JP2021095190A - 包装体及び包装体の使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容物の破損を防止するとともに利便性を向上できる包装体を提供する。【解決手段】内容物を封入した包装容器1と、包装容器1に装着されたアダプタ70と、を備える包装体100であって、包装容器1が、上面を開口する収納部10と収納部10の周縁から外周方向に延びる延設部20とを有した容器部40と、収納部10を囲む環状の第1熱接着部31により延設部20に固着して収納部10を覆う蓋部30と、を備えるとともに、容器部40が、延設部20に隣接して第1熱接着部31の外周側に配置される第2熱接着部32により蓋部30の一端に固着される分離部22を有し、アダプタ70は、収納部10から分離部22に向かう第1方向Yに延設部20を摺動可能に保持する延設保持部75と、分離部22を保持するとともにヒンジ部71bを介して延設保持部75に対して回動可能に形成される回動部71aと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、医療品を包装する包装体及び包装体の使用方法に関する。
包装体は特許文献1に開示される。この包装体は、積層フィルムを重ねて周縁を熱接着部により熱接着して収納部が形成され、収納部に内容物が収容される。また、包装体には開封用切れ目が設けられる。開封用切れ目に沿って包装体を引裂くことにより、包装体が開口し、内容物を容易に取り出すことができる。
特表2013−510609号公報
しかしながら、上記従来の包装体によると、携帯時に開封用切れ目に沿って積層フィルムが破断して内容物が破損する問題があった。また、開封時に両手で包装体を摘持する必要があり、両手が塞がり利便性が悪い問題があった。
本発明は上記問題点に鑑み、内容物の破損を防止するとともに開封時の利便性を向上できる包装容器及びその使用方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、内容物を封入した包装容器と、前記包装容器に装着された樹脂成形品のアダプタと、を備える包装体であって、前記包装容器が、上面を開口した内容物の収納部と前記収納部の周縁から外周方向に延びて延設部とを有した樹脂成形品から成る容器部と、前記収納部を囲む環状の第1熱接着部により前記延設部に固着して前記収納部を覆う積層フィルムから成る蓋部と、を備えるとともに、前記容器部が、前記延設部に隣接して前記第1熱接着部の外周側に配置される第2熱接着部により前記蓋部の一端に固着され、前記延設部に対して分離状態の分離部を有し、前記アダプタは、前記収納部から前記分離部に向かう第1方向に前記延設部を摺動可能に保持する延設保持部と、前記分離部を保持するとともにヒンジ部を介して前記延設保持部に対して回動可能に形成される回動部と、を備えることを特徴としている。
この構成によると、容器部は樹脂成形品から成り変形し難い。このため、収納部に収納された内容物は、包装体の携帯時に破損し難い。
また、上記目的を達成するために本発明は、内容物を封入した包装容器と、前記包装容器に装着された樹脂成形品のアダプタと、を備える包装体であって、前記包装容器が、上面を開口した内容物の収納部と前記収納部の周縁から外周方向に延びて延設部とを有した樹脂成形品から成る容器部と、前記収納部を囲む環状の第1熱接着部により前記延設部に固着して前記収納部を覆う積層フィルムから成る蓋部と、を備えるとともに、前記容器部が、前記延設部に隣接して前記第1熱接着部の外周側に配置される第2熱接着部により前記蓋部の一端に固着され、前記延設部に対して分離可能状態の分離部を有し、前記アダプタは、前記収納部から前記分離部に向かう第1方向に前記延設部を摺動可能に保持する延設保持部と、前記分離部を保持するとともにヒンジ部を介して前記延設保持部に対して回動可能に形成される回動部と、を備えることを特徴としている。
この構成によると、容器部は樹脂成形品から成り変形し難い。このため、収納部に収納された内容物は、包装体の携帯時に破損し難い。
また本発明は、上記構成の包装体において、前記アダプタが、前記蓋部の上面に面して配置される天板部と、前記天板部から下方に延びて前記容器部の側方に配置される側板部と、を備え、前記延設保持部が、前記側板部の内面から内側に突出する第1係止爪を有するとともに、前記第1係止爪と前記天板部との間に前記延設部が配置され、前記回動部が、前記側板部の内面から内側に突出する第2係止爪を有するとともに、前記第2係止爪と前記天板部との間に前記分離部が配置されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装体において、前記第1係止爪は、前記第1方向に複数並設されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装体において、前記容器部は、前記延設部と前記分離部との間に配置されるとともに厚み方向に所定の深さで切断された非貫通の切込みから成る切断線が形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装体において、前記第1熱接着部は、前記分離部側に突出する突出部を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装体において、前記突出部は、複数並設されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装体において、前記延設部は、前記収納部を挟んで前記分離部と対向する位置に配置されるとともに前記蓋部の反対方向に突出する凸部を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装体において、前記凸部は、上面視において前記分離部側に凸の曲線状に形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装体において、前記分離部は、前記蓋部の反対方向に突出する突起部を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装体において、前記延設部は、外周縁が上面視において矩形状に形成され、前記分離部は、前記延設部の短手方向の一辺に沿って延びることを特徴としている。
また本発明は、内容物を封入した包装容器と、前記包装容器に装着された樹脂成形品のアダプタと、を備える包装体の使用方法であって、前記包装容器が、上面を開口した内容物の収納部と前記収納部の周縁から外周方向に延びて延設部とを有した樹脂成形品から成る容器部と、前記収納部を囲む環状の第1熱接着部により前記延設部に固着して前記収納部を覆う積層フィルムから成る蓋部と、を備えるとともに、前記容器部が、前記延設部に隣接して前記第1熱接着部の外周側に配置される第2熱接着部により前記蓋部の一端に固着され、前記延設部に対して分離状態または分離可能状態の分離部を有し、前記アダプタは、前記収納部から前記分離部に向かう第1方向に前記延設部を摺動可能に保持する延設保持部と、前記分離部を保持するとともにヒンジ部を介して前記延設保持部に対して回動可能に形成される回動部と、を備え、前記回動部を手指で支持して前記延設部を前記アダプタに対して前記第1方向に摺動させながら、前記蓋部を前記延設部から分離された前記分離部とともに前記延設部から剥離させて前記収納部を開封することを特徴としている。
本発明によると、包装容器は、分離部が延設部に隣接して分離状態または分離可能状態で蓋部に熱接着される。また、包装容器に装着されたアダプタは、分離部を保持する回動部と、延設部を収納部から分離部に向かう第1方向に摺動可能に保持する延設保持部と、を有する。回動部は、ヒンジ部を介して延設保持部に対して回動する。このため、包装容器を把持しながら回動部を回動させて延設部から分離した分離部及び回動部を手指で支持し、延設部をアダプタに対して第1方向に摺動させながら蓋部を分離部ととともに延設部から引き剥がすことができる。これにより、片手で収納部を容易に開封することができ、開封時の包装体の利便性を向上できる。また、収納部に収納された内容物は、包装体の携帯時に破損し難い。
本発明の実施形態の包装体の斜視図 本発明の実施形態の包装体の上面図 図2中のA−A断面図 図2中のB−B断面図 本発明の実施形態の包装体に係るアダプタの斜視図 本発明の実施形態の包装体の蓋部を構成する積層フィルムの層構成を示す断面図 本発明の実施形態の包装体の収納部を構成する積層体の層構成を示す断面図 本発明の実施形態の包装体の使用方法を示す説明図 本発明の実施形態の包装体の使用方法を示す説明図 本発明の実施形態の包装体の使用方法を示す説明図 本発明の実施形態の包装体の使用方法を示す説明図 本発明の実施形態の包装体の変形例の側面断面図
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1、図2は本実施形態の包装体100の斜視図及び上面図であり、図3は図2のA−A断面図である。図4は図2のB−B断面図である。
包装体100は、包装容器1と、アダプタ70と、を備える。包装容器1は、内容物(不図示)が封入され、アダプタ70は、包装容器1に装着されて包装容器1を保護するとともに包装容器1の開封を補助する。
包装容器1は、蓋部30と、容器部40と、を備える。容器部40は、収納部10と、延設部20と、分離部22と、を有し、樹脂成形品から成る。収納部10は、上面が開口する扁平のボウル状に形成される。具体的には、収納部10の深さを10mm以下に形成することにより、包装容器1の携帯性を向上できる。収納部10の内部には内容物(不図示)が収容される。内容物としては、例えば、液体を含む医療品が収容される。具体的には、潤滑剤に浸漬された避妊具等が挙げられる。
延設部20は、収納部10の周縁から外周方向に延び、凸部23を有する。延設部20の外周縁は、上面視において矩形状の名刺サイズ等の把持可能な大きさに形成される。
凸部23は、収納部10を挟んで分離部22と対向する位置に配置され、蓋部30の反対方向に突出する。凸部23は、上面視において環状であり、分離部22側に凸の曲線状に形成される。これにより、手指を凸部23の形状に沿って当接させて凸部23を安定して支持できる。また、凸部23を分離部22側へ強い力で押圧することができる。なお、凸部23は、上面視において環状以外の形状に形成してもよい。例えば、凸部23をドット状に複数形成したり、線状に形成してもよい。凸部23を線状に形成する場合に、凸部23を短手方向Xに延びるように形成し、長手方向Yに複数配置することが好ましい。このとき、収納部10に近い側に配置される凸部23の突出量を収納部10から遠い側に配置される凸部23の突出量よりも大きくすることが好ましい。これにより、手指で凸部23をより安定して支持できる。
分離部22は、延設部20に隣接して配置され、蓋部30の反対方向に突出する突起部22aを有する。突起部22aを設けることにより、分離部22の厚みが大きくなり、分離部22を強い力で摘持することができる。また、突起部22aによって分離部22に凹凸が形成され、突起部22aを摘持する際に手指を滑り止めすることができる。また、突起部22aを設けることにより、分離部22の剛性が向上し、分離部22が、反って変形することを防止できる。
容器部40は、延設部20と分離部22との間に配置される切断線21が形成される。切断線21は、短手方向Xに延び、容器部40の蓋部30の反対側の面から厚み方向に所定の深さで切断された非貫通の切込みから成る。容器部40は、分離部22を切断線21に沿って屈曲させることにより、切断線21に沿って容易に破断する。すなわち、分離部22は、延設部20に対して分離可能状態にある。なお、分離前の分離部22は、延設部20と連結しており、後述するように、アダプタ70に包装容器1を容易に装着できる。
蓋部30は、後述する積層フィルム50から成り、収納部10を覆う。蓋部30は、熱接着部(第1熱接着部)31により延設部20に固着する。熱接着部31は、収納部10を囲む環状に形成される。これにより、内容物は、収納部10の内部に密封して収納される。また、蓋部30は、熱接着部(第2熱接着部)32により分離部22に固着する。熱接着部32は、熱接着部31よりも外周側に配置される。これにより、分離部22が延設部20に対して分離した場合でも、分離部22は蓋部30に固着している。また、蓋部30は、熱接着部33により延設部20に固着する。熱接着部33は、収容部10を挟んで分離部22とは反対側の角部に配置される。これにより、蓋部30の角部が捲れることを防止できる。なお、切断線21の代わりに、延設部20の下面から厚み方向に貫通する切込みを形成して分離部22を予め収納部10に対して分離状態にしてもよい。
熱接着部31は、分離部22側に突出する突出部31aを2個有し、突出部31aは、短手方向Xに並設される。包装容器1の開封時、切断線21に沿って容器部40を破断し、分離部22を長手方向Yの凸部23側に引張り、分離部22と収納部10とを近づける。このとき、突出部31a上の蓋部30に最初に剥離する力が集中する。これにより、蓋部30を突出部31a上から長手方向Yに容易に剥離することができる。また、突出部31aを複数並設することにより、突出部31aが並ぶ方向(短手方向X)に直交する方向(長手方向Y)に蓋部30を容易に延設部20から剥離することができる。なお、突出部31aは、1個でもよく、3個以上でもよい。
図5はアダプタ70の斜視図を示している。アダプタ70は、天板部71と、側板部72、73、74と、を有し、硬質の樹脂成形品から成る。天板部71は、上面視において矩形状であり蓋部30の上面に面して配置される。これにより、蓋部30が天板部71で保護され、包装体100の携帯時に蓋部30が破断することを防止できる。
側板部72、73、74は、天板部71の周縁から下方に延びて容器部40の側方に配置される。一対の側板部72は、天板部71の長手方向Yの対向する2辺に沿って延び、延設部20の側方に配置される。一対の側板部73は、側板部72に隣接して回動部71aに配置される。側板部73は、側板部72に対して分離状態にある。側板部74は、一対の側板部73を連結して短手方向Xに沿って延び、アダプタ70の長手方向Yの一端を覆う。なお、天板部71の側板部74と対向する面は開放されており、開放端77が形成される。
側板部72は、係止爪(第1係止爪)72aを有し、側板部73は、係止爪(第2係止爪)73aを有する。係止爪72a、73aは、側板部72、73の内面から内側にそれぞれ突出する。係止爪72aは、収納部10から分離部22に向かう第1方向(長手方向Y)に複数並設される。また、天板部71には、各係止爪72a、73aに対向する貫通孔71c、71dがそれぞれ設けられる。貫通孔71c、71dを設けることにより、アダプタ70を樹脂成形する際に係止爪72a、73aを容易に形成できる。
また、アダプタ70は、回動部71aと、延設保持部75と、を有する。延設保持部75は、係止爪72aと天板部71との間に延設部20を配置し、長手方向Y(第1方向)に延設部20を摺動可能に保持する。このとき、係止爪72aは、長手方向Yに複数並設され、延設部20を長手方向Yに円滑に摺動させることができる。なお、側板部72の内面に長手方向Yに延びる溝部を形成し、溝部により延設部20を保持してもよい。
回動部71aは、天板部71の一端に配置され、天板部71に設けたヒンジ部71bを介して延設保持部75に対して回動する。ヒンジ部71bは、分離部22と延設部20との境界線(切断線21)上に配置され、溝状に形成される。ヒンジ部71bは、切断線21と同じ方向(短手方向X)に延びる。ヒンジ部71bは、天板部71を厚み方向に薄肉化して成形される。
また、回動部71aは係止爪73aと天板部71との間に分離部22を配置して分離部22を保持する。なお、側板部73の内面に長手方向Yに延びる溝部を形成し、溝部により分離部22を保持してもよい
包装容器1にアダプタ70を装着する際、まず、分離部22を開放端77から延設保持部75の係止爪72aと天板部71との間に挿入する。次に、包装容器1を天板部71上で長手方向Yに摺動させて、延設部20を係止爪72aと天板部71との間に挿入する。さらに、包装容器1を天板部71上で長手方向Yに摺動させ、分離部22を係止爪73aと天板部71との間に挿入する。そして、分離部22が側板部74に当接して装着が完了する。
図6は蓋部30を構成する積層フィルム50の層構成を示す断面図である。積層フィルム50は外面側から基材層51、フィルムバリア層52、熱接着性樹脂層53を順に積層して形成される。
基材層51は、包装容器1に印刷適性、耐突き刺し性(耐ピンホール性)性等を付与するものである。基材層51としては、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の公知の樹脂を任意に選択することができる。
フィルムバリア層52は、蓋部30の耐ガス透過性等をより向上させることができ、アルミニウム箔等の金属箔が好適に用いられる。
熱接着性樹脂層53は延設部20に熱接着可能な樹脂から成り、蓋部30が引き剥がされるため、イージーピール性を有するものが用いられる。この時、熱接着性樹脂層53として凝集剥離タイプの樹脂であってもよく界面剥離タイプの樹脂であってもよい。凝集剥離タイプの樹脂として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)のブレンド樹脂を用いることができる。
図7は容器部40を構成する積層体60の層構成を示す断面図である。積層体60は内面側からシール層61、容器バリア層62、保護層63を順に積層して形成される。
容器バリア層62は、硬質の樹脂から成り、変形し難い。これにより、開封時に凸部23を押圧したときに収納部10及び延設部20が変形することを防止できる。具体的には、エチレンービニルアルコール共重合体(EVOH)、環状オレフィン・コポリマー(COC)、ポリスチレン(PS)を用いることができる。ポリスチレンは、切断線21に沿って分離部22を屈曲させることにより、容易に破断する。このため、分離部22を切断線21に沿って延設部20に対して容易に分離することができ好ましい。
シール層61及び保護層63は、容器バリア層62の両面にそれぞれ製膜して形成され、具体的には、ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)を用いることができる。シール層61を設けることにより、容器部40と蓋部30とのシール強度を向上させて収納部10内の密封性を向上できる。また、保護層63を設けることにより、収納部10内部のガスバリア性を向上させることができ、内容物の劣化を防止することができる。
なお、本実施形態では、積層体60は、シール層61、容器バリア層62、保護層63の3層で構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、保護層63を省いて2層で構成してもよい。また、積層体60の代わりに容器部40を単相の樹脂で構成してもよい。この場合、単相の樹脂としてポリプロピレンを好適に用いることができる。また、容器部40を構成する樹脂の種類によっては、切断線21に沿って分離部22を屈曲させた場合でも破断し難いことがある。この場合、分離部22を予め収納部10に対して分離状態にすることが好ましい。
切断線21は、切刃等で保護層63及び容器バリア層62を厚み方向に所定深さで切断して形成される。
図8〜図11は、包装体100の使用方法を示しており、図9は、包装体100を蓋部30側から視た斜視図である。また、図10は、包装体100を蓋部30の反対側から視た斜視図であり、図11は、包装体100を側方から視た断面図である。
包装体100の使用方法は、まず、回動部71aに親指F1を掛けて、ヒンジ部71bに沿って回動部71aを上方に屈曲させる。これにより、回動部71aに保持される分離部22も上方に屈曲し、容器部40は切断線21に沿って破断する。従って、分離部22が延設部20に対して分離状態になる(図8参照)。
なお、予め、分離部22が、延設部20に対して分離状態にある場合、回動部71aの回動時に分離部22が容器部40を切断線21に沿って破断する動作を省くことができる。
次に、回動させた回動部71aを天板部71に当接させた状態で回動部71aに親指F1を掛けて、人差し指F2で凸部23を分離部22側に押圧する。これにより、延設保持部75に保持される延設部20が、アダプタ70に対して長手方向Y(第1方向)に摺動し、分離部22とともに蓋部30が延設部20から剥離して収納部10が開封される。このとき、容器部40は樹脂成形品から成り変形し難い。また、延設保持部75により延設部20が一方向に案内されるため、凸部23を長手方向Y(第1方向)により強い力で押圧することができる。これにより、片手で収納部10を容易に開封することができ、開封時の包装体100の利便性を向上できる。
なお、本実施形態では、親指F1と人差し指F2により蓋部30を開封したが、他の方法で包装容器1を開封してもよい、例えば、分離部22及び回動部71aを親指F1と人差し指F2とで摘持しながら、中指で凸部23を分離部22側に押圧して収納部10を開封してもよい。また、中指の代わりに薬指で凸部23を押圧してもよい。また、分離部22は回動部71aに保持されており、回動部71aのみを親指F1で支持したが、分離部22上に親指F1を掛けて分離部22が回動部71aから外れることを防止してもよい。
本実施形態によると、包装容器1は、延設部20に隣接する分離部22が切断線21により延設部20に対して分離状態または分離可能状態で蓋部30に熱接着される。また、包装容器1に装着されたアダプタ70は、分離部22を保持する回動部71aと、延設部20を収納部10から分離部22に向かう第1方向(長手方向Y)に摺動可能に保持する延設保持部75と、を有する。回動部71aは、ヒンジ部71bを介して延設保持部75に対して回動する。このため、包装容器1を把持しながら回動部71aを回動させて延設部20から分離した分離部22及び回動部71aを手指で支持し、延設部20をアダプタ70に対して第1方向(長手方向Y)に摺動させながら蓋部30を分離部22ととともに延設部20から引き剥がすことができる。これにより、片手で収納部10を容易に開封することができ、開封時の包装体100の利便性を向上できる。また、収納部10に収納された内容物は、包装体100の携帯時に破損し難い。
また、アダプタ70が、蓋部30の上面に面して配置される天板部71を備え、蓋部30を保護する。これにより、包装体100の携帯時に蓋部30が破断することを防止できる。また、側板部72の内面から内側に突出する係止爪(第1係止爪)72aが形成される。係止爪72aにより、簡易な構成で延設部20を保持することができる。また、側板部73の内面から内側に突出する係止爪(第2係止爪)73aが形成される。係止爪73bにより、簡易な構成で分離部22を回動部71aに保持できる。
また、係止爪72aは、第1方向(長手方向Y)に複数並設され、延設部20を第1方向に円滑に摺動させることができる。
また、容器部40は、延設部20と分離部22との間に配置されるとともに厚み方向に所定の深さで切断された非貫通の切込みから成る切断線21が形成される。これにより、容器部40は、切断線21に沿って容易に切断され、分離部22が収納部10から分離する。このとき、分離前の分離部22は、延設部20と一体に連結しており、包装容器1にアダプタ70を容易に装着できる。
また、熱接着部31は、分離部22側に突出する突出部31aを有し、突出部31aは複数並設される。これにより、分離部22と収納部10とを近づけたときに、突出部31aの先端上の蓋部30に最初に剥離する力が加わる。これにより、蓋部30を突出部31a上から容易に剥離することができる。また、突出部を複数並設することにより、突出部31aが並ぶ方向(短手方向X)に直交する方向(長手方向Y)に蓋部30を容易に剥離することができる。
また、延設部20は、蓋部30の反対方向に突出する凸部23を有する。凸部23は、収納部10を挟んで分離部22と対向する位置に配置される。また、凸部23は、上面視において分離部22側に凸の曲線状に形成される。これにより、手指(例えば、人差し指F2)を凸部23の形状に沿って当接させて凸部23を安定して支持できる。また、凸部23を分離部22側に強い力で押圧することができる。
また、分離部22は、蓋部30の反対方向に突出する突起部22aを有する。突起部22aを設けることにより、分離部22の厚みが大きくなり、分離部22を強い力で摘持することができる。また、突起部22aによって分離部22に凹凸が形成され、突起部22aを摘持する際に手指を滑り止めすることができる。
また、包装体100の使用方法であって、回動部71aを手指で支持して延設部200をアダプタ70に対して第1方向(長手方向Y)に摺動させながら、蓋部30を分離部22とともに延設部20から剥離させて収納部10を開封する。具体的には、回動部71aを親指F1と人差し指F2で摘持して中指F3で凸部23を分離部22側に押圧する。これにより、片手で収納部10を開封することができ、包装体100の開封時の利便性を向上できる。
また、図12は包装体100の変形例の側面断面を示している。図12に示すように凸部23(図3参照)を省いてもよい。この場合、開封時、分離部22に親指F1を掛けながら、同じ手の人差し指F2で収納部10の分離部22と反対側の側面を分離部22側に押圧する。これにより、片手で収納部10を開封することができる。また、凸部23を省くことにより、包装体100を小型化できる。
本発明は、例えば、医薬品を包装する包装体に利用可能である。
1 包装容器
10 収納部
20 延設部
21 切断線
22 分離部
22a 突起部
23 凸部
30 蓋部
31 熱接着部(第1熱接着部)
31a 突出部
32 熱接着部(第2熱接着部)
33 熱接着部
40 容器部
50 積層フィルム
51 基材層
52 フィルムバリア層
53 熱接着性樹脂層
60 積層体
61 シール層
62 容器バリア層
63 保護層
70 アダプタ
71 天板部
71a 回動部
71b ヒンジ部
71c、71d 貫通孔
72、73、74 側板部
72a、73a 係止爪
75 延設保持部
77 開放端
100 包装体
F1 親指
F2 人差し指
X 短手方向
Y 長手方向

Claims (12)

  1. 内容物を封入した包装容器と、前記包装容器に装着された樹脂成形品のアダプタと、を備える包装体であって、
    前記包装容器が、上面を開口した内容物の収納部と前記収納部の周縁から外周方向に延びて延設部とを有した樹脂成形品から成る容器部と、前記収納部を囲む環状の第1熱接着部により前記延設部に固着して前記収納部を覆う積層フィルムから成る蓋部と、を備えるとともに、
    前記容器部が、前記延設部に隣接して前記第1熱接着部の外周側に配置される第2熱接着部により前記蓋部の一端に固着され、前記延設部に対して分離状態の分離部を有し、
    前記アダプタは、前記収納部から前記分離部に向かう第1方向に前記延設部を摺動可能に保持する延設保持部と、前記分離部を保持するとともにヒンジ部を介して前記延設保持部に対して回動可能に形成される回動部と、を備えることを特徴とする包装体。
  2. 内容物を封入した包装容器と、前記包装容器に装着された樹脂成形品のアダプタと、を備える包装体であって、
    前記包装容器が、上面を開口した内容物の収納部と前記収納部の周縁から外周方向に延びて延設部とを有した樹脂成形品から成る容器部と、前記収納部を囲む環状の第1熱接着部により前記延設部に固着して前記収納部を覆う積層フィルムから成る蓋部と、を備えるとともに、
    前記容器部が、前記延設部に隣接して前記第1熱接着部の外周側に配置される第2熱接着部により前記蓋部の一端に固着され、前記延設部に対して分離可能状態の分離部を有し、
    前記アダプタは、前記収納部から前記分離部に向かう第1方向に前記延設部を摺動可能に保持する延設保持部と、前記分離部を保持するとともにヒンジ部を介して前記延設保持部に対して回動可能に形成される回動部と、を備えることを特徴とする包装体。
  3. 前記アダプタが、前記蓋部の上面に面して配置される天板部と、前記天板部から下方に延びて前記容器部の側方に配置される側板部と、を備え、
    前記延設保持部が、前記側板部の内面から内側に突出する第1係止爪を有するとともに、前記第1係止爪と前記天板部との間に前記延設部が配置され、
    前記回動部が、前記側板部の内面から内側に突出する第2係止爪を有するとともに、前記第2係止爪と前記天板部との間に前記分離部が配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装体。
  4. 前記第1係止爪は、前記第1方向に複数並設されることを特徴とする請求項3に記載の包装体。
  5. 前記容器部は、前記延設部と前記分離部との間に配置されるとともに厚み方向に所定の深さで切断された非貫通の切込みから成る切断線が形成されることを特徴とする請求項2に記載の包装体。
  6. 前記第1熱接着部は、前記分離部側に突出する突出部を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の包装体。
  7. 前記突出部は、複数並設されることを特徴とする請求項6に記載の包装体。
  8. 前記延設部は、前記収納部を挟んで前記分離部と対向する位置に配置されるとともに前記蓋部の反対方向に突出する凸部を有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の包装体。
  9. 前記凸部は、上面視において前記分離部側に凸の曲線状に形成されることを特徴とする請求項8に記載の包装体。
  10. 前記分離部は、前記蓋部の反対方向に突出する突起部を有することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の包装体。
  11. 前記延設部は、外周縁が上面視において矩形状に形成され、
    前記分離部は、前記延設部の短手方向の一辺に沿って延びることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の包装体。
  12. 内容物を封入した包装容器と、前記包装容器に装着された樹脂成形品のアダプタと、を備える包装体の使用方法であって、
    前記包装容器が、上面を開口した内容物の収納部と前記収納部の周縁から外周方向に延びて延設部とを有した樹脂成形品から成る容器部と、前記収納部を囲む環状の第1熱接着部により前記延設部に固着して前記収納部を覆う積層フィルムから成る蓋部と、を備えるとともに、
    前記容器部が、前記延設部に隣接して前記第1熱接着部の外周側に配置される第2熱接着部により前記蓋部の一端に固着され、前記延設部に対して分離状態または分離可能状態の分離部を有し、
    前記アダプタは、前記収納部から前記分離部に向かう第1方向に前記延設部を摺動可能に保持する延設保持部と、前記分離部を保持するとともにヒンジ部を介して前記延設保持部に対して回動可能に形成される回動部と、を備え、
    前記回動部を手指で支持して前記延設部を前記アダプタに対して前記第1方向に摺動させながら、前記蓋部を前記延設部から分離された前記分離部とともに前記延設部から剥離させて前記収納部を開封することを特徴とする包装体の使用方法。
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