JP2021091610A - 乳化安定化方法 - Google Patents

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正彦 小森園
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Abstract

【課題】本発明の目的は、水溶性カルボン酸及び/又はその塩を含む乳化組成物の乳化状態を安定化させるための新たな方法を提供することである。【解決手段】水溶性カルボン酸及び/又はその塩を含む乳化組成物中に、前記水溶性カルボン酸及び/又はその塩と共に、ウフェナマートを配合することにより、優れた乳化安定性が備わる。【選択図】なし

Description

本発明は、ウフェナマートの新たな用途に関し、具体的には、水溶性カルボン酸及び/又はその塩を含有する乳化組成物の乳化安定化のためのウフェナマートの用途に関する。
乳化組成物は、水性成分と油性成分を配合でき、様々な製剤処方に対応できると共に、皮膚に適用した際の使用感も優れている。このため、乳化組成物は、外用医薬品や化粧料の分野において汎用されている。
乳化組成物の水相には、美白効果、保湿効果、消炎効果、収斂効果、紫外線吸収効果等を期待して様々な機能性成分が配合される。このような機能性成分には、カルボキシル基を有する化合物が数多く知られており、例えば、アスコルビン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、アミノ酸(特許文献1)、ピロリドンカルボン酸ナトリウム(特許文献1〜4)等が挙げられる。
特開2014−198704号公報 国際公開第97/044001号 国際公開第2011/111854号 特開2014−129278号公報
特許文献1に記載の乳化組成物は、レシチン及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと所定のモル分率のアルキルメタクリレートとの共重合体を必須とすることから、処方上の制約が大きく近年の多様化する乳化製剤の処方に対応できないケースがある。また、特許文献1に記載の乳化組成物のうち、実際に乳化安定性が確認された処方は上記のカルボキシル基を有する化合物の配合量が少ないことから、期待する効果が得られるほどに充分量の機能性成分を配合できないケースがある。
また、特許文献2〜4に記載の乳化組成物ピロリドンカルボン酸又はその塩が配合されてよいことが記載されているものの、実際に、ピロリドンカルボン酸又はその塩が配合された場合の乳化組成物の性状安定性については検討されていない。
発明は、水溶性カルボン酸及び/又はその塩を含む乳化組成物の乳化状態を安定化させるための新たな方法を提供することを目的とする。
本発明者は、水溶性カルボン酸及び/又はその塩を含む乳化組成物について鋭意検討を行ったところ、これまで乳化安定化効果が知られていなかったウフェナマートを配合することで、優れた乳化安定性が備わることを予期せずして見出した。本発明は、この知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 水溶性カルボン酸及び/又はその塩を含む乳化組成物中に、前記水溶性カルボン酸及び/又はその塩と共に、ウフェナマートを配合する、乳化安定化方法。
項2. 前記乳化組成物が、前記水溶性カルボン酸及び/又はその塩を総量で0.001〜10重量%含む、項1に記載の乳化安定化方法。
項3. 前記水溶性カルボン酸及び/又はその塩の総量1重量部当たり、前記ウフェナマートを1.5重量部以上配合する、項1又は2に記載の乳化安定化方法。
本発明によると、水溶性カルボン酸及び/又はその塩を含む乳化組成物に、優れた乳化安定性を備えさせることができる。
本発明の乳化安定化方法は、水溶性カルボン酸及び/又はその塩を含む乳化組成物中に、前記水溶性カルボン酸及び/又はその塩と共に、ウフェナマートを配合することを特徴とする。以下、本発明の乳化安定化方法について詳述する。
本発明の乳化安定化方法において、乳化安定化とは、保存後において乳化組成物の分離を抑制することをいう。分離とは、乳化組成物から、水相及び/又は油相が分離することをいう。乳化安定化のより好ましい態様としては、保存後において乳化組成物からの水相の分離を抑制することが挙げられ、より好ましい態様としては、保存後において乳化組成物の乳化状態が均一であること、つまりエマルジョン中の液滴が分散媒中に均一に分散した状態が保たれることが挙げられる。
水溶性カルボン酸及び/又はその塩
本発明の乳化安定化方法における乳化組成物には、水溶性カルボン酸及び/又はその塩が含まれる。水溶性カルボン酸及び/又はその塩は、水相中でCOO-基を生じ、COO-基がエマルジョン粒子を不安定化させるが、本発明の乳化安定化方法によって、水溶性カルボン酸及び/又はその塩を含みながらも優れた乳化安定性を備えさせることができる。
水溶性カルボン酸及び/又はその塩としては、美白効果、保湿効果、消炎効果、収斂効果、紫外線吸収効果等が知られている機能性成分を特に制限なく用いることができる。このような機能性成分には、カルボキシル基を有する化合物が数多く知られており、例えば、アスコルビン酸、グリチルリチン酸、コンドロイチン硫酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、アミノ酸及びその誘導体、並びにこれらの塩が挙げられる。本発明においては、水溶性カルボン酸及び/又はその塩として、これらの化合物から1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、ピロリドンカルボン酸、リシン,アルギニン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、プロリン等が挙げられ、アミノ酸の誘導体としては、グルタミン酸代謝物であるピロリドンカルボン酸等が挙げられる。これらのアミノ酸は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。また、アミノ酸の立体構造については特に限定されず、D−アミノ酸、L−アミノ酸、及びDL−アミノ酸のいずれであってもよい。
上記化合物の塩としては、薬学的又は香粧学的に許容されるものである限り特に制限されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;マグネシウム塩;亜鉛塩;アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。これらの塩は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
本発明の乳化安定化方法は、乳化組成物の保存後において優れた乳化安定性を奏するため、乳化組成物に乳化粒子の凝集を引き起こしやすい電解質がより多く共存していても効果的に乳化安定性を得ることができる。このような観点から、本発明の乳化安定化方法における乳化組成物は、水溶性カルボン酸及び/又はその塩の中でも、完全電離によってより多くの電解質を生じる水溶性カルボン酸の塩を含んでいることがより一層好ましい。
本発明の乳化安定化方法ににおいて、乳化組成物中の水溶性カルボン酸及び/又はその塩の含有量としては特に限定されず、付与すべき特性に応じて適宜決定することができるが、水溶性カルボン酸及び/又はその塩の総量で、例えば0.001〜10重量%が挙げられる。より一層好ましい乳化安定性を得る観点から、水溶性カルボン酸及び/又はその塩の含有量の好ましい例として、0.001〜5重量%が挙げられる。また、本発明の乳化安定化方法は、乳化組成物の保存後において優れた乳化安定性を奏するため、乳化組成物に水溶性カルボン酸及び/又はその塩が比較的多く含まれていても、効果的に乳化安定性を奏することができる。このような観点から、本発明の乳化安定化方法においては、乳化組成物中の水溶性カルボン酸及び/又はその塩の含有量の好適な例として、0.1〜10重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜10重量%が挙げられる。
ウフェナマート
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物に含まれるウフェナマートは、フルフェナム酸ブチルとも称され、水難溶性の非ステロイド性抗炎症薬として公知の成分である。水溶性カルボン酸及び/又はその塩を含む乳化組成物は保存後における性状が不安定であるが、本発明の乳化安定化方法における乳化組成物は、ウフェナマートを配合することで、優れた乳化安定性を奏する。このような本発明の効果が得られるメカニズムとしては定かではないが、ウフェナマートが有するトリフルオロメチル基の極めて高い疎水性が、界面活性剤が油相へ過度に分配されることを妨げることで界面構造を安定化し、これによってCOO-基によるエマルジョン粒子の不安定化が抑制されるものと考えられる。
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物におけるウフェナマートの含有量については特に限定されず、奏すべき乳化安定性に応じて適宜設定されるが、例えば1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%、更に好ましくは3〜7重量%が挙げられる。
本発明の乳化安定化方法において、水溶性カルボン酸及び/又はその塩に対するウフェナマートの比率については、上記の各成分の各含有量に応じて定まるが、より一層優れた乳化安定性を得る観点から、例えば、水溶性カルボン酸及び/又はその塩の総量1重量部当たりのウフェナマートの含有量として、例えば1.5重量部以上、好ましくは1.8重量部以上、より好ましくは2重量部以上が挙げられる。水溶性カルボン酸及び/又はその塩の総量1重量部当たりのウフェナマートの含有量の範囲の上限としては特に限定されないが、例えば40重量部以下、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下が挙げられる。
油分
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物は、油相の基剤成分として油分を含む。油分としては薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、液状油、固形油、高級アルコール等が挙げられる。これらの油分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物における油分の含有量については、乳化組成物の乳化タイプ、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、2〜60重量%、好ましくは4〜30重量%、より好ましくは4〜15重量%、さらに好ましくは6〜8重量%が挙げられる。
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物には、上記の油分の中でも、液状油を含有することが好ましい。液状油とは、25℃において液状の形態を保つ油である。液状油としては、化粧料や外用医薬品等に通常用いられるものであればよく、例えば、;オレイン酸、インステアリン酸等の脂肪酸;エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルへキサン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジバラメトキシケイヒ酸−モノエチルへキサン酸グリセリル等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコーン油;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン等の液状炭化水素油等が挙げられる。
これらの液状油は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの液状油の中でも、好ましくは、エステル油、シリコーン油、液状炭化水素油が挙げられ、より好ましくはミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルポリシロキサン、流動パラフィンが挙げられる。また、これらの液状油の中でも、より一層好ましい乳化安定性を得る観点から、好ましくは液状炭化水素油が挙げられ、より好ましくは流動パラフィンが挙げられる。
本発明の乳化安定化方法において、乳化安定化剤に液状油を含有させる場合、その含有量については、特に制限されず、乳化組成物の乳化タイプ、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは3〜10重量%、さらに好ましくは5〜8重量%が挙げられる。

本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物は、水相の基剤成分として水を含む。本発明の乳化組成物における水の含有量について、乳化組成物の乳化タイプ、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、30〜95重量%、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは30〜80重量%、更に好ましくは30〜75重量%が挙げられる。
また、本発明の乳化安定化方法は、乳化組成物に、保存後の水相分離を抑制する優れた乳化安定性を付与することができるため、乳化組成物が、本来的に水相分離がより一層生じやすい、水を多く含む場合であっても、優れた乳化安定性を奏することが可能になる。このような本発明の効果を鑑みれば、本発明の乳化安定化方法における乳化組成物の好適な態様として、水の含有量が比較的多い乳化組成物が挙げられる。より具体的には、本発明の乳化安定化方法における乳化組成物中の水の含有量の好適な例として、例えば、40〜95重量%、好ましくは45〜95重量%、より好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは55〜95重量%、一層好ましくは60〜95重量%が挙げられる。
界面活性剤
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物は、油相及び水相を乳化させる成分として界面活性剤を含む。界面活性剤としては、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
界面活性剤のHLB値としては、より一層優れた乳化安定性を得る観点から、例えば10〜19、好ましくは13〜17.5、より好ましくは13.5〜15.5が挙げられる。HLB値は、川上法(HLB値=7+11.7log(親水部の式量の総和/親油部の式量の総和))に従って算出される値である。
これらの界面活性剤の中でも、より優れた乳化安定性を得る観点から、好ましくはノニオン性界面活性剤が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類(例えば、PEG−40水添ヒマシ油、PEG−50水添ヒマシ油、PEG−60水添ヒマシ油、PEG−80水添ヒマシ油、PEG−100水添ヒマシ油、);ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル(ステアリン酸グリセリン)、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);グリセリンアルキルエーテル;ステアレス−2;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート等);ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビットモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビットペンタオレエート、ポリオキシエチレンソルビットモノステアレート等);ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリントリイソステアレート等);ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);ポリオキシエチレンアルキルエーテル類(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン2−オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類(例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン−セチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン−2−デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン水添ラノリン、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリンエーテル等);ステアレス−21等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのノニオン性界面活性剤の中でも、より優れた乳化安定性を得る観点から、好ましくはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類が挙げられ、より好ましくは、PEG−60水添ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノステアレートが挙げられる。また、これらのノニオン性界面活性剤の中でも、より一層優れた乳化安定性を得る観点から、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類が挙げられ、より好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートが挙げられる。
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物中の界面活性剤の含有量については、使用する界面活性剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.5〜7重量%、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは2〜5重量%、更に好ましくは3〜5重量%が挙げられる。
その他の成分
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、通常使用される他の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、多価アルコール、増粘剤、pH調節剤、緩衝剤、可溶化剤、キレート剤、防腐剤、保存剤、酸化防止剤、安定化剤、香料、着色料等が挙げられる。
多価アルコールとしては、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、イソプレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコール;グリセリン等の3価アルコール、マクロゴール4000、マクロゴール6000等のポリエチレングリコール等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの多価アルコールの中でも、より優れた乳化安定性を得る観点から、好ましくは2価アルコール、3価アルコールが挙げられ、より好ましくは1,3−ブチレングリコール、グリセリンが挙げられる。
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物中に多価アルコールを含有させる場合、その含有量については、使用する多価アルコールの種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば1〜20重量%、好ましくは5〜18重量%、より好ましくは10〜16重量%が挙げられる。
増粘剤としては、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン等が挙げられる。これらの増粘剤の中でも、より優れた乳化安定性を得る観点から、好ましくはキサンタンガムが挙げられる。また、これらの増粘剤のうち、カルボキシビニルポリマーは、水溶性カルボン酸及び/又はその塩との共存下で極端な粘度低下を受けるため、水溶性カルボン酸及び/又はその塩を含む通常の乳化組成物に配合すると保存安定性の顕著な低下を招来するが、本発明の乳化安定化方法は、乳化組成物に保存後における優れた乳化安定性を付与することができるため、カルボキシビニルポリマーが含まれていても効果的に乳化安定性を奏することができる。このような本発明の効果に鑑みれば、本発明の乳化安定化方法における乳化組成物には増粘剤として少なくともカルボキシビニルポリマーを含んでいることが好ましい。
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物に増粘剤を含有させる場合、その含有量については、使用する増粘剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、より優れた乳化安定性を得る観点から、例えば0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1.8重量%、より好ましくは0.2〜1.5重量%、更に好ましくは0.3〜1重量%、一層好ましくは0.3〜0.6重量%が挙げられる。また、本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物にカルボキシビニルポリマーを含有させる場合、カルボキシビニルポリマーの含有量としては、例えば0.1〜1重量%、好ましくは0.3〜0.5重量%、より好ましくは0.35〜0.45重量%が挙げられる。また、水溶性カルボン酸及び/又はその塩に対するカルボキシビニルポリマーの比率については、上記の各成分の各含有量に応じて定まるが、例えば、水溶性カルボン酸及び/又はその塩の総量1重量部当たりのカルボキシビニルポリマーの含有量として、例えば0.01〜0.5重量部、好ましくは0.03〜0.3重量部、より好ましくは0.06〜0.2重量部が挙げられる。
更に、本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物は、前述する成分の他に、薬学的又は香粧学的な生理機能を発揮できる薬効成分が、必要に応じて含まれていてもよい。このような薬効成分としては、例えば、ステロイド剤(デキサメタゾン、塩酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、塩酸ヒドロコルチゾン、吉草酸プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン等)、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等)、局所麻酔剤(リドカイン、ジブカイン、プロカイン、テトラカイン、ブピバカイン、メピバカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩)、安息香酸アルキルエステル(例えばアミノ安息香酸エチル、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル)、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(アラントイン、サリチル酸、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、殺菌剤(塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、アンモニア水、スルファジアジン、乳酸、フェノール等)、鎮痒剤(クロタミトン、チアントール等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、ビタミン類(ビタミンA,B,C,D,E等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン、ヒアルロン酸等)等が挙げられる。これらの薬効成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物にこれらの薬効成分を含有させる場合、その含有量については、使用する薬効成分の種類、期待する効果等に応じて適宜設定すればよい。
製剤形態・用途
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物の乳化タイプは、油中水型又は水中油型のいずれであってもよい。本発明の乳化安定化方法は、乳化組成物に、保存後における分離を抑制する優れた乳化安定性を備えさせることができるため、本来的に水相分離がより一層生じやすい、水中油型のような水を多く含む乳化組成物に対しても、優れた乳化安定性を備えさせることが可能になる。このような本発明の効果に鑑みれば、本発明の乳化安定化方法における乳化組成物の好ましい乳化タイプは、水の含有量が比較的多い水中油型である。
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物は、化粧料、外用医薬部外品、外用医薬品等の外用剤として使用することができる。本発明の乳化安定化方法におけり乳化組成物の製品形態については、特に制限されないが、例えば、クリーム剤、軟膏剤、乳液剤、ゲル剤、油剤、ローション剤、リニメント剤、エアゾール剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、クリーム剤、軟膏剤、乳液剤、ローション剤が挙げられ、より好ましくは、クリーム剤、乳液剤、ローション剤が挙げられる。
製造方法
本発明の乳化安定化方法において、乳化組成物は、乳化タイプに応じて、公知の乳化製剤の製剤化手法に従って製造することができる。例えば、本発明の乳化安定化方法における乳化組成物の製造方法としては、含有させる成分を水溶性成分と油性成分に分けて、水溶性成分を含む水相と、油性成分を含む油相とを調製し、これらを公知の手法に従って乳化させる方法が挙げられる。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例
表1及び2に示すに示す乳化組成物を調製した。具体的には、(B)成分を(I)の各成分の混合物に加え、70〜80℃で溶解させ、油相を調製した。一方、(II)の各成分の混合物を75〜85℃で溶解させ、更に(A)成分の50重量%水溶液を加え、水相を調製した。70〜80℃に加温した油相に、70〜80℃に加温した水相を加え、ホモミキサーを用いて撹拌して乳化し、35℃まで冷却した。これによって、乳化組成物(乳液剤;水中油型)を製造した。
得られた各乳化組成物10gを、15mLの透明プラスチックチューブに充填し、密封して、遠心分離機により3,000rpmで10分遠心した。遠心後の各乳化組成物を目視にて観察し、以下の基準に基づいて乳化安定性を評価した。結果を表1及び2に示す。
−−:相分離が明確に認められ、水相の濁りの程度が少ない。
−:相分離が明確に認められ、水相の濁りの程度が大きい。
+:相分離が認められず、クリーミング傾向のみ認められる。
++:相分離が認められず、チューブの底先端部にのみ僅かなクリーミング傾向が認められる。
+++:相分離が認められず、乳化状態も均一である。
なお、クリーミング傾向とは、乳化状態の不均一状態をいい、具体的には、生成したエマルジョン中の液滴が、分散媒との比重差によって浮上又は沈降する過程にある状態をいう。
Figure 2021091610
Figure 2021091610
表2から明らかなように、ピロリドンカルボン酸ナトリウムを含まない乳化組成物では乳化状態は安定である(参考例)が、ピロリドンカルボン酸ナトリウムを含む乳化組成物では乳化状態が不安定になる(比較例1、2)ことが認められた。これに対し、表1から明らかなように、ピロリドンカルボン酸ナトリウムを含む乳化組成物に更にウフェナマートを配合することで、乳化状態が安定化した(実施例1〜7)。この乳化安定性の向上効果は、特に、実施例1、4〜7において顕著であった。
処方例
表3及び4に示す処方の乳化組成物(水中油型)を調製した。いずれの乳化組成物も、ウフェナマートによって優れた乳化安定性を獲得した。
Figure 2021091610
Figure 2021091610

Claims (3)

  1. 水溶性カルボン酸及び/又はその塩を含む乳化組成物中に、前記水溶性カルボン酸及び/又はその塩と共に、ウフェナマートを配合する、乳化安定化方法。
  2. 前記乳化組成物が、前記水溶性カルボン酸及び/又はその塩を総量で0.001〜10重量%含む、請求項1に記載の乳化安定化方法。
  3. 前記水溶性カルボン酸及び/又はその塩の総量1重量部当たり、前記ウフェナマートを1.5重量部以上配合する、請求項1又は2に記載の乳化安定化方法。
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