JP2021081302A - 放射線防護衣 - Google Patents

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Nobumasa Kawahara
伸雅 河原
明男 山本
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Abstract

【課題】動きやすく、シームからの放射線を遮蔽することができる放射線防護衣を提供する。【解決手段】シート状の放射線遮蔽素材からなる本体部10と、本体部自体を、身体の形状に合わせて立体的に縫製した立体縫製部12と、立体縫製部のシーム14を覆うシート状の放射線遮蔽素材からなる帯状部材とを備えること、また、立体縫製部が、本体部の左右の折返部の山部同士の縫い合わせからなり、帯状部材が、シームを覆う状態で、本体部の左右の折返片部に被るように配置され、帯状部材が、左右の折返片部に縫製により固定されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線を遮蔽するための放射線防護衣に関する。
従来より、病院、研究室、原子力施設等において放射性物質の存在下で作業を行う際の放射線被曝を避けるために、放射線防護衣が開発されている。一般的に、放射線防護衣には、ゴムまたは塩化ビニル樹脂等の合成樹脂に鉛、タングステン等の放射線遮蔽能力を有する金属を均一に混和してシート化した放射線遮蔽素材をコート型やエプロン型等に加工したものが広く用いられている。
例えば、特許文献1には、X線遮蔽素材によって構成される遮蔽部の表面又は裏面を、透明な可撓性保護シートで被覆したことを特徴とするX線防護用品が開示されている。また、特許文献2には、後身頃と、重ね合わされる左右の前身頃と、該重ね合わされる左右の前身頃を互いに固定するための面ファスナーとを備えた放射線防護衣が開示されている。また、特許文献3には、表面布を立体裁断縫着すると共に、遮蔽材を立体裁断接着することにより、X線防護衣本体被覆部に乳房受け部を設けたことを特徴とするX線防護衣が開示されている。
特開2003−4893号公報 特開2012−132127号公報 実用新案登録第3104523号公報
しかしながら、従来の放射線防護衣は、様々な改良が成されているものの未だに重く、動きが制限されている。また、特許文献3のX線防護衣は、立体的ではあるものの、遮蔽材の接着方法について、X線防護の完全性を期すことから、縫着によりいたずらに穴を開けることは好ましくなく、端部同士を上下に重ねて接着剤を介して接着する方法が好ましいとしている。なお、診断用X線に対する防護用具は、JIS T 61331−3の5.2設計において、防護されていない縫い目、部品を固定する孔などが、防護エプロン及び防護コートの前面にあってはならないと規定されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、動きやすく、放射線を遮蔽することができる放射線防護衣を提供することにある。
請求項1記載の放射線防護衣は、シート状の放射線遮蔽素材からなる本体部と、本体部自体を、身体の形状に合わせて立体的に縫製した立体縫製部と、立体縫製部のシームを覆うシート状の放射線遮蔽素材からなる帯状部材とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の放射線防護衣は、立体縫製部が、本体部の左右の折返部の山部同士の縫い合わせからなり、帯状部材が、シームを覆う状態で、本体部の左右の折返片部に被るように配置され、帯状部材が、左右の折返片部に縫製により固定されていることを特徴とする。
請求項3記載の放射線防護衣は、立体縫製部が、本体部の左右の折返部の山部同士の縫い合わせからなり、帯状部材が、シームを覆う状態で、本体部の左右の折返片部に被るように配置されていると共に、帯状部材より幅広で帯状の被覆部材で覆われ、被覆部材が帯状部材を覆った状態で本体部に接着固定されていることで、帯状部材は本体部に固定されていることを特徴とする。
請求項4記載の放射線防護衣は、本体部および/または帯状部材を構成する放射線遮蔽素材が、表面に金属のめっき膜が形成された布帛であることを特徴とする。
請求項5記載の放射線防護衣は、布帛がポリエステル布帛であり、金属が鉛であることを特徴とする。
本願の発明に係る放射線防護衣によれば、放射線遮蔽素材からなる本体部と、身体の形状に合わせて立体的に縫製した立体縫製部と、立体縫製部のシームを覆う放射線遮蔽素材からなる帯状部材とを備えていることにより、動きやすく、シームからの放射線を遮蔽することができる。
本発明に係る放射線防護衣の第1の実施例を示す説明図である。 図1に示した本発明に係る放射線防護衣の第1の実施例の一部分を拡大した説明図である。 本発明に係る放射線防護衣の第2の実施例の一部分を拡大した説明図である。
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本発明に係る放射線防護衣の第1の実施例を示す正面図である。図2は、図1に示した本発明に係る放射線防護衣の第1の実施例の一部分を拡大した説明図である。図2(a)は表面の拡大図、図2(b)は裏面の拡大図、図2(c)は図2(b)のA−A線断面図である。図3は、本発明に係る放射線防護衣の第2の実施例の一部分を拡大した説明図である。図3(a)は表面の拡大図、図3(b)は裏面の拡大図、図3(c)は図3(b)のB−B線断面図である。
本発明に係る放射線防護衣1は、例えば、病院、研究室、原子力施設、軍事施設、宇宙空間等において、放射性物質の存在下で作業を行う際に、放射線被曝を避けるために着用するものである。放射線防護衣1は、エプロン型、コート型、セパレート型のハーフコート、スカート、パンツ、着用者のほぼ全身を覆うタイプだけでなく、ネックガード、マント、帽子、手袋等の作業者が作業の際に身につけるものも含む。
放射線を遮蔽するための放射線防護衣1は、本体部10と、立体縫製部12と、帯状部材30とを備えている。本体部10は、シート状の放射線遮蔽素材からなり、立体縫製部12は、本体部10自体を、身体の形状に合わせて立体的に縫製することにより形成されている。つまり、立体縫製部12は、シート状の放射線遮蔽素材を裁断した複数のパーツ同士を身体の形状に合わせて立体的に縫製することにより、または、裁断されたパーツの一部分に例えばダーツを形成するように立体的に縫製することにより形成されたシート状の放射線遮蔽素材同士の結合部分である。立体縫製部12により、放射線防護衣1は立体的に形成されている。
なお、放射線遮蔽素材には、ゴムまたは塩化ビニル樹脂、ポリウレタン等の合成樹脂に鉛、タングステン等の放射線遮蔽能力を有する金属を均一に混和してシート化したものや、当該金属を含有する合成樹脂等を繊維状に形成したものをシート状に織ったものや、布帛を始めとするシート状の基材に当該金属をめっき、塗布、噴霧等したもの等が考えられる。また、放射線遮蔽能力をより高めるために、シート状の放射線遮蔽素材を複数枚重ねて放射線防護衣を構成してもよい。その場合、放射線防護衣は、複数枚の放射線遮蔽素材を重ねて一つのシート状素材としてもよいし、または、本発明の構成を有する放射線遮蔽素材を最も外側に配置し、本発明と同様、もしくは、異なる構成を有する一枚以上の放射線遮蔽素材を内側(着用者側)に配置してもよい。
帯状部材30は、立体縫製部12のシーム14を覆うシート状の放射線遮蔽素材からなる。シーム14は、本体部10を構成するシート状の放射線遮蔽素材同士の結合部分である立体縫製部12に形成された縫製による縫い目である。このため、立体縫製部12のシーム14は、放射線が縫い目の隙間を通り抜ける可能性があるものの、放射線遮蔽素材からなる帯状部材30によって覆われているため、放射線を遮蔽することができる。なお、本発明のシーム14は縫製による縫い目であるが、本発明の構成は接着剤等を介した接着による継ぎ目等にも適用可能である。
放射線防護衣1は、放射線遮蔽素材からなる帯状部材30が、身体の形状に合わせて立体的に縫製した立体縫製部12のシーム14を覆っていることにより、動きやすく、シーム14からの放射線を遮蔽することができる。
帯状部材30の材質、長さ、幅、固定方法等は、帯状部材30がシーム14を覆って、縫い目であるシーム14の隙間から入り込む放射線を遮蔽することが可能であれば任意である。
シーム14を覆う帯状部材30の固定の仕方については、好ましくは、図1の80の拡大図である図2に示すように固定されている。立体縫製部12は、本体部10の左右の折返部16、22の山部18、24同士の縫い合わせからなる。そして、帯状部材30は、シーム14を覆う状態で、本体部10の左右の折返片部20、26に被るように配置され、帯状部材30は、左右の折返片部20、26に縫製により固定されている。
または、好ましくは、図3に示すように固定されている。放射線防護衣2の立体縫製部42は、本体部40の左右の折返部46、52の山部48、54同士の縫い合わせからなる。そして、帯状部材60は、シーム44を覆う状態で、本体部40の左右の折返片部50、56に被るように配置されていると共に、帯状部材60より幅広で帯状の被覆部材70で覆われている。被覆部材70が帯状部材60を覆った状態で本体部40に接着固定されていることで、帯状部材60は本体部40に固定されている。
この場合、被覆部材70は、任意ではあるが、織物、編み物、不織布等を基布にして、熱可塑性の接着剤を付与した接着芯地であることが好ましい。接着剤としては、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系、エチレン酢酸ビニルコポリマー系、ポリエチレン系、ポリエステル系等の樹脂等が挙げられる。
また、放射線防護衣1、2に用いられている本体部10、40および/または帯状部材30、60を構成する放射線遮蔽素材は、任意ではあるが、布帛に金属をめっきして、表面に金属のめっき膜が形成された布帛であることが好ましい。特に、布帛はポリエステル布帛であり、金属は鉛であることが好ましい。
放射線遮蔽素材の基材としては、無機材料からなるものおよび有機材料からなるものがある。無機材料としては、例えば、ケイ酸ガラス、アクリルガラス、カルコゲンガラス等のガラスや、シリカ、アルミナ等のセラミックスがある。
有機材料としては、木材、天然樹脂、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴム、紙、天然繊維、合成繊維、および、天然繊維または合成繊維からなる布帛等がある。合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等がある。合成繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維等がある。天然繊維または合成繊維からなる布帛としては、綿布帛、ポリエステル系の布帛、アクリル系の布帛、ポリウレタン系の布帛等がある。
放射線遮蔽素材の基材としては、これらの無機材料または有機材料の単体からなるもののみならず、複数の無機材料の混合物、複数の有機材料の混合物、および無機材料と有機材料の混合物からなるものも含まれる。本発明においては、ポリエステル100%の布帛であることが特に好ましい。
放射線遮蔽素材に用いられる金属、例えば、布帛の金属めっきに用いられる金属は、放射線遮蔽能力を有する金属であれば任意であるが、例えば、原子番号が40以上の鉛、タングステン、スズ、ビスマス、ヨウ素、セシウム、バリウム、タンタル、アンチモン、金、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム等から選択される少なくとも1種の元素がある。放射線遮蔽能力を有する金属は、高い放射線遮蔽能を有することから鉛であることが好ましい。
布帛を金属めっきする方法は、基本的には、布帛の表面を粗化する工程と、粗化した布帛の表面に触媒を吸着させる工程と、触媒を金属化して布帛の表面に金属膜を形成する工程と、金属膜の上に放射線遮蔽能力を有する金属のめっき膜を形成する工程とからなる。このような方法により、無機材料および/または有機材料からなる基材の表面に、放射線防護性能を有するのに十分な厚さの金属めっき膜を形成することができる。
以下、図1〜3示す実施例を用いて本発明の放射線防護衣1、2の製造方法を説明する。本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
本発明の実施例1において、シート状の放射線遮蔽素材として、表面に鉛のめっき膜が形成されたポリエステル布帛を用いた。以下にその作製方法を示す。
まず、ポリエステル布帛の表面の汚れを除去するために、脱脂処理が行われた。具体的には、脱脂剤を用いて、ポリエステル布帛の表面の油分等の汚れを膨油させて、浮かせて除去した。本実施例においては、脱脂剤として奥野製薬工業(株)のアルカリ性脱脂剤、エースクリーンA−220(商品名)が用いられた。エースクリーンA−220を30〜50g/Lの割合で溶解させた溶液に、ポリエステル布帛を5分間浸漬させた。その後、ポリエステル布帛を引き上げて水洗した。
次に、脱脂されたポリエステル布帛の表面を粗化して、密着性を向上させる整面処理が行われた。整面処理として、ポリエステル布帛を、400g/Lの水酸化カリウム溶液に1〜3分間浸漬させた。この間、水酸化カリウム溶液は、40℃±5℃の温度範囲に保たれた。その後、ポリエステル布帛を引き上げて水洗した。
次に、ポリエステル布帛の表面に電位を付与して、続く触媒吸着処理における触媒の吸着を促進させるために、第1活性化処理が行われた。本実施例においては、奥野製薬工業(株)のプラスチック用めっき処理薬品、コンディライザーFRコンク(商品名)が表面調整剤として用いられた。50ml/LのコンディライザーFRコンク溶液に、ポリエステル布帛を1〜3分間浸漬させた。
次に、ポリエステル布帛の表面に触媒を吸着させる処理が行われた。本実施例においては、触媒として、塩化パラジウム(Pd(II)Cl)が用いられた。塩化パラジウム触媒をポリエステル布帛の表面に吸着させるため、奥野製薬工業(株)のプラスチック用めっき処理薬品キャタリストC(商品名)が、触媒付与剤として用いられた。60ml/LのキャタリストC、180〜200ml/Lの濃塩酸を含有する溶液に、ポリエステル布帛を1〜3 分間浸漬させた。
次に、ポリエステル布帛の表面に吸着させた塩化パラジウムを金属化させる第2活性化処理が行われた。本実施例においては、活性化剤として、奥野製薬工業(株)のOPC−555アクセレーターM(商品名)が用いられた。100ml/LのOPC−555アクセレーターMの溶液に、塩化パラジウム触媒を吸着させたポリエステル布帛を1〜3分間浸漬させた。この処理によって、ポリエステル布帛の表面に吸着させた塩化パラジウムが金属化され、金属パラジウムとなった。
次に、ポリエステル布帛の表面の金属パラジウムを置換めっきすることにより、ポリエステル布帛の表面に銅めっき膜が形成された。表面に金属パラジウムが吸着されたポリエステル布帛を、ホルムアルデヒドを還元剤として含有する無電解銅めっき液に浸漬することによって、無電解銅めっき処理が行われた。無電解銅めっき液としては、ホルムアルデヒドを還元剤として含有するめっき液が用いられた。無電解銅めっき液の温度は、40℃±5℃に制御された。銅めっき膜の形成速度は、1μm/10minであった。
次に、表面に銅めっき膜が形成されたポリエステル布帛に対して、鉛めっき処理が行われた。鉛めっき処理により形成される鉛めっき膜の厚さは、通電時間及び通電量により変化するので、銅めっき膜が形成されたポリエステル布帛について、最適な条件が決定される。本実施例においては、鉛めっき処理を行うための鉛めっき液として、下記の配合を有するめっき液を用いた。
Pb(BF 300g/L
HBF 30g/L
BO 40g/L
このめっき液に銅めっき膜が形成されたポリエステル布帛を浸漬し、槽電圧6V、めっき液温度30℃±5℃の条件下で鉛めっき処理が行われた。100cmあたり17.4Aの電流を通電させた場合の鉛めっき膜の形成速度は、10μm/minであった。このようにして、ポリエステル布帛に鉛めっき膜を形成することができた。
上記の方法により得られた、表面に鉛のめっき膜が形成されたポリエステル布帛である放射線遮蔽素材を、前身頃の3つのパーツに裁断し、それらを身体の形状に合わせて立体的に縫製してエプロン型の放射線防護衣1の本体部10を作成した。放射線防護衣1の本体部10には、左右対称であって、脇部分から胸部分に掛けて、胸部分から裾部に掛けて、図1に示すように立体縫製部12が形成された。
図1の立体縫製部12を含む本体部10の一部分80を拡大したものが図2である。図2(a)は放射線防護衣1の表面側を示し、図2(b)は放射線防護衣1の裏面側を示し、図2(c)は図2(b)のA−A線断面を示している。
図2(a)〜(c)に示すように、立体縫製部12は、本体部10の左右の折返部16、22の山部18、24同士の縫い合わせからなる。放射線防護衣1の裏面において、本体部10に用いたものと同じ、表面に鉛のめっき膜が形成されたポリエステル布帛からなる帯状部材30を、立体縫製部12のシーム14を覆う状態で、本体部10の左右の折返片部20、26に被るように配置した。
帯状部材30の幅は、折返片部20と折返片部26とを合わせた幅にほぼ等しく、帯状部材30の長さは、シーム14の長さに等しい。シーム14に対して左側に倒されている折返片部20の端部と帯状部材30の左側の側縁とを長手方向に縫製し、シーム14に対して右側に倒されている折返片部26の端部と帯状部材30の右側の側縁とを長手方向に縫製した。帯状部材30の両側縁にステッチSが形成された。これにより、帯状部材30は本体部10に強固に固定された。作製した放射線防護衣1のシーム14を含む部分の透過X線量を、JIS T 61331−1に準じて測定(逆ブロードビーム)したところ、鉛当量(110kV)が0.00mmPbより大きい値であることを確認した。
本発明の実施例2において、放射線防護衣2は、実施例1と同様に、シート状の放射線遮蔽素材として、表面に鉛のめっき膜が形成されたポリエステル布帛を用いて身体の形状に合わせて立体的に縫製して、立体縫製部42を有するエプロン型の防護衣の本体部40を形成した。なお、放射線防護衣2は、正面視では図1に示す放射線防護衣1と同様であるため図示していない。このため、立体縫製部42を含む本体部40の一部分を、図1において(90)と示している。
図3は、放射線防護衣2の立体縫製部42を含む本体部40の一部分(図1の(90))を拡大したものである。図3(a)は放射線防護衣2の表面側を示し、図3(b)は放射線防護衣2の裏面側を示し、図3(c)は図3(b)のB−B線断面を示している。
図3(a)〜(c)に示すように、立体縫製部42は、本体部40の左右の折返部46、52の山部48、54同士の縫い合わせからなる。放射線防護衣2の裏面において、本体部40に用いたものと同じ鉛めっきしたポリエステル布帛からなる帯状部材60を、立体縫製部42のシーム44を覆う状態で、本体部40の左右の折返片部50、56に被るように配置した。帯状部材60は固定していないが、必要であれば、接着剤や縫製等で本体部40に全体または一部を固定してもよい。
さらに、帯状部材60を、その上から、帯状部材60より幅広で帯状の被覆部材70で覆った。被覆部材70は、ポリエステル布帛の片面にポリアミド系接着剤がついた接着芯地であり、配置後、加熱して固定した。被覆部材70が帯状部材60を覆った状態で本体部40に接着固定されることで、帯状部材60は本体部40に固定された。
本発明の放射線防護衣1、2によれば、立体縫製部12、42により身体の形状に適合しているため、放射線防護衣1、2の全重量を肩部分だけで支えるのではなく、身体と接触する他の部分に分散することができ、動きやすい。また、放射線遮蔽素材からなる帯状部材30、60で立体縫製部12、42のシーム14、44を覆うことにより、縫製により形成された放射線防護衣1、2の前面のシーム14、44を防護して、放射線を遮蔽することができ、JIS T 61331−3の規定を満たすことができる。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
以上のように、本発明によれば、放射線遮蔽素材からなる本体部と、身体の形状に合わせて立体的に縫製した立体縫製部と、立体縫製部のシームを覆う放射線遮蔽素材からなる帯状部材とを備えていることにより、動きやすく、シームからの放射線を遮蔽することができる放射線防護衣を提供することができる。
1、2・・・・・放射線防護衣
10、40・・・・・・本体部
12、42・・・・・・立体縫製部
14、44・・・・シーム
16、22、46、52・・・・折返部
18、24、48、54・・・・山部
20、26、50、56・・・・折返片部
30、60・・・・帯状部材
70・・・・被覆部材

Claims (5)

  1. 放射線を遮蔽するための放射線防護衣において、
    シート状の放射線遮蔽素材からなる本体部と、
    前記本体部自体を、身体の形状に合わせて立体的に縫製した立体縫製部と、
    前記立体縫製部のシームを覆うシート状の放射線遮蔽素材からなる帯状部材とを備えることを特徴とする放射線防護衣。
  2. 前記立体縫製部は、前記本体部の左右の折返部の山部同士の縫い合わせからなり、
    前記帯状部材は、前記シームを覆う状態で、前記本体部の左右の折返片部に被るように配置され、
    前記帯状部材は、前記左右の折返片部に縫製により固定されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線防護衣。
  3. 前記立体縫製部は、前記本体部の左右の折返部の山部同士の縫い合わせからなり、
    前記帯状部材は、前記シームを覆う状態で、前記本体部の左右の折返片部に被るように配置されていると共に、前記帯状部材より幅広で帯状の被覆部材で覆われ、
    前記被覆部材が前記帯状部材を覆った状態で前記本体部に接着固定されていることで、前記帯状部材は前記本体部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線防護衣。
  4. 前記本体部および/または前記帯状部材を構成する前記放射線遮蔽素材は、表面に金属のめっき膜が形成された布帛であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の放射線防護衣。
  5. 前記布帛はポリエステル布帛であり、前記金属は鉛であることを特徴とする請求項4に記載の放射線防護衣。
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