JP2017083367A - 放射線遮蔽シート - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線遮蔽性を有し、放射線遮蔽用防護服、各種放射線防護用品、及びそれらの部材への利用が可能な耐屈曲性に優れた放射線遮蔽シートの提供。
【解決手段】短繊維紡績糸を含み、表面起毛を有する布地を基布として、この布地の少なくとも1面上にタングステン類粉末(タングステン金属粉末及び/または酸化タングステン粉末)充填層が形成された可撓性積層体として、タングステン類粉末充填層内に表面起毛及び基布の一部が埋没された状態にする。
【選択図】なし

Description

本発明は、放射線汚染物の除去作業従事者や放射線医療従事者等がX線や放射線の被爆を防ぐ放射線防護服(ツナギ、上着、ズボン、スカート、頭巾、ベスト、エプロン、手袋、ブーツなど、及びこれらのインナー材)各種放射線防護用品(箱状密閉容器、筒状密閉容器、袋状密閉容器、リュック、ペットケージ、カーテン、カバー、間仕切りなど)及びそれらの部材に用いられる放射線遮蔽シートに関するものである。
福島第一原子力発電所の事故により現在も放射線汚染物の除去作業が継続されており、作業の安全性が問題となっている。従来、放射線遮蔽材として、放射線遮蔽性能に優れた鉛を含有したものが使われている。鉛は環境対策による規制物質にも選定されており、その取り扱いは制限されて一般生活環境での使用は好ましくない為、現在は鉛に替わる放射線遮蔽材料に関する検討が多くなされている。鉛に替わる材料としては、安価で環境に対する影響が鉛に比べて少ない硫酸バリウムが挙げられる。しかし、硫酸バリウムは鉛よりも比重が軽く放射線遮蔽性能が大きく劣る為に放射線遮蔽層を形成するには層内に多量に添加する必要性があり、加工性が悪くなる。一方、タングステンは鉛と比較して環境に対する影響が少なく、硫酸バリウムと比較して高比重である為に放射線遮蔽性能の向上が見込める。
特許文献1には、熱可塑性樹脂100質量部に対して、スズ系材料を5〜500質量部、タングステン系材料を900〜1200質量部含有するシート状の放射線遮蔽体を布帛と一体化させて、当該布帛を所望の形状に縫合してなる放射線防護衣が開示されている。しかし、多量の金属材料を含む放射線遮蔽体は脆く、布帛との接着性にも劣るため、放射線防護衣を着用時の屈曲によりひび割れ易く、さらに布帛から剥がれ易いという問題を有している。そこで、放射線関連作業に従事する際に安全性が見込める遮蔽性能を有し、しかも耐屈曲性に優れ、作業性を損なわないフレキシブルな放射線防護服用の放射線遮蔽シートについて鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
特開2013−122398号公報
本発明は、かかる技術的背景を鑑み、放射線遮蔽性を有しながら、放射線遮蔽用防護服、各種放射線防護用品、及びそれらの部材への利用が可能な耐屈曲性に優れた放射線遮蔽シートの提供を目的とする。
本発明の放射線遮蔽シートは、(1)経糸及び/または緯糸に短繊維紡績糸を含み、表面起毛を有する布地を基布として、この布地の少なくとも1面上にタングステン類粉末充填層が形成された可撓性積層体であって、前記布地は(2)短繊維紡績糸を25〜100質量%含む織物または編物であり、(3)前記布地のカバーファクターを1800〜2400とし、(4)前記表面起毛が、前記短繊維紡績糸から解れた毛羽で、針布起毛、またはエメリー起毛処理によって毛羽立ちしたものであり、(5)前記タングステン類粉末充填層が少なくともタングステン類粉末及び熱可塑性樹脂との構成要素から成り、前記タングステン類粉末が、タングステン金属粉末及び/または酸化タングステン粉末であり、(6)前記タングステン類粉末充填層を表層及び内層に分け、表層:内層の厚さ比を1:10〜1:5とした時、内層に含有する前記タングステン類粉末の含有率が表層よりも1.1〜1.5倍大きく、かつ内層内に前記表面起毛及び前記基布の一部が埋没していることを特徴とするものである。
本発明によれば、経糸及び/または緯糸に短繊維紡績糸を含み、表面起毛を有する布地を基布として、この布地の少なくとも1面上にタングステン類粉末充填層を形成することで、タングステン類粉末充填層内に表面起毛と基布の一部が埋没していることにより、放射線遮蔽性を有しながら柔軟性を有し、耐屈曲性に優れた放射線遮蔽シートを得ることを可能とする。本発明の放射線遮蔽シートは、縫製などの二次加工時の屈曲によるタングステン類粉末充填層のひび割れや剥離が起こりにくい事から放射線防護服への二次加工の歩留まりを高くする事が出来、従来品に比べて耐久性・着用感に優れた放射線防護服、各種放射線防護用品、及びそれらの部材を得る事が出来る。
本発明の放射線遮蔽シートは、表面起毛を有する布地を基布として、タングステン類粉末及び熱可塑性樹脂との構成要素から成るタングステン類粉末充填層から構成される。本発明に用いられる布地としては、短繊維紡績糸を25〜100質量%含む織物または編物であることが好ましい。短繊維紡績糸を25質量%以上含むことで、タングステン類粉末充填層形成時に加工液の一部が基布に含浸されやすくなり、基布の一部をタングステン類粉末充填層に埋没させることが出来る。短繊維紡績糸が25質量%未満では、基布の埋没が不十分となり、屈曲時にタングステン類粉末充填層が基布から剥離しやすくなる場合がある。短繊維紡績糸は10番手(591dtex)〜60番手(97dtex)の範囲、特に10番手(591dtex)、14番手(422dtex)、16番手(370dtex)、20番手(295dtex)、24番手(246dtex)、30番手(197dtex)が適している。短繊維紡績糸が10番手より太いと布地が厚くなってしまい、得られる放射線遮蔽シートの柔軟性が損なわれてしまう事がある。短繊維紡績糸が60番手より細いと布地の引裂強力が充分に得られず、放射線防護服として着用した際に損傷を受けやすくなり、充分な放射線遮蔽性能を発揮できない事がある。前記布地は、使用目的に応じて、平織り、綾織、丸編、緯編、及び経編などの編織物を選ぶことができ、またその目付は50〜1000g/m程度とすることが好ましい。
本発明において短繊維紡績糸としては、PE繊維、PP繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維(PET、PBT、PTT、PEN、PBNなど)、ポリアミド繊維(ナイロン66、ナイロン6など)、などの合成繊維、木綿、麻などの天然繊維、ビスコースレーヨン、キュプラなどの再生繊維、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維などの半合成繊維、炭素繊維などから選択した1種または複数種の紡績糸、あるいは混紡糸などを用いることができる。
布地はタングステン類粉末充填層を積層する際のコーティング加工時の裏抜け防止として、布地のカバーファクターが1800〜2400であることが好ましく、最も好ましくは1950〜2200である。カバーファクターが1800未満では、布地の織密度が小さく、糸間の隙間を有するためコーティング加工時に加工液が布地の裏面に抜け出して、タングステン類粉末充填層にピンホールや陥没痕を生じて、得られるシートの放射線遮蔽性能の信頼性を損なうものとなる。またカバーファクターが2400を超えると、放射線遮蔽シートの風合いが剛直となり、縫製などの二次加工が困難になり、当然ながら放射線防護服としての着用感、作業性を損う事がある。なお、カバーファクターとは、糸密度と糸の太さより、下記式で求められる値であり、大きければ大きいほど織密度が高く、糸間の隙間が小さいことを意味する。
カバーファクター(CF)=x・d1/2 +y・d’1/2
x :布地の2.54cm当たりの経糸本数
y :布地の2.54cm当たりの緯糸本数
d :経糸のトータル繊度(デシテックス)
d’:緯糸のトータル繊度(デシテックス)
前記布地の針布起毛による起毛度合は針密度[本/cm]で現し、100本/cm以上の度合で起毛処理していることが好ましい。一方、エメリー起毛による起毛度合は100番手前後の研磨紙を使い、1〜3回起毛処理していることが好ましい。起毛処理から生じた毛羽が放射線遮蔽層と立体的に密着することにより、耐摩耗性に優れ、縫製などの二次加工時の屈曲によるタングステン類粉末充填層のひび割れや剥離を抑止する事が出来、耐久性・着用感に優れた放射線防護服を得る事が出来る。
本発明のタングステン類粉末充填層には、バインダーの熱可塑性樹脂に対して50質量%以上のタングステン類粉末を含むことが必須であり、更に好ましくは80質量%以上である。タングステン類粉末の含有量が50質量%未満の場合、放射線遮蔽性能が劣るものとなり、性能の低い遮蔽層を厚く塗工しても高い放射線遮蔽性を発現できない事がある。タングステン類粉末には格別の制限はなく、例えば市販のタングステン金属粉末(比重19.25)、三酸化タングステン粉末(比重7.16)、二酸化タングステン粉末(比重10.8)などから適宜選択して用いることができる。市販品のタングステン類粉末は固体粉末状であり、一般の粉末冶金には粒度2〜5μmが用いられるが、本発明においては3〜10μmが通常、好ましくは3〜5μm、最も好ましくは3.5μm前後である。
本発明においてタングステン類粉末充填層は、タングステン類粉末と熱可塑性樹脂を含む液状組成物を、表面起毛を有する布地にコーティング、固化することで形成することが出来る。コーティング時に液状組成物の一部は布地に含浸し、かつ表面起毛の全表面を濡らすことで、液状組成物を熱処理固化、あるいは乾燥固化させて形成されるタングステン類粉末充填層には、表面起毛と基布の一部とが埋没する構造を形成することができる。このようなコーティングにおいて、タングステン類粉末充填層を表層及び内層に分け、表層:内層の厚さ比を1:10〜1:5とした時、内層に含有するタングステン類粉末の含有率が表層よりも1.1〜1.5倍大きく、かつ内層内に表面起毛及び基布の一部が埋没していることが、得られる放射線遮蔽シートの耐屈曲強さ、及び耐摩耗性を維持するための実用的観点において好ましい。このようなタングステン類粉末の含有率傾斜状態は、タングステン類粉末の沈降堆積によって形成されるか、タングステン類粉末の含有率の互いに異なる2種以上のコーティング組成物の併用による複層コーティングによって形成され、特にタングステン類粉末の沈降堆積によって形成される場合、表面起毛はタングステン類粉末の沈降堆積よって、より強固にタングステン類粉末充填層内に取り込まれて埋没する状態を形成する。タングステン類粉末充填層におけるタングステン類粉末の含有量は500g/m以上が必須である。遮蔽性能を高めるためにはより高濃度に遮蔽剤を含有させることが必要となり、500g/m以上が好ましく、更に好ましくは800g/m以上である。含有量が500g/m未満では、放射線の遮蔽効果が激減し、強度の強いガンマ線等の遮蔽効果が発現しなくなる。
本発明を下記の実施例及び比較例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例の範囲に限定されるものでない。下記に示す試験方法に基づいて本発明の放射線遮蔽シートの性能評価を行った。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記実施例及び比較例において、試験サンプルの放射線遮蔽性能評価および耐摩耗性評価は下記の試験方法により測定し、評価した。
[放射線遮蔽性能評価]
公称値10MBqのセシウム137線源をガンマ線源として、試験サンプルの透過線量より遮蔽率を算出した。(地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターにて測定)
[耐摩耗性評価]
JIS K 6404−6に準拠した方法でスコット試験機を用いて測定した。1kg荷重の負荷を掛けて試験を行い、試験後のサンプルの状態を以下の判断基準で評価した。

1:基布(布地)からのタングステン類粉末充填層の摩耗や亀裂が無く、
サンプル本体にも損傷が見られない
2:タングステン類粉末充填層の軽微な摩耗、または微細な亀裂を認めるが、
サンプル本体に損傷は見られず実用に問題ない
3:タングステン類粉末充填層の部分的剥離、または広範囲に亀裂を認め、
実用性、信頼性に劣る
4:基布(布地)からタングステン類粉末充填層の剥離や脱落が顕著で、
実用に問題がある
[実施例1]
布地として、
ポリエステル紡績糸高密度平織布:
422dtex(14番手) × 422dtex(14番手)
60 × 46(本/インチ)
を使用した。基布質量は190g/m、カバーファクターは2178であった。
起毛処理は針布起毛、120本/cmで実施した。
また、アクリル系共重合体樹脂を用いて、下記組成のタングステン類粉末充填層コート液を調製した。
(タングステン類粉末充填層コート液配合)
タングステン粉末(比重19.25) 70質量部
アクリル系共重合体樹脂 5質量部
溶剤イソプロピルアルコール 25質量部
湿潤分散剤 2.5質量部
配合中のタングステン粉末は68質量%である。配合を上記基布の片面に間隙0.4mmのクリアランスコートを施し、熱処理することでタングステン類粉末充填層を形成した。形成された放射線遮蔽シートの総質量は990g/mであった。そのシート中のタングステン類粉末充填層の質量は800g/mであり、タングステン粉末の含有量は720g/m(表層:内層の厚さ比を1:5とした時、内層含有率は、表層含有率の1.15倍のタングステン粉末の含有量)90質量%であった。得られた放射線遮蔽シートは、起毛処理で生じた毛羽が放射線遮蔽層と立体的に密着することにより、耐摩耗性に優れ、縫製などの二次加工時の屈曲によるタングステン類粉末充填層のひび割れや剥離を抑止する事が出来、放射線防護服への二次加工に好適に用いられ、従来品に比べて耐久性・着用感に優れた放射線防護服を得る事が出来た。特にタングステン類粉末充填層は表層:内層の厚さ比を1:5とした時、内層のタングステン類粉末の含有率は、表層のタングステン類粉末含有率の1.15倍のタングステン粉末の高密度層であることにより、起毛が強固に高密度タングステン類粉末充填層内に取り込まれて埋没する状態を形成することで、優れた屈曲耐久性を発現した。
[実施例2]
実施例1と同様に放射線遮蔽シートを作製した。布地として、
ポリエステル紡績糸とフィラメント糸高密度交織布:

422dtex(14番手) × 280dtex
60 × 50(本/インチ)
を使用した。基布質量は150g/m、カバーファクターは2070であった。
起毛処理は針布起毛、120本/cmで実施した。
形成された放射線遮蔽シートの総質量は930g/mであった。そのシート中の放射線遮蔽層の質量は780g/mであり、タングステン粉末の含有量は700g/m(表層:内層の厚さ比を1:5とした時、内層含有率は、表層含有率の1.15倍のタングステン粉末の含有量)、90質量%であった。布地のタテ糸を短繊維紡績糸、ヨコ糸をフィラメント糸とする布地であっても、得られた放射線遮蔽シートは起毛処理で生じた短繊維紡績糸の毛羽が放射線遮蔽層と立体的に密着して、耐摩耗性や耐屈曲性に優れ、タングステン類粉末充填層のひび割れや剥離を効果的に抑止する事が出来る着用感と作業性に優れたものであった。
〔比較例1〕
実施例1と同様に放射線遮蔽シートを作製した。但し、布地として、実施例1で使用したポリエステル紡績糸高密度平織布:
422dtex(14番手) × 422dtex(14番手)
60 × 46(本/インチ)
を使用、起毛処理は省略とした。
このときの放射線遮蔽シートの総質量は990g/mであった。そのシート中の放射線遮蔽層の質量は800g/mであり、タングステン類粉末の含有量は720g/m(表層:内層の厚さ比を1:5とした時、内層含有率は、表層含有率の1.15倍のタングステン粉末の含有量)、90質量%であったが、起毛処理を省略したことで、タングステン類粉末充填層がポリエステル紡績糸高密度平織布から剥離、脱落し易いもので、放射線作業現場で着用する防護服素材に使用できるようなものではなかった。
[比較例2]
実施例1と同様に放射線遮蔽シートを作製した。但し布地として、
ポリエステルフィラメント糸高密度平織布:
280dtex × 280dtex
26 × 50(本/インチ)
を使用した。基布質量は80g/m、カバーファクターは1272であった。
起毛処理は針布起毛、120本/cmで実施した。
このときの放射線遮蔽シートの総質量は900g/mであった。そのシート中の放射線遮蔽層の質量は820g/mであり、タングステン粉末の含有量は740g/m(表層:内層の厚さ比を1:5とした時、内層含有率は、表層含有率の1.15倍のタングステン粉末の含有量)、90質量%であったが、起毛処理を施したにも係わらず、タングステン類粉末充填層がポリエステルフィラメント糸高密度平織布から剥離、脱落し易いもので、放射線作業現場で着用する防護服素材に使用できるようなものではなかった。
[参考例1]
実施例1のタングステン類粉末充填層コート液配合の、溶剤イソプロピルアルコール量を減らし、25質量部から15質量部に変更した以外は実施例1と同様にして得た放射線遮蔽シートの総質量は990g/mであった。そのシート中のタングステン類粉末充填層の質量は800g/mであり、タングステン粉末の含有量は720g/m(表層:内層の厚さ比を1:5とした時、内層含有率は、表層含有率の1.0倍のタングステン粉末の含有量)90質量%で、実施例1のシートに比べて内層のタングステン粉末含有密度がやや小さいことで、実施例1の放射線遮蔽シートよりも、ポリエステル紡績糸高密度平織布の起毛毛羽との埋没密着性に僅かに劣る傾向にあったが、実用的な問題、安全性の問題は一切無かった。
以上説明した本実施形態の放射線遮蔽シートであれば、高比重で取り扱い性に難がある鉛等、安価だが放射線遮蔽性能が低く多量添加を必要とする硫酸バリウム等と比べて、タングステンであれば効果的な添加量で放射線遮蔽性能を付与することが可能となる。また、本シートは少なくとも1面上に放射線遮蔽層を付与しており片面は生成りの柔軟さを維持しているため放射線防護服として衣類を形成した場合においても肩等の可動に支障無い構成をもたらすことが出来る。そのため、放射線汚染地域での除染作業において、作業員の放射線被爆を防ぐために本発明の放射線遮蔽シートを用いた放射線防護服(ツナギ、上着、ズボン、スカート、頭巾、ベスト、エプロン、手袋、ブーツなど、及びこれらのインナー材)、各種放射線防護用品(箱状密閉容器、筒状密閉容器、袋状密閉容器、リュック、ペットケージ、カーテン、カバー、間仕切りなど)を使用することで作業時の安全性が改善される。

Claims (6)

  1. 経糸及び/または緯糸に短繊維紡績糸を含み、表面起毛を有する布地を基布として、この布地の少なくとも1面上にタングステン類粉末充填層が形成された可撓性積層体であって、前記タングステン類粉末充填層内に前記表面起毛及び前記基布の一部が埋没していることを特徴とする放射線遮蔽シート。
  2. 前記布地が、短繊維紡績糸を25〜100質量%含む織物または編物である請求項1に記載の放射線遮蔽シート。
  3. 前記布地のカバーファクターが1800〜2400である請求項1または2に記載の放射線遮蔽シート。
    ただし、カバーファクター(CF)=x・d1/2 +y・d’1/2
    x :布地の2.54cm当たりの経糸本数
    y :布地の2.54cm当たりの緯糸本数
    d :経糸のトータル繊度(デシテックス)
    d’:緯糸のトータル繊度(デシテックス)
  4. 前記表面起毛が、前記短繊維紡績糸から解れた毛羽で、針布起毛、またはエメリー起毛処理によって毛羽立ちしたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線遮蔽シート。
  5. 前記タングステン類粉末充填層は少なくともタングステン類粉末及び熱可塑性樹脂との構成要素から成り、前記タングステン類粉末が、タングステン金属粉末及び/または酸化タングステン粉末である請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線遮蔽シート。
  6. 前記タングステン類粉末充填層を表層及び内層に分け、表層:内層の厚さ比を1:10〜1:5とした時、内層に含有する前記タングステン類粉末の含有率が表層よりも1.1〜1.5倍大きく、かつ内層内に前記表面起毛及び前記基布の一部が埋没している請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線遮蔽シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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