JP2021089921A - チップ状電子部品用ジグ - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のX方向線状部材と複数のY方向線状部材とによって構成されるものであって、チップ状電子部品の、チップ収納部への振り込み操作およびチップ収納部からの取り出し操作の双方を円滑に実施できる、チップ状電子部品用ジグを提供する。【解決手段】チップ状電子部品用ジグ11のチップ収納部13を規定する底壁部14と側壁部15とを分離可能とし、側壁部15を、境界部17を介して開口16を持ち第1空間18aを規定する第1側壁部18と、第1空間18aに連通する第2空間19aを規定する第2側壁部19と、の2つの部分に分離可能とする。チップ収納部13に受け入れられたチップ状電子部品12の頭部21は、開口16からはみ出さないが、チップ収納部13からの取り出し操作時に第1側壁部18を取り除くと、第2側壁部19からはみ出す。また、底壁部14を共通にしながら、側壁部15を他の側壁部と交換することができる。【選択図】図3
Description
この発明は、チップ状電子部品を収納しかつ保持する複数のチップ収納部を有するチップ状電子部品用ジグに関するもので、特に、チップ状電子部品用ジグの形態における改良に関するものである。
この発明にとって興味あるチップ状電子部品用ジグが、たとえば特開2008−177188号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1に記載のチップ状電子部品用ジグは、チップ状電子部品の処理に用いられるジグであり、支持部材と、受け部材とを含んでいる。支持部材は、金属材料で構成されている。支持部材は、全体として平面状であり、その面内に多数の貫通するチップ挿入孔、すなわちチップ収納部を有している。受け部材は、金属経線と金属緯線とを織り込んだ網状体である。受け部材は、支持部材の一面に接合され、チップ収納部の開口面内に、少なくとも1つの交差部を存在させている。
上記のチップ状電子部品用ジグを用いて複数のチップ状電子部品を反応ガスで処理する際には、チップ状電子部品用ジグに形成された複数のチップ収納部の各々にチップ状電子部品が1つずつ挿入される。チップ状電子部品用ジグの受け部材は、網状体からなるため、通気性を有する。したがって、処理工程において、反応ガスはチップ状電子部品の周辺に流れ込むことができる。
チップ状電子部品用ジグにおけるチップ収納部に挿入されたチップ状電子部品は、その頭部がチップ収納部の開口からはみ出さない方が望ましい場面と、その頭部がチップ収納部の開口からはみ出した方が望ましい場面と、がある。
より具体的には、チップ収納部にチップ状電子部品を振り込む場合には、チップ状電子部品は、その頭部がチップ収納部の開口からはみ出さない方が望ましい。すなわち、チップ状電子部品をチップ収納部に振り込むには、チップ収納部の開口を上方に向けた状態で、チップ状電子部品用ジグ上に複数のチップ状電子部品をばらまいた後、チップ状電子部品用ジグを揺する。このとき、複数のチップ収納部の各々にチップ状電子部品が振り込まれ、チップ収納部にチップ状電子部品が収納された状態が得られる。チップ収納部に振り込まれず、チップ状電子部品用ジグ上に余ったチップ状電子部品は、チップ状電子部品用ジグを傾けてふるい落とされる。
このようなチップ収納部への振り込み操作を実施している間、先に振り込まれたチップ状電子部品の頭部がチップ収納部の開口からはみ出していると、はみ出したチップ状電子部品の頭部が、しばしば、後に振り込まれるチップ状電子部品の、チップ状電子部品用ジグ上での動きを制限し、その結果、チップ状電子部品の振り込み動作を阻害することがある。また、振り込み操作後に、チップ状電子部品用ジグを傾けることによって、チップ状電子部品用ジグ上に余ったチップ状電子部品をふるい落とそうとすると、振り込みが完了したチップ状電子部品までもがチップ収納部から飛び出してしまうことがある。
他方、チップ状電子部品に対する処理を終えて、チップ収納部からチップ状電子部品を取り出そうとする場合には、チップ状電子部品の頭部はチップ収納部の開口からはみ出した方が望ましい。なぜなら、チップ状電子部品の頭部がチップ収納部の開口からはみ出していた方が、チップ状電子部品をチップ収納部から取り出しやすいからである。また、チップ状電子部品がチップ収納部内に完全に納まっていると、チップ状電子部品がたとえば傾いたりすると、チップ状電子部品の頭部の角の部分がチップ収納部を規定する壁面のどこかに引っ掛かってしまい、チップ状電子部品を円滑に取り出せないことがあるが、チップ状電子部品の頭部がチップ収納部の開口からはみ出していると、このような事態は招かない。
そこで、この発明の目的は、チップ状電子部品の、チップ収納部への振り込み操作およびチップ収納部からの取り出し操作の双方を円滑に実施できる、チップ状電子部品用ジグを提供しようとすることである。
この発明に係るチップ状電子部品用ジグは、第1の局面では、X方向およびY方向を互いに交差する方向とし、かつZ方向をX方向およびY方向に直交する方向としたとき、各々がX方向に延びる複数のX方向線状部材と、各々がY方向に延びる複数のY方向線状部材とを備える。これら複数のX方向線状部材と複数のY方向線状部材とによって、チップ状電子部品を収納するためのもので、X方向およびY方向の2方向に配列された、複数のチップ収納部が構成される。
各チップ収納部は、チップ状電子部品を受ける底壁部と、底壁部の周縁部からZ方向に立ち上がる側壁部とを有し、側壁部は、底壁部とは反対側において、チップ状電子部品をチップ収納部に受け入れる開口を形成している。
上記底壁部は、側壁部内の空間を横切るX方向線状部材およびY方向線状部材の少なくとも一方によって形成される。
上記側壁部は、Z方向に配列された複数のX方向線状部材およびZ方向に配列された複数のY方向線状部材によって形成される。
このような構成のチップ状電子部品用ジグにおいて、上述した技術的課題を解決するため、この発明では、底壁部と側壁部とは分離可能であり、さらに、側壁部は、そのZ方向での中間位置にある境界部を介して、開口を持ちかつZ方向に貫通する第1空間を規定する第1側壁部と、第1空間に連通しながらZ方向に貫通する第2空間を規定する第2側壁部と、の少なくとも2つの部分に分離可能とされている。
この発明の第2の局面に係るチップ状電子部品用ジグでは、上述した底壁部は、板状部材によって形成される。すなわち、この発明に係るチップ状電子部品用ジグは、第2の局面では、各々がX方向に延びる複数のX方向線状部材と、各々がY方向に延びる複数のY方向線状部材と、X方向およびY方向に広がる板状部材とを備える。そして、チップ状電子部品を収納するための複数のチップ収納部の底壁部は、板状部材によって形成される。第2の局面に係るチップ状電子部品用ジグのその他の構成は、前述した第1の局面に係るチップ状電子部品用ジグの構成と同様である。
なお、この発明に係るチップ状電子部品用ジグによって扱われるチップ状電子部品は、完成されたチップ状電子部品に限らず、たとえば焼成の対象となる未焼成のチップ状電子部品のような製造途中の半製品としてのチップ状電子部品をも含む。
この発明によれば、側壁部は、開口を持ちかつZ方向に貫通する第1空間を規定する第1側壁部と、第1空間に連通しながらZ方向に貫通する第2空間を規定する第2側壁部と、の少なくとも2つの部分に分離可能とされているので、必要に応じて、チップ収納部に受け入れられたチップ状電子部品の頭部が、第1側壁部からはみ出さないが、第1側壁部を取り除いたとき、第2側壁部からはみ出す、といった2つの使用態様を可能とすることができる。
したがって、この発明に係るチップ状電子部品用ジグは、チップ収納部に挿入されたチップ状電子部品について、その頭部がチップ収納部からはみ出さない方が望ましい場面と、その頭部がチップ収納部からはみ出した方が望ましい場面と、の双方に対応することができる。
また、この発明によれば、チップ状電子部品を受ける機能を有する底壁部が、側壁部から分離可能であるので、底壁部を共通にしながら、この底壁部に、たとえばチップ収納部の寸法および形状が異なる複数種類の側壁部を組み合わせて使用することができる。したがって、複数種類のチップ状電子部品を取り扱えるチップ状電子部品用ジグを低コストで提供することができる。
図1ないし図4を参照して、チップ状電子部品用ジグ11の構成について説明する。説明にあたり、X方向、Y方向およびZ方向を、図1ないし図4に図示したように定める。X方向およびY方向は互いに交差し、Z方向はX方向およびY方向に直交する。なお、X方向およびY方向は互いに直交することが好ましい。
チップ状電子部品用ジグ11は、
(1)各々がX方向に延びる、複数のX方向線状部材X1、複数のX方向線状部材X2、複数のX方向線状部材X3、複数のX方向線状部材X4、複数のX方向線状部材X5、および複数のX方向線状部材X6と、
(2)各々がY方向に延びる、複数のY方向線状部材Y1、複数のY方向線状部材Y2、複数のY方向線状部材Y3、複数のY方向線状部材Y4、複数のY方向線状部材Y5、複数のY方向線状部材Y6、および複数のY方向線状部材Y7と、
を備える。
(1)各々がX方向に延びる、複数のX方向線状部材X1、複数のX方向線状部材X2、複数のX方向線状部材X3、複数のX方向線状部材X4、複数のX方向線状部材X5、および複数のX方向線状部材X6と、
(2)各々がY方向に延びる、複数のY方向線状部材Y1、複数のY方向線状部材Y2、複数のY方向線状部材Y3、複数のY方向線状部材Y4、複数のY方向線状部材Y5、複数のY方向線状部材Y6、および複数のY方向線状部材Y7と、
を備える。
複数のX方向線状部材X1〜X6は、図3に示すように、互いに異なる層をなすように配置されている。また、複数のY方向線状部材Y1〜Y7は、図3に示すように、互いに異なる層をなすように配置されている。複数のX方向線状部材X1〜X6と複数のY方向線状部材Y1〜Y7とは、Z方向において、交互に配置される。
図2ないし図4に図示されたチップ状電子部品12をたとえば1個ずつ収納するため、複数のチップ収納部13が上述した複数のX方向線状部材X1〜X6と複数のY方向線状部材Y1〜Y7とによって構成される。複数のチップ収納部13は、図1に示すように、X方向およびY方向の2方向に配列される。なお、チップ状電子部品12の形態によっては、チップ収納部13は、複数の、たとえば2個のチップ状電子部品12を収納し得る大きさおよび形状とされてもよい。
この実施形態では、X方向線状部材X1〜X6ならびにY方向線状部材Y1〜Y7は、断面円形状の棒材の形態を有している。このことから、チップ収納部13内のチップ状電子部品12とX方向線状部材X1〜X6ならびにY方向線状部材Y1〜Y7との接触面積を小さくすることができ、チップ状電子部品12のまわりで、ガスを円滑に流通させることができる。
チップ収納部13の各々は、チップ状電子部品12を受ける底壁部14と、底壁部14からZ方向に立ち上がる側壁部15とを有している。
底壁部14は、図2において下に図示されたチップ収納部13からわかるように、側壁部15内の空間を横切る少なくとも1つのX方向線状部材X6と少なくとも1つのY方向線状部材Y7とによって形成される。なお、底壁部14は、側壁部15内の空間を横切るX方向線状部材X6およびY方向線状部材Y7のいずれか一方のみによって形成されてもよい。ただし、側壁部15内の空間を横切るX方向線状部材X6およびY方向線状部材Y7の少なくとも一方の数は多い方が好ましい。言い換えると、側壁部15内の空間を横切るX方向線状部材X6およびY方向線状部材Y7の少なくとも一方についての配置ピッチは短い方が好ましい。この実施形態では、3つのX方向線状部材X6および3つのY方向線状部材Y7が側壁部15内の空間を横切るように配置されている。
側壁部15は、Z方向に配列された複数のX方向線状部材X1〜X5およびZ方向に配列された複数のY方向線状部材Y1〜Y6によって形成される。側壁部15は、底壁部14とは反対側において、チップ状電子部品12をチップ収納部13に受け入れる開口16を形成している。
上記底壁部14と上記側壁部15とは分離可能である。
図3および図4を参照して、側壁部15は、そのZ方向での中間位置にある境界部17を介して、上記開口16を持ちかつZ方向に貫通する第1空間18aを規定する第1側壁部18と、第1空間18aに連通しながらZ方向に貫通する第2空間19aを規定する第2側壁部19と、の少なくとも2つの部分に分離可能とされている。
第1空間18aおよび第2空間19aは、互いに同じ断面形状かつ断面寸法である。開口16は、複数のX方向線状部材X1のY方向に隣り合うものと複数のY方向線状部材Y1のX方向に隣り合うものとによって規定される四角形の形状を有している。また、第1空間18aおよび第2空間19aの各々の断面形状は、四角形である。この実施形態では、開口16ならびに第1空間18aおよび第2空間19aの各々の断面形状は、正方形の形状を有する。
X方向線状部材X1〜X6ならびにY方向線状部材Y1〜Y7は、たとえば、SiC、ジルコニア、イットリア安定化ジルコニア、アルミナもしくはムライト等のセラミック、ニッケル、アルミニウム、インコネル(登録商標)もしくはステンレス鋼などの金属、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ABS(Acrylonitrile butadiene styrene)ライク樹脂もしくはその他の耐熱樹脂などの樹脂材料、カーボン、または、金属とセラミックとからなる複合材料で構成され得る。
この実施形態においては、X方向線状部材X1〜X6ならびにY方向線状部材Y1〜Y7は、セラミックから構成されている。したがって、境界部17を介するものを除いて、X方向線状部材X1〜X6ならびにY方向線状部材Y1〜Y7の各々の互いに接するもの同士の接合は、好ましくは、焼結により達成される。
また、X方向線状部材X1〜X6ならびにY方向線状部材Y1〜Y7の各々の表面は、SiC、ジルコニア、イットリア、イットリア安定化ジルコニア、アルミナもしくはムライト等のセラミック、または、ニッケルなどの金属によってさらにコーティングされていてもよい。
チップ状電子部品12をチップ収納部13に収納するには、図3に示すように、第1側壁部18を第2側壁部19上に置いた状態としておく。この状態を保持するため、チップ状電子部品用ジグ11全体の外周を取り囲む枠が用いられたり、係合具または連結具などが用いられたりしてもよい。
この実施形態では、第1側壁部18と第2側壁部19とは直接接する状態にあり、境界部17では、第1側壁部18にはX方向線状部材X3が位置し、第2側壁部19にはY方向線状部材Y4が位置している。この構成によれば、第1側壁部18を第2側壁部19上に積み重ねた状態での第1側壁部18の位置ずれを生じにくくすることができる。これに反して、X方向線状部材同士あるいはY方向線状部材同士が接するようになると、X方向線状部材およびY方向線状部材が比較的細い部材であるので、位置ずれが生じやすい。
上述した効果と同様の効果は、境界部で、逆に、第1側壁部にはY方向線状部材が位置し、第2側壁部にはX方向線状部材が位置している場合にも奏される。
次いで、チップ収納部13における開口16を上方に向けた状態で、チップ状電子部品用ジグ11上に複数のチップ状電子部品12をばらまいた後、チップ状電子部品用ジグ11を揺する。このとき、開口16を通して、図2および図3に示すように、複数のチップ収納部13の各々にチップ状電子部品12が振り込まれ、チップ収納部13にチップ状電子部品12が収納された状態が得られる。チップ収納部13に振り込まれず、チップ状電子部品用ジグ11上に余ったチップ状電子部品12は、チップ状電子部品用ジグ11を傾けてふるい落とされる。
上述の振り込み操作の結果、チップ収納部13に収納されたチップ状電子部品12は、図3に示すように、その頭部21が開口16からはみ出さない状態となっている。仮に、先に振り込まれたチップ状電子部品12の頭部21がチップ収納部13の開口16からはみ出していると、はみ出したチップ状電子部品12の頭部21が、しばしば、後に振り込まれるチップ状電子部品12の、チップ状電子部品用ジグ11上での動きを制限し、その結果、チップ状電子部品12の振り込み動作を阻害することがある。また、振り込み操作後に、チップ状電子部品用ジグ11を傾けることによって、チップ状電子部品用ジグ11上に余ったチップ状電子部品12をふるい落とそうとすると、振り込みが完了したチップ状電子部品12までもがチップ収納部13から飛び出してしまうことがある。
次に、チップ状電子部品用ジグ11によって保持された複数のチップ状電子部品12は、焼成等の所定の処理工程に付される。処理工程では、チップ状電子部品用ジグ11が基本的にX方向線状部材X1〜X6およびY方向線状部材Y1〜Y7から構成されているので、チップ状電子部品12に対する反応ガス等の通気性を良好なものとすることができる。処理工程は、複数のチップ状電子部品用ジグ11を複数段に積み重ねた状態で実施されることもある。このように、複数のチップ状電子部品用ジグ11を複数段に積み重ねた状態にする場合においても、チップ状電子部品12は、その頭部21が第1開口16からはみ出さない状態となっていることが好ましい。
上記処理工程を終えると、チップ収納部13からチップ状電子部品12が取り出される。このとき、チップ状電子部品12は、その頭部21がチップ収納部13からはみ出している方が好ましい。チップ状電子部品12のはみ出しは、チップ状電子部品12のチップ収納部13からの取り出しを容易にする。また、チップ状電子部品12がチップ収納部13内で傾いて、チップ状電子部品12の頭部21の角の部分がチップ収納部13を規定する壁面のどこかに引っ掛かってしまうことも避けられる。
チップ状電子部品12の頭部21がチップ収納部13からはみ出した状態とするため、図4に示すように、チップ状電子部品用ジグ11から第1側壁部18が取り除かれる。その結果、チップ状電子部品12の頭部21は、第2側壁部19からはみ出した状態となる。このように、チップ状電子部品12の頭部21が第2側壁部19からはみ出した状態としてから、チップ状電子部品12がチップ収納部13から取り出される。
チップ状電子部品用ジグ11がチップ状電子部品12の焼成工程で用いられる場合、チップ状電子部品12は焼成によって縮むが、チップ状電子部品12が縮んだ後であっても、第1側壁部18が取り除かれた図4の状態で、チップ状電子部品12の頭部21が第2側壁部19からはみ出す寸法設計とされることが好ましい。
なお、この実施形態では、第1側壁部18のZ方向寸法は、第2側壁部19のZ方向寸法より長いが、これら寸法は任意に変更でき、たとえば、第1側壁部18のZ方向寸法が、第2側壁部19のZ方向寸法より短くても、第1側壁部18のZ方向寸法が、第2側壁部19のZ方向寸法と等しくてもよい。
また、側壁部15は、第1側壁部18と第2側壁部19との2つに分割されたが、3つ以上に分割されてもよい。
前述したように、底壁部14と側壁部15とは分離可能である。このことを利用して、図5および図6に示すように、底壁部14を共通にしながら、この底壁部14に、たとえばチップ収納部の寸法が異なる複数種類の側壁部を組み合わせる使用方法が可能である。なお、図5および図6に示した形態では、特に断らない限り、図3および図4に示した形態の場合と共通する説明を用いることができる。
図5を参照して、チップ状電子部品用ジグ11aは、複数のX方向線状部材X6および複数のY方向線状部材Y7からなる底壁部14に加えて、前述した側壁部15とは異なる側壁部25を備える。側壁部25は、Z方向に配列された複数のX方向線状部材X11〜X13およびZ方向に配列された複数のY方向線状部材Y11〜Y14によって形成される。X方向線状部材X11〜X13とY方向線状部材Y11〜Y14とは、Z方向において交互に配置される。
前述したチップ状電子部品12とは寸法が異なるチップ状電子部品22をたとえば1個ずつ収納するため、複数のチップ収納部23が上述したX方向線状部材X6およびX11〜X13とY方向線状部材Y7およびY11〜Y14とによって構成される。これら複数のチップ収納部23についても、チップ収納部13の場合と同様、X方向およびY方向の2方向に配列される。
側壁部25は、底壁部14とは反対側において、チップ状電子部品22をチップ収納部23に受け入れる開口26を形成している。
図5および図6を参照して、側壁部25は、側壁部15の場合と同様、そのZ方向での中間位置にある境界部27を介して、上記開口26を持ちかつZ方向に貫通する第1空間28aを規定する第1側壁部28と、第1空間28aに連通しながらZ方向に貫通する第2空間29aを規定する第2側壁部29と、の少なくとも2つの部分に分離可能とされている。
第1空間28aおよび第2空間29aは、互いに同じ断面形状かつ断面寸法である。開口26は、複数のX方向線状部材X11のY方向に隣り合うものと複数のY方向線状部材Y11のX方向に隣り合うものとによって規定される四角形の形状を有している。また、第1空間28aおよび第2空間29aの各々の断面形状は、四角形である。好ましくは、開口26ならびに第1空間28aおよび第2空間29aの各々の断面形状は、正方形の形状を有する。
このチップ状電子部品用ジグ11aの使用方法は、取り扱われるチップ状電子部品がチップ状電子部品12からチップ状電子部品22に変更されたことを除いて、前述したチップ状電子部品用ジグ11の使用方法と実質的に同じである。
すなわち、チップ状電子部品用ジグ11aは、図5に示すように、第1側壁部28を第2側壁部29上に置いた状態とされる。そして、チップ収納部23における開口26を上方に向けた状態で、チップ状電子部品用ジグ11a上に複数のチップ状電子部品22をばらまいた後、チップ状電子部品用ジグ11aを揺することによって、開口26を通して、複数のチップ収納部23の各々にチップ状電子部品22が振り込まれ、チップ収納部23にチップ状電子部品22が収納された状態が得られる。
次に、チップ状電子部品用ジグ11aによって保持された複数のチップ状電子部品22は、焼成等の所定の処理工程に付される。処理工程を終えると、チップ収納部23からチップ状電子部品22が取り出される。このとき、チップ状電子部品用ジグ11aから第1側壁部28が取り除かれ、チップ状電子部品22の頭部30が第2側壁部29からはみ出した状態とされる。
この実施形態において、側壁部15および25以外に、チップ収納部の寸法および形状が側壁部15および25のものとは異なる側壁部をさらに用意しておけば、底壁部14を共通にしながら、多くの種類のチップ状電子部品を取り扱えるチップ状電子部品用ジグを低コストで提供することができる。
なお、側壁部25は、第1側壁部28と第2側壁部29との2つに分割されたが、3つ以上に分割されても、あるいは、一体化され、分割されない構成であってもよい。
次に、図7を参照して、この発明の第2の実施形態によるチップ状電子部品用ジグ11bについて説明する。図7において、図3に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
チップ状電子部品用ジグ11bは、底壁部14aが板状部材によって形成されることを特徴としている。板状部材は、セラミックから構成されることが好ましいが、用途によっては、たとえばニッケルなどの金属から構成されてもよい。また、通気性を向上させるため、必要に応じて、底壁部14aを形成する板状部材に、チップ状電子部品を通さない複数の貫通孔が設けられても、あるいは板状部材が連続気泡発泡体から構成されてもよい。
以上、この発明を図示した実施形態に関連して説明したが、この発明の範囲内において種々の変形が可能である。
たとえば、X方向線状部材およびY方向線状部材のY方向およびX方向での配列数は、求められるチップ収納部の数に応じて任意に変更することができる。また、X方向線状部材およびY方向線状部材のZ方向での配列数は、チップ収納部の求められる深さに応じて任意に変更することができる。
図示されたX方向線状部材およびY方向線状部材の各々の断面形状は、円形状であったが、楕円状、半円状、三角形状、四角形状、その他の多角形状であってもよい。
この発明に係るチップ状電子部品用ジグは、チップ状電子部品の製造のための焼成工程で用いられる他、めっき工程、洗浄工程、乾燥工程などでも用いられることができる。
X1〜X6,X11〜X13 X方向線状部材
Y1〜Y7,Y11〜Y14 Y方向線状部材
11,11a,11b チップ状電子部品用ジグ
12,22 チップ状電子部品
13,23 チップ収納部
14,14a 底壁部
15,25 側壁部
16,26 開口
17,27 境界部
18,28 第1側壁部
18a,28a 第1空間
19,29 第2側壁部
19a,29a 第2空間
21,30 頭部
Y1〜Y7,Y11〜Y14 Y方向線状部材
11,11a,11b チップ状電子部品用ジグ
12,22 チップ状電子部品
13,23 チップ収納部
14,14a 底壁部
15,25 側壁部
16,26 開口
17,27 境界部
18,28 第1側壁部
18a,28a 第1空間
19,29 第2側壁部
19a,29a 第2空間
21,30 頭部
Claims (9)
- X方向およびY方向を互いに交差する方向とし、かつZ方向をX方向およびY方向に直交する方向としたとき、
各々がX方向に延びる複数のX方向線状部材と、各々がY方向に延びる複数のY方向線状部材とを備え、
前記複数のX方向線状部材と前記複数のY方向線状部材とによって、チップ状電子部品を収納するためのもので、X方向およびY方向の2方向に配列された、複数のチップ収納部が構成され、
各前記チップ収納部は、チップ状電子部品を受ける底壁部と、前記底壁部の周縁部からZ方向に立ち上がる側壁部とを有し、
前記側壁部は、前記底壁部とは反対側において、チップ状電子部品を前記チップ収納部に受け入れる開口を形成していて、
前記底壁部は、前記側壁部内の空間を横切る前記X方向線状部材および前記Y方向線状部材の少なくとも一方によって形成され、
前記側壁部は、Z方向に配列された複数の前記X方向線状部材およびZ方向に配列された複数の前記Y方向線状部材によって形成され、
前記底壁部と前記側壁部とは分離可能であり、さらに、
前記側壁部は、そのZ方向での中間位置にある境界部を介して、前記開口を持ちかつZ方向に貫通する第1空間を規定する第1側壁部と、前記第1空間に連通しながらZ方向に貫通する第2空間を規定する第2側壁部と、の少なくとも2つの部分に分離可能とされている、
チップ状電子部品用ジグ。 - 前記X方向線状部材および前記Y方向線状部材は、セラミックからなる、請求項1に記載のチップ状電子部品用ジグ。
- X方向およびY方向を互いに交差する方向とし、かつZ方向をX方向およびY方向に直交する方向としたとき、
各々がX方向に延びる複数のX方向線状部材と、各々がY方向に延びる複数のY方向線状部材と、X方向およびY方向に広がる板状部材とを備え、
チップ状電子部品を収納するためのもので、X方向およびY方向の2方向に配列された、複数のチップ収納部を有し、
各前記チップ収納部は、チップ状電子部品を受ける底壁部と、前記底壁部の周縁部からZ方向に立ち上がる側壁部とを有し、
前記側壁部は、前記底壁部とは反対側において、チップ状電子部品を前記チップ収納部に受け入れる開口を形成していて、
前記底壁部は、前記板状部材によって形成され、
前記側壁部は、Z方向に配列された複数の前記X方向線状部材およびZ方向に配列された複数の前記Y方向線状部材によって形成され、
前記底壁部と前記側壁部とは分離可能であり、さらに、
前記側壁部は、そのZ方向での中間位置にある境界部を介して、前記開口を持ちかつZ方向に貫通する第1空間を規定する第1側壁部と、前記第1空間に連通しながらZ方向に貫通する第2空間を規定する第2側壁部と、の少なくとも2つの部分に分離可能とされている、
チップ状電子部品用ジグ。 - 前記X方向線状部材および前記Y方向線状部材ならびに前記板状部材は、セラミックからなる、請求項3に記載のチップ状電子部品用ジグ。
- X方向およびY方向は互いに直交する、請求項1ないし4のいずれかに記載のチップ状電子部品用ジグ。
- 前記チップ収納部に受け入れられたチップ状電子部品の頭部は、前記開口からはみ出さないが、前記第1側壁部を取り除いたとき、前記第2空間からはみ出す、請求項1ないし5のいずれかに記載のチップ状電子部品用ジグ。
- 前記第1側壁部と前記第2側壁部とは直接接する状態にあり、前記境界部では、前記第1側壁部および前記第2側壁部の一方には前記X方向線状部材が位置し、前記第1側壁部および前記第2側壁部の他方には前記Y方向線状部材が位置する、請求項1ないし6のいずれかに記載のチップ状電子部品用ジグ。
- 前記開口は、正方形の形状を有する、請求項1ないし7のいずれかに記載のチップ状電子部品用ジグ。
- 前記X方向線状部材および前記Y方向線状部材は、断面円形状である、請求項1ないし8のいずれかに記載のチップ状電子部品用ジグ。
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JP2007194510A (ja) * | 2006-01-20 | 2007-08-02 | Tdk Corp | セラミック電子部品用冶具、及び、それを用いたセラミック電子部品の製造方法 |
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