JP2020034611A - 異常検出装置、異常検出方法、および、異常検出プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】調光装置の異常を検出可能にした異常検出装置、異常検出方法、および、異常検出プログラムを提供する。【解決手段】異常検出装置は、判定対象期間における透明電極11,12間の電流が閾値以上であるか否かを判断し、閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定部と、電圧パルスの印加タイミングに生じた透明電極11,12間の電流のリップルが閾値未満になるまでの所定期間が非対象期間であり、電圧パルスの印加タイミングから非対象期間が経過したときを判定対象期間の開始タイミングとするタイミング制御部31と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、調光装置に用いられる異常検出装置、異常検出方法、および、異常検出プログラムに関する。
調光装置は、一対の透明電極に挟まれた調光層を備える。調光層は、液晶組成物を含み、透明電極間の電圧の変化に応じて、透明と不透明とに変わる。調光層を駆動する駆動回路は、透明電極間に交流電圧を印加して調光層の長寿命化を図る(例えば、特許文献1を参照)。
調光層を駆動する型式は、ノーマル型とリバース型とに分類される。ノーマル型の駆動では、非通電時の調光層が不透明であり、通電時の調光層が透明である。ノーマル型の駆動は、光の遮蔽性を頻繁に必要とするスクリーン等への適用に好適である。リバース型の駆動では、非通電時の調光層が透明であり、通電時の調光層が不透明である(例えば、特許文献2を参照)。リバース型の駆動は、透明による安全性を非常時に必要とする建材等への適用に好適である。
ところで、上述した調光装置には、透明電極間に印加される電圧レベルが10ボルト以上に達する場合もあるため、駆動回路を保護する観点や省電力化を図る観点から、調光装置に異常が生じた場合には、異常が生じていることを即座に検出することが求められている。
本発明は、調光装置の異常を検出可能にした異常検出装置、異常検出方法、および、異常検出プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、調光装置の異常を検出可能にした異常検出装置、異常検出方法、および、異常検出プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための異常検出装置は、調光装置に用いられる異常検出装置であって、前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧が前記透明電極間に印加されることによって前記調光層の透過率を変更する。異常検出装置は、判定対象期間における前記透明電極間の電流が閾値以上であるか否かを判断し、閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定部を備える。そして、異常検出装置は、前記電圧パルスの印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のリップルが前記閾値未満になるまでの所定期間が非対象期間であり、前記電圧パルスの印加タイミングから前記非対象期間が経過したときを前記判定対象期間の開始タイミングとするタイミング制御部と、を備える。
上記課題を解決するための異常検出方法は、調光装置に発生した異常を検出する異常検出方法であって、前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧が前記透明電極間に印加されることによって前記調光層の透過率を変更する。そして、異常検出方法は、前記電圧パルスの印加タイミングから、当該印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のリップルが閾値未満になるまでの所定期間である非対象期間が経過したときに、前記透明電極間の電流が前記閾値以上であるか否かを判断し、前記閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定することを含む。
上記課題を解決するための異常検出プログラムは、調光装置に発生した異常を異常検出装置に検出させる異常検出プログラムであって、前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧が前記透明電極間に印加されることによって前記調光層の透過率を変更する。そして、異常検出プログラムは、前記異常検出装置を、判定対象期間における前記透明電極間の電流が閾値以上であるか否かを判断し、閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定部と、前記電圧パルスの印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のリップルが前記閾値未満になるまでの所定期間が非対象期間であり、前記電圧パルスの印加タイミングから前記非対象期間が経過したときを前記判定対象期間の開始タイミングとするタイミング制御部として機能させる。
上記構成によれば、電圧パルスが透明電極間に印加される都度、タイミング制御部が判定対象期間を設定する。各判定対象期間では、透明電極間の電流が閾値以上であるか否かが判断されて、透明電極間の電流が閾値以上であることが異常であると判定される。そして、調光装置における異常の有無が、電圧パルスの印加周期で判断されるため、調光装置に異常が生じた場合には、異常が生じていることが即座に検出される。
この際、電圧パルスの印加タイミングに生じた電流のリップルは、判定部による判断の対象から除外される。そして、電圧パルスの印加による電流のリップルは、調光装置に発生した異常による電流とは判断されず、正常な電流として取り扱われる。結果として、リップルに起因した誤判定が抑制されて、調光装置に発生した異常の検出精度が向上可能ともなる。
上記異常検出装置において、前記タイミング制御部は、前記電圧パルスの印加タイミングを制御してもよい。この構成によれば、共通する単一のタイミング制御部が、リップルが生じはじめるタイミング(電圧パルスの印加タイミング)と、リップル以外を検出しはじめるタイミング(判定対象期間の開始タイミング)とを制御する。そのため、電圧パルスの印加による電流のリップルを判断の対象から除外することの精度向上が可能ともなる。
上記異常検出装置において、前記判定部は、前記透明電極間の電流を検出する検出回路と、前記検出回路の検出信号に対し一部をマスクするマスク回路と、前記マスク回路によるマスク後の検出信号が前記閾値以上であるか否かを判断し、前記閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定回路と、を備え、前記タイミング制御部は、前記マスク回路がマスクする期間を前記非対象期間としてもよい。
上記構成によれば、検出回路は、非対象期間を含めて透明電極間の電流を検出し、かつ、マスク回路は、検出信号に対し非対象期間の検出信号をマスクする。結果として、調光装置での異常が非対象期間を跨いで発生する場合にも、調光装置の異常が検出可能となる。
上記異常検出装置において、前記判定部は、前記判定対象期間の検出信号での最大値を保持するピークホールド回路をさらに備え、前記判定回路は、前記ピークホールド回路が保持する前記最大値が前記閾値以上であるか否かを判断し、前記閾値以上の最大値が検出されることを異常であると判定し、前記タイミング制御部は、前記印加タイミングの直前に前記ピークホールド回路をリセットしてもよい。
上記構成によれば、判定対象期間に検出された電流の最大値が、ピークホールド回路に保持される。そのため、検出信号が閾値以上であるか否かの判断を検出順に逐次実行する構成と比べて、判断の回数を低減可能でもある。
例えば、検出信号であるアナログ信号を判断用のデジタル信号に変換する構成では、検出信号のA/D変換に時間を要する。検出信号と閾値との比較を検出順に逐次実行する構成では、各検出信号の判断に際し、A/D変換の時間が必要となる。結果として、A/D変換の所要時間以上の周期で判断が実行されてしまい、検出電流の最大値が判断の対象から外れるおそれがある。この点、検出電流の最大値が保持される構成であれば、判定対象期間に検出された全ての検出信号に対しA/D変換が1回で足りるため、検出電流の最大値が判断の対象から外れることが抑制可能となる。
上記異常検出装置において、前記調光装置は、定電圧電源の電圧レベルを前記電圧パルスの電圧レベルに変換する昇圧回路と、前記昇圧回路の出力レベルから前記駆動電圧を生成する駆動電圧生成回路と、をさらに備え、前記タイミング制御部は、前記駆動電圧生成回路の出力タイミングを制御して前記駆動電圧を前記透明電極間に印加すると共に、前記異常であると判定されたときに、前記駆動電圧の印加を停止させてもよい。この構成によれば、調光装置が異常であると判定部が判定したときに、タイミング制御部が駆動電圧の印加を停止する。そのため、調光装置の異常に起因した消費電力の増大が抑制可能ともなる。
上記異常検出装置において、前記判定部は、前記透明電極間の電流を検出する検出回路を備え、前記駆動電圧生成回路は、フルブリッジ回路を備え、前記フルブリッジ回路は、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチを備え、直列接続された前記第1スイッチおよび前記第3スイッチと、直列接続された前記第2スイッチおよび前記第4スイッチとが並列接続されている。また、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続部が前記昇圧回路の出力レベルに接続され、前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部が前記検出回路を介して接地レベルに接続され、前記第1スイッチと前記第3スイッチとの接続部が一方の前記透明電極に接続され、前記第2スイッチと前記第4スイッチとの接続部が他方の前記透明電極に接続されている。前記タイミング制御部は、前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオンし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオフすることと、前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオフし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオンすることとを交互に繰り返して、前記駆動電圧を前記透明電極間に印加する。そして、前記検出回路は、前記透明電極間の電流として、前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部から接地レベルに流れる電流を検出してもよい。
上記構成によれば、第1スイッチと第3スイッチとの接続部は、一方の透明電極に接続される。第2スイッチと第4スイッチとの接続部は、他方の透明電極に接続される。そして、第3スイッチと第4スイッチとの接続部の接続先は、一方の透明電極と、他方の透明電極とに切り替わる。すなわち、検出回路が検出する電流の流れる経路は、一方の透明電極と接地レベルとを接続する経路と、他方の透明電極と接地レベルとを接続する経路とに切り替わる。
ここで、透明電極間に印加される電圧パルスの極性が変わると、透明電極間の電流が流れる方向も反転する。この点、上記構成であれば、検出回路が検出する対象は、電圧パルスの極性が変わることに合わせて上記のように変わる。結果として、透明電極間で電流の流れる方向が反転するとしても、検出回路が検出する電流の流れる方向は一定となる。そして、片方向に流れる電流を検出する簡素な構成が、検出回路に採用可能である。
上記異常検出装置は、前記定電圧電源の出力電流が所定値以上であるとき、ヒューズを溶断して前記昇圧回路と定電圧電源との接続を断つ過電流保護回路をさらに備えてもよい。
過電流保護回路が備えたヒューズは、正常な電流のリップルでは溶断されないように、溶断電流を大きく設定される。一方、溶断電流が大きいヒューズは、定電圧電源が過電流を出力する際に、定電圧電源と昇圧回路との接続を即座には断ち難い。この点、上述した構成であれば、調光装置が異常であると判断されたときに、駆動電圧の印加が停止する。すなわち、調光装置を駆動するための各種の回路は、タイミング制御部が行う制御によって、調光装置自体の異常に対し保護される。そして、調光装置を駆動するための各種の回路は、溶断電流が大きいヒューズを備えた過電流保護回路によって、他の回路の異常に対し適切に保護される。
上記異常検出装置は、前記異常であると判定されたときに、前記調光装置に異常が発生した旨を外部に報知する報知部をさらに備えてもよい。この構成によれば、調光装置に異常が発生していることが外部に報知される。そのため、外部から視認される程度の異常に対し、調光装置を駆動するための回路に生じた異常と、調光装置自体に生じた異常とのいずれが要因であるかが把握される。結果として、調光装置に関わる異常に対し対処が容易ともなる。
異常検出装置、異常検出方法、および、異常検出プログラムの一実施形態を説明する。
図1が示すように、調光装置は、調光シート10を備える。調光シート10は、車両や航空機などの移動体が備える窓に貼り付けられる。また、調光シート10は、住宅、駅、空港などの建物が備える窓、オフィスなどに設置されたパーティション、店舗などに設置されたショーウインドウに貼り付けられる。
図1が示すように、調光装置は、調光シート10を備える。調光シート10は、車両や航空機などの移動体が備える窓に貼り付けられる。また、調光シート10は、住宅、駅、空港などの建物が備える窓、オフィスなどに設置されたパーティション、店舗などに設置されたショーウインドウに貼り付けられる。
調光シート10が貼り付けられる対象は、平面状、曲面状、不定形状などの各種の形状を有する。調光シート10の形状は、矩形以外の幾何学形状、不定形状などのシート状、あるいは、板状に変更可能である。
調光シート10の型式は、液晶型、あるいは、エレクトロクロミック型である。液晶型は、液晶分子に印加される電場の大きさに応じて、光を散乱する状態と、光を透過する状態との間で、液晶分子の配向を可逆的に変える。エレクトロクロミック型は、調光シート10に印加される電圧の大きさに応じて可逆的に酸化還元反応を進めると共に、その酸化還元反応の進行に伴って光の吸収率を変える。液晶型の調光シート10に対する異常検出と、エレクトロクロミック型の調光シート10に対する異常検出とは、同様であるため、以下では、調光シート10の型式が液晶型である例を示す。
調光シート10は、第1透明電極11、第2透明電極12、および、調光層13を備える。各透明電極11,12は、可視光透過性と電気伝導性とを備える。各透明電極11,12を構成する材料は、酸化インジウムスズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、銀合金薄膜からなる群から選択されるいずれか一種である。
調光層13は、液晶組成物を含む。液晶組成物に含まれる液晶分子の一例は、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系からなる群から選択される一種である。
液晶組成物の保持型式は、高分子ネットワーク型、高分子分散型、カプセル型からなる群から選択されるいずれか一種である。高分子ネットワーク型は、3次元の網目状を有した高分子ネットワークを備えて、高分子ネットワークが有する空隙に液晶組成物を保持する。高分子分散型は、孤立した多数の空隙を高分子層のなかに備えて、高分子層に分散した空隙のなかに液晶組成物を保持する。カプセル型は、カプセル状を有した液晶組成物を高分子層のなかに保持する。
調光層13は、容量成分と抵抗成分との並列回路として見なされる。調光層13は、駆動電圧の印加を受けて、液晶分子の配向方向を変える。配向方向の変更は、調光層13に入射する可視光の散乱度合い、吸収度合い、および、透過度合いを変える。
調光シート10の型式は、ノーマル型とリバース型とのいずれか一種である。ノーマル型は、駆動電圧の印加によって、高透過率を実現する。また、ノーマル型は、駆動電圧の印加停止によって、低透過率を実現する。これに対して、リバース型は、駆動電圧の印加によって、低透過率を実現する。また、リバース型は、駆動電圧の印加停止によって、低透過率を実現する。
調光装置は、駆動回路20を備える。駆動回路20は、定電圧電源21、過電流保護回路22、昇圧回路23、降圧回路24、および、駆動電圧生成回路を構成するフルブリッジ回路25を備える。
異常検出装置は、タイミング制御部31、入力装置32、検出回路33、マスク回路34、ピークホールド回路35、判定回路36、および、報知部37を備える。検出回路33、マスク回路34、ピークホールド回路35、および、判定回路36は、判定部を構成する。
定電圧電源21は、移動体が搭載する電源、あるいは、建物が備える電源である。定電圧電源21は、直流定電圧を出力する。直流定電圧は、例えば、12Vである。
過電流保護回路22は、定電圧電源21と昇圧回路23とに接続されて、定電圧電源21が出力する直流定電圧を昇圧回路23に入力する。過電流保護回路22は、定電圧電源21と降圧回路24とに接続されて、定電圧電源21が出力する直流定電圧を降圧回路24に入力する。過電流保護回路22は、定電圧電源21の出力電流が所定値以上であるとき、ヒューズを溶断して、定電圧電源21と、昇圧回路23および降圧回路24との接続を断つ。過電流保護回路22が備えたヒューズは、正常電流のリップルでは溶断されないように、大きな溶断電流を備える。
昇圧回路23は、定電圧電源21が出力する直流定電圧の電圧レベルを、駆動電圧を生成するための電圧レベルに昇圧する。駆動電圧は、相互に異なる極性の電圧パルス(図2を参照)を交互に繰り返す。駆動電圧を生成するための電圧レベルは、駆動電圧の印加によって液晶分子の配向を変える。駆動電圧を生成するための電圧レベルは、例えば、50Vである。
降圧回路24は、定電圧電源21が出力する直流定電圧の電圧レベルを、タイミング制御部31を駆動するための電圧レベルに降圧する。タイミング制御部31を駆動するための電圧レベルは、例えば、3.3Vである。
タイミング制御部31は、中央演算処理装置、および、メモリを備える。タイミング制御部31は、各種の処理を全てソフトウェアで処理するものに限らない。例えば、タイミング制御部31は、各種の処理のうちの少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア(特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。タイミング制御部31は、ASICなどの1つ以上の専用のハードウェア回路、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ(マイクロコンピュータ)、あるいは、これらの組み合わせ、を含む回路として構成される。なお、以下では、タイミング制御部31が、読み取り可能な可読媒体に異常検出プログラムを記憶し、可読媒体が記憶する異常検出プログラムを読み出して実行し、駆動電圧の印加処理、および、異常検出処理を行う例を説明する。
フルブリッジ回路25は、第1スイッチQ1、第2スイッチQ2、第3スイッチQ3、第4スイッチQ4を備える。第1スイッチQ1は、pチャンネル型トランジスタである。第3スイッチQ3は、nチャンネル型トランジスタである。第1スイッチQ1と第3スイッチQ3とが、CMOSトランジスタを構成する。また、第2スイッチQ2は、pチャンネル型トランジスタである。第4スイッチQ4は、nチャンネル型トランジスタである。第2スイッチQ2と第4スイッチQ4とが、CMOSトランジスタを構成する。
なお、トランジスタのゲート信号の電圧レベルを、第1スイッチQ1、および、第2スイッチQ2のソース端子のレベルにまでシフト可能な専用ICなどをタイミング制御部31に内蔵した場合には、第1スイッチQ1、および、第2スイッチQ2は、nチャンネル型トランジスタを使用することも可能である。
なお、トランジスタのゲート信号の電圧レベルを、第1スイッチQ1、および、第2スイッチQ2のソース端子のレベルにまでシフト可能な専用ICなどをタイミング制御部31に内蔵した場合には、第1スイッチQ1、および、第2スイッチQ2は、nチャンネル型トランジスタを使用することも可能である。
第1スイッチQ1と第3スイッチQ3とは、直列接続されている。第2スイッチQ2と第4スイッチQ4とは、直列接続されている。直列接続された第1スイッチQ1、および、第3スイッチQ3と、直列接続された第2スイッチQ2、および、第4スイッチQ4とは、並列接続されている。
第1スイッチQ1と第3スイッチQ3との接続部は、第1透明電極11に接続されている。第2スイッチQ2と第4スイッチQ4との接続部は、第2透明電極12に接続されている。
第1スイッチQ1と第2スイッチQ2との接続部は、昇圧回路23の出力端に接続されている。第3スイッチQ3と第4スイッチQ4との接続部は、検出回路33を介して接地レベルに接続されている。
タイミング制御部31は、フルブリッジ回路25の出力タイミングを制御して、第1透明電極11と第2透明電極12との間に駆動電圧を印加する。
タイミング制御部31は、フルブリッジ回路25の出力タイミングを制御して、第1透明電極11と第2透明電極12との間に駆動電圧を印加する。
すなわち、タイミング制御部31は、第1スイッチQ1、および、第4スイッチQ4をオンし、かつ、第2スイッチQ2、および、第3スイッチQ3をオフし、それによって、第1透明電極11が接地レベルであって、かつ、第2透明電極12が昇圧回路23の出力レベルとなる電圧パルスを、透明電極11,12間に印加する。
また、タイミング制御部31は、第1スイッチQ1、および、第4スイッチQ4をオフし、かつ、第2スイッチQ2、および、第3スイッチQ3をオンし、それによって、第1透明電極11が昇圧回路23の出力レベルであって、かつ、第2透明電極12が接地レベルである電圧パルスを、透明電極11,12間に印加する。
そして、タイミング制御部31は、昇圧回路23の出力レベルを、第1透明電極11と第2透明電極12とに交互に繰り返して印加する。また、タイミング制御部31は、第1透明電極11が昇圧回路23の出力レベルである期間と、第2透明電極12が昇圧回路23の出力レベルである期間との間に、全てのスイッチQ1,Q2,Q3,Q4をオフし、各透明電極11,12がフローティング状態である期間とする。
入力装置32は、オルタネイト型の機械的スイッチ、あるいは、タッチパネルスイッチなどの入力インターフェースを備える。入力装置32は、調光装置を駆動させるためのスイッチ操作を受けて、当該操作に対応する操作信号をタイミング制御部31に入力する。入力装置32は、調光装置の駆動を停止させるためのスイッチ操作を受けて、当該操作に対応する操作信号をタイミング制御部31に入力する。タイミング制御部31は、各操作信号の入力を受けて、各操作信号に準じた処理を実行する。
検出回路33は、第3スイッチQ3と第4スイッチQ4との接続部と、接地レベルとに接続さてれている。検出回路33は、第3スイッチQ3と第4スイッチQ4との接続部から接地レベルに流れる電流を検出する。第3スイッチQ3と第4スイッチQ4との接続部から接地レベルに流れる電流は、第1透明電極11と第2透明電極12との間に流れる電流として取り扱われる。
なお、上述したように、第2スイッチQ2と第4スイッチQ4との接続部は、第1透明電極に接続される。第1スイッチQ1と第3スイッチQ3との接続部は、第2透明電極12に接続される。そして、駆動電圧が調光シート10に印加されるとき、第3スイッチQ3と第4スイッチQ4との接続部の接続先は、第1透明電極11と、第2透明電極12とに切り替わる。すなわち、検出回路33が検出する電流の流れる経路は、第1透明電極11と接地レベルとを接続する経路と、第2透明電極12と接地レベルとを接続する経路とに切り替わる。
ここで、透明電極11,12間に印加される電圧パルスの極性が変わると、透明電極11,12間の電流が流れる方向も反転する。この点、検出回路33が検出する対象は、電圧パルスの極性が変わることに合わせて上記のように変わる。結果として、透明電極11,12間で電流の流れる方向が反転するとしても、検出回路33が検出する電流の流れる方向は一定となる。そのため、片方向に流れる電流を検出する簡素な構成が、検出回路33に採用可能である。
マスク回路34は、検出回路33に接続されている。マスク回路34は、検出回路33が逐次出力する検出信号Ia(検出電流)に対し一部をマスクし、マスク後の検出信号Iaである抽出信号Imを出力する。マスク回路34は、マスクを行う期間中、透明電極11,12間の電流が閾値Ith未満であることを示す抽出信号Imを出力する。マスク回路34は、マスクを行わない期間中、検出信号Iaに相当する抽出信号Imを出力する。
タイミング制御部31は、マスク回路34がマスクを行う期間を制御する。マスク回路34がマスクする期間は、非対象期間である。マスク回路34がマスクしない期間は、判定対象期間である。
タイミング制御部31は、非対象期間を定めるためのマスク信号SIGMをマスク回路34に入力する。マスク信号SIGMの立ち上がりは、非対象期間が始まるタイミングであって、判定対象期間が終わるタイミングである。マスク信号SIGMの立ち下がりは、非対象期間が終わるタイミングであって、判定対象期間が始まるタイミングである。
タイミング制御部31は、電圧パルスを印加するタイミング(印加タイミング)から非対象期間を開始する。タイミング制御部31は、印加タイミングに生じた透明電極11,12間の電流のリップルが閾値Ith未満になった後に非対象期間を終了する。すなわち、タイミング制御部31は、電圧パルスの印加タイミングに判定対象期間を終了し、判定対象期間の終了から非対象期間が経過したときに、判定対象期間を再度開始する。
電圧パルスの印加タイミングで透明電極11,12間に流れる電流のリップルは、正常電流による波形の乱れである。正常電流によるリップルが閾値Ith未満になるまでの期間は、例えば、調光シート10が有する容量成分と抵抗成分とに基づいて予め定められる。あるいは、正常電流によるリップルが閾値Ith未満になるまでの期間は、例えば、調光シート10を用いた試験研究に基づいて予め定められる。
閾値Ith以上の電流は、正常電流でのリップルを除いて、透明電極11,12間に流れる異常電流である。透明電極11,12間に流れる異常電流は、第1透明電極11と第2透明電極12との接触などによって生じる。閾値Ithは、透明電極11,12間に異常電流が流れていると推定される値であって、透明電極11,12間に短絡が生じている状態などに基づいて予め定められる。
ピークホールド回路35は、マスク回路34に接続されている。ピークホールド回路35は、マスク回路34が出力する抽出信号Imのなかで最大値を保持する。ピークホールド回路35は、保持している最大値をサンプル信号Isとして出力する。ピークホールド回路35が保持する最大値は、ピークホールド回路35にリセット信号SIGRが入力されてから、ピークホールド回路35に再度リセット信号SIGRが入力されるまで、更新され続ける。
タイミング制御部31は、ピークホールド回路35をリセットするタイミングを制御する。タイミング制御部31は、ピークホールド回路35をリセットするタイミングを、タイミング制御部31が定める非対象期間内とする。
判定回路36は、ピークホールド回路35に接続されている。判定回路36は、ピークホールド回路35が出力するサンプル信号Isを用い、ピークホールド回路35が保持する最大値が閾値Ith以上か否かを判断する。すなわち、判定回路36は、判定対象期間における透明電極11,12間の電流が閾値Ith以上であるか否かを判断する。そして、判定回路36は、閾値Ith以上の電流が検出されることを異常であると判定する。判定回路36は、調光装置が異常であると判定した結果を、タイミング制御部31、および、報知部37に別々に入力する。例えば、判定回路36は、A/D変換器を備え、サンプル信号Isであるアナログ信号を、判断用のデジタル信号に変換する。
タイミング制御部31は、調光装置が正常であると判定した結果の入力を受けて、第1透明電極11と第2透明電極12との間に駆動電圧を印加し続ける。タイミング制御部31は、調光装置が異常であると判定した結果の入力を受けて、全てのスイッチQ1,Q2,Q3,Q4をオフする。そして、タイミング制御部31は、第1透明電極11、および、第2透明電極12と、タイミング制御部31とを分離し、第1透明電極11と第2透明電極12との間への駆動電圧の印加を停止する。
報知部37は、調光装置が異常であると判定した結果の入力を受けて、調光装置が異常である旨のメッセージを出力する。
報知部37は、調光装置が異常であると判定した結果の入力を受けて、調光装置が異常である旨のメッセージを出力する。
[作用]
上記異常検知装置が行う異常検知方法を、マスク信号SIGM、リセット信号SIGR、検出信号Ia、抽出信号Im、および、サンプル信号Isの推移を用いて説明する。
上記異常検知装置が行う異常検知方法を、マスク信号SIGM、リセット信号SIGR、検出信号Ia、抽出信号Im、および、サンプル信号Isの推移を用いて説明する。
なお、図2(a)は、タイミング制御部31が出力するマスク信号SIGM、第1透明電極11の電圧レベルV11、第2透明電極12の電圧レベルV12、および、リセット信号SIGRの推移を示す。図2(b)は、透明電極11,12間に流れる正常電流と、ピークホールド回路35のサンプル信号Isとの推移を示す。図2(c)は、透明電極11,12間に流れる正常電流、および、異常電流と、ピークホールド回路35のサンプル信号Isとの推移を示す。
図2が示すように、まず、タイミング制御部31は、全てのスイッチQ1,Q2,Q3,Q4をオフした状態で待機する。すなわち、タイミング制御部31は、各透明電極11,12をフローティング状態で待機する。
次いで、タイミング制御部31は、タイミングtaにマスク信号SIGMを立ち上げて、マスク回路34にマスクを開始させる。また、タイミング制御部31は、タイミングtaに、第2スイッチQ2、および、第3スイッチQ3をオンし、かつ、第1スイッチQ1、および、第4スイッチQ4をオフする。そして、タイミング制御部31は、第1透明電極11が接地レベルであって、かつ、第2透明電極12が昇圧回路23の出力レベルとなる電圧パルスの印加を開始する。
次いで、タイミング制御部31は、タイミングtaが経過した後にリセット信号SIGRを立ち上げて、ピークホールド回路35をリセットする。続いて、タイミング制御部31は、タイミングtaから非対象期間が経過するまでにリセット信号SIGRを立ち下げる。また、タイミング制御部31は、タイミングtaから非対象期間が経過したときに(タイミングtbに)、マスク信号SIGMを立ち下げて、マスク回路34にマスクを終了させる。そして、タイミング制御部31は、タイミングtaから非対象期間が経過したときを、判定対象期間の開始タイミング(タイミングtb)とする。
ここで、タイミングtaは、電圧パルスの印加が開始される印加タイミングである。透明電極11,12間の電流は、タイミングtaの直後にリップルを生じる。検出回路33が検出したリップルは、閾値Ith以上である。
一方、タイミングtaからタイミングtbまでは、非対象期間である。タイミング制御部31は、リップルが生じるときに、マスク回路34にマスクを開始させて、リップルが生じている間に、ピークホールド回路35をリセットする。そして、タイミング制御部31は、リップルが閾値未満になると推定される非対象期間が経過するまで、マスク回路34にマスクを継続させる。
結果として、マスク回路34は、タイミングtaからタイミングtbまで、透明電極11,12間の電流が閾値Ith未満であることを示す抽出信号Imを出力する。また、ピークホールド回路35は、閾値Ith未満の最大値を示すサンプル信号Isを出力する。そして、判定回路36は、透明電極11,12間の電流が閾値Ith未満であると判断し、調光装置が正常であると判定する。
続いて、タイミング制御部31は、タイミングtcまで、第2スイッチQ2、および、第3スイッチQ3をオンし、かつ、第1スイッチQ1、および、第4スイッチQ4をオフする。そして、タイミング制御部31は、第1透明電極11が接地レベルであって、かつ、第2透明電極12が昇圧回路23の出力レベルとなる電圧パルスを印加し続ける。
次いで、タイミング制御部31は、タイミングtcに、全てのスイッチQ1,Q2,Q3,Q4をオフし、各透明電極11,12をフローティング状態とする。そして、タイミング制御部31は、タイミングtcを、判定対象期間が終了するタイミングとする。なお、タイミング制御部31は、次回のタイミングtaまで、全てのスイッチQ1,Q2,Q3,Q4をオフした状態で待機する。
また、タイミング制御部31は、タイミングtcまで、リセット信号SIGRを立ち下げ続けて、抽出信号Imの最大値をピークホールド回路35に保持させる。また、タイミング制御部31は、マスク信号SIGMを立ち下げ続けて、マスク回路34にマスクを停止させる。そして、タイミング制御部31は、次回のタイミングtaに、リセット信号SIGRを立ち上げて、ピークホールド回路35をリセットする。また、タイミング制御部31は、マスク信号SIGMを立ち上げて、マスク回路34にマスクを開始させる。
ここで、図2(b)が示すように、透明電極11,12間に正常電流が流れている場合、マスク回路34は、透明電極11,12間の電流が閾値Ith未満であることを示す抽出信号Imを出力する。ピークホールド回路35は、閾値Ith未満の最大値を示すサンプル信号Isを出力する。そして、判定回路36は、透明電極11,12間の電流が閾値Ith未満であると判断し、調光装置が正常であると判定する。
これに対し、図2(c)が示すように、透明電極11,12間に異常電流が流れている場合、マスク回路34は、透明電極11,12間に閾値Ith以上の電流が流れたことを示す抽出信号Imを出力する。ピークホールド回路35は、閾値Ith以上の最大値を示すサンプル信号Isを出力する。そして、判定回路36は、透明電極11,12間の電流が閾値Ith以上であると判断し、調光装置が異常であると判定する。
そして、報知部37は、調光装置が異常であると判定した結果の入力を受けて、調光装置が異常である旨のメッセージを出力する。また、タイミング制御部31は、次回のタイミングtaが経過した後も、全てのスイッチQ1,Q2,Q3,Q4をオフする。それによって、第1透明電極11、および、第2透明電極12がタイミング制御部31から分離され、第1透明電極11と第2透明電極12との間への駆動電圧の印加が停止され続ける。
以上、上記実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)電圧パルスが透明電極11,12間に印加される都度、タイミング制御部31が判定対象期間を設定する。そして、調光装置における異常の有無が、電圧パルスの印加周期で判断されるため、調光装置に異常が生じた場合には、異常が生じていることが即座に検出される。
(1)電圧パルスが透明電極11,12間に印加される都度、タイミング制御部31が判定対象期間を設定する。そして、調光装置における異常の有無が、電圧パルスの印加周期で判断されるため、調光装置に異常が生じた場合には、異常が生じていることが即座に検出される。
(2)タイミングtaに生じた電流のリップルは、判定回路36による判定の対象から除外される。結果として、リップルに起因した誤判定が抑制されて、調光装置に発生した異常の検出精度が向上可能ともなる。
(3)共通する単一のタイミング制御部31が、リップルが生じはじめるタイミングと、リップル以外を検出しはじめるタイミングとを制御する。そのため、電圧パルスの印加による電流のリップルを判定の対象から除外することの精度向上が可能ともなる。
(4)検出回路33は、非対象期間を含めて透明電極11,12間の電流を検出し、かつ、マスク回路34は、検出信号Iaに対し非対象期間の検出信号Iaをマスクする。結果として、調光装置での異常が非対象期間を跨いで発生する場合にも、調光装置の異常が検出可能となる。
(5)判定対象期間に検出された電流の最大値が、ピークホールド回路35に保持される。そのため、抽出信号Imが閾値以上であるか否かの判断を検出順に逐次実行する構成と比べて、判断の回数を低減可能でもある。
(6)特に、抽出信号Imであるアナログ信号を判断用のデジタル信号に変換する判定回路36では、抽出信号ImのA/D変換に時間を要する。抽出信号Imと閾値Ithとを検出順に逐次実行する構成では、抽出信号Imの判断に際し、A/D変換の時間が必要となる。そして、A/D変換の所要時間以上の周期で判断が実行されてしまい、抽出信号Imの最大値が判断の対象から外れるおそれがある。この点、抽出信号Imの最大値が保持される構成であれば、判定対象期間に検出された全ての抽出信号Imに対しA/D変換が1回で足りるため、抽出信号Imの最大値が判断の対象から外れることが抑制可能となる。
(7)また、検出回路33、マスク回路34、および、ピークホールド回路35がアナログ回路によって構成される場合には、検出信号Iaの出力からサンプル信号Isの出力までに要する時間が短縮可能である。結果として、調光装置における異常の検出を実時間で行うことが可能ともなる。
(8)調光装置が異常であると判定回路36が判定したときに、タイミング制御部31が駆動電圧の印加を停止する。そのため、調光装置の異常による消費電力の増大が抑制可能ともなる。
(9)透明電極11,12間で電流の流れる方向が反転するとしても、検出回路33が検出する電流の流れる方向は一定である。そのため、片方向に流れる電流を検出する簡素な構成が、検出回路33に採用可能である。
(10)溶断電流が大きいヒューズは、定電圧電源21が過電流を出力する際に、定電圧電源21と昇圧回路23との接続を即座には断ち難い。一方、上述した構成であれば、調光装置が異常であると判断されたときに、駆動電圧の印加が停止する。すなわち、調光装置を駆動するための各種の回路は、タイミング制御部31が行う制御によって、調光装置自体の異常に対し保護される。そして、調光装置を駆動するための各種の回路は、溶断電流が大きいヒューズを備えた過電流保護回路22によって、他の回路の異常に対し適切に保護される。
(11)調光装置に異常が発生していることが外部に報知される。そのため、外部から視認される程度の異常に対し、調光装置を駆動するための回路に生じた異常と、調光装置自体に生じた異常とのいずれが要因であるかが把握される。結果として、調光装置に関わる異常に対し対処が容易ともなる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更可能である。
・タイミング制御部31は、マスク信号SIGMが立ち上がるタイミングを、電圧パルスの印加タイミングよりも所定時間前に設定可能である。この際、非対象期間は、電圧パルスの印加タイミングから、マスク信号SIGMが立ち下がるまでの期間である。この構成によれば、電圧パルスの印加による電流のリップルが生じる前に、マスク回路34が検出信号Iaをマスクする。そのため、リップルに起因した誤判定がさらに抑制可能ともなる。
・タイミング制御部31は、マスク信号SIGMが立ち上がるタイミングを、電圧パルスの印加タイミングよりも所定時間前に設定可能である。この際、非対象期間は、電圧パルスの印加タイミングから、マスク信号SIGMが立ち下がるまでの期間である。この構成によれば、電圧パルスの印加による電流のリップルが生じる前に、マスク回路34が検出信号Iaをマスクする。そのため、リップルに起因した誤判定がさらに抑制可能ともなる。
・タイミング制御部31は、リセット信号SIGRが立ち上がるタイミングを、マスク信号SIGMが立ち上がるタイミング、あるいは、電圧パルスの印加タイミングに変更可能である。また、タイミング制御部31は、リセット信号SIGRが立ち下がるタイミングを、マスク信号SIGMが立ち下がるタイミングに変更可能である。
・調光装置は、フルブリッジ回路25の各スイッチQ1,Q2,Q3,Q4を駆動するためのフルブリッジ制御部を別途備え、タイミング制御部31は、マスク回路、および、ピークホールド回路35の駆動に特化した構成に変更可能である。この際、タイミング制御部31は、非対象期間の開始タイミングと、非対象期間の終了タイミングとを、フルブリッジ制御部が制御信号を出力するタイミングに基づいて定める。フルブリッジ制御部は、調光装置が異常であると判定された結果を受けて、駆動電圧の印加を停止する。
・異常検出装置は、マスク回路34、ピークホールド回路35、および、判定回路36を割愛されて、A/D変換器、中央演算処理装置、および、メモリを備えた判定部を別途備え、ソフトウェアで各種の処理を行うものに変更可能である。この際、判定部は、検出回路33の検出信号Iaをデジタル信号として取り扱い、検出信号Iaにマスクを施すマスク処理、マスク処理の結果のなかの最大値を保持するホールド処理、および、最大値と閾値Ithとの比較に基づいて異常の有無を判定する判定処理を行う。
・タイミング制御部31は、検出回路33が判定対象期間にのみ電流を検出するように、検出回路33の検出タイミングを制御してもよい。この際、異常検出装置は、マスク回路34を割愛可能である。
上記実施形態、および、変更例から導き出される技術的思想を以下に付記する。
[付記]
調光装置に用いられる異常検出装置であって、
前記調光装置は、
透明電極間に位置する調光層を備え、相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧が前記透明電極間に印加されることによって前記調光層の透過率を変更し、
定電圧電源の電圧レベルを前記電圧パルスの電圧レベルに変換する昇圧回路と、
前記昇圧回路の出力レベルから前記駆動電圧を生成する駆動電圧生成回路と、をさらに備え、
前記駆動電圧生成回路は、フルブリッジ回路を備え、
前記フルブリッジ回路は、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチを備え、直列接続された前記第1スイッチおよび前記第3スイッチと、直列接続された前記第2スイッチおよび前記第4スイッチとが並列接続され、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続部が前記昇圧回路に接続され、
前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部が前記検出回路を介して接地レベルに接続され、
前記第1スイッチと前記第3スイッチとの接続部に一方の前記透明電極が接続され、
前記第2スイッチと前記第4スイッチとの接続部に他方の前記透明電極が接続され、
前記調光装置は、
前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオンし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオフすることと、前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオフし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオンすることとを交互に繰り返して、前記駆動電圧を前記透明電極間に印加するタイミング制御部をさらに備え、
前記異常検出装置は、
前記透明電極間の電流が閾値以上であるか否かを判断し、閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定部を備え、
前記判定部は、前記透明電極間の電流を検出する検出回路を備え、
前記検出回路は、前記透明電極間の電流として、前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部から接地レベルに流れる電流を検出する、
異常検出装置。
[付記]
調光装置に用いられる異常検出装置であって、
前記調光装置は、
透明電極間に位置する調光層を備え、相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧が前記透明電極間に印加されることによって前記調光層の透過率を変更し、
定電圧電源の電圧レベルを前記電圧パルスの電圧レベルに変換する昇圧回路と、
前記昇圧回路の出力レベルから前記駆動電圧を生成する駆動電圧生成回路と、をさらに備え、
前記駆動電圧生成回路は、フルブリッジ回路を備え、
前記フルブリッジ回路は、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチを備え、直列接続された前記第1スイッチおよび前記第3スイッチと、直列接続された前記第2スイッチおよび前記第4スイッチとが並列接続され、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続部が前記昇圧回路に接続され、
前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部が前記検出回路を介して接地レベルに接続され、
前記第1スイッチと前記第3スイッチとの接続部に一方の前記透明電極が接続され、
前記第2スイッチと前記第4スイッチとの接続部に他方の前記透明電極が接続され、
前記調光装置は、
前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオンし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオフすることと、前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオフし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオンすることとを交互に繰り返して、前記駆動電圧を前記透明電極間に印加するタイミング制御部をさらに備え、
前記異常検出装置は、
前記透明電極間の電流が閾値以上であるか否かを判断し、閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定部を備え、
前記判定部は、前記透明電極間の電流を検出する検出回路を備え、
前記検出回路は、前記透明電極間の電流として、前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部から接地レベルに流れる電流を検出する、
異常検出装置。
上記付記に記載の構成によれば、第1スイッチと第3スイッチとの接続部は、一方の透明電極に接続される。第2スイッチと第4スイッチとの接続部は、他方の透明電極に接続される。そして、第3スイッチと第4スイッチとの接続部の接続先は、一方の透明電極と、他方の透明電極とに切り替わる。すなわち、検出回路が検出する電流の流れる経路は、一方の透明電極と接地レベルとを接続する経路と、他方の透明電極と接地レベルとを接続する経路とに切り替わる。
ここで、透明電極間に印加される電圧パルスの極性が変わると、透明電極間の電流が流れる方向も反転する。この点、上記付記に記載の構成であれば、検出回路が検出する対象は、電圧パルスの極性が変わることに合わせて上記のように変わる。結果として、透明電極間で電流の流れる方向が反転するとしても、検出回路が検出する電流の流れる方向は一定となる。そして、片方向に流れる電流を検出する簡素な構成が検出回路に採用可能であるから、異常検出装置の構成が簡素化可能である。
Ia…検出信号、Ith…閾値、SIGM…マスク信号、SIGR…リセット信号、Q1…第1スイッチ、Q2…第2スイッチ、Q3…第3スイッチ、Q4…第4スイッチ、10…調光シート、11…第1透明電極、12…第2透明電極、13…調光層、21…定電圧電源、22…過電流保護回路、23…昇圧回路、24…降圧回路、25…フルブリッジ回路、31…タイミング制御部、32…入力装置、33…検出回路、34…マスク回路、35…ピークホールド回路、36…判定回路、37…報知部。
Claims (10)
- 調光装置に用いられる異常検出装置であって、
前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧が前記透明電極間に印加されることによって前記調光層の透過率を変更し、
前記異常検出装置は、
判定対象期間における前記透明電極間の電流が閾値以上であるか否かを判断し、閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定部と、
前記電圧パルスの印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のリップルが前記閾値未満になるまでの所定期間が非対象期間であり、前記電圧パルスの印加タイミングから前記非対象期間が経過したときを前記判定対象期間の開始タイミングとするタイミング制御部と、を備える
異常検出装置。 - 前記タイミング制御部は、前記電圧パルスの印加タイミングを制御する
請求項1に記載の異常検出装置。 - 前記判定部は、
前記透明電極間の電流を検出する検出回路と、
前記検出回路の検出信号に対し一部をマスクするマスク回路と、
前記マスク回路によるマスク後の検出信号が前記閾値以上であるか否かを判断し、前記閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定回路と、を備え、
前記タイミング制御部は、
前記マスク回路がマスクする期間を前記非対象期間とする
請求項1または2に記載の異常検出装置。 - 前記判定部は、前記判定対象期間の検出信号での最大値を保持するピークホールド回路をさらに備え、
前記判定回路は、前記ピークホールド回路が保持する前記最大値が前記閾値以上であるか否かを判断し、前記閾値以上の最大値が検出されることを異常であると判定し、
前記タイミング制御部は、前記印加タイミングの直前に前記ピークホールド回路をリセットする
請求項3に記載の異常検出装置。 - 前記調光装置は、定電圧電源の電圧レベルを前記電圧パルスの電圧レベルに変換する昇圧回路と、前記昇圧回路の出力レベルから前記駆動電圧を生成する駆動電圧生成回路と、をさらに備え、
前記タイミング制御部は、前記駆動電圧生成回路の出力タイミングを制御して前記駆動電圧を前記透明電極間に印加すると共に、前記異常であると判定されたときに、前記駆動電圧の印加を停止させる
請求項1または2に記載の異常検出装置。 - 前記判定部は、前記透明電極間の電流を検出する検出回路を備え、
前記駆動電圧生成回路は、フルブリッジ回路を備え、
前記フルブリッジ回路は、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチを備え、直列接続された前記第1スイッチおよび前記第3スイッチと、直列接続された前記第2スイッチおよび前記第4スイッチとが並列接続され、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続部が前記昇圧回路の出力レベルに接続され、
前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部が前記検出回路を介して接地レベルに接続され、
前記第1スイッチと前記第3スイッチとの接続部が一方の前記透明電極に接続され、前記第2スイッチと前記第4スイッチとの接続部が他方の前記透明電極に接続され、
前記タイミング制御部は、前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオンし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオフすることと、前記第1スイッチ、および、前記第4スイッチをオフし、かつ、前記第2スイッチ、および、前記第3スイッチをオンすることとを交互に繰り返して、前記駆動電圧を前記透明電極間に印加し、
前記検出回路は、前記透明電極間の電流として、前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続部から接地レベルに流れる電流を検出する
請求項5に記載の異常検出装置。 - 前記定電圧電源の出力電流が所定値以上であるとき、ヒューズを溶断して前記昇圧回路と定電圧電源との接続を断つ過電流保護回路をさらに備える
請求項5または6に記載の異常検出装置。 - 前記異常であると判定されたときに、前記調光装置に異常が発生した旨を外部に報知する報知部をさらに備える
請求項1から7のいずれか一項に記載の異常検出装置。 - 調光装置に発生した異常を検出する異常検出方法であって、
前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧が前記透明電極間に印加されることによって前記調光層の透過率を変更し、
前記電圧パルスの印加タイミングから、当該印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のリップルが閾値未満になるまでの所定期間である非対象期間が経過したときに、前記透明電極間の電流が前記閾値以上であるか否かを判断し、前記閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定することを含む
異常検出方法。 - 調光装置に発生した異常を異常検出装置に検出させる異常検出プログラムであって、
前記調光装置は、透明電極間に位置する調光層を備え、相互に異なる極性の電圧パルスを交互に繰り返す駆動電圧が前記透明電極間に印加されることによって前記調光層の透過率を変更し、
前記異常検出装置を、
判定対象期間における前記透明電極間の電流が閾値以上であるか否かを判断し、閾値以上の電流が検出されることを異常であると判定する判定部と、
前記電圧パルスの印加タイミングに生じた前記透明電極間の電流のリップルが前記閾値未満になるまでの所定期間が非対象期間であり、前記電圧パルスの印加タイミングから前記非対象期間が経過したときを前記判定対象期間の開始タイミングとするタイミング制御部として機能させる
異常検出プログラム。
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