JP2021074340A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】時短状態における当たりの価値を異ならせることができる遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ機の主制御基板のCPUは、大当たり判定の結果が大当たりの場合(S101:YES)、複数種類の時短回数のいずれかを、時短回数が決定される時点で時短状態が生起されているか否かに応じて決定し、大当たり遊技を実行する(S102)。CPUは、大当たり遊技の終了後に時短状態を生起できる。CPUは、大当たり判定の実行回数が、決定された時短回数に達した場合(S95:YES、S96:YES)、時短状態を終了する(S97)。CPUは、時短状態が生起されている状態において、大当たりと判定され且つ大当たり判定の実行回数が時短回数に達した場合、時短回数が決定される前に(S102)、時短状態を終了する(S97)。【選択図】図12

Description

本発明は、遊技機に関する。
従来、非時短状態と、大当たり判定の実行頻度が非時短状態よりも高くなる時短状態とを生起可能な遊技機が知られている。例えば特許文献1に記載の遊技機では、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起される。また、この遊技機では、大当たりに当選すると、時短回数選択テーブルが参照されて、複数種類の時短回数のいずれかが、大当たり当選時の遊技状態に応じて決定される。そして、この遊技機では、以下のように時短状態が終了される。まず、大当たり判定の結果を示すための特別図柄変動が実行される。特別図柄変動における停止時間が経過すると、特別図柄変動の回数が時短回数に達したかが判断される。そして、特別図柄変動の回数が時短回数に達したと判断された場合に、時短状態が終了される。
特開2017−86186号公報
上記遊技機では、時短状態において大当たり判定に当選した場合、常に時短回数選択テーブルの時短状態の欄が参照されて時短回数が決定される。したがって、時短状態において特別図柄変動の回数がいずれの回数のときに大当たりに当選しても、大当たり当選時に決定される時短回数の観点からは遊技者にとって同じ価値の大当たりとなっていた。
本発明の目的は、時短状態における当たりの価値を異ならせることができる遊技機を提供することである。
本発明の一態様に係る遊技機は、判定条件が成立した場合に、当たりか否かの判定を実行する判定手段と、前記判定の結果が前記当たりとなったことを契機として、当たり遊技を実行する当たり実行手段と、前記判定の結果が前記当たりとなったことを少なくとも1つの条件とする生起条件が成立した場合、前記当たり遊技の終了後に、前記判定条件の成立頻度が非時短状態よりも高い時短状態を生起する生起手段と、前記判定の結果が前記当たりとなったことを少なくとも1つの条件とする決定条件が成立した場合、複数種類の時短回数のいずれかを、前記時短回数が決定される時点で前記生起手段によって前記時短状態が生起されているか否かに応じて決定する決定手段と、前記生起手段によって前記時短状態が生起されてから前記判定条件が成立した成立回数が、前記決定手段によって決定された前記時短回数に達した場合に、前記時短状態を終了する終了手段とを備え、前記終了手段は、前記生起手段によって前記時短状態が生起されている状態において、前記決定条件が成立し且つ前記成立回数が前記時短回数に達した場合、前記決定手段によって前記時短回数が決定される前に、前記時短状態を終了することを特徴とする。
上記態様によれば、時短状態において、生起条件が成立し且つ成立回数が時短回数に達した場合には、まず時短状態が終了するので、時短状態が生起されていない状態で時短回数が決定される。一方、時短状態において、成立回数が時短回数に達する前に決定条件が成立した場合には、時短状態で時短回数が決定される。これにより、本発明に係る遊技機は、時短状態において、成立回数が時短回数に達する前に決定条件が成立した場合と、決定条件が成立し且つ成立回数が時短回数に達した場合とで、決定される時短回数を異ならせることができる。このように、本発明に係る遊技機は、時短状態における当たりの価値を異ならせることができる。
本発明の一態様に係る遊技機において、前記終了手段は、前記成立回数が前記時短回数に達した場合、前記判定手段によって前記判定が実行された後に、前記時短状態を終了してもよい。この場合、本発明に係る遊技機は、判定が実行されるまで時短状態を維持できる。
本発明の一態様に係る遊技機において、前記終了手段は、前記成立回数が前記時短回数に達した場合、前記判定手段によって前記判定が実行される前に、前記時短状態を終了してもよい。この場合、本発明に係る遊技機は、判定が実行されるまでに時短状態を終了できる。
パチンコ機1の正面図である。 遊技盤2の正面図である。 パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。 RAM52の大当たり関係情報記憶エリア521を示す概念図である。 第一実施形態のROM53に記憶されている特別図柄決定テーブル531を示す概念図である。 第一実施形態のROM53に記憶されている時短回数決定テーブル532を示す概念図である。 第一実施形態のROM53に記憶されている変動パターン決定テーブル533を示す概念図である。 第一実施形態の主制御基板41において行われるメイン処理のフローチャートである。 第一実施形態のメイン処理の中において行われる特別図柄処理のフローチャートである。 第一実施形態のメイン処理の中において行われる特別図柄処理のフローチャートである。 第一実施形態のメイン処理の中において行われる特別図柄処理のフローチャートである。 第一実施形態の特別図柄処理の中において行われる時短関係処理のフローチャートである。 第一実施形態の特別図柄処理の中において行われる遊技状態移行処理のフローチャートである。 第一実施形態のメイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。 第一実施形態のメイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。 第一実施形態のメイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。 第一実施形態のメイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。 第一実施形態のパチンコ機1における遊技状態の遷移を示す説明図である。 第二実施形態のROM53に記憶されている特別図柄決定テーブル1531を示す概念図である。 第二実施形態のROM53に記憶されている時短回数決定テーブル1532を示す概念図である。 第二実施形態のパチンコ機1における遊技状態の遷移を示す説明図である。
<第一実施形態>
以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態のパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、および右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、および右側とする。
図1および図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、第一実施形態のパチンコ機1は、遊技盤2を着脱可能な本体枠29を備える。遊技盤2は正面視略正方形の板状である(図2参照)。本体枠29に装着された遊技盤2は、パチンコ機1の上側部分に配置される。遊技盤2は、本体枠29と、本体枠29の前側に装着された前面枠291との間で保持される。前面枠291は、透明なガラス板を保持しており、遊技盤2の前面を保護する。
遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図3参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠291のガラス板を取り囲むように、電飾部材35が設けられている。電飾部材35は、遊技の進行等に応じて点灯または点滅可能である。前面枠291の上部の両角部に、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の第一強度で発射された遊技球は、センター飾り8の左側を流下し、所定の強度以上の第二強度で発射された遊技球は、センター飾り8の右側を流下する。以下、遊技球がセンター飾り8の左側を流下するように第一強度で遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球がセンター飾り8の右側を流下するように第二強度で遊技球を発射することを「右打ち」という。
センター飾り8は、表示画面28等を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の上部の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成されており、様々な数字・文字等を表示可能である。表示画面28は、例えば、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(第一実施形態では3つ)の演出図柄を変動させる図柄変動を表示した後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
センター飾り8の略中央下方には、第一始動口12が設けられている。第一始動口12は、遊技球が入賞可能に構成された入賞口であり、第一特別図柄(以下、「特図1」という場合もある。)の始動口として機能する。
第一始動口12の右方には、第一大入賞口16が設けられている。第一大入賞口16は、いわゆる特別電動役物(大当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変化する役物)に係る入賞口として構成されている。第一大入賞口16は、第一大入賞口ソレノイド70(図3参照)によって電気的に開閉される開閉部材161を備える。第一大入賞口16は、通常、開閉部材161によって閉鎖された閉鎖状態となっている。開閉部材161が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第一大入賞口16に入賞できる。第一実施形態では、第一大入賞口16は、後述する大当たり遊技として開放状態と閉鎖状態とが切り替えられるように構成されている。
第一大入賞口16の下方には、第二大入賞口17が設けられている。第二大入賞口17も、いわゆる特別電動役物に係る入賞口として構成されている。第二大入賞口17は、第二大入賞口ソレノイド71(図3参照)によって電気的に開閉される開閉部材171を備える。第二大入賞口17は、通常、開閉部材171によって閉鎖された閉鎖状態となっている。開閉部材171が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第二大入賞口17に入賞できる。第一実施形態では、第二大入賞口17は、後述する小当たり遊技として開放状態と閉鎖状態とが切り替えられるように構成されている。
第二大入賞口17の内部には、特定領域172、非特定領域173および可動片174が設けられている。特定領域172および非特定領域173は、第二大入賞口17に入賞した遊技球のみが通過できる領域である。可動片174は、前後方向に延びる略平板状の部材であり、可動片ソレノイド72(図3参照)によって、特定領域通過位置(図示略)と非特定領域通過位置(図2参照)とに電気的に動作する。非特定領域通過位置では、可動片174は、特定領域172を上部から覆うことで遊技球が特定領域172を通過することを阻害する(図2参照)。この場合、第二大入賞口17に入賞した遊技球は非特定領域173を通過する。一方、特定領域通過位置では、可動片174は、非特定領域通過位置から後方にスライドすることで特定領域172の上側を開放し、遊技球が特定領域172を通過可能にする(図示略)。
可動片174は、後述の小当たり遊技の開始時点を基準として一定の作動パターンで非特定領域通過位置と特定領域通過位置とに移動する。第一実施形態では、パチンコ機1は、可動片174の作動パターンに対する第二大入賞口17の開放タイミングを制御することで、第二大入賞口17に入賞した遊技球のうち、特定領域172を通過する遊技球の割合が約1/2となるように構成される。第二大入賞口17に入賞した遊技球は、特定領域172および非特定領域173のいずれかを通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。以下では、特定領域172を遊技球が通過することを、「V通過」ともいい、非特定領域173を遊技球が通過することを、「V非通過」ともいう。なお、V通過となる確率はV非通過となる確率よりも高くても、低くても、同じでもよい。
センター飾り8の右方には、普通図柄作動ゲート10が設けられている。普通図柄作動ゲート10は、遊技球が通過可能に構成され、普通図柄の作動ゲートとして機能する。普通図柄作動ゲート10の下方には、第二始動口13が設けられている。第二始動口13は、いわゆる普通電動役物(後述する普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変化する役物)に係る入賞口として構成されており、第二特別図柄(以下、「特図2」という場合もある。)の始動口として機能する。第二始動口13は、第二始動口ソレノイド68(図3参照)によって電気的に開閉される開閉部材131を備える。第二始動口13は、通常、開閉部材131によって閉鎖された閉鎖状態となっている。開閉部材131が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第二始動口13に入賞できる。なお、第二始動口13は、開閉部材131が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材131が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
遊技領域4には、上記以外に、アウト口18、入賞口、風車、遊技くぎ等が設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口12、第二始動口13、第一大入賞口16、第二大入賞口17およびその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、遊技盤2の下部に設けられたアウト口18を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
なお、第一実施形態では、右打ちされた遊技球よりも左打ちされた遊技球の方が第一始動口12に入賞しやすく、左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が普通図柄作動ゲート10、第二始動口13、第一大入賞口16、および第二大入賞口17に入賞しやすいように、各部材が配置されている。
また、遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED、および普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定の結果を示す第一特別図柄、および第二大当たり判定の結果を示す第二特別図柄を表示する。以下、第一大当たり判定および第二大当たり判定を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「大当たり判定」ともいう。第一特別図柄および第二特別図柄を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「特別図柄」ともいう。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「特別図柄表示部」ともいう。
普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である第一保留球の個数を示す第一保留球数を表示する。第二特別図柄記憶数表示LEDは、第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である第二保留球数の個数を示す第二保留球数を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である普通保留球の個数を示す普通保留球数を表示する。
第一実施形態のパチンコ機1における遊技の概要について説明する。第一実施形態のパチンコ機1には、大当たり遊技、小当たり遊技、および普通当たり遊技が設けられている。大当たり遊技は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動することにより実行される。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。条件装置は、大当たりであることを示す特別図柄が確定表示された場合、または役物連続作動装置が作動していない状態で、遊技球が大入賞口(第一実施形態では、第二大入賞口17)の内部の特定の領域(第一実施形態では、特定領域172)を通過した場合に作動する。また、役物連続作動装置とは、大入賞口を連続して作動する大当たり遊技状態を生起させるための装置である。以下、条件装置および役物連続作動装置が作動している状態を、「大当たり遊技状態」という。
第一実施形態では、第一始動口12へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、図柄表示部24の第一特別図柄表示部において第一特別図柄の変動表示が開始される。第一大当たり判定では、大当たりおよびはずれのいずれであるかが、大当たり判定乱数に基づいて判定される。
第一大当たり判定において大当たりであると判定されると、判定結果が大当たりであることを示す第一特別図柄が図柄表示部24の第一特別図柄表示部に確定表示されて、条件装置が作動する。これに伴い、役物連続作動装置が作動して大当たり遊技状態が生起され、第一大入賞口16の開閉部材161が所定時間開放状態にされることが所定回数繰り返される大当たり遊技が実行される。第一実施形態において、第一大入賞口16は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動した場合に作動する大入賞口である。大当たり遊技において、第一大入賞口16の開放は、大当たり遊技の開始から所定のオープニング時間の経過後から開始される。
以下、大当たり遊技において第一大入賞口16の開閉部材161が、連続して開放状態にされる繰り返しの一単位を、「大当たりラウンド」という。1回の大当たりラウンド毎に、第一大入賞口16が所定時間で1回または複数回開放する。以下では、1回の大当たり遊技を構成する大当たりラウンドの合計数を、「ラウンド数」または「R数」ということがある。また、n回のラウンド数を「nR」と示すことがある。
ラウンド数が増えるほど、1回の大当たり遊技において第一大入賞口16の開放する回数が増加する。すなわち、ラウンド数が増えるほど、第一大入賞口16へ入賞する遊技球の数が増加し得る。賞球払出装置49(図3参照)は、第一大入賞口16へ入賞した遊技球の個数に応じた賞球を払い出す。すなわち、ラウンド数は、大当たり遊技によって遊技者に払い出される賞球の目安を示し、大当たり遊技の価値の大きさを示す。
また、第二始動口13へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われ、図柄表示部24の第二特別図柄表示部において第二特別図柄の変動表示が開始される。第二大当たり判定では、大当たりおよび小当たりのいずれであるかが、大当たり判定乱数に基づいて判定される。第二大当たり判定において大当たりであると判定されると、判定結果が大当たりであることを示す第二特別図柄が、図柄表示部24の第二特別図柄表示部に確定表示されて、条件装置が作動する。これに伴い、役物連続作動装置が作動して大当たり遊技状態が生起され、大当たり遊技が実行される。第一実施形態では、第一大当たり判定および第二大当たり判定において大当たりであると判定される大当たり確率は、遊技状態(後述の時短状態または非時短状態)に関わらず約1/320である。
また、第二大当たり判定において小当たりであると判定されると、判定結果が小当たりであることを示す第二特別図柄が、図柄表示部24の第二特別図柄表示部に確定表示される。その後、第二大入賞口17の開閉部材171が1回だけ所定時間開放状態にされる小当たり遊技が実行される。第一実施形態において、第二大入賞口17は、小当たりであることを示す特別図柄が確定表示された場合に作動する大入賞口である。
小当たり遊技において、第二大入賞口17の開放は、小当たり遊技の開始から所定のオープニング時間の経過後から開始される。小当たり遊技は、一般に、大当たり遊技と比較して遊技者における有利度が小さい遊技である。第二大当たり判定において小当たりであると判定された時点では、条件装置は作動しないので、役物連続作動装置も作動しない。第一実施形態の小当たり遊技では、第二大入賞口17の開閉部材171が所定回数繰り返して開放状態にされない。なお、小当たり遊技における第二大入賞口17の開閉部材171の1回の開放が、複数回の開放によって構成されることは妨げられない。
第一実施形態では、第二大当たり判定において小当たりであると判定される小当たり確率は、遊技状態に関わらず約319/320である。つまり、小当たり確率(約319/320)は、大当たり確率(約1/320)よりも高く設定されている。なお、大当たり確率および小当たり確率は、それぞれ、約1/320、約319/320に限定されないし、大当たり確率と小当たり確率が同じ確率でもよいし、小当たり確率の方が大当たり確率よりも低くてもよい。
また、小当たり遊技において開閉部材171が開放状態にされた第二大入賞口17に入賞した遊技球が特定領域172を通過(つまり、V通過)すると、条件装置が作動する。条件装置の作動に伴い、役物連続作動装置が作動すると、大当たり遊技状態が生起され、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が実行される。このように、第二大当たり判定において小当たりであると判定されたことに起因して小当たり遊技が実行され、遊技球が特定領域172を通過(V通過)して大当たり遊技が実行された場合には、先に実行された小当たり遊技が大当たり遊技の一部に含められる。この場合、小当たり遊技が1R目の大当たりラウンドとしてさかのぼって取り扱われ、1R分の大当たりラウンドとしてラウンド数に換算される。
以下では、大当たり判定において大当たりであると判定されることに応じて実行される大当たり遊技を、「第一大当たり遊技」ともいう。第一大当たり遊技は、いわゆる旧1種タイプ(いわゆる、セブン機)の遊技機における大当たり遊技と同様の大当たり遊技であり、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する特別図柄の組合せが確定表示されることを契機として実行される。換言すると、第一大当たり遊技は、V通過の有無に関わらず実行される大当たり遊技である。
また、大当たり判定において小当たりであると判定されたことに応じて小当たり遊技が実行されたことに起因して実行される大当たり遊技を、「第二大当たり遊技」ともいう。第二大当たり遊技は、いわゆる旧2種タイプ(いわゆる、羽根物)の遊技機における大当たり遊技と同様の大当たり遊技であり、小当たり遊技中に第二大入賞口17に入賞した遊技球が特定領域172を通過(V通過)することを条件として実行される。第一実施形態では、第二大入賞口17を用いた小当たり遊技の終了後に、第一大入賞口16の開放が連動されることで第二大当たり遊技が行われる。換言すると、第二大当たり遊技は、特定領域172を備える第二大入賞口17の開放動作を伴う大当たり遊技である。第一実施形態のパチンコ機1は、第一大当たり遊技および第二大当たり遊技の双方を備えた、いわゆる1種2種混合機と呼ばれるタイプの遊技機である。
また、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過すると、普通当たり判定が行われ、判定の結果を示す普通図柄が図柄表示部24の普通図柄表示部に表示される。普通当たり判定において当たりであると判定されると、第二始動口13の開閉部材131が所定の開放パターンで開閉される普通当たり遊技が実行される。
第一実施形態のパチンコ機1は、非時短状態および時短状態のいずれかを生起する。非時短状態は、第二始動口13の開閉部材131が開放状態にされる割合が通常の割合である遊技状態である。時短状態は、非時短状態よりも第二始動口13の開閉部材131が開放状態にされる割合が高くなる遊技状態である。
具体的には、時短状態において普通当たりと判定される確率(第一実施形態では約99/100)は、非時短状態において普通当たりと判定される確率(第一実施形態では約1/100)よりも高い。また、普通当たり遊技中における第二始動口13の開閉部材131の開放時間の合計は、非時短状態よりも時短状態の方が長い。さらに、普通図柄の変動時間は、非時短状態における変動時間(第一実施形態では10秒)よりも時短状態における変動時間(第一実施形態では2秒)の方が短い。これらの構成により、時短状態では、非時短状態よりも第二大当たり判定の実行頻度が高くなる。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。第一実施形態のパチンコ機1の制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47および電源基板42を主に備える。
主制御基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主制御基板41の主制御基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主制御基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主制御基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。
主制御基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ61、および第二始動口スイッチ62に接続している。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ61は、第一始動口12に設けられており、第一始動口12に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ62は、第二始動口13に設けられており、第二始動口13に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9およびスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、電飾基板31に接続している。電飾基板31は、例えばLEDを搭載しており、電飾部材35の内部に設けられている。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾基板31の発光動作等を制御する。
演出制御基板43は、CPU431等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主制御基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球払出装置49に払い出させる。
中継基板47は、第二始動口ソレノイド68、第一大入賞口ソレノイド70、第二大入賞口ソレノイド71、可動片ソレノイド72、ゲートスイッチ75、第一大入賞口スイッチ76、第二大入賞口スイッチ77、特定領域スイッチ78、非特定領域スイッチ79、および図柄表示部24に接続している。第二始動口ソレノイド68は、普通当たり遊技中に第二始動口13の開閉部材131を開閉する。第一大入賞口ソレノイド70は、大当たり遊技中に第一大入賞口16の開閉部材161を開閉する。第二大入賞口ソレノイド71は、小当たり遊技中に第二大入賞口17の開閉部材171を開閉する。可動片ソレノイド72は、小当たり遊技中に第二大入賞口17の可動片174を開閉する。
ゲートスイッチ75は、普通図柄作動ゲート10に設けられており、普通図柄作動ゲート10を通過した遊技球を検出する。第一大入賞口スイッチ76は、第一大入賞口16に設けられており、第一大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。第二大入賞口スイッチ77は、第二大入賞口17に設けられており、第二大入賞口17に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ78は、第二大入賞口17の特定領域172に設けられており、特定領域172を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ79は、第二大入賞口17の非特定領域173に設けられており、非特定領域173を通過した遊技球を検出する。
電源基板42は、主制御基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(第一実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図4を参照して、主制御基板41のRAM52に設けられている大当たり関係情報記憶エリア521について説明する。大当たり関係情報記憶エリア521は、後述するメイン処理の特別図柄処理(図9〜図11参照)において使用される。大当たり関係情報記憶エリア521には、第一大当たり関係情報記憶エリア522、第二大当たり関係情報記憶エリア523、および大当たり判定エリア524が設けられている。
第一大当たり関係情報記憶エリア522および第二大当たり関係情報記憶エリア523には、それぞれ、大当たり判定カウンタの値(大当たり判定乱数)が記憶される大当たり判定乱数欄、特別図柄決定カウンタの値(特別図柄決定乱数)が記憶される特別図柄決定乱数欄、変動パターン決定カウンタの値(変動パターン決定乱数)が記憶される変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口12に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が第一大当たり関係情報記憶エリア522の各欄に記憶され、第二始動口13に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が第二大当たり関係情報記憶エリア523の各欄に記憶される。
大当たり判定乱数は、大当たり判定のために用いられる。特別図柄決定乱数は特別図柄を決定するために用いられる。変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部または第二特別図柄表示部に表示される特別図柄の変動時間を示す変動パターンを決定するために用いられる。大当たり判定乱数と、大当たり判定乱数とともに取得される特別図柄決定乱数、変動パターン決定乱数を含む複数の乱数を、総称して「判定情報」ともいう。
第一大当たり関係情報記憶エリア522の各欄には、複数の記憶エリアが設けられている。第一実施形態では、第一大当たり関係情報記憶エリア522の各欄に、No.1〜No.4の4つの記憶エリアが設けられている。第一始動口12に遊技球が入賞した際に、第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、第一大当たり関係情報記憶エリア522のNo.1〜No.4の記憶エリアのうち番号の小さい記憶エリアから順に判定情報が記憶される。
第一保留球数は、第一始動口12へ入賞した遊技球に対応する判定情報のうち、第一大当たり判定の実行、第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンの決定等が保留された状態で記憶されている判定情報(以下、「第一保留情報」という。)の個数である。第一実施形態において、記憶可能な第一保留球数の上限である最大第一保留球数は「4」である。CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの第一保留情報のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留情報を、大当たり判定エリア524にシフトする。
第二大当たり関係情報記憶エリア523には、No.1の記憶エリアのみが設けられている。第二始動口13に遊技球が入賞した際に、大当たり判定エリア524に判定情報が記憶されていなければ(すなわち、図柄変動中でなく、且つ第一保留球数および第二保留球数が「0」の場合)、第二大当たり関係情報記憶エリア523のNo.1の記憶エリアに判定情報が記憶される。
第二保留球数は、第二始動口13へ入賞した遊技球に対応する判定情報のうち、第二大当たり判定の実行、第二特別図柄の変動時間を示す第二変動パターンの決定等が保留された状態で記憶されている判定情報(以下、「第二保留情報」という。)の個数である。第一実施形態において、記憶可能な第二保留球数の上限である最大第二保留球数は「0」である。CPU51は、第二大当たり関係情報記憶エリア523のNo.1の記憶エリアに一時的に記憶した後、No.1の記憶エリアに記憶されている判定情報を、大当たり判定エリア524にシフトする。以下では、第一保留情報および第二保留情報を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「保留情報」という。
大当たり判定エリア524は、大当たり判定を行う判定情報(保留情報)を格納するために、大当たり関係情報記憶エリア521に設けられている記憶エリアである。CPU51は、大当たり判定エリア524にシフトされた保留情報について大当たり判定等の各種処理を行う。大当たり判定エリア524に記憶されている保留情報についての各種処理には、例えば、大当たり判定の結果を報知する報知演出の決定、および判定結果に応じて実行される大当たり遊技に関する処理が含まれる。なお、大当たり判定エリア524の判定情報は、大当たり判定等の各種処理が終了した後に消去される。
なお、図示しないが、RAM52には、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過する時点に取得される普通当たり判定乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアと普通当たり判定を行う普通当たり判定乱数が記憶される普通当たり判定エリアとが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアおよび普通当たり判定エリアも、それぞれ、第一大当たり関係情報記憶エリア522および大当たり判定エリア524と同様に構成されている。すなわち、普通当たり関係情報記憶エリアには、普通当たり判定カウンタの値(普通当たり判定乱数)が記憶される普通当たり判定乱数欄、普通図柄決定カウンタの値(普通図柄決定乱数)が記憶される普通図柄決定乱数欄等が設けられている。
普通当たり判定乱数は、普通当たり判定のために用いられる。普通図柄決定乱数は、普通当たり図柄を決定するために用いられる。第一実施形態では、普通当たり関係情報記憶エリアに4つの記憶エリアが設けられている。記憶可能な普通保留球数の上限である最大普通保留球数は「4」である。判定対象の普通当たり判定乱数、普通図柄決定乱数等が普通当たり判定エリアにシフトされて普通当たり判定等の処理が行われる。
図5を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブル531について説明する。第一実施形態のパチンコ機1は、大当たり図柄と小当たり図柄を、特別図柄決定テーブル531を参照することで決定する。大当たり図柄は、第一大当たり判定または第二大当たり判定の結果が大当たりであることを示す特別図柄である。小当たり図柄は、第二大当たり判定の結果が小当たりであることを示す特別図柄である。第一特別図柄および第二特別図柄は、それぞれ複数の当たり種別のいずれかに分類される。複数の当たり種別は、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す大当たり種別と、大当たり判定の結果が小当たりであることを示す小当たり種別とを含む。第一実施形態では、第一特別図柄の当たり種別は、大当たり種別のみで構成されており、第二特別図柄の当たり種別は、大当たり種別と小当たり種別とで構成されている。特別図柄決定テーブル531では、複数の当たり種別のそれぞれに、特別図柄決定乱数の値(0〜99)が対応付けられている。
詳細には、第一特別図柄は、「大当たりA」の1種類の大当たり種別を含む。第二特別図柄は、「大当たりB」の1種類の大当たり種別と、「小当たりA」および「小当たりB」の2種類の小当たり種別とを含む。第一特別図柄の大当たり種別の割合は、「大当たりA」が100%である。第二特別図柄の大当たり種別の割合は、「大当たりB」が100%である。第二特別図柄の小当たり種別の割合は、「小当たりA」が50%、「小当たりB」が50%である。「大当たりA」および「大当たりB」に基づく大当たり遊技は、第一大当たり遊技である。「小当たりA」および「小当たりB」に基づく小当たり遊技を起因として実行される大当たり遊技は、第二大当たり遊技である。
また、第一実施形態では、大当たり種別および小当たり種別によらず、ラウンド数には10Rが対応付けられている。小当たり種別に対応付けられたラウンド数は、小当たり種別に対応する小当たり遊技の実行中に第二大入賞口17に入賞した遊技球が特定領域172を通過(V通過)することで、大当たり遊技状態が生起された場合に実行される大当たり遊技のラウンド数である。すなわち、小当たり種別に対応付けられたラウンド数は、第二大当たり遊技が実行される場合のラウンド数である。小当たり種別に対応する小当たり遊技が実行されたが、遊技球が特定領域172を通過せず(つまり、V非通過)、大当たり遊技状態が生起されなかった場合には、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技は実行されない。
特別図柄決定テーブル531は、各大当たりラウンドにおける第一大入賞口16および第二大入賞口17の開放パターンを定義している。「大当たりA」および「大当たりB」の当たり種別では、すべての大当たりラウンド(1Rから10R)で最大28.0秒の第一大入賞口16の開放が1回行われる。また、「小当たりA」および「小当たりB」の当たり種別に基づいて小当たり遊技が実行されたことに起因する大当たり遊技では、2Rから10Rの各大当たりラウンドで最大28.0秒の第一大入賞口16の開放が1回行われる。この第一大入賞口16の最大開放時間を、以下では、「第一開放時間」ともいう。
また、「小当たりA」および「小当たりB」の当たり種別の小当たり遊技では、最大1.5秒の第二大入賞口17の開放が1回行われる。前述のように、小当たり遊技が実行されたことに起因する大当たり遊技において、小当たり遊技は、1R目の大当たりラウンドとしてさかのぼって取り扱われる。このため、特別図柄決定テーブル531では、小当たり遊技に係る第二大入賞口17の開放時間を、便宜上、1R目の大当たりラウンドの開放時間として定義している。この第二大入賞口17の最大開放時間を、以下では、「第二開放時間」ともいう。
また、特別図柄決定テーブル531は、オープニング時間(図示略)を定義している。オープニング時間は、大当たり遊技または小当たり遊技が開始されてから1R目の第一大入賞口16の開閉部材161または第二大入賞口17の開閉部材171が開放されるまでの時間である。「小当たりA」では、可動片174の作動パターンに対するオープニング時間の関係で、小当たり遊技中にV通過可能なようにオープニング時間が設定されている。「小当たりB」では、可動片174の作動パターンに対するオープニング時間の関係で、小当たり遊技中に実質的にV通過不能なようにオープニング時間が設定されている。なお、図5では、小当たり遊技中にV通過可能な場合を、「V通過」とし、小当たり遊技中に実質的にV通過不能な場合を、「V非通過」としている。
図6を参照して、ROM53に記憶されている時短回数決定テーブル532について説明する。第一実施形態のパチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に生起される時短状態の終了条件である時短回数を、時短回数決定テーブル532を参照することで決定する。なお、第一実施形態では、大当たり遊技の終了後、常に時短状態が生起される。時短回数決定テーブル532では、判定種別(第一大当たり判定または第二大当たり判定)、当たり種別(大当たりA、B、小当たりA、B)、および時短回数決定テーブル532の参照時の遊技状態(非時短状態または時短状態)に応じて、時短回数が定められている。
時短回数は、特図1特図2時短回数と特図2時短回数とで構成される。特図1特図2時短回数は、第一大当たり判定の実行回数(以下、「特図1判定回数」という。)および第二大当たり判定の実行回数(以下、「特図2判定回数」という。)の合計(以下、「特図1特図2判定回数」という。)に依存する時短状態の終了条件である。特図2時短回数は、特図2判定回数のみに依存する時短状態の終了条件である。大当たり遊技の終了後、連続して大当たりでないと判定された特図1特図2判定回数が特図1特図2時短回数に達した場合、または大当たり遊技の終了後、連続して大当たりでないと判定された特図2判定回数が特図2時短回数に達した場合、時短状態が終了する。
具体的には、第一大当たり判定において、当たり種別が大当たりAの場合、時短回数決定テーブル532の参照時の遊技状態に関わらず、特図1特図2時短回数として7回が決定され、特図2時短回数として1回が決定される。第二大当たり判定において、当たり種別が大当たりBの場合、時短回数決定テーブル532の参照時の遊技状態に関わらず、特図1特図2時短回数として7回が決定され、特図2時短回数として1回が決定される。第二大当たり判定において、当たり種別が小当たりA、Bの場合、時短回数決定テーブル532の参照時の遊技状態が非時短状態であれば、特図1特図2時短回数として99回が決定され、特図2時短回数として99回が決定され、時短回数決定テーブル532の参照時の遊技状態が時短状態であれば、特図1特図2時短回数として7回が決定され、特図2時短回数として1回が決定される。
以下では、特図1特図2時短回数が7回であり、かつ特図2時短回数が1回である時短状態を、「第一時短状態」といい、特図1特図2時短回数および特図2時短回数が99回である時短状態を、「第二時短状態」という。第二時短状態における特図1特図2時短回数(99回)および特図2時短回数(99回)は、第一時短状態における特図1図2時短回数(7回)および特図2時短回数(1回)よりも多い回数が設定されている。また、第一時短状態における特図1特図2時短回数(7回)は、それぞれ、第一時短状態における特図2時短回数(1回)よりも多い回数が設定されている。詳細には、第一時短状態における特図1特図2時短回数(7回)は、最大第一保留球数(4個)よりも多い回数が設定されている。よって、第二時短状態の方が第一時短状態よりも長く継続する。
図7を参照して、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブル533について説明する。変動パターン決定テーブル533には、大当たり判定の判定種別(第一大当たり判定または第二大当たり判定)、大当たり判定時の遊技状態(非時短状態または時短状態)、および大当たり判定の判定結果(第一大当たり判定では大当たりまたははずれ、第二大当たり判定では大当たりまたは小当たり)に応じて、複数のテーブルが設けられている。各テーブルには、複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンに変動パターン決定乱数の値(0〜511)が対応付けられている。大当たり判定が行われると、判定種別、その時点の遊技状態、および判定結果に応じたテーブルが参照され、大当たり判定乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
非時短状態における第一大当たり判定の判定結果が大当たりの場合には、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。ここで、「リーチ演出」とは、例えば3つの演出図柄のうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、大当たりの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。一方、判定結果がはずれの場合には、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、第一大当たり判定の結果が大当たりとなる期待値は、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に高くなる。なお、第一実施形態において、「非リーチ」の変動パターンは、リーチ状態に至ることなく演出が終了する報知演出であり、第一実施形態では、大当たり判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。なお、時短状態についても、非時短状態と同様に各変動パターンが決定される割合が、各変動パターンに対応付けられた変動時間とともに定義されている。
詳細は省略するが、変動パターン決定テーブル533において、第二大当たり判定についても、遊技状態および判定結果に応じて複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値とが対応付けられている。
主制御基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一特別図柄または第二特別図柄を変動させる。パチンコ機1において、第一特別図柄および第二特別図柄の変動時間は、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。主制御基板41は、変動パターン決定テーブル533が参照されて決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて報知演出を制御する。
具体的には、主制御基板41は、決定された第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。また、主制御基板41は、決定された第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄および第二特別図柄の変動開始に同期して、表示画面28において演出図柄の変動表示を開始する。主制御基板41は、変動を開始した第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄または第二特別図柄を、所定の特別図柄の停止表示時間(第一実施形態では0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄の停止表示時間に同期して、演出図柄を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄による他、表示画面28、電飾部材35、スピーカ48等によっても、特別図柄の変動時間と同期した報知演出を実行する。
図8〜図17を参照して、第一実施形態のパチンコ機1の主制御基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図8参照)は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図8に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、メイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート10、第一始動口12、第二始動口13、第一大入賞口16、第二大入賞口17、特定領域172、非特定領域173、その他入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、乱数をカウントするための乱数取得カウンタの値が加算される。特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。特別図柄の停止表示時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄停止時間カウンタの値が減算される。オープニング時間を計測するためのタイマカウンタであるオープニング時間カウンタの値が減算される。可動片174の作動タイミングを示すためのタイマカウンタである作動パターンカウンタの値が加算される。第一開放時間を計測するためのタイマカウンタである第一開放時間カウンタの値が減算される。第二開放時間を計測するためのタイマカウンタである第二開放時間カウンタの値が減算される。後述する待機時間を計測するためのタイマカウンタである待機時間カウンタの値が減算される。これらのカウンタは、いずれもRAM52に記憶されている。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、特別電動役物処理では、大当たり遊技および小当たり遊技の動作を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる(図14〜図17参照)。大当たり遊技の動作とは、主に第一大入賞口16の開閉部材161の開閉動作である。小当たり遊技の動作とは、主に第二大入賞口17の開閉部材171および可動片174の開閉動作である。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、時短回数の決定、および遊技状態の移行処理等が行われる(図9〜図11参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。普通当たり遊技の動作とは、主に第二始動口13の開閉部材131の開閉動作である。先述したように、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く、第二始動口13が開放される。なお、後述の時短フラグが「ON」となっていれば、時短状態中であると判断される。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、ゲートスイッチ75が遊技球を検出することを契機として、普通当たり判定乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。前述したように、普通当たり判定は、時短状態が生起されているか否かに応じて、それぞれの確率で判定される。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われて、メイン処理が終了する。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示せず)に各種の情報が出力される。
図9〜図11を参照して、特別図柄処理(S14、図8参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、小当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、時短フラグ等が記憶されている。
大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中であるかを示すフラグであり、大当たり遊技状態中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技状態中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。なお、大当たり遊技状態フラグが「ON」であることは、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動している状態であることを示す。小当たり遊技状態フラグは、小当たり遊技中であるかを示すフラグであり、小当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、小当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。以下、小当たり遊技中である状態を、「小当たり遊技状態」ともいう。また、大当たり遊技状態および小当たり遊技状態のいずれかが生起されている状態を、「当たり遊技状態」ともいう。
特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、いずれも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。時短フラグは、時短状態中であるかを示すフラグであり、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となり、非時短状態中に「0」が記憶されて「OFF」となる。
図9に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口12に遊技球が入賞しているかが判断される(S41)。第一始動口スイッチ61が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において、第一始動口スイッチ61に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、第一始動口12に遊技球が入賞していないと判断されて(S41:NO)、処理はS51の判断へ移行する。第一始動口12に遊技球が入賞していれば(S41:YES)、第一保留球数が最大第一保留球数である「4」であるかが判断される(S43)。
RAM52に記憶されている第一保留球数が「4」であれば(S43:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS51の判断へ移行する。第一保留球数が「4」でない場合(S43:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S45)。次いで、判定情報が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア522(図4参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S46)。具体的には、大当たり判定乱数欄には大当たり判定カウンタの値が、特別図柄決定乱数欄には特別図柄決定カウンタの値が、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が、それぞれ記憶される。その後、処理はS51の判断へ移行する。
次いで、第二始動口13に遊技球が入賞しているかが判断される(S51)。第二始動口スイッチ62が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において、第二始動口スイッチ62に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S51:NO)、処理はS61(図10参照)の判断へ移行する。第二始動口13に遊技球が入賞していれば(S51:YES)、大当たり判定エリア524(図4参照)に判定情報が記憶されているかが判断される(S52)。大当たり判定エリア524に判定情報が記憶されていれば(S52:YES)、処理はS61の判断へ移行する。大当たり判定エリア524に判定情報が記憶されていない場合(S52:NO)、判定情報が取得され、第二大当たり関係情報記憶エリア523のNo.1の記憶エリアに一時的に記憶される(S55)。
次いで、図10に示すように、大当たり遊技状態フラグおよび小当たり遊技状態フラグの状態によって当たり遊技状態であるかが判断される(S61)。大当たり遊技状態フラグおよび小当たり遊技状態フラグのいずれかが「ON」である場合、当たり遊技状態中であると判断されて(S61:YES)、処理はメイン処理(図8参照)へ戻る。
大当たり遊技状態フラグおよび小当たり遊技状態フラグのいずれも「OFF」である場合、当たり遊技状態中でないと判断されて(S61:NO)、特別図柄表示状態フラグの状態によって第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であるかが判断される(S62)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合には、いずれも変動中でないと判断されて(S62:NO)、特別図柄表示状態フラグの状態によって第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止状態中であるかが判断される(S63)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合は、いずれも停止表示中でないと判断されて(S63:NO)、処理はS71(図11参照)の判断へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
図11に示すように、第一実施形態では、大当たり判定において、第一大当たり判定の方が第二大当たり判定よりも優先して行われる。このため、まず、第一保留球数が「1」以上であるかが判断される(S71)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「0」であれば(S71:NO)、第二大当たり関係情報記憶エリア523(図4参照)に判定情報が記憶されているかが判断される(S76)。第二大当たり関係情報記憶エリア523に判定情報が記憶されていない場合には(S76:NO)、処理はメイン処理(図8参照)へ戻る。
また、第一保留球数が「1」以上である場合には(S71:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S72)。次いで、第一大当たり関係情報記憶エリア522(図4参照)のNo.1の記憶エリアの保留情報が、大当たり判定エリア524にシフトされる(S73)。そして、次の番号以下の記憶エリアの保留情報が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。
次いで、第一大当たり判定が行われる(S74)。図示しないが、ROM53には、第一大当たり判定を行うための第一判定テーブルが記憶されている。第一判定テーブルには、「大当たり」および「はずれ」にそれぞれ対応する大当たり判定乱数の乱数値が定義されている。S76では、第一判定テーブルが参照されて、S73でシフトされた大当たり判定エリア524(図4参照)に記憶されている大当たり判定乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第一大当たり関係情報記憶エリア522(図4参照)に記憶された未判定の大当たり判定乱数に基づく第一大当たり判定が、大当たり判定乱数の記憶された順に行われる。実行された大当たり判定の判定種別および第一大当たり判定の結果を示す判定結果情報は、RAM52に記憶される。
次いで、第一大当たり判定の結果に応じて第一特別図柄が決定される(S75)。具体的には、第一大当たり判定の結果がはずれの場合、はずれであることを示す所定の第一特別図柄が決定される。第一大当たり判定の結果が大当たりの場合、特別図柄決定テーブル531(図5参照)の第一特別図柄に対応するテーブルが参照されて、S73で大当たり判定エリア524にシフトされて記憶されている大当たり判定乱数と同時に取得された特別図柄決定乱数の値に対応する第一特別図柄が決定される。決定された第一特別図柄を示す特別図柄情報は、RAM52に記憶される。次いで、処理はS81へ移行する。
また、第二大当たり関係情報記憶エリア523に判定情報が記憶されている場合には(S76:YES)、第二大当たり関係情報記憶エリア523のNo.1の記憶エリアの判定情報が、大当たり判定エリア524にシフトされる(S77)。次いで、第二大当たり判定が行われる(S78)。図示しないが、ROM53には、第二大当たり判定を行うための第二判定テーブルが記憶されている。第二判定テーブルには、「大当たり」および「小当たり」にそれぞれ対応する大当たり判定乱数の乱数値が定義されている。S78では、第二判定テーブルが参照されて、大当たり判定エリア524に記憶されている大当たり判定乱数が「大当たり」および「小当たり」のいずれに対応するかが判定される。実行された大当たり判定の判定種および第二大当たり判定の結果を示す判定結果情報は、RAM52に記憶される。
次いで、第二大当たり判定の結果に応じて第二特別図柄が決定される(S79)。具体的には、特別図柄決定テーブル531(図5参照)の第二特別図柄に対応するテーブルのうち第二大当たり判定の結果(大当たりまたは小当たり)に応じたテーブルが参照されて、S77で大当たり判定エリア524にシフトされて記憶されている大当たり判定乱数と同時に取得された特別図柄決定乱数の値に対応する第二特別図柄が決定される。決定された第二特別図柄を示す特別図柄情報は、RAM52に記憶される。次いで、処理はS81へ移行する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる(S81)。変動パターン決定処理は、第一特別図柄および第二特別図柄の変動パターンを決定する処理である。変動パターン決定処理では、RAM52に記憶されている判定結果情報に基づいて、判定種別(第一大当たり判定または第二大当たり判定)および判定結果(第一大当たり判定では、大当たりまたははずれ、第二大当たり判定では、大当たりまたは小当たり)が特定され、時短フラグの状態によって大当たり判定時の遊技状態(非時短状態または時短状態)が特定される。次いで。ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブル533(図7参照)のうち、特定された判定種別、判定結果、および大当たり判定時の遊技状態に応じたテーブルが参照されて、S73またはS77で大当たり判定エリア524にシフトされて記憶されている大当たり判定乱数と同時に取得された変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが決定される。
変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドがRAM52に記憶される(S82)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図8参照)において、中継基板47およびサブ制御基板58に送信される。図柄表示部24は、中継基板47を介して変動パターン指定コマンドを受信すると、第一特別図柄表示部における第一特別図柄の変動、または第二特別図柄表示部における第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、変動パターン指定コマンドを受信すると、変動パターン指定コマンドによって指定されている変動パターンに応じた報知演出を実行する。
次いで、決定された変動パターンに応じて定められている第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタに記憶される(S83)。次いで、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶される(S84)。次いで、時短関係処理が行われて(S85)、処理はメイン処理へ戻る。
図12を参照して、時短関係処理(S85、図11参照)について詳細に説明する。時短関係処理では、時短状態(時短フラグ)の制御、時短回数の設定等が行われる。時短関係処理は、大当たり判定に関する処理(大当たり判定、特別図柄決定処理、変動パターン決定処理等)が実行された後に行われる。
図12に示すように、時短関係処理では、まず、時短フラグの状態によって、時短状態が生起されているかが判断される(S91)。時短フラグが「OFF」となっており、時短状態が生起されていない場合には(S91:NO)、処理はS101の判断へ移行する。時短フラグが「ON」となっており、時短状態が生起されている場合には(S91:YES)、特図1特図2判定回数カウンタの値が「1」減算される(S92)。特図1特図2判定回数カウンタは、RAM52に記憶されており、特図1特図2判定回数が特図1特図2時短回数に達したかを判断するために使用される。特図1特図2判定回数カウンタには、大当たり判定の結果が大当たりとなったとき、または小当たり遊技中にV通過があったときに、後述のS103(図12参照)またはS213(図17参照)で特図1特図2時短回数がセットされる。
次いで、RAM52に記憶されている特別図柄情報に基づいて、実行された大当たり判定が第二大当たり判定であるかが判断される(S93)。第一大当たり判定の場合には(S93:NO)、処理はS95へ移行する。第二大当たり判定の場合(S93:YES)、特図2判定回数カウンタの値が「1」減算される(S94)。特図2判定回数カウンタは、RAM52に記憶されており、特図2判定回数が特図2時短回数に達したかを判断するために使用される。特図2判定回数カウンタには、大当たり判定の結果が大当たりとなったとき、または小当たり遊技中にV通過があったときに、後述のS103またはS213で特図2時短回数がセットされる。
次いで、特図1特図2判定回数カウンタの値によって、特図1特図2判定回数が特図1特図2時短回数に達したかが判断される(S95)。特図1特図2判定回数カウンタの値が「0」でなければ、特図1特図2判定回数はまだ特図1特図2時短回数に達していないと判断される(S95:NO)。この場合、特図2判定回数カウンタの値によって、特図2判定回数が特図2時短回数に達したかが判断される(S96)。特図2判定回数カウンタの値が「0」でなければ、特図2判定回数はまだ特図2時短回数に達していないと判断される(S96:NO)。この場合、時短状態の終了条件がまだ満たされていないので、処理はそのままS101の判断へ移行する。すなわち、時短状態が継続する。
一方、特図1特図2判定回数カウンタの値が「0」であれば、特図1特図2判定回数が特図1特図2時短回数に達したと判断される(S95:YES)。また、特図2判定回数カウンタの値が「0」であれば、特図2判定回数が特図2時短回数に達したと判断される(S96:YES)。少なくともいずれかの場合には、時短状態の終了条件が満たされているので、時短フラグが「OFF」となる(S97)。これにより、時短状態が終了し、遊技状態は非時短状態となる。
次いで、RAM52に記憶されている判定結果情報に基づいて、大当たり判定の結果が大当たりであるかが判断される(S101)。大当たり判定の結果が小当たりまたははずれであり、大当たりでない場合(S101:NO)、処理は特別図柄処理(図11参照)へ戻る。
大当たり判定の結果が大当たりの場合(S101:YES)、時短回数決定処理が行われる(S102)。時短回数決定処理は、特図1特図2時短回数および特図2時短回数を決定する処理である。時短回数決定処理では、RAM52に記憶されている判定結果情報に基づいて、判定種別(第一大当たり判定または第二大当たり判定)が特定され、RAM52に記憶されている特別図柄情報に基づいて、当たり種別(大当たりA、B、小当たりA、B)が特定され、時短フラグの状態によって現在(つまり、時短回数が決定される時点)の遊技状態(非時短状態または時短状態)が特定される。次いで、ROM53に記憶されている時短回数決定テーブル532(図6参照)のうち、特定された判定種別、当たり種別、および時短回数決定テーブル532の参照時の遊技状態に応じたテーブルが参照されて、特図1特図2時短回数および特図2時短回数が決定される。
次いで、決定された特図1特図2時短回数および特図2時短回数が、それぞれ、RAM52の特図1特図2判定回数カウンタおよび特図2判定回数カウンタに記憶されて(S103)、処理は特別図柄処理へ戻る。
また、図10に示すように、S62の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であると判断され(S62:YES)、S83(図11参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値によって、変動時間が経過したかが判断される(S111)。特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には変動時間がまだ経過していないと判断されて(S111:NO)、処理はメイン処理(図8参照)へ戻る。
特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には、変動時間が経過したと判断され(S111:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S112)。特別図柄停止コマンドは、コマンド出力処理(S10、図8参照)によって中継基板47およびサブ制御基板58に送信される。図柄表示部24は、中継基板47を介して特別図柄停止コマンドを受信すると、第一特別図柄表示部における第一特別図柄の変動、または第二特別図柄表示部における第二特別図柄の変動を停止し、大当たり判定の結果を示す態様で確定表示する。サブ制御基板58は、特別図柄停止コマンドを受信すると、大当たり判定の結果を示す態様で演出図柄を確定表示することで、報知演出を終了する。
次いで、所定の特別図柄の停止表示時間が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S113)。次いで、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S114)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S63の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合には、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止状態中であると判断されて(S63:YES)、S113の処理においてセットされた特別図柄停止時間カウンタの値によって、特別図柄の停止表示時間が経過したかが判断される(S116)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、特別図柄の停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S116:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
特別図柄停止時間カウンタの値が「0」であり、特別図柄の停止表示時間が経過した場合には(S116:YES)、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれもが変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S117)。次いで、大当たり判定エリア524に記憶されている判定情報がクリアされる(S118)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S119)、処理はメイン処理へ戻る。
図13を参照して、遊技状態移行処理(S119、図10参照)について詳細に説明する。遊技状態移行処理では、大当たり判定によって大当たりと判定されている場合に、遊技が大当たり遊技状態へ移行される。また、大当たり判定によって小当たりと判定されている場合には、小当たり遊技状態へ移行される。
遊技状態移行処理が開始されると、まず、RAM52に記憶されている判定結果情報に基づいて、大当たり判定の判定結果が大当たりであるかが判断される(S131)。判定結果が大当たりの場合(S131:YES)、大当たり種別に対応するラウンド数がRmaxとしてRカウンタに記憶される(S132)。Rカウンタは、RAM52に記憶されており、ラウンド数を計数するために使用される。具体的には、特別図柄決定テーブル531(図5参照)の「R数」の欄を参照することで、RAM52に記憶されている特別図柄情報に基づいて、大当たり種別に対応するラウンド数が特定される。第一実施形態では、大当たり種別はすべて「10R」であるので、Rmaxとして「10」がRカウンタに記憶される。
次いで、時短フラグが「ON」となっていれば、時短フラグが「OFF」となる(S134)。つまり、第一大当たり遊技中は、遊技状態が、非時短状態に設定される。次いで、大当たり遊技状態フラグが「ON」となる(S136)。次いで、当たり種別に対応するオープニング時間がオープニング時間カウンタに記憶される(S137)。処理は特別図柄処理(図10参照)へ戻る。
一方、大当たり判定の判定結果が大当たりでない場合(S131:NO)、判定結果情報に基づいて、大当たり判定の判定結果が小当たりであるかが判断される(S141)。大当たり判定の判定結果がはずれの場合(S141:NO)、処理は特別図柄処理へ戻る。判定結果が小当たりの場合(S141:YES)、ラウンド数がRmaxとしてRカウンタに記憶される(S142)。具体的には、特別図柄決定テーブル531(図5参照)の「R数」の欄を参照することで、RAM52に記憶されている特別図柄情報に基づいて、小当たり種別に対応するラウンド数が特定される。第一実施形態では、小当たり種別はすべて「10R」であるので、Rmaxとして「10」がRカウンタに記憶される。
次いで、小当たり遊技状態フラグが「ON」になる(S144)。次いで、特別図柄決定テーブル531(図5参照)の「V通過の有無」の欄が参照されて、当たり種別に対応するオープニング時間がオープニング時間カウンタに記憶される(S145)。次いで、作動パターンカウンタに初期値である「0」が記憶されて(S146)、処理は特別図柄処理へ戻る。
図14〜図17を参照して、特別電動役物処理(S13、図8参照)の詳細について説明する。まず、特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。特別電動役物処理では、前述の特別図柄処理で使用される各種フラグに加えて、開放中フラグ等が使用される。開放中フラグは、第一大入賞口16および第二大入賞口17が開放状態であるか否かを示すフラグであり、RAM52に記憶される。開放中フラグには、第一大入賞口16の開閉部材161が開放されている場合に「1」、第二大入賞口17の開閉部材171が開放されている場合に「2」、開閉部材161、171のいずれも開放されていない場合に「0」が記憶される。
図14に示すように、特別電動役物処理が開始されると、大当たり遊技状態フラグの状態によって大当たり遊技状態であるかが判断される(S151)。大当たり遊技状態フラグが「ON」の場合、大当たり遊技状態であると判断されて(S151:YES)、開放中フラグの状態によって第一大入賞口16の開閉部材161が開放されているかが判断される(S152)。開放中フラグに「1」が記憶されていない場合、第一大入賞口16の開閉部材161が開放されていないと判断されて(S152:NO)、Rカウンタの値によって1R目であるかが判断される(S153)。
Rカウンタの値がまだRmaxの場合、1R目と判断されて(S153:YES)、S137(図13参照)の処理においてセットされたオープニング時間カウンタの値によってオープニング時間が経過したかが判断される(S154)。オープニング時間カウンタの値が「0」となっていれなければ、オープニング時間がまだ経過していないと判断されて(S154:NO)、処理はメイン処理(図8参照)へ戻る。
その後、オープニング時間カウンタの値が「0」となり、オープニング時間が経過した場合(S154:YES)、第一大入賞口16の開閉部材161を開放させるための第一開放コマンドがRAM52に記憶される(S156)。第一開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図8参照)において中継基板47に送信される。第一大入賞口ソレノイド70は、中継基板47を介して第一開放コマンドを受信すると、第一大入賞口16の開閉部材161を開放させる。
次いで、第一開放時間が、第一開放時間カウンタに記憶される(S157)。第一開放時間カウンタは、第一大入賞口16の開閉部材161の最大開放時間である第一開放時間を計測するためのカウンタであり、RAM52に記憶される。次いで、第一入賞球数カウンタの値が「0」にクリアされる(S158)。第一入賞球数カウンタは、RAM52に記憶されており、後述のS162(図15参照)の処理において第一大入賞口16へ入賞した遊技球の個数を計数する。次いで、第一大入賞口16の開閉部材161が開放されていることを示す「1」が開放中フラグに記憶されて(S159)、処理はメイン処理へ戻る。
また、Rカウンタの値がRmax以外の場合、1R目ではないと判断されて(S153:NO)、後述のS175(図15参照)またはS217(図17参照)の処理においてセットされた待機時間カウンタの値によって待機時間が経過したかが判断される(S155)。待機時間は、第一大入賞口16の開閉部材161が閉鎖されてから次に開閉部材161が開放されるまでの時間であり、第一大入賞口16に入賞した遊技球が、遊技領域4の外部へ排出されるまでに必要な時間等を勘案して設定されている。
待機時間カウンタの値が「0」となっていれなければ、待機時間がまだ経過していないと判断されて(S155:NO)、処理はメイン処理へ戻る。その後、待機時間カウンタの値が「0」となり、待機時間が経過した場合(S155:YES)、オープニング時間が経過した場合と同様に、S156〜S159の処理が行われて、処理はメイン処理へ戻る。
また、図14に示すS152の判断において、開放中フラグに「1」が記憶されている場合、第一大入賞口16の開閉部材161が開放されていると判断されて(S152:YES)、図15に示すように、第一大入賞口16へ遊技球が入賞したかが判断される(S161)。第一大入賞口スイッチ76が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において、第一大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「ON」となる。第一大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「OFF」となっていれば第一大入賞口16へ遊技球が入賞していないと判断され(S161:NO)、処理はS163の判断へ移行する。第一大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「ON」となっていれば第一大入賞口16に遊技球が入賞したと判断されて(S161:YES)、第一入賞球数カウンタに「1」が加算される(S162)。処理はS163の判断へ移行する。
次いで、第一大入賞口16への入賞球数が「9」以上であるかが判断される(S163)。第一入賞球数カウンタの値が「9」未満の場合(S163:NO)、第一開放時間カウンタの値に基づいて第一開放時間が経過したかが判断される(S164)。第一開放時間カウンタの値が「0」でなく、第一開放時間が経過していなければ(S164:NO)、処理はメイン処理(図8参照)へ戻る。
その後、第一大入賞口16に9個以上の遊技球が入賞するか(S163:YES)、または第一開放時間が経過した場合(S164:YES)、第一閉鎖コマンドがRAM52に記憶される(S171)。第一閉鎖コマンドは、開放している第一大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させるためのコマンドである。第一閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図8参照)において中継基板47に送信される。第一大入賞口ソレノイド70は、中継基板47を介して第一閉鎖コマンドを受信すると、第一大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させる。
次いで、第一大入賞口16の開閉部材161および第二大入賞口17の開閉部材171のいずれも開放されていないことを示す「0」が開放中フラグに記憶される(S172)。次いで、Rカウンタの値が「1」減算される(S173)。次いで、Rカウンタの値が「0」であるかが判断される(S174)。Rカウンタの値が「0」でなければ(S174:NO)、大当たり遊技状態はまだ続くので、所定の待機時間が待機時間カウンタに記憶されて(S175)、処理はメイン処理へ戻る。
その後、すべての大当たりラウンドが消化されてRカウンタの値が「0」になると(S174:YES)、大当たり遊技終了フラグが「OFF」となる(S176)。これにより、大当たり遊技状態が終了する。次いで、時短フラグが「ON」となる(S177)。これにより、時短状態が生起される。処理はメイン処理へ戻る。
また、図14に示すS151の判断において、大当たり遊技状態フラグが「OFF」の場合、大当たり遊技状態でないと判断されて(S151:NO)、図16に示すように、小当たり遊技状態フラグの状態によって小当たり遊技状態であるかが判断される(S181)。小当たり遊技状態フラグが「OFF」であり、小当たり遊技状態でもない場合(S181:NO)、処理はメイン処理(図8参照)へ戻る。
小当たり遊技状態フラグが「ON」であり、小当たり遊技状態の場合(S181:YES)、S146(図13参照)でセットされた作動パターンカウンタの値によって、可動片174の作動タイミングが到来したかが判断される(S182)。可動片174の作動タイミングが到来していない場合(S182:NO)、処理はS184の判断へ移行する。
可動片174の作動タイミングが到来した場合(S182:YES)、第二大入賞口17内の可動片174を特定領域位置および非特定領域位置の一方から他方へ動作させるための可動片作動コマンドがRAM52に記憶される(S183)。可動片作動コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図8参照)において中継基板47に送信される。可動片ソレノイド72は、中継基板47を介して可動片作動コマンドを受信すると、可動片174を特定領域位置および非特定領域位置の一方から他方に動作させる。なお、作動タイミングおよび作動位置(特定領域位置または非特定領域位置)を示す作動パターンは、予め主制御基板41のROM53に記憶されている。処理はS184へ移行する。
次いで、開放中フラグの状態によって第二大入賞口17の開閉部材171が開放されているかが判断される(S184)。開放中フラグに「2」が記憶されていない場合、第二大入賞口17の開閉部材171が開放されていないと判断されて(S184:NO)、S145(図13参照)の処理においてセットされたオープニング時間カウンタの値によってオープニング時間が経過したかが判断される(S185)。オープニング時間カウンタの値が「0」となっていれなければ、オープニング時間がまだ経過していないと判断されて(S185:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
その後、オープニング時間カウンタの値が「0」となり、オープニング時間が経過した場合(S185:YES)、第二大入賞口17の開閉部材171を開放させるための第二開放コマンドがRAM52に記憶される(S186)。第二開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図8参照)において中継基板47に送信される。第二大入賞口ソレノイド71は、中継基板47を介して第二開放コマンドを受信すると、第二大入賞口17の開閉部材171を開放させる。
次いで、第二開放時間が、第二開放時間カウンタに記憶される(S187)。第二開放時間カウンタは、第二大入賞口17の開閉部材171の最大開放時間である第二開放時間を計測するためのカウンタであり、RAM52に記憶される。次いで、第二入賞球数カウンタの値が「0」にクリアされる(S188)。第二入賞球数カウンタは、RAM52に記憶されており、後述のS192(図17参照)の処理において第二大入賞口17へ入賞した遊技球の個数を計数する。次いで、第二大入賞口17の開閉部材171が開放されていることを示す「2」が開放中フラグに記憶されて(S189)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S184の判断において、開放中フラグに「2」が記憶されている場合、第二大入賞口17の開閉部材171が開放されていると判断されて(S184:YES)、図17に示すように、第二大入賞口17へ遊技球が入賞したかが判断される(S191)。第二大入賞口スイッチ77が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において、第二大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「ON」となる。第二大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「OFF」となっていれば第二大入賞口17へ遊技球が入賞していないと判断され(S191:NO)、処理はS193の判断へ移行する。第二大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「ON」となっていれば第二大入賞口17に遊技球が入賞したと判断されて(S191:YES)、第二入賞球数カウンタに「1」が加算される(S192)。処理はS193の判断へ移行する。
次いで、第二大入賞口17への入賞球数が「9」以上であるかが判断される(S193)。第二入賞球数カウンタの値が「9」未満の場合(S193:NO)、第二開放時間カウンタの値に基づいて第二開放時間が経過したかが判断される(S194)。第二開放時間が経過していなければ(S194:NO)、処理はメイン処理(図8参照)へ戻る。
その後、第二大入賞口17に9個以上の遊技球が入賞するか(S193:YES)、または第二開放時間が経過した場合(S194:YES)、第二閉鎖コマンドがRAM52に記憶される(S201)。第二閉鎖コマンドは、開放している第二大入賞口17の開閉部材171を閉鎖させるためのコマンドである。第二閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図8参照)において中継基板47に送信される。第二大入賞口ソレノイド71は、中継基板47を介して第二閉鎖コマンドを受信すると、第二大入賞口17の開閉部材171を閉鎖させる。
次いで、第一大入賞口16の開閉部材161および第二大入賞口17の開閉部材171のいずれも開放されていないことを示す「0」が開放中フラグに記憶される(S202)。また、小当たり遊技状態フラグが「OFF」になる(S203)。
次いで、小当たり遊技においてV通過があったかが判断される(S211)。特定領域スイッチ78が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において、特定領域スイッチ78に対応するフラグが「ON」となる。特定領域スイッチ78に対応するフラグが「OFF」となっていればV通過がなかったと判断されて(S211:NO)、大当たり遊技が行われることなく、処理はメイン処理へ戻る。
特定領域スイッチ78に対応するフラグが「ON」となっていればV通過があったと判断されて(S211:YES)、時短回数決定処理が行われる(S212)。S212で行われる時短回数決定処理は、S102で行われる時短回数決定処理と略同じであるが、S212では、ROM53に記憶されている時短回数決定テーブル532(図6参照)のうち、判定種別、当たり種別、および時短回数決定テーブル532の参照時(遊技球の特定領域172への通過時)の遊技状態に応じたテーブルが参照されて、特図1特図2時短回数および特図2時短回数が決定される。次いで、決定された特図1特図2時短回数および特図2時短回数が、それぞれ、RAM52の特図1特図2判定回数カウンタおよび特図2判定回数カウンタに記憶される(S213)。
次いで、時短フラグが「ON」となっていれば、時短フラグが「OFF」となる(S214)。つまり、第二大当たり遊技中は、遊技状態が、非時短状態に設定される。次いで、大当たり遊技状態フラグが「ON」になる(S215)。すなわち、小当たり遊技においてV通過があったことにより条件装置の作動により役物連続作動装置が作動する。次いで、Rカウンタの値が「1」減算される(S216)。すなわち、役物連続作動装置の作動に伴い、小当たり遊技が1R目の大当たりラウンドとして取り扱われ、1R分の大当たりラウンドとしてラウンド数に換算される。次いで、所定の待機時間が待機時間カウンタに記憶されて(S217)、処理はメイン処理へ戻る。その後の特別電動役物処理において、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が制御される。
図18を参照して、第一実施形態のパチンコ機1における遊技状態の遷移について説明する。以下では、遊技者が非時短状態から遊技を開始したとして説明する。非時短状態では、時短状態よりも第二始動口13に遊技球が入賞し難い。このため、遊技者は、第一始動口12に遊技球を入賞させて、第一大当たり判定において大当たりであると判定されるように、左打ちによって遊技を進行する。よって、非時短状態において実行される大当たり判定の多くは第一大当たり判定である。
非時短状態において大当たりと判定された場合(矢印A1参照)、第一大当たり遊技が行われる(矢印A4参照)。第一大入賞口16には、左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が入賞しやすいので、遊技者は右打ちによって第一大当たり遊技を消化する。つまり、遊技者は左打ちから右打ちに切り替えて遊技を進行する。
また、非時短状態において大当たりと判定されて時短回数が決定される場合には、時短回数決定テーブル532が参照される時点の遊技状態が非時短状態であり、かつ当たり種別が大当たりAなので(図5参照)、特図1特図2時短回数として7回が決定され、特図2時短回数として1回が決定される(図6参照)。よって、この場合には第一大当たり遊技の終了後に第一時短状態が生起される(矢印A5参照)。
第一時短状態では、非時短状態よりも第二始動口13に遊技球が入賞しやすい。このため、遊技者は、普通図柄作動ゲート10に遊技球を通過させて、普通当たり判定において当たりであると判定され、普通当たり遊技中に第二始動口13に遊技球を入賞させて、第二大当たり判定において大当たりまたは小当たりであると判定されるように、右打ちによって遊技を進行する。つまり、遊技者は、第一大当たり遊技に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
第一実施形態では、第一時短状態における特図1特図2時短回数(7回)が最大第一保留球数(4個)よりも多い。このため、第一大当たり遊技の終了後の第一時短状態において引き続き右打ちが行われていれば、通常、第一大当たり遊技の終了時に第一大当たり関係情報記憶エリア522に記憶されている保留情報に基づく第一大当たり判定によって特図1特図2判定回数が特図1特図2時短回数(7回)に達するまでの間に、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過し、普通当たり判定において当たりであると判定され、第二始動口13に遊技球が入賞する。したがって、通常、第一時短状態では、第一時短状態が終了するまでの間に1回の第二大当たり判定が行われる。換言すれば、第一時短状態は、通常、特図2判定回数が特図2時短回数(1回)に達することで終了し、非時短状態に移行する。
なお、例えば第一時短状態において左打ちが行われ、第二始動口13に遊技球が入賞することなく、第一大当たり判定において7回連続はずれと判定されることよって特図1特図2判定回数が特図1特図2時短回数(7回)に達した場合、第一時短状態が終了して遊技状態は非時短状態へと戻る(矢印A6参照)。しかし、右打ちで遊技が行われていれば、特図1特図2時短回数が7回に達することで第一時短状態が終了して非時短状態に移行することは、実質ない。
また、第一時短状態では、第二大当たり判定において大当たりと判定されたり、第一大当たり遊技の終了時に第一大当たり関係情報記憶エリア522に記憶されている保留情報(いわゆる残保留)に基づく第一大当たり判定において大当たりと判定されたりする場合がある(矢印A7)。この場合、当たり種別が大当たりAまたは大当たりBなので(図5参照)、時短回数決定テーブル532が参照される時点の遊技状態に関わらず、特図1特図2時短回数として7回が決定され、特図2時短回数として1回が決定される(図6参照)。よって、この場合には第一大当たり遊技の終了後に再度、第一時短状態が生起される(矢印A5参照)。
第二大当たり判定では、100%に近い小当たり確率(約319/320)で小当たりと判定される。第二大当たり判定において小当たりであると判定された場合(矢印A8参照)、小当たり遊技が実行される(矢印A9参照)。第二大入賞口17には、左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が入賞しやすいので、遊技者は右打ちによって小当たり遊技を消化する。つまり、遊技者は、第一時短状態に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
また、第一実施形態では、特図2判定回数が特図2時短回数に達した場合、第二特別図柄の変動表示の開始時点で時短状態が終了し、遊技状態が非時短状態に移行する(図11のS82、S85、図12のS97参照)。したがって、第一時短状態において小当たりと判定されたことに起因して実行される小当たり遊技は、非時短状態において行われる。
第一実施形態の小当たり遊技では、当たり種別が小当たりA、Bなので(図5参照)、第二大入賞口17に入賞した遊技球は、約50%の確率でV通過となり、約50%の確率でV非通過となる(図6参照)。小当たりBの第二特別図柄が決定されており、V非通過となった場合、小当たり遊技に引き続いて第二大当たり遊技が実行されない。この場合、遊技状態は非時短状態のまま通常の遊技に戻り(矢印A10参照)、遊技者は、右打ちから左打ちに切り替えて遊技を進行する。
一方、小当たりAの第二特別図柄が決定されており、V通過となると、小当たり遊技に引き続いて第二大当たり遊技が実行される(矢印A11参照)。第一大入賞口16には、左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が入賞しやすいので、遊技者は右打ちによって第二大当たり遊技を消化する。つまり、遊技者は、小当たり遊技に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
また、上述したように、第二大当たり判定において小当たりと判定された場合、V通過があった時点で時短回数が決定される(図17のS212参照)。このため、第一時短状態において小当たりと判定されて時短回数が決定される場合には、時短回数決定テーブル532が参照される時点の遊技状態が非時短状態であり、かつ当たり種別が小当たりAまたは小当たりBなので(図5参照)、特図1特図2時短回数および特図2時短回数として99回が決定される(図6参照)。よって、この場合には第二大当たり遊技の終了後に第二時短状態が生起される(矢印A12参照)。
第二時短状態では、非時短状態よりも第二始動口13に遊技球が入賞しやすい。このため、遊技者は、普通図柄作動ゲート10に遊技球を通過させて、普通当たり判定において当たりであると判定され、普通当たり遊技中に第二始動口13に遊技球を入賞させて、第二大当たり判定において大当たりまたは小当たりであると判定されるように、右打ちによって遊技を進行する。つまり、遊技者は、第二大当たり遊技に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
第二時短状態において、第二大当たり判定によって小当たりと判定されると(矢印A13参照)、小当たり遊技が実行される(矢印A14参照)。小当たりBの第二特別図柄が決定されており、V非通過となった場合、小当たり遊技に引き続いて第二大当たり遊技が実行されない。この場合、第二時短状態が継続されて(矢印A15参照)、遊技者は、右打ちのまま遊技を進行する。一方、小当たりAの第二特別図柄が決定されており、V通過となると、小当たり遊技に引き続いて第二大当たり遊技が実行される(矢印A16参照)。この場合、遊技者は、小当たり遊技に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
なお、第一実施形態では、第二時短状態における特図1特図2時短回数(99回)が最大第一保留球数よりも多いので、第二大当たり遊技の終了後の第二時短状態において引き続き右打ちが行われていれば、特図1特図2判定回数が特図1特図2時短回数(99回)に達するまでの間に、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過し、普通当たり判定において当たりであると判定され、第二始動口13に遊技球が入賞する。また、第二時短状態における特図2時短回数(99回)が非常に多いのに対し、小当たり確率が100%に近い確率であり、第二大入賞口17を通過した遊技球がV通過する確率が約50%になるように構成されている。したがって、通常、第二時短状態では、特図1特図2判定回数または特図2判定回数が特図1特図2時短回数(99回)または特図2時短回数(99回)に達するまでの間に、第二大当たり判定において小当たりと判定されたことに起因してV通過して、第二大当たり遊技が行われる。よって、第二時短状態では右打ちで遊技が行われていれば、特図1特図2時短回数または特図2時短回数が99回に達することで第二時短状態が終了して非時短状態に移行することは、実質ない。したがって、第二時短状態において小当たりと判定されたことに起因して実行される小当たり遊技は、時短状態において行われる。
また、上述したように、第二大当たり判定において小当たりと判定された場合、V通過があった時点で時短回数が決定される(図17のS212参照)。このため、第二時短状態において小当たりと判定されて時短回数が決定される場合には、時短回数決定テーブル532が参照される時点の遊技状態が時短状態であり、かつ当たり種別が小当たりAまたは小当たりBなので(図5参照)、特図1特図2時短回数として7回が決定され、特図2時短回数として1回が決定される(図6参照)。よって、この場合には第二大当たり遊技の終了後に第一時短状態が生起される(矢印A17参照)。この場合、遊技者は、第二大当たり遊技に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
また、第二時短状態では、第二大当たり判定によって小当たりと判定されたことに起因して次回の第二大当たり遊技が実行される前に、第二大当たり判定において大当たりと判定されたり、例えば第二大当たり遊技の終了時に第一大当たり関係情報記憶エリア522に記憶されている保留情報(いわゆる残保留)に基づく第一大当たり判定において大当たりと判定されたりして(矢印A18参照)、第一大当たり遊技が行われる場合がある(矢印A19参照)。この場合、遊技者は、第二時短状態に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。第二時短状態において大当たりと判定されて時短回数が決定される場合には、当たり種別が大当たりAまたは大当たりBなので(図5参照)、時短回数決定テーブル532が参照される時点の遊技状態に関わらず、特図1特図2時短回数として7回が決定され、特図2時短回数として1回が決定される(図6参照)。よって、この場合には第一大当たり遊技の終了後に第一時短状態が生起される(矢印A20参照)。この場合、遊技者は、第一大当たり遊技に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
以上のように、第二時短状態が生起された場合には、実質的に次回の大当たり遊技が保障される。つまり、第一時短状態において第二大当たり判定によって小当たりと判定されて、小当たりAの第二特別図柄が決定されると、2回で1セットの大当たり遊技が保障される。すなわち、第一時短状態に突入した際の1回目の第二大当たり判定によって小当たりと判定されて小当たりAの第二特別図柄が決定されるか否かに応じて、非時短状態に戻るか(矢印A10参照)、2回で1セットの大当たり遊技が実行されるか(矢印A11参照)が決定される。つまり、第一時短状態への突入契機となる大当たり遊技の時点(すなわち、第一時短状態において小当たりと判定される前まで)では、その後に非時短状態に戻るか、2回で1セットの大当たり遊技が実行されるかはまだ決定されていない。よって、第一時短状態への突入契機となる大当たり遊技(矢印A4参照)は、大当たり遊技終了後の遊技の進行態様の観点からは、常に同じ価値となる。
仮に、従来のように、大当たりと判定された大当たり判定において、大当たり遊技の終了後に非時短状態に戻るか、2回で1セットの大当たり遊技が実行されるかがあらかじめ決定されている場合には、実行される大当たり遊技は、大当たり遊技終了後の遊技の進行態様の観点からは、異なる価値となる。つまり、大当たり遊技の終了後に非時短状態に戻る大当たり遊技は、大当たり遊技の終了後に2回で1セットの大当たり遊技が実行される大当たり遊技よりも価値が低くなる。この場合、遊技者は、大当たり遊技終了後に非時短状態に戻る大当たり遊技が実行されると、その大当たり遊技に対する遊技者の興趣が低下する可能性がある。しかし、第一実施形態のパチンコ機1では、上述したように、第一時短状態への突入契機となる大当たり遊技は、大当たり遊技終了後の遊技の進行態様の観点からは、常に同じ価値となる。よって、第一実施形態のパチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に複数の遊技の進行態様を用意しつつ、大当たり遊技に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
そして、1セットの大当たり遊技が終了した場合(矢印A17、矢印A20参照)、第一時短状態において第二大当たり判定によって小当たりと判定されて小当たりAの第二特別図柄が決定されるか否かに応じて、さらに2回で1セットの大当たり遊技が実行されるか否かが決定される。このように、第一実施形態のパチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起される大当たり遊技の実行回数が、所定回数に達した場合に、所定回数目の大当たり遊技の終了に強制的に非時短状態とするいわゆるリミッタ機能を有することなく、時短状態および非時短状態の切り替えによって2回で1セットの大当たり遊技を実行可能な遊技性を実現できる。
以上説明したように、第一実施形態では、時短状態が生起されている状態において、大当たり判定の結果が大当たりとなり、且つ特図1判定回数または特図1特図2判定回数が特図1時短回数または特図1特図2時短回数に達した場合、時短回数決定処理(S102、S212)が行われる前に、時短状態が終了する(S97)。このため、時短状態において、大当たり判定の結果が大当たりとなり、且つ特図1判定回数または特図1特図2判定回数が特図1時短回数または特図1特図2時短回数に達した場合には、まず時短状態が終了するので、時短状態が生起されていない状態で時短回数決定処理が行われる。一方、時短状態において、特図1判定回数および特図1特図2判定回数が特図1時短回数および特図1特図2時短回数に達する前に大当たり判定の結果が大当たりとなった場合には、時短状態で時短回数決定処理が行われる。これにより、パチンコ機1は、時短状態において、特図1判定回数および特図1特図2判定回数が特図1時短回数および特図1特図2時短回数に達する前に大当たり判定の結果が大当たりとなった場合と、大当たり判定の結果が大当たりとなり且つ特図1判定回数または特図1特図2判定回数が特図1時短回数または特図1特図2時短回数に達した場合とで、決定される特図1判定回数および特図1特図2判定回数を異ならせることができる。このように、パチンコ機1は、時短状態における大当たりの価値を異ならせることができる。
また、特図1判定回数または特図1特図2判定回数が特図1時短回数または特図1特図2時短回数に達した場合、大当たり判定の実行後に、時短状態が終了する。このため、パチンコ機1は、大当たり判定が実行されるまで時短状態を維持できる。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態のパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、第一実施形態と同一のまたは対応する構成および処理には、同一のまたは対応する符号を付して説明を省略しまたは簡略化し、第一実施形態と異なる点を主に説明する。第二実施形態のパチンコ機1の機械的構成および電気的構成は、第一実施形態のパチンコ機1と同じであるので、説明を省略する(図1〜図3参照)。
まず、第二実施形態のパチンコ機1における遊技の概要について説明する。第二実施形態のパチンコ機1には、第一実施形態のパチンコ機1と同様に、大当たり遊技、小当たり遊技、および普通当たり遊技が設けられている。第二実施形態では、第一始動口12へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、図柄表示部24の第一特別図柄表示部において第一特別図柄の変動表示が開始される。第二実施形態の第一大当たり判定では、第一実施形態とは異なり、小当たりおよびはずれのいずれであるかが、大当たり判定乱数に基づいて判定される。第二実施形態では、第一大当たり判定において小当たりであると判定される小当たり確率は、遊技状態(時短状態または非時短状態)に関わらず約1/100である。
また、第二始動口13へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われ、図柄表示部24の第二特別図柄表示部において第二特別図柄の変動表示が開始される。第二実施形態の第二大当たり判定では、第一実施形態と異なり、大当たり判定乱数に基づいて100%の小当たり確率で小当たりと判定される。第二大当たり判定において小当たりであると判定される小当たり確率は、遊技状態(時短状態または非時短状態)に関わらず1/1である。つまり、第二大当たり判定における小当たり確率(1/1)は、第一大当たり判定における小当たり確率(約1/100)よりも高く設定されている。なお、第一大当たり判定および第二大当たり判定のそれぞれにおける小当たり確率は、それぞれ、約1/100、1/1に限定されないし、互いに同じ確率でもよいし、第一大当たり判定における小当たり確率の方が第二大当たり判定における小当たり確率よりも高くてもよい。
第一大当たり判定または第二大当たり判定において小当たりであると判定されると、小当たり図柄が、図柄表示部24の第一特別図柄表示部または第二特別図柄表示部に確定表示される。その後、第二大入賞口17の開閉部材171が1回だけ所定時間開放状態にされる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技において開閉部材171が開放状態にされた第二大入賞口17に入賞した遊技球が特定領域172を通過(つまり、V通過)すると、条件装置が作動する。条件装置の作動に伴い、役物連続作動装置が作動すると、大当たり遊技状態が生起され、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が実行される。第二実施形態のパチンコ機1は、第二大当たり遊技のみを備えた、いわゆる旧2種タイプ(いわゆる、羽根物)と呼ばれる遊技機である。
なお、第二実施形態のパチンコ機1のRAM52には、第一実施形態と同様に、大当たり関係情報記憶エリア521(図4参照)が設けられている。つまり、第二実施形態における最大第一保留球数は、第一実施形態と同じであり、「4」である。第二実施形態における最大第二保留球数は、第一実施形態と同じであり、「0」である。
図19を参照して、第二実施形態のROM53に記憶されている特別図柄決定テーブル1531について説明する。第二実施形態のパチンコ機1は、小当たり図柄を、特別図柄決定テーブル1531を参照することで決定する。第一特別図柄および第二特別図柄は、それぞれ大当たり判定の結果が小当たりであることを示す複数の小当たり種別のいずれかに分類される。つまり、第二実施形態では、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれも、小当たり種別のみで構成されている。特別図柄決定テーブル1531では、複数の小当たり種別のそれぞれに、特別図柄決定乱数の値(0〜99)が対応付けられている。
詳細には、第一特別図柄は、「小当たりC」および「小当たりD」の2種類の小当たり種別を含む。第二特別図柄は、「小当たりE」および「小当たりF」の2種類の小当たり種別を含む。第一特別図柄の小当たり種別の割合は、「小当たりC」が34%、「小当たりD」が66%である。第二特別図柄の小当たり種別の割合は、「小当たりE」が50%、「小当たりF」が50%である。「小当たりC」〜「小当たりF」に基づく小当たり遊技を起因として実行される大当たり遊技は、いずれも第二大当たり遊技である。
また、「小当たりC」および「小当たりE」では、可動片174の作動パターンに対するオープニング時間の関係で、小当たり遊技中にV通過可能なようにオープニング時間が設定されている。「小当たりD」および「小当たりF」では、可動片174の作動パターンに対するオープニング時間の関係で、小当たり遊技中に実質的にV通過不能なようにオープニング時間が設定されている。
図20を参照して、第二実施形態のROM53に記憶されている時短回数決定テーブル1532について説明する。第二実施形態のパチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に生起される時短状態の終了条件である時短回数を、時短回数決定テーブル1532を参照することで決定する。時短回数決定テーブル1532では、判定種別(第一大当たり判定または第二大当たり判定)、当たり種別(小当たりC〜小当たりF)、および時短回数決定テーブル1532の参照時の遊技状態(非時短状態または時短状態)に応じて、時短回数が定められている。第二実施形態の時短回数は、第一実施形態と同様に、特図1特図2時短回数と特図2時短回数とで構成される。
具体的には、第一大当たり判定において、当たり種別が小当たりC、Dの場合、時短回数決定テーブル1532の参照時の遊技状態に関わらず、特図1特図2時短回数として7回が決定され、特図2時短回数として1回が決定される。第二大当たり判定において、当たり種別が小当たりE、Fの場合、時短回数決定テーブル1532の参照時の遊技状態が非時短状態であれば、特図1特図2時短回数として99回が決定され、特図2時短回数として99回が決定され、時短回数決定テーブル1532の参照時の遊技状態が時短状態であれば、特図1特図2時短回数として7回が決定され、特図2時短回数として1回が決定される。
第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、特図1特図2時短回数が7回であり、かつ特図2時短回数が1回である時短状態を、「第一時短状態」といい、特図1特図2時短回数および特図2時短回数が99回である時短状態を、「第二時短状態」という。第二時短状態における特図1特図2時短回数(99回)および特図2時短回数(99回)は、第一時短状態における特図1図2時短回数(7回)および特図2時短回数(1回)よりも多い回数が設定されている。また、第一時短状態における特図1特図2時短回数(7回)は、それぞれ、第一時短状態における特図2時短回数(1回)よりも多い回数が設定されている。詳細には、第一時短状態における特図1特図2時短回数(7回)は、最大第一保留球数(4個)よりも多い回数が設定されている。
なお、第二実施形態の変動パターン決定テーブル(図示略)は、第一実施形態の変動パターン決定テーブル533と略同じ構成である。詳細には、第一実施形態の変動パターン決定テーブル533では、第一大当たり判定において大当たりまたははずれに応じて複数のテーブルが設けられているのに対して、第二実施形態の変動パターン決定テーブルでは、第一大当たり判定において小当たりまたははずれに応じて複数のテーブルが設けられている点が異なる。また、第一実施形態の変動パターン決定テーブル533では、第二大当たり判定において大当たりまたは小当たりに応じて複数のテーブルが設けられているのに対して、第二実施形態の変動パターン決定テーブルでは、第二大当たり判定において判定結果が小当たりしかない点が異なる。
第二実施形態の主制御基板41による動作について、第一実施形態と異なる点のみ説明する。第二実施形態のパチンコ機1の時短関係処理では、S101〜S103の処理が省略される点が、第一実施形態のパチンコ機1の時短関係処理と異なる。第二実施形態のパチンコ機1の遊技状態移行処理では、S131〜S137の処理が省略される点が、第一実施形態のパチンコ機1の遊技状態移行処理と異なる。これらは、大当たり判定の結果が大当たりとなったことを示す特別図柄が第二実施形態のパチンコ機1に設けられていないためである。
図21を参照して、第二実施形態における遊技状態の遷移について説明する。以下では、遊技者が非時短状態から遊技を開始したとして説明する。非時短状態では、時短状態よりも第二始動口13に遊技球が入賞し難い。このため、遊技者は、第一始動口12に遊技球を入賞させて、第一大当たり判定において小当たりであると判定されるように、左打ちによって遊技を進行する。よって、非時短状態において実行される大当たり判定の多くは第一大当たり判定である。
非時短状態において小当たりと判定された場合(矢印B1参照)、小当たり遊技が行われる(矢印B2参照)。第二大入賞口17には、左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が入賞しやすいので、遊技者は右打ちによって小当たり遊技を消化する。つまり、遊技者は、非時短状態における左打ちから右打ちに切り替えて遊技を進行する。第一大当たり判定において小当たりと判定されたことに基づいて実行される小当たり遊技では、当たり種別が小当たりC、Dなので(図20参照)、第二大入賞口17に入賞した遊技球は、約34%の確率でV通過となり、約66%の確率でV非通過となる。小当たりDの第一特別図柄が決定されており、V非通過となった場合、小当たり遊技に引き続いて第二大当たり遊技が実行されない。この場合、遊技状態は非時短状態のまま通常の遊技に戻り(矢印B3参照)、遊技者は、右打ちから左打ちに切り替えて遊技を進行する。
一方、小当たりCの第一特別図柄が決定されており、V通過となると、小当たり遊技に引き続いて第二大当たり遊技が実行される(矢印B4参照)。第一大入賞口16には、左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が入賞しやすいので、遊技者は右打ちによって第二大当たり遊技を消化する。つまり、遊技者は、小当たり遊技に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
また、非時短状態において小当たりと判定されて時短回数が決定される場合には、時短回数決定テーブル1532が参照される時点の遊技状態が非時短状態であり、かつ当たり種別が小当たりCまたは小当たりDなので(図19参照)、特図1特図2時短回数として7回が決定され、特図2時短回数として1回が決定される(図20参照)。よって、この場合には第二大当たり遊技の終了後に第一時短状態が生起される(矢印B5参照)。
第一時短状態では、非時短状態よりも第二始動口13に遊技球が入賞しやすい。このため、遊技者は、普通図柄作動ゲート10に遊技球を通過させて、普通当たり判定において当たりであると判定され、普通当たり遊技中に第二始動口13に遊技球を入賞させて、第二大当たり判定において大当たりまたは小当たりであると判定されるように、右打ちによって遊技を進行する。つまり、遊技者は、第二大当たり遊技に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
第二実施形態では、第一時短状態における特図1特図2時短回数(7回)が最大第一保留球数(4個)よりも多い。このため、第二大当たり遊技の終了後の第一時短状態において引き続き右打ちが行われていれば、通常、第二大当たり遊技の終了時に第一大当たり関係情報記憶エリア522に記憶されている保留情報に基づく第一大当たり判定によって特図1特図2判定回数が特図1特図2時短回数(7回)に達するまでの間に、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過し、普通当たり判定において当たりであると判定され、第二始動口13に遊技球が入賞する。したがって、通常、第一時短状態では、第一時短状態が終了するまでの間に1回の第二大当たり判定が行われる。換言すれば、第一時短状態は、通常、特図2判定回数が特図2時短回数(1回)に達することで終了し、非時短状態に移行する。
なお、例えば第一時短状態において左打ちが行われ、第二始動口13に遊技球が入賞することなく、第一大当たり判定において7回連続大当たりでないと判定されることよって、大当たり遊技が実行されることなく特図1特図2判定回数が特図1特図2時短回数(7回)に達した場合、第一時短状態が終了して遊技状態は非時短状態へと戻る(矢印B6参照)。しかし、右打ちで遊技が行われていれば、特図1特図2時短回数が7回に達することで第二時短状態が終了して非時短状態に移行することは、実質ない。
また、第一時短状態では、第一大当たり遊技の終了時に第一大当たり関係情報記憶エリア522に記憶されている保留情報(いわゆる残保留)に基づく第一大当たり判定において小当たりと判定される場合がある(矢印B7参照)。この場合、再度、小当たり遊技が行われることとなる(矢印B2参照)。
第二大当たり判定では、100%の小当たり確率で小当たりと判定される。第二大当たり判定において小当たりであると判定された場合(矢印B8参照)、小当たり遊技が実行される(矢印B9参照)。第二大入賞口17には、左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が入賞しやすいので、遊技者は右打ちによって小当たり遊技を消化する。つまり、遊技者は、第一時短状態に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
また、第二実施形態では、特図2判定回数が特図2時短回数に達した場合、第二特別図柄の変動表示の開始時点で時短状態が終了し、遊技状態が非時短状態に移行する(図11のS82、S85、図12のS97参照)。したがって、第一時短状態において小当たりと判定されたことに起因して実行される小当たり遊技は、非時短状態において行われる。
第二大当たり判定において小当たりと判定されたことに基づいて実行される小当たり遊技では、当たり種別が小当たりC、Dなので(図19参照)、第二大入賞口17に入賞した遊技球は、約50%の確率でV通過となり、約50%の確率でV非通過となる。小当たりDの第二特別図柄が決定されており、V非通過となった場合、小当たり遊技に引き続いて第二大当たり遊技が実行されない。この場合、遊技状態は非時短状態のまま通常の遊技に戻り(矢印B10参照)、遊技者は、右打ちから左打ちに切り替えて遊技を進行する。
一方、小当たりCの第二特別図柄が決定されており、V通過となると、小当たり遊技に引き続いて第二大当たり遊技が実行される(矢印B11参照)。第一大入賞口16には、左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が入賞しやすいので、遊技者は右打ちによって第二大当たり遊技を消化する。つまり、遊技者は、小当たり遊技に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
また、上述したように、大当たり判定において小当たりと判定された場合、V通過があった時点で時短回数が決定される(図17のS212参照)。このため、第一時短状態において第二大当たり判定によって小当たりと判定されて時短回数が決定される場合には、時短回数決定テーブル1532が参照される時点の遊技状態が非時短状態であり、かつ当たり種別が小当たりCまたは小当たりDなので(図19参照)、特図1特図2時短回数および特図2時短回数として99回が決定される(図20参照)。よって、この場合には第二大当たり遊技の終了後に第二時短状態が生起される(矢印B12参照)。
第二時短状態では、非時短状態よりも第二始動口13に遊技球が入賞しやすい。このため、遊技者は、普通図柄作動ゲート10に遊技球を通過させて、普通当たり判定において当たりであると判定され、普通当たり遊技中に第二始動口13に遊技球を入賞させて、第二大当たり判定において小当たりであると判定されるように、右打ちによって遊技を進行する。つまり、遊技者は、第二大当たり遊技に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
第二時短状態において、第二大当たり判定によって小当たりと判定されると(矢印B13参照)、小当たり遊技が実行される(矢印B14参照)。小当たりDの第二特別図柄が決定されており、V非通過となった場合、小当たり遊技に引き続いて第二大当たり遊技が実行されない。この場合、第二時短状態が継続されて(矢印B15参照)、遊技者は、右打ちのまま遊技を進行する。一方、小当たりCの第二特別図柄が決定されており、V通過となると、小当たり遊技に引き続いて第二大当たり遊技が実行される(矢印B16参照)。この場合、遊技者は、小当たり遊技に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
なお、第二実施形態では、第二時短状態における特図1特図2時短回数(99回)が最大第一保留球数よりも多いので、第二大当たり遊技の終了後の第二時短状態において引き続き右打ちが行われていれば、特図1特図2判定回数が特図1特図2時短回数(99回)に達するまでの間に、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過し、普通当たり判定において当たりであると判定され、第二始動口13に遊技球が入賞する。また、第二時短状態における特図2時短回数(99回)が非常に多いのに対し、小当たり確率が100%であり、第二大入賞口17を通過した遊技球がV通過する確率が約50%になるように構成されている。したがって、通常、第二時短状態では、特図1特図2判定回数または特図2判定回数が特図1特図2時短回数(99回)または特図2時短回数(99回)に達するまでの間に、第二大当たり判定において小当たりと判定されたことに起因してV通過して、第二大当たり遊技が行われる。よって、第二時短状態では右打ちで遊技が行われていれば、特図1特図2時短回数または特図2時短回数が99回に達することで第二時短状態が終了して非時短状態に移行することは、実質ない。したがって、第二時短状態において小当たりと判定されたことに起因して実行される小当たり遊技は、時短状態において行われる。
また、上述したように、第二大当たり判定において小当たりと判定された場合、V通過があった時点で時短回数が決定される(図17のS212参照)。このため、第二時短状態において小当たりと判定されて時短回数が決定される場合には、時短回数決定テーブル1532(図20参照)が参照される時点の遊技状態が時短状態であり、かつ当たり種別が小当たりCまたは小当たりDなので(図19参照)、特図1特図2時短回数として7回が決定され、特図2時短回数として1回が決定される(図20参照)。よって、この場合には第二大当たり遊技の終了後に第一時短状態が生起される(矢印B17参照)。この場合、遊技者は、第二大当たり遊技に引き続いて右打ちによって遊技を進行する。
以上のように、第二時短状態が生起された場合には、実質的に次回の大当たり遊技が保障される。つまり、第一時短状態において第二大当たり判定によって小当たりと判定されて、小当たりCの第二特別図柄が決定されると、2回で1セットの大当たり遊技が保障される。すなわち、第一時短状態に突入した際の1回目の第二大当たり判定によって小当たりと判定されて小当たりCの第二特別図柄が決定されるか否かに応じて、非時短状態に戻るか(矢印B10参照)、2回で1セットの大当たり遊技が実行されるか(矢印B11参照)が決定される。つまり、第一時短状態への突入契機となる大当たり遊技の時点では(すなわち、第一時短状態において小当たりと判定される前まで)、その後に非時短状態に戻るか、2回で1セットの大当たり遊技が実行されるかはまだ決定されていない。よって、第一時短状態への突入契機となる大当たり遊技(矢印B4参照)は、大当たり遊技終了後の遊技の進行態様の観点からは、常に同じ価値となる。よって、第二実施形態のパチンコ機1は、第一実施形態のパチンコ機1と同様に、大当たり遊技の終了後に複数の遊技の進行態様を用意しつつ、大当たり遊技に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
そして、1セットの大当たり遊技が終了した場合(矢印B17参照)、第一時短状態において第二大当たり判定によって小当たりと判定されて小当たりCの第二特別図柄が決定されるか否かに応じて、さらに2回で1セットの大当たり遊技が実行されるか否かが決定される。このように、第二実施形態のパチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起される大当たり遊技の実行回数が、所定回数に達した場合に、所定回数目の大当たり遊技の終了に強制的に非時短状態とするいわゆるリミッタ機能を有することなく、時短状態および非時短状態の切り替えによって2回で1セットの大当たり遊技を実行可能な遊技性を実現できる。
以上説明したように、第二実施形態では、時短状態が生起されている状態において、大当たり判定の結果が大当たりとなり、且つ特図1判定回数または特図1特図2判定回数が特図1時短回数または特図1特図2時短回数に達した場合、時短回数決定処理(S212)が行われる前に、時短状態が終了する(S97)。このため、時短状態において、大当たり判定の結果が小当たりとなり、且つ特図1判定回数または特図1特図2判定回数が特図1時短回数または特図1特図2時短回数に達した場合には、まず時短状態が終了するので、時短状態が生起されていない状態で時短回数決定処理が行われる。一方、時短状態において、特図1判定回数および特図1特図2判定回数が特図1時短回数および特図1特図2時短回数に達する前に大当たり判定の結果が小当たりとなった場合には、時短状態で時短回数決定処理が行われる。これにより、パチンコ機1は、時短状態において、特図1判定回数および特図1特図2判定回数が特図1時短回数および特図1特図2時短回数に達する前に大当たり判定の結果が小当たりとなった場合と、大当たり判定の結果が小当たりとなり且つ特図1判定回数または特図1特図2判定回数が特図1時短回数または特図1特図2時短回数に達した場合とで、決定される特図1判定回数および特図1特図2判定回数を異ならせることができる。このように、パチンコ機1は、時短状態における小当たりの価値を異ならせることができる。
また、特図1判定回数または特図1特図2判定回数が特図1時短回数または特図1特図2時短回数に達した場合、大当たり判定の実行後に、時短状態が終了する。このため、パチンコ機1は、大当たり判定が実行されるまで時短状態を維持できる。
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば第一実施形態では、第一特別図柄に小当たり図柄が設けられていない。これに対し、第一特別図柄にも小当たり図柄が設けられてもよい。すなわち、第一大当たり判定では、大当たりおよびはずれであるかに加えて小当たりであるか否かが判定されてもよい。この場合、小当たりと判定されると、小当たり遊技が実行される。また、第二特別図柄にははずれ図柄が設けられてもよい。すなわち、第二大当たり判定では、大当たりおよび小当たりであるかに加えてはずれであるか否かが判定されてもよい。また、大当たり種別、小当たり種別の個数は、上記実施形態に限定されない。例えばラウンド数に応じてさらに多くの種類の大当たり種別、小当たり種別が設けられてもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄決定テーブル531、1531において、複数の小当たり種別が定義されているが、1つの小当たり種別のみが定義されていてもよい。この場合、パチンコ機1は、例えばクルーン等の役物(振分部材)を用いることで、第二大入賞口17に入賞した遊技球を、物理的に特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分けてもよい。この場合、パチンコ機1は、第一時短状態において、遊技者の注目を振分部材に集めることができる。また、パチンコ機1は、例えば第二大入賞口17に入賞した遊技球を、特定領域172の通過しやすさが異なる複数のルートのいずれかに振り分けてもよい。なお、パチンコ機1は、小当たり図柄を用いて(すなわち、乱数を用いた電子的な抽選で)振り分け先のルートを決定してもよいし、クルーン等の役物(振分部材)によって物理的に振り分けてもよい。また、V通過およびV非通過のそれぞれの割合は、上記実施形態に限定されない。
また、上記実施形態では、時短回数は、特図1特図2時短回数と特図2時短回数とで構成される。これに対し、時短回数は、特図1時短回数と特図2時短回数とで構成されてもよいし、特図1時短回数と特図2時短回数と特図1特図2時短回数とで構成されてもよいし、特図1特図2時短回数のみで構成されてもよい。なお、特図1時短回数は、特図1判定回数のみに依存する時短状態の終了条件である。特図1時短回数は、例えば特図1特図2時短回数の回数と同様に構成されればよい。
また、時短回数(1回、7回、99回)は、上記実施形態に限定されない。時短回数には0回が含まれていてもよい。また、第二時短状態における特図1特図2時短回数(99回)および特図2時短回数(99回)は、第一時短状態における特図1図2時短回数(7回)および特図2時短回数(1回)よりも多い回数が設定されている。これに対し、第二時短状態における特図1特図2時短回数(99回)および特図2時短回数(99回)は、第一時短状態における特図1図2時短回数(7回)および特図2時短回数(1回)よりも少ない回数であってもよい。また、第一時短状態における特図1特図2時短回数(7回)は、それぞれ、第一時短状態における特図2時短回数(1回)よりも多い回数が設定されている。これに対し、第一時短状態における特図1特図2時短回数は、それぞれ、第一時短状態における特図2時短回数よりも少ない回数であってもよい。また、第一時短状態における特図1特図2時短回数(7回)は、最大第一保留球数(4個)よりも多い回数が設定されている。これに対し、第一時短状態における特図1特図2時短回数は、最大第一保留球数よりも少ない回数でもよいし、同じ回数でもよい。例えば第一時短状態の方が第二時短状態よりも長く継続してもよい。この場合、パチンコ機1は、非時短状態において第一大当たり判定で大当たりと判定されると、次回の大当たり遊技が実質的に保障され、当該次回の大当たり遊技の後、第二時短状態から大当たり遊技を介して第一時短状態に移行するか、非時短状態に移行するかが決定されるような遊技性を実現できる。
上記実施形態では、右打ちされた遊技球よりも左打ちされた遊技球の方が第一始動口12に入賞しやすく、左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が普通図柄作動ゲート10、第二始動口13、第一大入賞口16、および第二大入賞口17に入賞しやすいように、各部材が配置されている。これに対し、各部材の配置位置は上記実施形態に限定されない。例えば右打ちされた遊技球よりも左打ちされた遊技球の方が第一大入賞口16に入賞しやすいように構成されてもよい。さらに、例えば第一特別図柄の始動口として機能する第三始動口が設けられてもよい。第三始動口は例えば左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が入賞しやすいように、遊技領域4のうちセンター飾り8の右側に設けられてもよい。
また、上記実施形態では、最大第一保留球数が「4」であり、最大第二保留球数が「0」である。これに対し、最大第一保留球数は「3」以下、すなわち「0」でもよく、最大第二保留球数は「1」以上であってもよい。また、上記実施形態では、最大第一保留球数の方が最大第二保留球数よりも個数が多いが、最大第一保留球数は最大第二保留球数と同じ個数でもよいし、最大第一保留球数よりも最大第二保留球数の方が個数が多くてもよい。また、特別図柄の種別は、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれか一方のみであってもよい。
また、上記実施形態では、第一大当たり判定の方が第二大当たり判定よりも優先して行われる。これに対し、第二大当たり判定の方が第一大当たり判定よりも優先して行われてもよいし、第一大当たり判定と第二大当たり判定が互いに独立して行われてもよい。すなわち、パチンコ機1は、第一特別図柄および第二特別図柄の一方の変動中に他方についての大当たり判定が可能な、いわゆる特別図柄同時変動機能を有する遊技機であってもよい。これらの場合、パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に第一時短状態が生起された場合、より確実に第二大当たり判定を実行でき、すなわち、小当たり遊技を介して2回で1セットの大当たり遊技を実行するか、非時短状態に戻るかを判定できる。
また、上記実施形態において、例えば時短状態終了に関する処理(S91〜S97)は、大当たり判定に関する処理(S74、S78)や変動パターン決定処理(S81)が実行される前に行われてもよい。この場合、パチンコ機1は、例えば大当たり判定が実行されるまでに時短状態を終了できる。また、時短関係処理の一部(時短回数の設定に関する処理)または全部は、遊技状態移行処理においてS131の処理の前に行われてもよい。
また、上記実施形態の特別電動役物処理では、小当たり遊技の実行中にV通過した場合に時短回数の設定に関する処理(S212〜S213)が行われる。これに対し、時短回数の設定に関する処理(S212〜S213)は、例えば時短関係処理(S85)において、時短状態終了に関する処理(S91〜S97)の後に、判定結果が小当たりの場合に行われてもよいし、遊技状態移行処理においてS141の判断で小当たりと判断された場合に行われてもよい。この場合、時短回数決定処理(S212)では、その後行われる小当たり遊技中に遊技球が特定領域172を通過して大当たり遊技終了後に生起される時短状態の時短回数が、その後に大当たり遊技が行われるか否かにかかわらず、事前に内部的に決定される。なお、小当たり遊技中に遊技球が特定領域172を通過しなかった場合には、特図1特図2判定回数カウンタ、特図2判定回数カウンタに記憶された時短回数はリセットされてもよいし、リセットされなくてもよい。
また、本発明は、第一大当たり遊技のみを備えた、いわゆる1種タイプの遊技機にも適用できる。この場合、パチンコ機1は、大当たり確率が通常の非確変状態と、大当たり確率が非確変状態よりも高く変動する確変状態とを生起可能であってもよい。パチンコ機1は、非確変状態または確変状態と、非時短状態または時短状態との組み合わせにより、複数の遊技状態(非時短非確変状態、非時短確変状態、時短非確変状態、時短確変状態)のいずれかを生起できる。よって、パチンコ機1は新規な遊技性を実現できる。
また、上記実施形態では、大当たり遊技の終了後に常に時短状態が生起される。これに対し、大当たり遊技の終了後には所定の割合で時短状態が生起されてもよい。すなわち、大当たり遊技の終了後に非時短状態となる場合があってもよい。パチンコ機1は、例えば、当たり種別に応じて大当たり遊技の終了後に時短状態および非時短状態のいずれを生起するか決定すればよい。
さらには、特許請求の範囲、明細書、および図面に記載される全ての要素は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素に付けた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したに過ぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「判定手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくは一つの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、いずれも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、敢えて明細書等において全てのパターンを記載しなくてもいずれのパターンも想定範囲内であることから本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、上記実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、上記実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
<実施形態と本発明の対応関係>
上記実施形態において、図11のS74、S78の処理を実行する主制御基板41のCPU51が、本発明の「判定手段」に相当する。図8のS13の処理を実行する主制御基板41のCPU51が、本発明の「当たり実行手段」に相当する。図15のS177の処理を実行する主制御基板41のCPU51が、本発明の「生起手段」に相当する。図12のS102、図17のS212の処理を実行する主制御基板41のCPU51が、本発明の「決定手段」に相当する。図12のS97の処理を実行する主制御基板41のCPU51が、本発明の「終了手段」に相当する。図11のS71:YESまたはS76:YESとなることが、本発明の「判定条件」に相当する。図15のS174:YESとなることが、本発明の「生起条件」に相当する。図12のS101:YESまたは図17のS211:YESとなることが、本発明の「決定条件」に相当する。特図1特図2判定回数、特図2判定回数が、本発明の「成立回数」に相当する。
1 パチンコ機
16 第一大入賞口
17 第二大入賞口
41 主制御基板
51 CPU
172 特定領域

Claims (3)

  1. 判定条件が成立した場合に、当たりか否かの判定を実行する判定手段と、
    前記判定の結果が前記当たりとなったことを契機として、当たり遊技を実行する当たり実行手段と、
    前記判定の結果が前記当たりとなったことを少なくとも1つの条件とする生起条件が成立した場合、前記当たり遊技の終了後に、前記判定条件の成立頻度が非時短状態よりも高い時短状態を生起する生起手段と、
    前記判定の結果が前記当たりとなったことを少なくとも1つの条件とする決定条件が成立した場合、複数種類の時短回数のいずれかを、前記時短回数が決定される時点で前記生起手段によって前記時短状態が生起されているか否かに応じて決定する決定手段と、
    前記生起手段によって前記時短状態が生起されてから前記判定条件が成立した成立回数が、前記決定手段によって決定された前記時短回数に達した場合に、前記時短状態を終了する終了手段と
    を備え、
    前記終了手段は、前記生起手段によって前記時短状態が生起されている状態において、前記決定条件が成立し且つ前記成立回数が前記時短回数に達した場合、前記決定手段によって前記時短回数が決定される前に、前記時短状態を終了する
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記終了手段は、前記成立回数が前記時短回数に達した場合、前記判定手段によって前記判定が実行された後に、前記時短状態を終了することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記終了手段は、前記成立回数が前記時短回数に達した場合、前記判定手段によって前記判定が実行される前に、前記時短状態を終了することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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