JP3098317U - 放射線防護衣 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉛、鉛化合物又はタングステン、スズからなる重金属を含む放射線遮蔽シートの片面又は両面に、半透明である熱可塑性樹脂フィルムをラミネートしたものを用い、また着用時の内側については、熱可塑性樹脂フィルムでラミネートされた放射線遮蔽シートが、メッシュを通して観察可能な形で構成されている。
【選択図】 図2
Description
【考案の属する技術分野】
本考案は、医療分野におけるX線撮影時の技術者およびその補助者や原子力産業分野における原子力発電所の作業員をX線、低エネルギーのγ線、β線等の放射線から保護するため等に使用される放射線防護衣に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射線防護衣は鉛、鉛化合物又はタングステン、スズからなる重金属を主材とする放射線遮蔽シートまたはその積層体の表面に合成樹脂、繊維、ゴム、又はこれらの複合体の被覆シートを被覆してなる放射線防護材の裁断片を縫製して、エプロン、コート、スカート、マント等の衣服としたものである。
【0003】
従来、放射線防護衣の構成は図1の断面図に示すように、中央に鉛、鉛化合物又はタングステン、スズからなる重金属を熱可塑性樹脂と混合してシート化された放射線防護シートを単層または複層に位置させ、その表に衣服感覚をもたせるために、合成樹脂、繊維、ゴム、又はこれらの複合体の被覆シートが施された形となっていた。
【0004】
しかしながら、この様な放射線防護衣を放射線機器等の取扱現場で、長期に使用した場合、衣服的取扱のため丁寧な取扱には限度があり、最も機能上重要な放射線遮蔽シートが強度に絶えられず、ひび割れ等を生じたりする場合もある。またこの様なひび割れ等の欠陥が生じた場合は、当然放射線遮蔽能力が問題となるわけで、トラブルを未然に防ぐためには、ひび割れ等の欠陥を検出する必要がある。しかし図1の素材構造から解る様に、放射線遮蔽シートは被覆シートに覆われ、内部を直接見ることができず欠陥部を目視観察することはできない。
上記の様な理由により、放射線遮蔽シートがより強靭で欠陥を生じにくく、欠陥が生じた場合は、チェックしやすいことが望まれていた。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は上記の様な状況に鑑みなされたもので、衣服感覚での取扱においても、放射線遮蔽シートが欠陥を生じにくく、又ひび割れ等の欠陥が生じた場合は、容易に目視チェックできる様に工夫した放射線防護衣を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案における放射線防護衣は、鉛、鉛化合物又はタングステン、スズからなる重金属を含む放射線遮蔽シートについては、片面又は両面が半透明な熱可塑性樹脂フィルムでラミネートされたものを用い、また着用時の内側については、熱可塑性樹脂フィルムでラミネートされた放射線遮蔽シートが、メッシュを通して観察可能な形で構成されていることを特徴とする。
【0007】
【考案の実施の形態】
本考案の放射線防護衣に用いられる放射線防護材は、従来と同様なものその他放射線防護機能を有するものが使用される。即ち、鉛粉又は亜鉛化鉛、一酸化鉛、二酸化鉛、三酸化四鉛、四酸化二鉛、四酸化三鉛、塩基性珪酸塩、沃化鉛等の鉛化合物、更にまたタングステン、スズからなる重金属等をポリ塩化ビニル、塩化ビニル−アクリル産エステル共重合体、ナイロン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂やウレタンゴム、未加硫ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム等と混合し、必要に応じて可塑材を添加してなる混合物をシート化してなる放射線遮蔽シートまたはその積層体で構成される。
【0008】
また図1の素材断面図に示される様に、この放射線遮蔽シート1またはその積層体は、通常はその両表面を天然繊維やポリエステル、ナイロン等の合成樹脂繊維を用いた織布、不織布或いはそれらをポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエラストマー等で表面加工したもの、又はゴム等からなるの被覆シート2で被覆されている。更に着用時の内側構造については、発汗による蒸れを緩和するため、メッシュ状素材3等の通気性を有する裏地材で被覆する場合が多い。
【0009】
本考案においては、上記の課題を解決するため、放射線遮蔽シートの物理的強度を増す方策として、図2で示される様に放射線遮蔽シート1については、熱可塑性樹脂フィルム4をラミネートすることにより、フィルム貼り合せガラスと同様な効果にて強度アップが可能となり、また一方ひび割れ等の欠陥が生じた場合の簡易チェックについては、熱可塑性樹脂フィルム4の材料選択及び厚み調整等により半透明にすることで可能とした。
【0010】
また実用的な放射線防護衣の形態としては、図2で示される様に、着用時の内側構造については、発汗による蒸れを緩和するためまた透視を可能とする為、メッシュ状素材3等の通気性を有する裏地材で被覆された構成とすることが好ましい。なお放射線遮蔽シート1に熱可塑性樹脂フィルム4をラミネートする一般的な方法としては、熱圧着法が用いられる。
【0011】
このようにして得られた放射線遮蔽シート1、熱可塑性樹脂フィルム4を有する放射線遮蔽シート1、被覆シート2、メッシュ状素材3からなる素材を用いて、目的の放射線防護衣の設計形状にそって、裁断、縫製をおこなって、本考案の目的の放射線防護衣(エプロン、コート、スカート、マント等)を作製することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案のエプロン型放射線防護衣での実施例を示す。
放射線防護衣に用いられる放射線防護材は、タングステン、スズからなる重金属等にポリ塩化ビニルと可塑材とを混合し、所定の方法で放射線遮蔽シートを作製し、図2に示される様に、素材の中央に位置させた。
【0013】
次に着用時外側にあたる部分については、従来と同様にポリエチレン等で表面加工した天然繊維を用いた被覆シートでその表を被覆した。一方着用時内側にある放射線遮蔽シート1については、熱圧着で熱可塑性樹脂PVCフィルム4を50ミクロン程度の厚さで半透明になる様調整しラミネートした。更に蒸れ防止の為にメッシュ状合成繊維をそれに被覆した。
【0014】
以上の様な手順で作製された、エプロン型放射線防護衣を用いて、放射線取扱業務での放射線遮蔽シートのひび割れ等の強度を調べるため、強制評価試験として屈曲試験を行ったところ、強度が約2倍になって丈夫な放射線防護衣となっていることが分かった。また放射線遮蔽シートの状態確認も、従来は透視できない被覆シートで覆われて困難であったが、本考案の放射線防護衣は容易に目視確認できた。
【0015】
【考案の効果】
本考案の放射線防護衣は、以上の様に、放射線遮蔽シートの片面又は両面を、熱可塑性樹脂フィルムをラミネートしたものを、上記の様な仕様で用いることにより、放射線遮蔽シートの強度が増し、作業時の厳しい取扱による、ひび割れ等の問題が減り、またこの様な欠陥が生じた場合でも目視で確認でき、医療用用具としての管理が容易となった。
【図面の簡単な説明】
図1及び図2は本考案に係る放射線防護衣の素材構造を示す断面図で、図1は従来の仕様の説明図、第図2は本考案の仕様の説明図である。
【符号の説明】
1…放射線遮蔽シート、2…被覆シート、3…メッシュ状素材
4…熱可塑性樹脂フィルム
Claims (3)
- 鉛、鉛化合物又はタングステン、スズからなる重金属を含む放射線遮蔽シートの片面又は両面に、熱可塑性樹脂フィルムをラミネートしたものを用いることを特徴とする放射線防護衣。
- 上記の熱可塑性樹脂フィルムが、半透明であることを特徴とする請求項1に記載の放射線防護衣。
- 上記放射線防護衣であって、放射線遮蔽シートの片面に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートし、更にその面を通気性を有する裏地材で被覆したものを、着用内側に縫合させた放射線防護衣。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003002725U JP3098317U (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 放射線防護衣 |
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JP2003002725U JP3098317U (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 放射線防護衣 |
Publications (1)
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JP3098317U true JP3098317U (ja) | 2004-02-26 |
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ID=43252077
Family Applications (1)
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JP2003002725U Expired - Lifetime JP3098317U (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 放射線防護衣 |
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JP (1) | JP3098317U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013125720A1 (ja) * | 2012-02-23 | 2013-08-29 | 凸版印刷株式会社 | 放射線遮断シート |
WO2021100350A1 (ja) | 2019-11-19 | 2021-05-27 | 株式会社アドエッグ | 放射線遮蔽材 |
-
2003
- 2003-04-08 JP JP2003002725U patent/JP3098317U/ja not_active Expired - Lifetime
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WO2021100350A1 (ja) | 2019-11-19 | 2021-05-27 | 株式会社アドエッグ | 放射線遮蔽材 |
KR20220062611A (ko) | 2019-11-19 | 2022-05-17 | 애드에그 씨오., 엘티디. | 방사선 차폐재 |
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