JP2021082548A - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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享史 梅村
Takafumi Umemura
享史 梅村
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Abstract

【課題】電極母材の切削方法を工夫することで、より高品質なスパークプラグを製造する。【解決手段】スパークプラグは、絶縁体の軸孔内に配置された中心電極20を備えている。中心電極20の先端部には、小径部(例えば、第1小径部101a)と、前記小径部の後端に連なり前記小径部よりも拡径する部分である拡径部(例えば、第1テーパ部102a)とが設けられている。このスパークプラグの製造方法には、切り込み形成工程と、小径部形成工程とが含まれる。切り込み形成工程では、中心電極の材料となる棒状部材100の長手方向の一端側の領域を切削することで、拡径部を有する切り込みを形成する。切り込みを形成した後に行われる小径部形成工程では、切削工具90を一端側fから他端側rへ向かって移動させ、拡径部の先端に連なる小径部を形成する。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関に用いられるスパークプラグの製造方法に関する。
自動車用エンジンなどの内燃機関の着火手段として、スパークプラグが用いられている。スパークプラグは、軸状の中心電極と、その中心電極を内側に保持する略円筒状の絶縁体と、その絶縁体を内側に保持する主体金具とを有している。
中心電極は、耐熱性、耐食性および熱伝導性を確保するため、耐熱性および耐食性に優れる有底筒状の電極母材の内側に、電極母材よりも熱伝導性に優れる芯材が埋設されて形成される。電極母材および芯材は鍛造によって一体化される。その後、電極母材の先端部に他の部分よりも径の小さい小径部が形成される。このような小径部は、例えば、鍛造によって電極母材の先端部の一部を潰すことによって形成することができる。
しかし、鍛造によって電極母材の一部を細くして小径部を形成すると、内側の芯材も潰されるため、熱伝導に寄与する芯材の断面積が小さくなるという問題がある。そこで、例えば、特許文献1などには、電極母材を切削することによって、電極母材の先端に縮径部(小径部)を形成することが開示されている。
特開2018−29005号公報
しかし、中心電極の先端の小径部を切削によって形成するための具体的な手法については詳細に検討されていないのが現状である。
そこで、本発明では、電極母材の切削方法を工夫することで、より高品質なスパークプラグを製造することを目的とする。
本発明の一局面は、軸線に沿って延びる軸孔を有する絶縁体と、前記軸孔内に配置された中心電極とを備えているスパークプラグの製造方法に関する。このスパークプラグにおいて、前記中心電極は、その先端部に、自身より後端側の部位よりも径の小さい小径部と、前記小径部の後端に連なり拡径する部分である拡径部とを少なくとも有する。このスパークプラグの製造方法は、切り込み形成工程と、小径部形成工程とを含む。前記切り込み形成工程では、前記中心電極の材料となる棒状部材の長手方向の一端側の領域を切削することで、前記拡径部と、前記拡径部の前記一端側の端に連なり前記一端側から他端側に向かって徐々に径が小さくなる縮径部とを有する切り込みを形成する。前記小径部形成工程では、前記切り込みを形成した後に、前記棒状部材の前記一端側から前記他端側へ向かって切削工具を移動させ、前記拡径部よりも前記一端側の領域を切削することによって、前記切り込み形成工程で形成した前記拡径部の先端に連なる前記小径部を形成する。
上記の製造方法では、先ず、切り込み形成工程によって、棒状部材に、拡径部を有する切り込みを形成する。その後、棒状部材の一端側から他端側へ向かって切削工具を移動させ、拡径部よりも一端側の領域を切削することによって小径部を形成する。このように、電極母材である棒状部材の切削方法を工夫することで、リングバリの少ない高品質なスパークプラグを製造することができる。なお、切削段階で万一リングバリが発生するとしても、小径部形成工程で切削工具を一端側から他端側へ移動させることで、リングバリは発火部である先端部から離れた位置に形成されやすくなる。そのため、リングバリに起因する異常放電の発生を抑制することができる。また、中心電極の先端側となる棒状部材の一端側にリングバリが形成されると、先端部にチップを溶性する際に溶接不良が生じる可能性がある。これに対して、上記の製造方法によって製造されたスパークプラグでは、中心電極の先端部におけるリングバリの発生が抑えられるため、チップの溶接不良のリスクを低減させることができる。
上記の本発明の一局面にかかるスパークプラグの製造方法において、前記拡径部のうちの少なくとも1つは、先端側から後端側に向かって徐々に径が大きくなるテーパ部であってもよい。拡径部がテーパになっていることで、小径部形成工程においてリングバリの倒れしろ(棒状部材に対するリングバリの倒れ量)を大きくすることができる。これにより、発生したリングバリをより容易に除去することができる。
また、上記の本発明の一局面にかかるスパークプラグの製造方法は、前記小径部形成工程の後に、前記切削工具を前記他端側に移動させながら前記棒状部材から離間させることを含むことが好ましい。
これによれば、小径部形成工程での切削時に万一リングバリが発生した場合であっても、小径部形成工程の終了時に切削工具を他端側に移動させながら棒状部材から離間させることで、追加の工程を行うことなくリングバリを削り取ることができる。
上記の本発明の一局面にかかるスパークプラグの製造方法において、前記切削工具の先端には、鋭角形状の刃が設けられており、前記小径部形成工程では、前記刃を、前記棒状部材の軸線に垂直な面よりも前記一端側に位置させた状態で前記切削工具を移動させることが好ましい。
これによれば、小径部形成工程において、切削工具をよりスムーズに動作させることが可能となり、バリなどの凹凸の少ない外周面を有する小径部を形成することができる。
本発明の一局面にかかるスパークプラグの製造方法によれば、中心電極の先端部周辺にバリなどの発生を抑えることができ、より高品質なスパークプラグを製造することができる。
本発明の一実施形態にかかるスパークプラグの外観および内部構成を示す片側断面図である。 本発明の一実施形態にかかるスパークプラグの中心電極の先端部分の構成を示す側面図である。 本発明のもう一つの実施形態にかかるスパークプラグの中心電極の先端部分の構成を示す側面図である。 (a)から(d)は、本発明の一実施形態にかかるスパークプラグの製造方法の工程を順に示す模式図である。 小径部形成工程における棒状部材と切削工具との位置関係を説明するための模式図である。 (a)から(c)は、中心電極が2つの小径部を有する場合のスパークプラグの製造方法の工程を順に示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態では、スパークプラグ1の製造方法を例に挙げて説明する。
(スパークプラグの構成)
先ず、スパークプラグ1の全体構成について、図1を参照しながら説明する。スパークプラグ1は、絶縁体50および主体金具30を備えている。
絶縁体50は、スパークプラグ1の長手方向に延びる略円筒形状の部材である。絶縁体50内には、軸線Oに沿って延びる軸孔50aが形成されている。絶縁体50は、絶縁性、耐熱性、および熱伝導性に優れた材料で形成されている。例えば、絶縁体50は、アルミナ系セラミックなどで形成されている。絶縁体50の先端部51には、中心電極20が設けられている。スパークプラグ1および絶縁体50において、中心電極20が設けられている側をスパークプラグ1または絶縁体50の先端側とし、その他端側を後端側とする。絶縁体の他方の端部(すなわち、後端部)には、端子金具53が取り付けられている。中心電極20と端子金具53との間には、導電性ガラスシール55が設けられている。
中心電極20は、その先端部分(図2に示す第1小径部101aおよび第1テーパ部102aなど)が絶縁体50の先端部51から突出した状態で、絶縁体50の軸孔50aに貫通保持されている。中心電極20は、第1小径部101aが略円筒形状の絶縁体50の軸線O上に位置するように、絶縁体50に対して取り付けられている。中心電極20は略円柱形状を有しており、その先端部分は、第1小径部101aへ向かって縮径している。中心電極20の先端(すなわち、第1小径部101a)には、例えば、円柱状に成形された貴金属チップ(図示せず)が、溶接などによって接合される。
中心電極20は、電極母材21と芯材22とを有している。電極母材21は、例えば、Ni(ニッケル)を主成分として含むNi基合金等の金属材料で形成される。Ni基合金に添加される合金元素としては、Al(アルミニウム)等が挙げられる。芯材22は、電極母材21の内側に埋設されている。芯材22は、電極母材よりも熱伝導性に優れた金属材料(例えば、Cu(銅)又はCu合金など)で形成することができる。電極母材21および芯材22は、鍛造によって一体化される。なお、この構成は本発明の一例であり、芯材は設けられていなくてもよい。すなわち、中心電極は電極母材のみで形成されていてもよい。
中心電極20を構成する電極母材21の先端部は、概略的には、先端側に向かって縮径する先細の形状を有している。後述するように、電極母材21の先端は、径の異なる複数の部分を有している。
主体金具30は、内燃機関のネジ穴に固定される略円筒形状の部材である。主体金具30は、絶縁体50を部分的に覆うように設けられている。略円筒形状の主体金具30内に絶縁体50の一部が挿入された状態で、主体金具30の後端側に存在する絶縁体50との隙間は、タルク61によって充填されている。
主体金具30は、導電性を有する金属材料で形成されている。このような金属材料としては、低炭素鋼、または鉄を主成分とする金属材料などが挙げられる。主体金具30は、主に、加締め部31、工具係合部32、湾曲部33、座部34、および胴部36などを有している。
加締め部31および湾曲部33は、絶縁体50に主体金具30を取り付けるための部位である。工具係合部32は、内燃機関のネジ穴に主体金具30を取り付けるときにレンチなどの工具を係合させる部位である。座部34は、工具係合部32と胴部36との間に位置している。スパークプラグ1が内燃機関に取り付けられた状態で、座部34には、環状のガスケットが配置される。胴部36は、絶縁体50の先端部51側に位置している。スパークプラグ1が内燃機関に取り付けられる際には、胴部36の外周に形成されたネジ溝(図示せず)が内燃機関のネジ穴に螺合される。
また、主体金具30の先端部側(胴部36が位置する側)には、接地電極11が取り付けられている。接地電極11は、溶接などによって主体金具30に接合されている。接地電極11は、全体が略L字形に屈曲する板状体で、基端側が主体金具30の先端面に接合固定されている。接地電極11の先端部は、絶縁体50の軸線Oの仮想延長線が通過する位置にまで延びている。そして、接地電極11の先端部の近傍には、中心電極20側に向かって突出する凸部(図示せず)が形成されている。
接地電極11は、例えば、Ni(ニッケル)を主成分として含むNi基合金等の金属材料を電極母材として形成される。Ni基合金に添加される合金元素としては、Al(アルミニウム)等が挙げられる。接地電極11は、Ni以外の成分として、Mn(マンガン)、Cr(クロム)、Al(アルミニウム)、およびTi(チタン)より選択される少なくとも一つの元素を含んでいてもよい。
(中心電極の先端部の構成)
続いて、中心電極20のより具体的な構成について説明する。図2には、一実施形態にかかる中心電極20の先端部の外観構成を示す。以降の説明では、中心電極20の先端側をFとし、後端側をRとする。
図2に示すように、中心電極20の先端側Fは、最も先端に位置する第1小径部101aへ向かって徐々に縮径している。中心電極20の先端のこのような形状は、電極母材21の表面を切削して形成される。なお、電極母材21が切削される前の中心電極20の材料となる部材を、棒状部材100と呼ぶ。
電極母材21の先端は、先端側Fから順に、第1小径部101a、第1テーパ部102a、第2小径部101b、および第2テーパ部102bで構成されている。第1小径部101aは、略円柱形状(全体にわたってほぼ一定の径)を有しており、中心電極20において最も径の小さい部分である。第1テーパ部102aは、第1小径部101aの後端に連なり、先端側F(第1小径部101a側)から後端側Rに向かって拡径している。第1テーパ部102aは、拡径部ということもできる。
第2小径部101bは、第1テーパ部102aの後端に連なり、略円柱形状(全体にわたってほぼ一定の径)を有している。第2小径部101bの径は、第1テーパ部102aの最も後端側の径と同じである。第2テーパ部102bは、第2小径部101bの後端に連なり、先端側F(第2小径部101b側)から後端側Rに向かって拡径している。第2テーパ部102bは、拡径部ということもできる。第2テーパ部102bの後端には、電極母材21の本体部21aが連なっている。本体部21aは、切削されておらず、材料となる棒状部材100と同じ径を有している。
図3には、別の実施形態にかかる中心電極220の先端部の外観構成を示す。この実施形態では、中心電極220の先端側Fは、最も先端に位置する第1小径部201aへ向かって段階的に縮径している。このような形状の中心電極220の先端も、電極母材21の表面を切削して形成することができる。
電極母材21の先端は、先端側Fから順に、第1小径部201a、および第2小径部201bで構成されている。第1小径部201aは、略円柱形状(全体にわたってほぼ一定の径)を有しており、中心電極220において最も径の小さい部分である。第2小径部201bは、第1小径部201aの後端に連なっている。
第2小径部201bは、第1小径部201aよりも拡径している。すなわち、第2小径部201bは、第1小径部201aの径よりも大きな径の略円柱形状(全体にわたってほぼ一定の径)を有している。第2小径部201bは、第1小径部201aの径よりも大きいため、第1小径部201aに対して拡径部ということもできる。
第2小径部201bの後端には、電極母材21の本体部21aが連なっている。本体部21aは、切削されておらず、材料となる棒状部材100と同じ径を有している。本体部21aは、第2小径部201bの径よりも大きいため、第2小径部201bに対して拡径部ということもできる。
以上のように、本発明にかかるスパークプラグ1では、中心電極の先端部分にテーパ形状の部分が設けられていてもよいし、テーパ形状の部分が設けられていなくてもよい。
また、さらに別の実施形態では、中心電極20の先端部は、第1小径部101aと第1テーパ部102aとで形成されていてもよい。このような構成の場合、第1テーパ部102aの後端には、電極母材21の本体部21aが連なっている。また、中心電極220の先端部は、第1小径部201aと、その後端に連なる電極母材21の本体部21a(拡径部に相当)とで形成されていてもよい。すなわち、本発明にかかるスパークプラグの中心電極は、一つの小径部と、一つの拡径部とを少なくとも有していればよい。
(スパークプラグの製造方法)
続いて、スパークプラグ1の製造方法について説明する。ここでは、スパークプラグ1の製造方法の中でも、中心電極の先端部を形成する工程を中心に説明する。スパークプラグ1の製造方法における、それ以外の製造工程については、従来のスパークプラグ製造方法と同様の製造方法が適用できる。
図4の(a)から(d)には、スパークプラグ1の製造方法に含まれる中心電極20の形成工程を順に示す。図4では、一つの小径部(第1小径部101a)と、一つの拡径部(第1テーパ部102a)とを有する中心電極20を形成する場合の各工程を示す。
先ず、中心電極20の材料となる棒状部材100を準備する(図4(a)参照)。棒状部材100は、略円柱形状の金属材料である。一例では、棒状部材100は、電極母材21と、電極母材21の後端側の内部に埋設された芯材22(図4では図示せず)とで形成されている。なお、本明細書では、棒状部材100の長手方向の一端側をfとし、他端側をrとする。この場合、棒状部材100の一端側fの端部が切削され、中心電極20の先端部となる。
棒状部材100は、例えば、バイトなどの切削工具90を用いて所定の形状に切削される。最初に、棒状部材100の一端側fの領域を切削することで、棒状部材100の外周面に切り込み110を形成する。この工程は、切り込み形成工程と呼ばれる。
図4(a)に示す棒状部材100の断面模式図では、切り込み110が形成される位置を破線で示している。また、図4(b)では、切り込み110が形成された後の棒状部材100の断面構成を示している。
切り込み110は、一端側fから他端側rに向かって徐々に拡径する拡径部111と、一端側fから他端側rに向かって徐々に縮径する縮径部112とで形成されている。切り込み110の形成領域において、拡径部111と縮径部112との境界(すなわち、拡径部111の一端側fの端)が、最も棒状部材100の径が小さくなっている。
切り込み形成工程において、切削工具90の移動方向は特に限定されない。すなわち、図4(a)に示す棒状部材100に対して、一端側fから他端側rへ切削工具90を移動させてもよいし、他端側rから一端側fへ切削工具90を移動させてもよい。一実施形態では、他端側rから一端側fへ切削工具90を移動させて、切り込み110を形成する。
その後、もう一度切削工具90を用いて、切り込み110をさらに抉るように棒状部材100を切削する。図4(b)には、この切削で形成される第2の切り込み110’の位置を破線で示している。この切削においても、切削工具90の移動方向は特に限定されない。一実施形態では、上記と同様に、他端側rから一端側fへ切削工具90を移動させて、図4(c)に示すような第2の切り込み110’を形成する。
第2の切り込み110’は、一端側fから他端側rに向かって徐々に拡径する第1テーパ部102aと、一端側fから他端側rに向かって徐々に縮径する縮径部113とで形成されている。つまり、以上の切り込み形成工程において、第1テーパ部102aが得られる。
その後、小径部形成工程が行われる。小径部形成工程では、切り込み形成工程で形成された第1テーパ部102aの先端側に第1小径部101aを形成する。小径部形成工程では、棒状部材100の一端側fから他端側rへ向かって切削工具90を移動させ、第1テーパ部102aよりも一端側fの領域を切削する。これにより、第1テーパ部102aの先端側Fに連なる第1小径部101aが形成される。
図4(c)では、小径部形成工程における切削工具90の移動方向を矢印Aで示す。また、図4(c)には、小径部形成工程の切削で形成される第1小径部101aの位置を破線で示している。
以上の各工程によって、図4(d)に示すように、一つの小径部(第1小径部101a)と、一つの拡径部(第1テーパ部102a)とを有する中心電極20が得られる。
本実施形態にかかるスパークプラグ1の製造方法では、一つの第1小径部101aと、一つの第1テーパ部102aとを有する中心電極20を形成する際に、切り込み形成工程によって先ず第1テーパ部102a(すなわち、少なくとも一つの拡径部)を形成する。その後、小径部形成工程によって第1小径部101a(すなわち、少なくとも一つの小径部)を形成する。小径部形成工程では、棒状部材100の一端側fから他端側rへ向かって切削工具90を移動させる。
以上のような方法で中心電極20の先端部分を形成することで、拡径部を形成する前に小径部を形成し、その後、切削工具を棒状部材の他端側から一端側へ向かって移動させて拡径部を形成する方法と比較して、中心電極の外周面に発生し得るリングバリの発生率を低く抑えることができる。したがって、リングバリの発生に伴うスパークプラグの不良品の発生率を低減させることができる。
なお、中心電極20が少なくとも一つのテーパ部を有する構成の場合、小径部形成工程の終了時には、切削工具90を棒状部材100の他端側rに移動させながら切削工具90を棒状部材100から離間させることが好ましい。これにより、切削時に棒状部材100の周囲にバリが発生した場合であっても、第1テーパ部102aなどの形状に沿って中心電極20の先端部から離れる方向にバリを移動させて削り落とすことができる。そのため、形成された中心電極20の先端部にバリおよび削りカスなどが残存する可能性をより低減させることができる。そのため、もし切削時にリングバリが発生した場合であっても、追加の工程を行うことなくリングバリを削り取ることができる。
また、小径部形成工程では、棒状部材100に対して切削工具90の刃先90aを、図5に示すような状態に維持しながら、図中矢印A方向に切削工具90を移動させることが好ましい。ここで、切削工具90の先端に位置する刃先90aの角度θは鋭角(90度未満)となっている。そして、小径部形成工程で小径部(例えば、第1小径部101a)を形成する際には、切削工具90の刃先90aを、棒状部材100の軸線Oに垂直な面Vよりも一端側fに常に位置させた状態で、切削工具90を他端側rへ移動させることが好ましい。
これにより、小径部形成工程において、切削工具90をよりスムーズに動作させることが可能となり、バリなどの凹凸の少ない外周面を有する小径部(例えば、第1小径部101a)を形成することができる。
なお、上記の例では、図4(a)および図4(b)に示すように、切り込み形成工程を二段階に分けて行う方法を説明した。しかし、別の例では、1回の切削工具90の移動動作によって切り込み形成工程を実施してもよい。この場合には、1回目の切削によって、一端側fから他端側rに向かって徐々に拡径する第1テーパ部102aと、一端側fから他端側rに向かって徐々に縮径する縮径部113とを有する第2の切り込み110’が形成される(図4(c)参照)。
また、上述の製造方法は、拡径部がテーパ形状ではない中心電極(例えば、中心電極の先端部が、第1小径部201aと、その後端に連なる電極母材21の本体部21aとで構成される場合)にも適用することができる。
また、図2に示す中心電極20および図3に示す中心電極220のように、先端に2つ以上の小径部を有する中心電極は、上述の切り込み形成工程および小径部形成工程の各工程を複数回繰り返すことによって形成することができる。
図6の(a)から(c)には、図2に示すような2つの小径部(すなわち、第1小径部101aおよび第2小径部101b)を有する中心電極20を形成する場合の製造方法を示す。
先ず、図6(a)に示すように、中心電極20の材料となる棒状部材100を準備する。そして、図4の(a)から(d)に示す切り込み形成工程および小径部形成工程を行うことによって、図6(b)に示すように、本体部21aの先端側に、仮の第2小径部101b’と第2テーパ部102bとを形成する。
その後、棒状部材100の一端側fに位置する仮の第2小径部101b’に対して、再度、図4の(a)から(d)に示す切り込み形成工程および小径部形成工程を行う。これにより、仮の第2小径部101b’の一端側fは切削工具90によって削られ、図6(c)に示すように、第1小径部101aおよび第1テーパ部102aが形成される。
以上のように、中心電極がその先端に2つ以上の小径部を有する場合には、切り込み形成工程および小径部形成工程の各工程を繰り返し行えばよい。これにより、先端の全領域にわたってリングバリの少ない中心電極を形成することができる。
(まとめ)
以上のように、本実施形態にかかるスパークプラグ1は、絶縁体50の軸孔50a内に配置された中心電極(例えば、中心電極20、中心電極220など)を有している。中心電極の先端部には、小径部(例えば、第1小径部101a、第1小径部201aなど)と、前記小径部の後端に連なり前記小径部よりも拡径する部分である拡径部(例えば、第1テーパ部102a、第2小径部201bなど)とが設けられている。
このような中心電極を有するスパークプラグ1の製造方法には、切り込み形成工程と、小径部形成工程とが含まれる。切り込み形成工程は、中心電極の材料となる棒状部材100の長手方向の一端側fの領域を切削することで、拡径部(例えば、第1テーパ部102a、第2小径部201bなど)を有する切り込み(例えば、切り込み110、第2の切り込み110’など)を形成する。切り込みを形成した後に行われる小径部形成工程では、切削工具90を棒状部材100の一端側fから他端側rへ向かって移動させ、拡径部よりも一端側fの領域を切削することによって、切り込み形成工程で形成した拡径部の先端に連なる小径部(例えば、第1小径部101a、第1小径部201aなど)を形成する。
以上のような製造方法で中心電極20の先端部分を形成することで、拡径部を形成する前に小径部を形成する切削方法と比較して、中心電極の外周面に発生し得るリングバリの発生率を低く抑えることができる。したがって、リングバリの少ない高品質なスパークプラグを製造することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
1 :スパークプラグ
20 :中心電極
50 :絶縁体
50a :軸孔
90 :切削工具
90a :刃先(鋭角状の刃)
100 :棒状部材
101a:第1小径部(小径部)
101b:第2小径部(小径部)
102a:第1テーパ部(拡径部、テーパ部)
102b:第2テーパ部(拡径部、テーパ部)
110 :切り込み
111 :拡径部
112 :縮径部
113 :縮径部
F :先端側
R :後端側
f :一端側
r :他端側

Claims (4)

  1. 軸線に沿って延びる軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔内に配置され、先端部には、自身より後端側の部位よりも径の小さい小径部と、前記小径部の後端に連なり拡径する部分である拡径部とを少なくとも有する中心電極と
    を備えているスパークプラグの製造方法であって、
    前記中心電極の材料となる棒状部材の長手方向の一端側の領域を切削することで、前記拡径部と、前記拡径部の前記一端側の端に連なり前記一端側から他端側に向かって徐々に径が小さくなる縮径部とを有する切り込みを形成する、切り込み形成工程と、
    前記切り込みを形成した後に、前記棒状部材の前記一端側から前記他端側へ向かって切削工具を移動させ、前記拡径部よりも前記一端側の領域を切削することによって、前記切り込み形成工程で形成した前記拡径部の先端に連なる前記小径部を形成する、小径部形成工程と
    を含むスパークプラグの製造方法。
  2. 前記拡径部のうちの少なくとも1つは、先端側から後端側に向かって徐々に径が大きくなるテーパ部である、
    請求項1に記載のスパークプラグの製造方法。
  3. 前記小径部形成工程の後に、前記切削工具を前記他端側に移動させながら前記棒状部材から離間させることを含む、
    請求項2に記載のスパークプラグの製造方法。
  4. 前記切削工具の先端には、鋭角形状の刃が設けられており、
    前記小径部形成工程では、前記刃を、前記棒状部材の軸線に垂直な面よりも前記一端側に位置させた状態で前記切削工具を移動させる、
    請求項1から3の何れか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
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