JP2021099481A - 近赤外線吸収板およびこれを含む光学装置 - Google Patents

近赤外線吸収板およびこれを含む光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光吸収層を構成する複数の有機物間の相互作用による可視光透過率および近赤外線吸収率の低下を防止することができる近赤外線吸収板を提供すること【解決手段】ガラス基板100と、互いに分離して存在する第1光吸収層200および第2光吸収層300と、を含み、前記第1光吸収層200は、850nm以上1,200nm以下の範囲内のいずれか一つの波長で吸収極大を有し、前記第2光吸収層300は、650nm以上750nm以下の範囲内のいずれか一つの波長で吸収極大を有し、前記第1光吸収層200は、平均粒径が1μm以下の粒子を含む、近赤外線吸収板。【効果】薄型化が可能であり強度または耐熱性等の機械的物性に優れている。【選択図】図3

Description

本出願は、近赤外線吸収板と、これを含む光学装置に関する。
最近、スマートフォンとタブレットPCの普及拡大等に伴い、イメージセンサーを用いたデジタルカメラモジュールの需要が大きく増えている。このようなモバイル機器に用いられるデジタルカメラモジュールの発展方向は、薄型化と高画質を追求する方向に発展する状況である。
デジタルカメラモジュールの映像信号は、イメージセンサーを通じて取得される。半導体からなるイメージセンサーは、人の目とは異なって、赤外線領域の波長でも反応する。したがって、人の目で見るのと類似した映像情報を得るために、赤外線領域の波長を遮断する赤外線遮断フィルター(Infrared−ray Cut Filter,IRCF)が要求される。
IRCFの一例として、(1)ガラス基板に誘電体多層膜を蒸着させて製造された、赤外線を反射させて可視光領域の光のみを透過する反射型フィルターが挙げられる。しかしながら、反射型フィルターは、近赤外線領域の光を吸収しないので、カメラモジュール内で内面反射が激しい。内面反射は、イメージのゴースト現象(現像されたイメージがぼやけて認識されたりまたは実際には存在しないイメージが現れたりする現象)の主な原因である。
IRCFの他の例として、(2)無機粒子が分散して青色を示すガラス基板(いわゆる、「blue glass」とも知られている)に誘電体多層膜を蒸着させて製造された、近赤外線の光を吸収および反射させる無機物吸収型フィルター(ブルーフィルターとも呼ぶ)が挙げられる。ブルーフィルターは、近赤外線吸収を通じて前述したゴースト現象を抑制する効果がある。しかしながら、ブルーフィルターは、脆性が大きいので、IRCFの総厚さを0.2mm以下に薄型化を達成しようとする技術的傾向には符合しない。
IRCFのさらに他の例として、(3)透明基材に互いに異なる波長範囲内で吸収極大を有する複数の有機物(光吸収剤)を含み、誘電体多層膜を蒸着させて製造されて近赤外線を吸収および反射させることができる有機物吸収型フィルターを考慮することができる。有機物吸収型フィルターは、無機物吸収型フィルターに比べて比較的自由に当該フィルターが吸収し得る光の波長を調節することができるので、赤外線領域の波長の光の吸収を増加させ、可視光線領域の波長の光の吸収を減少させるのに有利である。また、光吸収剤が適用された光吸収層を別途適用するので、基材を選択するのに制約がなく、強度の高い基材を自由に選択することができるという利点がある。しかしながら、前記光吸収層において前記有機物間の相互作用(interaction)が起こるので、有機物吸収型フィルターは、前記有機物間の相互作用による可視光透過率の低下および近赤外線吸収率の減少等の問題点を有する。
これより、前記光吸収層を構成する有機物間の相互作用による可視光透過率および近赤外線吸収率の低下を防止することができる赤外線遮断フィルターの開発が必要であるのが現状である。
韓国公開特許第10−2009−0051250号公報
本出願では、光吸収層を構成する複数の有機物間の相互作用による可視光透過率および近赤外線吸収率の低下を防止することができる近赤外線吸収板を提供することを目的とする。
本出願の一実施形態は、近赤外線吸収板(特に、近赤外線吸収円板)に関する。
本出願の近赤外線吸収板は、ガラス基板と、前記ガラス基板の一面または両面に存在する光吸収層とを少なくとも含む。また、本出願の近赤外線吸収板では、前記光吸収層が複数の層で存在する。
具体的に、本出願の近赤外線吸収板では、互いに異なる光学特性、またはこれを構成する成分の存在形態等が互いに異なる複数の光吸収層を少なくとも含む。また、前記複数の光吸収層は、互いに区別されている状態で存在する。すなわち、本出願の近赤外線吸収板は、ガラス基板と、第1光吸収層および第2光吸収層を含み、前記第1および第2光吸収層は、互いに異なる光学的特性またはこれを構成する成分の存在形態等が互いに異なっている。そして、前記第1および第2光吸収層は、互いに物理的に分離して、個別的(あるいは独立的)に存在する。
前記第1および第2光吸収層は、具体的に、互いに異なる光学的特性を有する。具体的に、前記第1光吸収層および第2光吸収層は、それぞれの吸収極大が存在する波長の範囲が異なっている。後述するが、これは、前記第1光吸収層および前記第2光吸収層が互いに異なる色素を含むためである。
前記第1光吸収層は、850nm以上1,200nm以下の範囲内のいずれか一つの波長で吸収極大を有する。前記第2光吸収層は、650nm以上750nm以下の範囲内のいずれか一つの波長で吸収極大を有する。すなわち、本出願の近赤外線吸収板は、互いに異なる波長帯の光を吸収し得る機能性層を独立して配置させるので、可視光線透過率と近赤外線吸収率を向上させることができる。これは、互いに異なる吸収極大を含む成分(例えば色素)を一つの層にのみ適用することとは全く異なる方式である。互いに異なる吸収極大を含む成分を一つの層にのみ適用すると、その成分間の相互作用に起因してかえって可視光透過率が減少し、近赤外線透過率が増加する問題が発生することがある。
本出願において、用語「吸収極大」は、波長に対する吸光度〜透過率スペクトルで、特定波長の光で最大吸光度〜最小透過率を示すとき、その透過率〜吸光度を意味する。
したがって、前記第1光吸収層は、850nm以上1,200nm以下の範囲内のいずれか一つの波長で最大吸収率を有するか、最小透過率を有する。また、前記第2光吸収層は、650nm以上750nm以下の範囲内のいずれか一つの波長で最大吸収率を有するか、最小透過率を有する。
第1光吸収層または第2光吸収層等の層の吸収極大を測定する方式は、特に制限されるものではなく、例えば後述する実施例において言及する測定方式を適用することができる。
前記第1または第2光吸収層の前記第1または第2光吸収層そのものに対して測定した吸収極大であってもよく、または前記光吸収層を公知のガラス基板上に位置させた積層体に対して測定した吸収極大であってもよい。
前記第1光吸収層には、サイズが特定値以下の粒子が存在する。すなわち、前記第1光吸収層は、サイズ(具体的には平均粒径)が1μm以下の粒子を含む。これは、後述するが、第1光吸収層がその層内で溶解しない色素を含むためである。換言すれば、前記第1光吸収層が、特定の高分子と、該高分子に分散した色素とを含み、その色素が適切な条件で分散しているためである。
前記粒子のサイズは、前述したように、前記粒子の平均粒径である。前記平均粒径は、公知の体積平均粒径(Volume Mean Diamete)であるか、またはD50粒径でありうる。体積平均粒径は、公知のDe Broucker mean diameterを意味する。D50粒径は、粒子の動的光散乱法のStokes−Einstein relationshipを用いて得られた粒度分布における中間値を意味する。
前述したように、互いに異なる光学特性を有する第1光吸収層と第2光吸収層を分離して存在させ、前記第1光吸収層、具体的に前記第1光吸収層にのみ特定値以下の平均粒径を有する粒子が存在するように設計すると、本出願の目的、例えば、優れた可視光線透過率と近赤外線吸収率を有する赤外線遮断フィルターへの適用にさらに適した近赤外線吸収板を提供することができる。
反面、前記第1光吸収層および第2光吸収層のいずれにも粒子が存在しない場合、前記第1光吸収層に粒子が存在しても、そのサイズ(具体的に平均粒径)が本出願で規定する範囲を超過すると、前記第1光吸収層の耐熱性が低下したり、近赤外線吸収板の可視光透過率と(近)赤外線吸収率が大きく減少したりする問題がある。
前記第1光吸収層に存在する粒子の平均粒径は、別の例として、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下または0.5μm以下であり得、10nm以上または30nm以上でありうる。
本出願の近赤外線吸収板が有する光吸収層は、少なくともバインダー樹脂と色素を含むことができる。バインダー樹脂は、前記光吸収層の固定力を確保するために適用されるものでありうる。
一方、本出願では、少なくとも2種類の光吸収層を含み、これら間の光学的特性、あるいは、その成分の存在形態が異なるように設計するので、前記バインダー樹脂と色素の種類と配合形態等が適宜変更され得る。以下では、第1光吸収層が含むバインダー樹脂及び色素をそれぞれ第1バインダー樹脂及び第1色素と称し、第2光吸収層が含むバインダー樹脂及び色素をそれぞれ第2バインダー樹脂及び第2色素と称する。各光吸収層を形成する方式等は後述する。
バインダー樹脂の種類は、非制限的である。光吸収層が目的とする光学的物性を示すようにする見方から、バインダー樹脂として光学的に透明な樹脂を適用することが良い。
「光学的に透明である(Optically Clear)」というのは、可視光線の範疇にあるいずれか一つの波長の光(例えば550nmの波長の光)に対する透過率が90%以上、95%以上、99%以上または略100%であることを意味し得る。
バインダー樹脂としては、環状オレフィン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンフタレート系樹脂、またはこれらのうち2種以上の混合物が挙げられる。
第1バインダー樹脂と第2バインダー樹脂としては、互いに同じものを適用してもよく、互いに異なるものを適用してもよい。
第1光吸収層は、特定値以下の平均粒径を有する粒子を含む。このような粒子は、第1光吸収層が含む第1色素の存在形態によって生成されたものでありうる。すなわち第1光吸収層は、第1バインダー樹脂と、第1色素とを含むが、この際、前記第1色素は、前記第1バインダー樹脂に分散していてもよく、前記で言及した粒子は、前記第1色素の粒子でありうる。
ここで、特定成分が特定のバインダー樹脂に分散しているというのは、そのバインダー樹脂あるいはこれと共に配合される溶媒に溶解しないので、肉眼で観察可能であり、その成分で構成された複数の物質がバインダー樹脂内で規則的あるいは不規則的に散在していることを意味することもできる。
前記第1色素の種類は、前述した第1光吸収層の光学的物性(吸収極大等)を示すようにすることができ、第1バインダー樹脂に分散することができるものであれば、非制限的である。前記第1色素としては、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、ベンゾポルフィリン系化合物、スクアリリウム系化合物、アントラキノン系化合物、クロコニウム系化合物、ジチオ―ル金属錯化合物またはこれらの組合せ等を適用することができる。
前述した吸収極大等の物性を最も容易に確保する見方から、前記第1色素としては、ジイモニウム系化合物を適用することが適切である。ジイモニウム系化合物は、下記化学式1で表される化合物でありうる。したがって、前記第1色素は、下記化学式1の化合物を含むことができる。
Figure 2021099481
化学式1で、R1〜R8は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であり、R9〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルキル基またはアルコキシ基であり、Xは、アニオンである。
アニオンは、例えば、Cl、I、F、ClO 、BF 、SbF 、CFSO またはCHSO 等を含む。
前記第1光吸収層における前記第1色素の含量は、後述する方法で適用される組成物における比率によって変えることができ、前述した吸収極大を示す範囲内で適宜調節され得る。
前述した第1光吸収層と異なる光学特性、具体的に異なる吸収極大を有する第2光吸収層も、バインダー樹脂(第2バインダー樹脂)と、色素(第2色素)とを含むことができる。第2光吸収層は、前記第1光吸収層と異なる光学的特性を示すので、少なくとも第2色素は、存在形態および/またはその種類が前記第1色素と異なっていてもよい。
前記第1光吸収層の製造過程で前記第1色素は、分散して、例えば粒子形態で存在することができる反面、前記第2光吸収層の製造過程で前記第2色素は溶解していてもよい。その結果、前記第2光吸収層において前記第2色素は、前記第2バインダー樹脂を着色することができる。すなわち前記第2光吸収層は、第2バインダー樹脂と、前記第2バインダー樹脂を着色する第2色素とを含むことができる。任意の色素が或る樹脂を着色するというのは、その樹脂の色がその色素の色で現れることを意味し得る。すなわち第1光吸収層とは異なって、第2光吸収層には、粒子が存在しなくてもよく、具体的には、その製造過程で色素が溶解するので、前記第2光吸収層において前記第2色素は、前記第2バインダー樹脂を着色することができる。
前記第2色素の種類も、第1色素の種類と同様に非制限的である。前記第2色素としては、前述した第2光吸収層の光学物性(吸収極大等)を示すことができるものであれば、あらゆる公知の色素を適用可能である。
光吸収層の吸収極大は、通常、色素の光学特性によって決定され、前記第1光吸収層と第2光吸収層は、互いに異なる吸収極大を有するので、前記第2色素としては、前記第1色素と異なるものの中から、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、ベンゾポルフィリン系化合物、スクアリリウム系化合物、アントラキノン系化合物、クロコニウム系化合物、ジチオ―ル金属錯化合物またはこれらの組合せ等を適用することができる。前記第2光吸収層が前述した吸収極大を示すようにする観点から、前記第2色素としては、スクアリリウム系化合物を含む色素を適用することができる。前記スクアリリウム系化合物は、下記化学式2で表される化合物でありうる。すなわち、前記第2色素は、下記化学式2の化合物を含むことができる。
Figure 2021099481
Figure 2021099481
また、前記化学式2で、前記アミノフェニル基、インドリルメチレン基、インドリニル基;またはピリミジン基に存在する水素のうちいずれか一つ以上は、互いに独立して、アリール基であるとき、前記アリール基は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基でさらに置換され得る。
前記化学式2の化合物は、具体的に下記化学式2a〜化学式2dのうちいずれか一つの化合物でありうる:
Figure 2021099481
Figure 2021099481
Figure 2021099481
Figure 2021099481
前記化学式2a〜化学式2dで、a1、a2、a3およびa4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、スルホンアミド基であるか、または炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基または炭素数7〜20のアラルキル基で置換または非置換されたアミド基である。
前記化学式2a〜化学式2dで、a1、a2、a3およびa4が、それぞれ独立して、炭素数6〜20のアリール基であるとき、前記アリール基の一つ以上の水素は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基でさらに置換され得る。
本出願で、用語「アルキル基(alkyl group)」は、直鎖または分岐鎖状の飽和炭化水素から誘導された置換基を意味し得る。前記アルキル基としては、例えば、メチル基(methyl group)、エチル基(ethyl group)、n−プロピル基(n−propyl group)、イソプロピル基(iso−propyl group)、n−ブチル基(n−butyl group)、sec−ブチル基(sec−butyl group)、t−ブチル基(tert−butyl group)、n−ペンチル基(n−pentyl group)、1,1−ジメチルプロピル基(1,1−dimethylpropyl group)、1,2−ジメチルプロピル基(1,2−dimethylpropyl group)、2,2−ジメチルプロピル基(2,2−dimethylpropyl group)、1−エチルプロピル基(1−ethylpropyl group)、2−エチルプロピル基(2−ethylpropyl group)、n−ヘキシル基(n−hexyl group)、1−メチル−2−エチルプロピル基(1−methyl−2−ethylpropyl group)、1−エチル−2−メチルプロピル基(1−ethyl−2−methylpropyl group)、1,1,2−トリメチルプロピル基(1,1,2−trimethylpropyl group)、1−プロピルプロピル基(1−propylpropyl group)、1−メチルブチル基(1−methylbutyl group)、2−メチルブチル基(2−methylbutyl group)、1,1−ジメチルブチル基(1,1−dimethylbutyl group)、1,2−ジメチルブチル基(1,2−dimethylbutyl group)、2,2−ジメチルブチル基(2,2−dimethylbutyl group)、1,3−ジメチルブチル基(1,3−dimethylbutyl group)、2,3−ジメチルブチル基(2,3−dimethylbutyl group)、2−エチルブチル基(2−ethylbutyl group)、2−メチルペンチル基(2−methylpentyl group)、3−メチルペンチル基(3−methylpentyl group)等を適用することができる。また、前記アルキル基は、炭素数1〜20、1〜12、1〜6、または1〜4のアルキル基を意味し得る。
本出願で、用語「シクロアルキル基(cycloalkyl group)」は、単一環(monocyclic)の飽和炭化水素に由来する置換基を意味し得る。前記シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基(cyclopropyl group)、シクロブチル基(cyclobutyl group)、シクロペンチル基(cyclopentyl group)、シクロヘキシル基(cyclohexyl group)、シクロヘプチル基(cycloheptyl group)、シクロオクチル基(cyclooctyl group)等を適用することができる。また、前記シクロアルキル基は、炭素数3〜20、3〜12、3〜9または3〜6のシクロアルキル基を意味し得る。
本出願で、用語「アリール基」は、芳香族炭化水素に由来する1価の置換基を意味する。前記アリール基としては、例えば、フェニル基(phenyl group)、ナフチル基(naphthyl group)、アントラセニル基(anthracenyl group)、フェナントリル基(phenanthryl group)、ナフタセニル基(naphthacenyl group)、ピレニル基(pyrenyl group)、トリル基(tolyl group)、ビフェニル基(biphenyl group)、テルフェニル基(terphenyl group)、クリセニル基(chrycenyl group)、スピロビフルオレニル基(spirobifluorenyl group)、フルオランテニル基(fluoranthenyl group)、フルオレニル基(fluorenyl group)、ペリレニル基(perylenyl group)、インデニル基(indenyl group)、アズレニル基(azulenyl group)、ヘプタレニル基(heptalenyl group)、フェナレニル基(phenalenyl group)、フェナントレニル基(phenanthrenyl group)等を適用することができる。また、前記アリール基は、炭素数6〜30、6〜24、6〜18または6〜12のアリール基を意味し得る。
本出願で、用語「アラルキル基(aralkyl group)」は、末端炭化水素の水素サイトに芳香族炭化水素に由来する1価の置換基が結合した飽和炭化水素化合物に由来する1価の置換基でありうる。すなわち、前記アラルキル基は、鎖末端がアリール基で置換されたアルキル基を意味する。アラルキル基の例としては、ベンジル基(benzyl group)、メチルベンジル基(methylbenzyl group)、フェネチル基(phenethyl group)、フェニルプロピル基(phenylpropyl group)、ナフタレニルメチル基(naphthalenylmethyl group)、ナフタレニルエチル基(naphthalenylethyl group)等が挙げられる。
前述したように、本出願の近赤外線吸収板では、その適切な光学物性(例えば、可視光線領域の光に対する向上した透過率と近赤外線領域の光に対する最大吸収率等)を具現する観点から、前記第1光吸収層と第2光吸収層を独立的な層で構成して、前記第1光吸収層の第1色素と前記第2光吸収層の第2色素が混合されないように設計するものの、これらの配置を適宜調節することができる。
前述の記載において第1光吸収層と第2光吸収層が互いに独立して存在または個別的に構成されるということは、前記第1光吸収層および第2光吸収層を構成する成分、具体的に第1色素と第2色素間の混合が起こらないように配置された構造を有することを意味し得る。
前記第1光吸収層と第2光吸収層が分離して存在するように配置する方法は、多様に知られている。例えば、本出願の近赤外線吸収板では、前記第1光吸収層は、前記ガラス基板の一面に存在するように配置し、前記ガラス基板の他面に前記第2光吸収層が存在するように配置して、前記第1光吸収層と第2光吸収層が分離して存在するように配置することができる。すなわち前記第1光吸収層(第2光吸収層)は、前記ガラス基板を基準として前記第2光吸収層(第1光吸収層)の反対側に存在することができる。
本出願の近赤外線吸収板において前記第1光吸収層と第2光吸収層は、ガラス基板の一面上に積層された構造を有することもできる。具体的に、本出願の近赤外線吸収板は、ガラス基板と、前記第1光吸収層および前記第2光吸収層を前記順に含むか、またはガラス基板と、前記第2光吸収層および前記第1光吸収層を前記順に含むことができる。
図1および図2にこのような積層構造を示した。本出願の近赤外線吸収板は、第1光吸収層200と、ガラス基板100および第2光吸収層300が前記順に存在する構造を有することもでき(図1参照)、または第2光吸収層300と、ガラス基板100および第1光吸収層200が前記順に存在する構造(図2参照)を有することもできる。
また、前述したように、前記第1光吸収層と第2光吸収層は、前記ガラス基板の一面上に積層されていてもよい。前記近赤外線吸収板は、例えば、ガラス基板100と、第1光吸収層200および第2光吸収層300が前記順に存在する構造(図3参照)を有することもでき、ガラス基板100と、第2光吸収層300および第1光吸収層200が前記順に存在する構造を有することができる。好適には、前記近赤外線吸収板がガラス基板100と、前記第1光吸収層200および第2光吸収層300を前記順に含む構造を有することが好ましい(図3参照)。
一方、第1色素と第2色素間の混合が起こると、前記光吸収層の光学的物性等が低下することがあるので、このような積層構造(ガラス基板/第2光吸収層/第1光吸収層またはガラス基板/第1光吸収層/第2光吸収層の積層構造)を有するときには、特に第1光吸収層と第2光吸収層が明確に分離して存在するように構成する必要がある。例えば、前記第1および第2光吸収層を別途形成した後、積層させるか、または、前記第1および第2光吸収層の間に別の分離層400を導入する方式で前記第1光吸収層と第2光吸収層が分離して存在するようにすることができる(図4参照)。
前記分離層は、前記第1光吸収層の構成成分と第2光吸収層の構成成分間の混合が起こらないように機能する公知の機能性層を意味する。例えば、前記分離層としては、公知の遮断膜等を適用することもでき、別の例としては、公知の接着剤で形成することができる。本出願では、前記第1光吸収層と第2光吸収層を付着させることができる接着剤層を分離層に適用する。前述の記載におあいて用語「接着」は、公知の意味そのまま、二つの物質が接触して物理的および/または化学的結合力で結合している現象を意味し得、「接着剤」は、その接着剤と被着物の表面が界面の結合力により結合している状態を形成することができるように設けられた公知の化学的材料を意味し得る。
前記接着層は、一般的に接着樹脂等を含む接着剤組成物を硬化または架橋して形成され得る。前記接着層を形成する樹脂の種類は、特に制限されるものではなく、前記第1光吸収層と第2光吸収層間の適切な付着力を確保する範囲内で公知の接着剤用樹脂の中から自由に選択され得る。例えば、前記接着層を形成する樹脂としては、環状オレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂およびポリエチレンナフタレート系樹脂のうち1種以上等が挙げられる。
前述の記載において、前記第1光吸収層の第1色素と前記第2光吸収層の第2色素との混合を防止する観点から、前記分離層(例えば、接着層または接着剤層等)の厚さも、適宜調節され得る。
前記光吸収層それぞれの厚さも、特に制限されるものではなく、後述する近赤外線吸収板の平均厚さを形成し得る範囲内で適宜調節され得る。前記第1光吸収層と第2光吸収層それぞれの厚さは、例えば、0.25μm以上10μm以下の範囲内でありうる。前記厚さは、別の例として、0.5μm以上であり得、5μm以下でありうる。前記第1光吸収層の厚さと前記第2光吸収層それぞれの厚さとは、同じであっても異なっていてもよい。
本出願で、任意の部材の厚さが一定でない場合、その厚さは、当該部材の最大厚さ、最小厚さ、または前記最大厚さおよび最小厚さの平均厚さを意味し得る。
前記光吸収層を形成する方法は、特に制限されない。例えば、前記光吸収層は、光吸収層形成用組成物を硬化させて製造することができる。前記硬化の方式は、特に制限されず、公知の硬化方式、例えば、熱硬化、光硬化または熱および光のデュアル硬化方式を適用することができる。すなわち、前記光吸収層は、光吸収層形成用組成物の硬化物を含むことができる。
前記第1光吸収層形成用組成物および第2光吸収層形成用組成物は、色素と溶媒を含むことができる。具体的に、前記第1光吸収層形成用組成物は、前記第1色素と第1溶媒を少なくとも含むことができる。前記第2光吸収層形成用組成物は、前記第2色素と第2溶媒を少なくとも含むことができる。
前述したように、第1光吸収層には、粒子が存在し、前記粒子は、前記第1色素の粒子でありうるので、前記第1光吸収層形成用組成物に適用される第1色素は、前記第1溶媒に対する低い溶解度、すなわち特定値以下の溶解度を有した方が良い。第2光吸収層では、その製造過程で第2色素が溶解して前記バインダー樹脂を着色することができるので、前記第2色素は、前記第2溶媒に対する高い溶解度、すなわち特定値以上の溶解度を有した方が良い。
溶解度は、溶媒の単位体積L当たり溶質が溶解する質量gの比率g/Lを意味する。溶解度は、常温で測定された値である。
「常温」は、特に加温したり減温したりしない自然そのままの温度を意味する。常温は、例えば、15℃以上30℃以下の範囲内の温度であり得、20℃以上25℃以下の範囲内のいずれか一つの温度または約23℃の温度を意味し得る。
前記第1色素は、前記第1溶媒に対する溶解度が15g/L以下でありうる。前記溶解度は、別の例として、0g/L以上、0.001g/L以上、0.01g/L以上または0.1g/L以上であり得、14g/L以下、13g/L以下、12g/L以下、11g/L以下、10g/L以下、9g/L以下、8g/L以下、7g/L以下、6g/L以下、5g/L以下、4g/L以下、3g/L以下、2g/L以下または1g/L以下でありうる。溶解度が0g/Lというのは、その溶質に溶媒に対して全く溶けないことを意味し得る。前記第1光吸収層において前記第1色素は、溶解せずに分散して存在するが、この際、その分散性を向上させる観点から、市販の分散剤を適正量配合した方が良い。分散剤の種類は、特に制限されるものではなく、市販の分散剤の中から光吸収層の可視光線透過率と近赤外線吸収率を向上させ、適切な第1色素の分散性を確保することができるものを適宜選択することができる。
前記第2色素は、前記第2溶媒に対する溶解度が15g/Lを超過することができる。前記第2色素は、前記第2溶媒に対して溶解することができる程度の水準であれば、十分であるので、第2溶媒に対する前記第2色素の溶解度の上限は非制限的である。
前記第1および第2溶媒の種類は、特に制限されるものではなく、前記第1および第2色素それぞれに対する溶解度を満足することができるものであれば、公知の溶媒、具体的に有機溶媒の中から自由に選択可能である。具体的に、前記第1光吸収層形成用組成物および第2光吸収層形成用組成物は、それぞれ前記第1および第2溶媒として、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートまたはジエチレングリコールモノエチルエーテル3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、4−ヒドロキシ4−メチル2−ペンタノン、γブチロラクトン、シクロヘキサノン、トルエンおよびピリドン等を適用することができる。
前記第1および第2光吸収層形成用組成物それぞれを製造し、これらを独立して硬化すると、第1光吸収層と第2光吸収層を得ることができ、前述した順に前記第1および第2光吸収層を配置すると、本出願の近赤外線吸収板を得ることができる。本出願で適用する光吸収層形成用組成物は、バインダー樹脂と、色素および溶媒を含み、光吸収層は、前記組成物を硬化して製造されるが、通常、硬化過程では溶媒が蒸発するので、光吸収層は、溶媒を含まないことが通常である。すなわち前記光吸収層は、大部分の成分としてバインダー樹脂と色素を含み、溶媒は、ほとんど含まないか、含んでもいても、きわめて微量である。
前記第1色素と第2色素それぞれの比率は、特に制限されない。例えば、前記第1色素および第2色素それぞれの比率は、前記組成物にバインダー樹脂が含まれるとき、前記バインダー樹脂100重量部を基準として、0.01重量部以上10重量部以下、0.01重量部以上8重量部以下または0.01重量部以上5重量部以下の範囲内でありうる。前記第1色素と第2色素それぞれの比率は、前記第1光吸収層および第2光吸収層それぞれにおける比率であり得、前記第1光吸収層形成用組成物および第2光吸収層形成用組成物内における比率を意味することもできる。
前記第1光吸収層および/または第2光吸収層が、前述した第1色素および/または第2色素が有する吸収極大以外の更なる吸収極大をさらに確保するようにする観点から、前記第1光吸収層および/または第2光吸収層は、特定色素(第1色素と第2色素を除いた色素)をさらに含むことができる。この際、前記さらに含まれる特定色素の比率は、前記光吸収層を形成する組成物内で、その組成物に適用されたバインダー100重量部に対して0.01重量部以上5重量部以下の範囲内でありうる。前記比率は、一種類の色素がさらに含まれる場合には、その一種類の色素の比率を意味し、複数の色素が混合されてさらに含まれる場合には、色素それぞれの比率を意味し得る。
さらに含まれ得る特定色素の種類は、特に制限されない。前記更なる色素としては、紫外線領域の光吸収剤、赤外線領域の吸収極大を有する染料、顔料あるいは金属錯体系化合物の中から1種以上を使用することができる。具体的に、前記更なる色素としては、インドール系、オキサゾール系、メロシアニン系、シアニン系、ナフタルイミド系、オキサジアゾール系、オキサジン系、オキサリジン系、ナフタル酸系、スチリル系、アントラセン系、環状カルボニル系、トリアゾール系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ポルフィリン系、ベンゾポルフィリン系、スクアリリウム系、アントラキノン系、クロコニウム系、ジチオール金属錯化合物等が挙げられる。前記特定色素は、第1光吸収層または第2光吸収層に1種を単独で使用することができ、場合によっては、2種以上を混合して使用することができる。
本出願の近赤外線吸収板は、ガラス基板を含む。ガラス基板は、近赤外線吸収板の強度等の適切な機械的物性を確保するのに適用される。
近赤外線吸収板の適切な機械的物性を確保する観点から、前記ガラス基板の厚さも、適宜調節され得る。前記ガラス基板の厚さは、0.07mm以上0.3mm以下の範囲内でありうる。前記厚さは、前述したように、前記ガラス基板の最大厚さ、最小厚さまたは前記最大厚と最小厚さの平均厚さを意味し得る。前記厚さは、別の例として、0.07mm以上0.2mm以下の範囲内でありうる。
前記近赤外線吸収板の向上した機械的物性を確保する観点から、前記ガラス基板としては、強化ガラス基板を適用することができる。
強化ガラス基板に適用され得るガラス基板の種類は、特に制限されるものではなく、物理的に強化した強化ガラスまたは化学的に強化した強化ガラスを適用することができ、好ましくは、化学的に強化した強化ガラスを適用することができる。
強化ガラス基板は、前記ガラス基板の第1主面に存在する第1圧縮応力層と、前記第1主面の反対側の主面である第2主面に存在する第2圧縮応力層とを含むことができる。このように圧縮応力層を通じて強化したガラス基板を適用することによって、本出願の近赤外線吸収板は、向上した強度を有することができる。また、前記近赤外線吸収板を有する光学装置を適用した撮像素子(imaing device)は、高い耐候性を確保することができる。
圧縮応力層を形成する方式は、特に制限されるものではなく、公知のガラス基板の物理的強化あるいは化学的強化方式が適用され得る。ただし、ガラス基板の損傷を最小化する観点から、化学強化方式で前記圧縮応力層を形成することができる。前記圧縮応力層は、Naイオンを含有している従来ガラス基板において前記NaイオンがKイオンに置換された部位を意味し得る。このような過程で、ガラス基板の一面からKイオンが置換された部位までの層を圧縮応力層と定義する。一般的に、圧縮応力層は、DOL(Depth of compressive stress layer)と知られている。すなわち、前記圧縮応力層は、前記ガラス基板内の成分が熱等の外部処理により他の成分に置換されたものであるので、前記ガラス基板の内部に向かって存在することができる(この点は、前記圧縮応力層をDOLと称する内容と同じ意味である)。
強化ガラス基板が含む第1圧縮応力層および第2圧縮応力層それぞれの厚さは、前記近赤外線吸収板の総厚さの30%以下でありうる。
前記第1圧縮応力層および第2圧縮応力層の厚さは、それぞれ1μm以上30μm以下の範囲内でありうる。前記厚さは、別の例として、5μm以上30μm以下、10μm以上20μm以下または15μm以上20μm以下でありうる。本出願の近赤外線吸収板は、前記範囲内の厚さで形成された圧縮応力層を含む強化ガラス基板を適用することによって、薄型ながらも優れた強度を有することができる。
前述したように、前記圧縮応力層の厚さが一定でない場合、前記圧縮応力層の厚さは、前記圧縮応力層の最大厚さ、最小厚さまたは前記最大厚さと最小厚さの平均厚さを意味し得る。
ガラス基板の圧縮応力も、さらに調節され得る。前記基板は、例えば、これに対してASTM D790測定規準に基づいて3点曲げ強度を測定したとき、曲げ強度が360MPa以上でありうる。前記3点曲げ強度は、別の例として、370MPa以上、380MPa以上、390MPa以上、400MPa以上、410MPa以上、420MPa以上、430MPa以上、440MPa以上、450MPa以上、460MPa以上、470MPa以上、480MPa以上、490MPa以上または500MPa以上でありうる。
本出願の近赤外線吸収板は、公知の機能性層をさらに含むことができる。例えば、前記基材と光吸収層等は、前述した種類の接着剤層を通じて接着されていてもよい。
また、本出願の近赤外線吸収板は、薄い厚さを有することができる。したがって、前記近赤外線吸収板の厚さは、例えば、0.3mm以下、0.23mm以下または0.22mm以下でありうる。前記厚さは、別の例として、0.08mm以上0.15mm以下の範囲内にありえる。前述したように、前記近赤外線吸収板の厚さが一定でない場合、前記厚さは、最大厚さ、最小厚さ、または前記最大厚さと最小厚さの平均厚さでありうる。
本出願は、他の実施形態において、光学装置に関する。具体的に、前記光学装置は、光学フィルターであり得、より具体的には、近赤外線遮断フィルターでありうる。前記光学装置は、前述した近赤外線吸収板および前記近赤外線吸収板の一面または両面に存在する選択波長反射層を含む。
本出願において、用語「選択波長反射層」は、特定波長の光は反射し、前記反射する光と異なる波長の光は反射せず、透過し得るように形成された機能性光学部材を意味し得る。具体的に、本出願の光学装置において適用する選択波長反射層は、前記光学装置に入射する光のうち、650nm以上の波長、例えば700nm以上1,200nm以下の範囲内の波長を有する光を反射することによって、前記波長範囲内にある光が前記光学装置を透過しないように遮断したり、および/または400nm以上650nm以下の範囲内の波長を有する光が反射したりするのを防止、すなわち前記波長範囲内の光が透過したりするように設計された機能性層を意味し得る。すなわち、前記選択波長反射層は、近赤外線を反射させる近赤外線反射層および/または可視光線が反射するのを防止する(可視光線)反射防止層の役割をすることができる。
前記選択波長反射層は、誘電体多層膜を含むことができる。すなわち、前述した近赤外線吸収板の一面または両面に誘電体多層膜を形成することによって、本出願の光学装置を形成することができる。
前記誘電体多層膜は、互いに屈折率が異なる誘電体膜が交互に形成されている構造でありうる。例えば、誘電体多層膜は、低屈折率−高屈折率−低屈折率誘電体膜の順に繰り返されたり、または高屈折率−低屈折率−高屈折率誘電体膜の順に繰り返されたりして形成されていてもよい。前記高屈折率誘電体膜と低屈折率誘電体膜の屈折率の偏差は、0.2以上、0.3以上、0.4以上または0.5以上であり得、1.5以下または1.0以下でありうる。前記で屈折率の基準波長は、550nmでありうる。
低屈折率誘電体膜の屈折率は、1.4以上1.6以下の範囲内にありえる。このような屈折率を有する低屈折率誘電体膜は、二酸化ケイ素、フッ化ランタン、フッ化マグネシウムおよび六フッ化アルミニウムナトリウム等を含むことができる。前記で屈折率の基準波長は、550nmでありうる。
高屈折率誘電体膜の屈折率は、2.1以上2.5以下の範囲内にありえる。このような屈折率を有する高屈折率誘電体膜は、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオビウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛および酸化インジウム等を含むことができ、前記酸化インジウムは、二酸化チタン、酸化スズおよび酸化セリウム等を含むことができる。前記で屈折率の基準波長は、550nmでありうる。
前記光学装置において、前記高屈折率誘電体膜と低屈折率誘電体膜は、互いに分離して形成されていてもよい。一例として、前記近赤外線吸収板の一面上に高屈折率誘電体膜または低屈折率誘電体膜が存在することができ、他の面上に低屈折率誘電体膜または高屈折率誘電体膜が存在することができる。別の例として、前記近赤外線吸収板の一面上に高屈折率誘電体膜と低屈折率誘電体膜が前記順に、あるいはその逆順に存在することができ、前記高屈折率誘電体膜と低屈折率誘電体膜との間に前述した分離層が存在することもできる。
本出願は、他の実施形態において、撮像素子に関する。前記撮像素子は、前述した光学装置(具体的には、近赤外線遮断フィルター等の光学フィルター)または前述した近赤外線吸収板を含む。
前記撮像素子は、その機能を形成するためのあらゆる公知の必須構成を含むことができる。例えば、前記撮像素子は、前述した光学装置または前述した近赤外線吸収板に、レンズとイメージセンサーをさらに含むことができる。
本出願の近赤外線吸収板は、光吸収層を構成する複数の有機物間の相互作用による可視光透過率および近赤外線吸収率の低下を防止することができる。
本出願の近赤外線吸収板は、また、薄型化が可能であるという利点がある。
本出願の近赤外線吸収板は、また、強度または耐熱性等の機械的物性に優れているという利点がある。
本出願の実施形態による近赤外線吸収板の積層構造を示すものである。 本出願の実施形態による近赤外線吸収板の積層構造を示すものである。 本出願の実施形態による近赤外線吸収板の積層構造を示すものである。 本出願の実施形態による近赤外線吸収板の積層構造を示すものである。 本出願の製造例1〜製造例3の透過率スペクトルである。 製造例4および5の透過率スペクトルである。 製造例6〜13の透過率スペクトルである。 製造例6〜13の透過率スペクトルである。 実施例1、実施例3および比較例1の透過率スペクトルである。 実施例1〜2および比較例2〜4の透過率スペクトルである。
以下、実施例および比較例を通じて本出願を具体的に説明する。しかしながら、本出願の範囲が下記実施例および比較例により制限されるものではない。
<光透過率の測定>
製造例、実施例および比較例における結果物に対して分光光度計(Perkin elmer社製Lambda750分光光度計)を用いて当該装備のマニュアルに沿って各波長の透過率を測定した。
<ヘーズの測定>
製造例6〜13の結果物に対してヘーズメーター(NIPPON DENSHOKU社製NDH−200N)を用いて前記装備のマニュアルに沿って、JIS K 7136試験方法で、550nmの波長の光に対するヘーズを測定した。
<粒度分析>
製造例、実施例および比較例における粒子の平均粒径は、nano SAQLA(大塚電子社)装備を用いて測定した粒度分布で中間値(D50)として算出した。
<適用製品>
下記製造例、比較例および実施例において主に使用した製品の情報は、下記の通りである。
−アルミノシリケートガラス:AS−87、Schott社
−ポリアクリレート系バインダー樹脂:Sumipex、住友社
−第1色素:IRA 1032、Exciton社、ジイモニウム系化合物
−第2色素:IRA 705、Exciton社、スクアリリウム系化合物
−第3色素:ADA3232、HW.SANDS社、300nm以上400nm以下の範囲内の波長で吸収極大を有する化合物
−第4色素:S0094、Few Chemicals社、800nm以上850nm以下の範囲内で吸収極大を有するシアニン系化合物
−分散剤:Disperbyk110、BYK社
製造例1.光吸収層の形成
下記方式によって光吸収層の試験片を製造した。
(1)アルミノシリケートガラスをアルカリ水溶液で洗浄して、厚さが略0.1mmのガラス基材を準備する。
(2)前記ガラス基板を硝酸カリウム溶液に浸漬し、前記溶液を390℃の温度で約40分間熱処理して、ガラス基板の両面にそれぞれの厚さが略17.5μmの第1および第2圧縮応力層が形成された強化ガラス基板を製造する。
(3)ポリアクリレート系バインダー100重量部に対して、3重量部の第1色素と略500重量部のメチルイソブチルケトンを混合した光吸収層形成用組成物を製造する。
(4)前記光吸収層形成用組成物を前記強化ガラス基板の一面上にスピンコートした後、140℃で約2時間熱硬化して、厚さが略3μmの光吸収層を形成する。
製造例2.光吸収層の形成
前記(3)段階で、第1色素の代わりに5重量部の第2色素を適用して光吸収層形成用組成物を製造したことを除いて、製造例1と同じ方式で光吸収層を形成した。
製造例3.光吸収層の形成
前記(3)段階で、第1色素の代わりに5重量部の第2色素、3重量部の第3色素および0.1重量部の第4色素を配合したことを除いて、製造例1と同じ方式で光吸収層を形成した。
前記製造例1〜3で製造された光吸収層の試験片に対して測定した透過率スペクトルを図5に示した。図5によれば、第1色素は、850nm以上1,200nm以下の波長範囲内で吸収極大を有し(製造例1)、第2色素は、650nm以上750nm以下の波長範囲内で吸収極大を有し(製造例2)、第2色素と特定色素をさらに配合すると、300nm以上400nm以下および800nm以上850nm以下の波長範囲内でも可視光線透過率および近赤外線吸収率が低下することなく、配合された色素によって吸収極大をさらに有することができることを確認することができる(製造例3)。
製造例4.光吸収層の形成
前記(3)段階で、ポリアクリレート系バインダー100重量部に対して、5重量部の第1色素と略500重量部のメチルイソブチルケトンを混合し、分散剤0.2重量部を添加した後、0.5mmのジルコニアビーズを用いて分散装置で略6時間分散させながら、粒度分析装置で適当なサイズを有する粒子存在形態を確認し、フィルターで濾過して、光吸収層形成用組成物を製造したことを除いて、製造例1と同じ方式で光吸収層を形成した。製造例4の光吸収層では、ジイモニウム系色素(第1色素)が粒子形態で存在した。
製造例5.光吸収層の形成
前記(3)段階で、メチルイソブチルケトンの代わりにシクロヘキサノンを混合して、前記第1色素が溶解した状態の光吸収層形成用組成物を製造したことを除いて、製造例4と同じ方式で光吸収層を形成した。製造例5の光吸収層では、第1色素が溶解して前記バインダー樹脂を着色していた。
製造例4および5の光吸収層に対して測定した透過度スペクトルを図6に示し、主な波長領域帯における透過率を下記表1に記載した。可視光線領域(450nm以上700nm以下)における透過度と近赤外線領域(略1,050nm)の吸光度は、製造例4の光吸収層が製造例5の光吸収層に比べて高いことを確認することができる。これは、第1色素が溶解してこれを含む光吸収層に劣化を発生させたことに起因することが確認される。
これを通じて、本出願で適用する第1色素が前記光吸収層内で溶解せず、分散して、粒子形態で存在するとき、高い可視光線透過度と赤外線吸光度を同時に有する光吸収層を形成することができることが分かる。
Figure 2021099481
製造例6.光吸収層の形成
前記(3)段階で、溶媒の種類と分散条件を下記表2に記載されたように調節して、粒度分析装置で略0.1μmの平均粒径の粒子の存在を確認した後、濾過したことを除いて、製造例4と同じ方式で光吸収層を形成した。
製造例7〜製造例13.光吸収層の形成
光吸収層において粒子形態で存在する第1色素の粒子平均粒径を下記表2のように調節したことを除いて、製造例6と同じ方式で光吸収層を形成した。この際、ジイモニウム系色素粒子の平均直径は、光吸収層の形成に使用された溶媒の種類を調節し、機械式分散装置(NETZSCH社製Wet,Grinding,Dispersing,Bead mill)を用いた分散過程で回転速度(RPM)と時間を下記表2のように調節して具現した。
製造例6〜13の光吸収層の透過率スペクトルを図7および図8に示し、各製造例の分散条件と、主な波長における透過率、ヘーズを下記表2に記載した。
Figure 2021099481
図7および図8によれば、製造例6〜7で形成した光吸収層は、製造例9〜13で形成した光吸収層に比べて可視光線領域の透過率と赤外線領域の吸収率が高いことを確認することができる。
近赤外線吸収板が適用される撮像素子において、前記近赤外線吸収板は、可視光線領域の高い透過率と、近赤外線領域の高い吸収率を有すると同時に、通常の可視光線領域(例えば、約550nmの波長の光)でヘーズが0.3%未満である光学特性を、イメージの品質を確保するための見方から必ず確保されなければならない。
したがって、このような条件に照らしてみると、製造例6〜7の条件で製造した光吸収層は、撮像素子に適した光学特性を有することができるが、製造例8〜13の条件で製造した光吸収層は、撮像素子に適していない点を確認することができる。したがって、本出願の近赤外線吸収板に適用される光吸収層では、特定色素、例えば前記第1色素のような吸収極大を有する色素が粒子形態で分散しなければならないと共に、そのサイズが本出願で規定した範囲内でなければならないことが分かる。
実施例1.近赤外線吸収板
下記の順序によって近赤外線吸収板を製造した。
(1)第1光吸収層形成用組成物
ポリアクリレート系バインダー100重量部に対して1重量部の第1色素、500重量部のメチルイソブチルケトン、0.2重量部の分散剤を添加した後、0.5mmのジルコニアビーズを用いて分散装置で略6時間分散させて、粒度分析器で平均粒径が0.1μm程度の粒子を確認した後、濾過して、第1光吸収層形成用組成物を製造する。
(2)第2光吸収層形成用組成物
ポリアクリレート系バインダー100重量部に対して5重量部の第2色素と500重量部のメチルイソブチルケトンを混合して、第2色素が溶解した状態の第2光吸収層形成用組成物を製造する。
(3)接着剤組成物
市販のポリアクリレート樹脂とポリイソシアネート系樹脂を99:1の重量比で混合して、接着剤組成物を製造する。
(4)ガラス基板の強化
1)アルミノシリケートガラスをアルカリ水溶液で洗浄して、厚さが略0.1mmのガラス基板を準備する。
2)前記ガラス基板を硝酸カリウム溶液に浸漬し、前記溶液を390℃の温度で約40分間熱処理して、ガラス基板の両面にそれぞれの厚さが略17.5μmの第1および第2圧縮応力層が形成されたガラス基板を製造する。
(5)近赤外線吸収板(ガラス基板/第1光吸収層/接着層/第2光吸収層の構造)
前記ガラス基板の一面上に前記第1光吸収層形成用組成物をスピンコートし、140℃程度の温度で約2時間熱処理して、厚さ約3μmの第2光吸収層を形成する。
次に、前記第1光吸収層上に前記接着剤組成物を1,000rpmの速度で15秒間スピンコートし、約130℃の温度で約15分間熱処理して、厚さ約0.4μmの接着剤層を形成する。
次に、前記接着剤層上に前記第2光吸収層形成用組成物をスピンコートし、140℃の温度で約3時間熱処理して、厚さ約3μmの第1光吸収層を形成する。
実施例2.近赤外線吸収板
溶媒と分散条件を前記表2の製造例7のように調節して、前記第1色素が略0.5μmの平均粒径を有する粒子形態で分散して存在する第1光吸収層を製造したことを除いて、実施例1と同じ方式で近赤外線吸収板を製造した。
実施例3.近赤外線吸収板
ポリアクリレート系バインダー100重量部に対して1重量部の第2色素、3重量部の第3色素、0.1重量部の第4色素および500重量部のメチルイソブチルケトンを配合して、第2光吸収層形成用組成物を製造したことを除いて、実施例1と同じ方式で近赤外線吸収板を製造する。
比較例1.近赤外線吸収板
(1)光吸収層形成用組成物
ポリアクリレート系バインダー100重量部に対して1重量部の第1色素および5重量部の第2色素、500重量部のメチルイソブチルケトンを配合した後、0.2重量部の分散剤を添加し、0.5mmのジルコニアビーズを用いて分散装置で略6時間分散させた後、粒度分析器で0.1μm程度の平均粒径を有する第1色素の粒子と溶解した状態の第2色素を確認した後、光吸収層形成用組成物を製造する。
(2)ガラス基板の強化
前記実施例1で言及した内容と同じ方式でガラス基板を強化する。
(3)近赤外線吸収板
前記強化ガラス基板の一面上に前記光吸収層形成用組成物をスピンコートし、140℃程度の温度で約2時間熱処理して、厚さ約3μmの光吸収層を形成する。
比較例2.近赤外線吸収板
溶媒と分散条件を前記表2の製造例8のように調節して、前記第1色素が略1.1μmの平均粒径を有する粒子形態で分散して存在する第1光吸収層を製造したことを除いて、実施例1と同じ方式で近赤外線吸収板を製造した。
比較例3.近赤外線吸収板
溶媒と分散条件を前記表2の製造例12のように調節して、前記第1色素が略3.0μmの平均粒径を有する粒子形態で分散して存在する第1光吸収層を製造したことを除いて、実施例1と同じ方式で近赤外線吸収板を製造した。
比較例4.近赤外線吸収板
溶媒と分散条件を前記表2の製造例13のように調節して、前記第1色素が略5.0μmの平均粒径を有する粒子形態で分散して存在する第1光吸収層を製造したことを除いて、実施例1と同じ方式で近赤外線吸収板を製造した。
比較例5.近赤外線吸収板
第1光吸収層形成用組成物として、ポリアクリレート系バインダー100重量部に対して5重量部の第1色素と500重量部のシクロヘキサノンを混合して、第1色素が溶解した状態の組成物を適用したことを除いて、実施例1と同じ方式で近赤外線吸収板を製造した。
実施例1〜3および比較例1〜5の近赤外線吸収板の透過率スペクトルを図9および図10に示し、前記実施例および比較例の近赤外線吸収板の構造的特徴の要約と、主な波長帯における透過率を下記表3に記載した。
Figure 2021099481
図9および前記表4によれば、実施例1〜3の近赤外線吸収板の可視光線透過率および近赤外線吸収率が、比較例1の近赤外線吸収板に比べて向上したことが分かる。この事から、近赤外線吸収板の光吸収層を単一層で形成するものより、本出願で規定したように互いに区別された複数の光吸収層を適用した近赤外線吸収板が、向上した光学的物性を有することが分かる。また、この事から、本出願で規定した構造を有する近赤外線吸収板が、改善された耐熱性を有することをも確認することができる。これは、光吸収層に適用される複数の色素等の有機物間の相互作用が起こらないことに起因すると予測される。
図10および表4によれば、第1光吸収層内に粒子形態で存在する第1色素の前記粒子の平均のサイズを基準として、図10の透過率スペクトルと図7および図8に示される透過率スペクトルが略類似した傾向を示すことを確認することができる。
比較例5のように互いに異なる光学特性を有する光吸収層が互いに区別されて存在しても、いずれの光吸収層もその内部に分散している粒子形態の色素(例えば、第1色素)を有しない近赤外線吸収板の場合、赤外線吸収率が低下することを確認した。これは、特に第1色素による劣化に起因するものと理解される。
すなわち、本出願の近赤外線吸収板では、互いに異なる光学特性、例えば互いに異なる吸収極大を有する色素が適用された光吸収層が互いに区別されて存在しても、特に光吸収層内で特定色素が粒子形態で分散して存在し、その粒子のサイズが本出願で規定する範囲内にある場合のみに、優れた可視光線透過率と優れた近赤外線吸収率を有するこができることを確認することができる。
したがって、近赤外線吸収板において光吸収層に含まれるいずれか一つの特定色素が溶解した形態で含有されている状態であると、前記色素間の相互作用によって光学特性が低下することを確認することができる。
また、光吸収層に適用される特定色素が粒子形態で分散した状態であっても、光吸収層を単一の層で構成したり、または光吸収層を互いに分離して存在する2つの層に区別しても、その粒子形態である特定色素のサイズが本出願で規定する範囲を外れたりする場合、近赤外線吸収板の赤外線吸収能と可視光透過率が低下することが分かる。
一方、本出願の近赤外線吸収板は、光吸収層を複数の層で構成するものの、各光吸収層をこれに適用される色素の特性によって分離させて、色素と色素の間および/または光吸収層間の相互安定性を確保した。また、本出願の近赤外線吸収板は、前記複数の光吸収層のうちいずれか一つの層に特定の光学特性を有する色素を粒子形態で分散させて適用することによって、顕著に向上した可視光透過率と赤外線吸収率を確保したことを確認することができる。
しかも、第1色素を含む光吸収層の光学特性評価結果の傾向と、これから製造した近赤外線吸収板の光学特性評価結果の傾向が略一致することを確認することができるが、これから近赤外線吸収板の光学特性は、主に前記第1色素を含む第1光吸収層の光学特性によって決定されることが分かる。
このように、本出願の近赤外線吸収板は、高い可視光線透過率と近赤外線吸収率を有し、可視光線領域における低いヘーズ、例えば3%未満のヘーズを有するので、前記吸収板を撮像素子に適用すると、優れた品質の画像が得られることを予想することができる。
[関連出願との相互引用]
本出願は、2019年12月23日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2019−0173214号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては、本出願に参照として含まれる。
100 ガラス基板
200 第1光吸収層
300 第2光吸収層
400 分離層

Claims (15)

  1. ガラス基板と、互いに分離して存在する第1光吸収層および第2光吸収層と、を含み、
    前記第1光吸収層は、850nm以上1,200nm以下の範囲内のいずれか一つの波長で吸収極大を有し、
    前記第2光吸収層は、650nm以上750nm以下の範囲内のいずれか一つの波長で吸収極大を有し、
    前記第1光吸収層は、平均粒径が1μm以下の粒子を含む、近赤外線吸収板。
  2. 前記第1光吸収層は、第1バインダー樹脂と、前記第1バインダー樹脂に分散している第1色素とを含み、前記第1光吸収層に含まれる粒子は、前記第1色素の粒子である、請求項1に記載の近赤外線吸収板。
  3. 前記第1色素は、下記化学式1の化合物を含む、請求項2に記載の近赤外線吸収板。
    Figure 2021099481
    化学式1で、R1〜R8は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であり、R9〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルキル基またはアルコキシ基であり、Xは、アニオンである。
  4. 前記第2光吸収層は、第2バインダー樹脂と、前記第2バインダー樹脂を着色する第2色素とを含む、請求項1に記載の近赤外線吸収板。
  5. 前記第2色素は、下記化学式2の化合物を含む、請求項4に記載の近赤外線吸収板。
    Figure 2021099481
  6. 前記化学式2で、アミノフェニル基、インドリルメチレン基、インドリニル基またはピリミジン基に存在する水素のうちいずれか一つ以上は、互いに独立して、炭素数6〜20のアリール基で置換され、且つ前記アリール基に一つ以上の水素が、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基でさらに置換されている、請求項5に記載の近赤外線吸収板。
  7. 前記第1光吸収層は、前記ガラス基板を基準として前記第2光吸収層の反対側に存在する、請求項1に記載の近赤外線吸収板。
  8. 前記ガラス基板、前記第1光吸収層および前記第2光吸収層を前記順に含むか、または前記ガラス基板、前記第2光吸収層および前記第1光吸収層を前記順に含む、請求項1に記載の近赤外線吸収板。
  9. 前記第1光吸収層と前記第2光吸収層との間に存在する分離層をさらに含む、請求項8に記載の近赤外線吸収板。
  10. 前記ガラス基板は、前記ガラス基板の第1主面に存在する第1圧縮応力層と、前記第1主面の反対側の主面である第2主面に存在する第2圧縮応力層と、を含む、請求項1に記載の近赤外線吸収板。
  11. 前記ガラス基板は、ASTM D790を基準として3点曲げ強度を測定したとき、曲げ強度が360MPa以上である、請求項10に記載の近赤外線吸収板。
  12. 前記ガラス基板の厚さは、0.07mm以上0.3mm以下の範囲内である、請求項1に記載の近赤外線吸収板。
  13. 請求項1に記載の近赤外線吸収板と、前記近赤外線吸収板の一面または両面に存在する選択波長反射層と、を含む光学装置。
  14. 前記選択波長反射層は、誘電体多層膜を含む、請求項13に記載の光学装置。
  15. 前記誘電体多層膜は、屈折率が1.4以上1.6以下の範囲内にある誘電体膜と、屈折率が2.1以上2.5以下の範囲内にある誘電体膜とが交互に積層されている、請求項14に記載の光学装置。
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