JP2021072884A - 薬剤組成物が塗布されたマイクロニードルアレイ - Google Patents

薬剤組成物が塗布されたマイクロニードルアレイ Download PDF

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賢樹 石橋
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Hidetoshi Hamamoto
英利 濱本
大士 田中
Taishi Tanaka
大士 田中
河野 一輝
Kazuteru Kono
一輝 河野
豊原 清綱
Kiyotsuna Toyohara
清綱 豊原
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Abstract

【課題】穿刺性が低下せず、塗布した薬剤の剥落も起こらないマイクロニードルアレイを提供する。【解決手段】薬剤と添加剤を含有する薬剤組成物で塗布された剣山型マイクロニードルアレイであって、塗布・乾燥後の薬剤組成物のビッカース硬度が3以上であり、薬剤組成物の担持量が50〜250μg/(100本の微小針当たり)であることを特徴とする。ビッカース硬度が10以上であってもよい。また、前記添加剤は、10以上のビッカース硬度を持つ添加剤(硬度付与剤的な添加剤)であるか、3〜10のビッカース硬度を持つ添加剤であってもよい。【選択図】図6

Description

本発明は、コーティングされたマイクロニードルアレイに関するものである。特に、ワクチン等の低含量の薬剤を皮膚内に的確に挿入できるマイクロニードルアレイに関するものである。
近年、薬剤の経皮投与方法の一つとして、マイクロニードルアレイを使用する方法が盛んに試みられるようになって来た。それに伴い、薬剤をマイクロニードルアレイに保持させるために色々な工夫が試みられているが、一般的には、薬剤を溶媒に溶解してマイクロニードルアレイに塗布することが行われている。しかし、生分解性のポリ乳酸樹脂(PLA)やポリグリコール酸樹脂(PGA)から作製されたマイクロニードルアレイに薬剤溶液(例えば水溶液)を塗布する場合には、マイクロニードルアレイ表面に薬剤を定着させるために添加剤(高分子粘着性付与剤)の存在が不可欠である。例えば特許文献1では、薬剤と相溶性を有する多糖類(プルラン又はヒドロキシプロピルセルロース)をコーティング担体とすることが報告されている。更には、特許文献2には、PLA製のマイクロニードルアレイに対して、薬剤を担持させるための担体として、プルランやカルボキシビニルポリマー等が好ましいと報告されている。
また、特許文献3では、PLA製のマイクロニードルアレイに、卵胞刺激ホルモン等を塗布するための担体としては、プルランやスクロースが相溶性(均一に交わる性質)を持ち、好ましいと報告されている。
マイクロニードルアレイの塗布のために使用できる担体(添加剤)の具体例については、注射水溶液製剤と同様の安全性を担保する必要があるため、使用できる添加剤はかなり限定されてくる。そのため、多くの例では上記の特許文献1〜3に示されるような多糖類が使用されている。更に、使用する添加剤の性質によって、薬液の粘度が相違するため、薬剤の担持量が異なってくる。また、塗布回数を重ねると、マイクロニードルアレイの針先に付着した薬剤により、針先が鈍化し、穿刺性が不良になる。
このように添加剤の選択を適切にすることが、マイクロニードルアレイの穿刺性を維持すると共に、低含量の薬剤を確実に皮内に注入するために必要になっている。しかし、マイクロニードルアレイの穿刺性を維持し、ワクチンのような低含量の薬剤を効率的に皮内に挿入することについては、色々検討がなされているものの、未だ充分な解決策は見出されていない状況である。
再公表2009−051147号公報 国際公開2010/143689号パンフレット 再公表2010−074239号公報
本願発明は、マイクロニードルアレイに薬剤を塗布しても、穿刺性が低下せず、更にマイクロニードルアレイの穿刺の際にも、塗布したコーティング薬剤が剥落することなく、皮内に挿入できるマイクロニードルアレイを提供することを目的とする。更には、マイクロニードルアレイに塗布するためのコーティング組成物を提供することを目的とする。
本発明者らはこれまで、穿刺性の良好なマイクロニードルアレイ(WO2012/057345などを参照)を薬剤溶液に浸漬して乾燥させ、薬剤をマイクロニードルアレイの微小針に塗布させることを検討してきた(WO2012/057602を参照)。薬剤をマイクロニードルアレイに塗付し、付着させるためには、薬剤だけでは不十分であり、薬剤溶液に一定の粘性を与える添加剤が必要である。しかし、マイクロニードルアレイに担持させる薬剤の量が増加すれば、それに合わせて添加剤の量も増加するため、穿刺性が良好なマイクロニードルアレイであっても、薬剤溶液を塗布すると、マイクロニードルアレイの微小針の先端部が鈍化したり、微小針に塗付された薬剤が剥離する現象も起こってきた。
そこで、本発明者らは、50〜250μg/微小針(100本)の範囲の塗付量であれば、微小針の形状の変化が大きくないので、微小針の先端部の鈍化が大きくなく、微小針に塗付された薬剤が剥離し難いと考えた。この塗付量の範囲で、マイクロニードルアレイから脱落し難い薬剤組成物の検討を行なった。その結果、図2に示されるように、組成物の硬度(ビッカース硬度)が約3以上の場合に、マイクロニードルアレイから薬剤組成物の脱落が少なくなり、良好に皮膚内に穿刺、挿入されることを見出した。即ち、本発明者らは、ビッカース硬度を指標として塗布された薬剤組成物の硬度を計測することで、薬剤組成物が塗付されたマイクロニードルアレイの穿刺性と薬剤の皮膚内への挿入性を評価できることを明らかにした。
更に、本発明者らは、添加剤が同じでも使用する薬剤の種類によって、図1のように、塗布された薬剤組成物のビッカース硬度が変化することを見出した。一方、図9に示すように、薬剤が同じであれば(図1のOVAの場合と対比すると)、添加剤の種類が異なっても、塗布された薬剤組成物のビッカース硬度はあまり影響を受けず、薬剤の影響を受けやすいことが明らかとなった。
また、ビッカース硬度による添加剤の分類(接着剤的役割と硬度付与剤的役割)が可能となったので、この分類による2種の添加剤を組み合わせることにより、所望の硬度を作製できることが分かった。これにより、薬剤の添加による硬度の低下を回復できるようになり、薬剤組成物のビッカース硬度が約3以上に調節できるようになった。このような調節がビッカース硬度を用いて可能となったため、薬剤の如何にかかわらず、薬物組成物が担持されたマイクロニードルアレイの穿刺性が良好に維持できるようになり、薬剤を皮膚内に効率的に挿入できることを見出した。
本発明者らは、上記の知見に基づき、本発明を完成した。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)薬剤と添加剤を含有する薬剤組成物で塗布されたマイクロニードルアレイであって、
塗布・乾燥後の薬剤組成物のビッカース硬度が3以上であり、薬剤組成物の担持量が50〜250μg/(100本の微小針当たり)であることを特徴とする、マイクロニードルアレイ。
(2)上記ビッカース硬度が10以上である、上記(1)に記載のマイクロニードルアレイ。
(3)上記ビッカース硬度が12以上である、上記(1)に記載のマイクロニードルアレイ。
(4)上記添加剤が、10以上のビッカース硬度を持つ添加剤(硬度付与剤的な添加剤)であるか、3〜10のビッカース硬度を持つ添加剤であることを特徴とする、上記(1)に記載のマイクロニードルアレイ。
(5)上記添加物が、10以上のビッカース硬度を持つ添加剤(硬度付与剤的な添加剤)と、3〜10のビッカース硬度を持つ添加剤との混合添加剤であることを特徴とする、上記(1)に記載のマイクロニードルアレイ。
(6)上記3〜10のビッカース硬度を持つ添加剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウムである、上記(4)又は(5)に記載のマイクロニードルアレイ。
(7)上記添加剤が、3より低いビッカース硬度の添加剤(接着剤的な添加剤)と10以上のビッカース硬度の添加剤(硬度付与剤的な添加剤)の混合添加剤、あるいは3より低いビッカース硬度の添加剤と3〜10のビッカース硬度の添加剤との混合添加剤である、上記(1)に記載のマイクロニードルアレイ。
(8)上記ビッカース硬度が3より低い添加剤(接着剤的な添加剤)が、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、トレハロースの中から一つ以上が選択される、上記(7)に記載のマイクロニードルアレイ。
(9)上記ビッカース硬度が10以上である添加剤(硬度付与剤的な添加剤)が、デキストラン、ゼラチン、コラーゲン、ヒアルロン酸の中から一つ以上が選択される、上記(4)〜(8)のいずれかに記載のマイクロニードルアレイ。
(10)上記添加剤が、糖類ならびにその誘導体、コラーゲン、ゼラチン、ポリビニルピロリドンの中から一つ以上が選択されることを特徴とする、上記(1)に記載のマイクロニードルアレイ。
(11)上記糖類ならびにその誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸、トレハロース、ラクトース、スクロース、ソルビトール、プルラン、デキストランの中から一つ以上が選択されるものであることを特徴とする、上記(10)に記載のマイクロニードルアレイ。
(12)上記薬剤が、ペプチド、タンパク質、核酸、RNAであることを特徴とする、上記(1)〜(11)のいずれかに記載のマイクロニードルアレイ。
(13)上記薬剤が、ワクチンであることを特徴とする、上記(1)〜(12)のいずれかに記載のマイクロニードルアレイ。
(14)上記薬剤の含量が25w/w%以下であることを特徴とする、上記(1)〜(13)のいずれかに記載のマイクロニードルアレイ。
(15)上記混合添加剤として、接着剤的な添加剤が、混合添加剤全体の5〜20w/w%であることを特徴とする、上記(1)〜(14)のいずれかに記載のマイクロニードルアレイ。
(16)薬剤と添加剤を含有する薬剤組成物の溶液をマイクロニードルアレイに塗布し、乾燥することを特徴とする、塗布・乾燥後の薬剤組成物の担持量が50〜250μg/(100本の微小針当たり)であり、薬剤組成物のビッカース硬度が3以上である、ことを特徴とする、薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(17)上記ビッカース硬度が10以上である、上記(16)に記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(18)上記ビッカース硬度が12以上である、上記(16)に記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(19)上記添加剤が、10以上のビッカース硬度を持つ添加剤(硬度付与剤的な添加剤)であるか、3〜10のビッカース硬度を持つ添加剤であることを特徴とする、上記(16)に記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(20)上記添加物が、10以上のビッカース硬度を持つ添加剤(硬度付与剤的な添加剤)と、3〜10のビッカース硬度を持つ添加剤との混合添加剤であることを特徴とする、上記(16)に記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(21)上記3〜10のビッカース硬度を持つ添加剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウムである、上記(19)又は(20)に記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(22)上記添加剤が、3より低いビッカース硬度の添加剤(接着剤的な添加剤)とビッカース硬度が10以上である添加剤(硬度付与剤的な添加剤)の混合添加剤、あるいは3より低いビッカース硬度の添加剤と3〜10のビッカース硬度の添加剤との混合添加剤である、上記(16)に記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(23)上記ビッカース硬度が3より低い添加剤(接着剤的な添加剤)が、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、トレハロースの中から一つ以上が選択される、上記(22)に記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(24)上記ビッカース硬度が10以上である添加剤(硬度付与剤的な添加剤)が、デキストラン、ゼラチン、コラーゲン、ヒアルロン酸の中から一つ以上が選択される、上記(19)〜(23)のいずれかに記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(25)上記添加剤が、糖類ならびにその誘導体、コラーゲン、ゼラチン、ポリビニルピロリドンの中から一つ以上が選択されることを特徴とする、上記(16)に記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(26)上記糖類ならびにその誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸、トレハロース、ラクトース、スクロース、ソルビトール、プルラン、デキストランの中から一つ以上が選択されるものであることを特徴とする、上記(25)に記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(27)上記溶液が、水溶液である、上記(16)〜(26)のいずれかに記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(28)上記乾燥が、30℃以下の温度であることを特徴とする、上記(16)〜(27)のいずれかに記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(29)上記薬剤が、ペプチド、タンパク質、核酸、RNAであることを特徴とする、上記(16)〜(28)のいずれかに記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(30)上記薬剤が、ワクチンであることを特徴とする、上記(16)〜(29)のいずれかに記載の薬剤担持マイクロニードルアレイの製造方法。
(31)以下の工程からなる、所望のビッカース硬度を持った薬剤組成物を担持させたマイクロニードルアレイの製造方法であって、
1)硬度付与剤的な添加剤と接着剤的な添加剤を組み合わせて、接着剤的な添加剤が20w/w%以下の混合添加剤の溶液を作製する、
2)この混合添加剤の水溶液に全体量として25w/w%以下の薬剤を添加し、薬剤組成物の水溶液を作製する、
3)上記薬剤組成物の溶液を塗布乾燥させて薬剤組成物のビッカース硬度を測定する、
4)上記ビッカース硬度が、所望の硬度であれば、その薬剤組成物溶液をマイクロニードルアレイに塗布し、乾燥する
ことを特徴とする、薬剤組成物を担持させたマイクロニードルアレイの製造方法。
(32)上記接着剤的な添加剤の含量が、混合添加剤の5〜20w/w%であることを特徴とする、上記(31)に記載のマイクロニードルアレイの製造方法。
(33)上記接着剤的な添加剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、トレハロース、ソルビトールのいずれかであることを特徴とする、上記(31)又は(32)に記載のマイクロニードルアレイの製造方法。
(34)上記硬度付与剤的な添加剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸、ゼラチン、コラーゲン、デキストランの中から一つ以上選択されることを特徴とする、上記(31)〜(33)のいずれかに記載のマイクロニードルアレイの製造方法。
本発明の薬剤担持マイクロニードルアレイは、薬剤組成物のビッカース硬度が約3以上であり、マイクロニードルアレイ上に薬剤組成物が強固に担持できている。そのため、薬剤組成物は、皮膚穿刺時の摩擦に耐えて、マイクロニードルアレイと共に皮膚内に的確に挿入される。これにより、薬剤を的確に必要量の薬剤を皮膚内に注入することができる。この結果、本発明の薬剤組成物で塗布したマイクロニードルアレイは、低含量であっても定量性の高い投薬が要求される分野、例えばワクチン投与に対する適用が可能になり、マイクロニードルアレイの適用範囲が拡大できる。
更に、ビッカース硬度による添加剤の分類(接着剤的役割と硬度付与剤的役割)が可能になったので、この2種の添加剤を組み合わせることにより、所望の硬度を維持し、薬剤の添加による硬度の低下を補正できるようなった。このように、薬剤の種類にかかわらず、添加剤の組み合わせを検討することにより、薬剤組成物のビッカース硬度を好適なものに設定できるようになった。これにより、本発明の薬剤が塗付されたマイクロニードルアレイについては、薬剤にかかわらず、常に穿刺性を良好に調整できることになった。
薬剤組成物のビッカース硬度が、薬剤の種類と添加剤の組み合わせによって影響を受けることを表した図である。低分子化合物(塩酸リドカイン、メトクロプラミド)と高分子化合物の卵白アルブミン(OVA、分子量約4万5000)との間で、ビッカース硬度の変化は大きく異なることが示されている。また、同じ低分子化合物の間でも、メトクロプラミドの方が、ビッカース硬度の低下を起こし易いことが示されている。 本発明(実施例2)の薬剤組成物中のOVA含量とビッカース硬度(硬さ)の相関関係を示した図である。OVAの含量が増加するに伴い、ビッカース硬度が上昇して、OVA自体のビッカース硬度に収束することが示されている。 本発明(実施例2)の薬剤組成物のビッカース硬度(硬さ)とマイクロニードルアレイの穿刺率の相関関係を示した図である。穿刺率が90%以上になるには、ビッカース硬度が3以上であればよいことが示されている。 薬剤(塩酸リドカイン)組成物のビッカース硬度が、薬剤と各種の添加剤の組み合わせによって影響を受けることを表した図である。PVP(K-90、K−30、K−25)とカルボキシメチルセルロースNa(P−815c)と比較すると、カルボキシメチルセルロースNaの方が、ビッカース硬度が低い薬剤組成物を作製し易いと考えられる。 本発明の薬剤組成物を塗布したマイクロニードルアレイの製造に用いる装置の概略図である。 本発明(実施例2)で得られた薬剤組成物を担持したマイクロニードルアレイの側面図(顕微鏡写真)である。 本発明(実施例5)で得られた薬剤組成物を担持したマイクロニードルアレイの側面図(顕微鏡写真)である。 実施例5で得られた酢酸デスモプレシン塗布のマイクロニードルアレイを用いて、ラットの腹部皮膚を穿刺し30分間貼付してマイクロニードルアレイを留置した。このマイクロニードルアレイの貼付投与により、塗布された酢酸デスモプレシンの99%が皮膚内に投与されている。その時のラット血中濃度の推移を表したのが図8である。この血中濃度の変化から示されるように、皮膚内に投与された酢酸デスモプレシンが血中に速やかに移行していることが示されている。 実施例1の表1の結果を図示したものである。薬剤としてOVAを使用し、薬剤の含量によって、塗布乾燥後の薬剤組成物のビッカース硬度が、添加剤の種類によって、どのように変化するかを検討した。なお、単純化するため、薬剤と添加剤の2成分系でのビッカース硬度を測定した。
−本発明の第1の態様−
本発明の第1の態様とは、薬剤と添加剤等を含有する薬剤組成物で被覆されたマイクロニードルアレイに関する発明である。
本発明の「マイクロニードルアレイ」とは、高さが300〜1000μmの微小針が50〜200本/cm設置されているマイクロニードルアレイである。マイクロニードルアレイの素材は、樹脂、セラミックス、金属などからなるものを用いることがきる。さらには熱可塑性樹脂からなるものを用いるのがよく、生分解性の熱可塑性樹脂からなるものを用いることがさらに好ましい。そのようなものであれば、容易に大量生産が可能で、かつ、使用時の安全性をより担保できると考えられるからである。
本発明において、薬剤が塗布されるマイクロニードルアレイの部分は、できる限り先端部に近い部分にするのが好ましいが、最先端部の先鋭さを損なわないようにすることが好ましい。そのような状態で塗布を行うためには、例えば、薬液を充満した溝にマイクロニードルアレイを浸漬する方法(WO2010/056702)などを採用することができる。浸漬する深さ(マイクロニードルアレイに塗布する距離)を調節することで、薬剤の担持量ならびに塗布の位置を適宜調整することができる。例えば、マイクロニードルアレイの微小針の先端部から400μmの範囲までが塗布できれば好ましい。薬剤の担持量が少量でよい場合には、先端部から100μmの範囲までが塗布されていればよい。
なお、本発明のマイクロニードルアレイは、公知の製造方法を準用して製造することができる。例えば、WO2012/057345公報に準じて、本発明のマイクロニードルアレイを作製することができる。
本発明の「ビッカース硬度」とは、日本工業規格(JIS B7225、Z2244)に定められているものであり、対面角が136°のダイヤモンド正四角錐の圧子を試験片に押し込み、圧痕を付与したときの押し込み荷重と対角線長さから求めた表面積から算出されるものを言う。なお、本発明では、マイクロビッカース試験機((株)明石製作所製MVK−G2500)を用いてビッカース硬度を測定した。その結果、図3に示されるように、薬剤組成物のビッカース硬度が約3以上の場合に、マイクロニードルアレイの約90%において、薬剤組成物がマイクロニードルアレイから脱落せず、皮膚内に挿入されることが示された。また、ビッカース硬度が約10以上であれば、マイクロニードルアレイの約95%において、薬剤組成物が脱落せず、皮膚内に挿入できている。更に、ビッカース硬度が約12以上になれば、ほとんど薬剤組成物がマイクロニードルアレイから脱落せずに皮膚に挿入されることが分かった。
本発明の「薬剤」とは、医薬品として使用され、そのまま、あるいは親水性の溶媒などを添加し、水溶液にできる薬剤であれば特に限定されるものではない。特に、低含量で薬効を示す生理活性成分が望ましい。例えばペプチド、タンパク質、核酸、RNAなどが考えられる。例えばデスモプレシン、インターフェロン、エリスロポエチン、フォリトロピン、G−CSF、GM−CSF、ヒト絨毛性腺刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、カルシトニン、グルカゴン、インスリン、ヒト成長ホルモン等のタンパク質が挙げられる。また、日本脳炎ワクチン、ロタウイルスワクチン、ジフテリアワクチン、百日咳ワクチン、肺炎双球菌ワクチン、結核ワクチン、風疹ワクチン、麻疹ワクチン、ヘルペスウィルスワクチンあるいはDNAワクチン等を挙げることができる。
更には、薬剤が低分子化合物であっても、水溶性の高い塩基性薬物の塩酸塩、カルボン酸やリン酸、スルホン酸のアルカリ金属塩を有する低分子化合物を使用することができる。特に塩基性薬物として、水溶性が高ければ限定されるものではないが、例えば、塩酸リドカイン、塩酸モルヒネ、塩酸メクロプラミドなどを挙げることができる。また、カルボン酸やリン酸、スルホン酸のアルカリ金属塩を有する低分子化合物としては、例えばカルボン酸を有する化合物として、インドメタシンやジクロフェナクなどの非ステロイド性消炎鎮痛剤、例えばワクチン等のオリゴペプチド、タンパクを挙げることができる。リン酸を有する化合物としては、例えば核酸、オリゴヌクレオチド、RNAなどを挙げることができる。スルホン酸を有する化合物としては、例えばカルバゾクロムスルホン酸などを挙げることができる。
薬剤の含量は、薬剤毎に適宜設定される。例えば、薬剤の含量は、薬剤組成物の25w/w%以下、例えば、1〜25w/w%、1〜20w/w%または1〜10w/w%であってもよい。また、薬剤の含量は、例えば、マイクロニードルアレイの100本の微小針当たり0.01〜10000μg、0.1〜1000μg、0.1〜100μgまたは0.1〜10μgであってもよい。
本発明の「添加剤」とは、天然系添加剤として、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボシキメチルセルロースナトリウム等のセルロース系添加剤、例えばアルブミン、カゼイン、ゼラチン、コラーゲン等のタンパク質系添加剤、アルギン酸、カンテン、でんぷん、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸、トレハロース、ラクトース、スクロース、ソルビトール、プルラン、デキストラン等の糖類又はその誘導体を一つ以上選択して使用することができる。また、合成系添加剤として、例えばポリビニルアルコール系化合物、ポリアクリル酸系化合物、ポリグリコール酸系化合物、ポリアミド系化合物、ポリエステル系化合物、ポリビニルピロリドン(PVP)等のものを使用することができる。
本発明の添加剤は、生体との親和性が高く、また、皮膚刺激性等の少ないものが好ましいことから、天然系添加剤の使用が特に望ましい。天然系添加剤の中で好ましいものとしては、タンパク質系添加剤としては、例えばコラーゲン、ゼラチンを挙げることができる。糖類及びその誘導体としては、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、トレハロース、スクロース、ラクトース、果糖、ガラクトース、マンノース、マルトース、ブドウ糖、マンニトール、プルランを挙げることができる。より好ましいものとしては、トレハロース、ラクトース、スクロース、プルランを挙げることができる。特に好ましい添加剤としては、高分子量のカルボキシメチルセルロースナトリウムとヒドロキシプロピルセルロース、およびポリビニルピロリドンに、他の糖類及びその誘導体を添加して複数の添加剤の混合物を使用することができる。
本発明の薬剤組成物は、所望の特性を実現するために、添加剤の組合せ、及び薬剤との組み合わせに関して、ビッカース硬度を指標とすることによって、その組み合わせの内容と量比の範囲を調整し、好適な組成物を作製することができる。例えば、図1と図4に示されるように、使用する薬剤と添加剤の種類の組み合わせによって、薬剤組成物のビッカース硬度が大きく変化する。高分子量かつ水溶性の薬剤を用いると、薬剤組成物のビッカース硬度は比較的その量比に関わらず高めに保持される傾向があるため、薬剤の担持量を上げることができる。また、使用する薬剤が同じであれば、図9に示されるように、添加剤の種類にかかわらず、薬剤組成物においては、ほぼ同じビッカース硬度の変化を示す傾向が見られた。更に、複数の添加剤を組み合わせて、薬剤組成物のビッカース硬度が調整できることも見出した。
また、更なる目安として薬剤の分子量と分配係数(logP)を用いることも出来る。例えば、高分子量かつ水溶性の薬剤の場合であれば、分子量として800よりも大きく、より好ましくは1000よりも大きく、また、その分配係数が−2.5よりも小さいものは所望の特性のマイクロニードルアレイを与える上で好ましく用いることが出来る。例えば低分子量でかつ水溶性の薬剤の場合であれば、分子量として500より小さいものであれば、分配係数に係らず使用することができる。
なお、添加剤の組み合わせを調整して、所望のビッカース硬度を持つ薬剤組成物を作製するためには、例えば、薬剤組成物の水溶液の一部をガラス板に塗布乾燥して得られる薬剤組成物について、ビッカース硬度を測定する。その硬度が低い場合には、硬度を上げるために、より硬度の高い添加剤を追加し調整することができる。例えば、添加剤として、コラーゲン、ゼラチンあるいはデキストラン等の中から一つ以上の添加剤を添加する。添加剤添加後の薬剤組成物水溶液の一部をガラス板に塗付し、乾燥させて、ビッカース硬度を再度測定する。このようにビッカース硬度を計りながら、より硬度の高い添加剤の添加量を調整し、所望のビッカース硬度の薬剤組成物を作製することができる。
また、本願発明では、添加剤自体のビッカース硬度を測定することにより、添加剤の役割が2つに分類されることを見出した。即ち、薬剤組成物をマイクロニードルアレイに接着させるための接着剤的な役割を果たす添加剤と、薬剤組成物に硬さを付与する添加剤に分類されることが分かった。例えば、粘着剤自体のビッカース硬度が3より低い場合には、接着剤的な役割を果たす添加剤であり、ビッカース硬度が3〜10の場合には、接着剤と硬度付与剤の両方の役割を果たし、ビッカース硬度が10以上の場合には、硬度付与剤的な役割を果たす添加剤になることが分かった。接着剤的な添加剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、トレハロースを挙げることができる。硬度付与剤的な添加剤としては、例えばゼラチン、デキストラン、PVP、コラーゲン、ヒアルロン酸などを挙げることができる。接着剤と硬度付与剤的な性質を共に備えるような添加剤としては、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)を挙げることができる。従って、これらの添加剤を上述のように適宜、単独又は混合して所望のビッカース硬度の薬剤組成物を調整することができる。
本発明では、更に硬度を調整するために別の添加剤を用いることも出来る。例えば、硬度を低下させる必要がある場合には、より硬度の低い添加剤(例えばステアリン酸など)を混合することができる。また、硬度を上げたい場合には、より硬度の高い添加剤を混合することができる。以上のように、本発明では、ビッカース硬度を指標にして、薬剤と添加剤の適切な組み合わせを設計することができる。その結果、どのような種類の薬剤でも、ビッカース硬度が3以上の薬剤組成物を作製でき、皮膚内に確実に薬剤を挿入できるマイクロニードルアレイを作製できる。
−本発明の第2の態様−
本発明の第2の態様とは、薬剤と添加剤等を含有する薬剤組成物で被覆されたマイクロニードルアレイの製造方法に関する発明である。特に、ビッカース硬度を指標にして、硬度付与剤的な添加剤と接着剤的な添加剤を組み合わせて、混合添加剤を作製し、更に薬剤や酸化防止剤等の他の添加剤を添加混合して、所望のビッカース硬度を持つ薬剤組成物の溶液を作製し、これをマイクロニードルアレイに塗付することが本発明の製造方法である。要約すれば、本発明は、ビッカース硬度を指標として、薬剤組成物の硬度を制御して、穿刺性の高い、薬剤が担持されたマイクロニードルアレイを製造する方法である。
本発明の「溶液」とは、本発明で使用する薬剤と添加剤を溶解するものであれば特に限定はないが、常温で揮発しやすいものが好ましい。例えば、水又は親水性溶媒、あるいはそれらの混合溶液を挙げることができる。親水性溶媒としては、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、更には、混和できる量の有機溶媒、例えばエーテル、THF等のエーテル類、例えば酢酸エチルなどのエステル類、更にはそれらの混合溶媒を添加することができる。好ましくは、水や、水と親水性溶媒との混合溶媒を挙げることができる。なお、これらの溶液には、本発明の効果を妨げない範囲で、更に、pH調節剤、抗酸化剤、防腐剤等の添加物を含んでいても良い。これらの添加剤には、市販の試薬を適宜目的に応じて使用することができる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸等の有機酸とそれらのアルカリ金属塩からなる緩衝剤や例えば、リン酸等の無機酸とそれらのアルカリ金属塩の緩衝剤を挙げることができる。
抗酸化剤としてはアスコルビン酸、BHT、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、酢酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピルなどが挙げられる。
防腐剤としては、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸、パラオキシ安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル(プロピルパラベン)、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸イソブチル、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム等を挙げることができる。
本発明の「塗布」とは、上記のコーティング組成物を含有する溶液にマイクロニードルアレイの針先を浸漬する方法で塗布することを言う。塗布方法は、公知の方法を用いることができ、例えば、WO2012/056702公報に記載の方法を用いて実施することができる。
なお、本態様の用語で、本発明の第1の態様と共通する用語は、第1の態様と同じ意味を表わすものである。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に何等限定されるものではない。
(実施例1)塗布された薬剤組成物の硬さの評価
(1)添加剤を一定にして、硬度に対する薬剤の寄与を評価する
以下の薬剤組成物の水溶液を作製して、ガラス板に塗布し、乾燥後の薬剤組成物の硬度(ビッカース硬度)をマイクロビッカース試験機((株)明石製作所製MVK−G2500)を用いて測定した。
a)試剤(薬剤組成物の水溶液):
添加剤:ポリビニルピロリドン(PVP)K−90
薬剤: リドカイン(分配係数:2.7)、メトクロプラミド(分配係数:2.0)、卵白アルブミン(OVA)
水: 薬剤濃度が、0w/w%,25w/w%、50w/w%、75w/w%、100w/w%になるように調整した。
b)結果:
各薬剤組成物のビッカース硬度を測定すると、図1に示される結果が得られた。即ち、同じ添加剤を使用しても、含有する薬剤の種類と含量によって、薬剤組成物の硬度は大きく影響を受けることが示された。このことから、添加剤と薬剤の組み合わせだけでは、薬剤組成物の硬度は明確には予測ができず、具体的にビッカース硬度を測定しないことには、所定の硬度を担保できないことが明らかとなった。
(2)薬剤を一定にして、硬度に対する添加剤の寄与を評価する
薬剤を卵白アルブミン(OVA)に固定し、添加剤として、ソルビトール、トレハロース、デキストラン、ヒドロキシプロピルセルロースH(HPC−H)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)、ゼラチンを用いて、添加剤の含量が、0w/w%、25w/w%、50w/w%、75w/w%、100w/w%の薬剤組成物を作製して、上記(1)と同様にして、乾燥後の薬剤組成物のビッカース硬度を測定した。その結果を添加剤100%の場合のビッカース硬度に関して、ビッカース硬度が硬くなる順に並べて、以下の表1と図9に示す。
Figure 2021072884

[注記]
−:サンプルの硬度が柔らかく、適切な硬度の測定が困難。
上記表1と図9に示されるように、OVAの含量が0〜25w/w%の範囲では、薬剤組成物のビッカース硬度が、あまり変化しないことが示された。また、図1で示される添加剤がポリビニルピロリドンの結果と合わせて考えると、薬剤が同一であれば、添加剤の種類が変化しても、薬剤の含量が0〜25w/w%の範囲では、薬剤組成物のビッカース硬度が、添加剤100%の場合のビッカース硬度からあまり大きく変化しないことが示された。
更に、これらの添加剤は、添加剤100w/w%の場合のビッカース硬度の測定結果から、薬剤組成物の中で2種の役割を果たすことが分かった。即ち、薬剤組成物をマイクロニードルアレイに接着させるための接着剤的な役割を果たす添加剤と、薬剤組成物に硬さを付与する添加剤に分類される。例えば、添加剤自体のビッカース硬度が3より低い場合には、接着剤的な役割を果たす添加剤であり、ビッカース硬度が3〜10の場合には、接着剤と硬度付与剤の両方の役割を果たし、ビッカース硬度が10以上の場合には、硬度付与剤的な役割を果たす添加剤になることが分かった。
(3)添加剤の組み合わせによる硬度変化を評価する
上記(2)で添加剤が2種類(接着剤と硬度付与剤)の用途に使い分けられることが分かったことから、接着剤的な添加剤(例えば、ソルビトール、HPC−H、トレハロース)と硬度付与剤的な添加剤(例えば、ゼラチン、デキストラン)の組合せによる薬剤塗布組成物のビッカース硬度の変化を評価するため、以下の表2と表3の組成によるビッカース硬度を測定した。
Figure 2021072884
Figure 2021072884

[注記]
−:サンプルの硬度が柔らかく、適切な硬度の測定が困難。
上記表2に示されるように、接着剤的な添加剤と硬度付与剤的な添加剤を組み合わせると、接着剤的な添加剤の量が20w/w%になるまでは、混合添加剤のビッカース硬度は大きく変化しないことが明らかになった。即ち、ビッカース硬度の高い、硬い薬剤組成物を作製する場合には、硬度付与剤的な添加剤を主に使用し、接着剤的な添加剤を20w/w%以下の範囲で添加すると、薬剤組成物の硬度の低下が回避でき、マイクロニードルアレイの塗付用組成物として好ましいことが示された。
更に、接着剤的な添加剤が20〜40w/w%に増加すると、ビッカース硬度が急激に低下する(軟化する)ことが示された。このことから、接着剤的な添加剤を20〜40w/w%の範囲で、硬度付与剤的な添加剤に添加すれば、適宜、所望の硬度の混合添加剤を作製できることが分かった。
なお、接着剤的な添加剤同士の組み合わせでは、ビッカース硬度が低いままであることが示された。
(4)硬度付与剤的な添加剤に対する薬剤添加量の影響
上記(1)では、図1で示されるように、添加剤PVP(ビッカース硬度約12)を用いた場合、低分子化合物の添加量の増加により、薬剤組成物のビッカース硬度が低下することが示されている。そこで、添加剤として、ビッカース硬度が類似したゼラチン(ビッカース硬度11.6)を用いて、低分子化合物リドカインの添加により薬剤組成物の硬度がどう変化するかを評価した。即ち、添加剤自体のビッカース硬度が同じでも、添加剤の種類の相違によって、どのような変化が起こるかを検討した。その結果を以下の表4に示す。
Figure 2021072884

[注記]
−:サンプルの硬度が柔らかく、適切な硬度の測定が困難。
上記表4に示されるように、塩酸リドカインが添加されると、薬剤組成物のビッカース硬度は低下することが分かった。この結果は、図1の結果と同様であって、添加剤の種類には依らず、添加剤のビッカース硬度が同じレベルのものであれば、薬剤の添加に基づいて、同様のビッカース硬度の変化を示すことが明らかとなった。即ち、同じようなビッカース硬度の添加剤であれば、添加剤の種類には依存せず、添加する薬剤の種類と添加量に依存して、薬剤組成物のビッカース硬度が決まることが示された。
以上のことから、以下の手法により、所望のビッカース硬度の薬剤組成物が担持されたマイクロニードルアレイが作製できることが明らかとなった。
1)硬度付与剤的な添加剤と、20w/w%以下の接着剤的な添加剤を組み合わせて、硬度が維持された添加剤混合物を作製する。
2)この混合添加剤組成物に薬剤の一定量を添加して、その薬剤組成物の塗布乾燥組成物のビッカース硬度を測定する。
3)上記ビッカース硬度が、所望の硬度であれば、その薬剤組成物溶液をマイクロニードルアレイに塗布を行なう。
4)なお、上記ビッカース硬度が高ければ、接着剤的な添加剤を更に添加して、20w/w%より高い含量とすることによって、所望の硬度に調整する。
(実施例2)薬剤組成物の硬さとマイクロニードルアレイの穿刺率との相関性
薬剤組成物の硬さとマイクロニードルアレイの穿刺率の相関性を評価するため、約1cmに97本のマイクロニードルアレイ(針の長さ約600μm)を持つアレイを公知方法(WO2012/057345)に準じて作製し、これを用いて以下の薬剤組成液を塗布し、使用した。
(1)薬剤組成物
以下の表5の組成でコーティング組成物水溶液を調製し、マイクロニードルアレイに塗布した。塗布後、マイクロニードルアレイを摘出ラット皮膚に穿刺し、直後にマイクロニードルアレイを引き抜いた。穿刺後のマイクロニードルアレイの様子を顕微鏡(キーエンス社製デジタルマイクロスコープ VHX−2000)を用いて観察した。塗布された薬剤組成物が脱落せずに穿刺したものをカウントし,穿刺率とした。各薬剤組成物水溶液につき,N=3で実施した。
Figure 2021072884

[注記]
OVA:卵白アルブミン(血清アルブミンの分配係数 −0.4)
PVP K−90:ポリビニルピロリドンK-90
(2)塗布方法
図5に記載の塗布機(薬剤水溶液量:4ml)を使用した。
マイクロニードルアレイの浸漬深さ:約300μm、
上記マイクロニードルアレイに、塗布後、室温下(20〜25℃)で60秒間乾燥することを行った。塗布・乾燥を合計5回繰り返し、図6に示されるマイクロニードルアレイを得た。
(3)結果
これらの結果、図2に示されるように、OVAの含量が高くなれば、ビッカース硬度が上昇する(硬くなる)ことが分かった。この結果は、実施例1の結果を更にサポートする結果となっており、OVAのようなタンパク質は、薬剤組成物の硬さを向上させることが示された。
更に、ビッカース硬度と薬剤組成物の穿刺率との相関関係は、図3に示される傾向があることが分かった。即ち、ビッカース硬度が3以上になれば約90%の穿刺率を示し,10以上になれば、約95%以上の穿刺率を示した。更に、ビッカース硬度が12以上になれば、ほぼ薬剤組成物の脱落が生じないことが示された。
(実施例3)添加剤の種類(分子量の相違)とビッカース硬度の相関性
(1)試剤
薬剤:塩酸リドカイン
添加剤:PVP(K−90)、PVP(K−30)、PVP(K−25)、
CMCNa(セロゲンP−815c)
(2)方法
薬剤として塩酸リドカインを用い、下表6のような組成でコーティング組成物水溶液を調製した。調製したコーティング組成物水溶液をプレパラートに薄く塗布し、室温で乾燥した。乾燥後のプレパラートはシリカゲル存在下で保存した。乾燥後のコーティング組成物の硬度をマイクロビッカース試験機((株)明石製作所製MVK−G2500)を用いて測定した。
Figure 2021072884
(3)結果
測定したビッカース硬度は、図4に図示される。PVPの場合、分子量が小さくなる程(K−90>K−30>K−25)、ビッカース硬度が小さくなる傾向が見られた。また、PVPよりもCMCNaの方がビッカース硬度が低い(柔らかい)ので、塗布された薬剤組成物の可塑性が高くなり、皮膚に穿刺した際には、マイクロニードルアレイから脱落し易くなることが示された。
(実施例4)メトクロプラミドを含有する組成物で塗布されたマイクロニードルアレイ
(1)試剤
a)10%メトクロプラミドのヒアルロン酸組成物の溶液として、メトクロプラミド:10w/w%、ヒアルロン酸:2w/w%、水:88w/w%の水溶液を作製する。
b)10%メトクロプラミドのコラーゲン組成物の溶液として、メトクロプラミド:10w/w%、ヒアルロン酸:2w/w%、水:88w/w%の水溶液を作製する。
(2)塗布・評価方法
a)実施例1に準じて、ガラス板に上記a)〜b)のメトクロプラミド溶液を塗布し、乾燥後、ビッカース硬度を測定する。
b)実施例2に準じて、マイクロニードルアレイに上記a)〜b)のメトクロプラミド溶液を塗布し、マイクロニードルアレイの穿刺性とラット血中濃度の経時的変化を評価する。ラット血中濃度は、Wistarラット(雄性)6週令の腹部に上記2種のマイクロニードルアレイを各2個使用して穿刺する。テープでマイクロニードルアレイを腹部に固定貼付したまま0.5、1、2及び3及び5時間目に採血し,メトクロプラミドの血漿中濃度を測定する。
5時間目の採血後,マイクロニードルアレイを回収し、皮膚表面を拭き取ったキムワイプ及び回収マイクロニードルアレイから回収される、残存メトクロプラミド量を測定する。
(3)結果
メトクロプラミドのヒアルロン酸組成物とコラーゲン組成物は、良好なビッカース硬度と穿刺性を有すると共に、皮膚内にメトクロプラミドを効果的に挿入できる。
(実施例5)薬剤担持量と経皮吸収量の評価検討
約1cmに97本のマイクロニードルアレイ(針の長さ約600μm)を持つアレイを公知方法(WO2012/057345)に準じて作製し、これを用いて以下の薬剤担持量と経皮吸収量の評価試験を行なった。
(1)試剤(コーティング組成物の水溶液)
添加剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)F1400MC 0.5w/w% + ヒドロキシプロピルセルロース 1000−5000mPa・s 0.75w/w%
薬剤: 酢酸デスモプレシン(分配係数 −3.18) 1w/w%
水: 97.75w/w%
(2)塗布方法
図5に記載の塗布機(薬剤水溶液量:4ml)を使用した。
マイクロニードルアレイの浸漬深さ:約300μm、
上記マイクロニードルアレイに、塗布後、室温下(20〜25℃)で60秒間乾燥することを行った。塗布・乾燥を合計5回繰り返し、図7に示されるマイクロニードルアレイを得た。
(3)穿刺方法
9週令のSDラット(雄性)の腹部の毛をバリカン及びシェーバーで除毛した。
図7のマイクロニードルアレイをラットの皮膚に指で押圧しテープで固定した。1時間後にマイクロニードルアレイを取りはずした。
酢酸デスモプレシンの残存量(皮膚表面の残存量とマイクロニードルアレイの付着量)を評価するため、次のように酢酸デスモプレシンの回収処理を行った。
a)皮膚表面の酢酸デスモプレシンの残存量
エタノールを含浸させたキムワイプで皮膚表面を拭き取り、皮膚から回収された薬物量をHPLCで測定した。
b)マイクロニードルアレイ表面の酢酸デスモプレシンの残存量
回収されたマイクロニードルアレイを75%メタノールに浸漬し、回収した薬物量をHPLCで測定した。
(4)結果
皮膚表面やマイクロニードルアレイの表面に付着し残存する酢酸デスモプレシンの残存量(μg)を測定した。表7に結果を示す。
Figure 2021072884
上記表7に示されるように、酢酸デスモプレシン含有コーティング組成物は、薬剤残存量から、きわめて高い利用率で皮膚下に投与できることが分かった。
(実施例6)マイクロニードルアレイによる薬剤投与効果の比較評価
実施例5において、酢酸デスモプレシンの利用率を、デスモプレシンの血中濃度測定を行って確認した。
試剤
酢酸デスモプレシン塗布のマイクロニードルアレイ:実施例4の方法に準じて塗布・乾燥を行ない、酢酸デスモプレシンが約5μg担持されたマイクロニードルアレイを作製した。
(2)方法
9週令のSDラット(雄性)の腹部の毛をバリカン及びシェーバーで除毛した。マイクロニードルアレイ投与群は,酢酸デスモプレシンを塗布したマイクロニードルアレイをラットの皮膚に指で押圧して穿刺し、保護テープで状態を保持した.薬物投与後,5分,15分,30分,1時間,2時間で採血を行い,ラット血漿中の酢酸デスモプレシン濃度をHPLCで測定した.投与30分後の採血後にマイクロニードルアレイ投与群はマイクロニードルアレイを剥離し,エタノールを含浸させたキムワイプで皮膚表面を拭き取り、皮膚から回収された薬物量をHPLCで測定した.また,投与後のマイクロニードルアレイを75%メタノールに浸漬し、回収した薬物量をHPLCで測定した。
(3)結果
酢酸デスモプレシンのマイクロニードルアレイ投与によるラット血中濃度の推移は図8に示す。
また、マイクロニードルアレイ等の表面の酢酸デスモプレシンの残存量を補正すると、以下のように整理でき、AUCをまとめて以下の表8に示した。
Figure 2021072884
上記表8に示されるように、マイクロニードルアレイを皮膚に貼付後30分間で、マイクロニードルアレイに塗布された酢酸デスモプレシンの約99%が皮膚内に投与されている。しかも、図8に示されるように、酢酸デスモプレシンが血中に速やかに移行している。このように、マイクロニードルアレイを用いて効率的な皮下投与が可能であることが示された。
本発明の薬剤組成物が塗布されたマイクロニードルアレイは、薬剤組成物の脱落がほとんどなく、的確に皮膚内に薬剤を挿入できるものとなっている。それ故、低濃度であっても、所定の投与量を確実に皮内に投与することが必要とされる、ワクチン等の薬剤の投与に、本発明のマイクロニードルアレイが使用することができる。この結果、これまでの皮下注射の投与形式が一般的であった蛋白やワクチンの投与に代わり、本発明のマイクロニードルアレイを使用する、痛みのほとんどない薬剤投与が実施可能となった。

Claims (15)

  1. 薬剤と添加剤を含有する薬剤組成物で塗布された剣山型マイクロニードルアレイであって、
    塗布・乾燥後の薬剤組成物のビッカース硬度が3以上であり、薬剤組成物の担持量が50〜250μg/(100本の微小針当たり)であることを特徴とする、マイクロニードルアレイ。
  2. 上記ビッカース硬度が10以上である、請求項1に記載のマイクロニードルアレイ。
  3. 上記ビッカース硬度が12以上である、請求項1に記載のマイクロニードルアレイ。
  4. 上記添加剤が、10以上のビッカース硬度を持つ添加剤(硬度付与剤的な添加剤)であるか、3〜10のビッカース硬度を持つ添加剤であることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロニードルアレイ。
  5. 上記添加物が、10以上のビッカース硬度を持つ添加剤(硬度付与剤的な添加剤)と、3〜10のビッカース硬度を持つ添加剤との混合添加剤であることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロニードルアレイ。
  6. 上記3〜10のビッカース硬度を持つ添加剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウムである、請求項4又は5に記載のマイクロニードルアレイ。
  7. 上記添加剤が、3より低いビッカース硬度の添加剤(接着剤的な添加剤)と10以上のビッカース硬度の添加剤(硬度付与剤的な添加剤)の混合添加剤、あるいは3より低いビッカース硬度の添加剤と3〜10のビッカース硬度の添加剤との混合添加剤である、請求項1に記載のマイクロニードルアレイ。
  8. 上記ビッカース硬度が3より低い添加剤(接着剤的な添加剤)が、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、トレハロースの中から一つ以上が選択される、請求項7に記載のマイクロニードルアレイ。
  9. 上記ビッカース硬度が10以上である添加剤(硬度付与剤的な添加剤)が、デキストラン、ゼラチン、コラーゲン、ヒアルロン酸の中から一つ以上が選択される、請求項4〜8のいずれかに記載のマイクロニードルアレイ。
  10. 上記添加剤が、糖類ならびにその誘導体、コラーゲン、ゼラチン、ポリビニルピロリドンの中から一つ以上が選択されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロニードルアレイ。
  11. 上記糖類ならびにその誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸、トレハロース、ラクトース、スクロース、ソルビトール、プルラン、デキストランの中から一つ以上が選択されるものであることを特徴とする、請求項10に記載のマイクロニードルアレイ。
  12. 上記薬剤が、ペプチド、タンパク質、核酸、RNAであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のマイクロニードルアレイ。
  13. 上記薬剤が、ワクチンであることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載のマイクロニードルアレイ。
  14. 上記薬剤の含量が25w/w%以下であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載のマイクロニードルアレイ。
  15. 上記混合添加剤として、接着剤的な添加剤が、混合添加剤全体の5〜20w/w%であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載のマイクロニードルアレイ。
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