JP2021076803A - 異常検出手段、異常検出方法、および、異常検出プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
前記透明電極間の電流を検出する電流検出回路と、
前記電流検出回路の検出信号に対し一部をマスクする電流検出マスク回路と、
前記電流検出マスク回路によるマスク後の検出信号が前記過電流判定用閾値以上であるか否かを判定し、前記過電流判定用閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定回路と、を備え、
前記タイミング制御部は、
前記電流検出マスク回路がマスクする期間を前記非対象期間とする
ことを特徴とする異常検出手段である。
前記異常判定手段は、前記判定対象期間の検出信号での最大値を保持するピークホールド回路をさらに備え、
前記判定回路は、前記ピークホールド回路が保持する前記最大値が前記過電流判定用閾値以上であるか否かを判定し、前記過電流判定用閾値以上の最大値が検出されることを異常であると判定し、
前記タイミング制御部は、前記印加タイミングの直前に前記ピークホールド回路をリセットする
ことを特徴とする異常検出手段である。
前記調光装置は、定電圧電源の電圧レベルを前記電圧パルスの電圧レベルに変換する昇圧回路と、前記昇圧回路の出力レベルから前記駆動電圧を生成する前記駆動電圧発生回路を備え、
前記タイミング制御部は、前記駆動電圧発生回路の出力タイミングを制御して前記駆動電圧を前記透明電極間に印加すると共に、前記異常であると判定されたときに、前記駆動電圧の印加を停止させる
ことを特徴とする異常検出手段である。
前記異常判定手段は、前記透明電極間の電流を検出する電流検出回路を備え、
前記駆動電圧発生回路は、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチか
ら成るフルブリッジ回路を備え、直列接続された前記第1スイッチおよび前記第3スイッチと、直列接続された前記第2スイッチおよび前記第4スイッチとが並列接続され、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続部が前記昇圧回路の出力レベルに接続され、
前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部が前記電流検出回路を介して接地レベルに接続され、
前記第1スイッチと前記第3スイッチとの接続部が一方の前記透明電極に接続され、
前記第2スイッチと前記第4スイッチとの接続部が他方の前記透明電極に接続され、
前記タイミング制御部は、前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオンし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオフすることと、前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオフし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオンすることとを交互に繰り返して、前記駆動電圧を前記透明電極間に印加し、
前記電流検出回路は、前記透明電極間の電流として、前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部から接地レベルに流れる電流を検出する
ことを特徴とする異常検出手段である。
前記定電圧電源の出力電流が所定値以上であるとき、ヒューズを溶断して前記昇圧回路と前記定電圧電源との接続を断つ過電流保護回路をさらに備えることを特徴とする異常検出手段である。
前記異常であると判定されたときに、前記調光装置に異常が発生した旨を外部に報知する異常報知手段をさらに備えることを特徴とする異常検出手段である。
漏電異常検出手段を備え、前記漏電異常検出手段が、
前記駆動電圧発生回路の電源側の端子に流れ込むソース電流を検出するソース電流検出回路と、
前記駆動電圧発生回路の接地レベル側の端子から流れ出すシンク電流を検出するシンク電流検出回路を有し、
前記ソース電流と前記シンク電流の差分を検出する差分検出回路と、
検出した差分の値を漏電判定用閾値と比較して漏電を検出する漏電判定回路を有する
ことを特徴とする異常検出手段である。
前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、駆動電圧発生回路が相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧を前記透明電極間に印加し、
前記電圧パルスの印加タイミングから、当該印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のスパイクが過電流判定用閾値未満になるまでの所定期間である非対象期間が経過したときに、前記透明電極間の電流が前記過電流判定用閾値以上であるか否かを判定し、前記過電流判定用閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定することを特徴とする異常検出方法である。
前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、駆動電圧発生回路が相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧を前記透明電極間に印加し、
漏電検出手段が、
前記駆動電圧発生回路の電源側の端子に流れ込むソース電流を検出し、
前記駆動電圧発生回路の接地レベル側の端子から流れ出すシンク電流を検出し、
前記ソース電流と前記シンク電流の差分を検出した値を漏電判定用閾値と比較することで漏電異常を判定することを特徴とする異常検出方法である。
前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、
前記透明電極間に相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧を駆動電圧発生回路に印加させるタイミングを制御するプログラムと、
前記電圧パルスの印加タイミングから、当該印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のスパイクが過電流判定用閾値未満になるまでの所定期間である非対象期間が経過したときに、前記透明電極間の電流が前記過電流判定用閾値以上であるか否かを判定する判定対象期間の開始タイミングとするタイミングを制御するプログラムと、
前記異常検出手段に、前記判定対象期間における前記透明電極間の電流が過電流判定用閾値以上であるか否かを判定させ、過電流判定用閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定させるプログラム
を有することを特徴とする異常検出プログラムである。
前記異常検出手段が、前記透明電極間の電流を電流検出回路で検出してA/D変換器でデジタルデータに変換する回路を有し、
前記電圧パルスの印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のスパイクが前記過電流判定用閾値未満になるまでの所定期間の非対象期間と前記非対象期間以外の判定対象期間を区別するプログラムと、
前記透明電極間の電流のデジタルデータから、前記判定対象期間の電流のデジタルデータ
のみを処理するマスク処理を行うプログラムと、
前記判定対象期間の電流のデジタルデータの最大値を抽出して記憶するピークホールド処理を行うプログラムと、
前記最大値を過電流判定用閾値と比較し、前記最大値が過電流判定用閾値以上である場合に異常判定処理を行うプログラムを有する
ことを特徴とする異常検出プログラムである。
前記異常検出手段が、
前記駆動電圧発生回路の電源側の端子に流れ込むソース電流をソース電流検出回路で検出してA/D変換器でデジタルデータに変換する回路を有し、
前記駆動電圧発生回路の接地レベル側の端子から流れ出すシンク電流をシンク電流検出回路で検出してA/D変換器でデジタルデータに変換する回路を有し、
前記ソース電流のデジタルデータと前記シンク電流のデジタルデータの差分データを演算するプログラムと、
該差分データを、漏電判定用閾値データと比較し、該差分データが前記漏電判定用閾値データを越えた場合に漏電判定処理を行うプログラムを有する
ことを特徴とする異常検出プログラムである。
以下で、図1から図3を参照して本発明の調光装置の第1の実施形態を説明する。本実施形態の調光装置は、図1のように、調光フィルム10と、調光フィルムを駆動する駆動回路20を備え、駆動回路20が異常検出手段30を含む。
本実施形態の調光装置が用いる調光フィルム10は、車両や航空機などの移動体が備える窓に貼り付けられる。また、調光フィルム10は、住宅、駅、空港などの建物が備える窓、オフィスなどに設置されたパーティション、店舗などに設置されたショーウインドウに貼り付けられる。
動電圧の印加を受けて、液晶分子の配向方向を変える。配向方向の変更は、調光層13に入射する可視光の散乱度合い、吸収度合い、および、透過度合いを変える。
調光装置は、駆動回路20を備える。駆動回路20は、定電圧電源21、過電流保護回路22、昇圧回路23、制御用電源回路24、タイミング制御回路26、入力手段25、および、フルブリッジ回路から成る駆動電圧発生回路27、異常検出手段30を備える。
駆動回路20の制御手段は、中央演算処理装置、および、メモリを備える。制御手段は、各種の処理を全てソフトウェアで処理するものに限らない。例えば、制御手段が、各種の処理のうちの少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア(特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。制御手段は、ASICなどの1つ以上の専用のハードウェア回路、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ(マイクロコンピュータ)、あるいは、これらの組み合わせ、を含む回路として構成される。
定電圧電源21は、移動体が搭載する電源、あるいは、建物が備える電源である。定電圧電源21は、直流定電圧を出力する。直流定電圧は、例えば、12Vである。
ネルスイッチなどの入力インターフェースを備える。入力手段25は、調光装置を駆動させるためのスイッチ操作を受けて、当該操作に対応する操作信号をタイミング制御回路26に入力する。入力手段25は、調光装置の駆動を停止させるためのスイッチ操作を受けて、当該操作に対応する操作信号をタイミング制御回路26に入力する。タイミング制御回路26は、各操作信号の入力を受けて、各操作信号に準じた処理を実行する。
駆動電圧発生回路27は、図2の様に、第1スイッチQ1、第2スイッチQ2、第3スイッチQ3、第4スイッチQ4から成るフルブリッジ回路を備える。第1スイッチQ1は、pチャンネル型トランジスタである。第3スイッチQ3は、nチャンネル型トランジスタである。第1スイッチQ1と第3スイッチQ3とが、CMOSトランジスタを構成する。また、第2スイッチQ2は、pチャンネル型トランジスタである。第4スイッチQ4は、nチャンネル型トランジスタである。第2スイッチQ2と第4スイッチQ4とが、CMOSトランジスタを構成する。
本実施形態の駆動電圧発生回路27がスイッチQ1,Q2,Q3,Q4を切り替えて、透明電極11,12間に相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返して印加する場合の電圧パルスの立上り、あるいは立下りの際に、調光フィルム10の透明電極11,12間に容量が有る事によって、図3(b)の様に、第1透明電極11の電圧レベルV11の正電圧への切り替えの際と、負電圧への切り替えの際とで、スパイク状電流を生じる。
電流検出回路31は、第3スイッチQ3と第4スイッチQ4との接続部と、接地レベルとに接続されている。電流検出回路31は、第3スイッチQ3と第4スイッチQ4との接続部から接地レベルに流れる電流を検出する。第3スイッチQ3と第4スイッチQ4との接続部から接地レベルに流れる電流は、第1透明電極11と第2透明電極12との間に流れる電流として取り扱われる。
電流検出マスク回路32は、電流検出回路31に接続されている。電流検出マスク回路32は、電流検出回路31が逐次出力する検出信号Ia(検出電流)に対し一部をマスクし、マスク後の検出信号Iaである抽出信号Imを出力する。電流検出マスク回路32は、マスクを行う期間中は、透明電極11,12間の電流が過電流判定用閾値Ith未満であることを示す抽出信号Imを出力する。電流検出マスク回路32は、マスクを行わない期間中、検出信号Iaに相当する抽出信号Imを出力する。
ピークホールド回路33は、電流検出マスク回路32に接続されている。ピークホールド回路33は、電流検出マスク回路32が出力する抽出信号Imのなかで最大値を保持する。ピークホールド回路33は、保持している最大値をサンプル信号Isとして出力する。ピークホールド回路33が保持する最大値は、ピークホールド回路33にリセット信号SIGRが入力されてから、ピークホールド回路33に再度リセット信号SIGRが入力されるまで、更新され続ける。
異常判定回路34は、ピークホールド回路33に接続されている。異常判定回路34は、ピークホールド回路33が出力するサンプル信号Isを用い、ピークホールド回路33が保持する最大値が過電流判定用閾値Ith以上か否かを判定する。すなわち、異常判定回路34は、判定対象期間における透明電極11,12間の電流が過電流判定用閾値Ith以上であるか否かを判定する。そして、異常判定回路34は、過電流判定用閾値Ith以上の電流が検出されることを異常であると判定する。
タイミング制御回路26は、異常判定回路34から、調光装置が正常であるという判定結果が入力された場合は、第1透明電極11と第2透明電極12との間に駆動電圧を印加し続ける。
他方、タイミング制御回路26は、異常判定回路34から、調光装置が異常であるという判定結果が入力された場合は、全てのスイッチQ1,Q2,Q3,Q4をオフにすることで、第1透明電極11と第2透明電極12間へ印加していた駆動電圧の印加を停止する。こうする事で、調光装置の異常に起因した消費電力の増大を抑制できる効果がある。
異常報知手段35は、調光装置が異常であるという判定結果が入力された場合は、調光装置が異常である旨のメッセージを出力する。
上記異常検出手段30が行う異常検知方法を、マスク信号SIGM、リセット信号SIGR、検出信号Ia、抽出信号Im、および、サンプル信号Isの推移を用いて説明する。
つ、第2透明電極12が昇圧回路23の出力レベルとなる電圧パルスを印加し続ける。
ここで、図3(b)が示すように、透明電極11,12間に正常電流が流れている場合、電流検出マスク回路32が出力する抽出信号Imは過電流判定用閾値Ith未満である。ピークホールド回路33は、過電流判定用閾値Ith未満の最大値を示すサンプル信号Isを出力する。透明電極11,12間に正常電流が流れている場合は抽出信号Imが過電流判定用閾値Ith未満であるのでサンプル信号Isは最低値から変わらない。異常判定回路34は、最低値から変わらないサンプル信号Isの値に基づき、透明電極11,12間の電流が過電流判定用閾値Ith未満であると判定し、調光装置が正常であると判定する。
これに対し、図3(c)が示すように、透明電極11,12間に異常な過電流が流れている場合、電流検出マスク回路32が出力する抽出信号Imが過電流判定用閾値Ith以上になる。その場合に、ピークホールド回路33は、過電流判定用閾値Ith以上の最大値を持つサンプル信号Isを出力する。異常判定回路34は、過電流判定用閾値Ith以上の最大値を持つサンプル信号Isの値に基づき、透明電極11,12間に過電流判定用閾値Ith以上の電流が流れたと判定し、調光装置が異常であると判定する。
(1)電圧パルスが透明電極11,12間に印加される都度、タイミング制御回路26が判定対象期間を設定する。そして、調光装置における異常の有無が、電圧パルスの印加周期で判定されるため、調光装置に異常が生じた場合には、異常が生じていることが即座に検出される。
した異常の検出精度が向上可能ともなる。
(変形例1)
変形例1として、タイミング制御回路26は、マスク信号SIGMが立ち上がるタイミングtaを、電圧パルスの印加タイミングよりも所定時間前に設定可能である。この際、非対象期間は、電圧パルスの印加タイミングの所定時間前から、マスク信号SIGMが立ち下がるタイミングtbまでの期間である。この構成によれば、電圧パルスの印加による電流のスパイクが生じる前に、電流検出マスク回路32が検出信号Iaをマスクする。そのため、スパイクに起因した誤判定がさらに抑制可能ともなる。
変形例2として、タイミング制御回路26は、リセット信号SIGRが立ち上がるタイミングを、マスク信号SIGMが立ち上がるタイミング、あるいは、電圧パルスの印加タイミングに変更可能である。また、タイミング制御回路26は、リセット信号SIGRが立ち下がるタイミングを、マスク信号SIGMが立ち下がるタイミングに変更可能である。
変形例3として、調光装置は、駆動電圧発生回路27の各スイッチQ1,Q2,Q3,Q4を駆動するためのフルブリッジ制御部を別途備え、タイミング制御回路26は、電流検出マスク回路、および、ピークホールド回路33の駆動に特化した構成に変更可能である。この際、タイミング制御回路26は、非対象期間の開始タイミングと、非対象期間の終了タイミングとを、フルブリッジ制御部が制御信号を出力するタイミングに基づいて定める。フルブリッジ制御部は、調光装置が異常であると判定された結果を受けて、駆動電圧の印加を停止する。
変形例4として、異常検出手段30は、電流検出マスク回路32、ピークホールド回路33、および、異常判定回路34を割愛されて、A/D変換器、中央演算処理装置、および、メモリに記憶した異常検出プログラムにそれらの回路の機能を担わせる異常判定手段を構成し、ソフトウェアで各種の処理を行うものに変更可能である。
変形例5として、タイミング制御回路26は、電流検出回路31が判定対象期間にのみ電流を検出するように、電流検出回路31の検出タイミングを制御してもよい。この際、
異常検出手段30は、電流検出マスク回路32を割愛可能である。
以下、図4から図7を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、異常検出手段30に加えて漏電異常検出手段40を有する点が第1の実施形態と相違する。
昇圧回路23の出力端子をソース電流検出回路41を介して駆動電圧発生回路27の電源側の端子に接続する。これにより、ソース電流検出回路41が、駆動電圧発生回路27の電源側の端子に流れ込むソース電流I1を検出する。
駆動電圧発生回路27の接地レベル側の端子は、シンク電流検出回路42を介して接地レベルに接続する。これにより、シンク電流検出回路42が、駆動電圧発生回路27の接地レベル側の端子から流れ出るシンク電流I2を検出する。
図4と図5と図6に本実施形態の漏電異常検出手段40の構成を示す。漏電異常検出手段40は、ソース電流検出回路41とシンク電流検出回路42を有し、ソース電流I1とシンク電流I2の差分を検出する差分検出回路43と、検出した差分の値をしきい値と比較する漏電判定回路44を有する。
以下で、本実施形態の漏電異常検出手段40の動作原理を説明する。
タイミング制御回路26は、第1スイッチQ1、および、第4スイッチQ4をオンし、かつ、第2スイッチQ2、および、第3スイッチQ3をオフし、それによって、第2透明電極12が昇圧回路23の出力レベルとなり、第1透明電極11が接地レベルとなる電圧パルスを、透明電極11,12間に印加する。
また、タイミング制御回路26は、第1スイッチQ1、および、第4スイッチQ4をオフし、かつ、第2スイッチQ2、および、第3スイッチQ3をオンし、それによって、第1透明電極11が昇圧回路23の出力レベルとなり、かつ、第2透明電極12が接地レベルとなる電圧パルスを、透明電極11,12間に印加する。
調光フィルム10の周辺で漏電が発生した場合は、調光フィルム10から流れ出すシンク電流I2が、調光フィルム10に流れ込むソース電流I1に比べ少なくなる。本実施形態の異常検出手段30は、((ソース電流I1)−(シンク電流I2))の値を検出し、その値が大きい場合を判定して、その場合に漏電が発生していると判定して故障と判定する。
ソース電流検出回路41は、図6の様に、ソース電流I1を、シャント抵抗R5の両端に発生する電位差を、オペアンプ1で構成した差動増幅回路で増幅することで検出する。
シンク電流検出回路42は、同様にして、シンク電流I2を、シャント抵抗R10の両端に発生する電位差を、オペアンプ2で構成した差動増幅回路で増幅することで検出する。
差分検出回路43では、オペアンプ3で構成した差動増幅回路を用いて、ソース電流検出回路41が検出したソース電流I1と、シンク電流検出回路42が検出したシンク電流I2の差分に応じた差分出力電圧Vdを出力する。
漏電判定回路44では、差分検出回路43が検出したソース電流I1とシンク電流I2の差分出力電圧Vdに応じた電圧値を、比較回路44aで、抵抗R17、可変抵抗Rv、抵抗R18で作成した漏電判定用閾値Vthと比較し、差分出力電圧Vdが漏電判定用閾値電圧Vthを越えた場合に、比較回路44aの出力端子に漏電検出信号のパルス電圧を発生する。ここで、この漏電判定用閾値Vthは、可変抵抗Rvによって可変にすることで、自在に設定できる。
次に、図7の波形図を参照して、本実施形態の漏電異常検出手段40の動作を説明する。
回路が正常の場合は、ソース電流I1とシンク電流I2は同じ電流波形となるため、差分検出回路43の差分出力電圧VdはGNDレベルとなる。
一方、調光フィルム10周辺部で電流が漏れて回路に漏電を生じている場合は、駆動電圧発生回路27から調光フィルム10の透明電極11又は12に流れ出たソース電流I1よりも、調光フィルム10の透明電極11又は12から駆動電圧発生回路27に戻ってくるシンク電流I2が小さくなる。
第2の実施形態の変形例6として、第1の実施形態の変形例4と同様にして、異常検出手段30は、A/D変換器、中央演算処理装置、および、メモリに記憶した異常検出プログラムで異常判定手段を構成し、ソフトウェアに各種の回路の機能を担わせた処理を行うものに変更可能である。
[付記]
調光装置に用いられる異常検出手段30であって、
前記調光装置は、
透明電極間に位置する調光層を備え、相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧が前記透明電極間に印加されることによって前記調光層の透過率を変更し、
定電圧電源の電圧レベルを前記電圧パルスの電圧レベルに変換する昇圧回路と、
前記昇圧回路の出力レベルから前記駆動電圧を生成する駆動電圧発生回路27と、をさらに備え、
前記駆動電圧発生回路27は、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイ
ッチから成るフルブリッジ回路を備え、直列接続された前記第1スイッチおよび前記第3スイッチと、直列接続された前記第2スイッチおよび前記第4スイッチとが並列接続され、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続部が前記昇圧回路に接続され、
前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部が前記検出回路を介して接地レベルに接続され、
前記第1スイッチと前記第3スイッチとの接続部に一方の前記透明電極が接続され、
前記第2スイッチと前記第4スイッチとの接続部に他方の前記透明電極が接続され、
前記調光装置は、
前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオンし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオフすることと、前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオフし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオンすることとを交互に繰り返して、前記駆動電圧を前記透明電極間に印加するタイミング制御部をさらに備え、
前記異常検出手段30は、
前記透明電極間の電流が過電流判定用閾値以上であるか否かを判定し、過電流判定用閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する異常判定手段を備え、
前記異常判定手段は、前記透明電極間の電流を検出する検出回路を備え、
前記検出回路は、前記透明電極間の電流として、前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部から接地レベルに流れる電流を検出する、
異常検出手段30。
ソース電流検出回路41とシンク電流検出回路42を備え、
ソース電流検出回路41が検出したソース電流I1と、シンク電流検出回路42が検出したシンク電流I2を比較する差分検出回路43を備え、差分検出回路43の出力により漏電の有無を判定する漏電判定回路44を備えた漏電異常検出手段40。
Ith・・・過電流判定用閾値
I1・・・ソース電流
I2・・・シンク電流
R1〜R18・・・抵抗
Rv・・・可変抵抗
SIGM・・・マスク信号
SIGR・・・リセット信号
Q1・・・第1スイッチ
Q2・・・第2スイッチ
Q3・・・第3スイッチ
Q4・・・第4スイッチ
V11・・・第1透明電極の電圧レベル
V12・・・第2透明電極の電圧レベル
Vd・・・差分出力電圧
Vmem・・・漏電記録信号
Vp・・・比較結果信号
Vth・・・漏電判定用閾値
10・・・調光フィルム
11・・・第1透明電極
12・・・第2透明電極
13・・・調光層
20・・・駆動回路
21・・・定電圧電源
22・・・過電流保護回路
23・・・昇圧回路
24・・・制御用電源回路
25・・・入力手段
26・・・タイミング制御回路
27・・・駆動電圧発生回路
30・・・異常検出手段
31・・・電流検出回路
32・・・電流検出マスク回路
33・・・ピークホールド回路
34・・・異常判定回路
35・・・異常報知手段
40・・・漏電異常検出手段
41・・・ソース電流検出回路
42・・・シンク電流検出回路
43・・・差分検出回路
44・・・漏電判定回路
Claims (16)
- 調光装置に用いられる異常検出手段であって、
前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧を前記透明電極間に印加する駆動電圧発生回路を有し、
前記異常検出手段は、
判定対象期間における前記透明電極間の電流が過電流判定用閾値以上であるか否かを判断し、過電流判定用閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する異常判定手段と、
前記電圧パルスの印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のスパイクが前記過電流判定用閾値未満になるまでの所定期間が非対象期間であり、前記電圧パルスの印加タイミングから前記非対象期間が経過したときを前記判定対象期間の開始タイミングとするタイミング制御部と、
を備えることを特徴とする異常検出手段。 - 請求項1記載の異常検出手段であって、前記タイミング制御部は、前記電圧パルスの印加タイミングを制御することを特徴とする異常検出手段。
- 請求項1または2に記載の異常検出手段であって、
前記異常判定手段は、
前記透明電極間の電流を検出する電流検出回路と、
前記電流検出回路の検出信号に対し一部をマスクする電流検出マスク回路と、
前記電流検出マスク回路によるマスク後の検出信号が前記過電流判定用閾値以上であるか否かを判定し、前記過電流判定用閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定回路と、を備え、
前記タイミング制御部は、
前記電流検出マスク回路がマスクする期間を前記非対象期間とする
ことを特徴とする異常検出手段。 - 請求項3記載の異常検出手段であって、
前記異常判定手段は、前記判定対象期間の検出信号での最大値を保持するピークホールド回路をさらに備え、
前記判定回路は、前記ピークホールド回路が保持する前記最大値が前記過電流判定用閾値以上であるか否かを判定し、前記過電流判定用閾値以上の最大値が検出されることを異常であると判定し、
前記タイミング制御部は、前記印加タイミングの直前に前記ピークホールド回路をリセットする
ことを特徴とする異常検出手段。 - 請求項1から4の何れか一項に記載の異常検出手段であって、
前記調光装置は、定電圧電源の電圧レベルを前記電圧パルスの電圧レベルに変換する昇圧回路と、前記昇圧回路の出力レベルから前記駆動電圧を生成する前記駆動電圧発生回路を備え、
前記タイミング制御部は、前記駆動電圧発生回路の出力タイミングを制御して前記駆動電圧を前記透明電極間に印加すると共に、前記異常であると判定されたときに、前記駆動電圧の印加を停止させる
ことを特徴とする異常検出手段。 - 請求項5記載の異常検出手段であって、
前記異常判定手段は、前記透明電極間の電流を検出する電流検出回路を備え、
前記駆動電圧発生回路は、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチから成るフルブリッジ回路を備え、直列接続された前記第1スイッチおよび前記第3スイッチと、直列接続された前記第2スイッチおよび前記第4スイッチとが並列接続され、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続部が前記昇圧回路の出力レベルに接続され、
前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部が前記電流検出回路を介して接地レベルに接続され、
前記第1スイッチと前記第3スイッチとの接続部が一方の前記透明電極に接続され、
前記第2スイッチと前記第4スイッチとの接続部が他方の前記透明電極に接続され、
前記タイミング制御部は、前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオンし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオフすることと、前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオフし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオンすることとを交互に繰り返して、前記駆動電圧を前記透明電極間に印加し、
前記電流検出回路は、前記透明電極間の電流として、前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部から接地レベルに流れる電流を検出する
ことを特徴とする異常検出手段。 - 請求項5または6に記載の異常検出手段であって、
前記定電圧電源の出力電流が所定値以上であるとき、ヒューズを溶断して前記昇圧回路と前記定電圧電源との接続を断つ過電流保護回路をさらに備える
ことを特徴とする異常検出手段。 - 請求項1から7の何れか一項に記載の異常検出手段であって、
前記異常であると判定されたときに、前記調光装置に異常が発生した旨を外部に報知する異常報知手段をさらに備える
ことを特徴とする異常検出手段。 - 請求項1から8の何れか一項に記載の異常検出手段であって、
漏電異常検出手段を備え、前記漏電異常検出手段が、
前記駆動電圧発生回路の電源側の端子に流れ込むソース電流を検出するソース電流検出回路と、
前記駆動電圧発生回路の接地レベル側の端子から流れ出すシンク電流を検出するシンク電流検出回路を有し、
前記ソース電流と前記シンク電流の差分を検出する差分検出回路と、
検出した差分の値を漏電判定用閾値と比較して漏電を検出する漏電判定回路を有する
ことを特徴とする異常検出手段。 - 請求項9記載の異常検出手段であって、前記漏電判定用閾値を可変にして自在に設定できる回路を有することを特徴とする異常検出手段。
- 請求項9又は10に記載の異常検出手段であって、異常な過電流による異常判定と、漏電異常検出手段による漏電判定と、を区別して通知する異常報知手段を有することを特徴とする異常検出手段。
- 調光装置に発生した異常を検出する異常検出方法であって、
前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、駆動電圧発生回路が相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧を前記透明電極間に印加し、
前記電圧パルスの印加タイミングから、当該印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のスパイクが過電流判定用閾値未満になるまでの所定期間である非対象期間が経過したときに、前記透明電極間の電流が前記過電流判定用閾値以上であるか否かを判定し、前記
過電流判定用閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定することを特徴とする異常検出方法。 - 調光装置に発生した異常を検出する異常検出方法であって、
前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、駆動電圧発生回路が相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧を前記透明電極間に印加し、
漏電検出手段が、
前記駆動電圧発生回路の電源側の端子に流れ込むソース電流を検出し、
前記駆動電圧発生回路の接地レベル側の端子から流れ出すシンク電流を検出し、
前記ソース電流と前記シンク電流の差分を検出した値を漏電判定用閾値と比較することで漏電異常を判定することを特徴とする異常検出方法。 - 調光装置に発生した異常を異常検出手段に検出させる異常検出プログラムであって、
前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、
前記透明電極間に相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧を駆動電圧発生回路に印加させるタイミングを制御するプログラムと、
前記電圧パルスの印加タイミングから、当該印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のスパイクが過電流判定用閾値未満になるまでの所定期間である非対象期間が経過したときに、前記透明電極間の電流が前記過電流判定用閾値以上であるか否かを判定する判定対象期間の開始タイミングとするタイミングを制御するプログラムと、
前記異常検出手段に、前記判定対象期間における前記透明電極間の電流が過電流判定用閾値以上であるか否かを判定させ、過電流判定用閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定させるプログラム
を有することを特徴とする異常検出プログラム。 - 請求項14記載の異常検出プログラムであって、
前記異常検出手段が、前記透明電極間の電流を電流検出回路で検出してA/D変換器でデジタルデータに変換する回路を有し、
前記電圧パルスの印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のスパイクが前記過電流判定用閾値未満になるまでの所定期間の非対象期間と前記非対象期間以外の判定対象期間を区別するプログラムと、
前記透明電極間の電流のデジタルデータから、前記判定対象期間の電流のデジタルデータのみを処理するマスク処理を行うプログラムと、
前記判定対象期間の電流のデジタルデータの最大値を抽出して記憶するピークホールド処理を行うプログラムと、
前記最大値を過電流判定用閾値と比較し、前記最大値が過電流判定用閾値以上である場合に異常判定処理を行うプログラムを有する
ことを特徴とする異常検出プログラム。 - 請求項14記載の異常検出プログラムであって、
前記異常検出手段が、
前記駆動電圧発生回路の電源側の端子に流れ込むソース電流をソース電流検出回路で検出してA/D変換器でデジタルデータに変換する回路を有し、
前記駆動電圧発生回路の接地レベル側の端子から流れ出すシンク電流をシンク電流検出回路で検出してA/D変換器でデジタルデータに変換する回路を有し、
前記ソース電流のデジタルデータと前記シンク電流のデジタルデータの差分データを演算するプログラムと、
該差分データを、漏電判定用閾値データと比較し、該差分データが前記漏電判定用閾値データを越えた場合に漏電判定処理を行うプログラムを有する
ことを特徴とする異常検出プログラム。
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