以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。なお、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMは、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)とを展開可能である。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
はじめに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PM(単に「遊技機PM」とも称する)は、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。ガラス枠5の下部には遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央には遊技者によって押圧操作される演出ボタン(演出スイッチ)15が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。以下では、便宜上、演出用の操作入力手段を「演出ボタン15」と称するが、本例における演出ボタン(演出スイッチ)15とは、オン/オフ操作式のボタン型のスイッチ、操作入力の方向に応じた出力を行う十字型のスイッチ(十字キー、十字ボタン)、傾動操作式のレバー型のスイッチ、回転操作式のダイヤルスイッチ、遊技者の手が近付いたとき又は接触したときに出力を行う近接スイッチ、タッチセンサ、タッチパネルなど、あらゆる操作入力手段を含む概念で用いる。
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、外レール41及び内レール42が円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成されている。また、外レール41と内レール42とにより遊技球を遊技領域PAへ案内するための案内通路(図示せず)が形成され、この案内通路における遊技球の出口開口の近傍位置(内レール42の先端部に)、該出口開口から遊技領域PA内へ放出された遊技球が再び案内通路へ逆戻りするのを防止する球戻り防止弁43が配設されている。この遊技領域PAには、風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口51、第2始動口52、作動ゲート53、大入賞口54、一般入賞口61,62,63,64などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り21が配設されており、このセンター飾り21の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。また、遊技領域PAは、略中央のセンター飾り21を基準として、センター飾り21の左側の領域(左打ちに対応した盤面領域)である左側領域PA1と、センター飾り21の右側の領域(右打ちに対応した盤面領域)である右側領域PA2とに区画される。センター飾り21の上部には、外レール41と略上下方向に対向する天板部22が一体形成されており、上記の案内通路の延長上において、天板部22と外レール41との間で遊技球が右側領域PA2へ通過可能な連絡通路44が形成されている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口51は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ511を備えている。この第1始動口51は、上方に向けた開口された常時開放型の入賞口であり、主として左側領域PA1を流下する遊技球(左打ちした遊技球)が入球可能となっている。第1始動口51への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
第2始動口52は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ521を備えている。この第2始動口51は、右打ちに対応した盤面領域である右側領域PA2に配設され、主として右側領域PA2を流下する遊技球(右打ちした遊技球)が入球可能となっている。第2始動口52への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。この第2始動口52は、一般に電チューと称される普通電動役物522と、この普通電動役物522を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド523とを備える。
普通電動役物522は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が第2始動口52に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。つまり、普通電動役物522は、開放状態に変位しなければ遊技球が第2始動口52へ入球し難い構造となっており、後述の所定の契機(普通図柄抽選に当選する契機)で開放状態となると遊技球の入球容易性が高くなる。この普通電動役物522は、第2始動口52を開閉するための前後スライド式の可動部材524を備えている。可動部材524は、第2始動口52を閉鎖して遊技球の入球を不能又は困難とする閉鎖位置(突出位置)と、第2始動口52を開放して遊技球の入球を可能又は容易とする開放位置(退避位置)との間で、前後方向(盤面と直交する方向)にスライド可能となっている。この可動部材524の上面は、前後方向に遊技球約1個分以上の通路幅を有して、正面視にて右側から左側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、可動部材524が閉鎖位置にある場合(第2始動口52が閉鎖状態である場合)は、遊技球が可動部材524の上面を誘導路として流下可能となり、当該誘導路上を右方から左方に流下して普通電動役物522の左端から落下する。
この普通電動役物522の下方には、特別電動役物542(大入賞口54)が配置されており、普通電動役物522の上面を通過した遊技球は大入賞口54へ向かって流下することになり、そのとき大入賞口54が開放状態であれば、該遊技球が大入賞口54に入球することが容易となっている。一方、可動部材524が開放位置にある場合(第2始動口52が開放状態である場合)は、右側領域PA2を流下する遊技球は第2始動口52に入球することが容易となっている。本例では、右側領域PA2を流下する遊技球は、高い確率(ほぼ100%)で第2始動口52(普通電動役物522)に向かって流れる盤面設計(ゲージ設計)となっており、第2始動口52が閉鎖状態であれば、遊技球は可動部材524の上面に誘導されて大入賞口54に向かって流下する一方で、第2始動口52が開放状態であれば、遊技球は第2始動口52に入球して大入賞口54まで到達しないように構成されている。
作動ゲート53は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ531を備えている。なお、作動ゲート53への遊技球の通過は、第2始動口52を開放状態とするか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口54は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選結果が大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。大入賞口54は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ541と、一般にアタッカーと称される特別電動役物542と、この特別電動役物542を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイド543とを備えている。特別電動役物542は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が大入賞口54に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。本例において大入賞口54は、遊技領域PAにおける右側領域PA2に設けられている。そのため、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)においては、遊技球を発射する際に、右側領域PA2を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口54への入球が容易となっている。
一般入賞口61〜63は、左打ちに対応した盤面領域である左側領域PA1に配設され、左側領域PA1を流下した遊技球が入球可能である。一般入賞口61〜63は、遊技球の入球を検出するための一般入賞口スイッチ611を備えている。この一般入賞口スイッチ611は、コスト低減等の観点から、三つの一般入賞口61〜63の共通センサ(シングルセンサ)として構成されており、いずれの一般入賞口61〜63への遊技球の入球も検出が可能である。なお、各一般入賞口61〜63への遊技球の入球は特別図柄又は普通図柄の抽選の契機とはならないが、他の入賞口(作動ゲート53を除く)と同様に賞球獲得の契機となる。
上記の各種の入賞口のうち、第1始動口51および作動ゲート53は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が大当りを示す停止図柄で確定表示された場合(後述の条件装置が作動した場合)に、大当り遊技の実行契機となる役連作動ゲート91,92を兼用する。第1始動口51は、左側領域PAを流下する遊技球が入球可能な第1役連作動ゲート91を兼用しており、遊技球の入球を検出する第1役連作動ゲートスイッチ911を備えている。作動ゲート53は、右側領域PA2を流下する遊技球が通過可能な第2役連作動ゲート92を兼用しており、遊技球の通過を検出する第2役連作動ゲートスイッチ921を備えている。以下では、各役連作動ゲートへ91,92への遊技球の「入球」および「通過」という用語を同義に解釈して、主として「通過」という用語を使用する。
本実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が大当りを示す停止図柄(大当り図柄)で確定表示された場合に、遊技球が第1役連作動ゲート91又は第2役連作動ゲート92を通過することを条件として、大当り遊技が開始される。なお、以降では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が大当りを示す停止図柄(大当り図柄)で確定表示されてから、遊技球が第1役連作動ゲート91又は第2役連作動ゲート92を通過するまで(大当り遊技が開始されるまで)の間を「大当り遊技の待ち状態」とも呼称する。そのため、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が大当り図柄で確定表示されたとしても、遊技球がいずれかの役連作動ゲート91,92を通過しなければ、大当り遊技は開始されない(大当り遊技の待ち状態が継続する)。ここで、大当り図柄の停止表示後に遊技球が役連作動ゲート91,92を通過したときから、大当り遊技の第1ラウンド目が開始されるまでの時間(つまり、大当り開始デモ時間)を、大当り図柄が停止表示された際の遊技状態に応じて異ならせてもよい。特に、後述する潜伏確変遊技状態(或いは確変遊技状態や時短遊技状態)で大当りした場合は相対的に短い時間(例:1秒)、通常遊技状態で大当りした場合は相対的に長い時間(例:10秒)としてもよい。その理由としては、潜伏確変遊技状態(或いは確変遊技状態や時短遊技状態)で大当りした場合は、連荘速度(大当りの連続発生速度)を高めるためである。逆に、連荘速度を緩めたいときは、潜伏確変遊技状態(或いは確変遊技状態や時短遊技状態)で大当りした場合は相対的に長い時間(例:10秒)、通常遊技状態で大当りした場合は相対的に短い時間(例:1秒)としてもよい。一方、小当り遊技については、遊技球が役連作動ゲート91,92を通過することを必要とせず、能動的に(小当り図柄が停止表示されたことのみを契機として)小当り遊技を開始可能である。なお、コスト低減および省スペース化の観点から、役連作動ゲートスイッチ911,921をそれぞれ第1始動口スイッチ511および作動ゲートスイッチ531と共通化する構成を採用してもよい。また、各役連作動ゲート91,92を、第1始動口51および作動ゲート53とは兼用せず、これら第1始動口51および作動ゲート53とは別個独立した構成として設けてもよい。なお、各役連作動ゲート91,92を第1始動口51および作動ゲート53とは別個独立して構成する場合は、第1始動口51の上流側の近傍に左役連作動ゲート91を配置するとともに、作動ゲート53又は大入賞口54の上流側の近傍に右役連作動ゲート92を配置して、第1始動口51に向かって流下する遊技球が高頻度(100%の確率でもよい)で左役連作動ゲート91を通過し、作動ゲート53又は大入賞口54に向かって流下する遊技球が高頻度(100%の確率でもよい)で右役連作動ゲート92を通過する構成を採用してもよい。また、第1役連作動ゲート91を第1始動口51とは別部材で構成する場合、第1始動口51の直下又は第1始動口と左右又は上下に連なるように配置してもよい。また、本実施形態の変形例として、第1役連作動ゲート91のみを配置する構成(第2役連作動ゲート92は配置しない構成)又は第2役連作動ゲート92のみを配置する構成(第1役連作動ゲート91は配置しない構成)を採用してもよい。
第1特別図柄表示装置71は、遊技球が第1始動口51に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置71は、例えば8個のLEDランプから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
第2特別図柄表示装置72は、遊技球が第2始動口52に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置72は、例えば8個のLEDランプから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74は、例えば2個のLEDランプからそれぞれ構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(それぞれ最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは大当り遊技の実行中に、第1始動口51への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。同様に、第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは大当り遊技の実行中に、第2始動口52への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。
普通図柄表示装置75は、例えば2個のLEDランプから構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。普図保留ランプ76は、例えば4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。なお、普通図柄表示装置75の左側には、大当り遊技におけるラウンド遊技(単位遊技)の回数(ラウンド数:特別電動役物542が連続して作動する回数)を表示するラウンド表示器77が設けられている。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止表示する装飾図柄の変動演出や大当りの期待度を予告的に示唆又は報知する予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部700と、第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74と同期して第1特別図柄およぶ第2特別図柄の保留表示が実行される保留画像表示部710が設けられている。本実施形態では、演出表示装置70として、液晶表示装置を採用している。装飾図柄表示部700には、所定の有効ライン(不図示)上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左表示領域Z1、中表示領域Z2、右表示領域Z3)が設けられており、左表示領域Z1に対応して装飾図柄の左図柄、中表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。保留画像表示部710には、通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると所定態様の保留画像(保留アイコン)が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、最大で8個(第1特別図柄の保留画像が4個、第2特別図柄の保留画像が4個)の表示が可能である。
センター飾り21は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出画面の保護、装飾等の機能を有する。このセンター飾り21には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動役物24が設けられている。可動役物24は、駆動源としてモータM(例えば、ステッピングモータ)を備えて構成されている。また、遊技盤20には、遊技の展開状況に応じて発光する盤ランプ(LEDランプ)25が設けられている。以下の説明では、便宜上、枠ランプ10および盤ランプ25を総称して「演出ランプLP」とも称する。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された基枠体をベースとしてなる裏セット盤30が、上下のヒンジ機構3を介して前枠2後方に横開き開閉及び着脱が可能に連結されている。この裏セット盤30には、前面開放の矩形箱状をなす裏セットカバー30Cが着脱自在に装着されており、常には前枠2に取り付けられた遊技盤20の裏面側を覆って配設されている(これにより後述する主制御基板100、演出制御基板200、画像制御基板300が裏セットカバー30Cにより覆われる)。
裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31、貯留タンク31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32、タンクレール32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部33、球供給通路部33により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット34、賞球払出ユニット34から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部35などが設けられている。
遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板100や、演出全般の制御を行う演出制御基板200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板300、などが取り付けられている。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板400や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板500、遊技機PMの外部に外部情報信号(外端信号)を出力する外部情報端子板600(図3を参照)などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
<ぱちんこ遊技機の制御構成>
次に、図3を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。図3は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路104とを備えて構成された主制御マイコン(ワンチップマイコン)110を搭載しており、メインCPU101がROM102に記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、主制御基板100には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、メインCPU101が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とするCTC回路、メインCPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する乱数生成回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
メインCPU101は、各スイッチからの検出情報などに基づき、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板500において生成されるバックアップ電源によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。RAM103のバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくためのエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰されるようになっている。
また、主制御基板100は、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ611、役連作動ゲートスイッチ911,921などと電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、各種スイッチからの検出信号をメインCPU101に入力する。また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75および普図保留ランプ76に電気的に接続されるとともに、普通電動役物ソレノイド523、特別電動役物ソレノイド543に電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、メインCPU101からの制御信号を各種表示手段および各種ソレノイドに送信する。また、主制御基板100は、外部情報端子板600に電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、メインCPU101からの遊技情報信号を外部端子板600に送信する。この外部情報端子板600は、主制御基板100から送信された遊技情報信号に基づいて、各種の外部情報信号を遊技機PMの外部に設置された外部装置(データ表示器、ホールコンピュータなど)に送信する。なお、主制御基板100から送信される遊技情報信号は、例えば払出制御基板300などを介して、外部情報端子板600に入力されるものであってもよい。
主制御基板100と演出制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。演出制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできない。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204とを備えて構成された演出制御マイコン(ワンチップマイコン)210を搭載しており、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、サブメインCPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、TPU回路からの信号などに基づきタイマ割込み等の各種割込みを起動させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、画像制御基板300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成する。演出制御基板200は、画像制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが演出制御基板200から画像制御基板300へ送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200へ送信される。
また、演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本例では、演出制御基板200とランプ接続基板91とは、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵しており、このランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプLPに対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプLPを点灯又は消灯させる制御を行う。
さらに、演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気接続されており、I/Oポート回路204を介して、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物24のステッピングモータに対して駆動電流を供給又は遮断して、各可動役物24を動作させる制御を行う。なお、モータドライバ92へのデータ送信はパラレル通信方式が採用されている。
画像制御基板300は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路304とを備えて構成された画像制御マイコン(ワンチップマイコン)310を搭載しており、サブサブCPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、画像制御基板300には、図示省略するが、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、サブサブCPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号(画像データ)を演出表示装置に送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、サブサブCPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ11に出力する。
払出制御基板400は、払出CPU401、ROM402およびRAM403を主体として構成されている。払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドル12の操作量に基づき球送り機構13と発射機構14とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。
電源基板500は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板500には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板500の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板500は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を主制御基板100、演出制御基板200、払出制御基板400に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。また、電源基板500には、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、主制御基板100のRAM103の一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板500ではなく、例えば主制御基板100に接続される構成であってもよい。
<ぱちんこ遊技機の基本動作>
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構13によって1球ずつ発射機構14に送り出され、該発射機構14により遊技領域PAに打ち出される。このとき、発射ハンドル12を所定量未満で操作したときは、遊技球は右側領域PA2へ到達せず、左側領域PA1を流下する。この左側領域PA1には、遊技球を第1始動口51や一般入賞口61〜63へ向けて流下させるための左側流路が形成されている。一方、発射ハンドル12を所定量以上で操作したときは、遊技球は右側領域PA2に到達し、右側領域PA2を流下する。この右側領域PA2には、遊技球を第2始動口52、作動ゲート53、大入賞口54へ向けて流下させるための右側流路が形成されている。このように左側領域PA1又は右側領域PA2を流下する遊技球は、これら左側領域PA1又は右側領域PA1にて振り分けられた経路に応じて、第1始動口51、第2始動口52、作動ゲート53、大入賞口54、一般入賞口61〜63のいずれかに入球し得る一方で、いずれの入賞口にも入球しなかった場合はアウト口29へ流下される。
遊技領域PAを流下する遊技球が、第1始動口51、第2始動口52、大入賞口54、一般入賞口61〜63のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット34により上球皿8又は下球皿9へ払い出される。本実施形態において、各入賞口に遊技球が1球入球したときに払い出される賞球数(単位賞球数)として、第1始動口51は「4個」、第2始動口52は「1個」、一般入賞口61〜64は「3個」、大入賞口54は「10個」が設定されている。なお、単位賞球数は本実施形態に例示したもに限定されるものではなく、他の単位賞球数を適用してもよい。例えば、単位賞球数として、第1始動口51は「4個」、第2始動口52は「3個」、一般入賞口61〜64は「5個」等としてもよい。
遊技球が第1始動口51又は第2始動口52に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の作動保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件(後述の特別図柄の変動開始条件)が成立する場合に、最先の作動保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者にとって有利となる特別遊技(大当り遊技)に移行する。この大当り遊技の各ラウンド遊技(単位遊技)において、大入賞口54を1回又は複数回だけ開放状態に変化させる開閉動作が行われる。大入賞口54に規定カウント数の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口54の開放時間が開放限度時間に到達すると、実行中のラウンド遊技が終了する。ここで、大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別図柄および装飾図柄が大当りを示す停止態様で確定表示されると、大当り遊技として、複数回のラウンド遊技(単位遊技)が実行される。
本実施形態では、所定の大当りに当選すると、大当り遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで、特別図柄の確率変動機能が作動する場合がある。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が通常の低確率状態から高確率状態へ移行するため、新たな大当り(大当り遊技)が比較的早期に発生するようになる。なお、特別図柄の確率変動機能は、次回の大当りが発生するまで継続するものとしてもよい。また、上記所定の終期回数として、実質的に次回の大当り発生までの変動表示回数に相当する「10000回」を設定してもよい。
また、大当り遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能に付随して又は独立して、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間当たりの特別図柄抽選回数が向上する(単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる)。
さらに、大当り遊技が終了した後は、特別図柄の変動時間短縮機能に付随して又は独立して、電チューサポート機能が作動する場合がある。電チューサポート機能は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物522の開放延長機能が作動することにより、第2始動口52への入球容易性が高められる状態(「入球容易状態」とも称する)である。なお、普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通電動役物522の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物522の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口52への入球容易性も高まるため、第2始動口52への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口52への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。つまり、遊技球の発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。以下では、電チューサポート機能が作動している状態を「高ベース状態」、電チューサポート機能が作動していない状態を「低ベース状態」とも呼称する。
一方、第1特別図柄又は第2特別図柄が小当りを示す停止態様で確定表示された場合は、上記の大当り遊技よりも利益度合いの低い小当り遊技に移行する。この小当り遊技において、大入賞口54を1回又は複数回だけ開放状態に変化させる開閉動作が行われる。大入賞口54に規定カウント数の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口54の開放時間が開放限度時間に到達すると、小当り遊技が終了する。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能構成>
次に、図4の機能ブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、主制御基板100/演出制御基板200)の各種機能について説明する。
主制御基板100は、図4に示すように、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられたメインCPU101、ROM102、RAM103、電子回路等のハードウェア及びROM102等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ611、役連作動ゲートスイッチ911,921などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動口スイッチ511にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「第1始動口入賞コマンド」と称する)を生成し、第2始動口スイッチ521にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「第2始動口入賞コマンド」と称する)を生成し、作動ゲートスイッチ531にて遊技球の通過を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「作動ゲート入賞コマンド」と称する)を生成し、大入賞口スイッチ541にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「大入賞口入賞コマンド」と称する)を生成し、一般入賞口スイッチ611にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「一般入賞口入賞コマンド」と称する)を生成し、役連作動ゲートスイッチ911,921にて遊技球の通過を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「役連作動ゲート入賞コマンド」を称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。
遊技抽選乱数発生手段120は、主制御マイコン110の乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段120は、メインCPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、当り乱数生成のために前述の内蔵乱数に加算される特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄停止図柄乱数、特別図柄停止図柄乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄停止図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新(インクリメントやデクリメント、素数の加算など)し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口51又は第2始動口52への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口51,52への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタと、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタとを有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。
特別図柄保留制御手段131は、後述の第1特別図柄の変動開始条件が成立したときに、第1特別図柄の作動保留球(最先の作動保留球)を消化し、後述の第2特別図柄の変動開始条件が成立したときに、第2特別図柄の作動保留球(最先の作動保留球)を消化する。本実施形態では、第1特別図柄の変動開始条件の判定と、第2特別図柄の変動開始条件の判定とを別個独立して実行することで、第1特別図柄表示装置71による第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄表示装置72による第2特別図柄の変動表示とを並行して行う構成となっている。つまり、第1特別図柄の作動保留球と第2特別図柄の作動保留球とを別個独立して消化することで、第1特別図柄および第2特別図柄について、それぞれに対応する当否抽選や変動表示等を並行して行う、いわゆる並列の機種を採用している。そのため、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が長時間にわたり行われたとしても、この一方の特別図柄の変動表示と並行して他方の特別図柄の変動表示が行われるため、一方の特別図柄の変動表示の実行中に、他方の特別図柄の変動表示が滞ることがない。
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート53への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。上記の事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。なお、上記事前判定タイミングは一例であり、遊技機仕様に合わせて事前判定タイミングを変更(例えば、普通電動役物を有さない第2特別図柄に係る始動口を有し、通常時に8個保留が溜められる機種では上記(1)を第1特別図柄のみならず第2特別図柄も対象にする、等)したり、事前判定タイミングを設けずいつでも事前判定を行う仕様を採用してもよい。また、各遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象としてもよく、例えば、通常遊技状態においては第1特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象とし、時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態においては第2特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象とすることが好適である。具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否の事前判定(当否事前判定)、図柄の事前判定(図柄事前判定)、変動パターンの事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、当否事前判定用テーブル、図柄事前判定用テーブル、変動パターン事前判定用テーブルのそれぞれが乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定置数)ごとに、抽選ID(事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する))が割り当てられている。そのため、この事前判定の結果は、後述の特別図柄抽選処理手段140による本抽選の結果(当否判定の結果、図柄判定の結果、変動パターン判定の結果)に準ずるものとなっている。なお、当否事前判定用テーブルや図柄事前判定用テーブルなどは、実際に変動を開始するときに抽選に使用する当否抽選テーブルや図柄抽選テーブルなどと同じものであってもよい。ここで、変動パターン事前判定用テーブルは、変動開始時の遊技状況(確変の有無、時短の有無、特殊テーブルを参照する限定頻度期間中か否か、保留球数など)が変化する可能性があることから、前述のように、複数の領域の何れに含まれるかを判定する方が望ましい。また、変形例として、上記の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に格納する前に一時的に記憶されるメインCPU101上のレジスタ等の乱数値を事前判定するように構成してもよい。そして、事前判定手段135は、事前判定の結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「第1特別図柄の変動開始条件」とは、(A1)大当り中又は小当り中ではないこと、(A2)第1特別図柄が変動待機中であること、(A3)第1特別図柄の作動保留球が存在することである。この全ての条件を満足したときに、第1特別図柄が変動開始可能な状態(変動開始条件が成立した状態)であると判断される。一方、「第2特別図柄の変動開始条件」とは、(B1)大当り中又は小当り中ではないこと、(B2)第2特別図柄が変動待機中であること、(B3)第2特別図柄の作動保留球が存在することである。この全ての条件を満足したときに、第2特別図柄が変動開始可能な状態(変動開始条件が成立した状態)であると判断される。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
ここで、図5は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図である。図中、(A)は特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)において参照され、(B)は特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)において参照される。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値の乱数範囲と、当否判定の結果(大当り、小当り、はずれ)とが対応付けられている。図5に示すように、特別図柄の当否判定において、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)である場合は、特別図柄当り乱数値が「0〜204」の範囲に該当する場合に大当りとなり、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)である場合は、特別図柄当り乱数値が「0〜818」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの当選確率が低確率「1/320」から高確率「1/80」に変動する。このように大当りの当選確率は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否判定と第2特別図柄の当否判定とで大当りの当選確率は等しく設計されている。ここで、当否判定の結果が大当りに該当しなかった場合であっても、第2特別図柄の当否判定においては、相対的に高確率「1/1.1」で小当りに当選する。小当りの当選確率は、遊技状態(低確率状態、高確率状態)に関係なく、同じ当選確率に設計されている。本実施形態では、第2特別図柄の当否判定のみ小当りが設定されているが、例えば、第1特別図柄の当否判定にも小当りを設定して、第1特別図柄の当否判定よりも第2特別図柄の当否判定の方が高い確率で小当りに当選するように構成してもよい。
<大当り無抽選処理>
ここで、特別図柄の当否判定処理として、大当り無抽選処理について説明する。図6は、本実施形態における大当り無抽選処理を説明するための模式図である。図中(A)は、第1特別図柄が大当り又ははずれの変動表示中である場合に、第2特別図柄の当否判定の結果として導出可能な結果を「○」、導出不可能な結果を「×」で表示している。図中(B)は、第2特別図柄が大当り、小当り又ははずれの変動表示中である場合に、第1特別図柄の当否判定の結果として導出可能な結果を「○」、導出不可能な結果を「×」で表示している。
本実施形態では、図6に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の当否判定の結果が大当りとなり、その特別図柄の変動表示中(大当りの変動表示中)に、他方の特別図柄の当否判定が実行される場合は、他方の特別図柄の当否判定の結果として大当りを導出することが禁止され、小当り又ははずれのみが導出される。他方の特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当する場合は、該当否判定の結果が大当りからはずれに強制的に差し替えられる。つまり、上記の特別図柄当否抽選テーブルにおいて、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)であるときは、特別図柄当り乱数値が「0〜204」の範囲に該当する場合に、該当否判定の結果が強制的にはずれとなり(大当りからはずれに差し替えられ)、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)であるときは、特別図柄当り乱数値が「0〜818」の範囲に該当する場合に、該当否判定の結果が強制的にはずれとなる(大当りからはずれに差し替えられる)。なお、その変形例としては、上記の特別図柄当否抽選テーブルの他に、特別図柄の当否判定の結果として大当りの判定値(乱数範囲)を含まない大当り無抽選用のテーブルを用意して、一方の特別図柄の大当りの変動表示中は、上記の特別図柄当否抽選テーブルではなく、大当り無抽選処理専用のテーブルを参照して、当否判定の結果が小当り又ははずれのみとなる小当り抽選を行う方法を採用してもよい。なお、この変形例において、当否判定の結果として小当りが設定されていないスペックであれば、当否判定を行わずに、即時はずれを決定する方法を採用してもよい。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、図7に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄(大当り種別)を決定する際に参照される第1特別図柄大当り図柄テーブルおよび第2特別図柄大当り図柄テーブルを有している。本実施形態において、「特定大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機となる大当り(確変大当り)を意味し、「通常大当り」とは大当り遊技の終了後に確率変動機能を作動させる契機とはならない大当り(非確変大当り)を意味する。
図7(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に応じて、4種類の大当り種別が設定されている。具体的には、10R特定大当り(図柄群A)と、4R特定大当り1(図柄群B)と、4R特定大当り2(図柄群C)と、4R通常大当り(図柄群D)とに振り分けられる。10R特定大当り(図柄群A)は、大当り遊技の規定ラウンド数が10ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。4R特定大当り1(図柄群B)、4R特定大当り2(図柄群C)および4R通常大当り(図柄群D)は、大当り遊技の規定ラウンド数が4ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。
図7(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に応じて、5種類の大当り種別が設定されている。具体的には、10R特定大当り(図柄群E)と、6R特定大当り(図柄群F)と、4R特定大当り1(図柄群G)と、4R特定大当り2(図柄群H)と、2R通常大当り(図柄群I)とに振り分けられる。10R特定大当り(図柄群E)は、大当り遊技の規定ラウンド数が10ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。6R特定大当り(図柄群F)は、大当り遊技の規定ラウンド数が6ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。4R特定大当り1(図柄群G)および4R特定大当り2(図柄群H)は、大当り遊技の規定ラウンド数が4ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。2R通常大当り(図柄群I)は、大当り遊技の規定ラウンド数が2ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が2秒である。
各種の大当り種別のうち、2R通常大当りを除く各大当りは、大当り遊技中の全てのラウンド遊技において、大入賞口54が長時間(28秒)開放する長開放のラウンド遊技が実行される契機となる大当りである。一方、2R通常大当りは、大当り遊技中の全てのラウンド遊技において、大入賞口54が短時間(2秒)開放する短開放のラウンド遊技が実行される契機となる大当りをいう。本実施形態において、長開放のラウンド遊技は、大入賞口54の開放時間が、大入賞口54に規定数(フルカウント:10球)の遊技球を入球可能又は入球容易に設定されたラウンド遊技である。短開放のラウンド遊技は、大入賞口54の開放時間が、大入賞口54に規定数(フルカウント:10球)の遊技球を入球不能又は入球困難に設定されたラウンド遊技である。
なお、図示省略するが、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りとなる場合、複数種の小当り図柄(図柄群)から一の小当り図柄(図柄群)を選択して、その第2特別図柄の変動表示の終了時にその選択された小当り図柄(図柄群)が停止表示されることになっている。なお、この小当り図柄の種類に応じて、小当り遊技における大入賞口54の開閉パターン(開放時間、開放回数)が異なるように構成してもよい。
続いて、本実施形態における遊技状態について説明する。図8は、本実施形態における遊技状態および演出モードの遷移図である。本実施形態では、複数種の遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態が設定されている。その遊技状態の種類として、(1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」又は「確変遊技状態」と呼称し、(2)特別図柄の確率変動機能および特別図柄の変動時間短縮機能が作動して電チューサポート機能が作動しない遊技状態を「潜伏確変遊技状態」又は「潜伏確変状態」と呼称し、(3)特別図柄の確率変動機能が作動せずに特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「時短状態」又は「時短遊技状態」と呼称し、(4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」又は「通常遊技状態」と呼称する。ここで、「確変遊技状態」、「潜伏確変遊技状態」および「時短遊技状態」は、いずれも「通常遊技状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、各遊技状態は、特別図柄の確率変動機能の作動状態(高確率状態/低確率状態)と、電チューサポート機能の作動状態(高ベース状態/低ベース状態)との組み合わせにより、(1)確変遊技状態を「高確率高ベース状態」、(2)潜伏確変遊技状態を「高確率低ベース状態」、(3)時短遊技状態を「低確率高ベース状態」、(4)通常遊技状態を「低確率低ベース状態」と表現することもできる。ここで、特別図柄の変動時間短縮機能については、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、少なくともその遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の変動時間が短縮されていればよい。つまり、本実施形態において、特別図柄の変動時間短縮機能が作動していると言えるのは、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)では第1特別図柄の変動時間が短縮され、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態)では第2特別図柄の変動時間が短縮されていればよい。
図9は、本実施形態における遊技状態設定テーブルを示す模式図である。遊技状態設定テーブルには、各大当り種別(図柄群の種類)に対して、その大当り遊技の終了後に移行する遊技状態が設定されている。本実施形態において、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り遊技の終了後の遊技状態は、(A)大当り種別(図柄群の種類)と、(B)大当り当選時の遊技状態とに応じて設定される。なお、各遊技状態の継続回数(特別図柄の変動表示の回数)は、特別図柄の確率変動機能が作動する確率変動回数(確変作動回数)と、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する変動時間短縮回数(時短作動回数)と、電チューサポート機能が作動する入球容易状態回数(電サポ作動回数)とに基づき設定される。
第1特別図柄において「10R特定大当り(図柄群A)」、「4R特定大当り1(図柄群B)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として潜伏確変遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に潜伏確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、入球容易状態回数「0回」が設定される。従って、潜伏確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで潜伏確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで潜伏確変遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。
第1特別図柄において「4R特定大当り2(図柄群C)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、入球容易状態回数「100回」が設定される。従って、確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで確変遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。
第1特別図柄において「4R通常大当り(図柄群D)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「70回」、入球容易状態回数「70回」が設定される。従って、時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達するまで、又は、この特定回数(70回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで時短遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。
第2特別図柄において「10R特定大当り(図柄群E)」、「6R特定大当り(図柄群F)」、「4R特定大当り1(図柄群G)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に応じて、その大当り遊技の終了後に設定される遊技状態が異なる。具体的には、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態である場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定され、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態、確変遊技状態又は潜伏確変遊技状態である場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態として潜伏確変遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、入球容易状態回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後に潜伏確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、入球容易状態回数「0回」が設定される。従って、確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで確変遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。同じく、潜伏確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで潜伏確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで潜伏確変遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。
第2特別図柄において「4R特定大当り2(図柄群H)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、入球容易状態回数「100回」が設定される。従って、確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで確変遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。
第2特別図柄において「2R通常大当り(図柄群I)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「50回」、入球容易状態回数「50回」が設定される。従って、時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が特定回数(50回)に到達するまで、又は、この特定回数(50回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで時短遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。
ここで、上述したように、大当りの発生は遊技状態の移行契機となり得るが、小当りの発生は遊技状態の移行契機とはならない。すなわち、特別図柄の当否判定の結果が小当りとなる場合、その遊技状態の終了条件となる最終回の変動表示(例えば、確変遊技状態および潜伏確変遊技状態の100回転目の変動表示、時短遊技状態の70回転目の変動表示)を除いて、小当り当選時の遊技状態がそのまま継続され、小当り当選を契機として遊技状態の移行制御は行われない。つまり、小当り発生前の遊技状態が通常遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常遊技状態となり、小当り発生前の遊技状態が時短遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も時短遊技状態となり、小当り発生前の遊技状態が確変遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も確変遊技状態となり、小当り発生前の遊技状態が潜伏確変遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も潜伏確変遊技状態となる。
本実施形態では、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利度合いの高い遊技状態として、時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態を「有利遊技状態」とも呼称する。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、図10〜図14に示すように、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態に基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。この変動パターン選択状態と、変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。
ここで、変動パターン選択状態について説明する。変動パターン選択状態とは、変動パターン(変動パターンテーブル)を選択する際に参照される選択条件の一つである。本例では、複数種の変動パターン選択状態として、「通常選択状態」、「限定頻度選択状態」、「時短選択状態」、「潜確選択状態」、「確変選択状態」が設定されている。通常選択状態および限定頻度選択状態は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能のいずれも作動していない遊技状態(通常遊技状態)において設定される変動パターン選択状態である。但し、限定頻度選択状態は、有利遊技状態(時短遊技状態、確変遊技状態、潜伏確変遊技状態)が終了したことに基づき通常遊技状態に移行した場合、この通常遊技状態に移行した直後の一定期間(第2特別図柄の作動保留球の最大個数(4個)に対応した変動表示回数(4回)に亘る期間:以下「限定期間」と称する)のみ限定的に設定される変動パターン選択状態である。そのため、通常遊技状態の実行中は、上記の限定期間(特殊選択状態が設定される期間)を除き、通常選択状態が設定される。時短選択状態は、特別図柄の確率変動機能は作動しないが、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動している遊技状態(時短遊技状態)において設定される変動パターン選択状態である。確変選択状態は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能の全てが作動している遊技状態(確変遊技状態)において設定される変動パターン選択状態である。潜確選択状態は、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能が作動し、電チューサポート機能が作動していない遊技状態(潜伏確変遊技状態)において設定される変動パターン選択状態である。なお、本実施形態では、上記限定期間を、第2特別図柄の作動保留球の最大個数に対応させた4回転の変動表示に亘る期間として設定しているが、この構成に限定されるものではなく、例えば5回転以上の変動表示に亘る期間として設定してもよい。
各変動パターンテーブルは、図10〜図14に示すように、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで参照する欄が相違しており、同一の特別図柄変動パターン乱数値を取得したとしても、互いに異なる変動パターンが選択され得るようになっている。ここで、各図に記載されている作動保留球の個数(「保留0個」、「保留1〜2個」、「保留3個」)は、第1特別図柄の変動パターン抽選であれば、第1特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味し、第2特別図柄の変動パターン抽選であれば、第2特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味する。この作動保留球の個数は、変動パターンの抽選時(当該変動表示の開始時/保留消化後)に存在する作動保留球の個数である(当該変動表示により消化された作動保留球は含まない)。なお、その変形例としては、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の合算値を使用してもよい。また、限定頻度状態においては、第1特別図柄、第2特別図柄に関係なく、共通のテーブルを使用して変動パターン抽選を行うものであって良い。
特別図柄の変動表示と連動して行われる装飾図柄の変動演出は、特別図柄の変動パターンの種別(変動時間)などに基づき決定される。図10〜図14には、参考として、各変動パターン(変動時間)に対応して設定される変動演出の内容も記載している。図中、「超短縮変動」、「短縮変動」、「通常変動」は、3列の装飾図柄が変動して、一度もリーチ状態を経由せずに、いわゆるバラケ目で「はずれ」となる演出である。以下では、超短縮変動、短縮変動及び通常変動をまとめて「非リーチはずれ」とも称する。この非リーチはずれでは、通常変動よりも短縮変動、短縮変動よりも超短縮変動の方が短い時間で変動表示が停止する点で相互に変動態様が異なる。「Nリーチ(ノーマルリーチ)」は、3列ある装飾図柄のうち2列(一般的には左列及び右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(リーチ状態)で、残り1列(一般的には中列)に異なる装飾図柄が停止したならば「はずれ」となり、残り1列(一般的には中列)に同一の装飾図柄が停止したならば「大当り」となる演出である。「SPリーチ(スーパーリーチ)」は、上記のNリーチよりも相対的に大当り期待度の高いリーチ演出であり、Nリーチから発展して、例えばアニメや実写等の静止画・動画などが表示される演出である。「超ロング変動」は、変動時間が極めて長時間に設定された演出である。「即当り」は、変動時間が極めて短時間に設定され、当該変動表示の開始直後、リーチ状態を経由することなく即時に「大当り」又は「小当り」となる演出である。
(変動パターンテーブル1)
図10は、変動パターンテーブル1を示す模式図である。変動パターンテーブル1は、現在滞在中の変動パターン選択状態が通常選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル1は、当否判定の結果(大当り、小当り、はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
はずれ用の変動パターンテーブル1には、変動パターンPH1−1(短縮変動)、PH1−2(通常変動)、PH1−3(Nリーチ)、PH1−4(SPリーチ)、PH1−5(超ロング変動)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合、変動パターンPH1−1(短縮変動)、PH1−2(通常変動)、PH1−3(Nリーチ)、PH1−4(SPリーチ)のうちの何れかが選択される。このとき、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合には、第1特別図柄の作動保留球数に応じて参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第1特別図柄の作動保留球数が多いほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に短く設定された変動パターンが選択されやすく、第1特別図柄の作動保留球数が少ないほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に長く設定された変動パターンが選択されやすい。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合、変動パターンPH1−5(超ロング変動)が選択される。つまり、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合には、第2特別図柄の作動保留球数に依存することなく、その選択対象の変動パターンが固定的となる(第2特別図柄の変動時間が極めて長く設定された長ロング変動のみが選択される)。
大当り/小当り用の変動パターンテーブル1には、変動パターンPA1−1(Nリーチ)、PA1−2(SPリーチ)、PA1−3(超ロング変動)、PA1−4(超ロング変動)、PA1−5(超ロング変動)、PA1−6(超ロング変動)、PA1−7(超ロング変動)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別が特定大当り(10R特定大当り、4R特定大当り1、4R特定大当り)であれば、変動パターンPA1−2(SPリーチ)が選択され、大当り種別が通常大当り(4R通常大当り)であれば、変動パターンPA1−1(Nリーチ)又はPA1−2(SPリーチ)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存せず、変動パターンPA1−3(超ロング変動)、PA1−4(超ロング変動)、PA1−5(超ロング変動)、PA1−6(超ロング変動)、PA1−7(超ロング変動)が選択される。また、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りである場合、変動パターンPA1−3(超ロング変動)が選択される。すなわち、第2特別図柄の当否判定の結果が大当り又は小当りに該当する場合には、第2特別図柄の変動時間が極めて長く設定された超ロング変動のみが選択される。
(変動パターンテーブル2)
図11は、変動パターンテーブル2を示す模式図である。変動パターンテーブル2は、現在滞在中の変動パターン選択状態が限定頻度選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル2は、当否判定の結果(大当り、小当り、はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
はずれ用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPH2−1(短縮変動)、PH2−2(通常変動)、PH2−3(Nリーチ)、PH2−4(SPリーチ)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合、変動パターンPA2−1(短縮変動)、PH2−2(通常変動)、PH2−3(Nリーチ)、PH2−4(SPリーチ)のうちの何れかが選択される。このとき、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合には、第1特別図柄の作動保留球数に応じて参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第1特別図柄の作動保留球数が多いほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に短く設定された変動パターンが選択されやすく、第1特別図柄の作動保留球数が少ないほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に長く設定された変動パターンが選択されやすい。なお、この変動パターンテーブル2と前述の変動パターンテーブル1とは、第1特別図柄のはずれの変動時間の選択傾向が同一に設定されている。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合、第2特別図柄の作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH2−1(短縮変動)又はPH2−5(SPリーチ)が選択される。なお、この変動パターンテーブル2は、前述の変動パターンテーブル1と比べて、第2特別図柄のはずれの変動パターンの選択傾向が異なるように設定されている。すなわち、この変動パターンテーブル2は、前述の変動パターンテーブル1と比べて、第2特別図柄のはずれの変動時間が短縮化されている(相対的に短い変動時間が選択されやすくなっている)。
大当り/小当り用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPA2−1(即当り)、PA2−2(Nリーチ)、PA2−3(SPリーチ)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別が特定大当り(10R特定大当り1、4R特定大当り1、4R特定大当り2)であれば、変動パターンPA2−3(SPリーチ)が選択され、大当り種別が通常大当り(4R通常大当り)であれば、変動パターンPA2−2(Nリーチ)又はPA2−3(SPリーチ)が選択される。なお、この変動パターンテーブル2と前述の変動パターンテーブル1とは、第1特別図柄の大当りの変動時間の選択傾向が同一に設定されている。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別が特定大当り(10R特定大当り、6R特定大当り、4R特定大当り1、4R特定大当り2)であれば、変動パターンPA2−3(SPリーチ)が選択され、大当り種別が通常大当り(2R通常大当り)であれば、変動パターンPA2−2(Nリーチ)又はPA2−3(SPリーチ)が選択される。また、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りである場合、変動パターンPA2−1(即当り)が選択される。なお、この変動パターンテーブル2は、前述の変動パターンテーブル1と比べて、第2特別図柄の大当り/小当りの変動時間の選択傾向が異なるように設定されている。すなわち、この変動パターンテーブル2は、前述の変動パターンテーブル1と比べて、第2特別図柄の大当り/小当りの変動時間が短縮化されている(相対的に短い変動時間が選択されやすくなっている)。
ここで、この変動パターンテーブル2が参照される通常遊技状態の限定期間内においては、変動パターンテーブル1が参照される通常遊技状態の限定期間外と比べて、第1特別図柄の変動時間の平均値が同一に設定されて、第1特別図柄の変動効率が等しくなるように設計されている。一方、この変動パターンテーブル2が参照される通常遊技状態の限定期間内においては、変動パターンテーブル1が参照される通常遊技状態の限定期間外と比べて、第2特別図柄の変動時間の平均値が短く設定されて、第2特別図柄の変動効率が高くなるように設計されている(単位時間あたりの変動回数が多くなる)。
(変動パターンテーブル3)
図12は、変動パターンテーブル3を示す模式図である。変動パターンテーブル2は、現在滞在中の変動パターン選択状態が時短選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル3は、当否判定の結果(大当り、小当り、はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
はずれ用の変動パターンテーブル3には、変動パターンPH3−1(超短縮変動)、PH3−2(短縮変動)、PH3−3(通常変動)、PH3−4(SPリーチ)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合、第1特別図柄の作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH3−2(短縮変動)、PH3−3(通常変動)、PH3−4(SPリーチ)のうちの何れかが選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合、変動パターンPH3−1(超短縮変動)、PH3−2(短縮変動)、PH3−3(通常変動)、PH3−4(SPリーチ)のうちの何れかが選択される。このとき、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合には、第2特別図柄の作動保留球数(詳しくは第2特別図柄の作動保留球の有無に応じて)、参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第2特別図柄の作動保留球が存在していない場合よりも、第2特別図柄の作動保留球が存在している場合の方が、第2特別図柄の変動時間が相対的に短く設定された変動パターンが選択されやすくなっている。
大当り/小当り用の変動パターンテーブル3には、変動パターンPA3−1(即当り)、PA3−2(SPリーチ)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA3−2(SPリーチ)が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA3−2(SPリーチ)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りである場合、変動パターンPA3−1(即当り)が選択される。
(変動パターンテーブル4)
図13は、変動パターンテーブル4を示す模式図である。変動パターンテーブル4は、現在滞在中の変動パターン選択状態が潜確選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル4は、当否判定の結果(大当り、小当り、はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
はずれ用の変動パターンテーブル4には、変動パターンPH4−1(超短縮変動)、PH4−2(SPリーチ(引分け))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合、第1特別図柄の作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH4−1(超短縮変動)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合、第2特別図柄の作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH4−1(超短縮変動)、PH4−2(SPリーチ(引き分け))のうちの何れかが選択される。
大当り/小当り用の変動パターンテーブル4には、変動パターンPA4−1(即当り)、PA4−2(SPリーチ(勝利))、PA4−3(SPリーチ(敗北))、PA4−4(超ロング変動)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA4−4(超ロング変動)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別が特定大当り(10R特定大当り、6R特定大当り、4R特定大当り1、4R特定大当り2)であれば、変動パターンPA4−2(SPリーチ(勝利))が選択され、大当り種別が通常大当り(2R通常大当り)であれば、変動パターンPA4−3(SPリーチ(敗北))が選択される。また、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りである場合、変動パターンPA4−1(即当り)が選択される。
ここで、図中に記載された変動演出の演出内容として、「SPリーチ(勝利)」、「SPリーチ(敗北)」、「SPリーチ(引分け)」は、いずれも味方キャラクタが敵キャラクタと対戦して勝敗を決するバトル演出が展開されるバトルリーチである。つまり、この変動パターンテーブル4が参照される潜伏確変遊技状態においては、その演出モード(後述の小当りRUSHモード)として、バトルモードが採用されている。「SPリーチ(勝利)」は、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することで、当該変動表示において大当りが確定し、その大当り種別が特定大当りに当選したこと(大当り遊技の終了後に大当り確率が高確率に設定された遊技状態に再突入すること)を示唆又は報知するバトル演出となる。「SPリーチ(敗北)」は、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北することで、当該変動表示において大当りが確定し、その大当り種別が通常大当りに当選したこと(大当り遊技の終了後に大当り確率が低確率に設定された遊技状態に転落すること)を示唆又は報知するバトル演出となる。「SPリーチ(引分け)」は、味方キャラクタが敵キャラクタと引き分けることで、当該変動表示においてはずれが確定したことを示唆又は報知するバトル演出となる。従って、「SPリーチ(勝利)」および「SPリーチ(敗北)」は、当該変動表示において大当りが確定することにより潜伏確変遊技状態が終了することを示唆又は報知する潜伏確変遊技状態の終了示唆演出(後述の「潜確モード終了示唆演出」)となり、「SPリーチ(引分け)」は、当該変動表示においてはずれが確定することにより次回の変動表示の以降も潜伏確変遊技状態が継続することを示唆又は報知する潜伏確変遊技状態の継続示唆演出と(後述の「潜確モード継続示唆演出」)なる。ここで、「潜伏確変遊技状態の終了」とは、潜伏確変遊技状態が一旦終了することも含む。つまり、バトル演出にて勝利した場合は、大当り遊技が開始されるため、一旦は大当り遊技状態(通常遊技状態/低確率低ベース状態)が設定されるが、該大当り遊技の終了後は再度潜伏確変遊技状態に突入することになるため(「4R特定大当り2」を除く)、上記潜確モード終了示唆演出は潜伏確変遊技状態が「一旦」終了することを示唆又は報知していることとも言える。なお、複数種の特定大当りのうち、4R特定大当り2以外の大当り(潜伏確変遊技状態への移行契機となる大当り)に当選した場合は、バトル演出にて勝利した後、いずれの遊技状態へ移行するかを報知する演出にて潜伏確変遊技状態に移行することを報知し、4R特定大当り2(確変遊技状態への移行契機となる大当り)に当選した場合は、バトル演出にて勝利した後、いずれの遊技状態に移行するかを報知する演出にて確変遊技状態に移行することを報知するようになっている。
(変動パターンテーブル5)
図14は、変動パターンテーブル5を示す模式図である。変動パターンテーブル5は、現在滞在中の変動パターン選択状態が確変選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル5は、当否判定の結果(大当り、小当り、はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
はずれ用の変動パターンテーブル5には、変動パターンPH5−1(超短縮変動)、PH5−2(短縮変動)、PH5−3(通常変動)、PH5−4(SPリーチ)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合、第1特別図柄の作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH5−2(短縮変動)、PH5−3(通常変動)、PH5−4(SPリーチ)のうちの何れかが選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合、変動パターンPH5−1(超短縮変動)、PH5−2(短縮変動)、PH5−3(通常変動)、PH5−4(SPリーチ)のうちの何れかが選択される。このとき、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合には、第2特別図柄の作動保留球数(詳しくは第2特別図柄の作動保留球の有無に応じて)、参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第2特別図柄の作動保留球が存在していない場合よりも、第2特別図柄の作動保留球が存在している場合の方が、第2特別図柄の変動時間が相対的に短く設定された変動パターンが選択されやすくなっている。
大当り/小当り用の変動パターンテーブル5には、変動パターンPA5−1(即当り)、PA5−2(即当り)、PA5−3(SPリーチ(勝利))、PA5−4(SPリーチ(敗北))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA5−2(即当り)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別が特定大当り(10R特定大当り、6R特定大当り、4R特定大当り1、4R特定大当り2)であれば、変動パターンPA5−3(SPリーチ(勝利))が選択され、大当り種別が通常大当り(2R通常大当り)であれば、変動パターンPA5−4(SPリーチ(敗北))が選択される。また、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りである場合、変動パターンPA5−1(即当り)が選択される。
ここで、図中に記載された変動演出の演出内容として、「SPリーチ(勝利)」、「SPリーチ(敗北)」、「SPリーチ(引分け)」は、いずれも味方キャラクタが敵キャラクタと対戦して勝敗を決するバトル演出が展開されるバトルリーチである。つまり、この変動パターンテーブル5が参照される確変遊技状態においては、その演出モード(後述の確変モード)として、バトルモードが採用されている。「SPリーチ(勝利)」は、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することで、当該変動表示において大当りが確定し、その大当り種別が特定大当りに当選したこと(大当り遊技の終了後に大当り確率が高確率に設定された遊技状態に再突入すること)を示唆又は報知するバトル演出となる。「SPリーチ(敗北)」は、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北することで、当該変動表示において大当りが確定し、その大当り種別が通常大当りに当選したこと(大当り遊技の終了後に大当り確率が低確率に設定された遊技状態に転落すること)を示唆又は報知するバトル演出となる。「SPリーチ(引分け)」は、味方キャラクタが敵キャラクタと引き分けることで、当該変動表示においてはずれが確定したことを示唆又は報知するバトル演出となる。ここで、複数種の特定大当りのうち、4R特定大当り2以外の大当り(潜伏確変遊技状態への移行契機となる大当り)に当選した場合は、バトル演出にて勝利した後、いずれの遊技状態へ移行するかを報知する演出にて潜伏確変遊技状態に移行することを報知し、4R特定大当り2(確変遊技状態への移行契機となる大当り)に当選した場合は、バトル演出にて勝利した後、いずれの遊技状態に移行するかを報知する演出にて確変遊技状態に移行することを報知するようになっている。なお、遊技状態が潜伏確変遊技状態又は確変遊技状態である場合に実行されるSPリーチ(図13および図14を参照)と、遊技状態が通常遊技状態又は時短遊技状態である場合に実行されるSPリーチ(図10〜図12を参照)とは、演出内容が異なるSPリーチである。つまり、遊技状態が通常遊技状態又は時短遊技状態である場合に実行されるSPリーチは、単に大当り期待度が相対的に高いことを示唆又は報知する演出内容であるのに対し、遊技状態が潜伏確変遊技状態又は確変遊技状態である場合に実行されるSPリーチは、その演出結果に応じて大当り当選の有無および大当り種別を示唆又は報知する演出内容となっている。
このように変動パターンテーブル1〜5では、各変動パターンに対して特別図柄の変動時間が規定されているが、いずれの変動パターンが選択された場合でも、特別図柄の確定停止時間(確定表示時間)は「0.5秒」が設定されている。なお、特別図柄の確定停止時間(確定表示時間)とは、特別図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。なお、このような特別図柄の変動時間及び確定停止時間に対応して、装飾図柄の変動時間及び確定停止時間も設定されている。なお、上記変動パターンテーブル1〜5(図10〜図14)の変形例として、上記実施形態では、特別図柄の作動保留球が0個であっても、超短縮変動や短縮変動が選択され得るように構成されているが、特別図柄の作動保留球が0個である場合には、超短縮変動や短縮変動が選択されないように構成してもよい。また、上記変動パターンテーブル1(図10)の変形例として、上記実施形態では、第2特別図柄の大当り時の変動時間値が複数で、第2特別図柄の小当り時の変動時間値が1つのみであるが、第2特別図柄の大当り時の変動時間値が1つで、第2特別図柄の小当り時の変動時間値が複数あるものでもよく、また、第2特別図柄の大当り時の変動時間値および小当り時の変動時間値がそれぞれ複数あるものでもよい。また、上記変動パターンテーブル3〜5(図12〜図14)の変形例として、上記実施形態では、該変動パターンテーブル3〜5において第1特別図柄の大当り時の変動パターン(変動時間値、演出内容)がそれぞれ相違しているが、該変動パターンテーブル3〜5において第1特別図柄の大当り時の変動パターンを、常に即当り(第2特別図柄の変動演出を中止しての突然当り)による演出なしの2秒間の変動パターンとしてもよい(共通の変動パターン(変動時間値、演出内容)で構成してもよい)。また、変動パターンテーブル3(図12)における第1特別図柄の大当り時の変動パターン(変動時間値、演出内容)および選択率を、変動パターンテーブル4〜5(図13〜図14)における第1特別図柄の大当り時の変動パターン(変動時間値、演出内容)および選択率に適用してもよい。また、変動パターンテーブル4(図13)における第1特別図柄の大当り時の変動パターン(変動時間値、演出内容)および選択率を、変動パターンテーブル3,5(図12、図14)における第1特別図柄の大当り時の変動パターン(変動時間値、演出内容)および選択率に適用してもよい。また、変動パターンテーブル5(図14)における第1特別図柄の大当り時の変動パターン(変動時間値、演出内容)および選択率を、変動パターンテーブル3〜4(図12〜図13)における第1特別図柄の大当り時の変動パターン(変動時間値、演出内容)および選択率に適用してもよい。また、変動パターンテーブル3(図12)における第1特別図柄の大当り時の演出内容は、演出なしとしてもよく、その場合には30秒の変動表示後、急に大当りするような演出(突然当りであり、現在が第2特別図柄の変動表示中であればその第2特別図柄の変動表示に係る演出を中止しての突然当り)でもよい。また、変動パターンテーブル3(図12)と変動パターンテーブル5(図14)について、第2特別図柄の小当り時の変動パターン(変動時間)は、1種類の変動パターン(1種類の変動時間)のみであるが、これを複数設けてもよい。また、これらの変動パターンテーブル3,5が参照される時短遊技状態と確変遊技状態では、小当り変動表示が実行されても、その小当り遊技にて遊技球を大入賞口54に入球させるのが困難な状況となるので、小当りに当選したことや小当り遊技中であることを報知せず、演出としてははずれ変動表示のように見せるため、時短遊技状態と確変遊技状態とにおける小当り変動表示については、はずれ変動表示と同じように作動保留球の個数に応じて変動時間値を異ならせてもよく、例としては、作動保留球が0個の場合に「9秒」、作動保留球が1〜2個の場合に「4秒」、作動保留球が3個の場合に「0.5秒」としてもよい。この変動時間値と小当り遊技の実行時間との合算時間をはずれ変動表示の変動時間値に近似させることにより、あたかも1回のはずれ変動表示のように演出することが望ましい。
また、特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、演出制御基板200との通信が正常に行われているか否かを確認するための演出制御コマンド(通信検査コマンド)、変動付加情報(変動時間を加減算するための情報)を含む演出制御コマンド(変動付加情報指定コマンド)、変動パターン情報を含む演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)、キャラクタ演出番号(図柄群および遊技状態)の情報を含む演出制御コマンド(図柄指定コマンド)等を生成して(以降、これらのコマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148とを有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、図15は、普通図柄抽選の説明に供する模式図である。図中(A)は普通図柄当否抽選テーブル、図中(B)は普通図柄変動パターンテーブル、図中(C)は普通電動役物開放パターンテーブルを示している。ここで、「普通図柄の変動開始条件」とは、(ア)普通図柄の変動待機中であること、(イ)普通図柄の作動保留球が存在することである。この全ての条件を満足したときに、普通図柄が変動開始可能な状態(変動開始条件が成立した状態)であると判断される。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、図15(A)に示すように、普通図柄の当否判定の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持している。普通図柄の当り確率は、電チューサポート機能(普通図柄の確率変動機能)が作動していない場合は「1/1.02」に設定され、電チューサポート機能(普通図柄の確率変動機能)が作動している場合は「1/1.01」に設定されている。そのため、本実施形態では、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに関わらず、普通図柄の当否判定において極めて高確率で当りが導出される仕様となっている。
普通図柄停止図柄判定手段147は、不図示の普通図柄停止図柄テーブルを参照して、普通図柄の当否判定の結果が当りである場合には所定の当り図柄(普通電動役物522が作動する契機となる当り図柄)を割り当てる一方、普通図柄の当否判定の結果がはずれである場合には所定のはずれ図柄(普通電動役物522が作動する契機とならないはずれ図柄)を割り当てるようになっている。本実施形態では、普通電動役物522が作動する契機となる普通図柄の当り図柄として、例えば普通図柄A、普通図柄B、普通図柄Cといった3種類の図柄(図柄の組合せ)を有している。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。普通図柄変動パターン判定手段148は、図15(B)に示すように、普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する際に参照される普通図柄変動パターンテーブルを保持している。普通図柄の変動時間は、電チューサポート機能(普通図柄の変動時間短縮機能)が作動していない場合は「0.5秒」に設定され、電チューサポート機能(普通図柄の変動時間短縮機能)が作動している場合は「0.2秒」に設定されている。つまり、本実施形態では、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに関わらず、普通図柄の変動時間が極めて短時間に設定されている。なお、いずれの普通図柄の変動パターンが選択された場合でも、普通図柄の確定停止時間(確定表示時間)は「0.1秒」が設定されている。なお、普通図柄の確定停止時間(確定表示時間)とは、普通図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。
また、普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の当否判定の結果に応じて、普通電動役物522の開放パターン(開放時間)を決定する。普通図柄抽選処理手段145は、図15(C)に示すように、普通電動役物522の開放パターン(開放時間)を決定する際に参照される普通電動役物開放パターンテーブルを保持している。普通電動役物522の開放パターンは、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動していない場合は「1秒の開放→2秒の閉鎖→1秒の開放→2秒の閉鎖→1秒の開放」に設定され、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している場合は「5.9秒の開放」に設定されている。すなわち、普通電動役物の開放パターンとして、低ベース状態においては1秒の開放動作が3回にわたり行われるため総開放時間は「3秒」であり、高ベース状態においては5.9秒の開放動作が1回だけ行われるため総開放時間は「5.9秒」である。
特別遊技制御手段150は、当否判定の結果が大当りである場合、前記決定された大当り種別(図柄群A〜I)に応じて、大当り開始デモおよび大当り終了デモの実行時間(デモ時間)と、ラウンド遊技の実行時間(ラウンド時間)を決定する。そして、特別遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、大当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、大当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、大当り遊技中に展開される一連の大当り中演出(大当り開始デモ演出、ラウンド演出、大当り終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段150は、大当り遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウンド数の情報および大入賞口54の開放や閉鎖の情報などが含まれる。なお、大当り開始デモおよび大当り終了デモの実行時間(デモ時間)に関しては、大当り種別(図柄群A〜I)のみではなく、大当り当選時の遊技状態に応じて、同一の大当り種別(図柄群A〜I)であっても、大当り開始デモや大当り終了デモの実行時間(デモ時間)を異ならせてもよい。
また、特別遊技制御手段150は、当否判定の結果が小当りの場合、小当り開始デモおよび小当り終了デモの実行時間(デモ時間)を決定する。また、特別遊技制御手段150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。
<同時変動処理>
ここで、第1特別図柄および第2特別図柄の同時変動処理(変動中断処理、変動強制停止処理)について説明する。図16は、本実施形態における同時変動処理(変動中断処理、変動強制停止処理)を説明するための模式図である。本実施形態では、前述したように、第1特別図柄の変動開始条件の判定と、第2特別図柄の変動開始条件の判定とを別個独立して実行することで、第1特別図柄表示装置71による第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄表示装置72による第2特別図柄の変動表示とを同時並行して実行する仕様(いわゆる並列機と呼ばれるスペック)を採用している。つまり、第1特別図柄の作動保留球と第2特別図柄の作動保留球とを別個独立して消化することで、第1特別図柄および第2特別図柄について、それぞれに対応する当否抽選や変動表示等を並行して行う構成となっている。そのため、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が長時間にわたり行われたとしても、この一方の特別図柄の変動表示と並行して他方の特別図柄の変動表示が行われるため、一方の特別図柄の変動表示の実行中に、他方の特別図柄の変動表示が滞ることがない。なお、以下では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示について、大当りの変動表示を「大当り変動表示」と呼称し、小当りの変動表示を「小当り変動表示」と呼称し、はずれの変動表示を「はずれ変動表示」と呼称する。
≪変動中断処理≫
ここで、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示、小当り変動表示又ははずれ変動表示であり、他方の特別図柄の変動表示が小当り変動表示である場合に、一方の特別図柄の変動表示と他方の特別図柄の小当り変動表示とが並行して実行されている状況下において、一方の特別図柄の変動表示が終了する前に、他方の特別図柄の小当り変動表示が終了したときは、他方の特別図柄の小当り変動表示が終了したときからその小当り遊技が終了するまでの間、一方の特別図柄の変動表示が中断される(一方の特別図柄の変動表示に係る変動時間の計測が中断される)。なお、変動表示の中断とは、変動表示の一時停止という意味(後に再開されることが予定されているという意味)で用いている。そして、他方の特別図柄の小当り遊技が終了すると、一方の特別図柄の変動表示に係る変動時間の計測が再開されて、再開前の変動時間の計測時間と再開後の変動時間の計測時間との合算時間が、予め設定された規定の変動時間(設計値通りの変動時間)に達したときに、一方の特別図柄の変動表示が終了することになる。
≪変動強制停止処理≫
一方、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示であり、他方の特別図柄の変動表示が小当り変動表示又ははずれ変動表示である場合に、一方の特別図柄の大当り変動表示と他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示とが並行して実行されている状況下において、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示が終了する前に、一方の特別図柄の大当り変動表示が終了したときは、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示の計測時間が予め設定された規定の変動時間(設計値通りの変動時間)に到達する前であっても、一方の特別図柄の大当り変動表示の終了時に、それと連動又は同期させて、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示を強制的に終了させる。なお、他方の特別図柄の小当り変動表示を強制終了させる場合には、その小当り変動表示の終了時に停止表示される図柄(確定表示図柄)を、小当り図柄からはずれ図柄に差し替えるものとする。すなわち、他方の特別図柄の小当り変動表示がはずれ変動表示にて強制的に停止表示されることになる(結果的に小当り遊技はキャンセルされる)。それにより、一方の特別図柄における特別遊技(大当り遊技)と、他方の特別図柄における特別遊技(小当り遊技)とが競合する事態を回避することができる。なお、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示として開始した場合、それより後から変動開始する他方の特別図柄の変動表示は大当り変動表示以外の変動表示とする(つまり、はずれ変動表示又は小当り変動表示とし、当否判定処理にて大当りに該当する当否乱数だった場合は強制的に当否判定結果をはずれに差し替え、はずれ変動表示とする)ことが望ましい。また、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示として開始した場合、それより後から変動開始する他方の特別図柄の変動表示ははずれ変動表示(当否判定処理にて大当りや小当りに該当する当否乱数だった場合は強制的に当否判定結果をはずれに差し替え、はずれ変動表示とする)としてもよい。
なお、上記変動強制停止処理の変形例として、一方の特別図柄の大当り変動表示の終了時に、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示を強制的に終了させるのではなく、一方の特別図柄の大当り変動表示が終了したときからその大当り遊技が終了するまでの間、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示を中断(他方の特別図柄の変動表示に係る変動時間の計測を中断)させるように構成してもよい。そして、一方の特別図柄の大当り遊技が終了したときに、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示を再開させて、再開前の変動時間の計測時間と再開後の変動時間の計測時間との合算時間が、予め設定された規定の変動時間(設計値通りの変動時間)に達したときに、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示を終了させるように構成してもよい。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、大当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド543に制御信号を出力し、特別電動役物542を所定の作動パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物542の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技(単位遊技)とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数だけ連続して実行するものである。電動役物制御手段160は、特別電動役物542の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り遊技における特別電動役物542の作動終了条件(単位遊技の終了条件)とは、大入賞口54に規定カウント数(本実施形態では「10個」)の遊技球が入球したこと、又は、大入賞口54の開放時間が開放限度時間(本実施形態では「28秒」、「2秒」)に到達したことである。
また、電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド543に制御信号を出力し、特別電動役物542を短時間(1.8秒)だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される点で、複数回のラウンド遊技で構成される大当り遊技とは区別される。ここで、小当り遊技における大入賞口54の閉鎖条件(小当り遊技の終了条件)とは、大入賞口54に規定カウント数(本実施形態では「10個」)の遊技球が入球したこと、又は、大入賞口54の開放時間が開放限度時間(本実施形態では「1.8秒」)に到達したことである。
また、電動役物制御手段160は、普通図柄の当否判定の結果が当りに該当する場合、普通電動役物ソレノイド523に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物522(第2始動口52)を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、上述したように、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動していない低ベース状態において、普通電動役物522を1秒×3回(総開放時間3秒)だけ開放させるのに対して、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している高ベース状態において、普通電動役物522を5.9秒×1回(総開放時間5.9秒)だけ開放させる。ここで、普通電動役物522の作動終了条件とは、第2始動口52に所定数(本実施形態では「10個」)の遊技球が入球したこと、又は、第2始動口52の総開放時間が開放限度時間(本実施形態では「3秒」、「5.9秒」)に到達したことである。
遊技状態制御手段165は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、上記の遊技状態設定テーブルを参照して、当該大当りに係る図柄の種類と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、大当り遊技の終了後の遊技状態を切り替える。本実施形態では、前述したように、複数種の遊技状態として、通常遊技状態(低確率低ベース状態)、時短遊技状態(低確率低ベース状態)、潜伏確変遊技状態(高確率低ベース状態)、確変遊技状態(高確率高ベース状態)が設定されており、上記の遊技状態設定テーブルを参照して、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定される。なお、遊技状態設定テーブルについては既述したので、ここでは重複説明を省略する。また、上述したように、大当りの発生は遊技状態の移行契機となり得るが(大当り当選を起因として遊技状態の移行制御が実行され得るが)、小当りの発生は遊技状態の移行契機とはならない(小当り当選を起因とした遊技状態の移行制御は行われない)。
遊技状態制御手段165は、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が実行された場合に、当該大当りないし小当りの図柄種別に基づき、特別遊技の終了後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の変動パターン選択状態を切り替える。本実施形態では、複数種の変動パターン選択状態として、通常選択状態、限定頻度選択状態、時短選択状態、確変選択状態が設定されており、前記決定された遊技状態に応じて、複数種の変動パターン選択状態のうちのいずれかが択一的に設定される。なお、変動パターン選択状態については既述したので、ここでは重複説明を省略する。
遊技状態制御手段165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図4等では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆる不正遊技行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(大当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄および変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物542の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODEデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々の送信タイミングでストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
演出制御基板200は、図4に示すように、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ制御手段230、役物制御手段240、エラー演出制御手段250、サブメイン情報記憶手段260、コマンド送受信手段270、を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配されたサブメインCPU201、ROM202、RAM203、電子回路等のハードウェア及びROM202に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、サブメインCPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み演出の抽選に使用する先読み抽選乱数、装飾図柄の停止図柄の抽選に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの抽選に使用する変動演出パターン乱数、予告演出の抽選に使用する予告抽選乱数、大当り演出パターンの抽選に使用する大当り演出パターン乱数、演出ステージの移行抽選に使用するステージ抽選乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合(主制御基板100から演出制御コマンドを受信しなかった場合)の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、変動演出制御手段224、装飾図柄制御手段225、予告演出制御手段226、特別遊技演出制御手段227を含む。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板100側で管理される遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モード(「遊技演出モード」とも称する)を制御する。本実施形態では、図8に示すように、複数種の演出モードとして、通常モード、時短モード、潜確モード、確変モードが設定されており、主制御基板100側において管理される遊技状態(又は変動パターン選択状態)などに応じて、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。
基本的には、遊技状態が通常遊技状態であるときは「通常モード」が設定され、遊技状態が時短遊技状態であるときは「時短モード」が設定され、遊技状態が潜伏確変遊技状態であるときは「潜確モード」が設定され、遊技状態が確変遊技状態であるときは「確変モード」が設定される。但し、非通常遊技状態(時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態)が終了したことに基づき通常状態へ移行するときは、遊技状態が通常遊技状態へ移行した直後の上記限定期間の変動表示においては特殊演出モードが設定され、その限定期間の変動表示を終えたときに通常演出モードが設定される。限定回数とは、特別図柄の変動表示回数として「4回」である。これは第1特別図柄及び第2特別図柄の累計の変動表示回数が「4回」という意味である。つまり、上記限定期間に到達するとは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合計回数が「4回」に到達したことを意味する。なお、その変形例としては、第1特別図柄の変動表示回数のみが上限回数(4回)に到達、又は、第2特別図柄の変動表示回数のみが上限回数(4回)に到達することを契機として、特殊モードを終了させてもよい(通常モードに移行させてもよい)。そして、いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカ11から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、このコマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、対応するカウンタの値を更新(加算)する。一方、保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの変動開始コマンドを受信すると、すなわち、作動保留球が消化されると、対応するカウンタの値を更新(減算)する。また、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置70の保留画像表示部710に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。また、保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球(最先の作動保留球)が消化されることで、この作動保留球に対応する保留画像に切り替わって表示される変動中画像を表示する制御を行う。本実施形態では、明示的に言及しない限り、第1特別図柄の保留画像と第2特別図柄の保留画像とを区別せずに単に「保留画像」と称し、第1特別図柄の変動中画像と第2特別図柄の変動中画像とを区別せずに単に「変動中画像」と称する場合がある。
先読み予告制御手段223は、先読み予告演出の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み抽選」と称する)を実行する。先読み予告演出は、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出(例えばリーチ演出)発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。このとき、先読み抽選は、主制御基板100からの事前判定コマンドに含まれる事前判定結果の情報に基づき行われる。ここで、先読み予告制御手段223は、主制御基板100からの事前判定コマンドを受信すると、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口51,52への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。事前判定結果の情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の事前判定結果の情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された事前判定結果の情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
演出表示装置70の保留画像表示部710には、図示省略するが、保留画像を表示するための保留画像表示領域と、変動中画像を表示するための変動中画像表示領域とが割り当てられている。保留画像表示領域には、特別図柄の作動保留球が生起されると対応する保留画像が表示される一方、特別図柄の作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される(変動中画像に切り替わる)。保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像が最大で4個、第2特別図柄の作動保留球に対応する保留画像が最大で4個、それぞれ表示可能である。また、保留画像表示領域に表示された最先の保留画像が消化されると、この保留画像が変動中画像表示領域に移動して当該変動表示に対応した変動中画像として表示される(当該変動表示の開始時から停止時まで表示される)。具体的には、特別図柄の作動保留球が生起される毎に、1個ずつ保留画像(保留1、保留2、保留3…の保留画像)が追加表示され、また、特別図柄の作動保留球が消化される毎に、変動中画像表示領域に表示された変動中画像が消失されるとともに、保留画像表示領域に表示された保留画像(保留1、保留2、保留3…の保留画像)が1個ずつ変動中画像表示領域側へ向かって移動して、その最先の保留画像が変動中画像に切り替わって変動中画像表示領域に表示される。ここで、本実施形態においては、通常遊技状態においては第1特別図柄が遊技の主体であり、時短遊技状態、潜伏確変遊技状態および確変遊技状態では第2特別図柄が遊技の主体であるため、保留表示としては、必ずしも第1特別図柄および第2特別図柄の保留画像を最大8個まで表示するものでなく、各遊技状態で遊技の主体となっている特別図柄の保留画像を最大4個まで表示するものであってもよい。但し、その変形例として、保留画像以外に、作動保留球の個数を示す表示(例えば「0」や「4」などの個数表示であり、第1特別図柄および第2特別図柄それぞれの作動保留球の個数を両方表示するもの)を設けてもよく、この個数表示については保留画像とは異なり、遊技状態を問わず常時表示してもよい。
変動演出制御手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、変動付加情報など)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを抽選により決定する。変動演出制御手段224は、変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルが選択されるようになっている。ここで、主制御基板100側では特別図柄のメイン変動パターン(例えば「SPリーチA」や「SPリーチB」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では当該メイン変動パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した装飾図柄のサブ変動パターン(例えば「SPリーチA1,A2…」や「SPリーチA2,A3…」など)が定まる。装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この装飾図柄の変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モードを異にすれば、互いに演出内容の異なる変動演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モードごとに用意される(図示の例では、便宜上、演出モードに依存しない共通の変動演出パターンテーブルのみを用意している)。
装飾図柄制御手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(停止図柄情報、遊技状態情報)と、変動演出制御手段224により決定された上記の変動演出パターンとに基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。詳細は後述するが、本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成されており、この装飾図柄は例えば数字等からなる識別要素により形成される。画面上の装飾図柄表示部700には、上述したとおり、第1特別図柄、第2特別図柄の変動表示と連動したかたちで、装飾図柄が変動表示される。このとき、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる通常遊技状態に滞在する場合は、主として第1特別図柄に対応する装飾図柄が装飾図柄表示部700に変動表示され(第1特別図柄の変動表示と連動したかたちで装飾図柄が変動表示され)、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる非通常遊技状態(時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態)に滞在する場合は、主として第2特別図柄に対応する装飾図柄が装飾図柄表示部700に変動表示される(第2特別図柄の変動表示と連動したかたちで装飾図柄が変動表示される)。なお、その変形例として、第1特別図柄に対応する装飾図柄(「第1装飾図柄」と呼称する)と、第2特別図柄に対応する装飾図柄(「第2装飾図柄」と呼称する)とを画面上に並列表示して、第1特別図柄の変動表示と連動したかたちで第1装飾図柄が変動表示されるとともに、第2特別図柄の変動表示と連動したかたちで第2装飾図柄が変動表示される構成を採用してもよい。その場合には、画面上に、第1装飾図柄を変動表示するための第1装飾図柄表示部と、第2装飾図柄を変動表示するための第2装飾図柄表示部とを割り当てることになる。このとき、第1装飾図柄および第2装飾図柄を略同一のサイズで変動表示してもよいし、第1装飾図柄および第2装飾図柄のうち、遊技の主体となる方の装飾図柄を相対的に大きなサイズで変動表示するとともに、遊技の主体とならない方の装飾図柄を相対的に小さなサイズで変動表示又は装飾図柄を変動表示しないようにしてもよい。
また、装飾図柄制御手段225は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、小当り図柄や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。また、抽選結果が非リーチはずれである場合には、いわゆる「チャンス目」と称される特定の出目(例えば、順目として「1・2・3」や「5・6・7」など、ズレ目として「2・2・3」や「5・5・6」など)が選択されることがある。更には、擬似連続演出(いわゆる疑似連)などで、最終的な停止図柄を確定表示する前に仮停止表示させる演出を行う場合には、その仮停止図柄が選択される。チャンス目や仮停止図柄を表示させる場合は、数字の装飾図柄に対して「CHANCE」や「NEXT」などの文字を表示する特殊装飾図柄に、三図柄のうち少なくとも一の停止図柄を差し替えて表示させる場合(例えば、「1・CHANCE・3」や「2・NEXT・3」など)がある。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、次述の変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間が極短く設定された短縮変動の変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特殊の変動演出パターンである場合には、右図柄→中図柄→左図柄の順に停止させることもでき、この場合は大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。また、いずれの停止順であったとしても、変動開始時は左図柄・右図柄・中図柄が同時に変動を開始することが望ましい。但し、こちらも特殊の変動演出パターンとして、左図柄・右図柄・中図柄の順で変動を開始してもよい。
予告演出制御手段226は、変動演出制御手段224によて決定された変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを抽選により決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動表示過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り期待度は高くなっている。予告演出制御手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告抽選テーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告抽選テーブルを選択するようになっている。なお、具体的な予告演出の種類としては、例えば、コメント予告演出、背景予告演出、SU(ステップアップ)予告演出、ロゴ予告演出、ミニキャラ予告演出、群予告演出、役物予告演出などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
特別遊技演出制御手段227は、大当り遊技中であることを報知する大当り中演出の内容(大当り演出パターン)と、小当り遊技中であることを報知する小当り中演出の内容(小当り演出パターン)とを決定する。大当り中演出又は小当り中演出は、大当り遊技又は小当り遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、大当り遊技又は小当り遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。特別遊技演出制御手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンド又は小当り開始デモコマンドを受信した場合、サブメイン情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り中演出パターン又は小当り中演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターン又は小当り中演出パターンには、開始デモ演出時間と、ラウンド演出時間(大入賞口54の開放パターンに応じた演出時間)と、終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、特別遊技演出制御手段227は、大当り演出パターン又は小当り演出パターンに従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンド又は小当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンド又は小当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」の文字が表示されて、大当り遊技の開始が告げられる。また、ラウンド演出では、例えば画面上に現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、大当り遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。そして、大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」の文字が表示されて、大当り遊技の終了が告げられる。なお、小当り中演出は、上記の大当り中演出と同等の演出内容にて構成してもよいし、該小当り当選の契機となった装飾図柄の停止図柄(小当り図柄)が確定表示された状態が維持される演出でもよい。本実施形態においては、小当り中演出は、大当り中演出のように、現在大当り遊技の実行中であることを明確に報知する演出ではなく(小当りで言えば、現在小当り遊技の実行中であることを明確に報知する演出ではなく)、小当り遊技開始前の演出(変動演出)を継続的に行い、そして小当り遊技中及び小当り遊技終了後もその演出を継続的に行うことで、小当り遊技中であることをわからないように(あたかもはずれ変動表示であるかのように)見せてもよい。但し、本構成は、大当り中演出が大当り遊技の前後とは異なる演出(変動演出とは異なる演出)であることが前提となる。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色等を制御する。ランプ制御手段230は、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ80)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91へ送信する。
役物制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物24の駆動を制御する。役物制御手段240は、可動役物24を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段270は、主制御基板100からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理(詳細後述)を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理(後述する優先レベル7未満の割込み処理)よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板300へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させるかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをサブメイン情報記憶手段260のACKコマンドバッファに格納するようになっている。
[ゲームフロー]
次に、本実施形態のゲームフローについて説明する。図8は、上述したように、本実施形態における遊技状態および演出モードの遷移図である。本実施形態では、複数種の遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態が設定されている。そして、通常遊技状態に対応する演出モードとして通常モードおよび特殊モードが設定され、時短遊技状態に対応する演出モードとして時短モードが設定され、潜伏確変遊技状態に対応する演出モードとして潜確モードが設定され、確変遊技状態に対応する演出モードとして確変モードが設定されている。なお、通常遊技状態に対応する通常モードおよび特殊モードについては、演出モードの態様(背景画像、演出ステージ)としては同一の態様であってもよい。つまり、本実施形態においては、限定期間内と限定期間外とで演出モードを差別化することを目的として変動パターン選択状態(変動パターンテーブル)を相違させているのではなく、限定期間内にて第2特別図柄の作動保留球(残存保留)を高速消化することを目的としているためなので、敢えて演出モード(演出態様)を限定期間内と限定期間外とで差別化する必要はなく、むしろ同一の演出モード(演出態様)で第2特別図柄の作動保留球(残存保留)を消化することが望ましい。
<通常遊技状態>
まず、電源投入時のぱちんこ遊技機PMは、遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)に設定され、この通常遊技状態から遊技が開始される。遊技状態が通常遊技状態である場合、第2始動口52への遊技球の入球頻度よりも第1始動口51への遊技球の入球頻度の方が高く設定されているため、左打ち(左側領域PA1を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第1始動口51に入球させて、第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。この通常遊技状態に滞在しているとき、演出モードは通常モード又は特殊モードに制御される。この通常遊技状態において、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当すると、その大当り種別として、「10R特定大当り」が10%、「4R特定大当り1」が20%、「4R特定大当り2」が35%、「4R通常大当り」が35%の当選確率で発生する。大当り種別が「10R特定大当り1」又は「4R特定大当り1」である場合には、その大当り遊技の終了後に、潜伏確変遊技状態へ移行する。また、大当り種別が「4R特定大当り2」である場合には、その大当り遊技の終了後に、確変遊技状態に移行する。一方、大当り種別が「4R通常大当り」である場合には、その大当り遊技の終了後に、時短遊技状態に移行する。
<時短遊技状態>
遊技状態が時短遊技状態(低確率高ベース状態)に移行すると、電チューサポート機能が作動することで、第2始動口52への遊技球の入球容易性が高まるため、右打ち(右側領域PA2を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第2始動口52に入球させて、第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。この時短遊技状態は、特別図柄の当否判定において大当りに当選する確率は通常遊技状態と変わらず低確率であるが、電チューサポート機能が作動した高ベース状態となり、持ち球の減少を抑えながら遊技を進めすることができる。この時短遊技状態に滞在しているとき、演出モードは時短モードに制御される。この時短遊技状態において、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当すると、その大当り種別として、「10R特定大当り」が30%、「6R特定大当り」が10%、「4R特定大当り1」が10%、「4R特定大当り2」が15%、「2R通常大当り」が35%の当選確率で発生する。大当り種別が「10R特定大当り1」、「6R特定大当り」又は「4R特定大当り1」である場合には、その大当り遊技の終了後に、潜伏確変遊技状態へ移行する。また、大当り種別が「4R特定大当り1」である場合には、その大当り遊技の終了後に、確変遊技状態に移行する。一方、大当り種別が「2R通常大当り」である場合には、その大当り遊技の終了後に、再び時短遊技状態に移行する。なお、この時短遊技状態は、大当り遊技の終了後から起算して、特別図柄の変動表示回数が70回に達するまで継続する。そのため、時短遊技状態において次の大当りが発生せずに特別図柄の変動表示回数が70回に到達すると、この時短遊技状態が終了して、通常遊技状態に転落する。
<潜伏確変遊技状態>
遊技状態が潜伏確変遊技状態(高確率低ベース状態)に移行すると、電チューサポート機能が作動しなくなるため、本来であれば第1始動口51を狙った左打ちが推奨されるところであるが、本実施形態では、この低ベース状態においても第2始動口52の入球頻度が相対的に高く設定されており、この第2始動口52への遊技球の入球を契機として小当り遊技が頻発するという特徴的な遊技(小当りRUSH:詳細後述)が行われることで、左打ちにより遊技球を第1始動口51に入球させるよりも、右打ちにより遊技球を第2始動口52に入球させる方が得策となり、その結果、第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。この潜伏確変遊技状態に滞在しているとき、演出モードは潜確モードに制御される。この潜伏確変遊技状態において、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当すると、その大当り種別として、「10R特定大当り」が30%、「6R特定大当り」が10%、「4R特定大当り1」が10%、「4R特定大当り2」が15%、「2R通常大当り」が35%の当選確率で発生する。大当り種別が「10R特定大当り1」、「6R特定大当り」又は「4R特定大当り1」である場合には、その大当り遊技の終了後に、潜伏確変遊技状態へ移行する。また、大当り種別が「4R特定大当り1」である場合には、その大当り遊技の終了後に、確変遊技状態に移行する。一方、大当り種別が「2R通常大当り」である場合には、その大当り遊技の終了後に、時短遊技状態に移行する。なお、この潜伏確変遊技状態は、大当り遊技の終了後から起算して、特別図柄の変動表示回数が100回に達するまで継続する。そのため、潜伏確変遊技状態において次の大当りが発生せずに特別図柄の変動表示回数が100回に到達すると、この潜伏確変遊技状態が終了して、通常遊技状態に転落する。ここで、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合には、第2特別図柄の当否判定において小当りが頻出し且つ小当り遊技中に遊技球が大入賞口54に入球容易となることで、小当り遊技により出玉を増加させることを狙う遊技性となる。つまり、この潜伏確変遊技状態に滞在しているときは、第2始動口52に遊技球を入球させて第2特別図柄の変動表示を高頻度で行い、次の大当りが発生するまでの間、小当り遊技を高頻度で実行させることが可能である。なお、潜伏確変遊技状態(後述の小当りRUSHモード)の遊技性については後述する。
<確変遊技状態>
遊技状態が確変遊技状態(高確率高ベース状態)に移行すると、電チューサポート機能が作動することで、第2始動口52への遊技球の入球容易性が高まるため、右打ち(右側領域PA2を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第2始動口52に入球させて、第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。この確変遊技状態は、第2始動口52が入球容易状態となるとともに、特別図柄の当否判定において大当りに当選する確率が高確率となるため、第2特別図柄の大当りを早期に発生しやすくすることができる。この確変遊技状態に滞在しているとき、演出モードは確変モードに制御される。この確変遊技状態において、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当すると、その大当り種別として、「10R特定大当り」が30%、「6R特定大当り」が10%、「4R特定大当り1」が10%、「4R特定大当り2」が15%、「2R通常大当り」が35%の当選確率で発生する。大当り種別が「10R特定大当り1」、「6R特定大当り」又は「4R特定大当り1」である場合には、その大当り遊技の終了後に、潜伏確変遊技状態へ移行する。また、大当り種別が「4R特定大当り1」である場合には、その大当り遊技の終了後に、確変遊技状態に移行する。一方、大当り種別が「2R通常大当り」である場合には、その大当り遊技の終了後に、時短遊技状態に移行する。なお、この確変遊技状態は、大当り遊技の終了後から起算して、特別図柄の変動表示回数が100回に達するまで継続する。そのため、確変遊技状態において次の大当りが発生せずに特別図柄の変動表示回数が100回に到達すると、この確変遊技状態が終了して、通常遊技状態に転落する。
ここで、非通常遊技状態(時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態)において、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)又は所定回数(70回)だけ終了し、非通常遊技状態から通常遊技状態に転落すると、通常遊技状態に移行した直後の限定期間(4回転)内では、演出モードとして特殊モードが設定される。この特殊モードは、遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるときに設定される演出モードであるため、本来であれば第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄の変動表示)が遊技の主体となるはずであるが、非通常遊技状態の実行中に発生した第2特別図柄の作動保留球(4個)が残存している可能性が極めて高く、基本的には、第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。なお、詳細後述するが、この限定期間内においては、上記の第2特別図柄の作動保留球(残存保留)を効率良く消化すべく(第2特別図柄の変動時間が極めて長時間となることを回避すべく)、第2特別図柄の変動効率が相対的に高く設定されている。そして、この特殊演出モードの限定期間が終了すると(特別図柄の変動表示回数が4回に到達すると)、通常モードに移行する。この通常モードに移行すると、基本的には、既に限定期間内にて第2特別図柄の作動保留球は全て消化されているはずなので、第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性に戻る。
なお、本実施形態では、上述したとおり、遊技盤20の左側領域PA1および右側領域PA2に役連作動ゲート91,92がそれぞれ1個ずつ配設されており、いずれの遊技状態において特別図柄が大当り図柄で停止表示された場合であっても、該大当り図柄の停止表示後に遊技球を役連作動ゲート91,92に入球させたことを契機として、大当り遊技が開始される。そのため、特別図柄が大当り図柄にて停止表示されたとしても、遊技球を役連作動ゲート91,92に通過させなければ、大当り遊技は開始されない。
[潜確モードの遊技性]
次に、潜確モード(潜伏確変遊技状態)の遊技性について説明する。潜確モード(潜確遊技状態)は、第2始動口52に遊技球を入球させることを契機として第2特別図柄の当否判定において小当りを頻出させて、大当りに当選するまでの間、小当り遊技を連続的且つ集中的に発生させることを目指す遊技性である。以下、潜確モードを「小当りRUSHモード」とも呼称する。
遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合、遊技球が作動ゲート53を通過すると、普通図柄の当否判定において極めて高確率(1/1.02)で当りが導出される。この潜伏確変遊技状態(低ベース状態)においては、普通図柄の当否判定に当選すると、普通電動役物522が1秒間の開放作動を3回行う。そのため、第2始動口52を狙って右打ちを行っていれば、普通電動役物522が開放状態となっている間に遊技球を第2始動口52に入球させることが可能又は容易である。また、この潜伏確変遊技状態においては、第2特別図柄の当否判定における小当りの当選確率が極めて高確率(約1/1.1)に設定されており、しかも小当りに当選したときの第2特別図柄の変動時間が極めて短時間(0.5秒)に設定されているため、第2始動口52への遊技球の入球に基づき小当りが頻繁に発生する可能性が高い。
このとき、普通電動役物522が1秒間の開放作動を3回行っている間に、遊技球がこの第2始動口52に入球して小当りに当選した場合には、第2特別図柄の変動表示が極めて短時間のうちに終了して、小当り遊技が即開始されることになる。ここで、普通電動役物522は、1秒間の開放作動(3回目の開放作動を除く)を行った直後に、2秒間の閉鎖作動を行うようになっている。よって、小当り遊技が開始された後、右側領域PA2を流下する遊技球は、普通電動役物522が2秒間の閉鎖作動を行っている間に、該閉鎖中の普通電動役物522(可動部材524)の上面を通過して大入賞口54へと到達しやすくなっている。そのため、小当り遊技の実行中において、右側領域PA2を流下する遊技球は、普通電動役物522に入球することなく可動部材524の上面を素通りして、その斜め下方に配置された大入賞口54へ向けて流下することで、該大入賞口54に入球可能となっている。従って、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合は、第2始動口52に遊技球を入球させて第2特別図柄の変動表示を高頻度で行い、次の大当りが発生するまでの間、小当り遊技を高頻度で実行させる遊技性となる。それにより、小当り遊技を実行する度に大入賞口54に2〜3個程度の遊技球を入球させて、毎回20〜30個程度の賞球を連続して獲得することで、遊技者は持ち球を増加させながら遊技を進めることが可能となる。
一方、遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合においても、第2特別図柄の当否判定において小当りの当選確率が極めて高く、しかも小当りの変動時間が極めて短く設定されているため、小当り遊技が頻繁に発生しやすくなっている。しかしながら、小当りRUSHの遊技性を潜伏確変遊技状態のみに限定し、潜伏確変遊技状態以外の遊技状態については、該小当り遊技による持ち球の増加を抑制するため、以下のような対策が講じられている。
具体的には、遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合、遊技球が作動ゲート53を通過すると、普通図柄の当否判定において極めて高確率(1/1.01)で当りが導出される。この遊技状態(高ベース状態)においては、普通図柄の当否判定に当選すると、普通電動役物522が5.9秒間の1回の開放作動を行う。そのため、第2始動口52を狙って右打ちを行っていれば、普通電動役物522が開放状態となっている間に遊技球を第2始動口52に入球させることは極めて容易である。また、この時短遊技状態又は確変遊技状態においても、第2特別図柄の当否判定における小当りの当選確率が極めて高確率(約1/1.1)に設定されており、しかも小当りに当選したときの第2特別図柄の変動時間が極めて短時間(0.5秒)に設定されているため、第2始動口52への遊技球の入球に基づき小当りが頻繁に発生する可能性が高い。
ここで、普通電動役物522が5.9秒間の開放作動を行っている間に、遊技球がこの第2始動口52に入球して小当りに当選した場合は、第2特別図柄の変動表示が極めて短時間のうちに終了し、小当り遊技が即開始されることになる。このとき、普通電動役物522が開放作動を継続している間(第2始動口52が開放状態となっている間)に、小当り遊技が実行された場合には、右側領域PA2を流下する遊技球は、該開放中の普通電動役物522に極めて入球しやすく、大入賞口54に到達する可能性が著しく低くなる。一方、普通電動役物522が閉鎖作動した後(第2始動口52が閉鎖状態となった後)に、小当り遊技が実行された場合には、その後続の遊技球が作動ゲート53を通過してから普通電動役物522が開放作動するまでの時間が極めて短い時間(変動時間0.2秒+停止時間0.1秒)に設定されているため、この即開放された普通電動役物522に遊技球が入球し易くなっている。つまり、小当り遊技の実行中は、普通電動役物522(第2始動口52)がほぼ開きっ放しの状態となっており、右側領域PA2を流下する遊技球は、開放状態の普通電動役物522(第2始動口52)に極めて入球しやすく、その下流に配置された大入賞口54に入球させることは極めて困難である。従って、遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態(高ベース状態)である場合は、たとえ第2特別図柄の当否判定にて小当りが頻出したとしても、遊技球が大入賞口54に到達する可能性が著しく低く、小当り遊技により出玉を増やすことは極めて困難である。
なお、遊技状態が通常遊技状態(限定期間を除く)である場合にも、第2特別図柄の当否判定において小当りの当選確率が極めて高確率(約1/1.1)に設定されているが、第2特別図柄の変動時間が極めて長時間(10分以上)に設定されているため、遊技者が遊技球を第2始動口52に入球させて小当りを狙った遊技を行ったとしても、第2特別図柄の消化の効率が非常に悪く、小当り遊技を頻発させることはできない。なお、通常遊技状態の限定期間内である場合には、変動パターン選択状態として限定頻度選択状態が設定され、第2特別図柄の変動効率が相対的に高く設定されている(第2特別図柄の変動時間が極めて長時間となることはない)。このように通常遊技状態に移行した直後の限定期間内において、変動パターン選択状態として限定頻度選択状態を設けて、第2特別図柄の変動効率を高くしている理由については後述する。
[潜確モードの突入率について]
次に、潜確モード(潜伏確変遊技状態)の突入率について説明する。上記図7に示すように、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り種別が「10R特定大当り」又は「4R特定大当り1」であるときは、大当り当選時の遊技状態に依らず、大当り遊技の終了後の遊技状態として、潜伏確変遊技状態が設定される。なお、その他の大当り種別(4R特定大当り2、4R通常大当り)については、大当り当選時の遊技状態に関わらず、大当り遊技の終了後の遊技状態として、潜伏確変遊技状態が設定されることはない。このとき、第1特別図柄の大当り種別については、「10R特定大当り」が10%の当選確率で発生し、「4R特定大当り1」が20%の当選確率で発生する。従って、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合は、大当り当選時の遊技状態に依らず、潜伏確変遊技状態への突入率(移行確率)が常に「30%」となる。
一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り種別が「10R特定大当り」、「6R特定大当り」、「4R特定大当り」であるときは、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態であれば、大当り遊技の終了後の遊技状態として、確変遊技状態が設定され(潜伏確変遊技状態が設定されず)、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態であれば、大当り遊技の終了後の遊技状態として、潜伏確変遊技状態が設定される。つまり、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能が付与される特定大当りとして、「10R特定大当り」、「6R特定大当り」、「4R特定大当り」に当選した場合、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態であれば、大当り遊技の終了後に電チューサポート機能が付与されるが、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態であれば、大当り遊技の終了後に電チューサポート機能は付与されない。このとき、遊技状態が通常遊技状態である場合は、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となるため、第2特別図柄の当否判定の結果が大当り(いわゆる事故当り)となった場合に、遊技者にとって最も有利な状態となる潜伏確変遊技状態(小当りRUSHモード)に移行させるのを抑制して、公正かつ公平な遊技を担保することができる。 また、通常遊技状態において第2特別図柄の特定大当りが発生した場合に潜伏確変遊技状態ではなく確変遊技状態に移行させることで、通常遊技状態における右打ち(通常遊技状態おいても入球可能又は入球容易な第2始動口52を狙った右打ち)により第2特別図柄の特定大当りを獲得することで、通常遊技状態から潜伏確変遊技状態(小当りRUSHモード)へ強制突入するといった不正行為を防止することができる。なお、その他の大当り種別(4R特定大当り2、2R通常大当り)については、大当り当選時の遊技状態に関わらず、大当り遊技の終了後の遊技状態として、潜伏確変遊技状態が設定されることはない。このとき、第2特別図柄の大当り種別については、「10R特定大当り」が30%の当選確率で発生し、「6R特定大当り」が10%の当選確率で発生し、「4R特定大当り1」が10%の当選確率で発生する。従って、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態であれば、潜伏確変遊技状態への突入率(移行確率)が「0%」となり、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態であれば、潜伏確変遊技状態への突入率(移行確率)が「50%」となる。
そのため、本実施形態では、第1特別図柄遊技と第2特別図柄遊技とで小当りRUSHモード(潜伏確変遊技状態)への移行条件に差異を持たせるとともに、この小当りRUSHモードへ到達するまでの遊技状態の遷移の仕方にバリエーションを持たせることができるため、従来にない複雑且つ多様性のある遊技性を創出することができる。
[潜確モードの演出について]
次に、潜確モード(小当りRUSHモード)における主たる演出内容について説明する。図17は、潜確モード中に実行される演出として、潜確モード煽り演出の流れを示す模式図である。演出モードが潜確モードである場合、演出表示装置70の画面上には、第2特別図柄の変動表示に対応する変動演出が主体的に実行される。この潜確モードの実行中は、第2特別図柄の変動表示において、潜確モードが継続するか否か、或いは、潜確モードが終了するか否かを煽るための潜確モード煽り演出を実行可能である。この潜確モード煽り演出には、潜確モードが継続することを示唆又は報知する潜確モード継続演出と、潜確モードが終了することを示唆又は報知する潜確モード終了演出とが含まれる。
潜確モード(潜伏確変遊技状態)の実行中は、前述したように、第2特別図柄の変動表示に対応する変動演出として、SPリーチ演出(味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトル演出)が実行され得る。本実施形態では、このSPリーチ演出(バトル演出)が、潜確モード煽り演出を兼用する構成となっている。つまり、潜確モード煽り演出は、潜確モードが当該変動表示の以降も継続する可能性、又は、潜確モードが当該変動表示にて終了する可能性を、当該変動表示中に実行されるSPリーチ演出の演出内容(演出結果)に基づき示唆又は報知するものとなっている。なお、「潜伏モードの終了」とは、潜伏モード(潜確遊技状態)が一旦終了することも含む。つまり、バトル演出にて勝利した場合は、大当り遊技が開始されるため、一旦は大当り遊技状態(通常遊技状態/低確率低ベース状態)が設定されるが、該大当り遊技の終了後は再度潜確モード(潜伏確変遊技状態)に突入することになるため(「4R特定大当り2」を除く)、上記潜確モード終了示唆演出は潜確モード(潜伏確変遊技状態)が「一旦」終了することを示唆又は報知していることとも言える。
潜確モード中に実行されるSPリーチ演出は、上述したように、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトル演出として構成されている。このバトル演出で味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すると、当該変動表示にて「特定大当り」に当選したことが確定し、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北すると、当該変動表示にて「通常大当り」に当選したことが確定する。すなわち、このバトル演出が勝利又は敗北という対戦結果になると、当該変動表示の終了時に大当り図柄が停止表示されることが確定し、この大当り図柄が停止表示されることを契機として、潜確モードが終了することになる。従って、当該変動表示のバトル演出において勝利する演出又は敗北する演出が、当該変動表示を以って潜確モードが終了することを示唆又は報知する潜確モード終了演出として構成される。一方、バトル演出が引分けという対戦結果になると、当該変動表示の終了時にはずれ図柄が停止表示されることが確定し、当該変動表示の終了後(次回以降の変動表示)においても潜確モードが継続することになる。従って、当該変動表示のバトル演出において味方キャラクタが敵キャラクタと引き分けになる演出が、当該変動表示の終了後(次回以降の変動表示)においても潜確モードが継続することを示唆又は報知する潜確モード継続演出として構成される。
ここで、現在滞在中の演出モードが潜確モードである場合は、前述したとおり、第2特別図柄の変動表示が主体的に行われる遊技性となるため、演出表示装置70の画面上には、第2特別図柄の変動表示に対応する変動演出が主体的に行われる。一方、現在滞在中の演出モードが潜確モードであるとき、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなることで第1特別図柄の変動表示(大当り変動表示)が実行される場合は、この第1特別図柄の変動表示中又は停止表示中における所定のタイミングにおいて、第2特別図柄の変動表示に対応した変動演出を強制的に終了して、この第1特別図柄の変動表示に対応した変動演出に切り替わる。但し、画面上における第2特別図柄の変動演出だけが強制終了されるだけで、第2特別図柄表示装置72における第2特別図柄の変動表示自体は継続して行われる。なお、「所定のタイミング」とは、例えば当該変動表示において当否結果を報知するタイミング又はその直前のタイミングであることが好適である。
このとき、第1特別図柄の当否判定結果が大当りとなる場合、この第1特別図柄の大当り変動表示が終了するまでの間、第2特別図柄の当否判定は大当りが導出されることのない大当りの無抽選状態となり、第2特別図柄の当否判定の結果として「小当り」又は「はずれ」のみが導出される。そのため、第1特別図柄の大当り変動表示の実行中は、第2特別図柄の変動表示が実行されたとしても、この第2特別図柄の変動表示として、小当り変動表示又ははずれ変動表示のみが行われる。よって、第1特別図柄の大当り変動表示の実行中は、第2特別図柄の大当り変動表示が行われることはないので、この第1特別図柄の大当り変動表示が終了するまでの間に、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなったことを示唆又は報知するバトル演出(バトル勝利演出、バトル敗北演出)、すなわち、潜確モードが終了することを示唆又は報知する潜確モード終了演出が現出することはない。
一方、第1特別図柄の大当り変動表示の変動時間は極めて長時間(10分)に設定されているため、この第1特別図柄の大当り変動表示が終期に達するまでの間に(第1特別図柄の変動表示に対応する変動演出に切り替わるまでの間に)、第2特別図柄の変動表示(小当り変動表示、はずれ変動表示)が複数回実行され得ることになる。第1特別図柄の大当り変動表示が終期に達するまでの間は、第2特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示のみが実行され得ることで、この第2特別図柄の変動表示に対応した変動演出として、第2特別図柄の当否判定の結果が小当り又ははずれとなったことを示唆又は報知する演出(バトル引分け演出を含む)が実行され得る。すなわち、第1特別図柄の大当り変動表示が終了するまでの間は、潜確モードが継続することが確定的となり、第1特別図柄の変動表示に対応した変動演出に切り替えられるまでの間は、第2特別図柄の変動表示に対応した変動演出として、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれとなったことを示唆又は報知するバトル引分け演出、すなわち、潜確モードが継続することを示唆する潜確モード継続演出が実行され得るようになっている。なお、第1特別図柄の大当り変動表示が終期に達するまでの間(第1特別図柄の変動表示に対応した変動演出に切り替えられるまでの間)は、潜確モード継続演出の他に、第2特別図柄が小当り図柄で停止表示されることを契機として行われる小当り当選演出が実行され得るようになっており。なお、この小当り当選演出を潜確モード継続演出の一種として含めてもよい。
[特殊モードの変動状態について]
次に、特殊モードの変動状態について説明する。図18は、特殊モードの変動状態を説明するための模式図である。潜伏確変遊技状態は、前述したとおり、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数の合計が規定ST回数(100回)に到達するまで、或いは、次の大当りが発生するまで継続する。そのため、潜伏確変遊技状態は、次の大当りが発生することなく、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数の合計が規定ST回数(100回)に到達したことを契機として終了する。そして、この潜伏確変遊技状態が終了すると、通常遊技状態に転落することになる。この通常遊技状態は、低確率低ベース状態であり、基本的には、遊技球を第1始動口51に入球させて、第1特別図柄の変動表示を主体的に行う遊技性である。この通常遊技状態においては、上述の潜伏確変遊技状態と同様に、電チューサポート機能が作動していないものの、第2始動口52の入球容易性が或る程度確保されており、現実的には右打ちを行うことにより、遊技球を第2始動口52に入球させることが可能又は容易である。
このとき、遊技状態が通常遊技状態である場合(潜伏確変遊技状態から通常遊技状態に転落した場合)、この通常遊技状態において小当り遊技が頻発する事態を制限するため、第2特別図柄の変動時間を極めて長時間に設定することで、この通常遊技状態において右打ちを行う(第2始動口52への遊技球の入球を狙う)行為を抑制することが望ましい。遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合は、前述したように、遊技球を第2始動口52に入球させて第2特別図柄の変動表示を主体的に実行する遊技性であるため、潜伏確変遊技状態の終了時(通常遊技状態への移行時)に第2特別図柄の作動保留球が残存する可能性が極めて高い。そのため、通常遊技状態に移行した直後の数回転において、上記の第2特別図柄の作動保留球が消化されることで、第2特別図柄の変動表示が極めて長時間にわたり行われるような仕様とした場合、特に、この第2特別図柄の変動表示が大当り変動表示である場合には、その変動表示の実行中において大当り当選を示唆又は報知する特殊画面(静止画像)が長時間継続的に表示されることで、初心者等は現在の遊技状況(何が起きているのか)を理解できず、多くの遊技者に違和感を生じさせてしまう可能性がある。そこで、有利遊技状態(時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態)から通常遊技状態に移行した直後の限定期間については、変動パターン選択状態を限定頻度選択状態に設定して、第2特別図柄の変動時間を短縮化することで、第2特別図柄の残留保留を高速で消化できるようにしている。
まず、本実施形態においても、原則として、遊技状態が通常遊技状態である場合、その限定期間外(通常モード)においては、従前と同様の趣旨により、第2特別図柄の変動時間を極めて長時間(10分以上)に設定して、無暗やたらに右打ちを行う行為を抑制している。具体的に、通常遊技状態の限定期間外(通常モード)では、変動パターン選択状態が通常選択状態に設定されることで、第2特別図柄の変動時間は、変動パターンテーブル1(図10)を参照して選択されることになる。この通常選択状態では、第2特別図柄の変動表示時間は、第2特別図柄の当否判定の結果に関わらず、極端に長い変動時間が選択されるので、第2特別図柄の変動効率は極めて悪いものとなる。なお、その変形例としては、少なくとも小当り変動表示のみを極端に長い変動時間としてもよい。
一方、通常遊技状態に移行した直後の限定期間内(特殊モード)においては、変動パターン選択状態が限定頻度選択状態に設定されることで、第2特別図柄の変動時間は、変動パターンテーブル2(図11)を参照して選択されることになる。変動パターン選択状態が限定頻度選択状態である場合は、第2特別図柄の当否判定の結果に依らず、第2特別図柄の変動時間が短縮化され、変動パターン選択状態が通常選択状態である場合と比較して、第2特別図柄の変動時間の平均値が短くなる。つまり、通常遊技状態に移行した直後の限定期間内の変動表示(4回転以内の変動表示)では、この限定期間を経過した後の変動表示(5回転目以降の変動表示)よりも、第2特別図柄の変動時間(変動時間の平均値)が短縮化され、第2特別図柄の変動効率が高くなるように設定されている。そのため、この通常遊技状態に移行した直後の限定期間内では、第2特別図柄の作動保留球(残存保留)を高速消化することができ(従前のように極めて長時間の変動表示が実行されることはなく)、潜伏確変遊技状態から通常遊技状態へ転落した場合であっても、該限定期間内においてスピーディーな遊技が行われるでの、遊技者は違和感なく遊技を進めることが可能となる。なお、本実施形態の変形例として、図18について、潜伏確変遊技状態における第1特別図柄の変動表示も第2特別図柄の変動表示と同様に「短変動」としてもよい。また、図18について、通常遊技状態の限定期間内における主演出を、第1特別図柄の変動表示に対応する変動演出としてもよい(第2特別図柄の変動表示に対応する変動演出は行わず又は縮小表示等により簡素な表示態様として大当り発生時のみ表立った演出を行い、それ以外は第1特別図柄の変動表示に対応する変動演出を実行する)。
なお、変動パターン選択状態について、限定期間内の限定頻度選択状態は、限定期間外の通常選択状態と同じく、遊技状態が通常遊技状態(特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない遊技状態)であることに対応して設定される変動パターン選択状態であるため、その移行前の潜伏確変遊技状態(特別図柄の変動時間短縮機能が作動している遊技状態)に対応して設定される潜確選択状態と比べると、第2特別図柄の変動効率は相対的に低いものとなる。そのため、本実施形態においては、「通常遊技状態(通常モード)」<「通常遊技状態(特殊モード)」<「潜伏確変遊技状態(潜確モード)」の順に、第2特別図柄の変動効率が高くなるように構成されている。換言すれば、「通常遊技状態(通常モード)」<「通常遊技状態(特殊モード)」<「潜伏確変遊技状態(潜確モード)」の順に、第2特別図柄の変動時間の平均値が短くなる。この変動時間の平均値の長短の関係は、潜伏確変遊技状態以外の有利遊技状態(時短遊技状態、確変遊技状態)においても同様の関係が成立する。そのため、上記図18においては、潜伏確変遊技状態から通常遊技状態へ移行する過程を説明しているが、それに代えて、時短遊技状態又は確変遊技状態から通常遊技状態へ移行する過程を適用させても、上記と同様の関係が成立し、同様の作用・効果が得られる。なお、上記で用いた用語として「変動時間(変動表示時間)の平均値」とは、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示毎に変動表示時間を実測し、当該実測値に基づく平均値を採るという意味に限定されるものではない。より具体的には、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示毎(変動開始毎)に、その変動表示時間を決定するよう構成されている場合であって、決定(選択)されるべき変動表示時間の候補が複数種類ある場合には、当該複数種類の変動表示時間に基づく期待値(各変動時間における「選択確率×変動表示時間」の総和であり、例として、ある変動状態(ある変動パターンテーブルを参照している状態)にて、10秒が50%、30秒が30%、60秒が20%で選択される場合、「10秒×0.5+30秒×0.3+60秒×0.2=26秒」が変動表示時間の平均値)となるが、当該選択されるべき変動表示期間の候補が一種類である場合には、その一種類の変動表示期間そのものが平均値となる(例として、ある変動状態(ある変動パターンテーブルを参照している状態)にて、10秒しか選択候補がない場合、「10秒×1.0(100%)=10秒」が変動表示時間の平均値となる)。「変動表示時間の平均値」を異ならせる実現方法としては、変動表示時間の候補及び/又は選択確率を異ならせる、或いは、変動表示時間の候補及び/又は選択確率が同一であっても更なる変動表示時間を付加する際の期間値を異ならせる、等の様々な手法があるが、いずれかの手法に限定されるものではない。
[特殊モードの演出態様について]
次に、特殊モードの演出態様について説明する。ここで、通常遊技状態に移行した直後の数回転内において、第2特別図柄の当否判定結果が大当り(いわゆる事故当り)となると、この大当り当選を示唆又は報知する特殊画面(静止画像)が極めて長時間にわたり継続的に表示されることが望ましいが、このような表示を行うことで熟練の遊技者等は大当りの発生を認識して、第2特別図柄の長時間の変動表示が終了するまでの間、なるべく持ち球を減らさないように、遊技球の発射を停止してしまい、遊技機の稼働率が低下してしまう可能性がある。
そこで、図18に示すように、通常遊技状態に移行した直後の限定期間内においては、上述したとおり、変動パターン選択状態を限定頻度選択状態に設定して、第2特別図柄の変動時間の平均値を短縮化するとともに、演出表示装置70の画面上に第2特別図柄の変動表示に対応する変動演出を表示することで、極めて長時間の特殊画面が表示されることはなく、遊技者は違和感なく遊技球の発射を継続することになり、遊技機の稼働率が低下するのを未然に防止することが可能となる。
[役連作動ゲートの共通化]
従前の遊技機では、潜伏確変遊技状態が終了して通常遊技状態へ移行した直後の数回転内において、潜伏確変遊技状態中に生起した第2特別図柄の作動保留球が消化されることで、第2特別図柄の変動表示が行われやすくなっている。このとき、第2特別図柄の当否判定結果が大当り(いわゆる事故当り)となった場合に、右側領域PA2(大入賞口54の近傍)にのみ、役連作動ゲートが配置されていると、遊技者が役連作動ゲートの存在を知らず、或いは、この大当りの発生を認識できず、第1始動口54を狙って左打ちを行っていた場合には、大当り遊技の待ち状態が長く続き(なかなか大当り遊技を開始することができず)、遊技を円滑に進めることができない可能性がある。
そこで、上記図1に示すように、通常遊技状態の実行中は左打ちにより第1始動口54を狙って遊技を進める遊技性であることを前提として、この左側領域PA1に配置された第1始動口51を第1役連作動ゲート91と兼用化して、遊技球が第1始動口51に入球すればそれと同時に第1役連作動ゲート91を通過したことになる(遊技球が第1始動口スイッチ511にて検出されればそれと同時に第1役連作動ゲートスイッチ911にて検出される)構成を採用している。つまり、遊技状態が通常遊技状態である場合、遊技者は左打ちにより遊技球を第1始動口51に入球させる遊技を主体として行うことになるため、遊技球を第1始動口51に入球させることができれば、結果として、遊技球を第1役連作動ゲート91にも通過させたことになる。そのため、遊技状態が通常遊技状態である場合に、その移行前の潜伏確変遊技状態にて生起した第2特別図柄の作動保留球(残存保留)を消化されることで大当り(いわゆる事故当り)が発生した場合であっても、遊技球を第1始動口51に入球させることに基づき、該遊技球が第1役連作動ゲート91を通過したものとして取り扱うことで、遅滞なく大当り遊技に移行させることができる。よって、本遊技機PMにより遊技を行っていた遊技者が、遊技状態が通常状態に転落したことを以って遊技を終了してしまった場合(本遊技機を退席した場合)、次に座った遊技者は遊技を開始する際に、まずは第1始動口51を狙って遊技を進めるはずであるので、上記の第2特別図柄の作動保留球に基づき大当り(いわゆる事故当り)が発生した場合であっても、遊技球を第1始動口51に入球させることで、結果的に遊技球が第1役連作動ゲート91に通過したことになり、それに伴い大当り遊技が開始されることになる。そして、遊技球が第1始動口(第1役連作動ゲート91)に入球したタイミングで当該大当りの発生を報知する大当り報知演出を行えば、遊技者は違和感を生じることなく大当りの発生を認識することができる。
[外部情報信号]
次に、外部情報端子板600から出力される外部情報信号について説明する。本実施形態において、外部情報端子板600が外部情報として機外の外部装置に出力する外部情報信号には、大当り信号、連荘中信号、図柄確定信号などがある。なお、この外部情報信号には、例えば、賞球信号、扉枠開放信号、磁気センサ異常信号、断線短絡電源異常信号、異常センサ検知(入球通過時間異常等)信号など、他の信号も含まれるが、公知の技術であるため、以下では説明を省略する。
本遊技機PMの外部に設置された外部装置には、データ表示器や、ホールコンピュータなどがある。データ表示器は、遊技機PMの上部に設置されて、遊技機PMから出力される外部情報信号に基づき、遊技機PMの動作状態に関するデータ(遊技情報)を表示する装置である。このデータ表示器に表示された遊技情報は、遊技者が遊技機を選択するうえで有益な判断材料となる。ホールコンピュータは、遊技店内のホールに設置された各遊技機から出力される外部情報信号に基づき、各遊技機(本遊技機PMもその一つである)の動作状態を集計して、各遊技機の稼働状況などを管理する装置である。このホールコンピュータは、データ表示器を介して本遊技機PMに電気接続されていても、データ表示器を介さずに本遊技機PMに電気接続されていてもよい。
ここで、以下において使用する用語として、「条件装置」および「役物連続装置」という用語は、いずれも概念上の装置(制御機器)を意味している。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。この条件装置は、主制御基板100(メインCPU101)を主体に構成され、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り図柄で確定表示されることを契機として作動する概念上の装置である。役物連続作動装置とは、役連作動ゲートを搭載しない機種では、条件装置が作動することを契機として作動する装置であり、役連作動ゲートを搭載する機種では、条件装置が作動した後、遊技球が役連作動ゲートに入球したことを契機として作動する装置である。この役物連続作動装置は、主制御基板100(メインCPU101)を主体に構成され、特別電動役物542を連続して作動させるための概念上の装置である。
図19は、大当り信号のタイムチャートである。大当り信号とは、大当り中であることを示す外部情報信号である。大当り信号は、特別図柄の確率変動機能および特別図柄の変動時間短縮機能の少なくとも一方が作動している状態(通常遊技状態以外の遊技状態)において、特別図柄表示装置71,72のいずれかに条件装置が作動することとなる特別図柄(大当り図柄)が確定表示された場合、この特別図柄の確定表示時間(確定後の表示時間)が経過したときから条件装置の作動が終了するまでの間、オン出力される。なお、特別図柄の確定表示時間は、上述のとおり、「0.5秒」が設定されている。この特別図柄の確定表示時間とは、特別図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。但し、特別図柄の確率変動機能の未作動時且つ特別図柄の変動時間短縮機能の未作動時において、第2特別図柄表示装置72に条件装置が作動することとなる第2特別図柄(大当り図柄)が確定表示されることに基づき、条件装置が作動する場合は、役物連続作動装置の作動が開始したときから条件装置の作動が終了するまでの間、大当り信号がオン出力されることになる。つまり、遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるときに第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合、大当り信号は、第2特別図柄(大当り図柄)が停止表示された確定表示時間の経過時ではなく、役物連続作動装置の作動開始時からオン出力されるものとなる。ここで、本実施形態では、条件装置が作動した後、遊技球が役連作動ゲート91,92を通過したことを条件に、役物連続作動装置が作動を開始する構成であるため、大当り信号の出力開始タイミングは、遊技球が役連作動ゲート91,92を通過するタイミングに依存する。このように通常遊技状態中の第2特別図柄の大当り時に、大当り信号を役物連続作動装置の作動開始時から出力する理由としては、前述したように、遊技状態が有利遊技状態から通常遊技状態に転落したことで、遊技者が遊技を終了して本遊技機PMが空席状態となっている場合に、この通常遊技状態に転落した後の限定期間内において、第2特別図柄の作動保留球(有利遊技状態中に生起した残存保留)が消化されることで、いわゆる事故大当りが発生した場合、その大当り信号を第2特別図柄の確定表示時間の経過時から出力開始すると、本遊技機PMのデータ表示器に表示された遊技情報に基づき、本遊技機PMが大当り中であることが事前に露見されてしまい、偶然にそれを知った特定の遊技者のみが得をしてしまうという不都合が生じるからである。
図20は、連荘中信号のタイムチャートである。連荘中信号とは、連荘中であることを示す外部情報信号である。連荘中信号は、特別図柄の確率変動機能および特別図柄の変動時間短縮機能の少なくとも一方が作動している状態(通常遊技状態以外の遊技状態)において、原則的には、特別図柄表示装置71,72のいずれかに条件装置が作動することとなる特別図柄(大当り図柄)が確定表示され、少なくともこの特別図柄の確定表示時間(確定後の表示時間)が経過したときから条件装置の作動が終了するまでの間、オン出力される(付加期間については後述する)。但し、特別図柄の確率変動機能の未作動時且つ特別図柄の変動時間短縮機能の未作動時において、第2特別図柄表示装置72に条件装置が作動することとなる第2特別図柄(大当り図柄)が確定表示されることで、条件装置が作動した場合は、少なくとも役物連続作動装置の作動が開始したときから条件装置の作動が終了するまでの間、連荘中信号がオン出力される(付加期間については後述する)。つまり、遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるときに第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合、連荘中信号は第2特別図柄(大当り図柄)が停止表示された確定表示時間の経過時ではなく、役物連続作動装置の作動開始時からオン出力される。ここで、本実施形態では、条件装置が作動した後、遊技球が役連作動ゲート91,92を通過したことを条件に、役物連続作動装置が作動を開始する構成であるため、連荘中信号の出力開始タイミングは、遊技球が役連作動ゲート91,92を通過するタイミングに依存する。このように通常遊技状態中の第2特別図柄の大当り時に、連荘中信号を役物連続作動装置の作動開始時から出力する理由は、上記大当り信号を役物連続作動装置の作動開始時から出力する理由と同様である。また、連荘中信号は、上記のオン出力される期間に加えて(条件装置の作動終了時と連続的に繋がるかたちで)、上記の付加期間として、特別図柄の確率変動機能又は特別図柄の変動時間短縮機能が作動している間、すなわち、有利遊技状態(時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態)が継続している間、オン出力される。
図21は、図柄確定信号のタイムチャートである。図柄確定信号は、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動停止するたびに所定時間(例えば約0.1秒間)だけオン出力される外部情報信号である。但し、特別図柄の確率変動機能又は特別図柄の変動時間短縮機能が作動を開始してから、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が合計100回(規定ST回数)停止してその確定表示時間(停止表示時間)が経過するまでの間に、第1特別図柄の変動表示が停止した場合は、該第1特別図柄の変動表示が停止したことを契機として図柄確定信号はオン出力されない。すなわち、遊技状態が有利遊技状態(時短遊技状態、確変遊技状態、潜伏確変遊技状態)である場合は、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となるため、第1特別図柄の変動表示が停止したことを契機として、図柄確定信号がオン出力されることはなく、第2特別図柄の変動表示が停止したことを契機として、図柄確定信号がオン出力される。一方、特別図柄の確率変動機能又は特別図柄の変動時間短縮機能が作動を開始してから、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が合計100回(規定ST回数)停止してその確定表示時間(停止表示時間)が経過するまでの間以外に、第2特別図柄の変動表示が停止した場合は、該第2特別図柄の変動表示が停止したことを契機として図柄確定信号はオン出力されない。すなわち、遊技状態が通常遊技状態である場合は、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となるため、第2特別図柄の変動表示が停止したことを契機として、図柄確定信号がオン出力されることはなく、第1特別図柄の変動表示が停止したことを契機として、図柄確定信号がオン出力される。つまり、本実施形態においては、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、現在滞在中の遊技状態に応じて、その遊技の主体となる方の特別図柄の変動表示が停止したことを契機として、図柄確定信号がオン出力される。
なお、その変形例として、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の大当り変動表示が停止されたことを契機として、他方の特別図柄の変動表示を強制的に停止させる場合は、他方の特別図柄の変動表示が強制停止されることを契機として図柄確定信号をオン出力しないように構成してもよい。すなわち、上記実施形態では、上述のとおり、遊技状態が有利遊技状態(時短遊技状態、確変遊技状態、潜伏確変遊技状態)である場合は、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となるため、第1特別図柄の変動表示が停止したことを契機として、図柄確定信号がオン出力されることはなく、第2特別図柄の変動表示が停止したことを契機として、図柄確定信号がオン出力される構成となっているが、例えば、上記の同時変動処理(変動強制停止処理)として、第1特別図柄の大当り変動表示と第2特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示とが同時に行われている状態で、先に第1特別図柄の大当り変動表示が停止されたときに、それとほぼ同時に、第2特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示が強制的に停止されたときは、第2特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示が強制停止されたことを契機として、図柄確定信号をオン出力させず、第1特別図柄の大当り変動表示が停止されたことを契機として、図柄確定信号を出力するように構成してもよい。また、別の変形例として、電チューサポート機能が所定の変動表示回数だけ作動する時短遊技状態(低確率高ベース状態)において、第1始動口51が普通電動役物(電チュー)として構成される場合は、第2特別図柄の変動表示が停止したことを契機として図柄確定信号はオン出力されず、第2始動口52が普通電動役物(電チュー)として構成される場合は、第1特別図柄の変動表示が停止したことを契機として図柄確定信号がオン出力されないように構成してもよい。
<主制御基板側の処理>
次に、図22〜図37のフローチャートを参照しながら、主制御基板100における動作処理の手順について説明する。主制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図22〜図23は主制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりメインCPU101のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAM103のアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、メインCPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAM103の全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAM103の全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置70の初期化、演出ランプLPの初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物522を電源断前の状態(例えば、第2始動口52を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物542を電源断前の状態(例えば、大入賞口54を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、確変フラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、確変フラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグ(特別図柄の確率変動機能が作動している状態であることを示すフラグ)である。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御マイコン110のCTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM103のチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAM103のアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、主制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図24は、主制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、遊技制御マイコン110のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
まず、このタイマ割込みが発生すると、メインCPU101内のレジスタの内容をRAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、メインCPU101がプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ611,641、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数および特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72による変動表示および停止表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。特別図柄遊技タイマには、特別図柄の変動表示の開始時に規定の変動時間が設定され、その時間の経過に伴い減算される。なお、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示中に、他方の特別図柄の小当り遊技が実行された場合には、その小当り遊技の実行中は、一方の特別図柄の変動表示の計時が中断される。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口51の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口51の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ611、役連作動ゲートスイッチ911,921の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報をメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求、などを行う。なお、この入賞監視処理(S59)の詳細は図25を用いて後述する。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、上記の入賞監視処理での検出結果に基づき、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400へ送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート53への通過を監視し、作動ゲート53を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物522に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口51および第2始動口52への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物542に係る動作処理として、特別電動役物542の作動開始および作動終了の設定、大入賞口54の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口54の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口54の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物542が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、LED出力処理を実行する(S72)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75、各特図保留ランプ73,74、普図保留ランプ76、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S73)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたいる場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S74)このソレノイド出力処理では、各電動役物542を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド623,643に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S75)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S76)。この外部情報出力処理では、外部情報端子板600を介して、本遊技機PMに係る遊技情報を外部情報信号としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。この外部情報信号としては、例えば、賞球信号、扉枠開放信号、磁気センサ異常信号、断線短絡電源異常信号、異常センサ検知(入球通過時間異常等)信号、大当り信号、連荘中信号、図柄確定信号などがある。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、メインCPU101を割込み許可状態に設定する(S77)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S26〜S32)を実行することとなる。
≪入賞監視処理≫
次に、入賞監視処理(S59)について説明する。図25は、入賞監視処理(S59)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口スイッチ入力処理を実行する(S101)。第1始動口スイッチ入力処理では、第1始動口スイッチ511からの検出信号を入力したか否かを判定する。第1始動口スイッチ511からの検出信号を入力した場合は、遊技球が第1始動口51に入球したことを示す第1始動口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、第1始動口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、第1始動口スイッチ511からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、第2始動口スイッチ入力処理を実行する(S102)。第2始動口スイッチ入力処理では、第2始動口スイッチ521からの検出信号を入力したか否かを判定する。第2始動口スイッチ521からの検出信号を入力した場合は、遊技球が第2始動口52に入球したことを示す第2始動口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、第2始動口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、第2始動口スイッチ521からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
次いで、作動ゲートスイッチ入力処理を実行する(S103)。作動ゲートスイッチ入力処理では、作動ゲートスイッチ531からの検出信号を入力したか否かを判定する。作動ゲートスイッチ531からの検出信号を入力した場合は、遊技球が作動ゲート53を通過したことを示す作動ゲート入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、作動ゲート入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、作動ゲートスイッチ531からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、役連作動ゲートスイッチ入力処理を実行する(S104)。役連作動ゲートスイッチ入力処理では、役連作動ゲートスイッチ911,921からの検出信号を入力したか否かを判定する。役連作動ゲートスイッチ911,921からの検出信号を入力した場合は、遊技球が役連作動ゲート911,921を通過したことを示す役連作動ゲート入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶する(役連作動ゲート通過フラグをオンする)とともに、役連作動ゲート入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、役連作動ゲートスイッチ911,921からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、大入賞口スイッチ入力処理を実行する(S105)。大入賞口スイッチ入力処理では、大入賞口スイッチ541からの検出信号を入力したか否かを判定する。大入賞口スイッチ541からの検出信号を入力した場合は、遊技球が大入賞口54に入球したことを示す大入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、大入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、大入賞口スイッチ541からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、一般入賞口スイッチ処理を実行する(S106)。一般入賞口スイッチ入力処理では、一般入賞口スイッチ611からの検出信号を入力したか否かを判定する。一般入賞口スイッチ611からの検出信号を入力した場合は、遊技球が一般入賞口61〜63に入球したことを示す一般入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞データ格納領域に一時記憶するとともに、一般入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、一般入賞口スイッチ611からの検出信号の入力がなければ、今回の入賞監視処理を終了する。
≪特別図柄遊技処理≫
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、などが該当する。
(始動口監視制御処理)
始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。図26は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口51への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口51への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口51の入賞チェックを終了する。
続いて、第2始動口52への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口52への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口52の入賞チェックを終了する。
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、S204又はS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S210)。
次いで、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(S211)。事前判定タイミングである場合(S211:YES)には、始動口入賞時に取得された各種乱数に基づく先読み判定情報を生成するため、当り乱数バッファ(保留n記憶領域またはレジスタなど)から特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(S212)。そして、この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S213)。
また、当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(S214)。そして、この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S215)。さらに、変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(S216)。そして、この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
(特別図柄変動開始監視制御処理)
次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。図27は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の両方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第1特別図柄および第2特別図柄の両方について特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)が並列的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスが「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S302)。第1特別図柄が変動待機中である場合(S302:YES)は、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S303)。第1特別図柄の作動保留球数が「0」でない場合(S303:NO)、すなわち、第1特別図柄の作動保留球が存在している場合は、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S305)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。
続いて、第2特別図柄が変動待機中であるか、すなわち、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S306)。第2特別図柄が変動待機中である場合(S306:YES)は、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S307)。第2特別図柄の作動保留球数が「0」でない場合(S307:NO)、すなわち、第2特別図柄の作動保留球が存在している場合は、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S308)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S309)に移行する。特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)の詳細は図28を用いて後述する。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S306:NO,S307:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)をスキップする。
(特別図柄変動開始監視処理)
次に、特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)について説明する。図28は、特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)では、上述のS304又はS308で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。また、この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する。
続いて、図柄判定処理を実行する(S330)。図柄判定処理(S330)では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。そして、今回決定した特別図柄の停止図柄(図柄群)、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された停止図柄(図柄群)の種類と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
続いて、特別図柄の当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(S341)、特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。特別図柄の当否判定の結果が小当りである場合(S341:YES)は、S349に移行し、特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合(S341:NO,S342:NO)は、S351に移行する。
特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合(S341:NO,S342:YES)は、他方の特別図柄の当否判定データが大当りデータ(大当りデータ「55H」)であるか否かを判定する(S343)。他方の特別図柄の当否判定データが大当りデータである場合(S343:YES)は、大当りの重複を禁止すべく、上記S320にて導出した特別図柄の当否判定の結果を「大当り」から「はずれ」に差し替えて、S351に移行する。
次いで、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後において特別図柄の確率変動機能が作動する回数として、確率変動回数を決定する(S345)。また、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後において特別図柄の変動時間短縮機能が作動する回数として、変動時間短縮回数を決定する(S346)。さらに、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後において電チューサポート機能が作動する回数として、入球容易状態回数を決定する(S347)。この判定結果(確率変動回数、変動時間短縮回数、入球容易状態回数)は、メイン情報記憶手段180の時短回数格納領域および入球容易状態回数格納領域に記憶される。続いて、S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)に基づき、大当り遊技(ラウンド遊技)中の特別電動役物542の作動パターンを設定する(S348)。具体的には、特別電動役物542の作動パターンとして、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドにおける大入賞口54の開放パターン(最大開放時間)などを設定する。
次いで、S330で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、大当り遊技終了後又は小当り遊技後の変動パターン選択状態を設定する(S349)。続いて、S330で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S350)。次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S351)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S352)。
(特別図柄制御処理)
次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。図29は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物542が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。特別電動役物542が未作動中である場合(S401:YES)には、第1特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。第1特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S404)に移行する。他方、第1特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S405)。第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S405:YES)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S406)、特別図柄制御汎用処理(S407)に移行する。
なお、特別図柄制御汎用処理(S404,S407)では、上述のS403又はS406で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理(S404,S407)の詳細は図30を用いて後述する。
(特別図柄制御汎用処理)
続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S404,S407)。ここで、図30は、特別図柄制御汎用処理(S404,S407)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄制御汎用処理(S404,S407)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411〜S414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。この特別図柄変動開始処理(S420)の詳細は図31を用いて後述する。一方、S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。この特別図柄変動中処理(S430)の詳細は図32を用いて後述する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細は図33〜図34を用いて後述する。
(特別図柄変動開始処理)
次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。図31は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
まず、当否抽選の結果および変動パターン選択状態等に基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(S421)。続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、通信検査コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
(特別図柄変動中処理)
次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図32は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
まず、変動中断フラグがオンであるか否かを判定する(S430)。なお、「変動中断フラグ」とは、他方の特別図柄遊技として小当り遊技が実行されていることを示すフラグである。変動中断フラグがオフである場合(S430:NO)、すなわち、他方の特別図柄遊技として小当り遊技の実行中ではない場合は、特別図柄の変動表示を行うため、変動中表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この変動中表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の変動表示中又は停止表示中の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。
一方、変動中フラグがオンである場合(S430:YES)、すなわち、他方の特別図柄遊技として小当り遊技の実行中である場合は、処理対象の特別図柄の変動表示を中断するため、変動中断中表示パターン番号切替処理を実行する(S432)。この変動中断中表示パターン番号切替処理(S432)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の変動表示の中断中の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄の変動表示を中断させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S433)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S433:YES)には、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S434)。
続いて、上記S320にて設定した特別図柄の当否判定データは大当りデータであるか否かを判定する(S435)。当否判定データが大当りデータである場合(S435:YES)は、他方の特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(S436)。他方の特別図柄が変動表示中である場合(S436:YES)は、当該他方の特別図柄の変動時間が規定の変動時間に到達する前であっても、他方の特別図柄の変動表示を強制的に終了させる(S437)。つまり、他方のはずれ又は小当りの変動表示を強制的にはずれ図柄で停止させる。続いて、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S438)。
次いで、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S439)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S440)。
(特別図柄停止図柄表示中処理)
次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。図33〜図34は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。当否判定データが大当りデータである場合(S443:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動停止(S444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S445)、電チューサポート機能の作動停止(S446)、を順に行う。具体的には、確変フラグに「00H(オフ)」を設定するとともに、確率変動回数カウンタ、変動時間短縮回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
次いで、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(S447)。続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S448)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S449)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S450)。
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S451)。特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(S451:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。続いて、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合(S453:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(S454)。減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合(S453:NO)には、S454をスキップして、S455に移行する。
次いで、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合(S455:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。続いて、時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。時短回数カウンタがゼロである場合(S457:YES)には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(S458)。減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合(S457:NO)には、S458をスキップして、S459に移行する。
次いで、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S459)。電チューサポート機能が作動中である場合(S459:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS460)。続いて、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合(S461:YES)には、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(S462)。減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合(S461:NO)には、S462をスキップして、S463に移行する。
次いで、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(S463)。そして、変動パターン選択状態を更新する(S464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数が予め設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次いで、前述のS451〜S464にて更新された現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定および更新を実行する。
続いて、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(S466)。小当りデータが格納されている場合(S466:YES)には、他方の特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(S467)。他方の特別図柄が変動表示中である場合(S467:YES)は、メイン情報記憶手段180に設定された変動中断フラグをオンする(S468)。つまり、本処理の対象となる特別図柄について小当り遊技が実行されることを契機として、他方の特別図柄の変動表示を中断すべく、変動中断フラグをオンする。なお、他方の特別図柄が変動表示中でない場合(S467:NO)は、S468をスキップする。
次いで、小当り遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始デモコマンド)を生成する(S469)。続いて、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(S470)。そして、特別図柄の当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(S471)。
他方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合(S466:NO)、すなわち、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合には、S467〜S471をスキップする。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、元々はずれデータとして「00H」が格納されているからである。
(特別電動役物制御処理)
次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。図35〜図37は、電動役物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)は、役連作動ゲート通過フラグがオンであるか否かを判定する(S502)。役連作動ゲート通過フラグがオンである場合(S502:YES)は、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物542が作動中であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物542が作動していない場合(S503:NO)は、特別電動役物542の作動開始時間であるか否かを判定する(S504)。特別電動役物542の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物542の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物542の作動開始時間である場合(S504:YES)には、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S505)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。そして、特別電動役物542の作動を開始して(S506)、特別電動役物542の作動中の処理として、S507〜S511の処理を実行する。
特別電動役物542の作動中の処理として、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞したか否かを判定するとともに(S507)、特別電動役物542の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S508)。このとき、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞した場合(S507:YES)又は特別電動役物542の作動時間が経過した場合(S508:YES)には、特別電動役物542の作動を停止させる(S509)。そして、特別電動役物542の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S510)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S510:NO)は、特別電動役物542の連続作動回数を1インクリメントする(S511)。
他方、特別電動役物542の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S510:YES)には、S512に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(S512)。
次いで、確率変動回数カウンタに、上記S345で決定した確率変動回数情報を格納する(S513)。また、変動時間短縮回数カウンタに、上記S346で決定した変動時間短縮回数情報情報を格納する(S514)。また、入球容易状態回数カウンタに、上記S347で決定した入球容易状態回数情報を格納する(S515)。
続いて、上記S340で決定された図柄群の種類(大当り種別)を参照して、条件装置の作動が特定図柄(いわゆる確変図柄)による作動であるか否かを判定する(S516)。特定図柄による条件装置の作動である場合(S516:YES)には、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに作動時データ「64H」を格納して、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S517)。他方、特定図柄による条件装置の作動でない場合(S516:NO)には、確率変動回数カウンタに未作動時データ「00H」を格納して、S517をスキップする。
続いて、上記S514で設定された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S518)。変動時間短縮機能作動データである場合(S518:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S519)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S518:NO)には、S519をスキップする。
続いて、上記S515で設定した入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S520)。電チューサポート機能作動データである場合(S520:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S521〜S523)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S521)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S522)、普通電動役物522の開放延長機能の作動開始(S523)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S521〜S523をスキップする。
次いで、上記S349で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S524)。続いて、前述のS513〜S524にて設定された特別遊技後の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S525)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードなどを設定する。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S526)。
他方、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」でない場合(S501:NO)には、S530に移行して、特別電動役物遊技ステイタスが「02H(小当り遊技)」であるか否かを判定する(S530)。特別電動役物遊技ステイタスが「02H」である場合(S530:YES)には、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
その小当り遊技処理において、まず、特別電動役物542が作動中であるか否かを判定する(S531)。特別電動役物542が作動していない場合(S531:NO)には、特別電動役物542の作動を開始する(S532)。他方、特別電動役物542が作動中である場合(S531:YES)には、S532をスキップする。
続いて、特別電動役物542の作動中の処理として、大入賞口54に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S533)、特別電動役物542の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S534)。このとき、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞した場合(S533:YES)又は特別電動役物542の作動時間が経過した場合(S534:YES)には、特別電動役物542の作動を停止する(S535)。
次いで、小当り遊技が終了することに伴い、変動中断フラグをオフする(S536)。なお、この変動中断フラグがオフとなることを契機として、他方の特別図柄の変動表示について中断状態が解除され、当該変動表示が再開されることになる(特別図柄遊技タイマによる当該変動表示に係る変動時間の計測が再開される)。
続いて、小当り遊技の終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り終了デモコマンド)を生成する(S537)。次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S538)。続いて、上記S537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S539)。この遊技状態指定コマンドは、演出制御基板200側で、演出モードの移行契機の判定、移行先の演出モードの特定などに用いられる。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S540)。
<演出制御基板側の処理>
次に、図38〜図43のフローチャートを参照しながら、演出制御基板200における動作処理の手順について説明する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後などサブメインCPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号に起因して起動される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んで構成される。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が発生したときの優先度を示す優先レベルが設定されている。本例では、「電源リセットによるリセット開始処理:最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理:最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理:レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理:レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理:レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理:レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、サブメインCPU201が不正な命令を実行したとき、サブメインCPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理内では、基本的には、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させるかたちで各割込み処理が起動される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的には当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。そして、各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、演出制御マイコン210(割込みコントローラ)のレジスタ設定によって規定される。
《リセット開始処理》
まず、演出制御基板200のリセット開始処理について説明する。図38は演出制御基板200のリセット開始処理を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、サブメインCPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S601以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(S601)。そして、各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(S602)。
続いて、ハードウェアに関する基本的な設定として、サブメインCPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(S603)。さらに、演出制御マイコン210のRAM203内のメモリ領域を初期化する(S604)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。また、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムをRAM203に適宜展開する。
続いて、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(S605)。次いで、予め各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を行う(S606)。さらに、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ80)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(S607)。そして、サブメインCPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(S608)。
続いて、遊技演出の主たる処理として演出制御側メイン処理を実行する(S609)。この演出制御側メイン処理(S609)の詳細は図39を用いて後述する。なお、前記S609で演出制御側メイン処理へ移行すると、メイン処理から当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグ等の発生によって、万が一、この処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
《演出制御側メイン処理》
次に、演出制御基板200の演出制御側メイン処理(S609)について説明する。図39は演出制御側メイン処理(S609)を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で制御プログラムがRAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(S611)。続いて、全ての割込みを許可(各種の割込み処理の起動を許可)する(S612)。
次いで、デバイスの初期化動作を実行する(S613)。この初期化動作は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイド等のデバイスによって可動役物24の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物24は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
続いて、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(S614)。このとき、サブメインCPU201がプログラムを正常に実行しているときは、予め設定されたタイムアウト時間内に、サブメインCPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
続いて、入力ポートチェック処理を実行する(S615)。この入力ポートチェック処理では、後述のタイマ割込み処理におけるポート入出力処理S912でのI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを割込み発生毎に監視して、複数回(例えば4回)の監視において入力ポートの状態が全て「1」の場合は信号レベルを「1(Hレベル)」、全て「0」の場合は信号レベルを「0(Lレベル)」、それ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
続いて、エラー演出管理処理を実行する(S616)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(S622)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(S920)にて16ms周期で減算更新される。そして、エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
続いて、演出ボタン監視制御処理を実行する(S617)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄の変動変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、所定の操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、演出ボタン15の入力状態に関する情報を保持する。
続いて、予告抽選管理処理を実行する(S618)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターンを抽選で決定する。ここで決定された予告演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の予告演出パターン格納領域に一時記憶される。また、この予告演出パターン番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターンが選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(S619)にて、可動役物24の駆動パターンが特定される。なお、本例では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、先発のメインループ処理内で抽選を行うようになっている。
次に、デバイス管理処理を実行する(S619)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(S620)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、ROM203に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプLPのランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本例において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画等する場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物24の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データ等)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力され、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプLPを消灯させ、又は、可動役物24の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
続いて、コマンド解析処理(S620)を実行する。このコマンド解析処理では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理(S620)の詳細は図40を用いて後述する。
そして、今回のループ処理中で、コマンド解析(演出制御コマンドの解析)を実行したか否かを判定する(S621)。コマンド解析直後の場合(S621:YES)は、S614に戻り、次のループ処理へ移行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合(S621:NO)、すなわち、コマンドバッファが空である場合には、所定時間が経過するまで、演出抽選乱数更新処理を実行する(S622)。なお、本実施形態では、上記の所定時間として、ランプLPの切り替え制御の最小単位(32ms)の半分の時間となる「16ms」が設定されている。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの各種の演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
(コマンド解析処理)
次に、コマンド解析処理(S622)について説明する。図40は、コマンド解析処理(S622)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100からの演出制御コマンドがサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納されているか否かを監視して、格納された演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S631)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)には、演出状態移行処理(S632)へ移行する。演出状態移行処理(S632)では、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態情報および変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S633)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合(S633:YES)には、保留情報管理処理(S634)へ移行する。この保留情報管理処理(S634)では、サブメイン情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留画像表示部710に表示される保留画像の表示個数および表示態様(表示色など)を更新するための処理を行う。
次いで、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S635)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合(ステップS635:YES)には、変動演出内容決定処理(S636)へ移行する。この変動演出内容決定処理(S636)では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には装飾図柄の変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には装飾図柄の変動演出を終了させるための処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S637)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドが含まれる。大当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS637:YES)には、大当り演出内容決定処理(S638)へ移行する。この大当り演出内容決定処理(S638)では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S639)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドが含まれる。小当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS639:YES)には、小当り演出内容決定処理(S640)へ移行する。この小当り演出内容決定処理(S640)では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S641)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合(S641:YES)には、エラー演出内容決定処理(S642)へ移行する。このエラー演出内容決定処理(S642)では、サブ情報記憶手段280からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出ランプLPの点灯やスピーカ11の音声などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合(S631:NO、S633:NO、S635:NO、S637:NO、S639:NO、S641:NO)は、何もせずコマンド解析処理を終了する。
《演出制御コマンドの受信割込み処理》
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理を説明する。図41は、演出制御コマンドの受信割込み処理を示すフローチャートである。この演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、主制御基板100からのストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生することで開始され、この割込み処理において各種の演出制御コマンドが取得されるようになっている。なお、演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含む構成となっており、主制御基板100から演出制御基板200へ、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。以下では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも称する。
まず、主制御基板100からのストローブ信号に基づく割込みが発生すると、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(S901)。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読み込み、2回連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値が確定となる。これはノイズ等により演出制御コマンドの読み取りが失敗するおそれがあるためであり、2回連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値を確定とはしない。
続いて、今回受信したコマンドが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば、第1コマンド(MODE)であるか第2コマンド(EVENT)であるかを判定する(S902)。今回受信したコマンドが第1コマンドである場合(S902:YES)は、当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(S903)。そして、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報をサブメイン情報記憶手段260の演出抽選乱数格納領域に一時記憶する(S904)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドは遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など物理的に不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることで取得時期に周期性を出さないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまう等の不都合が発生し難くなる。
一方、今回受信したコマンドが第2コマンドである場合(S902:NO)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(S905)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定して、演出制御コマンドの組合せに矛盾がないかを確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合(S905:YES)は、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(S906)。続いて、第1コマンドと第2コマンドとを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、サブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に保存する(S907)。保存されたコマンドデータは、メイン処理における前記のコマンド解析処理(S620)で読み出され、演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理が実行される。次いで、ライトポインタの示すアドレスを更新する(S908)。さらに、前記S903で一時記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(S909)。そして、当該演出制御コマンド受信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
《演出制御側タイマ割込み処理》
次に、演出制御側タイマ割込み処理を説明する。図42は、演出制御側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動され、上述の演出制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
タイマ割込みが発生すると、サブメインCPU201内のレジスタの内容をRAM203のスタック領域に退避させた後、S911以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込み等、優先レベル2以上の割込みを許可する(S911)。
続いて、ポート入出力処理を実行する(S912)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204におけるポートデータの入力処理、出力処理を行う。入力処理では、I/Oポート回路204(入力ポート)に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。出力処理では、サブメイン情報記憶手段260に一時記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204(出力ポート)から出力する。
続いて、デバイス制御データ出力処理を実行する(S913)。このデバイス制御データ出力処理では、前記のデバイス管理処理(S619)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出してサブメイン情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204(出力ポート)からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
次いで、演出用タイマ更新処理を実行する(S914)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理され、その時間軸上で可動役物24の駆動タイミングや演出ランプLPの点灯タイミング等の時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(S913)やランプデータ更新処理(S917)などにおいても利用される。
続いて、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(S915)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
続いて、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(S916)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」〜「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」〜「14」であれば1インクリメントし、タスクカウンタの値が「15」となった場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。そして、今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(S917のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(S9189の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(S919のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本例では、タスクカウンタの値(「0」〜「15」)のうち、或る1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)と一致させるためである。そして、この演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
続いて、ランプデータ更新処理を実行する(S917)。このランプデータ更新処理では、前記のデバイス管理処理(S621)等で特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期したかたちで、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返され、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力されるようになっている。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。
続いて、画像CPU暴走監視処理を実行する(S918)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が1600ms(50〜100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300のサブサブCPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側はサブサブCPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。
次いで、エラー管理タイマ処理を実行する(S919)。このエラー管理タイマ処理では、前記のエラー演出管理処理(S616)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。そして、全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
《画像制御コマンドの送信割込み処理》
次に、画像制御コマンドの送信割込み処理を説明する。図43は、画像制御コマンドの送信割込み処理を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、予め設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、サブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(S931)。続いて、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得する(S932)。次いで、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(S933)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタとライトポインタによって確認でき、リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(S933:YES)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(S934)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路の出力バッファにセットする(S935)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次いで、コマンドデータ(前記S935で送信したコマンドデータ)をクリアする(S936)。続いて、リードポインタを1インクリメントして更新する(S937)。そして、当該画像制御コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
以上、本実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
本実施形態によれば、有利遊技状態から通常遊技状態に移行した直後の限定期間内(4回転以内)では、変動パターン選択状態を限定頻度選択状態に設定して、変動パターン選択状態が通常選択状態である場合と比べて、第2特別図柄の変動効率を相対的に高めることで、有利遊技状態中に生起した第2特別図柄の作動保留球が該通常遊技状態中に消化されたとしても、その第2特別図柄の変動表示が特異なもの(極めて長時間の変動表示等)となることはなくなるため、通常遊技状態に移行した直後の遊技状況に対して遊技者が違和感や不快感を抱き難くすることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合は、大当り当選時の遊技状態に依らず潜伏確変遊技状態への突入確率(移行確率)が同じである一方で、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合は、大当り当選時の遊技状態に応じて潜伏確変遊技状態への突入確率(移行確率)が異なり得るように構成したことで、第1特別図柄遊技と第2特別図柄遊技とで最有利遊技状態としての潜伏確変遊技状態(小当りRUSHモード)への移行条件に差異を持たせるとともに、この最有利遊技状態へ到達するまでの遊技状態の遷移の仕方にバリエーションを持たせることができるため、従来にない複雑且つ多様性のある遊技性を創出することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、遊技状態が通常遊技状態である場合、条件装置が作動したときではなく、役物連続作動装置が作動したことを契機として、外部情報端子板600から外部情報信号(大当り信号、連荘中信号)を外部装置に出力することで、この通常遊技状態にて第2特別図柄の大当り(いわゆる事故当り)が発生するといったイレギュラー的な事象が発生した場合でも、条件装置が作動してから遊技球が役連作動ゲート91,92に通過するまでの大当り遊技の待ち状態において、この大当りの発生が外部装置(データ表示装置)の表示結果により特定の遊技者のみに露見されてしまうという事態を回避できるため、遊技の公平性を担保することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態では、第2特別図柄の変動表示が停止表示されたことを契機として図柄確定信号を出力せず、また、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態では、第1特別図柄の変動表示が停止表示されたことを契機として図柄確定信号を出力しないように構成することで、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示のうち、現在滞在中の遊技状態において偶発的(イレギュラー的)に発生した始動入賞に基づく変動表示の回数を排して、現在滞在中の遊技状態において本来意図された有効な変動表示の回数のみを抽出することができるため、遊技機の稼働状況をホールコンピュータにより適正に管理することができるとともに、遊技機の真の稼働状況をデータ表示器により遊技者に報知して遊技機選びの判断材料や遊技の参考情報として利用させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、小当りRUSHモードの実行中において、第1特別図柄の当否判定の結果が大当り(所謂事故当り)となることに基づき第1特別図柄の大当りの変動表示が実行された場合、第2特別図柄の変動表示に対応する変動演出が強制終了されるまでの間(つまり、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りであることを示す変動演出に切り替わることで遊技者が小当りRUSHモードの終了を認識するまでの間)、該小当りRUSHモード(潜伏確変遊技状態)が継続することのみ示唆又は報知され得るため、小当りRUSHモードの継続又は終了を示す報知内容と実際の遊技結果との間に齟齬が生じるといった、遊技者の期待を裏切る報知演出を防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
<第1実施形態の変形例1>
図44は、第1実施形態の変形例における遊技状態および演出モードの遷移図である。上記実施形態では、有利遊技状態(時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態)から通常遊技状態に移行した直後の限定期間内において、有利遊技状態中に生起された第2特別図柄の作動保留球を高速で消化するための特殊モードを設定しているが、本変形例では、有利遊技状態から通常遊技状態に移行した直後の所定期間内において、希少性の高い特定演出の実行確率が他の演出モード(通常モード)と比べて相対的に高く設定された特別モードを設定している。なお、本変形例における所定期間は、特別図柄の変動表示回数として「20回」が設定される。
本変形例において特定演出とは、出現率が相対的に低く、且つ、大当り期待度が相対的に高く設定された希少性のあるプレミア演出のことである。プレミア演出とは、当該変動表示において大当り当選が確約される演出(大当り期待度が100%に設定された希少性の高い演出)である。本変形例では、上記の特定演出として、複数種のプレミア演出のうち、特定のプレミア演出(「特定プレミア演出」と呼称する)を対象としている。この特定プレミア演出とは、例えば、ガラス枠5に設けられた枠ランプ10が虹色に点灯することで大当り当選を報知するプレミアランプ演出や、演出表示装置70の画面上にプレミア画像(例えばプレミアキャラクタ)が出現することで大当り当選を報知するプレミア予告演出などが該当する。なお、本変形例における特定プレミア演出は、大当り期待度が100%に設定された大当り確定演出として構成しているが、これに限定されるものではなく、大当り期待度が100%未満に設定された高期待度演出(激熱演出)として構成してもよい。
特定プレミア演出は、遊技状態が通常遊技状態である場合、特別モード以外の他の演出モード(通常モード)に滞在しているときであっても実行され得る。但し、通常モードに滞在している場合よりも、特別モードに滞在している場合の方が、特定プレミア演出の実行確率が高くなるように設定されている。つまり、遊技状態が通常遊技状態である場合は、滞在中の演出モードに応じて、特定のプレミア演出の実行確率が異なるように設定されている。このような特別モードを設定する理由としては、例えば潜伏確変遊技状態など遊技者にとって有利度の高い有利遊技状態が終了して、遊技者にとって有利度の低い通常遊技状態に転落した場合でっても、希少性の高いプレミア演出の実行確率が向上された特別モードに移行することで、この特別モードに滞在している期間内に、稀にしか見ることのできないプレミア演出の発生という演出上の特典を提供でき、遊技演出の単調性を解消して遊技の持続性を高めることができるからである。本変形例では、特別モードに滞在しているときに実行可能に設定された先読み演出として、所定の先読み演出を具備する。所定の先読み演出は、先読み抽選の対象となった作動保留球(トリガ保留)が消化される以前の一又は複数回の図柄変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出の発生の可能性を予告的に示唆又は報知する演出である。所定の先読み演出としては、例えば、保留画像の表示態様を変化させて大当り期待度を示唆する保留変化先読み演出が該当する。本変形例では、この保留変化先読み演出の種別として、保留変化先読み演出Aと、保留変化先読み演出Bとを具備する。なお、この保留変化先読み演出の大当り期待度は、原則的には、その演出態様として保留画像の最終的な表示態様に応じて異なるように設定されている。本変形例では、保留画像の表示態様として、例えば「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の6種類が設定されている。この保留画像の表示態様は、当否判定の結果が大当りとなる信頼度(大当り期待度)と関係しており、「白色」<「青色」<「緑色」<「赤色」<「金色」<「虹色」の順に大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。なお、「虹色」は、先読み抽選の対象となったトリガ保留が消化されることで行われる変動表示にて大当り当選することが確約された表示態様である。ここで、保留変化先読み演出Aとは、相対的に大当り期待度の高い保留変化パターンAに従って保留変化が実行され得る先読み演出である。この保留変化パターンAは、先読み抽選の対象となるトリガ保留(保留画像)の最終的な表示態様が相対的に大当り期待度の高い表示態様(例えば赤色)に変化する演出パターンである。一方、保留変化先読み演出Bとは、相対的に大当り期待度の低い保留変化パターンBに従って保留変化が実行され得る先読み演出である。この保留変化パターンBは、先読み抽選の対象となるトリガ保留(保留画像)の最終的な表示態様が相対的に大当り期待度の低い表示態様(例えば青色)に変化する演出パターンである。本変形例では、保留変化先読み演出Bが実行される場合よりも、保留変化先読み演出Aが実行される場合の方が、該先読み抽選の対象となるトリガ保留が消化された変動表示において、特定プレミア演出の出現する可能性が高くなるように構成されている。このとき、トリガ保留が消化されることで行われる変動表示(「トリガ変動表示」と呼称する)では特定演出が実行され得るが、トリガ保留が消化されることで行われる変動表示よりも前に行われる変動表示(「トリガ前変動表示」と呼称する)では特定演出が実行されない。保留変化先読み演出Bに関しては、特別モードに対応する背景演出の方が、この特別モードの終了後に設定される通常モードに対応する背景演出と比べて、保留変化先読み演出Bが実行され易い(実行頻度が相対的に高い)。また、ボタン演出(遊技者に演出ボタン15の操作を促すボタン画像が表示されて、実際に遊技者が演出ボタン15を操作すると該ボタン画像から他の予告演出に切り替わる演出など)については、トリガ前変動表示よりもトリガ変動表示の方が実行され易い(実行頻度が相対的に高い)。例えば、このボタン演出は、青色のボタン画像が表示されるボタン演出Aと、赤色のボタン画像が表示されるボタン演出Bとを有し、ボタン演出Bの方がボタン演出Aよりも大当り期待度が相対的に高い(ボタン演出Aが現出したときに演出ボタン15を操作したときよりも、ボタン演出Bが現出したときに演出ボタン15を操作したときの方が、大当り期待度の高い予告演出が発生し易い)。このとき、トリガ変動表示の実行中における所定のタイミング(例としては、60秒の変動表示となるトリガ変動表示において、変動開始から50秒後のタイミング(SPリーチ中のタイミング))では、ボタン演出Aおよびボタン演出Bのうち、いずれか一方が出現し得ることが好適である。その変形例として、トリガ変動表示の実行中であれば、ボタン演出Aおよびボタン演出Bの両方が出現し得るものでもよい(例としては、60秒の変動表示となるトリガ変動表示において、変動開始から20秒後のタイミング(SPリーチ前のタイミング)にてボタン演出Aを実行し、変動開始から50秒後のタイミング(SPリーチ中のタイミング)にてボタン演出Bを実行する)。一方、トリガ前変動表示の実行中にボタン演出が出現する場合は、ボタン演出Bよりもボタン演出Aの方が出現し易い。また、トリガ変動表示の実行中に特定演出(プレミア演出)が出現した場合は、トリガ変動表示の実行中に特定演出(プレミア演出)が出現しない場合よりも、ボタン演出Bが出現し易い。
図45は、本変形例における演出モードテーブルを示す模式図である。この演出モードテーブルには、各演出モードに対応して、該演出モードの上限回数、残回数の計数対象(特別図柄の種別)、残回数表示のタイミングが規定されている。
本変形例では、各演出モードに滞在中に実行した特別図柄の変動表示回数を計数するための演出モードカウンタが用意されている。すなわち、この演出モードカウンタにて計数したカウント値に基づき、演出モードの実行回数(該演出モードが終了するまでの残回数)が制御される。この演出モードカウンタには、移行先の演出モードに滞在可能な期間として特別図柄の変動表示回数に対応する値(「上限回数」と呼称する)が初期値として設定され、特別図柄の変動表示が実行されるたびに更新(減算)される。すなわち、演出モードが所定の演出モードに移行することを契機として、演出モードカウンタに所定の演出モードに滞在可能な期間である上限回数が設定されると、特別図柄の変動表示が1回実行される毎に(特別図柄の変動表示が開始される毎に)、そのカウント値が1減算される。そして、演出モードカウンタのカウント値が「0」に到達すると、所定の演出モードが終了する契機となる(次の変動表示から他の演出モードが開始されることになる)。本変形例において、特別モードに割り当てられた上限回数は「20回」、時短モードに割り当てられた上限回数は「70回」、潜確モードに割り当てられた上限回数は「100回」、確変モードに割り当てられた上限回数は「100回」である。なお、通常モードには、特別図柄の変動表示回数に上限はない。
本変形例において、演出モードカウンタは、現在滞在中の演出モードが特別モードである場合、該演出モードに滞在中に実行した特別図柄の変動表示回数として、第1特別図柄の変動表示回数のみをカウントの対象とする。すなわち、演出モードが特別モードである場合、演出モードカウンタのカウント値は、この特殊演出モード(通常遊技状態)における遊技の主体となる第1特別図柄の変動表示回数のみを対象とし、第2特別図柄の変動表示回数は対象としない。そのため、特別モードに割り当てられた上限回数「20回」とは、第1特別図柄の変動表示回数が20回に到達することを意味する。よって、第2特別図柄の変動表示回数はカウントの対象外であるため、第2特別図柄の変動表示が何回行われたとしても、特別モードの残回数は更新(減算)されない。従って、この特別モードには、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数の合算値として20回(上限回数)を超過する期間にわたり滞在する場合があることになる。このように特殊モードの実滞在回数は、第2特別図柄の変動表示回数に応じて変動する可変期間となっているが、これは通常遊技状態が特別図柄の変動表示回数として上限のない遊技状態であることに基づき許容されるものである。なお、演出モードが通常モードである場合に、次の大当りが発生せずに、第1特別図柄の変動表示回数が20回に到達した場合(演出モードカウンタのカウント値が上限回数に到達した場合)は、通常モードに移行することになる。
一方、演出モードカウンタは、現在滞在中の演出モードが潜確モード、確変モード、時短モードである場合は、該演出モードに滞在中に実行した特別図柄の変動表示回数として、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とをカウントの対象とする(第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数の合算数をカウントの対象とする)。すなわち、現在滞在中の演出モードが潜確モード等(潜確モード、確変モード、時短モード)である場合、演出モードカウントのカウント値は、この潜確モード等における遊技の主体となる第2特別図柄の変動表示回数のみではなく、第1特別図柄の変動表示回数も対象とする。つまり、潜確モード等の滞在回数は、特別図柄の確率変動機能が作動する回数(規定ST回数=100回)又は特別図柄の変動時間短縮機能が作動する回数(特定回数=70回)として、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合算値が対象となることに対応させたものである。
本変形例では、いずれの演出モード(通常モードを除く)に滞在している場合であったも、演出表示装置70の画面上に、現在滞在中の演出モードが終了するまでの特別図柄の変動表示の残回数(上記の演出モードカウンタのカウント値)を表示可能となっている。演出モードの残回数表示は、演出モードカウンタのカウント値に基づき、特別図柄の変動表示(装飾図柄の変動表示)が1回行われる毎に「1」ずつ減じられる。
演出モードの残回数表示は、現在滞在中の演出モードの種類に応じて、異なるタイミングで実行される。具体的には、演出モードが特別モードである場合は、該演出モードに移行した直後の1回転目の変動表示から残回数表示が行われる。一方、演出モードが潜確モード、確変モード、時短モードである場合は、該演出モードに移行した直後から起算して所定回数(20回転)の変動表示が終了した後の変動表示(21回転目の変動表示)から残回数表示が行われる。
ここで、図46は、演出モードの残回数表示の演出例を示す模式図である。図中(A1)〜(A3)は、現在滞在中の演出モードが特別モードである場合の演出例である。また、図中(B1)〜(B4)は、現在滞在中の演出モードが潜確モードである場合の演出例である。なお、図示省略しているが、現在滞在中の演出モードが時短モード又は確変モードである場合も、基本的には、潜確モードと同様の演出例となる。
現在滞在中の演出モードが特別モードである場合は、図中(A1)〜(A3)に示すように、この特別モードの1回転目の変動表示から20回転目の変動表示が終了するまでの間(特別モードが開始してから終了するまでの間)、その残回数が表示されることになる。つまり、特別モードの実行中は、該特別モードの残回数が常時表示されるようになっている。
一方、現在滞在中の演出モードが潜確モードである場合は、この潜確モードに移行した直後の所定回数の変動表示(20回転目の変動表示)までは、潜確モードの残回数が表示されず、この所定回数の変動表示が終了した後の変動表示(21回転目の変動表示)から潜確モードが終了するまでの間、潜確モードの残回数が表示される。つまり、潜確モードにおいて残回数表示が開始されるのは、所定回数の変動表示が終了した後となる。そのため、潜確モード等に移行した後の所定回数の変動表示においては、潜確モードの残回数が画面上に表示されず、遊技者に対して秘匿状態となる。その理由としては、本来であれば潜確モードの実行中は、第2特別図柄の変動表示を主体的に行う遊技性であるところ、通常モードにおいて初当りが発生して、この通常モードから潜確モードへ移行した場合(通常遊技状態から潜伏確変遊技状態に移行した場合)には、この潜確モードに移行した直後の数回転では、通常モード中に生起された第1特別図柄の作動保留球(通常モードから潜確モードに持ち越された第1特別図柄の作動保留球)が消化されることで第1特別図柄の変動表示が実行される可能性が極めて高く、この第1特別図柄の変動表示が実行されることで第2特別図柄の変動表示が実行された回数を越えて潜確モードの残回数が減じられてしまうと、遊技者の意図に反した残回数表示となり、遊技者に損失感や不快感を与えかねない。そこで、本実施形態では、潜確モードが開始された直後から該潜確モードの残回数を報知することはせず、潜確モードにおいて所定回数(20回)の変動表示が終了してから該潜確モードの残回数を報知するように構成されている。
本変形例では、所定回数の一例として「20回」を設定しているが、この所定回数には少なくとも第1特別図柄の作動保留球数の最大値(4個)に対応した変動表示回数(4回)以上を設定することが好適である。但し、本実施形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが同時並行して行われる並列機の仕様を採用しており、潜確モードの実行中は、第1特別図柄の変動表示(長時間の変動表示)が行われている間に、第2特別図柄の変動表示(短時間の変動表示)が何回も行われる可能性があるため、第1特別図柄の作動保留球が全て消化されるまでの秘匿期間(所定回数)を確実に確保するためには、第1特別図柄の変動時間と第2特別図柄の変動時間との関係を考慮して(第1特別図柄の作動保留球が全て消化されるまでに実行され得る第2特別図柄の変動表示回数も考慮して)、上記所定回数を決定することが好適である。なお、本変形例において、残り回数表示は、図46に示すように、画面右上に小さく表示(これを通常表示と称する)されているが、残り回数が規定回数になったことを契機として、この通常表示以外の残り回数表示を行ってもよい(残り回数を異なる態様で報知してもよい)。その具体例としては、例えば残り回数が「10回」となったときに、画面中央に(この右上の表示よりも大きな表示態様で)「残り10回」という特殊表示を、通常表示に加えて同時に表示してもよい。その後、残り回数を消化するまで、「残り9回」、「残り8回」、・・・、「残り0回」、といったように、1変動ごとに通常表示だけでなく特殊表示を同時に表示してもよい。また、現在の遊技状態において、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、遊技の主体とならない方の特別図柄が変動停止しており且つその特別図柄の作動保留球が存在しないという事象をトリガとして、画面上に残り回数を表示するように構成してもよい。つまり、この変形例であれば、時短遊技状態(低確率低ベース状態)、潜伏確変遊技状態(高確率低ベース状態)、確変遊技状態(高確率高ベース状態)の残り回数については、第1特別図柄が変動停止しており且つ第1特別図柄の作動保留球が存在しないということを条件に、残り回数を表示することが好適である。
以上、本変形例によれば、通常遊技状態から有利遊技状態に移行した場合、この遊技遊技状態に突入した直後から起算して所定回数の特別図柄の変動表示では、該有利遊技状態が終了するまでの残回数を報知しないように構成することで、本来であれば有利遊技状態中は第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となるところ、通常遊技状態中に発生した第1特別図柄の作動保留球が該有利遊技状態中に消化されることにより第1特別図柄の変動表示が行われて、該有利遊技状態が終了するまでの残回数が減算されてしまうという遊技者にとって不利な情報が開示されなくなるため、この遊技の進行処理やその報知演出に対して遊技者が違和感や不信感を抱き難くすることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
<第1実施形態の変形例2>
本変形例では、外部情報端子板600から出力される外部情報信号として、確変遊技状態から潜伏確変遊技状態へ移行したことを示す所定外部情報信号を備える。本変形例において、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなり、その大当り種別として所定の特定大当りに当選した場合、その大当り遊技の終了直後から起算して、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数の合計が所定回数(100回)に到達するまでは、確変遊技状態(高確率高ベース状態)が設定される。そして、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数の合計が所定回数(100回)に到達するまでに次の大当りが発生せず、該所定回数の変動表示が終了した場合には、次回の変動表示(101回目の変動表示)から潜伏確変遊技状態に移行する。このとき、確変遊技状態における所定回数の変動表示の終了時又は潜伏確変遊技状態における1回目の変動表示の開始時から、潜伏確変遊技状態が終了するまでの間、所定外部情報信号がオン出力される。
<第1実施形態の変形例3>
本変形例では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示であり、他方の特別図柄の変動表示が小当りの変動表示である場合に、一方の特別図柄の大当り変動表示と他方の特別図柄の小当り変動表示とが並行して実行されている状況下において、一方の特別図柄の大当り変動表示が終了する前に、他方の特別図柄の小当り変動表示が終了したときは、他方の特別図柄の小当り変動表示が終了すること又は小当り遊技が実行されることを契機として、一方の特別図柄の大当り変動表示をはずれ変動表示にて強制的に終了させる。つまり、一方の特別図柄について、当否判定の結果が大当りであった場合でも、その変動表示の停止時にはずれに差し替えるようにする。なお、上記一方の特別図柄の大当り変動表示は、複数の大当り種別のうち所定大当りに該当することを契機として実行される変動表示(所定大当り遊技の実行契機となる変動表示)であることが好適である。よって、複数の大当り種別のうち所定大当り以外の大当りであれば、上記実施形態と同様に、他方の特別図柄の小当り変動表示が終了してから小当り遊技が終了するまでの間、その一方の特別図柄の大当り変動表示が中断される(変動時間の計測が中断される)ことになる。
<第1実施形態の変形例4>
本変形例では、第1特別図柄の変動表示に対応する装飾図柄(第1装飾図柄)の変動演出と、第2特別図柄の変動表示に対応する装飾図柄(第2装飾図柄)の変動演出とを、演出表示装置70の画面上に並列表示して、第1特別図柄の変動表示と同期又は連動したかたちで第1装飾図柄が変動表示されるとともに、第2特別図柄の変動表示と同期又は連動したかたちで第2装飾図柄が変動表示される。このとき、第2特別図柄の変動表示が大当り変動表示であり、第1特別図柄の変動表示が小当り変動表示又ははずれ変動表示である場合に、第1特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示と第2特別図柄の大当り変動表示とが並行して実行されている状況下において、第1特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示が終了する前に、第2特別図柄の大当り変動表示が終了したときは、第2特別図柄の変動表示の計測時間が予め設定された規定の変動時間(設計値通りの変動時間)に到達する前であっても、第2特別図柄の大当り変動表示の終了時に、それと連動又は同期させて、第1特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示が強制的にはずれ変動表示として終了されることになる。そのため、画面上には、第2装飾図柄の停止図柄組合せとして「大当り図柄組合せ」が停止表示されるとともに、第1装飾図柄の停止図柄組合せとして「はずれ図柄組合せ」が停止表示される。このとき、第1装飾図柄の停止図柄組合せ(はずれ図柄組合せ)の表示態様に応じて、第2特別図柄の停止図柄組合せが大当り図柄組合せで停止表示されることで実行される大当り遊技の終了後に、潜伏確変遊技状態(小当りRUSHモード)へ突入する期待度が異なるように構成されている。具体的には、第1装飾図柄の停止図柄組合せとして、はずれ図柄組合せA(例えば「1・2・3」などの順目)である場合は、潜伏確変遊技状態への突入期待度が高期待度に設定され、はずれ図柄組合せB(例えば「1・3・8」などのバラケ目)である場合は、潜伏確変遊技状態への突入期待度が低期待度に設定される。なお、はずれ図柄組合せAが停止表示された場合は、潜伏確変遊技状態への移行が確定的となる仕様でもよい。
また、本変形例において、第1特別図柄の特別図柄の変動表示が大当り変動表示であり、第2特別図柄の変動表示が小当り変動表示である場合に、第1特別図柄の大当り変動表示と第2特別図柄の小当り変動表示とが並行して実行されている状況下において、第1特別図柄の変動表示が終了する前に、第2特別図柄の小当り変動表示が終了したときは、第2特別図柄の小当り変動表示が終了したときからその小当り遊技が終了するまでの間、第1特別図柄の大当り変動表示が中断されることになるが、この第1特別図柄の大当り変動表示の中断している最中に所定の画像(例えば「変動中断中」というメッセージ)を表示して、この所定画像の表示態様(例えば表示色)に応じて、第1特別図柄の停止図柄組合せが大当り図柄組合せで停止表示されることで実行される大当り遊技の終了後に、潜伏確変遊技状態(小当りRUSHモード)へ突入する期待度が異なるように構成してもよい。
<第1実施形態の変形例5>
本変形例では、特別図柄の変動表示が大当り図柄で停止表示されることを契機として条件装置が作動した場合、遊技者に対して遊技球を役連作動ゲート91,92に通過させることを指示する役連作動ゲート通過指示演出が実行される。役連作動ゲート通過指示演出は、特別図柄の変動表示が大当り図柄で停止表示されてから(条件装置が作動してから)、役連作動ゲート91,92に通過した遊技球が役連作動ゲートスイッチ911,921にて検出されるまでの間(役物連続作動装置が作動を開始するまでの間)実行される。この役連作動ゲート通過指示演出としては、例えば「役連作動ゲートを狙ってください」といった、遊技球を役連作動ゲート91,92へ向けて発射すべきことを指示するメッセージを画面上に表示する。また、役連作動ゲート通過指示演出では、この画面表示に合わせて、該画面表示の内容に対応した音声をスピーカ11から同時に出力する。そのため、役連作動ゲート通過指示演出では、画像表示と音声との両方から、遊技者に対して注意喚起が促される。
このとき、遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるときに第1特別図柄の変動表示が大当り図柄で停止表示された場合と、遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるときに第2特別図柄の変動表示が大当り図柄で停止表示された場合とで、役連作動ゲート通過指示演出の演出態様(画面表示、音声)が異なるように構成してもよい。すなわち、初当りが発生したことを契機として実行される役連作動ゲート通過指示演出の演出態様と、いわゆる事故当りが発生したことを契機として実行される役連作動ゲート通過指示演出の演出態様とが異なるものとすることが好適である。
また、遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるときに第2特別図柄の変動表示が大当り図柄で停止表示された場合と、遊技状態が確変遊技状態(高確率高ベース状態)であるときに第2特別図柄の変動表示が大当り図柄で停止表示された場合とで、役連作動ゲート通過指示演出の演出態様(画面表示、音声)が異なるように構成してもよい。すなわち、いわゆる事故当りが発生したことを契機として実行される役連作動ゲート通過指示演出の演出態様と、大当りの連荘が発生したことを契機として実行される役連作動ゲート通過指示演出の演出態様とが異なるものとすることが好適である。
<第1実施形態の変形例6>
本変形例では、第2特別図柄の大当り種別として「突確大当り」を備え、その大当り遊技における大入賞口54の開放パターンを、小当り遊技における大入賞口54の開放パターンと略同一又は近似したものとする。例えば、小当り遊技における大入賞口54の開放パターンが「約1.8秒の開放×1回」であるとすると、大当り遊技の各ラウンド遊技における大入賞口54の開放パターンも「約1.8秒の開放×1回」とする。よって、例えばNラウンドの突確大当りに当選したことを契機として実行される大当り遊技では、「約1.8秒の開放×1回」という開放パターンがNラウンド(N回)に亘り行われることになる。それにより、大当り遊技と小当り遊技とで、見た目上は近似した開放時間・開放パターンの遊技が繰り広げられ、潜確大当りが発生した場合の大当り遊技を複数回(N回)の小当り遊技として擬似的に見せることができる。
<第1実施形態の変形例7>
本変形例では、上記実施形態の遊技機(回数切り確変機)と異なり、特別図柄の確率変動機能が大当り遊技の終了後から次の大当りが発生するまでの間、継続するノーマル確変機として構成されている。従って、(1)大当り遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態(高確率高ベース状態)に移行する場合は、確率変動回数、変動時間短縮回数および入球容易状態回数として「∞回(65535回)」が設定され、(2)大当り遊技終了後の遊技状態が潜伏確変遊技状態(高確率低ベース状態)に移行する場合は確率変動回数および変動時間短縮回数として「∞回(65535回)」、入球容易状態回数として「0回」が設定され、(3)大当り遊技終了後の遊技状態が時短遊技状態(低確率高ベース状態)に移行する場合は、変動時間短縮回数および入球容易状態回数として「70回」、確率変動回数として「0回」が設定され、(4)大当り遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行する場合は、確率変動回数、変動時間短縮回数および入球容易状態回数として「0回」が設定される。従って、遊技状態の移行制御については、確変遊技状態および潜伏確変遊技状態の継続回数が「100回」から「∞回(65535回)」に変更される点以外は、基本的には、上記第1実施形態と同様である。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第2実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態のぱちんこ遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、第1実施形態と共通の構成を適用することが可能である。
図47は、第2実施形態のぱちんこ遊技機の正面図である。遊技盤20の前面には、外レール41及び内レール42が円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成されている。この遊技領域PAの略中央にはセンター飾り21が配設されており、このセンター飾り21の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。また、遊技領域PAは、略中央のセンター飾り21を基準として、センター飾り21の左側の領域(左打ちに対応した盤面領域)である左側領域PA1と、センター飾り21の右側の領域(右打ちに対応した盤面領域)である右側領域PA2とに区画される。センター飾り21の上部には、左側領域PA1と右側領域PA2とを繋ぐ導入通路44が設けられており、右打ちされた遊技球が導入通路44を通過して右側領域PA2に到達できるようになっている。
センター飾り21の下方の領域には、左第1始動口51Aが配置されている。左第1始動口51Aは、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ511Aを備えている。この左第1始動口51Aは、上方に向けた開口された常時開放型の入賞口であり、主として左側領域PA1を流下する遊技球(左打ちした遊技球)が入球可能となっている。左第1始動口51Aへの遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
センター飾り21の右方の領域(右側領域PA2)には、右第1始動口51Bが配置されている。右第1始動口51Bは、上述の左第1始動口51Aと同様に、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ511Bを備えている。この右第1始動口51Bは、上方に向けた開口された常時開放型の入賞口であり、主として右側領域PA2を流下する遊技球(右打ちした遊技球)が入球可能となっている。右第1始動口51Bへの遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
ここで、右側領域PA2の上方には、連絡通路44を通過した遊技球が流下する右側流路45が形成されている。右側流路45は、外レール41とセンター飾り21の右壁部との間に画成され、遊技球の直径の2倍より狭く遊技球が一列でのみ通過可能な流路幅に形成されている。この右側流路45は、第1分岐流路46と第2分岐流路47とに連絡する。第1分岐流路46は、センター飾り21の右壁部の外縁に沿って形成され、第2分岐流路47は、外レール41の外縁に沿って形成されている。第1分岐流路46および第2分岐流路47は、いずれも遊技球が流下し得る流路幅に形成されており、右側流路45を通過した遊技球は、第1分岐流路46又は第2分岐流路47に流入するようになっている。第1分岐流路46と第2分岐流路47との間には、右側流路45を流下した遊技球を第1分岐流路46および第2分岐流路47のいずれか一方に選択的に振り分ける振分部材48が設けられている。
振分部材48は、遊技盤20の盤面と略直交して延びる支軸を中心に、先端部(上端部)がほぼ垂直上方を指向して第1分岐流路46を閉鎖する閉鎖位置と、先端部(上端部)が右斜め上方を指向して第1分岐流路46を開放する開放位置との間で揺動自在に取り付けられている。振分部材48は、図示省略するが、駆動手段としてのソレノイドに接続されており、このソレノイドを通電/非通電制御してプランジャを伸縮駆動させることで、遊技盤20の盤面と略平行な面内において閉鎖位置と開放位置との間で揺動制御される。なお、このソレノイドは、主制御基板100に電気的に接続されており、主制御基板100から出力される駆動信号に基づき駆動制御される。振分部材48は、予め設定された所定の駆動パターンに従って、所定の時間間隔で開放位置又は閉鎖位置に駆動される。具体的に、この振分部材48は、0.1秒間の開放と1.9秒間の閉鎖とを交互に繰り返す(開放時間:閉鎖時間=1:19)。そのため、右側領域PA2を流下する遊技球のうち、約5%(1/20)の遊技球が第1分岐流路46を流下し、約95%(19/20)の遊技球が第2分岐流路47を流下する設計となっている。なお、この遊技球の振分比率は、任意に設定することが可能であり、例えば所定の比率(例えば1:1や1:2、2:1の比率)で第1分岐流路46および第2分岐流路47に選択的に振り分けられる構成を採用するものとしてもよい。また、振分部材48は、電気的に駆動するものではなく、遊技球の自重や球圧の作用によって開放位置と閉鎖位置との間で揺動して、その遊技球を第1分岐流路46又は第2分岐流路47に振り分ける構成でもよい。
第1分岐流路46の下流には、右第1始動口51Bが設けられており、この第1分岐流路46を流下する遊技球は右第1始動口51Bに入球するように構成されている。一方、第2分岐流路47の下流には、作動ゲート53、大入賞口54、第2始動口52が設けられている。
作動ゲート53は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ531を備えている。なお、作動ゲート53への遊技球の通過は、第2始動口52を開放状態とするか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口54は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選結果が大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。大入賞口54は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ541と、一般にアタッカーと称される特別電動役物542と、この特別電動役物542を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイド543とを備えている。特別電動役物542は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が大入賞口54に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)においては、遊技球を発射する際に、右側領域PA2を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口54への入球が容易となっている。
特別電動役物542は、大入賞口54を開閉するための前後スライド式の可動部材544を備えている。可動部材544は、大入賞口54を閉鎖して遊技球の入球を不能又は困難とする閉鎖位置(突出位置)と、大入賞口54を開放して遊技球の入球を可能又は容易とする開放位置(退避位置)との間で、前後方向(盤面と直交する方向)にスライド可能となっている。この可動部材544の上面は、前後方向に遊技球約1個分以上の通路幅を有して、正面視にて右側から左側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、可動部材544が閉鎖位置にある場合(大入賞口54が閉鎖状態である場合)は、遊技球が可動部材544の上面を誘導路として流下可能となり、当該誘導路上を右方から左方に流下して特別電動役物542の左端から落下する(第2始動口52に向けて流下する)。
この特別電動役物542の左斜め下方には、第2始動口52が配置されており、特別電動役物542が閉鎖位置にある場合(大入賞口54が閉鎖状態である場合)に、特別電動役物542の上面を通過した遊技球は第2始動口52へ向かって流下することになり、そのとき第2始動口52が開放状態であれば、該遊技球が第2始動口52に入球することが容易となっている。一方、可動部材544が開放位置にある場合(第2始動口52が開放状態である場合)には、第2流下流路を流下する遊技球は大入賞口54に入球することが極めて容易となっている。本実施形態では、第2流下流路を流下する遊技球は、極めて高い確率で大入賞口54(普通電動役物522)に向かって流れる盤面設計(ゲージ設計)となっており、大入賞口54が閉鎖状態であれば、遊技球は可動部材544の上面に誘導されて第2始動口52に向かって流下する一方で、大入賞口54が開放状態であれば、遊技球は大入賞口54に入球して第2始動口52まで到達しないように構成されている。
第2始動口52は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ521を備えている。この第2始動口51は、右打ちに対応した盤面領域である右側領域PA2に配設され、主として右側領域PA2を流下する遊技球(右打ちした遊技球)が入球可能となっている。第2始動口52への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。この第2始動口52は、一般に電チューと称される普通電動役物522と、この普通電動役物522を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド523とを備える。普通電動役物522は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が第2始動口52に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。つまり、普通電動役物522は、開放状態に変位しなければ遊技球が第2始動口52へ入球し難い構造となっており、所定の契機(普通図柄抽選に当選する契機)で開放状態となると遊技球の入球容易性が高くなる。
このように構成される第2実施形態では、前述の第1実施形態と同様の趣旨から、遊技状態が通常遊技状態である場合は、左側領域PA1が遊技の主体領域となり、遊技状態が有利遊技状態(時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態)である場合は、右側領域PA2が遊技の主体領域となる。このとき、右側領域PA内には、二つの始動口51B,52(右第1始動口51B,第2始動口52)が配置されており、右側領域PA2を狙って遊技球を発射させると、その遊技球は振分部材48の動作位置(開放位置、閉鎖位置)に応じて、右第1始動口51Bへ向かう流下経路と、第2始動口52へ向かう流下経路とに選択的に振り分けられる。よって、遊技状態が有利遊技状態(時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態)である場合は、右打ちにより遊技球を第1始動口51B又は第2始動口52に入球させて、第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄の変動表示)と第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄の変動表示)とを同時並行的に実行する遊技性となる。すなわち、遊技状態が有利遊技状態である場合は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示中に、他方の特別図柄の変動表示が行われ易く構成されている(第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが同時並行して行われやすくなっている)。
なお、その変形例としては、複数種の有利遊技状態のうち、所定の有利遊技状態(例えば、潜伏確変遊技状態)である場合は、振分部材48を駆動して、遊技球を右第1始動口51B側又は第2始動口52側に選択的に流下させる一方で、その他の有利遊技状態(例えば、時短遊技状態、確変遊技状態)である場合は、振分部材48を駆動せず、遊技球を常に第2始動口52側へ流下させるように構成してもよい。
かかる構成の第2実施形態のぱちんこ遊技機PMでは、遊技の進行状況等に応じて、各種の遊技演出が演出制御基板200により制御されて実行されるように構成されている。以下では、各種の遊技演出のうち、潜確モード(小当りRUSHモード)における主たる演出内容について説明する。
<無敵ゾーン演出>
第2実施形態における無敵ゾーン演出について説明する。図48は、無敵ゾーン演出のタイムチャートである。無敵ゾーン演出とは、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなることを契機として行われる大当りの変動表示中に、通常とは異なる特殊な背景画像に切り替えて遊技者にとって有利な状態(無敵ゾーン)であることを示唆又は報知する演出である。
まず、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合は、前述したように、この潜伏確変遊技状態に対応する変動パターン選択状態として潜確選択状態が設定される。変動パターン選択状態が潜確選択状態に設定されると、上記図13に示す変動パターンテーブル4を参照して、特別図柄の変動パターンが選択されることになる。
図13に示すように、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その第1特別図柄の変動パターンとして、特別図柄の変動時間が極めて長時間(10分)に設定された変動パターンPA4−4が選択される。このとき、第1特別図柄の大当り変動表示が行われている間は、第2特別図柄の当否判定は大当りの無抽選状態となり、第2特別図柄の当否判定の結果として大当りが導出されることはなく小当り又ははずれのみが導出されることになる。ここで、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りとなる場合は、その第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が極めて短時間(0.5秒)に設定された変動パターンPHA4−1が選択され、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれとなる場合は、その第2特別図柄の変動パターンとして、第2特別図柄の変動時間が極めて短時間(1秒)に設定された変動パターンPH4−1が選択される。そのため、第1特別図柄の大当り変動表示が行われている間は、第2特別図柄の変動表示が高速消化され、第2特別図柄について数百回程度の当否判定(抽選)を行うことが可能となる。
前述したとおり、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合は、大当りの当選確率が高確率(約1/80)に設定されており、通常であれば上記数百回の変動表示が行われるまでの間に次の大当りが発生する可能性が極めて高い(それに伴い小当りRUSHモードが終了する可能性が極めて高い)。なお、「小当りRUSHモードの終了」とは、小当りRUSHモード(潜伏確変遊技状態)が一旦終了することも含む。つまり、潜伏確変遊技状態への移行契機となる大当りに当選した場合は、大当り遊技が開始されるため、一旦は大当り遊技状態(通常遊技状態/低確率低ベース状態)が設定されるが、該大当り遊技の終了後は再度潜伏確変遊技状態に突入することになるため、その場合には潜伏確変遊技状態が「一旦」終了することになるとも言える。しかしながら、第1特別図柄の大当り変動表示の実行中は、第2特別図柄の当否判定において大当りの無抽選状態となり、第2特別図柄の大当りが導出されることがないため(小当りRUSHモードが終了することがないため)、上記数百回の変動表示においてはほぼ無制限に小当りを頻出させることができる(小当り遊技の頻発により出玉を増やすことができる)という格別な特典を遊技者に付与することが可能となる。
そこで、第2実施形態では、現在滞在中の演出モードが潜確モードである場合、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなることを契機として実行される第1特別図柄の大当り変動表示の実行中において、当該変動表示の実行中は潜伏モード(小当りRUSHモード)が途中で終了することのない無敵の状態(遊技者にとって有利な状態)であることを示唆又は報知する無敵ゾーン演出を実行可能に構成されている。
無敵ゾーン演出は、図48に示すように、第1特別図柄の大当り変動表示が開始してから、当該大当り変動表示が終了するまでの間において実行される。つまり、無敵ゾーン演出は、第2特別図柄の当否判定が大当り無抽選状態に制御される期間に実行されるものとなる。無敵ゾーン演出の実行中は、第2特別図柄の当否判定の結果として小当り又ははずれのみが導出され、第2特別図柄の変動表示として、小当りの変動表示又ははずれの変動表示のみが実行される。
図49は、無敵ゾーン演出の基本画面を示す模式図である。無敵ゾーン演出が開始されると、演出表示装置70の画面上に表示される背景画像が潜確モード専用の背景画像から無敵ゾーン専用の背景画像に切り替えられる。この無敵ゾーン演出の実行中は、その背景表示(装飾図柄の背面表示となる背景画像)として、画面の左右の端に「ZONE」という文字が示された帯画像721が表示される。それにより、現在の遊技の状態が無敵ゾーンに突入したことが遊技者に対して示唆又は報知される。そして、第1特別図柄の大当り変動表示が終了することを契機として、無敵ゾーン演出が終了して(潜確モードが終了して)、大当り遊技へと移行する。
なお、特殊ゾーン演出の実行中は、上述のとおり、背景画像が特殊な背景画像に切り替えられるが、それに伴い装飾図柄の変動演出(リーチ演出など)や予告演出、先読み予告演出の表示態様も特殊ゾーン演出専用の特殊な表示態様としてもよい。
<残変動時間報知演出>
次に、第2実施形態における残変動時間報知演出について説明する。残変動時間報知演出は、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合に、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなることを契機として行われる第1特別図柄の大当り変動表示中に、当該大当り変動表示が終了するまでの残時間(「残変動時間」と呼称する)を報知する演出である。演出表示装置70の画面上に設けられた残時間表示部722(上記図49を参照)には、第1特別図柄の大当り変動表示が終了するまでの残変動時間がカウントダウン形式で表示される。なお、この第1特別図柄の大当り変動表示中は、第2特別図柄の当否判定の結果として大当りを導出することが禁じられた大当りの無抽選状態となり、上記の無敵ゾーン演出が実行される期間となる。そのため、この残変動時間は、無敵ゾーンが終了するまでの残時間を報知するものとも言える。
残変動時間は、演出制御基板200の演出統括手段220に設けられた演出時間タイマの計時値に基づき管理される。この演出時間タイマには、第1特別図柄の変動パターンに応じて決まる規定の変動時間が初期値として設定される。つまり、この規定の変動時間とは、上記図10〜図14に示す変動パターンテーブルに規定された変動時間を意味する。よって、遊技状態が潜伏確変遊技状態であるときに、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合は、上記図13の変動パターンテーブルに規定されている如く、第1特別図柄の変動時間は「10分」である。そのため、第1特別図柄の大当り変動表示が開始されるときに、演出時間タイマには初期値として「10分」が設定される。演出時間タイマの計時値は、第1特別図柄の変動表示が開始されたときから、その時間の経過に伴って減算されていき、第1特別図柄の変動表示が終了するときに「0」に至る。なお、演出時間タイマは、主制御基板100から送信される変動開始コマンドを受信したことを契機として計時を開始する。
ここで、第1特別図柄の大当り変動表示が行われている間、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りとなることで小当り遊技が実行される場合、主制御基板100側に設けられた特別図柄遊技タイマによる計時処理と、演出制御基板200側に設けられた演出時間タイマによる計時処理とは異なる制御となる。なお、特別図柄遊技タイマは、第1特別図柄遊技タイマと第2特別図柄遊技タイマとを含む。以下、各タイマの計時処理について説明する。
(特別図柄遊技タイマの計時処理)
図50は、特別図柄の変動中断処理を説明するためのタイムチャートである。前述したように、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示中に、他方の特別図柄の当否判定の結果が小当りとなることを契機として小当り遊技が実行される場合、小当り遊技が開始されたときから当該小当り遊技が終了するまでの間、一方の特別図柄の変動表示が中断されるようになっている。そのため、図50に示すように、第1特別図柄の大当りの変動表示中に、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りとなることを契機として小当たり遊技が実行される場合、その小当り遊技が終了するまでの間、第1特別図柄の大当りの変動表示は中断される。つまり、小当り遊技が実行されている間は、第1特別図柄の変動表示が中断されることになる(小当り遊技の実行時間=第1特別図柄の変動表示の中断時間)。それにより、主制御基板100に設けられた上記の特別図柄遊技タイマは、小当り遊技が開始してから終了するまでの間、第1特別図柄の変動時間の計時を中断(一時停止)する。そして、該小当り遊技が終了したときに、特別図柄遊技タイマは第1特別図柄の変動時間の計時を再開して、再開前の変動時間の計測時間と再開後の変動時間の計測時間との合算時間が、予め設定された規定の変動時間(設計値通りの変動時間)に達したときに、第1特別図柄の変動表示が終了することになる。なお、本例において、小当り遊技の実行時間は「3秒」が設定されている。この小当り遊技の実行時間とは、小当り開始デモ時間と、1回のラウンド時間と、小当り終了デモ時間とを合算した時間である。
(演出時間タイマの計時処理)
一方、演出時間タイマは、第1特別図柄の変動表示中に、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りとなることを契機として小当り遊技が実行される場合、その小当り遊技の実行時間(第1特別図柄の変動表示が中断される時間)を上乗せ時間として計時値に加算して、小当り遊技の実行中も計時を継続する。具体的には、演出時間タイマは、第1特別図柄の変動表示中に、第2特別図柄の小当り遊技が発生した場合、その小当り遊技の実行時間として割り当てられた「3秒」という時間値を上乗せしたかたちで計時をそのまま続行する。それにより、演出時間タイマには小当り遊技が発生するたびに小当り遊技の実行時間(3秒)が上乗せされていく。それに伴い、画面上に表示された残変動時間についても、演出時間タイマの計時値に対応して、小当り遊技が発生するごとに「3秒」の時間値が上乗せ表示される。以下では、この時間値の上乗せ表示演出を「タイマ上乗せ演出」とも呼称する。従って、この残変動時間報知演出では、第1特別図柄の大当りの変動表示が終了するまでの残変動時間を演出的に増減させて、タイマ上乗せ演出の発生によって残変動時間が擬似的に延長されるほど、小当り遊技による出玉獲得の期待感を高揚させることができる。
続いて、残変動時間報知演出の演出例について説明する。図51は、残変動時間報知演出の演出例を示す模式図である。なお、画面上には、この潜確モードにおいて遊技の主体となる第2特別図柄遊技に係る演出(第2特別図柄の変動表示に対応する変動演出)が表示される。また、図中には、本演出例の理解を容易にするため、各画面表示の右横に、特別図柄遊技タイマの計時値と、演出時間タイマの計時値とを付記している。
図中(A)に示すように、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなることを契機として第1特別図柄の変動表示が開始されると、画面上には演出時間タイマの計時値に応じた時間が残変動時間として表示される。この時点において、画面上の残変動時間には、演出時間タイマの初期値に対応する時間値として「10分00秒」が表示されている。なお、演出時間タイマは、上記の演出制御側タイマ割込み処理が実行されるごと(その割込み周期ごと)に更新されるが、画面上の残変動時間の表示は1秒単位で更新される。
図中(B)に示すように、第1特別図柄の変動表示が開始されてから1秒が経過すると、初期値から1秒が減算されて、画面上に表示された残変動時間が「9分59秒」に更新される。このように残時間表示領域722に表示された残変動時間は、時間の経過に伴い、「10分00秒」→「9分59秒」→「9分58秒」→・・・→「0分00秒」といったように、1秒ずつ更新されていく。なお、図中(B)には、第2特別図柄の変動表示に対応する装飾図柄の停止図柄組合せとして、はずれ図柄組合せ(「1−5−8」)が停止表示されている。
図中(C)に示すように、第1特別図柄の変動表示が開始されてから2秒が経過すると、初期値から2秒が減算されて、残変動時間は「9分58秒」に更新される。図中では、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りとなり、その極めて短時間(0.5秒)の変動表示の後、装飾図柄の停止図柄組合せとして小当り図柄組合せ(「3−3−7」)が停止表示されている。なお、現時点において、特別図柄遊技カウンタの計時値と、演出時間カウンタの計時値とは同一である。
図中(D)に示すように、第1特別図柄の変動表示が開始されてから3秒が経過したとき(本来であれば画面上の残変動時間が「9分57秒」に更新されるとき)、小当り遊技が開始されると、該小当り遊技が終了するまでの間、第1特別図柄の変動表示が中断される。よって、特別図柄遊技タイマは、小当り遊技が開始されてから、該小当り遊技が終了するまでの間、計時を一時停止する。一方、演出時間タイマは、小当り遊技中も計時を一時停止せず、小当り遊技の実行時間である「3秒」が上乗せ時間として加算されたうえで、そのまま計時を継続する。従って、画面上に表示された残変動時間は、小当り遊技の実行時間として「3秒」が上乗せされて、「9分57秒」から「10分00秒」に増加する。よって、演出時間タイマの計時値(画面上の残変動時間表示)は、特別図柄遊技タイマの計時値と比べて、上乗せ時間分の3秒間だけ増加することになる。それにより、第1特別図柄の変動時間が見た目的には3秒間延長されたものとなる。このように小当り遊技の実行時間に相当する上乗せ時間が加算されることで、この上乗せ時間に見合った出玉感が得られるとともに、小当りRUSHモードの終了時期が延期されたかのような演出となり、遊技者の気持ちを一層高揚させることができる。
図中(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が開始されてから6秒が経過したとき(小当り遊技が終了したとき)、残変動時間は「9分57秒」に更新される。つまり、演出時間タイマは、上乗せ時間(小当り遊技の実行時間)に相当する3秒間、計時を継続することで、その計時値が「9分57秒」となる。一方、特別図柄遊技タイマは、小当り遊技の開始時から終了時まで計時を中断した結果、その計時値が「9分57秒」となる。それにより、この小当り遊技の終了時に、特別図柄遊技タイマの計時値と演出時間タイマの計時値とが一致したものとなり、第1特別図柄の残変動時間について、現実の残り時間と演出上の残り時間との間に齟齬が生じることはない。
図中(F)に示すように、第1特別図柄の変動表示が開始されてから7秒が経過したとき、残変動時間は「9分56秒」に更新される。以降、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りとなることを契機として小当り遊技が実行されるたびに、画面上の残変動時間表示に3秒間が上乗せされていき、この上乗せ時間(変動表示の延長時間)に応じた出玉感を得ることができる。また、画面上に表示された残変動時間が「0」となるまでは、潜確モードが継続することを認識できるため、潜確モードがいつまで続くか分からない不安な気持ちを抱くのを解消することができる。なお、その変形例として、第1特別図柄の長時間変動表示の実行中において複数回の小当り遊技が実行されてから初めて残変動時間表示が上乗せされるように構成してもよい。つまり、小当り遊技が実行されるたびに3秒間ずつ上乗せされるのではなく、例えば小当りが10回実行するまでは上乗せ演出を実行するとの抽選に当選せず、10回実行した後に上乗せ演出を実行するとの抽選に当選した場合、そのとき一篇に30秒(3秒×10回=30秒)の上乗せを行う演出としてもよい。
以上、第2実施形態によれば、小当りRUSHモードの実行中において、第1特別図柄の当否判定の結果が大当り(所謂事故当り)となることに基づき第1特別図柄の大当りの変動表示として長時間変動表示(ロング変動表示)が実行された場合、この長時間変動表示の実行中は第2特別図柄の当否判定の結果が小当り又ははずれのみが導出されるという制約を利用して、この長時間変動表示が実行されている間、遊技者にとって有利な状態であることを示唆又は報知する無敵ゾーン演出を行うことで、この無敵ゾーン演出の実行中は該長時間変動表示の時間尺に応じた纏まった出玉を期待でき、更には小当りRUSHモードが途中で終了しないという安心感を遊技者に付与することができるため、遊技者は小当りRUSHモードを十分に堪能でき、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、小当りRUSHモードの実行中において、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなることに基づき第1特別図柄の大当りの変動表示が行われている間に、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りとなることに基づき小当り遊技が実行された場合には、該小当り遊技の実行中は第1特別図柄の当該変動表示を中断させる(当該変動表示に係る変動時間の計時を一時停止する)という制約を利用して、当該変動表示が終了するまでの残時間に係る情報表示を演出的に行う際に、この当該変動表示の中断した時間値を上乗せしたかたちで上記残時間を報知することで、小当り遊技が発生することで上記残時間が増えれば増えるほど、遊技者に出玉感や小当りの連続感を十分に感得させることができ(従来にない斬新な出玉感のある演出を行うことができ)、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
<第2実施形態の変形例1>
上記第2実施形態においては、遊技状態が潜伏確変遊技状態であるときに、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り種別(大当り図柄の種類)に依らず、常に変動時間が長時間(10分)に設定された変動パターンPA4−4が選択されて、その第1特別図柄の大当り変動表示中に無敵ゾーン演出およびタイマ上乗せ演出を実行するように構成しているが、この構成に限定されるものではなく、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り種別に応じて異なる変動パターン(変動時間)が選択され得るようにして、特定の変動パターンが選択された場合にのみ、その第1特別図柄の大当り変動表示中(特定の変動パターンに基づく変動表示中)に無敵ゾーン演出およびタイマ上乗せ演出を実行するように構成してもよい。この特定の変動パターンは、第1特別図柄の変動時間が極めて長時間(例えば10分)に設定された変動パターンであることが好適である。一方、それ以外の非特定の変動パターンは、特定の変動パターンと比べて、第1特別図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば1分)に設定された変動パターンであることが好適である。
具体的には、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなるとき、その大当り種別が通常遊技状態、時短遊技状態又は確変遊技状態への移行契機となる大当りである場合に、第1特別図柄の変動パターンとして、極めて長時間(10分)に設定された特定の変動パターンが選択され、その第1特別図柄の大当り変動表示中に無敵ゾーン演出およびタイマ上乗せ演出を実行するように構成する。その構成によれば、第1特別図柄の大当り変動表示中に無敵ゾーン演出および残変動時間報知演出が実行された場合は、その大当り遊技の終了後に潜伏確変遊技状態(小当りRUSHモード)に再突入することにはならないが、当該演出の実行中は小当りRUSHモードが終了することがないため、その間に遊技者は小当りRUSHモードを十分に堪能することができる。
一方、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなるとき、その大当り種別が潜伏確変遊技状態への移行契機となる大当りである場合にのみ、第1特別図柄の変動パターンとして、極めて長時間(10分)に設定された特定の変動パターンが選択され、その第1特別図柄の大当り変動表示中に無敵ゾーン演出および残変動時間報知演出を実行するように構成してもよい。その構成によれば、第1特別図柄の大当り変動表示中に無敵ゾーン演出およびタイマ上乗せ演出が実行された場合に、当該演出の実行中は小当り遊技の頻発により出玉の増加が得られるという特典と、その大当り遊技の終了後も潜伏確変遊技状態に再突入するという特典とを遊技者に対して付与することができるため、無敵ゾーン演出およびタイマ上乗せ演出が発生することへの遊技者の期待感を一層高めることが可能となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第3実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態のぱちんこ遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、第1実施形態と共通の構成を適用することが可能である。
図52は、第3実施形態のぱちんこ遊技機の正面図である。遊技盤20の前面には、外レール41及び内レール42が円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成されている。この遊技領域PAの略中央にはセンター飾り21が配設されており、このセンター飾り21の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。また、遊技領域PAは、略中央のセンター飾り21を基準として、センター飾り21の左側の領域(左打ちに対応した盤面領域)である左側領域PA1と、センター飾り21の右側の領域(右打ちに対応した盤面領域)である右側領域PA2とに区画される。センター飾り21の上部には、左側領域PA1と右側領域PA2とを繋ぐ導入通路44が設けられており、右打ちされた遊技球が導入通路44を通過して右側領域PA2に到達できるようになっている。
センター飾り21の下方の領域には、上第1始動口51Aが配置されている。上第1始動口51Aは、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ511Aを備えている。この上第1始動口51Aは、上方に向けた開口された常時開放型の入賞口であり、主として左側領域PA1を流下する遊技球(左打ちした遊技球)が入球可能となっている。上第1始動口51Aへの遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
上第1始動口51Aの下方には、下第1始動口51Bが配置されている。下第1始動口51Bは、上述の上第1始動口51Aと同様に、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、主として左側領域PA1を流下する遊技球(左打ちした遊技球)が入球可能となっている。この下第1始動口51Bへの遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。下第1始動口51Bは、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ511Bと、一般に電チューと称される普通電動役物512と、この普通電動役物512を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド513とを備える。普通電動役物512は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が下第1始動口51Bに入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。つまり、普通電動役物512は、開放状態に変位しなければ遊技球が下第1始動口51Bへ入球し難い構造となっており、後述の所定の契機(普通図柄抽選に当選する契機)で開放状態となると遊技球の入球容易性が高くなる。
下第1始動口51Bの左方には、作動ゲート53が配置されている。作動ゲート53は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ531を備えている。なお、作動ゲート53への遊技球の通過は、下第1始動口51Bを開放状態とするか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
センター飾り21の右方の領域(右側領域PA2)には、第2始動口52が配置され、その左斜め下方には大入賞口54が配置されている。第2始動口52は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ521を備えている。この第2始動口52は、上方に向けて開口された常時開放型の入賞口であり、主として右側領域PA2を流下する遊技球(右打ちした遊技球)が入球可能となっている。第2始動口52への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。
大入賞口54は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選結果が大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。大入賞口54は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ541と、一般にアタッカーと称される特別電動役物542と、この特別電動役物542を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイド543とを備えている。特別電動役物542は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が大入賞口54に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)においては、遊技球を発射する際に、右側領域PA2を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口54への入球が容易となっている。
第3実施形態において、左側領域PA1を流下する遊技球は、主として、上第1始動口51A、下第1始動口51B(普通電動役物512)、作動ゲート53のいずれかに入球可能である。一方、右側領域PA2を流下する遊技球は、主として、第2始動口52又は大入賞口54に入球可能である。
続いて、第3実施形態における遊技状態について説明する。第3実施形態では、複数種の遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態が設定されている。
図53は、第3実施形態における遊技状態設定テーブルを示す模式図である。遊技状態設定テーブルには、各大当り種別(図柄群の種類)に対して、その大当り遊技の終了後に移行する遊技状態が設定されている。この第3実施形態の大当り種別(図柄群の種類)は、第1実施形態の大当り種別(図柄群の種類)と同様であり、第1特別図柄の大当り種別(図柄群の種類)として、「10R特定大当り(図柄群A)」、「4R特定大当り1(図柄群B)」、「4R特定大当り2(図柄群C)」、「4R通常大当り(図柄群D)」を有し、第2特別図柄の大当り種別(図柄群の種類)として、「10R特定大当り(図柄群E)」、「6R特定大当り1(図柄群F)」、「4R特定大当り1(図柄群G)」、「4R特定大当り2(図柄群H)」、「2R通常大当り(図柄群I)」を有する。この第3実施形態において、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り遊技の終了後の遊技状態は、(A)大当り種別(図柄群の種類)と、(B)大当り当選時の遊技状態とに応じて設定される。なお、各遊技状態の継続回数(特別図柄の変動表示の回数)は、特別図柄の確率変動機能が作動する確率変動回数(確変作動回数)と、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する変動時間短縮回数(時短作動回数)と、電チューサポート機能が作動する入球容易状態回数(電サポ作動回数)とに基づき設定される。なお、特別図柄の確率変動機能は、次回の大当りが発生するまで継続するものとしてもよい。また、確率変動回数として、実質的に次回の大当り発生までの変動表示回数に相当する「10000回」を設定してもよい。
第1特別図柄において「10R特定大当り(図柄群A)」、「4R特定大当り1(図柄群B)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として潜伏確変遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に潜伏確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、入球容易状態回数「0回」が設定される。従って、潜伏確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで潜伏確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで潜伏確変遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。
第1特別図柄において「4R特定大当り2(図柄群C)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、入球容易状態回数「100回」が設定される。従って、確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで確変遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。
第1特別図柄において「4R通常大当り(図柄群D)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「70回」、入球容易状態回数「70回」が設定される。従って、時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達するまで、又は、この特定回数(70回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで時短遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。
第2特別図柄において「10R特定大当り(図柄群E)」、「6R特定大当り(図柄群F)」、「4R特定大当り1(図柄群G)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に応じて、その大当り遊技の終了後に設定される遊技状態が異なる。具体的には、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態である場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定され、大当り当選時の遊技状態が時潜伏確変遊技状態である場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態として潜伏確変遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、入球容易状態回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後に潜伏確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、入球容易状態回数「0回」が設定される。従って、確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで確変遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。同じく、潜伏確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで潜伏確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで潜伏確変遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。
第2特別図柄において「4R特定大当り2(図柄群H)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、入球容易状態回数「100回」が設定される。従って、確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで確変遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。
第2特別図柄において「2R通常大当り(図柄群I)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「70回」、入球容易状態回数「70回」が設定される。従って、時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達するまで、又は、この特定回数(70回)以内に次の大当りが発生するまで継続し、特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行し、次の大当りが発生することで時短遊技状態が終了する場合は、その大当り図柄の種類(大当り種別)に応じた遊技状態へ大当り遊技の終了後に移行する。
続いて、第3実施形態における特別図柄の変動時間(変動パターン)について説明する。図54は、第3実施形態における特別図柄の変動時間の比較表である。なお、この第3実施形態では、特別図柄の変動パターンテーブルの図示を省略しているが、実際には、第1実施形態と同様に、特別図柄の変動時間(変動パターン)は、特別図柄の変動パターンテーブルを参照して選択される。
図中(A)には、遊技状態が通常遊技状態である場合における特別図柄の変動時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「3秒〜60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜90秒」に設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果が小当り又ははずれである場合は「10分」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜90秒」に設定されている。すなわち、第2特別図柄の変動時間については、当否判定の結果が大当りとなる場合以外は、他の変動時間と比較して極めて長い変動時間(10分)が設定されている。
図中(B)には、遊技状態が時短遊技状態である場合における特別図柄の変動時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「1秒〜60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」が設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれ又は小当りである場合は「10分」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」に設定されている。すなわち、第2特別図柄の変動時間については、当否判定の結果が大当りとなる場合以外は、他の変動時間と比較して極めて長い変動時間(10分)が設定されている。
図中(C)には、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合における特別図柄の変動時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「1秒〜60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」が設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれ又は小当りである場合は「0.5秒〜1秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」に設定されている。すなわち、第2特別図柄の変動時間については、当否判定の結果が大当りとなる場合以外は、他の変動時間と比較して極めて短い変動時間(0.5秒〜1秒)が設定されている。
図中(D)には、遊技状態が確変遊技状態である場合における特別図柄の変動表示時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「1秒〜60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」が設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれ又は小当りである場合は「10分」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」に設定されている。すなわち、第2特別図柄の変動時間については、当否判定の結果が大当りとなる場合以外は、他の変動時間と比較して極めて長い変動時間(10分)が設定されている。なお、その変形例として、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態における第2特別図柄の小当り変動表示については、例えば「10分」、「11分」、「12分」など、変動時間が極めた長時間に設定された超ロング変動を複数パターン備えていてもよい。さらに、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態における第2特別図柄のはずれ変動表示についても、例えば「10分」、「11分」、「12分」など、変動時間が極めた長時間に設定された超ロング変動を複数パターン備えていてもよい。
続いて、第3実施形態における普通図柄抽選について説明する。図55は、第2実施形態における普通図柄抽選の説明に供する模式図である。図中(A)は普通図柄当否抽選テーブル、図中(B)は普通図柄変動パターンテーブル、図中(C)は普通電動役物開放パターンテーブルを示している。
普通図柄の当り確率は、図55(A)に示すように、電チューサポート機能が作動していない場合は「160/283」に設定され、電チューサポート機能が作動している場合は「282/283」に設定されている。
普通図柄の変動時間は、図55(B)に示すように、電チューサポート機能が作動していない場合は「20秒」に設定され、電チューサポート機能が作動している場合は「1秒」に設定されている。
普通電動役物522の開放パターンは、図55(C)に示すように、電チューサポート機能が作動していない場合は「0.1秒の開放」に設定され、電チューサポート機能が作動している場合は「4秒の開放」に設定されている。
かかる構成の第3実施形態では、遊技状態が通常遊技状態(低確率/低ベース状態)である場合、左打ち(左側領域PA1を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を上第1始動口51Aに入球させて、第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。なお、遊技状態が通常遊技遊技状態である場合、右打ち(右側領域PA1を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第2始動口52に入球させることもできるが、第2特別図柄の変動時間が極めて長時間に設定されているため(第2特別図柄の変動表示が終了するまでに要する時間が長くなるため)、著しく変動効率の悪い遊技を行うこととなり、右打ちにより遊技球を第2始動口52に入球させるよりも、左打ちにより遊技球を上第1始動口51Aに入球させる方が得策となる。
また、遊技状態が時短遊技状態(低確率高ベース状態)又は確変遊技状態(高確率/高ベース状態)に移行すると、電チューサポート機能が作動することで、下第1始動口51B(普通電動役物512)への遊技球の入球容易性が高まるため、左打ち(右側領域PA1を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を上第1始動口51A又は下第1始動口52に入球させて、第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。なお、遊技状態が時短遊技状態(低確率高ベース状態)又は確変遊技状態(高確率/高ベース状態)である場合、右打ち(右側領域PA1を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第2始動口52に入球させることもできるが、第2特別図柄の変動時間が極めて長時間に設定されているため(第2特別図柄の変動表示が終了するまでに要する時間が長くなるため)、著しく変動効率の悪い遊技を行うこととなり、右打ちにより遊技球を第2始動口52に入球させるよりも、左打ちにより遊技球を上第1始動口51A又は下第1始動口51Bに入球させる方が得策となる。
一方、遊技状態が潜伏確変遊技状態(高確率低ベース状態)に移行すると、この第2始動口52への遊技球の入球を契機として小当り遊技が頻発するという特徴的な遊技(小当りRUSH)が行われることで、左打ちにより遊技球を上第1始動口51Aに入球させるよりも、右打ちにより遊技球を第2始動口52に入球させる方が得策となり、その結果、第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。
ここで、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合、前述の第1実施形態と同様に、第2始動口52に遊技球を入球させて第2特別図柄の変動表示を高頻度で行い、次の大当りが発生するまでの間、小当り遊技を高頻度で実行させることになる。それにより、小当り遊技を実行する度に大入賞口54に2〜3個程度の遊技球を入球させて、毎回20〜30個程度の賞球を連続して獲得することで、持ち球を増加させることが可能となる。
なお、第3実施形態では、上記図53に示すように、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、該大当り当選時の遊技状態が潜伏確変遊技状態であるときのみ、該大当り遊技の終了後の遊技状態が潜伏確変遊技状態(小当りRUSHモード)に移行する。その理由として、遊技状態が通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態である場合は、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となるため、第2特別図柄の当否判定の結果が大当り(いわゆる事故当り)となった場合に、遊技者にとって最も有利な状態となる潜伏確変遊技状態(小当りRUSHモード)に移行させるのを抑制して、公正かつ公平な遊技を担保するためである。また、通常遊技状態において第2特別図柄の特定大当りが発生した場合に潜伏確変遊技状態ではなく確変遊技状態に移行させることで、通常遊技状態における右打ち(通常遊技状態おいても入球可能又は入球容易な第2始動口52を狙った右打ち)により第2特別図柄の特定大当りを獲得することで、通常遊技状態から潜伏確変遊技状態(小当りRUSHモード)へ強制突入するといった不正行為を防止することができる。
このように、第3実施形態では、遊技状態が通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態である場合は、左側領域PA1が遊技の主体領域となり、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合は、右側領域PA2が遊技の主体領域となる。なお、この第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、特別図柄の作動保留球に対する事前判定について、各遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象としてもよい。つまり、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態においては第1特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象とし、潜伏確変遊技状態においては第2特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象とすることが好適である。また、この第3実施形態において、特別図柄の変動時間短縮機能については、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、少なくともその遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の変動時間が短縮されていればよい。つまり、第3実施形態において、特別図柄の変動時間短縮機能が作動していると言えるのは、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態)では第1特別図柄の変動時間が短縮され、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(潜伏確変遊技状態)では第2特別図柄の変動時間が短縮されていればよい。
続いて、第3実施形態における図柄確定信号について説明する。この第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態であれば、第1特別図柄の変動表示が停止されたことを契機として図柄確定信号がオン出力され、第2特別図柄の変動表示が遊技の手段となる遊技状態であれば、第2特別図柄の変動表示が停止されたことを契機として図柄確定信号がオン出力される。
具体的には、電チューサポート機能が非作動の状態において特別図柄の確率変動機能および特別図柄の変動時間短縮機能が同時に作動を開始してから、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が合計100回(規定ST回数)停止してその確定表示時間(停止表示時間)が経過するまでの間に、第1特別図柄の変動表示が停止した場合は、該第1特別図柄の変動表示が停止したことを契機として図柄確定信号はオン出力されない。つまり、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合は、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となるため、第1特別図柄の変動表示が停止したことを契機として、図柄確定信号がオン出力されることはない。
一方、電チューサポート機能が非作動の状態において特別図柄の確率変動機能および特別図柄の変動時間短縮機能が同時に作動を開始してから、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が合計100回(規定ST回数)停止してその確定表示時間(停止表示時間)が経過するまでの間以外に、第2特別図柄の変動表示が停止した場合は、該第2特別図柄の変動表示が停止したことを契機として図柄確定信号はオン出力されない。つまり、遊技状態が通常遊技状態、時短遊技状態又は確変遊技状態である場合は、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となるため、第2特別図柄の変動表示が停止したことを契機として、図柄確定信号はオン出力されない。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第4実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態のぱちんこ遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、第4実施形態と共通の構成を適用することが可能である。
図56は、第4実施形態のぱちんこ遊技機の正面図である。遊技盤20の前面には、外レール41及び内レール42が円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成されている。この遊技領域PAの略中央にはセンター飾り21が配設されており、このセンター飾り21の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。また、遊技領域PAは、略中央のセンター飾り21を基準として、センター飾り21の左側の領域(左打ちに対応した盤面領域)である左側領域PA1と、センター飾り21の右側の領域(右打ちに対応した盤面領域)である右側領域PA2とに区画される。センター飾り21の上部には、左側領域PA1と右側領域PA2とを繋ぐ導入通路44が設けられており、右打ちされた遊技球が導入通路44を通過して右側領域PA2に到達できるようになっている。
センター飾り21の下方の領域には、第1始動口51が配置されている。第1始動口51は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ511を備えている。この第1始動口51Aは、上方に向けた開口された常時開放型の入賞口であり、主として左側領域PA1を流下する遊技球(左打ちした遊技球)が入球可能となっている。第1始動口51への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
センター飾り21の右方の領域(右側領域PA2)には、第2始動口52が配置され、その左斜め下方には大入賞口54が配置されている。ている。第2始動口52は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ521を備えている。この第2始動口52は、上方に向けて開口された常時開放型の入賞口であり、主として右側領域PA2を流下する遊技球(右打ちした遊技球)が入球可能となっている。第2始動口52への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。
大入賞口54は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選結果が大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。大入賞口54は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ541と、一般にアタッカーと称される特別電動役物542と、この特別電動役物542を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイド543とを備えている。特別電動役物542は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が大入賞口54に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)においては、遊技球を発射する際に、右側領域PA2を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口54への入球が容易となっている。
第4実施形態では、左側領域PA1を流下する遊技球は、主として、第1始動口51に入球可能である。一方、右側領域PA2を流下する遊技球は、主として、第2始動口52又は大入賞口54に入球可能である。なお、この第4実施形態においては、第1始動口51および第2始動口52が非可変式の始動口(常時開放式の始動口)として構成されているため、普通電動役物は搭載されていない。
続いて、第4実施形態における大当り種別(大当り内訳)について説明する。図57は、第4実施形態における大当り内訳として特別図柄大当り図柄テーブルを示す模式図である。
図57(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に応じて、3種類の大当り種別が設定されている。具体的には、10R特定大当り(図柄群A)と、4R特定大当り(図柄群B)と、4R通常大当り(図柄群C)とに振り分けられる。10R特定大当り(図柄群A)は、大当り遊技の規定ラウンド数が10ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。4R特定大当り(図柄群B)および4R通常大当り(図柄群C)は、大当り遊技の規定ラウンド数が4ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。
図57(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に応じて、2種類の大当り種別が設定されている。具体的には、10R特定大当り(図柄群D)と、4R通常大当り(図柄群E)とに振り分けられる。10R特定大当り(図柄群D)は、大当り遊技の規定ラウンド数が10ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。4R通常大当り(図柄群E)は、大当り遊技の規定ラウンド数が4ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。
続いて、第4実施形態における特別図柄の変動時間(変動パターン)について説明する。図58は、第4実施形態における特別図柄の変動時間の比較表である。なお、この第4実施形態では、特別図柄の変動パターンテーブルの図示を省略しているが、実際には、第1実施形態と同様に、特別図柄の変動時間(変動パターン)は、特別図柄の変動パターンテーブルを参照して選択される。
図中(A)には、遊技状態が第1遊技状態(低確率状態)である場合における特別図柄の変動時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「3秒〜60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」に設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果が小当り又ははずれである場合は「10分」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」に設定されている。すなわち、第2特別図柄の変動時間については、当否判定の結果が大当りとなる場合以外は、他の変動時間と比較して極めて長い変動時間(10分)が設定されている。
図中(B)には、遊技状態が第2遊技状態(高確率状態)である場合における特別図柄の変動時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「1秒〜60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」が設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれ又は小当りである場合は「0.5秒〜1秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」に設定されている。すなわち、第2特別図柄の変動時間については、当否判定の結果が大当りとなる場合以外は、他の変動時間と比較して極めて短い変動時間(0.5秒〜1秒)が設定されている。なお、その変形例として、第1遊技状態における第2特別図柄の小当り変動表示については、例えば「10分」、「11分」、「12分」など、変動時間が極めた長時間に設定された超ロング変動を複数パターン備えていてもよい。さらに、第1遊技状態における第2特別図柄のはずれ変動表示についても、例えば「10分」、「11分」、「12分」など、変動時間が極めた長時間に設定された超ロング変動を複数パターン備えていてもよい。
この第4実施形態では、複数種の遊技状態として、大当り確率が相対的に低確率(約1/329)に設定された第1遊技状態と、大当り確率が相対的に高確率(約1/80)に設定された第2遊技状態とが設定されている。なお、第1遊技状態は、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当り種別として、「4R通常大当り」に当選したことを契機にその大当り遊技の終了後に設定される遊技状態である。また、第2遊技状態は、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当り種別として、「10R特定大当り」又は「4R特定大当り」に当選したことを契機にその大当り遊技の終了後に設定される遊技状態である。
遊技状態が第1遊技状態(低確率状態)である場合、左打ち(左側領域PA1を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第1始動口51に入球させて、第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。なお、遊技状態が第1遊技状態である場合、右打ち(右側領域PA1を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第2始動口52に入球させることもできるが、第2特別図柄の変動時間が極めて長時間に設定されているため(第2特別図柄の変動表示が終了するまでに要する時間が長くなるため)、著しく変動効率の悪い遊技を行うこととなり、右打ちにより遊技球を第2始動口52に入球させるよりも、左打ちにより遊技球を第1始動口51に入球させる方が得策となる。
一方、遊技状態が第2遊技状態(高確率状態)である場合、第2始動口52への遊技球の入球を契機として小当り遊技が頻発するという特徴的な遊技(小当りRUSH)が行われることで、左打ちにより遊技球を第1始動口51に入球させるよりも、右打ちにより遊技球を第2始動口52に入球させる方が得策となり、その結果、第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。よって、この第4実施形態においても、遊技状態が第2遊技状態である場合は、前述の第1〜第3実施形態と同様に、第2始動口52への遊技球の入球を契機として小当り遊技が頻発する小当りRUSHモードが実行される。
[共通変形例]
次に、第1実施形態〜第4実施形態の共通変形例について説明する。この共通変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態〜第4実施形態のうちのいずれかの遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
<共通変形例1>
上記実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)に基づき確変移行の有無を判定するノーマル確変遊技機を採用しているが、この構成に限定されるものではなく、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域に入球するか否かに応じて確変移行の有無を判定するV確変遊技機を採用してもよい。また、上記実施形態の遊技機の変形例として、予め設定されたリミット回数(上限回数)を限度として、第1特別図柄又は第2特別図柄で大当りとなることを契機として付与される確変遊技状態又は潜伏確変遊技状態の連続回数を制限するためのリミッタ機能を備えた遊技機を採用してもよい。また、上記実施形態では、特別図柄の確率変動機能が規定ST回数(例えば100回)だけ継続して作動する回数切り確変機を例示したが、特別図柄の確率変動機能が大当り遊技の終了後から次の大当りが発生するまでの間、継続するノーマル確変機として構成してもよい。
<共通変形例2>
上記実施形態では、遊技領域に大入賞口を1つのみ搭載した機種を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、遊技領域に複数の大入賞口を搭載した機種を適用してもよい。また、複数の大入賞口を搭載した機種を採用する場合、上記のV確変遊技機として、特別図柄の確率変動機能の作動契機となる特定領域(確率変動機能作動領域、V領域)を備えた第1の大入賞口と、この特定領域(確率変動機能作動領域、V領域)を備えていない第2の大入賞口との、2つ以上の大入賞口を搭載するものでよい。その盤面配置例としては、遊技領域の右側領域に第1の大入賞口と第2の大入賞口とを略上下又は略左右に並べて配置してもよいし、第1の大入賞口が配置される盤面領域と、第2の大入賞口が配置される盤面領域とを異なる領域としてもよい。なお、その場合には遊技球が第1の大入賞口に入球した場合に払い出される賞球数(単位賞球数)と、遊技球が第2の大入賞口に入球した場合に払い出される賞球数(単位賞球数)とを同数としても相違するものとしてもよい。また、二つの大入賞口のうち、第1大入賞口(又は第2大入賞口)を小当り遊技用の大入賞口、第2大入賞口(又は第1大入賞口)を大当り遊技用の大入賞口として構成してもよい。その場合には、小当り遊技用の大入賞口の賞球数(単位賞球数)は10個、大当り遊技用の大入賞口の賞球数(単位賞球数)は15個などとしてもよい。
<共通変形例3>
上述の実施形態では、複数種の遊技状態のうち、潜伏確変遊技状態を特別図柄の確率変動機能および特別図柄の変動時間短縮機能が作動し、電チューサポート機能が作動していない遊技状態として定義したが、これに限定されるものではなく、潜伏確変遊技状態を特別図柄の確率変動機能のみが作動し、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動していない遊技状態と定義してもよい。また、特別図柄の変動時間短縮機能を、第1特別図柄の変動時間短縮機能と第2特別図柄の変動時間短縮機能とに機能分割して、潜伏確変遊技状態を特別図柄の確率変動機能および第2特別図柄の変動時間短縮機能が作動し、電チューサポート機能が作動していない遊技状態として規定してもよい。また、電チューサポート機能は、特別図柄の変動時間短縮機能(第2特別図柄の変動時間短縮機能)と同期して作動するものでも、特別図柄の変動時間短縮機能(第2特別図柄の変動時間短縮機能)と独立して作動するものでもよい。
次に、上記実施形態(第1〜第4実施形態)および変形例の技術的意義をより明瞭に把握し易くするために、上記実施形態および変形例に対応する課題について概説しておく。
従来機種のぱちんこ遊技機では、上記当否判定の結果が小当りに該当する場合、大当り遊技よりも獲得利益が相対的に低く設定された小当り遊技を実行するものが知られている(例えば、「特開2012−152370号公報」を参照)。
従来機種のぱちんこ遊技機では、当否判定の当選確率が通常確率に設定された通常遊技状態や、当否判定の当選確率が通常確率よりも高められた有利遊技状態などの各種の遊技状態を備え、有利遊技状態において図柄の変動表示回数が所定回数に到達したことを契機として通常遊技状態へ移行するものが知られている(例えば、「特開2011−182873号公報」を参照)。
従来機種のぱちんこ遊技機では、例えば、当否判定の当選確率が高められた確変遊技状態や、当否判定の結果を示唆又は報知するための図柄変動の効率が高められた時短遊技状態などの各種の遊技状態を備え、その遊技状態が終了するまでの図柄変動の残回数を報知するものが知られている(例えば、「特開2003−210759号公報」を参照)。
従来機種のぱちんこ遊技機では、当否判定の結果が大当りとなった場合、その変動表示の終了時に停止表示される大当り図柄の種類に応じて、特別遊技の終了後の遊技状態が異なり得るものが知られている(例えば、「特開2011−120804号公報」を参照)。
従来機種のぱちんこ遊技機では、当該遊技機の稼働状況等に関する遊技情報を外部情報信号として、当該遊技機の外部に配置された外部装置に出力するものが知られている(例えば、「特開2006−325753号公報」特許文献1を参照)。
従来機種のぱちんこ遊技機では、当否判定の当選確率が高められた確変遊技状態や、当否判定の結果を示唆又は報知するための図柄変動の効率が高められた時短遊技状態などの各種の遊技状態を備え、その遊技状態の種類に応じた変動演出が展開されるようになっている(例えば、「特開2011−115441号公報」を参照)。
しかしながら、このような構成を採用するぱちんこ遊技機は、従来機種として既に多数存在しているため、従来機種との差別化を図るためには、更なる遊技の興趣性の向上が求められている。
そこで、上記実施形態および変形例に係るぱちんこ遊技機では、遊技の興趣性の向上を図ることを目的として、上記のような構成を採用し、上記のような作用効果を達成している。
なお、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。