JP2021091667A - アジン化合物、そのアジン化合物を有する有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子 - Google Patents

アジン化合物、そのアジン化合物を有する有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子 Download PDF

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史成 上原
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一希 服部
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Abstract

【課題】高い発光効率及び長寿命特性を発揮する有機電界発光素子を形成するアジン化合物、該アジン化合物を有する有機電界発光素子用材料及び有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】下式のアジン化合物、そのアジン化合物を有する有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子。
Figure 2021091667

(Ar、Ar:フェニル、ビフェニル、ナフチル。Ar:(a)1〜3環のC6〜C18芳香族炭化水素、または(b)H、C、Oおよび2価のSで構成されるC4〜C18のヘテロ芳香族基、を有するC4〜C25の基。L:2価の6員環連結基。X:C−H、C−CH、N(1または2)。n:1、2、3。n:0、1、2。)
【選択図】なし

Description

本発明は、アジン化合物、そのアジン化合物を有する有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子に関する。
有機電界発光素子は、小型モバイル用途を中心に実用化が始まっている。しかしながら、更なる用途拡大には性能向上が必須であり、低駆動電圧、高い発光効率特性、長寿命特性を有する材料が求められている。そのため、有機電界発光素子用材料としては低い結晶化温度、融点を有するものが求められる。
特許文献1〜3は、高効率で駆動電圧を低減できる有機電界発光素子用の材料であるアジン化合物を開示している。
国際公開第2007/023840号 特開2019−99513号公報 特開2019−147791号公報
用途の拡大、使用可能な環境の拡大に対する市場からの要求は非常に強く、駆動電圧、発光効率、寿命特性の3つの特性に関して、特許文献1〜3にかかるアジン化合物はこれらを十分にみたしているとはいえず、前記3つの特性をさらなる高次元で達成したものが求められている。
そこで、本発明の一態様は、駆動電圧特性および寿命特性に優れた有機電界発光素子を形成する、低い結晶化温度、融点を有するアジン化合物、および該アジン化合物を含む有機電界発光素子用材料を提供することを目的としている。
さらに、本発明の他の態様は、高い発光効率を発揮し、種々の用途又は様々な環境下で利用可能な有機電界発光素子を提供することを目的としている。
本発明の各態様にかかる目的は、下記によって達成された。
1) 下記式(1)で表されるアジン化合物。
式(1)
Figure 2021091667
式中、
Ar、Arは、独立に、フェニル基、ビフェニル基、またはナフチル基を表す。
Arは、下記(a)および(b)から選択される基を有する、炭素数4〜25の基を表す。
(a)1〜3環を有する炭素数6〜18の芳香族炭化水素基
(b)H、C、Oおよび2価のSからなる原子群から選択される原子で構成される炭素数4〜18のヘテロ芳香族基
は、2価の6員環連結基を表す。
Xは、各々独立して、C−H、C−CHまたはNを表す。ただし、LのN数は1または2である。
は、1〜3の整数を表す。
は、0〜2の整数を表す。
2) 前記1に記載のアジン化合物を有する有機電界発光素子用材料。
3) 前記1に記載のアジン化合物を有する有機電界発光素子。
本発明の一態様によれば、駆動電圧特性および寿命特性を高次元に発揮する有機電界発光素子を形成する、低い結晶化温度、融点を有するアジン化合物、および該アジン化合物を含む有機電界発光素子用材料を提供することができる。
また、本発明の他の態様によれば、高い発光効率を発揮し、種々の用途に利用可能な有機電界発光素子を提供することができる。
本発明の一態様にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の一態様にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の他の積層構成の例(素子実施例−1の構成)を示す概略断面図である。
以下、本発明の一態様にかかるアジン化合物について詳細に説明する。
<アジン化合物>
本発明の一態様にかかるアジン化合物は、式(1)で表されるアジン化合物である。
式(1)
Figure 2021091667
式中、
Ar、Arは、独立に、フェニル基、ビフェニル基、またはナフチル基を表す。
Arは、下記(a)および(b)から選択される基を有する、炭素数4〜25の基を表す。
(a)1〜3環を有する炭素数6〜18の芳香族炭化水素基
(b)H、C、Oおよび2価のSからなる原子群から選択される原子で構成される炭素数4〜18のヘテロ芳香族基
は、2価の6員環連結基を表す。
Xは、各々独立して、C−H、C−CHまたはNを表す。ただし、LのN数は1または2である。
は、1〜3の整数を表す。
は、0〜2の整数を表す。
以下、式(1)で示されるアジン化合物を、アジン化合物(1)と称することもある。
アジン化合物(1)における置換基の定義及びその好ましい具体例は、それぞれ以下のとおりである。
[ArおよびArについて]
ArおよびArは、独立に、フェニル基、ビフェニル基、またはナフチル基を表す。ArおよびArは、各々独立に、フッ素原子、メチル基およびフェニル基から選択される1以上の基で置換されていてもよい。
[Arについて]
Arは、下記(a)および(b)から選択される基を有する、炭素数4〜25の基を表す。
(a)1〜3環を有する炭素数6〜18の芳香族炭化水素基
(b)H、C、Oおよび2価のSからなる原子群から選択される原子で構成される炭素数4〜18のヘテロ芳香族基
Arは、炭素数6〜25であることが好ましい。
Arが、下記(a’)〜(c’)から選択される基を表すことがさらに好ましい。
(a’)1〜3環を有し、無置換である炭素数6〜18の芳香族炭化水素基
(b’)H、C、Oおよび2価のSからなる原子群から選択される原子で構成され、無置換である炭素数4〜18のヘテロ芳香族基
(c’)前記(a’)または(b’)が、メチル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基
Arとしては、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントラニル基、フェナントレニル基、ジベンゾフラニル基またはジベンゾチオフェニル基であることが好ましい。
[Lについて]
は、2価の6員環連結基を表す。4つのXは、各々独立して−C−H、C−CHまたはNを表す。ただし、LのN数は1または2である。Nが2の場合、2つのNは隣り合っていない方が好ましい。特に、LのN数が、1であることが好ましい。
としては、例えば、1,4−フェニレン基、2,5−ピリジレン基、3,6−ピリジレン基、2,5−ピラジレン基、2,5−ピリミジレン基、2,5−ピリダジレン基等が挙げられる。
[nおよびnについて]
は、1〜3の整数を表す。nが、1または2であることが好ましい。
は、0〜2の整数を表す。nが、0または1であることが好ましい。
[アジン化合物(1)の具体例]
アジン化合物(1)の具体例を以下例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2021091667
Figure 2021091667
Figure 2021091667
Figure 2021091667
Figure 2021091667
Figure 2021091667
Figure 2021091667
Figure 2021091667
Figure 2021091667
Figure 2021091667
本発明の一態様にかかるアジン化合物(1)は、既知の反応(例えば、鈴木−宮浦クロスカップリング反応等)を適宜組み合わせることによって製造することができる。
<有機電界発光素子用材料>
アジン化合物(1)は、有機電界発光素子用材料として有用である。アジン化合物(1)は、例えば、有機電界発光素子用電子輸送材料として用いることができる。アジン化合物(1)を含む有機電界発光素子用材料は、高い発光効率及び長寿命特性を発揮し、種々の用途又は様々な環境下で利用可能な有機電界発光素子を作製することができる。
<有機電界発光素子>
以下、アジン化合物(1)を含む有機電界発光素子(以下、単に有機電界発光素子と称することがある)について説明する。
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、アジン化合物(1)を含有する。
有機電界発光素子の構成については特に限定されるものではないが、例えば、以下に示す(i)〜(v)の構成が挙げられる。
(i):陽極/発光層/陰極
(ii):陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(iii):陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iv):陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(v):陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
アジン化合物(1)は、上記のいずれの層に含まれていてもよいが、有機電界発光素子の発光特性に優れる点で、発光層及び該発光層と陰極との間の層からなる群より選ばれる1層以上に含まれることが好ましい。
したがって、上記(i)〜(v)に示された構成の場合、アジン化合物(1)が、発光層、電子輸送層、及び電子注入層からなる群より選ばれる1層以上に含まれることが好ましい。
以下、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子を、上記(v)の構成を例に挙げて、図1を参照しながらより詳細に説明する。
なお、図1に示す有機電界発光素子は、いわゆるボトムエミッション型の素子構成を有するものであるが、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子はボトムエミッション型の素子構成に限定されるものではない。すなわち、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、トップエミッション型など、他の公知の素子構成であってもよい。
図1は、本発明の一態様にかかるアジン化合物を含む有機電界発光素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。
有機電界発光素子100は、基板1、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7、及び陰極8をこの順で備える。ただし、これらの層のうちの一部の層が省略されていてもよく、また逆に他の層が追加されていてもよい。例えば、発光層5と電子輸送層6との間に正孔阻止層が設けられていてもよく、正孔注入層3が省略され、陽極2上に正孔輸送層4が直接設けられていてもよい。
また、例えば電子注入層の機能と電子輸送層の機能とを単一の層で併せ持つ電子注入・輸送層のような、複数の層が有する機能を併せ持った単一の層を、当該複数の層の代わりに備えた構成であってもよい。さらに、例えば単層の正孔輸送層4、単層の電子輸送層6が、それぞれ複数層からなっていてもよい。
<<アジン化合物(1)を含有する層>>
図1に示される構成例において有機電界発光素子100は、発光層5、電子輸送層6及び電子注入層7からなる群より選ばれる1層以上にアジン化合物(1)を含む。特に、電子輸送層6がアジン化合物(1)を含むことが好ましい。なお、アジン化合物(1)は、有機電界発光素子が備える複数の層に含まれていてもよい。
以下、電子輸送層6がアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子100について説明する。
[基板1]
基板1としては特に限定はなく、例えばガラス板、石英板、プラスチック板などが挙げられる。
基板1としては、例えば、ガラス板、石英板、プラスチック板、プラスチックフィルムなどが挙げられる。これらの中でも、ガラス板、石英板、光透過性プラスチックフィルムが好ましい。
光透過性プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルムが挙げられる。
なお、基板1側から発光が取り出される構成の場合、基板1は光の波長に対して透明である。
[陽極2]
基板1上(正孔注入層3側)には陽極2が設けられている。
陽極の材料としては、仕事関数の大きい(例えば4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物が挙げられる。陽極の材料の具体例としては、Auなどの金属;CuI、酸化インジウム−スズ(ITO;Indium Tin Oxide)、SnO、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
発光が陽極を通過して取り出される構成の有機電界発光素子の場合、陽極は当該発光を通すか又は実質的に通す導電性透明材料で形成される。
[正孔注入層3、正孔輸送層4]
陽極2と発光層5との間には、陽極2側から、正孔注入層3、正孔輸送層4がこの順で設けられている。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入層、正孔輸送層を陽極と発光層の間に介在させることによって、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。
また、正孔注入層、正孔輸送層は、電子障壁性の層としても機能する。すなわち、陰極から注入され、電子注入層及び/又は電子輸送層より発光層に輸送された電子は、発光層と正孔注入層及び/又は正孔輸送層との界面に存在する電子の障壁により、正孔注入層及び/又は正孔輸送層に漏れることが抑制される。その結果、該電子が発光層内の界面に累積され、発光効率が向上する等の効果をもたらし、発光性能の優れた有機電界発光素子が得られる。
正孔注入層、正孔輸送層の材料としては、正孔注入性、正孔輸送性、電子障壁性の少なくともいずれかを有するものである。正孔注入層、正孔輸送層の材料は、有機物、無機物のいずれであってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層の材料の具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物などが挙げられる。
これらの中でも、有機電界発光素子の性能がよい点で、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物が好ましく、特に芳香族第三級アミン化合物が好ましい。
芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の具体例としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(m−トリル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール、4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、4,4’,4’’−トリス〔N−(m−トリル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などが挙げられる。
また、p型−Si、p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入層の材料、正孔輸送層の材料の一例として挙げることができる。
正孔注入層、正孔輸送層は、一種又は二種以上の材料からなる単構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[発光層5]
正孔輸送層4と電子輸送層6との間には、発光層5が設けられている。
発光層の材料としては、燐光発光材料、蛍光発光材料、熱活性化遅延蛍光発光材料が挙げられる。発光層では電子・正孔対が再結合し、その結果として発光が生じる。
発光層は、単一の低分子材料又は単一のポリマー材料からなっていてもよいが、より一般的には、ゲスト化合物でドーピングされたホスト材料からなっている。発光は主としてドーパントから生じ、任意の色を有することができる。
ホスト材料としては、例えば、ビフェニリル基、フルオレニル基、トリフェニルシリル基、カルバゾール基、ピレニル基、アントリル基を有する化合物が挙げられる。より具体的には、DPVBi(4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)−1,1’−ビフェニル)、BCzVBi(4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)1,1’−ビフェニル)、TBADN(2−ターシャリーブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、ADN(9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、CBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル)、CDBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル)、2−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−9−[4−(4−フェニルフェニルキナゾリン−2−イル)カルバゾール、9,10−ビス(ビフェニル)アントラセン等が挙げられる。
蛍光ドーパントとしては、例えば、アントラセン、ピレン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドン、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム、チアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)アミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メタン化合物、カルボスチリル化合物、ホウ素化合物、環状アミン化合物等が挙げられる。蛍光ドーパントはこれらから選ばれる2種以上を組み合わせたものであってもよい。
燐光ドーパントとしては、例えば、イリジウム、白金、パラジウム、オスミウム等の遷移金属の有機金属錯体が挙げられる。
蛍光ドーパント、燐光ドーパントの具体例としては、Alq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)、DPAVBi(4,4’−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル)、ペリレン、ビス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン](アセチルアセトナート)イリジウム(III)、Ir(PPy)3(トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III))、及びFIrPic(ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)イリジウム(III)))等が挙げられる。
また、発光材料は発光層のみに含有されることに限定されるものではない。例えば、発光材料は、発光層に隣接した層(正孔輸送層4、又は電子輸送層6)が含有していてもよい。これによってさらに有機電界発光素子の発光効率を高めることができる。
発光層は、一種又は二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[電子輸送層6]
発光層5と電子注入層7との間には、電子輸送層6が設けられている。
電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子輸送層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
電子輸送層は、前述したとおり、アジン化合物(1)を含むことが好ましい。また、電子輸送層は、アジン化合物(1)に加えてさらに従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を含んでいてもよい。
なお、アジン化合物(1)が電子輸送層に含まれず、他の層に含まれる場合は、従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を、電子輸送層を構成する電子輸送材料として用いることができる。
従来公知の電子輸送性材料としては、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体等が挙げられる。アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体としては、例えば、8−ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−1−ナフトラートアルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−2−ナフトラートガリウム等が挙げられる。
電子輸送層は、一種又は二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
本発明の一態様にかかるにかかる有機電界発光素子においては、電子注入性を向上させ、素子特性(例えば、発光効率、低電圧駆動、又は高耐久性)を向上させる目的で、電子注入層を設けてもよい。
[電子注入層7]
電子輸送層6と陰極8との間には、電子注入層7が設けられている。電子注入層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子注入層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
電子注入層の材料としては、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等の有機化合物が挙げられる。
また、電子注入層の材料としては、SiO、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、LiF、C、Ybなどの各種酸化物、フッ化物、窒化物、酸化窒化物等の無機化合物も挙げられる。
[陰極8]
電子注入層7上には陰極8が設けられている。陽極を通過した発光のみが取り出される構成の有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、陰極は任意の導電性材料から形成することができる。
陰極の材料としては、例えば、仕事関数の小さい金属(以下、電子注入性金属とも称する)、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。ここで、仕事関数の小さい金属とは、例えば、4eV以下の金属である。
陰極の材料の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。
これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好ましい。
[各層の形成方法]
以上説明した、電極(陽極、陰極)を除く各層は、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB(Langmuir−Blodgett method)法などの公知の方法によって薄膜化することにより、形成することができる。各層の材料は、それ単独で用いてもよく、必要に応じて結着樹脂などの材料、溶剤と共に用いてもよい。
このようにして形成された各層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
陽極及び陰極は、電極材料を蒸着やスパッタリングなどの方法によって薄膜化することにより、形成することができる。蒸着やスパッタリングの際に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよく、蒸着やスパッタリングなどによって薄膜を形成した後、フォトリソグラフィーで所望の形状のパターンを形成してもよい。
陽極及び陰極の膜厚は、1μm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることがより好ましい。
なお、アジン化合物(1)を含む層を形成するは、上記の従来公知の電子輸送性材料と併用してもよい。したがって、例えば、アジン化合物(1)と従来公知の電子輸送性材料とを共蒸着してもよく、アジン化合物(1)の層に従来公知の電子輸送性材料の層を積層してもよい。
有機電界発光素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像をスクリーン等に投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。
動画再生用の表示装置として有機電界発光素を使用する場合、駆動方式としては、単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式であってもよく、アクティブマトリクス方式であってもよい。また、異なる発光色を有する有機電界発光素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
アジン化合物(1)は、電子輸送層として用いた際に従来公知のアジン化合物に比べて、発光効率及び長寿命特性が顕著に優れる有機電界発光素子を提供することができる。更に、アジン化合物(1)はその直線的な立体骨格によってアモルファス性が高く、高い膜質安定性を有する。
このため有機電界発光素子の駆動安定性の向上や、発光効率の向上等の効果が期待される。なおかつ、アジン化合物(1)は、その特徴的な骨格から、化学的安定性が高く、有機電界発光素子の長寿命化に寄与することが可能である。
アジン化合物(1)は、有機電界発光素子の電子輸送層として用いることで素子の低電圧駆動、高効率化及び長寿命化のいずれも高次元に達成可能なアジン化合物を提供することができる。さらに、アジン化合物(1)を用いた、低電圧駆動、高効率化及び長寿命化を発揮し得る有機電界発光素子を提供することができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定して解釈されるものではない。
H−NMR測定]
H−NMRの測定には、Gemini200(バリアン社製)を用いた。H−NMRは、重クロロホルム(CDCl)を測定溶媒とし、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて測定した。また、試薬類は市販品を用いた。
[DSC測定(ガラス転移温度、結晶化温度、融点)]
ガラス転移温度、結晶化温度および融点の測定は、DSC7020(日立ハイテクサイエンス社製、製品名)を用いて行った。
DSCの測定条件は以下のとおりである。なお、測定は、窒素雰囲気下(流量50ml/min)にて行った。また、ファーストクーリング、セカンドヒーティングの順に行い、セカンドヒーティングの際のガラス転移温度、結晶化温度および融点を、それぞれ試料のガラス転移温度、結晶化温度および融点とした。
試料量 :5〜10mg
測定条件:
<ファーストヒーティング>
昇温速度:15℃/min
測定温度範囲:30℃〜360℃
<ファーストクーリング>
ドライアイスによる急冷
<セカンドヒーティング>
昇温速度:5℃/min
測定温度範囲:30℃〜360℃
[発光特性測定]
有機電界発光素子の発光特性は、25℃環境下、作製した素子に直流電流を印加し、輝度計BM−9(製品名、トプコンテクノハウス社製)を用いて評価した。
(合成例−1:A−67の合成)
Figure 2021091667
アルゴン気流下、2−[4’−{(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,1’−ビフェニル−4−イル}]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(6.0g、11.7mmol)、5−クロロ−2−(1−ナフチル)ピリジン(3.37g、14.1mmol)、および酢酸パラジウム(105mg,0.939mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(447mg、0.469mmol;X−Phos)をテトラヒドロフラン(120mL)に溶解させた。これに、2Mのリン酸カリウム水溶液(17.6mL,35.2mmol)を加え、75℃で15時間撹拌した。室温まで放冷後、析出した固体を濾別した。得られた固体を水(100mL)、メタノール(100mL)で洗浄した。この固体をトルエン(500mL)に懸濁し、100℃で撹拌したのち放冷した。析出した固体を濾別し、トルエン(40mL)、メタノール(30mL)で洗浄することで、目的の4,6−ジフェニル−2−[4’−{2−(1−ナフチル)ピリジン−5−イル}−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン(化合物A−67)の白色固体(収量5.38g,収率78%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):9.14(d,J=2.2Hz,1H),8.92(d,J=8.6Hz,2H),8.84(d,J=8.1Hz,4H),8.22(t,J=3.9Hz,1H),8.14(dd,J=8.2Hz,2.3Hz,1H),7.94(d,J=8.2Hz,2H),7.93−7.86(m,6H),7.73(dd,J=14.5Hz,8.9Hz,2H),7.67−7.60(m,7H),7.54(t,J=5.8Hz,2H)
化合物A−67の構造は、H−NMRによって同定した。なお、ガラス転移温度は、明確なピークが観測されず、特定できなかった。
(合成例−2:A−70の合成)
Figure 2021091667
5−クロロ−2−(1−ナフチル)ピリジンを、5−クロロ−2−(フェナントレン−9−イル)ピリジンに変更した以外は合成実施例−1と同様の実験操作を行って、目的の4,6−ジフェニル−2−[4’−{2−(フェナントレン−9−イル)ピリジン−5−イル}−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン(A−70)の白色固体(収量4.4g,収率53%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.42−7.50(m,8H),7.55(t,J=7.8Hz,2H),7.62(d,J=8.1Hz,1H),7.68−7.75(m,6H),7.78(s,1H),7.80(d,J=8.1Hz,1H),7.98(dd,J=2.4Hz,8.1Hz,1H),8.05(d,J=8.3Hz,1H),8.59(d,J=8.3Hz,1H),8.64−8.67(m,5H),8.74(d,J=8.6Hz,2H),8.98(d,J=2.4Hz,1H)
化合物A−70の構造は、H−NMRによって同定し、ガラス転移温度は、119℃であった。
(合成例−3:A−91の合成)
Figure 2021091667
アルゴン気流下、2−[4−{(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル}]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(1.31g,3.0mmol)、1−クロロ−4−{4−(ナフタレン−1−イル)ピリミジン−2−イル}フェニル(1.14g,3.6mmol)、酢酸パラジウム(20.4mg,0.09mmol)およびX−Phos(85.8mg,0.18mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解させた。これに、2Mの炭酸カリウム水溶液(18mL,36mmol)を加え、75℃で18時間撹拌した。室温まで放冷後、析出した固体を濾別した。得られた固体を水(50mL)、エタノール(50mL)で洗浄した。得られた固体をトルエン50mLに溶解した。溶液に活性炭を加え撹拌したのち、セライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。この濃縮液が乾固することで、目的の4,6−ジフェニル−2−[4’−{5−(ナフタレン−1−イル)ピリミジン−2−イル}−1,1’−ビフェニル−4−イル]1,3,5−トリアジン(A−91)の白色固体(収量1.38g,収率78%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):7.46−7.67(m,12H),7.92(t,J=8.2Hz,2H),7.99(d,J=7.6,2H),8.69(d,J=8.5Hz,2H),8.82(dd,J=7.8,4Hz,4H),8.90(d,J=8.5Hz,2H),9.01(s,2H).
化合物A−91の構造は、H−NMRによって同定し、ガラス転移温度は、102℃であった。
(合成例−4:A−148の合成)
Figure 2021091667
アルゴン気流下、2,4−ビス[(1,1’−ビフェニル)−4−イル]−6−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1,3,5−トリアジン(5.05g,8.6mmol)(3.40g,5.8mmol)、3−クロロ−2−メチル−6−フェニルピリジン(1.41g,6.9mmol)、酢酸パラジウム(26.0mg,0.12mmol)およびX−Phos(110.0mg,0.23mmol)をテトラヒドロフラン(58mL)に溶解させた。これに、2Mの炭酸カリウム水溶液(8.7mL,17mmol)を加え、75℃で22時間撹拌した。室温まで放冷後、析出した固体を濾別した。得られた固体を水(100mL)、エタノール(100mL)で洗浄した。得られた固体をトルエン400mLに溶解した。溶液に活性炭を加え撹拌したのち、セライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。この濃縮液が乾固することで、目的の4,6−ビス[(1,1’−ビフェニル)−4−イル]−2−[(2−メチル−6−フェニルピリジン−3−イル)−フェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン(A−148)の白色固体(収量2.38g,収率65%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):7.34−7.40(m,6H),6.57−6.53(m,2H),6.34−6.28(m,4H),6.25−5.88(m,17H),1.11(s,3H).
化合物A−148の構造は、H−NMRによって同定し、ガラス転移温度は、107℃であった。
以下に、上記で作成したアジン化合物(1)の結晶化温度、融点の測定データを記す。
Figure 2021091667
本発明の一態様にかかるアジン化合物は、特許文献1に記載されている下記ETL−1と比較すると、低い結晶化温度、融点を有していることがわかる。
Figure 2021091667
<有機電界素子の作製>
ついで、得られた化合物を用いて素子評価を実施した。
≪素子実施例−1(図2参照)≫
(基板101、陽極102の用意)
陽極をその表面に備えた基板として、2mm幅の酸化インジウム−スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用意した。ついで、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。
(真空蒸着の準備)
洗浄後の表面処理が施された基板上に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、各層を積層形成した。
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10−4Paまで減圧した。そして、以下の順で、各層の成膜条件に従ってそれぞれ形成した。
(正孔注入層103の作製)
昇華精製したN−[1,1’−ビフェニル]−4−イル−9,9−ジメチル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9H−フルオレン−2−アミンと1,2,3−トリス[(4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)メチレン]シクロプロパンを0.15nm/秒の速度で55nm成膜し、正孔注入層を形成した。
(第一正孔輸送層1051の作製)
N−[1,1’−ビフェニル]−4−イル−9,9−ジメチル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9H−フルオレン−2−アミンを0.15nm/秒の速度で10nm成膜し、第一正孔輸送層を形成した。
(第二正孔輸送層1052の作製)
N−フェニル−N−(9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル)−N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)アミンを0.15nm/秒の速度で10nm成膜し、第二正孔輸送層を形成した。
(発光層106の作製)
3−(10−フェニル−9−アントリル)−ジベンゾフランと2,7−ビス[N,N−ジ−(4−tertブチルフェニル)]アミノ−ビスベンゾフラノ−9,9’−スピロフルオレンを95:5(質量比)の割合で25nm成膜し、発光層を形成した。成膜速度は0.18nm/秒であった。
(第一電子輸送層1071の作製)
昇華精製した2−[3’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)[1,1’−ビフェニル]−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジンを0.15nm/秒の速度で5nm成膜し、第一電子輸送層を形成した。
(第二電子輸送層1072の作製)
合成例−1で合成した4,6−ジフェニル−2−[4’−{2−(1−ナフチル)ピリジン−5−イル}−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン(化合物A−67)および8−ヒドロキシキノリノラートリチウム(以下、Liq)を50:50(質量比)の割合で25nm成膜し、第二電子輸送層を形成した。成膜速度は0.15nm/秒であった。
(陰極108の作製)
最後に、基板上のITOストライプと直行するようにメタルマスクを配し、陰極108を成膜した。陰極は、銀/マグネシウム(質量比1/10)と銀とを、この順番で、それぞれ80nmと20nmとで成膜し、2層構造とした。銀/マグネシウムの成膜速度は0.5nm/秒、銀の成膜速度は成膜速度0.2nm/秒であった。
以上により、図2に示すような発光面積4mm有機電界発光素子100を作製した。なお、それぞれの膜厚は、触針式膜厚測定計(DEKTAK、Bruker社製)で測定した。
さらに、この素子を酸素および水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと成膜基板(素子)とを、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いて行った。
上記のようにして作製した有機電界発光素子に直流電流を印加し、輝度計(製品名:BM−9、トプコンテクノハウス社製)を用いて発光特性を評価した。発光特性として、電流密度10mA/cmを流した時の電流効率(cd/A)を測定した。
なお、電圧、および電流効率は、素子比較例1における結果を基準値(100)とした相対値である。得られた測定結果を表2に示す。
≪素子実施例−2≫
素子実施例−1において、化合物(A−65)の代わりに、合成例−2で合成した化合物(A−70)を用いた以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表2に示す。
≪素子実施例−3≫
素子実施例−1において、化合物(A−65)の代わりに、合成例−3で合成した化合物(A−91)を用いた以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表2に示す。
≪素子比較例−1≫
素子実施例−1において、化合物(A−65)の代わりに特許文献1に記載されている2,4−ビス[(1,1’−ビフェニル)−4−イル]−6−[4’−(4−ピリジル)1,1’−ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン(ETL−1)を用いた以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表2に示す。
Figure 2021091667
本発明の一態様にかかる環状アジン化合物(1)は、該化合物を用いることによって駆動電圧および発光効率に優れる有機電界発光素子を提供することができる。
また、本発明の一態様にかかる環状アジン化合物(1)は、低駆動電圧および発光効率に優れる有機電界発光素子の作製に資する有機電界発光素子用電子輸送材料に利用できる。さらに、環状アジン化合物(1)によれば、低消費電力および高発光効率の有機電界発光素子を提供することができる。
100. 有機電界発光素子

1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 陰極

101 基板
102 陽極
103 正孔注入層
1051 第一正孔輸送層
1052 第二正孔輸送層
106 発光層
1071 第一電子輸送層
1072 第二電子輸送層
108 陰極

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表されるアジン化合物。
    式(1)
    Figure 2021091667
    式中、
    Ar、Arは、独立に、フェニル基、ビフェニル基、またはナフチル基を表す。
    Arは、下記(a)および(b)から選択される基を有する、炭素数4〜25の基を表す。
    (a)1〜3環を有する炭素数6〜18の芳香族炭化水素基
    (b)H、C、Oおよび2価のSからなる原子群から選択される原子で構成される炭素数4〜18のヘテロ芳香族基
    は、2価の6員環連結基を表す。
    Xは、各々独立して、C−H、C−CHまたはNを表す。ただし、LのN数は1または2である。
    は、1〜3の整数を表す。
    は、0〜2の整数を表す。
  2. Arの炭素数が、6〜25である、請求項1に記載のアジン化合物。
  3. Arが、下記(a’)〜(c’)から選択される基を表す、請求項1または2に記載のアジン化合物。
    (a’)1〜3環を有し、無置換である炭素数6〜18の芳香族炭化水素基
    (b’)H、C、Oおよび2価のSからなる原子群から選択される原子で構成され、無置換である炭素数4〜18のヘテロ芳香族基
    (c’)前記(a’)または(b’)が、メチル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換された基
  4. 前記Arが、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントラニル基、フェナントレニル基、ジベンゾフラニル基またはジベンゾチオフェニル基である請求項1〜3いずれか1項に記載のアジン化合物。
  5. が、1または2である、請求項1〜4いずれか1項に記載のアジン化合物。
  6. が、0または1である、請求項1〜5いずれか1項に記載のアジン化合物。
  7. のN数が、1である、請求項1〜6いずれか1項に記載のアジン化合物。
  8. 請求項1〜7いずれか1項に記載のアジン化合物を有する有機電界発光素子用材料。
  9. 請求項1〜7いずれか1項に記載のアジン化合物を有する有機電界発光素子。
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