さらに、和文の雑誌では、漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベットなどの本文、見出しが、縦横自在に配置することができる。これにより、広告処理システム5,5Aは、誌面のデザインの表現の幅を広くでき、読者へのサービス精神をデザインに込めることができる。
また、PCやスマートフォンのブラウザでは、現在も横書きが基本である。これに対し、広告処理装置20は、和文の特性、優位性である縦横自在の文字の配列によるデザインを可能としている。
Web記事(Webコンテンツ)は、インターネット上に掲出可能な形式、仕様で制作、掲載されている。広告処理装置20は、通信部22がWebコンテンツを取得し、制御部21が、Webコンテンツの形式を、印刷仕様の形式、仕様に変換してよい。印刷物とWebコンテンツはいずれも素材と素材をデザインするアートディレクション(AD)で組み立てられる。制御部21は、Webコンテンツを素材(1つ1つの記事)に分解し、それを収容する記事データベース、記事データベースサーバ40に格納してよい。制御部21は、記事データベース、記事データベースサーバ40に格納された素材をそのまま、又は素材の一部を修正して、所定の印刷物仕様デザイン(レイアウト)で再編集してよい。この際、制御部21は、各種のバージョンのHTML、JavaScript(登録商標)、DOM、APIなどフロントエンド技術を用いてよい。制御部21は、Web仕様を、DTPなどの印刷物仕様へ変換してよい。
広告処理システム5は、再編集したコンテンツ(電子雑誌データ)を、電子コンテンツの流通プラットホーム(電子雑誌プラットフォーム)に載せて管理し、読者に販売してよい。広告処理装置20は、編集素材(電子雑誌の記事データ)をネット上から取得することで、大幅な費用の削減が可能となる。また、広告処理装置20は、記事データを独自に制作してもよい。
Web記事は、テキスト(文章)、ビジュアル(写真、イラスト、地図などの素材)を含んでよい。テキストは、主見出し、中見出し、前文、本文、ビジュアルの説明、クレジット、等を含んでよい。Web記事は、電子雑誌データの記事データであってよい。
広告処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、再編集の素材となるWeb記事をWeb上から取得し、再編集用の素材データベース(記事データベース)に格納してよい。制御部21は、それぞれの素材に、その種類(本文、見出し等)の符号(識別情報の一例)を付けて、再編集時に識別情報を用いて素材を抽出可能にしておいてよい。また、素材の容量、属性等も付記し、付加情報として記事データベースに保持されてよい。属性情報は、テキスト本文の行数、パラグラフ数、主見出し文字数や行数、等を含んでよい。
制御部21は、再編集する雑誌のアートディレクション、ページ毎のデザインコンセプトを作成してよい。この場合、制御部21は、操作部24を介してユーザ(例えば編集者)の指示を受け付けてよい。制御部21は、ページ毎に例えば格子状に目盛りを設定し、右端の位置からの距離、或いは左右、上下からの位置を目盛化して、テキストの開始位置及び終了位置を縦横の数値で表現してよい。制御部21は、ビジュアル、見出し等についても、同様の手法で開始位置や終了位置を指定できる。制御部21は、表紙、目次、記事、等が挿入されるページのレイアウトを決定する。制御部21は、例えば記憶部23に保持されたレイアウトのテンプレート群から1つのテンプレートを選択してよい。例えば、制御部21は、レイアウトとして、段組みの種類(例えば3段組み、4段組み、5段組み)、横書き方式のページ、囲みのページ、等を決定してよい。制御部21は、レイアウトとして、電子雑誌の記事に付ける見出しの大きさの種類(1段見出し、2段見出し、3段見出し、4段見出し、5段見出し)、見出しの文字配列方向(例えば横組み見出し)、見出しの位置の種類(記事の先頭、記事の中央等)、等を決定してよい。制御部21は、レイアウトとして、ビジュアルの大きさ、ビジュアルの縦横の比率等、を決定してよい。制御部21は、ビジュアルに付加されるキャプションの位置、縦横の比率、大きさ、等を決定してよい。
制御部21は、Web記事をそれぞれどのレイアウトパターンに収容するかを決定してよい。制御部21は、記事、見出し、ビジュアル等を素材データベース(記事データベース)から取出し、位置を指定して組み上がるように編集してよい。制御部21は、例えば記憶部23に保持されたプログラムを実行することで、この編集を行ってよい。
また、制御部21は、レイアウトを適宜修正してもよい。
例えば、制御部21は、Web記事の行数が多く、レイアウトで指定された文字数に収まらない場合、操作部24を介して文字数を削減してよい。制御部21は、文字数の削減量が多い場合、文字数を削減する前に、複数ページをまたぐレイアウトに変更してよい。制御部21は、複数ページをまたぐレイアウトに変更後、操作部24を介して文字数を削減してよい。制御部21は、ビジュアルのサイズを変更し、Web記事を記載可能な行数を増やしてもよい。制御部21は、Web記事の行数に基づいて、ビジュアルのサイズの変更量を決定してよい。
また、制御部21は、Web記事の行数が不足し、ページ上で記事が存在しない白紙部分が存在する場合、ビジュアルの大きさに基づいて広告データのサイズを調整し、広告を挿入してよい。例えば、制御部21は、3分の1広告、突出し広告、1段広告など、広告データの表示サイズを選択し、選択された大きさに合う広告データを広告データベースから抽出し、挿入してよい。また、制御部21は、Web記事の行数を、改行によって行数を増やしてよい。
電子雑誌に対する広告配信は、ADネットワーク(アドネットワーク)という方式で行われてよい。電子雑誌では、広告を収容したサーバ(広告データベース、広告データベースサーバ)から、ネットワークを介して指定された送信先に広告データを送り、広告データを掲載するアドネットワークが普及することが想定される。アドネットワークでは、同じ広告データが媒体の指定場所に配信され、表示され、広告データを閲覧又は広告データに対してクリックされると、閲覧又は選択された広告データに係る代金を支払う仕組みが想定される。なお、広告の挿入では、電子雑誌の編集段階で広告サーバを収容したサーバからダウンロードして挿入されてよいし、ユーザのスマートフォン10によりアドネットワーク方式で挿入されることが考えられる。
制御部21は、アドネットワークを利用して、複数以上の媒体誌から指定されたページ及びページにおける位置に、指定されたサイズの広告データを提供する。これによって、広告処理システム5,5Aは、ネット記事の流用により出現したスペースの穴埋めを自動化し、広告掲載という収入源とすることができる。
制御部21は、例えば操作部24を介して発行者や編集者からの操作を受け、電子雑誌において広告データが付加されるページ上の位置、サイズ、形態、広告のジャンルを決定し、付加情報として広告データベースに保持させておいてよい。制御部21は、例えば操作部24を介して発行者や編集者からの指示を受け、広告の挿入を許否する条件(競合者、業種、デザイン、等)を決定し、付加情報として広告データベースに保持させておいてよい。
また制御部21は、例えば操作部24を介して広告主や広告代理店からの操作を受け、配信する(ピックアップされる)広告データについて、拒否する媒体、ジャンル、等を決定し、付加情報として広告データベースに保持させておいてよい。これによって、広告主や広告代理店は、意図しない媒体が勝手に広告原稿を使用することを防止できる。
印刷雑誌においても、広告のサイズは媒体の面のサイズに合わせて縮尺、拡大して掲載することが多い。広告原稿は、左右、縦横のサイズが多少変わっても見られるようにデザインされており、スマートフォン10の小さな画面(表示部15)であれば、穴埋め用の広告データは極めて貴重な調整機能を持つことになる。例えば、制御部21は、2行や3行の空きスペースに挿入される広告データのサイズを調整してよい。
制御部21は、生成された記事データ及び広告データを含む電子雑誌データを、所定のファイル形式に変換する。ファイル形式は、ePUB(Electronic Publication)、PDF、拡張子が「.book」の形式、拡張子がXMDFの形式、等を含んでよい。
また、Web上では電子書籍を販売する電子書店が存在し、その卸、取次ぎもある。よって、電子書籍の流通システムは、印刷物の流通システムと類似した仕組みとなっている。この電子書籍の流通システムの管理対象に、定期刊行物(電子雑誌)を追加する。つまり、電子書籍プラットフォーム(電子雑誌プラットフォーム)に、定期刊行物等の電子雑誌を掲載する。
広告処理システム5は、コンテンツ(電子雑誌)を提供するコンテンツサーバ(例えば記事データベース、記事データベースサーバ40)、読者を管理し、決済を実行する読者管理サーバ(例えば広告処理装置20)、広告コンテンツを提供する広告サーバ(例えば広告データベース、広告データベースサーバ50)、等を有してよい。
また、印刷雑誌の魅力は、個々の記事の視点、構成、表現、デザインによるところがある。また、記事の組み合わせ、配置、全体のアートディレクションが印刷雑誌の個性を創出する。広告処理システム5,5Aは、印刷雑誌のレイアウトをテンプレートとして広告処理装置20の記憶部23に保持しておき、印刷雑誌のレイアウトを使用して電子雑誌のレイアウトを決定してよい。したがって、広告処理システム5,5Aは、印刷物の魅力を残す形で、電子雑誌を制作でき、印刷雑誌の商品価値を継承できる。
また、制御部21は、テンプレートへの組み込んだ記事データを、全体のアートディレクションに従って、操作部24を介してデザイナーや編集者からの操作を受けて、修正してよい。これにより、広告処理システム5,5Aは、電子雑誌に手作り感の優しさを残すことができ、現状の印刷雑誌をそのままファイルにした電子雑誌の形態と比較すると、優位性があると考えられる。
また、広告データは、広告データ自体でもよいし、広告データに対応するリンクの情報でもよい。よって、広告データ自体が電子雑誌データに埋め込まれているのではなく、広告データに対応するリンクが電子雑誌データに埋め込まれていてもよい。電子雑誌データは、インターネットに接続してダウンロードされ、ダウンロード後にはオフラインで閲覧され得る。そのため、制御部21は、電子雑誌データの広告データに含まれる画像のリンクが操作部24を介してクリックされると、リンクに対応する画像をダウンロードし、画像データを表示してもよい。また、将来、回線の容量が大きくなると、電子雑誌データにおいてリンクから展開可能なファイルを多く対応付け可能となる。制御部21は、リンクがクリックされると、リンクに対応するファイルを展開してよい。つまり、広告データや埋草データがクリッカブルであってもよい。
また、従来、インターネット上で電子雑誌を展開する計画は多く作られたが、制作費を売上げで賄えないために実現しておらず、制作コストの削減が業界の課題であった。近年、インターネット上にコンテンツが大量に展開されるようになった。インターネット上のコンテンツは初期には印刷物のコンテンツを流用することから始まったが、インターネットのオリジナルコンテンツが急増することでコンテンツ及び情報の量が、印刷物とインターネット上のコンテンツとで逆転する状態となった。この環境を利用して、印刷からインターネットへの流用の逆、つまりインターネット上のコンテンツから印刷物の制作が可能となった。印刷コンテンツ自体は減少傾向であるが、本実施形態の広告処理システム5は、紙媒体の雑誌と同様の特性を持つ、電子雑誌のコンテンツ素材(記事データ)としてネットコンテンツを流用することができる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
上記実施形態では、記事データが不在の領域に広告データを挿入して電子雑誌データを生成することを例示したが、電子雑誌データ以外の電子書籍データを生成してもよい。
上記実施形態では、広告挿入可能領域35に広告データを挿入することを例示したが、広告データ以外の情報を挿入してもよい。例えば、制御部21は、次のページの内容に関する予告情報を出し、読者が読み進めたくなるような情報としてもよい。
上記実施形態では、段組み形式が2段形式のレイアウトであることを主に例示したが、1段形式(つまり段組みされていない)でも3段以上の段組み形式であってもよい。