JP2021099228A - エージェントシステムおよびエージェントの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】立体的な構造を有する移動体用のエージェントが起動していることを乗員に容易に把握させることができる。【解決手段】エージェントシステムは、車両の室内に配置される立体的な構造を有するエージェントを機械的に駆動する駆動部と、駆動部を制御する制御装置とを備える。制御装置は、エージェントの停止中に、エージェント起動要求信号を受信していない場合(ステップS10においてNO)、エージェントを停止状態に維持する(ステップS40)とともに、エージェントが周辺の構造物に格納された停止姿勢に維持する(ステップS50)。一方、エージェントの停止中に、エージェント起動要求信号を受信した場合(ステップS10においてYES)、制御装置は、エージェントを起動する(ステップS20)とともに、エージェントが周辺の構造物から表出された起動姿勢にする(ステップS30)。【選択図】図4
Description
本開示は、移動体の室内に配置されるエージェントを用いて乗員を支援するエージェントシステム、およびそのエージェントの制御装置に関する。
近年、擬人化されたエージェントを移動体の室内に配置して、乗員を対話形式で支援するエージェントシステムの開発が進められている(たとえば特開2006−284454号公報(特許文献1)参照)。
一般的に、エージェントが起動されている場合、エージェントから音声を出力したりエージェントの一部から発光したりする。しかしながら、エージェントの起動中になされる音声出力および発光は、視覚的な変化としては小さく、エージェントが起動していることを乗員が把握し難いという問題がある。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、移動体用のエージェントが起動していることを乗員に容易に把握させることである。
本開示によるエージェントシステムは、移動体の室内に配置される立体的な構造を有するエージェントを用いて乗員を支援する。このエージェントシステムは、エージェントおよびエージェントの周囲の構造物の少なくとも一方を機械的に駆動する駆動部と、エージェントの起動前と起動後との間で乗員によるエージェントの見え方が異なるように駆動部を制御する制御部とを備える。
上記のエージェントシステムによれば、エージェントの起動前と起動後との間で乗員によるエージェントの見え方が異なるように、エージェントおよびエージェントの周囲の構造物の少なくとも一方が機械的に駆動される。これにより、エージェントが起動されていることを乗員に容易に把握させることができる。
本開示による制御装置は、移動体の室内に配置される立体的な構造を有するエージェントの制御装置である。この制御装置は、乗員が視認可能なエージェントの面積および姿勢の少なくとも一方がエージェントの起動前と起動後との間で異なるように、エージェントおよびエージェントの周囲の構造物の少なくとも一方を機械的に駆動するための信号を生成する演算部と、演算部で生成された信号を外部に出力するための出力部とを備える。
上記の制御装置によれば、演算部で生成された信号に従ってエージェントおよびエージェントの周囲の構造物の少なくとも一方が機械的に駆動されることによって、エージェントの起動前と起動後との間で乗員によるエージェントの見え方を異ならせることができる。これにより、エージェントが起動されていることを乗員に容易に把握させることができる。
本開示によれば、移動体用のエージェントが起動していることを乗員に容易に把握させることができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態によるエージェントシステム1の全体構成を模式的に示す図である。このエージェントシステム1は、擬人化されたエージェント2を車両の室内に配置して乗員を支援する車載用のエージェントシステムである。
エージェントシステム1は、エージェント2と、タッチ検出部10と、スイッチ20と、音声検出部30とを備える。このエージェントシステム1は、上述のように、車両に搭載される。なお、エージェントシステム1は、車両に搭載されることに限定されず、たとえば船舶、航空機など、車両以外の移動体に搭載されてもよい。
本実施の形態によるエージェント2は、立体的な構造を有する。エージェント2は、たとえば、頭部、胴体部、腕部等を有し、各部を駆動することによって3次元的に位置および姿勢を変えることができる(後述の図2参照)。エージェント2は、車室内の所定の位置(たとえば乗員が運転席に座ったまま手の届くダッシュボードあるいはセンターコンソール付近)に配置される。
エージェント2は、乗員を支援するためのさまざまな支援制御を実行可能に構成される。エージェント2が実行する支援制御としては、たとえば、乗員と音声で対話しながら乗員の要求する情報を提供する制御、乗員の眠気を監視して眠気防止に効果的な処置を施す制御、車両状況を確認して乗員に知らせる制御などが含まれる。
なお、エージェント2は、外部の機器(たとえば車両のナビゲーション装置、車両外部のクラウドサーバなど)との有線通信あるいは無線通信を行なって、乗員の要求する情報を外部の機器から取得可能に構成されてもよい。また、エージェント2は、車両に固定されていてもよいし、車両外部に持ち運べるように車両に着脱可能に構成されてもよい。
本実施の形態においては、タッチ検出部10、スイッチ20、および音声検出部30は、いずれもエージェント2の外部に配置される。タッチ検出部10は、車室内においてエージェント2が配置される位置の近傍に配置される。タッチ検出部10は、乗員がタッチ検出部10に触れるタッチ操作を行なった場合に、エージェント起動要求信号を制御装置100に出力する。
スイッチ20は、たとえば車両のステアリングホイールに配置される。スイッチ20は、乗員がスイッチ20を押下するプレス操作を行なった場合に、エージェント起動要求信号を制御装置100に出力する。音声検出部30は、たとえば車両の運転席の近傍に配置される。音声検出部30は、乗員がエージェント2を起動させるトリガーとなる音声(たとえば『ハイ、エージェント』という音声)を発したことを検出した場合に、エージェント起動要求信号を制御装置100に出力する。
エージェント2の内部には、タッチ検出部40と、駆動部50と、表示部60と、制御装置100とが設けられる。タッチ検出部40は、たとえばエージェント2の頭頂部に配置される。タッチ検出部40は、乗員がタッチ検出部40に触れるタッチ操作を行なった場合に、エージェント起動要求信号を制御装置100に出力する。
駆動部50は、エージェント2の関節部等に配置され、制御装置100からの指令に応じて、エージェント2の位置および姿勢を制御するように駆動される(後述の図2参照)。表示部60は、たとえばエージェント2の所定の位置(たとえばエージェント2の目に相当する位置)に配置され、制御装置100からの指令に応じて表示態様が制御される表示装置(表示灯、液晶ディスプレイなど)である。
図2は、エージェント2の構造の一例を模式的に示す図である。図2には、エージェント2が停止状態であり、腕を下げた状態で車両のダッシュボード3に設けられた開口部4に格納されている状態が例示されている。なお、図2においては、エージェント2の上下方向を「Z軸方向」、エージェント2の左右方向を「Y軸方向」、エージェント2の前後方向(Z軸方向およびY軸方向に直交する方向)を「X軸方向」として記載している。また、図2に示される軸C1,C5はZ軸方向に沿う回転軸であり、軸C2〜C4,C6は、Y軸方向に沿う回転軸である。
エージェント2は、頭部2aと、胴体部2bと、腕部2c,2dと、ベース部2eとを備える。また、エージェント2は、上述の駆動部50として、複数の駆動部51〜57を備える。
駆動部51は、胴体部2bと頭部2aとの間に配置される。駆動部51は、胴体部2bに対する頭部2aの軸C1周りの回転角θ1および軸C2周りの回転角θ2を調整可能に構成される。これにより、駆動部51は、エージェント2の頭部2aを左右および上下に動かすことができる。
駆動部52は、胴体部2bと腕部2cとの間に配置され、胴体部2bに対する腕部2cの軸C3周りの回転角θ3を調整可能に構成される。駆動部53は、胴体部2bと腕部2dとの間に配置され、胴体部2bに対する腕部2dの軸C4周りの回転角θ4を調整可能に構成される。これにより、駆動部52,53は、エージェント2の腕部2c,2dを上下あるいは前後に動かすことができる。
駆動部54は、ベース部2eと胴体部2bとの間に配置され、ベース部2eに対する胴体部2bの軸C5周りの回転角θ5および軸C6周りの回転角θ6を調整可能に構成される。これにより、駆動部54は、エージェント2の胴体部2bを左右および上下に動かすことができる。
駆動部55は、ダッシュボード3の開口部4の底面4aとエージェント2のベース部2eとの間に配置され、制御装置100からの指令に応じて伸縮される。駆動部55が伸縮されることによって、エージェント2のベース部2eの高さ(Z軸方向の位置)が調整される。なお、図2には、駆動部55が最も縮んだ状態が示されている。
さらに、エージェント2の頭部2aには、制御装置100からの指令に応じて目蓋部E1,E2を開閉させる駆動部56,57が設けられる。上述の表示部60は、たとえば目蓋部E1,E2の内部に配置される。
図1に戻って、制御装置100は、入力部T1〜T4と、出力部T5,T6と、演算部101とを備える。
入力部T1〜T4は、タッチ検出部10、スイッチ20、音声検出部30、およびタッチ検出部40からのエージェント起動要求信号がそれぞれ入力される入力ポートである。出力部T5は、駆動部50(駆動部51〜57)に対して指令信号を出力するための出力ポートである。出力部T6は、表示部60に対して指令信号を出力するための出力ポートである。
演算部101は、入力部T1〜T4および出力部T5,T6に接続される。演算部101は、CPU(Central Processing Unit)、およびメモリなどを含んで構成される。演算部101は、入力部T1〜T4に入力される信号(エージェント起動要求信号)、およびメモリに格納されたプログラムなどに基づいて、エージェント2の起動および停止を行なう制御、エージェント2による支援制御、駆動部50および表示部60の制御などを行なう。なお、制御装置100が行なう制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)により処理することも可能である。
本実施の形態において、エージェント2の「起動」とは、(i)エージェント2に電源が供給されていない電源オフ状態から、エージェント2に電源が供給されている電源オン状態に切り替えて、エージェント2を作動させること、および(ii)作動中のエージェント2の制御状態を、全部または一部の制御の実行を休止しているスリープ状態から、休止中であった制御を実行可能なウェイクアップ状態に切り替えること、の少なくとも一方を含む。同様に、エージェント2の「停止」とは、(i)電源オン状態から電源オフ状態に切り替えてエージェント2を停止させること、および(ii)作動中のエージェント2の制御状態をウェイクアップ状態からスリープ状態に切り替えること、の少なくとも一方を含む。
演算部101は、エージェント2の停止中に、タッチ検出部10、スイッチ20、音声検出部30、およびタッチ検出部40のいずれかからエージェント起動要求信号を取得した場合、エージェント2を起動する。エージェント2を起動する際、エージェント2の視覚的な変化が小さいと、エージェント2が起動していることを乗員が把握し難いという問題がある。そこで、本実施の形態による制御装置100は、エージェント2の起動前と起動後とで、乗員によるエージェント2の見え方(乗員が視認可能なエージェント2の面積および姿勢)が大幅に変化するように駆動部50(駆動部51〜57)を制御する。
図3は、停止中のエージェント2を起動する場合のエージェント2の姿勢変化の様子を模式的に示す図である。
エージェント2が停止状態である場合、制御装置100は、上述の図2に示したように、駆動部55を最も縮んだ状態に制御することによって、エージェント2の胴体部2bを、車両のダッシュボード3に設けられた開口部4の内部に格納する。また、制御装置100は、エージェント2が停止状態である場合、エージェント2の腕部2c,2dを下げ、かつ目蓋部E1,E2を閉じた状態となるように駆動部52,53、56,57を制御する。以下、エージェント2が停止状態である場合のエージェント2の姿勢を「停止姿勢」ともいう。
エージェント2の停止中に、エージェント2の頭部に配置されたタッチ検出部40が乗員によるタッチ操作を検出した場合、エージェント2近傍に配置されたタッチ検出部10が乗員によるタッチ操作を検出した場合、車両のステアリングに配置されたスイッチ20が乗員によるプレス操作を検出した場合、および、乗員が『ハイ、エージェント』という音声を発したことを音声検出部30が検出した場合のいずれかの場合、エージェント起動要求信号が制御装置100に入力される。これにより、制御装置100は、エージェント2を起動させる。
エージェント2が起動状態である場合、制御装置100は、駆動部55を伸ばした状態に制御することによって、エージェント2の胴体部2bを開口部4の外部に表出させる。また、制御装置100は、エージェント2が起動状態である場合、エージェント2の腕部2c,2dを上げ、かつ目蓋部E1,E2を開いた状態となるように駆動部52,53,56,57を制御する。以下、エージェント2が起動状態である場合のエージェント2の姿勢を「起動姿勢」ともいう。
このように制御することによって、エージェント2の起動前と起動後とで乗員によるエージェント2の見え方(乗員が視認可能なエージェント2の面積および姿勢)を大幅に異ならせることができる。
具体的には、エージェント2の起動前は、エージェント2が開口部4の内部に格納されて、エージェント2の一部がエージェント2の周囲のダッシュボード3に覆われた状態となる。したがって、乗員が視認可能なエージェント2の面積はエージェント2の頭部周辺の狭い面積に限られる。これにより、エージェント2が停止状態であることを乗員に直感的に把握させることができる。一方、エージェント2の起動後は、エージェント2が開口部4の外部に表出されて、エージェント2の一部がエージェント2の周囲のダッシュボード3に覆われない状態となる。そのため、乗員が視認可能なエージェント2の面積がより大きくなる。これにより、エージェント2が起動されていることを乗員に容易に把握させることができる。
さらに、エージェント2の起動前は、エージェント2の頭部の位置が低く、さらに腕部2c,2dが下がり、かつ目蓋部E1,E2も閉じた状態となる。これにより、エージェント2が寝ていることを乗員に連想させ易くすることができるので、エージェント2が停止状態であることを乗員により直感的に把握させ易くすることができる。一方、エージェント2の起動後は、エージェント2の頭部の位置が高く、さらに腕部2c,2dが上がり、かつ目蓋部E1,E2が開いた状態となる。これにより、エージェント2が目覚めたことを乗員に連想させ易くすることができるので、エージェント2が起動状態であることを乗員により直感的に把握させることができる。
さらに、エージェント2が停止状態である場合には、エージェント2は格納された状態に維持されるため、エージェント2を常時表出させておく場合に比べて、乗員が煩わしさを感じてしまうことが抑制される。
図4は、本実施の形態による制御装置100がエージェント2を起動する際に行なう処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、エージェント2の停止中に開始される。
制御装置100は、タッチ検出部10、スイッチ20、音声検出部30、およびタッチ検出部40の少なくとも1つから、エージェント起動要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS10)。
エージェント起動要求信号を受信していない場合(ステップS10においてNO)、制御装置100は、エージェント2を停止状態に維持する(ステップS40)。さらに、制御装置100は、エージェント2の姿勢を停止姿勢に維持する(ステップS50)。具体的には、上述の図3に示したように、エージェント2の胴体部2bを開口部4の内部に格納するとともに、腕部2c,2dを下げ、かつ目蓋部E1,E2を閉じた状態にする。
一方、エージェント起動要求信号を受信した場合(ステップS10においてYES)、制御装置100は、エージェント2を起動する(ステップS20)。さらに、制御装置100は、エージェント2の姿勢を起動姿勢にする(ステップS30)。具体的には、上述の図3に示したように、エージェント2の胴体部2bを開口部4の外部に表出させるとともに、腕部2c,2dを上げ、かつ目蓋部E1,E2を開いた状態にする。
以上のように、本実施の形態によるエージェントシステム1は、車両の室内に配置される立体的な構造を有するエージェント2を機械的に駆動する駆動部50と、エージェント2の起動前と起動後との間で乗員によるエージェント2の見え方(乗員が視認可能なエージェント2の面積および姿勢)が異なるように駆動部50を制御する制御装置100とを備える。
具体的には、制御装置100は、エージェント2の起動に伴って、開口部4の内部に格納されてたエージェント2を上方に移動させて開口部4の外部に表出させる。これにより、乗員が視認可能なエージェント2の面積がより大きくなるとともに、エージェント2の頭部の位置がより高くなる。これにより、エージェント2が起動されていることを乗員に容易に把握させることができる。
さらに、制御装置100は、エージェント2の起動に伴って、エージェント2の腕部を下がった状態から上がった状態に変化させるとともに、目蓋部E1,E2を閉じた状態から開いた状態に変化させる。このような3次元的な動きを伴ってエージェント2が出現されるため、エージェント2が起動されたことを乗員により把握させ易くすることができる。
さらに、エージェント2が停止状態である場合、制御装置100は、エージェント2が開口部4の内部に格納された状態を維持する。そのため、エージェント2を常時開口部4の外部に表出させておく場合に比べて、乗員が煩わしさを感じてしまうことを抑制することができる。
<変形例1>
上述の実施の形態においては、エージェント2を機械的に駆動することによって、エージェント2の起動前と起動後との間でエージェント2の見え方を異ならせる例について説明した。しかしながら、エージェント2を機械的に駆動することに代えてあるいは加えて、エージェント2の周囲の構造物を駆動することによって、エージェント2の見え方を変化させるようにしてもよい。
上述の実施の形態においては、エージェント2を機械的に駆動することによって、エージェント2の起動前と起動後との間でエージェント2の見え方を異ならせる例について説明した。しかしながら、エージェント2を機械的に駆動することに代えてあるいは加えて、エージェント2の周囲の構造物を駆動することによって、エージェント2の見え方を変化させるようにしてもよい。
たとえば、ダッシュボード3の開口部4の上端部分に駆動部によって開閉可能な蓋部(構造物)を設け、エージェント2の起動前には蓋部を閉じてエージェント2を見えないようにしておき、エージェント2の起動後に蓋部を開けてエージェント2が見えるように変化させてもよい。
また、たとえば、ダッシュボード3上にエージェント2のベース部2eを配置するとともにエージェント2の周囲に駆動部によって駆動される筐体(構造物)を配置し、エージェント2の起動前にはエージェント2の全部または一部を筐体で覆って見えないようにしておき、エージェント2の起動後に筐体で覆われていた部分が見えるように筐体を移動させるようにしてもよい。
<変形例2>
上述の実施の形態においては、エージェント2の起動前においてエージェント2が周囲の構造物(ダッシュボード3)に覆われた状態である例について説明した。しかしながら、エージェント2の起動前においてエージェント2が周囲の構造物に覆われていない状態としてもよい。
上述の実施の形態においては、エージェント2の起動前においてエージェント2が周囲の構造物(ダッシュボード3)に覆われた状態である例について説明した。しかしながら、エージェント2の起動前においてエージェント2が周囲の構造物に覆われていない状態としてもよい。
この場合において、制御装置100は、エージェント2の起動前は、エージェント2の姿勢が寝ていることを連想させる姿勢となるように駆動部50を制御し、エージェント2の起動後は、エージェント2の姿勢が目覚めていることを連想させる姿勢となるように駆動部50を制御するようにしてもよい。
たとえば、ダッシュボード3上にエージェント2のベース部2eを配置し、エージェント2の起動前にエージェント2が寝転んだ状態となり、エージェント2の起動後にエージェント2が立ち上がった状態となるように駆動部54を制御するようにしてもよい。
また、たとえば、ダッシュボード3上にエージェント2のベース部2eを配置し、エージェント2の起動前にエージェント2が頭部2aを下げた状態となり、エージェント2の起動後にエージェント2が頭部2aを上げた状態となるように、駆動部51を制御するようにしてもよい。
これらのように制御することによって、エージェント2の起動前におけるエージェント2の頭部2aの位置よりも、エージェント2の起動後におけるエージェント2の頭部2aの位置が高くなる。そのため、エージェント2の起動時において、エージェント2が眠っている状態から目覚めた状態に変化したことを、乗員に連想させ易くすることができる。これにより、エージェント2が起動されたことを乗員により直感的に把握させ易くすることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上に説明した例示的な実施の形態およびその変形例は、以下の態様の具体例である。
(1) 本開示の一態様によるエージェントシステムは、移動体の室内に配置される立体的な構造を有するエージェントを用いて乗員を支援する。このエージェントシステムは、エージェントおよびエージェントの周囲の構造物の少なくとも一方を機械的に駆動する駆動部と、エージェントの起動前と起動後との間で乗員によるエージェントの見え方が異なるように駆動部を制御する制御部とを備える。
(1) 本開示の一態様によるエージェントシステムは、移動体の室内に配置される立体的な構造を有するエージェントを用いて乗員を支援する。このエージェントシステムは、エージェントおよびエージェントの周囲の構造物の少なくとも一方を機械的に駆動する駆動部と、エージェントの起動前と起動後との間で乗員によるエージェントの見え方が異なるように駆動部を制御する制御部とを備える。
上記態様によれば、エージェントの起動前と起動後との間で乗員によるエージェントの見え方が異なるように、エージェントおよびエージェントの周囲の構造物の少なくとも一方が機械的に駆動される。これにより、エージェントが起動されていることを乗員に容易に把握させることができる。
(2) ある態様においては、制御部は、エージェントの起動前に乗員が視認可能なエージェントの面積よりもエージェントの起動後に乗員が視認可能なエージェントの面積が大きくなるように駆動部を制御する。
上記態様によれば、エージェントの起動に伴って、乗員が視認可能なエージェントの面積がより大きくなる。これにより、エージェントが起動されていることを乗員に容易に把握させることができる。さらに、エージェント2が停止状態である場合には、乗員が視認可能なエージェントの面積は小さいため、乗員が視認可能なエージェントの面積を常時大きくしておく場合に比べて、乗員が煩わしさを感じてしまうことを抑制することができる。
(3) ある態様においては、制御部は、エージェントの起動前はエージェントの全部または一部が周囲の構造物に覆われるように駆動部を制御する。制御部は、エージェントの起動後はエージェントの全部または一部が周囲の構造物に覆われないように駆動部を制御する。
上記態様によれば、エージェントの起動前に周囲の構造物で覆われていたエージェントの部分をエージェントの起動に伴って覆われてないようにすることによって、乗員が視認可能なエージェントの面積をより大きくすることができる。
(4) ある態様においては、制御部は、エージェントの起動前におけるエージェントの頭部の位置よりも、エージェントの起動後におけるエージェントの頭部の位置が高くなるように駆動部を制御する。
上記態様によれば、エージェントの起動に伴って、エージェント2の頭部の位置がより高くされる。これにより、エージェントが目覚めたような感覚を乗員に抱かせることができる。そのため、エージェントが起動したことを乗員により直感的に把握させることができる。
(5) ある態様においては、制御部は、エージェントの起動前は、エージェントの姿勢が寝ていることを連想させる姿勢となるように駆動部を制御する。制御部は、エージェントの起動後は、エージェントの姿勢が目覚めていることを連想させる姿勢となるように駆動部を制御する。
上記態様によれば、エージェントの起動に伴って、エージェントの姿勢が、寝ていることを連想させる姿勢から、目覚めていることを連想させる姿勢に変化する。そのため、エージェントが起動したことを乗員により直感的に把握させることができる。
(6) 本開示の一態様による制御装置は、移動体の室内に配置される立体的な構造を有するエージェントの制御装置である。この制御装置は、乗員が視認可能なエージェントの面積および姿勢の少なくとも一方がエージェントの起動前と起動後との間で異なるように、エージェントおよびエージェントの周囲の構造物の少なくとも一方を機械的に駆動するための信号を生成する演算部と、演算部で生成された信号を外部に出力するための出力部とを備える。
上記態様によれば、演算部で生成された信号に従ってエージェントおよびエージェントの周囲の構造物の少なくとも一方を機械的に駆動することによって、エージェントの起動前と起動後との間で乗員によるエージェントの見え方を異ならせることができる。これにより、エージェントが起動されていることを乗員に容易に把握させることができる。
1 エージェントシステム、2 エージェント、2a 頭部、2b 胴体部、2c,2d 腕部、2e ベース部、3 ダッシュボード、4 開口部、4a 底面、10,40 タッチ検出部、20 スイッチ、30 音声検出部、50,51,52,53,54,55,56,57 駆動部、60 表示部、100 制御装置、101 演算部、E1,E2 目蓋部、T1〜T4 入力部、T5〜T6 出力部。
Claims (6)
- 移動体の室内に配置される立体的な構造を有するエージェントを用いて乗員を支援するエージェントシステムであって、
前記エージェントおよび前記エージェントの周囲の構造物の少なくとも一方を機械的に駆動する駆動部と、
前記エージェントの起動前と起動後との間で前記乗員による前記エージェントの見え方が異なるように前記駆動部を制御する制御部とを備える、エージェントシステム。 - 前記制御部は、前記エージェントの起動前に前記乗員が視認可能な前記エージェントの面積よりも前記エージェントの起動後に前記乗員が視認可能な前記エージェントの面積が大きくなるように前記駆動部を制御する、請求項1に記載のエージェントシステム。
- 前記制御部は、
前記エージェントの起動前は前記エージェントの全部または一部が前記周囲の構造物に覆われるように前記駆動部を制御し、
前記エージェントの起動後は前記エージェントの前記全部または前記一部が前記周囲の構造物に覆われないように前記駆動部を制御する、請求項2に記載のエージェントシステム。 - 前記制御部は、前記エージェントの起動前における前記エージェントの頭部の位置よりも、前記エージェントの起動後における前記エージェントの頭部の位置が高くなるように前記駆動部を制御する、請求項1〜3のいずれかに記載のエージェントシステム。
- 前記制御部は、
前記エージェントの起動前は、前記エージェントの姿勢が寝ていることを連想させる姿勢となるように前記駆動部を制御し、
前記エージェントの起動後は、前記エージェントの姿勢が目覚めていることを連想させる姿勢となるように前記駆動部を制御する、請求項1〜4のいずれかに記載のエージェントシステム。 - 移動体の室内に配置される立体的な構造を有するエージェントの制御装置であって、
前記乗員が視認可能な前記エージェントの面積および姿勢の少なくとも一方が前記エージェントの起動前と起動後との間で異なるように、前記エージェントおよび前記エージェントの周囲の構造物の少なくとも一方を機械的に駆動するための信号を生成する演算部と、
前記演算部で生成された信号を外部に出力するための出力部とを備える、エージェントの制御装置。
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JP2010195370A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Toyota Motor Corp | 車載ロボット装置 |
JP2018032204A (ja) * | 2016-08-24 | 2018-03-01 | トヨタ自動車株式会社 | 運転支援装置 |
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