JP2021098318A - 繊維強化樹脂材料、一体化成形品、および一体化成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】他の部材との接合が容易であり、接合強度にも優れ、接合一体化した一体化成形品の外観も良好となるFRP材料を提供する。【解決手段】多数本の連続した強化繊維(A)から構成される強化繊維群、熱硬化性樹脂(B)、および熱可塑性樹脂(C)を含む繊維強化樹脂材料であって、表層に熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層が存在するとともに、熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層と、前記熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層とが境界面を形成して接合され、前記強化繊維群を構成する少なくとも一部の強化繊維(A)が、前記熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層、および前記熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層の両者に接しており、前記表層に存在する熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層の外表面の少なくとも一部に熱可塑性樹脂(C)を主成分とする凸状素子が形成された繊維強化樹脂材料。【選択図】図2
Description
本発明は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の両者を含む繊維強化樹脂材料、繊維強化樹脂材料と他の部材が一体化された一体化成形品、および当該一体化成形品の製造方法に関する。
熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂をマトリックスとして用い、炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維と組み合わせた繊維強化樹脂材料は、軽量でありながら、強度や剛性などの力学特性や耐熱性、また耐食性に優れているため、航空・宇宙、自動車、鉄道車両、船舶、土木建築およびスポーツ用品などの数多くの分野に応用されてきた。
しかしながら、熱硬化性樹脂を用いた繊維強化樹脂材料は、複雑な形状を有する部品や構造体を単一の成形工程で製造するには不向きであり、上記用途においては、繊維強化樹脂材料からなる部材を作製し、次いで、同種または異種の部材と一体化することが必要となる。
熱硬化性樹脂を用いた繊維強化樹脂材料と同種または異種の部材を一体化する手法として、ボルト、リベット、ビスなどの機械的接合方法や、接着剤を使用する接合方法が用いられている。機械的接合方法では、穴あけなど接合部分をあらかじめ加工する工程を必要とするため、製造工程の長時間化および製造コストの増加につながり、また、穴をあけるため、材料強度が低下するという問題があった。接着剤を使用する接合方法では、接着剤の準備や接着剤の塗布作業を含む接着工程および硬化工程を必要とするため、製造工程の長時間化につながり、接着強度においても、信頼性に十分な満足が得られないという課題があった。
一方、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂に用いた繊維強化樹脂材料は、熱溶着による他の部材との接合が可能であるため、他の部材との一体化をより簡便に行うことができる。特許文献1には、熱硬化性樹脂層に加えて表面に熱可塑性樹脂層が存在することにより、他の部材と熱溶着が可能な繊維強化樹脂材料が記載されている。
しかし、特許文献1に示される繊維強化樹脂材料を用いた他の部材との一体化は、繊維強化樹脂材料の熱可塑性樹脂層の接合面全体を他の部材と接触させて熱溶着を行うため、溶着エネルギーが分散してしまい、溶着ムラやボイドの残存により接合強度が低くなるといった課題があった。より大きな溶着エネルギーを付与することや溶着時間を長くするなどの改善方法は考えられるが、熱可塑性樹脂の分解や溶融した樹脂の過度なフローが生じることにより、接合強度向上効果の減退や外観不良が生じるなどの課題が残っている。そこで、本発明は、他の部材との接合が容易であり、接合強度にも優れ、他の部材と接合した一体化成形品の外観も良好となる繊維強化樹脂材料を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、多数本の連続した強化繊維(A)から構成される強化繊維群、熱硬化性樹脂(B)、および熱可塑性樹脂(C)を含む繊維強化樹脂材料であって、表面に熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層が存在するとともに、熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層と、前記熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層とが境界面を形成して接合され、前記強化繊維群を構成する少なくとも一部の強化繊維(A)が、前記熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層、および前記熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層の両者に接しており、前記表層に存在する熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層の外表面の少なくとも一部に熱可塑性樹脂(C)を主成分とする凸状素子が形成された繊維強化樹脂材料である。
<繊維強化樹脂材料>
本発明の繊維強化樹脂材料(以下、「FRP材料」という場合がある)は、多数本の連続した強化繊維(A)から構成される強化繊維群と、熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層および熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層を有する。以下、本明細書においては、強化繊維(A)から構成される強化繊維群を「強化繊維群」、熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層を「熱硬化性樹脂層」、熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層を「熱可塑性樹脂層」と略称する。なお、主成分とは各層を構成する成分のうちその体積が最も多いマトリックス樹脂成分である。
本発明の繊維強化樹脂材料(以下、「FRP材料」という場合がある)は、多数本の連続した強化繊維(A)から構成される強化繊維群と、熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層および熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層を有する。以下、本明細書においては、強化繊維(A)から構成される強化繊維群を「強化繊維群」、熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層を「熱硬化性樹脂層」、熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層を「熱可塑性樹脂層」と略称する。なお、主成分とは各層を構成する成分のうちその体積が最も多いマトリックス樹脂成分である。
図1は本発明のFRP材料の厚み方向の断面を示す模式図である。図1において、強化繊維(A)は多数本の強化繊維(A)から構成される強化繊維群を構成している。そして、当該強化繊維群に、熱硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層とからなるマトリックス樹脂が複合化され、全体としてFRP材料を構成している。図1に示すように、本発明においては、少なくとも一方の表層に熱可塑性樹脂層が存在するとともに、熱硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層とは境界面を形成して接合している。
強化繊維群の形態は、強化繊維(A)が単層または複数層をなして一方向に配列されている形態、または織物の形態等から適宜選択できるが、軽量で耐久性がより高い水準にあり、溶着工程における変形が小さい繊維強化樹脂成形品が得られることから、強化繊維(A)が複数層をなして一方向に配列されている形態であることが好ましい。強化繊維(A)は、典型的には一方向に10mm以上の長さにわたり連続した強化繊維である。強化繊維(A)はFRP材料の幅方向の全幅にわたり連続している必要はなく、途中で分断されていても良い。
強化繊維(A)としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維、玄武岩繊維などがある。これらは、単独で用いてもよいし、適宜2種以上併用して用いてもよい。これらの強化繊維は、表面処理が施されているものであっても良い。表面処理としては、金属の被着処理、カップリング剤による処理、サイジング剤による処理、添加剤の付着処理などがある。これらの強化繊維の中には、導電性を有する強化繊維も含まれている。
強化繊維としては、炭素繊維が、比重が小さく、高強度、高弾性率であることから、好ましく使用される。炭素繊維の市販品としては、“トレカ(登録商標)”T800G−24K、“トレカ(登録商標)”T800S−24K、“トレカ(登録商標)”T700G−24K、“トレカ(登録商標)”T700S−24K、“トレカ(登録商標)”T300−3K、および“トレカ(登録商標)”T1100G−24K(以上、東レ(株)製)などが挙げられる。
強化繊維(A)は、JIS R7608(2007)の樹脂含浸ストランド試験法に準拠して測定したストランド引張強度が5.5GPa以上であると、引張強度に加え、優れた接合強度を有する繊維強化樹脂材料が得られるため好ましい。当該ストランド引張強度は5.8GPaであるとさらに好ましい。
熱硬化性樹脂層の主成分である熱硬化性樹脂(B)としては、特に制限はなく、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、またはこれらの共重合体、変性体、および、これらの少なくとも2 種類をブレンドした樹脂がある。耐衝撃性向上のために、熱硬化性樹脂には、エラストマーもしくはゴム成分が添加されていても良い。
中でも、エポキシ樹脂は、力学特性、耐熱性および強化繊維との接着性に優れ、好ましい。エポキシ樹脂の主剤としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルなどの臭素化エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−4−アミノ−3−メチルフェノール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジエチル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジンなどのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、レゾルシンジグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、芳香族アミン化合物、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ポリフェノール化合物、イミダゾール誘導体、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリメルカプタンなどが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂(B)を選択することで、FRP材料としたときの強度・弾性率や耐熱性の選択幅を拡げる観点から好ましい。
熱可塑性樹脂層の主成分である熱可塑性樹脂(C)は、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート 、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリエステル等のポリエステル系樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂の他や、ポリオキシメチレン、ポリアミド6、ポリアミド66等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニルや、ポリフェニレンスルフィド等のポリアリーレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、変性ポリスルホン 、ポリエーテルスルホンや、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン等のポリアリーレンエーテルケトン、ポリアリレート、ポリエーテルニトリル、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂などが挙げられる。また、これら熱可塑性樹脂は、上述の樹脂の共重合体や変性体、および/または2種類以上ブレンドした樹脂などであってもよい。
これらの中でも、成形加工性と耐熱性や力学特性とのバランスから、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエーテルケトンからなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂であることが好ましい。
さらに、用途等に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で適宜、他の充填材や添加剤を含有しても良い。例えば、無機充填材、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、カップリング剤などが挙げられる。
本発明のFRP材料の厚みが6mm以下であることが好ましい。このFRP材料の厚みが6mm以下であると、印加する溶着エネルギーを効果的に後述する凸状素子の先端に集中させることができ、小さな溶着エネルギーで他の部材との接合が可能となる。FRP材料の厚みは、より好ましくは4mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下である。下限値は特に限定されないが、FRP材料の剛性の観点から、0.3mm以上であることが好ましい。なお、本明細書におけるFRP材料の厚みとは、凸状素子の高さを含めた厚みを意味する。FRP材料の厚みは、プリプレグの厚みを調節するだけでなく、プリプレグの積層枚数により調節することも可能である。特に、強化繊維が一方向に配列したプリプレグを用いる場合、FRP材料の特性を設計する観点から、強化繊維の角度をずらして積層することで、FRP材料の力学特性を等方性とすることも可能である。
本発明のFRP材料における熱可塑性樹脂(C)の目付は、10g/m2以上であると好ましい。10g/m2以上であると、優れた接合強度を発現するための十分な厚みが得られ、好ましい。熱可塑性樹脂(C)の目付はより好ましくは20g/m2以上である。上限値は特に限定されないが、熱可塑性樹脂の量が強化繊維対比多くなりすぎず、比強度と比弾性率に優れるFRP材料が得られるため、好ましくは500g/m2以下である。ここで目付とは、FRP材料1m2あたりに含まれる熱可塑性樹脂(C)の質量(g)を指す。
熱可塑性樹脂層の厚みは10μm以上、1500μm以下であることが好ましい。ここで、「熱可塑性樹脂層の厚み」とは、図2で示すような凸状素子の頂部から熱硬化性樹脂層までの最短距離のことをいう。この厚みが10μm以上であると、優れた接合強度を発現するための十分な厚みが得られるため好ましい。また1500μm以下であれば、強化繊維(A)に対して過度な樹脂量となり過ぎず、比強度と比弾性率に優れたFRP材料が得られるため好ましい。熱可塑性樹脂層の厚みは、より好ましくは1000μm以下である。
本発明のFRP材料における強化繊維(A)の目付は、30〜2,000g/m2であることが好ましい。かかる目付が30g/m2以上であると、所定の厚みのFRP材料を得るための積層枚数を少なくすることができ、作業が簡便となりやすい。一方で、目付が2,000g/m2以下であると、FRP材料の前駆体材料(プリプレグ)のドレープ性が向上し作業がしやすくなる。
本発明のFRP材料における強化繊維質量含有率は、好ましくは30〜90質量%であり、より好ましくは35〜85質量%であり、更に好ましくは40〜80質量%である。強化繊維質量含有率が30質量%以上であると、樹脂の量が繊維対比多くなりすぎず、比強度と比弾性率に優れるFRP材料が得られやすくなり、また、FRP材料の成形の際、硬化時の発熱量が過度に高くなりにくい。また、強化繊維質量含有率が90質量%以下であると、樹脂の含浸不良が生じにくく、得られるFRP材料のボイドが少なくなりやすい。
本発明のFRP材料は、表層として存在する熱可塑性樹脂層の外表面の少なくとも一部に、熱可塑性樹脂(C)を主成分とする凸状素子が形成されている。ここで、「凸状素子」とは、熱可塑性樹脂層の外表面から突出するように形成された構造部分を指す。図3は、本発明のFRP材料の一実施形態を示す模式図である。図3において、凸状素子は、熱可塑性樹脂層の外表面から円錐台状に突出するよう形成された構造を有している。なお、図3(a)はこのような凸状素子を有するFRP材料の斜視図、図3(b)は一つの凸状素子をFRP材料の平面に垂直な方向から見た平面図、図3(c)は同凸状素子を側面から見た立面図である。以下、本明細書において、凸状素子を側面から見た立面図に表れる形状を「側面形状」と称する。
凸状素子の形状は特に限定されないが、図3(a)〜(c)に示すように、下底から高さ方向の頂部に向かうにつれて狭まってゆく形状であることが好ましく、例えば、錐体または錐台形状であることが好ましい。ここで「頂部」とは、凸状素子の最も高い部分である。錐体および錐台としては、円錐台状のほか、半球台状、多角錐台状、円錐状、半球状、多角錐状などが挙げられる。なかでも、凸状素子の形成のしやすさや凸状素子の構造均質性の観点から、線対称である正多角錐状や円錐状または正多角錐台状や円錐台状がより好ましく、溶着時の溶着の均質性の観点から、点対称である円錐状又は円錐台状、半球状または半球台状がさらに好ましい。
凸状素子の側面形状は、図4に示すように、(a)三角形状、(b)台形状などが挙げられる。また(c)に示すような半円状や図4(d)に示すような富士山状などが挙げられる。さらに、(e)に示すような、段差を有する略台形状なども挙げられ、必ずしも線対称である必要はなく、(f)に示すような上底と下底とが平行でない不規則形状も、凸状素子の側面形状の一態様として挙げられる。
ここで、「下底」とは、図3(b)および図3(c)に示すようなFRP材料の熱可塑性樹脂層の外表面と凸状素子の境界面である。
凸状素子は、凸状素子が形成されている熱可塑性樹脂層の外表面に平行な断面を切ったときに、その断面積が凸状素子の下底の面積に対して50%以下となる部分を有することが好ましい。すなわち、図5に示すように、FRP材料を熱可塑性樹脂層側から平面視した(図5(a)の矢印の方向から見た)場合の凸状素子の下底の面積をX1、凸状素子の任意の高さにおける熱可塑性樹脂層の外表面に平行な断面積をX2とすると、(X2/X1)×100(%)が50%以下となる部分が存在していることが好ましい。例えば、図5(c)に示すような扁平な凸状素子では、このような部分が存在しないことになる。(X2/X1)×100(%)が50%以下となる部分を有すると、印加する溶着エネルギーを凸状素子の頂部付近に集中させることができるため、小さな溶着エネルギーで容易に他の部材との接合一体化が可能となる。凸状素子は、(X2/X1)×100(%)が30%以下となる部分が存在することがより好ましく、10%以下となる部分が存在することがさらに好ましい。一方、他の部材を接合するために接触させた際に、位置がずれるなど固定がしにくい状態や凸状素子の折れや曲がりなどの破損が生じないようにするため、凸状素子には(X2/X1)×100(%)が1%未満の部分が存在しないことが好ましい。
凸状素子の上底(頂部)の面積は、特に限定はされないが、0.1mm2以上であることが好ましく、より好ましくは0.5mm2以上、さらに好ましくは1mm2以上である。0.1mm2以上であれば、他の部材と接合するために重ね合わせた際に、凸状素子が折れたり、曲がったりして破損が生じにくい範囲であるため好ましい。凸状素子の上底(頂部)の面積について、特に限定されないが、接合の容易さの観点から、1000mm2以下であることが好ましく、より好ましくは500mm2以下、さらに好ましくは100mm2以下である。
本発明のFRP材料に形成される凸状素子の個数は、特に限定はされないが、複数あることが好ましい。特に、FRP材料と他の部材が接する総面積が同じ場合、凸状素子の数が多く、1個の凸状素子が他の部材に接する面積が小さいほうが、凸状素子の先端に溶着エネルギーをより集中させることができるため好ましい。
本発明の凸状素子の配置について、特に限定はされないが、複数の凸状素子を有する場合、規則的に配置されていることが好ましく、具体的には格子状配置や千鳥状配置が挙げられる。凸状素子を容易に形成する観点からは凸状素子間のピッチは一定であることが好ましいが、FRP材料および他の部材の形状に応じて、場所によりピッチが変化するよう配置しても良い。また千鳥状配置には、90°(並列)千鳥状配置や45°千鳥状配置などが挙げられるが、隣り合う全ての凸状素子とのピッチが等間隔となる60°千鳥状配置がより好ましい。このような配置とすることで、接合時に溶融して押し広げられた凸状素子が効果的に満遍なくFRP材料の表面に広がり、接合強度のムラを軽減することができる。
凸状素子の側面を形成する外形線は、図4(a)〜(f)に例示されるように、直線に限らず、曲線でも良い。また、いくつかの屈曲点を有する直線または曲線であっても良い。
凸状素子の勾配は、10°以上90°以下であることが好ましい。ここで、凸状素子の「勾配」とは、図4(a)および(c)、(d)に示すように凸状素子の外周を起点として、熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層の外表面と凸状素子の側面を形成する外形線とのなす角度である。このとき、外形線が曲線の場合、起点における接線とのなす角度とする。この範囲であると、凸状素子の形成のしやすさと溶着の容易さを両立できるため好ましい。凸状素子の勾配は、より好ましくは20°以上80°以下であり、さらに好ましくは30°以上70°以下である。
凸状素子の高さは、10μm以上1000μm以下であることが好ましい。10μm以上の高さを有することで、溶着エネルギーを付与した際に凸状素子先端に集中させることができ、より好ましくは100μm以上800μm以下であり、より好ましくは300μm以上600μm以下である。
本発明において、凸状素子の表面の少なくとも一部に熱可塑性樹脂(C)よりも融点または軟化点が低い熱可塑性樹脂(D)が存在することが好ましい。とりわけ、図6に示すように、他の部材と接触する箇所である頂部近傍に存在することがより好ましい。熱可塑性樹脂(D)としては、熱可塑性樹脂(C)よりも融点または軟化点が低いものを、上述した熱可塑性樹脂(C)と同様の選択肢より選択することができる。このとき、熱可塑性樹脂(C)と熱可塑性樹脂(D)の化学的な接着性の観点から、同種の熱可塑性樹脂で融点または軟化点に差があるものを選択することが好ましい。なお、熱可塑性樹脂(C)および熱可塑性樹脂(D)の融点は、JIS−K7121(2012)に準拠して、DSCにより昇温速度10℃/分で測定した値であり、軟化点は、JIS−K7206(1999)に準拠して、ビカット軟化温度を測定した値である。
熱可塑性樹脂(D)は、熱可塑性樹脂(C)に対し、融点または軟化点が5℃以上低いことが好ましく、10℃以上低いことがより好ましく、20℃以上低いことがさらに好ましい。このような熱可塑性樹脂(D)が凸状素子の一部に存在することで、より小さな溶着エネルギーで凸状素子の溶融が開始され、短時間かつ均一に接合が可能となる。融点または軟化点の差に特に上限はないが、熱可塑性樹脂(C)に対して熱可塑性樹脂(D)の融点または軟化点が低すぎると、熱可塑性樹脂(C)が溶融しないまたは、熱可塑性樹脂(D)が熱分解する、接合部分の耐熱性が劣るためFRP材料および一体化成形品としての耐熱性が低下する等の懸念があるため、差は50℃以下が好ましい。
また、本発明のFRP材料においては、強化繊維(A)が凸状素子の内部に入り込んでいることが好ましい。強化繊維(A)が凸状素子の内部に入り込んでいる、とは、図7に示すように、FRP材料の強化繊維(A)の配向方向に平行な断面を見たときに、熱可塑性樹脂層の外表面により規定される直線を跨いで存在する強化繊維(A)が存在する状態をいう。このような状態とすることで、FRP材料と他の部材を溶着した一体化成形品のせん断強度を高めることが出来る。
本発明の繊維強化樹脂材料は、凸状素子の中心を通る断面(凸状素子が複数存在する場合には、隣接する2つ以上の凸状素子の中心を通る断面)を見た場合において、後述する測定方法で得られた熱硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層との境界面がなす曲線(以下、境界線という)と、前述の凸状素子を含めてFRP材料の輪郭をなぞる線(以下、表面線という)との距離yの変動係数が5%以下であることが好ましく、4%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。これは、図8で示すように、FRP材料断面において境界線と表面線の変動が略連動していることを意味する。このような断面状態とすることで、熱硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層が強固に接合されたFRP材料となる。さらに、熱可塑性樹脂層の厚みが略均一となるため、複数の凸状素子を形成している場合に各凸状素子に均一に溶着エネルギーが付与され、溶着ムラやボイドの残存などが改善できる。このような状態は、いわば熱硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層との境界面がマクロに波打っている状態であり、境界面のミクロな凹凸と組み合わされることによって、両層がより強固に接合されたFRP材料となる。
本発明のFRP材料においては、強化繊維群を構成する少なくとも一部の強化繊維(A)が、熱硬化性樹脂層および熱可塑性樹脂層の両者と接している。図1を参照すると、強化繊維(A)5の一部である強化繊維(A)1Aおよび1Bは、その断面の一部で熱硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層の両者と接している。なお、ここでは図1を用いてある特定の断面のみに基づいて説明したが、一部の強化繊維(A)は、特定の断面において両樹脂領域に接していなくても、その全長のどこかで両者と接していれば、両樹脂層に接していると言える。この場合、そのような強化繊維(A)が両樹脂層の境界を跨ぐ部分の断面においては、当該強化繊維(A)の断面は図1における強化繊維(A)1Aや1Bのように両樹脂層に接する状態で観察されることになる。このように強化繊維(A)が両樹脂層の両者に接して存在することで、両樹脂の接合面となる境界面を強化繊維(A)で補強した状態となり、両樹脂層の接合強度が向上する。これにより、他の部材と一体化する際に、両樹脂層間(境界面)における溶着エネルギーのロスが軽減され、印加した溶着エネルギーを効果的に凸状素子の先端異集中させることができる。また一体化成形品においても、高い力学特性を発現することが可能になる。
熱硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層との境界面に関しては、図1に示すように、FRP材料を、強化繊維(A)の配向方向に対し45度の角度をなし、かつFRP材料の面方向に垂直な断面を観察した場合に、当該断面において、両樹脂層の境界面がなす曲線(以下、「界面曲線」という)の粗さ平均高さRcが3.5μm以上であることが好ましい。ここで、粗さ平均高さRcは、JIS B0601(2013)に従って測定される、輪郭曲線の粗さを表すパラメータである。
かかる断面観察において、当該界面曲線の粗さ平均高さRcが3.5μm以上であることにより、上記の交絡による機械的な結合力に加え、境界面上に存在する強化繊維(A)が前記(B)および前記(C)と物理的な凹凸形状を形成しやすくなり、両樹脂層の密着力が向上する。Rcの好ましい範囲としては、前記(A)および前記(D)が両樹脂層に含まれやすくなり密着力がより向上する10μm以上であり、特に好ましくは20μm以上である。上限値は、特に限定されないが、応力集中による機械的な結合力の低下を忌避するという観点から、好ましくは100μm以下である。
ここで、界面曲線の粗さ平均高さRcの測定方法としては、公知の手法を用いることが出来る。例えば、熱硬化性樹脂(B)を硬化させた後、X線CTを用いて取得した断面画像から測定する方法、エネルギー分散型X線分光器(EDS)による元素分析マッピング画像から測定する方法、あるいは光学顕微鏡あるいは走査電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察画像から測定する方法が挙げられる。観察において、熱硬化性樹脂(B)および/または熱可塑性樹脂(C)はコントラストを調整するために、染色されても良い。上記のいずれかの手法により得られる画像において、500μm四方の範囲において、界面曲線の粗さ平均高さRcを測定する。
界面曲線の粗さ平均高さRcの測定方法(界面曲線要素の測定方法1)は以下の通りとする。図1に示すように、長方形型の観察画像の熱硬化性樹脂層側の端部を基準線として、熱硬化性樹脂層から熱可塑性樹脂層に向かって5μm間隔で垂基線Lを描く。基準線から描かれる垂基線が初めて熱可塑性樹脂層と交わる点をプロットし、プロットされた点を結んだ線を界面曲線とする。得られた界面曲線につき、JIS B0601(2013)に基づくフィルタリング処理を行い、界面曲線の粗さ平均高さRcを算出する。
<繊維強化樹脂材料の製造方法>
本発明のFRP材料を得る方法は特に限定されないが、強化繊維群に樹脂を含浸させると同時に凸状素子および熱可塑性樹脂層、熱硬化性樹脂層を形成する方法や、強化繊維群に予め樹脂が含浸されたプリプレグを用い、単独または他のプリプレグを積層した積層体を用いて凸状素子および熱可塑性樹脂層、熱硬化性樹脂層を形成する方法が挙げられる。なかでも、強化繊維群に先に熱可塑性樹脂(C)を含浸させることが、熱硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層との界面曲線にミクロな凹凸を形成しやすくなることから好ましい。特に、凸状素子に対応する凹部を有する金型に熱可塑性樹脂を配置した後、強化繊維群を重ね、凸部を有する金型で加熱加圧する方法が、強化繊維への熱可塑性樹脂含浸と共に熱可塑性樹脂層および凸状素子を形成できる点で好ましい。このとき、強化繊維群の熱可塑性樹脂を配置した表層と反対の表層には、熱可塑性樹脂が含浸していない(未含浸)強化繊維群が存在していることが、次いで行う熱硬化性樹脂との接合の観点から好ましい。
本発明のFRP材料を得る方法は特に限定されないが、強化繊維群に樹脂を含浸させると同時に凸状素子および熱可塑性樹脂層、熱硬化性樹脂層を形成する方法や、強化繊維群に予め樹脂が含浸されたプリプレグを用い、単独または他のプリプレグを積層した積層体を用いて凸状素子および熱可塑性樹脂層、熱硬化性樹脂層を形成する方法が挙げられる。なかでも、強化繊維群に先に熱可塑性樹脂(C)を含浸させることが、熱硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層との界面曲線にミクロな凹凸を形成しやすくなることから好ましい。特に、凸状素子に対応する凹部を有する金型に熱可塑性樹脂を配置した後、強化繊維群を重ね、凸部を有する金型で加熱加圧する方法が、強化繊維への熱可塑性樹脂含浸と共に熱可塑性樹脂層および凸状素子を形成できる点で好ましい。このとき、強化繊維群の熱可塑性樹脂を配置した表層と反対の表層には、熱可塑性樹脂が含浸していない(未含浸)強化繊維群が存在していることが、次いで行う熱硬化性樹脂との接合の観点から好ましい。
得られた熱可塑性樹脂が含浸されたプリプレグに、さらに熱硬化性樹脂を含浸し、加圧・加熱することでFRP材料を得る。ここで、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂はフィルムや不織布、粒子、液状の形態を選択できる。加圧及び加熱をする方法としては、プレス成形法に限らず、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法等が採用される。またプリプレグまたはその積層体を成形するための方法として、例えばプレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法、ハンド・レイアップ法、フィラメント・ワインディング法、プルトルージョン法、レジン・インジェクション・モールディング法、レジン・トランスファー・モールディング法などの成形法によって作製することができる。
<他の部材>
本発明のFRP材料は、他の部材と接合することにより一体化成形品とすることができる。他の部材と接合する手段としては、例えば、(i)FRP材料と他の部材を別々に予め成形しておき、両者を一体化する方法、つまり、FRP材料を得る工程とは別の工程において、FRP材料と他の部材を接合する方法、(ii)FRP材料を予め成形しておき、他の部材を成形すると同時に両者を一体化する方法、がある。
本発明のFRP材料は、他の部材と接合することにより一体化成形品とすることができる。他の部材と接合する手段としては、例えば、(i)FRP材料と他の部材を別々に予め成形しておき、両者を一体化する方法、つまり、FRP材料を得る工程とは別の工程において、FRP材料と他の部材を接合する方法、(ii)FRP材料を予め成形しておき、他の部材を成形すると同時に両者を一体化する方法、がある。
(i)の具体例としては、プレス成形ないし射出成形にて別に作製した他の部材を、本発明のFRP材料の凸状素子が形成されている部分に、熱板溶着、振動溶着、超音波溶着、レーザー溶着、抵抗溶着、誘導加熱溶着、などの公知の溶着手段により接合する方法がある。一方、(ii)の具体例としては、FRP材料を射出成形金型にインサートし、他の部材を形成する材料を金型に射出成形し、溶融ないし軟化状態にある材料の熱量でFRP材料の凸状素子を溶融ないし軟化させて接合する方法がある。本発明においては、(i)の方法を適用することがより好ましく、特に超音波溶着や振動溶着、抵抗溶着が好ましく使用される。とりわけ、超音波溶着によって本発明のFRP材料と他の部材を接合する場合、FRP材料の熱可塑性樹脂層と他の部材とが接触した状態で、FRP材料を構成する熱硬化性樹脂層を介してエネルギーを印加することが好ましく、このような方法とすることで、特にホーンとの接触による跡が生じにくくなるため、表面外観が良好なFRP材料および一体化成形品を得ることが可能である。また熱硬化性樹脂層は熱変形しにくいため、溶着時の条件の選択肢が多く、設計自由度を高めることができる。
本発明のFRP材料と接合する他の部材は、特に制限はないが、熱硬化性樹脂からなる部材、熱可塑性樹脂からなる部材、金属材料からなる部材が挙げられる。とりわけ、他の部材の接合面に熱可塑性樹脂が存在すると、化学的な結合力が加わるため好ましく、当該熱可塑性樹脂が接合しようとするFRP材料に含まれる熱可塑性樹脂(C)であるか、または熱可塑性樹脂(D)であることでより、化学的な結合力が高まり強固な接合が可能になるためより好ましい。なお、このような「他の部材」には、本発明のFRP材料も含まれる。すなわち、本発明のFRP材料の熱可塑性樹脂層同士を接合した一体化成形品も、本発明の一側面である。
<用途>
本発明のFRP材料は、航空機構造部材、自動車部材およびICトレイやノートパソコンの筐体などのコンピューター用途さらにはスポーツ用途に好ましく用いられる。
本発明のFRP材料は、航空機構造部材、自動車部材およびICトレイやノートパソコンの筐体などのコンピューター用途さらにはスポーツ用途に好ましく用いられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、組成比の単位「部」は、特に注釈のない限り質量部を意味する。また、各種特性の測定は、特に注釈のない限り温度23℃、相対湿度50%の環境下で行った。
<実施例および比較例で用いた材料>
以下に示す強化繊維(A)、熱硬化性樹脂(B)および熱可塑性樹脂(C)を用いた。それぞれの実施例および比較例で用いた材料の各配合量および作製した材料の目付などについては、表1、2および3に示すとおりである。
以下に示す強化繊維(A)、熱硬化性樹脂(B)および熱可塑性樹脂(C)を用いた。それぞれの実施例および比較例で用いた材料の各配合量および作製した材料の目付などについては、表1、2および3に示すとおりである。
<FRP材料に用いた強化繊維(A)>
・CF−1
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、及び表面酸化処理を行い、総単糸数24,000本の連続した炭素繊維を得た。この連続炭素繊維の特性は次に示す通りであった。
単繊維径:7μm
密度:1.8g/cm3
引張強度:4600MPa
引張弾性率:220GPa
<FRP材料に用いた熱硬化性樹脂(B)>
・EP
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER”(登録商標)825(三菱ケミカル(株)製))を50質量部、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(住友化学(株)製))を50質量部、ポリエーテルスルホン(“スミカエクセル(登録商標)”PES5003P(住友化学(株)製))を8質量部投入し、加熱混練を行い、ポリエーテルスルホンを溶解させた。次いで、混練を続けたまま100℃以下の温度まで降温させ、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(セイカキュアS(和歌山精化工業(株)製))を45質量部加えて撹拌し、熱硬化性樹脂(EP)を得た。熱硬化性樹脂(B)としてEPを、ナイフコーターを用いて樹脂目付50g/m2で離型紙上にコーティングし、熱硬化性樹脂フィルム(EP)を作製した。
・CF−1
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、及び表面酸化処理を行い、総単糸数24,000本の連続した炭素繊維を得た。この連続炭素繊維の特性は次に示す通りであった。
単繊維径:7μm
密度:1.8g/cm3
引張強度:4600MPa
引張弾性率:220GPa
<FRP材料に用いた熱硬化性樹脂(B)>
・EP
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER”(登録商標)825(三菱ケミカル(株)製))を50質量部、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(住友化学(株)製))を50質量部、ポリエーテルスルホン(“スミカエクセル(登録商標)”PES5003P(住友化学(株)製))を8質量部投入し、加熱混練を行い、ポリエーテルスルホンを溶解させた。次いで、混練を続けたまま100℃以下の温度まで降温させ、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(セイカキュアS(和歌山精化工業(株)製))を45質量部加えて撹拌し、熱硬化性樹脂(EP)を得た。熱硬化性樹脂(B)としてEPを、ナイフコーターを用いて樹脂目付50g/m2で離型紙上にコーティングし、熱硬化性樹脂フィルム(EP)を作製した。
<FRP材料に用いた熱可塑性樹脂(C)>
・PA−1
PA系樹脂として、“アミラン(登録商標)”CM1007(東レ(株)製、融点225℃)を使用し、樹脂シート(PA−1)を作製した。
・PA−2
PA系樹脂として、 “アミラン(登録商標)”CM4000(東レ(株)製、3元共重合ポリアミド樹脂、融点155℃)を使用し、樹脂シート(PA−2)を作製した。
・PP
PP樹脂として、二軸押出機中に、未変性ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製“プライムポリプロ”(登録商標)J105G、融点161℃)80質量%と、酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製“アドマー”QB510、融点164℃)樹脂を20質量%となるように調製し、200℃で加熱混練を行った。得られた混練物をシート化し、樹脂シート(PP)を作製した。
・PEKK
PEKK樹脂として、“KEPSTAN(登録商標)”7002(アルケマ(株)製、融点331℃)を使用し、樹脂シート(PEKK)を作製した。
・PA−1
PA系樹脂として、“アミラン(登録商標)”CM1007(東レ(株)製、融点225℃)を使用し、樹脂シート(PA−1)を作製した。
・PA−2
PA系樹脂として、 “アミラン(登録商標)”CM4000(東レ(株)製、3元共重合ポリアミド樹脂、融点155℃)を使用し、樹脂シート(PA−2)を作製した。
・PP
PP樹脂として、二軸押出機中に、未変性ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製“プライムポリプロ”(登録商標)J105G、融点161℃)80質量%と、酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製“アドマー”QB510、融点164℃)樹脂を20質量%となるように調製し、200℃で加熱混練を行った。得られた混練物をシート化し、樹脂シート(PP)を作製した。
・PEKK
PEKK樹脂として、“KEPSTAN(登録商標)”7002(アルケマ(株)製、融点331℃)を使用し、樹脂シート(PEKK)を作製した。
<他の部材の製造方法>
・PA射出材料
二軸押出機中に、PA−1を80部およびCF−1を20部投入し、250℃で加熱混練を行い、射出成形用のペレットを得た。ペレット中のCF−1の数平均繊維長は0.1mmであった。このペレットを用いて、厚さ2mmの平板を射出成形により得た。
・アルミ合金
アルミ合金として、厚みが2mmのA5052を準備した。サンドペーパー(目の粗さ#400)を用いて接合部表面を研磨し、アセトンで表面の汚れを除去した。
<評価方法>
(1)熱可塑性樹脂の融点Tmおよび軟化点Tn
本発明に用いる熱可塑性樹脂(C)および(D)に関する。
・PA射出材料
二軸押出機中に、PA−1を80部およびCF−1を20部投入し、250℃で加熱混練を行い、射出成形用のペレットを得た。ペレット中のCF−1の数平均繊維長は0.1mmであった。このペレットを用いて、厚さ2mmの平板を射出成形により得た。
・アルミ合金
アルミ合金として、厚みが2mmのA5052を準備した。サンドペーパー(目の粗さ#400)を用いて接合部表面を研磨し、アセトンで表面の汚れを除去した。
<評価方法>
(1)熱可塑性樹脂の融点Tmおよび軟化点Tn
本発明に用いる熱可塑性樹脂(C)および(D)に関する。
結晶性樹脂の場合、JIS−K7121(2012)に規定される「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠して融点を測定した。熱可塑性樹脂を、炉内温度50℃で制御された真空乾燥機中で24時間以上乾燥させた後、細かく裁断して試料を準備した。試料を、示差走査熱量測定装置(TA Instruments社製、DSC Q2000)にかけ、昇温速度10℃/分で規格による融点を得た。
一方、非晶性樹脂の場合、JIS−K7206(1999)に規定される「プラスチック−熱可塑性プラスチック−ビカット軟化温度(VST)試験」のA50法に準拠して軟化点を測定した。熱可塑性樹脂を、炉内温度50℃で制御された真空乾燥機中で24時間以上乾燥させた後、射出成形機(JSW社J150EII−P)にて成形した。得られた成形片から、厚さ3.2mm、縦および横がそれぞれ12.5mmの角板を切り出して、これを試料とした。試料を、熱変形温度測定機 ((株)東洋精機製作所製、S3−FH)にかけ、 規格による軟化点を得た。
上記操作を3回繰り返し、得られた温度の平均値を算出して、熱可塑性樹脂の融点ないし軟化点とした。ここで、融点として得られた温度をTm(℃)として扱い、軟化点はTn(℃)として扱った。
(2)他の部材と接合した一体化成形品の接合強度の測定方法
各実施例・比較例で作製したFRP材料および超音波溶着機(ブランソン社製)を用いた。FRP材料の熱可塑性樹脂同士が重なるようにして配置し、溶着圧力を1.5MPa、溶着時間(振動時間)を2秒、振幅(出力)を75%として、一体化成形品を準備した。得られた一体化成形品に、ISO4587:1995(JIS K6850(1994))を参考にしてタブを接着し、幅25mmでカットすることで、目的の試験片を得た。
各実施例・比較例で作製したFRP材料および超音波溶着機(ブランソン社製)を用いた。FRP材料の熱可塑性樹脂同士が重なるようにして配置し、溶着圧力を1.5MPa、溶着時間(振動時間)を2秒、振幅(出力)を75%として、一体化成形品を準備した。得られた一体化成形品に、ISO4587:1995(JIS K6850(1994))を参考にしてタブを接着し、幅25mmでカットすることで、目的の試験片を得た。
得られた試験片を、真空オーブン中で24時間乾燥させ、ISO4587:1995(JIS K6850(1994))に基づき、環境温度23℃で接合強度を評価した。測定結果に基づいて以下のように評価した。結果を表1〜3に記載した。
good:接合強度が25MPa以上
fair:接合強度が20MPa以上、25MPa未満
bad:接合強度が15MPa以上、20MPa未満
worst:接合強度が10MPa未満。 (3)界面曲線の粗さ平均高さRc
各実施例・比較例で作製したFRP材料からダイヤモンドカッターを用い、断面観察用の試験片を切り出した。このとき、強化繊維(A)の任意の繊維方向に対し、FRP材料ないし一体化成形品の平面視における45度の角度にてFRP材料ないし一体化成形品の平面方向に垂直となる断面をとした。次いで、後述する観察が可能な状態となるように湿式法で断面を研磨した。この断面において、光学顕微鏡を用いて、1000倍の画像を撮影した。得られた画像中の任意の500μm四方の観察範囲において、前記界面曲線要素の測定方法1により得られる界面曲線要素のJIS B0601(2013)で定義される、粗さ平均高さRcを測定した。
good:接合強度が25MPa以上
fair:接合強度が20MPa以上、25MPa未満
bad:接合強度が15MPa以上、20MPa未満
worst:接合強度が10MPa未満。 (3)界面曲線の粗さ平均高さRc
各実施例・比較例で作製したFRP材料からダイヤモンドカッターを用い、断面観察用の試験片を切り出した。このとき、強化繊維(A)の任意の繊維方向に対し、FRP材料ないし一体化成形品の平面視における45度の角度にてFRP材料ないし一体化成形品の平面方向に垂直となる断面をとした。次いで、後述する観察が可能な状態となるように湿式法で断面を研磨した。この断面において、光学顕微鏡を用いて、1000倍の画像を撮影した。得られた画像中の任意の500μm四方の観察範囲において、前記界面曲線要素の測定方法1により得られる界面曲線要素のJIS B0601(2013)で定義される、粗さ平均高さRcを測定した。
(4)接合の容易さ
溶着時に付与する溶着エネルギーの大きさや溶着時間について、凸状素子のないFRP材料と他の部材を溶着した場合の条件と比較して評価した。このとき、各実施例・比較例で用いた材料、上下共に平滑な金型を用いて凸状素子のないFRP材料を作製した。測定結果に基づいて以下のように評価した。結果を表1〜3に記載した。
good:溶着エネルギー軽減または溶着時間の短縮が40%以上
fair:溶着エネルギー軽減または溶着時間の短縮が10%以上、40%未満
bad:溶着エネルギー軽減または溶着時間の短縮が5%以上、10%未満
worst:溶着エネルギー軽減または溶着時間の短縮が5%未満。
溶着時に付与する溶着エネルギーの大きさや溶着時間について、凸状素子のないFRP材料と他の部材を溶着した場合の条件と比較して評価した。このとき、各実施例・比較例で用いた材料、上下共に平滑な金型を用いて凸状素子のないFRP材料を作製した。測定結果に基づいて以下のように評価した。結果を表1〜3に記載した。
good:溶着エネルギー軽減または溶着時間の短縮が40%以上
fair:溶着エネルギー軽減または溶着時間の短縮が10%以上、40%未満
bad:溶着エネルギー軽減または溶着時間の短縮が5%以上、10%未満
worst:溶着エネルギー軽減または溶着時間の短縮が5%未満。
以下に実施例および比較例の詳細を記す。
(5)表面外観
溶着後のFRP材料(一体化成形品)の表面、特に溶着エネルギーを印加した面について評価した。結果に基づいて以下のように評価した。
good:凹みや溶着跡など一体化成形品として問題ない
fair:溶着跡はある熱変形など凹みはなく一体化成形品として問題ない
bad:FRP材料に熱変形(凹み)が生じ、一体化成形品として問題となる。
溶着後のFRP材料(一体化成形品)の表面、特に溶着エネルギーを印加した面について評価した。結果に基づいて以下のように評価した。
good:凹みや溶着跡など一体化成形品として問題ない
fair:溶着跡はある熱変形など凹みはなく一体化成形品として問題ない
bad:FRP材料に熱変形(凹み)が生じ、一体化成形品として問題となる。
(6)両樹脂層の境界線とFRP材料の表面線との距離yの変動係数
各実施例・比較例で作製したFRP材料から前述の(3)と同様に、かつ隣接する2以上の凸状素子の中心を通る断面を出した試験片を切り出し、両樹脂層の境界線とFRP材料の表面層の距離yが測定可能な範囲で画像を撮影した。得られた画像(図8に示したような状態)において、熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層側の端部を基準線として、前記(B)を主成分とする層から熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層に向かって垂基線を描いた。このとき、凸状素子を含む試験片の幅方向を50等分に分割するような垂基線とした。この垂基線とFRP材料の表面線との交点(f(Xn))、垂基線と両樹脂の境界線との交点(g(Xn))との距離ynを測定した。得られた値から、平均距離μおよび標準偏差σ、変動係数CVを算出した。
各実施例・比較例で作製したFRP材料から前述の(3)と同様に、かつ隣接する2以上の凸状素子の中心を通る断面を出した試験片を切り出し、両樹脂層の境界線とFRP材料の表面層の距離yが測定可能な範囲で画像を撮影した。得られた画像(図8に示したような状態)において、熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層側の端部を基準線として、前記(B)を主成分とする層から熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層に向かって垂基線を描いた。このとき、凸状素子を含む試験片の幅方向を50等分に分割するような垂基線とした。この垂基線とFRP材料の表面線との交点(f(Xn))、垂基線と両樹脂の境界線との交点(g(Xn))との距離ynを測定した。得られた値から、平均距離μおよび標準偏差σ、変動係数CVを算出した。
距離yn=[f(Xn)―g(Xn)]
平均距離μ=Σ(yn)÷50
標準偏差σ={√(Σ(yn−μ)2)÷50)}÷50
変動係数CV=σ÷μ
<実施例1>
強化繊維(A)としてCF−1、熱硬化性樹脂(B)としてEP、熱可塑性樹脂(C)としてPA−1を用いた。
[熱可塑プリプレグ(PA−1ーP)]
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を調整した。強化繊維シートの両側に熱可塑性樹脂シート(PA−1)を重ねて配置して、270℃に設定したIRヒータで加熱して樹脂を溶融させ、強化繊維シート全面に付着させ、表面温度が100℃に保たれたニップロールで加圧して冷却し、熱可塑性樹脂層の前駆体となる熱可塑プリプレグを得た。熱可塑性樹脂(PA−1)の目付は50g/m2とした。
平均距離μ=Σ(yn)÷50
標準偏差σ={√(Σ(yn−μ)2)÷50)}÷50
変動係数CV=σ÷μ
<実施例1>
強化繊維(A)としてCF−1、熱硬化性樹脂(B)としてEP、熱可塑性樹脂(C)としてPA−1を用いた。
[熱可塑プリプレグ(PA−1ーP)]
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を調整した。強化繊維シートの両側に熱可塑性樹脂シート(PA−1)を重ねて配置して、270℃に設定したIRヒータで加熱して樹脂を溶融させ、強化繊維シート全面に付着させ、表面温度が100℃に保たれたニップロールで加圧して冷却し、熱可塑性樹脂層の前駆体となる熱可塑プリプレグを得た。熱可塑性樹脂(PA−1)の目付は50g/m2とした。
[熱可塑セミプレグ(PA−1−SP)]
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を調整した。強化繊維シート上(片側)に熱可塑性樹脂シート(PA−1)を配置したこと以外は上記熱可塑プリプレグと同様の方法で、強化繊維シートの一部に熱可塑性樹脂の未含浸部を有する熱可塑セミプレグ(PA−1−SP)を得た。
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を調整した。強化繊維シート上(片側)に熱可塑性樹脂シート(PA−1)を配置したこと以外は上記熱可塑プリプレグと同様の方法で、強化繊維シートの一部に熱可塑性樹脂の未含浸部を有する熱可塑セミプレグ(PA−1−SP)を得た。
[熱硬化プリプレグ(EP−P)]
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を200g/m2に調整した。熱硬化性樹脂フィルム(EP)を、一方向に引き揃えた強化繊維シートの両側に重ね合せて、60℃に設定したヒートロールを用い、加熱加圧しながら熱硬化性樹脂フィルム(EP)を強化繊維シートに含浸させて、熱硬化性樹脂層の前駆体となる熱硬化プリプレグ(EP−P)を得た。
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を200g/m2に調整した。熱硬化性樹脂フィルム(EP)を、一方向に引き揃えた強化繊維シートの両側に重ね合せて、60℃に設定したヒートロールを用い、加熱加圧しながら熱硬化性樹脂フィルム(EP)を強化繊維シートに含浸させて、熱硬化性樹脂層の前駆体となる熱硬化プリプレグ(EP−P)を得た。
得られた熱可塑プリプレグ(PA−1−P)2枚と熱可塑セミプレグ(PA−1−SP)1枚を、強化繊維の繊維配向方向が全て同じとなるように(この繊維配向方向を0°とする)、この順に、かつ熱可塑セミプレグ(PA−1−SP)の樹脂未含浸部が表面になるように積層した。当該積層体を270℃に設定したIRヒータで加熱して樹脂を溶融させ、表面温度が100℃に保たれた図9(a)に模式的に示される形状の金型を用いてプレスして、熱可塑性樹脂が固化した後、金型から脱型した。形成された熱可塑性樹脂を主成分とするFRPには、頂部の直径が2mm、下底の直径が4mmの円錐台状の凸状素子が、ピッチ8mmの60°千鳥状配置で形成されていた。
次いで、熱硬化性樹脂フィルム(EP)を熱可塑性樹脂の未含侵部側に積層し、さらに熱硬化プリプレグ(EP−P)を4枚積層した。最終的に[熱可塑プリプレグ(PA−1−P)/熱可塑セミプレグ(PA−1−SP)/熱硬化性樹脂フィルム(EP)/熱硬化プリプレグ(EP−P)]の積層構成である。このとき、熱硬化プリプレグの繊維配向は[0°/90°/90°/0°]となるようにした。これらの積層体を図9(b)(下型が平滑であること以外は図9(a)と同様)に示す金型に配置した後、加熱加圧を行い、熱硬化性樹脂を硬化させてFRP材料1を得た。
<実施例2>
凸状素子の頂部の直径が1mmとなる金型を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてFRP材料2を作製し、評価に供した。
凸状素子の頂部の直径が1mmとなる金型を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてFRP材料2を作製し、評価に供した。
<実施例3>
[熱可塑プリプレグ(PP―P)]
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を調整した。強化繊維シートの両側に熱可塑性樹脂シート(PP)を重ねて配置して、270℃に設定したIRヒータで加熱して樹脂を溶融させ、強化繊維シート全面に付着させ、表面温度が80℃に保たれたニップロールで加圧して冷却し、熱可塑性樹脂層の前駆体となる熱可塑プリプレグ(PP−P)を得た。熱可塑性樹脂(PP)の目付は50g/m2とした。
[熱可塑プリプレグ(PP―P)]
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を調整した。強化繊維シートの両側に熱可塑性樹脂シート(PP)を重ねて配置して、270℃に設定したIRヒータで加熱して樹脂を溶融させ、強化繊維シート全面に付着させ、表面温度が80℃に保たれたニップロールで加圧して冷却し、熱可塑性樹脂層の前駆体となる熱可塑プリプレグ(PP−P)を得た。熱可塑性樹脂(PP)の目付は50g/m2とした。
[熱可塑セミプレグ(PP−SP)]
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を調整した。強化繊維シート上(片側)に熱可塑性樹脂シート(PP)を配置したこと以外は上記熱可塑プリプレグと同様の方法で、強化繊維シートの一部に熱可塑性樹脂の未含浸部を有する熱可塑セミプレグ(PP−SP)を得た。
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を調整した。強化繊維シート上(片側)に熱可塑性樹脂シート(PP)を配置したこと以外は上記熱可塑プリプレグと同様の方法で、強化繊維シートの一部に熱可塑性樹脂の未含浸部を有する熱可塑セミプレグ(PP−SP)を得た。
熱可塑プリプレグ、熱可塑セミプレグとして、熱可塑プリプレグ(PA−1―P)、熱可塑セミプレグ(PA−1−SP)に代えて、熱可塑プリプレグ(PP−P)、熱可塑セミプレグ(PP−SP)を用いた以外は実施例1と同様にしてFRP材料3を作製し、評価に供した。
<実施例4>
[熱可塑プリプレグ(PEKKーP)]
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を調整した。強化繊維シートの両側に熱可塑性樹脂シート(PEKK)を重ねて配置して、340℃に設定したIRヒータで加熱して樹脂を溶融させ、強化繊維シート全面に付着させ、表面温度が180℃に保たれたニップロールで加圧して冷却し、熱可塑性樹脂層の前駆体となる熱可塑プリプレグ(PEKK−P)を得た。熱可塑性樹脂(PEKK)の目付は60g/m2とした。
[熱可塑プリプレグ(PEKKーP)]
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を調整した。強化繊維シートの両側に熱可塑性樹脂シート(PEKK)を重ねて配置して、340℃に設定したIRヒータで加熱して樹脂を溶融させ、強化繊維シート全面に付着させ、表面温度が180℃に保たれたニップロールで加圧して冷却し、熱可塑性樹脂層の前駆体となる熱可塑プリプレグ(PEKK−P)を得た。熱可塑性樹脂(PEKK)の目付は60g/m2とした。
[熱可塑セミプレグ(PEKK−SP)]
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を調整した。強化繊維シート上(片側)に熱可塑性樹脂シート(PEKK)を配置したこと以外は上記熱可塑プリプレグと同様の方法で、強化繊維シートの一部に熱可塑性樹脂の未含浸部を有する熱可塑セミプレグ(PEKK−SP)を得た。
強化繊維(A)としてCF−1を用い、一方向に整列させた連続した状態の強化繊維シートとして引き出し、目付を調整した。強化繊維シート上(片側)に熱可塑性樹脂シート(PEKK)を配置したこと以外は上記熱可塑プリプレグと同様の方法で、強化繊維シートの一部に熱可塑性樹脂の未含浸部を有する熱可塑セミプレグ(PEKK−SP)を得た。
熱可塑プリプレグ、熱可塑セミプレグとして、熱可塑プリプレグ(PA−1−P)、熱可塑セミプレグ(PA−1−SP)に代えて、熱可塑プリプレグ(PEKK−P)、熱可塑セミプレグ(PEKK−SP)を用いた以外は実施例1と同様にしてFRP材料4を作製し、評価に供した。
<実施例5>
凸状素子の高さを200μmとしたこと以外は実施例1と同様にしてFRP材料5を作製し、評価に供した。
凸状素子の高さを200μmとしたこと以外は実施例1と同様にしてFRP材料5を作製し、評価に供した。
<実施例6>
熱可塑性樹脂(D)としてPA−2を用い、凸状素子の表面に熱可塑性樹脂(D)が存在するように、[熱可塑性樹脂シート(PA−2)/熱可塑性プリプレグ(PA−1ーP)2枚/熱可塑セミプレグ(PA−1−SP)]の順に積層した積層体を準備した。この積層体を用いて凸状素子を形成した熱可塑性樹脂を主成分とした熱可塑プリプレグ(D−PA−1−P)を得た。熱可塑プリプレグ(PA−1−P)と熱可塑セミプレグ(PA−1−SP)との積層体に代えて、この熱可塑プリプレグ(D−PA−1−P)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてFRP材料6を作製し、評価に供した。
熱可塑性樹脂(D)としてPA−2を用い、凸状素子の表面に熱可塑性樹脂(D)が存在するように、[熱可塑性樹脂シート(PA−2)/熱可塑性プリプレグ(PA−1ーP)2枚/熱可塑セミプレグ(PA−1−SP)]の順に積層した積層体を準備した。この積層体を用いて凸状素子を形成した熱可塑性樹脂を主成分とした熱可塑プリプレグ(D−PA−1−P)を得た。熱可塑プリプレグ(PA−1−P)と熱可塑セミプレグ(PA−1−SP)との積層体に代えて、この熱可塑プリプレグ(D−PA−1−P)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてFRP材料6を作製し、評価に供した。
<実施例7>
図9(b)に模式的に示される形状の、片方が凹型でもう片方が平滑な金型を用いて熱可塑プリプレグ(PA−1−P)を成形したこと以外は実施例1と同様にしてFRP材料7を作製し、評価に供した。
図9(b)に模式的に示される形状の、片方が凹型でもう片方が平滑な金型を用いて熱可塑プリプレグ(PA−1−P)を成形したこと以外は実施例1と同様にしてFRP材料7を作製し、評価に供した。
<実施例8>
熱硬化プリプレグ(EP−P)の枚数を16枚とし、積層構成を[0/90/0/90]2S(記号Sは、鏡面対象示す)としたこと以外は実施例1と同様にしてFRP材料8を作製し、評価に供した。
熱硬化プリプレグ(EP−P)の枚数を16枚とし、積層構成を[0/90/0/90]2S(記号Sは、鏡面対象示す)としたこと以外は実施例1と同様にしてFRP材料8を作製し、評価に供した。
<実施例9>
熱硬化プリプレグ(EP−P)の枚数を24枚とし、積層構成を[0/90/0/90]3Sとしたこと以外は、実施例1と同様にしてFRP材料を作製し、評価に供した。
熱硬化プリプレグ(EP−P)の枚数を24枚とし、積層構成を[0/90/0/90]3Sとしたこと以外は、実施例1と同様にしてFRP材料を作製し、評価に供した。
<比較例1>
熱可塑性樹脂層の表面に凸状素子を形成しないこと以外は、実施例1と同様にしてFRP材料1Bを作製し、評価に供した。
熱可塑性樹脂層の表面に凸状素子を形成しないこと以外は、実施例1と同様にしてFRP材料1Bを作製し、評価に供した。
<比較例2>
熱可塑セミプレグ(PA−1―SP)を用いないこと以外は実施例1と同様にしてFRP材料2Bを作製し、評価に供した。
熱可塑セミプレグ(PA−1―SP)を用いないこと以外は実施例1と同様にしてFRP材料2Bを作製し、評価に供した。
<検討>
実施例1〜9および比較例1、2により、強化繊維(A)、熱可塑性樹脂層の外表面の少なくとも一部に凸状素子が形成され、かつ強化繊維群を構成する少なくとも一部の強化繊維(A)が、熱硬化性樹脂層および熱可塑性樹脂層の両者に接しているFRP材料を用いた場合に接合強度および接合の容易さ、表面外観が満足するものとなることが分かる。
実施例1〜9および比較例1、2により、強化繊維(A)、熱可塑性樹脂層の外表面の少なくとも一部に凸状素子が形成され、かつ強化繊維群を構成する少なくとも一部の強化繊維(A)が、熱硬化性樹脂層および熱可塑性樹脂層の両者に接しているFRP材料を用いた場合に接合強度および接合の容易さ、表面外観が満足するものとなることが分かる。
特に、実施例1および2と比較例1の対比により、凸状素子およびの効果が明確となった。また比較例2との対比により、強化繊維(A)が熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層および熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層の両者に接触していることが接合強度に効果的であることが明確になった。さらに実施例6においては、熱可塑性樹脂(C)よりも低融点の熱可塑性樹脂(D)を凸状素子の表面に配置することでより容易に接合が可能であった。
実施例2および5より、凸状素子の形態が接合の容易さに影響することが明確となった。また実施例3および4より、様々な熱可塑性樹脂に適応可能な技術であることが明確となった。
実施例7とその他の実施例との対比より、凸状素子の形態(FRP材料の表面線)と熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層と熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層の境界面の関係を規定の範囲とすることで、マクロな凹凸形状が形成されることによる接合強度への効果が明確になった。
1:強化繊維(A)
2:熱硬化性樹脂(B)
3:熱可塑性樹脂(C)
4:境界面(境界線)
5:垂基線
6:基準線
7:界面曲線
8:FRP材料
9:凸状素子
10:熱可塑性樹脂層の厚み
11:凸状素子の下底
12:凸状素子の上底(頂部)
13:熱可塑性樹脂(D)
14:凸状素子の境界面
15:凸状素子の境界面に跨って存在する強化繊維(A)
16:FRP材料の表面線
17:凹部を有する金型
18:凸部を有する金型
19:平滑な金型
2:熱硬化性樹脂(B)
3:熱可塑性樹脂(C)
4:境界面(境界線)
5:垂基線
6:基準線
7:界面曲線
8:FRP材料
9:凸状素子
10:熱可塑性樹脂層の厚み
11:凸状素子の下底
12:凸状素子の上底(頂部)
13:熱可塑性樹脂(D)
14:凸状素子の境界面
15:凸状素子の境界面に跨って存在する強化繊維(A)
16:FRP材料の表面線
17:凹部を有する金型
18:凸部を有する金型
19:平滑な金型
Claims (14)
- 多数本の連続した強化繊維(A)から構成される強化繊維群、熱硬化性樹脂(B)、および熱可塑性樹脂(C)を含む繊維強化樹脂材料であって、
表層に熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層が存在するとともに、熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層と、前記熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層とが境界面を形成して接合され、
前記強化繊維群を構成する少なくとも一部の強化繊維(A)が、前記熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層、および前記熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層の両者に接しており、
前記表層に存在する熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層の外表面の少なくとも一部に熱可塑性樹脂(C)を主成分とする凸状素子が形成された繊維強化樹脂材料。 - 凸状素子が形成されている熱可塑性樹脂層の外表面に平行な断面を切ったときに、凸状素子の断面積が前記凸状素子の下底の面積に対して50%以下となる部分を有する、請求項1に記載の繊維強化樹脂材料。
- 前記凸状素子の勾配が10°以上90°以下である、請求項1または2に記載の繊維強化樹脂材料。
- 前記凸状素子の表面の少なくとも一部に熱可塑性樹脂(C)よりも融点または軟化点が低い熱可塑性樹脂(D)が存在する、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂材料。
- 前記繊維強化樹脂材料の厚みが6mm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化樹脂材料。
- 前記熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層の厚みが10μm以上1500μm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化樹脂材料。
- 前記凸状素子の高さが10μm以上1000μm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化樹脂材料。
- 前記強化繊維(A)が凸状素子の内部に入り込んでいる、請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化樹脂材料。
- 前記熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層と前記熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層の境界線と、繊維強化樹脂材料の表面線との距離yの変動係数が5%以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化樹脂材料。
- 強化繊維(A)の配向方向に対し45度の角度をなし、かつ繊維強化樹脂材料の面方向に垂直な断面を観察した場合に、当該断面において、両樹脂層の境界面がなす曲線のJIS B0601(2013)で定義される粗さ平均高さRcが3.5μm以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強化樹脂材料。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の繊維強化樹脂材料と他の部材を接合一体化した一体化成形品。
- 前記他の部材の繊維強化樹脂材料との接合面の少なくとも一部に熱可塑性樹脂が存在する、請求項11に記載の一体化成形品。
- 前記他の部材の熱可塑性樹脂が前記凸状素子の表面に存在する熱可塑性樹脂(C)または熱可塑性樹脂(D)と同一の熱可塑性樹脂を含む、請求項11または12に記載の一体化成形品。
- 請求項11〜13のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法であって、
前記繊維強化樹脂材料の表層に存在する熱可塑性樹脂(C)を主成分とする層と、前記他の部材とが接触した状態で、前記繊維強化樹脂材料を構成する熱硬化性樹脂(B)を主成分とする層を介してエネルギーを印加する一体化成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019231594A JP2021098318A (ja) | 2019-12-23 | 2019-12-23 | 繊維強化樹脂材料、一体化成形品、および一体化成形品の製造方法 |
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