JP3097006U - 放射線防護衣 - Google Patents

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鈴木 信之
相澤 康仁
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極光株式会社
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Abstract

【課題】汚れが固着しにくく、清潔に保つことが出来る。
【解決手段】鉛、鉛化合物又はタングステン、スズからなる重金属を含む放射線遮蔽シート1の表を柔軟な被覆シート2で被覆、縫合され、外表面を疎水性のアクリル樹脂及びまたはウレタン樹脂等からなる汚れ防止被膜3で被服した。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、医療分野におけるX線撮影時の技術者およびその補助者や原子力産業分野における原子力発電所の作業員をX線、低エネルギーのγ線、β線等の放射線から保護するため等に使用される放射線防護衣に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射線防護衣は鉛、鉛化合物又はタングステン、スズからなる重金属を主材とする放射線遮蔽シートまたはその積層体の表面に合成樹脂、繊維、ゴム、又はこれらの複合体の被覆シートを被覆してなる放射線防護材の裁断片を縫製して、エプロン、コート、スカート、マント等の衣服としたものである。
【0003】
従来、放射線防護衣の構成は図1の素材断面図に示すように、中央に鉛、鉛化合物又はタングステン、スズからなる重金属を熱可塑性樹脂と混合してシート化された放射線防護シートを単層または複層に位置させ、その表に衣服感覚をもたせるために、合成樹脂、繊維、ゴム、又はこれらの複合体の被覆シートが施された形となっていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、放射線を遮蔽すること、衣服感覚をもたせることの二つの機能のみの場合、限られた放射線機器等の取扱時の作業においては問題ないが、実際現場では放射線診断中又は手術中において、水性の造影剤および血液等が付着し、汚れを招くケースがしばしばあり、さらに放射線防護衣はその構造上、通常の衣類の様に容易に洗濯ができないため、汚れが染み付いてしまうと言う問題があり、改善が望まれていた。そこで本考案は、汚れが発生した際、簡易にふき取りができまた簡単な水洗浄で汚れが固着しにくく、清潔に保つことが出来る放射線防護衣を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案は、鉛又は鉛化合物又はタングステン、スズからなる重金属を主材とする放射線遮蔽シートまたはその積層体の表を柔軟な被覆シートで被覆、縫合された放射線防護衣において、着用時に外側にあたる被覆シートの外表面を疎水性の汚れ防止被膜で被服したことを特徴としており、又上記の疎水性の汚れ防止被膜が、アクリル樹脂及びまたはウレタン樹脂で構成されることを特徴とする放射線防護衣。
【0006】
【考案の実施の形態】
本考案の放射線防護衣に用いられる放射線防護材は、従来と同様なものその他放射線防護機能を有するものが使用される。即ち、鉛粉又は亜鉛化鉛、一酸化鉛、二酸化鉛、三酸化四鉛、四酸化二鉛、四酸化三鉛、塩基性珪酸塩、沃化鉛等の鉛化合物、更にまたタングステン、スズからなる重金属等をポリ塩化ビニル、塩化ビニル−アクリル産エステル共重合体、ナイロン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂やウレタンゴム、未加硫ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム等と混合し、必要に応じて可塑材を添加してなる混合物をシート化してなる放射線遮蔽シートまたはその積層体で構成される。さらにその両表面は、基本構造としては、図1に示される様な従来の素材断面図同様に、天然繊維やポリエステル、ナイロン等の合成樹脂繊維を用いた織布、不織布或いはそれらをポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエラストマー等で表面加工したもの、又はゴム等からなるの被覆シートで被覆されている。
【0007】
本考案においては、図1の外側被覆シートの汚れ固着を防止する為、図2の素材断面図に示される様に、外側被覆シートの外表面にアクリル樹脂又はウレタン樹脂コート液を用い、グラビアコーター法等のコーティング技術で疎水性の汚れ防止被膜3が施されている。
【0008】
このようにして得られた放射線遮蔽シート1、被覆シート2及び汚れ防止被膜3からなる素材を用いて、目的の放射線防護衣の設計形状にそって、裁断、縫製をおこなって、本考案の目的の放射線防護衣(エプロン、コート、スカート、マント等)を作製することができる。
【0009】
【実施例】
以下、本考案のエプロン型放射線防護衣での実施例を示す。
放射線防護衣に用いられる放射線防護材は、タングステン、スズからなる重金属等にポリ塩化ビニルと可塑材とを混合し、所定の方法でシートを作製し、図2に示される様に、素材の中央に位置させた。
【0010】
次にその表を被覆する被覆シートについてはポリエチレン等で表面加工した天然繊維を用い、また本考案の外側被覆シートの外表面には、アクリル樹脂コート液を用いて、グラビアコーター法で疎水化表面処理を施した。このようにして得られた放射線遮蔽シート1、被覆シート2及び汚れ防止被膜3からなる素材を用いて、エプロンの形状に裁断、縫製をおこなって、本考案実施例の疎水性機能を持たせエプロン型放射線防護衣を作製した。
【0011】
以上の様な手順で作製された、エプロン型放射線防護衣を用いて、放射線診断及び手術等の現場作業を行ったところ、従来同様エプロンの腹部に汚れを起こす液滴等がたくさん付着したが、簡単に払い又は拭き取ることができ、また付着の強い汚れについても簡単な水洗浄で除くことができ、従来の様な汚れが染み込み固着することはなかった。
【0012】
【考案の効果】
本考案は以上の様に、放射線防護衣の外側被覆シートの外表面を疎水性の汚れ防止被膜で被服することにより、汚れが発生した際、容易にふき取りができ又簡単な水洗浄で汚れを除くことができ、放射線防護衣を清潔に保つことが出来る。
【図面の簡単な説明】
図1及び図2は本考案に係る放射線防護衣の素材構造を示す断面図で、図1は従来の仕様の説明図、第図2は本考案の仕様の説明図である。
【符号の説明】
1…放射線遮蔽シート、2…被覆シート、3…汚れ防止被膜

Claims (2)

  1. 鉛、鉛化合物又はタングステン、スズからなる重金属を含む放射線遮蔽シートまたはその積層体の表を柔軟な被覆シートで被覆、縫合された放射線防護衣において、被覆シートの外表面を疎水性の汚れ防止被膜で被覆したことを特徴とする放射線防護衣。
  2. 上記の疎水性の汚れ防止被膜が、アクリル樹脂及びまたはウレタン樹脂で構成されることを特徴とする請求項1に記載の放射線防護衣。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013108964A (ja) * 2011-10-28 2013-06-06 Junichi Iwamura 放射線遮蔽性積層体

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