以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
<画像形成装置の構成>
図1は、本実施の形態の画像形成装置1の外観を示す斜視図である。図2は、画像形成装置1の内部構成を示す図である。画像形成装置1は、電子写真法を用いてカラー画像を形成するプリンタである。
図2に示すように、画像形成装置1は、印刷用紙等の媒体Pを供給する媒体供給部110と、トナー像(現像剤像)を形成する画像形成部100と、画像形成部100で形成したトナー像を媒体Pに転写する転写ユニット120と、トナー像を媒体Pに定着する定着装置130と、媒体Pを排出する媒体排出部140と、これらを収容する筐体101とを備える。
媒体供給部110は、媒体Pを収容する給紙トレイ111と、給紙トレイ111に収容された媒体Pに当接するように配置されたピックアップローラ112と、ピックアップローラ112に隣接して配置されたフィードローラ113と、フィードローラ113に対向するように配置されたリタードローラ114とを有する。
給紙トレイ111は、印刷用紙等の媒体Pを積載状態で収容する。ピックアップローラ112は、給紙トレイ111の媒体Pに当接して回転し、給紙トレイ111から媒体Pを繰り出す。フィードローラ113は、ピックアップローラ112によって繰り出された媒体Pを搬送路R1に送り出す。リタードローラ114は、フィードローラ113による送り出し方向とは逆方向に回転し、媒体Pに搬送抵抗を付与して重送を防止する。
媒体供給部110は、また、媒体Pの搬送路R1に沿って、搬送ローラ115および搬送ローラ118を有する。搬送ローラ(レジストローラ)115は、搬送ローラ116と、これに当接するピンチローラ117とで構成され、媒体Pの先端が両ローラのニップ部に当接してから所定のタイミングで回転を開始することにより、媒体Pのスキューを矯正して搬送する。搬送ローラ118は、搬送ローラ115からの媒体Pを画像形成部100に搬送する。
画像形成部100は、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのトナー像を形成する画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット10K,10C,10M,10Yを有する。プロセスユニット10K,10C,10M,10Yの各感光体ドラム11(後述)に対向するように、露光装置としての露光ヘッド13K,13C,13M,13Yが配置されている。
プロセスユニット10K,10C,10M,10Yは、媒体Pの搬送方向(ここでは図中右から左)に、この順に配列されている。プロセスユニット10K,10C,10M,10Yは、特に区別する必要がない場合には、「プロセスユニット10」と称する。また、露光ヘッド13K,13C,13M,13Yは、特に区別する必要がない場合には、「露光ヘッド13」と称する。
プロセスユニット10は、トナー像を担持する像担持体としての感光体ドラム11と、帯電部材としての帯電ローラ12と、現像剤担持体としての現像ローラ14と、供給部材としての供給ローラ15と、これらを収容する筐体70とを有する。
感光体ドラム11は、導電性の基体の表面に感光層(電荷発生層および電荷輸送層)を設けた円筒状の部材であり、駆動モータにより図中時計回りに回転する。
帯電ローラ12は、感光体ドラム11の表面に当接するように配置され、感光体ドラム11の回転に追従して回転する。帯電ローラ12は、帯電電圧電源により帯電電圧を印加され、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体ドラム11の表面には、露光ヘッド13の光照射によって静電潜像が形成される。
現像ローラ14は、感光体ドラム11の表面に当接するように配置され、感光体ドラム11と逆方向(図中反時計回り)に回転する。現像ローラ14は、現像電圧電源により現像電圧を印加され、感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させ、トナー像を形成する。
供給ローラ15は、現像ローラ14の表面に当接または対向するように配置され、現像ローラ14と同方向に回転する。供給ローラ15は、供給電圧電源により供給電圧を印加され、現像ローラ14にトナーを供給する。
プロセスユニット10において、現像ローラ14および供給ローラ15を含む部分、すなわち静電潜像の現像に寄与する部分は、現像ユニットを構成する。
プロセスユニット10K,10C,10M,10Yの上方には、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yにトナーを供給する現像剤収容部としてのトナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yが設けられている。トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yは、後述するトップカバーユニット20に着脱可能に取り付けられている。
トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yは、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのトナーをそれぞれ収容している。トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yは、特に区別する必要がない場合には、「トナーカートリッジ23」と称する。
露光ヘッド13は、例えば、LED(発光ダイオード)等の発光素子を配列した発光素子アレイと、発光素子の出射光を感光体ドラム11の表面に集光させるレンズアレイとを有する。露光ヘッド13は、感光体ドラム11の表面を露光して静電潜像を形成する。
転写ユニット120は、転写体としての無端状の転写ベルト122と、転写ベルト122が張架された駆動ローラ123およびアイドルローラ124と、転写ベルト122を介してプロセスユニット10K,10C,10M,10Yのそれぞれの感光体ドラム11に対向配置された転写ローラ121とを有する。
転写ベルト122は、その表面に媒体Pを静電気力により吸着保持して走行する。駆動ローラ123は、ベルトモータにより回転し、転写ベルト122を走行させる。アイドルローラ124は、転写ベルト122に張力を付与する。転写ローラ121は、転写電圧を印加され、各感光体ドラム11上のトナー像を媒体Pに転写する。
定着装置130は、媒体Pの搬送方向において画像形成部100の下流側に配置されている。定着装置130は、例えば、定着ローラ131と、この定着ローラ131に押圧される加圧ローラ132とを有する。定着ローラ131は、熱源を内蔵し、定着モータによって回転する。定着ローラ131および加圧ローラ132は、媒体Pに転写されたトナー像に熱と圧力を加え、媒体Pに定着する。
媒体排出部140は、媒体Pの搬送方向において定着装置130の下流側に配置されており、2対のローラ対である排出ローラ141,142を備える。排出ローラ141,142は、定着装置130から送り出された媒体Pを排出搬送路R2に沿って搬送し、画像形成装置1の外部に排出する。画像形成装置1の上部には、排出ローラ141,142によって排出された媒体を積載するスタッカ部143が設けられている。
画像形成装置1には、両面印刷のため、表面にトナー像が定着した媒体Pを反転させて、上述した搬送ローラ115まで搬送する再搬送機構150が備えられている。また、定着装置130の下流側には、定着装置130から送り出された媒体Pを、媒体排出部140または再搬送機構150に案内する切り替えガイド145が設けられている。
再搬送機構150は、媒体Pを退避路に一旦送り込んで前後を入れ替える搬送ローラ(図示せず)と、その媒体Pを戻り搬送路R3に沿って搬送する搬送ローラ151,152,153とを有する。戻り搬送路R3は、搬送路R1における搬送ローラ118の上流側に合流する。戻り搬送路R3の出口近傍には、搬送ローラ116に、ピンチローラ117と反対側から当接するピンチローラ155が設けられている。
搬送ローラ151,152,153によって戻り搬送路R3を搬送された媒体Pは、搬送ローラ116とピンチローラ154とからなるローラ対により、搬送路R1における搬送ローラ118の上流側に搬送される。なお、画像形成装置1が両面印刷機能を有さない場合は、再搬送機構150は不要である。
画像形成装置1は、また、筐体101の上部に取り付けられた開閉可能なトップカバーユニット20と、筐体101の前部に取り付けられた開閉可能なフロントカバー16とを有する。トップカバーユニット20には、操作パネル等の操作部102(図1)が設けられている。また、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yは、トップカバーユニット20に取り付けられている。
図2において、感光体ドラム11の回転軸の方向を、X方向とする。X方向は、媒体Pの幅方向である。上述した各ユニットの各ローラの軸方向は、X方向と平行である。X方向に直交する、画像形成装置1の奥行方向(図2の左右方向)を、Y方向とする。XY面は、ここでは水平面である。また、XY面に直交する方向、ここでは鉛直方向を、Z方向とする。Y方向に関しては、フロントカバー16側を−Y方向(後方)とし、その反対側を+Y方向(前方)とする。
図2では、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yは、Y方向に対して約10度だけ傾斜した方向に配列されている。以下では、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yの配列方向を、ユニット配列方向と称する。なお、ユニット配列方向は、必ずしもY方向に対して傾斜している必要はなく、Y方向と平行であってもよい。
図3は、画像形成装置1のトップカバーユニット20およびフロントカバー16を開放した状態を示す図である。トップカバーユニット20は、筐体101に設けられたX方向の回動軸C1により、揺動可能に支持されている。回動軸C1は、筐体101の後端部(+Y方向の端部)で且つ上端部(+Z方向の端部)に設けられている。トップカバーユニット20を、回動軸C1を中心として揺動させることにより、図3に矢印Aで示すようにトップカバーユニット20を開放することができる。
フロントカバー16は、筐体101に設けられたX方向の回動軸C2により、揺動可能に支持されている。回動軸C2は、筐体101の前端部(−Y方向の端部)で且つ下端部(−Z方向の端部)に設けられている。フロントカバー16を、回動軸C2を中心として揺動させることにより、図3に矢印Bで示すようにトップカバーユニット20を開放することができる。
画像形成装置1の構成要素のうち、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yおよび露光ヘッド13K,13C,13M,13Y(図1)は、トップカバーユニット20に保持されている。トップカバーユニット20には、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yが、X方向に並んで取り付けられている。
筐体101内には、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yを搭載したバスケットユニット3が設けられている。バスケットユニット3は、トップカバーユニット20と共通の回動軸C2を中心として回動可能である。
バスケットユニット3は、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yを保持する可動支持体としてのバスケット40と、このバスケット40を引き出し可能に保持する回動フレーム30とを有する。
トップカバーユニット20とバスケットユニット3とは、図3に示すように、互いに連結して開閉することができる。この状態では、転写ユニット120の上方が開放されるため、ジャムを生じた媒体Pを取り除き、あるいは転写ユニット120を交換することができる。
また、トップカバーユニット20は、バスケットユニット3との連結を解除して開閉することもできる。図4は、トップカバーユニット20をバスケットユニット3との連結を解除して開放した状態を示す模式図である。
図4に示すように、トップカバーユニット20とバスケットユニット3との連結が解除された状態で、トップカバーユニット20が回動軸C1を中心として第1の角度(例えば31度)だけ回動すると、筐体101に取り付けられた一対のステイ機構50(図5)の作用により、バスケットユニット3が回動軸C1を中心として第2の角度(例えば6度)だけ同方向に回動する。
この状態では、露光ヘッド13K,13C,13M,13Yを清掃し、あるいは、バスケットユニット3に保持されたプロセスユニット10K,10C,10M,10Yを交換することができる。
筐体101の側壁部106(図3)には、バスケットユニット3が第2の角度だけ回動した状態で、回動フレーム30のバスケット40を引き出し方向Lに案内するガイド部103(図3)が設けられている。
<バスケットユニット>
次に、バスケットユニット3について説明する。図5は、バスケットユニット3を示す斜視図である。バスケットユニット3は、上記の通り、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yを保持するバスケット40(可動支持体)と、バスケット40を引き出し可能に保持する回動フレーム30とを有する。
図6は、バスケットユニット3のバスケット40を回動フレーム30から引き出した状態を示す斜視図である。回動フレーム30は、X方向に対向する一対のサイドプレート31と、各サイドプレート31から後方(+Y方向)に延在する回動アーム32と、一対のサイドプレート31を互いに連結する支持部33とを有する。
回動アーム32は、回動軸C1を規定する支軸に係合する穴部32aを有する。これにより、回動アーム32は、トップカバーユニット20と同じ回動軸C1を中心として回動可能となる。
支持部33には、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yが収容される4つの開口部33aが形成されている。4つの開口部33aは、Y方向に配列されている。
一対のサイドプレート31には、レールガイド34およびスライドレール35が設けられている。レールガイド34はサイドプレート31の上側に設けられ、スライドレール35はサイドプレート31の下側に設けられている。
レールガイド34は、筐体101に取り付けられたステイ機構50(図5)の回転体が係合する。ステイ機構50は、トップカバーユニット20が第1の角度(例えば31度)だけ回動する際に、バスケットユニット3を第2の角度(例えば6度)だけ回動させるものである。ステイ機構50の具体的な構成については、説明を省略する。
スライドレール35は、バスケット40の後述する回転体45a,45b,45c,45dに係合し、バスケット40を引き出し方向に案内する。
各サイドプレート31のレールガイド34とスライドレール35との間には、ストッパ36が設けられている。ストッパ36は、バスケット40が回動フレーム30から前方(−Y方向)に引き出された状態でステイ機構50に当接する。これにより、バスケット40が回動フレーム30から引き出された状態でトップカバーユニット20が閉鎖されることを防止している。
バスケット40は、X方向に対向する一対のサイドプレート41と、各サイドプレート41の下側に取り付けられた枠部42と、一対のサイドプレート41を互いに連結する支持部43とを有する。
サイドプレート41に取り付けられた枠部42には、プロセスユニット10K,10C,10M,10YのそれぞれのX方向端部が保持される4つの開口部42aが形成されている。
支持部43には、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yが収容される4つの開口部43aが形成されている。バスケット40の支持部43の開口部43aと、回動フレーム30の支持部33の開口部33aとは、重なり合う位置に形成されている。
バスケット40の一対のサイドプレート41は、いずれも、回動フレーム30のスライドレール35に係合する回転体45a,45b,45c,45dを有する。
図4に示したようにバスケットユニット3(バスケット40およびバスケット40)が第2の角度だけ回動した状態で、バスケット40は回動フレーム30から引き出し可能となる。バスケット40の引き出し方向(図4に矢印Lで示す)は、−Y方向に対して4度だけ下方に傾斜しているが、以下では、−Y方向(前方)として説明する。
<トップカバーユニット>
次に、トップカバーユニット20の構成について説明する。図7は、トップカバーユニット20を下方から見た斜視図である。トップカバーユニット20は、フレーム25と、フレーム25の上部を覆うカバー部24とを有する。
フレーム25は、後方(+Y方向)に延在するアーム部27を有する。アーム部27は、回動軸C1を規定する支軸に係合する穴部を有する。トップカバーユニット20は、回動軸C1を中心として、閉位置(図1)と開位置(図3)との間で回動可能となる。
トップカバーユニット20のフレーム25は、また、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yを装着する4つのカートリッジ装着部25aを有する。カートリッジ装着部25aは、X方向に配列されており、トップカバーユニット20の前面に開口を有する。
トップカバーユニット20の前面には、トップカバーユニット20を開放するときに操作される第1の操作レバー21と、トップカバーユニット20とバスケットユニット3との連結を解除するときに操作される第2の操作レバー22とが設けられている。
第1の操作レバー21は、筐体101の前面部105に形成された開口部108(図3)に係合するロック部215と連動する。ロック部215が開口部108に係合することにより、トップカバーユニット20が筐体101に対してロックされる。ユーザが第1の操作レバー21を前方に引くと、ロック部215が開口部108から抜け出し、当該ロックが解除される。
第2の操作レバー22は、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yとプロセスユニット10K,10C,10M,10Yとをつなぐトナー搬送路を遮断する各シャッタ26と連動する。第2の操作レバー22が後方に押し込まれた位置(連結位置)にあるときには、トナー搬送路が連通する。ユーザが第2の操作レバー22を前方に引くと、シャッタ26がトナー搬送路を遮断する。
また、第2の操作レバー22は、トップカバーユニット20とバスケットユニット3との連結のための連結バー29を有する。連結バー29は、フレーム25のX方向両側に設けられたガイド部28によって前後に移動可能に案内されている。
第2の操作レバー22が後方に押し込まれた位置にあるときには、連結バー29が回動フレーム30のサイドプレート31(図5)の前端部に下方から当接し、これによりトップカバーユニット20とバスケットユニット3とが連結される。ユーザが第2の操作レバー22を前方に引くと、連結バー29がサイドプレート31(図5)よりも前方に突出し、トップカバーユニット20とバスケットユニット3との連結が解除される。
図8は、トナーカートリッジ23からプロセスユニット10へのトナー搬送路を示す図である。トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yの配列方向と、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yの配列方向とは、互いに直交している。
そのため、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yとプロセスユニット10K,10C,10M,10Yとの間には、トナー搬送路であるダクト200K,200C,200M,200Yがそれぞれ設けられている。ダクト200K,200C,200M,200Yは、トップカバーユニット20に設けられている。ダクト200K,200C,200M,200Yは、特に区別する必要がない場合には、「ダクト200」と称する。
各ダクト200は、トナーカートリッジ23に連結される連結部201と、プロセスユニット10に接続される供給口202とを有する。トナーカートリッジ23内のトナーは、連結部201からダクト200内に供給され、供給口202からプロセスユニット10に供給される。
図9は、ダクト200K,200C,200M,200Yと、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yとの位置関係を示す模式図である。各プロセスユニット10の筐体70は、−X方向端部にサイドフレーム70aを有し、+X方向端部にサイドフレーム70bを有する。各筐体70の上面71には、ダクト200の供給口202に対向するトナー受入口78が形成されている。
ダクト200の内部には、トナーを搬送する図示しない搬送スパイラルが設けられている。搬送スパイラルを回転させることにより、ダクト200の供給口202およびトナー受入口78を介してトナーをプロセスユニット10に補給する。
トップカバーユニット20を、バスケットユニット3との連結を解除して開放する場合には、上述したシャッタ26(図7)により、ダクト200K,200C,200M,200Yの各供給口202をそれぞれ閉鎖する。各シャッタ26は、X方向にスライド可能であり、上述した第2の操作レバー22によって操作される。
また、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yには、各トナー受入口78を開閉するシャッタ79が設けられている。シャッタ79はX方向にスライド可能であり、シャッタ26と連動してスライドする。
<読取部>
図7に示すように、トップカバーユニット20には、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yのそれぞれに取り付けられたメモリ部72(図9)の情報を読み取るための読取部5K,5C,5M,5Yが設けられている。
読取部5K,5C,5M,5Yは、例えば、トップカバーユニット20の下面の−X方向の端部近傍に配置されている。読取部5K,5C,5M,5Yは、特に区別する必要がない場合には、「読取部5」と称する。
図10(A)は、読取部5を拡大して示す斜視図である。図10(B)は、メモリ部72を拡大して示す斜視図である。読取部5の構成については、トップカバーユニット20が閉位置にあるものとして説明する。
図10(B)に示すように、記憶部としてのメモリ部72は、プロセスユニット10の筐体70の上面71、すなわちトップカバーユニット20に対向する面に取り付けられている。
各プロセスユニット10のメモリ部72は、X方向に並んで2つ配置されている。また、メモリ部72は、筐体70の上面71のサイドフレーム70a側の端部近傍に配置されている。但し、メモリ部72は、各プロセスユニット10に1つ以上設けられていればよく、メモリ部72の配置も適宜変更することができる。
メモリ部72は、例えば、感光体ドラム11の累積回転数およびトナー残量情報など、プロセスユニット10に関する情報を記憶する記憶媒体である。メモリ部72は、例えばメモリタグで構成される。
筐体70の上面71には、メモリ部72の四方を囲むように、枠状の当接部73が設けられている。当接部73は、後述するアーム53,54が当接する部分であり、樹脂で形成されている。
図10(A)に示すように、読取部5は、プロセスユニット10に向けて突出するコンタクト部55を有する。ここでは、一対のコンタクト部55がX方向に間隔をあけて配置されている。但し、コンタクト部55は一対に限定されるものではなく、一つ以上のコンタクト部55が設けられていればよい。
図11および図12は、読取部5を拡大して示す断面図である。図11は、XZ面に平行な面における断面図であり、図12は、YZ面に平行な面における断面図である。図13は、読取部5とその取り付け構造を示す分解斜視図である。
読取部5は、上述したコンタクト部55を有する基板52と、基板52を保持するホルダ51と、ホルダ51をプロセスユニット10に向けて付勢する付勢部材59とを有する。ホルダ51は、例えばポリアセタール等の樹脂で形成されている。
ホルダ51には、所定の方向に突出する被案内部としての軸部57が設けられている。軸部57は、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)等の樹脂で形成されている。
軸部57は、トップカバーユニット20のフレーム25に形成された円筒状の軸支持部58に係合している。軸部57と軸支持部58との係合により、ホルダ51は、軸部57の延在方向に案内される。
軸支持部58の延在方向(中心軸の方向)、および軸支持部58に係合する軸部57の延在方向(図11,12に符号Dで示す)を、ホルダ51の移動方向(第1の移動方向)を規定する。ホルダ51の移動方向は、プロセスユニット10の昇降時の移動方向(後述)と平行である。
ホルダ51の移動方向は、ここではZ方向に対して傾斜している。但し、プロセスユニット10の移動方向と平行であれば、ホルダ51の移動方向は必ずしも傾斜していなくてもよい。
トップカバーユニット20のフレーム25には、図11に示すように、ホルダ51を保持する保持爪61,62が設けられている。保持爪61,62は、ホルダ51のX方向両側に配置されている。ここでは、保持爪62の長さが保持爪61よりも長いが、長さは同じであってもよい。
保持爪61は、ホルダ51のプロセスユニット10側の係合面51aに当接する当接面61aを有する。保持爪62は、ホルダ51のアーム54の段差部54aに当接する当接面62aを有する。保持爪61,62は、ホルダ51がプロセスユニット10側に移動したときのストッパ部材としても機能する。
ホルダ51のプロセスユニット10側(すなわち−Z側)には、プロセスユニット10の当接部73に当接する一対のアーム(当接体)53,54が突出形成されている。アーム53,54は、基板52に形成された穴部52aおよび切り欠き部52b(図13)をそれぞれ通過して、プロセスユニット10側に突出している。
図14は、コンタクト部55を拡大して示す図である。コンタクト部55は、金属製の板バネで構成され、基板52に取り付けられている。また、コンタクト部55は、カバー56(図13)によって覆われている。コンタクト部55は、基板52上の基部52cに取り付けられた根元部550と、根元部550から円弧状に延在する弧状部551と、弧状部551から略V字状に延在する脚部552とを有する。略V字状の脚部552の頂点部分が、メモリ部72に接触する接点553となる。
コンタクト部55は、接点553がメモリ部72に当接して力を受けると、弧状部551の曲率中心Axを中心として、矢印Sに示すように弾性変形する。コンタクト部55が、図14に符号55Aで示す位置まで変位すると、アーム53,54(図11)がプロセスユニット10の当接部73に当接する。
コンタクト部55は、弧状部551よりも脚部552が前方(−Y方向)に位置する向きに配置されている。プロセスユニット10は前方が低くなるように傾斜して配置されているため(図2参照)、コンタクト部55を図14に示した向きに配置すれば、トップカバーユニット20の閉鎖時にコンタクト部55がメモリ部72に当接して変形しやすい。
図15は、トップカバーユニット20が開位置から閉位置に向かって回動する途中で、コンタクト部55がメモリ部72に接触した状態を示す。この状態では、コンタクト部55は、まだ弾性変形していない。
これに対し、上述した図11,12は、トップカバーユニット20が閉位置にあるときの読取部5およびメモリ部72を示している。図11に示すように、トップカバーユニット20が閉位置にある(すなわち閉鎖されている)ときには、コンタクト部55が弾性変形により+Z方向に変位し、アーム53,54が当接部73に当接している。
画像形成装置1では、トップカバーユニット20が閉鎖されている状態で、運転モードに応じて、プロセスユニット10(より具体的にはプロセスユニット10C,10M,10Y)が上述したD方向(第1の移動方向)に昇降する。ここでは、プロセスユニット10が上昇する際の移動方向を+D方向とする。
図16および図17は、トップカバーユニット20が閉鎖された状態でプロセスユニット10が+D方向に移動した状態を示す図である。図16は、XZ面に平行な面における断面図であり、図17は、YZ面に平行な面における断面図である。
トップカバーユニット20が閉鎖されている状態では、ホルダ51のアーム53,54がプロセスユニット10の当接部73に当接しているため(図11参照)、プロセスユニット10が+D方向に移動すると、付勢部材59が弾性変形し、ホルダ51が保持爪61,62の当接面61a,62a(図16)から離間して、+D方向に移動する。ホルダ51の移動と共に、コンタクト部55を有する基板52も+D方向に移動する。
プロセスユニット10の+D方向の移動量Aは、例えば数mm(例えば4mm)である。付勢部材59は、例えば、自然長が8mmであり、約4mmまで圧縮される。これらの寸法は一例であり、適宜変更可能である。
このように、コンタクト部55を保持するホルダ51がD方向に移動可能であるため、プロセスユニット10の移動によって生じる負荷をアーム53,54および付勢部材59で受けることができ、コンタクト部55への負荷が低減される。その結果、コンタクト部55の摩耗を抑制し、摩耗による不具合(例えば読取不良)を抑制することができる。
また、アーム53,54および付勢部材59が負荷を受けるため、プロセスユニット10のメモリ部72への負荷も軽減される。そのため、メモリ部72の損傷も防止することができる。
特に、ホルダ51が、プロセスユニット10の移動方向であるD方向に移動するため、ホルダ51の移動に際して、コンタクト部55とメモリ部72との面内方向の摺動が生じない。そのため、より効果的に、コンタクト部55の摩耗を抑制することができる。
<リフトアップ機構>
次に、プロセスユニット10を昇降するリフトアップ機構について説明する。画像形成装置1のプロセスユニット10K,10C,10M,10Yは、画像形成位置と非画像形成位置との間で移動可能に構成されている。
図18(A),(B)は、カラー印刷モードにおけるリフトアップ機構300およびプロセスユニット10K,10C,10M,10Yの状態を示す模式図である。図19(A),(B)は、モノクロ印刷モードにおけるリフトアップ機構300およびプロセスユニット10K,10C,10M,10Yの状態を示す模式図である。
なお、図18(A)〜図19(B)では、簡単のため、プロセスユニット10C,10M,10Yの配列方向を、Y方向として示している。また、プロセスユニット10C,10M,10Yの移動方向(上述したD方向)を、Z方向として示している。
リフトアップ機構300は、プロセスユニット10C,10M,10Yの配列方向に直進移動可能なリフトアップスライダ301を有する。リフトアップスライダ301は、プロセスユニット10C,10M,10Yを昇降させる3つの昇降部310を有する。各昇降部310は、底部311と、傾斜部312と、頂部313とを有する。
頂部313は、底部311に対して+Z方向に突出し、傾斜部312は、底部311と頂部313とをつなぐように延在している。底部311と傾斜部312と頂部313とは、+Y方向に一列に配列されている。プロセスユニット10C,10M,10Yは、昇降部310に当接可能な当接部75を有する。
カラー印刷モードでは、図18(A)に示すように、リフトアップスライダ301の底部311がプロセスユニット10C,10M,10Yの当接部75に対向している。この状態では、図18(B)に示すように、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yの感光体ドラム11が転写ユニット120の転写ベルト122に接している。このときのプロセスユニット10C,10M,10Yの位置を、画像形成位置(第1の位置)と称する。また、このときのリフトアップスライダ301の位置を、基準位置と称する。
一方、モノクロ印刷モードでは、図19(A)に示すように、リフトアップスライダ301が移動し、昇降部310の頂部313がプロセスユニット10C,10M,10Yの当接部75に当接する。この状態では、図19(B)に示すように、プロセスユニット10C,10M,10Yが上昇し、プロセスユニット10K以外の各感光体ドラム11が転写ユニット120の転写ベルト122から離間している。このときのプロセスユニット10C,10M,10Yの位置を、非画像形成位置(第2の位置)と称する。また、このときのリフトアップスライダ301の位置を、リフトアップ位置と称する。
本実施の形態では、プロセスユニット10C,10M,10Yが画像形成位置(図18(A))と非画像形成位置(図18(B))との間でD方向に移動するときに、コンタクト部55(図16)がプロセスユニット10C,10M,10Yの移動方向と同方向に移動する。
次に、リフトアップ機構300の具体的な構成例について説明する。図20は、リフトアップスライダ301とその周囲を、後述する支持板17を取り除いて示す図である。リフトアップスライダ301は、画像形成装置1の筐体101の側壁部106(図3)に設けられたカバー部材18に沿って配置されている。
リフトアップスライダ301は、その下面(−Z方向の面)に、駆動伝達部としてのラックギア305を有する。ラックギア305と噛み合う位置には、ピニオン306が設けられている。ピニオン306は、駆動源である昇降モータ320に、ギア列307(減速ギア、アイドルギア等を含む)を介して連結されている。昇降モータ320の駆動力は、ギア列307およびピニオン306を介してラックギア305に伝達され、リフトアップスライダ301が直進移動する。
リフトアップスライダ301は、上記の通り、プロセスユニット10C,10M,10Yを昇降させるための3つの昇降部310を有する。また、リフトアップスライダ301は、カバー部材18側に、側板部302を有する。
図21は、リフトアップ機構300とその周囲を示す斜視図である。カバー部材18を貫通するように、現像用カップリング91K,91C,91M,91Y、およびドラム用カップリング92K,92C,92M,92Yが設けられている。リフトアップスライダ301の側板部302には、ドラム用カップリング92C,92M,92Yを貫通させる3つの開口部が形成されている。
現像用カップリング91K,91C,91M,91Yは、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yの各現像ローラ14に駆動力を伝達するものである。ドラム用カップリング92K,92C,92M,92Yは、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yの各感光体ドラム11に駆動力を伝達するものである。
リフトアップスライダ301の移動と連動して、現像用カップリング91C,91M,91Yおよびドラム用カップリング92C,92M,92YがX方向に移動するが、これについては説明を省略する。
リフトアップスライダ301の−X側(プロセスユニット10側)には、カバー部材18と平行な支持板17が配置されている。リフトアップスライダ301は、カバー部材18と支持板17との間で保持されている。
支持板17は、各プロセスユニット10のサイドフレーム70bに設けられた位置決め部76(図22)に係合するガイド部としての4つの溝部171を有する。溝部171は、上述したD方向に延在し、上端が開放されている。
カバー部材18は、各プロセスユニット10のサイドフレーム70bに設けられた位置決め部77(図22)に係合するガイド部としての4つの溝部181を有する。溝部181は、D方向に延在し、上端が開放されている。
図22は、サイドフレーム70bを示す斜視図である。サイドフレーム70bの下端には、位置決め部76が取り付けられている。位置決め部76は、サイドフレーム70bのX方向内側に、小径の軸部76aを有する。位置決め部76の軸部76aは、支持板17の溝部171(図22)に係合する。
また、サイドフレーム70bの上端には、位置決め部77が取り付けられている。位置決め部77は、サイドフレーム70bから+X方向に突出する略円筒状の部分である。位置決め部77は、カバー部材18の溝部181(図22)に係合する。
サイドフレーム70bの位置決め部76,77が、支持板17の溝部171およびカバー部材18の溝部181にそれぞれ係合することにより、リフトアップ動作時にプロセスユニット10C,10M,10YがD方向に案内される。
<画像形成装置の動作>
次に、画像形成装置1による画像形成動作(印刷動作)について、図2を参照して説明する。画像形成装置1の制御装置は、上位装置から印刷コマンドと印刷データを受信すると、画像形成動作を開始する。
まず、ピックアップローラ112が給紙トレイ111内の媒体Pを繰り出し、フィードローラ113は繰り出された媒体Pを搬送路R1に送り出す。リタードローラ114は媒体Pに搬送抵抗を付与して重送を防止する。また、搬送ローラ115,116が回転し、搬送路R1に送り出された媒体Pを画像形成部100に搬送する。
転写ユニット120では、駆動ローラ123が回転して転写ベルト122を走行させる。転写ベルト122は、媒体Pを吸着保持して搬送する。媒体Pは、プロセスユニット10K,10C,10M,10Yをこの順に通過する。
各プロセスユニット10では、各色のトナー像の形成が行われる。すなわち、感光体ドラム11が回転し、これに伴って、帯電ローラ12、現像ローラ14および供給ローラ15も回転する。帯電ローラ12は、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる。また、露光ヘッド13は、各色のイメージデータに基づいて感光体ドラム11の表面を露光し、静電潜像を形成する。
感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像は、現像ローラ14に付着したトナーによって現像され、感光体ドラム11の表面にトナー像が形成される。感光体ドラム11上のトナー像は、転写ローラ121に印加される転写電圧によって、転写ベルト122上の媒体Pに転写される。
このように、各プロセスユニット10K,10C,10M,10Yで形成された各色のトナー像が媒体Pに順次転写され、重ね合わされる。各色のトナー像が転写された媒体Pは、転写ベルト122によってさらに搬送され、定着装置130に到達する。
定着装置130では、定着ローラ131と加圧ローラ132との間で媒体Pに熱および圧力を加え、トナー像を媒体Pに定着する。
トナー像が定着した媒体Pは、媒体排出部140の排出ローラ141,142により排出搬送路R2に沿って搬送され、画像形成装置1の外部に排出される。排出された媒体Pは、スタッカ部143上に積載される。これにより、媒体Pへの画像形成動作が完了する。
なお、両面印刷の場合には、表面にトナー像が定着した媒体Pが、切り替えガイド145によって再搬送機構150に送られ、搬送ローラ151〜153によって戻り搬送路R3を搬送される。戻り搬送路R3を搬送された媒体Pは、搬送路R1に到達し、搬送ローラ118によって画像形成部100に搬送される。その後、媒体Pの裏面へのトナー像の形成が行われる。
なお、いずれかのプロセスユニット10内のトナー残量が少なくなったことが残量検知センサ等によって検知された場合には、トップカバーユニット20内のトナー搬送路に設けられた搬送スパイラルが回転し、対応するトナーカートリッジ23から当該プロセスユニット10にトナーを補給する。
上記の印刷動作がカラー印刷の場合には、リフトアップスライダ301は基準位置(図18(A))にある。プロセスユニット10K,10C,10M,10Yは、各感光体ドラム11が転写ベルト122に当接する位置、すなわち画像形成状態にある。この状態でカラー画像の形成が行われる。
一方、上記の印刷動作がモノクロ印刷の場合には、昇降モータ320が駆動され、リフトアップスライダ301をリフトアップ位置(図19(A))に移動させる。これにより、リフトアップスライダ301の昇降部310がプロセスユニット10C,10M,10Yを+D方向に持ち上げる。
そのため、プロセスユニット10C,10M,10Yは、各感光体ドラム11が転写ベルト122から離間した非画像形成位置に+D方向に移動し、プロセスユニット10Kのみが画像形成位置に残る。
このとき、プロセスユニット10C,10M,10Yのメモリ部72も+D方向に移動する。しかしながら、コンタクト部55を保持するホルダ51は、コンタクト部55とメモリ部72とを接触させた状態で、付勢部材59の弾性変形により+D方向に移動する(図17)。そのため、コンタクト部55およびメモリ部72に、プロセスユニット10の移動による負荷が集中することがない。
その結果、コンタクト部55とメモリ部72との摩擦による読取不良等の不具合、あるいはメモリ部72の損傷を防止することができる。
次に、トップカバーユニット20の開閉について説明する。上述した画像形成動作では、第1の操作レバー21(図3)は、ロック部215が筐体101の開口部108に係合する位置(ロック位置)にある。また、第2の操作レバー22は、トップカバーユニット20とバスケットユニット3とを連結させる連結位置にあり、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yからプロセスユニット10K,10C,10M,10Yへのトナー搬送路は連通している。
筐体101内でジャムを生じた媒体Pを取り除く場合、あるいは転写ユニット120を交換する場合には、トップカバーユニット20とバスケットユニット3とを連結した状態で開放する(図3)。一方、プロセスユニット10の交換が必要になった場合には、あるいは露光ヘッド13の清掃が必要になった場合には、トップカバーユニット20をバスケットユニット3との連結を解除して開放する(図4)。
いずれの場合も、ユーザは、まずフロントカバー16を開放する。これにより、トップカバーユニット20の前面に配置された第1の操作レバー21および第2の操作レバー22が操作可能になる。
<トップカバーユニットおよびバスケットユニットの開放動作>
トップカバーユニット20とバスケットユニット3とを連結した状態で開放する場合には、ユーザは第1の操作レバー21を操作する。
ユーザが第1の操作レバー21を前方に引くと、第1の操作レバー21のロック部215(図3)が筐体101の開口部108(図3)から抜け、トップカバーユニット20の筐体101に対するロックが解除される。
第2の操作レバー22は、トップカバーユニット20とバスケットユニット3とを連結させる位置(連結位置)にあるため、ユーザが第1の操作レバー21を把持してトップカバーユニット20を開放すると、トップカバーユニット20と共にバスケットユニット3も開放される。
これにより、図3に示すようにトップカバーユニット20とバスケットユニット3を共に開放することができ、筐体101内の媒体Pの搬送路を広く開放することができる。この状態で、筐体101内からジャムを生じた媒体Pを取り除き、あるいは転写ユニット120を交換することができる。
トップカバーユニット20の開位置への回動に伴い、プロセスユニット10のメモリ部72から、コンタクト部55が上方に離間する。コンタクト部55とメモリ部72とが摺動しないため、コンタクト部55の摩耗を低減することができる。
トップカバーユニット20とバスケットユニット3を閉鎖する場合には、ユーザはトップカバーユニット20を下方に押すことにより、トップカバーユニット20を閉鎖する。バスケットユニット3の上方位置はトップカバーユニット20によって規制されるため、トップカバーユニット20と共にバスケットユニット3も閉鎖される。
トップカバーユニット20が閉鎖される過程で、第1の操作レバー21のロック部215が筐体101の開口部108に到達すると、図示しないトーションバネの付勢力により、ロック部215が開口部108に係合する。これにより、トップカバーユニット20が筐体101に対してロックされる。なお、第2の操作レバー22は、上記の開閉動作を通じて、連結位置から移動していない。
また、トップカバーユニット20の閉位置に到達すると、コンタクト部55がプロセスユニット10のメモリ部72に上方から当接する(図11,12参照)。コンタクト部55は、メモリ部72に付勢されて弾性変形し、ホルダ51のアーム53,54がプロセスユニット10の当接部73に当接する。
<トップカバーユニットの連結解除状態での開放動作>
一方、トップカバーユニット20をバスケットユニット3との連結を解除して開放する場合には、ユーザは、まず第2の操作レバー22を操作する。
第2の操作レバー22を連結位置から前方に引き出すと、シャッタ26(図7)が、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yからプロセスユニット10K,10C,10M,10Yへのトナー搬送路を遮断する。また、トップカバーユニット20とバスケットユニット3との連結が解除される。
この状態で、ユーザは、第1の操作レバー21を前方に引く。これにより、第1の操作レバー21のロック部215(図2)が筐体101の開口部108から抜け、トップカバーユニット20の筐体101に対するロックが解除される。
ユーザが第1の操作レバー21を把持したままトップカバーユニット20を開放すると、トップカバーユニット20は、バスケットユニット3との連結が解除された状態で開放される。これに伴い、ステイ機構50の作用により、バスケットユニット3は、トップカバーユニット20の回動角度である第1の角度(例えば31度)よりも小さい第2の角度(例えば6度)で回動する。
これにより、図4に示すように、トップカバーユニット20を大きく開放することができる。この状態で、トップカバーユニット20に懸架支持された露光ヘッド13の清掃を行うことができる。
また、バスケットユニット3の装着位置からの回動角度が第2の角度(例えば6度)に達すると、バスケット40が回動フレーム30から引き出し可能となる。
また、この状態では、バスケット40に保持されたプロセスユニット10K,10C,10M,10Yの最下面の高さが、転写ユニット120のハンドル125(図4)および搬送ローラ116(図2)よりも高くなる。そのため、バスケット40を、他の構成要素とぶつからないように、回動フレーム30から引き出すことができる。
バスケット40は、ガイド部103に沿って摺動しながら、引き出し方向L(図4)に引き出される。ユーザが、バスケット40をさらに引き出すと、バスケット40の下部がフロントカバー16の受け部161に達する。バスケット40を回動フレーム30から引き出した状態で、バスケット40から各プロセスユニット10を取り外すことができる。
ユーザは、引き出したバスケット40のプロセスユニット10を交換した後、バスケット40を回動フレーム30に沿って後方に押し込む。その後、ユーザが、トップカバーユニット20を開位置から閉位置に回動させると、ステイ機構50により、バスケットユニット3が第2の角度(例えば6度)だけ回動し、バスケット40は収容位置に戻る。
ここでは、カラー印刷モードとモノクロ印刷モードとの切り替えに伴うプロセスユニット10C,10M,10YのD方向の移動時に、読取部5C,5M,5Yのホルダ51がメモリ部72に接触しながらD方向に移動する構成について説明した。しかしながら、カラー印刷モードとモノクロ印刷モードとの切り替えに限らず、プロセスユニット10が移動する際に、コンタクト部55がプロセスユニット10に接触した状態で、(コンタクト部55を保持する)ホルダ51がプロセスユニット10と同方向に移動する構成であればよい。
また、プロセスユニット10の移動は、上述したリフトアップ機構300に限らず、他の機構によるものでもあってもよい。
また、ここではプロセスユニット10K,10C,10M,10Yに対応する読取部5K,5C,5M,5Yについて説明したが、上記の通りプロセスユニット10Kは昇降しないため、読取部5Kのホルダ51がD方向に移動しない構成であってもよい。
<実施の形態の効果>
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置1は、画像形成位置と非画像形成位置との間でD方向(第1の方向)に移動可能なプロセスユニット10(画像形成ユニット)と、プロセスユニット10に電気的に接続されるコンタクト部55と、コンタクト部55をD方向に移動可能に保持するホルダ51と、ホルダ51を、コンタクト部55がプロセスユニット10に接触する方向に付勢する付勢部材59とを備える。プロセスユニット10のD方向の移動に伴い、コンタクト部55がプロセスユニット10に接触した状態でD方向に移動する。
そのため、プロセスユニット10のコンタクト部55への当接することによって生じる負荷を付勢部材59で受けることができ、コンタクト部55への負荷を低減することができる。その結果、コンタクト部55の摩耗を抑制し、摩耗による不具合(例えば読取不良)を抑制することができる。また、メモリ部72への負荷も低減することができるため、メモリ部72の損傷も防止することができる。
また、コンタクト部55およびホルダ51が、画像形成装置1のトップカバーユニット20(カバー部材)に設けられているため、トップカバーユニット20を閉鎖する際にコンタクト部55をメモリ部72に接触させ、トップカバーユニット20を開放する際にコンタクト部55をメモリ部72から離間させることができる。
また、プロセスユニット10は、トップカバーユニット20に対向する側にメモリ部(記憶部)72を有し、トップカバーユニット20は、メモリ部72に対向する側にコンタクト部55を有する。そのため、トップカバーユニット20の開閉時にコンタクト部55とメモリ部72とが摺動せず、従ってコンタクト部55の摩耗を抑制することができる。
また、付勢部材59が、トップカバーユニット20が閉鎖された状態で、さらにプロセスユニット10が+D方向に移動したときに圧縮されるバネであるため、簡単な構成で、プロセスユニット10との当接によってコンタクト部55に加わる負荷を低減することができる。
また、プロセスユニット10は、筐体101からD方向とは異なる引き出し方向(L方向)に引き出し可能なバスケット(可動支持体)40に保持されている。そのため、プロセスユニット10の挿抜時には、コンタクト部55とメモリ部72との接触が生じない。その結果、コンタクト部55の摩耗を抑制する効果を高めることができる。
また、ホルダ51をD方向に案内する軸支持部(案内部)58が設けられており、ホルダ51は軸支持部58に係合する軸部(被案内部)57を有する。そのため、ホルダ51およびコンタクト部55を、プロセスユニット10の移動方向であるD方向に確実に移動させることができる。
また、ホルダ51が、プロセスユニット10に当接するアーム53,54(当接体)を有するため、コンタクト部55がある程度まで弾性変形した後は、プロセスユニット10からの力をアーム53,54と付勢部材59とで受けることができる。
また、コンタクト部55は板バネ(弾性部材)であり、コンタクト部55の付勢力が付勢部材59の付勢力よりも小さいため、トップカバーユニット20を閉鎖したときにはコンタクト部55を弾性変形させ、さらにプロセスユニット10が移動したときには付勢部材59を弾性変形させることができる。
また、モノクロ印刷時に、リフトアップ機構300によりプロセスユニット10C,10M,10Yを転写ベルト122から離間した非画像形成位置に移動させることで、感光体ドラム11、転写ベルト122等の部品の不要な摺動を無くし、これらの摩擦を抑制することができる。
以上、本発明の各実施の形態および変形例について説明したが、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形または改変が可能である。
本発明は、電子写真方式を利用して媒体に画像を形成する画像形成装置(例えば複写機、ファクシミリ、プリンタ、複合機等)に利用することができる。