JP2021094496A - ガス分離方法及びガス分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分離効率の低下を抑制することができるガス分離方法及びガス分離装置を提供する。【解決手段】特定のガス成分を選択的に透過する分離膜シートを用いたガス分離方法である。分離膜シートは、第1多孔層と、第1多孔層上に積層される分離機能層と、第1多孔層の前記分離機能層とは反対側に積層される第2多孔層とを有する。分離機能層は、無孔質の樹脂組成物層であり、第1多孔層と第2多孔層とは互いに異なる多孔層である。第1多孔層の平均孔径は、0.005μm以上1μm以下であり、第1多孔層の厚みは、5μm以上150μm以下であり、第2多孔層の目付は、10g/m2以上200g/m2以下である。ガス分離方法は、分離膜シートの第2多孔層とは反対側から、特定のガス成分を少なくとも含む原料ガスを供給する工程を含み、供給する工程において、原料ガスの圧力P[MPaA]と、第2多孔層の目付偏差s[g/m2]とは、式(1)の関係を満たす。P≦1/s (1)【選択図】図1

Description

本発明は、ガス分離方法及びガス分離装置に関する。
高分子化合物を用いた高分子膜は、液体、気体、固体及び少なくともそれらの2つを含む混合物等の流体に含まれる特定の成分の選択的な分離に用いられることが知られている。例えば、特許文献1には、樹脂で構成された多孔質層上に樹脂で構成された分離層を設けた分離膜が記載されており、特許文献2には、不織布上に樹脂で構成された分離層を設けた分離膜が記載されている。
特開2013−166131号公報 特開2016−101558号公報
ガス分離に際して、分離膜に高圧のガスが供給されることがある。このような高圧のガスを分離膜に供給してガス分離を行った場合に、分離効率が低下することが見出された。
本発明は、分離効率の低下を抑制することができるガス分離方法及びガス分離装置の提供を目的とする。
本発明は、以下のガス分離方法及びガス分離装置を提供する。
〔1〕 特定のガス成分を選択的に透過する分離膜シートを用いたガス分離方法であって、
前記分離膜シートは、
第1多孔層と、前記第1多孔層上に積層される分離機能層と、前記第1多孔層の前記分離機能層とは反対側に積層される第2多孔層と、を有し、
前記分離機能層は、無孔質の樹脂組成物層であり、
前記第1多孔層と前記第2多孔層とは互いに異なる多孔層であり、
前記第1多孔層の平均孔径は、0.005μm以上1μm以下であり、
前記第1多孔層の厚みは、5μm以上150μm以下であり、
前記第2多孔層の目付は、10g/m以上200g/m以下であり、
前記ガス分離方法は、
前記分離膜シートの前記第2多孔層とは反対側から、前記特定のガス成分を少なくとも含む原料ガスを供給する工程を含み、
前記供給する工程において、前記原料ガスの圧力P[MPaA]と、前記第2多孔層の目付偏差s[g/m]とは、式(1)の関係を満たす、ガス分離方法。
P≦1/s (1)
〔2〕 前記分離膜シートは、前記原料ガスを供給するための供給側空間と、前記分離膜シートを透過した前記特定のガス成分を含む透過ガスを受け入れるための透過側空間とを隔てるものであり、
前記供給側空間は、前記分離膜シートの前記第2多孔層とは反対側に設けられ、
前記透過側空間は、前記分離膜シートの前記第2多孔層側に設けられ、
前記供給する工程は、前記供給側空間に前記原料ガスを供給する工程を含み、
さらに、前記透過ガスを前記透過側空間から排出する工程と、
前記分離膜シートを透過しなかった前記原料ガスを前記供給側空間から排出する工程と、を含む、〔1〕に記載のガス分離方法。
〔3〕 前記第1多孔層の厚みは、前記第2多孔層の厚みよりも小さい、〔1〕又は〔1〕に記載のガス分離方法。
〔4〕 前記第1多孔層の通気度は、前記第2多孔層の通気度よりも小さい、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の分離膜シート。
〔5〕 前記樹脂組成物層は、ゲル状である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の分離膜シート。
〔6〕 前記分離機能層は、親水性樹脂を含み、
前記第1多孔層は、疎水性である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の分離膜シート。
〔7〕 前記第1多孔層は、多孔膜である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のガス分離方法。
〔8〕 前記第2多孔層は、不織布である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の分離膜シート。
〔9〕 前記分離機能層は、前記特定のガス成分と可逆的に反応するキャリアを含む、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のガス分離方法。
〔10〕 前記特定のガス成分は、酸性ガスである、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載のガス分離方法。
〔11〕 特定のガス成分を選択的に透過する分離膜シートを含むガス分離装置であって、
前記分離膜シートは、
第1多孔層と、前記第1多孔層上に積層される分離機能層と、前記第1多孔層の前記分離機能層とは反対側に積層される第2多孔層と、を有し、
前記分離機能層は、無孔質の樹脂組成物層であり、
前記第1多孔層と前記第2多孔層とは互いに異なる多孔層であり、
前記第1多孔層の平均孔径は、0.005μm以上1μm以下であり、
前記第1多孔層の厚みは、5μm以上150μm以下であり、
前記第2多孔層の目付は、10g/m以上200g/m以下であり、
前記ガス分離装置は、
前記分離膜シートの前記第2多孔層とは反対側から、前記特定のガス成分を少なくとも含む原料ガスを供給する供給部を有し、
前記供給部は、前記原料ガスの圧力P[MPaA]と前記第2多孔層の目付偏差s[g/m]とが式(1)の関係を満たすように、前記原料ガスを供給する、ガス分離装置。
〔12〕 前記分離膜シートによって互いに隔てられた供給側空間及び透過側空間と、
前記供給部から前記原料ガスを前記供給側空間に供給するための供給側入口と、
前記分離膜シートを透過した前記特定のガス成分を含む透過ガスを前記透過側空間から排出するための透過側出口と、
前記分離膜シートを透過しなかった原料ガスを前記供給側空間から排出するための非透過側出口と、を備える、〔11〕に記載のガス分離装置。
本発明によれば、分離効率の低下を抑制することができるガス分離方法及びガス分離装置を提供することができる。
(a)及び(b)は、本発明のガス分離方法に用いる分離膜シートを模式的に示す概略断面図である。 分離膜エレメントに備わる分離膜シートを含む積層体の一例を模式的に示す概略断面図である。 (a)及び(b)は、分離膜エレメントの他の一例を示す、一部展開部分を設けた概略の斜視図である。 実施例で行った気密試験の試験装置を説明する概略の模式図である。
本実施形態のガス分離方法は、特定のガス成分を選択的に透過する分離膜シートを用いたガス分離方法である。以下では、まず分離膜シートについて説明し、次に分離膜シートを用いたガス分離方法について説明する。
(分離膜シート)
図1(a)及び(b)は、本実施形態のガス分離方法に用いる分離膜シートを模式的に示す概略断面図である。図1(a)に示す分離膜シート10は、特定のガス成分を選択的に透過する分離膜シート10であって、第1多孔層11と、第1多孔層11上に積層される分離機能層15と、第1多孔層11の分離機能層15とは反対側に積層される第2多孔層12とを有する。分離機能層15は、無孔質の樹脂組成物層であり、第1多孔層11と第2多孔層12とは、互いに異なる多孔層である。第1多孔層11の平均孔径は、0.005μm以上1μm以下であり、第1多孔層11の厚みは、5μm以上150μm以下である。第2多孔層12の目付は、10g/m以上200g/m以下である。
第1多孔層11と第2多孔層12とが互いに異なる多孔層であるとは、第1多孔層11と第2多孔層12とが完全に同じではないことをいい、例えば、第1多孔層11及び第2多孔層12を構成する材料の種類や形態(多孔膜、不織布、織布、発泡体等)、第1多孔層11及び第2多孔層12の厚み、密度、平均孔径、空隙率、通気度等の物性等のうちの少なくとも1つが異なることをいう。
第1多孔層11と第2多孔層12とは、厚み及び通気度のうちの少なくとも一方が異なっていることが好ましい。第1多孔層11の厚みと第2多孔層12の厚みとが互いに異なっている場合、第1多孔層11の厚みは、第2多孔層12の厚みよりも小さいことが好ましい。第1多孔層11の通気度と第2多孔層12の通気度とが互いに異なっている場合、第1多孔層11の通気度は、第2多孔層12の通気度よりも小さいことが好ましい。
第1多孔層11は多孔膜であり、第2多孔層12は不織布であることが好ましい。
第2多孔層12は、後述する分離膜エレメントにおいて、透過側流路部材側に配置されることが好ましい。
分離膜シート10は、図1(b)に示すように、分離機能層15の第1多孔層11とは反対側に、第3多孔層13を有していてもよく、第3多孔層13の分離機能層15とは反対側に、第4多孔層14を有していてもよい。
分離膜シート10が選択的に透過させる特定のガス成分は、酸性ガスであることが好ましい。酸性ガスとしては、二酸化炭素(CO)、硫化水素(HS)、硫化カルボニル、硫黄酸化物(SO)、窒素酸化物(NO)、塩化水素等のハロゲン化水素等が挙げられる。特定のガス成分は、二酸化炭素であることが好ましい。
(分離機能層)
分離機能層15は、主に特定のガス成分を選択的に透過させるガス選択透過性を有する。分離機能層15は、樹脂組成物を用いて形成された無孔質の樹脂組成物層であり、ゲル状の樹脂組成物層であることが好ましい。本明細書において無孔質の樹脂組成物層とは、分子のサイズや形状の差異を利用して選択透過させる多孔質の層(分子ふるい膜)ではなく、分子の溶解性及び拡散性の差異を利用して選択透過させる層(溶解−拡散膜)をいう。無孔質の樹脂組成物層としては、例えばガス分子の溶解性又は/及び拡散性を促進する物質を含む促進輸送膜が挙げられる。
樹脂組成物層は、少なくとも親水性樹脂、及び、特定のガス成分と可逆的に反応するキャリアを含むことが好ましく、必要に応じて、親水性樹脂やキャリア以外の添加剤を含んでいてもよい。
親水性樹脂は、水酸基やイオン交換基等の親水性基を有する樹脂であり、親水性樹脂の分子鎖同士が架橋により網目構造を有することで高い保水性を示す架橋型親水性樹脂を含むことがより好ましい。
親水性樹脂を形成する重合体は、例えば、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、脂肪酸のビニルエステル、又はそれらの誘導体に由来する構造単位を有していることが好ましい。このような親水性を示す重合体としては、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等の単量体を重合してなる重合体が挙げられ、具体的には、イオン交換基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸系樹脂、ポリイタコン酸系樹脂、ポリクロトン酸系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂等、水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂等、それらの共重合体であるアクリル酸−ビニルアルコール共重合体系樹脂、アクリル酸−メタクリル酸共重合体系樹脂、アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体系樹脂、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体系樹脂等が挙げられる。この中でも、アクリル酸の重合体であるポリアクリル酸系樹脂、メタクリル酸の重合体であるポリメタクリル酸系樹脂、酢酸ビニルの重合体を加水分解したポリビニルアルコール系樹脂、アクリル酸メチルと酢酸ビニルとの共重合体を鹸化したアクリル酸塩−ビニルアルコール共重合体系樹脂、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体であるアクリル酸−メタクリル酸共重合体系樹脂がより好ましく、ポリアクリル酸、アクリル酸塩−ビニルアルコール共重合体系樹脂がさらに好ましい。
架橋型親水性樹脂は、親水性を示す重合体を架橋剤と反応させて調製してもよいし、親水性を示す重合体の原料となる単量体と架橋性単量体とを共重合させて調製してもよい。架橋剤又は架橋性単量体としては特に限定されず、従来公知の架橋剤又は架橋性単量体を使用することができる。
架橋剤としては、例えば、エポキシ架橋剤、多価グリシジルエーテル、多価アルコール、多価イソシアネート、多価アジリジン、ハロエポキシ化合物、多価アルデヒド、多価アミン、有機金属系架橋剤、金属系架橋剤等の、従来公知の架橋剤が挙げられる。架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル等の、従来公知の架橋性単量体が挙げられる。架橋方法としては、例えば、熱架橋、紫外線架橋、電子線架橋、放射線架橋、光架橋等の方法や、特開2003−268009号公報、特開平7−88171号公報に記載されている方法等、従来公知の手法を使用することができる。
特定のガス成分と可逆的に反応するキャリアは、分離機能層15を構成する樹脂組成物層内に存在し、樹脂組成物層内に溶解した特定のガス成分と可逆的に反応することにより、特定のガス成分を選択的に透過させる。分離機能層15に含まれるキャリアは、1種であってもよく2種以上であってもよい。
特定のガス成分が酸性ガスである場合に用いられるキャリアの具体例としては、酸性ガスが二酸化炭素の場合、アルカリ金属炭酸塩やアルカリ金属重炭酸塩、アルカノールアミン(例えば、特公平7−102310号公報(特許第2086581号)等に記載)、及びアルカリ金属水酸化物(例えば、国際公開公報2016/024523号パンフレット等に記載)等が、酸性ガスが硫黄酸化物の場合、硫黄含有化合物や、アルカリ金属のクエン酸塩、及び遷移金属錯体(例えば、特許第2879057号公報等に記載)等が、酸性ガスが窒素酸化物の場合、アルカリ金属亜硝酸塩や、遷移金属錯体(例えば、特許第2879057号公報等に記載)等が、それぞれ挙げられる。
分離機能層15の厚みは、1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましく、また、通常5μm以上である。厚みは、光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて、分離機能層15の断面観察を行うことによって決定することができる。
分離機能層15には、親水性樹脂、キャリアのほかに、例えば特定のガス成分とキャリアとの反応速度を向上させるための水和反応触媒や、界面活性剤等が添加剤として含まれていてもよい。
特定のガス成分が酸性ガスである場合の水和反応触媒としては、オキソ酸化合物が挙げられる。オキソ酸化合物としては、14族元素、15族元素、及び16族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素のオキソ酸化合物であることが好ましく、亜テルル酸化合物、亜セレン酸化合物、亜ヒ酸化合物、及びオルトケイ酸化合物からなる群より選択される少なくとも1つであることがさらに好ましい。分離機能層15は、オキソ酸化合物を1種又は2種以上含むことができる。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の従来公知の界面活性剤を使用することができる。界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(第1多孔層)
第1多孔層11は、分離機能層15を支持するための支持層として用いることができる。第1多孔層11は、分離機能層15を形成するために樹脂組成物を含む塗布液が塗布される層であってもよい。第1多孔層11は、分離膜シート10において、分離機能層15に供給された原料ガス、特に原料ガスに含まれ、分離機能層15を選択的に透過する特定のガス成分の拡散抵抗とならないように、ガス透過性の高い多孔性を有する。
第1多孔層11は、単層構造を有するものであってもよく、多層構造を有していてもよい。第1多孔層11が多層構造を有する場合、各層は互いに同じであってもよく互いに異なっていてもよい。
第1多孔層11の平均孔径は、0.005μm以上であり、0.01μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましく、また、1μm以下であり、0.7μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。第1多孔層11の平均孔径は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
第1多孔層11の厚みは、5μm以上であり、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましく、また、150μm以下であり、120μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、80μm以下であることがさらに好ましい。第1多孔層11の厚みは、後述する第2多孔層12の厚みよりも小さいことが好ましい。厚みは、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
第1多孔層11の平均孔径及び厚みが上記の範囲内であることにより、分離機能層15を選択的に透過する特定のガス成分の拡散抵抗となることなく、分離機能層15の支持層として好適に用いることができる。また、分離機能層15を構成する樹脂組成物層を形成するために、第1多孔層11上に樹脂組成物を塗布する場合に、安定した成膜性を得やすくなる。
第1多孔層11の空隙率は、特定のガス成分の拡散抵抗となることを抑制しつつ分離機能層の支持層として好適に用いられるという観点から、5%以上であることが好ましく、10%以上であってもよく、20%以上であってもよく、30%以上であってもよく、また、99%以下であることが好ましく、95%以下であってもよく、90%以下であってもよい。
空隙率は、次の手順で算出することができる。まず、第1多孔層11を、250mm×200mmのサイズに切り出したサンプルについて、面積、厚み、及び重量[g]を測定する。第1多孔層11を構成する材料の真密度をρ[g/cm]として、下式にしたがって空隙率を算出する。
空隙率[%]=[(サンプルの面積×サンプルの厚み×ρ)−サンプルの重量]/(サンプルの面積×サンプルの厚み×ρ)
第1多孔層11の真密度は、切り出したサンプルを融点以上に加熱し、溶融させて無孔状とした後、冷却・固化させて得られた溶融固化サンプルについて、容積及び重量を測定して決定することができる。第1多孔層11が多層構造を有する場合、第1多孔層11を構成する材料の真密度は、切り出したサンプルに含まれる各層の割合(厚み比)に基づいて、決定することができる。
第1多孔層11の通気度は、特定のガス成分の拡散抵抗となることを抑制しつつ分離機能層の支持層として好適に用いられるという観点から、通気抵抗度を示すガーレー値が30秒以上であることが好ましく、60秒以上であることがより好ましく、90秒以上であってもよく、また、2000秒以下であることが好ましく、1500秒以下であってもよく、1000秒以下であってもよく、500秒以下であってもよい。第1多孔層11の通気度は、後述する第2多孔層12の通気度よりも小さいことが好ましい。通気抵抗度を示すガーレー値は、JIS L 1096に準拠して測定することにより決定することができ、より具体的には、後述する実施例に記載の方法によって決定することができる。
第1多孔層11のヤング率は、特定のガス成分の拡散抵抗となることを抑制しつつ分離機能層の支持層として好適に用いられるという観点から、20GPa以上であることが好ましく、100GPa以上であってもよく、200GPa以上であってもよく、また、1200GPa以下であることが好ましく、1000GPa以下であってもよく、800GPa以下であってもよく、600GPa以下であってもよい。
ヤング率は、次の手順で測定することができる。第1多孔層11から、JIS K6251−3規定のダンベル形状に小片を切り出す。温度23℃、相対湿度50%RHの条件下で、オートグラフ装置にフィルムの小片を装着し、50mm/minの一定速度で引っ張る。この測定における初期の応力及び歪からヤング率を算出する。測定は3回行い、その平均値を第1多孔層11のヤング率とする。
第1多孔層11は、疎水性であることが好ましく、温度25℃における水の接触角が90度以上であってもよく、95度以上であってもよく、100度以上であってもよい。水の接触角は、接触角計(例えば、協和界面科学(株)製;商品名:「DropMaster500」)で測定することができる。
第1多孔層11は、樹脂材料又は無機材料によって形成されていることが好ましい。第1多孔層11を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素含有樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリスチレン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、高分子量ポリエステル、耐熱性ポリアミド、アラミド、ポリカーボネート、これらの樹脂材料のうちの2種以上の混合物等が挙げられる。これらの中でも、撥水性及び耐熱性の点から、ポリオレフィン系樹脂又はフッ素含有樹脂であることが好ましい。第1多孔層11を構成する無機材料としては、金属、ガラス、セラミックス等が挙げられる。第1多孔層11は、樹脂材料と無機材料との両方を含んでいてもよい。
第1多孔層11は、多孔体であれば特に限定されず、例えば、多孔膜、不織布、織布、発泡体、ネット等の形態であってもよい。第1多孔層11は、特定のガス成分の拡散抵抗となることを抑制しつつ分離機能層の支持層として好適に用いられるという観点から、多孔膜であることが好ましい。多孔膜とは、多孔性の樹脂フィルムをいう。多孔膜としては、延伸法や相分離法で得られた多孔膜が挙げられる。
(第2多孔層)
第2多孔層12は、第1多孔層11の分離機能層15とは反対側に積層され、第1多孔層11の支持層としての機能を補強するための補強層として用いることができる。第2多孔層12を設けることにより、原料ガス中の特定のガス成分を選択的に透過させる際に分離膜シート10にかかる圧力負荷に耐え得る強度を追加的に付与することができる。また、分離機能層15を構成する樹脂組成物層を形成するために、第1多孔層11上に樹脂組成物を塗布する場合には、第1多孔層11にかかる張力負荷に耐え得る強度を追加的に付与することができる。
第2多孔層12は、単層構造を有するものであってもよく、多層構造を有していてもよい。第2多孔層12が多層構造を有する場合、各層は互いに同じであってもよく互いに異なっていてもよい。
第2多孔層12の目付は、分離膜シート10にかかる圧力や張力に耐え得る強度を付与する観点から、10g/m以上であることが好ましく、15g/m以上であることがより好ましく、20g/m以上であってもよく、また、通常200g/m以下であり、150g/m以下であってもよい。目付は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
第2多孔層12の厚みは、分離膜シート10にかかる圧力や張力に耐え得る強度を付与する観点から、10μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、100μm以上であってもよく、また、700μm以下であることが好ましく、600μm以下であってもよく、500μm以下であってもよく、400μm以下であってもよい。厚みは、後述する実施例に記載の第1多孔層11の厚みの測定方法と同様にして測定することができる。
第2多孔層12の空隙率は、分離膜シート10にかかる圧力や張力に耐え得る強度を付与する観点から、5%以上であることが好ましく、10%以上であってもよく、20%以上であってもよく、30%以上であってもよく、また、99%以下であることが好ましく、95%以下であってもよく、90%以下であってもよい。空隙率は、上記した方法によって算出することができる。
第2多孔層12の通気度は、ガーレー値が0.01秒以上であることが好ましく、0.05秒以上であってもよく、また、通常30秒以下であり、20秒以下であってもよく、10秒以下であってもよい。通気抵抗度を示すガーレー値は、JIS L 1096に準拠して測定して決定することができ、より具体的には、後述する実施例に記載の方法によって決定することができる。
第2多孔層12のヤング率は、分離膜シート10にかかる圧力や張力に耐え得る強度を付与する観点から、20GPa以上であることが好ましく、50GPa以上であってもよく、100GPa以上であってもよく、また、400GPa以下であることが好ましく、300GPa以下であってもよく、200GPa以下であってもよい。ヤング率は、上記した方法によって算出することができる。
第2多孔層12は、樹脂材料又は無機材料によって形成されていることが好ましい。第2多孔層12を構成する樹脂材料又は無機材料としては、第1多孔層11を形成するための樹脂材料又は無機材料を挙げることができる。第2多孔層12を形成するための樹脂材料は、ポリオレフィン系樹脂又はポリフェニレンサルファイドであることが好ましい。
第2多孔層12は、多孔体であれば特に限定されず、例えば、多孔膜、不織布、織布、発泡体、ネット等の形態であってもよい。第2多孔層12は、分離膜シート10にかかる圧力や張力に耐え得る強度を付与する観点から、不織布であることが好ましい。不織布としては、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、カード不織布等が挙げられる。
第2多孔層12が不織布である場合、不織布を構成する繊維の平均繊維径は、通常1μm以上であり、5μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、また、通常80μm以下であり、60μm以下であってもよく、50μm以下であってもよく、30μm以下であってもよい。平均繊維径は、光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて、第2多孔層12の表面を撮影し、任意に選んだ50本の繊維について測定した繊維径の平均値とすることができる。
第2多孔層12は、第1多孔層11に固定されていることが好ましい。固定方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、接着剤又は粘着剤を介して貼合する方法や熱融着法等が挙げられる。接着剤や粘着剤を介して貼合する場合は、第1多孔層11及び第2多孔層12のうちの少なくとも一方に接着剤又は粘着剤を塗布した後、第1多孔層11と第2多孔層12とを貼合すればよい。第1多孔層11と第2多孔層12との間に介在する接着剤又は粘着剤の量は、例えば1g/m以上1000g/m以下とすることができ、5g/m以上200g/m以下であってもよい。熱融着法によって固定する方法としては、例えば、第1多孔層11と第2多孔層12とを積層した後、外部から熱又は振動を加えて接合面を溶融させて融着させる方法が挙げられる。
なお、第1多孔層11と第2多孔層12との間や、第2多孔層12と他の層との間が、接着剤や粘着剤で固定されている場合、分離膜シート10からこれらの層を取り出す際には、まず、分離膜シート10を水洗・乾燥して分離機能層15を除去する。次いで、接着剤や粘着剤を溶媒等を用いて溶解除去して、第1多孔層11及び第2多孔層12を取り出し、上記した各種物性の測定等を行えばよい。
第1多孔層11と第2多孔層12との間や、第2多孔層12と他の層との間が、熱融着によって固定されている場合の第2多孔層12の目付は、次の手順で測定することができる。まず、分離膜シート10を水洗・乾燥して分離機能層15を除去する。次いで、第2多孔層12に熱融着により固定されている層全体を含むように、50mm×50mmのサイズに切り出した第1のサンプルを用意し、この第1のサンプルの断面観察から第2多孔層12の厚みを測定し、その平均値を算出する。続いて、上記第1のサンプルにおいて、層表面に設定する互いに重ならない直径12mmの複数の円状領域から任意に選んだ10箇所から、第2多孔層12のみを含むように、第2のサンプル(合計10個)を取得し、各第2のサンプルの密度を測定し、その平均値を算出する。これらの平均値を用いて下式に基づいて、第2多孔層12の目付を決定する。
第2多孔層の目付=(第2のサンプルの密度の平均値)×(第1のサンプルにおける第2多孔層の厚みの平均値)
第1多孔層11と第2多孔層12との間や、第2多孔層12と他の層との間が、熱融着によって固定されている場合の第2多孔層12の目付偏差は、上記で算出した目付の値を用いること以外は、後述する実施例に記載の方法に準じて測定することができる。
(第3多孔層)
第3多孔層13は、分離機能層15の第1多孔層11とは反対側に積層され、分離機能層15を保護するための保護層として用いることができる。第3多孔層13は、単層構造を有するものであってもよく、多層構造を有していてもよい。第3多孔層13が多層構造を有する場合、各層は互いに同じであってもよく互いに異なっていてもよい。第3多孔層13としては、例えば、第1多孔層11と同じものを用いることができる。
(第4多孔層)
第4多孔層14は、第3多孔層13の分離機能層15とは反対側に積層され、第3多孔層13の保護層としての機能を補強するための補強層として用いることができる。第4多孔層14は、単層構造を有するものであってもよく、多層構造を有していてもよい。第4多孔層14が多層構造を有する場合、各層は互いに同じであってもよく互いに異なっていてもよい。第4多孔層14としては、例えば、第2多孔層12と同じものを用いることができる。第4多孔層14は、第3多孔層13に、固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。第4多孔層14と第3多孔層13とが固定される場合は、従来公知の固定方法を適用することができ、例えば、上記した第1多孔層11と第2多孔層12との固定方法が挙げられる。
(分離膜シートの製造方法)
分離膜シート10の製造方法は、例えば、分離機能層15を形成するための樹脂組成物を含む塗布液を準備する工程(以下、「準備工程」ということがある。)と、第1多孔層11上に塗布液を塗布する工程(以下、「塗布工程」ということがある。)とを含むことができる。分離膜シート10の製造方法は、塗布工程に先立って、予め塗工液が塗布される第1多孔層11の塗布液が塗布される側とは反対側に、第2多孔層12を積層する工程を有していてもよい。あるいは、分離膜シート10の製造方法は、第1多孔層11上に分離機能層15を形成した後に、第1多孔層11の分離機能層15とは反対側に、第2多孔層12を積層する工程を有していてもよい。
準備工程は、第1多孔層11上に塗布される塗布液を準備する工程である。準備工程では、例えば、分離機能層15を形成するための樹脂組成物と媒質とを混合して塗布液を準備することができる。樹脂組成物は、上記した樹脂、特定のガス成分と可逆的に反応するキャリア、水和反応触媒、及び界面活性剤等を含むことができる。媒質としては、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール等のプロトン性極性溶媒;トルエン、キシレン、ヘキサン等の無極性溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒;等が挙げられる。媒質は、1種類を単独で用いてもよく、相溶する範囲で2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコールからなる群から選択される少なくとも1つが含まれる媒質が好ましく、水が含まれる媒質がより好ましい。
準備工程は、準備した塗布液に含まれる気泡を除去するための脱泡工程を含んでいてもよい。脱泡工程は、例えば、塗布液を撹拌する、濾過する等によりせん断を与える方法、塗布液を真空脱気又は減圧脱気する方法、塗布液を加温して脱気する方法等を挙げることができる。
塗布工程は、準備工程で準備した塗布液を第1多孔層11上に塗布する工程である。塗布工程は、スロットダイ塗布、スピンコート法、バー塗布、ダイコート、ブレード塗布、エアナイフ塗布、グラビアコート、ロールコーティング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、コンマロール法、キスコート法、スクリーン印刷、インクジェット印刷等によって行うことができる。
塗布工程は、第1多孔層11上に塗布液を塗布して形成された塗布液の膜から、媒質を除去する工程を含むことが好ましい。媒質を除去する工程は、加熱等により塗布液の膜から媒質を蒸発除去させる方法等を挙げることができる。
分離膜シート10の製造方法は、分離膜シート10が第3多孔層13を有する場合、塗布液によって形成される膜の第1多孔層11とは反対側に、第3多孔層13を積層する工程を有していてもよい。第3多孔層13を積層した後に、塗布液の膜中の媒質をさらに除去する工程を行ってもよい。分離膜シート10がさらに第4多孔層14を有する場合、分離膜シート10の製造方法は、第3多孔層13を積層する工程に先立ち、第3多孔層13の塗布液の膜と対向する側とは反対側に第4多孔層14を積層する工程を有していてもよい。あるいは、分離膜シート10の製造方法は、分離機能層15上に第3多孔層13を積層した後に、第3多孔層13の分離機能層15とは反対側に第4多孔層14を積層する工程を有していてもよい。
(ガス分離方法)
本実施形態のガス分離方法は、分離膜シート10を用いて行うものであり、分離膜シート10の第2多孔層12とは反対側から、特定のガス成分を少なくとも含む原料ガスを供給する工程(以下、「供給工程」ということがある。)を含む。供給工程において、原料ガスの圧力P[MPaA](絶対圧)と、第2多孔層12の目付偏差s[g/m]とは、式(1)の関係を満たす。
P≦1/s (1)
供給工程において、分離膜シート10に供給される原料ガスは、図1に示すように、分離膜シート10が第3多孔層13や第4多孔層14を有する場合、第3多孔層13又は第4多孔層14側に供給される。
分離膜シート10における第2多孔層12の目付偏差sが大きい場合、第2多孔層12の目付のムラが大きい。目付のムラの大きい第2多孔層12を有する分離膜シート10では、その強度が不均一となりやすく、原料ガスを供給すると、第2多孔層12の相対的に目付偏差sの大きい領域等において分離膜シート10(特に、分離機能層15)に破断等の損傷が生じやすくなる。分離膜シート10の損傷が生じた領域では、原料ガスが分離されることなく流出するため、分離効率が低下しやすくなる。そのため、分離膜シート10に供給される原料ガスの圧力Pが大きい場合には、第2多孔層12の目付のムラ(すなわち、目付偏差s)を小さくして、分離膜シート10の強度を均一にすることが好ましい。これに対し、分離膜シート10に供給される原料ガスの圧力Pが小さい場合には、分離膜シート10の強度に多少の不均一性が生じていても、原料ガスの供給によって分離膜シート10に破断等の損傷が生じにくいため、分離効率の低下が生じにくいため、第2多孔層12の目付のムラ(すなわち、目付偏差s)が大きくてもよいと考えられる。
本実施形態のガス分離方法では、上記式(1)の関係を満たすように、供給工程における原料ガスの圧力Pを選択し、分離膜シート10における第2多孔層12の目付の目付偏差sを選定している。そのため、供給工程における原料ガスの圧力Pが大きい場合には、第2多孔層12の目付の目付偏差sを小さくすることによって、分離効率の低下を抑制することができる。一方、第2多孔層12の目付の目付偏差sが大きい場合には、供給工程における原料ガスの圧力Pが小さい条件下でガス分離を行うようにして、分離効率の低下を抑制することができる。
原料ガスの圧力Pは特に限定されないが、通常0.01MPaA以上であり、0.05MPaA以上であってもよく、0.1MPaA以上であってもよく、また、通常10MPaA以下であり、5MPaA以下であってもよく、3MPaA以下であってもよい。
第2多孔層12の目付偏差は特に限定されないが、4g/m以下であることが好ましく、3.5g/m以下であることが好ましく、3g/m以下であることがより好ましく、通常、0.01g/m以上であり、0.1g/m以上であってもよい。第2多孔層12の目付偏差は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
上記したガス分離方法において、分離膜シート10は、原料ガスを供給するための供給側空間と、分離膜シート10を透過した特定のガス成分を含む透過ガスを受け入れるための透過側空間とを隔てるものであることが好ましい。この場合、上記のガス分離方法では、供給側空間を分離膜シート10の第2多孔層12とは反対側に設け、透過側空間を分離膜シート10の第2多孔層12側に設けた上で、原料ガスを供給側空間に供給する工程と、透過ガスを透過側空間から排出する工程と、分離膜シートを透過しなかった原料ガスを供給側空間から排出する工程とを含むことができる。これにより、分離効率の低下を抑制しながらガス分離を行うことができる。
分離膜シート10が第3多孔層13や第4多孔層14を有する場合、供給側空間は、分離膜シート10の第3多孔層13側や第4多孔層14側に設けられる。
上記したガス分離方法に用いられる分離膜シート10は、通常、分離膜エレメント又は分離膜モジュールに組み入れられた状態で用いられることが好ましい。
(分離膜エレメント)
分離膜シート10は、スパイラル型、平膜型、中空糸型、チューブ型、プリーツ型、プレートアンドフレーム型等の公知の分離膜エレメントに用いることができる。
図2は、分離膜エレメントに備わる分離膜シートを含む積層体の一例を模式的に示す概略断面図である。分離膜エレメント20は、図2に示すように、特定のガス成分を含む原料ガスが流れる流路を形成する供給側流路部材3と、分離膜シート10を透過した透過ガスが流れる流路を形成する透過側流路部材4とを含む。分離膜エレメント20において、供給側流路部材3は分離膜シート10の第2多孔層12とは反対側に配置され、透過側流路部材4は分離膜シート10の第2多孔層12側に配置される。分離膜シート10が第3多孔層13や第4多孔層14を有する場合、供給側流路部材3は、第3多孔層13側又は第4多孔層14側に配置される。図2に示す分離膜エレメント20では、分離膜シート10の第4多孔層14側に供給側流路部材3が配置される。
図3(a)及び(b)は、本実施形態の分離膜エレメントの他の一例を示す、一部展開部分を設けた概略の斜視図である。図3(a)及び(b)に示す分離膜エレメントは、スパイラル型の分離膜エレメント21,21aである。スパイラル型の分離膜エレメント21,21aは、図3(a)及び(b)に示すように、
特定のガス成分を含む原料ガスが流れる流路を形成する供給側流路部材3と、
供給側流路部材3を流れる原料ガスに含まれる特定のガス成分を選択的に分離して透過させる分離膜シート10と、
分離膜シート10を透過した特定のガス成分を含む透過ガスが流れる流路を形成する透過側流路部材4と、
原料ガスと透過ガスとの混合を防止するための封止部と、
透過側流路部材4を流れる透過ガスを収集する中心管5と、を有し、
供給側流路部材3と、分離膜シート10と、透過側流路部材4とをそれぞれ少なくとも1以上積層したエレメント用積層体が、中心管5に巻回された巻回体を備えることができる。巻回体は、円筒状、角筒状等の任意の形状であってもよい。中心管5は、その外周面に透過側流路部材4で形成される透過ガスの流路空間と中心管5内部の中空空間とを連通させる複数の孔50を有している。
スパイラル型の分離膜エレメント21aは、さらに、巻回体の巻戻しや巻崩れを防止するために、外周テープや、図3(b)に示すテレスコープ防止板55等の固定部材を備えていてもよく、分離膜エレメントにかかる内圧及び外圧による負荷に対する強度を確保するために、巻回体の最外周にアウターラップ(補強層)を有していてもよい。
供給側流路部材3及び透過側流路部材4は、原料ガス及び分離膜シート10を透過した透過ガスの乱流(膜面の表面更新)を促進して、原料ガス中の透過ガスの膜透過速度を増加させる機能と、供給される原料ガス及び分離膜シート10を透過した透過ガスの圧力損失をできるだけ小さくする機能とを有していることが好ましい。供給側流路部材3及び透過側流路部材4は、原料ガス及び透過ガスの流路を形成するスペーサとしての機能に加えて、原料ガス及び透過ガスに乱流を生じさせる機能を備えていることが好ましいことから、網目状(ネット状、メッシュ状等)のものが好適に用いられる。網目の単位格子の形状は、網目の形状によりガスの流路が変わることから、目的に応じて、例えば、正方形、長方形、菱形、平行四辺形等の形状から選択されることが好ましい。供給側流路部材3及び透過側流路部材4の材質としては、特に限定されないが、分離膜エレメント20,21,21aが設けられる分離装置の運転温度条件に耐え得る耐熱性を有する材料が好ましい。
封止部は、原料ガスと透過ガスとの混合を防止するために設けられ、例えば透過側流路部材4及び分離膜シート10に封止材料が浸透して硬化することにより形成することができる。封止部は、通常、巻回体の中心管5の軸に平行な方向の両端に位置する端部、及び、中心管5の軸に直交する方向の両端に位置する端部のうち、中心管5と端部との距離が長い側の端部に設けられて、いわゆるエンベロープ状をなすことができる。封止部は、一般に接着剤として用いられる材料を用いることができ、例えば、エポキシ系樹脂等を用いることができる。
中心管5は、分離膜シート10を透過した透過ガスを収集して、分離膜エレメント21,21aから排出するための導管である。中心管5は、分離膜エレメント21,21aが設けられる分離装置の使用温度条件に耐え得る耐熱性を有し、エレメント用積層体の巻き付けに耐え得る機械的強度を有する材料であることが好ましい。
(分離膜モジュール)
分離膜エレメントは、分離膜モジュールに用いることができる。分離膜モジュールは、分離膜エレメントを1基以上有する。分離膜モジュールは、分離膜エレメントの供給側流路部材3で形成される流路と連通する原料ガス供給口(図3(b)に示す供給側端部51と連通する部分)、非透過ガス排出口(図3(b)に示す排出側端部53と連通する部分)、及び分離膜エレメントの透過側流路部材4で形成される流路と連通する透過ガス排出口(図3(b)に示す排出口52と連通する部分)を備えている。分離膜モジュールでは、原料ガス供給口を介して分離膜シート10に原料ガスが供給され、分離膜シート10を透過した透過ガスが透過ガス排出口を介して排出され、分離膜シート10を透過しなかった原料ガスが非透過ガス排出口を介して排出される。上記の原料ガス供給口、非透過ガス排出口及び透過ガス排出口は、分離膜エレメントの本体に設けられてもよく、分離膜エレメントを収納する容器(以下、「ハウジング」ということがある。)に設けられてもよい。
ハウジングは、分離膜モジュール内を流通する原料ガスを封入するための空間を形成することができ、例えばステンレス等の筒状部材と、この筒状部材の軸方向両端を閉塞するための閉塞部材とを有していてもよい。ハウジングは、円筒状、角筒状等の任意の筒状形状であってもよいが、分離膜エレメントは通常、円筒状であることから、円筒状であることが好ましい。また、ハウジングの内部には、供給側端部51に供給される原料ガスと、分離膜エレメントに備えられた分離膜シート透過しなかった非透過ガスとの混合を防止するための仕切りを設けることができる。
ハウジング内に2以上の分離膜エレメントを配置する場合、各分離膜エレメントに供給される原料ガスは、並列に供給されてもよく、直列に供給されてもよい。ここで、原料ガスを並列に供給するとは、少なくとも原料ガスを分配して複数の分離膜エレメントに導入することをいい、原料ガスを直列に供給するとは、少なくとも前段の分離膜エレメントから排出された透過ガス及び/又は非透過ガスを、後段の分離膜エレメントに導入することをいう。
(ガス分離装置)
本実施形態のガス分離装置は、特定のガス成分を選択的に透過する分離膜シートを用いて、上記したガス分離方法を行うための装置である。ガス分離装置は、分離膜シート10の第2多孔層12とは反対側から、特定のガス成分を少なくとも含む原料ガスを供給する供給部を有し、供給部は、原料ガスの圧力P[MPaA]と、第2多孔層12の目付偏差s[g/m]とが上記した式(1)の関係を満たすように、原料ガスを供給するものである。
ガス分離装置は、分離膜シート10によって互いに隔てられた供給側空間及び透過側空間と、特定のガス成分を少なくとも含む原料ガスを、供給部から供給側空間に供給するための供給側入口と、分離膜シート10を透過した特定のガス成分を含む透過ガスを透過側空間から排出するための透過側出口と、分離膜シート10を透過しなかった原料ガスを供給側空間から排出するための非透過側出口と、を備えていてもよい。
供給部は、分離膜シート10や供給側空間に、圧力Pの原料ガスを供給するものである。供給側空間及び透過側空間はそれぞれ、例えば、上記した分離膜エレメントにおける供給側流路部材3及び透過側流路部材4によって構成することができる。
ガス分離装置は、上記した分離膜シート10を有する分離膜エレメントを備える分離膜モジュールを少なくとも1つ備えることができる。分離装置に備えられる分離膜モジュールの配列及び個数は、要求される処理量、特定のガス成分の回収率、分離装置を設置する場所の大きさ等に応じて選択することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[第1多孔層の平均孔径の測定]
キャピラリー・フロー・ポロメーター(Capillary Flow Porometer)からのモデルCFP1500AXLCを用いるASTM F316−03に準ずる測定方法に従って測定した。バブル溶液としてシルウイック・シリコーン・フルイド(SilWick Silicone Fluid)を、試料室の底部クランプとして2.54cm径かつ、3.175mm厚さの多孔質金属ディスクインソートを、試料室の上部クランプとして3.175mm径の穴を使用して測定した。
[厚みの測定]
株式会社ミツトヨ製「VL50AS」(平面端子、押圧力:0.1N)を用いて、第1多孔層及び第2多孔層の厚みを測定した。
[ガーレー値の測定]
PA−301ガーレー式デンソメーターB型(テスター産業社製、内筒:高さ254mm、内径74mm、外径76.2mm、質量567g、外筒:高さ254mm、内径82.6mm)を用いて、JIS L1096に準拠した方法で第1多孔層及び第2多孔層のガーレー値の測定を行った。第1多孔層及び第2多孔層のそれぞれについて、異なる5箇所から約50mm×50mmのサンプル片を採取し、ガスケットと締付板との間にサンプル片を固定した。次に、一定の圧力(内筒の自重による)の下で、300mLの空気がサンプルを通気する所要時間(すなわち、ガーレー数)を測った。5つのサンプル片について、それぞれのサンプル片の異なる3箇所について測定した結果の平均値をガーレー値とした。
[第2多孔層の目付及び目付偏差の測定]
実施例及び比較例で得た分離膜エレメントから分離膜シートを取り出した。取り出した分離膜シートを水洗して乾燥し、ゲル状の分離機能層を除去した。洗浄後、分離膜シートから第2多孔層を剥離した。第2多孔層の剥離においては、第1多孔層と第2多孔層との間に介在する粘着剤は、酢酸エチルに溶解させてから剥がした。
剥離した第2多孔層を幅方向に3分割し、各領域のそれぞれにおいて封止部を除く部分から、250mm(幅方向)×200mmの測定用サンプルを切り出した。なお、幅方向は、実施例・比較例において作製した分離膜エレメントにおける中心管の軸に平行な方向とした。切り出した各測定用サンプルのそれぞれについて、重量及び面積を測定して目付(重量[g]/面積[m])を算出した。各測定用サンプルの目付の値に基づいて、下記式より目付偏差を算出した。
目付偏差={Σ[(各測定用サンプルの目付)−(3つの測定用サンプルの目付の平均値)]/3}0.5
上記式中、Σは、測定用サンプルの目付と3つの測定用サンプルの目付の平均値との差を二乗した値を各測定用サンプル毎に算出して足し合わせることを意味する。
[分離膜エレメントの気密試験]
図4に示すように、分離膜エレメント22における供給側空間部分の供給側端部51側と中心管5の排出口52側とが分離膜シート10で隔てられるように、分離膜エレメント22を、試験装置Nにおけるステンレス製のハウジング36内に固定した。中心管5の排出口52側はハウジング36の外部に導出し、他方側は閉栓した。分離膜エレメント22における供給側空間部分の供給側端部51及び排出側端部は、ハウジング36内に開放した。すなわち、ハウジング36に供給したガスを、分離膜エレメント22における供給側空間部分の両端(供給側端部51及び排出側端部)から、分離膜エレメント22の内部に流入させた。
ハウジング36内に窒素(N)ガスを供給するボンベを、バルブを介して取り付けるとともに、ハウジング36内の圧力を測定する圧力計35を取り付けた。ハウジング36内に、室温(20℃)のNガスを供給して、分離膜エレメント22の供給側端部51側及び排出側端部に、1600kPaA(絶対圧)の圧力を加えた。当該圧力は圧力計35で確認した。一方、中心管5の排出口52側の圧力は大気圧に調節した。
この状態を保ちながら、圧力計35でハウジング36内の圧力の時間変化を測定することにより、分離膜エレメント22の気密試験を行い、分離膜エレメント22のNガス透過性能評価を行った。具体的には、測定した圧力の時間変化に基づいて、Nのパーミアンス(mol/(m・s・kPa))を算出し、当該パーミアンスが1.0×10−7mol/(m・s・kPa)以下であれば、分離膜エレメント22の気密性が保たれているとしてAと評価し、当該パーミアンスが1.0×10−7mol/(m・s・kPa)超の場合はBと評価した。
〔実施例1〕
(分離膜シートの作製)
容器に、媒質としての水を1000重量部と、親水性樹脂としての架橋ポリアクリル酸(住友精化社製「アクペックHV−501」)を24.79重量部及び非架橋ポリアクリル酸(住友精化社製「アクパーナAP−40F」、40%Na鹸化)4.96重量部とを仕込み、親水性樹脂を水に分散させた分散液を得た。この分散液に、50%水酸化セシウム水溶液を236.03重量部添加し混合した後、添加剤として10%亜テルル酸ナトリウム水溶液を78.76重量部加えて混合し、さらに10%界面活性剤(AGCセイミケミカル社製「サーフロンS−242」)水溶液を7.44重量部加えて混合して塗工液を得た。得られた塗工液を、第1多孔層としての厚み53μm及び平均孔径0.1μmのPTFE多孔膜の一方の面上に塗布した後、第3多孔層として、上記第1多孔層に用いたものと同じPTFE多孔膜を被せ、温度120℃程度で15分間程度乾燥させた。上記第1多孔層の塗布面とは反対側に第2多孔層として目付偏差0.24g/mのPPS不織布(厚み178μm、目付82.6g/m)を積層した。これにより、第2多孔層12、第1多孔層11、無孔質であってゲル状の樹脂組成物層である分離機能層15、及び第3多孔層13をこの順に備える分離膜シート10を作製した。
(分離膜エレメントの作製)
分離膜シートの作製で得た分離膜シート10を長さ1.575mmにカットし、カットした分離膜シート10について第2多孔層12側を外側にして二つ折りにしたものの間に供給側流路部材3を挟み込んで膜リーフを得た。
1層目の透過側流路部材4の一端に、エポキシ系接着剤を用いて中心管を固定した。1層目の透過側流路部材4に、上記で得た膜リーフを積層した。膜リーフは、分離膜シート10の折り目部分が中心管の軸方向に平行となり、且つ、中心管側に折り目部分が位置するように、1層目の透過側流路部材4に積層した。また、膜リーフにおける分離膜シート10の折り目部分に位置する縁を除く3つの縁部分に、上記と同じ接着剤を塗布して、1層目の透過側流路部材4と膜リーフとを貼合した。
続いて、1層目の膜リーフにおける1層目の透過側流路部材4とは反対側に、上記と同様に折り目部分に位置する縁を除く3つの縁部分に上記と同じ接着剤を塗布した後、2層目の透過側流路部材を積層した。2層目の透過側流路部材の1層目の膜リーフと反対側に、1層目の膜リーフと同様にして、2層目の膜リーフを積層した。このとき、2層目の膜リーフの積層位置は、折り目部分の縁部の位置が、折り目部分と直交する方向であって中心管から離れる方向にオフセットする(ずれる)ようにした。この一連の操作を繰り返し、透過側流路部材4と膜リーフとを交互に3枚ずつ積層した積層体を得た。
積層体における、1層目の透過側流路部材の中心管及び膜リーフが積層されていない表面及び最上面の膜リーフにおいて、中心管の軸方向に直交する方向に沿って延びる両端部に上記と同じ接着剤を塗布し、中心管に積層体を巻き付けて巻回体とし、外周テープとしての耐熱テープを巻回体の外周に巻き付けた。その後、巻回体の軸方向両端部を切断し、切断面に接するようにテレスコープ防止板を取り付け、巻回体の最外周にガラスファイバーにエポキシ樹脂を含浸した繊維強化樹脂でアウターラップ(補強層)を形成して、分離膜エレメントを得た。得られた分離膜エレメントについて気密試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
第1多孔層及び第3多孔層として表1に示す平均孔径、厚み、及びガーレー値のPTFE多孔膜を用い、第2多孔層として表1に示す目付、目付偏差、厚み、及びガーレー値のPPS不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントを得た。得られた分離膜エレメントについて気密試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
第1多孔層及び第3多孔層として表1に示す平均孔径、厚み、及びガーレー値のPTFE多孔膜を用い、第2多孔層として表1に示す目付、目付偏差、厚み、及びガーレー値のPPS不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントを得た。得られた分離膜エレメントについて気密試験を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
第1多孔層及び第3多孔層として表1に示す平均孔径、厚み、及びガーレー値のPTFE多孔膜を用い、第2多孔層として表1に示す目付、目付偏差、厚み、及びガーレー値のPPS不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントを得た。得られた分離膜エレメントについて気密試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2021094496
3 透過側流路部材、4 透過側流路部材、5 中心管、10 分離膜シート、11 第1多孔層、12 第2多孔層、13 第3多孔層、14 第4多孔層、15 分離機能層、20,21,21a 分離膜エレメント、22 分離膜エレメント、35 圧力計、36 ハウジング、50 孔、51 供給側端部、52 排出口、53 排出側端部、55 テレスコープ防止板、N 試験装置。

Claims (12)

  1. 特定のガス成分を選択的に透過する分離膜シートを用いたガス分離方法であって、
    前記分離膜シートは、
    第1多孔層と、前記第1多孔層上に積層される分離機能層と、前記第1多孔層の前記分離機能層とは反対側に積層される第2多孔層と、を有し、
    前記分離機能層は、無孔質の樹脂組成物層であり、
    前記第1多孔層と前記第2多孔層とは互いに異なる多孔層であり、
    前記第1多孔層の平均孔径は、0.005μm以上1μm以下であり、
    前記第1多孔層の厚みは、5μm以上150μm以下であり、
    前記第2多孔層の目付は、10g/m以上200g/m以下であり、
    前記ガス分離方法は、
    前記分離膜シートの前記第2多孔層とは反対側から、前記特定のガス成分を少なくとも含む原料ガスを供給する工程を含み、
    前記供給する工程において、前記原料ガスの圧力P[MPaA]と、前記第2多孔層の目付偏差s[g/m]とは、式(1)の関係を満たす、ガス分離方法。
    P≦1/s (1)
  2. 前記分離膜シートは、前記原料ガスを供給するための供給側空間と、前記分離膜シートを透過した前記特定のガス成分を含む透過ガスを受け入れるための透過側空間とを隔てるものであり、
    前記供給側空間は、前記分離膜シートの前記第2多孔層とは反対側に設けられ、
    前記透過側空間は、前記分離膜シートの前記第2多孔層側に設けられ、
    前記供給する工程は、前記供給側空間に前記原料ガスを供給する工程を含み、
    さらに、前記透過ガスを前記透過側空間から排出する工程と、
    前記分離膜シートを透過しなかった前記原料ガスを前記供給側空間から排出する工程と、を含む、請求項1に記載のガス分離方法。
  3. 前記第1多孔層の厚みは、前記第2多孔層の厚みよりも小さい、請求項1又は2に記載のガス分離方法。
  4. 前記第1多孔層の通気度は、前記第2多孔層の通気度よりも小さい、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス分離方法。
  5. 前記樹脂組成物層は、ゲル状である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス分離方法。
  6. 前記分離機能層は、親水性樹脂を含み、
    前記第1多孔層は、疎水性である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス分離方法。
  7. 前記第1多孔層は、多孔膜である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス分離方法。
  8. 前記第2多孔層は、不織布である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス分離方法。
  9. 前記分離機能層は、前記特定のガス成分と可逆的に反応するキャリアを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のガス分離方法。
  10. 前記特定のガス成分は、酸性ガスである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のガス分離方法。
  11. 特定のガス成分を選択的に透過する分離膜シートを含むガス分離装置であって、
    前記分離膜シートは、
    第1多孔層と、前記第1多孔層上に積層される分離機能層と、前記第1多孔層の前記分離機能層とは反対側に積層される第2多孔層と、を有し、
    前記分離機能層は、無孔質の樹脂組成物層であり、
    前記第1多孔層と前記第2多孔層とは互いに異なる多孔層であり、
    前記第1多孔層の平均孔径は、0.005μm以上1μm以下であり、
    前記第1多孔層の厚みは、5μm以上150μm以下であり、
    前記第2多孔層の目付は、10g/m以上200g/m以下であり、
    前記ガス分離装置は、
    前記分離膜シートの前記第2多孔層とは反対側から、前記特定のガス成分を少なくとも含む原料ガスを供給する供給部を有し、
    前記供給部は、前記原料ガスの圧力P[MPaA]と前記第2多孔層の目付偏差s[g/m]とが式(1)の関係を満たすように、前記原料ガスを供給する、ガス分離装置。
    P≦1/s (1)
  12. 前記分離膜シートによって互いに隔てられた供給側空間及び透過側空間と、
    前記供給部から前記原料ガスを前記供給側空間に供給するための供給側入口と、
    前記分離膜シートを透過した前記特定のガス成分を含む透過ガスを前記透過側空間から排出するための透過側出口と、
    前記分離膜シートを透過しなかった前記原料ガスを前記供給側空間から排出するための非透過側出口と、を備える、請求項11に記載のガス分離装置。
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