JP2021094015A - ワインテイスト飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、ならびにワインらしさが増強されて香味が向上したワインテイスト飲料を提供する。【解決手段】乳酸菌を1.0×104個/100mL以上含有するワインテイスト飲料とすることにより、前記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、ワインテイスト飲料等に関する。
ワインテイスト飲料は、ワインのような味および香りを呈する飲料であって、酒税法により定義される果実酒、甘味果実酒、またはリキュールのいずれかに属するワインテイストアルコール飲料などが販売されている。また、乳酸菌などによって発酵させた発酵原料を使用したワインテイスト飲料も知られている。
例えば、特許文献1には、果皮抽出物を乳酸菌および酵母で発酵して製造した3−メルカプトヘキサン−1−オールを含有する原液を、濃縮果汁を原料の少なくとも一部として使用した果汁液をアルコール発酵して得た原料果実酒に添加する、香味豊かなデイリーワイン等の製造方法が開示されている。
特開2011−045356号公報
しかしながら、ワインテイスト飲料において香味の向上は引き続き求められており、特に、ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、ならびにワインらしさについては、さらなる改善の余地がある。
そこで本発明は、ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、ならびにワインらしさが増強されて香味が向上したワインテイスト飲料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、乳酸菌の菌体がワインテイスト飲料の香味に影響していることを明らかにした。この知見から、乳酸菌を一定量以上含有するワインテイスト飲料とすることにより、ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、ならびにワインらしさが増強されて香味が向上したワインテイスト飲料となることを見出し、本発明を完成させた。
なお、前述の特許文献1に記載された、果皮抽出物を乳酸菌および酵母で発酵して製造した原液は、原料果実酒への添加前に乳酸菌および酵母が濾過などにより分離、除去されることが示されており、最終的に得られるデイリーワイン等には乳酸菌などの菌体は含まれていない。
そして、ワインテイスト飲料は、通常、濾過工程により微生物などを除去してから製品としているものが多く、また、乳酸菌の菌体(特に含有する乳酸菌菌体の個数)とワインテイスト飲料の香味との関係性は現在までのところ確認されていない。
すなわち、本発明は次の(1)〜(12)である。
(1)乳酸菌を1.0×10個/100mL以上含有する、ワインテイスト飲料。
(2)前記乳酸菌が1.0×1012個/100mL以下である、(1)に記載のワインテイスト飲料。
(3)前記乳酸菌が死菌である、(1)または(2)に記載のワインテイスト飲料。
(4)前記乳酸菌が植物性乳酸菌である、(1)〜(3)のいずれか1つに記載のワインテイスト飲料。
(5)前記乳酸菌がラクトバチラス(Lactobacillus)属乳酸菌である、(1)〜(4)のいずれか1つに記載のワインテイスト飲料。
(6)前記乳酸菌がラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)に属する乳酸菌である、(5)に記載のワインテイスト飲料。
(7)前記乳酸菌がラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)SBC8803(受託番号:FERM BP−10632)である、(6)に記載のワインテイスト飲料。
(8)乳酸発酵果汁を含有する、(1)〜(7)のいずれか1つに記載のワインテイスト飲料。
(9)前記ワインテイスト飲料がアルコール飲料である、(1)〜(8)のいずれか1つに記載のワインテイスト飲料。
(10)ワインテイスト飲料において乳酸菌を1.0×10個/100mL以上含有させる工程を含む、ワインテイスト飲料の製造方法。
(11)前記乳酸菌を含む乳酸発酵果汁を含有させる工程を含む、(10)に記載のワインテイスト飲料の製造方法。
(12)ワインテイスト飲料において、乳酸菌を1.0×10個/100mL以上含有させることを特徴とする、ワインテイスト飲料における味の厚みおよび複雑さ、ならびにワインらしさの増強方法。
本発明によれば、ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、ならびにワインらしさが増強されて香味が向上したワインテイスト飲料を提供することができる。
本発明について詳細に説明する。
本発明は、乳酸菌を1.0×10個/100mL以上含有するワインテイスト飲料(以下においては「本発明のワインテイスト飲料」という場合もある)、ワインテイスト飲料において乳酸菌を1.0×10個/100mL以上含有させる工程を含むワインテイスト飲料の製造方法(以下においては「本発明に係るワインテイスト飲料の製造方法」という場合もある)等である。
ここで、本発明において「ワインテイスト飲料」とは、ワインのような味および香りを呈し、飲用の際にワインを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料を意味する。したがって、このワインテイスト飲料には、例えば、酒税法(昭和二十八年法律第六号)により定義される果実酒、甘味果実酒、またはリキュール(以下においては「果実酒等」という場合もある)に分類されるワインのような味および香りを呈するアルコール飲料や、上記した酒税法により定義される果実酒等には属さないがワインのような味および香りを呈するアルコール飲料などが包含され、さらに、ワインのような味および香りを呈する清涼飲料水(ノンアルコールワインテイスト飲料)なども含まれる。
また、本発明のワインテイスト飲料がアルコール飲料である場合、その製造において、酵母によるアルコール発酵工程(酵母が糖類などの有機物から代謝産物であるアルコールを生成する工程)を経て製造されたアルコール飲料(例えば醸造酒など)であっても良く、あるいは、その製造において、アルコール発酵工程を行うことなく製造されたアルコール飲料(例えば醸造酒等を原料として用いて調合により製造されたアルコール飲料など)であっても良い。
なお、上記した酒税法により定義される「果実酒」とは、果実または果実および水を原料としてアルコール発酵させることにより製造されるアルコール分が20v/v%未満の酒類、果実または果実および水に糖類を加えてアルコール発酵させることにより製造されるアルコール分が15v/v%未満の酒類、あるいはこれらに糖類を加えてアルコール発酵させることにより製造されるアルコール分が15v/v%未満の酒類であり、これらの酒類にブランデー等、糖類、香味料または水を加えたアルコール分が15v/v%未満の酒類も包含され、ワイン、シードル等が例示される。
また、上記した酒税法により定義される「甘味果実酒」とは、果実または果実および水に糖類を加えてアルコール発酵させることにより製造される酒類、あるいはこれに糖類を加えてアルコール発酵させることにより製造される酒類、あるいはこれらの酒類にブランデー等、糖類、香味料または水を加えた酒類のうち上記果実酒に包含されない酒類であり、これらの酒類や上記果実酒に植物を浸してその成分を浸出させたもの、薬剤を加えたもの、またはこれらにブランデー等、糖類、香味料、色素若しくは水を加えたものも包含され、ポートワイン、マディラワイン、シェリー、ベルモット、サングリア等が例示される。
さらに、上記した酒税法により定義される「リキュール」とは、酒類と糖類その他の物品(酒類を含む)を原料とした酒類でエキス分が二度以上のものである。
そして、本発明のワインテイスト飲料は、乳酸菌(乳酸菌の菌体)を含有する。
乳酸菌は、糖類や有機酸などの有機物から代謝産物である乳酸を生成する細菌、つまり乳酸発酵をする細菌であり、漬物などの植物質に生育している(植物質から分離された)植物性乳酸菌や、乳製品などの動物質に生育している(動物質から分離された)動物性乳酸菌が知られている。本発明のワインテイスト飲料に含まれる乳酸菌の種類としては、ラクトバチラス(Lactobacillus)属乳酸菌(例えば、ラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチラス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチラス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチラス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチラス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)等)、ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌(例えば、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)等)、ペディオコッカス(Pediococcus)属乳酸菌(例えば、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)等)、オエノコッカス(Oenococus)属乳酸菌(例えば、オエノコッカス・オエニ(Oenococus oeni)等)、ラクトコッカス(Lactococcus)属乳酸菌(例えば、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)等)、ストレプトコッカス(Streptococcus)属乳酸菌(例えば、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)等)などであって良い。
なお、本発明の効果がより発揮され易いことから、本発明のワインテイスト飲料に含まれる乳酸菌は植物性乳酸菌であるのが好ましく、また、ラクトバチラス(Lactobacillus)属乳酸菌であるのが好ましい。特に、本発明のワインテイスト飲料のワインらしさなどをより増強させ易いことから、この乳酸菌はラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)に属する乳酸菌であるのがより好ましく、大麦から分離された(大麦由来の)乳酸菌であるラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)SBC8803(受託番号:FERM BP−10632)であるのがさらに好ましい。
ここで、このラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)SBC8803は、2006年6月28日に独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(郵便番号305−8566 日本国茨城県つくば市東1−1−1 中央第6、現在の独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(郵便番号292−0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8))に寄託された、受託番号がFERM BP−10632の菌株である。以下においては、この菌株を「SBL88株」という場合もある。
なお、本発明のワインテイスト飲料に含まれる乳酸菌は、その菌体自体が本発明の効果に影響していると考えられるため、生菌または死菌のいずれであっても良いが、本発明のワインテイスト飲料の品質等(特に保管時や流通時における品質等)を維持するのがより容易であることなどから、死菌であるのが好ましい。
また、本発明のワインテイスト飲料に乳酸菌を含有させるためには、乳酸菌菌体粉末や乳酸菌培養液だけなく、乳酸発酵原料、乳酸発酵食品などの乳酸菌含有原料も使用することができる。
そして、本発明のワインテイスト飲料においては、この乳酸菌の含有量(含まれる菌体の個数)を1.0×10個/100mL以上、好ましくは1.0×10個/100mL以上、より好ましくは1.0×10個/100mL以上、さらに好ましくは1.0×10個/100mL以上、さらに好ましくは5.0×10個/100mL以上、さらに好ましくは1.0×10個/100mL以上、さらに好ましくは5.0×10個/100mL以上、さらに好ましくは1.0×10個/100mL以上とする。ワインテイスト飲料において、味の厚み(飲用時における味のコク)および味の複雑さ(果実の味、甘味、酸味、渋みなどがいずれも突出せずに複雑に混ざり合って感じられる味)、ならびにワインらしさ(ワイン特有の香りおよび味)を増強させることができ、これによりワインテイスト飲料の香味を向上させることができるからである。さらに、酸味および渋みが程良く(酸味および渋みが強すぎず且つ弱すぎずワインテイスト飲料として適度なバランスで感じられ)、舌触りおよびざらつき(飲用時に舌に残る食感およびざらつき感)が好ましいワインテイスト飲料とすることもできる。
また、本発明のワインテイスト飲料においては、上記した乳酸菌の含有量を、好ましくは1.0×1012個/100mL以下、より好ましくは1.0×1011個/100mL以下、さらに好ましくは5.0×1010個/100mL以下、さらに好ましくは1.0×1010個/100mL以下、さらに好ましくは5.0×10個/100mL以下となるように調整すると、ワインらしさ等がより優れたワインテイスト飲料を得ることができるため非常に好適である。
ここで、本発明のワインテイスト飲料における乳酸菌の含有量、つまり含まれる菌体の個数は、例えば、蛍光染色法により測定することができる。この蛍光染色法とは、ワインテイスト飲料などの試料を希釈液(リン酸緩衝生理食塩水等)に懸濁し、これをメンブランフィルターで濾過し、メンブランフィルター上に捕集された菌体を蛍光色素であるDAPI(4´,6−diamidino−2−phenylindole)により染色した後、蛍光顕微鏡により観察および計測する方法である。
また、本発明のワインテイスト飲料に含まれる乳酸菌が生菌である場合には、培養法などの公知の生菌数測定方法によって含有量を測定することもできる。
そして、本発明のワインテイスト飲料における乳酸菌の含有量調整については、上記した測定方法により飲料中における乳酸菌の含有量を測定した後に必要に応じて希釈または濃縮する方法により行えば良い。また、乳酸菌の生菌を含む原料の乳酸菌数(生菌数)を培養法などの公知の方法によって測定し、この測定結果に基づき、本発明のワインテイスト飲料に含有させた際の菌体(生菌または死菌)の個数を算出、設計する方法によりこの調整を行っても良い。
なお、本発明のワインテイスト飲料中に乳酸菌の死菌を含有させる場合には、乳酸菌の生菌をワインテイスト飲料に含有させてから、このワインテイスト飲料を殺菌処理することにより死菌としても良いが、予め乳酸菌の死菌の含有量がわかっている、乳酸菌の死菌含有原料(例えば、生菌数測定後に殺菌処理された乳酸菌含有原料など)をワインテイスト飲料に含有させるのが、乳酸菌の含有量調整がし易いため好適である。
また、本発明のワインテイスト飲料には、乳酸菌以外の微生物の菌体(例えば酵母などの生菌または死菌)が含まれていても良いが、微生物の菌体として乳酸菌のみが含まれる構成であるのが、本発明の効果がより発揮され易いため好ましい。したがって、本発明のワインテイスト飲料は、その製造等において濾過処理がされていない無濾過ワインテイスト飲料よりも、酵母などの乳酸菌以外の微生物の菌体などを除去するために、その製造において乳酸菌の添加前に濾過処理された、もしくは乳酸菌含有原料以外は濾過処理がされた原料を用いて調合により製造された濾過処理ワインテイスト飲料であるのがより好ましい。
さらに、本発明のワインテイスト飲料は、乳酸菌によって乳酸発酵させた果汁である乳酸発酵果汁を含むのが好ましい。そして、本発明のワインテイスト飲料に含まれる乳酸菌は、この乳酸発酵果汁中に含まれていた乳酸菌、つまりこの乳酸発酵果汁の乳酸発酵に用いた乳酸菌(乳酸発酵果汁由来の乳酸菌)の生菌または死菌であるのが好ましい。
ここで、果汁とは、果肉を含む果実から得られた搾汁液(ストレート果汁)、その濃縮液(濃縮果汁)、またはその希釈液(希釈果汁)であり、この果肉を含む果実には、果皮などの果肉以外のものが含まれていても良く、あるいは果肉のみであっても良い。そして、この果汁(ストレート果汁、濃縮果汁、または希釈果汁)に乳酸菌の生菌を添加し、所定の条件において乳酸発酵させることにより乳酸発酵果汁を得ることができる。そして、得られた乳酸発酵果汁は、必要であれば加熱処理などの公知の殺菌方法による殺菌処理や、濃縮処理、希釈処理などが行われ、本発明のワインテイスト飲料に使用される乳酸菌を含む原料となる。
なお、本発明のワインテイスト飲料は、この乳酸発酵果汁を、乳酸発酵後に濃縮および希釈がされていない発酵果汁液の含有量として1w/v%以上含有するのが好ましく、2w/v%以上含有するのがより好ましく、3w/v%以上含有するのがさらに好ましく、3.5w/v%以上含有するのがさらに好ましく、5w/v%以上含有するのがさらに好ましい。また、この含有量は、40w/v%以下であって良く、30w/v%以下であっても良く、20w/v%以下であっても良く、15w/v%以下であっても良く、12w/v%以下であっても良く、10w/v%以下であっても良く、8w/v%以下であっても良い。乳酸発酵後に濃縮または希釈された乳酸発酵果汁を本発明のワインテイスト飲料に含有させる場合には、その濃縮率または希釈率と上記した数値範囲とを勘案してその含有量を適宜設定すれば良い。
そして、最終的に得られる本発明のワインテイスト飲料は、乳酸を5mg/L以上含むのが好ましく、10mg/L以上含むのがより好ましく、30mg/L以上含むのがさらに好ましく、50mg/L以上含むのがさらに好ましく、80mg/L以上含むのがさらに好ましく、100mg/L以上含むのがさらに好ましい。また、この乳酸含有量は、1000mg/L以下であっても良く、500mg/L以下であっても良く、300mg/L以下であっても良く、150mg/L以下であっても良く、100mg/L以下であっても良い。
さらに、乳酸発酵果汁を得るために使用する果汁は、ワインらしさ等を増強させ易いことからブドウ果汁(白ブドウ果汁、赤ブドウ果汁など)であるのが好ましいが、他の果汁(例えば、リンゴ果汁、モモ果汁、ナシ果汁、オレンジ果汁、グレープフルーツ果汁、レモン果汁、ベリー(ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー、グーズベリー、ブラックベリー、クランベリー等)果汁など)であっても良い。
なお、本発明のワインテイスト飲料には、乳酸発酵果汁とともに、上記した果汁が未発酵果汁として含まれていても良い。
また、本発明のワインテイスト飲料は、乳酸菌菌体との相性が良く本発明の効果が発揮され易いことから、上記した乳酸発酵果汁や果実酒などの果汁を発酵させて得られた原料である果汁発酵原料を含むことが好ましい。特に、ブドウ果汁を発酵させて得られたブドウ果汁発酵原料(ワイン、乳酸発酵ブドウ果汁など)を含むと非常に好適である。
そして、本発明のワインテイスト飲料は、赤ワイン(黒ブドウ果汁を発酵原料として使用したワイン)のような味および香りを呈する赤ワインテイスト飲料であると、特に赤ワインの渋みと乳酸菌との相性が非常に良く、本発明の効果がより発揮され易いため極めて好適である。
また、本発明のワインテイスト飲料に使用できる他の原料としては、酒類(酒税法(昭和二十八年六月三日法律第五七号)において定義される酒類)、糖類(グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、オリゴ糖など)、塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウムなど)、有機酸(クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸など)、リン酸、炭酸水、香料、着色料、甘味料(高甘味度甘味料など)、調味料、酸化防止剤(亜硫酸塩など)、pH調整剤、乳化剤等が挙げられる。
そして、本発明のワインテイスト飲料は、原料として水が使用されていなくても良いが、上記した原料の他に、原料として水が使用されていても良い。原料として水を使用する場合、この水は、得られるワインテイスト飲料の香味等の観点から純水であるのが好ましい。さらに、その含有率は、例えば、本発明のワインテイスト飲料の総容量に対して好ましくは5v/v%以上、より好ましくは8v/v%以上、さらに好ましくは10v/v%以上、さらに好ましくは12v/v%以上、さらに好ましくは15v/v%以上含まれていても良く、また、好ましくは50v/v%以下、より好ましくは40v/v%以下、さらに好ましくは30v/v%以下、さらに好ましくは20v/v%以下としても良い。
また、本発明のワインテイスト飲料には、原料としてベース酒が使用されていても良い。このベース酒とは、ワインテイスト飲料の製造において原料の一部として使用される香味のベースとなる果汁の発酵酒である。すなわち、このベース酒は、果汁のアルコール発酵、または果汁と糖類との混合物のアルコール発酵により得られる果実酒、および/または、上記した果実酒と、糖類または蒸留酒とを混合して得られる甘味果実酒である。なお、本発明においては、ブドウ果汁の発酵酒(例えばワインなど)をベース酒として用いるとより好適である。また、ベース酒のアルコール度数は、20v/v%未満(例えば10v/v%以上20v/v%未満)であっても良い。
さらに、上記したベース酒は、本発明のワインテイスト飲料の総容量に対して好ましくは5v/v%以上、より好ましくは10v/v%以上、さらに好ましくは20v/v%以上、さらに好ましくは30v/v%以上、さらに好ましくは40v/v%以上、さらに好ましくは50v/v%以上、さらに好ましくは60v/v%以上、さらに好ましくは65v/v%以上、さらに好ましくは70v/v%以上含むと好適であり、また、好ましくは95v/v%以下、より好ましくは90v/v%以下、さらに好ましくは85v/v%以下、さらに好ましくは80v/v%以下としても良い。
例えば、本発明のワインテイスト飲料が原料として水が使用された果実酒、甘味果実酒、混成酒などである場合には、本発明のワインテイスト飲料の総容量対して、5v/v%以上95v/v%以下のベース酒と、5v/v%以上50v/v%以下の水を含む構成が例示される。
そして、本発明のワインテイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%以上であるアルコール飲料(例えば、酒税法(昭和二十八年六月三日法律第五七号)において定義される酒類など)であっても良く、あるいは、アルコール度数1v/v%未満、より好ましくは0.5v/v%未満、さらに好ましくは0.1v/v%未満、さらに好ましくは0.05v/v%未満であるノンアルコール飲料であっても良い。本発明のワインテイスト飲料がノンアルコール飲料である場合には、清涼飲料(果実飲料、炭酸飲料など)であっても良い。
また、本発明のワインテイスト飲料がアルコール飲料である場合、そのアルコール度数は特に限定されないが、例えば、下限として1v/v%以上、さらには3v/v%以上、さらには5v/v%以上、さらには7v/v%以上の範囲が示され、上限として20v/v%以下、さらには15v/v%以下、さらには10v/v%以下の範囲が示される。ここで、本発明の「アルコール度数(v/v%)」は、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3−4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定する。そして、本発明において「アルコール」とは、エタノールを意味する。
なお、このアルコール度数は、その製造工程において、使用するベース酒やさらに添加する原料酒類(例えばアルコール度数が40v/v%以上の蒸留酒など)のアルコール度数や、その配合割合などによって調整することができる。そして、ベース酒以外に蒸留酒等をさらに添加する場合には、本発明のワインテイスト飲料におけるその配合量は、限定されるものではないが、0.1v/v%以上であって良く、0.5v/v%以上であって良く、1.0v/v%以上であって良い。また、10v/v%以下であって良く、8.0v/v%以下であって良く、5.0v/v%以下であって良く、3.0v/v%以下であって良い。すなわち、本発明のワインテイスト飲料は、その総容量に対して、ベース酒を5v/v%以上95v/v%以下含み、さらに蒸留酒等を0.1v/v%以上10v/v%以下含んでいても良い。そして、これらに加えて、5v/v%以上50v/v%以下の水を含んでいても良い。
さらには、本発明のワインテイスト飲料が醸造酒などである場合、そのアルコール発酵条件を制御することによりアルコール度数を調整することもできる。
ここで、ベース酒以外に添加する原料酒類としては、アルコール度数が40v/v%以上の蒸留酒を使用するのが好ましいが、これに限定されず、醸造酒や混成酒などを使用することもできる。また、最終的に得られる製品がワインテイスト飲料となるのであれば、このベース酒以外の原料酒類はワインテイスト飲料でなくても良い。
また、本発明のワインテイスト飲料のエキス分は、特段限定されないが、25.0w/v%以下であることが好ましく、20.0w/v%以下であることがより好ましく、15.0w/v%以下であることがさらに好ましく、12.0w/v%以下であることがさらに好ましく、10.0w/v%以下であることがさらに好ましく、8.0w/v%以下であることがさらに好ましく、6.0w/v%以下であることがさらに好ましい。本発明のワインテイスト飲料のエキス分の下限値についても、特に限定されないが、0.2w/v%以上であることが好ましく、1.0w/v%以上であることがより好ましく、3.0w/v%以上であることがさらに好ましく、4.0w/v%以上であることがさらに好ましい。
ここで、本発明のワインテイスト飲料のエキス分は、以下の式(1)により決定される。
(1)エキス分(w/v%)=(S−A)×260+0.21
式中、「S」は本発明のワインテイスト飲料の比重(15/4℃)であり、「A」は本発明のワインテイスト飲料のアルコール度数を比重(15/15℃)に換算して算出される値である。アルコール度数の比重(15/15℃)への換算は、日本国の国税庁所定分析法(訓令)の第2表「アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」に基づき行う。また、この式による計算の途中においては小数点以下5けた目を四捨五入し、最終的に得られるエキス分の値については小数点以下2けた目を切り捨てる。
また、本発明のワインテイスト飲料の比重(15/4℃)は、振動式密度計を用いて15℃における密度を測定し、得られた密度の値を0.99997で除することにより算出される。
さらに、本発明のワインテイスト飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性飲料(スパークリングワイン、炭酸飲料など)であっても良い。ここで、本発明において「発泡性」とは、20℃における炭酸ガス圧が0.05MPa以上であることを意味し、0.10MPa以上、さらには0.15MPa以上、さらには0.20MPa以上であっても良い。そして、この炭酸ガス圧は1.00MPa以下、さらには0.50MPa以下、さらには0.30MPa以下であっても良い。また、この炭酸ガスは、発酵により生成されたものであっても良く、原料として使用する炭酸水由来のものであっても良く、あるいはカーボネーション(炭酸ガス圧入)工程によりワインテイスト飲料に炭酸ガスを付与したものであっても良い。そして、このカーボネーション工程は、バッチ式で行っても良いし、配管路に炭酸ガス圧入システム(カーボネーター)が組み込まれたインライン方式で連続的に行っても良い。また、このカーボネーション工程は、フォーミング(泡噴き)の発生等を避けるために、液の液温を10℃以下(好ましくは4℃以下)として行うのが好適である。
以上のような構成を備える本発明のワインテイスト飲料は、ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、ならびにワインらしさが増強されて香味が向上し、さらには、酸味や渋みが程良く且つ舌触りおよびざらつきも好ましいものである。さらに、本発明のワインテイスト飲料は、ほのかな酸味と、まろやかでバランスのとれた味わいを有するものであると言うこともできる。
なお、本発明は、ワインテイスト飲料において、乳酸菌を1.0×10個/100mL以上含有させる、ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、ならびにワインらしさの増強方法を提供するものであるとも言える。そして、この方法では、乳酸菌により乳酸発酵された、この乳酸菌の菌体を含む乳酸発酵果汁を含有させて、ワインテイスト飲料において乳酸菌の含有量を1.0×10個/100mL以上とするのが好ましい。そして、前述した理由から、この乳酸菌として植物性乳酸菌を用いるのが好ましく、また、ラクトバチラス(Lactobacillus)属乳酸菌を用いるのが好ましく、ラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)に属する乳酸菌を用いるのがより好ましく、SBL88株を用いるのがさらに好ましい。例えば、このSBL88株により乳酸発酵されたSBL88株の菌体を含む乳酸発酵果汁をワインテイスト飲料に含有させて、SBL88株を上記した含有量以上としても良い。
次に、本発明に係るワインテイスト飲料の製造方法について詳細に説明する。
本発明のワインテイスト飲料の製造方法は、ワインテイスト飲料において乳酸菌を1.0×10個/100mL以上となるように含有させる工程を含む。さらに、上記した乳酸菌を含む乳酸発酵果汁を含有させる工程を含むと、つまりこの乳酸菌が乳酸発酵果汁由来であるとより好適である。そして、この乳酸菌は、前述と同様の理由から、植物性乳酸菌を用いるのが好ましく、また、ラクトバチラス(Lactobacillus)属乳酸菌を用いるのが好ましく、ラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)に属する乳酸菌を用いるのがより好ましく、SBL88株を用いるのがさらに好ましい。これらの工程は、例えば、乳酸菌菌体粉末を配合する工程や、乳酸菌を果汁に添加して乳酸発酵し、得られた乳酸発酵果汁を、含まれる乳酸菌菌体を除去せずに配合する工程などであって良い。なお、上記工程は1工程において併せて行っても良く、あるいは各工程の少なくとも1つを2工程以上に分けて行っても良い。そして、他の工程は、ワインテイスト飲料製造における常法にしたがえば良く、本発明の効果に影響を与えない範囲において任意の工程を含むことができ、特段限定はされない。
例えば、ワインテイストアルコール飲料を製造する方法の一例としては、まず、果実酒等をベース酒とし、このベース酒に乳酸菌(例えば乳酸菌粉末など)または乳酸菌を含む乳酸発酵果汁(例えば殺菌処理等がされた乳酸発酵果汁など)を所定量添加し、さらに他の原料等(純水、香料など)を添加し、必要であれば乳酸菌の含有量が所定の範囲内となるように容量などを調整して、製品とする方法が示される。なお、ノンアルコールワインテイスト飲料を製造する場合には、上記したベース酒に代えて、例えば糖類や未発酵果汁などを使用すれば良い。
また、他の例として、果汁原料等に酵母(ワイン酵母等)を添加してアルコール発酵工程を行い、得られた発酵液について貯酒(熟成)などの発酵後工程を行い、さらに酵母などを除去するための濾過処理を行った後、所定量の乳酸菌を添加し、必要であればさらに酸化防止剤などを添加して製品とする方法によりワインテイストアルコール飲料を製造しても良い。あるいは、所定量の乳酸菌、または所定量の乳酸菌を含む乳酸発酵果汁を含有する果汁原料等に酵母を添加してアルコール発酵工程を行い、得られた発酵液について貯酒(熟成)などの発酵後工程を行い、これも必要であれば酸化防止剤などを添加し、その後、濾過などによる菌体の除去を行うことなく製品(無濾過ワインテイストアルコール飲料)としても良い。
そして、本発明に係るワインテイスト飲料の製造方法は、本発明の効果が発揮され易く且つ乳酸菌の含有量調整などがし易いことから、マロラクティック発酵工程(耐アルコール性および耐酸性を有する乳酸菌の発酵によりリンゴ酸を乳酸に変換させる工程)を含まない方法であることが好ましい。
なお、本発明のワインテイスト飲料がアルコール飲料である場合には、そのアルコール度数は、前述したような製造工程においてアルコール発酵条件を制御する方法、発酵液や調合液などを蒸留または希釈する方法、果実酒等、ブランデー、原料用アルコールなどを添加する方法などによって調整することができる。
そして、本発明のワインテイスト飲料は、上記のようにして得られた製品を金属製容器(缶など)、ガラス製容器(スクリューキャップの瓶、コルク栓の瓶など)、ペットボトル容器、プラスチック容器(袋、パウチなど)、紙容器、樽(樽から直接注ぎ出すことが可能な形態)、サーバーなどに充填した容器詰飲料としても良い。このような容器詰飲料とすることにより、フレーバー等の経時劣化を抑制しやすいだけでなく、流通や販売などにおける利便性がより高まる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
<実施例1:ワインテイスト飲料の調製および官能評価I>
ベース酒に、後述する乳酸発酵果汁に用いた原料果汁と同じである未発酵白ブドウ果汁(未発酵果汁)、ラクトバチラス(Lactobacillus)属乳酸菌により乳酸発酵され且つ殺菌処理されたこの乳酸菌の死菌を含む乳酸発酵白ブドウ果汁(乳酸発酵果汁)、この乳酸発酵白ブドウ果汁を濾過して乳酸菌菌体を除去したもの(濾過処理された乳酸発酵果汁)、あるいは上記の未発酵果汁に乳酸を添加したもの(乳酸が添加された未発酵果汁)を、未発酵果汁は乳酸発酵直前の原料果汁と同じ状態での含有量として、乳酸発酵果汁、濾過処理された乳酸発酵果汁、および乳酸が添加された未発酵果汁はいずれも処理後(乳酸発酵および殺菌後、濾過後、または乳酸添加後)に濃縮および希釈がされていない果汁液の含有量として下記表1上段に示す含有量となるように混合し(サンプル0−1、およびサンプル4−1を除く)、さらに純水などの他の原料を混合し、蒸留酒(原料用アルコール)の添加によりアルコール度数を調整して、ベース酒が70v/v%以上、アルコール度数が9v/v%、エキス分が4〜6w/v%であり、乳酸菌死菌の含有量(乳酸菌数)が異なる下記表1に記載の15種類のワインテイストアルコール飲料サンプルを作製した。
なお、下記表1のサンプル0−1は果汁を含まないコントロールサンプルであり、サンプル0−2は上記の未発酵果汁を含む比較サンプルである。また、下記表1のサンプル1−1〜サンプル1−5は、乳酸菌の死菌を含有する上記の乳酸発酵果汁を含む本発明のワインテイスト飲料である。さらに、下記表1のサンプル2−1〜サンプル2−3は、濾過処理により乳酸菌の菌体が除去された(乳酸菌菌体を含んでいない)乳酸発酵果汁を含む比較サンプルである。さらには、下記表1のサンプル3−1〜サンプル3−3は、上記の乳酸発酵果汁と同じ乳酸含有量となるように乳酸(乳酸製剤)が添加された未発酵果汁を含む比較サンプルである。そして、これらのサンプルのベース酒はいずれも赤ワインを含む赤ワインテイスト飲料である。
また、下記表1のサンプル4−1は果汁を含まないコントロールサンプルであり、サンプル4−2は乳酸菌の死菌を含有する上記の乳酸発酵果汁を含む本発明のワインテイスト飲料である。そして、これらのサンプルのベース酒は白ワインを含む白ワインテイスト飲料である。
そして、得られた各サンプルにおける、ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、酸味、ワインらしさ、渋み、舌触りおよびざらつき、ならびに、ワインテイスト飲料としての総合評価について、訓練され官能的識別能力を備えた8名のパネリストにより、以下に示す評価基準を用いて各サンプルを官能評価した。
[ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、ならびに、ワインらしさの評価基準]
サンプル0−1におけるワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、ならびに、ワインらしさをいずれも0とし、このサンプル0−1との対比として、それぞれ、−3(全く感じない)から3(非常に強く感じる)の7段階により比較官能評価を行った。なお、白ワインテイスト飲料をベース酒としたサンプル4−1および4−2については、サンプル4−1における上記項目をいずれも0とし、このサンプル4−1との対比としてサンプル4−2を比較官能評価した。
[酸味、渋み、ならびに、舌触りおよびざらつきの評価基準]
サンプル0−1における酸味、渋み、ならびに、舌触りおよびざらつきをいずれも0とし、このサンプル0−1との対比として、それぞれ、−3(非常に弱い)から3(非常に強い)の7段階により比較官能評価を行った。なお、白ワインテイスト飲料をベース酒としたサンプル4−1および4−2については、サンプル4−1における上記項目をいずれも0とし、このサンプル4−1との対比としてサンプル4−2を比較官能評価した。
[ワインテイスト飲料としての総合評価の評価基準]
ワインテイスト飲料としての総合評価を、−3(非常に悪い)から3(非常に良い)の7段階により絶対評価を行った。
この官能評価結果(8名のパネリストの評価平均値)を下記表1下段に示した。この結果から、乳酸発酵果汁由来の乳酸菌の死菌を一定量以上含有させた本発明のワインテイスト飲料(サンプル1−1〜サンプル1−5、サンプル4−2)は、ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、ならびに、ワインらしさが増強されて香味が優れたものであり、さらに、舌触りおよびざらつきが強く、総合評価も高いことが明らかとなった。
また、乳酸菌の菌体が除去された乳酸発酵果汁を含有するサンプル2−1〜サンプル2−3、および乳酸含有量が調整された未発酵果汁を含有するサンプル3−1〜サンプル3−3との比較から、本発明のワインテイスト飲料は、ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ等が増強されて香味が優れたものとなるだけでなく、酸味や渋みが突出せず、これらがバランス良く適度に感じられることも示された。
そして、これらの結果から、乳酸菌の菌体自体が本発明の効果に寄与していることも明らかとなった。
Figure 2021094015
<実施例2:ワインテイスト飲料の調製および官能評価II>
ベース酒(赤ワインを含む赤ワインテイスト飲料)に、ラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)SBC8803(SBL88株)により乳酸発酵され且つ殺菌処理されたこのSBL88株の死菌を含む乳酸発酵白ブドウ果汁(SBL88株乳酸発酵果汁)を、乳酸発酵および殺菌後に濃縮および希釈がされていない発酵果汁液の含有量として下記表2上段に示す含有量となるように混合し、さらに純水などの他の原料を混合し、蒸留酒(原料用アルコール)の添加によりアルコール度数を調整して、ベース酒が70v/v%以上、アルコール度数が9v/v%、エキス分が4〜6w/v%であり、乳酸菌死菌の含有量(SBL88株菌数)が異なる2種類のワインテイストアルコール飲料サンプル(サンプル5−1およびサンプル5−2)を作製した。
そして、得られた各サンプルにおける、ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、酸味、ワインらしさ、渋み、舌触りおよびざらつき、ならびに、ワインテイスト飲料としての総合評価について、訓練され官能的識別能力を備えたパネリストの人数を6名とした以外は実施例1と同じ方法および同じ評価基準により、実施例1で作製したサンプル0−1とともに官能評価を行った。
この官能評価結果(6名のパネリストの評価平均値)を下記表2下段に示した。この結果から、SBL88株の死菌を一定量以上含有させた本発明のワインテイスト飲料(サンプル5−1およびサンプル5−2)は、ワインテイスト飲料としての味の厚みおよび複雑さ、ならびにワインらしさが増強されて香味が優れたものであり、さらに飲料のボリューム感やボディー感もアップしていた。また、渋みも良好であり、舌触りおよびざらつきも強く、総合評価も高いことが明らかとなった。
そして、上記した実施例1の結果と比較すると、乳酸菌としてラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)に属する乳酸菌であるSBL88株を含有させることにより、特にワインらしさがより増強されて香味が優れたワインテイスト飲料となることが明らかとなり、さらに、サンプル5−2は渋みや舌触りおよびざらつきについても極めて優れたワインテイスト飲料であることが明らかとなった。
Figure 2021094015

Claims (12)

  1. 乳酸菌を1.0×10個/100mL以上含有する、ワインテイスト飲料。
  2. 前記乳酸菌が1.0×1012個/100mL以下である、請求項1に記載のワインテイスト飲料。
  3. 前記乳酸菌が死菌である、請求項1または2に記載のワインテイスト飲料。
  4. 前記乳酸菌が植物性乳酸菌である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のワインテイスト飲料。
  5. 前記乳酸菌がラクトバチラス(Lactobacillus)属乳酸菌である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のワインテイスト飲料。
  6. 前記乳酸菌がラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)に属する乳酸菌である、請求項5に記載のワインテイスト飲料。
  7. 前記乳酸菌がラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)SBC8803(受託番号:FERM BP−10632)である、請求項6に記載のワインテイスト飲料。
  8. 乳酸発酵果汁を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のワインテイスト飲料。
  9. 前記ワインテイスト飲料がアルコール飲料である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のワインテイスト飲料。
  10. ワインテイスト飲料において乳酸菌を1.0×10個/100mL以上含有させる工程を含む、ワインテイスト飲料の製造方法。
  11. 前記乳酸菌を含む乳酸発酵果汁を含有させる工程を含む、請求項10に記載のワインテイスト飲料の製造方法。
  12. ワインテイスト飲料において、乳酸菌を1.0×10個/100mL以上含有させることを特徴とする、ワインテイスト飲料における味の厚みおよび複雑さ、ならびにワインらしさの増強方法。
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