JP7330109B2 - 緩衝部材および緩衝部材を備えるロボットによる把持方法 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性材料により形成された板状の緩衝部材に関する。また本発明は、かかる緩衝部材を利用したロボットによる物品の把持方法に関する。
ロボットが各種産業に利用されている。ロボットにより種々の物品を把持して移動させる作業なども行われており、いわゆるマテリアルハンドリングと呼ばれる技術分野では、ロボットを利用した物品の移動技術が開発されている。
ロボットによって物品を把持して固定したり搬送したりするようにすると、様々な形や大きさの物品を固定したり搬送できて、汎用性が高められ、好ましい。そのようなロボットの把持部には、摩擦力を高め、物品の把持がより確実となるように、緩衝材や被覆材が設けられる。
例えば、特許文献1には、ロボットの把持部に用いられる積層構造の被覆材が開示されている。被覆材の外層には複数の貫通穴が設けられ、より軟質な材料で構成される内層が貫通穴から露出するように構成されている。かかる構成の被覆材により、様々な把持対象の物体に応じて、該物体を把持するために適切な把持性能を発揮させることができる。
特許第6191432号公報
把持対象物が柔らかい場合、例えば、桃等の果物であるような場合、ロボットの把持部が硬いと、把持対象物が傷つきやすいので、ロボットの把持部には緩衝部材を設けて、緩衝部材を弾性変形させて把持対象物を把持することが好ましい。
しかしながら、柔らかな緩衝部材をロボットの把持部に設けると、保持力が低下し、把持した把持対象物が落下しやすくなるという問題があり、緩衝部材を柔らかくすることと、保持力を高めることの間には性能上のトレードオフ関係があった。
本発明の目的は、緩衝部材の柔軟性を高める点にある。また、本発明の他の目的は、保持力の高い緩衝部材を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかる緩衝部材を用いたロボットの把持方法を提供し、把持対象物を傷つけずに、把持する際の保持力を高めることにある。
発明者は、鋭意検討の結果、弾性材料製の板状緩衝部材を、複数の穴が所定の平面パターンで並んで設けられて穴と穴が平板状の間仕切り壁で仕切られた格子状もしくはハニカム状となるように構成すると、上記課題の少なくとも1つが解決しうることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、把持対象物を把持するロボットの、開閉動作可能に構成された組をなす把持部材に対し設けられる、弾性材料により形成された板状の緩衝部材であって、前記緩衝部材は、把持部材と把持対象物に挟まれて板の厚み方向に弾性変形するように設けられるものであり、緩衝部材には、複数の穴が所定の平面パターンで並んで設けられており、穴と穴が隣接する部分は、それぞれ平板状の間仕切り壁とされて、前記間仕切り壁が互いにつなげられて格子状もしくはハニカム状の構造となっており、前記穴は、それぞれ、緩衝部材の厚み方向に設けられていて、前記穴の中心軸が、緩衝部材の面直方向に対し傾いている、緩衝部材である(第1発明)。
第1発明において、好ましくは、前記穴が緩衝部材を貫く貫通穴である(第2発明)。また、第1発明において、好ましくは、弾性材料の硬度がデュロA硬度で20度~80度であり、穴の中心軸が緩衝部材の面直方向となす角度が5度~60度である(第3発明)。
また、本発明は、ロボットにより把持対象物を把持する方法であって、ロボットは開閉動作可能に構成された組をなす把持部材を備えており、前記把持部材には、把持対象物と接触する部位に、第1発明ないし第3発明のいずれかに記載の緩衝部材が取り付けられており、緩衝部材を略鉛直方向に延在させた際に、前記緩衝部材の穴の中心軸は、緩衝部材から把持対象物へと向かうにしたがって上方に向かうように傾いて設けられており、前記ロボットを動作させて、前記緩衝部材を略鉛直方向に延在させつつ、前記把持部材を開いた状態で把持対象物を緩衝部材の間に配置した後に、前記把持部材を閉じて、緩衝部材を厚み方向に弾性変形させて把持対象物を把持する、把持方法である(第4発明)。
本発明の緩衝部材(第1発明)や本発明の把持方法(第4発明)によれば、把持対象物が緩衝部材の間仕切り壁を斜めに押すことになって間仕切り壁が弾性変形しやすく、緩衝部材の柔軟性が高められる。また、間仕切り壁が支柱のように把持対象物を支えるようになるので、保持力も高められる。
さらに、第2発明や第3発明では、緩衝部材の柔軟性や保持力がより高められうる。
第1実施形態の緩衝部材の構造を示す平面図および断面図である。 第1実施形態の緩衝部材を把持部に取り付けたロボットにより把持対象物を把持しようとする状態を示す模式図である。 第1実施形態の緩衝部材を把持部に取り付けたロボットにより把持対象物を把持した状態を示す模式図である。 他の実施形態の緩衝部材の構造を示す正面図および断面図である。 他の実施形態の緩衝部材の構造を示す正面図および断面図である。 他の実施形態の緩衝部材の構造を示す正面図および断面図である。 他の実施形態の緩衝部材の構造を示す正面図および断面図である。 他の実施形態の緩衝部材の構造を示す正面図および断面図である。
以下図面を参照しながら、物品搬送用ロボットの把持部材に使用される緩衝部材を例として、発明の実施形態について説明する。発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。なお、緩衝部材の用途もロボットの把持部用途に限定されない。
図1は、第1実施形態の緩衝部材1の構造を示す平面図および断面図である。
緩衝部材1は、弾性材料により形成された板状の緩衝部材である。板の厚みは一定であってもよいが、変化していてもよい。後述するように緩衝部材1には多数の穴H,Hが設けられている。
緩衝部材1を形成する弾性材料としては、ゴムや熱可塑性エラストマーなどの樹脂材料が使用できる。シリコーンゴムなどの弾力性に富むゴム材料を使用することが好ましい。
必須ではないが、弾性材料の硬度は、デュロA硬度で20度~80度であることが好ましく、30度~70度であることが特に好ましい。
板状の緩衝部材1には、複数の穴H,Hが所定の平面パターンで並んで設けられている。それぞれの穴H,Hは、緩衝部材の厚み方向に設けられている。必須ではないが、本実施形態では、複数の穴H,Hは、緩衝部材を貫く貫通穴である。穴H,Hはいわゆる有底穴であってもよい。緩衝部材1において穴を除いた部分の表面は、本実施形態のように平滑な平面状であってもよいが、滑らかな曲面状であってもよく、表面にうねりや凹凸があってもよい。
緩衝部材1において、穴Hと穴Hが隣接する部分は、それぞれ平板状の間仕切り壁11,12となっている。すなわち、間仕切り壁11,12によって、互いに隣接する穴H,Hが仕切られている。図1では、図の上下方向に延在する間仕切り壁に11の番号を付け、以下第1間仕切り壁11と呼ぶ。また、図の左右方向に延在する間仕切り壁には12の番号を付け以下第2間仕切り壁12と呼ぶ。
間仕切り壁11,12は、本実施形態のように平坦な板状であってもよいが、後述する他の実施形態における間仕切り壁のように、湾曲していてもよい。また、間仕切り壁11,12の厚みは一定であってもよいが、変化していてもよい。
間仕切り壁11,12は、互いにつなげられて、緩衝部材1は格子状もしくはハニカム状の構造となっている。必須ではないが、本実施形態では、複数の第1間仕切り壁11、11が図の上下方向に連結され、複数の第2間仕切り壁12、12が図の左右方向に連結されて、両者が互いに交差するように連結された四角形状の格子状となっている。格子の具体的形態は、後述するような他の形態であってもよく、三角形状の格子状やレンガ積み状の格子状、円弧と直線を組み合わせた格子状であってもよい。また、緩衝部材1は、後述するように、六角形の穴が並べられたハニカム状の構造であってもよい。
緩衝部材1において、複数の穴が設けられて格子状もしくはハニカム状の構造とされる部分は、本実施形態のように、緩衝部材1の全体であってもよいし、緩衝部材1の一部であってもよい。ロボットにより把持対象物を保持する用途であれば、緩衝部材1と把持対象物が接触する部分が、複数の穴が設けられて格子状もしくはハニカム状の構造とされていればよく、他の部分例えば緩衝部材の周縁部は、後述する第2実施形態の緩衝部材4(図4)のように、他の構造、例えば穴のない、中実ソリッドな構造であってもよい。
緩衝部材1において、前記穴H,Hの中心軸mが、板状の緩衝部材1の面直方向nに対し傾いている。本実施形態では、穴H,Hは、緩衝部材の裏面PTから緩衝部材の表面PHに向かうにしたがって、穴の中心軸が図の上方向(A方向)に向かうように傾いて設けられている。図1では、この傾斜方向を白抜き矢印A方向で示している。後述する他の実施形態においても、穴の傾斜方向に関し、白抜き矢印によって同様の記載をする。
穴H,Hが、緩衝部材1の面直方向nに対し傾いて設けられることにより、穴Hと穴Hの間に間仕切り壁も、穴に対応した傾斜を有することになる。必須ではないが、本実施形態では、第1間仕切り壁11,11は、緩衝部材1の面直方向nと平行に延在し、第2間仕切り壁12,12は、緩衝部材1の面直方向nに対しA方向に角度αの傾きを有するように延在している。
必須ではないが、穴H,Hの中心軸mが、板状の緩衝部材1の面直方向nとなす角度αは、5度~60度であることが好ましく、10度~50度であることがより好ましい。角度αが大きいと、緩衝部材1の柔軟性が向上する。
必須ではないが、複数の穴H,Hの中心軸は、互いに略平行であり、同じ方向(本実施形態ではA方向)に傾斜していることが好ましい。なお、傾斜方向をそろえることは必須ではなく、後述する他の実施形態のように、板状の緩衝部材1の領域もしくは部位ごとに穴の傾斜方向を変えてもよい。
上記実施形態の緩衝部材1は、公知の製造方法を応用して製造できる。
例えば、所定の格子状もしくはハニカム状の構造となるように、ゴム材料を押出成形して架橋し、形状が安定したところで、押し出された部材を押出方向に対し斜めに傾いた平面でスライスして板状に切り出すことにより、上記実施形態の緩衝部材1を製造することができる。
あるいは、上記実施形態の緩衝部材1の外面形状に対応する内周面を有する射出成型金型を作成し、当該金型を用いて、ゴム材料や熱可塑性エラストマーの射出成型を行い、上記実施形態の緩衝部材1を製造することができる。
あるいは、ゴム材料等をプレス成形、ロール成形して、所定の板厚のゴム板を製造し、かかるゴム板にレーザー光やパンチなどを用いて複数の穴H,Hを開けて、上記実施形態の緩衝部材1を製造することもできる。
上記実施形態の緩衝部材1は、例えば、ロボットにより把持対象物を把持する用途に使用できる。この場合、例えば、図2に示すようにロボットが構成される。図2には、ロボットの手先部分のみを示し、腕に相当する部分は省略している。また、図2は、図の上側が鉛直方向上方となるように描かれている。
ロボットは把持対象物Mを把持するための組をなす把持部材23,23を備えている。把持部材23、23は開閉動作可能なように構成される。把持部材23,23が開閉動作するための具体的構成は特に限定されない。本実施形態では、把持部材23,23はフィンガー部材21,22の先端部に取り付けられていて、フィンガー部材21,22がピボット24を中心に回転することによって、把持部材23,23が開閉動作する。また、把持部材の位置や姿勢を制御するための、ロボットの腕に相当する部分の具体的構成は特に限定されない。
組をなす把持部材23,23の数は、2つであってもよく、3つ、もしくは4つ以上であってもよい。把持部材が2つの場合には、図2のように、把持部材によって把持対象物Mを挟むように把持すればよい。把持部材が3つ以上の場合には、把持対象物Mを取り囲むように把持部材23,23を配置して、把持対象物を把持することが好ましい。
把持部材23,23が把持対象物Mを把持する側の面には、把持部材23,23に上記実施形態の緩衝部材1が取り付けられている。すなわち、緩衝部材1は把持対象物Mと接触する部位に、把持部材23と把持対象物Mに挟まれるように設けられる。
また、緩衝部材1は、穴の中心軸mが傾く方向(A方向)が特定の方向を向くように把持部材23に取り付けられる。すなわち、緩衝部材1は、図2のように、板状の緩衝部材1を略鉛直方向に延在させた際に、緩衝部材1の穴の中心軸mが、緩衝部材1から把持対象物Mへと向かうにしたがって上方に向かうように傾いて設けられている。換言すると、把持対象物を把持する際に、穴の中心軸mが傾く方向(A方向)が鉛直方向上方を向くように、緩衝部材1は把持部材23に取り付けられる。
穴の中心軸mが傾く方向(A方向)が鉛直方向上方を向く際には、必ずしも、前記A方向が鉛直方向真上を向いている必要はなく、鉛直方向真上に対し、傾いていてもよい。例えば、図2において、穴の中心軸mが傾く方向(A方向)が、図の紙面手前側や紙面奥側に傾くようにされていてもよい。水平方向から見て、A方向のベクトルが上向きの成分を有するようにされていればよい。
以上のような構成のロボットを動作させて、把持対象物Mを把持する。
まず、緩衝部材1,1を略鉛直方向に延在させつつ、把持部材23,23を開いた状態として、把持対象物Mを緩衝部材1,1の間に配置する(図2)。
その後、把持部材23,23を閉じる。そして、把持対象物Mによる押圧で、緩衝部材1,1を厚み方向に弾性変形させる。こうして把持対象物Mを把持する。
以上のようにして、図3のように、ロボットによって把持対象物Mが把持される。
上記実施形態の緩衝部材1や、かかる緩衝部材を用いた上記実施形態のロボットによる把持方法によれば、以下のような作用および効果が奏せられる。
上記実施形態の緩衝部材1では、複数の穴H,Hが所定の平面パターンで並んで設けられて格子状もしくはハニカム状の構造となっており、穴H,Hの中心軸mが、緩衝部材1の面直方向nに対し傾いているため、把持対象物Mが緩衝部材1に押し付けられると、緩衝部材が変形しやすく、緩衝部材の柔軟性が高められる。
即ち、穴H,Hの中心軸mが、緩衝部材1の面直方向nに対し傾いていると、穴と穴を間仕切りする間仕切り壁(特に第2間仕切り壁12)も、緩衝部材1の面直方向nに対し傾いて設けられることになる。このような緩衝部材1に把持対象物Mが押し付けられると、把持対象物Mにより、間仕切り壁12が斜めに押し倒されるように弾性変形することになる。
上記第1実施形態の緩衝部材1とは異なり、間仕切り壁が全て面直方向nに延在している場合には、把持対象物が面直方向に押し付けられると、間仕切り壁が延在方向に圧縮されることになり、比較的大きな力がかかって間仕切り壁が座屈変形するようになるまで、比較的変形しにくい。そのため、緩衝部材の柔軟性が損なわれやすい。このような緩衝部材は、桃のような傷つきやすい把持対象物を傷つける恐れがある。
一方、上記実施形態の緩衝部材1では、間仕切り壁(特に第2間仕切り壁12)が緩衝部材1の面直方向nに対し傾いて設けられているため、間仕切り壁12が斜めに押し倒されるように弾性変形することができ、間仕切り壁が弾性変形しやすく、緩衝部材の柔軟性が高められる。
また、上記実施形態の緩衝部材1では、緩衝部材を柔軟にしつつ、ロボットによって把持対象物を保持する保持力も高めることができる。ロボットにおいて、緩衝部材1は、緩衝部材1を略鉛直方向に延在させた際に、緩衝部材1の穴H,Hの中心軸mが、緩衝部材1から把持対象物Mへと向かうにしたがって上方に向かうように傾いて設けられている。
そして、ロボットを動作させて、緩衝部材1を略鉛直方向に延在させつつ、ロボットの把持部材23,23を開いた状態で把持対象物Mを緩衝部材1,1の間に配置した後に、把持部材23,23を閉じて、緩衝部材1,1を厚み方向に弾性変形させて把持対象物Mを把持する(図3)。
すると、緩衝部材1の第2間仕切り壁12の一部が、把持対象物Mと把持部材23の間に支柱のように斜めに延在するように配置される。この時、第2間仕切り壁12が斜めに配された支柱のように把持対象物の下側部分を支えるようになり、把持対象物Mを把持する保持力が高められる。
そして、緩衝部材1では、間仕切り壁11,12が互いにつなげられて格子状もしくはハニカム状の構造となっているため、把持対象物Mが鉛直方向下方に落ちようとする際に、個々の第2間仕切り壁12がその力に負けて変形してしまうことが、第1間仕切り壁11や他の間仕切り壁との相互作用によって抑制される。すなわち、緩衝部材1では、格子状もしくはハニカム状の間仕切り壁の構造体が、一体となって把持対象物の落下に対し抗することになり、緩衝部材の柔軟性が高いにも関わらず、保持力が高められる。
また、図2や図3に示したように、緩衝部材1を用いたロボットで把持対象物Mを把持するようにすれば、把持対象物Mに押されて緩衝部材1が厚み方向に弾性変形する際に、把持対象物Mを上方に持ち上げるような力が働くため、把持対象物Mがやや持ち上げられるように、ロボットに把持される。これにより、把持した際に、把持対象物Mが置載台Bに押し付けられてしまうことが抑制され、傷つきやすい把持対象物であっても把持対象物を傷つける恐れが低減される。すなわち、上記したロボットの把持方法によれば、桃等の果物のような、傷つきやすい把持対象物を、傷つけることなく把持できる。
緩衝部材1の柔軟性と保持力を高めるとの観点から、穴H,Hが緩衝部材1を貫く貫通穴であることが好ましい。穴H,Hが貫通穴であれば、把持部材23の側から穴Hの内部の空気を逃がすよう構成することができ、緩衝部材がより柔軟に変形しやすくなる。また、穴H,Hが貫通穴であれば、把持部材23の側から穴H,Hの一部から空気を吸引するようにして、緩衝部材1の保持力を高めることもできる。
緩衝部材1の柔軟性と保持力を高めるとの観点から、緩衝部材1を構成する弾性材料の硬度がデュロA硬度で35度~80度であり、穴Hの中心軸mが緩衝部材の面直方向nとなす角度が5度~60度であることが好ましい。このようにされていれば、緩衝部材1の柔軟性と保持力がより高められる。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
図4ないし図8には、他の実施形態の緩衝部材を示す。なお、これらの図では、緩衝部材がロボットの把持部材に取り付けられて把持対象物を把持する際の鉛直方向上方が、それぞれの図の上下方向の上に対応するように図示している。
図4には、第2実施形態の緩衝部材4を示す。本実施形態では、穴4H、4Hが三角形状であり、これら穴が六角形状の平面パターンで配置されて、間仕切り壁41,41がつながる格子状の構造とされている点が第1実施形態の緩衝部材1と異なるが、他の点は同様である。第2実施形態の緩衝部材4においても、穴4H,4Hは、穴の中心軸mが裏面から表面に向かうにしたがって、図4の上方向(A方向)に向かうよう、緩衝部材の面直方向nに対し傾いて設けられている。
係る構成により、第2実施形態の緩衝部材4においても、緩衝部材4の柔軟性が高められ、保持力も高められる。
図5には、第3実施形態の緩衝部材5を示す。本実施形態では、穴5H、5Hが六角形状であり、これら穴がハチの巣状の平面パターンで配置されて、間仕切り壁51,51がつなげられたハニカム状の構造とされている点が第1実施形態の緩衝部材1と異なるが、他の点は同様である。第3実施形態の緩衝部材5においても、穴5H,5Hは、穴の中心軸mが裏面から表面に向かうにしたがって、図5の上方向(A方向)に向かうよう、緩衝部材の面直方向nに対し傾いて設けられている。
係る構成により、第3実施形態の緩衝部材5においても、緩衝部材5の柔軟性が高められ、保持力も高められる。
図6には、第4実施形態の緩衝部材6を示す。本実施形態では、穴6H、6Hが四角形状で、間仕切り壁61a,61b,62が互いにつながる構成により、格子状の構造とされている点は第1実施形態の緩衝部材1と同様であるが、穴が傾く方向が異なっている。本実施形態では、穴6H、6Hは、それぞれの穴の中心軸m1、m2が裏面から表面に向かうにしたがって、図6の上方向(A方向)に向かうよう、緩衝部材の面直方向nに対し傾いて設けられていることに加え、中心軸m1、m2は、中心軸m1、m2が裏面から表面に向かうにしたがって、図6の横方向(B1方向、B2方向)に向かうようにも傾いている。
このように、中心軸m1、m2は横方向に傾いていてもよく、係る構成であっても、第4実施形態の緩衝部材6では、緩衝部材6の柔軟性が高められ、保持力も高められる。
また、図6に示した第4実施形態の緩衝部材6では、緩衝部材の中心線cに対し右側の領域では、穴6H、6Hの中心線m1が、中心軸m1が裏面から表面に向かうにしたがって、図6の左方向(B1方向)に向かうようにも傾いている。一方、緩衝部材の中心線cに対し左側の領域では、穴6H、6Hの中心線m2が、中心軸m2が裏面から表面に向かうにしたがって、図6の右方向(B2方向)に向かうようにも傾いている。すなわち、左右の領域で、穴に互いに異なる傾きが与えられており、左右方向で互いに向かい合うような方向(B1方向,B2方向)に傾けられている。
係る構成によれば、図の横方向に延在する第2間仕切り壁62,62が、緩衝部材の裏面から表面に向かうにしたがって図の上方向(A方向)に向かうように傾いて延在する。そのため、第2間仕切り壁62は、把持対処物により緩衝部材6が弾性変形する際に、把持対象物と把持部材との間で斜めの支柱のようになって把持対象物を支えることになり、把持対象物の保持力の向上に貢献する。
また、緩衝部材の中心線cに対し右側の領域では、図の上下方向に延在する第1間仕切り壁61aや穴が、図の左方向(B1方向)に傾くのに対し、緩衝部材の中心線cに対し左側の領域では、図の上下方向に延在する第1間仕切り壁61bや穴が、図の右方向(B2方向)に傾くようにされている。そのため、このような緩衝部材を介して、把持部材により把持対象物を把持/解放する動作を行うと、傾いた壁61a,61bの弾性変形により、把持対象物を緩衝部材の中心線cに向けて押すような力が生じ、把持対象物がセンタリングされる。すなわち、第4実施形態の緩衝部材6をロボットの把持部材に取り付けると、把持対象物を緩衝部材の中心線cに向けてセンタリングすることができる。
図7には、第5実施形態の緩衝部材7を示す。本実施形態では、一連の間仕切り壁が同心円を放射状に区分したような形状となるように設けられている。隣接する穴7H、7Hを隔てる間仕切り壁は、放射状に設けられる第1間仕切り壁71,71と同心円状に設けられる第2間仕切り壁72,72が連結するように設けられ、穴7H,7Hは、円弧と直線が組み合わされた略四角形状の形態とされている。第2間仕切り壁72,72や穴の中心軸mは、裏面から表面に向かうにしたがって、同心円の中心Oに向かうよう、白抜き矢印の方向に傾いて設けられている。
係る構成の緩衝部材7によっても、緩衝部材の柔軟性が高められ、保持力も高められる。なお、保持力を高める観点からは、把持対象物の下側を支える部分に対応する緩衝部材の領域で、緩衝部材から把持対象物Mに向かうにしたがって鉛直上方に向かう方向に第2間仕切り壁72,72や穴の中心軸mが傾くようにされていればよい。
また、第5実施形態の緩衝部材7においても、第4実施形態の緩衝部材6と同様に、ロボットの把持部材に取り付けると、把持対象物を同心円の中心Oに向けてセンタリングすることができる。
図8には、第6実施形態の緩衝部材8を示す。緩衝部材8は、図6の第4実施形態の緩衝部材6と比べ、左右方向に延在する間仕切り壁82,82や穴8H,8Hの中心線が、緩衝部材の裏面から表面に向かうにしたがって図の上方に向かうようには傾いていない点が相違しており、他の点は、図6の第4実施形態の緩衝部材6と同様である。
第6実施形態の緩衝部材8においても、緩衝部材の中心線cに対し右側の領域では、図の上下方向に延在する第1間仕切り壁81aや穴の中心軸m1が、図の左方向(B1方向)に傾くのに対し、緩衝部材の中心線cに対し左側の領域では、図の上下方向に延在する第1間仕切り壁81bや穴の中心軸m2が、図の右方向(B2方向)に傾くようにされている。
第6実施形態の緩衝部材8においても、例えば、緩衝部材8を略鉛直方向に延在させた際に、上記B1方向が鉛直上方を向くようにロボットの把持部材に取り付けて把持対象物を把持するようにすれば、同様に、緩衝部材の柔軟性が高められ、保持力も高められる。
なお、上記実施形態の緩衝部材を、ロボットの把持部材に取り付ける際には、緩衝部材の穴や間仕切り壁が面直方向nに対し水平方向にも傾くように緩衝部材を取り付け、組をなす把持部材において、穴や間仕切り壁が水平方向に傾く方向が、回転対称となるように構成してもよい。このような構成とすると、ロボットの把持部材を開閉させると、把持対象物を鉛直軸周りに回転させるモーメントが生じ、把持対象物を回転させて、把持対象物の姿勢を整えることができる。
また、上記一連の実施形態の緩衝部材の用途は、ロボットの把持部に取り付けられる緩衝部材に限定されず、他の緩衝用途にも使用可能である。例えば、上記実施形態の緩衝部材は、搬送用のコンベアの置載面と搬送対象物との間に配置する緩衝部材として使用でき、
その柔軟性により、搬送対象物への傷つきなどを抑制できる。
また、図7の第5実施形態の緩衝部材7や図8の第6実施形態の緩衝部材8などの、センタリング作用のある緩衝部材を用いると、搬送用コンベアの振動により搬送対象物がセンタリングされるので、搬送用コンベアから搬送対象物が脱落することを抑制できる。この場合、図8の第6実施形態の緩衝部材8は、穴や第1間仕切り壁が傾斜する方向(B1,B2方向)が、搬送用コンベアの幅方向を向くように配置すればよい。
緩衝部材は、例えば、ロボットが把持対象物を把持する部位に使用でき、産業上の利用価値が高い。
1 緩衝部材
H 穴
11 第1間仕切り壁
12 第2間仕切り壁
M 把持対象物
23 把持部材

Claims (4)

  1. 把持対象物を把持するロボットの、開閉動作可能に構成された組をなす把持部材に対し設けられる、
    弾性材料により形成された板状の緩衝部材であって、
    前記緩衝部材は、把持部材と把持対象物に挟まれて板の厚み方向に弾性変形するように設けられるものであり、
    緩衝部材には、複数の穴が所定の平面パターンで並んで設けられており、
    穴と穴が隣接する部分は、それぞれ平板状の間仕切り壁とされて、
    前記間仕切り壁が互いにつなげられて格子状もしくはハニカム状の構造となっており、
    前記穴は、それぞれ、緩衝部材の厚み方向に設けられていて、
    前記穴の中心軸が、緩衝部材の面直方向に対し傾いている、
    緩衝部材。
  2. 前記穴が緩衝部材を貫く貫通穴である、
    請求項1に記載の緩衝部材。
  3. 弾性材料の硬度がデュロA硬度で20度~80度であり、
    穴の中心軸が緩衝部材の面直方向となす角度が5度~60度である、
    請求項1に記載の緩衝部材。
  4. ロボットにより把持対象物を把持する方法であって、
    ロボットは開閉動作可能に構成された組をなす把持部材を備えており、
    前記把持部材には、把持対象物と接触する部位に、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の緩衝部材が取り付けられており、
    緩衝部材を略鉛直方向に延在させた際に、前記緩衝部材の穴の中心軸は、緩衝部材から把持対象物へと向かうにしたがって上方に向かうように傾いて設けられており、
    前記ロボットを動作させて、
    前記緩衝部材を略鉛直方向に延在させつつ、前記把持部材を開いた状態で把持対象物を緩衝部材の間に配置した後に、
    前記把持部材を閉じて、緩衝部材を厚み方向に弾性変形させて把持対象物を把持する、
    把持方法。
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