以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、および右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、および右側とする。
まず、図1および図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図3参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技球発射装置37(図3参照)によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4は、発射ハンドル7の発射強度に応じて、遊技球が流下する度合いを互いに異にする第一遊技領域4Lと第二遊技領域4Rとを備えている。第一遊技領域4Lは、パチンコ機1に正対した遊技者から見て遊技領域4の左側に位置し、第二遊技領域4Rは、遊技者から見て遊技領域4の右側に位置している。ガイドレール3は遊技領域4の左側に形成されている。発射ハンドル7によって所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第二遊技領域4Rを流下し(例えば図2の矢印11参照)、所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第一遊技領域4Lを流下する(例えば図2の矢印10参照)。以下、矢印10に示すように遊技球を発射することを「左打ち」と、矢印11に示すように遊技球を発射することを「右打ち」という。
遊技領域4の略中央には、各種演出を実行する演出装置8が設けられている。演出装置8は、LCDからなる表示画面28を中央に備える。表示画面28は様々な映像を表示するが、特に大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(第一実施形態では3つ)の演出図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
演出装置8において、表示画面28の上方に可動役物30が設けられている。可動役物30は、可動部を動作させることで各種演出を行う。演出装置8の下方には第一始動口14が設けられており、その下方には大入賞口16が設けられている。演出装置8の右方には普通図柄作動ゲート12が設けられており、その下方には第二始動口15が設けられている。第二始動口15は、普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入り口の大きさを変化させる役物)としての開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ第二始動口15の入り口が開放され、遊技球は第二始動口15に入賞できる。なお、第二始動口15は、開閉部材が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよいし、開閉部材を備えなくてもよい。大入賞口16も開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は大入賞口16に入賞できる。各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。さらに遊技盤2には、上記以外に各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技くぎ等が設けられている。
第一実施形態では、普通図柄作動ゲート12を通過する遊技球および第二始動口15に入賞する遊技球は、右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球が大半であり、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球が、普通図柄作動ゲート12を通過すること、または第二始動口15に入賞することは困難である。第一始動口14および大入賞口16は、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球と右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球のいずれもが入賞可能に配置されている。このうち第一始動口14については、入賞口および遊技くぎ等の配置により、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球の方が、右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球よりも入賞しやすい配置となっている。また、大入賞口16については、入賞口および遊技くぎ等の配置により、右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球の方が、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球よりも入賞しやすい配置となっている。
遊技盤2の右下部には、大当たり判定の結果および保留球数等を表示する図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LEDおよび普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を示す第一特別図柄および第二特別図柄を表示する。第一特別図柄表示部では、第一特別図柄を変動表示させる第一図柄変動が実行された後に、第一大当たり判定の結果に対応する第一特別図柄が確定表示される。第二特別図柄表示部では、第二特別図柄を変動表示させる第二図柄変動が実行された後に、第二大当たり判定の結果に対応する第二特別図柄が確定表示される。以下、第一大当たり判定および第二大当たり判定を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「大当たり判定」ともいう。第一図柄変動および第二図柄変動を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「図柄変動」という。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDおよび第二特別図柄記憶数表示LEDは、大当たり判定がまだ行われていない遊技球の個数(所謂「特別図柄保留球数」)を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定がまだ行われていない遊技球の個数(所謂「普通図柄保留球数」)を表示する。
次に、パチンコ機1における遊技の流れについて概略的に説明する。パチンコ機1には、大当たり遊技、および普通当たり遊技が設けられている。パチンコ機1では、大当たり判定において「大当たり」と判定されると、大当たり遊技が行われる。パチンコ機1は、1回の大当たり遊技中に、所定条件を満たすまで大入賞口16へ遊技球が入賞可能な状態が維持されるラウンドを、予め定められた回数だけ繰り返す。従って、大当たり遊技中においては、右打ちによって遊技を進行することが、左打ちによって遊技を進行するよりも遊技者にとって有利となる。所定条件とは、例えば、大入賞口16が開放されてから規定数の遊技球が入賞するか、または大入賞口16が開放されてから規定時間が経過することである。パチンコ機1は、大当たり判定において「大当たり」と判定される大当たり確率が約1/100である非確率変動状態(以下、「非確変状態」という。)と、非確変状態よりも高い約1/35である確率変動状態(以下、「確変状態」という。)とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。また、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が通常の割合である非時短状態と、非時短状態よりも第二始動口15の開閉部材が開放される割合が高くなる時短状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。パチンコ機1は、これらの組合せにより、「非確率変動非時短状態」(以下、「通常状態」という。)、「確率変動時短状態」(以下、「確変時短状態」という。)、「確率変動非時短状態」(以下、「確変非時短状態」という。)、および「非確率変動時短状態」(以下、「非確変時短状態」という。)の4種類の遊技状態を生起する。ただし、この実施形態に限られず、パチンコ機1は、5種類以上の遊技状態を生起してもよい。また、パチンコ機1は、3種類以下の遊技状態を生起するものであってもよい。
パチンコ機1では、大当たり判定によって「大当たり」と判定された場合は、100%の確率にて大当たり遊技の終了後に確変状態が生起される。第一実施形態のパチンコ機1では、確変状態において、特別図柄が変動する際に確変状態から非確変状態へ転落するか否かを決定するための転落抽選が行われる。以下、転落抽選において確変状態から非確変状態へ転落すると判定されることを、「転落抽選に当選する」という。パチンコ機1において、転落抽選に当選する確率(確変状態から非確変状態に転落する確率)は、約1/200である。パチンコ機1の確変状態は、転落抽選に当選するまで継続する。
ここで、転落抽選は、大当たり判定における大当たりか否かの判定結果に係わらず、確変状態から非確変状態に転落させるか否かを決定するための抽選である。転落抽選は、大当たりか否かを決定するための大当たり乱数とは別に、転落させるか否かを決定するための転落乱数を用いて行われる。また、転落抽選は、パチンコ機1が確変状態である場合、第一始動口14および第二始動口15のいずれに遊技球が入賞した場合にも、大当たり判定に先だって、特別図柄の変動開始時に行われる。転落抽選に当選した場合、当該特別図柄の変動において、非確変状態で大当たり判定が行われる。一方、転落抽選に当選しなかった場合、当該特別図柄の変動において、確変状態で大当たり判定が行われる。すなわち、確変状態では、特別図柄の変動のたびに、転落抽選と大当たり判定とが行われる。非確変状態では、転落抽選は行われない。
なお、確変状態の生起および終了の条件は、上記の例に限られない。パチンコ機1は、転落抽選を行う遊技機に限られず、大当たり遊技の終了後に確変状態を生起し、次に大当たりと判定された場合に確変状態を終了させる、所謂ループタイプの遊技機によっても、本発明は実現できる。また、パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に確変状態を生起し、その後に行われた第一大当たり判定および第二大当たり判定によって連続してはずれと判定された回数(以下、「判定回数」という。)が所定の回数に達することで確変状態が終了する、所謂回数切り確変機能を有する遊技機であってもよい。また、パチンコ機1において、大入賞口16の内部に特定領域を設け、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過することを契機として、大当たり遊技の終了後に確変状態が生起されてもよい。
また、パチンコ機1では、判定回数が規定回数(以下、「時短回数」という。)に達するまで時短状態が継続する場合がある。パチンコ機1では、非時短状態において、大当たり判定によって「大当たり」と判定された場合は、大当たり遊技の終了後に1%の確率で時短状態が生起され、99%の確率で時短状態が生起されない。また、時短状態において、大当り判定によって「大当たり」と判定された場合は、100%の確率で時短状態が生起される。第一実施形態の時短回数は83回である。第一実施形態では、判定回数が時短回数に達するまでの間に転落抽選に当選して確変状態から非確変状態へ転落しても、時短回数に達するまで時短状態は継続する。なお、時短回数は、パチンコ機1の83回に限られないし、転落抽選に当選した場合に時短状態が終了してもよい。例えば、パチンコ機1は、次回の大当たり遊技の実行開始まで時短状態を生起してもよい。パチンコ機1は、大当たりと判定された際に決定される特別図柄と、大当たり判定時に生起されている遊技状態とに応じて、大当たり遊技の終了後に時短状態を生起するか否か決定してもよいし、時短状態を生起する場合の時短回数を、複数の時短回数の中から決定してもよい。パチンコ機1は、大当たりと判定された際に決定される特別図柄と、大当たり判定の種別とに応じて、大当たり遊技の終了後に時短状態を生起するか否かを決定してもよいし、時短状態を生起する場合の時短回数を、複数の時短回数の中から決定してもよい。
次いで、普通当たり遊技について説明する。遊技球が普通図柄作動ゲート12を通過することを契機として、普通当たり判定が行われる。時短状態において普通当たりと判定される確率(第一実施形態では99/100)は、非時短状態において普通当たりと判定される確率(第一実施形態では15/100)よりも高い。また、普通当たり遊技中の第二始動口15の開閉部材の最大開放時間は、非時短状態(第一実施形態では0.2秒)よりも時短状態(第一実施形態では4.2秒)の方が長い。さらに、普通図柄の変動時間は、非時短状態における変動時間(第一実施形態では10秒)よりも時短状態における変動時間(第一実施形態では2秒)の方が短い。第二始動口15の開閉部材は、当たりを示す普通図柄が図柄表示部24の普通図柄表示部に確定表示された後に開放される。時短状態である「確変時短状態」および「非確変時短状態」では、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が非時短状態よりも高くなる。この結果、時短状態においては、第一始動口14よりも第二始動口15に容易に遊技球を入賞させることができる。従って、時短状態中は、右打ちによって遊技を進行することが、左打ちによって遊技を進行するよりも遊技者にとって有利となる。一方、非時短状態である「通常状態」および「確変非時短状態」では、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が時短状態よりも低くなるので、第二始動口15よりも第一始動口14に容易に遊技球を入賞させることができる。従って、非時短状態においては、左打ちによって遊技を進行することが、右打ちによって遊技を進行するよりも遊技者にとって有利となる。なお、パチンコ機1は、遊技状態によらず、左打ちによって遊技を進行することが、右打ちによって遊技を進行するよりも遊技者にとって有利である遊技機であってもよい。なお、第一実施形態では、大当たり遊技中に第二始動口15に4個程度の遊技球が入賞できるように、非時短状態において普通当たりと判定される確率、第二始動口15の開閉部材の最大開放時間、変動時間が設定され、また、遊技くぎ、各部材の配置がなされている。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47、および電源基板42を主に備える。
主制御基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主制御基板41は、主基板CPUユニット50を備える。主基板CPUユニット50は、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とを備える。主基板CPUユニット50は、割込信号発生回路57と電気的に接続する。主制御基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。
主制御基板41は、I/Oインタフェイス54を介して、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ72、および第二始動口スイッチ73と電気的に接続する。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の各種情報を出力する。第一始動口スイッチ72は、第一始動口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ73は、第二始動口15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9、およびスピーカ48と電気的に接続する。ランプドライバ基板46は、演出装置8の各種照明の動作および可動役物30の動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。
払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主制御基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、遊技球の入賞に応じた所定数の遊技球を賞球として払い出させる。
中継基板47は、普通電動役物ソレノイド69、大入賞口ソレノイド70、普通図柄作動スイッチ74、大入賞口スイッチ75および図柄表示部24と、電気的に接続する。普通電動役物ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材を開閉する。大入賞口ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材を開閉する。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主制御基板41および遊技球発射装置37と電気的に接続し、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(第一実施形態では0.6秒)毎に、遊技球を1個ずつ遊技領域4へ向けて発射する。
図4を参照して、RAM52の大当たり情報記憶エリアについて説明する。大当たり情報記憶エリアには、第一大当たり情報記憶エリア、第二大当たり情報記憶エリア、および判定エリアが設けられる。第二大当たり情報記憶エリアの構成は、第一大当たり情報記憶エリアの構成と同様であるため、説明を簡略化する。判定エリアには、大当たり判定時に判定対象の乱数が記憶される。第一実施形態では、第二大当たり判定は第一大当たり判定よりも優先される。第一大当たり情報記憶エリアおよび第二大当たり情報記憶エリアは、後述の特別図柄処理(S14、図9参照)において使用される。
第一大当たり情報記憶エリアには、記憶エリア番号欄、第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定乱数欄、第一変動パターン決定乱数欄、転落抽選乱数欄、および第一ポインタ欄が設けられる。遊技球が第一始動口14に入賞すると、第一大当たり判定に関係し、その時点で計数されている乱数取得カウンタの値がそれぞれ取得される。各値は、取得時に昇順に割り当てられる記憶エリア番号に対応する第一大当たり情報記憶エリアの各欄に記憶される。第一大当たり乱数欄には、第一大当たり判定に用いられる第一大当たり乱数が記憶される。第一特別図柄決定乱数欄には、第一特別図柄の決定に用いられる第一特別図柄決定乱数が記憶される。第一変動パターン決定乱数欄には、第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンの決定に用いられる第一変動パターン決定乱数が記憶される。転落抽選乱数欄には、転落抽選に用いられる転落抽選乱数が記憶される。第一ポインタ欄には、未だ処理が行われていない乱数が記憶されている記憶エリア番号を指し示す第一ポインタが記憶される。第一ポインタは、乱数の取得順を示す保留1〜4の4つまで記憶可能であり、記憶エリア番号を、その値が小さい順に指し示す。
第一実施形態では、第一始動口14に入賞した遊技球に対して、大当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(第一保留球数)の上限数である最大第一保留球数は「4」である。遊技球が第一始動口14に入賞した時、第一保留球数が「4」未満(0〜3)であれば、第一ポインタ欄に第一ポインタが1つ追加され、記憶エリア番号欄に記憶する記憶エリア番号の値が小さい順に、各欄に乱数が記憶される。CPU51は、所定の始動条件が成立すると、保留1の第一ポインタが示す記憶エリア番号に対応する各欄の乱数を判定エリアに記憶し、第一ポインタを更新して、第一大当たり判定等の各種処理を行う。
CPU51は、大当たり判定等の各種処理を行った場合、判定エリアから乱数を消去する。その後に行われる処理(具体的には、大当たり判定結果を報知する報知演出、大当たり判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、更新後の保留1の第一ポインタが示す記憶エリア番号に対応する各欄の乱数が判定エリアに記憶され、第一大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
パチンコ機1において、第一特別図柄および第二特別図柄の変動時間は、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主制御基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主制御基板41は、第一変動パターン決定乱数に基づく第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。また、主制御基板41は、第二変動パターン決定乱数に基づく第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかの変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主制御基板41は、変動を開始した第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかの変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄または第二特別図柄を、所定の停止表示時間(第一実施形態では0.6秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、停止表示時間に同期して、演出図柄を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄による他、表示画面28、可動役物30、スピーカ48等によっても、変動パターンと同期した報知演出を実行する。
第二大当たり情報記憶エリアには、第一大当たり情報記憶エリアと同様に、複数の記憶エリアが設けられている。第一実施形態では、第二始動口15に入賞した遊技球に対して、大当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(第二保留球数)の上限数である最大第二保留球数は「4」である。遊技球が第二始動口15に入賞した時、第二保留球数が「4」未満(0〜3)であれば、第二ポインタ欄に第二ポインタが1つ追加され、記憶エリア番号欄に記憶する記憶エリア番号の値が小さい順に、各欄に乱数が記憶される。なお、第一実施形態では、遊技球が第二始動口15に入賞した時に所定の始動条件が成立した場合、第二ポインタ欄に第二ポインタが追加されず、取得した乱数が判定エリアに直接記憶される。
以下の説明では、第一大当たり乱数および第二大当たり乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「大当たり乱数」ともいう。また、第一変動パターン決定乱数および第二変動パターン決定乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「変動パターン決定乱数」ともいう。また、第一大当たり乱数と、第一大当たり乱数とともに取得される各種乱数とを総称して、「第一乱数」という。第二大当たり乱数と、第二大当たり乱数とともに取得される各種乱数とを総称して、「第二乱数」という。また、大当たり情報記憶エリアに記憶された状態で大当たり判定が保留されている大当たり乱数、および大当たり判定が保留されている大当たり乱数とともに取得されて大当たり情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して「保留乱数」という。保留乱数は、大当たり判定がまだ行われておらず、図柄変動の実行が開始されていない乱数である。保留乱数のうち第一大当たり情報記憶エリアに記憶されている第一保留乱数の数は、第一保留球数に対応する。保留乱数のうち第二大当たり情報記憶エリアに記憶されている第二保留乱数の数は、第二保留球数に対応する。また、第一実施形態の始動条件は、大当たり遊技の実行中でなく、図柄変動の実行中でなく、且つ大当たり情報記憶エリアに保留乱数が記憶されていることである。
また、第二乱数には、特定第二乱数と通常第二乱数との2つの種別がある。特定第二乱数は、特定状態において取得された第二乱数をいう。通常第二乱数は、特定第二乱数以外の第二乱数をいう。すなわち、通常第二乱数は、特定状態とは異なる非特定状態において取得された第二乱数である。特定状態は、第二乱数が第二保留乱数として大当たり情報記憶エリアに記憶された時点で始動条件が成立する状態である。第一実施形態の特定状態は、大当たり遊技中でなく、大当たり情報記憶エリアに保留乱数が記憶されておらず(すなわち、第一保留球数および第二保留球数がいずれも「0」の場合)、且つ図柄変動の実行中でない状態である。非特定状態は、第二乱数が第二保留乱数として大当たり情報記憶エリアに記憶された時点では始動条件は成立しない状態である。第一実施形態の非特定状態は、大当たり遊技中の状態、大当たり情報記憶エリアに保留乱数が記憶されている状態(すなわち、第一保留球数および第二保留球数のいずれかが1以上の場合)、または大当たり情報記憶エリアに保留乱数は記憶されていないが(すなわち、第一保留球数および第二保留球数のいずれも「0」の場合)、図柄変動の実行中である状態である。すなわち、非特定状態において第二乱数(通常第二乱数)が取得されて大当たり記憶エリアに記憶されても、その時点では始動条件が成立しないので、すぐには第二大当たり判定が行われない。一方で、特定状態において第二乱数(特定第二乱数)が取得されて大当たり記憶エリアに記憶された場合、その時点で始動条件が成立するので、直後に第二大当たり判定が行われる。
なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶するための普通当たり情報記憶エリアが設けられている。普通当たり情報記憶エリアも、大当たり情報記憶エリアと同様に構成されている。
図5を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第一特別図柄と、第二大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第二特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。第一特別図柄および第二特別図柄は、それぞれ複数の大当たり種別のいずれかに分類される。特別図柄決定テーブルは、大当たり判定時に時短状態が生起されているか否かに応じて、複数のテーブルを備えている。各テーブルには複数種類の大当たり種別が割り当てられており、各大当たり種別と特別図柄決定乱数の値(0〜100)とが対応付けられている。第一実施形態では、大当たり判定の種別が第一大当たり判定および第二大当たり判定のいずれであるかに関わらず、特別図柄決定テーブルが参照されて、特別図柄が決定される。なお、大当たり判定の種別に応じて異なる特別図柄決定テーブルが参照されてもよい。この場合、各特別図柄決定テーブルには、大当たり判定種別に応じて、異なる大当たり種別が割り当てられてもよい。
第一実施形態における大当たり種別は、第一特別図柄および第二特別図柄の双方ともに、特別図柄決定テーブルにおける「大当たり種別」欄に示す「大当たりA」、「大当たりB」、および「大当たりC」の3種類である。「時短/非時短」欄は、大当たり判定時に時短状態が生起されているか否かを示す。「時短回数」欄は、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されるか否か、および生起された時短状態の継続条件を示す。「83回」は、時短状態が生起され、且つ時短回数が83回であることを示し、「0回」は、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されないことを示す。「ラウンド数」欄は、1回の大当たり遊技中に繰り返されるラウンド遊技の合計回数を示す。
特別図柄決定テーブルには、複数の大当たり種別に各々対応する特別図柄決定乱数の乱数値が定義されている。大当たり判定によって大当たりと判定されると、特別図柄決定乱数の値に対応する特別図柄が決定される。決定された特別図柄の属する大当たり種別に応じて、ラウンド数が決定される。パチンコ機1では、「大当たりA」となる割合は50%、「大当たりB」となる割合は49%、「大当たりC」となる割合は1%である。
また、第一実施形態では、大当たり判定時に時短状態が生起されているか否かに応じて、大当たり種別が同じでも、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されるか否かが異なる。具体的には、大当たり判定時に時短状態が生起されていない場合(すなわち、非時短状態が生起されている場合)、大当たりA、Bでは、大当たり遊技の終了後に時短状態は生起されず、大当たりCでは大当たり遊技の終了後に時短状態が生起される。一方、大当たり判定時に時短状態が生起されている場合、大当たりA、B、Cのいずれでも、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起される。従って、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されるか、および時短状態が生起される場合における時短状態の継続条件は、大当たり種別および大当たり判定時に時短状態が生起されているか否かに応じて、決定される。
以下、大当たり判定時に時短状態が生起されていない場合における大当たりCおよび大当たり判定時に時短状態が生起されている場合における大当たりA、B、Cを総称して「時短付き大当たり」という。大当たり判定時に時短状態が生起されていない場合における大当たりA、Bを総称して「時短無し大当たり」という。すなわち、時短付き大当たりは、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起される大当たりである。時短無し大当たりは、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されない大当たりである。
図6、図7を参照して、ROM53に記憶されている変動パターンテーブルについて説明する。パチンコ機1では、通常変動パターンテーブル(図6参照)および特殊変動パターンテーブル(図7参照)の2つの変動パターンテーブルがROM53に記憶されている。特殊変動パターンテーブルは、特定条件が成立した場合、所定の特殊変動回数の第二図柄変動(以下、「特殊図柄変動」という。)において、大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンを決定するために参照される。第一実施形態の特定条件は、時短無し大当たりに基づく大当たり遊技(以下、「時短無し大当たり遊技」という。)の終了である。すなわち、特殊図柄変動とは、時短状態が生起されていない間の第二図柄変動であり、且つ、大当たり遊技の終了後における所定の特殊変動回数の第二図柄変動をいう。特殊変動回数は、最大第二保留球数以下の回数であり、第一実施形態では最大第二保留球数と等しく4回である。通常変動パターンテーブルは、特殊図柄変動以外の図柄変動(以下、「通常図柄変動」という。)において、大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンを決定するために参照される。
図6に示すように、通常変動パターンテーブルには、大当たり判定が第一大当たり判定および第二大当り判定のいずれであるか、大当たり判定時の遊技状態(大当たり判定時に時短状態が生起されているか否か)、および大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じて、複数のテーブルが設けられている。各テーブルには複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。
「リーチ演出」とは、例えば3つの演出図柄のうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、大当たりの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。「非リーチ」は、リーチ状態に至ることなく演出が終了する報知演出であり、第一実施形態では、大当たり判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。「非リーチ」の変動パターンは、大当たり判定時の保留球数に応じて異なる変動時間が割り当てられている。具体的には、保留球数が「0」の場合には12秒、「1」の場合には9秒、「2」の場合には7秒、「3」の場合には4秒と、保留球数が多くなる程、変動時間が短くなるように設定されている。非リーチの変動パターンは最も多くの変動パターン決定乱数が割り当てられている。このため、大当たり判定の結果がはずれである場合には、非リーチの変動パターンが最も決定されやすい。
なお、詳細な説明は省略するが、通常変動パターンテーブルにおいて、第二大当り判定についても、遊技状態等に応じて複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値とが対応付けられている。大当たり判定が行われると、大当たり判定の種類、遊技状態、判定結果、および大当たり特殊変動であるか否かに応じたテーブルが参照され、通常変動パターンテーブルが参照された場合は、取得された変動パターン決定乱数の値によって変動パターンが1つ決定される。なお、通常変動パターンテーブルにおいて、第一大当たり判定についてのテーブルと第二大当たり判定についてのテーブルとは同一でなくてもよい。
図7に示すように、特殊変動パターンテーブルには、大当たり判定の結果に応じて複数のテーブルが設けられている。特殊変動パターンテーブルにおいて、第二大当たり判定の判定結果が大当たりの場合に参照されるテーブルには、「特殊当たりパターン」の変動パターンが1つのみ割り当てられている。第二大当たり判定の結果がはずれの場合に参照されるテーブルには、「特殊はずれパターンA」および「特殊はずれパターンB」の2つの変動パターンが割り当てられている。特殊はずれパターンAは、第二乱数の種別が通常第二乱数の場合に決定される。特殊はずれパターンBは、第二乱数の種別が特定第二乱数の場合に決定される。なお、これらのテーブルには、他のテーブルと同様に、複数種類の変動パターンが割り当てられ、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値とが対応付けられていてもよい。
図6、図7に示すように、特殊変動パターンテーブルに割り当てられている変動パターンの変動時間のうち、通常第二乱数に基づく第二大当たり判定の結果がはずれの場合に決定され得る変動パターンの変動時間(以下、「第一変動時間」という。)の平均(以下、「第一平均時間」という。)は、通常変動パターンテーブルにおいて、大当たり判定時に非時短状態が生起されている場合に参照されるテーブルに割り当てられている変動パターンの変動時間のうち、大当たり判定の結果がはずれの場合に決定され得る変動パターンの変動時間(以下、「第二変動時間」という。)の平均(以下、「第二平均時間」という。)よりも短い。通常変動パターンテーブルにおいて、大当たり判定時に非時短状態が生起されている場合に参照されるテーブル割り当てられている変動パターンのうち、大当たり判定の結果がはずれの場合に決定され得る変動パターンは、非リーチ、リーチ演出A〜Eである。第一実施形態の第二平均時間は、約10秒である。また、第一実施形態の特殊変動パターンテーブルには、通常第二乱数に基づく第二大当たり判定の結果がはずれの場合に決定され得る変動パターンとして特殊はずれパターンAのみが割り当てられているので、第一変動時間および第一平均時間は、それぞれ、特殊はずれパターンAの変動時間と等しい。すなわち、第一実施形態の第一変動時間および第一平均時間は、それぞれ、1秒である。また、第一実施形態では、第一変動時間である特殊はずれパターンAの変動時間(1秒)は、第二変動時間のうち最短の変動時間(保留球数が「3」のときの非リーチの4秒)よりも短い。従って、特殊図柄変動においては、パチンコ機1は通常図柄変動における報知演出よりもスピーディーな報知演出を実行でき、大当たり遊技の終了後、非時短状態中の報知演出に変化を与えることができる。
また、特殊変動パターンテーブルに割り当てられている変動パターンの変動時間のうち、特定第二乱数に基づく第二大当たり判定の際(すなわち、保留球数が「0」のときの第二大当たり判定の際)に決定され得る変動パターンの変動時間(以下、「第三変動時間」という。)の平均(以下、「第三平均時間」という。)と、第二平均時間との時間差は、第三平均時間と第一平均時間との時間差よりも小さい。第一実施形態の特殊変動パターンテーブルには、特定第二乱数に基づく第二大当たり判定の結果がはずれの場合に決定され得る変動パターンとして特殊はずれパターンBのみが割り当てられているので、第三変動時間および第三平均時間は、それぞれ、特殊はずれパターンBの変動時間と等しい。すなわち、第一実施形態の第三変動時間および第三平均時間は、それぞれ、12秒であり、第二変動時間のうち、第二保留球数が「0」のときに最も決定されやすい非リーチの変動時間(12秒)と等しい。従って、第三平均時間(12秒)と第二平均時間(約10秒)との時間差は、約2秒であり、第三平均時間(12秒)と第一平均時間(1秒)との時間差は、11秒である。
主制御基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一特別図柄または第二特別図柄を変動させる。また、主制御基板41は、変動パターンテーブルが参照されて決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28、スピーカ48等を制御する。
図8を参照して、第一実施形態における特殊図柄変動および保留連背景について一例を説明する。前述したように、遊技者は右打ちによって大当たり遊技を消化する。このとき、右打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート12を通過することがある。パチンコ機1は、大当たり遊技中に普通当たり判定を実行可能である。従って、大当たり遊技中に普通当たりと判定されて第二始動口15が開放されることがある。一方で、大当たり遊技中には始動条件が成立しないので、大当たり判定は実行されない。従って、大当たり遊技中に第二始動口15に遊技球が入賞して第二乱数が取得されると、その全てが第二保留乱数として第二大当たり情報記憶エリアに記憶される。この場合における第二乱数はいずれも非特定状態において取得されているので、その種別はいずれも通常第二乱数である。また、大当たり遊技開始時までに第二保留乱数として記憶されている第二乱数があったとしても、その第二乱数に基づいて第二大当たり判定がまだなされていないということは、始動条件が成立しておらず、非特定状態において取得された第二乱数であるので、その種別はいずれも通常第二乱数である。
時短無し大当たり遊技の終了後、大当たり遊技の終了時に記憶されている第二保留乱数に基づいて、特殊図柄変動が開始される。この場合、特殊変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定される。大当たり遊技の終了時に4つの第二保留乱数が記憶されている場合等、特殊変動回数(4回)の特殊図柄変動が実行されるまでの間に特定状態にならなければ、第二大当たり判定の結果がはずれの場合には、第二保留乱数として記憶されている特定第二乱数に基づいて、特殊はずれパターンAが決定される。そして、第二特別図柄が第一変動時間(1秒)変動する特殊図柄変動が4回繰り返される。その後、第一特別図柄または第二特別図柄が第二変動時間変動する通常図柄変動が実行される。この場合、変動時間の短い特殊図柄変動が連続して4回繰り返されているので、その後に変動時間の長い通常図柄変動に切り替わっても遊技者は違和感を覚えることはない。
また、時短無し大当たり遊技の終了時に記憶されている第二保留乱数の中に大当たりに対応する第二保留乱数がある場合には、特殊はずれパターンAの変動時間が短いので、大当たり遊技の終了後、すぐに次の大当たり遊技が実行される。これにより、遊技者は、大当たり遊技が連続することによる高揚感を得ることができる。
一方、特殊変動回数の特殊図柄変動が実行されるまでの間に特定状態になる場合がある。図8は、一例として、時短無し大当たり遊技の終了時における第二保留球数が「3」であって、3回目の特殊図柄変動の終了時に特定状態となる場合を示す。大当たり遊技中に取得されて第二保留乱数として記憶されている3つの第二乱数の種別はいずれも通常第二乱数なので、3つの第二保留乱数について第二大当たり判定が行われ、第二大当たり判定の結果がはずれであった場合、それぞれ、特殊はずれパターンAの変動パターンが決定される。すなわち、特殊はずれパターンAに基づいて、3回連続で変動時間1秒の特殊図柄変動が行われる。その後、特定状態となり、第二始動口15に遊技球が入賞すると、第二乱数が取得される。
この場合において、仮に特殊はずれパターンAが決定されたとすると、前回の特殊図柄変動の終了後、所定の間を空けて変動時間1秒(第一変動時間)の特殊図柄変動が1回行われることとなる。その後、変動パターンテーブルが通常変動パターンテーブルに切り替えられ、変動時間12秒等(第二変動時間)の通常図柄変動が行われる。この場合、変動時間が急に変化することで、遊技者は違和感を覚える可能性がある。
しかし、特定状態において取得された第二乱数の種別は特定第二乱数である。従って、第一実施形態のパチンコ機1では、この特定第二乱数について第二大当たり判定が行われ、第二大当たり判定の結果がはずれであった場合、特殊変動パターンBの変動パターンが決定される。すなわち、特殊はずれパターンBに基づいて、変動時間12秒(第三変動時間)の特殊図柄変動が行われる。特殊変動回数(4回)の特殊図柄変動が終了すると、次回からは通常図柄変動が行われることとなる。次いで、大当たり判定が行われ、大当たり判定の結果がはずれであると、例えば最も決定されやすい非リーチの変動パターンが決定される。すなわち、保留球数が「0」のときの非リーチの変動パターンに基づいて、変動時間12秒(第二変動時間)の通常図柄変動が行われる。この場合、第三変動時間と第二変動時間との時間差がないので、変動時間が急に変わることが抑制される。従って、パチンコ機1は、参照される変動パターンテーブルが特殊変動パターンテーブルから通常変動パターンテーブルに切り替わる際の図柄変動によって遊技者に与える違和感を抑制できる。
また、パチンコ機1は、時短無し大当たり遊技の終了後、最大で保留連回数の報知演出に亘って保留連背景を表示画面28に表示する。保留連回数は、最大第二保留球数以下の回数であり、第一実施形態では最大第二保留球数および特殊変動回数と等しく4回である。また、保留連背景の表示に同期して、表示画面28、可動役物30、スピーカ48等によって演出が実行される。仮に常に保留連回数の報知演出に亘って保留連背景が表示されるものとする。この場合、保留連回数の報知演出が実行されるまでに特定状態となると、その後に行われる報知演出にも亘って連続して保留連背景が表示されることとなる。この場合、保留連背景の表示が間延びして遊技者に違和感を与える可能性がある。また、保留連背景は、本来、時短無し大当たり遊技の終了時に記憶されていた第二保留乱数の中に大当たりに対応する第二保留乱数があるか否かを報知するための演出である。しかし、当該その後に行われる報知演出は、時短無し大当たり遊技の終了後の特定状態において取得された第二乱数に基づく報知演出であり、時短無し大当たり遊技の終了時に記憶されている第二保留乱数に基づく報知演出ではない。従って、当該その後に行われる報知演出にまで亘って保留連背景が表示されると、遊技者は違和感を覚える可能性が高い。
しかし、第一実施形態では、時短無し大当たり遊技が終了した場合、その時点における第二保留球数が特定される。特定された第二保留球数が保留連回数以上の場合、保留連背景は、時短無し大当たり遊技の終了後、保留連回数の報知演出に亘って実行される。一方、特定された第二保留球数が保留連回数未満の場合、保留連背景は、時短無し大当たり遊技の終了後、特定された第二保留球数分の報知演出に亘って実行される。保留連背景の表示が終了すると、切替背景を介して通常背景に切り替えられて表示画面28に表示される。また、特定された第二保留球数が「0」の場合、保留連背景は表示されずに、通常背景が表示される。
図8の例では、時短無し大当たり遊技の終了時に特定される第二保留球数は「3」である。この場合、時短無し大当たり遊技の終了後、3回の特殊図柄変動に同期して行われる報知演出に亘って、保留連背景が表示される。3回目の報知演出が終了すると、保留連背景の表示が終了し、切替背景に切り替えられる。その後、4回目の報知演出が実行されると、切替背景から通常背景に切り替えられて表示される。このように、パチンコ機1は、時短無し大当たり遊技の終了時における第二保留球数が保留連回数未満の場合に、当該第二保留球数分の報知演出の終了時に保留連背景の表示を終了することで、保留連背景の表示が間延びすることを抑制できる。従って、パチンコ機1は、遊技者に与える保留連背景の表示の間延びによる違和感を抑制できる。また、時短無し大当たり遊技の終了時に保留連背景の表示を継続する報知演出の回数が決定するので、表示制御が容易である。
また、保留連背景が表示されている3回目までの報知演出の演出時間は、第一変動時間(1秒)であるが、通常背景が表示されている4回目の報知演出の演出時間は、第三変動時間(12秒)となる。仮に図8の例で、4回目の特殊図柄変動において特殊はずれパターンAが決定されたとすると、通常背景が表示されている4回目の報知演出の演出時間が1秒と非常に短くなる。この場合、通常図柄変動において通常背景が表示されているときの演出時間は1秒よりも長いので、通常背景が表示されているのに演出時間が短いと、遊技者は違和感を覚える可能性がある。しかし、第一実施形態のパチンコ機1では、通常背景が表示されている4回目の報知演出の演出時間が長いので、パチンコ機1は、通常背景が表示されているときの演出時間が短くなることによる違和感を遊技者に与えることを抑制できる。
図9〜図16を参照して、パチンコ機1の主制御基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図9参照)は、割込信号発生回路57(図3参照)が4mS毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図9に示すように、メイン処理が開始されると、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実行されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、第一始動口スイッチ72、第二始動口スイッチ73、普通図柄作動スイッチ74、大入賞口スイッチ75等の各種スイッチから検出信号が供給されているかが検出される。検出信号が検出された場合は、各種スイッチに対応するフラグ(第一始動口入賞フラグ、第二始動口入賞フラグ、ゲート通過フラグ、大入賞口入賞フラグ等)が「ON」となる。このフラグの情報は、後述する特別電動役物処理、特別図柄処理、払出処理等において参照される。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、乱数取得カウンタの値が加算される処理、変動時間カウンタの値が減算される処理等が行われる。乱数取得カウンタは、乱数値を示し、RAM52に記憶される。変動時間カウンタは、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタであり、RAM52に記憶される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に、大入賞口16の開閉部材の開閉動作)の制御、大当たり遊技の終了後の遊技状態に関する処理等が行われる(図16参照)。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、および遊技状態の移行処理等が行われる(図10〜図15参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く、第二始動口15の開閉部材を開放させる。なお、CPU51は、後述の時短フラグが「ON」の場合、時短状態中であると判断する。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ74によって遊技球が検出されることを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。前述したように、普通当たり判定は、時短状態が生起されているか否かに応じて、それぞれの確率(99/100または15/100)で判定される。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
図10〜図15を参照して、特別図柄処理(S14、図9参照)について詳細に説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、前述した第一始動口入賞フラグおよび第二始動口入賞フラグに加えて、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確変フラグ、時短フラグ、特定状態フラグ等が記憶されている。
大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中には「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、いずれも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確変フラグは、確変状態中には「ON」となり、非確変状態中には「OFF」となる。時短フラグは、時短状態中には「ON」となり、非時短状態中には「OFF」となる。特定状態フラグは、特定状態となった場合に「ON」となり、図柄変動が開始されると「OFF」となる。
図10に示すように、特別図柄処理が開始されると、まず、第一始動口入賞フラグの状態によって、第一始動口14に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。第一始動口入賞フラグが「OFF」であり、第一始動口14に遊技球が入賞していない場合(S21:NO)、処理はS31の判断へ移行する。第一始動口入賞フラグが「ON」であり、第一始動口14に遊技球が入賞している場合(S21:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「4」であるか否かが判断される(S22)。第一保留球数が「4」であり最大第一保留球数に達している場合(S22:YES)、処理はS31の判断へ移行する。
第一保留球数が「4」でない場合(S22:NO)、第一乱数が取得される(S23)。次いで、取得された第一乱数がRAM52の第一大当たり情報記憶エリア(図4参照)における空の記憶エリアのうち、記憶エリア番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S24)。具体的には、RAM52の第一大当たり情報記憶エリアにおいて、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が、転落乱数欄には転落抽選カウンタの値がそれぞれ記憶される。次いで、RAM52の第一ポインタ欄に新たな第一ポインタが1個追加される(S25)。追加された第一ポインタは、S24で第一乱数が記憶された記憶エリア番号を示す。次いで、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S26)。
次いで、第二始動口入賞フラグの状態によって、第二始動口15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S31)。第二始動口入賞フラグが「OFF」であり、第二始動口15に遊技球が入賞していない場合(S31:NO)、処理はS51(図11参照)の判断へ移行する。第二始動口入賞フラグが「ON」であり、第二始動口15に遊技球が入賞している場合(S31:YES)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「4」であるか否かが判断される(S32)。第二保留球数が「4」であり第二保留球数が最大第二保留球数に達している場合(S32:YES)、処理はS51の判断へ移行する。
第二保留球数が「4」でない場合(S32:NO)、第二乱数が取得される(S33)。次いで、特定状態フラグの状態によって、特定状態であるか否かが判断される(S41)。特定状態フラグが「OFF」となっており、特定状態でない場合(S41:NO)、取得された第二乱数がRAM52の第二大当たり情報記憶エリア(図4参照)における空の記憶エリアのうち、記憶エリア番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S42)。S42で記憶エリアに記憶された第二乱数は、非特定状態において取得されているので、通常第二乱数である。次いで、RAM52の第二ポインタ欄に新たな第二ポインタが1個追加される(S43)。追加された第二ポインタは、S42で第二乱数が記憶された記憶エリア番号を示す。その後、処理はS45へ移行する。
また、特定状態フラグが「ON」となっており、特定状態である場合(S41:YES)、取得された第二乱数が、RAM52の第二大当たり情報記憶エリアを介さず、判定エリアに直接記憶される(S44)。S44で判定エリアに記憶された第二乱数は、特定状態において取得されているので、特定第二乱数である。
次いで、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S45)。次いで、第二保留球数通知コマンドがRAM52に記憶される(S46)。第二保留球数通知コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)においてサブ制御基板58に送信され、第二保留球数をサブ制御基板58に通知する。処理はS51の判断へ移行する。
図11に示すように、次いで、大当たり遊技状態フラグの状態によって、大当たり遊技中であるか否かが判断される(S51)。大当たり遊技状態フラグが「ON」であり、大当たり遊技中である場合(S51:YES)、処理はメイン処理(図9参照)へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「OFF」であり、大当たり遊技中でない場合(S51:NO)、特別図柄表示状態フラグの状態によって、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であるか否かが判断される(S52)。特別図柄表示状態フラグに「0」および「2」のいずれかが記憶されており、いずれも変動中でない場合(S52:NO)、特別図柄表示状態フラグの状態によって、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止表示中であるか否かが判断される(S53)。特別図柄表示状態フラグに「0」および「1」のいずれかが記憶されており、いずれも停止表示中でない場合(S53:NO)、処理はS61(図12参照)の判断へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
図12に示すように、第一実施形態では、大当たり判定において、第二大当り判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。よって、第二保留乱数があるか否かの確認が、第一保留乱数があるか否かの確認よりも先に行われる。まず、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S61)。第二保留球数が「0」の場合(S61:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S62)。第一保留球数が「0」の場合(S62:NO)、大当たり判定を行う第一保留乱数および第二保留乱数がなく(S61:NO、S62:NO)、大当たり遊技中でもなく(S51:NO、図11参照)、且つ特別図柄の変動中でも停止表示中もない(S52:NO、S53:NO、図11参照)ので、特定状態である。よって、特定状態フラグが「ON」となり(S63)、処理はメイン処理(図9参照)へ戻る。
第一保留球数が「1」以上の場合(S62:YES)、RAM52の第一大当たり情報記憶エリアで第一ポインタが指す記憶エリア番号のうち最も小さい番号の記憶エリア(保留1の第一ポインタが指す記憶エリア)に記憶されている第一保留乱数が判定エリアに記憶される(S64)。次いで、RAM52の第一大当たり情報記憶エリアで最も小さい番号の記憶エリアを指す第一ポインタ(保留1の第一ポインタ)が第一ポインタ欄から消去されて更新され(S65)。次いで、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算され(S66)、処理はS76へ移行する。
また、第二保留球数が「1」以上の場合(S61:YES)、まず、特定状態フラグの状態によって、RAM582の判定エリアに特定第二乱数が記憶されているか否かが判断される(S71)。特定状態フラグが「OFF」であり、判定エリアに特定第二乱数が記憶されていない場合(S71:NO)、第二大当たり情報記憶エリアで保留1の第二ポインタが指す記憶エリアに第二保留乱数として記憶されている通常第二乱数が判定エリアに記憶される(S72)。次いで、RAM52の第二大当たり情報記憶エリアで最も小さい番号の記憶エリアを指す第二ポインタ(保留1の第二ポインタ)が第二ポインタ欄から消去されて更新され(S73)、処理はS75へ移行する。
一方、特定状態フラグが「ON」となっており、S44(図10参照)で既に判定エリアに特定第二乱数が記憶されている場合(S71:YES)、S72、S73が実行されずにS75へ移行する。次いで、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」減算される(S75)。次いで、大当たり判定処理が実行される(S76)。大当たり判定処理では、転落抽選、大当たり判定、特別図柄の決定に関する各処理が行われる。
図13を参照して、大当たり判定処理(S76、図12参照)について詳細に説明する。第一実施形態では、確変状態か否かによって転落抽選を行うか否かが異なる。そこで、大当たり判定処理が開始されると、まず、確変フラグの状態によって、確変状態が生起されているか否かが判断される(S81)。確変フラグが「OFF」であり、確変状態が生起されていない場合(S81:NO)、転落抽選は行われないので、処理はS85へ移行する。確変フラグが「ON」であり、確変状態が生起されている場合(S81:YES)、転落抽選処理が行われる(S82)。図示しないが、ROM53には、転落抽選を行うためのテーブルとして、転落抽選テーブルが記憶されている。転落抽選テーブルには、転落抽選の「当選」および「はずれ」にそれぞれ対応する転落乱数の乱数値が定義されている。転落抽選処理では、転落抽選テーブルが参照されて、S44(図10参照)、S64、またはS72(図12参照)でRAM52の判定エリアに記憶されている転落乱数が、「当選」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未抽選の転落乱数に基づく転落抽選が、転落乱数の記憶順に行われる。
次いで、転落抽選の結果が「当選」であるか否かが判断される(S83)。転落抽選の結果が「はずれ」の場合(S83:NO)、確変状態は終了せず、処理はS85へ移行する。転落抽選の結果が「当選」の場合(S83:YES)、確変フラグが「OFF」となり、確変状態が終了する(S84)。これにより、転落抽選に当選すると、遊技状態が確変状態から非確変状態へと移行する。
次いで、確変状態が生起されているか否かに応じて大当たり判定が行われる(S85)。S85では、確変フラグの状態を参照して、現時点において確変状態が生起されているか否かが特定される。図示しないがROM53には、大当たり判定を行うためのテーブルとして、低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとが設けられている。低確率判定テーブルは、非確変状態中の大当たり判定に用いられるテーブルであり、第一大当たり判定および第二大当たり判定のそれぞれについて「大当たり」および「はずれ」にそれぞれ対応する大当たり乱数の乱数値を定義している。高確率判定テーブルは、確変状態中の大当たり判定に用いられるテーブルであり、第一大当たり判定および第二大当たり判定のそれぞれについて「大当たり」および「はずれ」にそれぞれ対応する大当たり乱数の乱数値を定義している。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが参照されて、S64(図12参照)でRAM52の判定エリアに記憶されている第一大当たり乱数が、「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される第一大当たり判定が行われる。また、S44(図10参照)またはS72(図12参照)で判定エリアに記憶されている第二大当たり乱数が、「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される第二大当たり判定が行われる。なお、第一大当たり情報記憶エリアおよび第二大当たり情報記憶エリアにおいて、保留乱数のそれぞれの記憶順が特定されて記憶されているので、RAM52に記憶された未判定の大当たり乱数に基づく大当たり判定が、大当たり乱数の記憶された順(すなわち、取得された順)に行われる。大当たり判定の判定結果はRAM52に記憶される。
次いで、大当たり判定の結果が「大当たり」であるか否かが判断される(S86)。大当たり判定の結果が「はずれ」の場合には(S86:NO)、処理は特別図柄処理(図12参照)へ戻る。大当たり判定の結果が大当たりの場合には(S86:YES)、大当たり種別および時短回数(時短状態を生起するか否か)が決定される(S87)。S87では、特別図柄決定テーブル(図5参照)を参照して、S44(図10参照)、S64、またはS72(図12参照)でRAM52の判定エリアに記憶されている特別図柄決定乱数に対応する大当たり種別が決定される。また、時短フラグの状態を参照して、現時点において時短状態が生起されているか否かが特定される。時短状態が生起されているか否かに応じて、決定された大当たり種別に対応する時短回数が決定される。決定された大当たり種別および時短回数(すなわち、時短付き大当たりおよび時短無し大当たりのいずれであるか)はRAM52に記憶される。その後、処理は特別図柄処理へ戻る。
図12に示すように、大当たり判定処理(S76)の後には、変動パターン決定処理が実行される(S101)。変動パターン決定処理では、通常変動パターンテーブル(図6参照)および特殊変動パターンテーブル(図7参照)のいずれかから変動パターンが決定される。
図14を参照して、変動パターン決定処理(S101、図12参照)について詳細に説明する。変動パターン決定処理が開始されると、まず、大当たり判定処理(S76、図12参照)で行われた大当たり判定が第一大当たり判定か否かが判断される(S91)。第一大当たり判定の場合(S91:YES)、CPU51によって参照される変動パターンテーブルとして、通常変動パターンテーブル(図6参照)がセットされる(S92)。次いで、セットされた通常変動パターンテーブルが参照されて、大当たり判定の種別、遊技状態、および判定結果に応じた変動パターンの1つが、変動パターン決定乱数の値によって決定され(S93)、処理は特別図柄処理(図12参照)へ戻る。
第二大当たり判定の場合(S91:NO)、特殊変動回数カウンタの値によって、後述のS95で特殊変動パターンテーブルがセットされる残りの第二図柄変動の実行回数(以下、「残り特殊変動回数」という。)が「0」であるか否かが判断される(S94)。特殊変動回数カウンタは、残り特殊変動回数をカウントするために用いられ、RAM52に記憶される。特殊変動回数カウンタには、後述の特別電動役物処理におけるS188(図16参照)において、大当たり遊技の終了時、時短状態が生起されなかった場合に特殊変動回数「4」がセットされる。特殊変動回数カウンタの値は、「0」になるまで、後述のS133(図15参照)で第二大当たり判定が行われる毎に「1」減算される。特殊変動回数カウンタの値が「0」であり、残り特殊変動回数が「0」の場合(S94:YES)、S92、S93が順に行われて、処理は特別図柄処理へ戻る。特殊変動回数カウンタの値が「1」以上であり、残り特殊変動回数が「0」でない場合(S94:NO)、CPU51によって参照される変動パターンテーブルとして、特殊変動パターンテーブル(図7参照)がセットされる(S95)。次いで、セットされた特殊変動パターンテーブルが参照されて、第二大当たり判定の判定結果および大当たり判定が行われた第二乱数の種別に応じて、変動パターンの1つが決定される(S96)。S96では、第二大当たり判定の判定結果が大当たりの場合、第二乱数の種別にかかわらず、「特殊当たりパターン」の変動パターンが決定される。第二大当たり判定の判定結果がはずれの場合、特定状態フラグが参照されて変動パターンが決定される。詳細には、特定状態フラグが「OFF」となっていれば、第二乱数の種別が通常第二乱数なので、「特殊はずれパターンA」の変動パターンが決定され、特定状態フラグが「ON」となっていれば、第二乱数の種別が特定第二乱数なので、「特殊はずれパターンB」の変動パターンが決定される。その後、処理は特別図柄処理へ戻る。
図12に示すように、変動パターン決定処理(S101)の後には、変動パターン指定コマンドがRAM52に記憶される(S102)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)において、サブ制御基板58に送信され、S93またはS96(図14参照)で決定された変動パターンをサブ制御基板58に指定する。図柄表示部24は、中継基板47を介して変動パターン指定コマンドを受信し、第一特別図柄表示部または第二特別図柄表示部における第一特別図柄または第二特別図柄の変動(第一図柄変動または第二図柄変動)を開始する。決定された変動パターンによって指定されている第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が、変動時間カウンタにセットされる(S103)。第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶される(S104)。次いで、RAM52の判定エリアから大当たり判定が行われた第一乱数または第二乱数が消去される(S105)。次いで、特定状態フラグが「ON」となっていれば「OFF」となり(S106)、処理はメイン処理(図9参照)へ戻る。
図11に示すように、S52の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されており、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中である場合(S52:YES)、S103(図12参照)においてセットされた変動時間カウンタの値によって、特別図柄の変動時間が経過したか否かが判断される(S111)。変動時間カウンタの値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していない場合(S111:NO)、処理はメイン処理(図9参照)へ戻る。変動時間カウンタの値が「0」であり、変動時間が経過した場合(S111:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S112)。特別図柄停止コマンドは、コマンド出力処理(S10、図9参照)によってサブ制御基板58および中継基板47に送信され、表示画面28に変動表示されている演出図柄、および図柄表示部24に変動表示されている特別図柄の変動停止を指示する。次いで、特別図柄の所定の停止表示時間(第一実施形態では0.6秒)が停止時間カウンタに記憶される(S113)。停止時間カウンタは、特別図柄の停止時間を計測するためのタイマカウンタであり、RAM52に記憶される。第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶され(S114)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S53の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されおり、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止表示中である場合(S53:YES)、S113においてセットされた停止時間カウンタの値によって、特別図柄の停止表示時間が経過したか否かが判断される(S121)。停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していない場合(S121:NO)、処理はメイン処理へ戻る。停止時間カウンタの値が「0」であり、停止表示時間が経過した場合(S121:YES)、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれもが変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S122)。次いで、遊技状態移行処理が実行される(S123)。遊技状態移行処理では、特殊変動カウンタの制御と、大当たりと判定された場合には遊技を大当たり遊技へ移行させ、所定の終了条件が成立した場合には時短状態および確変状態を終了させるための各種のフラグの制御とが行われる。その後、処理はメイン処理へ戻る。
図15を参照して、遊技状態移行処理(S123、図11参照)について詳細に説明する。遊技状態移行処理が開始されると、まず、S85(図13参照)で行われた大当たり判定が第二大当たり判定か否かが判断される(S131)。第一大当たり判定であり、第二大当たり判定でない場合(S131:NO)、処理はS141の判断へ移行する。第二大当たり判定の場合(S131:YES)、特殊変動回数カウンタの値によって、残り特殊変動回数が「0」であるか否かが判断される(S132)。特殊変動回数カウンタの値が「0」であり、残り特殊変動回数が「0」の場合(S132:YES)、処理はS141の判断へ移行する。特殊変動回数カウンタの値が「1」以上であり、残り特殊変動回数が「0」でない場合(S132:NO)、特殊変動回数カウンタの値が「1」減算される(S133)。
次いで、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S141)。大当たりの場合(S141:YES)、大当たり遊技状態フラグが「ON」となって大当たり遊技が開始される(S142)。第一実施形態では、大当たり遊技のラウンド数は、特別図柄決定テーブル(図5参照)における大当たり種別に応じて決定される。従って、大当たり種別に応じた「5R」および「15R」の各ラウンド数のいずれかを示す値が、ラウンド数カウンタにセットされる(S143)。ラウンド数カウンタは、残りのラウンド数をカウントするために用いられ、RAM52に記憶される。次いで、大当たり遊技開始コマンドがRAM52に記憶される(S144)。大当たり遊技開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)において、サブ制御基板58に送信され、大当たり遊技中に実行させる大当たり演出を開始させる。次いで、時短フラグおよび確変フラグが「ON」となっていれば、「OFF」となって時短状態および確変状態が終了し(S145)、処理は特別図柄処理(図11参照)へ戻る。
一方、大当たり判定の結果がはずれの場合(S141:NO)、時短フラグの状態によって、時短状態が生起されているか否かが判断される(S151)。時短フラグが「OFF」であり、時短状態が生起されていない場合(S151:NO)、処理は特別図柄処理へ戻る。
時短フラグが「ON」であり、時短状態が生起されている場合(S151:YES)、時短回数カウンタの値が「1」減算される(S152)。時短回数カウンタは、時短状態が継続する残りの判定回数(以下、「残り時短回数」という。)をカウントするために用いられ、RAM52に記憶される。時短回数カウンタには、後述の特別電動役物処理におけるS186(図16参照)において、大当たり遊技の終了時、時短状態が生起される際に時短回数「83」がセットされる。次いで、時短回数カウンタの値によって、残り時短回数が「0」であるか否かが判断される(S153)。時短回数カウンタの値が「1」以上であり、残り時短回数が「0」でない場合(S153:NO)、遊技状態は移行せず、処理は特別図柄処理へ戻る。
時短回数カウンタの値が「0」であり、残り時短回数が「0」となった場合(S153:YES)、時短フラグが「OFF」となって時短状態が終了する(S154)。これにより、大当たり終了後に時短状態が生起された場合、判定回数が時短回数「83」に達すると、遊技状態が時短状態から非時短状態へと移行する。その後、処理は特別図柄処理へ戻る。
図16を参照して、特別電動役物処理(S13、図9参照)について詳細に説明する。まず、特別電動役物処理で使用されるフラグを説明する。RAM52には、前述した大当たり遊技状態フラグ等に加えて、大入賞口開放中フラグ等が記憶されている。大入賞口開放中フラグは、大入賞口16が開放状態である場合には「ON」となり、大入賞口16が閉鎖状態である場合には「OFF」となる。
特別電動役物処理が開始されると、まず、大当たり遊技状態フラグの状態によって、大当たり遊技中であるか否かが判断される(S161)。大当たり遊技状態フラグが「OFF」であり、大当たり遊技中でない場合(S161:NO)、処理はメイン処理(図9参照)へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「ON」であり、大当たり遊技中である場合(S161:YES)、大入賞口開放中フラグの状態によって、大入賞口16が開放状態であるか否かが判断される(S162)。
大入賞口開放中フラグが「OFF」であり、大入賞口16が閉鎖状態の場合(S162:NO)、閉鎖時間カウンタの値によって、大入賞口16の閉鎖時間が経過したか否かが判断される(S163)。閉鎖時間カウンタは、大入賞口16の閉鎖時間を計数するタイマカウンタであり、RAM52に記憶される。閉鎖時間カウンタの値が「0」でなく、閉鎖時間がまだ経過していない場合(S163:NO)、引き続き大入賞口16を閉鎖させておくため、処理はメイン処理へ戻る。閉鎖時間カウンタの値が「0」であり、閉鎖時間が経過した場合(S163:YES)、ラウンド数カウンタの値によって、残りのラウンド数が「0」であるか否かが判断される(S164)。ラウンド数カウンタは、S143(図15参照)においてセットされ、後述のS166でラウンド毎に「1」減算される。
ラウンド数カウンタの値が「0」でなく、大入賞口16がまだ所定のラウンド数開放されていない場合(S164:NO)、大入賞口開放コマンドが、RAM52に記憶される(S165)。大入賞口閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)において、中継基板47に送信され、大入賞口16を開放させる。次いで、ラウンド数カウンタの値が「1」減算される(S166)。次いで、大入賞口開放中フラグが「ON」となる(S167)。次いで、開放時間カウンタに大入賞口16の開放時間(例えば30秒)がセットされる(S168)。開放時間カウンタは、大入賞口16の開放時間を計数するタイマカウンタであり、RAM52に記憶される。次いで、入賞数カウンタの値がクリアされて「0」にされる(S169)。入賞数カウンタは、1回のラウンド遊技において、大入賞口16に入賞した遊技球の数(入賞数)をカウントするために用いられ、RAM52に記憶される。その後、処理はメイン処理へ戻る。
また、S162の判断において、大入賞口開放中フラグが「ON」であり、大入賞口16が開放状態の場合(S162:YES)、大入賞口入賞フラグの状態によって、開放状態の大入賞口16に遊技球が入賞したか否かが判断される(S171)。大入賞口入賞フラグが「OFF」であり、大入賞口16に遊技球が入賞していない場合(S171:NO)、処理はS173へ移行する。大入賞口入賞フラグが「ON」であり、大入賞口16に遊技球が入賞した場合(S171:YES)、入賞数カウンタの値に「1」が加算される(S172)。
次いで、入賞数カウンタの値によって、大入賞口16への入賞数が規定上限数(第一実施形態では、9個)以上であるか否かが判断される(S173)。S172で計数された入賞数カウンタの値が「8」以下の場合(S173:NO)、開放時間カウンタの値によって、大入賞口16の開放時間が経過したか判断される(S174)。S168でセットされた開放時間カウンタの値が「0」でなく、大入賞口16の開放時間がまだ経過していない場合(S174:NO)、引き続き大入賞口16を開放させておくため、処理はメイン処理(図9参照)へ戻る。
一方、入賞数カウンタの値が「9」以上の場合(S173:YES)、もしくは開放時間カウンタの値が「0」であり、大入賞口16の開放時間が経過した場合(S174:YES)、大入賞口閉鎖コマンドがRAM52に記憶される(S175)。大入賞口閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)において、中継基板47に送信され、大入賞口16を閉鎖させる。次いで、大入賞口開放中フラグが「OFF」となる(S176)。次いで、閉鎖時間カウンタに大入賞口16の閉鎖時間がセットされる(S177)。その後、処理はメイン処理へ戻る。
また、S164の判断において、ラウンド数カウンタの値が「0」であり、大入賞口16が所定のラウンド数開放された場合(S164:YES)、大当たり遊技を終了させる処理が行われる。具体的には、大当たり遊技状態フラグが「OFF」となり、大当たり遊技が終了する(S181)。次いで、大当たり遊技終了コマンドがRAM52に記憶される(S182)。大当たり遊技終了コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)においてサブ制御基板58に送信され、実行中の大当たり演出を終了させる。第一実施形態の大当たり終了コマンドは、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されるか否かを示す時短情報を含む。次いで、第一実施形態では、大当たり遊技の終了後に100%の確率で確変状態が生起されるので、確変フラグが「ON」となり、確変状態が生起される(S183)。
次いで、時短付き大当たりであるか否かが判断される(S184)。時短付き大当たりである場合(S184:YES)、時短フラグが「ON」となり、時短状態が生起される(S185)。次いで、時短回数カウンタに時短回数「83」がセットされる(S186)。次いで、特殊変動回数カウンタに「0」がセットされ(S187)、処理はメイン処理へ戻る。
時短付き大当たりでない場合(S184:YES)、特殊変動回数カウンタに特殊変動回数「4」がセットされ(S188)、処理はメイン処理へ戻る。
図17〜図19を参照して、サブ制御基板58において実行されるサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理は、パチンコ機1が起動すると、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581によって実行される。サブ制御基板処理では、主制御基板41から送信された各種コマンドに従って、主に演出制御に関する処理が実行される。サブ制御基板処理では、特に保留連背景等の背景演出の表示に関する処理が行われる。
図17に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、まず、主制御基板41から第二保留球数通知コマンドを受信したか否かが判断される(S201)。第二保留球数通知コマンドを受信していない場合(S201:NO)、処理はS211の判断へ移行する。第二保留球数通知コマンドを受信した場合(S201:YES)、第二保留球数通知コマンドによって通知された第二保留球数がRAM582に記憶され(S202)、処理はS211の判断へ移行する。
次いで、主制御基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S211)。大当たり遊技開始コマンドを受信していない場合(S211:NO)、処理はS221の判断へ移行する。大当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S211:YES)、大当たり演出が開始される(S212)。この処理は、CPU581が、大当たり演出を実行するためのコマンドを、演出制御基板43へ送信することによって行われる。演出制御基板43のCPU431は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、表示画面28の表示制御を開始する。また、CPU581は、大当たり演出に対応する各種照明の動作、可動役物30の動作、スピーカ48の音声出力等の各種制御を開始する。処理はS221の判断へ移行する。
次いで、主制御基板41から大当たり遊技終了コマンドを受信したか否かが判断される(S221)。前述したように、大当たり遊技終了コマンドには時短情報が含まれる。大当たり遊技終了コマンドを受信していない場合(S221:NO)、処理はS231の判断へ移行する。大当たり遊技終了コマンドを受信した場合(S221:YES)、実行中の大当たり演出が終了する(S222)。この処理は、CPU581が、大当たり演出を終了するためのコマンドを、演出制御基板43へ送信することによって行われる。演出制御基板43のCPU431は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、表示画面28の表示制御を終了する。また、CPU581は、大当たり演出に対応する各種照明の動作、可動役物30の動作、スピーカ48の音声出力等の各種制御を終了する。次いで、第一背景処理が実行される(S223)。第一背景処理では、通常背景または保留連背景の表示を開始するか否かの判断が行われる。処理はS231の判断へ移行する。
図18を参照して、第一実施形態における第一背景処理(S223、図17参照)について詳細に説明する。第一背景処理が開始されると、まず、受信した大当たり遊技終了コマンドに含まれる時短情報を参照し、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されるか否かが判断される(S301)。大当たり遊技の終了後に時短状態が生起される場合(S301:YES)、処理はサブ制御基板処理(図17参照)へ戻る。
大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されない場合(S301:NO)、S202、S235(図17参照)で計数されてRAM582に記憶されている第二保留球数が特定される(S302)。次いで、特定した第二保留球数が「0」であるか否かが判断される(S303)。第二保留球数が「0」である場合(S303:YES)、表示画面28において通常背景の表示が開始される(S304)。この処理は、CPU581が、通常背景を表示画面28に表示するためのコマンドを、演出制御基板43へ送信することによって行われる。演出制御基板43のCPU431は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、表示画面28において通常背景を表示させて、表示画面28の表示制御を開始する。また、CPU581は、通常背景に対応する各種照明の動作、可動役物30の動作、スピーカ48の音声出力等の各種制御を開始する。次いで、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
第二保留球数が「1」以上の場合(S303:NO)、第二保留球数が保留連回数「4」未満であるか否かが判断される(S311)。第二保留球数が保留連回数以上の場合(S311:NO)、保留連回数カウンタに保留連回数「4」がセットされる(S312)。保留連回数カウンタは、保留連背景が継続して表示される報知演出の残りの実行回数をカウントするために用いられ、RAM582に記憶される。保留連回数カウンタの値は、「0」になるまで、後述の第二背景処理のS332(図19参照)で報知演出が終了する毎に「1」減算される。処理はS314へ移行する。
第二保留球数が保留連回数未満の場合(S311:YES)、保留連回数の代わりに第二保留球数が保留連回数カウンタにセットされる(S313)。次いで、表示画面28において保留連背景の表示が開始される(S314)。この処理は、CPU581が、保留連背景を表示画面28に表示するためのコマンドを、演出制御基板43へ送信することによって行われる。演出制御基板43のCPU431は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、表示画面28において保留連背景を表示させて、表示画面28の表示制御を開始する。また、CPU581は、保留連背景に対応する各種照明の動作、可動役物30の動作、スピーカ48の音声出力等の各種制御を開始する。次いで、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図17に示すように、次いで、主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S231)。変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S231:NO)、処理はS241の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信した場合(S231:YES)、表示画面28に切替背景が表示されているか否かが判断される(S232)。切替背景が表示されていない場合(S232:NO)、処理はS234へ移行する。
切替背景が表示されている場合(S232:YES)、表示画面28において表示中の切替背景から通常背景に切り替えて表示される(S233)。この処理は、CPU581が、通常背景を表示画面28に表示するためのコマンドを、演出制御基板43へ送信することによって行われる。演出制御基板43のCPU431は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、表示画面28において切替背景から通常背景に切り替えて表示させて、表示画面28の表示制御を開始する。また、CPU581は、通常背景に対応する各種照明の動作、可動役物30の動作、スピーカ48の音声出力等の各種制御を開始する。
次いで、指定されている変動パターンが第一変動パターンであるか否かが判断される(S234)。第一変動パターンの場合(S234:YES)、処理はS236へ移行する。第一変動パターンでない場合(S234:NO)、RAM582に記憶されている第二保留球数が「1」減算される(S235)。次いで、指定されている変動パターンに応じて、報知演出の実行が開始される(S236)。この処理は、CPU581が、変動パターンに基づいた報知演出を実行するためのコマンドを、演出制御基板43へ送信することによって行われる。演出制御基板43のCPU431は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、表示画面28において演出図柄を変動表示させて、表示画面28の表示制御を開始する。また、CPU581は、変動パターンに基づいて、報知演出に対応する各種照明の動作、可動役物30の動作、スピーカ48の音声出力等の各種制御を開始する。処理はS241の判断へ移行する。
次いで、主制御基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S241)。特別図柄停止コマンドを受信していない場合(S241:NO)、処理はS201の判断へ戻る。特別図柄停止コマンドを受信した場合(S241:YES)、変動中の演出図柄が確定表示され、実行中の報知演出が終了する(S242)。この処理は、CPU581が、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示させ、報知演出を終了するためのコマンドを、演出制御基板43へ送信することによって行われる。演出制御基板43のCPU431は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、表示画面28において大当たり判定の結果を示す組合せで、演出図柄を確定表示させ、表示画面28の表示制御を終了する。また、CPU581は、報知演出に対応する各種照明の動作、可動役物30の動作、スピーカ48の音声出力等の各種制御を終了する。次いで、第二背景処理が実行される(S243)。第二背景処理では、残り保留連回数に応じて、保留連背景から切替背景に切り替える処理が行われる。その後、処理はS201の判断へ戻る。
図19を参照して、第一実施形態における第二背景処理(S243、図17参照)について詳細に説明する。第二背景処理が開始されると、まず、表示画面28に保留連背景が表示されているか否かが判断される(S331)。保留連背景が表示されていない場合(S331:NO)、処理はサブ制御基板処理(図17参照)へ戻る。保留連背景が表示されている場合(S331:YES)、残り保留連回数(保留連回数カウンタの値)が「1」減算される(S332)。次いで、保留連回数カウンタの値によって、残り保留連回数が「0」であるか否かが判断される(S333)。残り保留連回数が「0」でない場合(S333:NO)、残り保留連回数が「0」になるまで保留連背景が継続して表示されるので、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
残り保留連回数が「0」となった場合(S333:YES)、表示画面28において表示中の保留連背景から切替背景に切り替えて表示される(S334)。この処理は、CPU581が、切替背景を表示画面28に表示するためのコマンドを、演出制御基板43へ送信することによって行われる。演出制御基板43のCPU431は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、表示画面28において保留連背景から切替背景に切り替えて表示させて、表示画面28の表示制御を開始する。また、CPU581は、切替背景に対応する各種照明の動作、可動役物30の動作、スピーカ48の音声出力等の各種制御を開始する。これにより、時短無し大当たり遊技の終了時における第二保留球数分の報知演出が実行された場合、または保留連回数の報知演出が実行された場合に、保留連背景の表示が終了する。次いで、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図20から図22を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。第一実施形態では、サブ制御基板処理において、時短無し大当たり遊技が終了した場合、大当たり遊技の終了時に第二保留球数が特定される。これに対し、第二実施形態では、サブ制御基板処理において、時短無し大当たり遊技の終了後、報知演出が終了する毎に第二保留球数が特定される点が第一実施形態とは異なる。具体的には、第二実施形態に係るパチンコ機1は、第一背景処理の一部および第二背景処理の一部が、第一実施形態のパチンコ機1と異なるのみである。その他の処理、機械的構成、電気的構成等は、第一実施形態と第二実施形態で共通する。従って、共通する構成および処理については同一の符号またはステップ番号を付し、説明を省略または簡略化する。
図20を参照して、第二実施形態における特殊図柄変動および保留連背景について一例を説明する。なお、第二実施形態における特殊図柄変動の実行態様は、第一実施形態と同様なので、説明を簡略化する。図20は、一例として、時短無し大当たり遊技の終了時における第二保留球数が2であって、2回目の特殊図柄変動の終了時までに第二始動口15に遊技球が入賞し、3回目の特殊図柄変動の終了時に特定状態となる場合を示す。大当たり遊技中に取得されて第二保留乱数として記憶されている2つの第二乱数の種別および2回目の特殊図柄変動中に取得されて第二保留乱数として記憶されている第二乱数の種別はいずれも通常第二乱数なので、3つの第二保留乱数について第二大当たり判定が行われ、第二大当たり判定の結果がはずれであった場合、それぞれ、特殊はずれパターンAの変動パターンが決定される。すなわち、特殊はずれパターンAに基づいて、3回連続で変動時間1秒の特殊図柄変動が行われる。その後、特定状態となり、第二始動口15に遊技球が入賞すると、第二乱数が取得される。
特定状態において取得された第二乱数の種別は特定第二乱数である。従って、パチンコ機1では、この特定第二乱数について第二大当たり判定が行われ、第二大当たり判定の結果がはずれであった場合、特殊変動パターンBの変動パターンが決定される。すなわち、特殊はずれパターンBに基づいて、変動時間12秒(第三変動時間)の特殊図柄変動が行われる。次いで、大当たり判定が行われ、大当たり判定の結果がはずれであると、例えば最も決定されやすい非リーチの変動パターンが決定される。すなわち、保留球数が「0」のときの非リーチの変動パターンに基づいて、変動時間12秒(第二変動時間)の通常図柄変動が行われる。
第二実施形態のパチンコ機1は、第一実施形態と同様に、時短無し大当たり遊技の終了後、最大で保留連回数の報知演出に亘って保留連背景を表示画面28に表示する。第二実施形態では、時短無し大当たり遊技が終了した場合、その時点における第二保留球数が「0」であるか否かが特定される。時短無し大当たり遊技の終了時における第二保留球数が「0」の場合、保留連背景は表示されずに、通常背景が表示される。一方、時短無し大当たり遊技の終了時における第二保留球数が「0」でなければ、保留連背景の表示が開始される。第二実施形態では、保留連回数の報知演出が終了した場合、または報知演出終了時における第二保留球数が「0」になった場合、保留連背景の表示が終了する。
詳細には、時短無し大当たり遊技の終了後、保留連回数の報知演出が実行されるまでの間、報知演出が終了する毎に、その時点における第二保留球数が「0」であるか否かが特定される。特定された第二保留球数が「0」の場合、保留連背景の表示が終了する。特定された第二保留球数が「0」でなければ、保留連背景の表示が継続される。その後、報知演出の終了時における第二保留球数が「0」になるか、保留連回数の報知演出の実行が終了すると、保留連背景の表示が終了する。第二実施形態では、第一実施形態と同様に、保留連背景の表示が終了すると、切替背景を介して通常背景に切り替えられる。
図20の例では、時短無し大当たり遊技の終了時における第二保留球数は「2」であり、「0」でない。この場合、時短無し大当たり遊技の終了後、保留連背景の表示が開始される。1回目の報知演出の終了時における第二保留球数は「1」であり、「0」でない。よって、保留連背景の表示は2回目の報知演出まで継続される。また、2回目の報知演出の実行開始直後における第二保留球数は「0」であるが、2回目の報知演出の実行中に第二始動口15に遊技球が入賞しており、第二保留球数が「1」増えているので、2回目の報知演出の終了時における第二保留球数は「1」であり、「0」ではない。よって、保留連背景の表示は3回目の報知演出まで継続される。3回目の報知演出の終了時における第二保留球数は「0」である。よって、保留連背景の表示が終了し、切替背景に切り替えられる。結果として、3回の特殊図柄変動に同期して行われる報知演出に亘って、保留連背景が表示される。その後、4回目の報知演出が実行されると、切替背景から通常背景に切り替えられて表示される。このように、パチンコ機1は、報知演出が終了する毎にその時点における第二保留球数が「0」であるか否かを特定し、「0」である場合に保留連背景の表示を終了することで、保留連背景の表示が間延びすることを抑制できる。従って、パチンコ機1は、遊技者に与える保留連背景の表示の間延びによる違和感を抑制できる。
図21を参照して、第二実施形態における第一背景処理について説明する。第二実施形態の第一背景処理は、S311、S313が実行されない点が第一実施形態の第一背景処理と異なる。すなわち、第二保留球数が「1」以上の場合(S303:NO)、保留連回数カウンタに保留連回数「4」がセットされる(S312)。次いで、表示画面28において保留連背景の表示が開始され(S314)、処理はサブ制御基板処理(図17参照)へ戻る。
図22を参照して、第二実施形態における第二背景処理について説明する。第二実施形態の第二背景処理は、S335、S336が実行される点が第一実施形態の第二背景処理と異なる。すなわち、残り保留連回数が「0」でない場合(S333:NO)、S202、S235(図17参照)で計数されてRAM582に記憶されている第二保留球数が特定される(S335)。次いで、特定した第二保留球数が「0」であるか否かが判断される(S336)。第二保留球数が「0」である場合(S336:YES)、表示画面28において表示中の保留連背景から切替背景に切り替えて表示される(S334)。処理はサブ制御基板処理(図17参照)へ戻る。第二保留球数が「0」でない場合(S336:NO)、保留連背景が継続して表示されるので、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
以上説明したように、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されなければ、特殊変動パターンテーブルが参照され、特殊変動回数(4回)の特殊図柄変動が実行される。4回の特殊図柄変動が実行されるまでの間、特定状態にならなければ、第二大当たり判定の結果が当たりでない場合には、特殊はずれパターンAの変動パターンが決定される。これにより、第二特別図柄が第一変動時間(1秒)変動する特殊図柄変動が4回繰り返される。この場合、パチンコ機1は、連続する4回の特殊図柄変動において、保留連背景による演出を遊技者に楽しませることができる。その後、通常変動パターンテーブルが参照されて第一特別図柄または第二特別図柄が第二変動時間(12秒等)変動する通常図柄変動が実行される。一方、4回の特殊図柄変動が実行されるまでの間に、特定状態になる場合がある。この場合、特定状態になった後、特定状態において第二乱数が取得されると、第二大当たり判定の結果が当たりでない場合には、特殊変動パターンテーブルが参照され、取得された第二乱数(特定第二乱数)に基づいて、特殊はずれパターンBが決定される。これにより、第二特別図柄が第三変動時間(12秒)変動する特殊図柄変動が実行される。第三平均時間(12秒)と第二平均時間(約10秒)との時間差(約2秒)は、第三平均時間(12秒)と第一平均時間(1秒)との時間差(11秒)よりも小さい。これによれば、例えば3回目の特殊図柄変動が実行されて、特定状態となった後、間を空けて特定第二乱数が取得され、4回目の特殊図柄変動が実行され、その後に通常図柄変動が実行された場合でも、第三平均時間と第二平均時間との時間差が小さいので、変動時間が急に変わることが抑制される。従って、パチンコ機1は、変動時間の決定条件(セットされる変動パターンテーブル)が切り替わる際の図柄変動によって遊技者に与える違和感を抑制できる。
また、通常第二乱数は、取得された時点では始動条件が成立しないので、取得されてすぐには第二大当たり判定が行われずに、第二大当たり情報記憶エリアに記憶される。そして、始動条件が成立して、第二大当たり判定が行われるタイミングで第二大当たり情報記憶エリアから判定エリアに記憶される。一方、特定第二乱数は、取得された時点で始動条件が成立するので、取得されてすぐに第二大当たり判定が行われることとなる。特定第二乱数は、第二大当たり情報記憶エリアを介さずに判定エリアに直接記憶される。従って、パチンコ機1は、通常第二乱数を第二保留情報として確実に記憶しておくことができ、且つ特定第二乱数を取得した直後に確実に第二大当たり判定を実行できる。すなわち、パチンコ機1は、取得した第二乱数の種別に応じて、適切な記憶制御を実行できる。
第三平均時間は、第二変動時間のうち第二大当たり情報記憶エリアに第二保留乱数が記憶されていない場合に最も決定されやすい変動時間と等しい。なお、この場合における「等しい」とは、実質的に等しいことをいい、変動時間が互いに完全同一でなくてもよく、積極的に変動時間を異ならせていないことを意味する。この場合、第三平均時間が、第二変動時間のうち第二大当たり情報記憶エリアに第二保留乱数が記憶されていない場合に最も決定されやすい変動時間と等しいので、その時間差がなくなる。このため、間を空けて特定第二乱数が取得され、特殊変動回数目の特殊図柄変動が実行され、その後に通常図柄変動が実行された場合でも、変動時間が急に変わることがない。従って、パチンコ機1は、変動時間の決定条件が切り替わる際の図柄変動によって遊技者に与える違和感を抑制できる。
パチンコ機1は、第二図柄変動において、第二大当たり判定の結果が当たりであることを示す態様で第二特別図柄が確定表示された場合に、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行する遊技制御手段を備える。始動条件は、大当たり遊技の実行中でないことを含む。特定条件は、少なくとも大当たり遊技の終了であることを含む。この場合、大当たり遊技の終了後、特殊図柄変動が実行される可能性がある。始動条件には少なくとも大当たり遊技の実行中でないことが含まれるので、大当たり遊技の実行中には大当たり判定は実行されない。よって、大当たり遊技の終了後には、特殊変動回数の特殊図柄変動分の第二保留乱数が第二大当たり情報記憶エリアに記憶されている可能性が高い。従って、パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後、特殊変動回数の特殊図柄変動が実行されるまでに第二保留球数が0になることを抑制できる。また、大当たり遊技の終了時には、遊技者の遊技に対する興趣が低下する可能性があるが、パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に特殊図柄変動を実行することで、演出に変化を持たせ、遊技者の興趣の低下を抑制できる。
なお、上記第一実施形態および第二実施形態において、第二始動口15が本発明の「始動領域」に相当する。第二乱数が本発明の「所定情報」に相当する。図10のS33を実行するCPU51が本発明の「取得手段」に相当する。図13のS85を実行するCPU51が本発明の「判定手段」に相当する。第二特別図柄が本発明の「図柄」に相当する。図12のS102で第二特別図柄の変動を開始するための変動パターン指定コマンドを記憶し、図11のS112で第二特別図柄を確定表示させるための特別図柄停止コマンドを記憶するCPU51が本発明の「表示制御手段」に相当する。第二保留乱数が本発明の「保留情報」に相当する。RAM52の判定エリアおよび第二大当たり情報記憶エリアが本発明の「記憶手段」に相当する。特殊変動回数が本発明の「所定回数」に相当する。図14のS96を実行するCPU51が本発明の「第一決定手段」に相当する。図14のS93を実行するCPU51が本発明の「第二決定手段」に相当する。通常第二乱数が本発明の「第一所定情報」に相当する。特定第二乱数が本発明の「第二所定情報」に相当する。RAM52の第二大当たり情報記憶エリアが本発明の「第一記憶エリア」に相当する。RAM52の判定エリアが本発明の「第二記憶エリア」に相当する。図10のS41を実行するCPU51が本発明の「判断手段」に相当する。図10のS42を実行するCPU51が本発明の「第一記憶制御手段」に相当する。図10のS44を実行するCPU51が本発明の「第二記憶制御手段」に相当する。S72を実行するCPU51が本発明の「第三記憶制御手段」に相当する。
本発明は、上記第一実施形態または第二実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。以下では、第一実施形態および第二実施形態を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「実施形態」という。
上記実施形態では、第二大当たり判定は第一大当たり判定よりも優先される。これに対し、第一大当たり判定が第二大当たりよりも優先されてもよい。この場合、例えば大当たり遊技の終了後、所定回数の第一図柄変動において、特殊変動パターンテーブルが参照されてもよい。また、パチンコ機1は、一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄が変動可能ないわゆる同時変動機であってもよい。また、特別図柄は、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれか一方のみでもよい。さらには、1回の普通当たり遊技を契機として複数回の普通当たり遊技が連動して行われる、所謂一般電役タイプと呼ばれる遊技機等、特別図柄を用いない他の遊技機にも本発明は適用できる。
また、同時変動機に本発明を適用する場合、第一特別図柄の変動中にも第二特別図柄は変動できるので、特定状態は、大当たり遊技中でなく、第二大当たり情報記憶エリアに第二保留乱数が記憶されておらず(すなわち、第二保留球数が0の場合)、且つ第二図柄変動の実行中でない状態としてもよい。
特殊変動回数および保留連回数は、4回に限定されず、3回以下でもよいし、5回以上でもよい。特殊変動回数および保留連回数は、最大第二保留球数未満であってもよい。この場合、パチンコ機1は、特殊変動回数の特図柄変動が実行されるまでに特定状態となることを抑制でき、保留連回数の報知演出が実行されるまでに第二保留球が0になることを抑制できる。また、特殊変動回数と保留連回数とは互いに異なる回数であってもよい。特殊変動回数は、最大第二保留球数を超えてもよい。この場合、パチンコ機1は、より多くの回数の特殊図柄変動を実行できる。上記第二実施形態において、保留連回数は、最大第二保留球数を超えてもよい。この場合パチンコ機1は、より多くの回数の報知演出に亘って保留連背景を表示できる。
上記実施形態において特定条件は、時短無し大当たり遊技の終了であるが、これに限定されない。特定条件は、例えば時短有り大当たりに基づく大当たり遊技であってもよいし、転落抽選に当選して確変状態から非確変状態に移行することであってもよいし、時短状態から非時短状態へ移行することであってもよい。特定条件は、遊技状態が移行することであることが好ましい。
上記実施形態では、特定第二乱数は、第二大当たり情報記憶エリアを介さず、判定エリアに直接記憶されるが、通常第二乱数と同様、第二大当たり情報記憶エリアを介して判定エリアに記憶されてもよい。
上記実施形態では、保留連背景から切替背景を介して通常背景に切り替えられているが、保留連背景から通常背景に直接切り替えられてもよい。すなわち、S334において、保留連背景から通常背景に切り替えられてもよい。
上記実施形態では、大当たり遊技終了コマンドに時短情報を付加しているが、時短情報の代わりに、大当たり種別と大当たり判定時の時短状態を示す情報を付加してもよい。S301では、大当たり種別と大当たり判定の時短状態を示す情報に基づいて、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されるか否かを判断してもよい。また、大当たり遊技開始コマンドに時短状態等を付加してもよい。この場合、S211で大当たり遊技開始コマンドが受信された場合、大当たり遊技開始コマンドに付加された時短情報に基づいて、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されるか否かを判断してもよい。大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されると判断した場合、フラグを立てて、S301において、当該フラグの状態によって、時短状態が生起されるか否かを判断してもよい。
上記実施形態では、大当たり判定が行われ、変動パターンが決定された場合に、RAM52の判定エリアから乱数が消去される(S105)が、判定エリアから乱数が消去されるタイミングは、上記実施形態に限定されない。例えば、停止表示時間の経過後、判定エリアから乱数が消去されてもよい。
上記実施形態では、保留連背景の表示は報知演出の終了時に終了されるが、保留連背景の表示が終了するタイミングは上記実施形態に限定されない。例えば、保留連背景の表示を終了する条件の成立後、報知演出が開始されるタイミングで保留連背景の表示を終了してもよい。
上記第二実施形態では、サブ制御基板処理において、保留連背景が表示されている場合には報知演出の終了時に第二保留球数が「0」であるか否かが判断される。これに対して、保留連背景が表示されている場合には例えば報知演出の開始時に第二保留球数が「0」であるか否かが判断されてもよい。
上記実施形態では、特殊はずれパターンBの変動時間(第三平均時間)は、第二変動時間のうち、第二保留球数が「0」のときに最も決定されやすい非リーチの変動時間と等しいが、等しくなくてもよい。第三平均時間は、例えば第一平均時間よりも長く、且つ第二平均時間よりも短くてもよい。また、第三平均時間は、第二平均時間と等しくてもよい。また、第一平均時間は第二平均時間よりも短いが、第二平均時間よりも長くてもよい。この場合においても、第三平均時間と第二平均時間との時間差が、第三平均時間と第一平均時間との時間差よりも小さくなるように、各変動時間が変動パターンテーブルに割り当てられる。この関係上、第一平均時間が第二平均時間よりも長い場合、第三平均時間は第一平均時間よりも短くなる。
さらには、特許請求の範囲、明細書、および図面に記載される全ての要素は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素に付けた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したに過ぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「判定手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくは一つの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、いずれも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、敢えて明細書等において全てのパターンを記載しなくてもいずれのパターンも想定範囲内であることから本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。