JP2021088952A - 燃料噴射システム - Google Patents

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本也 鎌原
Motoya Kamahara
本也 鎌原
祐樹 田名田
Yuki Tanada
祐樹 田名田
健太郎 松井
Kentaro Matsui
健太郎 松井
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【課題】2つの制御弁を同時に開弁後、一方の制御弁に閉弁指令したとき、制御室の圧力脈動によるニードル閉弁応答のばらつきを抑制し、噴射量精度の悪化を防止する燃料噴射システムを提供する。【解決手段】燃料噴射を開始するとき、駆動制御装置は、指令基準時(t0)に、第1制御弁及び第2制御弁に対し同時に開弁指令し、ニードルが上昇して噴射率が最大値に到達する最大噴射率到達時(t1)の後の閉弁指令時(t2)に第2制御弁(先開き弁)に対し閉弁指令する。先閉じ弁について指令基準時から閉弁指令時までの開弁指令パルスのON時間として定義される指令値をτ2とする。第1制御弁及び第2制御弁の同時開弁時、及び、先閉じ弁の閉弁時に制御室において発生する圧力脈動の周波数をfとし、制御室の圧力応答遅れに基づく補正期間をτcompとする。先閉じ弁の指令値τ2は、下記の式により設定される。τ2=(2n−1)/(2f)+τcomp (nは自然数)【選択図】図11

Description

本発明は、燃料噴射装置、及びその駆動制御装置を含む燃料噴射システムに関する。
従来、主にディーゼルエンジン用の燃料噴射装置(いわゆるインジェクタ)としては、ニードル直上に制御室を有し、制御弁の開閉によりこの制御室の圧力を減圧又は昇圧することでニードルを開閉する装置が知られている。
例えば特許文献1には、2つのアクチュエータ及び2つの制御弁を有する燃料噴射装置が開示されている。この燃料噴射装置は、駆動制御装置の指令により2つの制御弁の開閉状態を切り替えることでニードル開弁速度を切り替え、噴射率の傾きを可変とする。
特開2019−39424号公報
2つの制御弁を有する燃料噴射装置において、一方の制御弁が開き他方の制御弁が閉じた状態である1バルブモードでは、ニードルが低速で開弁する。つまり、時間に対する噴射率の立ち上がりの傾きが相対的に小さいため、本明細書では1バルブモードでの噴射を「低矩形噴射」という。また、両方の制御弁が共に開いた状態である2バルブモードではニードルが高速で開弁する。つまり、時間に対する噴射率の立ち上がりの傾きが相対的に大きいため、本明細書では2バルブモードでの噴射を「高矩形噴射」という。
特許文献1の従来技術では、2バルブモードでニードルを高速開弁し、噴射率が最大となった後に一方の制御弁を閉じ、1バルブモードとしてニードルを減速制御することで、高矩形噴射と最大噴射量の確保とを両立することが可能である。ただし、噴射中に油圧回路を切り替えると、制御室において、2つの制御弁の同時開弁時に生じる一次圧力脈動に、一方の制御弁の閉弁時に生じる二次圧力脈動が重畳し、圧力脈動が増幅される。増幅された圧力脈動の発生中にニードルを閉弁すると閉弁応答のばらつきが大きくなり、噴射量精度が悪化するという問題がある。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、2つの制御弁を同時に開弁後、一方の制御弁に閉弁指令したとき、制御室の圧力脈動によるニードル閉弁応答のばらつきを抑制し、噴射量精度の悪化を防止する燃料噴射システムを提供することにある。
本発明による燃料噴射システムは、噴孔(34)から燃料を噴射する燃料噴射装置(10)、及び、燃料噴射装置による時間に対する噴射率の傾きを可変とするように燃料噴射装置を駆動する駆動制御装置(90)を含む。燃料噴射装置は、本体(20)と、ニードル(31)と、第1制御弁(51)と、第2制御弁(52)と、を備える。
本体は、外部から高圧燃料が流入する高圧通路(13、14)、高圧通路に接続され、噴孔から噴射される高圧燃料が供給されるノズル室(33)、高圧通路に接続され、内部の燃料圧力が制御される制御室(36、46)、制御室から排出された余剰燃料が収容される低圧室(57)、制御室と低圧室とを接続する第1通路(25)、及び、第1通路とは異なる経路で制御室と低圧室とを接続し、第1通路の開口流量よりも開口流量が大きい第2通路(27)、が設けられている。
ニードルは、制御室の燃料圧力に応じて軸方向に往復変位し、上昇して開弁すると噴孔を開き、下降して閉弁すると噴孔を閉じる。第1制御弁は、駆動制御装置からの指令に従い、第1通路と低圧室とを連通又は遮断する。第2制御弁は、駆動制御装置からの指令に従い、第2通路と低圧室とを連通又は遮断する。
駆動制御装置は、第1制御弁又は第2制御弁の一方が開き他方が閉じた状態である1バルブモードと、第1制御弁及び第2制御弁が共に開いた状態である2バルブモードとを切り替えることで時間に対する噴射率の傾きを変更可能である。
本発明の第1の態様は、燃料噴射するとき、駆動制御装置が指令基準時(t0)に第1制御弁及び第2制御弁に対し同時に開弁指令し、ニードルが上昇して噴射率が最大値に到達する最大噴射率到達時(t1)の後の閉弁指令時(t2)に「先閉じ弁」に対し閉弁指令する駆動方式で用いられる。先閉じ弁は、第1制御弁又は第2制御弁から選択された一方の制御弁である。
ここで、先閉じ弁について指令基準時から閉弁指令時までの開弁指令パルスのON時間として定義される指令値をτ2とする。第1制御弁及び第2制御弁の同時開弁時、及び、先閉じ弁の閉弁時に制御室において発生する圧力脈動の周波数をfとする。また、制御室の圧力応答遅れに基づく補正期間をτcompとする。
第1制御弁及び第2制御弁の同時開弁に伴って制御室に発生する一次圧力脈動(Popen(t))に対し、先閉じ弁の閉弁に伴って制御室に発生する二次圧力脈動(Pclose(t))が逆位相となるように、先閉じ弁の指令値は、下記の式により設定される。
τ2=(2n−1)/(2f)+τcomp (nは自然数)
本発明の第1の態様の駆動制御装置は、2つの制御弁を同時開弁したとき発生する一次圧力脈動に対し位相を半周期ずらした二次圧力脈動を重畳させるように、先閉じ弁に閉弁指令する。これにより、一次圧力脈動の波と二次圧力脈動の波とが打ち消し合い、脈動の増幅が抑制される。よって、ニードル閉弁応答のばらつきを抑制し、噴射量精度の悪化を防止することができる。
本発明の第2の態様は、要求噴射量に関係なく燃料噴射するとき、駆動制御装置が指令基準時(t0)に第1制御弁及び第2制御弁に対し同時に開弁指令し、ニードルが上昇して噴射率が最大値に到達する最大噴射率到達時(t1)の後の閉弁指令時(t2)に「先閉じ弁」に対し閉弁指令する駆動方式で用いられる。先閉じ弁は、第1制御弁又は第2制御弁から選択された一方の制御弁である。第1制御弁及び第2制御弁のそれぞれについて、指令基準時からの開弁指令パルスのON時間を指令値(τ)と定義し、指令基準時からの噴射率の時間積分値を噴射量(Q)と定義する。
駆動制御装置は、要求噴射量(Qdemand)が所定の噴射量閾値(Q1)未満の場合、2バルブモードにおける指令値と噴射量との特性である「小噴射量特性(Q=f(τ))」から、第1制御弁及び第2制御弁に共通の指令値を決定する。また、駆動制御装置は、要求噴射量(Qdemand)が噴射量閾値(Q1)以上の場合、2バルブモードから先閉じ弁の指令値により先閉じ弁を閉弁した後の1バルブモードにおける指令値と噴射量との特性である「大噴射量特性(Q=g(τ))」から、先閉じ弁の相手側の制御弁である「後閉じ弁」の指令値を決定する。
ここで、噴射量閾値は、先閉じ弁の指令値(τ2)に対応する小噴射量特性の値(Q2=f(τ2))より大きい値に設定されている。
本発明の第2の態様の駆動制御装置は、要求噴射量に応じて、小噴射量特性又は大噴射量特性から指令値τを決定することで、指令値−噴射量特性において圧力脈動が重畳する領域でのニードル閉弁を回避する。よって、ニードル閉弁応答のばらつきを抑制し、噴射量精度の悪化を防止することができる。
第1制御弁及び第2制御弁が共に閉じた状態(オフモード)の燃料噴射装置の模式断面を示す燃料噴射システムの構成図。 第1制御弁が開き第2制御弁が閉じた状態(1バルブモード)の燃料噴射装置の模式断面を示す燃料噴射システムの構成図。 第1制御弁及び第2制御弁が共に開いた状態(2バルブモード)の燃料噴射装置の模式断面を示す燃料噴射システムの構成図。 (a)1バルブモードでの低矩形噴射を示すタイムチャート、(b)2バルブモードでの高矩形噴射を示すタイムチャート。 ニードルの低リフト領域及び高リフト領域での噴射率の変化を説明する図。 2バルブモードから1バルブモードへの切り替え(先閉じ弁の閉弁)による噴射量の増加を説明するタイムチャート。 常時2バルブモードでの制御室の一次圧力脈動を示すタイムチャート。 2バルブモードから1バルブモードへの切り替え(先閉じ弁の閉弁)による制御室の二次圧力脈動を示すタイムチャート。 比較例による同位相の二次圧力脈動を示すタイムチャート。 第1実施形態による逆位相の二次圧力脈動を示すタイムチャート。 第1実施形態による指令値−噴射量特性図。 コモンレール圧と先閉じ弁の指令値との関係を規定するマップの例。 第2実施形態による指令値−噴射量特性を示す図。 第2実施形態による指令値決定処理のフローチャート。 コモンレール圧毎の指令値−噴射量特性マップの例。
以下、本発明の燃料噴射システムの第1、第2実施形態を図面に基づいて説明する。両実施形態を包括して「本実施形態」という。この燃料噴射システムは、燃料噴射装置、及び、燃料噴射装置を駆動する駆動制御装置を含む。燃料噴射装置は、ディーゼルエンジン等の燃料供給系において、コモンレールに蓄えられた高圧燃料を噴孔から燃焼室に噴射する。駆動制御装置は、燃料噴射装置による燃料の噴射率の時間に対する傾きを可変とするように燃料噴射装置を駆動する。
図1〜図4を参照し、本実施形態の燃料噴射システム100の構成について説明する。燃料噴射システム100の基本的な構成は、特許文献1(特開2019−39424号公報)の第1実施形態の構成と同様である。なお、特許文献1の一部の用語を本明細書では別の用語に言い換える。例えば特許文献1の「第1開閉弁51」及び「第2開閉弁52」を本明細書では「第1制御弁51」及び「第2制御弁52」という。また、特許文献1の「ECU90」を本明細書では「駆動制御装置90」という。
図1〜図3には、各制御弁51、52の開閉モードが異なる燃料噴射装置10の模式断面を示す。基本動作を説明するための模式断面図であるため、各部材の形状や寸法比率は実際のものとは大きく異なる。ニードル31の先端の弁開閉部分については図5が参照される。また、スプリング32、45、55、56や絞り14a、27a、42aは記号で図示され、実際の形状や寸法比率は当該技術分野の技術常識に基づいて推定される。
図1には第1制御弁51及び第2制御弁52が共に閉じた状態、図2には第1制御弁が開き第2制御弁52が閉じた状態、図3には第1制御弁51及び第2制御弁52が共に開いた状態が示され、それ以外の部分は共通である。そのため、各制御弁51、52、及び、それに追従する従動プレート41、ニードル31の動作に関する事項を除き、主に図1を参照する。以下、図1の上側を「上」、下側を「下」として説明する。
燃料噴射システム100は、燃料噴射装置10及び駆動制御装置90を含む。燃料噴射装置10は、ディーゼルエンジンの気筒数に応じて複数設けられる。コモンレール11の高圧燃料は、高圧配管12を経由して複数の燃料噴射装置10に分配される。図1には、複数のうち1つの燃料噴射装置10を示す。
燃料噴射装置10は、本体20、ニードル31、ニードルスプリング32、第1制御弁51、第2制御弁52、第1ソレノイド53、第2ソレノイド54、第1弁スプリング55、第2弁スプリング56等を備えている。本体20は、低圧室形成部材21、通路形成部材22、制御室形成部材23、ノズルボデー24により構成されている。
低圧室形成部材21には、高圧通路13、低圧室57及び低圧通路58等が形成されている。高圧通路13は、低圧室形成部材21、通路形成部材22、制御室形成部材23を貫通してノズルボデー24のノズル室33に連通している。高圧通路13には、外部のコモンレール11から高圧配管12を経由して高圧燃料が流入する。流入した高圧燃料の一部はノズル室33に供給され、他の一部は、通路形成部材22に形成された高圧流入通路14を経由してプレート側制御室46に供給される。
低圧室57は、通路形成部材22側の面が開口している。低圧室57の内部に設けられた第1制御弁51又は第2制御弁52が開弁すると、制御室36、46から第1通路25又は第2通路27を経由して余剰燃料が低圧室57に排出される。低圧室57には制御室36、46から排出された余剰燃料が収容される。低圧室57の内部の低圧燃料は、低圧通路58を経由して燃料噴射装置10の外部へ排出される。第1制御弁51及び第2制御弁52の動作について詳細は後述する。
通路形成部材22には、高圧流入通路14、第1通路25及び第2通路27等が形成されている。「通路形成部材」の「通路」は、これらの高圧流入通路14、第1通路25及び第2通路27を意味する。高圧流入通路14は、高圧通路13から分岐し、制御室形成部材23側の面に開口した環状室15に連通している。高圧流入通路14は、途中に絞り14aが形成されており、いわゆる「インオリフィス」として機能する。本実施形態では従動プレート41が下降したとき、高圧流入通路14の燃料は、環状室15を経由してプレート側制御室46に流入する。「高圧流入通路」の「流入」は、プレート側制御室46への流入を意味する。
第1通路25及び第2通路27は、それぞれプレート側制御室46と低圧室57とを互いに異なる経路で接続する。本実施形態では、第1通路25の下端、すなわち制御室形成部材23側の開口端は、中間室26、及び、従動プレート41の中心軸に沿って貫通する連通路42を経由してプレート側制御室46と接続している。中間室26は、環状室15の内側で制御室形成部材23側の面に開口する空間である。第2通路27の下端、すなわち制御室形成部材23側の開口端は、プレート側制御室46に直接接続している。第1通路25及び第2通路27の上端、すなわち低圧室形成部材21側の開口端は、いずれも低圧室57に接続している。
第1通路25に接続される従動プレート41の連通路42の途中には絞り42aが形成されている。また、第2通路27の途中には絞り27aが接続されている。こうして第1通路25及び第2通路27は、いわゆる「アウトオリフィス」として機能する。ここで、第2通路27の開口流量は第1通路25の開口流量よりも大きい。つまり、第2通路27の開口流量が第1通路25の開口流量よりも大きくなるように、絞り42a、27aの径や長さ等が設定されている。
制御室36、46は高圧流入通路14を介して高圧通路13に接続されている。また、制御室36、46は、各制御弁51、52及び従動プレート41の動作により内部の燃料圧力が制御される。本実施形態の制御室36、46は、接続通路47によって接続されたプレート側制御室46及びニードル側制御室36の2つに分かれて構成されている。
制御室形成部材23には、プレート側制御室46及び接続通路47が形成されている。つまり、「制御室形成部材」の「制御室」はプレート側制御室46を意味する。プレート側制御室46は、通路形成部材22側の面が開口している。その開口の周囲は、通路形成部材22と制御室形成部材23との間においてシールされている。プレート側制御室46の内部には、従動プレート41、及び、従動プレート41を通路形成部材22側に付勢するプレートスプリング45が設けられている。
従動プレート41が上昇して通路形成部材22の下端面に当接した状態では、中間室26は連通路42を介してプレート側制御室46に連通し、環状室15の開口は従動プレート41により塞がれる。従動プレート41が下降して通路形成部材22の下端面から離れた状態では、中間室26は連通路42を介さずプレート側制御室46に連通する。また、環状室15の開口は開放され、高圧流入通路14がプレート側制御室46に連通する。
ノズルボデー24は、内部にノズル室33を有し、ノズル室33の下端部に燃料を噴射する噴孔34が形成されている。ノズルボデー24の内部には、上端部がシリンダ35に内挿されたニードル31が設けられている。ニードル31は、金属材料により、全体として円柱形に形成され、噴孔34側の先端は円錐形に形成されている。ニードル31は、ノズル室38に供給された高圧燃料から噴孔34を開く開弁方向の力を受ける。また、ニードル31は、ニードルスプリング32の付勢力により、シリンダ35に対して、噴孔34を閉じる閉弁方向へ常に付勢されている。
制御室形成部材23の下端面、ニードル31の上端面、及び、シリンダ35の内壁に囲まれた空間によりニードル側制御室36が形成されている。ニードル31は、シリンダ35の内壁に案内されつつ、制御室36、46の燃料圧力(以下、「制御室圧」)に応じて軸方向に往復変位する。ニードル31が閉弁した状態で安定した制御室圧を「システム圧」という。ニードル開弁圧は、システム圧より低い圧力になるように、ニードルスプリング32の付勢力等により設定されている。
制御室圧がニードル開弁圧よりも高いとき、ニードル31は下降して閉弁し、噴孔34を閉じる。制御室圧がニードル開弁圧よりも低いとき、ニードル31は上昇して開弁し、噴孔34を開く。高圧通路13からノズル室33に供給された高圧燃料は、ニードル31が開弁したとき噴孔34から噴射される。なお、以下の文中及び図面における「リフト」は上昇と同じ意味である。また「リフト量」は、閉弁時を基準とした上昇量を意味する。
低圧室形成部材21の低圧室57の内部には、第1制御弁51、第2制御弁52、第1ソレノイド53、第2ソレノイド54、第1弁スプリング55、第2弁スプリング56が設けられている。第1制御弁51、第1ソレノイド53及び第1弁スプリング55は、第1通路25の上端(すなわち上部開口端)を開閉するためのユニットをなす。第2制御弁52、第2ソレノイド54及び第2弁スプリング56は、第2通路27の上端を開閉するためのユニットをなす。各ユニットはノーマリークローズの構成で設けられている。
第1通路25の上端を開閉するユニットを例に説明する。第1制御弁51が通路形成部材22に当接し第1通路25の上端を閉じた状態を「閉弁状態」といい、第1制御弁51が通路形成部材22から離間し第1通路25の上端を開いた状態を「開弁状態」という。第1弁スプリング55は、第1制御弁51が第1通路25を閉弁する方向へ付勢する。第1制御弁51が閉弁した状態では、第1通路25と低圧室57とが遮断される。このとき、第1通路25と低圧室57との間で燃料が漏れることはない。
第1ソレノイド53は、通電されることにより、第1弁スプリング55の付勢力に抗して第1制御弁51を開弁させる。第1制御弁51が閉弁した状態では、第1通路25と低圧室57とが連通し、第1通路25の燃料が低圧室57及び低圧通路58を経由して燃料噴射装置10の外部へ排出される。第1通路25の上端を開閉するユニットに関する上記の説明は、第2通路27の上端を開閉するユニットについても同様である。
駆動制御装置90は、CPU、ROM、RAM、駆動回路、入出力インターフェース等を含む、いわゆる「ECU(電子コントロールユニット)」及び「EDU(電子ドライブユニット)」として構成されている。駆動制御装置90は、例えば外部のエンジンECUから要求噴射量Qdemandが入力される。
駆動制御装置90は、要求噴射量Qdemandに基づき第1ソレノイド53及び第2ソレノイド54への通電を個別にON/OFFすることにより、第1制御弁51及び第2制御弁52に対し個別に開弁又は閉弁を指令する。第1制御弁51は、駆動制御装置90からの指令に従い、第1通路25と低圧室57とを連通又は遮断する。第2制御弁52は、駆動制御装置90からの指令に従い、第2通路27と低圧室57とを連通又は遮断する。
また、本実施形態の駆動制御装置90は、コモンレール圧、すなわちコモンレール11に設置された圧力センサの検出値を取得する。コモンレール圧の検出値は、制御室36、46に供給される高圧燃料の圧力とみなされる。特に第1実施形態では、コモンレール圧の検出値に基づき、予め保持したマップを用いて、後述する「先閉じ弁の指令値τ2」を決定する。第2実施形態では、コモンレール圧毎に指令値τ−噴射量Q特性のマップを保持している。
続いて図1〜図4を参照し、第1制御弁51及び第2制御弁52の動作について説明する。以下、2つの制御弁51、52が共に閉じた状態を「オフモード」、一方の制御弁が開き他方の制御弁が閉じた状態を「1バルブモード」、2つの制御弁51、52が共に開いた状態を「2バルブモード」という。1バルブモードについては、第1制御弁51が開き第2制御弁52が閉じた状態を主として説明する。
図1にはオフモード、図2には1バルブモード、図3には2バルブモードにおける燃料噴射装置10の模式断面を示す。図4(a)、(b)には、それぞれ1バルブモード及び2バルブモードでの開弁指令及び噴射率のタイムチャートを示す。駆動制御装置90は、第1制御弁51及び第2制御弁52に対し開弁指令パルスを出力する。具体的には、開弁指令パルスがONの期間中、ソレノイド53、54に通電され、開弁指令パルスがOFFされるとソレノイド53、54への通電が停止される。駆動制御装置90が開弁指令パルスをONすることを「開弁指令する」といい、開弁指令パルスをOFFすることを「閉弁指令する」という。
ここで、基準となる開弁指令パルスのONタイミングを「指令基準時t0」と定義し、指令基準時t0からのパルスON期間を「指令値τ」と定義する。以下のタイムチャートにおいて、時刻(又はタイミング)に関する記号を「t」で表し、指令基準時t0から起算される期間に関する記号を「τ」で表す。
図4(a)に示すように、1バルブモードでは、指令基準時t0に第1制御弁51に対してのみ開弁指令される。つまり、第1制御弁51に対して指令値τ(>0)が出力され、第2制御弁52に対する指令値τは0である。図4(b)に示すように、2バルブモードでは、指令基準時t0に第1制御弁51及び第2制御弁52に対し同時に開弁指令される。また、第1制御弁51及び第2制御弁52に対し等しく指令値τが出力される。
さらに噴射率のタイムチャートに関し、「噴射率の傾き」とは「時間に対する噴射率の傾き」を意味する。特に本明細書では、ニードル31の開弁時、すなわち噴射の開始時における噴射率の立ち上がりの傾きに注目する。時間に対する噴射率の立ち上がりの傾きが相対的に大きく、タイムチャート上で直角に近い場合、噴射率の波形は矩形に近似する。本明細書では、時間に対する噴射率の立ち上がりの傾きが相対的に大きい噴射を「高矩形噴射」という。逆に、時間に対する噴射率の傾きが相対的に小さい噴射を「低矩形噴射」という。
図1に示すオフモードでは、ソレノイド53、54への通電がOFFされており、弁スプリング55、56の付勢力により、各制御弁51、52が閉弁している。これにより、第1通路25と低圧室57とが遮断され、且つ、第2通路27と低圧室57とが遮断されている。また、制御室36、46、中間室26、第1通路25及び第2通路27の内部の燃料圧力はいずれも高圧で釣り合っている。従動プレート41は、プレートスプリング45により付勢され、通路形成部材22の下端面に当接している。ニードル31は、ニードルスプリング32の付勢力により閉弁している。
図2及び図4(a)に示す1バルブモードでは、第1通路25と低圧室57とが連通し、プレート側制御室46の内部の燃料は、連通路42、中間室26及び第1通路25を通る経路を経由して低圧室57へ排出される。このとき、従動プレート41の連通路42における絞り42aの両側の燃料圧力に生じる差圧により従動プレート41は中間室26側に引き付けられる。制御室圧がニードル開弁圧まで低下すると、ニードル31が上昇して開弁する。1バルブモードでは、制御室圧がニードル開弁圧まで減圧する速度が小さいため、遅いタイミングtcでニードル31が開弁開始する。1バルブモードではニードル31の開弁速度が比較的小さいため噴射率が緩やかに上昇する。よって、1バルブモードでは「低矩形噴射」が実現される。
図3及び図4(b)に示す2バルブモードでは、第1通路25と低圧室57とが連通し、且つ第2通路27と低圧室57とが連通する。プレート側制御室46の内部の燃料は、連通路42、中間室26及び第1通路25を通る経路と、第2通路27を通る経路との両方を経由して低圧室57へ排出される。そのため、2バルブモードでは1バルブモードに比べ、制御室圧がニードル開弁圧まで速く減圧し、早いタイミングtaでニードル31が開弁開始する。
ニードル31の開弁速度は、制御室36、46からの燃料の排出速度にほぼ等しい。つまり、ニードル31は、ニードル側制御室36から燃料が排出された分だけ上昇し、ニードル上昇中の制御室圧は、ほぼ一定値(すなわちニードル開弁圧)に保たれる。したがって、2バルブモードにおけるニードル31の開弁速度は、1バルブモードにおけるニードル31の開弁速度よりも大きくなる。すなわち、2バルブモードにおける噴射率の傾きは、1バルブモードにおける噴射率の傾きよりも大きくなる。よって、2バルブモードでは「高矩形噴射」が実現される。このように、本実施形態の駆動制御装置90は、1バルブモードと2バルブモードとを切り替えることで時間に対する噴射率の傾きを変更可能である。
図5を参照し、ニードル31のリフト量と燃料の流路面積との関係について補足する。図5の上側にはノズルボデー24先端部の拡大図を示す。ニードル31の先端部のテーパ面313がノズルボデー24の内壁に形成されたシート部244に着座することで、ニードル31は閉弁する。ニードル31のテーパ面313がシート部244から離座すると、高圧燃料は、テーパ面313とシート部244との間の環状隙間を通り、サック室335から複数の噴孔34に噴射される。
ここで、テーパ面313とシート部244との間の環状隙間の流路面積を「シート部流路面積」といい、複数の噴孔34の開口面積の総和を「噴孔流路面積」という。シート部流路面積はニードル31のリフト量に応じて増加するが、噴孔流路面積はニードル31のリフト量に関係なく一定である。
ニードル31の低リフト領域ではシート部流路面積が噴孔流路面積より小さく、シート部244に沿った環状隙間が最小絞り部となる。そのため、噴射率はニードル31の上昇と共に増加する。一方、ニードル31の高リフト領域ではシート部流路面積が噴孔流路面積を上回り、複数の噴孔34が最小絞り部となる。そのため、噴射率が最大噴射率に到達する最大噴射率到達時t1以後、噴射率は一定となる。
さらに、ニードル31の開弁速度(すなわち上昇速度)と噴射率との関係に注目すると、最大噴射率到達時t1以前の噴射初期には、噴射率はニードル31の開弁速度に応じて変化する。一方、最大噴射率到達時t1を過ぎると、噴射率はニードル31の開弁速度に依存しない。つまり、高矩形噴射を実現するために2バルブモードが必要となるのは噴射初期のみである。以下、指令基準時t0からの噴射率の時間積分値を「噴射量Q」と定義する。2つの制御弁51、52を備える燃料噴射システム100において大噴射量を確保するためには、最大噴射率到達時t1の後に2バルブモードから1バルブモードに切り替えることが好ましい。その理由について図6を参照して説明する。
2バルブモードのうち、第1制御弁51及び第2制御弁52が同時に開弁し、且つ同時に閉弁する動作状態を、特に「常時2バルブモード」という。図6に破線で示すように、常時2バルブモードでは、ニードル31が高速で上昇しリフト限界に到達するとすぐに高速で下降する。つまり、ニードルリフト量のタイムチャートは略三角形状を呈するため、噴射率の面積、すなわち時間積分値に相当する噴射量が少なくなる。したがって、高矩形噴射と大噴射量とを両立することができないという問題がある。
それに対し「本実施形態の前提となる駆動方式」では、燃料噴射するとき、駆動制御装置90は、最大噴射率到達時t1の後の閉弁指令時t2に、第1制御弁51又は第2制御弁52から選択された一方の制御弁である「先閉じ弁」に対し閉弁指令する。本実施形態では、開口流量が相対的に大きい第2通路27に対応する第2制御弁52が「先閉じ弁」として選択される。以下、先閉じ弁に対する開弁指令パルスのON期間を「指令値τ2」と表す。先閉じ弁の指令値τ2は、指令基準時t0から、開弁指令パルスがOFFする閉弁指令時t2までの期間に相当する。また、指令値τ2との対比上、指令基準時t0から最大噴射率到達時t1までの期間を「最大噴射率到達期間τ1」と表す。
駆動制御装置90が閉弁指令時t2に先閉じ弁に閉弁指令すると、ニードル31の開弁速度が高速から低速に切り替わる。すると、ニードル31がリフト限界に到達し下降し始めるまでの時間が長くなるため、噴射量Qが増加する。したがって、高矩形噴射と大噴射量とを両立することができる。この説明は、特許文献1の図7、図8、及び段落[0060]、[0061]にも記載されている通りである。
続いて図7、図8を参照し、制御弁の開閉による油圧回路の切り替えに伴って生じる制御室36、46の圧力脈動について説得する。図7に示すように、常時2バルブモードでは、2つの制御弁51、52の同時開弁に伴う水撃波により、制御室圧はニードル開弁圧付近で脈動する。この圧力脈動を「一次圧力脈動Popen(t)」という。また、図8に示すように、最大噴射率到達時t1の後、先閉じ弁の閉弁に伴う水撃波による新たな脈動が発生する。この圧力脈動を「二次圧力脈動Pclose(t)」という。二次圧力脈動Pclose(t)は一次圧力脈動Popen(t)に重畳される。
ここで、先閉じ弁の相手側の制御弁である第1制御弁51を「後閉じ弁」とし、後閉じ弁の指令値τ3の操作による噴射率の制御性について検討する。図8において後閉じ弁の仮指令値をτ3xとし、仮指令値τ3xから微小値Δτを減じた値を負側調整指令値τ3x−、仮指令値τ3xに微小値Δτを加えた値を正側調整指令値τ3x+とする。図中の実線は仮指令値τ3x、一点鎖線は負側調整指令値τ3x−、二点鎖線は正側調整指令値τ3x+に対応する。
後閉じ弁の閉弁タイミングにおける制御室圧が増幅された脈動の山側に位置するか谷側に位置するかによってニードル31の閉弁応答、すなわち、制御室圧がシステム圧まで回復する時間にばらつきが生じる。そのため、仮指令値τ3xに加減される微小値Δτが等しくても、変化する噴射量ΔQ−、ΔQ+は不均等となり、指令値τ−噴射量Q特性の線形性が確保されない。したがって、噴射量精度が悪化するという問題がある。
そこで本実施形態では、前提となる上記駆動方式において、2つの制御弁51、52の同時開弁に続いて先閉じ弁を閉弁後、圧力脈動の継続中に後閉じ弁を閉弁したとき、ニードル閉弁応答のばらつきを抑制し、噴射量精度の悪化を防止することを目的とする。次に、この目的を達成するための2通りの実施形態について詳しく説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図9〜図12を参照して説明する。図9、図10には、先閉じ弁である第2制御弁52の閉弁時に発生する制御室圧の二次圧力脈動Pclose(t)を示す。なお、制御室圧の一次圧力脈動Popen(t)は、図7に参照される通りである。一次圧力脈動Popen(t)及び二次圧力脈動Pclose(t)は同じ系の振動であるため、周波数fは同一である。図9に示す比較例では、二次圧力脈動Pclose(t)の位相は一次圧力脈動Popen(t)と同位相である。この場合、圧力脈動同士が重畳し、脈動が増幅される。
これに対し図10に示すように、第1実施形態では、二次圧力脈動Pclose(t)の位相は一次圧力脈動Popen(t)と逆位相になっている。すなわち、二次圧力脈動Pclose(t)が一次圧力脈動Popen(t)に対し半周期ずれるように、第2制御弁52の閉弁タイミングが調整されている。このように第1実施形態では、一次圧力脈動Popen(t)の位相に対し二次圧力脈動Pclose(t)の位相を逆位相とし、波を打ち消し合うことで、脈動の増幅を抑制することができる。
図中では簡易的に圧力脈動を三角波状に示しているが、実際には時間tの経過に伴って減衰する正弦波であると仮定すると、一次圧力脈動Popen(t)及び、第1実施形態による二次圧力脈動Pclose(t)は下式(1.1)、(1.2)で表される。eはネイピア数、A1、A2は最大振幅、α1、α2は減衰係数、φは定数である。二次圧力脈動Pclose(t)は一次圧力脈動Popen(t)に対しπ[rad]ずれるように生成される。
Popen(t)=A1e-α1tcos(2πft+φ) ・・・(1.1)
Pclose(t)=A2e-α2tcos(2πft+φ+π)・・・(1.2)
図11に、指令値τと噴射量Qとの特性を示す。噴射途中で一方の制御弁を閉弁しない常時2バルブモードでは、二点鎖線で示すように、噴射量Qは指令値τに対し比較的大きな傾きで増加する。噴射途中に指令値τ2に対応するタイミングで先閉じ弁を閉弁して2バルブモードから1バルブモードに移行すると、指令値τに対する噴射量Qの傾きが低下する。そして、閉弁直後には、二次圧力脈動Pclose(t)により噴射量Qにうねりが生じる。
このとき、四角印の指令値τ2で先閉じ弁を閉弁すると、一次圧力脈動Popen(t)と同位相の二次圧力脈動Pclose(t)が発生し、破線で示すように閉弁直後の脈動が増幅される。一方、丸印の指令値τ2で先閉じ弁を閉弁すると、一次圧力脈動Popen(t)と逆位相の二次圧力脈動Pclose(t)が発生し、実線で示すように閉弁直後の脈動の増幅が抑制される。
四角印の指令値τ2と丸印の指令値τ2との差は、周波数fを用いて「1/(2f)」と表される。また、制御室36、46の圧力応答遅れに基づく補正期間をτcompとすると、一次圧力脈動Popen(t)と逆位相の二次圧力脈動Pclose(t)を発生させる指令値τ2の条件は、式(2)で表される。以下、式(2)により規定される条件を「逆位相条件」という。
τ2=(2n−1)/(2f)+τcomp (nは自然数)・・・(2)
同様に、式(3)により規定される条件を「同位相条件」という。脈動の増幅を抑制しようとする立場からは、同位相条件は最悪条件である。
τ2=m/f+τcomp (mは0以上の整数)・・・(3)
式(3)においてm=0のとき、最大噴射率到達時t1後に初めて一次圧力脈動Popen(t)と同位相の二次圧力脈動Pclose(t)が発生する。初回の同位相条件を満たす、このときの指令値τ2が補正期間τcompに相当する。そして、補正期間τcompに半周期を加えた、式(2)においてn=1の場合の値(1/(2f)+τcomp)が逆位相条件を満たす最小の指令値τ2となる。駆動制御装置90は、逆位相条件を満たす最小指令値τ2を用いることで、図6を参照して上述した最大噴射量を増加させる効果を高めることができ、また、早期に一次圧力脈動Popen(t)を打ち消すことができる。ただし、補正期間τcompに(3/2)周期、(5/2)周期等を加えた値、すなわち、式(2)においてn=2、3・・・の場合の値が指令値τ2として用いられてもよい。
第1実施形態の駆動制御装置90は、図12に示すように、予め適合されたコモンレール圧と先閉じ弁の指令値τ2との関係を規定するマップを保持している。上述の通り、コモンレール圧は、「制御室に供給される高圧燃料の圧力」とみなされる。最大噴射率到達期間τ1は、コモンレール圧が高くなるにつれ、下に凸となる曲線を描きながら減少する。コモンレール圧の低圧領域では圧力上昇に伴う最大噴射率到達期間τ1の減少の変化が急であり、高圧領域では圧力上昇に伴う最大噴射率到達期間τ1の減少の変化が次第に緩やかになる。最大噴射率到達時t1の後の初回同位相条件を満たす指令値τ2に相当する補正期間τcompは、最大噴射率到達期間τ1に沿って変化する。
逆位相条件を満たす最小指令値τ2は、補正期間τcompに対し「+1/(2f)」オフセットした曲線で表される。また、逆位相条件を満たす2番目、3番目の指令値τ2は、補正期間τcompに対し、それぞれ「+3/(2f)」、「+5/(2f)」オフセットした曲線で表される。
(第1実施形態の効果)
(1)第1実施形態の駆動制御装置90は、両方の制御弁51、52を同時開弁したときに生じる一次圧力脈動Popen(t)に対し半周期ずらした二次圧力脈動Pclose(t)を重畳させるように、先閉じ弁である第2制御弁52に閉弁指令する。これにより、一次圧力脈動Popen(t)の波と二次圧力脈動Pclose(t)の波とが打ち消し合い、脈動の増幅が抑制される。よって、ニードル閉弁応答のばらつきを抑制し、噴射量精度の悪化を防止することができる。
(2)第1実施形態では、開口流量が相対的に大きい第2通路27に対応する第2制御弁52が先閉じ弁として選択される。第2制御弁52を閉弁することにより、ニードル31の開弁速度をより大きく減速させ、最大噴射量をより増加させることができる。
(3)第1実施形態の駆動制御装置90は、コモンレール圧と先閉じ弁の指令値τ2との関係を予め適合してマップに保持しているため、制御室圧の検出装置等が不要となり、上記の作用効果を低コストで実現することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について、図13〜図15を参照して説明する。図13に、第2実施形態による指令値τ−噴射量Q特性を示す。第2実施形態では、要求噴射量Qdemandが少ない場合、先閉じ弁だけを閉弁する前に2バルブモードのまま2つの制御弁51、52を同時に閉弁する場合も想定に含まれる。そこで、前提となる駆動方式について、「要求噴射量に関係なく燃料噴射するとき」という条件を付け加える。つまり、要求噴射量Qdemandが所定量以上の場合、2バルブモードから先閉じ弁を閉弁して1バルブモードに切り替える駆動方式を第2実施形態の前提とする。第1実施形態と同様に第2実施形態でも先閉じ弁として第2制御弁52が選択される。また、先閉じ弁の相手側の制御弁である第1制御弁51を「後閉じ弁」という。
第2実施形態では、指令値τの領域を、閾値Q1未満の噴射量に対応する小噴射量特性Q=f(τ)の定義領域と、閾値Q1以上の噴射量に対応する大噴射量特性Q=g(τ)の定義領域との二つに分ける。小噴射量特性Q=f(τ)は、2バルブモードにおける指令値τと噴射量Qとの特性である。大噴射量特性Q=f(τ)は、2バルブモードから先閉じ弁の指令値τ2により先閉じ弁を閉弁した後の1バルブモードにおける指令値τと噴射量Qとの特性である。ここで、噴射量閾値Q1は、先閉じ弁の指令値τ2に対応する小噴射量特性の値Q2(=f(τ2))より大きい値に設定されている。つまり、小噴射量特性Q=f(τ)の定義領域における最大指令値τfmaxは、先閉じ弁の指令値τ2より大きい。
以下に図14を参照して説明する通り、駆動制御装置90は、要求噴射量Qdemandに応じて、小噴射量特性Q=f(τ)上の指令値τf、又は、大噴射量特性Q=g(τ)上の指令値τgを決定する。これにより、図13に破線で示すように、圧力脈動が重畳するうねり域での閉弁指令は回避される。したがって第2実施形態では、指令値τ−噴射量Q特性におけるうねり域でのニードル閉弁を回避することで、ニードル閉弁応答のばらつきを抑制し、噴射量精度の悪化を防止する。
次に図14のフローチャートに、第2実施形態による指令値決定処理を示す。フローチャートの説明で記号「S」はステップを示す。S1で駆動制御装置90は、要求噴射量Qdemandを取得する。S2では要求噴射量Qdemandが噴射量閾値Q1と比較される。要求噴射量Qdemandが噴射量閾値Q1未満のとき、S2でYESと判断され、S3に移行する。要求噴射量Qdemandが噴射量閾値Q1以上のとき、S2でNOと判断され、S4に移行する。
S3で駆動制御装置90は、小噴射量特性Q=f(τ)から2つの制御弁51、52に共通の指令値τfを決定する。この場合、駆動制御装置90は、常時2バルブモードを用い、小噴射量特性Q=f(τ)上の指令値τfにより第1制御弁51及び第2制御弁52を同時に閉弁する。
S4で駆動制御装置90は、大噴射量特性Q=g(τ)から後閉じ弁の指令値τgを決定する。この場合、駆動制御装置90は、先閉じ弁である第2制御弁52を指令値τ2により閉弁した後の1バルブモードで、大噴射量特性Q=g(τ)上の指令値τgにより、後閉じ弁である第1制御弁51を閉弁する。
第2実施形態の駆動制御装置90は、図15に示すように、コモンレール圧毎に予め適合された指令値τ−噴射量Q特性のマップを保持している。例えばコモンレール圧120MPaを条件A、160MPaを条件B、200MPaを条件Cとすると、圧力条件毎に噴射量閾値Q1、小噴射量特性Q=f(τ)及び大噴射量特性Q=g(τ)が規定されている。駆動制御装置90は、コモンレール圧に基づいてマップから各噴射量特性Q=f(τ)、Q=g(τ)を読み出し、図14の要領で、要求噴射量Qdemandに応じた指令値τを決定する。
(第2実施形態の効果)
(4)第2実施形態の駆動制御装置90は、要求噴射量Qdemandに応じて、小噴射量特性Q=f(τ)又は大噴射量特性Q=g(τ)から指令値τを決定することで、指令値τ−噴射量Q特性において圧力脈動が重畳する領域でのニードル閉弁を回避する。よって、ニードル閉弁応答のばらつきを抑制し、噴射量精度の悪化を防止することができる。
(5)第1実施形態と同様に第2実施形態では、開口流量が相対的に大きい第2通路27に対応する第2制御弁52が先閉じ弁として選択される。第2制御弁52を閉弁することにより、ニードル31の開弁速度をより大きく減速させ、最大噴射量をより増加させることができる。
(6)第2実施形態の駆動制御装置90は、コモンレール圧毎に指令値τ−噴射量Q特性のマップを保持している。これにより、例えばコモンレール圧に基づく数式を用いて指令値τ−噴射量Q特性を都度算出する構成に比べ、演算負荷を低減することができる。
(その他の実施形態)
(a)上記第1、第2実施形態では、相対的に開口流量の大きい第2通路27に対応する第2制御弁52を先閉じ弁として動作させている。ただし、これとは逆に、第1制御弁51を先開き弁として動作させてもよい。
(b)第1実施形態において、燃料噴射システム100が制御室36、46の内部に圧力検出手段を備える場合、駆動制御装置90は、圧力検出手段により検出した制御室圧のフィードバック制御により、マップを用いずに先閉じ弁の指令値τ2を決定してもよい。つまり駆動制御装置90は、今回の噴射時に検出された制御室圧の一次圧力脈動のタイミングに基づき、逆位相の二次圧力脈動を発生させるように、次回噴射時における先閉じ弁の指令値τ2を決定してもよい。
(c)第1実施形態の「制御室に供給される高圧燃料の圧力」と先閉じ弁の指令値τ2との関係を規定するマップ、及び、第2実施形態の「制御室に供給される高圧燃料の圧力」毎の指令値τ−噴射量Q特性のマップにおいて、「制御室に供給される高圧燃料の圧力」はコモンレール圧の検出値に限らない。例えば、燃料噴射装置10の内部に高圧燃料の圧力センサが設けられ、その検出値が駆動制御装置90に取得されてもよい。
(d)燃料噴射装置10は、図1〜図3に示す従動プレート41を備えなくてもよい。すなわち、例えば高圧流入通路14の絞り径が第1通路25及び第2通路27の絞り径よりも小さく設定することで、従動プレート41を用いずに、制御弁51、52の開閉に追従して制御室36、46の圧力を変化させることが可能である。また、従動プレート41を用いない場合、第1通路25の下端側に中間室26が形成されなくてもよい。
(e)本発明において制御室と低圧通路とを連通する「第1通路」及び「第2通路」は単に開口流量の大小によってのみ定義される。したがって、「第1通路」は、図1〜図3の第1通路25のように従動プレート41の連通路42を介してプレート側制御室46に接続する構成に限らない。また「第2通路」は、図1〜図3の第2通路27のように直接プレート側制御室46に接続する構成に限らない。各通路における絞りの数や位置等も、図1〜図3に示された構成に限らない。また、「制御室」は、2つの制御室36、46が接続通路47を介して接続される構成に限らず、一体の空間として形成されてもよい。
(f)制御弁51、52を駆動するアクチュエータ53、54は、ソレノイドの他、ピエゾ素子等が用いられてもよい。また、制御弁51、52を閉弁方向に付勢するスプリング55、56に代えて、他の付勢手段が用いられてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
100・・・燃料噴射システム、
10・・・燃料噴射装置、 13、14・・・高圧通路、
20・・・本体、 25・・・第1通路、 27・・・第2通路、
31・・・ニードル、 33・・・ノズル室、 34・・・噴孔、
36、46・・・制御室、
51・・・第1制御弁、 52・・・第2制御弁、
90・・・駆動制御装置。

Claims (6)

  1. 噴孔(34)から燃料を噴射する燃料噴射装置(10)、及び、前記燃料噴射装置による時間に対する噴射率の傾きを可変とするように前記燃料噴射装置を駆動する駆動制御装置(90)を含む燃料噴射システム(100)であって、
    前記燃料噴射装置は、
    外部から高圧燃料が流入する高圧通路(13、14)、前記高圧通路に接続され、前記噴孔から噴射される高圧燃料が供給されるノズル室(33)、前記高圧通路に接続され、内部の燃料圧力が制御される制御室(36、46)、前記制御室から排出された余剰燃料が収容される低圧室(57)、前記制御室と前記低圧室とを接続する第1通路(25)、及び、前記第1通路とは異なる経路で前記制御室と前記低圧室とを接続し、前記第1通路の開口流量よりも開口流量が大きい第2通路(27)、が設けられた本体(20)と、
    前記制御室の燃料圧力に応じて軸方向に往復変位し、上昇して開弁すると前記噴孔を開き、下降して閉弁すると前記噴孔を閉じるニードル(31)と、
    前記駆動制御装置からの指令に従い、前記第1通路と前記低圧室とを連通又は遮断する第1制御弁(51)と、
    前記駆動制御装置からの指令に従い、前記第2通路と前記低圧室とを連通又は遮断する第2制御弁(52)と、
    を備え、
    前記駆動制御装置は、前記第1制御弁又は前記第2制御弁の一方が開き他方が閉じた状態である1バルブモードと、前記第1制御弁及び前記第2制御弁が共に開いた状態である2バルブモードとを切り替えることで時間に対する噴射率の傾きを変更可能であり、
    燃料噴射するとき、前記駆動制御装置が指令基準時(t0)に前記第1制御弁及び第2制御弁に対し同時に開弁指令し、前記ニードルが上昇して噴射率が最大値に到達する最大噴射率到達時(t1)の後の閉弁指令時(t2)に、前記第1制御弁又は前記第2制御弁から選択された一方の制御弁である先閉じ弁に対し閉弁指令する駆動方式において、
    前記先閉じ弁について前記指令基準時から前記閉弁指令時までの開弁指令パルスのON時間として定義される指令値をτ2とし、
    前記第1制御弁及び第2制御弁の同時開弁時、及び、前記先閉じ弁の閉弁時に前記制御室において発生する圧力脈動の周波数をfとし、
    前記制御室の圧力応答遅れに基づく補正期間をτcompとすると、
    前記第1制御弁及び前記第2制御弁の同時開弁に伴って前記制御室に発生する一次圧力脈動(Popen(t))に対し、前記先閉じ弁の閉弁に伴って前記制御室に発生する二次圧力脈動(Pclose(t))が逆位相となるように、
    前記先閉じ弁の前記指令値は、下記の式
    τ2=(2n−1)/(2f)+τcomp (nは自然数)
    により設定される燃料噴射システム。
  2. 前記先閉じ弁は前記第2制御弁である請求項1に記載の燃料噴射システム。
  3. 前記駆動制御装置は、前記制御室に供給される高圧燃料の圧力と、前記先閉じ弁の前記指令値との関係を規定するマップを保持している請求項1または2に記載の燃料噴射システム。
  4. 噴孔(34)から燃料を噴射する燃料噴射装置(10)、及び、前記燃料噴射装置による時間に対する噴射率の傾きを可変とするように前記燃料噴射装置を駆動する駆動制御装置(90)を含む燃料噴射システム(100)であって、
    前記燃料噴射装置は、
    外部から高圧燃料が流入する高圧通路(13、14)、前記高圧通路に接続され、前記噴孔から噴射される高圧燃料が供給されるノズル室(33)、前記高圧通路に接続され、内部の燃料圧力が制御される制御室(36、46)、前記制御室から排出された余剰燃料が収容される低圧室(57)、前記制御室と前記低圧室とを接続する第1通路(25)、及び、前記第1通路とは異なる経路で前記制御室と前記低圧室とを接続し、前記第1通路の開口流量よりも開口流量が大きい第2通路(27)、が設けられた本体(20)と、
    前記制御室の燃料圧力に応じて軸方向に往復変位し、上昇して開弁すると前記噴孔を開き、下降して閉弁すると前記噴孔を閉じるニードル(31)と、
    前記駆動制御装置からの指令に従い、前記第1通路と前記低圧室とを連通又は遮断する第1制御弁(51)と、
    前記駆動制御装置からの指令に従い、前記第2通路と前記低圧室とを連通又は遮断する第2制御弁(52)と、
    を備え、
    前記駆動制御装置は、前記第1制御弁又は前記第2制御弁の一方が開き他方が閉じた状態である1バルブモードと、前記第1制御弁及び前記第2制御弁が共に開いた状態である2バルブモードとを切り替えることで時間に対する噴射率の傾きを変更可能であり、
    要求噴射量に関係なく燃料噴射するとき、前記駆動制御装置が指令基準時(t0)に前記第1制御弁及び第2制御弁に対し同時に開弁指令し、前記ニードルが上昇して噴射率が最大値に到達する最大噴射率到達時(t1)の後の閉弁指令時(t2)に、前記第1制御弁又は前記第2制御弁から選択された一方の制御弁である先閉じ弁に対し閉弁指令する駆動方式において、
    前記第1制御弁及び前記第2制御弁のそれぞれについて、前記指令基準時からの開弁指令パルスのON時間を指令値(τ)と定義し、前記指令基準時からの前記噴射率の時間積分値を噴射量(Q)と定義すると、
    前記駆動制御装置は、
    要求噴射量(Qdemand)が所定の噴射量閾値(Q1)未満の場合、前記2バルブモードにおける前記指令値と前記噴射量との特性である小噴射量特性(Q=f(τ))から、前記第1制御弁及び前記第2制御弁に共通の前記指令値を決定し、
    要求噴射量(Qdemand)が前記噴射量閾値(Q1)以上の場合、前記2バルブモードから前記先閉じ弁の前記指令値により前記先閉じ弁を閉弁した後の前記1バルブモードにおける前記指令値と前記噴射量との特性である大噴射量特性(Q=g(τ))から、前記先閉じ弁の相手側の制御弁である後閉じ弁の前記指令値を決定し、
    前記噴射量閾値は、前記先閉じ弁の前記指令値(τ2)に対応する前記小噴射量特性の値(Q2=f(τ2))より大きい値に設定されている燃料噴射システム。
  5. 前記先閉じ弁は前記第2制御弁である請求項4に記載の燃料噴射システム。
  6. 前記駆動制御装置は、前記制御室に供給される高圧燃料の圧力毎に、前記指令値に対する前記小噴射量特性及び前記大噴射量特性を規定するマップを保持している請求項4または5に記載の燃料噴射システム。
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