JP2021093594A - 高周波増幅器 - Google Patents

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高志 住吉
Takashi Sumiyoshi
高志 住吉
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Abstract

【課題】小型化が可能な高周波増幅器を提供する。【解決手段】高周波増幅器1は、第1の経路上に設けられたキャリアアンプQ201と、第2の経路上に設けられキャリアアンプ201よりも飽和出力が大きなピークアンプQ301と、キャリアアンプQ201の出力と出力端子RF−Outとの間に1/4波長伝送線路TRL2と、キャリアアンプの入力と入力端子の間に、第1の経路を伝搬する高周波信号の位相と、第2の経路を伝搬する高周波信号の位相を出力合成点RF−Outにおいて整合する位相調整回路21を備えている。キャリアアンプQ201、ピークアンプQ301、1/4波長伝送線路TRL4、および、位相調整回路21は回路基板に搭載され、位相調整回路21はバンドパスフィルタ25を備えている。【選択図】図1

Description

本開示は、高周波増幅器に関する。
近年、移動体通信システムでは、メール送受信や音声通信だけでなく、データ通信を主軸として音楽や映像などの幅広いコンテンツを楽しむ多用性の高いものへと変化しており、大容量かつ広帯域の通信システム化が進められている。このため、システムの基地局装置などで用いられる無線電力増幅器には、低消費電力化・高効率化、小型・広帯域化が望まれる。高効率化を実現するための電力増幅器として、キャリアアンプ(「メインアンプ」ともいう。)およびピークアンプを有するドハティアンプが知られている。例えば、特許文献1には、ドハティ型増幅器(ドハティアンプ)の構造が開示されている。
特開2002-124840号公報
ここで、キャリアアンプとピークアンプが同じ形式の増幅器である場合、端的には、両アンプがトランジスタ(FET)一段構成であり、採用するトランジスタが同じもので、そのゲートバイアス条件のみが異なる時のドハティアンプは対称ドハティアンプと呼ばれる。また、ピークアンプがキャリアアンプに比較してサイズが大きい場合(飽和出力が大きい場合)には非対称ドハティアンプと呼ばれる。ドハティアンプでは、通常キャリアアンプ、ピークアンプの各トランジスタの前、後段にはマッチング回路を設けられる。非対称ドハティアンプの場合、二つのトランジスタの構成が異なるため、それぞれの位相シフト量(ゲート−ドレイン間では理想的にはその信号位相がπだけ異なる)が同様であるとしても、トランジスタ外部に設けるマッチング回路の構成が異なるため、その位相シフト量が異なる。
例えば、特許文献1に開示されたドハティ型増幅回路では、ピークアンプの入力側に、1/4波長線路に加えて位相器を設けて2つのアンプの出力電力の合成を行っている。しかしながら、非対称ドハティアンプでは、ピークアンプの入力側に設ける位相器を、一般的な伝送線路で構成した場合、増幅器の小型化が難しいという問題がある。
本開示は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、小型化が可能な高周波増幅器を提供することをその目的とする。
本開示の一態様に係る高周波増幅器は、入力端子と出力端子を有し、前記入力端子に入力された高周波信号を増幅し前記出力端子を介して出力する高周波増幅器であって、前記入力端子と前記出力端子を接続する第1の経路上にあって、前記高周波信号の増幅動作を行うキャリアアンプと、前記該入力端子と前記出力端子との間で前記第1の経路と並列に設けられた第2の経路上であって、前記キャリアアンプと大きさの異なる飽和出力を有し、かつ、前記キャリアアンプの出力が所定の値より大きくなった場合に増幅動作を開始するピークアンプと、前記キャリアアンプの出力と前記出力端子との間に設けられ前記キャリアアンプの出力信号を位相遅延する1/4波長伝送線路と、前記キャリアアンプの入力と前記入力端子の間に設けられ、前記第1の経路を伝搬する前記高周波信号の位相と、前記第2の経路を伝搬する前記高周波信号の位相を前記出力端子において整合する位相調整回路と、前記キャリアアンプ、前記ピークアンプ、前記1/4波長伝送線路、および、前記位相調整回路を搭載する回路基板と、を有し、前記位相調整回路はバンドパスフィルタを備える。
本開示によれば、高周波増幅器の小型化を達成できる。
本開示の一態様に係る高周波増幅器の回路ブロック図である。 本開示の一態様に係る高周波増幅器の実装図である。 本開示の一態様に係る高周波増幅器のドライバアンプ部の回路図である。 本開示の一態様に係る高周波増幅器のドライバアンプ部の実装図である。 本開示の一態様に係る高周波増幅器のドハティアンプ部の回路図である。 本開示の一態様に係る高周波増幅器のドライバアンプ部の実装図である。 周波数に対する位相シフト量を説明するためのグラフである。 周波数に対する通過特性を説明するためのグラフである。 反射特性を説明するためのスミスチャートである。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示に係る高周波増幅器は、(1)入力端子と出力端子を有し、前記入力端子に入力された高周波信号を増幅し前記出力端子を介して出力する高周波増幅器であって、前記入力端子と前記出力端子を接続する第1の経路上にあって、前記高周波信号の増幅動作を行うキャリアアンプと、前記該入力端子と前記出力端子との間で前記第1の経路と並列に設けられた第2の経路上であって、前記キャリアアンプと大きさの異なる飽和出力を有し、かつ、前記キャリアアンプの出力が所定の値より大きくなった場合に増幅動作を開始するピークアンプと、前記キャリアアンプの出力と前記出力端子との間に設けられ前記キャリアアンプの出力信号を位相遅延する1/4波長伝送線路と、前記キャリアアンプの入力と前記入力端子の間に設けられ、前記第1の経路を伝搬する前記高周波信号の位相と、前記第2の経路を伝搬する前記高周波信号の位相を前記出力端子において整合する位相調整回路と、前記キャリアアンプ、前記ピークアンプ、前記1/4波長伝送線路、および、前記位相調整回路を搭載する回路基板と、を有し、前記位相調整回路はバンドパスフィルタを備える。キャリアアンプの入力側にチップ部品から構成可能な位相調整回路を設けているため、高周波増幅器の小型化を達成できる。
(2)本開示の高周波増幅器の一態様は、前記バンドパスフィルタが、第1のチップインダクタとチップキャパシタの並列回路により構成される。これにより、位相調整回路を伝送線路で形成する場合に比べて、高周波増幅器の小型が可能になる。
(3)本開示の高周波増幅器の一態様は、前記位相調整回路が、前記バンドパスフィルタの前段にインピーダンス調整回路をさらに備える。これにより、位相調整尤度を大きくするとともに、高周波増幅器の透過特性および反射特性が良好になる。
(4)本開示の高周波増幅器の一態様は、前記インピーダンス調整回路が、第2のチップインダクタを含む。これにより、高周波増幅器の小型が可能になる。
(5)本開示の高周波増幅器の一態様は、前記入力端子に与えられた前記高周波信号を前記第1の経路および前記第2の経路に分配する3dBカプラをさらに含む。これにより、高周波増幅器の小型が可能になる。
(6)本開示の高周波増幅器の一態様は、前記入力端子と前記3dBカプラとの間に、前記高周波信号を増幅するドライバアンプをさらに有する。これにより、高周波増幅器の高出力化を図ることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を参照しながら、本開示の高周波増幅器に係る好適な実施形態について説明する。以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。なお、本発明はこれらの実施形態での例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内および均等の範囲内におけるすべての変更を含む。また、複数の実施形態について組み合わせが可能である限り、本発明は任意の実施形態を組み合わせたものを含む。
図1は、本開示の一態様に係る高周波増幅器の回路ブロック図であり、図2は、本開示の一態様に係る高周波増幅器の実装図である。
高周波増幅器1は、ドハティアンプ部100を備えており、このドハティアンプ部100の入力側に、さらにドライバアンプ部10が設けられていてもよい。以下の実施形態では、ドライバアンプ部10を備えた高周波増幅器1について説明する。
ドライバアンプ部10は、例えば、出力10WのドライバアンプQ101を備えており、ドライバアンプQ101の前後に、それぞれ入力マッチング回路11と出力マッチング回路12を有している。ドハティアンプ部100は、波長λの入力信号を均等に二分する分配器としての3dBカプラ20と、二分したそれぞれの信号を受ける第1の経路に設けられたキャリアアンプQ201と、第2の経路に設けられたピークアンプQ301と、キャリアアンプQ201とピークアンプQ301のアンプの出力を合成する回路、とにより構成される。
キャリアアンプQ201の前後には、それぞれ入力マッチング回路22と出力マッチング回路23が設けられており、入力マッチング回路22の前段には、位相調整回路21が設けられている。位相調整回路21は、インピーダンス調整回路24、バンドパスフィルタ25を含む。また、ピークアンプQ301の前後にも、それぞれ入力マッチング回路31と出力マッチング回路32が設けられている。本実施形態では、例えば、キャリアアンプQ201は出力15W、ピークアンプQ301は出力30Wのアンプが用いられ、非対称ドハティアンプとして構成される。ここで、10W出力とは専らFETのサイズを表し、常に10Wを出力しているわけではなく、10W出力に足るサイズを有しているという意味で用いている。また、対象とする周波数は、3.6GHz、4.8GHz、2.6GHzの三種である。
キャリアアンプQ201はA級またはAB級で動作するため、入力信号が如何なる強度であろうとも増幅動作を行う。ただし、出力飽和点が存在する。ピークアンプQ301は、B級またはC級で動作する。具体的には、キャリアアンプQ201が飽和点に達した時に増幅動作を開始する。そして、キャリアアンプQ201が飽和点に維持されている間、順次その出力を高めていく。ピークアンプQ301が増幅動作を行っていない時は、その出力は理想的にはオープンと見做される。そのため、キャリアアンプQ201の出力が1/4波長(またはλ/4)伝送線路TRL2を介して出力合成点RF−Outに現れ、この出力合成点RF−Outから図示しないインピーダンス(Z)変換用伝送線を介して負荷に与えられる。
ピークアンプQ301が動作を開始すると、その出力インピーダンスはオープン状態から次第に有意な値に減じ、キャリアアンプQ201、ピークアンプQ301がともに出力飽和点に達した時に、出力インピーダンスはともに、例えば50Ωと見做されるように1/4波長伝送線路TRL2のインピーダンスが設定される。ちなみに、キャリアアンプQ201のみが動作する小出力領域では、キャリアアンプQ201の出力効率を最大とするために、その負荷は50Ωより大きな値、例えば、100Ωに設定されることが多い。
本実施形態の高周波増幅器1は、通常のPCB基板2上に伝送線路を含む配線、チップキャパシタ等の部品をソルダリングするためのランドを形成し、ドライバアンプQ101、キャリアアンプQ201、ピークアンプQ301、および、3dBカプラ20等を搭載している。PCB基板2の裏面は全面金属とし、かつ、放熱のために図示しない金属製ベースとなる金属板を接着している。ドライバアンプQ101、キャリアアンプQ201、ピークアンプQ301の各アンプは、PCB基板2を刳り貫き、金属製ベース上に直接搭載し、その後、黒樹脂によりポッティング封止されている。3dBカプラ20はパッシブカプラであり、高周波信号の波長λに対して、二つの1/4波長伝送線路を平行させ、両者間の距離で分岐量を調整している。キャリアアンプQ201出力側の1/4波長伝送線路TRL2は配線パターンで形成している。なお、3dBカプラ20もλ/4伝送線路を含んでいるが、3dBカプラの基板の厚さ、その材質(誘電率)により、1/4波長線路TRL2とは長さが異なる。
次に、高周波増幅器1の詳細について説明する。まず、ドライバアンプ部10の回路構成の例について説明する。図3は、本開示の一態様に係る高周波増幅器のドライバアンプ部の回路図であり、図4は、本開示の一態様に係る高周波増幅器のドライバアンプ部の実装図である。
図3に示すように、ドライバアンプ部10の入力端子RF−Inから入力した高周波信号は、入力マッチング回路11を介して、10W出力のFETからなるドライバアンプQ101のゲートに入力される。入力マッチング回路11は、インダクタL101、キャパシタC101、キャパシタC102から構成されており、ドライバアンプQ101のゲートを入力端子RF−Inから見込んだインピーダンスが、例えば50Ωに変換するためのマッチング回路となる。ドライバアンプQ101のゲートバイアスは、バイアス電源Vg1からインダクタL102を介して与えられる。インダクタL102の値は、例えば3.9nHであり、バイアス電源Vg1を高周波信号に対して交流的に遮断する十分な大きさを有する。キャパシタC103はバイアス電源Vg1のバイパスキャパシタである。
ドライバアンプQ101のドレイン出力は、インダクタL103を介して取り出される。インダクタL103は、キャパシタC105とキャパシタC106とともに出力マッチング回路12を構成している。出力マッチング回路12は、インピーダンス(Z)整合を目的とするものではなく、ドライバアンプQ101の効率を最大とするように、インダクタL103、キャパシタC105、および、キャパシタC106の値が設定される。出力マッチング回路12からの高周波信号出力は、出力端子aに出力される。ドレインバイアスはゲートバイアスと同様に、バイアス電源Vd1からインダクタL104を介して供給される。インダクタL104の値は、例えば3.9nHであり、出力信号の周波数に対して十分高いインピーダンスとなる値を有する。キャパシタC104は、キャパシタC103と同様のバイアス電源Vd1のバイパスキャパシタである。
図4の実装図に示すように、バイアス電源Vg1、Vd1から各ゲート、ドレインに向けて幅の狭い配線を介して各バイアスが供給される。この狭幅配線もインダクタンス効果を発揮している。なお、実装図では、ゲートにC、ゲートバイアスにRで示される部品が実装されているが、これは実際の回路ではショートされる部品である。
次に、ドハティアンプ部100の回路構成の例について説明する。図5は、本開示の一態様に係る高周波増幅器のドハティアンプ部の回路図であり、図6は、本開示の一態様に係る高周波増幅器のドハティアンプ部の実装図である。
ドライバアンプQ101のドレイン出力は、出力マッチング回路12を介して、ドライバアンプ部10の出力端子aから3dBカプラ20に与えられる。ドライバアンプ部10の出力端子aは、ドハティアンプ部100にとっては入力端子aとなる。3dBカプラ20は、入力端子INから入力した信号は、ISO(Isolation)端子が二つの抵抗R401、R402の並列回路により50Ωの値で終端されることで、THRU(Through)端子と、COUP(Couple)端子に等分される。COUP端子は、第1の経路に設けられたキャリアアンプ(メインアンプ)Q201に、また、THRU端子は、第1の経路と並列の第2の経路に設けられたピークアンプQ301にそれぞれ接続される。
3dBカプラ20のCOUP端子から提供され3dBカプラ20の入力信号の1/2の電力を有する高周波信号は、第2のインダクタL2からなるインピーダンス調整回路24を通過した後、第1のインダクタL3、キャパシタC2からなるバンドパスフィルタ25に入力される。すなわち、バンドパスフィルタ25は、3dBカプラ20のCOUP端子に接続されたインダクタL2の出力側とグランド電位部GNDに接続された、インダクタL3とキャパシタC2との並列回路とから構成されており、L3//C2と表現できる。ここで、「//」は並列接続を意味する。
キャパシタCとインダクタLの並列回路C//Lは、1/(C×L)-1/2で決定される共振周波数fcでインピーダンスが最大値となる。したがって、L3//C2のバンドパスフィルタ25は共振周波数fcの周波数の信号を通過させ、それ以外の信号を遮断するバンドパスフィルタとして機能する。また、このバンドパスフィルタ25は、通過高周波信号の位相を、共振周波数fcを中心として大きく変化させる。共振周波数fcより十分低い帯域では位相変化はほぼ0°、十分に高い周波数では180°、ゆえに共振周波数fcでの90°を中心に±90°の位相変化を与える。実際には後段に接続するキャリアアンプQ201を含めた回路のインピーダンスに依存して、その周波数特性(通過強度、位相)は変動するが、バンドパスフィルタとして機能する点に変わりはない。本実施形態のドハティアンプ部100では、キャリアアンプQ201の入力段に、このバンドパスフィルタを設けることで、キャリアアンプQ201の出力とピークアンプQ301の出力とを出力合成点RF−Outでそれらの位相差が0°になるように合波させている。
位相調整回路21の後段には、キャパシタC201、C202、C203で構成される入力マッチング回路22を設けている。キャリアアンプQ201のゲートはキャパシタC202によって、前段の位相調整回路21と直流的に遮断されているため、バイアス電源Vg2からのゲートバイアスはキャリアアンプQ201を的確にバイアスすることができる。インダクタL202、キャパシタC204の構成はドライバアンプQ101のそれらと同様である。また、図6の実装図を参照すると、このバイアス回路にも調整用の抵抗R1を設けているが、抵抗R1は実際の回路ではショートされる。
キャリアアンプQ201のドレイン出力は直流遮断用のキャパシタC206(3pF)介して、ドハティネットワークと呼ばれる出力ネットワークに与えられる。キャパシタC206の前段にはインダクタL203を介して、バイアス電源Vd2からドレインバイアスが提供される。キャパシタC205は、バイアス電源Vd2のバイパスキャパシタである。図6の実装図に示すように、ドレインバイアス回路はドライバアンプQ101と相違して幅狭の線路ではなく比較的広幅線路を介して供給される。これは、キャリアアンプQ201がドライバアンプQ101よりも大電流が流れるためである。出力マッチング回路23は伝送線路TRL1、キャパシタC207で構成される。そして、キャリアアンプQ201側のドハティネットワークは、この出力マッチング回路32と信号を90°位相遅延するための1/4波長伝送線路TRL2とから構成される。図6では、1/4波長伝送線路TRL2のレイアウトは簡略化されて描かれているが、実際の実装では所望の特性が得られるように工夫されたレイアウトが行われる。
3dBカプラ20のCOUP端子から提供され3dBカプラ20の入力信号の1/2の電力を有する高周波信号は、キャパシタC301、インダクタL301、キャパシタC302、キャパシタC303の2段のマッチング回路を有する入力マッチング回路31を介して、ピークアンプQ301に入力される。ピークアンプQ301のゲートバイアスは、バイアス電源Vg3からインダクタL302、抵抗R2を介して提供される。抵抗R2の機能はドライバアンプQ101の抵抗R、キャリアアンプQ201の抵抗R1と同様の調整用のものであり、実際の回路では抵抗R2はショートされる。キャパシタC304は、バイアス電源Vg3のバイパスキャパシタである。
ピークアンプQ301のドレイン出力は、直流遮断のためのキャパシタC306を介して、出力ネットワークであるピークアンプQ301側のドハティネットワークに提供される。キャパシタC306の前段からインダクタL303を介して、バイアス電源Vd3からドレインバイアスが提供される。キャパシタC305は、バイアス電源Vd3のバイパスキャパシタである。ピークアンプQ301の出力マッチング回路32はキャパシタC307、伝送線路TRL3、および、キャパシタC308により構成される。
本実施形態では、ピークアンプQ301はその飽和出力の大きさが、キャリアアンプQ201の2倍となっているので、出力マッチング回路32で最適マッチングを得るための位相回転量が、ピークアンプQ301の方がキャリアアンプQ201の場合よりも大きい。この位相回転量をキャパシタ1段で得るためにはキャパシタの容量が大きくなり、キャパシタ(チップキャパシタ)有する寄生成分に影響により、1段のキャパシタで必要な位相回転量を達成するには無理が生ずる。このため、本実施形態では、ピークアンプQ301側の出力マッチング回路32をキャパシタ2段の構成としている。そして、ピークアンプQ301側のドハティネットワークは、この出力マッチング回路32と伝送線路TRL4により構成している。図6では、伝送線路TRL4のレイアウトは簡略化されて描かれているが、実際の実装では所望の特性が得られるように工夫されたレイアウトが行われる。
非対称ドハティアンプでは、ピークアンプの大きさ(サイズ、端的にはゲート幅)をキャリアアンプに対して大きく設定する。本実施形態では、ピークアンプQ301の大きさをキャリアアンプQ201の2倍に設定している。この場合、ピークアンプQ301側での位相回転量が大きくなる。一般の対称ドハティアンプでは、ピークアンプQ301の入力段に90°の位相遅延のための伝送線路(1/4波長伝送路線)を挿入してドハティネットワークの出力段におけるキャリアアンプからの信号とピークアンプからの信号の位相を一致させている。
しかしながら、本実施形態のような非対称ドハティアンプでは、ピークアンプQ301側の位相回転量が大きくなるため、ピークアンプQ301側のドハティネットワークに特段の位相遅延回路を挿入しない場合であっても、ピークアンプ経路の位相遅れが90°以上になる場合がある。この場合、キャリアアンプQ201側に位相遅延回路を挿入することにより、小さい位相遅延回路によって、キャリアアンプQ201とピークアンプQ301の出力を0°の位相差で合波させることが可能になる。
なお、キャリアアンプの出力段に挿入される90°位相遅延のための伝送線路(1/4伝送線路)TRL2は、キャリアアンプとピークアンプの2つのアンプの出力を合成するために必須の構成である。この伝送線路を、例えば、90°の位相遅延より小さい(短い)伝送線路、あるいは、90°の位相遅延より大きい(長い)伝送線路に変更することはできない。ドハティアンプでは、この伝送線路が90°の位相遅延を有することが要請される。
本実施形態では、キャリアアンプQ201の入力段に位相調整回路21を設け、さらに、この位相調整回路21をバンドパスフィルタ、具体的には、信号線とグランド電位部GNDとの間に挿入されるL//C(LC並列)回路L3//C2とすることで、位相調整尤度を大きくすると同時に信号周波数以外の周波数を遮断している。さらに、L//C回路のチップ部品を基板上に搭載したことによって、伝送線路で位相調整を行う場合と比較して、各段に小さい基板サイズを実現することを可能にしている。例えば、図2に示す実装図では、縦7mm×横10mmの基板サイズを実現している。チップ部品であれば、多種の規格(サイズ、インダクタ/キャパシタ値)の製品が市場で入手可能であり、限られた面積のPCB基板2上に搭載可能となり、かつ、位相シフト量も部品交換で容易に実現できる。
(位相シフト特性)
次に、位相調整回路21の位相シフト特性について説明する。図7は、周波数に対する位相シフト量を説明するためのグラフである。図7において、実線で示す特性11は、位相シフトを長さ3mm、幅0.4mmの伝送線路で行った際の特性を示し、点線で示す特性12は、バンドパスフィルタ25を構成する、信号線とグランド電位部GNDに挿入されるインダクタL3を0.7nH、信号線とグランド電位部GNDに挿入されるキャパシタC2を1.9pFの値に設定した際の特性を示している。バンドパスフィルタ25の各チップ部品の値を、これらの値に設定すると、点P1で示すように、周波数がほぼ5GHzにおいて、必要な位相シフト量−29°が得られる。
この場合、各チップ部品の大きさは、0.6mm×0.3mmであり、チップ部品間隔0.15mmと仮定すると、位相調整回路21の面積は、(0.3×3+0.15×2)×0.6=0.72mmとなる。これにより、位相シフトを伝送線路で行う場合の1.2mm(=3×0.6)に比べて、40%の面積の削減が可能となる。
(通過特性と反射特性)
次に、バンドパスフィルタ25とインピーダンス調整回路24に関する通過特性と反射特性について説明する。図8は、周波数に対する通過特性を説明するためのグラフであり、図9は反射特性を説明するためのスミスチャートである。図9では、位相調整回路21の入力端子からキャリアアンプQ201を見込んだときの反射特性(S11)を示している。図8、図9において、実線で示す特性21、特性31は、インピーダンス変換を伝送線路のみで構成した場合の特性を示し、破線で示す特性22、特性32は、インピーダンス変換をバンドパスフィルタ25で行った場合の特性を示し、さらに、一点差線で示す特性22、特性32は、バンドパスフィルタ25にさらに前段にインダクタL2からなるインピーダンス調整回路24を追加したときの特性を示している。伝送線路およびバンドパスフィルタ25の構成は、図7で説明したものと同じである。
図8の特性21に示すように、位相シフトを伝送路線で行う場合は、周波数の変化する損失はゼロとなり、伝送線路の幅で決定される反射特性(S11)は、図9の特性31で示すように、中央(Zo)から等距離の円となる。そして、周波数が5GHzでは、点P2で示すZo×(1.072+j0.159)=1.083×Zoで与えられる位相シフトを示す。なお、伝送線路の幅が規定値とおりであれば、特性31は中心点に収斂する。
バンドパスフィルタ25のみを設けた場合は、インダクタLとキャパシタCの抵抗成分が実質ゼロであると仮定すると、図8の特性22で示すように、共振周波数fcの5GHzでは、点P1で示すように損失は0dBとなる。しかし、反射特性(S11)については、周波数が5GHzでは、図9の特性32の点P2で示すように、Zo×(0.744−j0.418)=0.88×Zoとなり、Zoからずれてしまう。
バンドパスフィルタ25にインダクタL2からなるインピーダンス調整回路24を追加したときは、図8の特性23で示すように、共振周波数fcの5GHzの点P1で示すように損失は0dBとなる。さらに、反射特性(S11)についても、周波数が5GHzでは、図9の特性33の点P3で示すように、Zo×(1.145−j0.235)=1.17×Zoとなり、透過特性および反射特性とも実用可能な値が得られる。
このように、本実施形態では、非対称ドハティアンプのキャリアアンプ側の前段に、位相シフトのための位相調整回路として、バンドパスフィルタを適用し、位相シフトを行っている。このため、位相調整回路を小型のチップ部品(チップインダクタ、チップキャパシタ)により構成することが可能となり、高周波増幅器の小型化が可能となっている。また、バンドパスフィルタによる帯域外周波数の利得を低減することができる。また、バンドパスフィルタの前段にインピーダンス調整回路を挿入することにより、バンドパスフィルタの入力インピーダンスを50Ωにコントロールできるため、キャリアアンプの入力マッチング回路への影響及び損失が少ない。さらに、チップ部品であれば、多種の規格(サイズ、インダクタ/キャパシタ値)の製品が市場で入手可能であるため、位相シフト量も部品交換で容易に実現できる。
1…高周波増幅器、
2…PCB基板、
10…ドライバアンプ部、
11…入力マッチング回路、
12…出力マッチング回路、
20…3dBカプラ、
21…位相調整回路、
22…入力マッチング回路、
23…出力マッチング回路、
24…インピーダンス調整回路、
25…バンドパスフィルタ、
31…入力マッチング回路、
32…出力マッチング回路、
100…ドハティアンプ部、
C,C2,C101〜C106,C201〜C207,C301〜C308…キャパシタ、
GND…グランド電位部、
L,L2,L3,L101〜L104,L202,L203、L301〜L303…インダクタ、
Q101…ドライバアンプ、
Q201…キャリアアンプ、
Q301…ピークアンプ、
R,R401,R402…抵抗、
RF−In…入力端子、
RF−Out…出力合成点、
TRL1…伝送線路、
TRL2…1/4波長伝送線路、
TRL3,TRL4…伝送線路、
Vd1,Vd2,Vd3…バイアス電源、
Vg1,Vg2,Vg3…バイアス電源
a…出力端子(入力端子)。

Claims (6)

  1. 入力端子と出力端子を有し、前記入力端子に入力された高周波信号を増幅し前記出力端子を介して出力する高周波増幅器であって、
    前記入力端子と前記出力端子を接続する第1の経路上にあって、前記高周波信号の増幅動作を行うキャリアアンプと、
    前記該入力端子と前記出力端子との間で前記第1の経路と並列に設けられた第2の経路上であって、前記キャリアアンプと大きさの異なる飽和出力を有し、かつ、前記キャリアアンプの出力が所定の値より大きくなった場合に増幅動作を開始するピークアンプと、
    前記キャリアアンプの出力と前記出力端子との間に設けられ前記キャリアアンプの出力信号を位相遅延する1/4波長伝送線路と、
    前記キャリアアンプの入力と前記入力端子の間に設けられ、前記第1の経路を伝搬する前記高周波信号の位相と、前記第2の経路を伝搬する前記高周波信号の位相を前記出力端子において整合する位相調整回路と、
    前記キャリアアンプ、前記ピークアンプ、前記1/4波長伝送線路、および、前記位相調整回路を搭載する回路基板と、
    を有し、
    前記位相調整回路はバンドパスフィルタを備える、高周波増幅器。
  2. 前記バンドパスフィルタが、第1のチップインダクタとチップキャパシタの並列回路により構成される請求項1に記載の高周波増幅器。
  3. 前記位相調整回路は、前記バンドパスフィルタの前段にインピーダンス調整回路をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の高周波増幅器。
  4. 前記インピーダンス調整回路が、第2のチップインダクタを含む、請求項3に記載の高周波増幅器。
  5. 前記入力端子に与えられた前記高周波信号を前記第1の経路および前記第2の経路に分配する3dBカプラをさらに含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の高周波増幅器。
  6. 前記入力端子と前記3dBカプラとの間に、前記高周波信号を増幅するドライバアンプをさらに有する、請求項5に記載の高周波増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11298202A (ja) * 1998-04-09 1999-10-29 Murata Mfg Co Ltd バンドパスフィルタ及び2逓倍回路
JP2002124840A (ja) * 2000-10-13 2002-04-26 Mitsubishi Electric Corp ドハティ型増幅器
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