JP2021094395A - 自然な金属光沢を持つカラーゴルフボール - Google Patents

Abstract

【課題】違和感がなく、ほのかな金属光沢の色を持ちながらも、耐久性に優れたカラーゴルフボールを提供する。【解決手段】白色のコア（core）と;前記コアの上に形成されたカバー層（cover layer）と;前記カバー層の上に形成され、ナノカラー顔料と金属光沢顔料を含むカラーコート層（color coating layer）とを含む。具体的には、ナノカラー顔料と金属光沢顔料を高分子樹脂に分散させてカラーコーティング溶液を製造し、白色または前記カラーコーティング溶液と同じ系列の色を持つカバー層の上にコーティング成形する。前記カバー層とカラーコート層の間に顔料の構成が異なるので、内部の隠蔽力が向上するという長所がある。前記内部の隠蔽力が向上されると、核、マントルやカバーの暗い色または不均質な表面が見えなくなり、表面の不良率が低くなるという効果がある。【選択図】なし

Description

本発明は、自然な金属光沢を持つカラーゴルフボールに関するものである。

従来は、ゴルフボールの性能が、飛距離、コントロール性能、耐久性、打感などの試合の結果に直接影響を与える要素として評価されている。しかし、最近、ゴルフプレイヤーの心理的な安定を助け、集中力を向上させることができるゴルフボールの外観も、ゴルフボールの性能に拡張されている傾向にある。カラーゴルフボールは、そのカラー感、視認性、触感などが向上し、ゴルフプレイヤーの心理的な安定に助けを与える。

上記のカラーゴルフボールは、赤、緑、黄色、オレンジ色、ピンク色、およびこれらの蛍光色、またはこれらの色が追加された金属光沢の色を持つことができる。このため、上記のゴルフボールには、カラー顔料や染料、蛍光色の顔料や染料、および金属光沢顔料が適切に混合された混合顔料が使用されるが、上記の混合顔料を含むゴルフボールは、独特のカラーのために高い視認性を持つようにされて、ゴルフボールをより大きく見せてグリーンやフィールドでゴルフボールを見つけるのが容易であるという長所がある。

特に、マットで蛍光色のビビッドカラーゴルフボールは、従来のカラーゴルフボールに比べて、より明るく華やかな色を持ち、ゴルフプレイヤーの視覚的な満足感を向上させ、優れた視認性のために、夜間の試合で自分のゴルフボールを見つける手間を軽減しうるので、従来の白色のゴルフボールに急速に取って代わっている。

上記の金属光沢顔料は、パール色、虹色、または金属色を発する顔料を意味する。上記の金属光沢顔料は、入射光を部分的に反射及び透過させることができる高屈折率の薄い板状の形態を有している。

上記の金属光沢顔料は、入射光の反射及び透過のパターンに応じて金属顔料と干渉顔料の2種類に分類される。上記の金属顔料は、入射するすべての可視光線が一方向に全反射（Specular reflection）されている特性を持ち、強い金属光沢を発する顔料を意味する。上記の干渉顔料は、透明で平たい多層構造を持つ顔料として、入射する可視光線が各層を通過することにより、入射光の一部が物体の表面で反射され、その残りが透過される、多段階の全反射を引き起こす顔料を意味する。上記の干渉顔料は、強い立体感、光沢、および各種の干渉色を示す特徴があり、全反射を起こすという点においては、上記の金属顔料と同様であるが、透過光によって多段階の反射が起こりますので、立体感を持つ干渉色が実現されることで差別される。

米国登録特許8029386は、金属光沢を持つゴルフボールに関するもので、核および内側カバー（inner cover）を含み、その外部に金属光沢を持つ干渉顔料が樹脂組成物100重量部（part）に対して0.05ないし0.5（part）で添加され、上記の干渉顔料は、25ないし70％が金属酸化物でコーティングされた雲母であることを特徴とする外側カバー（outer cover layer）が形成されることを特徴とする。上記の米国特許8029386のゴルフボールは、干渉顔料による全反射により強い金属光沢を持ちうるが、上記の強い金属光沢は、むしろ従来のゴルフボールとは全く異なる違和感を与えて、プレーを妨害しうる可能性がある。また、上記の外部カバーを保護するために透明なコート層をさらに形成する場合に、透明コート層と外部カバー層が視覚的に分離されて、ゴルフボールが重なって（だぶって）見える感じを与えうるのであり、透明な外部カバー層にロゴ、方向指示の矢印などのような情報を印刷する場合は、プリントされた模様が金属光沢のある表面に再び写って、その内容を認識することができないほど複雑に見えることがあり、コート層に含まれている金属酸化物により、内外の層の間の接着力が低下する可能性があった。

本明細書に記載された特許文献、及び参考文献は、それぞれの文献が、参照により個別的に明確に特定されたものと同じ程度に、本明細書に参照として挿入される。

米国特許第8029386号明細書 韓国登録特許第0931558号公報

本発明は、ナノカラー顔料と金属光沢顔料を含むカラーコート層が形成され、違和感がなく、ほのかな金属光沢の色を持ちながらも、耐久性に優れたカラーゴルフボールを提供することを目的とする。

本発明の他の目的および技術的特徴は、以下の発明の詳細な説明、請求の範囲、及び図面によってより具体的に提示される。

本発明は、白色のコア（core）と;前記核の上に形成されたカバー層（cover layer）と;前記カバー層の上に形成され、ナノカラー顔料と金属光沢顔料を含むカラーコート層（color coating layer）と;を含むカラーゴルフボールを提供する。

また、本発明は、コア（core）と;前記コアの上に形成された白色のマントル層（mantle layer）と;前記マントル層の上に形成されたカバー層（cover layer）と;前記カバー層の上に形成され、カラー顔料と金属光沢顔料を含むカラーコート層（color coating layer）と;を含むカラーゴルフボールを提供する。

本発明のカラーゴルフボールは、白色のコアや白色のマントル層の上に形成されたカバー層が白色または前記カバー層の上に形成されたカラーコート層のナノカラー顔料と同じ系列の色を持つことを特徴とする。

前記カバー層は、平均粒径1ないし10μｍのカラー顔料を使用し、前記のカラーコート層は、平均粒径が10ないし900ｎｍのナノカラー顔料を使用する。また、前記カラーコート層に含まれる金属光沢顔料は、平均粒径が5ないし100μｍであることを特徴とする。

前記カラーゴルフボールは、表面のフロップインデックス（flop index）の値が1ないし9であることを特徴とする。

本発明のカラーゴルフボールは、ナノカラー顔料と金属光沢顔料を高分子樹脂に分散させてカラーコーティング溶液を製造し、白色または前記カラーコーティング溶液と同じ系列の色を持つカバー層の上にコーティング成形した。

本発明のカラーゴルフボールは、前記カバー層とカラーコート層の間で顔料の構成が異なるので、内部の隠蔽力が向上する長所がある。上記の内部の隠蔽力が向上されると、核、マントルやカバーの暗い色または不均質な表面が見えなくなり、表面の不良率が低くなるという効果がある。また、本発明のカラーゴルフボールは、カラーコーティングのナノカラー顔料と金属光沢顔料を同時に使用するので、金属光沢とカラーが一つの層で発現されて、違和感がなく自然な金属光沢のゴルフボールを製造することができる長所がある。

本発明のカラーゴルフボールは、上記の金属顔料によって反射された反射光が、ナノカラー顔料の色をより鮮やかにするので、一般的なカラー顔料に比べて少量の顔料を使用できるという長所がある。少量の顔料を使用すると、それほど高分子樹脂をさらに使用することができますので、カラーコート層の接着力が増加し、ゴルフボールの耐久性が向上される効果がある。

また、本発明のカラーゴルフボールは、粒子の大きさが小さいナノカラー顔料を使用するので、従来の粒子の大きさを持つ一般的なカラー顔料と非常に類似した色味を維持しながらも、金属光沢顔料の乱反射を妨げないようになり、優れた金属光沢と色を持つという効果がある。

本発明は、白色のコア（core）と;上記の核の上に形成されたカバー層（cover layer）と;上記のカバー層の上に形成され、ナノカラー顔料と金属光沢顔料を含むカラーコート層（color coating layer）と;を含むことを特徴とするカラーゴルフボールを提供する。

上記のコアは、高分子樹脂が熱成形されて製造された単一コアの構造でありうるのであり、また、上記のコアの上に高分子樹脂がさらに熱成形されて、一重以上のコアに形成された多重のコア構造でありうる。多重のコア構造の場合には、各コアの構成成分および厚さを調節する方法でゴルフボールの反発力と耐久性を向上させることもできる。

上記のコアは、主材料として、シス-1,4-ポリブタジエン（cis-1,4-polybutadiene）ゴムと、上記の主材料の架橋結合を誘導し、これを硬化させるα，β-エチレン性不飽和カルボン酸（α，β-ethylenically unsaturated carboxylic acid）またはα，β-エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩と、充填剤、及び添加剤とを含む混合物によって製造されうるのであり、ゴルフボールの反発力と耐久性を向上させるために主材料であるシス-1,4-ポリブタジエンゴム以外の高分子樹脂がさらに混合されて製造されることもありうる。

上記のコアの主材料であるシス-1,4-ポリブタジエンゴムは、こげ茶色といった暗いトーンの色を持っている。したがって、カラー顔料またはカラー染料を使用して、ゴルフボールの色を実現する場合は、上記の核の色が投影されて、ゴルフボールの色が濁ってしまいうるのであり、熱成形されたコアの不均一な表面が見えるようになり、美観を損なうという問題がある。したがって、上記のコアには、白色の顔料または白色の染料を添加して、ゴムの暗い色を中和する必要がある。上記の顔料と染料は、光を吸収して色を発現するという点で同じであるが、溶解される溶媒の違いにより区分される。本明細書では、ゴルフボールの色を発現する構成要素として、顔料と染料を混同して使用し、必要に応じ、それぞれの化学的性質に応じて区分することとする。上記のコアが白色を持つように製造する場合には、二酸化チタン（TiO₂）、硫酸バリウム（BaSO₄）、および酸化亜鉛（ZnO）を含む群から選択された一つまたは二つ以上の顔料の混合物をコアに含ませることができ、好ましくは、酸化亜鉛（ZnO）を使用する。

上記のコアの上には、カバー層（cover layer）が形成される。上記のカバー層には、透明な性質を持つ高分子樹脂を使用することができ、その例として、熱可塑性樹脂であるアイオノマー（例えばエチレン―メタクリル酸共重合体のアイオノマー）、熱硬化性であるウレタン樹脂、及び、熱可塑性であるウレタン樹脂（特にはウレタンエラストマー）で構成されているグループから選択された一つまたは二つ以上のポリマー樹脂の混合物でありうる。上記のカバー層は、核の上に射出成形して一定の厚さで形成され、好ましくは、熱可塑性樹脂であるアイオノマーを使用する。

上記のカバー層が透明に形成される場合に、上記の核の暗い色が透明なカバー層を通じて、ゴルフボールの外部に透けて見えるようになるか、または、熱成形プロセス中に形成された不均一な表面がゴルフボールの外に透けて見えるようになることから、美観を損なうという問題が発生しうる。

本発明では、上記のコアを白色に実現するので、コアの暗い色が透明なカバー層を通じて、ゴルフボールの外部に透けて見えるようになるという問題点を解決した。しかし、コアの熱成形プロセス中に形成された不均質な表面は、コアの色に関係なく、透明なカバー層を通じて透けて見えるのでありうる。したがって、本発明では、上記のカバー層を、透明なカバー層ではなく、不透明または半透明の白色のカバー層、または、不透明または半透明のカラーのカバー層として形成することで、上記の不均質な核の表面が見えないようにした。

上記のカバー層を不透明または半透明の白色のカバー層に形成する場合に、二酸化チタン（TiO₂）、硫酸バリウム（BaSO₄）、および酸化亜鉛（ZnO）を含む群から選択された一つの顔料または二つ以上の顔料の混合物をカバー層に含ませて形成することができ、好ましくは、二酸化チタンを使用する。また、上記のカバー層を、不透明または半透明のカラーのカバー層として形成する場合に、蛍光色を含む各種のカラー顔料から選択された一つの顔料または二つ以上の顔料の混合物を利用することができる。

本発明のカラーゴルフボールは、上記のカバー層に白色以外の色が実現されている場合には、上記のカラーコート層の色と同様の系列のカラーを使用することが望ましい。たとえば、白色の金属光沢を持つゴルフボールを製造する場合には、白色のカバー層の上に白色の金属光沢を持つカラーコート層を形成し;青色の金属光沢を持つゴルフボールを製造する場合には、青色のカバー層の上に青色のカラーの金属光沢を持つカラーコート層を形成し;オレンジ色の金属光沢を持つゴルフボールを製造する場合には、オレンジ色または黄色のカバー層の上にオレンジ色または赤色の金属光沢を持つカラーコート層を形成し;ピンク色の金属光沢を持つゴルフボールを製造する場合には、ピンク色のカバー層の上にピンク色の金属光沢を持つカラーコート層を形成する。さらに、上記のカバー層に白色の色が実現されている場合に、カラーコート層の色には、制限がない。これは白色のカバー層がカラーコート層を透過した光の反射板の役割をすることで、ゴルフボールの色を柔らかくしてくれるので、自然な金属光沢を持つパステルトーンのカラーとして実現することができるからである。

上記のような組み合わせで、カバー層とカバーコート層の色を組み合わせるならば、内外の層の間の色干渉が減り、歪みのない鮮明なカラーを実現することができ、内外の層の間に、このような色の干渉がある場合でも、自然で柔らかなパステルトーンのカラーを実現することができるという長所がある。

一般的には、カバー層に使用するカラー顔料には、平均粒径が1ないし10μｍであるものを利用することができる。これに反して、本発明のカラーコート層には、平均粒径が10ないし900ｎｍのナノカラー顔料と、平均粒径が5ないし100μｍの金属光沢顔料を同時に使用する。本発明のカラーコート層は、平均粒径が5ないし100μｍの金属光沢顔料を同時に使用するので、平均粒径が1ないし10μｍのカラー顔料の場合と同じ量のナノカラー顔料を使用するか、むしろ、より少ない量を使用しても鮮やかなカラーを実現できるという長所がある。

ゴルフボールに入射された光は、カラー顔料によって選択的に吸収されたり反射されたりするので、カラーを実現することになる。上記のカラー顔料によって実現されたカラーの強度は、上記のカラー顔料に供給される光の量に応じて決定される。

本発明のゴルフボールに入射された光は、カラー顔料に到達することとなり、同時に、カラーコート層の金属光沢顔料によって乱反射（1次乱反射）された光が、上記のカラー顔料へと、さらに供給される。したがって、本発明のカラーコート層に位置するカラー顔料は、金属光沢顔料が含まれていない場合に比べて、より多くの光の供給を受けることとなり、より鮮明なカラーが実現されるのである。また、上記の入射された光は、カラーコート層を通過して、白色のコアまたは白色のカバー層に到達することとなり、上記の光はすべて反射されて、上記のカラーコート層を通じて外部へと進むことになる。この過程で、上記の、反射されて外部へと進行する光は、上記のカラーコート層のカラー顔料に供給され、これと同時に、金属光沢顔料によって乱反射（2次乱反射）された光が上記のカラー顔料へと、さらに供給されるので、より鮮明なカラーを実現することになる。したがって、本発明のカラーコート層は、平均粒径が10ないし900ｎｍのナノカラー顔料を、一般的なカラー顔料の場合と同じ量で使用したり、より少ない量を使用しても、より鮮明なカラーを実現できるという長所がある。

上記のナノカラー顔料は、平均粒径が1μｍ未満のものを使用することができるのであり、好ましくは、平均粒径が10ないし900ｎｍであるものを利用することができ、より好ましくは、100ないし700ｎｍであるものを利用することができる。上記のナノカラー顔料の平均粒径が10ｎｍ未満であれば、凝集が起こって分散性が低下しうるのであり、上記のナノカラー顔料の平均粒径が900ｎｍを超えれば、カラーコート層を透過する光を遮断することで、金属光沢顔料による乱反射、および、白色のコアまたは白色のカバー層での光反射を制限することになる。

本発明のカラーコート層は、上記のナノカラー顔料と金属光沢顔料が1：0.2ないし20の重量比で含まれていることを特徴とする。好ましくは、上記のナノカラー顔料と金属光沢顔料は、1:0.5ないし1:10の重量比で、より好ましくは1:1ないし1:5の重量比で含まれている。上記のナノカラー顔料と金属光沢顔料の重量比が1：0.2未満であれば、ナノカラー顔料による鮮やかなカラーの実現に制約があり、上記のナノカラー顔料と金属光沢顔料の重量比が1:20を超えれば、金属光沢顔料が過度に凝集されて、表面の不良を招くことになる。

上記のカラーコート層は、有機溶媒中に、高分子樹脂組成物、ナノカラー顔料、金属光沢顔料および硬化剤を含むカラーコート層の混合溶液を製造した後、カバー層の上にコーティングする方法で形成することができる。上記のコーティングの方法は、スプレーコーティング、ディッピングコーティングなどが可能であり、好ましくは、スプレーコーティングを使用する。上記のカラーコート層の混合溶液としては、一具体例にて、ポリマー樹脂組成物80.25重量％、ナノカラー顔料5重量％、金属光沢顔料14.75重量％を混合した後、上記の高分子樹脂組成物100重量部に対して硬化剤14.3重量部を追加して製造することができる。上記の高分子樹脂組成物は、ポリオール樹脂（polyol resin）35ないし55重量％、トルエン（toluene）5ないし15重量％、n-ブチルアセテート（n-butyl acetate）5ないし15重量％、メチルイソ-ブチルケトン（methyl iso-butyl ketone）5ないし15重量％、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート（propylene glycol methyl ether acetate）1ないし10重量％、および添加剤0.1ないし10重量％を混合して製造することができ、上記の硬化剤には、ポリイソシアネート系の硬化剤を使用することができる。また、上記のナノカラー顔料及び金属光沢顔料は、平均粒径がそれぞれ10ないし900ｎｍ、および、5ないし100μｍであるものを利用することができ、そのカラーに制限はない。好ましくは、上記のナノカラー顔料及び金属光沢顔料の平均粒径は、それぞれ100ないし700ｎｍ、および、5ないし45μｍである。さらに、上記の製造したカラーコート層の上に透明コート層がさらに形成されて、ゴルフボールを保護することができるのであり、好ましくは、上記の透明コート層は、光沢を有する透明コート層である。

ポリオール樹脂は、好ましくは、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルや、線状のポリエステルからなる、ジオールまたはトリオールを主として含み、例えば、光散乱法による絶対数平均分子量が２０００〜２万でありうる。このようなポリオール樹脂と、硬化剤としてポリイソシアネート（TDI,MDI, HDIなど）が例えば６：４〜９：１の重量比で混合される。ポリオール樹脂とポリイソシアネートとからなるウレタン樹脂などのベース樹脂１００重量部に対して、ナノカラー顔料が５〜２０重量部、金属光沢顔料が１０〜４０重量部添加されるのでありうる。

本発明のカラーゴルフボールは、フロップインデックス（flop index）の値が1ないし9であることを特徴とする。上記のフロップインデックスは、反射角を回転させて反射率の変化を測定した値で、フロップインデックスの値が増加すると、光沢が増加することになり、金属質感を持つことになる。フロップインデックスについては、下記の実施例で詳細に説明する。本発明のカラーゴルフボールは、カラーコーティングに含まれているナノカラー顔料と金属光沢顔料が、ほのかな自然な金属光沢（金属質感）を示し、これをフロップインデックスの値で表現すれば、1ないし9に相当する。好ましくは、フロップインデックスの値の1ないし7に相当し、より好ましくは、フロップインデックスの値の1ないし6に相当する。上記のフロップインデックスの値が1未満であれば、金属光沢がなく視認性が低下する。上記のフロップインデックスの値が9を超えれば、反射光が多く、金属光沢が高いので、視認性が優れるのであるが、屋外のゴルフゲームの場合には、多くの反射光を用いるゴルフボールは、ゴルフプレイヤーに疲労感を与えうるので、望ましくない。

本発明は、コア（core）と;上記の核の上に形成された白色のマントル層（mantle layer）と;上記のマントル層の上に形成されたカバー層（cover layer）と;上記のカバー層の上に形成されたカラー顔料と金属光沢顔料を含むカラーコート層（color coating layer）と;を含むことを特徴とするカラーゴルフボールを提供する。

上記のマントル層は、その厚さと組成を含む構成と効果において、上記のコアおよびカバー層と区別することができる。特に、効果において、上記のコアは反発力を向上させる効果があり、上記のカバー層は、ディンプルを備えてゴルフボールを浮き上がらせ、ゴルフボールを保護する効果があるのに対し、上記のマントル層は、ゴルフボールの回転力を増加させ、耐久性をより向上させる効果がある。本発明のマントル層には、二酸化チタン（TiO₂）、硫酸バリウム（BaSO₄）、および酸化亜鉛（ZnO）を含む群から選択された一つまたは二つ以上の白色の顔料の混合物を含めて、白色に製造される。上記のマントル層を除いた核、カバー層、カラーコート層、および透明コート層の構成は、上記に説明したものと同じなので、明細書の重複を避けるために説明しない。

一般に、マントル層は、コアよりも、剛性（ヤングモジュラス）が高く、そのために、上記顔料や、無機充填材の含量が高い。また、一般に、カバー層は、マントル層よりも剛性が低い。

下記の実施例を通じて本発明を詳細に説明する。

実施例
1.金属光沢を持つカラーコーティング試験片
1）金属光沢を持つカラーコーティング試験片の製造
金属光沢顔料またはカラー顔料を含むカラーの混合顔料種類に応じた金属光沢の差を測定するために、アイオノマーの一種であり、ゴルフボールのカバーに使用されるサーリン（SURLYN；登録商標、エチレン―メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー）樹脂のボール状の試験片に、上記のカラーの混合顔料を含むカラーコート層の混合物をスプレー方式でコーティングした。上記のカラーコート層の混合物は、2回のコーティングを行って3ないし10μｍの厚さになるように形成した後、乾燥して、カラーコーティングサーリン試験片を製造した。

カラーコーティングサーリン試験片の製造に使用したカラーコート層の混合物は、主材料であるポリオール高分子組成物と、カラーの混合顔料を混合して製造した（表1参照）。

上記のポリオール高分子組成物は、ポリオール樹脂（polyol resin）35ないし55重量％、トルエン（toluene）5ないし15重量％、n-ブチルアセテート（n-butyl acetate）5ないし15重量％、メチルイソ-ブチルケトン（methyl iso-butylketone）5ないし15重量％、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート（propylene glycol methyl ether acetate）1ないし10重量％、および添加剤0.1ないし10重量％を混合して製造した。

上記のカラーの混合顔料は、金属光沢顔料（パール色、粒子径D50=21〜24μｍ、製品名：Reflex Rutile Dazzling Standard）、一般的なカラー顔料（平均粒径5ないし10μｍ）またはナノカラー顔料（平均粒径100ないし500ｎｍ）を混合して使用した。上記のカラー顔料は、白色の顔料としてRGB=255、255、255（HEX=＃FFFFFF）で定義される顔料を使用し、青色の顔料としてRGB=0、204、153（HEX=＃00cc99）で定義される顔料を使用し、ピンク色の顔料としてRGB=255、102、102（HEX=＃ff6666）で定義される顔料を使用し、黄色の顔料としてRGB=255、255、0（HEX=＃ffff00）で定義される顔料を使用した。

2）金属光沢の測定
上記の製造したカラーコーティングサーリン試験片を分光側色計（CM-M6、Konica Minolta, INC.）を利用して、光沢度（フロップインデックス、flop index）で測定した。サーリン試験片は光沢があり、透明な特性があるので、光沢度の測定時には、白色の基材を試験片の下に位置させた。上記の白色の基材は、ゴルフボールの白色の核またはマントル層の役割をして、サーリン試験片を通過した光を反射させる。

上記のフロップインデックスは下記の式1で表すことができる。

＜式1＞

上記のフロップインデックスは、反射角を回転させて反射率の変化を測定した値であって、一般的に15°、45°および110°での各反射光の輝度（luminance、L*）を測定して、上記の式1に基づいて算出することができる。上記のL*（15°）、L*（110°）、およびL*（45°）は、それぞれ15°、110°、および45°で測定した輝度（luminance）を意味する。上記のフロップインデックスの値が増加すると、光沢が増加することになり、金属質感を持つようになる。

例えば、上記のフロップインデックスの値が0ないし1未満であれば、金属質感がない表面に相当し、上記のフロップインデックスの値が1ないし9であれば、弱い光の反射を示し、肉眼で金属質感を確認可能な表面に相当し、詳細には、フロップインデックスの値が1ないし5であれば、ほのかなパール顔料と同様の金属質感を見えるようになる。また、上記のフロップインデックスの値が11前後であれば、強い光の反射を示す、金属の表面に形成された車の塗装のレベルに相当し、上記のフロップインデックスの値が15以上であれば、光沢のある金属の表面に相当する。

ゴルフボールにおいて、上記のフロップインデックスの値が9以上であれば、視認性は良いが、反射光が強く、ゴルフプレイヤーが不快感を感じ、上記のフロップインデックスの値が1未満であれば、金属質感が全くないので、金属光沢顔料による視認性の向上効果がない。

本発明は、光沢があるために優れた視認性を持ちながらも、ゴルフプレーに支障を与えない程度の反射光を持つ、柔らかい金属質感のカラーゴルフボールを製造することである。本発明のゴルフボールには、金属光沢顔料とカラー顔料が使用され、好ましくは、１から９のフロップインデックスの値、より好ましくは、１から６のフロップインデックスの値を使用する。

何ら処理をしていないサーリン（SURLYN；登録商標）試験片は、金属光沢がほとんどないので、0.28のフロップインデックスの値を持つのに対し、カラー顔料を使用せず、金属光沢顔料のみがコーティングされたサーリン試験片（実施例1）の場合には、金属光沢（フロップインデックス7.93）を示すことが確認された。上記の結果は、金属光沢顔料が、入射光との干渉が起こる反射を起こしたためと判断される。

これに反して、金属光沢顔料なく白色のナノカラー顔料のみが使用されたサーリン試験片（実施例2）と一般的な白色の顔料のみが使用されたサーリン試験片（実施例3）の場合に、フロップインデックスの値が0.12または0.13で、サーリン試験片自体の光沢度よりも低い値を示すことが確認された。

これに反して、金属光沢顔料と白色のナノカラー顔料が含まれているカラーコート層の混合物4がコーティングされたサーリン試験片（実施例4）および金属光沢顔料と一般的な白色の顔料が含まれているカラーコート層の混合物5がコーティングされたサーリン試験片（実施例5）の場合には、サーリン試験片の光沢よりも改善された金属光沢を示すことが確認されており、特にナノカラー顔料を使用した実施例4の場合には、フロップインデックスが8.07で、金属光沢顔料のみを使用してコーティングしたサーリン試験片（実施例1、フロップインデックス7.93）と同様の金属光沢を示すことが確認された。

上記の結果は、カラー顔料のみを使用してサーリン試験片をコーティングすれば、フリップフロップ（flip-flop）効果を示す顔料が存在しなくなり、サーリン試験片自体の光沢性をむしろ低下させるということを意味する。また、カラー顔料と金属光沢顔料を同時に使用する場合には、金属光沢顔料によって試験片の金属光沢は向上するが、カラー顔料の粒子の大きさが小さいほど、光沢性が向上することを意味する。上記の結果は、カラー顔料の粒子の大きさが大きいほど、金属光沢顔料によって反射された光が外部へと進行するのを妨げるので、全体的な金属光沢性が低下するためと判断される。

上記のサーリン試験片を通じて確認した結果を確認するためにABS製の標準的な試験片を使用して同様の実験を行った。上記のサーリン試験片は透明な特徴があるのに対し、上記の標準試験片は不透明な白を持っているので、ゴルフボール製造時の白色のカバー層またはマントル層と互いに対応すると判断される。実験の結果、全体的に上記のサーリン試験片よりも低い金属光沢を示すことが確認されたが、金属光沢顔料およびカラー顔料の特性に応じた金属光沢性の発現は、同じ様態を見せることが確認された。

2.光沢透明コーティング処理した金属光沢を持つカラーコーティング試験片
ゴルフボールの最外殻には、ゴルフボールを保護する最外のコート層が存在しうる。一般的に、上記の最外殻のコート層は、光沢透明コーティングで仕上げ（finish）がまされる。上記の光沢透明コーティングは、カラーコート層の上にポリウレタンを噴射して3ないし10μｍの厚さで形成した。

まず、ABS標準試験片の白色、ピンク色、黄色、または青色のカラーコート層の混合物4を3ないし10μｍの厚さでコーティングして、乾燥した後、上記と同様の方法で光沢度を測定し、それぞれのフロップインデックスの値を算出した。その後、白色、ピンク色、黄色、または青色のカラーコート層の混合物4がコーティングされたABS標準試験片にポリウレタン液を噴射して3ないし10μｍの厚さの光沢透明コート層を形成し、これを乾燥した後、上記と同様の方法で光沢度を測定し、フロップインデックスの値を算出した（表3参照）

実験の結果、光沢透明コーティングにより光沢度が少しく減少することが確認された。上記の結果は、光沢コート層の表面で一部の光が散乱されるので、コート層の内部に進入する光の量が減少したためであると判断される。ナノカラー顔料の色の種類に応じて光沢度（フロップインデックス）が異なることがと確認され、青色、ピンク色、白色、黄色の順序に光沢度が高いことが確認された。

3.柔らかい金属光沢を持つカラーゴルフボール
1）柔らかい金属光沢を持つカラーゴルフボールの製造
上記の結果をもとに、柔らかい金属質感の光沢を持つカラーゴルフボールを製造した。

本発明の柔らかい金属光沢を持つカラーゴルフボールは、最も内側にコアがあり、上記のコアの外面上にカバー層が形成され、上記のカバー層の外面上にカバーコート層が形成され、上記のカバーコート層の外面上に光沢透明コート層が形成される。

また、本発明の柔らかい金属光沢を持つカラーゴルフボールは、最も内側にコアがあり、上記のコアの外面上に、ゴルフボールの回転力と耐久性を向上させるためのマントル層が形成され、上記のマントル層の外面上にカバー層が形成され、上記のカバー層の外面上にカバーコート層が形成され、上記のカバーコート層の外面上に光沢透明コート層が形成される。

上記のコアはポリブタジエンゴムを圧縮成形して製造した。この際、上記のポリブタジエンゴム特有の暗い色が投影されないように、不透明な白色の顔料（TiO₂）を直接添加したり、上記のマントル層に不透明な白色の顔料（TiO₂）を含めて製造した。

上記のように製造したコアまたはマントル層の外面上に射出成形して、カバー層を形成した。上記のカバー層は、ポリオールを含む高分子樹脂、白色の顔料またはカラー顔料および添加剤を混合してカバー用の混合物を製造し、これをコアなどのまわりに射出成形して形成した。

上記のカバー層の外面上には、カラーコート層を形成した。上記のカラーコート層は、有機溶媒に高分子樹脂組成物、ナノカラー顔料、金属光沢顔料、および硬化剤を混合して、カラーコート層の混合物を製造した後、カバー層の上に噴射（スプレー）する方法で形成した。上記のカラーコート層の混合物は、高分子樹脂組成物80.25重量％、カラー顔料5重量％、金属光沢顔料14.75重量％を混合した後、上記の高分子樹脂組成物100重量部に対して、ポリイソシアネート系の硬化剤14.3重量部を追加して製造した。上記の高分子樹脂組成物は、ポリオール樹脂（polyol resin）35ないし55重量％、トルエン（toluene）5ないし15重量％、n-ブチルアセテート（n-butyl acetate）5ないし15重量％、メチルイソ-ブチルケトン（methyl iso-butyl ketone）5ないし15重量％、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート（propylene glycol methyl ether acetate）1ないし10重量％、および添加剤0.1ないし10重量％を混合して製造した。上記のカラーコート層は、カラーコート層の混合物をカバー層の上に2回のスプレーコーティングする方法で製造し、厚さが3ないし10μｍになるようにした。好ましくは、上記のカラーコート層は、厚さが4.5ないし6μｍになるようにした。

上記の光沢透明コート層は、有機溶媒を用いて製造したポリウレタン溶液を上記のカラーコート層の上にスプレーコーティングする方法で形成した。上記の光沢透明コート層は、厚さが3ないし10μｍになるようにし、好ましくは、上記のカラーコート層は、厚さが4.5ないし6μｍになるようにした。

2）柔らかい金属光沢を持つカラーゴルフボールの金属光沢
（1）柔らかい金属光沢を持つカラーゴルフボールの金属光沢の測定
カラーコート層を形成する際に、それぞれ、白色（RGB=255、255、255（HEX=＃FFFFFF））、ピンク色（RGB=255、102、102（HEX=＃ff6666））、黄色（RGB=255、255、0（HEX=＃ffff00））、または青色（RGB=0、204、153（HEX=＃00cc99））の色を持つナノカラー顔料含まれているものを用い、柔らかい金属光沢を持つカラーゴルフボールを製造した。

上記のゴルフボールの製造過程で光沢透明コート層が形成される前と形成された後との光沢度を測定し、これを比較した（表4参照）。

金属光沢顔料とナノカラー顔料が含まれているカラーコート層が形成されたゴルフボールの光沢度を測定した結果、同じカラーコート層と光沢透明コート層が形成された標準試料に比べて、低下した光沢度を示すことが確認されている。これは、標準試料のコート層が平らな形状のABS基材の上に形成されているのに対し、上記のゴルフボールのコート層は、丸い形状のサーリン基材の上に形成されるという違いに起因したものと判断される。しかし、上記のゴルフボールに形成されたカラーコート層と光沢透明コート層による光沢度を確認してみると、標準試料で光沢透明コート層によって光沢度が低下したものと同じように、ゴルフボールでも光沢透明コート層によって光沢度が低下したことが確認されている。また、本発明のゴルフボールは、ピンク色、黄色、青色、及び白色のゴルフボールの光沢度（フロップインデックスの値）がそれぞれ4.09、1.67、5.69、および3.44を示し、ほのかな光を反射して柔らかい金属質感を持つカラーゴルフであることが確認される。

（2）金属光沢顔料を使用したカラーゴルフボールおよび金属蒸着したゴルフボールの光沢度の測定
上記の実施例の光沢度の測定を通じて、本発明のカラーゴルフボールほのかな光を反射して柔らかい金属質感を持つということを実験的に証明した。

これにより、他社の金属光沢顔料を使用したカラーゴルフボールと金属蒸着したゴルフボールの光沢度を測定し、これを本発明のゴルフボール比較した（表5）。

本発明の実施例14、15、16、および17は、直径がナノカラー顔料と金属光沢顔料を混合して製造したカラーコート層の混合物を用いてカラーコート層を形成し、上記のカラーコート層の上に光沢透明コート層を形成して仕上げをしたゴルフボールである。

上記のPHYZ（白色）、DRGAllstar（ピンク色）とPHYZ（黄色）は、金属光沢のカラーゴルフボールとして、一般的な金属光沢顔料が混合された光沢透明コート層を形成して仕上げたゴルフボールである。KIRA（白色）とKIRA（黄色）は、カバーにパール色の顔料を入れた後、光沢コート層を形成して仕上げたゴルフボールである。また、上記のChromaxGold（金）は、金属蒸着ゴルフボールとして、コート層に金色（gold）の金属粒子を蒸着して金箔層を形成した後、上記の金箔層の上にカバーと光沢透明コート層を形成して仕上げたゴルフボールである。

フロップインデックスの値が増加すると、光沢が増加することになり、金属質感を持つことになる。例えば、上記のフロップインデックスの値が0ないし1未満であれば、金属質感がない表面に相当し、上記のフロップインデックスの値が1ないし9であれば、弱い光の反射を示し、肉眼で金属質感を確認可能な表面に相当し、詳細には、フロップインデックスの値が1ないし5であれば、ほのかなパール色と同様な金属質感を見えるようになる。また、上記のフロップインデックスの値が11前後であれば、強い光の反射を示し、金属の表面に形成された車の塗装のレベルに相当し、上記のフロップインデックスの値が15以上であれば、光沢のある金属の表面に相当する。

本発明のゴルフボールは、色に応じてフロップインデックスの値が1.67ないし5.69を持つことが確認された。上記の結果は、本発明のゴルフボールが柔らかい金属質感を持って、視認性に優れており、反射光が強くなくなり、プレーに支障を与えないことを意味する。

これに反して、他社の金属光沢のカラーゴルフボール（PHYZ（白）、KIRA（白色）、DRGAllstar（ピンク色）、PHYZ（黄色）、およびKIRA（黄色））は、フロップインデックスが1未満であり、カラーは見れるが、金属質感が見れなくなるという違いがあった。

また、他社の金属蒸着ゴルフボール（ChromaxGold（金））は、フロップインデックスが40を超えているため、華やかな金色を発現して、優れた視認性を示す長所があるが、反射光が強く、プレーに支障を与えうるものと判断される。

4.色差の測定
本発明のゴルフボールに使用したカラーのカバー層に対して色差（color difference）を測定した。上記の各カラーのカバー層の色差は、分光側色計（CM-2500d、Konica Minolta, Inc.）を用いて測定し、色座標（L*a*b*）を測定し、色差（ΔE）を算出した。

上記の色差は下記の式2を用いて算出した。

＜式2＞

上記のL*値は明るさを示し、L*=0であれば、黒色、L*=100であれば、白色を意味する。a*値は、赤色と緑色のいずれかに向かって偏ったかどうかを示し、a*値が負の場合には、緑色に偏った色を意味し、a*値が正の場合には、赤色の偏った色を意味する。b*値は、黄色と青色のいずれかに向かって偏ったかどうかを示し、b*値が負の場合には、青色の偏った色を意味し、b*の値が正であれば、黄色に偏った色を意味する。

上記のΔL*は、標準試料と試験片のL*値の差を意味し、Δa*は、標準試料と試験片のa*値の差を意味し、Δb*は、標準試料と試験片のb*値の差を意味する。

表6は、サーリン試験片に3ないし10μｍの厚さのカラーコート層を形成した後、色座標（L*a*b*）を測定した結果を示す。

表7は、上記の測定した色座標（L*a*b*）を利用して色差を計算した結果を示す。

金属光沢顔料は、反射または乱反射を起こす特徴があるので、上記のコート層に金属光沢顔料がさらに含まれると、コート層の内部の光の量が変わって、これは、色味の変化の原因となりうる。色別のナノカラー顔料および一般的なカラー顔料に対して、金属光沢顔料が追加された場合における、色味の変化の程度を確認するために色差（ΔE）を計算した。

計算結果、白色、ピンク色、青色のカラー顔料の場合には、金属光沢顔料がさらに追加されたにもΔE=1.34ないし5.97の色差の値を示し、色味の変化が微々たることが確認された。上記の結果は、白色、ピンク色、青色のカラー顔料の場合に、顔料の粒子の大きさに関係なく、金属光沢顔料が追加されても、同様な色味を維持することを意味する。ただし黄色のカラー顔料の場合には、ナノカラー顔料に金属光沢顔料を添加した結果、ΔE=53.51の色差の値を示し、一般的なカラー顔料に金属光沢顔料を添加した結果、ΔE=57.46の色差の値を示した。これは、他の色の顔料に比べて黄色のカラー顔料が金属光沢顔料による色味の変化が激しいことを意味する。ちなみに、黄色のカラー顔料に金属光沢顔料を添加すると、b*の値が減少するが、これは、金属光沢顔料が含まれている場合には、淡いパステルトーンの黄色を持つようになるということを意味する（表6参照）。

ナノカラー顔料と金属光沢顔料が含まれているカラーコート層の混合物でコーティングされた試験片と、一般的なカラー顔料と金属光沢顔料が含まれているカラーコート層の混合物でコーティングされた試験片との色別の色差を計算した。計算結果、ΔE=3.17ないし11.86の色差の値を取得したのであり、ナノカラー顔料を使用した場合と、通常のカラー顔料を使用した場合との色味の差が微々たるものであることが確認された。

上記の表2の結果によると、ナノカラー顔料と金属光沢顔料を使用したサーリン試験片（実施例4、及び実施例9）と一般的なカラー顔料と金属光沢顔料を使用したサーリン試験片（実施例5および実施例10）との間のフロップインデックスの値は、それぞれ8.07（実施例4）、4.4.1（実施例9）、2.88（実施例5）、1.74（実施例10）で、ナノカラー顔料を使用する場合のフロップインデックスの値は、2.5ないし2.8倍ほど高いことが確認される。

したがって、本発明のナノカラー顔料と金属光沢顔料を混合したカラーコート層の混合物を用いてコート層を形成するようになると、一般的なカラー顔料を使用した場合と同様の色味を維持しながらも、金属光沢が2.5ないし2.8倍の優れたコート層を形成することができるものと判断される。

本明細書で説明されて、具体的な実施例は、本発明の好ましい実施例または例示を代表する意味であり、これにより本発明の範囲が限定されない。本発明の変形と他の用途が本明細書の特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱しないことは、当業者に明らかである。

上記のように、本発明の実施形態のカラーゴルフボールは、ナノカラー顔料と金属光沢顔料を高分子樹脂に分散させてカラーコーティング溶液を製造し、白色または前記カラーコーティング溶液と同じ系列の色を持つカバー層の上にコーティング成形した。

また、本発明の実施形態のカラーゴルフボールは、前記カバー層とカラーコート層の間に顔料の構成が異なるので、内部の隠蔽力が向上するという長所がある。前記内部の隠蔽力が向上されると、核、マントルやカバーの暗い色または不均質な表面が見えなくなり、表面の不良率が低くなるという効果がある。また、本発明のカラーゴルフボールは、カラーコート層にナノカラー顔料と金属光沢顔料を同時に使用するので、金属光沢とカラーが一つの層で発現され、違和感がなく自然な金属光沢のゴルフボールを製造することができるという長所がある。

さらに、本発明の実施形態のカラーゴルフボールは、上記の金属顔料によって反射された反射光が、ナノカラー顔料の色をより鮮やかにするので、一般的なカラー顔料に比べて少量の顔料を使用できるという長所がある。少量の顔料を使用すれば、それほど高分子樹脂をさらに使用することができますので、カラーコート層の接着力が増加し、ゴルフボールの耐久性が向上される効果がある。

また、本発明のカラーゴルフボールは、粒子の大きさが小さいナノカラー顔料を使用するので、従来の粒子の大きさを持つ一般的なカラー顔料と非常に類似した色味を維持しながらも、金属光沢顔料の乱反射を妨げないようになり、優れた金属光沢を持つという効果がある。

Claims (7)

1. 白色のコア（core）と;
   前記コアの上に形成されたカバー層（cover layer）と;
   前記カバー層の上に形成され、ナノカラー顔料と金属光沢顔料を含むカラーコート層（color coating layer）と;
   を含むカラーゴルフボール。
2. コア（core）と;
   前記コアの上に形成された白色のマントル層（mantle layer）と;
   前記マントル層の上に形成されたカバー層（cover layer）と;
   前記カバー層の上に形成され、ナノカラー顔料と金属光沢顔料を含むカラーコート層（color coating layer）と;
   を含むカラーゴルフボール。
3. 前記ナノカラー顔料は、平均粒径が10ないし900ｎｍである請求項1または2記載のカラーゴルフボール。
4. 前記カラーコート層の金属光沢顔料は、平均粒径が5ないし100μｍである請求項1または2記載のカラーゴルフボール。
5. 前記カラーコート層には、前記ナノカラー顔料と金属光沢顔料が1：0.2ないし20の重量比で含まれている請求項1または2記載のカラーゴルフボール。
6. 前記カラーコート層の上に透明コート層が形成される請求項1または2記載のカラーゴルフボール。
7. 前記カラーゴルフボールは、フロップインデックス（flop index）の値が1ないし9である請求項1または2記載のカラーゴルフボール。