JP2021091933A - アルミニウム多孔質焼結体及び該アルミニウム多孔質焼結体の製造方法 - Google Patents

アルミニウム多孔質焼結体及び該アルミニウム多孔質焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】屈曲した連通孔を有し、気孔率が高くて、表面積が大きく、また、高い強度を有し、曲げ応力による亀裂を抑制できるアルミニウム多孔質焼結体を提供する。【解決手段】アルミニウム多孔質焼結体であって、前記アルミニウム多孔質焼結体は酸素含有量が0.35重量%以下、及び/又は、焼結前と焼結後の酸素含有量の増加量が0.08重量%以下であり、気孔率が30〜75%であり、屈曲した連通孔を有するアルミニウム多孔質焼結体。【選択図】図3

Description

本発明は、アルミニウム多孔質焼結体に関する。詳しくは、該アルミニウム多孔質焼結体は、屈曲した連通孔を有し、気孔率が高くて、表面積が大きく、また、高い強度を有し、曲げ応力による亀裂を抑制できるアルミニウム多孔質焼結体に関する。
アルミニウムは電気や熱の伝導率が大きい良導体であり、その密度は約2.7g/cmと金属材料の中でも小さく、軽金属に分類される。
アルミニウム多孔質焼結体は、相対密度は小さく、外部と接する表面積は大きくなることから、従来から、フィルターや吸振材料として適用されている。
また、アルミニウム多孔質焼結体であれば、大きな表面積を有するから、熱交換器用の熱媒体の通路部材に使用した場合は、熱交換性能を向上させることができる。
リチウムイオン二次電池の正極集電体としてアルミニウム箔が用いられているが、連通孔を有するアルミニウム多孔質焼結体を用いれば、表面だけでなく孔部にまで活物質を含む合剤を充填することができるため、集電部の面積が増加し、体積当たりの活物質量を増加させることができる。
また、電極に使用すれば、その内部まで電解液が浸透するから、電解液の保液性を向上させることができる。
電解液の保液性の向上は、表面と電解液との間の反応性を良くし、電池の高容量・高寿命化に寄与することが期待される。
また、アルミニウム箔上に活物質を含む合剤の塗布は、通常、片面ずつ2回行なうが、アルミニウム多孔質焼結体を用いて浸漬すると一度に塗布できるという利点もある。
今後、多種用途に連通孔のあるアルミニウム多孔質焼結体の採用が見込まれるが、アルミニウムは強固な表面酸化皮膜を有することから焼結し難いという問題がある。
そこで、簡便な方法で製造できるアルミニウム多孔質焼結体であって、高い強度のアルミニウム多孔質焼結体開発が望まれている。
特開昭57−174484号公報 特開平5-339605号公報 特許第5402380号公報
金属の多孔質焼結体は、金属の繊維や粉末の焼結若しくは金属の溶湯への発泡助剤の添加など、多くの方法で製造することができる。
特許文献1には、連通孔を有する発泡樹脂の骨格表面を導電化処理してメッキした後に、加熱して樹脂を分解除去する方法が記載されている。
しかし、一般にアルミニウムは水溶液中でメッキをすることができないため、特許文献1に記載されるようなメッキによる製造は実質上不可能である。
特許文献2には、金属粉末に分散媒を加えて粘度が50〜1000cpのスラリー液を作製し、シート状の発泡樹脂に塗着含浸させ、これを乾燥焼成し、例えば、水素気流中で発泡樹脂の樹脂分を消失させ、金属粉末を焼結させる方法が記載されている。
特許文献2で記載される方法では、金属粉末にアルミニウムを含むという明確な記載はないものの、同様の方法でアルミニウムも適応できるものと推測できるが、アルミニウム表面には安定な酸化物層がち密に形成されているために、活性な金属であるにも関わらず大気中で安定であり、また、酸化物の標準生成自由エネルギーと温度の関係から、融点までの温度で、水素気流中でアルミニウムの酸化物をアルミニウムに還元することは困難であることがわかる。
通常、金属粉末の固相焼結は融点の1/2程度の温度から始まることが知られているが、アルミニウム粉末から、融解を伴わずに原子拡散による固相焼結でアルミニウムの焼結体を得ることは公知のとおり困難である。
アルミニウムの融点(約663℃)付近では、約2070℃の融点を有する酸化物層からなる表面は固相のままであるが、内部のアルミニウムは固相から液相へと相変化するときに結晶中の原子間距離が拡がるため体積は膨張するが、酸化物層を破壊するまでに至らない。
一方、表面の酸化物層の熱膨張はアルミニウムよりも小さいので体積変化も小さくなることから、内部のアルミニウムの体積膨張に追随できずに酸化物層部分には内部応力を受け、次に酸化物層の中で応力集中する部分が起点となり亀裂が発生し、ついには破壊に至る。
この時に、内部の液相である融液が表面の酸化物層の亀裂部から流出してアルミニウムの表面に沿って流動し、隣接している粉末同士と融合する。このようなことが同時多発して各粉末間で進行する。
つまり、アルミニウム粉末間の融合がおこり、焼結体となる。この一連の現象は液相焼結であると理解でき、液相焼結時の温度は高いほど、また、同じ温度では時間が長くなるほど、広範囲で生じ、冷却固化時に体積収縮が進み、同時に各粉末間に形成される空間部分の割合が少なくなり、孔も内部に閉じられて、連通していないクローズドポアとなり、ち密体になる。
したがって、二次加工できる強度を維持しながら、アルミニウムの真密度に対する相対密度が小さく、屈曲した連通孔を有する多孔質焼結体を安価なコストと簡便な工程で製造することは困難である。
特許文献3に記載される発明は、アルミニウム粉末にチタンなどの焼結助剤元素を含む粉末を混合することで、アルミニウムとチタンの反応熱を制御して多孔質焼結体を得ようとするものである。
しかし、特許文献3に記載されている温度では、アルミニウムの溶融がおこり、流動を抑制して均一な多孔度を制御することは困難である。このことから、屈曲する連通孔を形成することは難しくなる。
一般的に、アルミニウム粉末は表面にち密な酸化アルミニウム皮膜で覆われているため固相焼結を阻害する。
また、高価なチタン(Ti)を用いることは、コストアップになる上、チタンが含有されることで純アルミニウムでなくなるため、焼結体の導電性や電気化学等の特性を低下させることになる。
本発明者らは、前記諸問題を解決することを技術的課題とし、試行錯誤的な数多くの試作・実験を重ねた結果、アルミニウム多孔質焼結体の酸素含有量が0.35重量%以下、及び/又は、焼結前と焼結後の酸素含有量の増加量が0.08重量%以下であり、気孔率が30〜75%であり、屈曲した連通孔を有するアルミニウム多孔質焼結体、若しくは、前記アルミニウム多孔質焼結体の焼結前と焼結後の明度L値の変化量が±15%以内であり、気孔率が30〜75%であり、屈曲した連通孔を有するアルミニウム多孔質焼結体であれば、簡便な方法で製造でき、しかも、気孔率が高く、連通孔を有するため表面積は大きく、また、連通孔が屈曲しているので曲げ応力による亀裂が抑制できる高い強度のアルミニウム多孔質焼結体になるという刮目すべき知見を得て、前記技術的課題を達成したものである。
前記技術的課題は次のとおりの本発明によって解決できる。
本発明は、アルミニウム多孔質焼結体であって、前記アルミニウム多孔質焼結体は酸素含有量が0.35重量%以下、及び/又は、焼結前と焼結後の酸素含有量の増加量が0.08重量%以下であり、気孔率が30〜75%であり、屈曲した連通孔を有するアルミニウム多孔質焼結体である。
また、本発明は、アルミニウム多孔質焼結体であって、前記アルミニウム多孔質焼結体は焼結前と焼結後の明度L値の変化量が±15%以内であり、気孔率が30〜75%であり、屈曲した連通孔を有するアルミニウム多孔質焼結体である。
また、本発明は、前記アルミニウム多孔質焼結体の炭素含有量が0.02重量%以下である前記アルミニウム多孔質焼結体である。
また、本発明は原料のアルミニウムがアルミニウム粉末又はアルミニウムファイバーである前記アルミニウム多孔質焼結体である。
また、本発明は、前記アルミニウム粉末が、累積50%粒子径が50〜200μmのアルミニウム粉末である、又は、前記アルミニウムファイバーが、径が10〜100μmであり、長さを1とした時の径が0.002〜0.1のアルミニウムファイバーである前記記載のアルミニウム多孔質焼結体である。
また、本発明は、アルミニウムの成形体を真空度500mPa未満で保持しながら加圧せずに加熱処理後、前記真空度で常温まで冷却する前記アルミニウム多孔質焼結体の製造方法である。
また、本発明は、アルミニウムの成形体を真空度500mPa未満で保持しながら5g/cm以下(但し0g/cmは含まない)の圧力を負荷して加熱処理後、前記圧力を負荷しながら常温まで冷却する前記アルミニウム多孔質焼結体の製造方法である。
また、本発明は、非酸化性気体を流入しながら加熱処理後、常温まで冷却する前記アルミニウム多孔質焼結体の製造方法である。
また、本発明は、前記加熱処理を2段階の温度域で行う前記アルミニウム多孔質焼結体の製造方法である。
本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体は連通孔を有し、気孔率が高く、表面積が大きいため、熱交換機用の熱媒体の通路部材に使用すれば、熱交換性能の向上が望める。
また、気孔率は30〜75%であるから、リチウムイオンの二次電池の正極集電体等に使用すれば、活物質合剤の塗布充填量の増量や電解液の保液性の向上が望める。
また、屈曲した連通孔を有するから、応力による亀裂発生を抑制できる高い強度のアルミニウム多孔質焼結体である。
また、アルミニウムの成形体に、真空度500mPa未満で保持しながら加圧せずに加熱処理後、前記真空度で常温まで冷却するという非常に簡便な方法で製造できるため、安価に製造することができる。
また、前記アルミニウムの成形体を5g/cm以下の圧力を負荷しながら加熱処理をすれば、圧力をかける板との接触面からの熱伝導により、シート状の成形体に均一に温度を伝導させることができるから、多孔質焼結体を形成し易くなる。
また、非酸化性気体を流入しながら加熱処理を行えば酸化皮膜の成長が抑制されるので、粉末内部のアルミニウムの体積膨張による内部応力によって酸化皮膜に亀裂が発生し易くなる。
これにより、アルミニウムが流出し易くなり、アルミニウム粉末同士の融合が起こり易くなって多孔質焼結体を形成し易くなる。
また、450℃程度での脱ガス処理工程と620℃程度での粉末融合処理工程の2段階の加熱処理を行うことで、不純物の少ない多孔質焼結体を形成できる。
450℃程度で脱ガス処理工程を行うことにより、アルミニウム表面に吸着しているガス成分や有機物を分解脱離させることで、原料粉末表面に不純物の残存をできるだけ減らすことができ、酸化皮膜の成長を抑制することができるため、その後、620℃程度で液相焼結させれば、不純物の少ない焼結体を形成することができる。
本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体の表面形態を示すSEM写真(100倍)である。 本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体の破断した断面形態を示すSEM写真(50倍)である。 本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体断面を示すSEM写真(50倍)である。 本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体中を通過したレーザー光の散乱の様子を示す写真である。 90°曲げ試験の模式図である。 アルミニウム多孔質焼結体を形成できなかった焼結体の表面形態を示す表面SEM写真(100倍)であり、未粉末融合を示す写真である。 アルミニウム多孔質焼結体を形成できなかった焼結体の表面形態を示す表面SEM写真(100倍)であり、半溶融を示す写真である。 アルミニウム多孔質焼結体断面のSEM写真(500倍)である。 原料のアルミニウム粉末断面のSEM写真(500倍)である。
本明細書において、質量%は重量%と記載し、常温とは室温(約25℃)のことをいう。
また、特に限定がない限り本件明細書中の「真空度」とは、焼結工程中の任意の温度における炉内雰囲気の圧力の最大値(Pa)をいう。
本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体は、酸素含有量は0.35重量%以下、及び/又は、焼結前と焼結後の焼結体の酸素含有量の増加量が0.08重量%以下である。
酸素含有量が0.35重量%を超える、若しくは、焼結後の焼結体の酸素含有量の増加量が0.08重量%を超えると、多孔質焼結体を形成することができなくなる虞がある。
これは、酸素含有量が0.35重量%を超える、若しくは、焼結後の焼結体の酸素含有量の増加量が0.08重量%を超えると、酸化皮膜が強固になり、融解温度付近で内部のアルミニウムが液相となり、体積膨張による内部応力が生じても、厚くなってより強固となった表面酸化皮膜を破壊し難く、粉末同士の融合が得られなくなり、アルミニウム多孔質焼結体を形成することができなくなるからであると推測される。
酸素含有量は、酸素・窒素分析装置EMGA−920(株式会社堀場製作所製)を用いて測定することができる。
本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体は、焼結前と焼結後の明度L値の変化量が焼結前の明度L値を基準として±15%以内であることが好ましい。
明度L値の変化量が−15%を超えると、表面の酸化物や水酸化物などのアルミニウムと酸素を中心とした化合物の量、即ち、化合物層の厚みが増加し過ぎ、多孔質焼結体を形成できない虞があるからである。
また、明度L値の変化量が+15%を超えると、アルミニウムの金属光沢が出ていることを現し、アルミニウムの溶融が進み過ぎて、多孔質焼結体を形成できない虞があるからである。
明度L値の変化量は(式1)で求めることができる。
(式1) [(焼結後の明度L値−焼結前の明度L値)/(焼結前の明度L値)]×100
明度L値は、日本粉体工業技術協会規格SAP16−3に準拠して求め、測色色計SE6000(日本電色工業株式会社製)を用いて測定することができる。
なお、酸素含有量が0.35重量%以下、若しくは、焼結後の焼結体の酸素含有量の増加量が0.08重量%以下であると、アルミニウム多孔質焼結体は焼結前と焼結後の明度L値の変化量は±15%以内になる。
本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体は、気孔率30〜75%であることが好ましい。
気孔率が30%未満であれば、溶製体のようになり、あるいは内部に閉じられた空孔が多くなり、屈曲した連通孔を有する多孔質焼結体が得られにくくなり、気孔率が75%を超えると気孔や連通孔が多過ぎて、十分な強度が得られず、応力によって亀裂が入ったり、破断したりする虞があるからである。
真密度に対する多孔質焼結体の密度の比を相対密度とすると、気孔率は(式2)で求めることができる。
(式2) (1−相対密度)×100
製造したアルミニウム多孔質焼結体の密度はアルキメデス法で測定して求めることができる。
本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体は、気孔率が30〜75%の範囲で、屈曲した連通孔を有するため、90°に曲げたとしても亀裂が入り難いアルミニウム多孔質焼結体である。
本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体は、炭素含有量が0.02重量%以下であることが好ましい。炭素含有量が0.02重量%を超えると焼結体の粒界部分に炭素が集積して拡散が不十分になり、焼結強度が不十分になる虞があるからである。
炭素含有量は炭素・硫黄分析装置EMIA(株式会社堀場製作所製)を用いて測定することができる。
本発明における原料のアルミニウムとしては特に限定されないが、アルミニウム粉末やアルミニウムファイバーが好適である。
アルミニウム粉末は、レーザー回折法による累積50%粒子径が50〜200μmであることが好ましく、最大粒子径は1mm以下であることが好ましい。
レーザー回折法による累積50%粒子径が50μm未満であると取り扱い時に粉塵爆発等の危険性があり、200μmを超えると、アルミニウム多孔質焼結体表面の平坦性が損なわれるためである。
アルミニウムファイバーは、径が10〜100μm、長さが1〜5mmが好ましい。
なお、アルミニウムファイバーの長さを1としたの時の径は、アルミニウムファイバーの径が10μmで長さが5mmのファイバーは0.002であり、径が100μmで長さが1mmのファイバーは0.1であるから、0.002〜0.1が好ましい。
径が10μm未満のアルミニウムファイバーは製造が難しく、コストが高くなるため工業的な用途に使用し難く、また径が100μmを超えれば、アルミニウム多孔質焼結体の表面の平坦性が損なわれるからである。
また、長さが5mmを超えると充填時のアルミニウムファイバーの分布が不均一となり易く均一なアルミニウム多孔質焼結体にすることが困難になる虞があるからである。
アルミニウムファイバーの長さと径は走査型電子顕微鏡像や実体顕微鏡像から測定することができる。
本発明に使用する原料アルミニウムの酸素含有量は0.30重量%以下、炭素含有量は0.02重量%以下が好ましい。
(成形方法)
アルミニウムの成形体はシート状であることが好ましい。
シート状成形体の成形方法としては特に限定されないが、敷板であるセッター(以下「セッター」と言う)に任意の高さに調整した型枠を置き、その内側に原料を充填してから、上面をすりきり刃、若しくは、すりきり板(スキージ)ですりきって、表面を平滑にしてから型枠を除き、目的とする厚みのあるシートにしてもよい。
或いは、セッターに目的とする任意の厚みのシートになるように、セッターをあらかじめ任意の深さをもつ凹型にしておき、その内側に原料を充填してから、上面をすりきり刃、若しくは、すりきり板(スキージ)ですりきって、表面を平滑にして、目的とする厚みのあるシートに成形してもよい。
アルミニウム成形体は、アルミニウム粉末同士、又は、アルミニウムファイバー同士が接触しているだけの弱い状態であるが、一般の粉末冶金で用いる金型プレスのような強い圧力で形状保持しなくても水平に静置するだけで形状を保持することができる。
また、本発明においては、原料のアルミニウムと熱可塑性樹脂と有機溶剤とを混合してシート状に成型したものを大気雰囲気中で100℃程度の温度で一定時間保持し、脱溶媒化したシートを使用してもよい。
原料のアルミニウムと熱可塑性樹脂と有機溶剤の混合物は、任意の厚みと面積を有するシートに容易に、また、連続して成形加工できるため作業効率に優れる。
シート成形時の原料のアルミニウムと熱可塑性樹脂は重量比(重量%)で70:30〜80:20であることが好ましい。
熱可塑性樹脂の割合が30重量%を超えると脱熱可塑性樹脂処理後に分解する炭素や酸素の一部が残存したまま粉末融解温度に達し、アルミニウム多孔質焼結体を製造することができなくなる虞があるからである。
また、アルミニウム多孔質焼結体を形成したとしても気孔率が30〜75%の範囲を外れる虞もあるからである。
熱可塑性樹脂の割合が20重量%未満であると、大気雰囲気中で100℃程度の温度範囲で一定時間保持し、乾燥した後の成形体の保形性が悪く、ハンドリング中に形状が維持できなくなる虞があるからである。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度又は融点に達すると軟化するもので、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリルを例示することができるが、不活性雰囲気中で100%分解し、500℃未満の温度で分解するアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合体であるアクリル樹脂が好ましい。
原料のアルミニウムと熱可塑性樹脂に混合する有機溶剤としては、沸点が300℃以下のものが好ましく、ブチルカルビトールアセテートを好適に使用することができる。
焼結工程は、アルミニウム成形体に負荷を与えることなく(圧力P=0)行ってもよいし、5g/cm以下の負荷をかけてもよい。
負荷をかけるためには、成形体に板を乗せる方法が好ましい。
板を乗せれば、乗せた板との接触面を通してシート状の成形体に温度が均一に伝導するため、シート状の成形体のあらゆる位置で粉末融合が同時に生じ、多孔質な焼結体になり易くなると考えられる。
アルミニウム成形体を焼結するときに用いるセッターやシート状の成形体にのせる板(以下「板」と記載する)の材質は、窒化ホウ素(BN)、若しくは、炭素(C)が好ましい。
セッターや板は清浄かつ防湿管理されたものを使用することが好ましい。
セッターや板に吸着していた有機物や水分などが、一連の製造工程中に分解し、不純物成分となってアルミニウム粉末の表面に吸着、若しくは、化学結合して、粉末同士の融合を阻害する虞があるからである。
真空焼結炉としては、型式VF−11−324(日本特殊機械株式会社製)を例示することができる。
焼結工程は、真空度500mPa未満で行うことが好ましい。
真空度が500mPa以上であると原料のアルミニウムからの酸素含有量の増加量が0.08重量%を超え、酸素に由来する酸化皮膜が粉末同士の融合を妨げて、アルミニウム多孔質焼結体にならない虞があるからである。
(脱ガス処理)
シート状のアルミニウム成形体は、粉末融合処理の前に脱ガス処理を行うことが好ましい。
原料のアルミニウムに付着している不純物成分を除去するためである。
脱ガス処理は、真空度を500mPa未満にした後、400〜450℃の温度範囲で1〜2時間保持すればよい。
(脱熱可塑性樹脂処理)
熱可塑性樹脂と混合してシート状に成形した場合、熱可塑性樹脂は常温から加熱する間に徐々に分解するが、完全に除去するために450〜500℃の温度範囲で1〜2時間保持して除去することが好ましい。
(粉末融合処理)
脱ガス処理又は脱熱可塑性樹脂処理後、600〜660℃の温度範囲で1分〜2時間程度保持して粉末融合処理を行い、その後、常温まで冷却する。
保持する温度及び時間は、所望の気孔率になるように調整するとよい。
冷却中も真空度500mPa未満を維持することが好ましい。
粉末融合処理においては、非酸化性気体を焼結炉内へ流入させてもよい。
非酸化性気体とは、酸素を含まない中性もしくは還元性の気体で構成されている気体であり、ヘリウム、ネオン、アルゴン、水素又はこれらの気体が任意の割合で混合した気体でもよい。
窒素は非酸化性気体であるが、アルミニウム粉末融合時に反応して窒化物を形成し易いので好ましくない。
非酸化性気体の流量は、1分あたり処理室内の容積に対して1/3倍以上、2倍以下が好ましい。
1/3倍未満であると、大気中の酸素の一部が排出されずに焼結炉内に残る虞があり、また、粉末融合処理において、原料のアルミニウムが内包していた気体の一部が排出されずに残る虞があるからである。
2倍を超えると、非酸化性気体は、焼結炉内に流入されて、流出するときにシート状の成形体表面部に、常温の気体が接触し続けることになり、シート状成形体の気体接触面と反対側面との温度が不均一になり、粉末融合が不十分になる虞があるからである。
本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体の製造工程において、粉末融合処理の温度に加熱する過程で、不純物成分が除去できる場合には脱ガス処理を省略してもよい。
本発明における製造方法においては、原料のアルミニウム表面の酸化アルミニウムの熱膨張係数が5.4×10−6/Kに対して、内部のアルミニウムの熱膨張係数が23.8×10−6/Kと大きく異なることや、アルミニウムの融点が663℃で、酸化アルミニウムの融点が約2070℃であることから、粉末融合温度範囲内では、内部のアルミニウム成分のみ融解する。このアルミニウム粉末融合温度範囲内で加熱する段階の固体の熱膨張率は酸化アルミニウムよりもアルミニウムの方が大きいので、内部のアルミニウムの膨張が大きくなる上に、融解時にも一層の体積膨張が生じて、内部からの圧力が徐々に増加するとともに、内部の溶融(液相)は、熱の対流により流動化するため、比較的応力が集中する部分には亀裂が生じ易くなり、該亀裂から内部の溶融したアルミニウムが表面に流出し、溶融したアルミニウム粉末同士が接触し融合する。
これが粉末融合(液相焼結)であり、粉末間でほぼ同時進行することで、全体として多孔質焼結体になるものと考えられる。
本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
<実施例1>
原料として、累積50%粒子径が154μm、酸素含有量0.27重量%、炭素含有量0.01重量%未満である不定形状のアルミニウム粉末を使用した。
窒化ホウ素(BN)製のセッターを使用した。
セッターの上にアルミニウム粉末の自重による充填により、厚さ1mmのシート状に成形し、無加圧で、真空焼結炉内の炭素製の容器内に水平に静置して、炭素製の板で容器に蓋をした。
6.7mPaの真空度に達してから加熱を開始し、450℃で2時間保持し、続けて620℃で2時間保持した。この間の真空度の最大値(最大真空度)は267mPaであった。
粉末融合処理終了時の真空度は3mPaであり、該真空度を維持しながら冷却し、常温になってから大気圧に戻して取り出した。
アルミニウム粉末同士が融合し、屈曲した連通孔を有したアルミニウム多孔質焼結体が得られた。
実施例1のアルミニウム多孔質焼結体は、酸素含有量が0.25重量%、炭素含有量が0.01重量%未満であった。また、酸素含有量の変化量は−0.02重量%と減少した。明度L値は多孔質焼結体のセッターと反対面側(以下「表面側」と言う)66.1、セッター面側(以下「裏面側」と言う)69.4であった。
このとき原料に用いたアルミニウム粉末の明度L値は64.3であり、多孔質焼結体の原料粉末からの明度L値の変化量は、表面側が+2.7%、裏面側が+7.9%であった。気孔率は62.6%であった。
実施例1のアルミニウム多孔質焼結体は、シート状で粉落ちがないことが確認でき、また、90°に曲げても亀裂は確認されなかった。
<実施例2>
原料アルミニウムとして、累積50%粒子径152μm、酸素含有量0.16重量%、炭素含有量0.01重量%未満である不定形状のアルミニウム粉末を使用した。
BN製のセッターを使用した。
セッターの上にアルミニウム粉末の自重による充填により、厚さ1mmのシート状に成形した後、BN製の板をのせた。
圧力は0.67g/cmであった。
真空焼結炉内の炭素製の容器内に水平に静置して、炭素製の板で蓋をした。
6.7mPaの真空度に達してから加熱を開始し、450℃で2時間保持し、続けて620℃で2時間保持した。この間の真空度の最大値(最大真空度)は240mPaであった。
粉末融合処理終了時には1mPaの真空度になり、以後これ以下の真空度を維持しながら冷却し、常温になってから取り出した。
アルミニウム粉末同士は融合し、屈曲した連通孔を有したアルミニウム多孔質焼結体が得られた。
実施例2のアルミニウム多孔質焼結体は、酸素含有量0.16重量%、炭素含有量0.01重量%未満、また、酸素含有量に増減はなかった。
明度L値は多孔質焼結体の表面側69.1、裏面側66.8となった。原料のアルミニウム粉末の明度L値は65.9であり、多孔質焼結体の原料粉末からの明度L値変化量は、表面側が+4.8%、裏面側が+1.3%となった。
気孔率は61.1%であった。
実施例2のアルミニウム多孔質焼結体は、シート状で粉落ちが無く、90°曲げても亀裂や破壊が確認されなかった。
<実施例3>
セッター材質にカーボンを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて製造した。
<実施例4>
セッター材質にカーボンを用い、2.24g/cmの圧力をかけた以外は実施例2と同様の方法にてアルミニウム多孔質焼結体を製造した。
<実施例5>
累積50%粒子径95μm、酸素0.02重量%、炭素0.01重量%未満である球状のアルミニウム粉末を用いた以外は実施例1の条件と同様の方法にて製造した。
<実施例6>
実施例5と同様のアルミニウム粉末を用いた以外は、実施例2の条件で製造した。
<実施例7>
直径60μm、長さ3mmのアルミニウムファイバーを用いた以外は、実施例3と同様にして製造した。
<実施例8>
実施例7と同一のアルミニウムファイバーを用いた以外は、実施例2と同様の方法にて製造した。
<実施例9>
実施例1と同一のアルミニウム粉末を用い、脱ガス工程を省き、粉末融合として、保持温度を605℃とした以外は、実施例1と同様の方法にて製造した。
<実施例10>
実施例2と同一のアルミニウム粉末を用い、脱ガス工程を省いた以外は、実施例2の条件と同様の方法にて製造した。
粉末融合終了時の真空度は3mPaであった。
<実施例11>
保持時間を0.25hにした以外は、実施例9の条件と同様の方法にて製造した。
<実施例12>
累積50%粒子径154μm、酸素含有量0.27重量%、炭素含有量0.01重量%未満である不定形状のアルミニウム粉末を使用した。
セッター材質にBNを用いた。
セッターの上にアルミニウム粉末の自重による充填により、厚さ1mmのシート状に成形し、この粉末成形の上に、材質がBNの板をのせた。圧力は0.67g/cmであった。
内容積1.6Lの管状炉内に水平にこれを静置して、流量が0.5L/minのアルゴンガスを流し続けながら、常温から加熱し、660℃で1分間保持し、その後、冷却し、常温になってから取り出した。
<実施例13>
累積50%粒子径152μm、酸素含有量0.16重量%、炭素含有量0.01重量%未満である不定形状のアルミニウム粉末と、アクリル系ビヒクルM3210(積水化学工業株式会社製)を混合したペーストを厚さ1mmに塗工乾燥し、固形分で重量比(重量%)をアルミニウム粉末:樹脂=80:20にした。
セッター材質にBNを用い、この上に乾燥したシート状の成形体をのせ、さらに成形体の上に、材質がBNの板を乗せた。圧力は0.67g/cmであった。
内容積1.6Lの管状炉内に水平にこれを静置して、流量が0.5L/minのアルゴンガスを流し続けながら、常温から加熱し、温度500℃で1時間保持して脱熱可塑性樹脂処理をした。
さらに加熱し、660℃で1分間保持し、その後、冷却し常温になった後、取り出した。
<実施例14>
累積50%粒子径95μm、酸素含有量0.02重量%、炭素含有量0.01重量%未満である球状のアルミニウム粉末と、雰囲気を3%水素−アルゴンガスの混合に変更した以外は、実施例12と同様の方法にて製造した。
<比較例1>
実施例1で使用したアルミニウム粉末を酸化させて、粉末の酸素含有量を0.53重量%に調整した以外は、実施例1と同様の方法にて製造した。
アルミニウム多孔質焼結体にならずに粉末のままであった。
<比較例2>
油回転真空ポンプ(RP)を用いて到達可能な8000mPaの真空度になると直ちに加熱を開始した以外は実施例1と同様の方法にて製造した。
アルミニウム多孔質焼結体にならずに粉末のままであった。
(酸素の測定)
酸素含有量及び炭素含有量は酸素・窒素分析装置EMGA−920(株式会社堀場製作所製)を使用し、黒鉛るつぼに実施例及び比較例の焼結体を入れ、不活性ガス(He)雰囲気中で該焼結体を融解し、試料中の酸素が、黒鉛るつぼの炭素で還元され一酸化炭素(CO)として抽出され、そのガスは赤外線検出器でガス濃度に変換して求める方法で測定した。
(酸素の変化量の測定)
酸素の変化量は、原料のアルミニウムと焼結後の多孔質焼結体の酸素含有量を測定し、原料アルミニウムの酸素含有量を基準として、増減量を示した。
(炭素含有量の測定)
炭素含有量は炭素・硫黄分析装置EMIA(株式会社堀場製作所製)を使用し、酸素キャリア中で実施例及び比較例の焼結体を助燃剤と共に燃焼させ、試料中炭素を二酸化炭素(CO)、一酸化炭素(CO)にして赤外線検出器でガス濃度として変換して測定した。
(明度L値の測定)
測色色計SE6000(日本電色工業株式会社製)を使用し、日本粉体工業技術協会規格SAP16−3に準拠して求めた。
また、明度L値の変化量は(式1)にて算出した。
(気孔率の測定)
気孔率は、試料を30mm角に切り出し、厚みと重さの値から、相対密度を求め、(式2)にて算出した。
(粉落ち試験)
各焼結体を空中に持ち上げた状態で、シート端部より約6μPaの圧力を約30回規則的に与え、脱落した未焼結粉末がないものを〇、未焼結粉末が脱落したものを×として評価した。
結果は表3多孔質焼結体評価の「粉落ち」の欄に示す。
(90°曲げ試験)
図5のとおり、製造した各アルミニウム多孔質焼結体から厚み1mm、長さ30×60mmの試料を切り出し、60mmの半分である30mmの長さの位置を直線上で90°に曲げて、その折り曲げ部を目視により亀裂の有無を調べた。
亀裂が確認されなかったものを〇、亀裂が確認されたものを×として評価した。
結果は表3多孔質焼結体評価の「曲げ」の欄に示す。
実施例1〜11及び比較例1及び2は型式VF−11−324(日本特殊機械株式会社製)の真空焼結炉で焼結を行った。また、実施例12〜14は、型式KTF045N−AS(光洋サーモシステム株式会社製)の雰囲気チューブ炉で焼結を行った。
油回転真空ポンプ(株式会社アルバック製)と油拡散真空ポンプ(神港精機株式会社製)を段階的に用いることで、任意の真空度に調整し、各真空度を達成した。
実施例1〜14及び比較例1及び2の製造条件を表1及び表2、評価を表3に示す。
Figure 2021091933
Figure 2021091933
Figure 2021091933
図2は実施例2のアルミニウム多孔質焼結体の破断した断面のSEM写真である。
図2より気孔が屈曲していることが確認できた。
また、全ての実施例のアルミニウム多孔質焼結体は同様に気孔の屈曲が確認できた。
図3は実施例2のアルミニウム多孔質焼結体の断面のSEM写真である。
図3より気孔が連通していることが確認できた。
また、全ての実施例のアルミニウム多孔質焼結体は同様に気孔の連通が確認できた。
実施例2のアルミニウム多孔質焼結体に直進性の強いレーザー光を照射すると、多孔質焼結体を通過後に光が散乱して、直進する場合よりも大きな光線径になっているから、気孔は直線的でなく、屈曲した連通孔であることが確認できた(図4)。
図8は本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体の断面のSEM写真であり、図9は原料アルミニウム粉末断面のSEM写真であるが、アルミニウム多孔質焼結体の不純物は粉末融合後に成長した結晶の粒界部に集中している傾向があることから、粉末の融合前後で、不純物の存在する分布が変動し移動していることが確認できた。
図のSEM写真は走査型電子顕微鏡で撮影したものである。
表及び図で示すように、実施例1〜14は、酸素含有量が0.35重量%以下、及び/又は、焼結前と焼結後の酸素含有量の増加量が0.08重量%以下であり、気孔率が30〜75%であって、屈曲した連通孔を有するアルミニウム多孔質焼結体であることが確認された。
また、実施例1〜14は、焼結前と焼結後の明度L値の変化量が±15%以内であることも確認された。
本発明におけるアルミニウム多孔質焼結体は、屈曲した連通孔を有し、気孔率が高いため、表面積が大きく、また、曲げ応力によっても亀裂の入りにくい高い強度を備えるアルミニウム多孔質焼結体である。
したがって、熱交換機用の熱媒体の通路部材に使用すれば、熱交換性能の向上が望める。
また、気孔率が高いので、リチウムイオンの二次電池の正極集電体等に使用すれば、電解液の保液性の向上が望める。
したがって、本発明は産業上の利用可能性の高い発明である。

Claims (9)

  1. アルミニウム多孔質焼結体であって、前記アルミニウム多孔質焼結体は酸素含有量が0.35重量%以下、及び/又は、焼結前と焼結後の酸素含有量の増加量が0.08重量%以下であり、気孔率が30〜75%であり、屈曲した連通孔を有するアルミニウム多孔質焼結体。
  2. アルミニウム多孔質焼結体であって、前記アルミニウム多孔質焼結体は焼結前と焼結後の明度L値の変化量が±15%以内であり、気孔率が30〜75%であり、屈曲した連通孔を有するアルミニウム多孔質焼結体。
  3. 前記アルミニウム多孔質焼結体の炭素含有量が0.02重量%以下である請求項1又は2記載のアルミニウム多孔質焼結体。
  4. 原料のアルミニウムがアルミニウム粉末又はアルミニウムファイバーである請求項1乃至3いずれか記載のアルミニウム多孔質焼結体。
  5. 前記アルミニウム粉末が、累積50%粒子径が50〜200μmのアルミニウム粉末である、又は、前記アルミニウムファイバーが、径が10〜100μmであり、長さを1とした時の径が0.002〜0.1のアルミニウムファイバーである請求項4記載のアルミニウム多孔質焼結体。
  6. アルミニウムの成形体を真空度500mPa未満で保持しながら加圧せずに加熱処理後、前記真空度で常温まで冷却する請求項1乃至5いずれか記載のアルミニウム多孔質焼結体の製造方法。
  7. アルミニウムの成形体を真空度500mPa未満で保持しながら5g/cm以下(但し0g/cmは含まない)の圧力を負荷して加熱処理後、前記圧力を負荷しながら常温まで冷却する請求項1乃至5いずれか記載のアルミニウム多孔質焼結体の製造方法。
  8. 非酸化性気体を流入しながら加熱処理後、常温まで冷却する請求項6又は7記載のアルミニウム多孔質焼結体の製造方法。
  9. 前記加熱処理を2段階の温度域で行う請求項6乃至8いずれか記載のアルミニウム多孔質焼結体の製造方法。
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