本発明の一実施形態である遊技機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、右側を、それぞれ、遊技機1の前側、後側、上側、下側、左側、右側とする。
図1および図2を参照し、遊技機1の概略構成を説明する。遊技機1には、遊技盤2が設けられる。遊技盤2は、正面視略正方形の板状であり、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護される。遊技盤2の下部には上皿5が設けられる。上皿5は、発射装置37(図5参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ、賞球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられる。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿10が設けられる。下皿10の右側には、発射装置37による遊技球の発射強度を調整する発射ハンドル11が設けられる。前面枠13の上部の左右両角には、スピーカ48がそれぞれ設けられる。
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成される。発射装置37によって発射された遊技球は、遊技領域4内を流下する。発射装置37によって所定の強度未満の発射強度である第一発射強度で発射された遊技球は例えば図2の矢印14が示すように流下する。発射装置37によって所定の強度以上の発射強度である第二発射強度で発射された遊技球は例えば図2の矢印15が示すように流下する。以下、第一発射強度で遊技球を発射することを「左打ち」と、第二発射強度で遊技球を発射することを「右打ち」という。
遊技領域4の略中央には、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される表示画面28が設けられる。表示画面28は、様々な映像を表示するが、特に大当たり判定の結果を報知するためのデモ図柄を表示する。遊技機1は、複数(本実施形態では、3つ)のデモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
遊技領域4の中央部には、表示画面28を取り囲むように、正面視円形状の遊技部材であるセンター役物60が取り付けられる。センター役物60の上端部における左右方向の略中央部には、上方に開口した飛込口80が設けられる。センター役物60の下端部における左右方向の略中央部には、第一始動口16が設けられる。
センター役物60の右上方にはゲート12が設けられ、右下方には第二始動口17が設けられる。ゲート12の下方には第一大入賞口18、第二大入賞口19が上下方向に並んで設けられる。以下、第一大入賞口18および第二大入賞口19を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「大入賞口」ともいう。なお、遊技機1は、大入賞口として第一大入賞口18および第二大入賞口19を備えるが、いずれか一方を備えればよい。第二大入賞口19の下方には、普通入賞口30が設けられる。第二始動口17の左下方には、普通入賞口34が設けられる。普通入賞口34の左上方には、3つの普通入賞口31,32,33が設けられる。普通入賞口34の下方であって、遊技領域4の中央下端部にはアウト口8が設けられる。第一始動口16、第二始動口17、普通入賞口30〜33、第一大入賞口18、第二大入賞口19等に入賞せずに、遊技領域4の下側まで流下する遊技球は、アウト口8によって回収され、遊技盤2外に排出される。なお、遊技球が第一始動口16、第二始動口17、普通入賞口30〜34、第一大入賞口18、または第二大入賞口19に入賞した場合、後述の賞球払出装置49(図5参照)によって特典として所定の遊技球(賞球)が払い出される。
なお、第二始動口17、第一大入賞口18、および第二大入賞口19は、それぞれ、ソレノイドによって電気的に開閉可能な開閉部材171,181,191を備える。遊技球は、開閉部材171,181,191が開放された開放状態の場合のみ、第二始動口17、第一大入賞口18、および第二大入賞口19に入賞可能である。一方、遊技球は、開閉部材171,181,191が閉鎖された閉鎖状態の場合、第二始動口17、第一大入賞口18、および第二大入賞口19に入賞不可能である。
遊技盤2の右下部には、大当たり判定の結果および保留球数等を表示する図柄表示部24が設けられる。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED、および普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を示す第一特別図柄および第二特別図柄を表示する。以下、第一特別図柄および第二特別図柄を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「特別図柄」ともいう。第一大当たり判定および第二大当たり判定を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「大当たり判定」ともいう。また、遊技機1は、第一特別図柄として、大当たり図柄およびハズレ図柄を備え、第二特別図柄として、大当たり図柄、ハズレ図柄、および複数の小当たり図柄を備える。
普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDおよび第二特別図柄記憶数表示LEDは、それぞれ、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「特別図柄保留球数」)を表示する。以下、第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない特別図柄保留球数を、「第一保留球数」という。第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない特別図柄保留球数を、「第二保留球数」という。なお、本実施形態では、記憶可能な特別図柄保留球数の上限は、それぞれ、4つである。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「普通図柄保留球数」)を表示する。
図2および図3を参照し、センター役物60の詳細構造を説明する。センター役物60は、前後方向に厚みを有し正面視環状の外周壁600を有する。外周壁600は、上端部にある飛込口80の左右両端から円周方向に沿って、下端部にある第一始動口16近傍まで形成される。外周壁600で囲まれた内側領域の略中心部には、表示画面28を前方に露出させる表示用開口60Aが設けられる。さらに、センター役物60の内側領域には、遊技球が移動可能な流路として、第一流路64、分岐部65、第二流路66、および第三流路67が設けられる。
第一流路64は、飛込口80からやや右側に湾曲するように下方に延びる。第一流路64の下端部には、旋回部64Aが設けられる。旋回部64Aは、自身に進入した遊技球が上下方向を中心に旋回可能な内周面を有する。第一流路64の下流側端部は、旋回部64Aの下端部に形成された開口を介して、表示用開口60Aの上方に設けられた分岐部65に連通する。
第二流路66および第三流路67は、分岐部65から互いに異なる方向に分岐する。分岐部65の内部には、遊技領域4を流下する遊技球の流下方向を変化させる遊技部材である切替部材100が設けられる。切替部材100は、分岐部65内で支軸100Aを中心に揺動自在に設けられた可動体である。切替部材100の先端部101には、遊技球を旋回させた状態で所定時間保持可能なクルーン102が設けられる。クルーン102の支軸100A側の端部には、遊技球が通過する貫通孔(図示略)が設けられる。クルーン102上で旋回が弱まった遊技球は、貫通孔から落下する。支軸100Aには、トーションスプリング(図示略)が設けられる。トーションスプリングは、切替部材100が支軸100Aから左上方に延びる状態で保持されるように付勢力を付与する。切替部材100は、旋回部64Aから供給された遊技球を、第二流路66および第三流路67のいずれかに振り分ける。
第二流路66は、分岐部65から左下方向に延び、さらに表示用開口60Aの左側を下方に延びる。第二流路66の下端部は、後述のクルーン200に接続する。第三流路67は、分岐部65から右下方向に延び、さらに表示用開口60Aの右側を螺旋状に下方に延びる。第三流路67の下端部は、後述のクルーン200に接続する。
表示用開口60Aの右側には、遊技球を1個だけ内部に貯留可能な貯留装置68が設けられる。第三流路67は、その螺旋状の流路の途中で、貯留装置68に接続される。貯留装置68の内部に遊技球が貯留されていない場合、貯留装置68は第三流路67を流れる遊技球を1個だけ捕捉して自身の内部に貯留する。一方、貯留装置68の内部に遊技球が貯留されている場合、第三流路67を流れる遊技球は、貯留装置68に捕捉されることなく排出口67Aまで流下する。
貯留装置68は、内部に貯留解除ソレノイド99(図5参照)を備える。貯留装置68の内部に遊技球が貯留されている状態で貯留解除ソレノイド99が作動すると、遊技球の貯留が解除される。センター役物60における表示用開口60Aの左側上方には、タッチセンサ70が設けられる。貯留解除ソレノイド99は、遊技者がタッチセンサ70に手をかざすことで、作動する。貯留装置68による貯留が解除された遊技球は、後述のクルーン200に向けて流下する。
クルーン200は、平面視略円形の皿状遊技部材である。クルーン200の左部には、第二流路66が接続される。クルーン200の右部には、第三流路67および貯留装置68がそれぞれ接続される。クルーン200には、上下方向に貫通する貫通孔(図示略)が円周方向に沿って複数設けられる。遊技球は、クルーン200に複数設けられた貫通孔を通過可能である。第二流路66または第三流路67を通過する遊技球、および貯留装置68によって排出される遊技球は、クルーン200の貫通孔を通過して落下する。クルーン200から落下した遊技球は、第一始動口16に向けて流下し、第一始動口16に入賞するか、またはセンター役物60の下側に排出される。
上記構成によれば、左打ちされた遊技球の多くは、センター役物60の左側を流下する。右打ちされた遊技球の多くは、センター役物60の右側を流下する。また、ゲート12、第一大入賞口18、第二大入賞口19、および第二始動口17は、センター役物60よりも右側に設けられている。ゆえに、ゲート12、第一大入賞口18、第二大入賞口19、および第二始動口17には、右打ちされた遊技球の方が左打ちされた遊技球よりも入賞しやすい。また、飛込口80は、センター役物60において、左右方向の略中央部に設けられている。ゆえに、飛込口80には、左打ちされた遊技球の方が右打ちされた遊技球よりも入球しやすい。飛込口80へと入球した遊技球は、第一流路64を通過し、分岐部65へと落下し、切替部材100によって左側に案内され、支軸100Aからクルーン102へと流下する。
遊技球がクルーン102へと流下すると、遊技球の自重によって、切替部材100はクルーン102の下端部が第二流路66の上端に接続する位置まで回転する。その後、クルーン102の貫通孔から落下する遊技球は、第二流路66を通過してクルーン200へと流下する。
遊技球がクルーン102の内周壁を旋回している間に、第一流路64を通過した後続の遊技球が分岐部65へと落下する場合、遊技球は切替部材100によって右側に案内され、第三流路67を通過して、貯留装置68に貯留される。貯留装置68から排出される遊技球は、クルーン200へと流下する。
クルーン200の貫通孔から落下する遊技球は、第一始動口16へと向かう。これにより、左打ちされた遊技球の方が右打ちされた遊技球よりも第一始動口16へと入賞しやすい。なお、第一始動口16への入賞に失敗した遊技球は、普通入賞口34またはアウト口8(図2参照)に入球する。
次に、図4を参照し、遊技機1における遊技の流れを概略的に説明する。なお、図4では、第一大当たり判定に基づく遊技の流れを白抜きの矢印で示し、第二大当たり判定に基づく遊技の流れを黒塗りの矢印で示している。
まず、遊技機1の遊技状態を説明する。遊技機1には、大当たり遊技、普通当たり遊技、および小当たり遊技が設けられている。遊技機1は、大当たり判定によって大当たりであると判定される大当たり確率が低確率(本実施形態では、約1/30)である非確率変動状態(以下、「非確変状態」という。)と、低確率よりも高い高確率(本実施形態では、約1/29)である確率変動状態(以下、「確変状態」という。)とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。また、遊技機1は、第二始動口17が開放状態にされる割合が通常の割合である非時短状態と、第二始動口17が開放状態にされる割合が非時短状態よりも高くなる時短状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。遊技機1は、これらの組合せにより、「非確変非時短状態」(以下、「通常状態」という。)、「確変非時短状態」(以下、「チャンス状態」という。)、および「確変時短状態」(以下、「ペナルティ状態」という。)の3つの遊技状態のいずれかを、大当たり遊技終了後に生起する。ただし、本実施形態に限られず、「非確変時短状態」等を加えた4つ以上の遊技状態に区分けしてもよい。これにより、遊技機1は、遊技内容が複雑となり、遊技者が遊技状態を予測することが困難な意外性のある遊技を提供できる。
第一大当たり判定を説明する。遊技球が第一始動口16へ入賞すると、大当たりおよびハズレのいずれであるか判定する第一大当たり判定が行われる。第一大当たり判定の結果が大当たりであれば、大入賞口が所定回数(本実施形態では、4回)開放される大当たり遊技が実行される。本実施形態の大当たり遊技では、第一大入賞口18と第二大入賞口19とが、交互に開放される。より具体的には、奇数ラウンドには第一大入賞口18が開放され、第一大入賞口18が閉鎖されると次ラウンド(偶数ランド)となる。偶数ラウンドには第二大入賞口19が開放される。なお、大入賞口が開放されてから閉鎖するまでを1ラウンドとカウントする。本実施形態におけるすべての大当たり遊技は、4ラウンドまで大入賞口が継続して開放された後、終了される。大入賞口に遊技球が入賞した場合、賞球払出装置49(図5参照)によって所定の賞球が払い出される。
普通当たり判定を説明する。遊技球がゲート12を通過すると、普通当たりおよびハズレのいずれであるか判定する普通当たり判定が行われる。普通当たり判定の結果が普通当たりであれば、第二始動口17が所定回数(本実施形態では、3回)継続して開放される普通当たり遊技が実行される。なお、本実施形態において、時短状態(ペナルティ状態)では、普通当たり判定によって普通当たりであると判定される普通当たり確率は、65535/65536である。非時短状態(通常状態およびチャンス状態)では、普通当たり確率は、65534/65536である。本実施形態では、時短状態の普通当たり確率を非時短状態の普通当たり確率よりも高くすることにより、時短状態において第二始動口17が開放状態にされる割合が非時短状態よりも高くなるように構成されている。なお、時短状態において第二始動口17が開放状態にされる回数や時間を非時短状態よりも増加させることにより、時短状態において第二始動口17が開放状態にされる割合が非時短状態よりも高くなるように構成されてもよい。
第二大当たり判定を説明する。普通当たり遊技中に第二始動口17が開放されて遊技球が入賞すると、大当たり、小当たり、およびハズレのいずれであるか判定する第二大当たり判定が行われる。第二大当たり判定の結果が大当たりであれば、先述した大当たり遊技と同等の大当たり遊技が実行される。また、第二大当たり判定の結果が小当たりであれば、第一大入賞口18が所定時間、所定回数開放される小当たり遊技が実行される。本実施形態では、小当たり遊技として、第一大入賞口18において最大1.2秒間の開放が最大1回行われる「長開放小当たり遊技」と、第一大入賞口18において最大0.6秒間の開放が最大2回行われる「短開放小当たり遊技」とが設けられている(図7参照)。また、小当たり遊技は、小当たり遊技の前後で遊技状態が変化しない点が、大当たり遊技とは異なる。第二大当たり判定において小当たりであると判定される小当たり確率は、遊技状態に関わらず一定の確率(本実施形態では、約1/3)であり、確変状態の大当たり確率(高確率)よりも高く設定されている。
なお、1回の小当たり遊技における第一大入賞口18の最大開放時間の合計(本実施形態では、長開放小当たり遊技、短開放小当たり遊技、共に1.2秒)は、発射装置37によって遊技球が発射される間隔(本実施形態では0.6秒)よりも長い時間に設定されている。これにより、小当たり遊技では、発射された遊技球が第一大入賞口18に1個以上入賞しやすくなる。すなわち、小当たり遊技では、賞球払出装置49によって第一大入賞口18に入賞した遊技球に対する賞球が払い出されやすくなる。第一大入賞口18に入賞した遊技球に対する賞球が払い出されると、遊技者の持ち球が増加する。したがって、遊技機1は、小当たり遊技によって、遊技者の持ち球の増減を調整できる。遊技機1では、小当たり遊技によって遊技者の持ち球が増加するため、小当たり遊技が実行される可能性がある第二大当たり判定の方が第一大当たり判定よりも遊技者にとって有利である。
上記構成によれば、通常状態およびペナルティ状態における大当たり確率は、それぞれ、約1/30および約1/29である。通常状態およびペナルティ状態における普通当たり確率は、それぞれ、65534/65536および65535/65536である。したがって、本実施形態では、通常状態とペナルティ状態とは、実質的に略同等である。ゆえに、遊技者は、遊技状態が通常状態およびペナルティ状態のいずれであるかを把握しづらい。
また、遊技機1では、大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、100%の確率にて大当たり遊技終了後に確変状態(チャンス状態またはペナルティ状態)が生起される。ただし、本実施形態の遊技機1は、大当たり遊技が実行された回数(以下、「大当たり回数」という。)が規定回数(本実施形態では、15回)に達することを契機として確変状態が終了し、非確変状態(通常状態)が生起される機能(以下、「リミッタ」という。)を有するパチンコ機である。なお、大当たり回数は、15回目の大当たり遊技が実行された場合にクリアされて「0」にされる。つまり、遊技状態が通常状態から確変状態へ移行する際、すなわち、初当たりに基づく大当たり遊技が実行されると、大当たり回数がカウントされて1回となる。そして、確変状態において大当たり遊技が14回実行されると、大当たり回数が15回となり、大当たり遊技終了後に通常状態が生起されると共に大当たり回数がクリアされる。
なお、確変状態の生起条件および終了条件は、上記の例に限られない。遊技機1は、大当たり図柄として確変状態が生起される大当たり図柄と通常状態が生起される大当たり図柄を備えてもよい。また、遊技機1は、大当たり遊技終了後に確変状態を生起し、その後に行われた第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和(以下、「判定回数」という。)が所定の回数に達することで確率変動状態が終了する、所謂「回数切り確変機能」を有するパチンコ機であってもよい。また、遊技機1において、大入賞口の内部に特定領域を設け、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過することを契機として、大当たり遊技終了後に確変状態が生起されてもよい。
図4に示すように、遊技機1では、通常状態において第一大当たり判定によって大当たりであると判定されると、大当たり遊技が実行されてチャンス状態が生起される。一方、通常状態において第二大当たり判定によって大当たりであると判定されると、大当たり遊技が実行されてペナルティ状態が生起される。
チャンス状態において第一大当たり判定によって大当たりであると判定されると、大当たり遊技が実行される。この場合、大当たり回数が規定回数に達しているか判断される。大当たり回数が規定回数未満である場合、チャンス状態が継続して生起され、大当たり回数が「1」加算される。一方、大当たり回数が規定回数に達している場合、リミッタが作動して通常状態が生起され、大当たり回数がクリアされて「0」にされる。
チャンス状態において第二大当たり判定によって大当たりであると判定されると、大当たり遊技が実行される。この場合、大当たり回数が規定回数に達しているか判断される。大当たり回数が規定回数未満である場合、チャンス状態が継続して生起され、大当たり回数が「1」加算される。一方、大当たり回数が規定回数に達している場合、リミッタが作動して通常状態が生起され、大当たり回数がクリアされて「0」にされる。
ペナルティ状態において第一大当たり判定によって大当たりであると判定されると、大当たり遊技が実行される。この場合、大当たり回数が規定回数に達しているか判断される。大当たり回数が規定回数未満である場合、チャンス状態が生起され、大当たり回数が「1」加算される。なお、この場合、大当たり回数は、リセットされないため、「2」以上(現在カウントされている続き)からカウントされる。一方、大当たり回数が規定回数に達している場合、リミッタが作動して通常状態が生起され、大当たり回数がクリアされて「0」にされる。
ペナルティ状態において第二大当たり判定によって大当たりであると判定されると、大当たり遊技が実行される。この場合、大当たり回数が規定回数に達しているか判定される。大当たり回数が規定回数未満である場合、ペナルティ状態が継続して生起され、大当たり回数が「1」加算される。一方、大当たり回数が規定回数に達している場合、リミッタが作動して通常状態が生起され、大当たり回数がクリアされて「0」にされる。
以上のように、遊技機1では、通常状態において第二大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、常にペナルティ状態が生起される。また、ペナルティ状態において第二大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、常にチャンス状態とは異なる遊技状態(通常状態またはペナルティ状態)が生起される。つまり、遊技機1では、ペナルティ状態において第二大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、大当たり遊技終了後にチャンス状態は生起されない。また、通常状態において第一大当たり判定によって大当たりであると判定されてチャンス状態が生起された場合、通常状態が生起された際に大当たり回数がクリアされて「0」になっているため、大当たり回数が「1」からカウントされる。すなわち、この場合、14回連続して大当たり遊技後にチャンス状態が生起される。一方、ペナルティ状態において第一大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、チャンス状態が生起されたとしても、大当たり回数はクリアされないため、現在カウントされている大当たり回数の続きから継続してカウントされる。すなわち、この場合、連続して大当たり遊技後にチャンス状態が生起される回数は、最大13回である。つまり、連続して大当たり遊技後にチャンス状態が生起される回数は、ペナルティ状態を介さずチャンス状態が生起された場合よりも、ペナルティ状態を介してチャンス状態が生起された場合の方が少ない。
次に、図5を参照し、遊技機1の電気的構成を説明する。遊技機1の制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板58、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47を少なくとも備える。
主制御基板41は、遊技機1の主制御を司る。主制御基板41は主制御基板CPUユニット56を備える。主制御基板CPUユニット56は、CPU51、RAM52、およびROM53を備える。CPU51は、後述のメイン処理等、各種の演算処理を行う。RAM52は、データを一時的に記憶する。具体的には、RAM52には、後述の第一大当たり関係情報記憶エリア(図6参照)等が設けられている。ROM53は、制御プログラム等を記憶する。具体的には、ROM53には、後述の小当たり図柄決定テーブル(図7参照)、変動パターン決定テーブル(図8〜図11参照)等が記憶されている。
主制御基板CPUユニット56には、割込信号発生回路57が接続される。主制御基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主制御基板41には、I/Oインタフェイス54を介して出力ポート55、第一始動口スイッチ81、第二始動口スイッチ82、払出制御基板45、タッチセンサ70、貯留解除ソレノイド99、サブ制御基板58、および中継基板47が接続される。出力ポート55は、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に遊技機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ81および第二始動口スイッチ82は、それぞれ、第一始動口16および第二始動口17に入賞した遊技球を検知する。払出制御基板45は、CPU45a等を備え、主制御基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定の特典として遊技球を払い出させる。タッチセンサ70は、遊技者が手をかざしたことを検出可能である。貯留解除ソレノイド99は、タッチセンサ70が遊技者の手がかざされたことを検出した場合に、貯留装置68による遊技球の貯留を解除する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備える。サブ制御基板58は、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。サブ制御基板58には、演出制御基板43、スピーカ48、および操作ボタン9が接続される。
演出制御基板43は、CPU43a等を備え、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の表示動作を制御する。スピーカ48および操作ボタン9は、サブ制御基板58によって制御される。
中継基板47には、普通図柄作動スイッチ98、第一大入賞口スイッチ96、第二大入賞口スイッチ97、第一大入賞口開閉ソレノイド91、第二大入賞口開閉ソレノイド92、第二始動口開閉ソレノイド93、および図柄表示部24が接続される。普通図柄作動スイッチ98は、ゲート12を通過した遊技球を検出する。第一大入賞口スイッチ96および第二大入賞口スイッチ97は、それぞれ、第一大入賞口18および第二大入賞口19に入賞した遊技球を検知する。第一大入賞口開閉ソレノイド91および第二大入賞口開閉ソレノイド92は、それぞれ、開閉部材181および開閉部材191を開閉する。第二始動口開閉ソレノイド93は、開閉部材171を開閉する。
電源基板42は、主制御基板41および発射装置37に接続され、各基板および発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。発射装置37は、一定間隔(本実施形態では、0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
次に、図6を参照し、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアを説明する。なお、RAM52には、第二大当たり関係情報記憶エリア、普通当たり関係情報記憶エリア等も設けられている。しかし、第二大当たり関係情報記憶エリアおよび普通当たり関係情報記憶エリアの構成は、それぞれ、第一大当たり関係情報記憶エリアの構成と略同じであるため、説明を簡略化する。第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図13〜図15参照)において使用される。
第一大当たり関係情報記憶エリアには、複数の記憶エリアが設けられている。第一始動口16に遊技球が入賞した際に、第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数の値が記憶される。以下、第一始動口16に遊技球が入賞した際に取得される乱数を「第一乱数」という。CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの第一乱数のうち、最も番号が小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている第一乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている第一乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が小さい記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去されてもよい。
各記憶エリアには、第一大当たり乱数欄および第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口16に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数欄には、第一大当たり乱数の値が記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一変動パターン決定乱数欄には、第一変動パターン決定乱数の値(0〜255)が記憶される。第一変動パターン決定乱数は、第一大当たり判定の結果を報知する図柄の変動パターン(以下、「第一変動パターン」という。)を決定するために用いられる。変動パターンとは、大当たり判定の結果を示す際に用いられる図柄の変動のパターンである。この変動パターンによって、図柄表示部24に表示される特別図柄、および表示画面28に表示されるデモ図柄の変動時間(実行時間)や、これらの図柄の変動に同期して表示画面28、スピーカ48等によって行われる演出の内容(パターン)が決定される。そして、サブ制御基板58は、主制御基板41で決定された変動パターンの内容を、背景色、登場キャラクタ、音楽等と共に表示画面28等に実行させる。
なお、第二大当たり関係情報記憶エリアでは、第二大当たり乱数欄に第二大当たり乱数の値が記憶されて、第二大当たり判定が行われる。第二変動パターン決定乱数欄には、第二変動パターン決定乱数の値(0〜255)が記憶される。第二変動パターン決定乱数は、第二大当たり判定の結果を報知する図柄の変動パターン(以下、「第二変動パターン」という。)を決定するために用いられる。以下、第一変動パターン決定乱数および第二変動パターン決定乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「変動パターン決定乱数」ともいう。また、第二大当たり関係情報記憶エリアには、小当たり図柄決定乱数欄がさらに設けられている。小当たり図柄決定乱数欄には、小当たり図柄決定乱数の値(0〜31)が記憶される。小当たり図柄決定乱数は、第二大当たり判定の結果が小当たりであった場合に、複数の小当たり図柄から1つの小当たり図柄決定するために用いられる。第二大当たり乱数、第二変動パターン決定乱数、および小当たり図柄決定乱数は、第二始動口17に遊技球が入賞した際に取得される。以下、第二始動口17に遊技球が入賞した際に取得される乱数を「第二乱数」という。普通当たり関係情報記憶エリアでは、ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数(以下、「第三乱数」という。)が記憶されて、後述するメイン処理の普通図柄処理(図12参照)において使用される。
図7を参照し、ROM53に記憶されている小当たり図柄決定テーブルを説明する。遊技機1は、小当たり図柄決定乱数に基づいて小当たり図柄決定テーブルを参照することで、第二大当たり判定の結果が小当たりであることを示す小当たり図柄を決定する。詳細には、小当たり図柄には、「小当たりA図柄」および「小当たりB図柄」が設けられている。例えば、小当たり図柄決定乱数の値が0〜15である場合、小当たりA図柄が決定され、長開放小当たり遊技が実行される。小当たり図柄決定乱数の値が16〜31である場合、小当たりB図柄が決定され、長開放小当たり遊技が実行される。遊技機1では、第二大当たり判定において小当たりであると判定された場合には、小当たりA図柄が決定される確率および小当たりB図柄が決定される確率は、いずれも1/2である。
図8〜図11を参照し、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルを説明する。遊技機1は、変動パターン決定乱数の値に基づいて変動パターン決定テーブルを参照することで、大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンを決定する。遊技機1では、変動パターン決定テーブルとして、第一変動パターン決定テーブル(図8参照)、第二変動パターン決定テーブル(図9参照)、長時間変動パターン決定テーブル(図10参照)、および特殊変動パターン決定テーブル(図11参照)がROM53に記憶されている。
特殊変動パターン決定テーブルは、特殊変動状態において、第二大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンを決定するために参照される。特殊変動状態とは、通常状態のうち、通常状態が生起されてからの判定回数が特定回数(本実施形態では、4回)に達するまでの状態である。つまり、特殊変動状態は、通常状態が生起されてから判定回数が4回に達した場合に終了される。なお、判定回数は、通常状態が生起される場合にクリアされて「0」にされる。
第一変動パターン決定テーブルは、第一大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンを決定するために参照される。第二変動パターン決定テーブルは、チャンス状態において、第二大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンを決定するために参照される。長時間変動パターン決定テーブルは、特殊変動状態でない通常状態、およびペナルティ状態において、第二大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンを決定するために参照される。
第一変動パターン決定テーブル、第二変動パターン決定テーブル、長時間変動パターン決定テーブル、および特殊変動パターン決定テーブルには、それぞれ、大当たり判定の結果に応じて複数のテーブルが設けられている。各テーブルには、変動パターン決定乱数の値(0〜255)に対応した複数種類の変動パターンが割り当てられている。大当たり判定が行われると、大当たり判定の種別、遊技状態、判定結果、および特殊変動状態であるか否かに応じたテーブルが参照され、取得された変動パターン決定乱数の値によって複数の変動パターンから1つの変動パターンが決定される。主制御基板41は、決定した変動パターンを指定するコマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、指定された変動パターンに応じて表示画面28、スピーカ48等を制御する。また、主制御基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一特別図柄および第二特別図柄のうちいずれかを変動させる。
図9〜図11に示すように、遊技機1では、長時間変動パターン決定テーブルが定める変動時間の平均時間(本実施形態では、約200秒)は、第二変動パターン決定テーブルが定める変動時間の平均時間(本実施形態では、約30秒)よりも長く設定されている。なお、長時間変動パターン決定テーブルが定める最短の変動時間(本実施形態では、120秒)は、第二変動パターン決定テーブルが定める最長の変動時間(本実施形態では、100秒)よりも長く設定されている。また、遊技機1では、特殊変動パターン決定テーブルが定める変動時間の平均時間(本実施形態では、約10秒)は、長時間変動パターン決定テーブルが定める変動時間の平均時間(約200秒)よりも短く設定されている。つまり、遊技機1では、第二大当たり判定時に参照されるテーブルが定める変動時間の平均時間は、それぞれの変動パターン決定テーブル毎に異なる。また、第二特別図柄の変動時間が短い程、第二大当たり判定によって単位時間あたりに判定される回数は多くなる。よって、遊技機1は、第二大当たり判定時に参照される変動パターン決定テーブルを切り替えることで、第二大当たり判定によって単位時間あたりに判定される回数を切り替えることができる。
上記構成によれば、遊技機1では、通常状態およびペナルティ状態において、第二大当たり判定によって単位時間あたりに判定される回数は、チャンス状態において、第二大当たり判定によって単位時間あたりに判定される回数よりも少ない。また、大当たり判定によって単位時間あたりに判定される回数が多い程、大当たり遊技が単位時間あたりに実行される回数が多くなるため、遊技者にとって有利である。すなわち、遊技機1では、チャンス状態の方が通常状態およびペナルティ状態よりも遊技者にとって有利である。したがって、遊技者は、チャンス状態が生起されることを期待して遊技を行う。
また、遊技機1では、大当たり遊技が実行されると大入賞口が開放されるため、遊技者は右打ちを行う。右打ちされた遊技球は、第二始動口17に入賞する可能性があり、大当たり終了後に第二保留球がRAM52に記憶されている可能性がある。この場合、大当たり遊技終了後には、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。ここで、大当たり遊技終了後に通常状態が生起された場合、変動パターン決定テーブルとして長時間変動パターン決定テーブルが選択されると、第二変動パターン決定テーブルおよび特殊変動パターン決定テーブルが選択された場合よりも単位時間あたりの判定回数が少なくなる。つまり、長時間変動パターンが選択されることによって遊技者にとって不利な状態になるおそれがある。一方、遊技機1では、特殊変動状態において、第二変動パターンを決定するために特殊変動パターン決定テーブルが選択される。これにより、遊技機1は、大当たり遊技終了後に通常状態が生起された場合、第二保留球が記憶されていたとしても、長時間変動パターンが選択されることによって遊技者にとって不利な状態になることを防止できる。また、特定回数は、記憶可能な第二保留球数の上限と同じ値(本実施形態では、「4」)であることが好ましい。理由は、大当たり遊技中は常に右打ちが行われているため、大当たり終了後、第二保留球数は上限まで記憶されている可能性が高いためである。
なお、先述したように、遊技機1では、ペナルティ状態において第二大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、通常状態およびペナルティ状態よりも遊技者にとって有利なチャンス状態は生起されない(図4参照)。さらに、先述したように、連続して大当たり遊技後にチャンス状態が生起される回数は、ペナルティ状態を介さずチャンス状態が生起された場合よりも、ペナルティ状態を介してチャンス状態が生起された場合の方が少ない。すなわち、遊技機1では、ペナルティ状態の方が通常状態よりも遊技者にとって不利である。したがって、遊技者は、ペナルティ状態が生起されないように遊技を行う。また、通常状態およびペナルティ状態において第一大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、大当たり遊技の終了後にチャンス状態が生起される可能性がある。すなわち、遊技者は、通常状態およびペナルティ状態において、チャンス状態が生起されることを期待して第一始動口16を狙って左打ちを行う。また、先述したように、小当たり図柄を含む第二大当たり判定の方が第一大当たり判定よりも遊技者にとって有利である。そして、チャンス状態では、大当たり回数が規定回数に達しない限り大当たり遊技後に他の遊技状態は生起されることはない。したがって、遊技者は、チャンス状態ではゲート12および第二始動口17を狙って右打ちを行う。
以上のように、遊技機1では、通常状態において、遊技球が第一始動口16に入賞しやすく第二始動口17に入賞しにくい左打ちが行われ、大当たり遊技中、小当たり遊技中、およびチャンス状態において、遊技球がゲート12、第一大入賞口18、第二大入賞口19、および第二始動口17に入賞しやすい右打ちが行われるのが、本来の遊技の流れである。つまり、ペナルティ状態は、本来の遊技性に反して通常状態において右打ちが行われた場合に、第二大当たり判定によって大当たりであると判定されることを契機として生起される状態である。そのため、遊技者が本来の遊技性にしたがって遊技を行っている場合、ペナルティ状態が生起される可能性は、極めて低い。
図12〜図18を参照し、遊技機1の主制御基板41で行われるメイン処理を説明する。メイン処理は、割込信号発生回路57(図5参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、ROM53に記憶されているプログラムに従って、CPU51が実行する。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、ゲート12、各始動口、各大入賞口等に設けられた各スイッチ(図5参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、タイマカウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、特別電動役物処理では、大当たり遊技および小当たり遊技の動作(主に、開閉部材181および開閉部材191の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後の遊技状態に関する処理とが行われる(図17、図18参照)。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、および遊技状態の移行処理等が行われる(図13〜図16参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも高い確率で第二始動口17を開放させる。なお、CPU51は、後述する時短フラグが「ON」とされていれば、時短状態中であると判断する。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、遊技球がゲート12を通過し、普通図柄作動スイッチ98が遊技球を検出することを契機として、第三乱数が取得される。取得された第三乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。本実施形態では、先述したように、普通当たり遊技が実行される確率は、非時短状態よりも時短状態の方がわずかに高いが、実質的に略同等である。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞品球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28、スピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
図13〜図16を参照し、特別図柄処理(S14、図12参照)の詳細を説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグを説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、小当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確変フラグ、時短フラグ、時短準備フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。小当たり遊技状態フラグは、小当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、小当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、2つの特別図柄のいずれか一方の変動中に「1」、いずれか一方の停止表示中に「2」、両方とも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確変フラグは、確率変動状態中に「1」が記憶されて「ON」となり、非確変状態中に「0」が記憶されて「OFF」となる。時短フラグは、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となり、非時短状態中に「0」が記憶されて「OFF」となる。時短準備フラグは、大当たり遊技終了後に時短状態を生起する場合には「1」が記憶されて「ON」となり、時短フラグが「ON」となった場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。
図13に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口16に遊技球が入賞したか判断される(S21)。第一始動口スイッチ81(図5参照)が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図12参照)において、第一始動口スイッチ81に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「OFF」となっており、第一始動口16に遊技球が入賞していないと判断された場合(S21:NO)、処理はそのままS31へ移行する。一方、第一始動口16に遊技球が入賞したと判断された場合(S21:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数の値が「4」であるか判断される(S22)。RAM52に記憶されている第一保留球数の値が「4」であると判断された場合(S22:YES)、記憶可能な第一保留球の数が上限に達しているため、処理はそのままS31へ移行する。
一方、RAM52に記憶されている第一保留球数の値が「4」でないと判断された場合(S22:NO)、第一保留球数に「1」が加算される(S23)。次いで、第一乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(図6参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S24)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり乱数を取得するための乱数取得カウンタである第一大当たり判定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定乱数を取得するための乱数取得カウンタである第一変動パターン決定カウンタの値が、それぞれ記憶される。
次いで、第二始動口17に遊技球が入賞したか判断される(S31)。第二始動口スイッチ82に対応するフラグが「OFF」となっており、第二始動口17に遊技球が入賞していないと判断された場合(S31:NO)、処理はそのままS41(図14参照)へ移行する。一方、第二始動口17に遊技球が入賞したと判断された場合(S31:YES)、RAM52に記憶されている第二保留球数の値が「4」であるか判断される(S32)。RAM52に記憶されている第二保留球数の値が「4」であると判断された場合(S32:YES)、記憶可能な第二保留球の数が上限に達しているため、処理はそのままS41へ移行する。
一方、RAM52に記憶されている第二保留球数の値が「4」でないと判断された場合(S32:NO)、第二保留球数に「1」が加算される(S33)。次いで、第二乱数が取得され、それぞれ、RAM52の第二大当たり関係情報記憶エリアに記憶される(S34)。
次いで、図14に示すように、大当たり遊技状態または小当たり遊技状態であるか否か判断される(S41)。大当たり遊技状態フラグおよび小当たり遊技状態フラグのいずれかが「ON」となっており、大当たり遊技状態または小当たり遊技状態であると判断された場合(S41:YES)、処理はそのままメイン処理(図12参照)へ戻る。一方、大当たり遊技状態フラグおよび小当たり遊技状態フラグのいずれも「OFF」となっており、大当たり遊技状態および小当たり遊技状態のいずれでもないと判断された場合(S41:NO)、2つの特別図柄のいずれかが変動中であるか判断される(S42)。表示状態フラグが「1」でなく、いずれも変動中でないと判断された場合(S42:NO)、2つの特別図柄のいずれかが停止表示中であるか判断される(S43)。表示状態フラグが「2」でなく、いずれも停止表示中でないと判断された場合(S43:NO)、処理はS51(図15参照)へ移行し、大当たり判定に関する処理が行われる。
大当たり判定では、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。図15に示すように、まず、RAM52に記憶されている第二保留球数の値が「1」以上であるか判断される(S51)。RAM52に記憶されている第二保留球数の値が「1」以上であると判断された場合(S51:YES)、第二大当たり判定に関する処理が行われるが、詳細は後述する。一方、第二保留球数の値が「0」であると判断された場合(S51:NO)、第一保留球数の値が「1」以上であるか判断される(S52)。RAM52に記憶されている第一保留球数の値が「0」であると判断された場合(S52:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
まず、第一大当たり判定に関する処理を説明する。RAM52に記憶されている第一保留球数の値が「1」以上であると判断された場合(S52:YES)、第一保留球数が「1」減算される(S61)。次いで、第一大当たり関係情報記憶エリア(図6参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S62)。次いで、遊技状態に応じて第一大当たり判定が行われる(S63)。なお、第一大当たり判定を行うための判定テーブルには、「大当たり」および「ハズレ」にそれぞれ対応する大当たり乱数の値が定められている低確率判定テーブル(図示略)と高確率判定テーブル(図示略)とが設けられている。低確率判定テーブルは、非確変状態中に選択される。高確率判定テーブルは、大当たりであると判定される確率が非確変状態中よりも高く設定されており、確変状態中に選択される。第一大当たり判定では、選択された判定テーブルを参照して、S62でシフトされた判定エリアに記憶されている第一大当たり乱数が「大当たり」および「ハズレ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数の記憶された順に行われる。
次いで、第一大当たり判定の結果の報知に関する処理が行われる。まず、CPU51が参照する変動パターン決定テーブルとして、第一変動パターン決定テーブル(図8参照)がセットされる(S64)。次いで、セットされた第一変動パターン決定テーブルが参照されて、判定結果に応じた第一変動パターンのうちの1つが、第一変動パターン決定乱数の値によって決定され(S65)、処理はそのままS101へ移行する。
次に、第二大当たり判定に関する処理を説明する。RAM52に記憶されている第二保留球数の値が「1」以上であると判断された場合(S51:YES)、第二保留球数が「1」減算される(S71)。次いで、第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S72)。次いで、遊技状態に応じて第二大当たり判定が行われる(S73)。なお、第二大当たり判定を行うための判定テーブルには、「大当たり」、「小当たり」、および「ハズレ」にそれぞれ対応する大当たり乱数の値が定められている低確率判定テーブル(図示略)と高確率判定テーブル(図示略)とが設けられている。低確率判定テーブルは、非確変状態中に選択される。高確率判定テーブルは、大当たりであると判定される確率が非確変状態中よりも高く設定されており、確変状態中に選択される。第二大当たり判定では、選択された判定テーブルを参照して、S72でシフトされた判定エリアに記憶されている第二大当たり乱数が「大当たり」、「小当たり」、および「ハズレ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
次いで、第二大当たり判定の結果が大当たりであるか判断される(S81)。大当たりであると判断された場合(S81:YES)、遊技状態がチャンス状態であるか判断される(S82)。S82では、確変フラグと時短フラグとを参照することで判断される。チャンス状態では、確変フラグが「ON」となっており、時短フラグが「OFF」となっている。遊技状態がチャンス状態であると判断された場合(S82:YES)、処理はそのままS86へ移行する。一方、遊技状態がチャンス状態でない(すなわち、通常状態またはペナルティ状態)と判断された場合(S82:NO)、大当たり遊技終了後に時短状態を生起することを示す「1」が時短準備フラグに記憶されて「ON」とされ(S83)、処理はそのままS86へ移行する。これにより、リミッタが作動する場合は除き、通常状態およびペナルティ状態において第二大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、後述のS165で大当たり遊技終了後に時短状態(ペナルティ状態)が生起される。
また、大当たりでないと判断された場合(S81:NO)、第二大当たり判定の結果が小当たりであるか判断される(S84)。小当たりでない(すなわち、ハズレ)と判断された場合(S84:NO)、処理はそのままS86へ移行する。一方、小当たりであると判断された場合(S84:YES)、小当たり図柄決定テーブル(図7参照)が参照されて、小当たり図柄が決定される(S85)。次いで、第二大当たり判定の結果の報知に関する処理である第二変動パターン決定処理が行われる(S86)。
図16を参照し、第二変動パターン決定処理(S86、図15参照)の詳細を説明する。まず、遊技状態がチャンス状態であるか判断される(S91)。S91では、S82と同様に、確変フラグと時短フラグとを参照することで判断される。遊技状態がチャンス状態であると判断された場合(S91:YES)、CPU51が参照する変動パターン決定テーブルとして、第二変動パターン決定テーブル(図9参照)がセットされ(S92)、処理はそのままS97へ移行する。
また、遊技状態がチャンス状態でないと判断された場合(S91:NO)、遊技状態が通常状態であるか判断される(S93)。S93では、S82、S91と同様に、確変フラグと時短フラグとを参照することで判断される。通常状態では、確変フラグおよび時短フラグがいずれも「OFF」となっている。遊技状態が通の値常状態であると判断された場合(S93:YES)、RAM52に記憶されている判定回数の値が特定回数である「4」以下であるか判断される(S94)。判定回数は、後述のS103でカウントされ、RAM52に記憶されている。RAM52に記憶されている判定回数の値が「4」以下であると判断された場合(S94:YES)、特殊変動状態であるため、CPU51が参照する変動パターン決定テーブルとして、特殊変動パターン決定テーブル(図11参照)がセットされ(S95)、処理はそのままS97へ移行する。
また、RAM52に記憶されている判定回数の値が「5」以上であると判断された場合(S94:NO)、もしくは遊技状態が通常状態でない(すなわち、ペナルティ状態)と判断された場合(S93:NO)、CPU51が参照する変動パターン決定テーブルとして、長時間変動パターン決定テーブル(図10参照)がセットされ(S96)、処理はそのままS97へ移行する。つまり、チャンス状態では、第二変動パターン決定テーブルが、特殊変動状態では、特殊変動パターン決定テーブルが、チャンス状態および特殊状態のいずれでもない遊技状態では、長時間変動パターン決定テーブルが、変動パターン決定テーブルとしてセットされる。
次いで、S92、S95、またはS96の処理でセットされた変動パターン決定テーブル(図9〜図11参照)が参照されて、判定結果に応じた第二変動パターンのうちの1つが、第二変動パターン決定乱数の値によって決定され(S97)、処理はそのまま特別図柄処理(図15参照)へ戻る。
図15の説明に戻る。S65またはS97で変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドが、RAM52に記憶される(S101)。なお、変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図12参照)において、サブ制御基板58(図5参照)に送信される。決定された変動パターンに応じて決められている特別図柄の変動時間が、タイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S102)。次いで、RAM52に記憶されている判定回数に「1」が加算される(S103)。次いで、2つの特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S104)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
図14の説明に戻る。S42において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されており、2つの特別図柄のいずれかが変動中であると判断された場合(S42:YES)、変動時間が経過したか判断される(S111)。S102(図15参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していないと判断された場合(S111:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。一方、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっており、変動時間が経過したと判断された場合(S111:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S112)。なお、特別図柄停止コマンドは、次のメイン処理においてサブ制御基板58(図5参照)および中継基板47(図5参照)に送信され、表示画面28のデモ図柄、および図柄表示部24の2つの特別図柄の変動停止を指示する。所定の特別図柄停止表示時間(例えば、0.4秒)が、タイマカウンタである特別図柄停止時間カウンタにセットされる(S113)。次いで、2つの特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S114)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
また、S43において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されており、2つの特別図柄のいずれかが停止表示中であると判断された場合(S43:YES)、停止表示時間が経過したか判断される(S121)。S113でセットされた特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していないと判断された場合(S121:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。一方、特別図柄停止時間カウンタの値が「0」となっており、停止表示時間が経過したと判断された場合(S121:YES)、2つの特別図柄が両方とも変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S122)。
次いで、大当たりまたは小当たりであると判定された場合に、大当たり遊技または小当たり遊技へ移行させるためのフラグの制御に関する処理が行われる。まず、大当たり判定の結果が大当たりであるか判断される(S131)。大当たりであると判断された場合(131:YES)、大当たり遊技中であることを示す「1」が大当たり遊技状態フラグに記憶されて「ON」とされる(S132)。本実施形態では、大当たり遊技のラウンド数は、すべて4ラウンドである。よって、ラウンド数として「4」がRAM52に記憶される(S133)。次いで、大当たり遊技に関する制御を開始させるための大当たり遊技開始コマンドが、RAM52に記憶される(S134)。なお、大当たり遊技開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、サブ制御基板58に送信される。また、大当たり遊技中は、遊技状態として通常状態が生起される。よって、時短フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされ(S135)、確変フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされる(S136)。その後、処理はそのままメイン処理へ戻る。
また、大当たり判定の結果が大当たりでないと判断された場合(S131:NO)、大当たり判定の結果が小当たりであるか判断される(S137)。小当たりであると判断された場合(S137:YES)、小当たり遊技中であることを示す「1」が小当たり遊技状態フラグに記憶されて「ON」とされ(S138)、処理はそのままメイン処理へ戻る。一方、小当たりでないと判断された場合(S137:NO)、ハズレであるので処理はそのままメイン処理へ戻る。
図17および図18を参照し、特別電動役物処理(S13、図12参照)の詳細を説明する。まず、特別電動役物処理で使用されるフラグを説明する。RAM52には、大入賞口開放中フラグ等が記憶されている。大入賞口開放中フラグは、第一大入賞口18および第二大入賞口19のいずれかが開放状態である場合には「1」が記憶されて「ON」となり、第一大入賞口18および第二大入賞口19がいずれも閉鎖状態である場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。
図17に示すように、特別電動役物処理が開始されると、大当たり遊技状態であるか判断される(S141)。大当たり遊技状態フラグが「ON」となっており、大当たり遊技状態であると判断された場合(S141:YES)、大入賞口が開放状態であるか判断される(S142)。開放中フラグが「ON」となっており、2つの大入賞口のうちいずれかが開放状態であると判断された場合(S142:YES)、開放状態である大入賞口に遊技球が入賞したか判断される(S143)。第一大入賞口スイッチ96(図5参照)または第二大入賞口スイッチ97(図5参照)が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図12参照)において、各大入賞口スイッチに対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「OFF」となっており、大入賞口に遊技球が入賞していないと判断された場合(S143:NO)、処理はそのままS145へ移行する。一方、大入賞口に遊技球が入賞したと判断された場合(S143:YES)、RAM52に記憶されている大入賞口入賞球数に「1」が加算される(S144)。
次いで、所定の開放時間が経過したか判断される(S145)。後述のS156でセットされた大入賞口開放時間カウンタの値が「0」でなく、開放時間がまだ経過していないと判断された場合(S145:NO)、規定数(本実施形態では、9個)以上の遊技球が大入賞口に入賞したか判断される(S146)。S144の処理でカウントされて、RAM52に記憶されている大入賞口入賞球数の値が「8」以下であると判断された場合(S146:NO)、引き続き大入賞口を開放させておくため、処理はそのままメイン処理(図12参照)へ戻る。一方、RAM52に記憶されている大入賞口入賞球数の値が「9」以上であり、規定数以上の遊技球が大入賞口に入賞したと判断された場合(S146:YES)、もしくは大入賞口開放時間カウンタの値が「0」であり、開放時間が経過したと判断された場合(S145:YES)、大入賞口を閉鎖させるための処理が行われる。
まず、大入賞口を閉鎖させるための大入賞口閉鎖コマンドが、RAM52に記憶される(S147)。なお、大入賞口閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図12参照)において、中継基板47に送信される。大入賞口開放中フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされる(S148)。次いで、タイマカウンタである大入賞口閉鎖時間カウンタに大入賞口の閉鎖時間がセットされ(S149)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
また、開放中フラグが「OFF」となっており、2つの大入賞口がいずれも閉鎖状態であると判断された場合(S142:NO)、大入賞口の閉鎖時間が経過したか判断される(S151)。S149でセットされた大入賞口閉鎖時間カウンタの値が「0」でなく、閉鎖時間がまだ経過していないと判断された場合(S151:NO)、引き続き大入賞口を閉鎖させておくため、処理はそのままメイン処理へ戻る。一方、大入賞口閉鎖時間カウンタの値が「0」であり、閉鎖時間が経過したと判断された場合(S151:YES)、大入賞口を開放させる処理、または大当たり遊技を終了させる処理が行われる。
まず、大入賞口が所定のラウンド数(4ラウンド)開放されたか判断される(S152)。RAM52に記憶されているラウンド数の値が「0」でなく、大入賞口がまだ所定のラウンド数開放されていないと判断された場合(S152:NO)、大入賞口を開放させる処理が行われる。一方、RAM52に記憶されているラウンド数の値が「0」であり、大入賞口が所定のラウンド数開放されたと判断された場合(S152:YES)、大当たり遊技を終了させる処理が行われる。
まず、大入賞口を開放させる処理を説明する。大入賞口を開放させるための大入賞口開放コマンドが、RAM52に記憶される(S153)。なお、大入賞口閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。RAM52に記憶されているラウンド数が「1」減算される(S154)。次いで、大入賞口開放中フラグに「1」が記憶されて「ON」とされる(S155)。次いで、タイマカウンタである大入賞口開放時間カウンタに大入賞口の開放時間がセットされる(S156)。次いで、大入賞口入賞球数がクリアされて「0」にされ(S157)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
次に、大当たり遊技を終了させる処理を説明する。大当たり遊技状態フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされる(S158)。次いで、RAM52に記憶されている大当たり回数に「1」が加算される(S159)。次いで、遊技状態を生起するための処理である遊技状態生起処理が行われ(S160)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
図18を参照し、遊技状態生起処理(S160、図17参照)の詳細を説明する。まず、先述したように遊技機1はリミッタを有するパチンコ機であるので、RAM52に記憶されている大当たり回数の値が規定回数である「15」に達したか判断される(S161)。なお、大当たり回数は、S159でカウントされ、RAM52に記憶されている。RAM52に記憶されている大当たり回数の値が「15」でないと判断された場合(S161:NO)、リミッタは作動しないため、確変フラグに「1」が記憶されて「ON」される(S162)。次いで、時短準備フラグが「ON」であるか判断される(S163)。時短準備フラグが「OFF」であると判断された場合(S163:NO)、遊技状態がチャンス状態であることを通知するためのチャンス状態通知コマンドがRAM52に記憶され(S164)、処理はそのまま特別電動役物処理(図17参照)へ戻る。また、この場合、大当たり遊技後の遊技状態は、S162で確変フラグが「ON」となっており、且つ、大当たり遊技が開始される場合にS135で時短フラグが「OFF」となっているため、大当たり遊技後の遊技状態としてチャンス状態が生起される。なお、チャンス状態通知コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図12参照)において、サブ制御基板58に送信される。
また、時短準備フラグが「ON」であると判断された場合(S163:YES)、時短フラグに「1」が記憶されて「ON」とされる(S165)。なお、時短準備フラグは、通常状態およびペナルティ状態において第二大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、S83が行われて「ON」となっている。次いで、時短準備フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされ(S166)、処理はそのまま特別電動役物処理へ戻る。また、この場合、S162で確変フラグが「ON」となっており、且つ、S165で時短フラグが「ON」となっているため、大当たり遊技後の遊技状態としてペナルティ状態が生起される。つまり、リミッタが作動する場合を除き、通常状態およびペナルティ状態において第二大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、大当たり遊技終了後にペナルティ状態が生起される。
また、RAM52に記憶されている大当たり回数の値が「15」であると判断された場合(S161:YES)、リミッタ機能が作動するため、確変フラグはS136で「OFF」になった状態が維持される。つまり、この場合、大当たり遊技後の遊技状態は、時短フラグもS135で「OFF」となっているため、通常状態が生起される。そして、大当たり回数の値がクリアされて「0」にされる(S167)。次いで、判定回数の値がクリアされて「0」にされる(S168)。次いで、時短準備フラグが「ON」になっていれば、「0」が記憶されて「OFF」とされ(S169)、処理はそのまま特別電動役物処理へ戻る。なお、S169では、大当たり回数が15回となる大当たり遊技が、ペナルティ状態において第二大当たり判定によって大当たりと判定されたことに基づいて実行される大当たり遊技であった場合のみ、「ON」となっている。
図17の説明に戻る。S141において、大当たり遊技状態フラグが「OFF」となっており、大当たり遊技状態でないと判断された場合(S141:NO)、小当たり遊技状態であるか判断される(S171)。小当たり遊技状態フラグが「OFF」となっており、小当たり遊技状態でないと判断された場合(S171:NO)、処理はそのままメイン処理(図12参照)へ戻る。一方、小当たり遊技状態フラグが「ON」となっており、小当たり遊技状態であると判断された場合(S171:YES)、S85で決定された小当たり図柄に対応する小当たり遊技パターンに応じた処理が実行され(S172)、処理はそのままメイン処理へ戻る。S172では、例えばS85で小当たりA図柄が決定された場合、長開放小当たり遊技を実行するため、第一大入賞口18が最大1.2秒間、最大1回開放するためのコマンドがRAM52に記憶される。例えばS85で小当たりB図柄が決定された場合、短開放小当たり遊技を実行するため、第一大入賞口18が最大0.6秒間、最大2回開放するためのコマンドがRAM52に記憶される。なお、これらのコマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図12参照)において、中継基板47に送信される。なお、先述したように、小当たり遊技の前後では遊技状態は変化しないため、遊技状態生起処理は行われない。
図19を参照し、サブ制御基板58で行われるサブ制御基板処理を説明する。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581が実行する。まず、サブ制御基板処理で使用されるフラグを説明する。RAM582には、チャンス状態フラグ等が記憶されている。チャンス状態フラグは、チャンス状態通知コマンドを主制御基板41から受信した場合には「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技開始コマンドを受信した場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。また、サブ制御基板58は、S164(図18参照)でチャンス状態通知コマンドがRAM52に記憶され、S10(図12参照)で主制御基板41から送信された場合に、チャンス状態通知コマンドを受信する。サブ制御基板58は、S134(図14参照)で大当たり遊技開始コマンドがRAM52に記憶され、S10で主制御基板41から送信された場合に、大当たり遊技開始コマンドを受信する。遊技状態は、大当たり遊技の終了後に生起されてから次回大当たりが開始されるまで変わらない。すなわち、チャンス状態フラグが「ON」となっている場合、遊技状態はチャンス状態である。チャンス状態が「OFF」となっている場合、遊技状態は通常状態またはペナルティ状態である。
まず、チャンス状態通知コマンドを受信したか判断される(S181)。チャンス状態通知コマンドを受信していないと判断された場合(S181:NO)、処理はそのままS191へ移行する。一方、チャンス状態通知コマンドを受信したと判断された場合(S181:YES)、チャンス状態フラグに「1」が記憶されて「ON」とされる(S182)。
次いで、変動パターン指定コマンドを受信したか判断される(S191)。変動パターン指定コマンドを受信していないと判断された場合(S191:NO)、処理はそのままS201へ移行する。一方、変動パターン指定コマンドを受信したと判断された場合(S191:YES)、受信した変動パターン指定コマンドによって指定されている変動パターンがRAM582に記憶される(S192)。
次いで、RAM582に記憶された変動パターンが第二変動パターンか判断される(S193)。RAM582に記憶された変動パターンが第二変動パターンであると判断された場合(S193:YES)、チャンス状態フラグが「ON」であるか判断される(S194)。チャンス状態フラグが「ON」であると判断された場合(S194:YES)、もしくはRAM582に記憶された変動パターンが第二変動パターンでない(すなわち、第一変動パターン)と判断された場合(S193:NO)、RAM582に記憶された変動パターンに応じて報知演出を制御する処理が行われる(S195)。例えば、デモ図柄の変動表示を開始させるコマンドが、表示画面28を制御する演出制御基板43へ送信される。また、変動パターンに応じてスピーカ48等が制御される。その後、処理はS201へ移行する。
また、チャンス状態フラグが「OFF」であると判断された場合(S194:NO)、RAM582に記憶された変動パターンに対応する変動時間の間、特定報知演出を制御する処理が行われる(S196)。特定報知演出は左打ちを示唆する演出であり、例えば図20に示すように、「左打ちをしてください」である。S196では、特定報知演出を表示画面28に表示するためのコマンドが演出制御基板43へ送信される。つまり、遊技状態が通常状態またはペナルティ状態の場合、特定報知演出が実行される。これにより、遊技機1は、通常状態およびペナルティ状態において、遊技者を本来の遊技へ誘導できる。
次いで、特別図柄停止コマンドを受信したか判断される(S201)。特別図柄停止コマンドを受信していないと判断された場合(S201:NO)、処理はそのままS211へ移行する。一方、特別図柄停止コマンドを受信したと判断された場合(S201:YES)、実行していた報知演出を終了し、表示画面28のデモ図柄を確定表示させる処理が行われる(S202)。
次いで、大当たり遊技開始コマンドを受信したか判断される(S211)。大当たり遊技開始コマンドを受信していないと判断された場合(S211:NO)、処理はそのままS181へ戻る。一方、大当たり遊技開始コマンドを受信したと判断された場合(S211:YES)、大当たり遊技中の演出を開始させる処理が行われる(S212)。次いで、チャンス状態フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされ(S213)、処理はそのままS181へ戻る。
以上説明したように、本実施形態における遊技機1では、第二大当たり判定によって単位時間あたりに判定される回数は、チャンス状態よりも、通常状態およびペナルティ状態のほうが少ない。したがって、通常状態およびペナルティ状態では、遊技者が賞球を獲得する効率がチャンス状態よりも悪くなる。すなわち、通常状態およびペナルティ状態は、チャンス状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態である。これにより、遊技者は、チャンス状態が生起されることを期待して遊技する。また、右打ちされた遊技球は左打ちされた遊技球よりも第二始動口17に入賞する可能性が高い。第二特別図柄は大当たり図柄に加えて小当たり図柄を含むため、遊技者は、右打ちを行うことにより、大当たり遊技に加えて小当たり遊技によっても賞球を獲得できる。しかし、通常状態において第二大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、大当たり遊技終了後に常にペナルティ状態が生起される。さらに、ペナルティ状態において第二大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、大当たり遊技終了後にチャンス状態が生起されることはない。ゆえに、遊技機1は、通常状態において、左打ちを行う本来の遊技に遊技者を誘導できる。したがって、遊技機1は、遊技者が本来の遊技性とは異なる遊技(すなわち、通常状態において右打ちを行う遊技)を行うことを抑制できる。
また、遊技機1は、第一保留球および第二保留球を記憶するRAM52を備える。遊技機1では、RAM52に第一保留球および第二保留球の両方が記憶されている場合、第一大当たり判定よりも第二大当たり判定が優先して行われる。したがって、遊技機1は、第一大当たり判定と第二大当たり判定とが同時に行われることがないため、遊技機1を制御するCPU51の負担を抑制できる。
また、遊技機1において、小当たり確率は、確変状態の大当たり確率よりも高く設定されている。これにより、遊技機1は、大当たり遊技による賞球の獲得に加え、小当たり遊技においても遊技者が賞球を獲得できる構成を実現できる。
また、遊技機1には、遊技状態として確変状態および非確変状態と時短状態および非時短状態とが設けられている。これにより、遊技機1は、これらの組み合わせで、非確変非時短状態である通常状態、確変非時短状態であるチャンス状態、および確変時短状態であるペナルティ状態を生起できる。すなわち、確変状態のチャンス状態は、非確変状態の通常状態よりも遊技者にとって有利である。これにより、遊技者は、チャンス状態が生起されることを期待して遊技する。つまり、遊技者は、通常状態において、第一始動口16を狙って左打ちを行う。したがって、遊技機1は、遊技者が本来の遊技性とは異なる遊技を行うことを抑制できる。
また、その他の例として、遊技機1は、前記第二判定手段による判定結果を報知する報知演出を実行する報知演出実行手段と、第一テーブルおよび第二テーブルを少なくとも含み、前記報知演出実行手段による前記報知演出の実行時間を少なくとも1つ定める報知演出用テーブルを複数記憶する報知演出用テーブル記憶手段と、前記第二始動口へ遊技球が入賞することを契機として、前記報知演出用テーブル記憶手段に複数記憶された前記報知演出用テーブルから1つの前記報知演出用テーブルを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前記1つの報知演出用テーブルから前記実行時間を決定する第一決定手段とを備え、前記第二テーブルが定める前記実行時間の平均時間は、前記第一テーブルが定める前記実行時間の平均時間よりも長く、前記選択手段は、前記第二遊技状態において、前記報知演出用テーブルから前記第一テーブルを選択し、且つ、前記第一遊技状態および前記第三遊技状態において、前記報知演出用テーブルから前記第二テーブルを選択してもよい。遊技機1は、第二大当たり判定がされた場合に参照される変動パターン決定テーブルとして第二変動パターン決定テーブルと長時間変動パターン決定テーブルとを記憶しているROM53を備える。長時間変動パターン決定テーブルが定める変動時間の平均時間は、第二変動パターン決定テーブルが定める変動時間の平均時間よりも長く設定されている。CPU51は、第二変動パターンを決定する場合、チャンス状態において、第二変動パターン決定テーブルを選択し、通常状態およびペナルティ状態において、長時間変動パターン決定テーブルを選択する。この場合、通常状態およびペナルティ状態では、変動時間が長くなるため、遊技者が賞球を獲得する効率が悪くなる。すなわち、通常状態およびペナルティ状態は、チャンス状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態である。これにより、遊技者は、第二遊技状態が生起されることを期待して遊技する。つまり、遊技者は、通常状態において、第一始動口16を狙って遊技球を発射する。したがって、遊技機1は、遊技者が本来の遊技性とは異なる遊技を行うことを抑制できる。
また、その他の例として、遊技機1において、前記第二テーブルは、複数の前記実行時間を定めてもよい。長時間変動パターン決定テーブルは、複数の変動時間を定める。これにより、遊技者は、図柄の変動(報知演出)が終了されるタイミングを把握しづらい。また、大当たり遊技および小当たり遊技は、図柄の変動が終了された後に実行される。したがって、遊技機1は、通常状態およびペナルティ状態において、第二大当たり判定によって大当たりまたは小当たりであると判定された場合に、大入賞口が開放されるタイミングを遊技者に把握させにくい。
また、その他の例として、遊技機1は、前記第一判定手段および前記第二判定手段によって連続して大当たり以外であると判定された回数を計数する計数手段を備え、前記報知演出用テーブルは、第三テーブルを含み、前記選択手段は、前記大当たり遊技の終了後、前記生起手段によって前記第一遊技状態が生起されてから、前記計数手段によって特定回数計数されるまで、前記報知演出用テーブルから前記第二テーブルに代えて前記第三テーブルを選択し、前記第三テーブルに定められた前記実行時間の平均時間は、前記第二テーブルに定められた前記実行時間の平均時間よりも短くてもよい。ROM53には、第二大当たり判定がされた場合に参照される変動パターン決定テーブルとして特殊変動パターン決定テーブルが記憶されている。遊技機1では、大当たり遊技が実行されると大入賞口が開放されるため、遊技者は右打ちを行う。右打ちされた遊技球は、第二始動口17に入賞する可能性があり、大当たり終了後に第二保留球がRAM52に記憶されている可能性がある。この場合、大当たり遊技終了後に第二大当たり判定が行われる。ここで、大当たり回数が規定回数に達していた場合、大当たり遊技終了後に通常状態が生起される。この場合、変動パターン決定テーブルとして長時間変動パターン決定テーブルが選択されると、第二変動パターン決定テーブルおよび特殊変動パターン決定テーブルが選択された場合よりも単位時間あたりの判定回数が少なくなる。つまり、長時間変動パターンが選択されることによって遊技者にとって不利な状態になるおそれがある。一方、遊技機1では、大当たり遊技終了後に通常状態が生起された場合、判定回数が特定回数に達するまで、第二大当たり判定において、変動パターン決定テーブルとして特殊変動パターン決定テーブルが選択される。これにより、遊技機1は、大当たり遊技終了後に通常状態が生起された場合、第二保留球がRAM52に記憶されていたとしても、長時間変動パターンが選択されることによって遊技者にとって不利な状態になることを防止できる。
また、その他の例として、遊技機1は、前記第一遊技状態および前記第三遊技状態において前記第二判定手段によって判定が行われた場合に、前記発射装置によって前記第一発射強度で遊技球を発射させることを示唆する特定報知演出を実行する特定報知演出実行手段を備えてもよい。遊技機1では、通常状態およびペナルティ状態において第二大当たり判定が行われた場合、左打ちを行うことを示唆する特定報知演出が表示画面28で実行される。左打ちされた遊技球は、第二大当たり判定の契機となる第二始動口17よりも第一大当たり判定の契機となる第一始動口16に入賞しやすい。したがって、遊技機1は、通常状態およびペナルティ状態において、第一始動口16を狙って遊技球を発射させる本来の遊技に遊技者を誘導できる。
また、その他の例として、遊技機1は、前記第二制御手段によって前記小当たり遊技が実行された場合に、前記可変入賞口を前記第一状態にさせる小当たり遊技パターンを複数定める小当たり遊技用テーブルを記憶する小当たり遊技用テーブル記憶手段と、前記第二判定手段によって前記小当たりであると判定された場合に、前記小当たり遊技用テーブル記憶手段に記憶された前記小当たり遊技用テーブルから、前記小当たり遊技パターンを決定する第二決定手段とを備え、前記第二制御手段は、前記第二決定手段によって決定された前記小当たり遊技パターンに基づき、前記小当たり遊技を実行してもよい。遊技機1は、複数の小当たり遊技パターン(長開放小当たり遊技パターンおよび短開放小当たり遊技パターン)を記憶しているROM53を備える。第二大当たり判定によって小当たりであると判定された場合、複数の小当たり遊技パターンから1つが決定される。遊技機1は、決定された小当たりパターンに基づき、小当たり遊技を実行する。これにより、遊技機1は、小当たり遊技において、大入賞口が開放および閉鎖されるタイミングを遊技者に把握させにくい。
なお、本実施形態における第一大入賞口18および第二大入賞口19が本発明の「可変入賞口」の一例である。大入賞口における開放状態が本発明の「第一状態」の一例である。大入賞口における閉鎖状態が本発明の「第二状態」の一例である。第二始動口17における開放状態が本発明の「第三状態」の一例である。第二始動口17における閉鎖状態が本発明の「第四状態」の一例である。通常状態が本発明の「第一遊技状態」の一例である。チャンス状態が本発明の「第二遊技状態」の一例である。ペナルティ状態が本発明の「第三遊技状態」の一例である。
RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアが本発明の「第一乱数記憶手段」の一例である。RAM52の第二大当たり関係情報記憶エリアが本発明の「第二乱数記憶手段」の一例である。賞球払出装置49が本発明の「賞球払出手段」の一例である。
図13のS24で第一乱数を取得するCPU51が本発明の「第一取得手段」の一例である。図13のS34で第二乱数を取得するCPU51が本発明の「第二取得手段」の一例である。図12のS16で第三乱数を取得するCPU51が本発明の「第三取得手段」の一例である。図15のS63で第一大当たり判定を行うCPU51が本発明の「第一判定手段」の一例である。図15のS73で第二大当たり判定を行うCPU51が本発明の「第二判定手段」の一例である。図12のS16で普通たり判定を行うCPU51が本発明の「第三判定手段」の一例である。図17のS141〜S149、S151〜159で大当たり遊技を制御するCPU51が「第一制御手段」の一例である。図17のS171、S172で小当たり遊技を制御するCPU51が本発明の「第二制御手段」の一例である。図12のS15で普通当たり遊技を制御するCPU51が本発明の「第三制御手段」の一例である。図17のS160で大当たり遊技終了後に遊技状態を生起するCPU51が本発明の「生起手段」の一例である。図15のS51、S52で第一大当たり判定よりも第二大当たり判定を優先するCPU51が本発明の「判定優先実行手段」の一例である。
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、特定報知演出は、スピーカ48等によって実行されてもよい。例えば、表示画面28にはRAM582に記憶された第二変動パターンに応じて報知演出を制御し、スピーカ48で左打ちを示唆する音を発生させ、特定報知演出を実行してもよい。また、特定報知演出は、表示画面28にて第二変動パターンに応じて実行されている報知演出に重畳表示されてもよい。
また、遊技機1は、第一特別図柄として、大当たり図柄およびハズレ図柄を備えるが、第一特別図柄として小当たり図柄をさらに備えてもよい。この場合、遊技機1は、遊技内容が複雑となり、遊技者が大当たり遊技であるか小当たり遊技であるかを予測することが困難な意外性のある遊技を提供できる。また、遊技機1は、特別図柄として複数の大当たり図柄を備えてもよい。この場合、遊技機1は、複数の大当たり図柄のそれぞれに対応した大当たり遊技パターンを備えることができる。これにより、遊技機1は、遊技内容が複雑となり、遊技者が大当たり遊技パターンを予測することが困難な意外性のある遊技を提供できる。
また、遊技機1は、センター役物60の下端部における左右方向の略中央部に第一始動口16を設けるが、第一発射強度で発射された遊技球の方が第二発射強度で発射された遊技球よりも入賞しやすい位置に設ければよい。例えば、第一始動口16は、センター役物60の外側(左方または下方)に設けられてもよい。
また、遊技機1では、第一発射強度は所定の強度未満の発射強度であり、第二発射強度は所定の強度以上の発射強度であるが、第一発射強度が所定の強度以上の発射強度であり、第二発射強度以上の発射強度であってもよい。この場合、第一始動口16は、第一発射強度で発射された遊技球の方が第二発射強度で発射された遊技球よりも入賞しやすい位置に設けられればよい。第二始動口17およびゲート12は、それぞれ、第二発射強度で発射された遊技球の方が第一発射強度で発射された遊技球も入賞しやすい位置に設けられればよい。
また、遊技機1では、第二始動口17は、閉鎖状態において遊技球の入賞が不可能であるが、閉鎖状態においても遊技球の入賞が可能であってもよい。また、開閉部材171が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞しやすくなる構成であってもよい。
また、遊技機1は、特殊変動パターン決定テーブルを備えなくてもよい。この場合、遊技機1は、特殊変動状態において、第二大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンを決定するために特殊変動パターン決定テーブルの代わりに第二変動パターン決定テーブルを参照すればよい。この場合、第二変動パターン決定テーブルが定める変動時間の平均時間は、長時間変動パターン決定テーブルが定める変動時間の平均時間よりも短い。したがって、遊技機1は、大当たり遊技終了後に通常状態が生起された場合、第二保留球がRAM52に記憶されていたとしても、長時間変動パターンが選択されることによって遊技者にとって不利な状態になることを防止できる。また、遊技機1は、変動パターン決定テーブルを記憶するROM53の記憶領域の増加を抑制できる。
また、遊技機1では、普通入賞口34に遊技球が入賞した場合、所定の賞球が払い出されるのみで、第一乱数は取得されないが、所定の賞球が払い出されることに加えて第一乱数が取得されてもよい。
さらには、特許請求の範囲、明細書、および図面に記載される全ての要素は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素に付けた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したに過ぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「報知演出実行手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくは一つの要素を複数の要素に分けて構成するかは、敢えて特許請求の範囲等において特定していない限り、いずれも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、敢えて明細書等において全てのパターンを記載しなくてもいずれのパターンも想定範囲内であることから本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。