JP2021075684A - 香気又は香味の改善剤 - Google Patents

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【課題】香料、香粧品、経口組成物等に広く適用することができる、香気又は香味の改善剤、及び当該改善剤を用いて、香粧品等の香気又は香味を改善する方法を提供すること。【解決手段】シチトウイから抽出された、エチルヘキサデカノエート及びフィトールを含有する抽出物からなる、香気又は香味の改善剤、前記の香気若しくは香味の改善剤を含有する、香粧品又は経口組成物、並びに、前記の香気又は香味の改善剤を含有させることにより、香粧品又は経口組成物の香気又は香味を改善する、香気又は香味の改善方法。【選択図】なし

Description

本発明は、香料、香粧品、経口組成物等に広く適用することができる、香気又は香味の改善剤、及び当該改善剤を用いて、香気又は香味を改善する方法に関する。
一般に、飲料や食品等の味と匂いは、食欲の増進や減退に大きく影響するため、その香味は各種栄養成分と同様に食生活において重要な要素と考えられる。また、化粧品や石鹸、シャンプー等のトイレタリー製品に付された香気は、その基材臭をマスクすると共に、使用者や周囲の人に快い感覚を与え、化粧品等における重要な要素となっている。しかしながら、飲食品、化粧品等の香味、香気成分は不安定なものが多く、酸素、光、熱等により徐々に劣化し、製造、流通、保存等の各段階で本来の香味、香気が消失したり、異味異臭(劣化臭) が発生することもよく知られている。
複雑な要因により引き起こされる飲食品や化粧品等の香味、香気の劣化を解消するために、様々な手法が開発されている。例えば、特許文献1には、桜の葉に着目し、それを液化状態又は亜臨界若しくは超臨界状態の二酸化炭素とエタノール水溶液で抽出することによって得られる抽出物が、飲食品及び香料の香味改善剤として優れた効果を示すことが開示されている。
特開2015−42148号公報
本発明は、香料、香粧品、経口組成物等に広く適用することができる、香気又は香味の改善剤、及び当該改善剤を用いて、香粧品等の香気又は香味を改善する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく種々の原料及び抽出方法を鋭意検討した結果、シチトウイ(Cyperus malacceneis Lam.)から、無極性又は低極性の物質を溶媒として抽出された抽出物を、香料や香粧品、飲食品等に添加することにより、それらが本来もつ香気や香味を改善できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] シチトウイから抽出された、エチルヘキサデカノエート及びフィトールを含有する抽出物からなる、香気又は香味の改善剤。
[2] 前記抽出物が、シチトウイから、無極性又は低極性の物質を溶媒として抽出された抽出物である、前記[1]の香気又は香味の改善剤。
[3] 前記溶媒が、液化状態、又は亜臨界若しくは超臨界状態の二酸化炭素である、前記[2]の香気又は香味の改善剤。
[4] 前記溶媒が、無極性又は低極性の有機溶剤である、前記[2]の香気又は香味の改善剤。
[5] 前記抽出物が、シチトウイの茎部の抽出物である、前記[1]〜[4]のいずれかの香気又は香味の改善剤。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれかの香気又は香味の改善剤を有効成分とする、香料組成物。
[7] 組成物全量に対する、前記抽出物に由来するエチルヘキサデカノエートの含有量が0.0004〜6ppmであり、前記抽出物に由来するフィトールの含有量が0.001〜33ppmである、前記[6]の香料組成物。
[8] 前記[1]〜[5]のいずれかの香気又は香味の改善剤を含有する、香粧品。
[9] 前記[1]〜[5]のいずれかの香気又は香味の改善剤を含有する、経口組成物。
[10] 前記[1]〜[5]のいずれかの香気又は香味の改善剤を含有させることにより、香粧品又は経口組成物の香気又は香味を改善する、香気又は香味の改善方法。
[11] 前記[6]又は[7]の香料組成物を含有させることにより、香粧品又は経口組成物の香気又は香味を改善する、香気又は香味の改善方法。
[12] 無極性又は低極性の物質を溶媒として、シチトウイから抽出された、エチルヘキサデカノエート及びフィトールを含有する、抽出物。
[13] シチトウイから、無極性又は低極性の物質を溶媒として抽出し、エチルヘキサデカノエート及びフィトールを含有する抽出物を得る、抽出物の製造方法。
[14] シチトウイの茎部から、5〜99.5(w/w)%のエタノール水溶液の存在下で、液化状態、又は亜臨界若しくは超臨界状態の二酸化炭素で抽出する、前記[13]の抽出物の製造方法。
[15]シチトウイから抽出された、エチルヘキサデカノエート及びフィトールを含有する抽出物を、組成物全量に対して、前記抽出物に由来するエチルヘキサデカノエートの含有量が0.0004〜6ppm、前記抽出物に由来するフィトールの含有量が0.001〜33ppmとなるように添加する、香料組成物の製造方法。
本発明に係る香気又は香味の改善剤は、様々な香気や香味に対して、そのトップノートからラストノートまでの広い範囲、特にミドルノートからラストノートまでを増強できる。このため、本発明に係る香気又は香味の改善剤を、香料、香粧品、飲食品等に含有させることにより、それらが本来もっている香気や香味を改善することができる。
本発明及び本願明細書において、香味とは、飲食品等の経口組成物を口に入れた時に感じられる、味と香りが一体となって知覚される感覚をいう。香味には、飲食品等の経口組成物が本来有している香味と、香料を添加することにより経口組成物に付与された香味の両方を含む。香気とは、香粧品等に香料を添加することにより付された、主に嗅覚で感じる香りをいう。
シチトウイは、カヤツリグサ科の多年草植物であり、主に琉球畳の畳表の原料として用いられている。シチトウイは、葉が退化しており、細い円柱状の花茎が多数伸びており、この花茎が織られて畳表となる。畳表の原料として汎用されているイグサ(Juncus effusus L. var. decipens Buchen.)は、シチトウイと同様に多数の花茎があり、葉が退化した構造からなるが、イグサ科の多年草植物である。シチトウイとイグサは、互いに全く異なる科の植物であるが、香りはどちらもグリーンフローラルな香りであり、非常に類似している。
本発明に係る香気又は香味の改善剤(以下、「本発明に係る改善剤」ということがある。)は、シチトウイから抽出された、エチルヘキサデカノエート(ethyl hexadecanoate)及びフィトール(phytol)を含有する抽出物からなる。以降において、シチトウイから抽出された、エチルヘキサデカノエート及びフィトールを含有する抽出物を「シチトウイ抽出物」といい、イグサから抽出された、エチルヘキサデカノエート及びフィトールを含有する抽出物を「イグサ抽出物」という。
シチトウイ抽出物の原料としては、シチトウイのいずれの部分であってもよいが、茎部であることが好ましく、花茎部であることがより好ましい。また、原料とするシチトウイは、生の植物であってもよく、乾燥した植物であってもよい。また、抽出処理に供される前に、予め、細断したり、粉砕してもよい。イグサ抽出物の原料とするイグサも、同様であり、茎部の細断物等が好ましい。
本発明に係る改善剤の有効成分とするシチトウイ抽出物は、エチルヘキサデカノエートとフィトールを含有する。エチルヘキサデカノエートとフィトールは、いずれも極性の低い化合物であり、無極性又は低極性の物質を溶媒とすることで効率よく抽出できる。本発明に係る改善剤の有効成分とするシチトウイ抽出物は、シチトウイから、無極性又は低極性の物質を溶媒として抽出された抽出物であることが好ましい。
溶媒となる無極性又は低極性の物質としては、例えば、液化状態、又は亜臨界若しくは超臨界状態の二酸化炭素が挙げられる。二酸化炭素は、不活性であり、かつ臨界温度が比較的低い。このため、二酸化炭素の超臨界流体や亜臨界状態の液体を溶媒として得られた抽出物は、原料から抽出された成分の化学変化が少ない。また、大気圧で二酸化炭素は気化するため、溶媒の残留していない抽出物が容易に得られる。
抽出に用いる液化状態の二酸化炭素は、例えば、その圧力が0.52〜7.4MPa、好ましくは3〜6.5MPa、その温度が−56.6〜31.1℃、好ましくは5〜30℃の領域における液化状態のものである。
また、亜臨界又は超臨界状態の二酸化炭素は、例えば、その圧力が7.4〜60MPa、好ましくは10〜35MPa、その温度が20〜100℃、好ましくは30〜60℃の領域における亜臨界状態若しくは超臨界状態のものである。
液化状態又は亜臨界若しくは超臨界二酸化炭素の使用量は、原料のシチトウイの1〜30倍容量、好ましくは5〜20倍容量であり、その抽出時間は、1〜6時間、好ましくは1.5〜4時間である。
二酸化炭素で抽出する場合、シチトウイに含まれている成分をより効率よく抽出するために、液化状態又は亜臨界若しくは超臨界状態の二酸化炭素と共に、助溶媒としてエタノール水溶液を使用することが好ましい。そのエタノール濃度は、5〜99.5(w/w)%、好ましくは30〜70(w/w)%である。エタノール水溶液の使用量は、原料のシチトウイの好ましくは0.05〜2倍量、特に好ましくは0.5〜1.5倍量である。
また、シチトウイを、エタノール水溶液を浸潤させた後、液化状態又は亜臨界若しくは超臨界状態の二酸化炭素で抽出することが好ましい。浸潤の際、シチトウイを撹拌しながらエタノール水溶液を徐々に加え、シチトウイ全体にエタノール水溶液がまんべんなく行きわたるようにすることが好ましい。なお、浸潤時間は12時間以下、好ましくは数十秒間(例えば30秒間)から2時間の間である。
溶媒となる無極性又は低極性の物質としては、無極性又は低極性の有機溶剤を用いることもできる。シチトウイ抽出物は、原料のシチトウイを無極性又は低極性の有機溶剤に浸漬させる溶媒抽出法により、調製することができる。使用する溶媒は、1種類であってもよく、2種類以上の混合溶媒であってもよい。
無極性又は低極性の有機溶剤としては、例えば、石油エーテル、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−ブタン、n−オクタン、シクロヘキサン、スクワラン等の炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエチレン等のハロゲン化物;酢酸エチル等のエステル;ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物;等が挙げられる。本発明に係る改善剤に含まれるシチトウイ抽出物としては、安全性等の観点から、石油エーテル、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−ブタン、n−オクタン、シクロヘキサン、スクワラン等の炭化水素による溶媒抽出法により抽出されたものであることが好ましい。
シチトウイ抽出物を溶媒抽出法により調製する場合、使用する溶媒は、エチルヘキサデカノエートとフィトールのような極性の低い成分を充分に抽出可能であればよく、少量の極性有機溶剤を含有していてもよい。極性有機溶剤としては、例えば、水や、エタノール、プロパノール、ブタノール等の炭素数2〜4の脂肪族アルコール等が挙げられる。
抽出に用いる溶媒の量は、任意に選択できるが、一般的には、原料のシチトウイの1〜100倍質量、好ましくは1〜10倍質量であり、その抽出時間は、30分間〜6時間、好ましくは1〜4.5時間である。
二酸化炭素や有機溶剤を溶媒として得られた抽出物は、さらに濾過精製処理を施すことで清澄化して利用することも可能である。濾過精製に用いる濾過助剤は、珪藻土、二酸化珪素、活性白土、酸性白土、パーライト、ベントナイト、タルクなどが使用でき、これらの群から選ばれる1種又は2種以上の処理を組み合わせてもよい。濾過助剤の使用量は、抽出物100質量部に対して0.5〜5質量部が好ましい。
シチトウイ抽出物のエチルヘキサデカノエートとフィトールの含有量は、特に限定されるものではなく、使用するシチトウイの量や抽出方法により適宜調製される。本発明に係る改善剤の有効成分とするシチトウイ抽出物としては、エチルヘキサデカノエートの含有量が0.1ppm以上であることが好ましく、1ppm以上であることがより好ましく、10ppm以上であることがさらに好ましい。エチルヘキサデカノエートの含有量の上限値は特に限定されるものではないが、例えば、1500ppm以下とすることができる。本発明に係る改善剤の有効成分とするシチトウイ抽出物としては、フィトールの含有量が1ppm以上であることが好ましく、10ppm以上であることがより好ましく、100ppm以上であることがさらに好ましい。フィトールの含有量の上限値は特に限定されるものではないが、例えば、10000ppm以下とすることができる。
本発明に係る改善剤は、他の香料や香料素材に混合することにより、香料等の香気や香味を増強して改善することができる。香料等の香りは、感じとられる時間によって、トップノート、ミドルノート、ラストノートに分けられる。本発明に係る改善剤は、添加される香料等の香気や香味を、トップノートからラストノートまでの広い範囲において増強して改善することができる。本発明に係る改善剤は、特にミドルノートからラストノートまでを増強するため、ボリューム感を増強することができる。
本発明に係る改善剤は、そのまま香粧品や経口組成物に含有させてもよく、他の香料素材と組み合わせた香料組成物としてもよい。当該他の香料素材としては、天然香料素材であってもよく、合成香料素材であってもよく、これらの混合物であってもよい。本発明に係る改善剤を他の香料素材と組み合わせることにより、当該他の香料素材の香気や香味を増強して改善することができる。
他の香料や香料素材に添加して香料組成物とする場合、本発明に係る改善剤の含有量依存的に、シチトウイ抽出物による香気又は香味の改善効果は高くなる。より十分な改善効果が得られることから、香料組成物における本発明に係る改善剤の含有量は、組成物全量に対して、シチトウイ抽出物に由来するエチルヘキサデカノエートの含有量が0.0004ppm以上であり、シチトウイ抽出物に由来するフィトールの含有量が0.001ppm以上であることが好ましい。また、混合される対象の香気や香味に対して、シチトウイ抽出物自体の香りが異味となり難いことから、香料組成物における本発明に係る改善剤の含有量は、組成物全量に対して、シチトウイ抽出物に由来するエチルヘキサデカノエートの含有量が6ppm以下であり、シチトウイ抽出物に由来するフィトールの含有量が33ppm以下であることが好ましい。
本発明に係る改善剤が改善できる香味や香気は特に限定されるものではなく、様々な香気や香味を改善できる。例えば、複数の香料素材を混合して特定のフレーバーとした香料自体に本発明に係る改善剤を含有させたものも、本発明に係る香料組成物とし得る。
本発明に係る改善剤を含有する香料組成物を構成する当該他の香料素材としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムサルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸3−ブテニル、イソチオシアン酸4−ペンテニル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸3−メチルチオプロピル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エス
テル類、エチルバニリン、エーテル類、
オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、
ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、dl−メントール、l−メントール、酪酸、
酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成或いは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、アップル、バナナ、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリー、カシスなどフルーツ系の精油或いは回収フレーバー、ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、ペパーミント、スペアミントなどミント系の精油、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、カッシア、カモミル、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、
クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケイパー、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、サンショウ、シソ、シナモン、シャロット、ジュニパーベリー、ショウガ、スターアニス、スペアミント、セイヨウワサビ、セロリー、ソーレル、タイム、タマネギ、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、ニンニク、バジル、パセリ、ハッカ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、ペパーミント、ホースミント、ホースラディッシュ、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレル、ワサビなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、アサフェチダ、アジアンタム、
アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、アップルミント、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、
エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、オオバコ、オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、オモダカ、オランダセンニチ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、カーネーション、カノコソウ、カモミル、カヤプテ、カラシ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビア、カンラン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、
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ジョウリュウシュ、ショウロ、シロタモギタケ、ジンセン、シンナモン、酢、スイカ、スイセン、スギ、スターアニス、スターフルーツ、スチラックス、スッポン、スッポンタケ、ズドラベッツ、スネークルート、スパイクナード、スプルース、スペアミント、スベリヒユ、スローベリー、セイボリー、セキショウ、セージ、ゼドアリー、セネガ、ゼラニウム、セロリー、センキュウ、センタウリア、センゲン、セントジョーンズウォルト、センナ、ソース、ダイオウ、ダイズ、タイム、タケノコ、タコ、タデ、ダバナ、タマゴ、タマゴタケ、タマネギ、タマリンド、ダミアナ、タモギタケ、タラゴン、タラノキ、タンジー、タンジェリン、タンポポ、チェリモラ、チェリーローレル、チェリーワイルド、チガヤ、チコリ、チーズ、チチタケ、チャイブ、チャービル、チャンパカ、チュベローズ、チョウセンゴミシ、チラータ、ツクシ、ツケモノ、ツタ、
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ハッカ、バックビーン、ハッコウシュ、ハッコウニュウ、ハッコウミエキ、パッションフルーツ、ハツタケ、バッファローベリー、ハトムギ、ハナスゲ、バナナ、バニラ、ハネーサックル、パパイヤ、バーベリー、ハマゴウ、ハマスゲ、ハマナス、ハマボウフウ、ハマメリス、バラ、パルマローザ、バンレイシ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒソップ、ヒッコリー、ピーナッツ、ヒノキ、ヒバ、ピプシシワ、ヒメハギ、ヒヤシンス、ヒラタケ、ビワ、ビンロウ、フェイジョア、フェネグリーク、フェンネル、フジバカマ、フジモドキ、フスマ、フーゼルユ、プチグレイン、ブチュ、ブドウ、ブドウサケカス、フトモモ、ブナ、ブナハリタケ、ブラックキャラウェイ、ブラックベリー、プラム、ブリオニア、プリックリーアッシュ、プリムローズ、プルネラ、
ブルーベリー、ブレッドフルーツ、ヘイ、ベイ、ヘーゼルナッツ、ベチバー、ベーテル、ベニバナ、ペニーロイヤル、ペパーミント、ヘビ、ペピーノ、ペプトン、ベルガモット、ベルガモットミント、ペルーバルサム、ベルベナ、ベロニカ、ベンゾイン、ボアドローズ、ホアハウンド、ホウ、ホウキタケ、ホウショウ、ボウフウ、ホエイ、ホオノキ、ホースミント、ホースラディッシュ、ボタン、ホップ、ポピー、ポプラ、ポポー、ホホバ、ホヤ、ボルドー、ボロニア、マイタケ、マグウォルト、マシュマロー、マジョラム、マスティック、マソイ、マタタビ、マチコ、マツ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マツブサ、マツホド、マテチャ、マメ、マリーゴールド、マルバダイオウ、マルメロ、マレイン、マロー、マンゴー、マンゴスチン、ミカン、ミシマサイコ、
ミソ、ミツマタ、ミツロウ、ミート、ミモザ、ミュゲ、ミョウガ、ミルク、ミルテ、ミルフォイル、ミルラ、ミロバラン、ムギチャ、ムスク、ムラサキ、メスキート、メドウスィート、メハジキ、メープル、メリッサ、メリロット、メロン、モウセンゴケ、モニリアバイヨウエキ、モミノキ、モモ、モロヘイヤ、ヤクチ、ヤマモモ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユッカ、ユリ、ヨウサイ、ヨロイグサ、ライオンズフート、ライチ、ライフエバラスティングフラワー、ライム、ライラック、ラカンカ、ラカンショウ、ラズベリー、ラタニア、ラディッシュ、ラブダナム、ラベンダー、ラングウォルト、ラングモス、ランブータン、リキュール、リーク、リツェア、リナロエ、リュウガン、リョウフンソウ、リョクチャ、リンゴ、リンデン、リンドウ、ルー、ルリジサ、レセダ、レモン、レンギョウ、レンゲ、レンブ、ローズマリー、ロベージ、ローレル、ロンゴザ、ワサビ、ワタフジウツギ、ワームウッド、ワームシード、ワラビ、ワレモコウなどから得られる天然香料などが例示され、適宜選択して使用される。
本発明に係る改善剤と共に香料組成物に含有させる香料素材としては、特に、緑茶や緑茶フレーバーの香料が好ましい。緑茶の香味や香気は、シチトウイ抽出物自体のグリーンフローラルな芳香との相性が特に良好であり、比較的多くのシチトウイ抽出物を含有させても、香気や香味に対して異味となり難い。
本発明に係る香料組成物は、本発明に係る改善剤と他の香料素材以外にも、各種の添加剤を含有していてもよい。当該添加剤としては、例えば、水;アルコール、グリセリン、プロピレングリコール等の有機溶剤;デキストリン、シュークロース、ペクチン、キチン等の賦形剤;油脂;乳化剤;等が挙げられる。これらの添加剤は、香料組成物に一般的に使用されているものの中から適宜選択して用いることができる。
当該香料組成物は、様々な剤型とすることができる。例えば、水溶性又は油溶性の液剤であってもよく、ペースト状であってもよく、パウダー状であってもよい。各種の剤型は、公知の方法で製造できる。
本発明に係る改善剤やこれを含有する香料組成物は、香粧品、経口組成物等に含有させることにより、それぞれの香気や香味を改善できる。本発明に係る改善剤や香料組成物を含有させる香粧品等は特に限定されるものではなく、香粧品一般や飲食品一般に広く使用できる。具体例としては下記のものが挙げられる。
経口組成物の例としては、飲料、菓子類、パン類、油脂及び油脂加工食品、乳、乳製品、風味調味料、粉末飲料や粉末スープ等の加工食品、口腔衛生剤などが挙げられるが、より具体的には下記のものを挙げることができる。
飲料の例としては、緑茶、紅茶、ウーロン茶などの茶飲料、コーヒー、ココア、ハーブティー、清涼飲料、乳酸菌飲料、乳飲料、無果汁飲料、果汁入り飲料、炭酸飲料、酒類、栄養ドリンク等が挙げられる。
菓子類の例としては、ゼリー、プリン、ババロア、ムース、ケーキ、キャンディー、ビスケット、クッキー、チョコレート、ガム、ラムネ菓子、タブレット、アイスクリーム、シャーベット、アイスキャンディー、饅頭、羊羹等が挙げられ、特に、キャンディー、ガム、ラムネ菓子、タブレット等の口腔内に存在する時間が比較的長い菓子類に好適である。
油脂及び油脂加工食品の例としては、食用油脂(動物性油脂、植物性油脂)、マーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシング、ハードバター等、さらに、即席(フライ)麺類、とうふの油揚(油揚、生揚、がんもどき)、揚かまぼこ、てんぷら、フライ、スナック類(ポテトチップス、揚あられ類、かりんとう、ドーナッツ)、調理冷凍食品(冷凍コロッケ、エビフライ等)等が挙げられる。
乳、乳製品等の例としては、乳として生乳、牛乳、加工乳等、乳製品としてクリーム、バター、バターオイル、濃縮ホエー、チーズ、アイスクリーム類、ヨーグルト、練乳、粉乳、濃縮乳等などが挙げられる。
口腔衛生剤の例としては、歯磨、洗口剤、うがい薬、口中清涼剤、口臭防止剤などが挙げられる。
香料の例としては、香料原料(精油、エッセンス、コンクリート、アブソリュート、エキストラクト、オレオレジン、レジノイド、回収フレーバー、炭酸ガス抽出精油、合成香料) 及びそれらを含有する香料組成物などが挙げられる。
香粧品の例としては、フレグランス製品(香水、オードパルファム、ボディーコロンなど)、スキンケア化粧料(化粧水、乳液、クリーム、口紅、ファンデーション、洗顔料、石鹸、ボディーシャンプー、ボディーケア製品、入浴剤、制汗デオドラント剤など)、ヘアケア化粧料(シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアートリートメント、ヘアトニック、育毛剤、ヘアカラーリング剤、ヘアスタイリング剤、パーマネント剤など)、衣類用洗剤、衣類用柔軟剤、衣類用仕上げ剤、各種洗浄剤(繊維用、皮革用、硬質表面用、住居用、家庭用、トイレ用、お風呂用など)、芳香消臭剤、香りつきトイレットペーパー、ワックス剤のような家庭用製品が挙げられる。
本発明に係る改善剤は、香料、香粧品、飲食品をはじめとした経口組成物等の製造過程で、適宜添加することができる。当該改善剤の添加量については、添加対象の種類により異なる。例えば、香粧品に含有させる場合には、製品全体に対する本発明に係る改善剤の含有量が、0.000001〜99.9質量%となるように添加することができる。また、飲食品や口腔衛生剤等の経口組成物に含有させる場合には、製品全体に対する本発明に係る改善剤の含有量が、0.000001〜5質量%となるように添加することができる。
次に実施例等を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例等に使用したシチトウイは、大分県産シチトウイの乾燥した花茎を1〜5cm程度に切断したものを用いた。イグサは、熊本県産の乾燥した茎を1〜5cm程度に切断したものを用いた。
[実施例1]
シチトウイから超臨界二酸化炭素抽出によりシチトウイ抽出物を得た。
シチトウイ100gに50(w/w)%エタノールを100g添加し、撹拌混合した。得られた混合物をすぐに抽出槽に仕込み、圧力25MPa、温度40℃の超臨界二酸化炭素を連続的に2時間供給して抽出を行った。超臨界二酸化炭素は、原料であるシチトウイに対して15倍容量使用した。
当該抽出槽から流出する抽出物含有超臨界二酸化炭素は、圧力4MPa、温度25℃に保った分離槽に移し、抽出物を二酸化炭素から分離して、50gのシチトウイ抽出物を得た。得られたシチトウイ抽出物は、シチトウイ独特のグリーンフローラルな芳香が強く感じられる暗緑色透明の溶液であった。
[実施例2]
シチトウイから無極性溶剤抽出によりシチトウイ抽出物を得た。
シチトウイ100gにヘキサン300g添加し、撹拌しながら2時間抽出した。得られた抽出物を、濾紙(アドバンテック社製、5C濾紙)で濾過して濾液を得た。次に、当該濾液をロータリーエバポレーターでヘキサンを除去して濃縮し、0.1gのシチトウイ抽出物を得た。得られたシチトウイ抽出物は、シチトウイ独特のグリーンフローラルな芳香が強く感じられる暗緑色の固体であった。
[比較例1]
シチトウイから水蒸気蒸留によりシチトウイ抽出物を得た。
シチトウイ400gを水蒸気蒸留機に仕込み、水蒸気流量を400g/時間に設定して、蒸留容器の底部から水蒸気を導入し水蒸気蒸留を行い、最終的に総量400gのリカバリー(シチトウイ抽出物)を得た。得られたリカバリーは、フルーティさとややスモーキーさが感じられる無色透明の溶液であった。
[比較例2]
シチトウイから極性溶剤抽出によりシチトウイ抽出物を得た。
シチトウイ100gにエタノール120g添加し、撹拌しながら2時間抽出した。得られた抽出物を、濾紙(アドバンテック社製、5C濾紙)で濾過し、最終的に総量100gの濾液(シチトウイ抽出物)を得た。得られた濾液は、わずかにグリーンさが感じられる薄緑色透明の液体であった。
[比較例3]
イグサから超臨界二酸化炭素抽出によりイグサ抽出物を得た。
イグサ100gに50(w/w)%エタノールを100g添加し、撹拌混合した。得られた混合物をすぐに抽出槽に仕込み、実施例1と同条件で超臨界二酸化炭素による抽出を行った。超臨界二酸化炭素は、原料であるイグサに対して15倍容量使用した。
当該抽出槽から流出する抽出物含有超臨界二酸化炭素は、圧力4MPa、温度25℃に保った分離槽に移し、抽出物を二酸化炭素から分離して、50gのイグサ抽出物を得た。得られたイグサ抽出物は、イグサ独特のグリーンフレッシュな芳香が強く感じられる暗緑色透明の溶液であった。
[試験例1]
実施例1及び2、比較例1〜3で製造されたシチトウイ抽出物の香りについて、官能評価を行った。評価は、よく訓練された専門パネル10名により、以下の方法に従って評価した。
まず、比較例1及び比較例2で得られたシチトウイ抽出物と原料あたりの収率が等しくなるように、実施例1及び実施例2で得られたシチトウイ抽出物と、比較例3で得られたイグサ抽出物を、それぞれエタノール溶液で希釈したものを作製した。すなわち、実施例1は2倍、実施例2は1000倍、比較例3は2倍に希釈したものを、供試溶液とした。
得られた供試溶液を、匂い紙に0.1g滴下した。当該匂い紙を、縦100cm×横100cm×高さ200cmの専用評価ボックス内に設置し、縦20cm×横30cm×高さ80cmのステンレス製棚に匂い紙を置き、10分間放置した。その後、専用評価窓から空間の香りを嗅ぎ、香りの質感を評価した。
各香調の強さと発現性の強さは、1点(極めて弱い)、2点(弱い)、3点(やや弱い)、4点(普通)、5点(やや強い)、6点(強い)、7点(極めて強い)の7段階で評価した。専門パネル全員の評価点の平均点を、各供試溶液の評価点とした。
なお、発現性は、トップノート、ミドルノート、ラストノートに分けて、それぞれ評価した。トップノートは嗅いだ瞬間の香り、ミドル〜ラストノートは鼻腔に残る香りとして評価した。
Figure 2021075684
各供試溶液の官能評価の結果を表1に示す。超臨界二酸化炭素抽出物である実施例1のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物と、ヘキサン抽出物である実施例2のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物は、4種の香調の全てが強く、特に、グリーンフローラルの香りが強かった。また、トップノートからラストノートまで全体的に、発現性が良好であった。つまり、実施例1と実施例2のシチトウイ抽出物は、シチトウイ独特のグリーンフローラルな芳香を有し、トップノートからラストノートまで広い発現性を有していた。イグサの超臨界二酸化炭素抽出物である比較例3のイグサ抽出物のエタノール希釈物は、特に、グリーンフレッシュの香りが強かった。また、トップノートからラストノートまで全体的に、発現性は良好であった。
これに対して、水蒸気蒸留の抽出物である比較例1のシチトウイ抽出物は、フルーティな香りのみが強くなっており、また、トップノートは強いものの、ミドルノート以降は発現性が低かった。エタノール抽出物である比較例2のシチトウイ抽出物は、いずれの香調も弱く、全体的に発現性も低かった。
各シチトウイ抽出物とイグサ抽出物について、下記の分析条件で、香気成分をガスクロマトグラフ分析した。
(香気分析条件)
キャピラリーカラム:DB−WAXキャピラリーカラム(Agilent社製、60m×0.25mm(内径))
装置:ガスクロマトグラフ装置7890B(Agilent社製)
オーブン条件:80℃〜230℃
キャリアーガス流量:1.0mL/分
検出器:5977Aマスディテクター(Agilent社製)
イオン化電圧:70eV
定量法:トータルイオンカレントを用いた内部標準法。香気成分と内部標準物質(2−オクタノール)のレスポンスファクターは全て1と仮定した。
分析の結果、実施例1と実施例2と比較例3の抽出物には、エチルヘキサデカノエートとフィトールが含まれていたが、比較例1と比較例2の抽出物には、これらの香気成分が検出されなかった。各抽出物のエチルヘキサデカノエートとフィトールの含有量の測定結果を表2に示す。
Figure 2021075684
[試験例2]
ローズ、ミュゲ、グリーンティー、ピーチ、及びカシスの各種調合香料(いずれも小川香料社製)に、実施例1、2、比較例1、2、3のシチトウイ抽出物を添加し、香気に対する影響を調べた。
比較のため、ローズ、ミュゲ、グリーンティー、ピーチ、及びカシスの特徴的な香調を増強できる合成香料素材も用いた。合成香料素材としては、ローズはダマスコン、ミュゲとグリーンティーはトリプラール、ピーチとカシスはリナロールを用いた。
具体的には、各種の調合香料をベース香料とし、これに、試験例1で調整した実施例1のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物、試験例1で調整した実施例2のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物、比較例1のシチトウイ抽出物、比較例2のシチトウイ抽出物、試験例1で調整した比較例3のイグサ抽出物のエタノール希釈物、又は合成香料素材を、終濃度0.1質量%となるように添加した香料組成物を調製した。
なお、表2に示す測定結果から、試験例1で調整した実施例1のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物には、14.5ppmのエチルヘキサデカノエートと81.5ppmのフィトールが含まれており、これを0.1%含有させた香料組成物には、14.5ppbのエチルヘキサデカノエートと81.5ppbのフィトールが含まれていた。試験例1で調整した実施例2のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物には、431ppbのエチルヘキサデカノエートと1789ppbのフィトールが含まれており、これを0.1%含有させた香料組成物には、0.4ppbのエチルヘキサデカノエートと1.8ppbのフィトールが含まれていた。試験例1で調整した比較例3のイグサ抽出物のエタノール希釈物には、14ppmのエチルヘキサデカノエートと56.5ppmのフィトールが含まれており、これを0.1%含有させた香料組成物には、14ppbのエチルヘキサデカノエートと56.5ppbのフィトールが含まれていた。
各香料組成物について、よく訓練された専門パネル10名により、官能評価を行った。官能評価は、各香料組成物を供試溶液とし、各香調の強さと発現性の強さの評価を、調合香料のみをコントロールとし、1点が最も弱く、10点が最も強い10段階評価(3点を、コントロールと同程度の強度とする。)で行った以外は、試験例1と同様にして行った。
さらに、それぞれの嗜好性について、◎(とても良い)、○(良い)、×(悪い)の3段階で評価した。
Figure 2021075684
Figure 2021075684
Figure 2021075684
Figure 2021075684
Figure 2021075684
結果を表3〜7に示す。実施例1のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物と実施例2のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物は、5種のいずれのベース香料に添加した場合でも、ベース香料の香りに違和感を与えることなく各香調において重要な香調を増強し、香りから得られるインパクトを増大することが確認された。特に、これらのシチトウイ抽出物のエタノール希釈物は、トップノートだけではなく、ミドルノートからラストノートまで全体的に発現することにより、纏まりのあるナチュラルさが強く感じられ、心地よい余韻が感じられた。
一方で、各ベース香料の特徴香の香気成分を合成素材として添加した香料組成物では、各香調において重要な香調が増強されたものの、その増強効果はトップノートしか得られなかった。比較例1のシチトウイ抽出物は、合成素材と同様にトップノートで重要な香調が増強されていたものの、香りのバランスが壊れてしまっていた。比較例2のシチトウイ抽出物では、香気の増強はほとんど感じられなかった。驚くべきことに、比較例3のイグサ抽出物は、それ自体は実施例1や実施例2のシチトウイ抽出物と同じような香りであるにもかかわらず、全体的に香気が感じにくくなり、発現性を損なってしまっており、香気や香味に対する改善効果がなかった。
[試験例3]
オレンジ及びアップルの各種調合香料(いずれも小川香料社製)に実施例1、2、比較例1、2のシチトウイ抽出物を添加して香料組成物を調製し、この香料組成物を飲料へ添加して香味に対する影響を調べた。
まず、各種の調合香料をベース香料とし、これに、試験例1で調整した実施例1のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物、又は試験例1で調整した実施例2のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物を、終濃度0.1質量%となるように添加した香料組成物を調製した。
グラニュー糖80gとクエン酸0.8gを水に溶解し、総量1000gに調整して、酸入りシロップを調製した。この酸入りシロップに、香料組成物を100ppm添加して、無果汁飲料を作製した。コントロールとして、この酸入りシロップに、ベース香料のみを100ppm添加した無果汁飲料も作製した。
各無果汁飲料について、よく訓練された専門パネル10名により、官能評価を行った。官能評価は、各無果汁飲料を供試溶液とし、スイート感、ジューシー感、フレッシュ感の3種の香調の強さと発現性の強さの評価を、ベース香料を添加した無果汁飲料をコントロールとし、1点が最も弱く、7点が最も強い7段階評価(4点を、コントロールと同程度の強度とする。)で行った。
なお、発現性は、各無果汁飲料を喫飲したときに感じられる香味を、トップノート、ミドルノート、ラストノートに分け、トップノートは口に含んだ瞬間の香味、ミドル〜ラストノートは飲んだ後の口に残る香味の強さを評価した。
さらに、それぞれの嗜好性について、◎(とても良い)、○(良い)、×(悪い)の3段階で評価した。
Figure 2021075684
Figure 2021075684
結果を表8〜9に示す。実施例1のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物と実施例2のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物は、2種のいずれのベース香料に添加した場合でも、ベース香料の香りに違和感を与えることなく各香調を増強し、香りから得られるインパクトを増大させることが確認された。特に、これらのシチトウイ抽出物のエタノール希釈物は、トップノートだけではなく、ミドルノートからラストノートまで全体的に発現することにより、纏まりのあるナチュラルさが強く感じられ、心地よい余韻が感じられた。
[試験例4]
本発明に係る改善剤を含有させた各種外用剤組成物を製造した。なお、以下の処方例中、香料は、全て、試験例2で製造したミュゲの香料組成物(ミュゲ調合香料に、試験例1で調整した実施例1のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物を0.1%含有させた香料組成物)を用いた。なお、以降の処方例は、香料を、試験例2〜試験例3に記載されている、実施例1若しくは実施例2のシチトウイ抽出物を含有する香料組成物に代えても、同様に製造できる。
(1)化粧水
処方例1に従い、精製水に、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の保湿剤、オレイルアルコール等の皮膚栄養剤と防腐剤、香料を溶解したエチルアルコールを、室温にて混合し、化粧水を調製した。
Figure 2021075684
(2)乳液
処方例2に従い、水相部として、精製水に1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの保湿剤を配合した。油相部として、ミツロウ、セチルアルコール、ワセリンなどの固形油分、スクワランなどの液体油分、香料、防腐剤、界面活性剤などの油性成分を配合し、約80℃に加熱した。約80℃に加熱した水相部にクインスシードなどの増粘剤を加え、ホモミキサーで攪拌しながら油相部を徐々に加え、乳化し、乳液を調製した。
Figure 2021075684
(3)クリーム
処方例3に従い、水相部として、精製水に1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール1500などの保湿剤を配合した。油相部として、ステアリン酸、ステアリルアルコール、水添ラノリンなどの固形油分、スクワラン、オクチルドデカノールなどの液体油分、香料、防腐剤、界面活性剤などの油性成分を配合した。水相部を徐々に加熱し、約80℃になったところで、これに、ほぼ同じ温度に加熱された油相部を少しずつ添加し、乳化してクリームを調製した。
Figure 2021075684
(4)パック
処方例4に従い、精製水に、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの保湿剤を配合した。これを70〜80℃に加熱し、カルボキシメチルセルロースなどの増粘剤、ポリビニルアルコールなどの皮膜剤を添加し攪拌溶解し、さらにエチルアルコールに香料、防腐剤、界面活性剤などを溶解したものを添加して可溶化し、パックを調製した。
Figure 2021075684
(5)軟膏剤
処方例5に従い、水相部として、精製水に1,3−ブチレングリコールなどの保湿剤を配合した。油相部として、ミツロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、高級脂肪酸などの固形油分、ワセリン、ラノリンなどの半固形分、流動パラフィンなどの液状油分に、香料、防腐剤、界面活性剤を混合し、80℃に加熱溶解した。次に、水相部を80℃に加熱溶解し、攪拌しながら同程度に加熱された油相部を徐々に加えて乳化し、軟膏剤を調製した。
Figure 2021075684
(6)ハンドクリーム
処方例6に従い、水相部として、精製水にグリセリン、尿素などの保湿剤を配合した。油相部として、セタノール、ワセリン等の固形油分、流動パラフィン、酢酸トコフェロール、ビタミンDなどの液体油分、香料、防腐剤、界面活性剤などの油性成分を配合した。水相部を徐々に加熱し、約80℃になったところで、これに、ほぼ同じ温度に加熱された油相部を少しずつ添加し、乳化して、ハンドクリームを調製した。
Figure 2021075684
(7)洗顔クリーム
処方例7に従い、水相部として、精製水に1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール1500などの保湿剤を配合した。油相部として、ステアリン酸、ステアリルアルコール、モノステアリン酸グリセリンなどの固形油分、スクワラン、オクチルドデカノールなどの液体油分、香料、防腐剤、界面活性剤などの油性成分を配合した。水相部を徐々に加熱し、約80℃になったところで、これに、ほぼ同じ温度に加熱された油相部を少しずつ添加し、乳化してクリームとする。これに水酸化カリウムを溶解した精製水を徐々に加え、けん化して、洗顔クリームを調製した。
Figure 2021075684
(8)ヘアシャンプー
処方例8に従い、水相部として、精製水にプロピレングリコール、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−トリメチルアンモニオプロピル]ヒドロキシエチルセルロースなどの保湿剤を配合した。油相部として、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、高重合メチルポリシロキサン、ジステアリン酸エチレングリコール、香料などの油性成分を配合した。水相部を徐々に加熱し、約80℃になったところで、これに、ほぼ同じ温度に加熱された油相部を少しずつ添加し、攪拌して、ヘアシャンプーを調製した。
Figure 2021075684
(9)ヘアリンス
処方例9に従い、水相部として、精製水にグリセリンなどの保湿剤を配合した。油相部として、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリルアルコール、セチルアルコール、などの固形油分、高重合メチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、流動パラフィンなどの液体油分、香料、防腐剤、界面活性剤などの油性成分を配合した。水相部を徐々に加熱し、約80℃になったところで、これに、ほぼ同じ温度に加熱された油相部を少しずつ添加し、乳化して、ヘアリンスを調製した。
Figure 2021075684
(10)ボディソープ
処方例10に従い、水相部として、精製水にプロピレングリコール、グリセリンなどの保湿剤を配合した。油相部として、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ジステアリン酸エチレングリコール、香料などの油性成分を配合した。水相部を徐々に加熱し、約80℃になったところで、これに、ほぼ同じ温度に加熱された油相部を少しずつ添加し、攪拌して、ボディソープを調製した。
Figure 2021075684
(11)固形石鹸
処方例11に従い、石鹸用素地に、酸化チタン、防腐剤、香料を配合した。これを型抜き、仕上げをし、固形石鹸を調製した。
Figure 2021075684
(12)浴用剤a
処方例12に従い、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムに、香料などを添加して混合し、浴用剤aを調製した。
Figure 2021075684
(13)浴用剤b
処方例13に従い、界面活性剤に流動パラフィン、ホホバ油、防腐剤などの油性成分を配合し、約60℃にて溶解させた。これに香料、精製水などを添加し、浴用剤bを調製した。
Figure 2021075684
(14)育毛剤
処方例14に従い、エチルアルコールにセンブリエキス、酢酸トコフェロール、パントテニルエチルエーテルなどの毛髪栄養剤と、防腐剤、香料などを溶解したエチルアルコールとを室温にて混合した化粧料基剤に、精製水を配合し、育毛剤を調製した。
Figure 2021075684
(15)練歯磨き
処方例15に従い、水相部として精製水にグリセリンなど既知の保湿剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナンなどの増粘剤を配合し、さらに第二リン酸カルシウム・2水塩、無水ケイ酸、ラウリル硫酸ナトリウムを混合した。精製水の一部にサッカリンナトリウム、香料、防腐剤を加え、これを前記水相部に混合脱気し、練歯磨きを製造した。
Figure 2021075684
(16)洗口剤
処方例16に従い、精製水にグリセリン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を加え溶解した。これに、エチルアルコールに1−メントール及び香料を溶解したものを加えて混合溶解した。さらにサッカリンナトリウム、グルコン酸クロルヘキシジンを加え溶解し、洗口剤を製造した。
Figure 2021075684
(17)食器用洗剤
処方例17に従い、水相部として、精製水にポリプロピレングリコール、エチルアルコール、防腐剤を配合した。油相部として、ポリオキシエチレン(2)ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリルグルコシド、香料を配合した。水相部を徐々に加熱し、約80℃になったところで、これに油相部を少しずつ添加し、攪拌して、食器用洗剤を製造した。
Figure 2021075684
(18)カーリング剤
処方例18に示す組成にて、カーリング剤を製造した。
Figure 2021075684
(19)デオドラントスプレー
処方例19に示す組成にて、デオドラントスプレーを製造した。
Figure 2021075684
(20)香水
処方例20に示す組成にて、香水を製造した。
Figure 2021075684
処方例1〜20で製造した各種外用剤組成物はいずれも、グリーンフローラルな好ましい香りが、トップノートからラストノートまで広い範囲で感じられた。
[試験例5]
本発明に係る改善剤を含有させた各種飲食品を製造した。なお、以下の処方例中、香料は、全て、試験例3で製造したアップルの香料組成物(アップル調合香料に、試験例1で調整した実施例1のシチトウイ抽出物のエタノール希釈物を0.1%含有させた香料組成物)を用いた。なお、以降の処方例は、香料を、試験例2〜試験例3に記載されている、実施例1若しくは実施例2のシチトウイ抽出物を含有する香料組成物に代えても、同様に製造できる。
(1)アップル果汁飲料
処方例21に示す組成にて、アップル果汁飲料を製造した。
Figure 2021075684
(2)グミキャンディー
処方例22に示す組成にて、グミキャンディーを製造した。
Figure 2021075684
処方例21〜22で製造した各種飲食品はいずれも、ジューシーな甘さが、トップノートからラストノートまで広い範囲で感じられた。
本発明に係る改善剤を香粧品、香料、又は飲食品に添加することにより、その香りや香味を、トップノートからラストノートまで広い範囲で、改善又は増強することができる。このため、当該改善剤は、各種の香粧品や飲食品に幅広く利用できる。

Claims (15)

  1. シチトウイから抽出された、エチルヘキサデカノエート及びフィトールを含有する抽出物からなる、香気又は香味の改善剤。
  2. 前記抽出物が、シチトウイから、無極性又は低極性の物質を溶媒として抽出された抽出物である、請求項1に記載の香気又は香味の改善剤。
  3. 前記溶媒が、液化状態、又は亜臨界若しくは超臨界状態の二酸化炭素である、請求項2に記載の香気又は香味の改善剤。
  4. 前記溶媒が、無極性又は低極性の有機溶剤である、請求項2に記載の香気又は香味の改善剤。
  5. 前記抽出物が、シチトウイの茎部の抽出物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の香気又は香味の改善剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の香気又は香味の改善剤を有効成分とする、香料組成物。
  7. 組成物全量に対する、前記抽出物に由来するエチルヘキサデカノエートの含有量が0.0004〜6ppmであり、前記抽出物に由来するフィトールの含有量が0.001〜33ppmである、請求項6に記載の香料組成物。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の香気又は香味の改善剤を含有する、香粧品。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の香気又は香味の改善剤を含有する、経口組成物。
  10. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の香気又は香味の改善剤を含有させることにより、香粧品又は経口組成物の香気又は香味を改善する、香気又は香味の改善方法。
  11. 請求項6又は7に記載の香料組成物を含有させることにより、香粧品又は経口組成物の香気又は香味を改善する、香気又は香味の改善方法。
  12. 無極性又は低極性の物質を溶媒として、シチトウイから抽出された、エチルヘキサデカノエート及びフィトールを含有する、抽出物。
  13. シチトウイから、無極性又は低極性の物質を溶媒として抽出し、エチルヘキサデカノエート及びフィトールを含有する抽出物を得る、抽出物の製造方法。
  14. シチトウイの茎部から、5〜99.5(w/w)%のエタノール水溶液の存在下で、液化状態、又は亜臨界若しくは超臨界状態の二酸化炭素で抽出する、請求項13に記載の抽出物の製造方法。
  15. シチトウイから抽出された、エチルヘキサデカノエート及びフィトールを含有する抽出物を、組成物全量に対して、前記抽出物に由来するエチルヘキサデカノエートの含有量が0.0004〜6ppm、前記抽出物に由来するフィトールの含有量が0.001〜33ppmとなるように添加する、香料組成物の製造方法。
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