JP2021091192A - 構造物の製造方法および液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ドライフィルムの平坦性が低下することを抑制することができる製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】 凹部6が形成された基板1と、凹部6を塞ぐように基板1上に形成されたドライフィルム3と、を有する構造物7の製造方法において、凹部6が形成された基板1を準備する準備工程と、加熱して軟化したドライフィルム3を、大気圧よりも低い圧力下で、凹部6を塞ぐように基板1上に形成する形成工程と、基板1とドライフィルム3とを大気圧の環境下に置く大気圧下工程と、を有し、大気圧下工程は、ドライフィルム3がドライフィルム3の軟化温度以下になった後に行う。【選択図】 図1
Description
本発明は、構造物の製造方法および液体吐出ヘッドの製造方法に関するものである。
微細な加工が施された構造物は、様々な用途に使用される。その一例として、液体を吐出する液体吐出ヘッドが有する素子基板が挙げられる。素子基板は、主に吐出口と基板とから構成されており、吐出口から液体(インク)を吐出させて紙等の被記録媒体に付着させることにより記録を行う。基板は、液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子を有しており、また、吐出口に液体を供給するための液体供給口が形成されている。
特許文献1では、基板1上に、ドライフィルム化したレジストフィルム(以下、ドライフィルムと称す)をラミネート法により加熱、加圧圧着し、ドライフィルムに露光、現像といったフォトリソグラフィー技術を適用して精密微細空間を形成している。ドライフィルムを加熱した状態で基板に形成(転写)することにより、ドライフィルムが軟化し、基板との密着性が高まる。一般に、基板上にドライフィルムを形成する場合には、基板とドライフィルムとの間に空隙が発生することを抑制するために、減圧下(大気圧よりも低い圧力下)でドライフィルムの形成を行う。
しかしながら、減圧下で基板上にドライフィルムを形成すると、基板とドライフィルムとの間には減圧された閉空間が形成される。そのため、ドライフィルムが軟化したままの状態で減圧下の環境から元の環境下(大気圧下の環境)に基板とドライフィルムを戻すと、閉空間と大気との圧力差によりドライフィルムが閉空間内に引き込まれ、ドライフィルムの平坦性が低下する場合があった。
そこで、本発明は、上記課題を鑑み、ドライフィルムの平坦性が低下することを抑制することができる構造物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。即ち本発明は、凹部が形成された基板と、前記凹部を塞ぐように前記基板上に形成されたドライフィルムと、を有する構造物の製造方法において、前記凹部が形成された基板を準備する準備工程と、加熱して軟化温度以上にした前記ドライフィルムを、大気圧よりも低い圧力下で、前記凹部を塞ぐように前記基板上に形成する形成工程と、前記基板と前記ドライフィルムとを大気圧の環境下に置く大気圧下工程と、を有し、前記大気圧下工程は、前記ドライフィルムが該ドライフィルムの軟化温度未満になった後に行うことを特徴とする。
本発明によれば、ドライフィルムの平坦性が低下することを抑制することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態について説明する。なお、本明細書、本特許請求の範囲の記載における軟化温度とは、ある物質を加熱したときに、物質の温度上昇に伴い流動性を増すときの温度であって、物質の粘度が1×105Pa・sとなるときの温度のことをいう。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における構造物の製造過程を示す概略図である。図1(f)は、基板1をステージ2上に載置したときの上面図であり、図1(a)〜(e)は、図1(f)に示すA−A断面から見た各工程の概略図である。図7は、図1に示す製造過程のフローチャートである。まず、製造過程の全体像について説明する。最初に、減圧下(大気圧より低い圧力下)で、ステージ2上に載置された基板1を準備する(準備工程)(図1(a)、図7の工程1)。次に、減圧下で、基板上1にドライフィルム3を形成する(形成工程)(図1(b)、図7の工程2)。最初、ドライフィルム3は、支持体4に支持されており、支持体4と当接しながらドライフィルム上を走査する転写ローラー(ローラー)5によりドライフィルム3は押圧され、基板1上にドライフィルム3が転写される。ドライフィルム3を基板1に密着性よく形成するため、ドライフィルム3をその軟化温度以上とした状態でこの形成工程を行う。その後、ドライフィルム3の温度がその軟化温度未満に下がった後、基板1およびドライフィルム3を大気圧力下の環境下に置く(戻す)(大気圧下工程)(図1(c)、図7の工程3)。その後、支持体4をドライフィルム3から剥離し、支持体4を除去する(図1(d)、図1(e)、図7の工程4)。次に、上述した各製造過程の詳細について説明する。
図1は、本実施形態における構造物の製造過程を示す概略図である。図1(f)は、基板1をステージ2上に載置したときの上面図であり、図1(a)〜(e)は、図1(f)に示すA−A断面から見た各工程の概略図である。図7は、図1に示す製造過程のフローチャートである。まず、製造過程の全体像について説明する。最初に、減圧下(大気圧より低い圧力下)で、ステージ2上に載置された基板1を準備する(準備工程)(図1(a)、図7の工程1)。次に、減圧下で、基板上1にドライフィルム3を形成する(形成工程)(図1(b)、図7の工程2)。最初、ドライフィルム3は、支持体4に支持されており、支持体4と当接しながらドライフィルム上を走査する転写ローラー(ローラー)5によりドライフィルム3は押圧され、基板1上にドライフィルム3が転写される。ドライフィルム3を基板1に密着性よく形成するため、ドライフィルム3をその軟化温度以上とした状態でこの形成工程を行う。その後、ドライフィルム3の温度がその軟化温度未満に下がった後、基板1およびドライフィルム3を大気圧力下の環境下に置く(戻す)(大気圧下工程)(図1(c)、図7の工程3)。その後、支持体4をドライフィルム3から剥離し、支持体4を除去する(図1(d)、図1(e)、図7の工程4)。次に、上述した各製造過程の詳細について説明する。
まず、基板1上に形成するドライフィルム3の作製方法について説明する。基板1上に形成するドライフィルム3は、スピンコート法やスリットコート法などにより支持体4上に5μm〜200μmの厚さの樹脂(レジストフィルム)を塗布することで作製している。この樹脂の材料としては、例えばネガ型の感光性樹脂であり、ラジカル重合反応を利用したネガ型感光性樹脂や、カチオン重合反応を利用したネガ型感光性樹脂が例示される。また、ネガ型感光性樹脂は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。さらに、必要に応じて添加剤等を適宜添加することができる。また、ネガ型感光性樹脂として、市販されている日本化薬社製「SU−8シリーズ」、「KMPR−1000」(商品名)、東京応化工業製「TMMR S2000」などを用いることができる。支持体4としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)、ポリイミド、炭化水素系フィルムが使用される。なお、既にドライフィルム化された「TMMF S2000」(商品名)シリーズ等も使用可能である。さらには、ドライフィルム3が室温で流動しないように、その軟化温度が50℃以上となるような樹脂を用いてドライフィルムを作製する。
次に、基板1上にドライフィルム3を形成する方法(形成工程)について説明する。基板1上にドライフィルム3を形成する際には、ドライフィルム3を加熱してドライフィルム3を軟化温度以上とし、軟化させる。ドライフィルム3を軟化させることで、ドライフィルム3を基板1に密着させて形成することができる。本発明は、ドライフィルムが軟化温度未満になった後に、詳しくは後述する大気圧下工程を行うため、形成工程におけるステージ2の温度と転写ローラー5の温度をドライフィルム3の軟化温度に対して適切に設定することに特徴がある。以下、形成工程におけるこの温度設定について詳しく説明する。
まず、詳しくは後述する大気圧下工程はドライフィルムが軟化温度未満になっている状態で行うため、形成工程の最中のみドライフィルムを軟化温度以上とすることが必要である。ここで、形成工程においてドライフィルム3を軟化温度以上とする手段としては、ステージ2と転写ローラー5による加熱が挙げられる。そして、形成工程においてドライフィルム3をその軟化温度以上とするためには、ステージ2と転写ローラー5のうち少なくともどちらか一方の温度をドライフィルム3の軟化温度以上に設定することが必要となる。仮に、ステージ2の温度をドライフィルム3の軟化温度以上に設定して各工程(準備工程、形成工程および大気圧下工程)を行うと、ドライフィルム3は各工程の間中、基板1を介してステージ2から熱を受け取る。そのため、ドライフィルム3はステージ2の温度(もしくはその近傍の温度)に収束する。すると、大気圧下工程においてもドライフィルム3の温度がその軟化温度以上となってしまい、本発明のドライフィルム3の変形を抑制するという効果が得られない。一方、ステージ2の温度をドライフィルム3の軟化温度未満に設定して各工程を行う場合には、ステージ2の温度がドライフィルム3の軟化温度未満となっているため、必然的に準備工程、大気圧下工程におけるドライフィルム3は軟化温度未満となる。したがって、まずステージ2の温度については、ドライフィルム3の軟化温度未満に設定することが必要である。しかしながら、転写ローラー5の温度については、形成工程においてドライフィルム3を軟化温度以上としなければならないため、ドライフィルム3の軟化温度以上とする必要がある。
なお、本来は、形成工程においてドライフィルム3を軟化温度以上とするためには、転写ローラー5の温度をドライフィルム3の軟化温度以上とするのみならず、ステージ2の温度も軟化温度以上とする方が好ましい。その方がドライフィルム3を形成する際に確実にドライフィルム3を軟化温度以上とすることができるためである。しかしながら、本発明でそのようにしなかったのは前述の通りである。ゆえに、換言すると、大気圧下工程を行う前にドライフィルム3を軟化温度よりも低くすることを、本発明では、形成工程におけるステージ2の温度をドライフィルム3の軟化温度よりも低く設定することにより行う。
次に、具体的なステージ2および転写ローラー5の設定温度について説明する。まず、ステージ2および転写ローラー5の具体的な設定温度は、ステージ2の温度がドライフィルム3の軟化温度未満であって転写ローラー5の温度が軟化温度以上という条件を満たす限り、形成工程においてドライフィルム3をどの程度軟化させるかに起因する。具体的に形成工程におけるドライフィルム3の軟化の程度は、ドライフィルム3の粘度が、1×103以上1×105Pa・s以下の範囲内となるようにする。ドライフィルム3の粘度が1×103Pa・s未満だと、ドライフィルムが必要以上に軟化し流動してしまい、基板1上にドライフィルム3を形成しても、そのドライフィルムに十分な平坦性が備わらない。一方、ドライフィルムの粘度が1×105Pa・s超過だと、ドライフィルムが十分に軟化していないため、このような状態でドライフィルム3を基板1上に形成しても、基板1とドライフィルム3との十分な密着性が得られない。そのため、形成工程におけるドライフィルム3の軟化の程度、即ちドライフィルムの粘度は、1×103Pa・s以上1×105Pa・s以下の範囲内である必要がある。ゆえに、ステージ2および転写ローラー5の具体的な設定温度としては、ドライフィルム3の粘度が1×103Pa・s以上1×105Pa・s以下を満たすような温度である。そして、ドライフィルム3が上記の粘度を満たすために、ドライフィルム3として軟化温度が70℃のものを用いる場合には、ステージ2の温度は50℃以上60℃以下に設定し、転写ローラー5の温度は80℃以上150℃以下に設定する。
上述したように、ステージ2の温度はドライフィルム3の軟化温度未満にする必要があるが、ドライフィルム3の軟化温度に対して低すぎるとドライフィルム3の粘度を1×103Pa・s以上にすることが困難となる。そのため、ステージ2の温度は、ドライフィルム3の軟化温度が70℃の場合には、50℃以上60℃以下に設定することが必要である。また、上述したように、転写ローラー5の温度についてはドライフィルム3の軟化温度以上にする必要があるが、ドライフィルム3の軟化温度に対して高すぎるとドライフィルム3の粘度を1×105Pa・s以下にすることが困難となる。そのため、転写ローラー5の温度は、ドライフィルム3の軟化温度が70℃の場合には、80℃以上150℃以下に設定することが必要である。
次に、基板1およびドライフィルム3を大気圧下の環境に置く工程(大気圧下工程)について説明する。大気圧下工程は、ドライフィルム3の温度が軟化温度より低くなった後に行う。ドライフィルム3の温度が軟化温度以上になっている状態で大気圧下工程を行うと、ドライフィルム3の粘度が低下して強度が低下しているため、密閉空間8内の圧力と大気圧との圧力差により、ドライフィルム3が容易に変形してしまうためである。ドライフィルム3が軟化温度未満であれば、ドライフィルム3の粘度が1×105Pa・S超過となり、密閉空間8と大気圧との圧力差に耐えうる強度をドライフィルム3が有するため、ドライフィルム3の変形を抑制することができる。なお、密閉空間8とは、形成工程においてドライフィルム3が基板1の凹部6を塞ぐように形成されることにより形成される密閉された空間のことであり、この密閉空間8の内部圧力は、形成工程を減圧下で行ったことにより大気圧よりも低い圧力となっている。このような大気圧下工程によるドライフィルム3の変形を抑制するために、本発明において大気圧下工程は、ドライフィルム3の温度が軟化温度より低くなった後に行う。即ち、換言すれば、形成工程の後に迅速にドライフィルム3をその軟化温度未満とすることが必要である。そのために、前述したように、ステージ2の温度をドライフィルム3の軟化温度未満に設定することで、形成工程の終了後、即ち、転写ローラー5がドライフィルム3から離間した後、速やかにドライフィルム3の温度を軟化温度未満とすることができる。
なお、図1では片側から掘り込まれた凹部6を有する基板1を図示しているが、図2のように、貫通穴9があいた基板1に対して片側の面をテープやシートなどで塞いだ基板を使用してもよい。テープには、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、オレフィンフィルム、ポリイミドフィルムなどにアクリル系、シリコン系粘着材がついたものが挙げられる。またシートについては、PET、PEN、オレフィンフィルム、ポリイミドフィルムなど単体シート、前記の単体シートに接着剤や離型剤などの機能層が塗工されたものが挙げられる。
ドライフィルム3の時間と粘度の関係について、図4を参照しながら説明する。図4(a)は、ステージ2の温度をドライフィルム3の軟化温度以上に設定しているときのドライフィルム3の粘度を示す図である。図4(b)は、ステージ2の温度をドライフィルム3の軟化温度未満に設定しているときのドライフィルム3の粘度を示す図である。ステージ2の温度をドライフィルム3の軟化温度以上に設定していると、図4(a)に示すように、転写ローラー5がドライフィルム3から離間した後(形成工程の終了後)においても、ドライフィルム3が軟化温度以上となり粘度が1×105Pa・s未満となる。一方、ステージ2の温度がドライフィルム3の軟化温度以上に設定していると、図4(b)に示すように、転写ローラー5がドライフィルム3から離間した後においては、ドライフィルム3が軟化温度未満となり粘度が1×105Pa・sを超過する。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図5を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。図5(a)は、第2の実施形態における、形成工程の終了後であって大気圧下工程を行う前に行う工程の概略図である。まず、形成工程におけるステージ2は、ドライフィルム3の軟化温度が70℃の場合には、第1の実施形態で説明したように、50℃以上60℃以下の温度となるように加熱(設定)されている。したがって、形成工程の後により迅速にドライフィルム3の温度を低下させるために、本実施形態においては、図5(a)に示すように、形成工程の後であって大気圧下工程の前に基板1をステージ2から1mm以上離間させる。これにより、ドライフィルム3を加熱していた熱源であるステージ2からの熱の供給が途絶えるため、迅速にドライフィルム3を軟化温度未満に冷却することができる。
第2の実施形態について図5を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。図5(a)は、第2の実施形態における、形成工程の終了後であって大気圧下工程を行う前に行う工程の概略図である。まず、形成工程におけるステージ2は、ドライフィルム3の軟化温度が70℃の場合には、第1の実施形態で説明したように、50℃以上60℃以下の温度となるように加熱(設定)されている。したがって、形成工程の後により迅速にドライフィルム3の温度を低下させるために、本実施形態においては、図5(a)に示すように、形成工程の後であって大気圧下工程の前に基板1をステージ2から1mm以上離間させる。これにより、ドライフィルム3を加熱していた熱源であるステージ2からの熱の供給が途絶えるため、迅速にドライフィルム3を軟化温度未満に冷却することができる。
さらには、基板1をステージ2から離した後であって大気圧下工程の前に、冷媒、ファンなどの冷却手段を用いてドライフィルム3を冷却する冷却工程を行ってもよい。これにより、より迅速にドライフィルム3を軟化温度以下にすることができる。または、ドライフィルムの軟化温度未満の温度(例えば、10度以下)に設定した低温の冷却ステージ上へ基板1を移動させることでドライフィルム3を冷却してもよい。または、図5(b)に示すように、ドライフィルムの軟化温度未満の温度(例えば、10度以下)に設定した低温の冷却ローラー10を形成工程の後にドライフィルム3上を走査させてもよい。または、ヒートシンクをドライフィルム3に接触させることによりドライフィルム3を冷却してもよい。
または、ドライフィルム3は50度以上60度以下の温度となるように加熱機構(不図示)が駆動されて加熱されているため、形成工程の終了後はステージ2の加熱機構の駆動を停止し、ステージ2への加熱を止めるようにしてもよい。これにより、基板1上に形成されたドライフィルム3を形成工程の後、迅速に軟化温度未満にすることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。本実施形態は、ステージ2や転写ローラー5を高温にするのではなく、転写ローラーを走査させているときに、加熱手段(ランプ等)で一定時間のみドライフィルム3を加熱する。これにより、必要最低限の加熱で済むため、ドライフィルム3を基板1上に形成した後、速やかにドライフィルム3を軟化温度以下にすることができる。ドライフィルム3への加熱は、ドライフィルム3の吸収率の高い波長を選択することが好ましい。
第3の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。本実施形態は、ステージ2や転写ローラー5を高温にするのではなく、転写ローラーを走査させているときに、加熱手段(ランプ等)で一定時間のみドライフィルム3を加熱する。これにより、必要最低限の加熱で済むため、ドライフィルム3を基板1上に形成した後、速やかにドライフィルム3を軟化温度以下にすることができる。ドライフィルム3への加熱は、ドライフィルム3の吸収率の高い波長を選択することが好ましい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。本実施形態は、本発明を、液体を吐出して記録を行う液体吐出ヘッド(不図示)の製造方法に適用するものである。液体吐出ヘッドは、液体を吐出するための吐出口に液体を供給する流路が形成された流路形成部材が、シリコン等の基板に形成されている。また、この基板には、流路部材の流路に液体を供給するための供給口となる凹部が形成されている。したがって、このような液体吐出ヘッドを、凹部が形成された基板上に流路部材となるドライフィルムを形成して製造する場合には、本発明を適用することができる。このとき、液体吐出ヘッドのシリコン等の基板が図1に示す基板1に、供給口が図1に示す凹部6に、流路部材となるドライフィルムが図1に示すドライフィルム3にそれぞれ該当する。
第4の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。本実施形態は、本発明を、液体を吐出して記録を行う液体吐出ヘッド(不図示)の製造方法に適用するものである。液体吐出ヘッドは、液体を吐出するための吐出口に液体を供給する流路が形成された流路形成部材が、シリコン等の基板に形成されている。また、この基板には、流路部材の流路に液体を供給するための供給口となる凹部が形成されている。したがって、このような液体吐出ヘッドを、凹部が形成された基板上に流路部材となるドライフィルムを形成して製造する場合には、本発明を適用することができる。このとき、液体吐出ヘッドのシリコン等の基板が図1に示す基板1に、供給口が図1に示す凹部6に、流路部材となるドライフィルムが図1に示すドライフィルム3にそれぞれ該当する。
以下、本発明の具体的な実施の例について説明する。図1(a)に示すように、凹部6が形成されたシリコンの基板1を、100Pa以下に減圧されたチャンバ内にあるステージ2上に載置する。次に、PET(ポリエチレンテレフタラート)からなる支持体4上にエポキシ樹脂(大日本インキ社製 N−695を含む)をスピンコート法により70℃で塗布し、ドライフィルム3を形成する。ドライフィルム3は、その軟化温度が70℃のものを使用した。ドライフィルム3の厚みは15μmとした。その後、図1(b)に示すように、ステージ2の温度を60℃、転写ローラー5の温度を80℃とし、転写ローラー5の押圧圧力を400kPa、走査速度を5mm/sとし、ドライフィルム3を基板1上に形成(ラミネート)した。ドライフィルム3は転写ローラー5による加熱で軟化温度以上になり、形成工程でのドライフィルム3の粘度は1×104Pa・sであった。転写ローラー5がドライフィルム3から離間した後は、ドライフィルム3は軟化温度未満になっており、その粘度は1×106Pa・sであった。その後、図1(c)に示すように、大気圧に開放した。その後、図1(d)に示すように、ドライフィルム3から支持体4が剥離され、構造物7を製造した(図1(e))。最後に、基板1上に形成されたドライフィルム3の表面粗さを測定したところ、表面粗さは所望の精度内に収まったことが確認された。なお、ドライフィルム3の表面粗さは、ドライフィルム3の表面のうち無作為に選出した10点の表面を電子顕微鏡で測定しものの平均値とした。
(比較例)
以下、図6を参照しながら本発明の比較例を具体的に説明する。図6(a)に示すように、凹部6が形成された基板1が100Pa以下に減圧された空間にあるステージ2に載置される。次に、図6(b)に示すように、PETからなる支持体4上にエポキシ樹脂(大日本インキ社製 N−695を含む)をスピンコート法にて70℃で塗布し、ドライフィルム3を形成した。ドライフィルム3は、その軟化温度が70℃のものを使用した。ドライフィルム3の厚みは15μmとした。次に、図6(b)に示すように、ドライフィルム3を基板1上に形成するため、ステージ2の温度を80℃、転写ローラー5の温度を80℃とし、圧力400kPa、走査速度5mm/sで形成工程を行った。転写ローラー5がドライフィルム3から離間した後、ドライフィルム3は軟化温度以上となっており、その粘度は、1×104Pa・sであった。その後、図6(c)に示すように、大気圧下にさらした。次に、図6(d)に示すように、支持体4をドライフィルム3から剥離し、構造物7を製造した(図6(e))。ドライフィルム3の表面粗さを測定したところ、表面粗さが所望の精度に収まっていなかった。なお、ドライフィルム3の表面粗さは、ドライフィルム3の表面のうち無作為に選出した10点の表面を電子顕微鏡で測定しものの平均値とした。
以下、図6を参照しながら本発明の比較例を具体的に説明する。図6(a)に示すように、凹部6が形成された基板1が100Pa以下に減圧された空間にあるステージ2に載置される。次に、図6(b)に示すように、PETからなる支持体4上にエポキシ樹脂(大日本インキ社製 N−695を含む)をスピンコート法にて70℃で塗布し、ドライフィルム3を形成した。ドライフィルム3は、その軟化温度が70℃のものを使用した。ドライフィルム3の厚みは15μmとした。次に、図6(b)に示すように、ドライフィルム3を基板1上に形成するため、ステージ2の温度を80℃、転写ローラー5の温度を80℃とし、圧力400kPa、走査速度5mm/sで形成工程を行った。転写ローラー5がドライフィルム3から離間した後、ドライフィルム3は軟化温度以上となっており、その粘度は、1×104Pa・sであった。その後、図6(c)に示すように、大気圧下にさらした。次に、図6(d)に示すように、支持体4をドライフィルム3から剥離し、構造物7を製造した(図6(e))。ドライフィルム3の表面粗さを測定したところ、表面粗さが所望の精度に収まっていなかった。なお、ドライフィルム3の表面粗さは、ドライフィルム3の表面のうち無作為に選出した10点の表面を電子顕微鏡で測定しものの平均値とした。
1 基板
2 ステージ
3 ドライフィルム
5 転写ローラー
6 凹部
7 構造物
2 ステージ
3 ドライフィルム
5 転写ローラー
6 凹部
7 構造物
Claims (16)
- 凹部が形成された基板と、前記凹部を塞ぐように前記基板上に形成されたドライフィルムと、を有する構造物の製造方法において、
前記凹部が形成された基板を準備する準備工程と、
加熱して軟化温度以上にした前記ドライフィルムを、大気圧よりも低い圧力下で、前記凹部を塞ぐように前記基板上に形成する形成工程と、
前記基板と前記ドライフィルムとを大気圧の環境下に置く大気圧下工程と、
を有し、
前記大気圧下工程は、前記ドライフィルムが該ドライフィルムの軟化温度未満になった後に行うことを特徴とする構造物の製造方法。 - 前記形成工程において、前記ドライフィルムの粘度は、1×103以上1×105Pa・s以下であり、
大気圧下工程は、前記ドライフィルムの粘度が1×105Pa・sより大きくなった後に行う請求項1に記載の構造物の製造方法。 - 前記形成工程において、前記基板は該基板を支持するステージ上に載置され、かつ、前記ドライフィルムが該ドライフィルム上を走査するローラーにより加圧されることにより、前記ドライフィルムが前記基板上に形成される請求項1または2に記載の構造物の製造方法。
- 前記形成工程において、前記ステージの温度は、前記ドライフィルムの軟化温度未満であり、
前記形成工程において、前記ローラーの温度は、前記ドライフィルムの軟化温度以上である請求項3に記載の構造物の製造方法。 - 前記ドライフィルムの軟化温度は、50℃以上である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の構造物の製造方法。
- 前記ドライフィルムの軟化温度は、70℃であり、
前記形成工程において、前記ステージの温度は50℃以上60℃以下であり、前記ローラーの温度は80℃以上150℃以下である請求項3または4に記載の構造物の製造方法。 - 前記形成工程の後であって前記大気圧下工程の前に、前記ステージから前記基板を離間する請求項4に記載の構造物の製造方法。
- 前記形成工程の後であって前記大気圧下工程の前に、冷却手段により前記ドライフィルムを該ドライフィルムの軟化温度未満まで冷却する冷却工程を有する請求項4に記載の構造物の製造方法。
- 前記冷却手段は、前記基板を載置する冷却ステージであり、
前記冷却工程において、前記ドライフィルムの軟化温度未満の温度となっている前記冷却ステージに前記基板を載置する請求項8に記載の構造物の製造方法。 - 前記冷却手段は、前記ドライフィルム上を走査する冷却ローラーであり、
前記冷却工程において、前記ドライフィルムの軟化温度未満の温度となっている前記冷却ローラーを前記ドライフィルム上で走査させる請求項8に記載の構造物の製造方法。 - 前記冷却工程において、前記冷却ステージは、10度以下の温度となっている請求項9に記載の構造物の製造方法。
- 前記冷却工程において、前記冷却ローラーは、10度以下の温度となっている請求項10に記載の構造物の製造方法。
- 前記形成工程の後であって前記大気圧下工程の前に、前記形成工程において前記ステージを加熱していた加熱機構の駆動を停止する請求項4に記載の構造物の製造方法。
- 前記形成工程において、前記ドライフィルム上で前記ローラーを走査させているときのみ、加熱手段により前記ドライフィルムを該ドライフィルムの軟化温度以上まで加熱する請求項3に記載の構造物の製造方法。
- 前記加熱手段は、ランプである請求項14に記載の構造物の製造方法。
- 液体を吐出する吐出口に液体を供給する流路が形成されている流路部材と、前記流路部材を支持し、前記流路に液体を供給するための液体供給口が形成されている基板と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記液体供給口となる凹部が形成された基板を準備する工程と、
前記流路形成部材となるドライフィルムを加熱し軟化温度以上にした該ドライフィルムを、大気圧よりも低い圧力下で、前記凹部を塞ぐように前記基板上に形成する形成工程と、
前記基板と前記ドライフィルムとを大気圧の環境下に置く大気圧下工程と、
を有し、
前記大気圧下工程は、前記ドライフィルムが該ドライフィルムの軟化温度未満になった後に行うことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
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JP2019224720A JP2021091192A (ja) | 2019-12-12 | 2019-12-12 | 構造物の製造方法および液体吐出ヘッドの製造方法 |
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2019
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