JP2021075816A - ライナー原紙用紙およびライナー原紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的強度および品質の安定性に優れるライナー原紙用紙および該ライナー原紙用紙を少なくとも一層に有するライナー原紙を提供すること。【解決手段】ライナー原紙を構成するライナー原紙用紙であり、ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、繊維長が0.1mm以下である繊維の割合が9.0%以下であり、かつ、数平均繊維長±10%の繊維長である繊維の割合が14.0%以上である、ライナー原紙用紙。【選択図】なし

Description

本発明は、ライナー原紙用紙およびライナー原紙に関する。
段ボールシートは、ライナー原紙と、波形形状を有する中芯とを備え、中芯の片面または両面にライナー原紙が配置される。ライナー原紙は、複数層のライナー原紙用紙からなる多層構造となっており、高強度化が図られている。
ライナー原紙用紙およびライナー原紙には、資源の有効活用およびコストの観点から、古紙の配合比率が高い原料が用いられることが多い(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許第4261990号公報 特開2009−249762号公報
しかしながら、古紙の配合比率が高い原料を用いたライナー原紙用紙から構成されたライナー原紙では、用途によっては、比圧縮強さ、比引張強さ、引張弾性率等の機械的強度が不十分である場合があり、また、品質の安定性に劣る場合がある。
本発明は、機械的強度および品質の安定性に優れるライナー原紙用紙および該ライナー原紙用紙を少なくとも一層に有するライナー原紙を提供することを目的とする。
本発明者は、ライナー原紙用紙を構成するパルプの繊維長の分布を特定の範囲にすることにより、機械的強度に優れるライナー原紙用紙が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の<1>〜<8>に関する。
<1> ライナー原紙を構成するライナー原紙用紙であり、該ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、繊維長が0.1mm以下である繊維の割合が9.0%以下であり、かつ、数平均繊維長±10%の繊維長である繊維の割合が14.0%以上である、ライナー原紙用紙。
<2> JIS P 8120:1998に準拠して測定される、ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、広葉樹未晒しパルプの含有量が20質量%以上である、<1>に記載のライナー原紙用紙。
<3> ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、繊維長が0.1mm以下である繊維の割合が1.0%以上である、<1>または<2>に記載のライナー原紙用紙。
<4> JIS P 8121−2:2012に準拠して測定される、ライナー原紙用紙を構成するパルプのカナダ標準ろ水度が230mL以上である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のライナー原紙用紙。
<5> JIS P 8156:2012に準拠して測定される比圧縮強さが24.0Nm/g以上である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のライナー原紙用紙。
<6> JIS P 8113:2006に準拠して測定される比引張強さが50.0Nm/g以上である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のライナー原紙用紙。
<7> JIS P 8113:2006に準拠して測定される引張弾性率が3.0GPa以上である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のライナー原紙用紙。
<8> <1>〜<7>のいずれか1つに記載のライナー原紙用紙を少なくとも一層に有する、ライナー原紙。
本発明によれば、機械的強度および品質の安定性に優れるライナー原紙用紙および該ライナー原紙用紙を少なくとも一層に有するライナー原紙が提供される。
[ライナー原紙用紙]
本発明のライナー原紙用紙は、ライナー原紙を構成するライナー原紙用紙であり、該ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、繊維長が0.1mm以下である繊維の割合が9.0%以下であり、かつ、数平均繊維長±10%の繊維長である繊維の割合が14.0%以上である。
なお、ライナー原紙は、多層構造を有しており、該多層構造を構成するそれぞれの層を「ライナー原紙用紙」という。したがって、ライナー原紙は、複数のライナー原紙用紙から構成されている。
ライナー原紙は、少なくとも第1紙層および第2紙層からなる多層構造を有し、表層は段ボールシートの表層を形成し、裏層は、段ボールシートの中芯と接着される。表層と裏層との間に、中層、表層と中層との間に表下層を備えていてもよい。これらの中でも、本発明のライナー原紙用紙は、表層に使用されることが好ましい。
本発明によれば、ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、繊維長が0.1mm以下である繊維の割合を特定の範囲とし、かつ、数平均繊維長±10%の繊維長である繊維の割合を特定の範囲とすることによって、機械的強度に優れるライナー原紙用紙が得られる。具体的には、繊維長が0.1mm以下の割合を9.0%以下とし、短繊維を少なくするとともに、数平均繊維長±10%の繊維長である繊維の割合を14.0%以上とし、繊維長の分布を狭くすることによって、機械的強度に優れるライナー原紙用紙が得られる。
また、本発明によれば、短繊維の割合が少ないので、従来のライナー原紙用紙よりもカナダ標準ろ水度が比較的高いものであっても、機械的強度に優れるライナー原紙用紙が得られる。
さらに、本発明によれば、原料パルプとして古紙を使用した場合であっても、ライナー原紙用紙を構成するパルプの繊維長を測定すれば、品質の良否を容易に判定することができるので、ライナー原紙用紙の品質を効率よく管理することができ、品質の安定性に優れるライナー原紙用紙、およびこれを備えるライナー原紙を提供することができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
<原料パルプ>
ライナー原紙用紙の原料パルプとしては、たとえば木材パルプ、非木材パルプ、および脱墨パルプが挙げられる。木材パルプとしては、特に限定されないが、たとえば広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)、晒しクラフトパルプ(BKP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ等が挙げられる。非木材パルプとしては、特に限定されないが、たとえばコットンリンター、コットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、バガス、竹等の非木材系パルプが挙げられる。脱墨パルプとしては、特に限定されないが、たとえば古紙を原料とする古紙パルプが挙げられる。原料パルプは、上記の1種を単独でも2種以上混合して用いてもよい。なお、原料パルプに、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機合成繊維、ポリノジック繊維等の再生繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機繊維を混用してもよい。
<ライナー原紙用紙構成パルプ>
ライナー原紙用紙を構成するパルプは、該パルプの繊維長を、本発明に好適な特定の範囲にしやすく、機械的強度に優れるライナー原紙用紙が得られる観点から、広葉樹未晒しパルプ(LUKP)を含有することが好ましい。同様の観点から、ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、広葉樹未晒しパルプの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上であり、その上限は、100質量%である。
ライナー原紙用紙を構成するパルプの組成は、JIS P 8220:2012に記載されるパルプの離解方法により離解されたライナー原紙用紙を試料とし、JIS P 8120:1998に準拠して測定される。
ライナー原紙用紙を構成するパルプは、広葉樹未晒しパルプに加えて、段ボールの古紙パルプ(以下、「段古紙」ともいう)を含有していてもよい。ライナー原紙用紙を構成するパルプが段ボールの古紙パルプを含有する場合でも、該パルプの繊維長を、本発明に好適な特定の範囲とすることによって、機械強度を保つことができる。機械的強度に優れるライナー原紙用紙を得る観点から、ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、段ボールの古紙パルプの含有量は、少ないことが好ましく、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、よりさらに好ましくは40質量%以下、よりさらに好ましくは20質量%以下である。
ライナー原紙用紙を構成するパルプが、広葉樹未晒しパルプに加えて、段ボールの古紙パルプを含有する場合、上記と同様の観点から両者の比率を調節しつつ、ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、広葉樹未晒しパルプおよび段ボールの古紙パルプの含有量を調整すればよい。その合計の含有量は、ライナー原紙用紙を構成するパルプ中、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
(繊維長および繊維長分布)
ライナー原紙用紙を構成するパルプの繊維長および繊維長分布は、JIS P 8220:2012に記載されるパルプの離解方法により離解されたライナー原紙用紙を試料とし、試料に含まれる繊維成分の中心線繊維長を繊維長測定装置(メッツォ・オートメーション社製カヤーニファイバーラボVer4.0)を用いて測定される。ライナー原紙用紙を構成するパルプの長さ加重平均繊維長は、得られた測定結果から算出される。また、ライナー原紙用紙を構成するパルプの数平均繊維長は、測定したすべての繊維長を算術平均することにより求められる。なお、繊維長および繊維長分布の測定は、上記の装置に限られず、同等品を使用して測定することもできる。
ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、繊維長が0.1mm以下である繊維の割合(存在比)は、繊維の本数を基準として、9.0%以下であり、好ましくは8.0%以下、より好ましくは7.0%以下、さらに好ましくは5.0%以下、よりさらに好ましくは3.0%以下であり、そして、好ましくは1.0%以上、より好ましくは2.0%以上である。繊維長が0.1mm以下である繊維の割合が上記範囲内であると、機械的強度に優れるライナー原紙用紙を得ることができ、また、後述するカナダ標準ろ水度が比較的高いライナー原紙用紙であっても優れた機械的強度を有しているので、品質、生産性等に優れる。
ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、数平均繊維長±10%の繊維長である繊維の割合(存在比)は、繊維の本数を基準として、14.0%以上であり、より好ましくは15.0%以上、さらに好ましくは16.0%以上であり、よりさらに好ましくは18.0%以上であり、そして、その上限は、好ましくは30.0%以下、より好ましくは25.0%以下である。数平均繊維長±10%の繊維長である繊維の割合が上記範囲内であると、機械的強度に優れるライナー原紙用紙を得ることができ、また、後述するカナダ標準ろ水度が比較的高いライナー原紙用紙であっても優れた機械的強度を有しているので、品質、生産性等に優れる。
(数平均繊維長)
ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、数平均繊維長は、好ましくは0.55mm以上、より好ましくは0.60mm以上であり、そして、好ましくは1.00mm以下、より好ましくは0.90mm以下である。数平均繊維長が上記範囲内であると、短繊維が少なく、機械的強度に優れるライナー原紙用紙が得られる。
本発明によれば、ライナー原紙用紙を構成するパルプの繊維長を測定すると、品質の良否を容易に判定することができるので、ライナー原紙用紙の品質を効率よく管理することができ、品質の安定性に優れるライナー原紙用紙および該ライナー原紙用紙を備えるライナー原紙を提供することができる。
(長さ加重平均繊維長)
ライナー原紙用紙を構成するパルプの長さ加重平均繊維長は、好ましくは1.10mm以下、より好ましくは1.00mm以下であり、そして、その下限は、好ましくは0.70mm以上である。長さ加重平均繊維長が上記範囲内であると、該パルプの繊維長を上記の特定の範囲にしやすく、機械的強度に優れるライナー原紙用紙が得られる。
ライナー原紙用紙を構成するパルプの長さ加重平均繊維長は、上述した方法により求められる測定値から算出される。
(ルンケル比)
ライナー原紙用紙を構成するパルプのルンケル比は、好ましくは1.20以下、より好ましくは1.10以下、さらに好ましくは1.00以下、よりさらに好ましくは0.80以下であり、その下限は、好ましくは0.50以上である。ルンケル比が上記範囲内であると、ライナー原紙用紙は、生産性、すなわち製紙適正に優れる。
ライナー原紙用紙を構成するパルプのルンケル比は、JIS P 8220:2012に記載されるパルプの離解方法により離解されたライナー原紙用紙を試料とし、繊維長測定装置を用いて測定を行い、繊維壁厚および繊維幅からルーメン径を算出し、下記式により算出される。
ルンケル比=繊維壁厚×2/ルーメン径=繊維壁厚×2/(繊維幅−繊維壁厚×2)
(繊維壁厚)
ライナー原紙用紙を構成するパルプの繊維壁厚は、好ましくは2.00μm以上、より好ましくは2.50μm以上であり、そして、好ましくは5.00μm以下、より好ましくは4.50μm以下、さらに好ましくは4.00μm以下である。繊維壁厚が上記範囲内であると、生産性、すなわち製紙適正に優れるライナー原紙用紙が得られる。
(ルーメン径)
ライナー原紙用紙を構成するパルプのルーメン径は、好ましくは7.00μm以上、より好ましくは7.50μm以上、さらに好ましくは8.00μm以上、よりさらに好ましくは8.50μm以上であり、そして、好ましくは10.00μm以下、より好ましくは9.50μm以下、さらに好ましくは9.00μm以下である。ルーメン径が上記範囲内であると、生産性、すなわち製紙適正に優れるライナー原紙用紙が得られる。
(平均繊維幅)
ライナー原紙用紙を構成するパルプの平均繊維幅は、好ましくは13.0μm以上、より好ましくは13.5μm以上、さらに好ましくは14.0μm以上であり、そして、好ましくは17.5μm以下、より好ましくは17.0μm以下、さらに好ましくは16.5μm以下である。平均繊維幅が上記範囲内であると、機械的強度に優れるライナー原紙用紙が得られる。
ライナー原紙用紙を構成するパルプの平均繊維幅は、JIS P 8220:2012に記載されるパルプの離解方法により離解されたライナー原紙用紙を試料とし、繊維長測定装置を用いて、算出される。
(カナダ標準ろ水度(CSF))
JIS P 8121−2:2012に準拠して測定される、ライナー原紙用紙を構成するパルプのカナダ標準ろ水度(CFS)は、230mL以上であることが好ましく、より好ましくは250mL以上、さらに好ましくは270mL以上であり、そして、好ましくは550mL以下、より好ましくは530mL以下、さらに好ましくは510mL以下である。カナダ標準ろ水度が上記範囲内であると、生産性等に優れる。
ライナー原紙用紙を構成するパルプのカナダ標準ろ水度は、JIS P 8220:2012に記載されるパルプの離解方法により離解されたライナー原紙用紙を試料として、JIS P 8121−2:2012に準拠して測定される。
<任意成分>
ライナー原紙用紙は、たとえば、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、染料等の任意成分を内添薬品として含んでいてもよい。
乾燥紙力増強剤としては、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
湿潤紙力増強剤としては、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂等が挙げられ、一般的に耐水化剤と呼ばれるものも含む。
サイズ剤としては、ロジンサイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤等の内添サイズ剤、スチレン/アクリル酸共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体等の表面サイズ剤が挙げられる。
染料としては、アゾ系染料等が挙げられる。
[ライナー原紙用紙の製造方法]
ライナー原紙用紙の製造方法は、ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、繊維長が0.1mm以下である繊維の割合が9.0%以下であり、かつ、数平均繊維長±10%の繊維長である繊維の割合が14.0%以上であるようにすることができる方法であれば、特に限定されない。
ライナー原紙用紙を構成するパルプの繊維長を上記の特定の範囲とすれば、機械的強度に優れるライナー原紙用紙を得ることができる。また、本発明によれば、ライナー原紙用紙を構成するパルプの繊維長を測定すると、品質の良否を容易に判定することができるので、ライナー原紙用紙の品質を効率よく管理することができ、品質の安定性に優れる。
ライナー原紙用紙の製造方法は、たとえば、上述した原料パルプを含むスラリーを抄紙する工程を含むことが好ましい。
抄紙方法については、特に限定されず、たとえばpHが4.5付近で抄紙を行う酸性抄紙法、pHが約6〜約9で抄紙を行う中性抄紙法等が挙げられる。
抄紙機としては、たとえば長網式、円網式、傾斜式等の連続抄紙機等が挙げられ、これらを組み合わせた多層抄き合わせ抄紙機を用いることが好ましい。
<ライナー原紙用紙の特性>
(比圧縮強さ)
JIS P 8156:2012に準拠して測定される、ライナー原紙用紙の比圧縮強さは、好ましくは24.0Nm/g以上、より好ましくは25.0Nm/g以上であり、そして、その上限は、特に限定されないが、製造容易性等の観点から、好ましくは40.0Nm/g以下である。
(比引張強さ)
JIS P 8113:2006に準拠して測定される、ライナー原紙用紙の比引張強さは、50.0Nm/g以上であることが好ましく、より好ましくは60.0Nm/g以上であり、そして、その上限は、特に限定されないが、製造容易性等の観点から、好ましくは100.0Nm/g以下である。
(引張弾性率)
JIS P 8113:2006に準拠して測定される、ライナー原紙用紙の引張弾性率は、好ましくは3.0GPa以上、より好ましくは3.5GPa以上であり、そして、その上限は、好ましくは6.0GPa以下である。引張弾性率が上記範囲内であると、ライナー原紙用紙は、強度に優れるとともに、破壊靭性を高めて罫割れを低減することができる。
(比破裂強さ)
本発明によれば、比破裂強さにも優れるライナー原紙用紙が得られる。JIS P 8131:2009に準拠して測定される、ライナー原紙用紙の比破裂強さは、好ましくは3.00kPa/g/m以上、より好ましくは4.00kPa/g/m以上であり、そして、その上限は、製造容易性等の観点から、好ましくは8.00kPa/g/m以下である。
(坪量)
ライナー原紙用紙の坪量は、好ましくは50.0g/m以上、より好ましくは55.5g/m以上、さらに好ましくは60.0g/m以上であり、そして、好ましくは70g/m以下、より好ましくは65.5g/m以下である。坪量が上記範囲内であると、ライナー原紙用紙は、段ボールシートに好適に用いることができる。
ライナー原紙用紙の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。
(厚さ)
ライナー原紙用紙の厚さは、好ましくは0.080mm以上、より好ましくは0.085mm以上であり、そして、好ましくは0.115mm以下、より好ましくは0.110mm以下である。厚さが上記範囲内であると、ライナー原紙用紙は、段ボールシートに好適に用いることができる。
ライナー原紙用紙の厚さは、JIS P 8118:2014に準拠して測定される。
[ライナー原紙]
本発明のライナー原紙は、上述した本発明のライナー原紙用紙を少なくとも1層備える。少なくともライナー原紙の表層として、本発明のライナー原紙用紙を有することが好ましいが、本発明のライナー原紙用紙を複数層積層して、ライナー原紙としてもよい。
ライナー原紙の製造方法としては特に限定されないが、本発明のライナー原紙用紙を含む複数層のライナー原紙用紙を抄き合わせて多層構造とすることがより好ましい。
ライナー原紙の坪量は、適切な強度を得る観点および罫割れを防ぐ観点から、好ましくは100g/m以上、より好ましくは150g/m以上、さらに好ましくは200g/m以上であり、そして、好ましくは500g/m以下、より好ましくは400g/m以下、さらに好ましくは350g/m以下である。
ライナー原紙の厚さは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上、さらに好ましくは0.25mm以上であり、そして、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.45mm以下、さらに好ましくは0.4mm以下である。
また、ライナー原紙の比圧縮強さ、比引張強さ、比破断強さの好ましい範囲は、上述したライナー原紙用紙の比圧縮強さ、比引張強さ、比破断強さのそれぞれと同じである。
[段ボールシート]
本発明のライナー原紙は、段ボールシートに用いられる。段ボールシートは、ライナー原紙と、波形形状を有する中芯とを備え、中芯の片面または両面にライナー原紙が配置される。なお、段ボールシートは、中芯およびライナー原紙が複数層積層されていてもよい。
段ボールシートを構成する中芯としては、特に限定されず、一般的な段ボールシートに使用されているものが用いられる。中芯の原料パルプとしては、上述したライナー原紙用紙の原料パルプとして挙げたものを用いることができる。中芯は、中芯原紙を複数層積層したものであってもよく、中芯原紙の間に接着剤層を有していてもよい。
[段ボールシートの製造方法]
段ボールシートの製造方法は、公知の段ボールシートの製造方法を適用することができ、たとえば、中芯とライナー原紙とを接着剤により貼合するコルゲーター処理を施して製造することができる。
接着剤としては、澱粉、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル系共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂等が挙げられる。
接着剤は、中芯またはライナー原紙の貼合面に付与され、中芯およびライナー原紙を重ね合わせ、加圧および加熱により中芯とライナー原紙とを貼合してもよいし、フィルムとして形成され、中芯とライナー原紙との間に配置され、加圧および加熱により中芯とライナー原紙とを貼合してもよい。
以下に実施例と比較例とを挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[評価および分析]
実施例および比較例のライナー原紙用紙を構成するパルプおよびライナー原紙用紙について、以下の評価および分析を行った。
<ライナー原紙用紙構成パルプ>
(繊維長、繊維長分布、数平均繊維長、長さ加重平均繊維長)
ライナー原紙用紙を構成するパルプの繊維長および繊維長分布は、JIS P 8220:2012に記載されるパルプの離解方法により離解されたライナー原紙用紙を試料とし、試料に含まれる繊維成分の中心線繊維長を繊維長測定装置(メッツォ・オートメーション社製カヤーニファイバーラボVer4.0)を用いて測定した。
ライナー原紙用紙を構成するパルプの長さ加重平均繊維長は、得られた値から算出した。
ライナー原紙用紙を構成するパルプの数平均繊維長は、測定したすべての繊維長を算術平均することにより求めた。
(ルーメン径、およびルンケル比)
ライナー原紙用紙を構成するパルプのルンケル比は、JIS P 8220:2012に記載されるパルプの離解方法により離解されたライナー原紙用紙を試料とし、前記繊維長測定装置を用いて、繊維壁厚および繊維幅を測定し、下記式により算出した。
ルーメン径=繊維幅−繊維壁厚×2
ルンケル比=繊維壁厚×2/ルーメン径
(カナダ標準ろ水度(CSF))
ライナー原紙用紙を構成するパルプのカナダ標準ろ水度は、JIS P 8220:2012に記載されるパルプの離解方法により離解されたライナー原紙用紙を試料として、JIS P 8121−2:2012に準拠して測定した。
<ライナー原紙用紙>
(坪量)
ライナー原紙用紙の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定した。
(厚さ)
ライナー原紙用紙の厚さは、JIS P 8118:2014に準拠して測定した。
(密度)
ライナー原紙用紙の密度は、上述した測定方法により得られた坪量および厚さから算出した。
(比圧縮強さ)
ライナー原紙用紙の比圧縮強さは、JIS P 8156:2012に準拠して測定した。
(比引張強さおよび引張弾性率)
ライナー原紙用紙の比引張強さおよび引張弾性率は、JIS P 8113:2006に準拠して測定した。
(比破裂強さ)
ライナー原紙用紙の比破裂強さは、JIS P 8131:2009に準拠して測定した。
[ライナー原紙用紙の作製]
表1、表2に示す原料パルプの配合に従い、叩解の程度を種々変更した混合パルプを使用し、得られたパルプスラリーで手抄きシートを作製した。内添薬品は使用しなかった。
Figure 2021075816
Figure 2021075816
本発明のライナー原紙用紙は、強度および品質の安定性に優れるので、これを備えるライナー原紙は、段ボールシートに好適に使用できる。

Claims (8)

  1. ライナー原紙を構成するライナー原紙用紙であり、
    該ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、繊維長が0.1mm以下である繊維の割合が9.0%以下であり、かつ、数平均繊維長±10%の繊維長である繊維の割合が14.0%以上である、ライナー原紙用紙。
  2. JIS P 8120:1998に準拠して測定される、ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、広葉樹未晒しパルプの含有量が20質量%以上である、請求項1に記載のライナー原紙用紙。
  3. ライナー原紙用紙を構成するパルプにおける、繊維長が0.1mm以下である繊維の割合が1.0%以上である、請求項1または2に記載のライナー原紙用紙。
  4. JIS P 8121−2:2012に準拠して測定される、ライナー原紙用紙を構成するパルプのカナダ標準ろ水度が230mL以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のライナー原紙用紙。
  5. JIS P 8156:2012に準拠して測定される比圧縮強さが24.0Nm/g以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のライナー原紙用紙。
  6. JIS P 8113:2006に準拠して測定される比引張強さが50.0Nm/g以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のライナー原紙用紙。
  7. JIS P 8113:2006に準拠して測定される引張弾性率が3.0GPa以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のライナー原紙用紙。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のライナー原紙用紙を少なくとも一層に有する、ライナー原紙。
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