JP2021077634A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Nobuharu Nishikori
信晴 錦織
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Yutaka Yagi
裕 八木
朋之 金川
Tomoyuki Kanekawa
朋之 金川
大田原 正幸
Masayuki Otawara
正幸 大田原
将 笹川
Masashi Sasagawa
将 笹川
正樹 小野
Masaki Ono
正樹 小野
太郎 吉田
Taro Yoshida
太郎 吉田
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Abstract

【課題】一時的に非加熱物が外れた場合において無駄な電力を消費せず、かつ、非加熱物が戻った場合に速やかに加熱する。【解決手段】加熱コイル41と共振コンデンサ42を含む直列共振回路40と、駆動電力を直列共振回路40に供給するインバータ30と、インバータ30の入力電力/出力電力を検出する電力検出部と、設定電力及び電力検出部で検出された検出電力に基づいてインバータ30を制御する制御部50とを備える。制御部50は、定常運転状態において、検出電力が所定電力よりも小さい場合に、駆動電力の増加量が所定の基準電力量よりも小さくなるように制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、加熱コイルを用いた誘導加熱装置に関するものである。
誘導加熱調理器において、鍋振りの調理法を行った場合に、回路の共振周波数が変化することが知られている。そうすると、鍋振りの調理法において、火力を一定に保とうとした場合、(1)瞬時に加熱コイルに流れる高周波電流の動作周波数を下げるか、もしくは、(2)出力電圧を増やすか、のいずれかの対応が必要である。しかし、上記(1),(2)のどちらの対応策も共振コンデンサの電圧の上昇に起因して加熱を停止させることになる恐れがある。そこで、一般的に、従来の誘導加熱調理器では火力を一定に保つのではなく、加熱を停止させるか、低火力にすることで対応している。
例えば、特許文献1の誘導加熱調理器は、トッププレートに被加熱物が載置されていない、或いは、トッププレートに載置された被加熱物が加熱に適合しないと判断した場合に、インバータ回路を停止させず、出力抑制手段により出力を抑制した状態にて一定時間動作を継続させるように構成されている。
特開2012−89433号公報
しかしながら、特許文献1に示された従来技術では、鍋振り時に、一時的にトッププレートに被加熱物が載置されていない場合においても、出力抑制手段により出力が抑制される。そうすると、上記従来技術では、鍋がトッププレートに戻されたときに、設定出力まで再加熱させるのに時間がかかるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、被加熱物外れ状態を安価に構成することを目的とする。
また、鍋振りのように一時的な鍋外れが生じた場合に、無駄な電力を消費せずかつ鍋が元の位置に戻された場合に、従来よりも早く設定火力で加熱できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1態様に係る誘導加熱装置は、直列に設けられた加熱コイルとコンデンサを含む直列共振回路と、前記直列共振回路の共振周波数よりも高い周波数の駆動電力を前記直列共振回路に供給するインバータと、前記インバータの入力電力または出力電力を検出する電力検出部と、前記電力検出部で検出されたインバータの入力電力及び/または出力電力が所定の設定電力値を一定時間下回ることが検知された場合に被加熱物外れ状態として検知する被加熱物外れ検知手段とを備える、ことを特徴とする。
本態様によると、入力電力や出力電力の検知結果に基づいて、鍋外れを検知することが可能であり、赤外線を用いたセンサや重量センサなどのセンサを設ける必要がなく、安価に構成することができる。
本発明の第2態様では、第1態様において、前記加熱コイルの加熱のために設定された設定電力と、前記電力検出部で検出された検出電力とに基づいて前記インバータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、定常運転状態から前記被加熱物外れ状態になったことが検知された場合に、定常運転状態に到達する前と比較して、前記検出電力の変化に対する前記インバータの制御における応答速度を低下させる、ことを特徴とする。
ここで、応答速度とは、インバータの制御周波数、インバータの出力電圧のパルス幅、及び/または、出力電圧の電圧ピーク値の制御速度を含む概念である。
上記態様によると、被加熱物が加熱コイル上から外れるのにしたがって、応答速度を低下させる、すなわち、駆動周波数およびインバータ出力電圧を実質的に変更しないので、結果として、直列共振回路のインピーダンスが上昇する。その結果、インバータの出力電力が減少し、無駄な電力が消費されない。さらに、本態様の誘導加熱装置では、被加熱物が加熱コイル上から外れた場合にも、定常運転状態における動作状態を維持しているので、被加熱物が加熱コイル上に戻された場合に、速やかに設定火力の動作状態で動作させることができる。
本発明の第3態様では、第1態様において、前記制御部は、前記検出電力に対する周波数応答性または電圧応答性を低下させることにより、前記検出電力に対する前記駆動電力の制御応答性を低下させる、ことを特徴とする。
本発明の第4態様では、第2態様において、前記制御部は、前記設定電力よりも前記検出電力の方が所定以上高い場合に、前記定常運転状態と比較して、前記検出電力に対する前記駆動電力の制御における応答速度を上昇させる、ことを特徴とする。
本発明の第5態様では、第1態様において、前記加熱コイルの加熱のために設定された設定電力と、前記電力検出部で検出された検出電力とに基づいて前記インバータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、定常運転状態において、前記検出電力が所定電力より小さくなった場合に、所定の期間が経過するまでは前記インバータに対してそれまでの動作状態を維持させ、当該所定の期間の経過したときに、前記インバータの出力を停止または抑制させるように制御する、ことを特徴とする。
これにより、鍋が外された場合でも、安全にインバータの出力を停止させることができる。
本発明の第6態様では、第5態様において、前記制御部は、前記検出電力が前記所定電力よりも小さい状態が所定時間維持された場合に、前記インバータの出力を停止させる、ことを特徴とする。
上記態様によると、鍋が外されてから所定時間が経過した後に、出力を停止させるので、無駄に電力が消費されるのを防ぐことができる。
本発明の第7態様では、第5態様において、前記制御部は、前記駆動電力を下げる場合の単位時間あたりの電力変動量が、前記駆動電力を上げる場合の単位時間当たりの電力変動量より大きくなるように制御する、ことを特徴とする。
これにより、インバータから出力される駆動電力のオーバーシュートを抑制することができる。
本発明の第8態様では、第5態様において、前記制御部は、前記設定電力よりも高い値に設けられた判定電力を超えた場合に、前記検出電力のオーバーシュートを抑えるように前記駆動電力の制御の応答速度を変化させる、ことを特徴とする。
これにより、インバータから出力される駆動電力のオーバーシュートを抑制することができる。
本発明の第9態様では、第5態様において、前記インバータの出力電流を測定する電流測定部を有し、前記制御部は、前記電流測定部で測定された電流が所定の閾値電流を超えた場合に、前記インバータの出力を停止または抑制させるように前記インバータを制御する、ことを特徴とする。
これにより、異物等が設置された場合に、速やかに加熱を停止させることができ、安全性を確保できる。
本発明の第10態様では、第5態様において、被加熱物の温度を測定する温度測定部を有し、前記設定電力よりも前記検出電力の方が小さい場合に、前記温度測定部で測定された温度に基づいて、前記駆動電力の制御における応答速度を変化させる、ことを特徴とする。
これにより、加熱による非加熱物のインピーダンス変化と非加熱物を外すことによるインピーダンス変化を識別可能になり、加熱によるインピーダンス増加による出力低下を、非加熱物が外れていると誤検知せずに加熱制御できる。
本発明の第11態様では、第5態様において、前記制御部は、前記検出電力が前記設定電力より小さく、かつ、前記所定電力よりも大きい状態が所定時間以上続いた場合に、単位時間当たりの前記インバータの電力増加量が大きくなるように制御する、ことを特徴とする。
これにより、鍋が外れた状態にない場合における電力復帰の速度を速めることができる。
本発明の第12態様では、第3態様において、前記制御部は、定常運転状態において前記直列共振回路の共振周波数よりも高い周波数で前記インバータを制御し、かつ、前記周波数応答性を低下させる際の周波数制御量が-5[kHz/sec]よりも小さい制御変動幅となるように設定される、ことを特徴とする。
本発明の第13態様では、第3態様において、前記制御部は、定常運転状態において前記直列共振回路の共振周波数よりも高い周波数で前記インバータを制御し、かつ、前記電圧応答性を低下させる際の電圧の実効値が+10[%/sec]よりも小さい制御変動幅となるように設定される、ことを特徴とする。
上記第12及び13態様のように、周波数制御量を-5[kHz/sec]よりも小さい値にしたり、電圧応答性を低下させる際の電圧の実効値が+10[%/sec]よりも小さい制御変動幅にすることで、被加熱物が一時的に動いた場合、例えば、鍋を振る動作がされた場合に、電力が下がるため、被加熱物としての鍋が人の手で振られたり、移動させられたことが検知可能になる。
本発明によれば、被加熱物外れ状態の検知を安価に構成することができる。
また、制御を安定化させているので、鍋振りのように一時的な鍋外れが生じた場合に、鍋の安定配置状態と比較して加熱コイルのインピーダンスが上昇するため、無駄な電力消費が発生しない。さらに、一時的な鍋外し状態から鍋が安定配置状態に戻されると、即座に鍋振り前の制御状態で動作させることができ、従来よりも早く設定火力で加熱できる。
第1実施形態に係る誘導加熱装置の構成例を示す図 被加熱物の位置によるインピーダンスの変化と動作点との関係を示す図 誘導加熱装置の電力制御において、設定電力、検出電力及びインバータの出力電流の時間変化の一例を示した図 鍋の設置状態に対する電力制御フローの一例を示すフローチャート 図4の電力制御フローにおける誘導加熱装置の動作を説明するための図 図4の電力制御フローにおける誘導加熱装置の動作を説明するための図 図4の電力制御フローにおける誘導加熱装置の動作を説明するための図 図4の電力制御フローにおける誘導加熱装置の動作を説明するための図 誘導加熱装置の電力制御方法の他の例を説明するための図 誘導加熱装置の電力制御方法の他の例を説明するための図 誘導加熱装置の動作を説明するための図であり、駆動電力と駆動周波数の変化を示した図 図8の一部の時間範囲を拡大した図であり、駆動周波数と直列共振回路のインピーダンスの変化を示した図 図8の一部の時間範囲を拡大した図であり、駆動周波数と直列共振回路のインピーダンスの変化を示した図 誘導加熱装置の動作を説明するための図であり、駆動電力と実行電圧の変化を示した図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る誘導加熱装置Aの構成の一例を示す図である。
図1の例では、交流電源10からの供給電力が整流回路11で整流され、PFC回路12で昇圧され、出力コンデンサ13に充電される。PFC回路12は、従来から知られている構成を用いることができ、例えば、チョークコイル14と、スイッチング素子15と、整流ダイオード16とを備える。交流電源10には、電源電圧を測定するための電圧センサ17と、電源電流を測定するための電流センサ18とが取り付けられる。
誘導加熱装置Aは、出力コンデンサ13から受けた直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ30と、インバータ30から電力供給を受けて加熱する加熱コイル41を含む直列共振回路40と、制御部50とを備える。
インバータ30の回路構成は、特に限定されるものではなく、従来から知られている構成を適用できる。例えば、図1では、2対のアーム31,32が並列接続されたブリッジ構成のインバータ30の例を示している。図1において、2対のアーム31,32では、それぞれ、2つのスイッチング素子33が直列接続されている。また、各スイッチング素子33は、トランジスタと、該トランジスタに並列かつ逆方向に接続されたダイオードとの並列回路になっている。そして、インバータ30では、各スイッチング素子33が、制御部50からの制御を受けてスイッチング動作をすることにより、直流電力が交流電力に変換されて出力される。以下の説明では、一方のアーム31の両スイッチング素子33の間の接続ノードを第1ノードN1と呼び、他方のアーム32の両スイッチング素子33の間の接続ノードを第2ノードN2と呼ぶものとする。
直列共振回路40は、第1ノードN1と第2ノードN2との間に直列に設けられた加熱コイル41と共振コンデンサ42とを含む。加熱コイル41の形状は、特に限定されないが、例えば、所定の一方向に向かって螺旋状に巻かれた環状のコイルである。また、第1ノードN1と第2ノードN2との間には、直列共振回路40に流れる電流を測定するための電流センサ43が設けられている。
制御部50は、入力電圧検出部51と、入力電流検出部52と、出力電流検出部53と、駆動処理部54とを備える。入力電圧検出部51は、誘導加熱装置Aすなわちインバータ30への入力電圧を検出するためのものであり、例えば、電圧センサ17の出力を基にインバータ30への入力電圧を検出する。入力電流検出部52は、誘導加熱装置Aすなわちインバータ30への入力電流を検出するためのものであり、例えば、電流センサ18の出力を基にインバータ30への入力電流を検出する。出力電流検出部53は、インバータ30の出力電流、すなわち、加熱コイル41に流れる電流を検出するためのものであり、例えば、電流センサ43の出力を基に、インバータ30の出力電力を検出する。
駆動処理部54は、電力計算機能、スイッチング制御機能、応答性変更機能、停止遅延機能を有する。
電力計算機能は、インバータ30の入力電力または出力電力を計算する機能である。具体的に、駆動処理部54は、入力電流検出部52の検出結果と、入力電圧検出部51の検出結果とに基づいて、インバータ30の入力電力を計算する。また、駆動処理部54は、出力電流検出部53の検出結果に基づいて、インバータ30の出力電力を計算する。入力電流検出部52、入力電圧検出部51及び駆動処理部54の電力計算機能は、インバータ30の入力電力を検出する電力検出部の一例である。出力電流検出部53及び駆動処理部54の電力計算機能は、インバータ30の出力電力を検出する電力検出部の一例である。なお、図1の構成では、インバータ30の入力電力及び出力電力の両方が検出できるように構成されている例を示しているが、入力電力または出力電力いずれか一方の電力を検出するようにしてもよい。
スイッチング制御機能は、加熱コイルの加熱をするために設定された設定電力と、上記の電力計算機能で計算された電力(以下、インバータ電力Pinvという)とに基づいてインバータ30のスイッチング素子15のオン/オフを制御する機能である。設定電力は、例えば、ユーザーが設定した火力のように目標とする火力(以下、目標火力という)を実現するために必要な加熱量に基づいて設定される電力である。インバータ電力Pinvは、検出電力の一例である。なお、インバータ30から出力される電力と、制御部50で検出される電力とは、実質的に同じである。したがって、本実施形態では、インバータ30から出力される電力についてもインバータ電力Pinvと呼ぶ場合がある。
応答性変更機能は、例えば、被加熱物の状態の変化に対する制御の応答性を変更する機能である。停止遅延機能は、上記のインバータ電力Pinvが後述する鍋外れ検知値未満になった場合に、インバータ30の出力停止または出力抑制をさせるタイミングを遅延させる機能である。なお、スイッチング制御機能、応答性変更機能及び停止遅延機能の内容については、後述する誘導加熱装置Aの動作説明の中で具体的に説明する。応答性の変更には、制御の応答速度の変更が含まれる。
図2は被加熱物としての鍋の位置によるインピーダンスの変化と動作点との関係を示す図である。
図2において、太実線は、鍋が加熱コイル41の中央に置かれている場合(以下、「鍋中央」という)のインバータ30の動作周波数と加熱コイル41のインピーダンスとの関係を示している。細実線は加熱コイル41に対して鍋が半分程度ずれている状態でのインバータ30の動作周波数と加熱コイル41のインピーダンスとの関係を示している。破線は加熱コイル41に対して鍋が完全に外れている状態でのインバータ30の動作周波数と加熱コイル41のインピーダンスとの関係を示している。また、図2において、三角印は、従来から一般的に行われている共振周波数で動作させるように動作周波数を追従させる制御方式(以下、比較例という)における動作点の移動軌跡を示し、丸印は、本開示の誘導加熱装置Aの動作点の移動軌跡を示している。図2に示すように、本開示では、インバータ30は、直列共振回路40の共振周波数よりも高い周波数の駆動電力を直列共振回路40に供給する。
図2に示すように、誘導加熱装置Aは、鍋中央状態から、鍋をトッププレート(図示省略)上を水平方向にずらしていくと、共振周波数が下がるとともに、直列共振回路40の共振点におけるインピーダンスが低下する。
比較例では、上記のとおり共振周波数近辺で動作させるように制御するので、鍋が外れていくのにしたがって、動作周波数が低下するとともに、インピーダンスが低下する(図2の三角印参照)。そうすると、共振コンデンサの電圧が上昇し、直列共振回路(加熱コイル)に流れる電流が増加する。ここで、共振コンデンサの電圧は直接監視できないので、比較例では、図3の下段に示すように、加熱コイルに流れる電流が所定の閾値を超えたとき(図3下段のt11参照)、鍋外れが起こっていると判断する。その後、比較例では、インバータの出力電流を停止させるように制御する。ここで、鍋が中央に戻された場合、再度加熱動作を行うことになるが、比較例の場合、出力を抑制または停止させているので、目標火力に到達させるまでに時間がかかるという問題がある。
これに対し、本実施形態の誘導加熱装置Aでは、誘導加熱装置Aの定常運転状態において、鍋外れに起因するような共振周波数の変化が起こった場合でも、それまでの動作状態を維持するように制御する。具体的には、例えば、制御部50の応答速度を落として、共振周波数の変動に対する周波数追従性を落とすことで、それまでの動作状態を維持するように制御できる。換言すると、本実施形態の誘導加熱装置Aでは、鍋外れが起こった場合にも、制御部50がインバータ30を駆動するための駆動周波数とインバータの出力電圧に実質的な変化がないように制御する。ここで、「実質的に変化がないように制御」とは、まったく変化がないように制御するものに加えて、例えば、被加熱物の設置位置の僅かな変化や温度変化といった緩やかなインピーダンス変化に対し、出力電力を定電力に追従させる制御をした場合に、その制御で動く範囲の応答速度の変更により駆動周波数やインバータの出力電圧に若干の変化があるような制御を含む概念である。
これにより、図2の丸印で示すように、鍋が外れるのにしたがって、直列共振回路40のインピーダンスが上昇する。その結果、図3上段に示すように、インバータ30の出力電力が減少し、無駄な電力が消費されない。さらに、本実施形態の誘導加熱装置Aは、鍋外れが発生した場合にも、定常運転状態における動作状態を維持しているので、鍋が加熱コイル41の中央に戻された場合に、速やかに目標火力に到達させることができる。図3の上段(実施例)と、下段(比較例)とを比較すると、実施例の復帰時間Tu1に対して、比較例では、復帰時間Tu2が大幅に増加している。ここで、上記の説明における「駆動周波数に実質的な変化がない」とは、駆動周波数に変化がない場合に加えて、回路や制御系等の影響で駆動周波数が若干変化、変動することを含む概念である。例えば、「駆動周波数に実質的な変化がない」場合に含まれる周波数変動量は、鍋の温度変化による共振周波数の変動より大きい程度の周波数であり、例えば、100Hz/sec以上、1kHz/sec以下程度の周波数である。なお、本段落の動作は、前述の応答性変更機能を用いて実現された動作の一例である。
以下では、図4のフローチャート並びに図5及び図8〜図11の波形図を参照しつつ、誘導加熱装置Aの具体的な動作について説明する。図8は、時間の変化に対するインバータ30の駆動電力及び駆動周波数の変化を示している。また、図9は、例えば、図8の時刻10〜t12の間の時間の一部を拡大し、時間の変化に対するインバータ30の駆動周波数及びインピーダンスの変化として示したものである。
図8の時刻t1において、誘導加熱装置Aの運転が開始されると、制御部50は、周波数制御量が、単位時間あたりで所定の制御量(以下、通常制御量)となるように、インバータ30の駆動周波数を低下させる。駆動周波数の通常制御量は、任意に設定できる。そして、時刻t2において、制御部50は、インバータ30の駆動周波数が所定の周波数になると、誘導加熱装置Aを定常動作モードで動作させる。この時の駆動周波数は、直列共振回路40の共振周波数fqよりも高い周波数に設定される。
図4は、定常動作モードになった後(定常動作モード後)の動作について説明するための図である。ここで、「定常動作」とは、ユーザーや内部のプログラム等によって設定された目標火力に到達し、加熱のためのインバータ30の制御が安定している状態を指す。
図4のステップS1では、インバータ30の出力電流(以下、インバータ電流Iinvという)が、異物検知値を超えているか否かが判定される。異物検知値とは、異物が加熱コイル41に載っている等の異常時に過剰な電流が流れたことを判定するために設定された閾値である。また、以下の説明では、被加熱物は鍋であるものとして説明する。異物検知値は、所定の閾値電流の一例である。
ステップS1において、インバータ電流Iinvが異常検知値を超えていた場合(ステップS1でYes)、制御部50は、インバータ30の動作を停止させ、スタンバイ状態となる(図5Dのt21〜t50参照)。一方で、ステップS1において、インバータ電流Iinvが異常検知値以下の場合(ステップS1でNo)、フローは、次のステップS2に進む。
ステップS2では、制御部50で検出されたインバータ30の入力電力または出力電力(以下、インバータ電力Pinvという)が、所定の鍋外れ検知値未満か否かが判定される。鍋外れ検知値は、加熱コイル41から鍋が外された状態(以下、「鍋外れ」という)が検出できる値に設定されていればよく、任意に設定することができる。例えば、鍋外れ検知値は、鍋が半分程度ずれた状態(以下、「半分ずれ」という)では、鍋外れと検知しないような値に設定される。例えば、鍋外れ検知値は、固定値であってもよいし、設定電力や目標火力等に応じて変化させてもよい。
ステップS2において、インバータ電力Pinvが鍋外れ検知値以上の場合(ステップS2でNo)、フローはステップS1に戻る。図5Aは、時刻t10において定常動作から鍋が半分ずれになった場合における、インバータ電流Iinv及びインバータ電力Pinvの時間変化を示す波形の一例を示している。図5Aに示すように、時刻t10において鍋が半分ずれになることで、インバータ電力Pinvが一時的に低下しているが、鍋外れが検知されるレベルまでは低下せず、定常動作が継続されている。これにより、インバータ電力Pinvは、一定時間の経過後に、設定電力まで復帰する(時刻t12参照)。
制御部50では、時刻t10において定常動作から鍋が半分ずれの状態になると、電力検出部で検出された検出電力に対する周波数応答性または電圧応答性を低下させることにより、検出電力に対するインバータ30の駆動電力の制御応答性を低下させる。
より具体的に、例えば、人の手で鍋を振る場合には、50[mm/sec]以上の速度で鍋位置が変わることが想定される。そうすると、従来のインバータでは、共振周波数が、例えば、約−10[kHz/sec]変動することが想定される(図9実線参照)。これに対し、本実施形態では、例えば、周波数応答性を低下させる際の周波数制御量として、−5[kHz/sec]よりも小さい制御変動幅となるように設定する。図9では、周波数応答性を低下させる際に、−0.2[kHz/sec]の周波数制御量とした例を破線で示している。
このように、制御応答性を低下させて制御を遅くすることで、例えば、鍋が振られた場合に電力が下がるため、人の手で鍋が振られたり、一時的に鍋が移動されたことが検知できるようになっている。
なお、応答性を低下させる際の周波数制御量は、鍋を加熱してお湯を沸かす場合の変動用よりも大きい値であるのが好ましい。例えば、鍋を加熱してお湯を沸かす場合に、直列共振回路40の共振周波数fqは、−0.1[kHz/sec]程度変動する。したがって、周波数応答性を低下させる際の周波数制御量は、−5[kHz/sec]から−0.1[kHz/sec]の間で設定されるのが好ましい。
図10では、人の手で鍋を振る場合に、5[mm/sec]の速度で鍋位置が変わり、それに対して、インバータ30の駆動周波数の周波数制御量を−0.2[kHz/sec]に設定した場合の例を示している。図10のように、鍋振りの速度が遅い場合においても、本実施形態の制御を適用することで、インピーダンスが大きく変動するので、鍋外れを十分に検知することができる。
なお、図8〜10では、検出電力に対する周波数応答性を低下させる例を示したが、これに限定されない。例えば、図11に示すように、電力検出部で検出された検出電力に対する電圧応答性を低下させるようにしてもよい。具体的には、50[mm/sec]の速度で鍋位置が移動した場合に、同じ周波数でのインピーダンスは1.7[倍/sec]程度変動することが想定される。そうすると、従来のインバータでは、電圧の実効値(実行電圧ともいう)として+30[%/sec]の制御変動幅となることが想定される。これに対し、本実施形態では、例えば、電圧応答性を低下させる際の電圧の実効値が+10[%/sec]よりも小さい制御変動幅となるように設定する。なお、周波数制御量の場合と同様に、鍋を加熱してお湯を沸かす場合における実効電圧の制御変動幅よりも大きい値であるのが好ましい。例えば、鍋を加熱してお湯を沸かす場合に、直列共振回路40のインピーダンスは、1.005[倍/sec]程度変動し、電圧の実効値として+0.3[%/sec]の制御変動幅となることが想定される。そこで、電圧応答性を低下させる際の実効電圧の制御変動幅は、+0.3[%/sec]から+10[%/sec]の間で設定されるのが好ましい。より具体的に、例えば、上記の実効電圧の制御変動幅は、+0.6[%/sec]に設定される。
一方で、ステップS2において、インバータ電力Pinvが鍋外れ検知値未満の場合(ステップS2でYes)、フローは、次のステップS3に進む。
ステップS3では、インバータ電力Pinvが鍋外れ検知値未満になっている状態が所定の鍋外れ検知時間Td維持されたか否かが判定される。鍋外れ検知時間Tdは、任意に設定することができ、特に限定されないが、例えば、鍋振りの状態と鍋外れの状態とが判別できるような時間(例えば、数秒程度)が設定される。
ステップS3において、インバータ電力Pinvが鍋外れ検知値未満になっている状態が鍋外れ検知時間Td維持された場合(ステップS3でYes)、フローがステップS4に進み、制御部50は、鍋外れ状態を検知し、インバータの動作を停止させ、スタンバイ状態となる。すなわち、制御部50は、インバータ30の入力電力及び/または出力電力が所定の鍋外れ検知値を一定時間下回ることが検知された場合に被加熱物外れ状態(ここでは、鍋外れ状態)として検知する被加熱物外れ検知手段としての機能を有する。
図5Bは、時刻t10に定常動作から鍋外れ状態になり、インバータ電力Pinvが鍋外れ検知値未満になっている状態が鍋外れ検知時間Td維持された場合における、インバータ電流Iinv及びインバータ電力Pinvの時間変化を示す波形の一例を示している。図5Bの時刻t10は図8及び図11の時刻t14と対応し、図5Bの時刻t50は図8及び図11の時刻t16と対応している。
前述のとおり、本実施形態の誘導加熱装置Aでは、定常状態から鍋外れが起こった場合においても、定常状態における動作状態を維持するように制御するように構成されている。より具体的には、電力検出部で検出された検出電力に対する周波数応答性または電圧応答性を低下させることにより、検出電力に対するインバータ30の駆動電力の制御応答性を低下させている。
そうすると、定常状態から鍋外れが起こった場合においても、実質的に周波数変動がない状態になり、直列共振回路40のインピーダンスが増加する(図2参照)。このように直列共振回路40のインピーダンスが増加すると、インバータ電流Iinvが減少し、その結果、インバータ電力Pinvが鍋外れ検知値未満まで速やかに低下する(図5Bの時刻t10〜t13参照)。制御部50では、定常状態における動作状態を維持するように制御するので、鍋位置が戻らない限り、インバータ電力Pinvが鍋外れ検知値以上には復帰しない。そして、図5Bの例では、鍋外れの状態が鍋外れ検知時間Td維持されるので、制御部50は、インバータ電流Iinvの出力を停止させるか、出力を抑制させるように、インバータ30を制御する。これにより、鍋が外された場合でも、安全にインバータ30の出力を停止させることができる。
図5Cは、ステップS3において、インバータ電力Pinvが鍋外れ検知値未満になっている状態が鍋外れ検知時間Td維持されなかった場合(ステップS3でNo)における、インバータ電流Iinv及びインバータ電力Pinvの時間変化を示す波形の一例を示している。図5Cでは、図5Bと同様に、時刻t10に定常動作から鍋外れ状態になっている。そして、時刻t13から時間Td1(Td1<Td)経過後の時刻t21に、鍋が元に戻されている。前述のとおり、制御部50では、定常動作から鍋外れ状態になった後も、鍋外れ検知時間Td経過するまでは、定常状態における動作状態を維持するように制御する。すなわち、制御部50は、時間Td1経過時点では定常状態における動作状態が維持しているので、インバータ電力Pinvは、即座に目標火力を達成するための電力状態に復帰して必要な加熱が再開される。これにより、誘導加熱装置Aでは、従来技術と比較して、速やかに目標火力に到達させることができる。また、鍋が外れている状態のとき、すなわち、鍋振り時には、インピーダンスが大幅に増加することによりインバータ電力Pinvが減少するので、加熱コイル41に無駄な電力が投入されず、過電流も発生しない。図4のフローでは、ステップS3において鍋が戻されると(ステップS3でNo)、ステップS1の処理に戻る。
図5Dは、時刻t10に定常動作から鍋外れ状態になって、時刻t13から時間Td1経過後の時刻t21に、鍋が戻されるのではなく異物が置かれた場合における、インバータ電流Iinv及びインバータ電力Pinvの時間変化を示す波形の一例を示している。図5Dにおいて、時刻t10から時刻t21までの動作は、図5Cの場合と同様である。ただし、図5Dでは、加熱コイル41上に異物が置かれたので、インバータ電流Iinvが前述の異物検知値に到達している。すなわち、図4のステップS1でYes判定となり、制御部50は速やかにインバータ30を停止させ、誘導加熱装置Aはスタンバイ状態となる。
以上のように、本実施形態によると、制御部50は、定常状態から鍋が外された場合においても、所定の期間(鍋外れ検知時間Td)は、定常状態の動作を維持するように制御するように構成されている。すなわち、制御部50は、定常運転状態において、インバータ電力Pinvが鍋外れ検知値よりも小さい場合に、インバータ30から出力されるインバータ電力Pinvの増加量が所定の基準電力量よりも小さくなるように制御するように構成されている。これにより、所定期間以上にわたって鍋が外された場合は出力を停止することができるとともに、鍋振りの場合に無駄な電力を消費せず、かつ鍋をもとの位置に戻したら速やかに設定火力で加熱することができる。
<その他の実施形態>
上記の実施形態において、制御部50は、設定電力に向けて電力を上げる場合よりも、電力を下げる場合の方が、応答速度が速くなるように制御する、としてもよい。
図6の波形を用いて具体的に説明する。なお、誘導加熱装置Aの構成は上記実施形態と同じでよく、動作のフローチャートは図4と同じでよいので、ここではその説明を省略する。以下で説明する図7についても同様である。
図6では、時刻t10において定常動作から鍋が半分ずれになった後に、時刻t61で鍋が中央に戻された場合における、インバータ電流Iinv及びインバータ電力Pinvの時間変化を示す波形の一例を示している。図6では、図5Aの場合と同様に、時刻t10において鍋が半分ずれになることで、インバータ電力Pinvが一時的に低下しているが、鍋外れが検知されるレベルまでは低下せず、定常動作が継続されている。これにより、インバータ電力Pinvは、一定時間の経過後に、設定電力まで復帰している(時刻t12参照)。次に、時刻t61で鍋が中央に戻ったときに、電力が一時的に増加するオーバーシュートが発生している。ここで、制御部50は、設定電力に向けて電力を上げる場合よりも、電力を下げる場合の方が、応答速度が速くなるように制御するので、図6に示すように、インバータ電力Pinvを速やかに設定電力に戻すことができる。
なお、図6に破線で示すように、制御の応答速度を変更するか否かを判定するための上限電力(上限電力>設定電力)を設けるようにしてもよい。そして、制御部50は、インバータ電力Pinvが上限電力を超えた場合に、インバータ電力Pinvが上限電力未満の場合よりも、制御の応答速度を早くする。これにより、鍋が一時的に外された状態(半分ずれを含む)から鍋が戻された場合におけるインバータ電力Pinvのオーバーシュートを抑えることができる。上限電力は、判定電力の一例である。
また、上記の実施形態において、制御部50は、インバータ電力Pinvが設定電力より小さく、かつ、鍋外れ検出値よりも大きい状態が所定時間以上続いた場合に、単位時間当たりのインバータ電力Pinvの電力変動量が大きくなるように制御する、としてもよい。
図7の波形を用いて具体的に説明する。図7では、時刻t10において定常動作から鍋が半分ずれになった後に、所定時間Tpが経過した時刻t71において、単位時間当たりのインバータの電力増加量が大きくなるように制御している。図7では、破線で単位時間当たりのインバータの電力増加量を変化させなかった場合の例を示している。図7に示すように、単位時間当たりのインバータの電力増加量が大きくすることで、復帰時間の短縮効果を得ることができる(図7の時間Tq参照)。
また、上記の実施形態において、鍋の温度を測定する温度測定部を設けるようにしてもよい。具体的な図示は省略するが、例えば、温度測定部として、従来から知られているサーミスタや赤外線を用いた温度センサを採用することができる。そして、誘導加熱装置Aは、加熱コイルの加熱をするために設定された設定電力よりもインバータ電力の方が小さい場合に、温度測定部で測定された温度に基づいて、インバータ30から直列共振回路40に供給される駆動電力の制御における応答速度を変化させるようにしてもよい。
これにより、加熱による非加熱物のインピーダンス変化と非加熱物を外すことによるインピーダンス変化を識別可能になり、加熱によるインピーダンス増加による出力低下を、非加熱物が外れていると誤検知せずに加熱制御できる。
以上説明したように、本発明は、加熱コイルを用いた誘導加熱装置において、鍋が外された場合は出力を停止し、鍋振りの場合には、無駄な電力を消費せず、かつ鍋が元の位置に戻された場合に速やかに設定火力で加熱することができるので、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
A 誘導加熱装置
30 インバータ
40 直列共振回路
41 加熱コイル
42 共振コンデンサ
50 制御部

Claims (13)

  1. 直列に設けられた加熱コイルとコンデンサを含む直列共振回路と、
    前記直列共振回路の共振周波数よりも高い周波数の駆動電力を前記直列共振回路に供給するインバータと、
    前記インバータの入力電力または出力電力を検出する電力検出部と、
    前記電力検出部で検出されたインバータの入力電力及び/または出力電力が所定の設定電力値を一定時間下回ることが検知された場合に被加熱物外れ状態として検知する被加熱物外れ検知手段とを備える、ことを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 請求項1に記載の誘導加熱装置において、
    前記加熱コイルの加熱のために設定された設定電力と、前記電力検出部で検出された検出電力とに基づいて前記インバータを制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、定常運転状態から前記被加熱物外れ状態になったことが検知された場合に、定常運転状態に到達する前と比較して、前記検出電力の変化に対する前記インバータの制御における応答速度を低下させる、ことを特徴とする誘導加熱装置。
  3. 請求項2に記載の誘導加熱装置において、
    前記制御部は、前記検出電力に対する周波数応答性または電圧応答性を低下させることにより、前記検出電力に対する前記駆動電力の制御応答性を低下させる、ことを特徴とする誘導加熱装置。
  4. 請求項2に記載の誘導加熱装置において、
    前記制御部は、前記設定電力よりも前記検出電力の方が所定以上高い場合に、前記定常運転状態と比較して、前記検出電力に対する前記駆動電力の制御における応答速度を上昇させる、ことを特徴とする誘導加熱装置。
  5. 請求項1に記載の誘導加熱装置において、
    前記加熱コイルの加熱のために設定された設定電力と、前記電力検出部で検出された検出電力とに基づいて前記インバータを制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、定常運転状態において、前記検出電力が所定電力より小さくなった場合に、所定の期間が経過するまでは前記インバータに対してそれまでの動作状態を維持させ、当該所定の期間の経過したときに、前記インバータの出力を停止または抑制させるように制御する、ことを特徴とする誘導加熱装置。
  6. 請求項5に記載の誘導加熱装置において、
    前記制御部は、前記検出電力が前記所定電力よりも小さい状態が所定時間維持された場合に、前記インバータの出力を停止させる、ことを特徴とする誘導加熱装置。
  7. 請求項5に記載の誘導加熱装置において、
    前記制御部は、前記駆動電力を下げる場合の単位時間あたりの電力変動量が、前記駆動電力を上げる場合の単位時間当たりの電力変動量より大きくなるように制御する、ことを特徴とする誘導加熱装置。
  8. 請求項5に記載の誘導加熱装置において、
    前記制御部は、前記設定電力よりも高い値に設けられた判定電力を超えた場合に、前記検出電力のオーバーシュートを抑えるように前記駆動電力の制御の応答速度を変化させる、ことを特徴とする誘導加熱装置。
  9. 請求項5に記載の誘導加熱装置において、
    前記インバータの出力電流を測定する電流測定部を有し、
    前記制御部は、前記電流測定部で測定された電流が所定の閾値電流を超えた場合に、前記インバータの出力を停止または抑制させるように前記インバータを制御する、ことを特徴とする誘導加熱装置。
  10. 請求項5に記載の誘導加熱装置において、
    被加熱物の温度を測定する温度測定部を有し、
    前記設定電力よりも前記検出電力の方が小さい場合に、前記温度測定部で測定された温度に基づいて、前記駆動電力の制御における応答速度を変化させる、ことを特徴とする誘導加熱装置。
  11. 請求項5に記載の誘導加熱装置において、
    前記制御部は、前記検出電力が前記設定電力より小さく、かつ、前記所定電力よりも大きい状態が所定時間以上続いた場合に、単位時間当たりの前記インバータの電力増加量が大きくなるように制御する、ことを特徴とする誘導加熱装置。
  12. 請求項3に記載の誘導加熱装置において、
    前記制御部は、定常運転状態において前記直列共振回路の共振周波数よりも高い周波数で前記インバータを制御し、かつ、前記周波数応答性を低下させる際の周波数制御量が−5[kHz/sec]よりも小さい制御変動幅となるように設定される、ことを特徴とする誘導加熱装置。
  13. 請求項3に記載の誘導加熱装置において、
    前記制御部は、定常運転状態において前記直列共振回路の共振周波数よりも高い周波数で前記インバータを制御し、かつ、前記電圧応答性を低下させる際の電圧の実効値が+10[%/sec]よりも小さい制御変動幅となるように設定される、ことを特徴とする誘導加熱装置。
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