JP2021075436A - 吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】吹付機の配管及びノズルへの付着性を抑制でき、急結剤を配合した粘着性の高い吹付用水硬性組成物であっても高い吐出力を維持できる、吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤、吹付用水硬性組成物、及び湿式吹付工法を提供する。【解決手段】(A)アクリル酸又はその塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸又はその塩、メタクリル酸エステル、及びアクリルアミドから選ばれる単量体を含む、重量平均分子量2万以上650万以下である高分子、及び(B)急結剤を含む、吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤。【選択図】なし

Description

本発明は、吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤、吹付用水硬性組成物、及び湿式吹付工法に関する。
トンネル掘削等露出した地山の崩落を防止するために、急結剤をコンクリートに配合した急結性コンクリートを用いた吹付工法が行われている。この工法のうち、湿式吹付工法と呼ばれるものは、通常、掘削工事現場に設置した、セメント、骨材、及び水の計量混合プラントで吹付コンクリートを調製し、それをアジテータ車で運搬・吹付け機に移送する。コンクリートと粉末急結剤の混合は、吹付け機のポンプでコンクリートを吐出口まで空気圧送するラインと、その途中に設けた合流管で粉末急結剤を他方から空気圧送するラインとで合流混合し、急結性吹付コンクリートとして地山面に所定の厚みになるまで吹き付ける工法である。
特許文献1には、アクリル酸、メタクリル酸、それらのエステルまたはアクリルアミドを構造単位として含む分子量約30万〜200万のアクリル系重合体またはその部分加水分解物を含むことを特徴とするセメント、石膏などの水硬性無機結合剤を用いる吹付け工法用粉じん防止剤が開示されている。
特許文献2には、アルギン酸塩とポリアクリル酸塩を含有するリバウンド低減剤、アルギン酸塩とポリアクリルアミド類、さらに、ポリアクリル酸塩を含有するリバウンド低減剤、急結剤と該リバウンド低減剤を含有する吹付け材料、セメントと該吹付け材料を含有するセメント組成物、並びに、セメントと急結剤を含有する急結性コンクリートと該リバウンド低減剤を吹付けノズル部分で混合して吹付ける吹付け工法が開示されている。
特開昭61−31335号公報 特開2001−261397号公報
急結剤をコンクリートに配合した吹付工法を用いた場合、急結剤を配合することにより吹付コンクリートの粘着性が増し、吹付機の配管及びノズルに付着することで、吹付コンクリートの吐出量が低下する課題があることを本発明者は見出した。
本発明は、吹付機の配管及びノズルへの付着性を抑制でき、急結剤を配合した粘着性の高い吹付用水硬性組成物であっても高い吐出力を維持できる、吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤、吹付用水硬性組成物、及び湿式吹付工法を提供する。
本発明は、(A)アクリル酸又はその塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸又はその塩、メタクリル酸エステル、及びアクリルアミドから選ばれる1種又は2種以上の単量体を含む、重量平均分子量2万以上650万以下である高分子(以下、(A)成分という)、及び(B)急結剤(以下、(B)成分という)を含む、吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤に関する。
また、本発明は、(A)成分、(B)成分、セメント、水、並びに骨材を含む、吹付用水硬性組成物に関する。
また、本発明は、セメント、水、骨材を混合して水硬性組成物を製造し、
前記水硬性組成物に、(A)成分と、(B)成分とを混合して、吹付用水硬性組成物を製造し、
前記吹付用水硬性組成物を対象物に吹き付ける、
湿式吹付工法に関する。
本発明によれば、吹付機の配管及びノズルへの付着性を抑制でき、急結剤を配合した粘着性の高い吹付用水硬性組成物であっても高い吐出力を維持できる、吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤、吹付用水硬性組成物、及び湿式吹付工法を提供できる。
実施例で用いた吹付装置の概略図。
〔吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤〕
<(A)成分>
本発明の(A)成分は、アクリル酸又はその塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸又はその塩、メタクリル酸エステル、及びアクリルアミドから選ばれる1種又は2種以上の単量体(以下、単量体(A1)という)を含む、重量平均分子量2万以上650万以下である高分子である。(A)成分は、構成する単量体(A1)を含む高分子である。
アクリル酸又はその塩、及びメタクリル酸又はその塩の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミニウム塩、カルシウム塩が挙げられる。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸ヘキシルエステル、アクリル酸オクチルエステル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸グリシジルエステルが挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸ヘキシルエステル、メタクリル酸オクチルエステル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸グリシジルエステルが挙げられる。
単量体(A1)は、アクリル酸又はその塩、メタクリル酸又はその塩、及びアクリルアミドから選ばれる1種又は2種以上の単量体が好ましく、アクリル酸又はその塩、及びアクリルアミドから選ばれる1種又は2種の単量体がより好ましく、アクリル酸又はその塩の単量体が更に好ましい。
(A)成分の高分子は、単量体(A1)以外の単量体(以下、単量体(A2)という)を含んでもよい。
単量体(A2)としては、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、アコニット酸、及びクロトン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物、及びイタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノエチル等の不飽和カルボン半エステル、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸、リン酸−2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル、リン酸水素ビス[2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]等の不飽和リン酸、ビニルフェノール等の不飽和フェノール、エチレン、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアノビニル、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、ネオデカン酸ビニルエステル等の炭素数3以上18以下の脂肪族カルボン酸のビニルエステル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテルモノマー、アリルメタクリレート等の多官能性ビニルモノマー、スチレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素、及びメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン等の不飽和アミド化合物等が挙げられる。
(A)成分を構成する全単量体中、単量体(A1)の割合は、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、より更に好ましくは90モル%以上、そして、好ましくは100モル%以下であり、100モル%であってもよい。
(A)成分は、配管及びノズルへの付着防止の観点から、ポリアクリル酸又はその塩、ポリメタクリル酸又はその塩、及びポリアクリルアミドから選ばれる1種以上が好ましく、ポリアクリル酸又はその塩、及びポリアクリルアミドから選ばれる1種以上がより好ましく、ポリアクリル酸又はその塩が更に好ましい。
(A)成分の重量平均分子量は、ノズルへの付着防止の観点から、2万以上、好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上、更に好ましくは20万以上、そして、650万以下、好ましくは500万以下、より好ましくは350万以下、更に好ましくは250万以下、より更に好ましくは200万以下である。
(A)成分の重量平均分子量は、アセトニトリルと水の混合溶媒(リン酸緩衝液)を展開溶媒とし、ポリエチレングリコールを標準物質として、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで求めることもできる。
カラム:東ソー(株)製GMPWXL―GMPWXL(アニオン)
検出器:示差屈折率計
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=9/1
標品:ポリエチレングリコール換算(分子量既知の単分散ポリエチレングリコール、分子量:21000、44200、101000、185000、580000、977000)
条件:カラム温度:40℃、流速:0.5mL/min、濃度:2mg/mL
本発明の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤は、(A)成分を、配管及びノズルへの付着防止の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下含有する。
<(B)成分>
本発明の(B)成分は、急結剤である。急結剤は、無機塩系急結剤、セメント鉱物系急結剤、及び天然鉱物系急結剤から選ばれる1種以上の急結剤が挙げられる。
無機塩系急結剤としては、アルカリ金属アルミン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、硫酸アルミニウム、二水石膏、半水石膏、無水石膏、塩化カルシウム及び珪酸塩、水酸化カルシウムなどが挙げられる。
セメント鉱物系急結剤としては、カルシウムアルミネートやカルシウムサルホアルミネートなどが挙げられる。
天然鉱物系急結剤としては、か焼ミョウバン石などが挙げられる。これらを複数組み合わせた複合系の急結剤も使用できる。
本発明の(B)成分は、コンクリートの硬化性と配管及びノズルへの付着防止の観点から、アルミニウムを構成成分とする急結剤が好ましい。アルミニウムを構成成分とする急結剤としては、アルミン酸カルシウム、カルシウムサルホアルミネート、カルシウムアルミネート、水酸化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、硫酸アルミニウム、二水石膏、塩化アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、カリウムミョウバン、鉄ミョウバン、及びアンモニウム鉄ミョウバンから選ばれる1種以上のアルミニウム塩が挙げられる。
(B)成分は、コンクリートの硬化性と配管及びノズルへの付着防止の観点から、カルシウムアルミネート、カルシウムサルホアルミネート、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、二水石膏及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上が好ましく、カルシウムアルミネート、カルシウムサルホアルミネート、及び硫酸アルミニウムから選ばれる1種以上がより好ましく、カルシウムアルミネート、及び硫酸アルミニウムから選ばれる1種以上が更に好ましい。
本発明の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤は、(B)成分を、配管及びノズルへの付着防止及び急結性の観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは97.5質量%以下含有する。
本発明の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤において、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比(B)/(A)は、配管及びノズルへの付着防止及び急結性の観点から、好ましくは3.5以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは14以上、そして、好ましくは90以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは40以下である。
本発明の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤は水を含有してもよい。本発明の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤における水の含有量は、配管及びノズルへの付着防止の観点から、好ましくは45質量%未満であり、更に40質量%以下であり、更に35質量%以下であり、更に30質量%以下であり、更に25質量%以下であり、更に20質量%以下であり、更に15質量%以下であり、更に10質量%以下であり、更に5質量%以下であり、更に1質量%以下である。また他の態様としては、本発明の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤は水を含有しなくともよい。
本発明の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤は、配管に付着する吹付用水硬性組成物を低減するのに有効である。本発明において、配管とは、吹付機のポンプで吹付用水硬性組成物を空気圧送するラインの配管及びノズルが含まれる。
〔吹付用水硬性組成物〕
本発明の吹付用水硬性組成物は、(A)成分、(B)成分、セメント、水、骨材を含有する。
本発明の吹付用水硬性組成物において、(A)成分、及び(B)成分は、本発明の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤において記載した態様と同じである。
本発明の吹付用水硬性組成物は、本発明の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤において記載した態様を適宜適用することができる。
セメントとしては、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、並びにこれらポルトランドセメントに、フライアッシュ、高炉スラグ、又はシリカや石灰石微粉末等を混合した各種混合セメント等が挙げられる。セメントは、ノズルへの付着防止の観点から、普通ポルトランドセメント又は早強ポルトランドセメントが好ましい。
骨材としては、細骨材及び粗骨材から選ばれる骨材が挙げられる。骨材は細骨材が含まれることが好ましい。細骨材として、JIS A0203−2014中の番号2311で規定されるものが挙げられる。細骨材としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工及び天然)及び再生細骨材等が挙げられる。また、粗骨材として、JIS A0203−2014中の番号2312で規定されるものが挙げられる。例えば粗骨材としては、川砂利、陸砂利、山砂利、海砂利、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。細骨材、粗骨材は種類の違うものを混合して使用しても良く、単一の種類のものを使用しても良い。
本発明の吹付用水硬性組成物は、骨材として細骨材を含有することが好ましい。本発明の吹付用水硬性組成物での細骨材の使用量は、好ましくは800kg/m以上、より好ましくは900kg/m以上、そして、好ましくは1300kg/m以下、より好ましくは1200kg/m以下である。
本発明の吹付用水硬性組成物では、細骨材率が好ましくは35%以上、より好ましくは45%以上、そして、好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下である。ここで細骨材率は、全骨材中の細骨材の容積含有率である。
本発明の吹付用水硬性組成物は、水/セメント比〔水硬性組成物中の水とセメントの質量百分率(質量%)〕が、ノズルへの付着防止と急結性の観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。
本発明の吹付用水硬性組成物は、(A)成分を、セメント100質量部に対して、配管及びノズルへの付着防止の観点から、好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、そして、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下含有する。
本発明の吹付用水硬性組成物は、(B)成分を、セメント100質量部に対して、配管及びノズルへの付着防止と急結性の観点から、好ましくは4質量部以上、より好ましくは6質量部以上、更に好ましくは7質量部以上、そして、好ましくは12質量部以下、より好ましくは11質量部以下、更に好ましくは10質量部以下含有する。
本発明の吹付用水硬性組成物において、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比(B)/(A)は、配管及びノズルへの付着防止及び急結性の観点から、好ましくは3.5以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは14以上、そして、好ましくは90以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは40以下である。
本発明の吹付用水硬性組成物は、必要に応じて、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤及び流動化剤を含む減水剤、膨張材、硬化促進剤、硬化遅延剤、セメント用ポリマー、発泡剤、防水剤、防錆剤、収縮低減剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤等の一種または二種以上を含有してもよい。
〔湿式吹付工法〕
本発明は、セメント、水、骨材を混合して水硬性組成物を製造し、
前記水硬性組成物に、(A)成分と、(B)成分とを混合して、吹付用水硬性組成物を製造し、
前記吹付用水硬性組成物を対象物に吹き付ける、
湿式吹付工法である。
本発明の湿式吹付工法において、(A)成分、及び(B)成分は、本発明の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤において記載した態様と同じである。
本発明の湿式吹付工法において、セメント、骨材は、本発明の吹付用水硬性組成物において記載した態様と同じである。
本発明の湿式吹付工法は、本発明の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤、及び吹付用水硬性組成物において記載した態様を適宜適用することができる。
本発明の湿式吹付工法では、まず、セメント、水、及び骨材を混合して、水硬性組成物を製造する。
セメント、水、及び骨材を混合して製造された水硬性組成物は、水/セメント比〔水硬性組成物中の水とセメントの質量百分率(質量%)〕が、ノズルへの付着防止と急結性の観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。通常、当該水硬性組成物の水/セメント比は、引き続き製造される吹付用水硬性組成物に反映される。従って、本発明では、前記吹付用水硬性組成物も、水/セメント比は、前記範囲であることが好ましい。
本発明において、セメント、水、及び骨材の混合は、公知の方法により行うことができる。具体的には、セメントと水と骨材とを同時に混合する方法が挙げられる。これらの成分の混合には、パン型強制ミキサー、2軸強制ミキサー、可傾式ミキサー等の混合ミキサーを使用することができる。
本発明では、セメント、水、及び骨材を混合して得た水硬性組成物に、(A)成分と(B)成分を添加して、吹付用水硬性組成物を製造する。前記水硬性組成物と(A)成分と(B)成分との混合は、例えば、コンクリートと(A)成分と(B)成分とを別々に空気圧送して合流混合する一般的な湿式吹付工法で実施できる。また(A)成分と(B)成分は、予め(A)成分と(B)成分を混合して、前記水硬性組成物と混合することが好ましい。(A)成分と(B)成分の混合物は、本発明の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤であってよい。
本発明では、(A)成分を、前記水硬性組成物中のセメント100質量部に対して、配管及びノズルへの付着防止の観点から、好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、そして、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下含有する。
本発明では、(B)成分を、前記水硬性組成物中のセメント100質量部に対して、配管及びノズルへの付着防止と急結性の観点から、好ましくは4質量部以上、より好ましくは6質量部以上、更に好ましくは7質量部以上、そして、好ましくは12質量部以下、より好ましくは11質量部以下、更に好ましくは10質量部以下含有する。
本発明では、(A)成分と(B)成分を、(A)成分の混合量と(B)成分の混合量との質量比(B)/(A)は、配管及びノズルへの付着防止及び急結性の観点から、好ましくは3.5以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは14以上、そして、好ましくは90以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは40以下である。
本発明の吹付工法では、このようにして調製した吹付用水硬性組成物を対象物に吹き付ける。この方法は、いわゆる湿式吹付工法に相当する。
本発明の湿式吹付工法は、従来の吹付設備により実施可能である。吹付設備は、湿式での吹き付けが支障なく行われればよく、例えば、前記水硬性組成物の圧送に、アリバ社製、商品名「アリバ280」等を用い、(A)成分と(B)成分の混合物の圧送にちよだ製作所製、商品名「ナトムクリート」等を用い、両者を混合して吹付用水硬性組成物を調製して吹き付けを行うことが可能である。
表中の成分は以下のものを用いた。
<(A)成分>
(A−1):ポリアクリル酸、富士フィルム和光純薬株式会社製、重量平均分子量80,000
(A−2):ポリアクリル酸、ジュリマーAC−10LHPK、東亞合成株式会社製、重量平均分子量2,000,000
(A−3):ポリアクリル酸、富士フィルム和光純薬株式会社製、重量平均分子量1,800,000
(A−4):ポリアクリル酸ソーダ、アコフロックA−190、MTアクアポリマー株式会社製、重量平均分子量6,300,000
<(A’)成分((A)成分の比較成分)>
(A’−1):ポリアクリル酸、富士フィルム和光純薬株式会社製、重量平均分子量18,000
(A’−2):ポリアクリル酸ソーダ、アロンA−20P−X、東亞合成株式会社製、重量平均分子量7,300,000
<(B)成分>
(B−1):カルシウムアルミネート、セメント鉱物系急結剤、太平洋ショットマスター、太平洋マテリアル製
(B−2):水酸化カルシウム、富士フィルム和光純薬株式会社製
(1)モルタルの作製
モルタルの配合成分は以下の通りである。
水:水道水
セメント:太平洋セメント株式会社製普通ポルトランドセメントと住友大阪セメント製普通ポルトランドセメントとの重量比1:1の混合物
砂:京都府 城陽市産 山砂 表乾状態 比重2.55
砂利:家島産 砕石 表乾状態 比重2.77
モルタルの作製には、「JIS R 5201 セメントの物理試験方法」に規定されるモルタルミキサーを使用した。
モルタルミキサーの練鉢に水を240g入れ、その後セメントを400g加え低速で30秒撹拌した。その後に砂を1054g入れ、再び低速で2分撹拌し、モルタルを調製した。得られたモルタルに砂利を725g加え、手練りで均一になるまで撹拌した。得られたコンクリートを40gと表中の(A)成分又は(A’)成分と、(B)成分を予め混合した混合物を表中の量(セメント100質量部に対する量)で、図1の吹付装置のコンクリート投入口に投入し、投入口に手で蓋をしてバルブを開いてベニヤ板に吹付けた。このコンクリートと(A)成分又は(A’)成分と、(B)成分を予め混合した混合物の投入作業から吹付け作業までの一連の流れを10回繰り返した。
コンクリート投入口及びノズルはステンレス(SUS304)製の配管(呼び径(A):20)を用いて作成した。また、吐出圧力は圧力レギュレータを用いて0.5MPaに調整した。コンプレッサーはトスコンGP−4T8(東芝社製)を使用した。
(2)評価
得られた吹付用モルタルを用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(2−1)ノズル残存率
投入したコンクリート量から、ノズル外へ排出されたコンクリート量(壁に付着した量、跳ね返った量、ノズルから垂れ落ちた量)を除いたコンクリート量をノズルに残存した量として記録した。投入したコンクリート量に対する、そのノズルに残存した量をノズル残存率とした。結果を表1に示す。
Figure 2021075436


Claims (15)

  1. (A)アクリル酸又はその塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸又はその塩、メタクリル酸エステル、及びアクリルアミドから選ばれる単量体を含む、重量平均分子量2万以上650万以下である高分子(以下、(A)成分という)、及び(B)急結剤(以下、(B)成分という)を含む、吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤。
  2. (A)成分がポリアクリル酸又はその塩である、請求項1に記載の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤。
  3. 水の含有量が45質量%未満である、請求項1又は2に記載の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤。
  4. (B)成分がアルミニウムを構成成分とする急結剤である、請求項1〜3の何れか1項に記載の吹付用水硬性組成物用配管への付着低減剤。
  5. (A)アクリル酸又はその塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸又はその塩、メタクリル酸エステル、及びアクリルアミドから選ばれる単量体を含む、重量平均分子量2万以上650万以下である高分子(以下、(A)成分という)、(B)急結剤(以下、(B)成分という)、セメント、水、並びに骨材を含む、吹付用水硬性組成物。
  6. (A)成分がポリアクリル酸又はその塩である、請求項5に記載の吹付用水硬性組成物。
  7. (B)成分がアルミニウムを構成成分とする急結剤である、請求項5又は6に記載の吹付用水硬性組成物。
  8. (A)成分の含有量が、セメント100質量部に対して0.02質量部以上2質量部以下である、請求項5〜7の何れか1項に記載の吹付用水硬性組成物。
  9. (A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比(B)/(A)が、3.5以上90以下である、請求項5〜8の何れか1項に記載の吹付用水硬性組成物。
  10. セメント、水、骨材を混合して水硬性組成物を製造し、
    前記水硬性組成物に、(A)アクリル酸又はその塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸又はその塩、メタクリル酸エステル、及びアクリルアミドから選ばれる単量体を含む、重量平均分子量2万以上650万以下である高分子(以下、(A)成分という)と、(B)急結剤(以下、(B)成分という)とを混合して、吹付用水硬性組成物を製造し、
    前記吹付用水硬性組成物を対象物に吹き付ける、
    湿式吹付工法。
  11. (A)成分がポリアクリル酸又はその塩である、請求項7に記載の湿式吹付工法。
  12. (B)成分がアルミニウムを構成成分とする急結剤である、請求項10又は11に記載の湿式吹付工法。
  13. (A)成分を、セメント100質量部に対して0.02質量部以上2質量部以下となるように前記水硬性組成物に混合する、請求項10〜12の何れか1項に記載の湿式吹付工法。
  14. (A)成分と(B)成分を、(A)成分の混合量と(B)成分の混合量との質量比(B)/(A)が、3.5以上90以下となるように前記水硬性組成物に混合する、請求項10〜13の何れか1項に記載の湿式吹付工法。
  15. 前記水硬性組成物に、(A)成分と(B)成分の混合物を混合する、請求項10〜14の何れか1項に記載の湿式吹付工法。

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