JP2021098321A - 積層体 - Google Patents

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健行 澤田
Takeyuki Sawada
健行 澤田
祐樹 首藤
Yuki Shuto
祐樹 首藤
義昭 平澤
Yoshiaki Hirasawa
義昭 平澤
圭介 山本
Keisuke Yamamoto
圭介 山本
川合 秀治
Hideji Kawai
秀治 川合
中尾 航
Ko Nakao
航 中尾
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Abstract

【課題】割れにくい新規な構造体を提供する。【解決手段】積層体1Aは、最上層3と、中間層5と、最下層7と、をこの順に積層した本体部9を有する。中間層5は、最上層3に比べてヤング率が低く、かつ、最下層7に比べてヤング率が低い低ヤング率層11を1層以上備えている。また、低ヤング率層のヤング率(GPa)と前記最上層のヤング率(GPa)とは、下記式(1)を満たし、低ヤング率層のヤング率(GPa)と最下層のヤング率(GPa)とは、下記式(2)を満たす積層体。低ヤング率層のヤング率≦最上層のヤング率×0.8…式(1)、低ヤング率層のヤング率≦最下層のヤング率×0.8…式(2)。【選択図】図1

Description

本開示は、積層体に関する。
タイル等の構造体が知られている(例えば特許文献1参照)。
特公平5−66459号公報
従来の構造体は、物体を落とすと割れてしまうおそれがあった。そのため、用途が限定されていた。
本開示は、上記課題を解決するためのものであり、割れにくい新規な構造体を提供することを目的とする。
最上層と、中間層と、最下層と、をこの順に積層した本体部を有し、前記中間層は、前記最上層に比べてヤング率が低く、かつ、前記最下層に比べてヤング率が低い低ヤング率層を1層以上備えている、積層体。
第1実施形態の積層体を模式的に示す断面図である。 第2実施形態の積層体を模式的に示す断面図である。 第3実施形態の積層体を模式的に示す断面図である。 第4実施形態の積層体を模式的に示す断面図である。 積層体が割れにくくなる推測理由を説明するための概念図である。 積層体が割れにくくなる推測理由を説明するための概念図である。 積層体が割れにくくなる推測理由を説明するための概念図である。 積層体が割れにくくなる推測理由を説明するための概念図である。 積層体が割れにくくなる推測理由を説明するための概念図である。 評価試料1を模式的に示す断面図である。 評価試料2を模式的に示す断面図である。 評価試料3を模式的に示す断面図である。 評価試料4を模式的に示す断面図である。 評価試料5を模式的に示す断面図である。 評価試料6を模式的に示す断面図である。 評価試料7を模式的に示す断面図である。 評価試料8を模式的に示す断面図である。 評価試料9を模式的に示す断面図である。 評価試料10を模式的に示す断面図である。 評価試料11を模式的に示す断面図である。 評価試料12を模式的に示す断面図である。 評価試料13,15,17を模式的に示す断面図である。 評価試料14,16,18を模式的に示す断面図である。 評価試料19を模式的に示す断面図である。
1.積層体1
積層体1は、最上層3と、中間層5と、最下層7と、をこの順に積層した本体部9を有する。中間層5は、低ヤング率層11を1層以上備えている。低ヤング率層11は、最上層3に比べてヤング率が低く、かつ、最下層7に比べてヤング率が低い。
(1)積層パターン
積層体1の積層パターンを例示する。第1実施形態の積層体1Aは、図1に示すように、3層の積層構造を有する。積層体1Aは、最上層3と、中間層5と、最下層7と、をこの順に積層してなる。この積層体1Aでは、中間層5は、低ヤング率層11となっている。積層体1Aは、表面コーティング層31が備えられていないため、本体部9のみからなる。
第2実施形態の積層体1Bは、図2に示すように、5層の積層構造を有する。積層体1Bは、最上層3と、中間層5と、最下層7と、をこの順に積層してなる。この積層体1Bでは、中間層5は、2層の低ヤング率層11を備えている。積層体1Bでは、中間層5は、低ヤング率層11と、低ヤング率層11よりもヤング率が高い高ヤング率層13と、低ヤング率層11と、からなっている。積層体1Bは、表面コーティング層31が備えられていないため、本体部9のみからなる。
第3実施形態の積層体1Cは、図3に示すように、7層の積層構造を有する。積層体1Cは、最上層3と、中間層5と、最下層7と、をこの順に積層してなる。この積層体1Cでは、中間層5は、3層の低ヤング率層11を備えている。積層体1Cでは、中間層5は、低ヤング率層11と、低ヤング率層11よりもヤング率が高い高ヤング率層13と、低ヤング率層11と、低ヤング率層11よりもヤング率が高い高ヤング率層13と、低ヤング率層11と、からなっている。積層体1Cは、表面コーティング層31が備えられていないため、本体部9のみからなる。
上述の積層体1の積層パターンでは、3層、5層、7層の積層構造を例示した。積層体1は、これらの層数に限定されず、7層よりも多くてもよい。層数は、積層体1の製造コスト等の観点から、3層、5層、7層のいずれかが好ましい。
(2)各層のヤング率
(2.1)最上層3のヤング率
最上層3のヤング率は、特に限定されない。最上層3のヤング率は、積層体1の割れを防止する観点から、下限値に関して、10GPa以上が好ましく、12GPa以上がより好ましく、14GPa以上が更に好ましい。最上層3のヤング率は、積層体1の製造コスト等の観点から、上限値に関して、20GPa以下が好ましく、18GPa以下がより好ましく、16GPa以下が更に好ましい。最上層3のヤング率は、10GPa以上20GPa以下が好ましく、12GPa以上18GPa以下がより好ましく、14GPa以上16GPa以下が更に好ましい。
(2.2)最下層7のヤング率
最下層7のヤング率は、特に限定されない。最下層7のヤング率は、積層体1の割れを防止する観点から、下限値に関して、10GPa以上が好ましく、12GPa以上がより好ましく、14GPa以上が更に好ましい。最上層3のヤング率は、積層体1の製造コスト等の観点から、上限値に関して、20GPa以下が好ましく、18GPa以下がより好ましく、16GPa以下が更に好ましい。最上層3のヤング率は、10GPa以上20GPa以下が好ましく、12GPa以上18GPa以下がより好ましく、14GPa以上16GPa以下が更に好ましい。
(2.3)低ヤング率層11のヤング率
低ヤング率層11のヤング率は、最上層3のヤング率よりも低く、かつ、最下層7のヤング率よりも低い。低ヤング率層11のヤング率は、下記式(1)及び(2)を満たすことが好ましい。下記式(1)を満たすことで、最上層3のヤング率を100%とした場合に、低ヤング率層11のヤング率は0%よりも大きく80%以下となる。下記式(2)を満たすことで、最下層7のヤング率を100%とした場合に、低ヤング率層11のヤング率は0%よりも大きく80%以下となる。

0<低ヤング率層のヤング率≦最上層のヤング率×0.80…式(1)
0<低ヤング率層のヤング率≦最下層のヤング率×0.80…式(2)
低ヤング率層11のヤング率は、下記式(1’)及び(2’)を満たすことがより好ましい。下記式(1’)を満たすことで、最上層3のヤング率を100%とした場合に、低ヤング率層11のヤング率は15%以上60%以下となる。下記式(2’)を満たすことで、最下層7のヤング率を100%とした場合に、低ヤング率層11のヤング率は15%以上60%以下となる。
最上層のヤング率×0.15≦低ヤング率層のヤング率≦最上層のヤング率×0.60
…式(1’)
最下層のヤング率×0.15≦低ヤング率層のヤング率≦最下層のヤング率×0.60
…式(2’)
中間層5が、低ヤング率層11を2層以上備えている場合、例えば図2,3の場合には、各低ヤング率層11のヤング率が最上層3のヤング率よりも低く、かつ、最下層7のヤング率よりも低い。各低ヤング率層11のヤング率は、下記式(1)及び(2)を満たすことが好ましく、下記式(1’)及び(2’)を満たすことがより好ましい。
中間層5が、低ヤング率層11を2層以上備えている場合には、各低ヤング率層11のヤング率は同一であっても、互いに異なっていてもよい。
中間層5が、高ヤング率層13を備えている場合、例えば図2,3の場合、高ヤング率層13のヤング率は、上述のように低ヤング率層11よりも高い。高ヤング率層13は、最上層3のヤング率と同じとすることができる。高ヤング率層13のヤング率は、積層体1の割れを防止する観点から、10GPa以上が好ましく、12GPa以上がより好ましく、14GPa以上が更に好ましい。最上層3のヤング率は、積層体1の製造コスト等の観点から、上限値に関して、20GPa以下が好ましく、18GPa以下がより好ましく、16GPa以下が更に好ましい。最上層3のヤング率は、10GPa以上20GPa以下が好ましく、12GPa以上18GPa以下がより好ましく、14GPa以上16GPa以下が更に好ましい。
(2.4)ヤング率の求め方
ヤング率は、次のように求めることができる。セラミックス層の場合には、幅13mm×長さ45mm×厚み10mmとしたサンプルをスパン幅:35mmとした装置(島津製作所製 オートグラフ AG−X)に設置し、変位速度:0.5mm/分の条件で3点曲げ強度試験を実施する。3点曲げ強度測定結果より得られた応力ひずみ曲線の傾きよりヤング率を算出する。
樹脂層の場合には、次のようにして求める。樹脂層が「エポキシ樹脂」を主成分とする場合には、樹脂層と同等の成分で形成した幅11mm×長さ80mm×厚み5mmとしたサンプルをスパン幅:78mmとした装置(INSTRON社製 材料試験装置 5982型)に設置し、サンプル裏面(引張面)にひずみゲージをはり、変位速度:1mm/分の条件で3点曲げ強度試験を室温下で実施する。ひずみゲージ(共和電業製 KFGS−2−120−C11)より得られた曲げひずみ0.05%〜0.25%の範囲において最小二乗法によりヤング率を算出する。
樹脂層が「エポキシ樹脂」を主成分とし、かつ、「無機フィラー」を含有する場合には、樹脂層と同等の成分で形成した幅11mm×長さ80mm×厚み5mmとしたサンプルをスパン幅:69mmとした装置(INSTRON社製 材料試験装置 5982型)に設置し、サンプル裏面(引張面)にひずみゲージ(共和電業製 KFGS−2−120−C11)をはり、変位速度:1mm/分の条件で3点曲げ強度試験を室温下で実施する。ひずみゲージより得られた曲げひずみ0.05%〜0.25%の範囲において最小二乗法によりヤング率を算出する。
樹脂層が「変性シリコーン」を主成分とする場合には、樹脂層と同等の成分で形成した幅10mm×長さ80mm×厚み10mmとしたサンプルをスパン幅:69mmとした装置(INSTRON社製 材料試験装置 5982型)に設置し、サンプル裏面(引張面)にひずみゲージ(共和電業製 KFGS−2−120−C11)をはり、変位速度:2mm/分の条件で3点曲げ強度試験を室温下で実施する。ひずみゲージより得られた曲げひずみ0.05%〜0.25%の範囲において最小二乗法によりヤング率を算出する。
(3)厚み
積層体1の本体部9の厚みは、特に限定されない。積層体1の本体部9の厚みは、積層体1をタイルとする場合には、2mm以上50mm以下が好ましく、3mm以上20mm以下がより好ましい。積層体1に、表面コーティングが施されていない場合は、本体部9の厚みは積層体1の厚みとなる。表面コーティングが施されている場合は、表面コーティング層31の厚みは特に限定されない。表面コーティング層31の厚みは、1μm以上2mm以下が好ましく、5μm以上1mm以下がより好ましい。
各層の厚みは、同じ厚みであっても、違う厚みであってもよい。例えば、3層の積層構造の場合には、各層は本体部9の1/3の厚みとしてもよい。5層の積層構造の場合には、各層は本体部9の1/5の厚みとしてもよい。7層の積層構造の場合には、各層は本体部9の1/7の厚みとしてもよい。
本体部9の厚み(T1)に対する低ヤング率層11の厚み(T2)の比(T2/T1)は、特に限定されない。低ヤング率層11が2層以上の場合、例えば図3,4の場合には、「低ヤング率層11の厚み(T2)」とは、全ての低ヤング率層11の厚みの合計値を意味する。比(T2/T1)は、積層体1を割れにくくする観点から、0.2以上0.9以下が好ましく、0.3以上0.8以下がより好ましい。
(4)各層の材質
(4.1)最上層3
最上層3の材質は、特に限定されない。最上層3は、セラミックス層、及び樹脂を主成分とした樹脂層のうちのいずれか一方であることが好ましい。
セラミックス層は、例えば、以下の成分を有する。
SiO:59質量%以上69%質量%以下
Al:18質量%以上28質量%以下
最上層3が樹脂層である場合に、この層は樹脂を主成分とする。主成分とは、含有率(質量%)が50質量%以上の物質をいう。樹脂は、特に限定されない。樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素樹脂、及びアルキッド樹脂からなる群より選ばれた1種以上を好適に用いることができる。
(4.2)最下層7
最下層7の材質は、特に限定されない。最下層7は、セラミックス層、及び樹脂を主成分とした樹脂層のうちのいずれか一方であることが好ましい。最下層7の材質は、最上層3の材質と同一であっても異なっていてもよい。
セラミックス層は、例えば、以下の成分を含有する。
SiO:59質量%以上69%質量%以下
Al:18質量%以上28質量%以下
最下層7が樹脂層である場合に、この層は樹脂を主成分とする。主成分とは、含有率(質量%)が50質量%以上の物質をいう。樹脂は、特に限定されない。樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素樹脂、及びアルキッド樹脂からなる群より選ばれた1種以上を好適に用いることができる。
(4.3)低ヤング率層11
低ヤング率層11の材質は、特に限定されない。低ヤング率層11は、セラミックス層、及び樹脂を主成分とした樹脂層のうちのいずれか一方であることが好ましい。
セラミックス層は、例えば、以下の成分を含有する。
SiO:62質量%以上72%質量%以下
Al:14質量%以上24質量%以下
低ヤング率層11は、最上層3に比べてヤング率が低く、かつ、最下層7に比べてヤング率が低くされる。最上層3、最下層7、低ヤング率層11がいずれもセラミックス層の場合に、ヤング率の関係をこのようにするためには、例えば、上記成分のうちで、SiO及びAlの量を、低ヤング率層11と最上層3で異なるようにし、かつ、低ヤング率層11と最下層7でも異なるようにする。低ヤング率層11、最上層3、最下層7の成分が同じであっても、各層の気孔率を調整することで、低ヤング率層11のヤング率を、最上層3に比べて低く、かつ、最下層7に比べて低くできる。気孔率の調整は、例えば次のように行える。各層の原料にSiC(炭化ケイ素)を混合し、混合量を各層で異ならせることで、下記反応式に示すようにSiCがO(酸素)と反応して生ずるCO(二酸化炭素)の量をコントロールして、各層の気孔率を調整できる。層の成分が同じであれば、気孔率が小さい程、ヤング率が低い傾向にある。
SiC+2O→SiO+CO↑ (COが生成して孔を形成)
低ヤング率層11が樹脂層である場合に、この層は樹脂を主成分とする。主成分とは、含有率(質量%)が50質量%以上の物質をいう。樹脂は、特に限定されない。樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素樹脂、及びアルキッド樹脂からなる群より選ばれた1種以上を好適に用いることができる。最上層3及び最下層7がいずれもセラミックス層であり、低ヤング率層11が樹脂層の場合には、低ヤング率層11は、最上層3に比べてヤング率が低く、かつ、最下層7に比べてヤング率が低くなる場合が多い。最上層3及び最下層7の少なくとも一方が樹脂層であり、低ヤング率層11が樹脂層の場合に、各樹脂層のヤング率は、次のように調整できる。例えば、樹脂の種類の選定、添加物の種類の選定、及び添加物の量の調整のいずれか1つ以上によって、各樹脂層のヤング率をコントロールして、低ヤング率層11が、最上層3に比べてヤング率が低く、かつ、最下層7に比べてヤング率が低くなるようにする。
(4.4)各層の好ましい材質
最上層3、最下層7、及び低ヤング率層11は、いずれもセラミックス層であることが好ましい。この態様では、積層体1の曲げ強度が強くなる。
(5)表面コーティング層31
積層体1Dは、表面コーティング層31を備えていてもよい。例えば、図4の第4実施形態の場合である。表面コーティング層31は、公知の方法によって形成できる。例えば、セラミックス及び樹脂の少なくとも1種を主成分とした原料を用いて、インクジェット加飾装置、スプレー等の公知のコーティング装置によって、表面コーティング層31を形成できる。
2.積層体1の製造方法
積層体1の製造方法は、特に限定されない。積層体1は、例えば次のように製造できる。金型に最下層7用のセラミックスの顆粒を入れて、所定の面圧にて一軸加圧を行う。
続けて、最下層7よりも一つ上の次の層用のセラミックスの顆粒を入れて、所定の面圧にて一軸加圧を行う。更に一つ上の次の層用のセラミックスの顆粒を入れて、所定の面圧にて一軸加圧を行う。この操作を繰り返し、最後に、最上層3用のセラミックスの顆粒を入れて、所定の面圧にて一軸加圧を行って、成形体を作製する。成形体を焼成し、積層体1を作製する。
樹脂層を用いた積層体1は、例えば次のように製造できる。金型にセラミックスの顆粒を入れて、所定の面圧にて一軸加圧を行って、成形体を作製する。成形体を焼成して焼成体を得る。焼成体の間にスペーサーを挟みつつ、複数の焼成体を重ねる。焼成体間に樹脂を流し込み、この樹脂を硬化させることで、セラミックス層及び樹脂層を有する積層体1を作製する。
3.積層体1が割れにくくなる推測理由
積層体1が割れにくくなる推測理由を説明する。図5に示すように、単層の物体41に鋼球43が衝突すると、衝突面45からは、ヘルツ破壊40が生じる。衝突面と反対の面47からは、曲げ破壊44が生じる。
これに対して、本開示の積層体1では、鋼球43が衝突しても割れにくくなる。ここでは、5層の積層構造の積層体1Bを例にして推測される理由を説明する。5層の積層体1Bの積層構造は、第2実施形態として既に説明したので、ここでは重複した説明を省略する。図6,7に示すように、鋼球43が落球すると、最上層3にひずみエネルギー42が発生し、このひずみエネルギー42が下の層へ順に伝わっていく。この際、最上層3の直下の層が低ヤング率層11Aとなり変形しやすいため、図7に示すように、低ヤング率層11Aでひずみエネルギー42が緩和されると考えられる。その結果、積層体1Bは、ヘルツ破壊に対して強くなると推測される。続いて、図8に示すように、ひずみエネルギー42は高ヤング率層13に伝わる。この際、高ヤング率層13は変形しにくいため、ひずみエネルギー42が伝わりにくい。低ヤング率層11Aから高ヤング率層13へ移る際の界面が重要であり、この界面によりエネルギーが伝わりにくくなるものと推測される。続く低ヤング率層11Bは変形しやすいため、ここでもひずみエネルギー42が緩和されると考えられる。最後の最下層7は変形しにくいため、図9に示すように、ひずみエネルギー42が伝わりにくくなると考えられる。ここでも低ヤング率層11Bと最下層7の界面によってひずみエネルギー42が伝わりにくくなると考えられる。最下層7のヤング率が高いことで、曲げ破壊に対して強くなると考えられる。以上の理由から、積層体1Bは、ヘルツ破壊及び曲げ破壊が抑制されて、その結果、割れにくくなると推測される。ここでは、5層構造の積層体1Bを例として説明した。その他の層数の積層体1でも同様にして割れにくくなると考えられる。
4.積層体1の効果、及び用途
本開示の積層体1は、物体を落としても割れにくい。積層体1の用途は、特に限定されない。積層体1は、例えば、住宅等の建築物におけるタイルとして好ましく用いられる。
以下、実施例により更に具体的に説明する。
1.評価試料の作製(セラミックス層のみからなる評価試料の作製)
次の層を有する図10から図21に示す評価試料を作製した。これらの図においては、高ヤング率層は符号Hで示し、第1低ヤング率層は符号L1で示し、第2低ヤング率層は符号L2で示し、第3低ヤング率層は符号L3で示す。高ヤング率層Hの成分は、SiO:64質量%、Al:23質量%であった。低ヤング率層L1,L2,L3の成分は、いずれもSiO:67質量%、Al:19質量%であった。各層のヤング率は、「(2.2)ヤング率の求め方」のセラミックス層の場合に沿って測定した。
Figure 2021098321
(1)評価試料1(図10参照、比較例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧して得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料1を作製した。評価試料1の厚みは10mmにした。
(2)評価試料2(図11参照、比較例)
第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧して得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料2を作製した。評価試料2の厚みは10mmにした。
(3)評価試料3(図12参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧した。このようにして得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料3を作製した。評価試料3の厚みは10mmにした。各層の厚みは、それぞれ2mmにした。
(4)評価試料4(図13参照、比較例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧した。このようにして得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料4を作製した。評価試料4の厚みは10mmにした。各層の厚みは、それぞれ2mmにした。
(5)評価試料5(図14参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第1低ヤング率層L1の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第1低ヤング率層L1の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧した。このようにして得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料5を作製した。評価試料5の厚みは10mmにした。各層の厚みは、それぞれ2mmにした。
(6)評価試料6(図15参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第3低ヤング率層L3の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第3低ヤング率層L3の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧した。このようにして得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料6を作製した。評価試料6の厚みは10mmにした。各層の厚みは、それぞれ2mmにした。
(7)評価試料7(図16参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。このようにして得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料7を作製した。評価試料7の厚みは10mmにした。各層の厚みは、次のようにした。
高ヤング率層H :2.3mm
第2低ヤング率層L2:1.5mm
高ヤング率層H :2.3mm
第2低ヤング率層L2:1.5mm
高ヤング率層H :2.3mm
(8)評価試料8(図17参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧した。このようにして得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料8を作製した。評価試料8の厚みは10mmにした。各層の厚みは、次のようにした。
高ヤング率層H :0.7mm
第2低ヤング率層L2:4.0mm
高ヤング率層H :0.7mm
第2低ヤング率層L2:4.0mm
高ヤング率層H :0.7mm
(9)評価試料9(図18参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧した。このようにして得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料9を作製した。評価試料9の厚みは10mmにした。各層の厚みは、次のようにした。
高ヤング率層H :1.4mm
第2低ヤング率層L2:1.4mm
高ヤング率層H :1.4mm
第2低ヤング率層L2:1.4mm
高ヤング率層H :1.4mm
第2低ヤング率層L2:1.4mm
高ヤング率層H :1.4mm
(10)評価試料10(図19参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧した。このようにして得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料10を作製した。評価試料10の厚みは8mmにした。各層の厚みは、次のようにした。
高ヤング率層H :1.6mm
第2低ヤング率層L2:1.6mm
高ヤング率層H :1.6mm
第2低ヤング率層L2:1.6mm
高ヤング率層H :1.6mm
(11)評価試料11(図20参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧した。このようにして得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料11を作製した。評価試料11の厚みは20mmにした。各層の厚みは、次のようにした。
高ヤング率層H :4mm
第2低ヤング率層L2:4mm
高ヤング率層H :4mm
第2低ヤング率層L2:4mm
高ヤング率層H :4mm
(12)評価試料12(図21参照、比較例)
第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧した。このようにして得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料12を作製した。評価試料12の厚みは10mmにした。各層の厚みは、次のようにした。
高ヤング率層H :2.5mm
第2低ヤング率層L2:2.5mm
高ヤング率層H :2.5mm
第2低ヤング率層L2:2.5mm
2.評価試料の作製(セラミックス層と樹脂層を有する評価試料の作製)
次の層を有する図22から図23に示す評価試料を作製した。これらの図においては、高ヤング率層は符号Hで示し、第4低ヤング率層は符号L4で示す。高ヤング率層Hは、「1.評価試料の作製(セラミックス層のみからなる評価試料の作製)」において説明した層と同じである。第4低ヤング率層L4は、表2の第4低ヤング率層L4−1、第4低ヤング率層L4−2、第4低ヤング率層L4−3の3種類とした。第4低ヤング率層L4−2は、エポキシ樹脂45質量部、無機フィラー(二酸化ケイ素)20質量部の混合物を硬化させてなる。第4低ヤング率層L4のヤング率は、「(2.2)ヤング率の求め方」の樹脂層の場合に沿って測定した。
Figure 2021098321


(1)評価試料13(図22参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧して得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し焼成体を得た。焼成体の間にスペーサーを挟みつつ、2枚の焼成体を重ねた。焼成体間にエポキシ樹脂を流し込み、このエポキシ樹脂を硬化させることで、高ヤング率層H及び第4低ヤング率層L4−1を有する評価試料13を作製した。評価試料13の厚みは10mmにした。各層の厚みは、次のようにした。
高ヤング率層H :3.3mm
第4低ヤング率層L4−1:3.3mm
高ヤング率層H :3.3mm
(2)評価試料14(図23参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧して得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し焼成体を得た。焼成体の間にスペーサーを挟みつつ、3枚の焼成体を重ねた。焼成体間にエポキシ樹脂を流し込み、このエポキシ樹脂を硬化させることで、高ヤング率層H及び第4低ヤング率層L4−1を有する評価試料14を作製した。評価試料14の厚みは10mmにした。各層の厚みは、次のようにした。
高ヤング率層H :2mm
第4低ヤング率層L4−1:2mm
高ヤング率層H :2mm
第4低ヤング率層L4−1:2mm
高ヤング率層H :2mm
(3)評価試料15(図22参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧して得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し焼成体を得た。焼成体の間にスペーサーを挟みつつ、2枚の焼成体を重ねた。焼成体間にエポキシ樹脂及び無機フィラーの混合物を流し込み、このエポキシ樹脂を硬化させることで、高ヤング率層H及び第4低ヤング率層L4−2を有する評価試料15を作製した。評価試料15の厚みは10mmにした。各層の厚みは、次のようにした。
高ヤング率層H :3.3mm
第4低ヤング率層L4−2:3.3mm
高ヤング率層H :3.3mm
(4)評価試料16(図23参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧して得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し焼成体を得た。焼成体の間にスペーサーを挟みつつ、3枚の焼成体を重ねた。焼成体間にエポキシ樹脂及び無機フィラーの混合物を流し込み、このエポキシ樹脂を硬化させることで、高ヤング率層H及び第4低ヤング率層L4−2を有する評価試料16を作製した。評価試料16の厚みは10mmにした。各層の厚みは、次のようにした。
高ヤング率層H :2mm
第4低ヤング率層L4−2:2mm
高ヤング率層H :2mm
第4低ヤング率層L4−2:2mm
高ヤング率層H :2mm
(5)評価試料17(図22参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧して得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し焼成体を得た。焼成体の間にスペーサーを挟みつつ、2枚の焼成体を重ねた。焼成体間に変性シリコーン樹脂を流し込み、この変性シリコーン樹脂を硬化させることで、高ヤング率層H及び第4低ヤング率層L4−3を有する評価試料17を作製した。評価試料17の厚みは10mmにした。各層の厚みは、次のようにした。
高ヤング率層H :3.3mm
第4低ヤング率層L4−3:3.3mm
高ヤング率層H :3.3mm
(6)評価試料18(図23参照、実施例)
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧して得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し焼成体を得た。焼成体の間にスペーサーを挟みつつ、3枚の焼成体を重ねた。焼成体間に変性シリコーン樹脂を流し込み、この変性シリコーン樹脂を硬化させることで、高ヤング率層H及び第4低ヤング率層L4−3を有する評価試料18を作製した。評価試料18の厚みは10mmにした。各層の厚みは、次のようにした。
高ヤング率層H :2mm
第4低ヤング率層L4−3:2mm
高ヤング率層H :2mm
第4低ヤング率層L4−3:2mm
高ヤング率層H :2mm
3.評価方法
(1)落球衝撃試験
各評価試料の上に、100cmの高さから140gの鉄球(鋼球)を落下させ、評価試料が割れるか否かを確認した。
(2)3点曲げ強度試験
評価試料1,3,19について3点曲げ強度試験を行った。3点曲げ強度試験は、次のように行った。幅13mm×長さ45mm×厚み10mmとしたサンプルをスパン幅:35mmとした装置(島津製作所製 オートグラフ AG−X)に設置し、変位速度:0.5mm/分の条件で3点曲げ強度試験を実施する。評価試料19は、以下のように作製した。
(2.1)評価試料19(図24参照、実施例)の作製
高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に第2低ヤング率層L2の原料を金型に入れて、4.9MPaの面圧にて一軸加圧した。次に高ヤング率層Hの原料を金型に入れて、24.5MPaの面圧にて一軸加圧した。このようにして得られた成形体を電気炉で1265℃まで5℃/分にて昇温した後、1265℃で1時間保持し、炉冷する条件にて焼成し、評価試料19を作製した。評価試料19の厚みは10mmにした。各層の厚みは、それぞれ3.3mmにした。
4.評価結果
(1)落球衝撃試験
結果を表3に示す。最上層が高ヤング率層、最下層が高ヤング率層、中間層に低ヤング率層が存在する評価試料3,5,6,7,8,9,10,11,13,14,15,16,17,18は、いずれも割れなかった。3,5,6,7,8,9,10,11,14,15,16,18は、落球衝撃試験を100回繰り返しても割れなかった。13, 17は、落球衝撃試験を50回繰り返しても割れなかった。単層の評価試料1,2は、1回の落球衝撃試験で割れた。中間層に低ヤング率層が存在しない評価試料4は、1回の落球衝撃試験で割れた。最下層が低ヤング率層の評価試料12は、1回の落球衝撃試験で割れた。
Figure 2021098321


(2)3点曲げ強度試験
結果を表4に示す。最上層が高ヤング率のセラミックス層、最下層が高ヤング率のセラミックス層、中間層に低ヤング率のセラミックス層が存在する評価試料3,19は、同じ厚みで高ヤング率のセラミックス層のみからなる評価試料1よりも曲げ強度が高いことが確認された。
Figure 2021098321
1…積層体、1A…積層体、1B…積層体、1C…積層体、1D…積層体、3…最上層、5…中間層、7…最下層、9…本体部、11…低ヤング率層、13…高ヤング率層、31…表面コーティング層、H…高ヤング率層、L1…第1低ヤング率層、L2…第2低ヤング率層、L3…第3低ヤング率層、L4…第4低ヤング率層

Claims (6)

  1. 最上層と、中間層と、最下層と、をこの順に積層した本体部を有し、
    前記中間層は、前記最上層に比べてヤング率が低く、かつ、前記最下層に比べてヤング率が低い低ヤング率層を1層以上備えている、積層体。
  2. 前記低ヤング率層のヤング率(GPa)と前記最上層のヤング率(GPa)とは、下記式(1)を満たし、
    前記低ヤング率層のヤング率(GPa)と前記最下層のヤング率(GPa)とは、下記式(2)を満たす、請求項1に記載の積層体。

    低ヤング率層のヤング率≦最上層のヤング率×0.8 …式(1)
    低ヤング率層のヤング率≦最下層のヤング率×0.8 …式(2)
  3. 前記最上層は、セラミックス層、及び樹脂を主成分とした樹脂層のうちのいずれか一方であり、
    前記最下層は、セラミックス層、及び樹脂を主成分とした樹脂層のうちのいずれか一方であり、
    前記低ヤング率層は、セラミックス層、及び樹脂を主成分とした樹脂層のうちのいずれか一方である、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の積層体。
  4. 前記最上層は、セラミックス層であり、
    前記最下層は、セラミックス層であり、
    前記低ヤング率層は、セラミックス層である、請求項2に記載の積層体。
  5. 前記中間層は、前記低ヤング率層を2層以上備えている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記最上層の上には、表面コーティング層が備えられている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の積層体。
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