JP2021099176A - 蒸発器及びループ型ヒートパイプ - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔質ウィックに変形しやすい材料を用いたときにも、変形による冷却効率の低下を抑制する蒸発器の提供。【解決手段】本発明の蒸発器は、筐体の受熱部が受熱することで筐体内部の流体を液相から気相へと相転移させる蒸発器であって、前記受熱部における前記蒸発器の内壁と前記流体との間において溝部を形成された多孔質部材を有し、前記内壁は、前記溝部の凹部の幅よりも小さい幅を有する凸部を少なくとも1箇所以上有し、前記蒸発器の前記内壁に形成された前記凸部の先端部が前記溝部の前記凹部の底部に当接し、かつ前記凸部の両側に前記凹部の側壁との間で形成される空隙部を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、蒸発器及びループ型ヒートパイプに関する。
近年、電子機器においては、冷却対象を冷却するための冷却手段として、冷媒となる流体を流入させて冷却する方式が知られている。
このような冷却方法の一つとして、蒸発器と凝縮器との間に管を介して流体を循環させて冷却するループ型ヒートパイプが知られている。
かかるループ型ヒートパイプは、一般に液相の流体を蒸発器に流入させることで蒸発器内部のウィックと呼ばれる多孔質体に毛細管現象によって浸透させ、ウィック表面に染み出た流体に冷却対象からの熱を受熱させることで、流体を液相から気相へと相転移する。そして、この相転移する際の気化熱を用いて、冷却対象を冷却する。
気化された流体は、凝縮器において冷却されてまた液相に戻るとともに、気化した流体の圧力によって蒸発器側へ再度遷移することで循環する。
さて、こうした多孔質ウィックは、蒸発器の筐体内壁との当接箇所において特に変形しやすいが、こうした当接箇所において過度の圧力がかかった結果、多孔質ウィックの内部構造が潰れてしまい、活発に蒸発が行われる領域まで作動流体を輸送することが困難となり、冷却効率が低下してしまう虞があった。
本発明は以上のような課題に基づきなされたものであり、多孔質ウィックに変形しやすい材料を用いたときにも、変形による冷却効率の低下を抑制することを目的とする。
本願発明にかかる蒸発器は、筐体の受熱部が受熱することで筐体内部の流体を液相から気相へと相転移させる蒸発器であって、前記受熱部における前記蒸発器の内壁と前記流体との間において溝部を形成された多孔質部材を有し、前記内壁は、前記溝部の凹部の幅よりも小さい幅を有する凸部を少なくとも1箇所以上有し、前記蒸発器の前記内壁に形成された前記凸部の先端部が前記溝部の前記凹部の底部に当接し、かつ前記凸部の両側に前記凹部の側壁との間で形成される空隙部を有することを特徴とする。
本発明によれば、多孔質ウィックに変形しやすい材料を用いたときにも、変形による冷却効率の低下を抑制して、ループ型ヒートパイプの冷却効率を向上することができる。
本発明の実施形態であるループ型ヒートパイプの構成の一例を示す図である。 図1に示したループ型ヒートパイプの蒸発器の構成の一例を示す図である。 図2に示した蒸発器の断面構成の一例を示す図である。 蒸発器の変形例を示す図である。 図3に示した凹凸形状の一例を示す拡大図である。 図3に示した多孔質部材の構成の一例を示す図である。 蒸発器の比較例を示す図である。 多孔質部材に形成される凸部の変形を模式的に示す図である。 図3に示した蒸発器の動作時の作動流体の流れの一例を示す図である。 凹凸の大小によって生じる圧入時の形状変化の一例を示す図である。 蒸発器の内壁と多孔質部材との凹凸形状の組み合わせの一例を示す図である。 図11に示した蒸発器の第1の変形例を示す図である。 図11に示した蒸発器の第2の変形例を示す図である。 図11に示した蒸発器の第3の変形例を示す図である。 図11に示した蒸発器の第4の変形例を示す図である。 図11に示した蒸発器の第5の変形例を示す図である。 図11に示した蒸発器の第6の変形例を示す図である。
本発明の第1の実施形態として、図1にループ型ヒートパイプたる冷却装置100を示す。
冷却装置100は、蒸発器10と、凝縮器20と、蒸発器10と凝縮器20とを連結するパイプ状の管部30と、蒸発器10よりも循環方向上流側に配置された液溜部40と、を有し、内部に流れる冷媒としての作動流体Qが、気相と液相とを相転移しながら循環することで冷却対象である熱源200を冷却する循環型のヒートパイプである。
なお、以降の説明では、図1の上側をZ方向、Z方向に垂直な紙面垂直方向をY方向、Z方向に垂直な紙面右手方向をX方向として説明を行う。
本発明の冷却装置100においては、冷却装置100内部に封入された作動流体Qは、図1中にAで示す循環方向に循環しており、熱源200は蒸発器10に当接して配置されている。
蒸発器10と凝縮器20とを結ぶ管部30のうち、特に蒸発器10から凝縮器20へと作動流体Qが気相で移動するパイプを蒸気管31、凝縮器20から液溜部40を経由して蒸発器10へと至るまでのパイプを液管32と呼称する。
熱源200から蒸発器10に熱が伝導されると、蒸発器10内部で作動流体Qが液相から気相へと相変化する。作動流体Qは液相から気相へと相変化することで体積が膨張する。蒸発器10においては多孔質部材としての多孔質ウィック4が配置されているので、気相となった作動流体Qは多孔質ウィック4ではなく蒸気管31へと移動する。つまり、気相となった作動流体Qは相変化で生じる圧力によって蒸発器10を通り抜けて蒸気管31から凝縮器20へと移動する。
凝縮器20は、所謂ラジエータであって、作動流体Qの熱を放熱することで作動流体Qを気相から液相へと相変化させる。液相となった作動流体Qは、気相側からの圧力によって循環方向へと押されるため、液管32を伝わって液溜部40へと移動する。
蒸発器10は、図2に示すように、筐体11の表面たる受熱部1に、発熱体たる熱源200を接触させることで筐体11内部の流体を液相から気相へと相転移させる蒸発器である。
蒸発器10は本実施形態では図3に示すように断面が円形の円柱形状であり、受熱部1が形成される面は円柱の側面を構成する曲面形状である。
蒸発器10は、筐体11内部に配置された多孔質部材たる多孔質ウィック4と、多孔質ウィック4と受熱部1との間に形成された溝部たる蒸気溝3と、多孔質ウィック4によって受熱部1と隔てられて作動流体Qを筐体11内部に保持するための滞留部5と、を有している。特に図2、図3においては、作動流体Qで占められた液相作動流体流入空間が滞留部5に相当する部分である。
本実施形態では、蒸発器10は円柱形状の構成としているが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば図4に示すような平板状や円筒形状等、設計に応じて種々の形状を取ってよい。
また、本実施形態においては、蒸気溝3は少なくとも多孔質ウィック4と受熱部1との間には形成されているが、その他の場所にも形成されるとしても良い。
蒸発器10の受熱部1の内壁面12には、図5に拡大して図示するように、内側に向かって突出した凸部13が複数形成されており、多孔質ウィック4が蒸発器10に挿入されることで、筐体11と多孔質ウィック4とに囲まれた通気路が蒸気溝3として機能する。
すなわち受熱部1における蒸発器10の内壁面12は、対向する多孔質ウィック4の外側面に形成された凹部の幅よりも小さい幅を有する凸部13を少なくとも1箇所以上有している。
多孔質ウィック4は、図6に示すように蒸発器10の筐体11の内面形状に合わせて形成された多孔質部材である。
多孔質ウィック4の材料には例えばシリコンゴムのような熱伝導率の低いゴムや、PTFE等の樹脂を用いることが好ましい。あるいは、金属を用いる場合には、熱伝導率の比較的低いステンレス粉末の焼結体等を用いても良い。
多孔質ウィック4は、可撓性を持った材料であることがより好ましく、このような場合には、筐体11に圧入されて密着性が向上する。
多孔質ウィック4は、外側面に複数の凹条たる溝部が形成されている。すなわち、多孔質ウィック4には凹凸で形成された溝部が延伸方向たるX方向に沿って形成され、多孔質ウィック4は複数の多孔質凸部41と、多孔質凹部42と、を有している。
多孔質ウィック4が筐体11に挿入された状態において、図3あるいは図5に示すように凸部13の間に多孔質凸部41が入り込むことで、多孔質凸部41の両側に空隙部43が形成される。言い換えれば空隙部43は多孔質凸部41の側面と、凸部13の側面と、内壁面12と、多孔質凹部42と、で囲まれた空間を示している。
このとき、多孔質凹部42の底面部42aには、凸部13の頂部が突き当たるように当接して配置される。
同様に、多孔質凸部41の頂部41aは、筐体11の内壁面12に突き当たるように当接して配置される。
このように、多孔質凹部42の深さdと、凸部13の高さとが一致するように設けられることが最も好ましい。また、同様に多孔質凸部41の高さと、凸部13の高さとが一致するように設けられることがさらに好ましい。
蒸発器10の少なくとも蒸気溝3が形成される領域におけるZY断面において、滞留部5は、多孔質ウィック4によって囲まれるように形成され、作動流体Qを液相の状態で蒸発器11の内壁と直接接触しないように収容する液相作動流体流入空間として機能する。
滞留部5は、液溜部40と液管32を介して接続されている。
さて、このような蒸発器10を用いるときには、熱源200と接触する受熱部1から熱が伝わり、筐体11の内壁に伝わった熱が作動流体Qを加熱することで作動流体Qが蒸発し、気化熱によって冷却することで熱交換を行っている。
循環型のヒートパイプにおける蒸発器の比較例を蒸発器10’として図7に例示する。
蒸発器10’は、熱源200と当接して取り付けられる筐体11’と、多孔質部材4’と、筐体11’の熱源200と当接した側の壁面に形成された蒸気溝3’と、を有している。
通常、作動流体Qは、液管32’から液相で流入すると、多孔質部材4’の微細孔に毛細管現象によって浸透し、筐体11’からの熱によって蒸発する。気相となった作動流体Qは蒸気管31’から排出される。
このとき、多孔質部材4’の熱源200側の面と、筐体11’との間に間隙すなわち蒸気溝3’があることによって、多孔質部材4’に浸透した液相の作動流体Qが蒸発しやすくなり、熱交換効率が向上する。
このような蒸発器10’において、熱源200からの熱が全てこのように蒸気溝3’において多孔質部材4’の表面に染み出してきた作動流体Qを蒸発させるのに使われるとき、熱交換効率は理想的な状態であるといえる。
すなわち、効率の良い冷却のためには、作動流体Qが気化したときの通り道が必要であり、多孔質部材4’と筐体11’との間に、蒸気溝3’が形成されることが重要であった。
しかしながら、本実施形態のように発泡ゴムで構成されるような多孔質ウィック4には、細かい蒸気溝3の加工形成が難しく、溝幅やピッチを1mm以下のレベルで加工することが非常に難しい。
また、単位面積当たりの溝数を増やせないことで、冷却効率と小型化との両立が難しいという問題が知られている。
こうした問題に対し、図7に示すように、筐体11’の内壁面に蒸気溝3’を形成する構成が考えられる。つまり、本実施形態で形成したのと同様に、筐体11’の内側に向かって突出した凸部13’を有するような構造である。しかしながらこの場合にも、金属製の筐体11’の厚みが部分ごとに異なってしまうという問題がある。
また、筐体11’は内圧に対しての耐圧性が必要となるため、蒸気溝3’の凹部を構成する内壁面の薄肉部の厚みd1は、設計上所定の厚み以上に抑えることは難しい。
さらに、内壁面の厚肉部の厚みd2とすると、熱源200から作動流体Qまでの距離が広くなってしまう。
このような筐体11’の厚肉部である凸部13’の頂部までの厚みd2によって生じる温度差は、例えば熱源200として10W/cm2以上の高発熱密度の物体を仮定して試算した場合には、10度以上にも達する場合があり、好ましくない。
また、多孔質ウィック4に蒸気溝3を設ける場合には、多孔質ウィック4自体が可撓性を有するため、多孔質ウィック4の突出部は図8に破線で囲って示すように圧縮変形してしまい、多孔質の微細構造が潰れて毛細管力による作動流体Qの液供給効果が低下してしまう問題もある。
そこで、本実施形態の蒸発器10は、多孔質ウィック4に多孔質凸部41と多孔質凹部42とを形成するとともに、筐体11の内壁面12においても隣り合う多孔質凹部42との幅よりも小さい幅を有する凸部13を形成している。
また、内壁面12に形成された凸部13の先端が、多孔質凹部42の底部に当接し、かつ凸部13の両側に多孔質凹部42の側壁との間で空隙部43が形成される。
このように、蒸発器10の内壁面12に複数の凸部13を有するとともに、多孔質ウィック4にも多孔質凸部41と多孔質凹部42とを形成することによって、図9に示すように、多孔質ウィック4と筐体11との間で形成される空隙部43が蒸発溝3として機能するため、蒸発溝3の単位面積当たりの本数を向上させることができて、熱交換効率の向上に寄与する。
また、作動流体Qの蒸発を、図9に一点鎖線で囲って示すように、厚みd1の薄肉部(すなわち凹部12の底面部)と、厚みd2の厚肉部(すなわち凸部13の頂部)との両方で行うことができるので、熱源200に近接した位置で熱交換が行えるので筐体11の熱抵抗の影響を小さく抑え、冷却性能の向上に寄与する。
さらに、筐体11と同材料である金属製の凸部13の頂部が、多孔質凹部42の底面42aに突き当たるように当接するため、多孔質凸部41に不要な圧力がかかることがなく、多孔質凸部41の圧縮変形を防いで、多孔質の微細構造による毛細管力を維持する効果をも見込むことができる。
さて、筐体11の内壁面12に形成される凸部13の高さdについては、理想的には多孔質ウィック4に形成された多孔質凸部41の高さd’と完全一致することが望ましいが、現実的には完全な一致は難しい。
このような凸部13の高さdと、多孔質凸部41の高さd’が異なる場合について考える。
図10(a)に示すように、凸部13の高さdが、多孔質凸部41の高さd’よりも長い場合(d>d’)には、図10(b)に示すように組み付け時に圧力がかかることで、多孔質凹部42が凸部13によって押圧されて多孔質ウィック4の形状が不安定となり、想定した接触状態が得られない虞がある。
一方、逆に凸部13の高さdが、多孔質凸部41の高さd’に対して同等以下の場合(d’≧d)には、図10(c)、(d)に示すように多孔質ウィック4の可撓性によって多孔質凸部41が歪むことで、筐体11の内壁面12には多孔質凸部41が当接し、多孔質凹部42には凸部13が当接することとなる。
かかる構成によれば、図8に示した理想的な構成に近い状態で熱交換がなされるので、熱交換効率の低下を防ぐことができる。
なお、このとき図8で説明したように、多孔質凸部41が過度に潰されてしまうほどの差が生じると好ましくないため、多孔質ウィック4の微細組織を潰さない程度に、具体的には多孔質凸部41の押し潰し量が20%以内に収まるようにd、d’のそれぞれの数値をd’≧dの範囲内で適宜設定することが望ましい。
このように本実施形態においては、筐体11の内壁側に設けられた凸部13の高さdは、多孔質凹部42の深さ(すなわち多孔質凸部41の高さ:d’)と同等以下(d’≧d)であり、多孔質ウィック4の蒸気溝3の形成部分である多孔質凸部41の縦弾性係数は、凸部13の縦弾性係数よりも小さい。
かかる構成によれば、図8に示した理想的な構成に近い状態で熱交換がなされるので、熱交換効率の低下を防ぐことができる。
また、多孔質ウィック4の多孔質凸部41と多孔質凹部42との形状と、筐体11の形状とは、平板形状であれば例えば図11に示すような互いに直線状に延伸した凸部と凹部とを有する構成が考えられるが、他にも、図12に示すように凸部13が個々に独立した柱状に起立した不連続な凸形状であっても良い。
また、多孔質ウィック4に形成された多孔質凸部41と多孔質凹部42との数と、筐体11に形成された凸部13の数とは、多孔質ウィック4が筐体11に圧入された時に互いに噛み合うように交互に設けられても良いが、図13に示すように多孔質凹部42に複数の凸部13が当接したり、あるいは図14に示すように複数の多孔質凸部41が凸部13の間の内壁面12に当接することとしても良い。
また、図10〜図14においては説明の簡素化のため多孔質ウィック4の一部を抜き出し、平板形状での組み合わせを述べたが、図3に示したように円筒形状であっても同様の構成で形成することができる。
かかる構成によれば、組み合わされた凸部13の両側、あるいは多孔質凸部41の両側に蒸気溝3が形成されるから、多孔質ウィック4に形成される蒸気溝3のピッチをより小さくすることができて、蒸発器10の熱交換効率の向上を図ることができる。
さて、本構成においては、凸部13の両側に空隙部43が形成されるように、多孔質ウィック4に形成された多孔質凸部41と多孔質凹部42との位置関係と、筐体11に形成された凸部13の位置関係とが正しく取られた上で組付けられる必要がある。
具体的には、多孔質凹部42の側壁(あるいは多孔質凸部41の側壁)の間に凸部13が位置するように位置関係を調整することが望ましい。
しかしながら、本実施形態のように、1mm以下のピッチで蒸気溝3を設けたいような場合には、目視で組付けすることは難しい。
そこで、図15(a)に示すように、凸部13の形状を、内壁面12に対して垂直な方向から傾斜して起立する、言い換えると凸部13が傾斜部13aを有することとすれば、テーパー形状に形成されることとなる。かかる構成によれば、組み付け時に例えば傾斜部13aと多孔質凸部41とが当接した時には、図15(b)に破線で示すように多孔質ウィック4の弾性力が傾斜部13aに沿った方向に変換されるから、押圧によって図15(a)に示すように位置決めがある程度自動的になされて組み付けが容易になる。
また、かかる構成とした場合には、内壁面12の平坦部12aの幅Lは、多孔質凸部41の頂部41aの平坦部の幅L’と一致するように傾斜部13aの斜度を定めることがより好ましい。
なお、かかる構成は、筐体11に形成された凸部13に傾斜部13aを設ける他に、図16に示すように多孔質ウィック4の多孔質凸部41側に傾斜部を設けてテーパー形状にするとしても良い。また、互いに位置決めを簡易に行うことが目的なので、テーパー形状の他、曲面の組み合わせによって凸部13の頂部と多孔質凹部42とが当接するように設けられていても良い。
また、言うまでもないが、蒸発器10の形状を円柱形状とした場合には、「内壁面12に対して垂直な方向」は円柱の中心軸へ向かう方向となり、当該方向に対して傾斜して傾斜部が形成される。
このように、多孔質ウィック4に設けられた多孔質凸部41と、凸部13の側面とのうち、少なくとも何れか一方が受熱部1の内壁面12に対して垂直な方向から傾斜して起立する構成とすれば、組み付け時の凹凸のずれによる蒸気溝3を塞いでしまう等の問題を簡易に解決することができる。
なお、例えば多孔質凸部41と凸部13との何れもが傾斜部を備えた場合にも、図17に参考図として示すように、互いの傾斜部の斜度を異ならせる、あるいは形状を異ならせることで、空隙部43が形成される。かかる構成により、蒸気溝3を多孔質凸部41あるいは凸部13の何れかの側部に形成することができる。
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
また、上述した各変形例を適宜組み合わせて用いたとしても良い。
1 受熱部
3 蒸気溝
4 多孔質部材(多孔質ウィック)
5 滞留部
10 蒸発器
11 筐体
20 凝縮器
30 管部
31 蒸気管
32 液管
41 多孔質凸部
42 多孔質凹部
43 空隙部
100 冷却装置
Q 作動流体
特開2019−007725号公報

Claims (6)

  1. 筐体の受熱部が受熱することで筐体内部の流体を液相から気相へと相転移させる蒸発器であって、
    前記受熱部における前記蒸発器の内壁と前記流体との間において溝部を形成された多孔質部材を有し、
    前記内壁は、前記溝部の凹部の幅よりも小さい幅を有する凸部を少なくとも1箇所以上有し、
    前記蒸発器の前記内壁に形成された前記凸部の先端部が前記溝部の前記凹部の底部に当接し、かつ前記凸部の両側に前記凹部の側壁との間で形成される空隙部を有する蒸発器。
  2. 請求項1に記載の蒸発器であって、
    前記受熱部において内壁側に設けられた前記凸部の高さは前記凹部の深さと同等以下であり、
    前記多孔質部材の前記凹部の形成部分の縦弾性係数が、前記凸部の縦弾性係数よりも小さいことを特徴とする蒸発器。
  3. 請求項1または2に記載の蒸発器であって、
    前記多孔質部材に設けられた前記凹部の側壁と、前記凸部の側面とのうち、少なくとも何れか一方が前記受熱部の前記内壁に対して垂直な方向から傾斜して起立することを特徴とする蒸発器。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つに記載の蒸発器であって、
    前記受熱部は平面形状の受熱面を備えることを特徴とする蒸発器。
  5. 請求項1乃至3の何れか1つに記載の蒸発器であって、
    前記受熱部は曲面形状の受熱面を備えることを特徴とする蒸発器。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つに記載の蒸発器と、
    前記流体が気相となって流れ込み冷却される凝縮器と、
    前記蒸発器と前記凝縮器とを接続してループを形成する管と、
    前記蒸発器と前記凝縮器と前記管との間を気相と液相に変化しながら循環する作動流体と、
    を有することを特徴とするループ型ヒートパイプ。
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