JP2021082702A - 半導体冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液冷式冷却器を備えた半導体冷却装置において、フィンピッチを大きくすることなく異物による冷却性能を低下や圧力損失の上昇を抑制する。【解決手段】半導体冷却装置1は、半導体素子11を搭載する絶縁基板10と液冷式冷却器20日を備えている。前記液冷式冷却器20は、一方の面に複数の板状フィン22が所定間隔で立設された放熱基板21と、前記フィン22を収容する凹部31を有し、前記放熱基板21の一方の面側に装着されて冷却液流通空間35を形成するジャケット30とを有し、前記冷却液流通空間35において、フィン22の先端と前記ジャケット30の凹部31の底面との間に主流路36となる隙間が形成され、前記主流路36の高さHとフィン22とフィン22の間のフィン隙間24の寸法WとがH>Wの関係を満たしている。【選択図】 図2A

Description

本発明は、半導体素子搭載基板を液冷式冷却器で冷却する半導体冷却装置に関する。
近年、半導体素子は大電力を扱うことが多く、それに伴って発熱量が増大している。このため、半導体素子を実装した基板に冷却器を接合して放熱している。放熱に大きなスペースを確保できる定置設備では強制空冷が可能であるが、限られたスペース内に機器は配置する場合は液冷式冷却器が有用である。
従来の液冷式冷却器は、冷却液流通空間内に薄板状のインナーフィンを設置し、フィンを介して冷却液に伝熱する構造が一般的である。このような構造の液冷式冷却器では、流通する冷却液に混入した異物がフィンとフィンの間に詰まって冷却液の流通を妨げることがあり、冷却性能が低下する原因となっている。また、異物量が多い場合は冷却液の圧力損失にもつながる。
異物の詰まりに対しては、異物を冷却液とともにフィン間を流通させるか、あるいは冷却液流通空間への異物の流入を阻止する方法が提案されている(特許文献1,2参照)。
特許文献1に記載された冷却器は、インナーフィンをフィンピッチの小さい上段フィンとフィンピッチの大きい下段フィンの上下2段とし、上段フィンと下段フィンの間に異物の受け渡し手段を設け、上段のフィン間を流通できないサイズの異物を下段フィンに導いて下段のフィン間を流通させている。
特許文献2に記載された冷却器は、冷却液流通空間に通じる入口配管内に袋状の異物除去部材を設置し、異物除去部材に異物を溜めることによって冷却液流通空間への異物の流入を阻止している。
特開2014−86641号公報 特開2008−275190号公報
液冷式冷却器はインナーフィンの冷却性能を高めるためにフィンピッチを小さくしてフィン数を多くしている。しかし、特許文献1に記載された冷却器のように、異物を流通させるために下段フィンのフィンピッチを大きくすることは冷却性能の観点からは好ましくない。また、特許文献2に記載された冷却器は入口配管の内部構造が複雑になるという問題点がある。
本発明は、上述した背景技術に鑑みて、フィンピッチを大きくすることなく異物による冷却性能を低下や圧力損失の上昇を抑制できる半導体冷却装置の提供を目的とする。
即ち、本発明は下記[1]〜[7]に記載の構成を有する。
[1]絶縁基板の一方の面に配線層を介して半導体素子を搭載する絶縁基板と、
一方の面に複数の板状フィンが所定間隔で立設された放熱基板と、前記フィンを収容する凹部を有し、前記放熱基板の一方の面側に装着されて冷却液流通空間を形成するジャケットを有する液冷式冷却器とを備え、
前記絶縁基板の他方の面側が、前記液冷式冷却器の放熱基板の他方の面に接合又は接着されている半導体冷却装置であり、
前記液冷式冷却器の冷却液流通空間において、前記フィンの先端と前記ジャケットの凹部の底面との間に主流路となる隙間が形成され、前記主流路の高さHとフィンとフィンの間のフィン隙間の寸法WとがH>Wの関係を満たしていることを特徴とする半導体冷却装置。
[2]前記フィン隙間の寸法Wが0.1mm〜0.6mmである前項1に記載の半導体冷却装置。
[3]前記主流路の高さHが0.9mm〜3mmである前項1または2に記載の半導体冷却装置。
[4]前記フィンは先端から放熱基板側に延びる、少なくとも1つのスリットを有する前項1〜3のうちのいずれかに記載の半導体冷却装置。
[5]前記スリットの幅Sとフィン隙間の寸法WはS≧Wの関係を満たしている前項4に記載の半導体冷却装置。
[6]前記スリットは半導体素子の直下を避けた位置に設けられている前項4または5に記載の半導体冷却装置。
[7]冷却液の流れ方向において複数の半導体素子を有し、前記スリットが冷却液の流れ方向において半導体素子間に設けられている前項4〜6のうちのいずれかに記載の半導体冷却装置。
上記[1]に記載の半導体冷却装置は、液冷式冷却器の冷却液流通空間においてフィンの先端とジャケットとの間に隙間がある。このフィン先端側の隙間の高さHとフィンとフィンの間のフィン隙間の寸法WはH>Wの関係にあるので、冷却水はフィン隙間よりも流通抵抗の少ないフィン先端側の隙間に多く流れかつ流速が早くなって、前記フィン先端側の隙間が冷却液の主流路になる。このため、冷却液に混入する異物は冷却液とともに主流路に流れ込んで冷却液流通空間から排出されるか、あるいは主流路に留まったとしても、主流路は断面積が大きいので圧力損失は極めて小さい。また、流速は主流路よりも遅いがフィン隙間にも冷却水が流れ、流速の速い主流路からも流れ込むので、フィンの側面に接触する冷却液は絶えず入れ替わるので、フィンの側面から冷却液への伝熱も支障なく行われる。また、異物が主流路に流入せずに上流でフィン隙間に詰まったとしても、詰まった箇所を除いて主流路からフィン隙間に冷却液が流入する。
以上のとおり、前記液冷式冷却器は異物がフィン隙間に詰まり難い構造であり、かつ異物が詰まっても詰まった箇所を避けて冷却液が流れる。このため、安定して優れた冷却性能が得られ、異物による圧力損失の上昇も抑制される。また、異物を通すためにフィン隙間の寸法Wを拡げる必要がないので、フィンピッチを小さくすることによる高い冷却性能を維持できる。
上記[2]に記載の半導体冷却装置は、前記フィン隙間の寸法Wが0.1mm〜0.6mmであるから、高い冷却性能が得られる。
上記[3]に記載の半導体冷却装置は、前記主流路の高さHが0.9mm〜3mmであるから、主流路とフィン隙間の冷却液の流速のバランスが良く、安定して優れた冷却性能が得られる。
上記[4]に記載の半導体冷却装置は、冷却液がフィンに形成されたスリットを通じて主流路からフィン隙間に流れ込み、主流路とフィン隙間の両方において流れが攪拌される。このため、上流側で異物が詰まったとしても、異物よりも下流側ではこの攪拌によって冷却液が滞留することなく流れるので、異物の影響を受けにくくなる。また、冷却液がスリットからスリット隙間に流れ込むことによって、スリットより下流域の流速が速くなるので冷却性能のばらつきが小さくなる。
上記[5]に記載の半導体冷却装置は、フィンに形成されたスリットの幅Sとフィン隙間の寸法WとがS≧Wの関係を満たしているので、十分な攪拌効果が得られる。
上記[6]に記載の半導体冷却装置は、フィンのスリットが半導体素子の直下を避けて設けられているので、スリットによるフィンへの伝熱効率の低下を抑制できる。
上記[7]に記載の半導体冷却装置は冷却液の流れ方向において複数の半導体を有し、フィンのスリットが冷却液の流れ方向において半導体素子間に設けられている。このため、冷却液がスリットを通じて主流路からフィン隙間に流入して攪拌されるので、数の半導体素子に対する冷却性能のばらつきを小さくすることができる。
本発明の実施形態である第1の半導体冷却装置の分解斜視図である。 図1の2A−2A線断面図である。 図1の2B−2B線断面図である。 本発明の実施形態である第2の半導体冷却装置の縦断面図である。 第2の半導体冷却装置の上面透視図である。 第2の半導体冷却装置の変形例を示す縦断面図である。 第2の半導体冷却装置の別の変形例を示す縦断面図である。 本発明の実施形態である第3の半導体冷却装置の縦断面図である。 第3の半導体冷却装置の上面透視図である。
図1〜6Bに、本発明の液冷式冷却器および半導体冷却装置の3つの実施形態およびその変形例を示す。また、以下の説明において、共通の符号を同一物を示すものとして説明を省略する。
[第1の半導体冷却装置]
図1〜図2Bに示す半導体冷却装置1は、絶縁基板10および液冷式冷却器20を備えている。
前記絶縁基板10は四角形であり、一方の面に半導体素子11を実装するための配線層12が接合され、他方の面に絶縁基板10と液冷式冷却器20の間に発生する応力を緩和するとともに伝熱を促す緩衝層13が接合されている。14は半導体素子11を接合するはんだ層である。
前記液冷式冷却器20は、四角形の放熱基板21とジャケット30とを備えている。前記放熱基板21は一方の面の中央部に複数の板状フィン22が所定の隙間をもって立設され、フィン22群の周囲がフランジ23となされている。前記ジャケット30は、フィン22群を収容する凹部31を有する箱型であり、凹部31の深さDがフィン22の高さHfよりも深い寸法に設定されている。液冷式冷却器20においては、高さHfが2mm〜12mmのフィン22が好適に用いられる。前記ジャケット30の対向する2つの側壁32、33に冷却液Cの入口孔32aおよび出口孔33aが穿設され、それぞれにジョント34が取り付けられている。
前記放熱基板21を、フィン22の長さ方向の両端部が入口孔32aおよび出口孔33に対面するようにジャケット30に被せると、凹部31にフィン22群が収容され、放熱基板21のフランジ23がジャケット30の上面に当接し、放熱基板21の一方の面と凹部31の内面によって囲まれた冷却液流通空間35が形成される。前記放熱基板21のフランジ23とジャケット30の当接面はろう付またはOリングを用いたシール構造により水密性が保持されている。冷却液Cは入口孔32aから冷却液流通空間に入り、出口孔33aから排出される。
前記液冷式冷却器20において、凹部31の深さDとフィン22の高さHfはD>Hfの関係にあるので、フィン22の先端と凹部31の底面との間に高さHがD−Hfなる扁平な隙間36が形成される。前記凹部31の深さDおよびフィン22の高さHfは前記隙間36の高さHがフィン22とフィン22の間のフィン隙間24の寸法Wよりも大きくなるように、即ちH>Wの関係を満たすように設定されている。このため、入口孔32aから冷却液流通空間35に入った冷却液Cは、フィン隙間24より流通抵抗の少ないフィン先端側の隙間36に多く流れかつ流速が早くなり、フィン先端側の隙間36が冷却液Cの主流路36になる。そして、冷却液Cに異物Qが混入していたとしても、異物Qは冷却液Cとともに主流路36に流れ込み主流路36を通って出口孔33aから排出される。異物Qが出口孔33aから排出されずに主流路36に留まったとしても、主流路36は断面積が大きいので異物Qによる圧力損失は極めて小さい。
なお、前記フィン隙間24の寸法Wはフィン22の高さ方向において隙間が最も狭い箇所における寸法とする。例えば、フィンの厚みが基端(放熱基板側)から先端に向かって薄くなっている場合は基端部における隙間が最も狭くなる。
また、冷却液Cはフィン隙間24にも流れる。前記フィン隙間24を流れる冷却液Cの流速は主流路36よりも遅いが滞留することはなく上流側(入口孔32a側)から下流側(出口孔33a側)に流れる。さらに、前記フィン隙間24と主流路36はフィン22の先端側で連通しているので、冷却液Cは流速の速い主流路36からフィン隙間24にも流入する。このように、フィン22の側面に接触する冷却液Cも絶えず入れ替わるので、フィン22の側面から冷却液Cへの伝熱も支障なく行われる。また、仮に異物Qが主流路36に流入せずに上流でフィン隙間24に詰まったとしても、詰まった箇所を除いて主流路36からフィン隙間24に冷却液Cが流入する。
以上のとおり、前記液冷式冷却器20は異物Qがフィン隙間24に詰まり難い構造であり、かつ異物Qが詰まっても詰まった箇所を避けて冷却液Cが流れる。このため、安定して優れた冷却性能が得られ、異物による圧力損失の上昇も抑制される。また、異物Qを通すためにフィン隙間24の寸法Wを拡げる必要がないので、フィンピッチを小さくすることによる高い冷却性能を維持できる。
前記フィン隙間24の寸法Wは0.1mm〜0.6mmが好ましい。前記寸法Wが0.1mm未満では組立の難度が増してコスト増加につながる。一方、前記寸法Wが大きくなるほどフィン数が減り、0.6mmを超えると高い冷却性能を得にくくなる。特に好ましい寸法Wは0.2mm〜0.5mmである。
前記主流路36の高さHは0.9mm〜3mmの範囲が好ましい。前記主流路36の高さHが0.9mm未満では冷却液Cを優先的に主流路36に流通させる効果が小さくなる。一方、前記高さHが3mmを超えると、冷却液Cが主流路36に抵抗なく流れ過ぎ、その結果フィン隙間24における流速が低下してフィン24側面からの伝熱性能が低下するので、冷却性能の向上を見込めない。前記高さHが0.9mm〜3mmの範囲に設定されていると主流路36とフィン隙間24の流速のバランスが良く、安定して優れた冷却性能が得られる。前記主流路36の特に好ましい高さHは0.9mm〜1.5mmである。
[第2の半導体冷却装置]
図3Aおよび図3Bに示す半導体冷却装置2は、第1の半導体冷却装置1とは液冷式冷却器40のフィン42の形状が異なる。フィン42以外の構成は第1の半導体冷却装置1と共通である。図3Bは前記半導体冷却装置2を上面から見て液冷式冷却器40内を透視し、フィン42と半導体素子11の位置関係を示した図である。
前記フィン42は、前記フィン22と同形の板状フィンの長さ方向の両端部からそれぞれ中心側に寄った2箇所に、フィン42の先端から放熱基板21側に延びるスリット43a、43bを有している。全てのフィン42は同じ位置にスリット43a、43bを有しており、平面視において各スリット43a、43bは冷却液Cの流れを横断する方向に連なっている。
前記主流路36を流れる冷却液Cは前記スリット43a、43bを通じてフィン隙間44に流れ込み、主流路36とフィン隙間44の両方において流れが攪拌される。上流側で異物Qが詰まったとしても、詰まった異物Qよりも下流側ではこの攪拌によって冷却液Cが滞留することなく流れるので、異物Qの影響を受けにくくなる。また、冷却液Cがスリット43a、43bからスリット隙間44に流れ込むことによって、スリット43a、43bより下流域の流速が速くなるので、スリットの無い冷却器よりも冷却性能のばらつきが小さくなる。
前記スリット43a、43bの幅Sとフィン隙間44の寸法WはS≧Wの関係を満たしていることが好ましく、十分な攪拌効果が得られる。前記スリット43a、43bの幅Sがスリット隙間44の寸法Wよりも小さくなると上述した攪拌効果が小さくなる。スリット43a、43bの幅Sが大きくなるほど攪拌効果が大きくなるが、その反面フィン42の表面積が小さくなるので伝熱性能が低下する。かかる観点より、特に好ましいスリット43a、43bの幅Sはスリット隙間Wの1.5倍〜2倍である。
また、スリットは1つあれば上記効果が得られるので、スリット数は限定されない。スリットの位置も限定されない。ただし、発熱体である半導体素子に近い位置にスリットを設けるとフィンへの伝熱効率が低下するので、スリットは半導体素子の直下を避けて設けることが好ましい。半導体素子の直下を避けてスリットを設けることによって、伝熱効率の低下を抑制できる。図3Aおよび図3Bの液冷式冷却器2は、半導体素子11の直下を避けて、半導体素子11よりも上流側と下流側の2箇所にスリット43a、43bを設けている。また、異物Qはフィンの上流側端部に詰まることが多いので、上流側に複数のスリットを設けて異物Qに近い領域の攪拌を促進するようにしてもよい。図4の液冷式冷却器50は、フィン51の半導体素子11よりも上流側の2箇所にスリット52aを設け、下流側にの1箇所にスリット52bを設けて上流域の攪拌を促進するようにした液冷式冷却器である。また、図5の液冷式冷却器55は、フィン56の半導体素子11直下にスリット57を設けた液冷式冷却器である。これらの液冷式冷却器も本発明に含まれる。
なお、図示例の液例式冷却器40は複数のフィン42は同じ位置にスリット43a、43bを有しているが、一部のフィンにのみスリットが設けられている場合や複数のフィンが異なる位置にスリットを有している場合も本発明に含まれる。
[第3の半導体冷却装置]
図6Aおよび図6Bの半導体冷却装置3は、冷却液Cの流れ方向の上流側に2個の半導体素子11a、下流側に2個の半導体素子11bが配置され、合計4個の半導体素子11a、11bが配置されている。4個の半導体素子11a、11bはそれぞれ別個の絶縁基板10に搭載されている。図6Bは前記半導体冷却装置3を上面から見て液冷式冷却器60内を透視し、フィン62と半導体素子11a、11bの位置関係を示した図である。
液冷式冷却器60において、全てのフィン62は冷却液Cの流れ方向の中央にスリット63を有している。平面視において、各スリット63は上流側の半導体素子11aと下流側の半導体素子11bの間で冷却液Cの流れを横断する方向に連なっている。前記スリット63は半導体素子11a、11bの直下を避けた位置に設けられている。そして、前記スリット33において主流路36からフィン隙間64に流れ込み、主流路36とフィン隙間64の両方において流れが攪拌される。上流側で異物Qが詰まったとしても、詰まった異物Qよりも下流側ではこの攪拌によって冷却液Cが滞留することなく流れるので、異物の影響を受けにくくなる。また、冷却液Cがスリット63からスリット隙間64に流れ込むことによって、スリット63より下流域の流速が速くなるので、スリットの無い冷却器よりも複数の半導体素子11a、11bに対する冷却性能のばらつきが小さくなる。
また、複数の半導体素子を有する冷却装置においても、スリット63の幅Sとフィン隙間64の寸法Wの好ましい関係は1つ半導体素子を有する冷却装置と同じである(図3A、3B参照)。
[半導体冷却装置の構成部材の材料]
本発明の半導体冷却装置の構成部材の好ましい材料は以下のとおりである。
絶縁基板10を構成する材料は、電気絶縁性が優れていることはもとより、熱伝導性が良く放熱性が優れていることが好ましい。かかる点で窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al3)、窒化ケイ素(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO)、炭化ケイ素(SiC)等のセラミックを例示できる。また、シリコン樹脂やエポキシ樹脂中に前記セラミックスをフィラーとして混合した複合材料も使用できる。また、絶縁基板10の厚さは0.2mm〜3mmの範囲が好ましい。
配線層12を構成する材料は導電性に優れかつ熱伝導性に優れたものが好ましく、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅または銅合金が好ましい。これらの中でも特に純アルミニウムが好ましい。また、配線層12の厚さは0.2mm〜1mmの範囲が好ましい。また、半導体素子11は前記配線層12にろう付、はんだ付、溶着、接着剤等によって接合される。
緩衝層13を構成する材料および厚みは配線層12を構成する材料に準じる。前記緩衝層13は半導体素子11が発する熱の液冷式冷却器20、40、50、55、60への放熱を促す効果がある。また、前記緩衝層13は必須の層ではなく、絶縁基板10が直接冷却器20、40、50、55、60に接合された半導体冷却装置も本発明に含まれる。
液冷式冷却器20、40、50、55、60を構成する材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅または銅合金などの高熱伝導性材料が好ましい。
本発明は大きな発熱を伴う半導体素子を実装した半導体冷却装置として好適に利用できる。
1、2、3…半導体冷却装置
10…絶縁基板
11、11a、11b…半導体素子
12…配線層
13…緩衝層
20、40、50、55…液冷式冷却器
21…放熱基板
22、42、51、56、62…フィン
24、44、64…フィン隙間
30…ジャケット
31…凹部
35…冷却液流通空間
36…主流路
43a、43b、52a、52b、57、63…スリット
H…主流路の高さ
S…スリットの幅
Q…異物
C…冷却液

Claims (7)

  1. 絶縁基板の一方の面に配線層を介して半導体素子を搭載する絶縁基板と、
    一方の面に複数の板状フィンが所定間隔で立設された放熱基板と、前記フィンを収容する凹部を有し、前記放熱基板の一方の面側に装着されて冷却液流通空間を形成するジャケットを有する液冷式冷却器とを備え、
    前記絶縁基板の他方の面側が、前記液冷式冷却器の放熱基板の他方の面に接合又は接着されている半導体冷却装置であり、
    前記液冷式冷却器の冷却液流通空間において、前記フィンの先端と前記ジャケットの凹部の底面との間に主流路となる隙間が形成され、前記主流路の高さHとフィンとフィンの間のフィン隙間の寸法WとがH>Wの関係を満たしていることを特徴とする半導体冷却装置。
  2. 前記フィン隙間の寸法Wが0.1mm〜0.6mmである請求項1に記載の半導体冷却装置。
  3. 前記主流路の高さHが0.9mm〜3mmである請求項1または2に記載の半導体冷却装置。
  4. 前記フィンは先端から放熱基板側に延びる、少なくとも1つのスリットを有する請求項1〜3のうちのいずれかに記載の半導体冷却装置。
  5. 前記スリットの幅Sとフィン隙間の寸法WはS≧Wの関係を満たしている請求項4に記載の半導体冷却装置。
  6. 前記スリットは半導体素子の直下を避けた位置に設けられている請求項4または5に記載の半導体冷却装置。
  7. 冷却液の流れ方向において複数の半導体素子を有し、前記スリットが冷却液の流れ方向において半導体素子間に設けられている請求項4〜6のうちのいずれかに記載の半導体冷却装置。
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