JP2021080639A - 床板及び転てつ減摩器 - Google Patents

床板及び転てつ減摩器 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造によって床板両縁部に加熱装置を取り付けることができる床板及び転てつ減摩器を提供する。【解決手段】床板11は、分岐器のトングレールを転換自在に支持する。ローラ部13A〜13Dは、トングレールのレール底部を転換自在に支持する。保持部14A,14Bは、ローラ部13A〜13Dを回転自在に保持する。収容凹部11iは、床板11の縁部11a,11bよりも内側の床板11の上面11cに形成されており、保持部14A,14Bを収容する。収容凹部11iは、床板11の上面11cの中心線を対称軸としてこの収容凹部11iの平面形状が線対称である。位置調整部17A,17Bは、トングレールの転換方向にローラ部13A〜13Dの位置を調整する。【選択図】図5

Description

この発明は、分岐器類の可動するレールを転換自在に支持する床板、及び分岐器類の可動するレールを転換自在に支持し、この可動するレールが転換するときに発生する摩擦力を低減する転てつ減摩器に関する。
鉄道では、分岐器類の可動するレールのしゅう動抵抗力を軽減するための転てつ減摩器が使用されている。従来の転てつ分岐器(以下、従来技術1という)は、トングレールの底面を支持する複数個のローラを取り付けたローラユニットと、このローラユニットの取付位置を変更可能なようにトングレールの移動方向にこのローラユニットをガイドする突条ガイドと、ローラユニットのトングレール側の端部に転換動作時にトングレールをガイドする傾斜面などを備えている(例えば、特許文献1参照)。従来技術1は、トングレールを転換自在に支持する床板の一方の縁部の外側に複数個のローラが回転可能なようにローラユニットを突出させており、ローラの摩耗時にはローラユニットのみを交換可能な構造にしている。
従来の転てつ分岐器(以下、従来技術2という)は、まくらぎに固定される取付ブラケットと、この取付ブラケットに着脱自在に取り付けられてトングレールの底面を支持するローラユニットなどを備えている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術2は、トングレールを転換自在に支持する床板の一方の縁部の外側に、ローラユニットの複数のローラをローラ支持フレームによって支持しており、このローラ支持フレームがボルトによって取付ブラケットに締結されている。
従来の転てつ分岐器(以下、従来技術3という)は、トングレールの底面を移動自在に支持する第1〜第3のローラと、この第1〜第3のローラを回転自在に支持するプレートと、第1〜第3のローラの高さを調整するときに操作されるカム調整部などを備えている(例えば、特許文献3参照)。この従来技術3は、トングレールを転換自在に支持する床板の一方の縁部にプレートを着脱自在に取り付けたおり、このプレートの側面からカム調整部が突出している。
特許第4823779号公報
特許第4912050号公報
特許第5100296号公報
鉄道の分岐器では、ポイント部の融雪及び凍結防止のために、トングレールを転換自在に支持する床板に、この床板を加熱するためのヒータなどの加熱装置を取り付けている。従来技術1〜3は、床板の一方の縁部にローラユニットやカム調整部が突出して取り付けられている。このため、従来技術1〜3では、床板の加熱装置を床板の他方の縁部のみにしか取り付けることができず、ポイント部の融雪や凍結を防止することができない問題点がある。
この発明の課題は、簡単な構造によって床板両縁部に加熱装置を取り付けることができる床板及び転てつ減摩器を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図3〜図7に示すように、分岐器類(1)の可動するレール(4a,4b)を転換自在に支持する床板であって、前記可動するレールの底部(4c)を転換自在に支持するローラ部(13A〜13D)と、前記ローラ部を回転自在に保持する保持部(14A,14B)と、床板両縁部(11a,11b)よりも内側の床板上面(11c)に形成され、前記保持部を収容する収容凹部(11i)とを備える床板(11)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の床板において、図9に示すように、 前記ローラ部は、前記床板上面の中心線(L)上に配置されており、前記収容凹部は、前記床板上面の中心線を対称軸としてこの収容凹部の平面形状が線対称であることを特徴とする床板である。
請求項3の発明は、図3〜図7に示すように、分岐器類(1)の可動するレール(4a,4b)を転換自在に支持し、この可動するレールが転換するときに発生する摩擦力を低減する転てつ減摩器であって、前記可動するレールの底部(4c)を転換自在に支持するローラ部(13A〜13D)と、前記ローラ部を回転自在に保持する保持部(14A,14B)とを備え、前記保持部は、前記可動するレールが摺動する床板(11)の両縁部(11a,11b)よりも内側のこの床板の上面(11c)に形成された収容凹部(11i)に収容されることを特徴とする転てつ減摩器(12)である。
この発明によると、取り扱いが容易で簡単な構造によって可動するレールを転換するときに発生する摩擦力を軽減することができる。
この発明の実施形態に係る転てつ減摩器を備える床板が使用される分岐器を一例として概略的に示す平面図である。 この発明の実施形態に係る転てつ減摩器を備える床板の使用状態を示す平面図である。 図2のIII部分を拡大して示す平面図である。 この発明の実施形態に係る転てつ減摩器を備える床板の使用状態を示す側面図である。 この発明の実施形態に係る転てつ減摩器を備える床板の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のV-VB線で切断した状態を示す断面図である。 図5のVI-VI線で切断した状態を示す断面図である。 図5のVII-VII線で切断した状態を示す断面図である。 図5のVIII-VIII線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の実施形態に係る転てつ減摩器を備える床板の線対称の構造を説明するための平面図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図1に示す転換装置1は、分岐器2を転換するための転換力を発生する装置である。転換装置1は、摩擦クラッチ及び減速歯車などを介して電動機の回転力をポイント部3の転てつ棒6に伝達してポイント部3を転換させる電気転てつ機である。転換装置1は、所定のストロークで動作かん1aと、この動作かん1aと分岐器2の転てつ棒6とを接続するスイッチアジャスタ1bなどを備えている。
分岐器2は、一つの軌道を二つ以上の軌道に分ける装置である。図1に示す分岐器2は、基準線が直線であり分岐線(他の一線)が曲線である片開き分岐器である。分岐器2は、ポイント部3などを備えている。ポイント部3は、分岐器2を構成する部分のうち軌道を分ける部分である。ポイント部3は、図1及び図2に示すトングレール4a,4bと、基本レール5a,5bと、図1に示す転てつ棒6と、図1及び図2に示すまくらぎ7と、図2〜図4に示すレールブレス8と、図2〜図4に示す締結部材9,10と、図1〜図6に示す床板11などを備えている。
ポイント部3は、図1に示すように、転換装置1の動作かん1aに転てつ棒6が連結されており、転換装置1の転換動作と連動してトングレール4a,4bがA1,A2方向に転換動作する。ポイント部3は、トングレール4a,4bがA1方向に転換したときには、トングレール4aが基本レール5aと密着し、トングレール4bが基本レール5bから離間する。一方、ポイント部3は、トングレール4a,4bがA1方向とは反対方向のA2方向に転換したときには、トングレール4aが基本レール5aから離間し、トングレール4bが基本レール5bと密着する。
図1及び図2に示すトングレール4a,4bは、先端部を尖らせた転換可能な可動するレールである。トングレール4aは、図3及び図4に示すように、床板11上に支持されるレール底部4cを備えており、このレール底部4cは床板11と接触する底部下面4dを備えている。図1及び図2に示す基本レール5a,5bは、トングレール4a,4bの先端部が密着及び分離する固定レールである。基本レール5a,5bは、図4に示すように、床板11を介してまくらぎ7に締結されている。基本レール5aは、図2〜図4に示すように、鉄道車両の車輪と接触するレール頭部5cと、床板11を介してまくらぎ7に支持されるレール底部(フランジ部)5dと、レール頭部5cとレール底部5dとを繋ぐレール腹部(ウェブ部)5eなどを備えている。レール頭部5cは、車輪を直接支持する頭頂面(頭部上面)5fと、レール頭部5cの左右の側面部分を構成し頭頂面5fと連続する頭部側面5gと、レール頭部5cとレール腹部5eとの間の境界面部分を構成する上首部5hなどを備えている。レール底部5dは、レールブレス8によって床板11上に着脱自在に取り付けられる。レール底部5dは、レールブレス8によって押さえ付けられる底部上面5iと、床板11と接合する底部下面5jと、レール底部5dの左右の側面部分を構成する底部側面5kなどを備えている。図1に示す転てつ棒6は、トングレール4a,4bに取り付けられる部材である。転てつ棒6は、転換装置1が発生する転換力によって駆動してA1,A2方向に往復移動する。
図1〜図4に示すまくらぎ7は、分岐器2を支持する支持体(支承体)である。まくらぎ7は、図1に示すように、基本レール5a,5bを固定し軌間を正確に保持するとともに、トングレール4a,4b及び基本レール5a,5bから伝達される列車荷重を広く道床に分散させるために、トングレール4a,4b及び基本レール5a,5bと道床との間に設置される。図1〜図4に示すまくらぎ3は、例えば、ガラス長繊維によって強化された発泡ウレタン樹脂を成形した合成まくらぎ、又は天然の樹木から製造され防腐処理が施された木まくらぎなどの分岐まくらぎである。まくらぎ7は、図1に示すように、トングレール4a,4b及び基本レール5a,5bの長さ方向に所定の間隔をあけて配置されており、トングレール4a,4b及び基本レール5a,5bを離散的に支持している。
図2〜図4に示すレールブレス8は、基本レール5a,5bの転倒を防止する部材である。レールブレス8は、図4に示すように、トングレール4aと接触する側とは反対側の基本レール5aの上首部5h及びレール腹部5eと密着するとともに、基本レール5aの底部上面5iを押さえ付けている。レールブレス8は、図3に示す挿入孔8aと、図4に示す突起部8bなどを備えている。図3に示す挿入孔8aは、締結部材9の締結ボルト9aを挿入する部分である。挿入孔8aは、床板11に対してレールブレス8をスライドさせた状態で、締結ボルト9aがレールブレス8を貫通するように長孔に形成されている。図4に示す突起部8bは、床板11の嵌合溝11gと嵌合する部分である。突起部8bは、レールブレス8の下面から突出して形成されており、所定の長さで直線状に形成された凸部である。
図2〜図4に示す締結部材9は、基本レール5aを床板11に締結する部材である。締結部材9は、締結ボルト9aと、締結ナット9bと、座金9cなどを備えている。締結ボルト9aは、レールブレス8を締め付ける部材である。締結ボルト9aは、図5(B)に示すボルト頭部9dと、図5(A)に示す回り止め部9eなどを備えている。図5(B)に示すボルト頭部9dは、床板11の抜け止め部11nに引っ掛かる部分である。ボルト頭部9dは、図5(A)に示す床板11の挿入孔11mに挿入可能なように、図5(B)に示すように外観がT字状に形成されている。図5(A)に示す回り止め部9eは、締結ボルト9aの中心線回りの回転を阻止する部分である。回り止め部9eは、床板11側の回り止め部11pと嵌合するように、ボルト頭部9dの首下の一部の横断面形状が正方形に形成されている。締結ナット9bは、締結ボルト9aの雄ねじ部と噛み合う雌ねじ部を有する部材である。座金9cは、締結ナット9bとレールブレス8との間に挟み込まれる部材である。
図2〜図4に示す締結部材10は、床板11をまくらぎ7に締結する部材である。締結部材10は、例えば、床板11をまくらぎ7に締結する止めくぎである。締結部材10は、図3に示すように、床板11の上面11cを押さえ付ける平面形状が円形の頭部10aと、図5に示すように水平面で切断したときの断面形状が円形であり、床板11の締結孔11fに挿入されてまくらぎ7に打ち込まれるくぎ部10bなどを備えている。
図1〜図3に示す床板11は、トングレール4a,4bを転換自在に支持する部材である。床板11は、図4に示すように、トングレール4a,4b及び基本レール5a,5bとまくらぎ7との間に挿入されており、これらの間に挟み込まれた状態でまくらぎ7に締結される締結用部材である。床板11は、トングレール4a,4bの底部下面4dを摺動自在に支持するとともに、基本レール5a,5bの底部下面5jを固定し支持する。床板11は、例えば、一般構造用圧延材などの金属をプレス加工又は切断加工して所定の形状に形成されており、図2及び図5に示すように平面形状が長方形の板状部材である。図1〜図8に示す床板11は、例えば、50kgNレール用床板又は60kgレール用床板である。床板11は、図9に示すように、の床板11の向きを180°変えるだけで、左右いずれのトングレール4a,4b及び基本レール5a,5bにも使用可能である。床板11は、図2、図3、図5及び図8に示す縁部11a,11bと、図2〜図8に示す上面11cと、図4及び図5に示す座面11dと、図3〜図7に示す摺動面11eと、図5に示す締結孔11fと、図3〜図5に示す嵌合溝11gと、図5に示す締結孔11hと、図3〜図8に示す収容凹部11iと、図1〜図8に示す転てつ減摩器12などを備えている。以下では、図1及び図2に示すトングレール4a及び基本レール5aを支持する側の床板11について説明し、トングレール4a及び基本レール5aを支持する側の床板11については詳細な説明を省略する。
図2、図3、図5及び図8に示す縁部11a,11bは、床板11の側面を構成する部分である。縁部11a,11bは、互いに平行に形成されており、垂直な平坦面に形成されている。図2〜図8に示す上面11cは、床板11の表面を構成する部分である。上面11cは、図4に示すように、摺動面11eと同じ高さで摺動面11eと連続して水平な平坦面に形成されている。図4及び図5に示す座面11dは、基本レール5a,5bの底部下面5jを搭載する部分である。座面11dは、図4に示すように、摺動面11eよりも僅かに低く平坦面に形成されている。座面11dは、レール底部5dが床板11上の所定の位置に位置決めされるように、このレール底部5dの底部側面5kが引っ掛かる段差部(ショルダ部)を備えている。
図3〜図7に示す摺動面11eは、トングレール4a,4bの底部下面4dが摺動する部分である。摺動面11eは、図1に示すように、トングレール4a,4bがA1,A2方向に転換可能なように、図4に示すように座面11dと平行な平坦面に形成されている。図5に示す締結孔11fは、床板11を貫通する貫通孔である。締結孔11fは、締結部材10を挿入するために、床板11に形成された円形状の貫通孔である。締結孔11fは、床板11の長さ方向の両端部の4箇所の角部に形成されている。図3〜図5に示す嵌合溝11gは、レールブレス8の突起部8bが嵌合する溝である。嵌合溝11gは、図5に示すように、床板11の幅方向の床板11の上面に所定の深さで直線状に形成されており、床板11の一方の縁部から他方の端部まで形成されている。
図5に示す締結孔11hは、床板11を貫通する貫通孔である。締結孔11hは、締結部材9の締結ボルト9aを床板11の上面11c側から挿入するために床板11に形成されている。締結孔11hは、座面11dが形成されている側の床板11の端部寄りに、この床板11の中心線L上に形成されており、締結孔11hよりも内側に形成されている。締結孔11hは、床板11の上面11c側に平面形状が略T字状に形成されている。締結孔11hは、締結部材9のボルト頭部9dを挿入する挿入孔11mと、締結部材9の回り止め部9eと嵌合させて締結ボルト9aが中心線回りに回転するのを阻止する回り止め部11pなどを備えている。
図3〜図8に示す収容凹部11iは、転てつ減摩器12の保持部14A,14Bを収容する手段である。収容凹部11iは、図5及び図8に示すように、床板11の縁部11a,11bよりも内側の床板11の上面11cに形成されており、図5に示すように平面形状が長方形に形成されている。収容凹部11iは、図9に示すように、床板11の上面11cの中心線L上にこの収容凹部11iの上側開口部の中心線が位置しており、床板11の上面11cの中心線Lを対称軸としてこの収容凹部11iの平面形状が線対称である。収容凹部11iは、図8に示すように、床板11を貫通する貫通孔であり、図5に示すようにトングレール4aに近い側の床板11の端部寄りに形成されている。収容凹部11iは、図5〜図8に示す支持部11jと、図6に示す雌ねじ部11kなどを備えている。
図5〜図8に示す支持部11jは、転てつ減摩器12を支持する手段である。支持部11jは、転てつ減摩器12の支持部15A,15Bの底面と接合して支持部15A,15Bを支持する。支持部11jは、図9に示すように、床板11の底面側の収容凹部11iの開口部の幅が狭くなるように収容凹部11iに形成された段部である。図6に示す雌ねじ部11kは、締結ボルト17cの雄ねじ部17dと噛み合う部分である。雌ねじ部11kは、支持部11jの上面に形成されている。
図1〜図8に示す転てつ減摩器12は、分岐器2のトングレール4a,4bを転換自在に支持し、トングレール4a,4bが転換するときに発生する摩擦力を低減する機器である。転てつ減摩器12は、図3及び図4に示すように、トングレール4a,4bがA1,A2方向に転換したときに発生するトングレール4a,4bの転換力を軽減及び転換力の変動を低減するために、図1に示すようにトングレール4a,4bの長さ方向に間隔をあけて複数配置されている。転てつ減摩器12は、図5に示すように、床板11の収容凹部11iに着脱自在に装着される。転てつ減摩器12は、図2〜図5及び図7に示すローラ部13A〜13Dと、図2〜図7に示す保持部14A,14Bと、図3〜図6に示す位置調整部17A,17Bなどを備えている。
図2〜図5及び図7に示すローラ部13A〜13Dは、トングレール4a,4bのレール底部4cを転換自在に支持する手段である。ローラ部13A〜13Dは、外観が円筒状の部材である。ローラ部13A〜13Dは、このローラ部13A〜13Dの外周面にトングレール4a,4bの底部下面4dが線接触するように、このローラ部13A〜13Dの外周面が凸状の円弧面に形成されている。ローラ部13A〜13Dは、図9に示すように、床板11の上面11cの中心線L上に配置されており、このローラ部13A〜13Dの外周面がトングレール4a,4bの底部下面4dと中心線L上で接触する。ローラ部13A〜13Dは、図2〜図5及び図7に示すように、トングレール4a,4bの転換方向に間隔をあけて配置されている。ローラ部13A〜13Dは、図7に示すように、トングレール4a,4bが転換動作するときに、トングレール4a,4bのレール底部4cが床板11の摺動面11eと接触しないように、床板11の摺動面11eよりも高低差Δ1,Δ2だけ僅かに突出している。ローラ部13B〜13Dは、床板11の摺動面11eよりも高低差Δ1だけ突出しており、トングレール4a,4bに最も近いローラ部13Aよりも高さが高く設置されている。ローラ部13Aは、ローラ部13A〜13Dと摺動面11eとの間でトングレール4a,4bが容易に乗り移るように、床板11の摺動面11eよりも高低差Δ21>Δ2)だけ僅かに突出している。ローラ部13A〜13Dは、図3及び図4に示すように、トングレール4a,4bが基本レール5a,5bと密着したときには、トングレール4a,4bとの間に所定の隙間(例えば1mm程度)が形成されるように位置調整されている。ローラ部13A〜13Dは、図3及び図4に二点鎖線で示すように、トングレール4a,4bが基本レール5a,5bから離間したときには、トングレール4a,4bのレール底部4cがこのローラ部13A〜13D上に位置するように位置調整されている。ローラ部13A〜13Dは、いずれも同一構造であり、図6及び図8に示す支持軸13aを備えている。
支持軸13aは、ローラ部13A〜13Dを回転自在に支持する部材である。支持軸13aは、端部の断面形状が四角形であり非回転の固定軸である。支持軸13aは、この支持軸13aの中心線を回転中心としてローラ部13A〜13Dが回転するように、軸受を介してローラ部13A〜13Dを回転自在に支持している。
図2〜図7に示す保持部14Aは、ローラ部13A,13Bを回転自在に保持する手段であり、保持部14Bはローラ部13C,13Dを回転自在に保持する手段である。図3、図5及び図7に示すように、保持部14Aはローラ部13Aとローラ部13Bとを所定の間隔をあけて保持しており、保持部14Bはローラ部13Cとローラ部13Dとを所定の間隔をあけて保持している。保持部14A,14Bは、収容凹部11iに着脱自在に装着される。保持部14A,14Bは、ローラ部13A〜13Dとともにユニット化されたローラパッケージ部を構成している。保持部14A,14Bは、いずれも同一構造であり、図6〜図8に示す支持部15A,15Bと、図5〜図8に示す押さえ部16A,16Bなどを備えている。
図6〜図8に示す支持部15Aは、ローラ部13A,13Bの支持軸13aを支持する手段であり、支持部15Bはローラ部13C,13Dの支持軸13aを支持する手段である。支持部15A,15Bは、図5〜図7に示すように、収容凹部11iの長さよりも長さが短く形成されているとともに、支持部15A,15Bは、平面形状がH字状の金属製の下板であり、図8に示すように収容凹部11iの幅よりも僅かに幅が狭く形成されている。支持部15A,15Bは、図8に示すように、この支持部15A,15Bの下面が床板11側の支持部11jの上面に搭載される。支持部15A,15Bは、いずれも同一構造であり、図6及び図8に示すようにこの支持部15A,15Bの上面にローラ部13A〜13Dの支持軸13aが嵌合する凹状の嵌合部15aを備えている。
図5〜図8に示す押さえ部16Aは、ローラ部13A,13Bの支持軸13aを押さえる手段であり、押さえ部16Bはローラ部13C,13Dの支持軸13aを押さえる手段である。押さえ部16A,16Bは、図6及び図8に示すように、支持部15A,15Bとの間でローラ部13A〜13Dの支持軸13aを挟み込むように、支持部15A,15Bに重ねて装着される。押さえ部16A,16Bは、支持部15A,15Bとほぼ同一形状にであり、平面形状がH字状の金属製の上板である。押さえ部16A,16Bは、この押さえ部16A,16Bの下面が支持部15A,15Bの上面と接合するように支持部15A,15Bの上面に搭載される。押さえ部16A,16Bは、いずれも同一構造であり、この支持部15A,15Bの下面にローラ部13A〜13Dの支持軸13aが嵌合する凹状の嵌合部16aを備えている。
図3〜図6に示す位置調整部17Aは、トングレール4a,4bの転換方向にローラ部13A,13Bの位置を調整する手段であり、位置調整部17Bはトングレール4a,4bの転換方向にローラ部13C,13Dの位置を調整する手段である。位置調整部17A,17Bは、トングレール4a,4bの転換方向(床板11の長さ方向)に保持部14A,14Bの位置を調整することによって、ローラ部13A,13Bの位置とローラ部13C,13Dの位置とをそれぞれ調整する。位置調整部17A,17Bは、いずれも同一構造であり、図3、図5及び図6に示す長孔17a,17bと、図3〜図7に示す締結ボルト17cなどを備えている。
図3、図5及び図6に示す長孔17a,17bは、保持部14A,14Bをスライド自在にガイドする部分である。長孔17aは、支持部15A,15Bの長さ方向に沿って支持部15A,15Bを貫通して形成されている。長孔17bは、押さえ部16A,16Bの長さ方向に沿って押さえ部16A,16Bを貫通して形成されている。長孔17a,17bは、図6に示すように、支持部15A,15Bと押さえ部16A,16Bとを重ね合わせたときに、この長孔17a,17bの位置が一致するように支持部15A,15B及び押さえ部16A,16Bに形成されている。
図3〜図7に示す締結ボルト17cは、保持部14A,14Bを床板11に締結する部材である。締結ボルト17cは、床板11の雌ねじ部11kと噛み合う雄ねじ部17dを備えており、長孔17a,17bに挿入されて床板11の雌ねじ部11kにねじ込まれる。締結ボルト17cは、例えば、座面の陥没防止及び緩み止め効果の高いフランジ付き六角ボルトである。締結ボルト17cは、長孔17a,17bに挿入して雄ねじ部17dを雌ねじ部11kに仮締めした状態で、床板11の長さ方向に保持部14A,14Bを位置調整した後に、雄ねじ部17dを雌ねじ部11kに本締めして、ローラ部13A〜13Dを最適な位置に位置決めする。
図8に示す加熱装置18は、床板11を加熱する装置である。加熱装置18は、床板11を加熱することによって、この床板11上の積雪を溶解して分岐器2の可動部分の凍結を防止する。加熱装置18は、例えば、電気機器を使用して融雪する電気融雪装置である。加熱装置18は、床板11の縁部11a,11bの長さ方向に沿って配置されている。加熱装置18は、加熱部18aと保持部18bなどを備えている。加熱装置18は、床板11の縁部11a,11bに加熱部18aが密着するように、加熱部18aと保持部18bとの間に板ばねなどが挟み込まれている。
加熱部18aは、床板11を加熱する手段である。加熱部18aは、外観が円柱状又は円筒状の棒状ヒータであり、電流が流れたときに電気エネルギーを熱エネルギーに変換して発熱する発熱体である。加熱部18aは、例えば、金属筒によってニクロム線を被覆し、ニクロム線と金属筒との間を絶縁粉末によって絶縁したシーズヒータなどである。保持部18bは、加熱部18aを保持する手段である。保持部18bは、この保持部18bの内部に加熱部18aを収容した状態で、床板11の縁部11a,11bの長さ方向に沿って縁部11a,11bに取り付けられている。
次に、この発明の実施形態に係る床板及び転てつ減摩器の作用について説明する。
図1〜図4に示すまくらぎ7上に床板11を作業員が位置決めして、図5に示す床板11の締結孔11fに締結部材10のくぎ部10bを作業員が挿入する。まくらぎ7にくぎ部10bを作業員が打ち込むと、図1〜図4に示すようにまくらぎ7に床板11が取り付けられる。次に、図4に示す床板11の座面11d上に基本レール5a,5bが搭載されるとともに、床板11の摺動面11e上にトングレール4a,4bが搭載される。図9に示すように、床板11の上面11cの中心線Lと収容凹部11iの上側開口部の中心線とが一致しており、床板11の上面11cの中心線Lを対称軸として収容凹部11iが線対称な形状に形成されている。このため、同一構造の床板11の向きを180°変えることによって、一方のトングレール4a及び基本レール5aとまくらぎ7との間に床板11が設置されるとともに、他方のトングレール4b及び基本レール5bとまくらぎ7との間にも床板11が設置される。
この状態で、図2〜図4に示すレールブレス8の突起部8bを床板11の嵌合溝11gに作業者が嵌合させて、基本レール5a,5bの上首部5h及びレール腹部5eにレールブレス8を作業者が密着させる。図3及び図4に示す床板11上にレールブレス8を作業員が位置決めした後に、図3に示すレールブレス8の挿入孔8a及び図5に示す床板11の挿入孔11mに締結ボルト9aのボルト頭部9dを作業員が挿入する。次に、図5(A)に示す締結ボルト9aの回り止め部9eを床板11の回り止め部11pに作業員が嵌め込むと、図5(B)に示す締結ボルト9aのボルト頭部9dが床板11の抜け止め部11nに引っ掛かる。図3及び図4に示すように、締結ボルト9aの雄ねじ部に座金9cを作業員が装着し、この締結ボルト9aの雄ねじ部に締結ナット9bを作業員が締め付けると、図1に示すように床板11を介してまくらぎ7に基本レール5a,5bが締結される。
図6及び図7に示す床板11の支持部11j上に支持部15A,15Bを作業者が搭載し、図6に示すローラ部13A〜13Dの支持軸13aを支持部15A,15Bの嵌合部15aに作業者が嵌め込む。次に、ローラ部13A〜13Dの支持軸13aを押さえ部16A,16Bの嵌合部16aに作業者が嵌め込み、支持部15A,15Bと押さえ部16A,16Bとが接合される。この状態で、締結ボルト17cを長孔17a,17cに作業者が挿入し、締結ボルト17cの雄ねじ部17dを床板11の雌ねじ部11kに作業者がねじ込む。その結果、図3〜図7に示すように、床板11の収容凹部11iに保持部14A,14Bが装着されて、収容凹部11iに保持部14A,14Bが収容される。
図1に示すように、トングレール4a,4bが転換動作するときには、トングレール4a,4bの後端部を回転中心としてA1,A2方向に転換する。このため、トングレール4a,4bの先端部側では可動範囲(変位量)が広くなり、トングレール4a,4bの後端部側では可動範囲(変位量)が狭くなる。その結果、トングレール4a,4bを床板11が支持する位置に応じて、床板11の長さ方向にローラ部13A〜13Dの位置を調整する必要がある。図5及び図6に示す締結ボルト17cを作業者が緩めて、床板11の長さ方向に保持部14A,14Bを個別に作業者がスライドさせて、締結ボルト17cに対して長孔17a,17bの位置を調整し、ローラ部13A〜13Dの位置を作業者が最適な位置に調整する。
図3及び図4に示すように、トングレール4aがA1方向に転換を開始すると、トングレール4aの底部下面4dがローラ部13Dからローラ部13Aに向かって移動して、トングレール4aの底部下面4dがローラ部13Aから摺動面11eに乗り移る。トングレール4aがA1方向にさらに転換すると、トングレール4aの底部下面4dが床板11の摺動面11e上を摺動して、トングレール4aが基本レール5aと密着して停止する。一方、トングレール4aがA2方向に転換を開始すると、トングレール4aの底部下面4dが床板11の摺動面11e上を摺動し、摺動面11eからローラ部13Aに乗り移る。トングレール4aがA2方向にさらに転換すると、トングレール4aの底部下面4dがローラ部13Aからローラ部13Dに向かって移動して停止し、トングレール4aが基本レール5aから離間する。このとき、トングレール4aがローラ部13A〜13Dを回転させながら、トングレール4aがローラ部13A〜13D上を移動する。このため、トングレール4aの底部下面4dが床板11上を摺動するときに発生する摩擦力に比べて、ローラ部13A〜13D上をトングレール4aの底部下面4dが移動するときに発生する摩擦力が低減する。
この発明の実施形態に係る床板及び転てつ減摩器には、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、トングレール4a,4bのレール底部4cをローラ部13A〜13Dが転換自在に支持し、ローラ部13A〜13Dを回転自在に保持部14A,14Bが保持し、床板11の縁部11a,11bよりも内側の床板11の上面11cに形成された収容凹部11iが保持部14A,14Bを収容する。このため、床板11の縁部11a,11bからローラ部13A〜13Dが突出することがなく、床板11の縁部11a,11bに加熱装置18を取り付けることができる。
(2) この実施形態では、床板11の上面11cの中心線L上にローラ部13A〜13Dが配置されており、床板11の上面11cの中心線Lを対称軸として収容凹部11iの平面形状が線対称である。このため、床板11の向きを180°変えるだけで、左右いずれのトングレール4a,4b及び基本レール5a,5bに対して一種類の床板11を使用することができる。その結果、左右のトングレール4a,4b及び基本レール5a,5bに合わせて、平面形状の異なる別構造の床板を複数種類用意する必要がなくなって、床板11を低コストで製造することができる。また、左右のトングレール4a,4bがローラ部13A〜13Dと接触する箇所が床板11の上面11cの中心線L上になり、ローラ部13A〜13Dから左右のトングレール4a,4bに作用する摩擦力をほぼ均等にすることができる。
(3) この実施形態では、トングレール4a,4bの転換方向にローラ部13A〜13Dの位置を位置調整部17A,17Bが調整する。このため、トングレール4a,4bが基本レール5a,5bと密着したときには、トングレール4a,4bとローラ部13Aとの間に所定の隙間が形成されるように、ローラ部13A〜13Dの位置を簡単に調整することができる。また、トングレール4a,4bが基本レール5a,5bから離間したときには、トングレール4a,4bのレール底部4cがローラ部13A〜13D上に位置するように、ローラ部13A〜13Dの位置を簡単に調整することができる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、分岐器2が片開き分岐器である場合を例に挙げて説明したが、この発明を片開き分岐器に限定するものではない。例えば、両開き分岐器、内方分岐器、外方分岐器、振分分岐器、三枝分岐器、複分岐器、三線式分岐器、シングルスリップスイッチ又はダブルスリップスイッチなどについても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、ポイント部3のトングレール4a,4bを支持する床板11を例に挙げて説明したが、ポイント部3の床板11に限定するものではない。例えば、ノーズ可動クロッシング、ウィング可動クロッシング、可動K字クロッシング又は鈍端可動クロッシングなどのクロッシング部の可動するレールを支持する床板についても、この発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、締結部材10がとめくぎである場合を例に挙げて説明したが、犬くぎ又はねじくぎなどの他の締結部材についても、この発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、ローラ部13Aがローラ部13B〜13Dよりも高さが低い場合を例に挙げて説明したが、ローラ部13A〜13Dの高さを限定するものではない。例えば、ローラ部13A〜13Dの高さをトングレール4a,4bに近い側から遠い側の順に高さを段階的に増加させたり、ローラ部13A〜13Dの高さを全て同じ高さにしたりする場合についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、4個のローラ部13A〜13Dによってトングレール4a,4bのレール底部4cを支持する場合を例に挙げて説明したが、ローラ部13A〜13Dの設置個数を限定するものではない。例えば、トングレール4a,4bの可動範囲が広いトングレール4a,4bの先端部側についてはローラ部13A〜13Dの設置個数を多くし、トングレール4a,4bの可動範囲が狭いトングレール4a,4bの後端部側についてはローラ部13A〜13Dの設置個数を少なくする場合についても、この発明を適用することができる。
(3) この実施形態では、加熱装置18が電気機器を使用して融雪する電気融雪装置である場合を例に挙げて説明したが、温水を使用して融雪する温水融雪装置についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、加熱部18aの外観が円柱状又は円筒状の棒状ヒータである場合を例に挙げて説明したが、外観が角柱状又は角筒状の棒状ヒータ、外観が細板状又は長板状の線状ヒータなどについても、この発明を適用することができる。
1 転換装置
2 分岐器(分岐器類)
3 ポイント部
4a,4b トングレール(可動するレール)
5a,5b 基本レール(固定レール)
7 まくらぎ
8 レールブレス
9,10 締結部材
11 床板
11a,11b 両縁部(床板両縁部)
11c 上面(床板上面)
11d 座面
11e 摺動面
11i 収容凹部
11j 支持部
12 転てつ減摩器
13A〜13D ローラ部
13a 支持軸
14A,14B 保持部
15A,15B 支持部
15a 嵌合部
16A,16B 押さえ部
16a 嵌合部
17A,17B 位置調整部
17a,17b 長孔
17c 締結ボルト
18 加熱装置
18a 加熱部
18b 収容部
1,A2 方向(転換方向)
Δ1,Δ2 高低差
L 中心線

Claims (3)

  1. 分岐器類の可動するレールを転換自在に支持する床板であって、
    前記可動するレールの底部を転換自在に支持するローラ部と、
    前記ローラ部を回転自在に保持する保持部と、
    床板両縁部よりも内側の床板上面に形成され、前記保持部を収容する収容凹部と、
    を備える床板。
  2. 請求項1に記載の床板において、
    前記ローラ部は、前記床板上面の中心線上に配置されており、
    前記収容凹部は、前記床板上面の中心線を対称軸としてこの収容凹部の平面形状が線対称であること、
    を特徴とする床板。
  3. 分岐器類の可動するレールを転換自在に支持し、この可動するレールが転換するときに発生する摩擦力を低減する転てつ減摩器であって、
    前記可動するレールの底部を転換自在に支持するローラ部と、
    前記ローラ部を回転自在に保持する保持部とを備え、
    前記保持部は、前記可動するレールが摺動する床板の両縁部よりも内側のこの床板の上面に形成された収容凹部に収容されること、
    を特徴とする転てつ減摩器。
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