JP2021081044A - 流路切替バルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】流路切替バルブにおいてハウジング内における流体の圧力損失を低減して流体を所望の流量で出力する。【解決手段】流路切替バルブ10を構成するハウジング12において、バルブ104の収納されるバルブ室24の底部24aに対してさらに窪んだガイド凹部34を設ける。ガイド凹部34を上端38aから下端38bに向けて傾斜するように形成すると共に、流体の導入される3つの導入ポート86a〜86cに臨むように径方向外側へと膨出した第1〜第3膨出部42、44、46を備えている。そして、ガイド凹部34は、第1〜第3膨出部42、44、46を有した上端38a側から下端38b側に向かって徐々に先細状となるように形成され、その下端38bが導出ポート26に接続される。【選択図】図2

Description

本発明は、供給される流体の流路を切り替えて下流側へと出力可能な流路切替バルブに関する。
本出願人は、流体の供給される複数の供給通路と、該流体の排出される単一の排出通路とを有し、前記供給通路のいずれかと前記排出通路との連通状態を切替可能な流路切替バルブを提案している(特許文献1参照)。
この流路切替バルブは、ハウジングと、該ハウジングに収納されるモータと、該モータの駆動作用下に流路を切り替える弁機構部と、前記モータの駆動力を前記弁機構部へと伝達するギア機構とを備え、前記ハウジングのバルブ室には円盤状のバルブが回転自在に収納されている。
そして、モータの駆動作用下に弁機構部のバルブがバルブ室内で回転することにより、バルブに形成されたバルブポートを介して導入ポートと導出ポートとの連通状態を切り替えている。
特開2019−148315号公報
本発明は、前記の提案に関連してなされたものであり、ハウジング内における流体の圧力損失を低減して流体を所望の流量で出力することが可能な流路切替バルブを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の態様は、内部にバルブが収納されるハウジングと、流体の供給される複数の導入ポートを有しハウジングの開口部を閉塞するカバー部材と、カバー部材における導入ポートの外周側とバルブとの間に設けられる環状のシール手段とを備え、バルブの回転作用下にハウジングの内部と導入ポートとの連通状態を切り替えて流体を導出ポートから排出可能な流路切替バルブにおいて、
ハウジングには、バルブが回転自在に収納されるバルブ室を有し、導入ポートに臨むバルブ室の壁面には、導出ポート側へ向かって窪んで導出ポートの上流側端部に接続される凹部を備える。
本発明によれば、流路切替バルブを構成するハウジングには、バルブが回転自在に収納されるバルブ室を備え、このバルブ室の壁面には、カバー部材に設けられた複数の導入ポートに臨み、導出ポート側へと窪んで導出ポートの上流側端部と接続される凹部が設けられている。
従って、複数の導入ポートからバルブ室内へと同時に流体が導入された場合であっても、バルブ室の壁面に対して窪んだ凹部に沿って流体を流通させることで好適に整流して導出ポート側へと導くことができる。その結果、凹部を備えていない従来の流路切替バルブと比較し、バルブ室内における流体の圧力損失が低減され、流体を所望の流量で下流側へと排出することができる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、流路切替バルブを構成するハウジングにおいて、バルブが回転自在に収納されるバルブ室には、カバー部材に設けられた導入ポートに臨む壁面に導出ポート側へと窪んだ凹部を設け、導出ポートの上流側端部へと接続するように形成することで、複数の導入ポートからバルブ室内へと同時に流体が導入された場合であっても、バルブ室の壁面に対して窪んだ凹部に沿って流体を好適に整流して導出ポート側へと導くことができる。その結果、バルブ室内における流体の圧力損失を低減して流体を所望の流量で下流側へと出力することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る流路切替バルブの全体断面図である。 図1の流路切替バルブから第2カバー部材を取り外した状態の正面図である。 図2に示すハウジングの外観斜視図である。 図3に示すハウジングの正面図である。
本発明に係る流路切替バルブについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
流路切替バルブ10は、例えば、内燃機関を循環する冷却水等の流体の供給先を切り替える目的で用いられ、図1に示されるように、ハウジング12と、該ハウジング12に収納されるモータ14と、該モータ14の駆動作用下に流路を切り替える弁機構部16と、前記モータ14の駆動力を前記弁機構部16へと伝達するギア機構18とを含む。そして、流路切替バルブ10は、ハウジング12に設けられるシャフト106が略水平となるように車両における車体等に対して固定される。
ハウジング12は、図1〜図4に示されるように、例えば、樹脂製材料や金属製材料から形成され、モータ14の収納されるモータ収納室20と、ギア機構18の収納されるギア収納室22と、後述する弁機構部16のバルブ104が収納されるバルブ室24とを備える。そして、ハウジング12は、モータ収納室20が最も上方(矢印A1方向)となるように配置されると共に、外周面に接続された導出ポート26が最も下方(矢印A2方向)となるように配置される。
この導出ポート26は、管状に形成されハウジング12の下部に接続されており、ハウジング12の軸方向(矢印B1、B2方向)に沿って延在すると共に、前記ハウジング12の一端部側(矢印B1方向)が開口し、他端部側(矢印B2方向)でバルブ室24と連通している。そして、導出ポート26の先端には、図示しない配管やチューブ等が接続され、バルブ室24へ導入された流体が前記導出ポート26を通じて外部へと排出される。
また、ハウジング12は、ギア収納室22側となる一端部側(矢印B1方向)が第1開口部28を介して開口し、バルブ室24側となる他端部側(矢印B2方向)が第2開口部30を介して開口している。
モータ収納室20は断面略円形状に形成され、ハウジング12の一端部側において軸方向(矢印B1、B2方向)と直交方向に延在するように形成され、その内部にはモータ14が収納され固定される。ギア収納室22は、モータ収納室20と共に第1開口部28に臨むように形成され、前記モータ収納室20に隣接した下方(矢印A2方向)に設けられる。
そして、ハウジング12の第1開口部28は、モータ収納室20にモータ14が収納されると共にギア収納室22にギア機構18が収納された状態で、第1カバー部材32が装着されることで閉塞される。
バルブ室24は、例えば、断面円形状で第2開口部30を介してハウジング12の他端部側(図1中、矢印B2方向)に開口すると共に一端部側(矢印B1方向)に所定深さで形成され、前記ハウジング12の下部に形成された導出ポート26の他端部(上流側端部)26aと連通している。
一方、第2開口部30とは反対側(矢印B1方向)となるバルブ室24の底部24aには、バルブ室24内へ導入された流体を導出ポート26まで導くガイド凹部(凹部)34が形成される。また、バルブ室24の内周壁には、径方向内側へと突出した一組の回り止め部36a、36b(図2〜図4参照)が設けられる。この回り止め部36a、36bは、バルブ室24の内周面に沿って互いに所定距離だけ離れて配置されている。
ガイド凹部34は、バルブ室24の底部24aに対して一端部側(矢印B1方向)へと所定深さで窪み、その深さが上方(矢印A1方向)となる上端38aから下方(矢印A2方向)となる下端38bに向けて徐々に深くなるように形成された傾斜面40を備える。すなわち、ガイド凹部34は、その上端38aから下端38bに配置された導出ポート26側(矢印A2方向)に向けて徐々にハウジング12の一端部側(矢印B1方向)へと深くなるように傾斜して形成される。
また、ガイド凹部34は、図2及び図4に示されるハウジング12の軸方向から見て、その上端38aから下端38bとなる導出ポート26に向かって徐々に先細状となるように形成され、最も上方(矢印A1方向)に形成された第1膨出部42と、後述するシャフト孔60を中心として上下方向(矢印A1、A2方向)と略直交する幅方向(矢印C方向)の両側に形成された第2及び第3膨出部44、46とから三股状に形成される。
第1〜第3膨出部42、44、46は、バルブ室24の径方向外側へ断面略半円状に膨出するようにそれぞれ形成され、図3及び図4に示されるように、ハウジング12の第2開口部30に装着される第2カバー部材58の導入孔72a〜72c及び導入ポート86a〜86cに臨む位置にそれぞれ配置される。そして、第1〜第3膨出部42、44、46は、シャフト孔60を中心としてバルブ室24の周方向に沿って約90°毎離間して配置され、その外縁部に対して接線方向、且つ、径方向内側に延在する連結部48を介して互いに連結されている。
さらに、ガイド凹部34は、幅方向両側に配置された第2及び第3膨出部44、46の幅方向外側から導出ポート26へ向かって延在する一対の傾斜壁50a、50bを有している。この傾斜壁50a、50bは、その上端部が第2及び第3膨出部44、46に対して接線方向にそれぞれ接続されると共に、下端部が導出ポート26における他端部26aの外周部に対してそれぞれ接続されている。
そして、ガイド凹部34は、図1及び図3に示されるように、最も上方(矢印A1方向)に配置される第1膨出部42の底部24aに対する深さが最も浅く、該第1膨出部42から第2及び第3膨出部44、46、傾斜壁50a、50b、導出ポート26に向けて前記底部24aに対する深さが徐々に深くなるように形成される。
第2開口部30は、図1〜図4に示されるように、バルブ室24に臨むように開口し、その外縁部から径方向外側に突出した複数の取付部52と、その内周面から径方向外側に向かって段差状に形成された環状段部54とを有している。また、取付部52の中央には、ハウジング12の軸方向(図1中、矢印B1、B2方向)に沿って延在したねじ孔56がそれぞれ形成されている。そして、第2開口部30には、バルブ室24にバルブ104が収納された状態で第2カバー部材(カバー部材)58が装着される。
また、ハウジング12の内部には、図1に示されるように、ギア収納室22とバルブ室24とを接続し、軸方向(矢印B1、B2方向)に沿って一直線状に延在するシャフト孔60が形成される。そして、シャフト孔60の内部には、金属製材料から円筒状に形成されたカラー部材62が設けられている。
カラー部材62の中心には、軸方向(矢印B1、B2方向)に貫通した中央孔64を有し、一端部側(矢印B1方向)にブッシュ65が内嵌され、他端部側(矢印B2方向)にボールベアリングからなる軸受66が嵌合される。また、シャフト孔60には、カラー部材62に隣接するようにシャフトシール68が設けられている。そして、シャフト孔60には、後述する弁機構部16のシャフト106が挿通され、ブッシュ65及び軸受66によって回転自在に支持されると共に、シャフトシール68が摺接することでシールされる。
第2カバー部材58は、例えば、第2開口部30の開口形状に対応した断面略円形状に形成され、外縁部から径方向外側へと突出した複数の取付フランジ70と、中心から径方向外側にオフセットして周方向に沿って並んで設けられた複数の導入孔(導入ポート)72a〜72c(図1、図3及び図4参照)と、ハウジング12側(矢印B1方向)となる一端面から突出した断面円形状の凸部74とを含む。なお、ここでは、3つの導入孔72a〜72cを備える場合について説明するが、特にこの数量に限定されるものではない。
取付フランジ70は、例えば、ハウジング12の取付部52に対応する位置及び数量で形成され、その中央には締結ねじ76の挿通される貫通孔78が軸方向(厚さ方向)に貫通している。そして、第2カバー部材58はハウジング12の第2開口部30を覆うように装着され、凸部74がハウジング12の環状段部54へと挿入されて係合されることで径方向及び軸方向に位置決めされる。
また、取付フランジ70がハウジング12の取付部52に当接し、貫通孔78に挿通された締結ねじ76が前記取付部52のねじ孔56へと螺合されることで、第2カバー部材58が第2開口部30を閉塞した状態でハウジング12の他端部に対して固定される。
複数の導入孔72a〜72cは、例えば、同一直径で断面円形状に形成され軸方向(矢印B1、B2方向)に貫通すると共に、断面円形状に形成された第2カバー部材58の中心から所定距離だけ径方向外側となり、且つ、互いに周方向に沿って等間隔離間して設けられる。また、各導入孔72a〜72cは、図3及び図4に示されるように、例えば、第2カバー部材58の周方向において180°の範囲内に全てが配置されるように、前記周方向の一部にまとまって配置される。
さらに、第2カバー部材58には、ハウジング12側(矢印B1方向)となる一端面において導入孔72a〜72cに臨む位置に形成された環状凹部80と、他端面において前記導入孔72a〜72cに臨む位置に形成された環状溝部82とが形成され、前記環状凹部80及び環状溝部82はそれぞれ一端面及び他端面に対して軸方向に窪んで形成される。
そして、各環状凹部80には、環状のシールユニット(シール手段)84がそれぞれ装着され、各環状溝部82には、それぞれ導入ポート86a〜86cが装着される。すなわち、シールユニット84及び導入ポート86a〜86cは、導入孔72a〜72cと同数となるようにそれぞれ3個ずつ設けられる。
シールユニット84は、図1に示されるように、第2カバー部材58の環状凹部80に対してバルブ104側(矢印B1方向)に設けられ該バルブ104に摺接するシート部材88と、該シート部材88に対して第2カバー部材58側(矢印B2方向)に設けられたシールリング90とを含む。
このシート部材88は、例えば、摩擦係数の小さなテフロン(登録商標)等の樹脂製材料から断面U字状で環状に形成され、その底部がバルブ104側(矢印B1方向)となって摺接し、その中央には軸方向(矢印B1、B2方向)に貫通した連通孔94が形成される。
シールリング90は、例えば、ゴム等の弾性材料から断面X字状で環状に形成され、シート部材88の溝部へと収納されると共に、該シート部材88から外側へと突出したリップ部が第2カバー部材58の一端面に対して当接している。
そして、シールユニット84は、導入孔72a〜72cの一端部側(矢印B1方向)を囲むように外周側に配置され、シート部材88の底部がバルブ104の他端面に当接した状態で、第2カバー部材58に当接したシールリング90によって該シート部材88を前記バルブ104側(矢印B1方向)へ押圧する。これにより、シールユニット84によって導入孔72a〜72cとバルブ104の他端面との間のシールが営まれる。
このシールユニット84は、導入孔72a〜72cの数量に応じて3個設けられ、シート部材88の連通孔94が導入孔72a〜72cと同軸上となるように配置され連通している。
導入ポート86a〜86cは、例えば、軸方向に沿って所定長さを有した管状に形成され、その一端部には径方向外側に拡径したフランジ部100と、該フランジ部100の一端面から軸方向(矢印B1方向)に突出した環状突起102とを備える。
そして、導入ポート86a〜86cは、フランジ部100が第2カバー部材58の他端面に当接し、その環状突起102が環状溝部82へと挿入されることで、前記導入ポート86a〜86cが導入孔72a〜72cと同軸上となるように配置されて連通し、前記第2カバー部材58の他端面から軸方向(矢印B2方向)に突出するように固定される。なお、導入ポート86a〜86cの先端には、図示しない配管やチューブ等が接続され、図示しない機器等から流体が供給される。
モータ14は、図1に示されるように、例えば、DCモータやステッピングモータ等の回転駆動源が用いられ、ハウジング12のモータ収納室20へと収納されると共に、その駆動軸(図示せず)には、後述するギア機構18を構成するギア(図示せず)が連結されている。そして、モータ14は、その軸方向がシャフト孔60の延在方向(矢印B1、B2方向)と直交するように設けられ、図示しないコントローラからの制御信号に基づいて駆動することで、その駆動軸が回転駆動する。
弁機構部16は、ハウジング12のバルブ室24に設けられる円盤状のバルブ104と、該バルブ104の中心に連結されるシャフト106とを有している。このバルブ104には、図1及び図2に示されるように、中心から径方向外側となる位置に開口した2つの第1及び第2バルブポート108、110を備えると共に、その外縁部には、ハウジング12側(矢印B1方向)に向かって突出したストッパ112(図2参照)が形成される。そして、バルブ104がバルブ室24において回転した際、ストッパ112が回り止め部36a、36bに接触することで回転が規制される。
第1及び第2バルブポート108、110は、バルブ104の径方向に沿って長尺な長孔状に形成され、バルブ104の中心側から径方向外側に向かって徐々に周方向に幅広状となるように形成されると共に、前記バルブ104の中心に対して周方向に互いに約90°離間して形成されている。
そして、バルブ104は、第2カバー部材58側(矢印B2方向)となる他端面が導入孔72a〜72cに臨むように設けられると共に、シールユニット84のシート部材88と摺接する。
シャフト106は、図1に示されるように、軸方向(矢印B1、B2方向)に沿って所定長さを有し、ハウジング12のシャフト孔60及びカラー部材62の中央孔64に挿通されることでブッシュ65及び軸受66によって回転自在に支持されると共に、外周面に対してシャフトシール68が摺接することで、前記シャフト106とハウジング12との間を通じたシャフト孔60への塵埃等の不純物や流体の流入を防止している。
ギア機構18は、シャフト106の一端部に連結されるシャフトギア114と、モータ14の駆動軸に連結されるギア(図示せず)に噛合されたウォームギア116とからなる。このシャフトギア114はシャフト106の一端部側となるギア収納室22に設けられ、一方、ウォームギア116は、シャフトギア114とモータ14との間となるように配置される。
そして、ギア収納室22内において、ウォームギア116とシャフトギア114とが略直交するように配置され互いに噛合されることで、モータ14の駆動力が図示しないギアから前記ウォームギア116を介して前記シャフトギア114へと伝達され前記シャフト106が回転する。
本発明の実施の形態に係る流路切替バルブ10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、3つの導入ポート86a〜86cには、それぞれ図示しない配管を通じて流体が予め供給されると共に、バルブ104によって3つの導入孔72a〜72cが覆われた全閉状態を初期状態として説明する。
先ず、上述した初期状態では、バルブ104によって第2カバー部材58の各導入孔72a〜72cが全て覆われているため、導入ポート86a〜86cとバルブ室24との連通が遮断されている。そのため、各導入ポート86a〜86cに供給されている流体は、導入孔72a〜72cからシールユニット84の連通孔94まで流通し、さらに導入孔72a〜72cの外周側に当接したシールリング90の弾発力によってシート部材88がバルブ104へと押し付けられることで、第2カバー部材58と前記バルブ104との間における流体の流入が遮断されている。
次に、図示しないコントローラからの制御信号に基づきモータ14に対して制御信号が入力されることで、該モータ14が所定方向に回転し、図示しないギアに噛合されたウォームギア116からシャフトギア114へと駆動力が伝達される。
そして、シャフトギア114の連結されたシャフト106がブッシュ65及び軸受66に支持された状態で所定角度だけ回転し、該シャフト106と共にバルブ104がバルブ室24内で回転する。これにより、3つの導入ポート86a〜86cのうち2つの導入ポート86a、86cに対して第1及び第2バルブポート108、110がそれぞれ対向する位置となり、前記第1及び第2バルブポート108、110を通じて2つの導入ポート86a、86cとバルブ室24とが連通した状態となる。
これにより、2つの導入ポート86a、86cから導入孔72a、72cへと供給された流体が、シート部材88の連通孔94からバルブ104の第1及び第2バルブポート108、110を通じてバルブ室24内へと流通し、ハウジング12の軸方向に沿って一端部側(矢印B1方向)へと流れる。そして、流体が、バルブ室24の底部24aに対して窪んだガイド凹部34の第1及び第3膨出部42、46へとそれぞれ導入される。
この第1及び第3膨出部42、46へと導入された流体は、それぞれ連結部48を通じて径方向内側へと流れ、ハウジング12の一端部側(図3中、矢印B1方向)へ傾斜した傾斜面40に沿って下方側(矢印A2方向)へと徐々に導かれると共に、幅方向(矢印C方向)に徐々に狭くなるように傾斜した一対の傾斜壁50a、50bによって下端38bに向けて幅方向中央へと導かれて円滑に合流していく。
そして、ガイド凹部34の下端38bへ向かって整流された流体は、該下端38bに接続された他端部26aから導出ポート26へと流れて外部へと排出される。
一方、導出ポート26に対する流体の供給元を切り替える場合には、例えば、バルブ104を回転させ第1及び第2バルブポート108、110を別の2つの導入ポート86a、86b(導入孔72a、72b)に臨む位置に配置することで、該第1及び第2バルブポート108、110を通じて別の導入ポート86a、86bとバルブ室24とを連通させる。
これにより、導入ポート86a、86bからそれぞれ各導入孔72a、72bを通じてバルブ104の第1及び第2バルブポート108、110へと流通した流体が、バルブ室24でガイド凹部34の第1及び第2膨出部42、44へとそれぞれ導入される。
そして、流体が第1及び第2膨出部42、44から傾斜面40及び傾斜壁50a、50bに沿って下端38bに向かって流れることで円滑に合流して幅方向中央へと導かれた後に、導出ポート26を通じて外部へと排出される。
以上のように、本実施の形態では、流路切替バルブ10を構成するハウジング12において、バルブ104の収納されるバルブ室24の底部24aに対して窪んだガイド凹部34を設け、該ガイド凹部34には、その上端38aから導出ポート26の接続される下端38bに向けてさらに一端部側へと傾斜した傾斜面40が形成される。また、ガイド凹部34には、流体の導入される3つの導入ポート86a〜86cに臨むように断面半円状の第1〜第3膨出部42、44、46が設けられている。
これにより、第1〜第3膨出部42、44、46に臨む3つの導入ポート86a〜86cのいずれかから流体がバルブ室24内へと導入された際、この流体をガイド凹部34に沿って下方へ向かうように導くことで整流して円滑に流通させることが可能となる。
その結果、複数の導入ポート86a〜86cからバルブ室24内に同時に流体が導入された場合であっても、ガイド凹部34によって流体の流れを好適に整流して導出ポート26側へと導くことができるため、前記バルブ室24内における圧力損失が低減され、それに伴って、前記流体を所望の流量で排出することができる。
換言すれば、バルブ104に臨むガイド凹部34を備えていない従来の流路切替バルブと比較し、導出ポート26から供給される流体の流量を増加させることが可能となる。
なお、本発明に係る流路切替バルブは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…流路切替バルブ 12…ハウジング
24…バルブ室 26…導出ポート
34…ガイド凹部 40…傾斜面
42…第1膨出部 44…第2膨出部
46…第3膨出部 48…連結部
50a、50b…傾斜壁 72a〜72c…導入孔
86a〜86c…導入ポート 104…バルブ
108…第1バルブポート 110…第2バルブポート

Claims (2)

  1. 内部にバルブが収納されるハウジングと、流体の供給される複数の導入ポートを有し該ハウジングの開口部を閉塞するカバー部材と、該カバー部材における導入ポートの外周側と前記バルブとの間に設けられる環状のシール手段とを備え、前記バルブの回転作用下に前記ハウジングの内部と前記導入ポートとの連通状態を切り替えて前記流体を導出ポートから排出可能な流路切替バルブにおいて、
    前記ハウジングには、前記バルブが回転自在に収納されるバルブ室を有し、前記導入ポートに臨む前記バルブ室の壁面には、前記導出ポート側へ向かって窪んで該導出ポートの上流側端部に接続される凹部を備える、流路切替バルブ。
  2. 請求項1記載の流路切替バルブにおいて、
    前記導入ポート及び前記導出ポートが同一方向に延在し、前記凹部は、前記導入ポート及び前記導出ポートの延在方向において、該導出ポート側へ向かって傾斜して形成される、流路切替バルブ。
JP2019210804A 2019-11-21 2019-11-21 流路切替バルブ Pending JP2021081044A (ja)

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